論文式試験問題集[公法系科目] 1 [公法系科目] 〔第1問〕(配点:100) A教団は, 理想の社会を追い求めて集団生活を営む信者のみが救済されるという教義を信奉しつ つ活動する宗教団体であった。 A教団には, 「暗黒」な部分を除去しなければ理想社会は実現できな いという信条を強く持つ信者も少なくなく, 200X年, 一部の過激な信者達が, 複数の官庁・企 業周辺で同時爆弾テロを実行し, その計画, 指示, 実行に当たった教団幹部や信者は逮捕された。 この同時爆弾テロは, A教団の活動として行われたわけではなかったが, A教団は自発的に解散せ ざるを得なくなった。 その2年後, A教団の元信者達は, 同教団の幹部であった甲を代表として, 新たにB教団を結成した。 B教団は, A教団当時に行われたテロ行為について深い反省の意思を表 明し, A教団との決別を宣言している。 しかし, 同時爆弾テロ事件で逮捕されなかったA教団の元 幹部が全員B教団の幹部となっており, B教団の教典もA教団の教典と同一である。 B教団の教義によると, 信者は集団で居住して修行しなければならないことになっており, B教 団結成に伴い, 集団居住のための新たな施設を建設する必要が生じた。 B教団は, かつてA教団の 施設があった幾つかの都道府県で本部施設の建設を計画したが, いずれも反対運動が起こり, 断念 せざるを得なかった。 そこで, B教団は, 新たに信者となった乙がC市にまとまった土地(敷地面 積1200平方メートル)を所有していたことから, 同土地の上に本部施設を建設することを計画 した。 当該施設は, 本部機能を有するとともに, 信者が集団で居住し, 修行する施設となるもので ある。 C市は, 特例市(地方自治法第252条の26の3第1項に基づき, 政令による指定を受けた市) である。 C市では, 以前から, 市民の間に良好な住環境を守ろうとする意識が強く存在し, 行政も それに積極的に対応してきている。 C市は, 安心して暮らせる安全で快適な住環境の維持に特に注 意を払い, 独自の「C市まちづくり条例」 (以下「条例」と表記)を制定している。 この条例は, 都 市計画法(都市計画法及び都市計画法施行令については, 資料1参照)上の許可制とは別に, C市 内の「まちづくり推進地区」に指定されている地域における1000平方メートル以上の開発事業 (大規模開発事業)について許可制を導入しており, 大規模開発事業を行おうとする者に対して, 事前手続として, 「周辺住民」の過半数が同意する開発事業協定の締結及び市との協議を義務付けて いる。 そして, 条例第18条第2項に定める要件に該当する場合には, 市長は, 当該開発事業を許 可しないことができる(条文については, 資料2参照)。 B教団本部施設の建設が計画されているD地区は, 都市計画法上は都市計画区域のうちの市街化 区域であり, 条例上は「まちづくり推進地区」に指定されている。 D地区は, C市の中でも住宅地 区として人気が高く, 常に各種ランキングで住んでみたい街の上位に位置していた。 C市の相談窓 口には, 「周辺住民」ばかりでなく, B教団の本部施設建設計画を知った市民からも, 問い合わせや 要望が多数寄せられるようになった。 B教団の本部施設建設計画は, 都市計画法上の許可要件を満たしている。 B教団は, 条例に基づ いて「周辺住民」を対象とする事前説明会を開催した。 この説明会には該当する住民の90%以上 が出席し, 出席した住民からは「テロリスト集団を引き継ぐB教団の本部新設は絶対に認められな い。 」といった趣旨の発言が相次いだ。 これに対して, B教団の信者から威圧的な発言があり, 出席 した住民は一層強い不安をかき立てられた。 そして, B教団との間での開発事業協定の締結に同意 する「周辺住民」は, 一人もいなかった。 市長は, B教団との事前協議(その内容については, 資 料3参照)の結果を踏まえ, 条例第17条第2項に基づいて開発事業の中止を勧告した。 しかし, B教団は, これに従わず, 計画を実施する構えを見せた。 そこで, 市長は, 条例第18条に基づい て, C市まちづくり審議会の意見を聴いた上で, B教団の開発事業計画を不許可とする処分を行っ た。 B教団は, C市を相手どって当該不許可処分の取消し等を求める訴えを提起した。 2 (出題者注:本問においては, 「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(平成11年 12月7日法律第147号)については考慮しないこととする。 ) 〔設 問〕 1. あなたがB教団の訴訟代理人だとすれば, この訴訟において, どのような憲法上の主張を行う か, 述べなさい。 2. 設問1で述べられた教団側の主張に対する市側の反論を想定した上で, 憲法上の諸問題を検討 し, あなた自身の見解を述べなさい。 3 資料1: 都市計画法及び都市計画法施行令 1 【都市計画法(昭和43年6月15日法律第100号)(抜粋)】 (目的) 第1条 この法律は, 都市計画の内容及びその決定手続, 都市計画制限, 都市計画事業その他都市 計画に関し必要な事項を定めることにより, 都市の健全な発展と秩序ある整備を図り, もつて国 土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 (都市計画の基本理念) 第2条 都市計画は, 農林漁業との健全な調和を図りつつ, 健康で文化的な都市生活及び機能的な 都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られ るべきことを基本理念として定めるものとする。 (定義) 第4条 2 1 (略) この法律において「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域を…いう。 3〜11 12 (略) この法律において「開発行為」とは, 主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供 する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 13〜16 (略) (都市計画区域) 第5条 1 都道府県は, 市…の中心の市街地を含み, かつ, 自然的及び社会的条件並びに人口, 土地利用, 交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して, 一体の都 市として総合的に整備し, 開発し, 及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定する ものとする。 (以下略) 2〜6 (略) (区域区分) 第7条 1 都市計画区域について無秩序な市街化を防止し, 計画的な市街化を図るため必要があ るときは, 都市計画に, 市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。 )を定 めることができる。 (以下略) 2 市街化区域は, すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に 市街化を図るべき区域とする。 3 (略) (開発行為の許可) 第29条 1 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は, あらか じめ, 国土交通省令で定めるところにより, 都道府県知事(地方自治法…第252条の19第1 項の指定都市, 同法第252条の22第1項の中核市又は同法第252条の26の3第1項の特 例市(以下「指定都市等」という。 )の区域内にあつては, 当該指定都市等の長。 以下この節にお いて同じ。 )の許可を受けなければならない。 ただし, 次に掲げる開発行為については, この限り ではない。 4 一 市街化区域, 区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う 開発行為で, その規模が, それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの 二〜十二 2, 3 (略) (略) (開発許可の基準) 第33条 1 都道府県知事は, 開発許可の申請があつた場合において, 当該申請に係る開発行為 が, 次に掲げる基準…に適合しており, かつ, その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく 命令の規定に違反していないと認めるときは, 開発許可をしなければならない。 一〜十四 2〜8 (略) (略) (出題者注:第33条にいう「都道府県知事」には, 第29条第1項により「特例市の長」も含む。 ) 2 【都市計画法施行令(昭和44年6月13日政令第158号) (抜粋)】 (法第29条第1項第1号の政令で定める規模) 第19条 法第29条第1項第1号の政令で定める規模は, 次の表の第1欄に掲げる区域 ごとに, それぞれ同表の第2欄に掲げる規模とする。 (以下略) 第1欄 市街化区域 (略) 2 第2欄 1000平方メートル (略) (略) 5 第3欄 第4欄 (略) (略) (略) (略) 資料2: C市まちづくり条例(抜粋) (目的) 第1条 この条例は, 本市のまちづくりについて, その基本理念を定め, 市, 市民及び事業者の責 務を明らかにするとともに, 市民参加によるまちづくりを推進するための基本となる事項を定め ることにより, 市民が安心して生活できる安全で快適な, かつ, 環境保護にも配慮したまちづく りを推進し, もって, C市らしい個性豊かで住み良い都市環境の形成に寄与することを目的とす る。 (定義) 第2条 この条例において, 次の各号に掲げる用語の意義は, 当該各号に定めるところによる。 一 開発事業 二 大規模開発事業 開発事業に係る土地の面積が1000平方メートル以上の開発事業をいう。 都市計画法第4条第12項に規定する開発行為をいう。 三 事業区域 四 事業者 五 市民 六 周辺住民 開発事業に係る土地の区域をいう。 開発事業を行おうとする者をいう。 C市内に住所を有する者をいう。 事業区域の境界線からの水平距離が200メートル以内における土地を所有する 者又は建築物の全部若しくは一部を所有し, 若しくは占有する者をいう。 (市の責務) 第3条 1 市は, まちづくりについての必要な調査を行うとともに, まちづくりのための基本計 画(以下「基本計画」という。 )を策定し, これを実施しなければならない。 2 市は, 前項の基本計画の策定及び実施に当たっては, 市民の意見を十分に反映させるよう努め なければならない。 (市民の責務等) 第4条 2 1 市民は, 安全で快適な居住環境の享受を妨げられない。 市民は, 自らまちづくりに努めるとともに, 市が実施する施策に協力しなければならない。 (事業者の責務) 第5条 事業者は, 開発事業を行うに当たって, まちづくりに必要な措置を講ずるとともに, 市が 実施する施策に協力しなければならない。 (推進地区の指定等) 第14条 1 市長は, 次の各号のいずれかに該当する地区において, 市街地整備を中心としたま ちづくりが必要であると認めるときは, 当該地区をまちづくり推進地区(以下「推進地区」とい う。 )として指定することができる。 一 基本計画により, 重点的なまちづくりを推進することが必要な地区 二 現に市街地が形成されている地区で, 安全で快適なまちづくりの実現を図るために, 拠点的 な市街地整備が必要な地区 2 市長は, 推進地区の指定に当たっては, 当該地区の住民その他利害関係者の意見を反映させる ため, 説明会の開催その他必要な措置を講ずるとともに, C市まちづくり審議会(以下「審議会」 という。 )の意見を聴かなければならない。 3 市長は, 推進地区を指定したときは, その旨を告示しなければならない。 6 (推進地区での開発事業の許可) 第15条 事業者は, 推進地区において, 大規模開発事業を行おうとするときは, あらかじめ, 規 則で定める開発事業計画書を市長に提出し, 市長の許可を受けなければならない。 (説明会の開催, 協定書の締結) 第16条 1 事業者は, 前条に定める開発事業計画書を提出したのち, 開発事業の内容, 工事施 工方法等について, 周辺住民を対象とする説明会を開催しなければならない。 2 事業者は, 前項の説明会を開催したのち, 周辺住民との間で開発事業協定を締結しなければな らない。 開発事業協定の締結には, 周辺住民の過半数の同意を必要とする。 (事前協議, 改善勧告) 第17条 1 事業者は, 前条の説明会等と並行し, 又は説明会等ののちに, 当該開発事業の内容, 工事施工方法等について, 市長と協議しなければならない。 2 市長は, 前項の協議を踏まえ, 事業者に対し当該開発事業計画の変更, 中止, その他の必要な 勧告を行うことができる。 (開発事業許可の基準) 第18条 1 市長は, 次項の規定により許可しない場合を除き, 第15条の許可をしなければな らない。 2 市長は, 第16条の開発事業協定が締結されていない場合, 又は事業者が前条第2項の勧告に 従わない場合において, 当該開発事業が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは, 当該開 発事業を許可しないことができる。 一 二 3 本条例に基づくまちづくり基本計画に適合しない場合 災害防止に対する支障等, 市民生活の安全に支障が生ずるおそれがある場合 市長は, 前2項の処分をしようとするときは, あらかじめ, 審議会の意見を聴かなければなら ない。 4 市長は, 第1項の処分をしたときはその旨を, 第2項の処分をしたときはその旨及び理由を, 遅滞なく事業者に通知するものとする。 (中止命令等) 第19条 市長は, 事業者が第15条の許可を受けないで開発事業に着手したときは, 当該事業者 若しくは当該事業者から工事を請け負った者又は当該工事の現場を管理する者に対して, 当該開 発事業の中止を命じ, 又は相当の猶予期間を付して, 原状の回復, 建築物の除却その他の必要な 措置を命ずることができる。 7 資料3: B教団とC市との事前協議メモ B教団: 我々は, 本市D地区にある, 信者である乙が所有する土地に教団本部施設を建設したい。 教団本部施設は, 我々の信仰生活の拠点となるものであり, 正に我々の信仰を実践する場所 である。 このことを, 市には十分配慮していただきたい。 C 市: 市としては, 「まちづくり条例」が定める要件を満たすことを求めている。 市は, どのよう な方が開発事業者であっても変わりなく, 同じように条例を執行している。 B教団: 我々が建設する施設は, 教団と信者にとって神聖な場所である。 信者は集団で居住し, 代 表である甲に従って修行に励む。 このような形態が, 我々B教団の信仰の在り方である。 し たがって, この施設は, 我々教団の信仰にとって絶対に欠くことのできないものである。 C 市: 市には, あなた方の信仰自体を否定するつもりなど毛頭ない。 ただ, 条例が定める条件を 満たすことを求めているだけである。 問題の一つは, 周辺住民の同意が全く得られていない ことである。 B教団: 周辺住民は, 我々の教団とA教団との関係を疑い, A教団当時の事件と同じようなことが 起きるのではないかと思っているようである。 それは, 根拠のない憶測である。 根拠のない 憶測によって, 住民は我々を危険視し, 敵視している。 そのような状況で, 周辺住民の過半 数から同意を取りつけることは, 極めて困難である。 C 市: C市では, 古くから, 宅地乱開発問題やマンション建設問題等から住民による景観論争や 環境保全のための開発反対運動が展開されてきた。 そのような住民による運動から, 良好な 住環境を守ろうとする住民の高い意識が醸成されてきたし, 行政もそれに積極的に対応して きた。 安心して暮らせる, 良好な住環境を守ろうとする市民のコンセンサスが, 「まちづくり 条例」を制定させた。 そのような歴史から, C市は住民の意向を尊重している。 周辺住民が 抱く不安は, あなた方自らが払拭すべき問題であって, 市が周辺住民を説得する問題ではな い。 条例の要求する条件を満たすことは, あなた方の主体的な努力にかかっている。 B教団: そもそも, 周辺住民の同意がなければ, 我々が真摯な信仰の実践活動をできないというこ とに, 問題がある。 C 市: 既に述べたように, 住民の意思の尊重は, C市における良好な住環境を求める運動の歴史 の反映である。 B教団: 我々は, A教団とは別個の, 独立した宗教団体である。 A教団当時に起きた爆弾テロ行為 は, A教団の活動として行われたものではなく, A教団の教典や教義から逸脱した一部の者 が実行したにすぎない。 我々の教団は, A教団の一部の信者が犯した重大な犯罪行為を真摯 に反省し, A教団と決別して結成された, 新たな宗教団体である。 教団代表である甲は, A 教団当時の犯罪行為には一切かかわっていない。 甲は, この2年間真摯に修行に励み, 新た な悟りを開いた。 悟りの境地に達した甲代表のもとで, 我々信者は真面目に信仰生活を送り たいだけである。 我々の教義は, 信者の内面的救済のみを求めるものである。 現在のB教団 が周辺住民に危害を与える危険性など, 全くない。 C 市: 市としては, A教団の幹部らが2年前に起こした同時爆弾テロ事件を無視することはでき ない。 あなた方の教典はA教団と同一であり, A教団の元幹部があなた方の教団の幹部にな っている。 したがって, A教団があなた方の教団の母体といえる。 そして, あなた方は, A 教団と同様に, 集団で居住する。 A教団当時, 集団居住施設の中で爆弾が製造されていた。 A教団は各地の教団施設の近隣に住む住民と様々なトラブルを起こしていたし, 多くの訴訟 も提起されている。 集団居住の実態が分からない。 集団居住施設の中で何をしているか, 見 えない。 仮に教典自体は平和的なものであるとしても, 教典から再び逸脱しないという保証 はどこにもない。 8 あなた方が, 他の都市で本部施設を建設しようとしたときも, 住民の反対運動にあって断 念せざるを得なかったではないか。 本市における事前説明会でも, あなた方の信者が威圧的 な発言をしている。 このような事実が, あなた方への周辺住民の不安を高めている。 この不 安は, 周辺住民だけのものではない。 それは, 市の相談窓口に多くの市民から不安の声が寄 せられていることにも示されている。 A教団当時の同時爆弾テロ事件から得た一つの教訓は, 近隣住民との間でトラブルが発生 したときに, 市がきちんと対応することである。 市としては, あなた方の教団に関する諸々 の事実を踏まえて, あなた方の開発事業計画には, 条例第18条第2項が定める「市民生活 の安全に支障が生ずるおそれ」があると判断している。 9 〔第2問〕(配点:100) F国籍の外国人である男性Aは, 出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といい, 条文だけ の引用は同法を指す。 )第2条の2第2項, 別表第1の4に規定された留学の在留資格(在留の目的 が留学である在留資格)をもって日本に在留しており, 2004年4月に甲大学福祉学部に入学し, 2007年5月現在, 第4学年に在学中である。 2008年3月には卒業の見込みである。 Aは, 入学当初は, 本国で工場を経営する父親から学資(月額10万円)の援助を受けていたと ころ, 2006年4月に父親の会社が倒産した。 このため, Aはアルバイトを始めようと考えるに 至った。 留学の在留資格で在留する者には報酬を受ける活動が禁止され(第19条第1項第2号), 報酬活動を行うためには資格外活動許可が必要とされている(同条第2項)。 無許可就労などに対し ては, 罰則が規定されている(第73条, 第70条第1項第4号)。 そこで, Aは資格外活動許可を 受けた上, 2006年5月から, レストランP店で週3日間のアルバイト(週21時間)を開始し た。 資格外活動許可書の「新たに許可された活動の内容」欄には, 「1週について28時間以内の報 酬を受ける活動(風俗営業が営まれている営業所において行われるものを除く。 )」と記載されてい た。 しかし, 時給が低いP店でのアルバイトでは滞在経費(1か月当たり約14万円)の不足を補 えないとして, 2か月後にAは, 時給がよいR店に勤務先を変更した(月, 水, 金曜日の午後7時 から午前2時, 週21時間)。 同店の営業は「キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ, か つ, 客の接待をして客に飲食をさせる営業」 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第 2条第1項第1号)に該当するが, 同法の営業許可を受けていなかった。 Aは接客には一切関与せ ず, アルバイトの内容は, テーブル等のセット, 厨房手伝い, 掃除, 買い物といった作業内容であ った。 Aの友人らによれば, ファミリーレストランにおけるアルバイトと実質的に変わらないとい う。 Aは, アルバイトで得られる月額10万円余りと奨学金月額3万円を生活費, 教科書代等に充 て, 授業料は一部免除を受け, 不足分は親戚からの仕送りに頼ってきた。 生活費の捻出に手一杯で, 預金をするゆとりはない。 大学におけるAの講義出席率は平均約80パーセントであり, 3年次ま でで, 卒業必要単位124のうち100単位を既に取得している。 単位取得した45科目の成績は, 優(評点100点から80点)が10科目, 良(評点79点から70点)が10科目, 可(評点6 9点から60点)が25科目である。 Aは, R店のアルバイトを9か月余り続けた。 2007年4月9日にR店が摘発され, Aは入国警備官による調査(第27条)を受けた。 その 結果, Aは退去強制事由に該当するとされた。 すなわち, Aは「第19条第1項の規定に違反して ……報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者」 (第24条第4号イ)に該当する と判断されたのである。 4月10日にAは入国警備官により収容場に収容された (第39条第1項)。 Aの引渡しを受けた入国審査官は, 審査(第45条第1項)の結果, 4月16日に, 退去強制事 由(第24条第4号イ)該当を認定し, Aに通知した(第47条第3項)。 Aが口頭審理を請求した (第48条第1項)ところ, 4月23日に, 特別審理官は口頭審理を行い, 認定に誤りがないとの 判定を下した(第48条第8項)。 これに対し, Aは異議を申し出た(第49条第1項)。 4月30 日に, (法務大臣から権限委任を受けた)地方入国管理局長は, Aの異議には理由がないとの裁決を 下した(第49条第3項, 第69条の2)。 5月6日に, Aは, 主任審査官より退去強制令書の発付 (第49条第6項, 第51条)を受けた上, 同令書の執行を受けて, 改めて入国者収容所入国管理 センターに収容された。 このままではAは大学に通うこともできず, 本国に送還されてしまうとし て, Aの関係者から弁護士Bに相談があった。 収容所に出張したBに対し, Aは, 留学の在留資格 をもって日本で勉学を継続できるように訴訟提起を依頼した。 【資料1 法律事務所の会議録】を読んだ上で, 若手弁護士Cの立場に立って, Bの指示に応じ, 設問に答えなさい。 なお, 退去強制手続の流れについては, 弁護士Cの調査資料【資料2 あり, 入管法や同法に関する省令の抜粋は【資料3 ので, 適宜参照しなさい。 10 退去強制手続の流れ】が 出入国管理及び難民認定法等】に掲げてある 〔設 問〕 1.(1) 退去強制令書に基づくAの収容の継続及び送還を阻止するために, Aがいかなる法的手 続(行政事件訴訟法に定めるものに限る。 )をとるべきかについて, それを用いる場合の要 件を中心に論じなさい。 (2) また, Aが退去強制事由該当の判断を争うために認定又は裁決の取消訴訟を提起する場 合, 認定と裁決のいずれを対象とするのが適切かを論じなさい。 2. 上記1. の手続において退去強制事由該当の判断を争う場合に, Aはいかなる実体法上の主 張をすべきかを, 詳細に論じなさい。 なお, 以上の設問に関しては, 在留特別許可(第50条)の問題を検討する必要はない。 【資料1 法律事務所の会議録】 弁護士B: 今日は, Aさんの案件について, 基本的な処理方針を検討したいと思います。 まず, 退 去強制の仕組みに関する調査結果を報告してください。 弁護士C: 資料(資料2)を御覧ください。 入管法は, 退去強制事由該当の有無を3段階にわたり 判断する仕組みを採用しています。 入国審査官の認定, 特別審理官の判定, 法務大臣ない しは権限の委任を受けた地方入国管理局長の裁決という3段階の仕組みです。 行政不服審 査法の適用は除外されています(同法第4条第1項第10号)。 いずれかの段階で, 不該当 の判断が下れば, Aさんは放免され, 在留できます。 本件ではいずれもいれられず, 退去 強制令書が発付されました。 弁護士B: 本件では退去強制令書が発付され, Aさんは収容されていますし, このままでは本国に 送還されてしまいます。 まず, 何らかの手立てを講じなければなりません。 発付の法的性 格を解明した上で, 争い方を考えてください。 本件は, 在留特別許可がされなかった点の 問題もありますが, そもそも退去強制事由の存否を争う余地があるケースのようです。 在 留特別許可は後で検討することにしましょう。 仮放免や人身保護請求も検討から除外して ください。 本件では, まずは退去強制事由非該当の主張が中心になりますから, この点を 網羅的に検討したいと考えています。 まず, 第19条第2項の資格外活動の許可の基準は どうなっていますか。 弁護士C: Aさんの許可書にも一部記載されていましたが, 留学生の場合, @1週に28時間以内, A勉強状況・在留状況に問題がなく, B稼働目的が学費その他の必要経費を賄うものであ り, C申請の活動が社会通念上学生の通常行うアルバイトの範囲内であれば許可するとい う運用です。 風営店での活動は, 内容を問わず一切許可されません。 弁護士B: 入管法が資格外活動許可制をどのように位置付けているのかが, ポイントですね。 入国 管理当局の見解はどうですか。 弁護士C: 入管当局は在留資格制度の趣旨から解釈しています。 留学の在留資格で在留しようとす る者に対しては, 上陸時に, 在留期間中生活するのに十分な資産等の保有が要求されます。 第7条第1項第2号の委任に基づき, 上陸のための条件について定めた法務省令(「出入国 管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令」)が, 資産保有要件を定めて います。 入管当局では, こうした上陸時の要件を重視して, 就労しつつ勉学する外国人を 受け入れるという政策は我が国では採用されていないとし, この前提から, 第19条第2 項の許可は必要経費の一部を賄う程度のアルバイトのみを許容する趣旨で, 滞在経費を専 ら賄うアルバイトは含まないと説明しています。 弁護士B: 上陸後の在留中に事情が変わることはあり得ることで, その点も考慮すべきかもしれま せんね。 まず, Aさんがアルバイトで滞在経費を専ら賄っているといえるのかを争いまし ょう。 そのほか, 風営店での活動が一律不許可なのは, どのような理由からですか。 11 弁護士C: 学業と両立しないもので, 留学生が通常行うアルバイトの範囲外という理解だと思いま す。 弁護士B: 風営店での活動も多様ですから, 具体的に判断すべきですね。 しかし, 仮に, 第19条 違反だとして, それは第24条の退去強制とどのような関係になりますか。 弁護士C: 入管当局は, 在留資格制度の趣旨から, 滞在経費を専ら賄うアルバイトは第19条第2 項の許可対象ではなく, それがされれば, 在留目的が実質的に変更され, 第24条第4号 イの「報酬を受ける活動を専ら行つている」という要件に該当することになると説明して います。 また, 風営店でのアルバイトは, およそ学業と両立せず, したがって, そのよう なアルバイトは在留目的変更の有力な証拠ととらえています。 弁護士B: 実質的に在留目的が変更されたというのは一つの解釈ですが, その当否の検討が必要で すね。 弁護士C: 退去強制の要件を定める第24条は, 第19条第1項違反という要件と, 「専ら行つてい る」という要件の二つから構成されていますね。 弁護士B: 確かに, 第73条と第70条第1項第4号を見ても, 二つの罰則規定を法律は書き分け ていますね。 これを参考に, 第24条と第19条第1項の関係も検討してください。 第2 4条第4号イの「専ら行つている」要件についての裁判所の解釈は, 過去に担当した事件 ではどのようなものでしたか。 弁護士C: 例えば, アルバイトで得た金銭が遊興費, 事業資金, 蓄財に充てられた事例では, 退去 強制事由該当と判断されました。 また, 風営店でホステスとして専心して活動し, 学業を 怠り, 欠席が多く単位取得も不足していたケースでも, 該当の判断でした。 弁護士B: それでは, 本件における諸般の事情を総合判断して, 「専ら行つている」という要件につ いて, 解釈と当てはめを具体的に検討してください。 ところで, 以上の検討では, 退去強 制令書発付に対して争うことを念頭に置いて, 退去強制事由不該当を, 違法性の承継を前 提として主張しようと考えてきました。 しかし, 国の側では, 違法性の承継を認めない主 張をしてくるかもしれません。 この点を考慮しますと, 先行行為を対象に争う訴訟につい ても, 検討しておく必要がありそうです。 また, 退去強制事由該当判断を直接争うことは, 在留資格を是非維持したいというAさんの依頼の趣旨にも合致します。 その場合, 本件で は認定と判定と裁決の3段階の行為が現にされているわけですが, どうなるのでしょうか。 これらの3段階の行為については行政事件訴訟法でいう「処分又は裁決」には当たらない という考え方もありますが, 従来の裁判例や実務を参考に, 「処分又は裁決」であることを 前提に検討しましょう。 認定, 判定, 裁決について, 原処分と不服審査裁決の関係とはと らえない立場もありますが, ここでは, 入管法独自の不服申立ての仕組みと見て, 判定な り, 裁決なりを行訴法第3条第3項にいう裁決ととらえる解釈でいきましょう。 そうしま すと, 原処分主義なら認定を, 裁決主義なら裁決を争うということになりそうですが。 弁護士C: 認定―判定―裁決を不服申立ての仕組みととらえる見解においても, 解釈は分かれてい ます。 ある立場は, 3日間という短期の不服申立期間など, 最終判断までの迅速化を図っ た諸規定を重視して, 3段階の行為を一体にとらえています。 これに対し, 明文規定の有 無を重視する立場も見られます。 弁護士B: それぞれがどのような立場なのかを整理し, どちらを採るべきかを検討してください。 12 【資料2 退去強制手続の流れ】 (Aの手続の経過は太字で示したとおりである。 ) 入国審査官の認定 退去強制事由該当の認定(47条3項, 4項) ↓ 非該当の認定(→放免・在留) 口頭審理の請求(48条1項):3日以内 特別審理官の判定 認定が誤りなしとの判定(48条8項) ↓ 認定が誤りとの判定(→放免・在留) 異議の申出(49条1項):3日以内 地方入国管理局長の裁決 (49条3項, 69条の2) 異議の申出に理由なし 申出に理由あり(→放免・在留) ↓ 主任審査官の退去強制令書発付 (49条6項, 51条) ↓ 執行(52条1項) ・・・収容(52条5項), 送還(52条3項, 53条) 13 【資料3 出入国管理及び難民認定法等】 出入国管理及び難民認定法(昭和26年10月4日政令第319号)(抜粋) ○ (在留資格及び在留期間) 第2条の2 本邦に在留する外国人は, 出入国管理及び難民認定法及び他の法律に特別の規定があ る場合を除き, それぞれ, 当該外国人に対する上陸許可若しくは当該外国人の取得に係る在留資 格又はそれらの変更に係る在留資格をもつて在留するものとする。 2 在留資格は, 別表第1又は別表第2の上欄に掲げるとおりとし, 別表第1の上欄の在留資格を もつて在留する者は当該在留資格に応じそれぞれ本邦において同表の下欄に掲げる活動を行うこ とができ, 別表第2の上欄の在留資格をもつて在留する者は当該在留資格に応じそれぞれ本邦に おいて同表の下欄に掲げる身分若しくは地位を有する者としての活動を行うことができる。 3 (略) (入国審査官の審査) 第7条 入国審査官は, 前条第2項の申請(注1)があつたときは, 当該外国人が次の各号……に 掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。 (注1)外国人による本邦への上陸申請をいう。 一 (略) 二 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく, 別表第1の下欄に掲げる活 動……又は別表第2の下欄に掲げる身分若しくは地位……を有する者としての活動のいずれか に該当し, かつ, 別表第1の2の表及び4の表の下欄……に掲げる活動を行おうとする者につ いては我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準 に適合すること。 三, 四 2, 3 (略) (略) (在留) 第19条 別表第1の上欄の在留資格をもつて在留する者は, 次項の許可を受けて行う場合を除き, 次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる活動を行つてはならない。 一 (略) 二 別表第1の3の表及び4の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 収入を伴う事業を運営 する活動又は報酬を受ける活動 2 法務大臣は, 別表第1の上欄の在留資格をもつて在留する者から, 法務省令で定める手続によ り, 当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動の遂行を阻害しない範囲内で当該活動に属しな い収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことを希望する旨の申請があつた 場合において, 相当と認めるときは, これを許可することができる。 3 (略) (退去強制) 第24条 次の各号のいずれかに該当する外国人については, 次章(注2)に規定する手続により, 本邦からの退去を強制することができる。 (注2)第5章(第27条から第55条まで)を指す。 一〜三の三 四 (略) 本邦に在留する外国人……で次に掲げる者のいずれかに該当するもの イ 第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を 専ら行つていると明らかに認められる者…… ロ〜ヨ (略) 14 四の二〜十 (略) (違反調査) 第27条 入国警備官は, 第24条各号の一に該当すると思料する外国人があるときは, 当該外国 人(以下「容疑者」という。 )につき違反調査をすることができる。 (収容) 第39条 入国警備官は, 容疑者が第24条各号の一に該当すると疑うに足りる相当の理由がある ときは, 収容令書により, その者を収容することができる。 2 (略) (容疑者の引渡) 第44条 入国警備官は, 第39条第1項の規定により容疑者を収容したときは, 容疑者の身体を 拘束した時から48時間以内に, 調書及び証拠物とともに, 当該容疑者を入国審査官に引き渡さ なければならない。 (入国審査官の審査) 第45条 入国審査官は, 前条の規定により容疑者の引渡しを受けたときは, 容疑者が退去強制対 象者(第24条各号のいずれかに該当し, かつ, 出国命令対象者に該当しない外国人をいう。 以 下同じ。 )に該当するかどうかを速やかに審査しなければならない。 2 (略) (審査後の手続) 第47条 (略) 2 (略) 3 入国審査官は, 審査の結果, 容疑者が退去強制対象者に該当すると認定したときは, 速やかに 理由を付した書面をもつて, 主任審査官及びその者にその旨を知らせなければならない。 4 前項の通知をする場合には, 入国審査官は, 当該容疑者に対し, 第48条の規定による口頭審 理の請求をすることができる旨を知らせなければならない。 5 第3項の場合において, 容疑者がその認定に服したときは, 主任審査官は, その者に対し, 口 頭審理の請求をしない旨を記載した文書に署名させ, 速やかに第51条の規定による退去強制令 書を発付しなければならない。 (口頭審理) 第48条 前条第3項の通知を受けた容疑者は, 同項の認定に異議があるときは, その通知を受け た日から3日以内に, 口頭をもつて, 特別審理官に対し口頭審理の請求をすることができる。 2 (略) 3 特別審理官は, 第1項の口頭審理の請求があつたときは, 容疑者に対し, 時及び場所を通知し て速やかに口頭審理を行わなければならない。 4〜7 8 (略) 特別審理官は, 口頭審理の結果, 前条第3項の認定が誤りがないと判定したときは, 速やかに 主任審査官及び当該容疑者にその旨を知らせるとともに, 当該容疑者に対し, 第49条の規定に より異議を申し出ることができる旨を知らせなければならない。 9 (略) (異議の申出) 第49条 前条第8項の通知を受けた容疑者は, 同項の判定に異議があるときは, その通知を受け た日から3日以内に, 法務省令で定める手続により, 不服の事由を記載した書面を主任審査官に 提出して, 法務大臣に対し異議を申し出ることができる。 2 (略) 3 法務大臣は, 第1項の規定による異議の申出を受理したときは, 異議の申出が理由があるかど うかを裁決して, その結果を主任審査官に通知しなければならない。 15 4, 5 6 (略) 主任審査官は, 法務大臣から異議の申出が理由がないと裁決した旨の通知を受けたときは, 速 やかに当該容疑者に対し, その旨を知らせるとともに, 第51条の規定による退去強制令書を発 付しなければならない。 (退去強制令書の方式) 第51条 ……第49条第6項の規定により, 又は……に基づく退去強制の手続において発付され る退去強制令書には, 退去強制を受ける者の氏名, 年齢及び国籍, 退去強制の理由, 送還先, 発 付年月日その他法務省令で定める事項を記載し, かつ, 主任審査官がこれに記名押印しなければ ならない。 (退去強制令書の執行) 第52条 退去強制令書は, 入国警備官が執行するものとする。 2 (略) 3 入国警備官……は, 退去強制令書を執行するときは, 退去強制を受ける者に退去強制令書又は その写しを示して, 速やかにその者を次条に規定する送還先に送還しなければならない。 ……。 4 (略) 5 入国警備官は, 第3項本文の場合において, 退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還するこ とができないときは, 送還可能のときまで, その者を入国者収容所, 収容場その他法務大臣又は その委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができる。 6 (略) (送還先) 第53条 2, 3 退去強制を受ける者は, その者の国籍又は市民権の属する国に送還されるものとする。 (略) (権限の委任) 第69条の2 出入国管理及び難民認定法に規定する法務大臣の権限は, 法務省令で定めるところ により, 地方入国管理局長に委任することができる。 ……。 第70条 次の各号のいずれかに該当する者は, 3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円 以下の罰金に処し, 又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。 一〜三の二 四 (略) 第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専 ら行つていると明らかに認められる者 五〜九 2 (略) (略) 第73条 第70条第1項第4号に該当する場合を除き, 第19条第1項の規定に違反して収入を 伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は, 1年以下の懲役若しくは禁錮若し くは200万円以下の罰金に処し, 又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。 別表第1の4 上欄 下 欄 在留 本邦において行うことができる活動 資格 留学 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関, 専修学校の専門課程, 外国において12年の学 校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門 学校において教育を受ける活動 16 ○ 出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(平成2年5月24日法務 省令第16号) 出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。 )第7条第1項第2号の基準は, 法第6条第2項の 申請を行った者(以下「申請人」という。 )が本邦において行おうとする次の表の上欄に掲げる活動 に応じ, それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。 上 欄 活 動 下 欄 基 準 法別表第1の4 一 (略) の表の留学の項 二 申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用(以下「生活費用」 の下欄に掲げる という。 )を支弁する十分な資産, 奨学金その他の手段を有すること。 ただし, 活動 申請人以外の者が申請人の生活費用を支弁する場合は, この限りでない。 三〜六(略) 17