論文式試験問題集[公法系科目] 1 [公法系科目] 〔第1問〕(配点:100) Xは, A党に属する衆議院議員であるが, 200X年の総選挙において, 国際的にテロ対策を進 めることが課題となってきていること(資料1)を踏まえて, 我が国においても国際テロ対策を強 力に推進することを選挙公約にうたって(資料2)再び当選した。 その後, Xは, 他のA党の議員 とともに, 国際テロリズム対策法案を衆議院に提出する準備を進め, 同法案の要綱(資料3)を策 定した上で, 衆議院法制局に対して, それを示し, 憲法に違反するものでないか相談をした。 この事例について以下の問いに答えなさい。 1.国際テロリズム対策法案について, 要綱の第1から第7のどの項目にどのような憲法上の問題 点が考えられるかを箇条書きにして挙げなさい。 2.要綱の項目のうち, 憲法違反となる疑いがもっとも強いと考えるものについて論じなさい。 そ の上で, その違憲の疑いを軽減させる方策について検討しなさい。 資料1 テロリズムに対するG8首脳声明 平成13年9月19日 我々G8首脳は, 9月11日にアメリカ合衆国に対して行われたテロリズムという野蛮な行為を 限りなく強く非難する。 我々の哀悼の意はアメリカの国境内のみに留まらない。 なぜならニューヨ ークとワシントンは多くの国の国民が住んでいる国際都市だからである。 犯人, そして如何なる手 段であっても犯人をかくまったり, 援助や支援を差し延べたりしたすべての者は, 無実の人々と国 際社会の中心的な価値や利益に対して攻撃を仕掛けたのである。 その行為は全ての人々, 全ての信 仰, 全ての国についての平和と繁栄と安全に対する深刻な脅威である。 我々は, 憎しみと恐怖を犯 す者により世界の諸国民や諸文化を分断させることは許さない。 国連憲章は全加盟国に対して国際の平和及び安全を維持するための有効な措置を執るよう明確に 責任を課している。 12件のテロ対策国連諸条約はテロリズムとの戦いに関する国際的な行動の規範を定めている。 9月11日の野蛮な事件を受けて, 我々はすべての国々にこれらの条約の可及的速やかな批准へ向 けての措置を執り, また, 批准前であっても直ちにこれらの条約の内容を実施するよう強く要請す る。 我々は, 我々の外務, 財務, 司法および必要に応じ他の関係各大臣に対し, 対テロ協力強化のた めの具体的措置に関するリストを作成するよう指示した。 その中には, テロリストへの資金の流れ を断ち切るための金融的措置及び制裁の行使の拡大, 航空安全, 武器輸出の管理, 治安その他の当 局間の協力, テロに対する全ての支援の拒絶, そして, テロの脅威の特定と除去が含まれる。 我々 は具体的な措置を特定し, それらを実施することによって, 今回の非道な行為の犯人を法の下で裁 き, あらゆる形態のテロと戦い, 更なるテロ攻撃を防止し, そしてこのグローバルな悪との戦いに おける国際的な協力を強化するという決意を強調するものである。 我々は, これらの努力において我々と協調する用意のある全ての者を歓迎し, また, 我々もそう した者を支援する。 2 資料2 Xの選挙公約 1 世界一安全な国家を作るため, テロ対策を推し進めます! ・国際的テロ組織は, 米国の同盟国である我が国をテロの標的として名指ししています。 ・国際刑事警察機構を通じて国際手配されていた国際テロ組織関係者が, 他人名義の偽造旅 券を使用して我が国に不法に入国を繰り返していました。 ↓ 今すぐ, 国際テロリストの実態(潜伏的, 無差別的)に合わせたテロ対策が 必要です。 テロ行為を未然に防ぐには予防的措置が必要です。 四つの対策の提言 @ テロリストに関する情報収集方策の強化 A テロリストを入国させない対策 B テロリストを我が国で自由に活動させないための対策強化 C テロ資金を封じるための対策強化 (以下略) 資料3 国際テロリズム対策法案(要綱) 第1 目的 この法律は, 我が国において国際テロリズム活動を行う団体の活動を禁止するとともに, 国 際テロリズム活動に対する必要な規制措置を定め, もって我が国を含む国際社会の平和及び安 全の確保に資することを目的とする。 第2 定義 この法律における用語の意義は, 以下に定めるところによる。 @ 「テロリスト犯罪」とは, 我が国若しくは外国(条約等の国際的約束により設立された国 際機関を含む。 )に作為若しくは不作為を強制し, 又は, 我が国若しくは外国の政策に影響を 及ぼすことを目的として, 人の生命にとって危険な行為を行うことをいう。 A 「国際テロリズム活動」とは, 2か国以上の国においてテロリスト犯罪を行う運動をいう。 B 「特定国際テロリズム組織」とは, 国際テロリズム活動を行う組織のうち, 特に我が国に おける公共の安全にとって脅威となるものであって, 国家公安委員会によって指定されたも のをいう。 第3 1 特定国際テロリズム組織の指定 警察庁長官は, 国際テロリズム活動を行う組織が特に我が国における公共の安全にとって脅 威となると判断する場合には, 国家公安委員会に対して, 請求の内容・理由等を記載した指定 請求書を提出して, 当該組織を「特定国際テロリズム組織」に指定するよう求めることができ る。 2 警察庁長官による指定請求がなされた場合には, 国家公安委員会は指定請求があった旨を官 報において公示しなければならない。 当該指定請求に異議のある者は, 国家公安委員会に対し て, 指定に反対する理由を記載した書面を提出することができる。 3 国家公安委員会は, 審査にあたり必要である場合には, 警察庁長官に対し, さらに説明を補 充するとともに資料を提出するよう求めることができる。 3 4 国家公安委員会は, 当該組織が特に我が国における公共の安全にとって脅威となると判断す る場合には, 「特定国際テロリズム組織」の指定を行うものとする。 この指定は, 官報で公示さ れなければならず, 公示した時から効力を有する。 第4 「特定国際テロリズム組織」への参加の禁止 何人も「特定国際テロリズム組織」の構成員となるなど, 「特定国際テロリズム組織」の活動 に加わってはならない。 違反者は, 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。 第5 「特定国際テロリズム組織」のためにする行為の禁止 何人も「特定国際テロリズム組織」のためにするいかなる行為(「特定国際テロリズム組織」 への情報若しくは物的手段の提供, 又は「特定国際テロリズム組織」の犯罪行為に寄与すると 知りながら資金を提供することを含む。 )も行ってはならない。 違反者は, 1年以下の懲役又は 50万円以下の罰金に処する。 第6 1 捜索・押収 検察官, 検察事務官又は司法警察職員は, 「特定国際テロリズム組織」による犯罪行為が行わ れようとしていると疑うに足りる充分な理由がある場合において, 証拠を保全する緊急性があ り, かつ, 裁判官の令状を求めることができないときは, その理由を告げて当該場所に立ち入 り捜索し, 証拠物を押収することができる。 2 検察官, 検察事務官又は司法警察職員は, 裁判官の令状なしに捜索し証拠物を押収した場合 には, 直ちに, 裁判官に対して, 捜索をした場所, 理由を記載した書面と押収した物の目録を 提出し, その許可を求めなければならない。 裁判官が許可を与えなかった場合には, 速やかに 押収物を還付しなければならず, 押収物の複写物又は写真は破棄されねばならない。 第7 金融機関に対する質問等 検察官, 検察事務官又は司法警察職員は, 銀行等の金融機関に対して, 「特定国際テロリズム 組織」による犯罪行為に関わりのあると信じることに相当の理由がある預金, 振込等につき質 問し, 記録の閲覧を求めることができる。 金融機関の職員が質問に答えず若しくは偽りの答弁 をし, 又は記録の閲覧を認めなかった場合には, 当該職員は50万円以下の罰金に処する。 4 〔第2問〕(配点:100) 次の事例について, 後記〔8〕において弁護士Lが弁護士Mに検討を指示した(A)及び(B) の各事項について, 弁護士Mのレポートを踏まえて論じなさい。 なお, 解答に当たっては, 関係法 令は, 現在施行されているものと同一のものが, 弁護士Mの検討の時点においても適用されるとい う前提に立ちなさい。 〔1〕 地方自治法第252条の19第1項の指定都市(いわゆる政令市)であるA市は, 児童福祉 法(昭和22年法律第164号)及びA市立保育所設置条例(昭和39年制定。 その後適宜改 正)に基づき, 平成17年4月の時点で, 「A市立第1保育所」から「A市立第46保育所」ま で, 計46の市立保育所を設置し運営していた。 児童福祉法にいう「保育所」には, 公立保育所のほか, 同法第35条第4項の認可を得た民 間保育所(民間の法人等が設立し運営主体となる保育所)も含まれるが, 平成17年4月の時 点でA市には, 公立保育所として46の市立保育所があるほか, 認可された民間保育所が52 施設存在していた。 〔2〕 A市は, 既存の市立保育所の一部を民間保育所に転換する方針(以下「市立保育所民営化方 針」という。 )を打ち出すこととした。 その理由は, 46の市立保育所を維持することが近い将 来財政面で困難になるとの見通しであること, また, 昨今の保育ニーズの量的拡大(保育所の 受入れ能力を大幅に超える入所申込みがあり, いわゆる待機児童が多数存在すること)や質的 多様化(月曜日から金曜日における午前8時から午後5時まで等の時間帯において行われるい わゆる通常保育に加えて, 延長保育や一時保育, 休日保育などの希望が強いこと)に対応する には, 公立保育所よりも民間保育所の方が優れている面があると考えられること等であった。 A市長は, 差し当たりA市内のB区においてこの方針を実施に移すこととした。 それは, B 区には市立保育所として第1保育所から第6保育所が設置されていたが, A市内では唯一, 認 可を受けた民間保育所が存在せず, 前記保育ニーズに対応することが最も困難な地域と考えら れたためである。 A市長は, 平成17年6月7日, B区における市立保育所民営化方針について記者会見を行 い, 次のように説明した。 「A市B区内にある市立保育所のうち, 第5保育所と第6保育所を, 平成18年3月31日 限りで廃止し, 同年4月1日からは, 別に設置認可される2民間保育所に, それぞれ第5保育 所及び第6保育所の敷地(市有地)の無償貸与, 備品の無償譲渡, 建物の有償譲渡を行う(児 童福祉法第56条の7参照)。 」 「当該2民間保育所には, 市として次のことを求める(以下「移管条件」という。 )。 @ 民営化対象となる市立保育所で実施されている保育内容を継続すること 例)保育士の配置・年齢構成, 通常保育の曜日及び時間帯, 給食, 保育料その他の保 護者の経費負担, 休園日, 年間行事, 健康診断, 障害児保育など A 保護者が求める新たな保育サービスの実施を積極的に検討すること 例)延長保育や一時保育の多様化, 休日保育の導入など」 〔3〕 記者会見後, A市保健福祉局の児童福祉担当の職員数名は, 平成17年7月から8月にかけ て, 第5保育所及び第6保育所に入所している児童の保護者らを集めた説明会を数度にわたり 開催し, 市立保育所民営化方針について理解を求めた。 説明会では, 第5保育所及び第6保育所に入所している児童について, 保護者がそれぞれの 移管先として予定されている民間保育所への入所を希望するならば, これを認める方針である 5 ことが明らかにされた。 これに対して, 児童の保護者からは, 保育士や児童の間の人間関係, 保育時間や保育内容な ど, これまで第5保育所や第6保育所において形成されてきた良好な保育環境が, 新しい保育 所でもそのまま維持されることの確約を求める強い要望が出された。 A市側は, A市の児童福 祉部長(A市保健福祉局に児童福祉部が置かれている。 )名の書面で, こうした希望が移管先の 民間保育所において実現されるよう, 市として最大限の努力を払うことを表明した。 〔4〕 A市は, 第5保育所及び第6保育所の敷地・施設等の移管先となる法人を募集し, 選考の結 果, 法人H及び法人Iを選定することとした。 A市は, 平成17年11月10日, 法人H及び 法人Iとの間で, 「保育所運営に関する協定」を締結し, 前記の移管条件に関する詳細を定めた。 その後, A市議会において, 第5保育所及び第6保育所を, 平成18年3月31日をもって 廃止する旨の条例案(A市保育所設置条例の一部改正条例案)が平成17年12月5日に可決 され, A市長は平成17年12月20日にこれを公布した(以下「廃止条例」という。 )。 法人H及び法人Iは, 平成18年1月10日付けで, それぞれH保育所及びI保育所を設置 することにつき, 児童福祉法第35条第4項に基づく認可をA市長から取得した。 〔5〕 Pは児童Q(平成14年5月26日生まれ)の保護者であり, Qについて, B区内での保育 所入所を希望していた。 平成17年1月5日, 児童Qにつき, 児童福祉法第24条第2項に基 づき, 入所を希望する保育所として第6保育所を記した申込書と添付文書を, A市保育実施条 例施行規則第2条の定めるところにより, A市B区を管轄する福祉事務所長(以下「B区福祉 事務所長」という。 )に提出した。 B区福祉事務所長は, 申込書及び添付文書に基づき, 児童Qについて児童福祉法第24条第 1項にいう「保育に欠ける」児童に該当すると判断し, 保護者Pに対し, 実施期間を平成17 年4月1日から平成21年3月31日までとして第6保育所において保育することを承諾する 旨の通知を, 平成17年2月21日付けで行った。 児童Qは, 平成17年4月から第6保育所 において保育を受けている。 保護者Pは, A市長の記者会見によって市立保育所民営化方針を知るところとなったが, 第 6保育所における保育士らと児童らの間の良好な関係や, 保護者の間で評価の高い保育内容な どが, 新しい民間保育所にうまく引き継がれないのではないか, そのことで児童Qに悪影響が 生ずるのではないかと不安を感じている。 取り分け, 第5保育所及び第6保育所に長年勤務し 保護者からの信頼の厚いベテラン保育士のほぼ全員が, 移管先である法人での勤務条件に不満 を抱いて当該法人に移籍することを拒否しており, 民営化がなされるならば一斉に退職するら しいという情報も得ており, 移管先の民間保育所における保育環境の劣悪化を強く懸念してい る。 〔6〕 平成18年1月16日, A市の児童福祉部長名で, 第5保育所及び第6保育所に入所してい る児童の保護者一人一人にあてて, 次のような内容の書面が送付された。 @ 第5保育所及び第6保育所が平成18年3月31日付けで廃止され, 両保育所の敷地, 施設, 備品等が同日付で直ちに, 第5保育所に関してはH保育所に, 第6保育所に関してはI保育所 に, それぞれ引き継がれること。 A 第5保育所及び第6保育所に入所していた児童について, 保護者が, B区内における他の市 立保育所か, H保育所若しくはI保育所に転所することを希望する場合には, 希望する保育所 名とその順位を三つまで記した転所希望書を作成し, 2月16日までにB区福祉事務所長あて に提出すること。 なお, 保育料は, 市立保育所と, H保育所若しくはI保育所とで変わること はない。 6 B 転所希望書が提出された場合は, 当該児童に係る4月1日以降の保育の実施場所について, B区福祉事務所長の回答が3月上旬をめどに保護者に通知される予定であること。 希望書が提 出されなかった場合には, B区内における市立保育所又は認可された民間保育所での保育がな されないこと。 〔7〕 保護者Pは, A市の市立保育所民営化方針に伴う自分の苦境について, 平成18年1月20 日, 弁護士Lに相談した。 弁護士Lは, 児童福祉法及びA市における保育の実施状況について, 同じ事務所の若手弁護士Mに調査を指示したところ, 弁護士Mからは, 一週間後に次のような レポートが提出された。 @ 市町村による「保育の実施」について ・ 児童福祉法によれば, 「保育に欠ける」児童について, 市町村が「保育の実施」を行わなけ ればならない。 すなわち市町村は, 当該児童について, 公立の保育所(市町村立保育所又は都 道府県立保育所)において, 又は認可を受けた民間保育所に委託することによって, 「保育の 実施」を行うものと解されている。 以上につき, 同法第24条及び第35条を参照。 ・ A市において保護者の負担する保育料は, 46の市立保育所と, 52の認可民間保育所の いずれに入所するかによって変わることはなく, 専ら保護者の前年度の所得等の状況や児童 の年齢に応じて, 月0円から月6万5, 000円までの間で設定されている(数字は平成17 年度のもの)。 児童福祉法第56条第3項及びA市保育実施条例施行規則第22条を参照。 ・ 児童福祉法は, 同法にいう「保育所」を「日日保護者の委託を受けて, 保育に欠けるその 乳児又は幼児を保育することを目的とする施設」と定義する(同法第39条第1項)。 「日日 保護者の委託を受けて」とは, 事実行為として毎日, 保育所が保護者から児童を預かり保育 の上保護者に返すという意味であって, 保護者と保育所が委託契約を毎日締結するという意 味ではないと解されている。 ・ A市においては, A市長の「保育の実施」に係る権限が, 児童福祉法第32条第2項に基 づき, 区毎に設けられた福祉事務所の長に委任されている。 B区福祉事務所長はこの委任に 基づき, 保護者Pの申込みを処理している。 ・ 児童福祉法第24条に基づき, 保護者は, 市町村(福祉事務所)に, 希望する保育所を記 載した申込書を提出する。 A市における実務運用を見ると, 「保育に欠ける」と認められた場 合, 福祉事務所長は, 保育所, 保育期間, 保育料を明記した入所承諾通知書をもって回答す る。 「保育に欠ける」と認められない場合や, 希望者が保育所定員を超過して選考となり, 選 考に漏れた場合などは, 入所不承諾通知書をもってその旨を回答する。 ・ 児童福祉法にいう「保育実施の解除」とは, 保育所を退所させることであり, その事由に ついて, A市保育実施条例施行規則第4条に規定がある。 ・ 保育所の利用関係については, 例えば次のような見解が述べられている。 (甲説) 平成9年の児童福祉法改正により, 保護者による保育実施の申込みと, これに対 する市町村の応諾によって成立する利用契約関係へと変更された。 (乙説) 平成9年の児童福祉法改正により, 保育所への入所承諾決定を申請する権利が明 文で認められたが, 保育所入所承諾決定は行政処分である。 ・ 平成9年改正前の児童福祉法においては, 保育所に児童を入所させることは, 市町村が「措 置」という行政処分によってその裁量をもって保育所を決めて行うものであると解されてい た。 実際には, 保護者から市町村(福祉事務所)に入所の申込みが行われ, その際に入所を 希望する保育所の聴取りも行われていたが, これは, 「措置」という行政処分を行うための端 緒に過ぎず, 「措置」を求める申請権が児童福祉法上認められているわけではないという行政 解釈が示されていた。 当時の条文は次のとおりである。 第24条 市町村は, 政令で定める基準に従い条例で定めるところにより, 保護者の労働 7 又は疾病等の事由により, その監護すべき乳児, 幼児又は第39条第2項に規定する児童の 保育に欠けるところがあると認めるときは, それらの児童を保育所に入所させて保育する措 置を採らなければならない。 ただし, 付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは, その他の適切な保護を加えなければならない。 A 大都市特例について ・ いわゆる政令市の区域においては, 地方自治法第252条の19以下のいわゆる大都市等 の特例として, 児童福祉法において都道府県が処理することとされている事務の多くが, 政 令市において処理され, それに伴い, 種々の読替規定がある。 児童福祉法第59条の4第1 項, 児童福祉法施行令第45条第1項, 地方自治法施行令第174条の26第1項を参照。 ・ 本件において, 法人H及び法人Iに対し, それぞれH保育所及びI保育所についての設置 認可を, 知事ではなくA市長が行ったのも, 大都市特例のゆえである。 ・ A市が行う「保育の実施」に要する保育費用の支弁については, 児童福祉法第50条では なく, 同法第51条が適用されるものと解されている。 保育の実施に伴う費用の支弁は, 従 来より市町村が負担していたものであり, 大都市特例によって政令市が新たに行うことにな ったものではないからである。 B 無認可保育所について ・ 児童福祉法上の「保育所」は, 公立保育所か, 同法第35条第4項の認可を受けた民間保 育所のいずれかである。 ・ このほかに, 同法第39条が定義する「保育所」と同じ内容のサービスを, 同法第35条 第4項の認可を得ずに提供する民間施設があり, これは認可外保育所(無認可保育所)と呼 ばれる。 認可外保育所は, 児童福祉法にいう「保育所」ないし「児童福祉施設」に当たらな いため, 児童福祉法第46条の最低基準の適用などがない。 認可外保育所は, それぞれが直 接に, 保護者と契約して, 保育サービスを提供している。 〔8〕 弁護士Lは弁護士Mに, 次のように指示した。 「Pさんと面談したところ, Pさんは, 保育士が絶対的に不足するであろうことが目に見えて いるH保育所やI保育所に子供を預ける気にはならないし, B区内の他の市立保育所は既にか なり定員を超過しているので, 仮に特例的に受け入れてくれるとしても, 子供を預けるには十 分な環境ではないことを心配していました。 ちなみに, B区内の無認可保育所は, どれも極め て規模が小さく, とても受入れの余裕はなさそうです。 Pさんによれば, こうした状況でのA 市の市立保育所民営化方針にはかなり無理があり, やはり第6市立保育所でこのまま保育を受 けたいので, 転所希望書の提出もしたくないそうです。 ただ, このまま何もしないと, 保育実 施の解除がされるかもしれません。 そうすると4月以降, B区内ではQちゃんを預ける保育所 がないことになってしまいますね。 」 (A) 「児童福祉法の仕組みはなかなか複雑なようですが, とりあえず, 保育実施の解除の性格につ いて, 君のレポートに示されている見解や関連条文等を手掛かりにして, 処分であるとの主張 を構成してみてください。 」 注) 本問を解答するに当たっては, 公の施設の利用関係について定める地方自治法第244 条から第244条の4までについて言及する必要はない。 ( B) 「Pさんのお子さんが4月1日以降も第6保育所に行くことができるようにするためには, 今 の時点だと, 例えば, 廃止条例を処分と見て, その取消訴訟を提起することが考えられますね。 住民訴訟は少し迂遠ですし, 間に合いそうにありませんね。 ほかに, 廃止条例制定後の行為を も視野に入れるとすると, A市に対してはどのような訴訟を提起することが考えられるか, そ の訴訟要件や本案上の主張について, 検討しておいてください。 」 注) 本問を解答するに当たっては, 仮の救済に言及する必要はない。 8 (参照条文) ○ 児童福祉法(昭和22年法律第164号) 第1条 すべて国民は, 児童が心身ともに健やかに生まれ, 且つ, 育成されるよう努めなければな らない。 2 すべて児童は, ひとしくその生活を保障され, 愛護されなければならない。 第2条 国及び地方公共団体は, 児童の保護者とともに, 児童を心身ともに健やかに育成する責任 を負う。 第3条 前2条に規定するところは, 児童の福祉を保障するための原理であり, この原理は, すべ て児童に関する法令の施行にあたつて, 常に尊重されなければならない。 第4条 この法律で, 児童とは, 満18歳に満たない者をいい, 児童を左のように分ける。 一 乳児 満1歳に満たない者 二 幼児 満1歳から, 小学校就学の始期に達するまでの者 三 少年 小学校就学の始期から, 満18歳に達するまでの者 第7条 この法律で, 児童福祉施設とは, 助産施設, 乳児院, 母子生活支援施設, 保育所, 児童厚 生施設, 児童養護施設, 知的障害児施設, 知的障害児通園施設, 盲ろうあ児施設, 肢体不自由児 施設, 重症心身障害児施設, 情緒障害児短期治療施設, 児童自立支援施設及び児童家庭支援セン ターとする。 第8条 ……第46条第4項……の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するため, 都道府県に児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関を置くものとする。 …… 2 前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以下「都道府県児童福祉審議会」という。 )は, 同項に定めるもののほか, 児童, 妊産婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議すること ができる。 3 市町村(特別区を含む。 以下同じ。 )は, 前項の事項を調査審議するため, 児童福祉に関する審 議会その他の合議制の機関を置くことができる。 4 都道府県児童福祉審議会は, 都道府県知事の, 前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以 下「市町村児童福祉審議会」という。 )は, 市町村長(特別区の区長を含む。 以下同じ。 )の管理 に属し, それぞれその諮問に答え, 又は関係行政機関に意見を具申することができる。 5 都道府県児童福祉審議会及び市町村児童福祉審議会(以下「児童福祉審議会」という。 )は, 特 に必要があると認めるときは, 関係行政機関に対し, 所属職員の出席説明及び資料の提出を求め ることができる。 6, 7 第24条 (略) 市町村は, 保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由に より, その監護すべき乳児, 幼児又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがあ る場合において, 保護者から申込みがあつたときは, それらの児童を保育所において保育しなけ ればならない。 ただし, 付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは, その他の適切な 保護をしなければならない。 2 前項に規定する児童について保育所における保育を行うこと(以下「保育の実施」という。 )を 希望する保護者は, 厚生労働省令の定めるところにより, 入所を希望する保育所その他厚生労働 省令の定める事項を記載した申込書を市町村に提出しなければならない。 …… 3 市町村は, 一の保育所について, 当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に 係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育の実施が困難となることそ の他のやむを得ない事由がある場合においては, 当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考 することができる。 4, 5 第32条 (略) (略) 9 2 都道府県知事又は市町村長は, ……保育の実施等の権限並びに……及び第24条第1項ただし 書に規定する保護の権限の全部又は一部を, それぞれその管理する福祉事務所の長に委任するこ とができる。 第33条の4 都道府県知事, 市町村長, 福祉事務所長……は, 次の各号に掲げる措置又は保育の 実施等を解除する場合には, あらかじめ, 当該各号に定める者に対し, 当該措置又は保育の実施 等の解除の理由について説明するとともに, その意見を聴かなければならない。 ただし, 当該各 号に定める者から当該措置又は保育の実施等の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定 める場合においては, この限りでない。 一, 二 (略) 三 母子保護の実施及び保育の実施 四 (略) 第33条の5 当該母子保護の実施又は保育の実施に係る児童の保護者 ……保育の実施等の解除については, 行政手続法(平成5年法律第88号)第3章 (第12条及び第14条を除く。 )の規定は, 適用しない。 第35条 (略) 2 都道府県は, 政令の定めるところにより, 児童福祉施設を設置しなければならない。 3 市町村は, 厚生労働省令の定めるところにより, あらかじめ, 厚生労働省令で定める事項を都 道府県知事に届け出て, 児童福祉施設を設置することができる。 4 国, 都道府県及び市町村以外の者は, 厚生労働省令の定めるところにより, 都道府県知事の認 可を得て, 児童福祉施設を設置することができる。 5〜7 (略) 第39条 保育所は, 日日保護者の委託を受けて, 保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること を目的とする施設とする。 2 (略) 第45条 厚生労働大臣は, 児童福祉施設の設備及び運営……について, 最低基準を定めなければ ならない。 この場合において, その最低基準は, 児童の身体的, 精神的及び社会的な発達のため に必要な生活水準を確保するものでなければならない。 2 児童福祉施設の設置者……は, 前項の最低基準を遵守しなければならない。 3 児童福祉施設の設置者は, 児童福祉施設の設備及び運営についての水準の向上を図ることに努 めるものとする。 第46条 都道府県知事は, 前条の最低基準を維持するため, 児童福祉施設の設置者, 児童福祉施 設の長……に対して, 必要な報告を求め, 児童の福祉に関する事務に従事する職員に, 関係者に 対して質問させ, 若しくはその施設に立ち入り, 設備, 帳簿書類その他の物件を検査させること ができる。 2 (略) 3 都道府県知事は, 児童福祉施設の設備又は運営が前条の最低基準に達しないときは, その施設 の設置者に対し, 必要な改善を勧告し, 又はその施設の設置者がその勧告に従わず, かつ, 児童 福祉に有害であると認められるときは, 必要な改善を命ずることができる。 4 都道府県知事は, 児童福祉施設の設備又は運営が前条の最低基準に達せず, かつ, 児童福祉に 著しく有害であると認められるときは, 都道府県児童福祉審議会の意見を聴き, その施設の設置 者に対し, その事業の停止を命ずることができる。 第49条 この法律で定めるもののほか, ……児童福祉施設の職員その他児童福祉施設に関し必要 な事項は, 命令で定める。 第50条 次に掲げる費用は, 都道府県の支弁とする。 一〜六 (略) 六の二 都道府県の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用(保育の実施につき第 10 45条の最低基準を維持するために要する費用をいう。 次条第4号及び第4号の2並びに第5 6条第3項において同じ。 ) 六の三〜九 第51条 次に掲げる費用は, 市町村の支弁とする。 一〜三 四 (略) (略) 市町村の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用 四の二 都道府県及び市町村以外の者の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用 五〜七 (略) 第56条 (略) 2 (略) 3 第50条第6号の2に規定する保育費用を支弁した都道府県又は第51条第4号若しくは第4 号の2に規定する保育費用を支弁した市町村の長は, 本人又はその扶養義務者から, 当該保育費 用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の 年齢等に応じて定める額を徴収することができる。 4〜8 9 (略) 都道府県知事又は市町村長は, ……第3項の規定による費用の徴収……に関し必要があると認 めるときは, 本人又はその扶養義務者の収入の状況につき, 官公署に対し, 必要な書類の閲覧又 は資料の提供を求めることができる。 10 (略) 11 ……第3項……の規定により徴収される費用を, 指定の期限内に納付しない者があるときは, ……第3項……に規定する費用については地方税の滞納処分の例により処分することができる。 この場合における徴収金の先取特権の順位は, 国税及び地方税に次ぐものとする。 第56条の7 保育の実施への需要が増大している市町村は, 公有財産(地方自治法第238条第 1項に規定する公有財産をいう。 )の貸付けその他の必要な措置を積極的に講ずることにより, 社 会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した保育所の設置又は運営を促進し, 保育の実施 に係る供給を効率的かつ計画的に増大させるものとする。 2 (略) 第59条の4 この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは, 地方 自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。 )……においては, 政令で 定めるところにより, 指定都市……が処理するものとする。 この場合においては, この法律中都 道府県に関する規定は, 指定都市……に関する規定として指定都市……に適用があるものとする。 2 ○ (略) 児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号) ※ この政令において, 「法」とは児童福祉法を指す。 第27条 法第24条第1項の規定による保育の実施は, 児童の保護者のいずれもが次の各号のい ずれかに該当することにより当該児童を保育することができないと認められる場合であつて, か つ, 同居の親族その他の者が当該児童を保育することができないと認められる場合に行うものと する。 一 昼間労働することを常態としていること。 二 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。 三 疾病にかかり, 若しくは負傷し, 又は精神若しくは身体に障害を有していること。 四 同居の親族を常時介護していること。 五 震災, 風水害, 火災その他の災害の復旧に当たつていること。 六 前各号に類する状態にあること。 11 第36条 都道府県は, 法第35条第2項の規定により, 児童自立支援施設を設置しなければなら ない。 2〜5 (略) 第37条 国, 都道府県又は市町村の設置する児童福祉施設……は, 法第49条の規定により, そ れぞれ厚生労働大臣, 都道府県知事又は市町村長が, これを管理する。 第38条 都道府県知事は, 当該職員をして, 1年に1回以上, 国以外の者の設置する児童福祉施 設が法第45条第1項の規定に基づき定められた最低基準を遵守しているかどうかを実地につき 検査させなければならない。 第45条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指 定都市」という。 )において, 法第59条の4第1項の規定により, 指定都市が処理する事務につ いては, 地方自治法施行令第174条の26第1項から第7項までに定めるところによる。 2 ○ (略) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号) (児童福祉に関する事務) 第174条の26 地方自治法第252条の19第1項の規定により, 指定都市が処理する児童福 祉に関する事務は, 児童福祉法及び児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号)……の規定に より, 都道府県が処理することとされている事務……とする。 この場合においては, ……児童福 祉法及び同令……中都道府県に関する規定……は, 指定都市に関する規定として指定都市に適用 があるものとする。 2 (略) 3 第1項の場合においては, 指定都市は, 第5項の規定によりその権限に属させられた事項を調 査審議するため, 児童福祉法第8条第3項の規定により児童福祉に関する審議会その他の合議制 の機関を置くものとする。 …… 4 (略) 5 第1項の場合においては, 第3項に規定する児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関… …は, 児童福祉法……第46条第4項……の規定による権限を有するものとする。 6 (略) 7 第1項の場合においては, 児童福祉法……第35条第3項……中「市町村」とあるのは「指定 都市以外の市町村」と, 同法第46条第1項, 第3項及び第4項中「児童福祉施設」とあるのは 「児童福祉施設(都道府県が設置するものを除く。 )」と, 同法第51条……第4号中「市町村」 とあるのは「都道府県及び市町村」と, ……読み替えるものとする。 8 ○ (略) 児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号) ※ この省令において, 「法」とは児童福祉法を指す。 第24条 一 法第24条第2項に規定する厚生労働省令の定める事項は, 次のとおりとする。 法第24条第1項の規定による保育の実施(以下単に「保育の実施」という。 )を希望する保 護者の氏名, 居住地, 生年月日及び職業 2 二 保育の実施に係る児童の氏名及び生年月日 三 保育の実施を希望する理由 法第24条第2項前段に規定する申込書は, 保育の実施を希望する保護者の居住地の市町村に 提出しなければならない。 3 前項の申込書には, 法第56条第3項の規定により徴収する額の決定のために必要な事項に関 する書類を添えなければならない。 12 4 ○ (略) 児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号) 第5章 保育所 (設備の基準) 第32条 保育所の設備の基準は, 次のとおりとする。 一〜八 (略) (職員) 第33条 2 保育所には, 保育士, 嘱託医及び調理員を置かなければならない。 …… 保育士の数は, 乳児おおむね3人につき1人以上, 満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね 6人につき1人以上, 満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね20人につき1人以上, 満4歳 以上の幼児おおむね30人につき1人以上とする。 ただし, 保育所1につき2人を下ることはで きない。 (保育期間) 第34条 保育所における保育時間は, 1日につき8時間を原則とし, その地方における乳児又は 幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して, 保育所の長がこれを定める。 (保育の内容) 第35条 保育所における保育の内容は, 健康状態の観察, 服装等の異常の有無についての検査, 自由遊び及び昼寝のほか, 第12条第1項に規定する健康診断を含むものとする。 (保護者との連絡) 第36条 保育所の長は, 常に入所している乳児又は幼児の保護者と密接な連絡をとり, 保育の内 容等につき, その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。 ○ A市立保育所設置条例(昭和39年条例第○号) 第1条 市内に居住する乳幼児の福祉を増進するため, 本市に, 保育所(以下「市立保育所」とい う。 )を設置する。 第2条 市立保育所の名称及び位置は, 次のとおりとする。 A市立第1保育所 A市B区松野2丁目3番地 A市立第2保育所 A市B区竹山3丁目4番地 A市立第3保育所 A市B区梅田4丁目5番地 A市立第4保育所 A市B区桃井5丁目6番地 A市立第5保育所 A市B区桜丘6丁目7番地 A市立第6保育所 A市B区菊川7丁目8番地 …………… A市立第46保育所 第3条 ○ A市G区桜谷8丁目9番地 (以下略) A市保育実施条例(昭和39年条例第○号) 第1条 この条例は, 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第24条第1項の規定に基づき, 保育の実施に必要な事項を定めることを目的とする。 第2条 保育の実施は, 児童の保護者のいずれもが次の各号のいずれかに該当することにより当該 児童を保育することができないと認められる場合であつて, かつ, 同居の親族その他の者が当該 児童を保育することができないと認められる場合に行うものとする。 (ア) 昼間労働することを常態としていること。 (イ) 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。 (ウ) 疾病にかかり, 若しくは負傷し, 又は精神若しくは身体に障害を有していること。 13 (エ) 同居の親族を常時介護していること。 (オ) 震災, 風水害, 火災その他の災害の復旧に当たつていること。 (カ) 前各号に類する状態にあること。 第3条 申込みの手続その他保育の実施に必要な事項は, 市長が別に定める。 ○ A市保育実施条例施行規則(昭和39年規則第○号) 第1条 この規則は, 児童福祉法(昭和22年法律第164号。 以下「法」という。 ), 児童福祉法 施行令(昭和23年政令第74号。 以下「施行令」という。 ), 児童福祉法施行規則(昭和23年厚 生省令第11号。 以下「施行規則」という。 )及びA市保育実施条例(以下「実施条例」という。 ) の施行に関し必要な事項を定めるものとする。 第2条 保護者は, 保育所に児童の保育を委託しようとするときは, 保育所入所申込書を福祉事務 所長に提出し, その承諾を得なければならない。 2 福祉事務所長は, 保育上又は管理上適当でないと認めるときは, 前項の承諾をしないことがで きる。 第3条 福祉事務所長は, 前条の承諾又は不承諾を決定したときは, 保育所入所承諾書又は保育所 入所不承諾書によりこれを申込者に通知するものとする。 第4条 福祉事務所長は, 次の各号に定める場合においては, 児童につき, 一時その出席を停止し, 又は退所させることができる。 (ア) 実施条例第2条に該当しなくなったとき (イ) 保護者が福祉事務所長の行う保育上の指示に従わないとき (ウ) 疾病その他の事由により他の児童に悪影響を及ぼすおそれがあるとき (エ) 第2条第2項に該当するに至ったとき (オ) その他児童を出席させることが適当でないと福祉事務所長において認めるとき 第5条 福祉事務所長は, 前条の規定により児童を退所させるときは, 保育実施解除通知書により これを保護者に通知するものとする。 第22条 福祉事務所長は, 法第56条第2項又は第3項の規定により, 本人又はその扶養義務者 から徴収金として, 次に掲げる額を徴収する。 (ア) 保育の実施に係る費用 別表第1 …… 別表第1 (略) 14