短答式試験問題集[民事系科目] - 1 - [民事系科目] 〔第1問〕(配点:2) 詐欺又は強迫による意思表示に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものを2個選び なさい。 (解答欄は, [bP], [bQ]順不同) 1.強迫が認められるためには, 表意者が, 畏怖を感じ, 完全に意思の自由を失ったといえなけ ればならない。 2.第三者によって強迫がされた場合において, 意思表示の相手方がその事実を知らないとき は, 表意者は, その意思表示を取り消すことができない。 3.表意者が相手方による虚偽の説明を信じて意思表示をした場合において, 相手方に詐欺の故 意がないときは, 表意者は, 民事上の救済を受けることはない。 4.表意者が相手方の詐欺により意思表示をして契約が成立した場合, その契約によって生ずる 相手方の債務が未履行であっても, 表意者は, その意思表示を取り消さない限り, 詐欺を理由 として自らの債務の履行を拒絶することができない。 5.買主が売主を欺罔して土地の所有権を譲り受けた場合, 売主が詐欺による意思表示の取消し をする前に, 詐欺の事実を知らないでその土地について抵当権の設定を受けた者がいるときで あっても, 売主は, その意思表示を取り消すことができる。 〔第2問〕(配点:2) 隔地者に対する意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bR]) ア.意思表示の効力は, 相手方に到達した時に生ずるので, 隔地者間の契約が成立するのは, 承 諾の意思表示が相手方に到達した時である。 イ.制限行為能力者の行為を追認するかどうかの催告に対し, 法定代理人が定められた期間内に 追認拒絶の通知を発し, 期間経過後に到達した場合, 追認したものとみなされる。 ウ.判例によれば, Aに対する意思表示が記載された書面がAの事務所兼自宅に発送され, その 書面が配達された時にAが買物に出掛けていてたまたま不在であっても, Aと同居している内 縁の妻が受領した場合, 意思表示の効力は生ずる。 エ.契約の申込みに対し承諾の意思表示を発した後, 到達前に承諾者が死亡した場合, 相手方が 承諾者死亡の事実を知っていれば契約は成立しない。 オ.承諾期間の定めのある契約の申込みであっても, 申込みの到達前又は到達と同時であれば撤 回することができる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第3問〕(配点:2) 無権代理に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bS]) ア.本人が無権代理人に対して無権代理行為を追認した場合でも, 相手方は, その事実を知らな ければ取消権を行使することができる。 イ.無権代理行為の相手方は, 本人に対して相当の期間を定めて, その期間内に追認するか否か を催告することができ, 本人がその期間内に確答をしないときは, 追認したものとみなされ る。 ウ.無権代理行為の相手方は, 表見代理の主張をしないで, 無権代理人に対し履行又は損害賠償 の請求をすることができるが, これに対し無権代理人は, 表見代理の成立を主張してその責任 を免れることができる。 - 2 - エ.無権代理人が本人を代理して第三者の貸金債務につき本人名義で連帯保証契約を締結した 後, 本人が追認も追認拒絶もしないまま死亡し, 無権代理人が他の者と共に本人を相続した場 合, 他の共同相続人全員の追認がなくても, 無権代理人が本人から相続により承継した部分に ついて, 無権代理行為は有効となる。 オ.無権代理人が本人所有の土地に抵当権を設定したため, 本人が抵当権設定登記の抹消登記請 求訴訟を提起した後死亡し, 無権代理人が本人を相続したとしても, 無権代理行為は, 有効と ならない。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第4問〕(配点:2) 代理人の権限に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後 記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bT]) ア.成年後見人は, 成年被後見人の意思を尊重しなければならないが, 成年被後見人の財産に関 する法律行為を代理するに当たって, 成年被後見人の意思に反した場合であっても, 無権代理 とはならない。 イ.父母が共同して親権を行う場合, 父母の一方が, 共同の名義で子に代わって法律行為をした としても, その行為が他の一方の意思に反していることをその行為の相手方が知っているとき は, 他の一方は, その行為の効力が生じないことを主張することができる。 ウ.委任による代理人が, やむを得ない事由があるため復代理人を選任した場合には, 復代理人 はあくまで代理人との法律関係しか有しないので, 復代理人の行為が本人のための代理行為と なることはない。 エ.判例によれば, 親権者が子の財産を第三者に売却する行為を代理するに当たって, 親権者が その子に損害を及ぼし, 第三者の利益を図る目的を有していたときは, その子の利益に反する 行為であるから, 無権代理となる。 オ.委任による代理人は, 未成年者でもよいが, 未成年者のした代理行為は, その法定代理人が 取り消すことができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第5問〕(配点:2) 取消しに関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2個選びなさい。 (解答欄 は, [bU], [bV]順不同) 1.未成年者がその法定代理人の同意を得ないで行った法律行為を取り消す場合において, 行為 の相手方が確定しているときは, その取消しは, 相手方に対する意思表示によって行う。 2.契約により相手方以外の第三者に対してある給付をすることを約した者が, 相手方の詐欺を 理由にこれを取り消す場合において, 既に第三者が受益の意思表示をしていたときは, その取 消しは, その第三者に対する意思表示によって行う。 3.詐害行為の取消しは, 債権者の請求に基づき, 裁判所が行う。 4.婚姻適齢の規定に違反した婚姻の取消しは, 各当事者, その親族又は検察官の請求に基づ き, 家庭裁判所が行う。 5.負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行せず, 相続人が相当の期間を定めてその履 行を催告し, その期間内に履行がない場合には, その負担付遺贈に係る遺言の取消しは, 受遺 者に対する意思表示によって行う。 - 3 - 〔第6問〕(配点:2) 時効の援用に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものを2 個選びなさい。 (解答欄は, [bW], [bX]順不同) 1.被相続人の占有により取得時効が完成した場合において, その共同相続人の一人は, 自己の 相続分の限度においてのみ, 取得時効を援用することができる。 2.抵当不動産の第三取得者は, 当該抵当権の被担保債権について, その消滅時効を援用するこ とができる。 3.詐害行為の受益者は, 詐害行為取消権を行使する債権者の債権について, その消滅時効を援 用することができない。 4.後順位抵当権者は, 先順位抵当権の被担保債権について, その消滅時効を援用することがで きる。 5.金銭債権の債権者は, 債務者が無資力のときは, 他の債権者が当該債務者に対して有する債 権について, その消滅時効を, 債権者代位権に基づいて援用することができる。 〔第7問〕(配点:3) 不動産をめぐる登記に関する権利主張について, 次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨 に照らし正しいものはどれか。 (解答欄は, [10]) 1.Aは, Bから袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を購入したが, 当該袋地に にょう ついての所有権移転登記を経ないうちは, 囲 繞 地(袋地を囲んでいる土地)を所有している にょう Cに対し, 公道に至るため, その囲 繞 地の通行権を主張することができない。 2.Aは, 占有権原なく土地上に建物を建築して自己名義で所有権保存登記をした後, これをB に売り渡したが, 所有権移転登記がされる前に, 土地所有者であるCから建物収去土地明渡の 請求を受けた。 その場合において, Aは, Bに所有権移転登記をしていない以上は, その請求 を拒むことができない。 3.Aが平穏かつ公然と所有の意思をもってB所有の不動産の占有を開始してから5年が経過し た時点で, Bがその不動産をCに譲渡してその旨の所有権移転登記がされた場合, Aは, その 後もその不動産について占有を続けて当初の占有の開始時から22年が経過したときでも, 所 有権移転登記を有しているCに対して, 当該不動産について時効取得をしたことを主張するこ とができない。 4.AがBに不動産を譲渡したが, 所有権移転登記をしないままに死亡して唯一の相続人である Cが相続した場合において, Bは, Cに対し, 所有権移転登記をしていない以上は, 所有権を 主張することができない。 5.A所有の土地について, その妻B及び子Cが相続を原因として所有権移転登記をしていた が, 遺産分割によりBが単独で所有するとの遺産分割協議が成立した後, 子Cが不動産登記簿 上, 自己名義の所有権移転登記があることを奇貨として, 遺産分割前の法定相続分をDに売却 した場合において, 遺産分割が相続時に遡って効力を生じるから, Bは, 遺産分割によって取 得した持分について登記なくしてDに主張することができる。 - 4 - 〔第8問〕(配点:2) Aが所有する不動産について物権変動があった場合に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。 (解答欄は, [11]) 1.Aがその不動産についてBのために抵当権を設定し, その後AがCに同一不動産を譲渡した 場合, Bは, その抵当権設定の登記がなければその抵当権の取得をCに対抗することができな い。 2.Aがその不動産をBに譲渡し, その後AがCに同一不動産について地上権を設定した上でそ れに基づいて引渡しをした場合において, Bへの所有権移転の登記もCの地上権設定の登記も ないときは, Bは, Cに対して所有権に基づいて当該不動産の引渡しを請求することができな い。 3.Aがその土地をBに賃貸し, Bがその土地上に建物を建築して所有権保存登記をした後, A がCに当該土地を譲渡した場合において, 当該土地に関する所有権移転登記を受けたCは, B に対して当該土地の賃料の請求をすることができる。 4.Aは, Bと通じて, Aの不動産について有効な売買契約が存在しないにもかかわらず売買を 原因とする所有権移転登記をBに対して行い, その後, この事情について善意無過失であるC に対してBが同一不動産を譲渡したが, BC間の所有権移転登記はされていない。 この場合に おいて, さらにその後, AがDに同一不動産を譲渡したときは, Cは, 所有権の取得をDに対 抗することができる。 5.Aがその不動産をBに譲渡し, その後AがCに同一不動産を譲渡し, さらにCが同一不動産 を転得者Dに譲渡し, AC間及びCD間の所有権移転登記が行われた場合において, CがBと の関係で背信的悪意者に当たるが, D自身がBとの関係で背信的悪意者と評価されないとき は, Dは, 所有権の取得をBに対抗することができる。 〔第9問〕(配点:2) 動産の即時取得に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているもの を2個選びなさい。 (解答欄は, [12], [13]順不同) 1.即時取得の規定は, 取引の相手方を保護する制度であるが, 道路運送車両法による登録を受 けている自動車については, その登録が抹消されない限り即時取得の規定の適用はない。 2.即時取得の規定は, 他人の動産を占有していた被相続人の財産を相続により承継する場合に は, 適用がない。 3.意思無能力者である取引の相手方からその所有する動産を譲り受けた者も, 相手方が意思無 能力者であることについて善意無過失であれば, 即時取得により当該動産についての所有権を 取得する。 4.売買の目的物である動産について占有改定の方法により当該動産の占有を取得した買主は, 売主が無権利者であったとしても, 売主が無権利者であることについて善意無過失であれば, 即時取得により当該動産についての所有権を取得する。 5.動産が盗品であることについて善意無過失で競売により取得してこれを占有している者は, 被害者から当該盗品の返還請求を受けたとしても, 競売代金相当額の支払を被害者から受ける までは盗品の引渡しを拒むことができ, 当該盗品の使用利益相当額を被害者に支払う必要もな い。 - 5 - 〔第10問〕(配点:2) 占有に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2個選びなさい。 (解答欄は, [14], [15]順不同) 1.所有者のない動産を所有の意思をもって占有することによって, その占有者は, その動産の 所有権を取得する。 2.占有者が物の占有を奪われたときは, 奪われる前のその占有が所有の意思をもってする場合 であっても所有の意思をもってする場合でなくても, 占有回収の訴えによりその物の返還を請 求することができる。 3.占有者は, 善意で, 平穏に, かつ, 公然と占有するものと推定されるが, 所有の意思は推定 されない。 4.権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合において, 占有者が新たな権原に より更に所有の意思をもって占有を始めたときは, その占有の性質は, 所有の意思をもってす る占有に変更される。 5.所有の意思をもって物を占有していた被相続人から相続人が相続により占有を承継した場 合, 被相続人が所有の意思をもって占有していたことをその相続人が知った時に, その相続人 の占有は, 所有の意思のある占有となる。 〔第11問〕(配点:2) 費用の償還に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [16]) ア.占有者が占有物から生ずる果実を取得したときは, 通常の必要費は, 占有者の負担に帰す る。 イ.留置権者は, 留置物について必要費を支出したときは, 所有者に対し, その償還を請求する ことができる。 ウ.受任者は, 委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは, 委任者に対 し, 委任が終了した日以後に, その費用の償還を請求することができる。 エ.受寄者は, 受寄物を保管するのに必要と認められる債務を負担したときは, 寄託者に対し, 自己に代わってその弁済をすることを請求することができ, その債務が弁済期にないときは, 寄託者に対し, 相当の担保を供させることができる。 オ.事務管理における管理者が本人の意思に反して事務管理をした場合であっても, 管理者は, 本人のために有益な費用を出したときは, 本人に対し, その全額の償還を請求することができ る。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第12問〕(配点:2) 民法上の留置権と同時履行の抗弁権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているもの を組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [17]) ア.留置権によって拒絶できる給付の内容は, 物の引渡しであるが, 同時履行の抗弁権によって 拒絶することができる給付の内容は, 物の引渡しに限られない。 イ.特定動産の売買契約の売主が目的物の占有を失った場合には, 買主からの当該目的物の引渡 請求に対し, もはや留置権を行使することはできないが, 代金支払との同時履行を主張するこ とはできる。 ウ.留置権を行使されている者は, 相当の担保を供してその消滅を請求することができるが, 同 時履行の抗弁権を行使されている者は, 相当の担保を供してその消滅を請求することができな い。 - 6 - エ.物の引渡しを請求する訴訟において被告の同時履行の抗弁が認められた場合は, 被告に対し て, 原告の負う債務の履行との引換給付判決がされることになるが, 被告の留置権の抗弁が認 められた場合は, 請求棄却の判決がされる。 オ.双務契約の当事者の一方が, 相手方に対して同時履行の抗弁権を行使することができるとき でも, その相手方の債権について債権者代位権を行使する者に対しては, 同時履行の抗弁権を 行使することができない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第13問〕(配点:2) 指名債権を目的とする質権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合 わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [18]) ア.指名債権を質権の目的とする場合において, その債権に証書があるときは, 証書を交付しな ければ質権設定の効力は生じない。 イ.指名債権である甲債権の質権者は, 被担保債権の弁済期が到来するとともに, 質権の目的で ある甲債権の弁済期が到来したときは, 甲債権を直接に取り立てることができる。 ウ.譲渡禁止特約のある指名債権を質権の目的とする場合には, その特約につき質権者が悪意で あっても, 質権設定の効力は妨げられない。 エ.債権者が個人である指名債権を質権の目的とした場合において, その質権設定を質権の目的 である債権の債務者以外の第三者に対抗するには, 確定日付のある証書による通知又は承諾が 必要である。 オ.質権の目的とされた指名債権の債務者が, 質権設定につき異議をとどめないで承諾をしたと きは, その債務者は, 債権者に対抗することができた事由があっても, これを質権者に対抗す ることができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第14問〕(配点:2) 物上代位に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2個選び なさい。 (解答欄は, [19], [20]順不同) 1.動産売買の先取特権者は, 一般債権者が物上代位権行使の目的となる債権を差し押さえた後 は, 自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができない。 2.動産売買の先取特権者は, 物上代位権行使の目的となる債権が譲渡され, 第三者に対する対 抗要件が備えられた後であっても, 自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使するこ とができる。 3.動産売買の先取特権者は, 買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対し ては, 原則として物上代位権を行使することができないが, 請負代金全体に占める当該動産の 価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし, 請負代金債権の全部又は一部 を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には, 物上代位権を行 使することができる。 4.抵当権者は, 一般債権者が物上代位権行使の目的となる債権を差し押さえて転付命令が第三 債務者に送達された後であっても, 自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使するこ とができる。 5.抵当権者は, 物上代位権行使の目的となる債権が譲渡され, 第三者に対する対抗要件が備え られた後であっても, 自らその目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。 - 7 - 〔第15問〕(配点:2) Aが所有する土地について, Bを抵当権者とする抵当権が設定され, その登記がされていた場合 に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記1から5 までのうちどれか。 (解答欄は, [21]) ア.Bが抵当権を実行しCが買受人としてこの土地の所有権を取得した場合, CはAに対してこ の土地について所有権に基づいて引渡しを請求することができる。 イ.Bのために抵当権設定登記がされた後, 抵当権の実行の前に, AがDとの間でこの土地の賃 貸借契約を締結しその賃借権が登記された場合において, その後Bが抵当権を実行しCが買受 人としてこの土地の所有権を取得したとき, Dは, Cからのこの土地についての所有権に基づ く引渡しの請求に対して, 賃貸借契約を理由にして拒むことができる。 ウ.Bが抵当権を実行する前に, AがEとの間でこの土地の賃貸借契約を締結した場合におい て, その後抵当権の被担保債権について不履行があったとき, 抵当権の効力は, Aが賃貸借契 約に基づいてEに対して有する賃料債権で被担保債権について不履行があった後に生じたもの に及ぶ。 エ.Bが抵当権を実行する前に, AがFとの間でこの土地の売買契約を締結した場合において, AF間の売買契約で定めた代価を, FがBの請求に応じてBに支払ったとき, 抵当権はFのた めに消滅する。 オ.Bのために抵当権設定登記がされた後, 抵当権の実行の前に, Aがこの土地の上に建物を築 造した場合において, Bが土地と共にこの建物を競売したとき, Bは抵当権に基づく優先権を 土地及び建物の代価について行使することができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第16問〕(配点:2) 不動産の譲渡担保に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているも のを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [22]) ア.債務者である土地の賃借人が, 借地上に所有している建物を譲渡担保の目的物とした場合に おいて, 譲渡担保権の効力は, 土地の賃借権に及ぶので, 譲渡担保権者が担保権を実行し, こ れにより第三者がその建物の所有権を取得したときは, これに伴い土地の賃借権も第三者に譲 渡される。 イ.譲渡担保権の設定者は, 被担保債権が弁済期を経過した後においては, 譲渡担保の目的物に ついての受戻権を放棄し, 譲渡担保権者に対し, 譲渡担保の目的物の評価額から被担保債権の 額を控除した金額の清算金を請求することができる。 ウ.譲渡担保権によって担保されるべき債権の範囲は, 強行法規や公序良俗に反しない限り, 設 定契約の当事者間において元本, 利息及び遅延損害金について自由に定めることができ, 抵当 権の場合におけるような制限はない。 エ.債務者が債務の履行を遅滞したときは, 帰属清算型の譲渡担保であっても, 譲渡担保権者 は, 目的不動産を処分する権限を取得する。 オ.被担保債権の弁済期が到来し, 債務者が被担保債権を弁済した後に, 譲渡担保権者が目的不 動産を第三者に売却した場合には, 当該第三者は, 被担保債権が弁済されていることについて 知らないで, かつ, 知らないことに過失がないときに限り, 目的不動産の所有権を取得する。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 8 - オ 5.ウ オ 〔第17問〕(配点:2) 債務不履行に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれ か。 (解答欄は, [23]) 1.金銭債務者が, 不可抗力により, 支払期日に支払をすることができなかったときは, 当該金 銭債務者は, 履行遅滞の責任を負わない。 2.建物の転貸借において, 転借人の失火によって当該建物が焼失した場合, 転貸借について賃 貸人の承諾があれば, 転貸人は, 賃貸人に対する損害賠償義務を負わない。 3.生命保険契約を締結していた被保険者が, 医師の過失による医療事故によって死亡し, 被保 険者の相続人が当該生命保険契約により死亡保険金の給付を受けた場合において, その相続人 が医師に対して債務不履行を理由に損害賠償を請求したときは, 賠償されるべき損害額から当 該保険金額が控除される。 4.特注品の椅子の製造を請け負った請負人が, 目的物を完成させて注文者に届けた場合には, 注文者がこれを受領しないときでも, 請負人は, 特段の事由がない限り当該請負契約を解除す ることができない。 5.不動産の売買における売主の債務不履行において, 特別の事情によって生じる損害について は, 債務者は, その債務の成立時に当該特別の事情を予見し, 又は予見することができた場合 に限り, 賠償責任を負う。 〔第18問〕(配点:2) 詐害行為取消権に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2 個選びなさい。 (解答欄は, [24], [25]順不同) 1.不動産の譲渡が詐害行為取消権を主張する債権者の債権成立前にされている場合には, 債権 成立後に所有権移転登記がされても, 当該不動産の譲渡行為及び所有権移転登記は, いずれも 詐害行為とはならない。 2.相続人の債権者は, 相続人が無資力であるにもかかわらず相続放棄をした場合には, 詐害行 為取消権を行使することができる。 3.受益者が債権者を害すべき事実を知らない場合には, 転得者がこれを知っていたとしても, 債権者は, 転得者に対し詐害行為取消権を行使することはできない。 4.詐害行為取消権を行使するためには, 受益者又は転得者を相手方として訴えを提起すれば足 り, 債務者を相手方とする必要はない。 5.不動産の譲渡行為が詐害行為となる場合, 詐害行為取消権を行使する債権者は, 当該譲渡行 為に基づき所有権移転登記を受けた譲受人に対して, 直接自己に対する所有権移転登記を求め ることができる。 - 9 - 〔第19問〕(配点:2) 多数当事者の債権関係に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいも のはどれか。 (解答欄は, [26]) 1.保証人は, 主たる債務者がその有する債権をもって相殺するまでは, 債権者に対して相殺を 対抗することができない。 2.連帯債務者の一人が債権者の地位を単独で相続した場合, 他の連帯債務者は, 依然として連 帯債務を負担する。 3.期限の定めのない貸金債権を共同相続した相続人の一人が, 債務者に対して全額の弁済請求 をした場合には, 債務者は, 共同相続人全員に対して履行遅滞の責任を負う。 4.未成年者が負っている貸金債務を連帯保証した保証人は, 債権者との連帯保証契約の時に未 成年者であることを知らなかった場合であっても, 未成年者のした貸金契約を保証人としての 資格で取り消すことはできない。 5.二人が貸金業者から連帯して100万円を借り入れた後, 当該連帯債務者のうちの一人が成 年被後見人であることを理由に当該契約を取り消した場合, 他の連帯債務者は, 成年被後見人 の負担部分の債務を免れる。 〔第20問〕(配点:2) 債権譲渡に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 (解答欄は, [27]) 1.指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対して通知がされていれば, その予約が完結された時に, 譲受人は, 債権譲渡の効力を第三者に対抗することができること になる。 2.指名債権が二重に譲渡され, 各譲渡についての確定日付のある証書による通知が同時に債務 者に到達したときは, 各譲受人は, 債務者に対し, それぞれ譲受債権全額の弁済を請求するこ とができる。 3.譲渡禁止の特約の存在を知りながら債権を譲り受けた者から, 更に当該債権を譲り受けた転 得者については, この者が譲渡禁止の特約の存在を知らない場合でも, 債務者は, 譲渡禁止の 特約を対抗することができる。 4.指名債権の譲受人が, 債権者代位権により, 譲渡人に代位して債務者に債権譲渡の通知をし た場合, その通知は有効である。 〔第21問〕(配点:2) 弁済に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 (解答 欄は, [28]) 1.弁済者が履行期に弁済の目的物を提供して受取証書の交付を請求したにもかかわらず, 弁済 受領者がこれに応じないときは, 弁済者は, 目的物の引渡しをしなくても, 遅滞の責めを負わ ない。 2.債権者が債務の弁済として, 債務者からその所有に属しない物の交付を受けた場合には, そ の弁済が有効となることはない。 3.債権の準占有者に対する弁済は, 弁済者が善意であり, かつ, 重過失がなかった場合には, 有効となる。 4.受取証書の持参人は, その者の権限についての弁済者の主観的事情にかかわらず, 弁済を受 領する権限があるものとみなされる。 - 10 - 〔第22問〕(配点:3) 弁済による代位に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組 み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [29]) ア.保証人が債権者に弁済をする前に債務者所有の抵当不動産が第三者に譲渡された場合には, 保証人は, その後に弁済をしても, その第三者に対して債権者に代位することはできない。 イ.900万円の主たる債務について二人の連帯保証人がおり, そのうちの一人が物上保証人を 兼ねている場合, 連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると, この者が法定代位 する債権額は600万円である。 ウ.1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が一人ずついたところ, 連帯保 証人が債権者に弁済をする前に, 物上保証の目的不動産が三人の共同相続人により相続され共 有となった場合, その後連帯保証人が全額弁済をすると, この者が法定代位する債権額の合計 は750万円である。 エ.債務者が所有する不動産と物上保証人が所有する不動産に共同抵当権が設定された場合にお いて, 後者の不動産が競売されて債権者が被担保債権の一部の満足を受けたときは, 物上保証 人は, 一部代位者として債権者と共に前者の不動産に設定された抵当権を実行することができ るが, 競落代金の配当においては債権者に劣後する。 オ.保証人が債権者に弁済をした場合, 債務者との間であらかじめ求償権につき法定利率を超え る利率による遅延損害金を支払う特約をしていたとしても, 当該債務者の物上保証人との関係 においては, 保証人が取得した求償権についての遅延損害金は, 法定利率の範囲に限定され る。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第23問〕(配点:2) 相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [30]) ア.消滅時効期間の経過した債権が, その期間経過以前に債務者の有する反対債権と相殺適状に あった場合には, 消滅時効期間の経過した債権を有する債権者は, 債務者による消滅時効の援 用の前後を問わず, 相殺をすることができる。 イ.債務者が受働債権の譲受人に対し相殺をもって対抗することができる場合には, その相殺の 意思表示は, 受働債権の譲渡人にすれば足りる。 ウ.不法行為に基づく損害賠償債権を自働債権とし, 不法行為に基づく損害賠償債権以外の債権 を受働債権とする相殺は, 許される。 エ.請負人の注文者に対する請負代金債権と, 注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わ る損害賠償請求権は, 同時履行の関係にあるため, 注文者及び請負人は, 原則として共に相殺 することができないが, 双方の債権額が等しい場合には例外として相殺をすることができる。 オ.有価証券に表章された金銭債権の債務者は, その債権者に対して有する弁済期にある自己の 金銭債権を自働債権とし, 有価証券に表章された金銭債権を受働債権として相殺する場合であ っても, 有価証券の占有を取得する必要はない。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ - 11 - オ 5.エ オ 〔第24問〕(配点:2) 危険負担に関する次の1から4までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [31]) 1.Aは, Bから「自分の肖像画を描いてほしい。 完成した肖像画と引換えに報酬100万円を 払う。 」と頼まれて請け負い, その後, Bの肖像画を完成させ, A宅に保管していたところ, 引 渡期日前に, この肖像画は隣人の失火によって焼失した。 この場合, Bは, Aに対して, 報酬 100万円を支払わなければならない。 2.Aは, Bに対して, A所有の中古住宅を代金3000万円で売却し, Bへの所有権移転登記 と同時に代金全額を受け取るという約束でBにこの住宅を引き渡したが, Bに引き渡した2日 後に, この住宅は隣人の失火によって全焼した。 この場合, Bは, Aに対して, 代金3000 万円を支払わなければならない。 3.Aは, Bとの間で, 「Bが大学を卒業した際には, Aは, A所有の特定の自動車を10万円で Bに売り渡す。 」という契約をしたが, A宅敷地内の車庫に保管されていたこの自動車は, 隣人 の失火によって焼失し, その後, Bは, 大学を卒業した。 この場合, Bは, Aに対して, 代金 10万円を支払わなければならない。 4.Aは, Bとの間で, 「Bが大学を卒業した際には, Aは, A所有の特定の自動車を10万円で Bに売り渡す。 」という契約をしたが, Aの失火によってこの自動車は焼失し, その後, Bは, 大学を卒業した。 この場合, Bは, この売買契約を解除することはできない。 〔第25問〕(配点:2) 不動産の売買契約における売主の瑕疵担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正し いものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [32]) ア.売買の目的物に瑕疵があった場合, 買主が瑕疵があることを知らずに目的物を買い受けた以 上, 隠れた瑕疵といえる。 イ.売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合, その瑕疵の存在により契約をした目的を達するこ とができないときは, 買主は, 契約を解除することができる。 ウ.売買の目的物に隠れた瑕疵があり, 買主がそのことを理由に契約を解除することができる場 合, 買主は, 契約を解除するとともに, 売主に対して損害賠償を請求することもできる。 エ.買主が売主に対して瑕疵担保責任に基づいて契約の解除又は損害賠償を請求する場合, 買主 は売買契約が成立した時から1年以内にこれをしなければならない。 オ.中古の建物について強制競売が行われた場合, その建物の買受人は, その建物の元の所有者 に対し, その建物に隠れた瑕疵があることを理由として損害賠償を請求することができる。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第26問〕(配点:2) 売買に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 (解答 欄は, [33]) 1.売買代金額が, 契約の際に表示された目的物である土地の面積を基礎に決められたにもかか わらず実際にはその面積が不足していた場合, 売主は, その面積の表示が契約の目的を達成す る上で特段の意味を有しなくても, その土地が表示どおりの面積を有したとすれば買主が得た であろう利益について損害賠償の責めを負う。 2.他人の土地を買主に移転するという債務が売主の責めに帰すべき事由により履行不能となっ た場合, 目的物である土地を売主が所有していないことを知って売買契約を締結した買主は, 売主に対して損害賠償を請求することができる。 3.買った土地の一部が売主以外の者の所有する土地であり, 契約締結時に買主がその事実を知 っていた場合において, 売主がこれを買主に移転することができないときは, 買主は, 売主に - 12 - 対して, その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することはできない。 4.売買の目的物である土地の実際に有する数量を確保するため, 売主が一定の面積を契約にお いて表示し, かつ, この面積を基礎として代金が定められた売買において, 実際の面積が超過 する場合, 売主は, 契約締結時にその超過の事実を知らなかったときは, 買主に対する意思表 示により, 超過した部分の割合に応じて代金の増額を請求することができる。 〔第27問〕(配点:2) Aを貸主, Bを借主とするA所有の甲建物の使用貸借契約に関する次のアからオまでの各記述の うち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [34]) ア.甲建物に瑕疵があり, Aがそれを知らなかったことについて過失がある場合には, Aは, 担 保責任を負う。 イ.甲建物内の蛍光灯が切れたので, Bが新しいものに交換した場合, Bは, Aに対して蛍光灯 の代金を請求することができる。 ウ.甲建物についてBが有益費を支出し, 使用貸借契約の終了時に, Bがその支出した金額の支 払をAに対して求めた場合, Aは, Bが支出した金額ではなく, Bが有益費を支出したことに よる甲建物の増価額をBに支払うことができる。 エ.AB間の使用貸借契約が, 返還の時期は定めていないが, Bが他の適当な建物に移るまでの しばらくの間, Bが住居として使用することを目的としていた場合において, Bが現実に適当 な建物を見つけることができなくても, それに必要な期間を経過したときは, Aは, 使用貸借 契約の解約をすることができる。 オ.AB間の使用貸借契約は, Aの死亡によってその効力を失う。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第28問〕(配点:2) 第三者の権利又は法的地位に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っ ているものはどれか。 (解答欄は, [35]) 1.譲渡禁止の特約のある債権がその特約につき悪意の者に譲渡され, 当該債権の債務者がそれ を承諾した場合には, その債権譲渡は遡って有効となるが, その承諾前に譲渡人の債権者であ る第三者が当該債権を差し押さえていたときは, その第三者の権利を害することができない。 2.AがBに不動産を売却し, さらにBがCに当該不動産を売却した後, AB間の売買契約をA が解除した場合において, Cが保護されるためには, Cは, 自己の権利の取得について登記を 備えていることを要する。 3.借地上の建物の賃借人は, その敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有するとはい えないので, 借地人の意思に反して, 第三者として地代を弁済することはできない。 4.代理人が本人を売主として権限外の売買契約を締結した場合において, その相手方について 権限外の行為の表見代理の要件が充足されているときは, 本人は, その相手方からの転得者に 対して, 当該行為の効果が本人に帰属しないことを主張することができない。 - 13 - 〔第29問〕(配点:2) 不当利得に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。 (解答欄は, [36]) 1.AがBからだまし取った金銭で自己の債権者Cに弁済した場合, Cがこの事実を知らなかっ たことにつき重大な過失があったとしても, Cが受けた弁済による利益は, Bとの関係で不当 利得にはならない。 2.Aは, Bに対して債務を負っており, その弁済期前であることを知りながらその債務を全額 弁済した場合, Bがそれを弁済期までの間に運用して利益を得ていたときは, その利益は, A との関係で不当利得となる。 3.大麻の密売人Aは, Bに対し, Aが売るための大麻をAの所有する土地でBに栽培させるた めに, その土地を書面によってBに贈与し, Bに引き渡したが, 登記名義はAのままであった。 その後, Aが大麻を売るのをやめ, Bに対して当該土地の引渡請求をした場合には, Aの請求 は認められる。 4.不法な原因のために, 書面によって土地を贈与し, これを受贈者に引き渡した場合におい て, 当事者間で当該贈与契約を解除して当該土地を贈与者に返還する旨の合意をしたときは, この合意は, 無効である。 〔第30問〕(配点:2) 不法行為による損害賠償請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [37]) ア.胎児の父が他人の不法行為によって死亡した場合, 胎児の母は, 子の出生前であっても, そ の代理人として子の固有の慰謝料請求権を行使することができる。 イ.不法行為による生命侵害の場合, 被害者が加害者に対して取得した慰謝料請求権は, 被害者 の相続人に相続される。 ウ.不法行為により身体に被害を受けた者の近親者がその固有の慰謝料を請求することができる のは, 被害者がその不法行為によって死亡した場合に限られる。 エ.不法行為による身体傷害の場合, 被害者に責任能力が備わっていないときは, その過失を考 慮して損害賠償の額を決めることができない。 オ.名誉毀損による慰謝料請求権は, 被害者がその請求権を行使する意思を表示した後であって も, 具体的な金額が当事者間において客観的に確定する前は, 被害者の債権者による代位行使 の対象とはならない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第31問〕(配点:2) 婚姻又は内縁の解消に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [38]) ア.協議上の離婚は戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生じ, 判決による 離婚は離婚請求を認容する判決が確定した時に効力を生ずる。 イ.裁判所は, 離婚の訴えに係る請求を認容する判決において, 婚姻により氏を改めた当事者の 称すべき氏を定めなければならない。 ウ.婚姻が離婚により終了したときは, 姻族関係は当然に終了し, 婚姻が夫婦の一方の死亡によ り終了したときは, 姻族関係は, 生存配偶者が戸籍法の定める届出により姻族関係終了の意思 を表示した時に終了する。 エ.判例によれば, 内縁の夫婦関係がその一方により正当の理由なく破棄されたため他の一方が 精神的損害を被った場合には, 当該他の一方は, 不法行為を理由として慰謝料の支払を請求す - 14 - ることができる。 オ.判例によれば, 内縁の夫婦の一方が死亡したときは, 他の一方は, 財産分与に関する民法の 規定の類推適用により, 遺産について財産分与を請求することができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第32問〕(配点:2) 親子関係に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2個選び なさい。 (解答欄は, [39], [40]順不同) 1.離婚による婚姻解消後300日以内に出生した子であっても, 母とその夫とが離婚に先立ち 長期間事実上の離婚をして別居し, 全く交渉を絶って, 夫婦の実態が失われていた場合には, 夫の子と推定されない。 2.未成年者である父がその子を認知したときは, 当該父の法定代理人がこれを取り消すことが できる。 3.母とその嫡出でない子との間の親子関係は, 母が認知をしたときに認知の時から発生する。 4.認知の届出がない場合であっても, 父の生前における認知の意思が客観的に明らかであると きは, 父が死亡した時に認知の効力が生ずる。 5.認知の判決が正当な当事者の間で確定している以上, 当該判決は第三者に対しても効力を有 するから, これに対して再審の手続で争うのは別として, もはや第三者も反対の事実を主張し て認知の無効の訴えを提起することはできない。 〔第33問〕(配点:2) 後見に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [ 41], [42]順不同) 1.未成年後見及び成年後見は, いずれも, 家庭裁判所が後見開始の審判をしたときに開始され る。 2.法人は, 成年後見人となることができない。 3.未成年後見人は, 自己のためにするのと同一の注意をもって, 後見の事務を行わなければな らない。 4.成年後見人が欠けたときは, 家庭裁判所は, 成年被後見人若しくはその親族その他の利害関 係人の請求により又は職権で, 成年後見人を選任する。 5.未成年者は, 後見人となることができない。 - 15 - 〔第34問〕(配点:2) 遺産分割に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [43]) ア.被相続人は, 遺言で, 遺産の分割の方法を定めることを第三者に委託することができる。 イ.判例によれば, 共同相続が生じたとき, 相続財産を構成する金銭は, 相続開始と同時に各自 の相続分に従い当然に分割され, 遺産分割の対象とならない。 ウ.共同相続人間における遺産分割の審判が確定した後に, 被相続人を父とする認知の判決が確 定し被認知者が相続人となった場合, 遺産分割の審判はその効力を失う。 エ.共同相続が生じたとき, 各相続人は, 他の相続人全員を被告として遺産分割の訴えを提起す ることができる。 オ.相続の放棄をした者は, その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めること ができるまで, 自己の財産におけるのと同一の注意をもって, その財産の管理を継続しなけれ ばならない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第35問〕(配点:2) 普通の方式による遺言に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせ たものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [44]) ア.公正証書遺言及び秘密証書遺言は, 公証人がその作成に関与する。 イ.署名することができない者は, 公正証書遺言及び秘密証書遺言により遺言をすることができ る。 ウ.公正証書遺言を撤回する遺言は, 自筆証書遺言でもすることができる。 エ.秘密証書遺言は, その方式に欠けるところがあっても, 自筆証書遺言の方式を具備するとき は, 自筆証書遺言として効力を有する。 オ.自筆証書遺言をするには, 遺言者が証書の全文, 日付及び氏名を自書し, 押印した上で, 証 書を封じ, 封印しなければならない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第36問〕(配点:2) 遺留分に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2個選びなさい。 (解答欄 は, [45], [46]順不同) 1.被相続人の兄弟姉妹は, 被相続人の相続において遺留分を有しない。 2.相続の開始前に家庭裁判所の許可を受けて遺留分を放棄した者は, これにより相続人として の地位を失わない。 3.数個の贈与が遺留分減殺の対象となるとき, 被相続人の別段の意思表示がなければ, 贈与の 目的物の価格の割合に応じて減殺すべき額を割り付け, 各々の贈与を減殺する。 4.遺留分減殺請求権は裁判外の意思表示で行使することができる。 5.遺留分減殺の対象となる贈与は, 相続人に対してされたものでなければならない。 - 16 - 〔第37問〕(配点:2) 取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。 )における支配人に関する次のアからオまでの各記述 のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [47]) ア.支配人は, 取締役会の決定によって選任する。 イ.支配人の任期は, 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総 会の終結の時までである。 ウ.支配人は, 会社の許可を受けなくても, 他の会社の取締役となることができる。 エ.支配人が自己の利益を図る意図で会社の事業に関する行為をした場合でも, 相手方がその意 図を知っているときは, その会社は, その行為について責任を負わない。 オ.支配人は, 会社の他の使用人を選任することができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第38問〕(配点:2) 株式会社の発起設立に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [48]) ア.設立時取締役は, 発起人であることを要しない。 イ.発起人が2名以上ある場合, そのうちの発起人1名が設立時発行株式の全てを引き受け, 他 の発起人は, 設立時発行株式を引き受けないことができる。 ウ.定款で設立時取締役として定められた者は, その定款について公証人の認証を受けた時に, 設立時取締役に選任されたものとみなされる。 エ.設立時取締役は, その選任後遅滞なく, 設立の手続が法令又は定款に違反していないことを 調査しなければならない。 オ.株式会社が発起人となってその事業の全部を現物出資する場合には, 現物出資をする会社に おいて株主総会の特別決議を経なければならない。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ 〔第39問〕(配点:2) 取得請求権付株式に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [49]) 1.取得請求権付株式の株主は, その取得の対価が金銭である場合において, 株式会社に分配可 能額がないときは, 取得の請求をすることができない。 2.株式会社が株主の取得の請求によって取得請求権付株式を取得する場合には, その取得につ いて株主総会の決議を経なければならない。 3.株式会社が株主の取得の請求によって取得請求権付株式を取得した場合には, 相当の時期 に, 取得した自己株式を消却しなければならない。 4.株式会社が株主の取得の請求によって取得請求権付株式を取得した結果, 取得した日の属す る事業年度に係る計算書類において欠損が生じた場合でも, その行為に関する職務を行った業 務執行者は, その会社に対し, その欠損を補する責任を負わない。 5.優先株式を取得請求権付株式とすることはできるが, その取得の対価を普通株式とすること はできない。 - 17 - 〔第40問〕(配点:2) 株式の分割と株式無償割当ての異同に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているもの はどれか。 (解答欄は, [50]) 1.株式の分割により自己株式の数は増えるが, 株式無償割当てにより自己株式の数は増えな い。 2.株式の分割により1株に満たない端数が生じ得るが, 株式無償割当てにより1株に満たない 端数が生ずることはない。 3.株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはでき ないが, 株式無償割当てにより株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させる ことはできる。 4.株式の分割の場合には, 現に2以上の種類の株式を発行していない限り, 株主総会の決議に よらないで発行可能株式総数を増加する定款変更をすることができるが, 株式無償割当ての場 合には, 株主総会の決議によらなければ発行可能株式総数を増加する定款変更をすることはで きない。 5.株式の分割により自己株式を株主に取得させることはできないが, 株式無償割当てにより自 己株式を株主に取得させることはできる。 〔第41問〕(配点:2) 次のアからオまでの発行又は処分のうち, 金銭が会社に払い込まれることがないため, 資金調達 方法となり得ないものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [51]) ア.株式無償割当てによる株式の発行 イ.新株予約権付社債(新株予約権を行使する場合には, 必ずその社債が消滅するものに限る。 ) の発行 ウ.新株予約権の行使に伴う株式の発行 エ.自己株式の処分 オ.取得条項付株式の取得の対価としての株式の発行 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第42問〕(配点:2) 株主総会に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [52]) ア.判例によれば, 株式会社が定款をもって株主総会における議決権行使の代理人の資格を会社 の株主に限る旨を定めた場合において, 株主である法人がその代表者の指揮下にある職員を代 理人として株主総会で議決権を行使することは, 定款に反し許されない。 イ.大会社においては, 株主の数が1000人未満でも, 株主総会を招集する場合には, 株主総 会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができる旨を定めなければならな い。 ウ.会社法上の公開会社においては, 株主総会の招集通知は, 株主総会の日の2週間前までに株 主に対して発しなければならず, 定款でこれより短い期間を定めることはできない。 エ.取締役会設置会社においては, 取締役の解任が株主総会の目的である事項となっていない場 合でも, 株主は, その株主総会において, 取締役の解任の議案を提出することができる。 オ.取締役は, 株主総会において, 株主から特定の事項について説明を求められた場合でも, そ の事項が株主総会の目的である事項に関しないものであるときは, その説明をすることを要し ない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 18 - オ 5.ウ オ 〔第43問〕(配点:2) 種類株式発行会社でない監査役会設置会社における株主の権利に関する次のアからオまでの各記 述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [ 53]) ア.会社法所定の要件を満たす株主は, 代表取締役が法令に違反する行為をするおそれがある場 合において, その行為によって会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるとき は, その行為をやめることを請求することができる。 イ.株主が監査役会議事録の閲覧を請求するためには, 裁判所の許可を得なければならない。 ウ.株主は, 他の株主が提起した株主代表訴訟には, 共同訴訟人として参加することができな い。 エ.取締役の職務の執行に関し不正の行為があった場合には, 会社法所定の要件を満たす株主 は, その取締役を解任する旨の議案が株主総会において否決されたかどうかを問わず, その取 締役の解任の訴えを提起することができる。 オ.株主総会においてある議案について賛成の議決権を行使した株主は, その議案に係る決議の 方法が定款に違反する場合でも, 決議取消しの訴えを提起することができない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第44問〕(配点:2) 監査役会設置会社において, 取締役がその任務を怠ったときに負う会社に対する損害賠償責任の 全部の免除又は法定の額を限度とする一部の免除に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っ ているものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 なお, 各記述において, 取締 役の責任を追及する訴えに係る訴訟において和解をする場合は, 考慮しないものとする。 (解答欄 は, [54]) ア.責任の全部の免除をするためには, 総株主の同意がなければならない。 イ.責任の一部の免除をするためには, 取締役が職務を行うにつき善意で, かつ, 過失がないと きであることが必要である。 ウ.責任の一部の免除に関する議案を取締役が株主総会に提出するためには, 監査役の過半数を もって行う決議による監査役会の同意を得なければならない。 エ.取締役会の決議によって責任の一部の免除をするためには, 取締役会の決議によって免除す ることができる旨を定款で定めなければならない。 オ.会社と取引をした取締役の責任の一部の免除をするためには, その取引が自己のためにした ものでないことが必要である。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 19 - エ 5.エ オ 〔第45問〕(配点:2) 監査役会設置会社における決議又は報告の省略に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っ ているものを2個選びなさい。 (解答欄は, [55], [56]順不同) 1.株主総会の決議については, 取締役が株主総会の目的である事項について提案をした場合に おいて, その提案につき株主(その事項について議決権を行使することができるものに限る。 ) の全員が書面により同意の意思表示をしたときは, その提案を可決する旨の決議があったもの とみなされる。 2.株主総会への報告については, 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通 知した場合において, その事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が 書面により同意の意思表示をしたときは, その事項の報告があったものとみなされる。 3.取締役会の決議については, 取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした 場合において, その提案につき取締役(その事項について議決に加わることができるものに限 る。 )の全員が書面により同意の意思表示をしたときは, 決議の省略に係る定款の定めがなくて も, その提案を可決する旨の決議があったものとみなされる。 4.監査役会の決議については, 監査役が監査役会の決議の目的である事項について提案をした 場合において, その提案につき監査役の全員が書面により同意の意思表示をしたときは, 決議 の省略に係る定款の定めがなくても, その提案を可決する旨の決議があったものとみなされ る。 5.監査役会への報告については, 監査役が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を 通知したときは, その事項を報告することを要しない。 〔第46問〕(配点:2) 監査役に関する次のアからオまでの各規律のうち, 監査役の独立性確保を目的としないものを 組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [57]) ア.監査役の任期は, 定款の定めによって短縮することができないとの規律 イ.監査役会設置会社において, 取締役が監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するに は, 監査役会の同意を得なければならないとの規律 ウ.補欠の監査役を選任することができるとの規律 エ.監査役を辞任した者は, 辞任後最初に招集される株主総会に出席して, 辞任した旨及びその 理由を述べることができるとの規律 オ.監査役会の決議は, 監査役の過半数をもって行うとの規律 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第47問〕(配点:2) 株式会社が株主総会の決議によって解散した場合に関する次の1から5までの各記述のうち, 正 しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [58], [59]順不同) 1.その会社が取締役会設置会社であった場合, 清算人会を置かなければならない。 2.その会社は, 解散した後, 速やかに, 債務の弁済をしなければならない。 3.その会社は, 清算が結了するまで, 株主総会の特別決議によって, 株式会社を継続すること ができる。 4.その会社の法人格は, 清算が結了しても, その会社が清算結了の登記をするまでは, 消滅し ない。 5.その会社が会社法上の公開会社である委員会設置会社であった場合, 監査委員が監査役とな る。 - 20 - 〔第48問〕(配点:2) 合同会社に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [60]) ア.社員になろうとする者は, 労務や信用を出資の目的とすることができる。 イ.会社が新たに社員を加入させる場合, 定款の変更をしなければならない。 ウ.合同会社が合名会社となるには, 組織変更計画を作成しなければならない。 エ.法人は, 業務を執行する社員となることができない。 オ.社員は, 定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き, 会社に対し, 出資の払戻し を請求することができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第49問〕(配点:2) 株式会社の新設分割に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたもの は, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [61]) ア.分割会社は, 株主総会の普通決議によって, 新設分割計画の承認を受けなければならない。 イ.分割会社の債権者が債権者異議手続に従って新設分割について異議を述べた場合でも, 新設 分割をしてもその債権者を害するおそれがないときは, 会社は, その債権者に対し, 弁済し, 若しくは相当の担保を提供し, 又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社 等に相当の財産を信託することを要しない。 ウ.設立会社においては, 新設分割計画の定めに従って, 創立総会を招集しなければならない。 エ.設立会社は, 新設分割計画に新設分割がその効力を生ずる日を定めたときは, その日に, 成 立する。 オ.設立会社は, 新設分割によって, その親会社の株式を分割会社から承継することができる。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第50問〕(配点:2) 株主総会の決議に係る訴訟に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせ たものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [62]) ア.株主総会決議無効確認の訴えは, 確認の利益を有する限り, 誰でも提起することができる。 イ.株主総会の決議の方法が法令に違反した場合, 株主総会決議無効確認の訴えを提起すること ができる。 ウ.株主総会の招集通知の発出に漏れがあった場合, その程度にかかわらず, 株主総会決議不存 在確認の訴えを提起することはできない。 エ.株主総会決議取消しの訴えの提起があった場合において, 株主総会の招集の手続が定款に違 反するときでも, 裁判所は, その違反する事実が重大でなく, かつ, 決議に影響を及ぼさない ものであると認めるときは, その訴えに係る請求を棄却することができる。 オ.株主総会決議無効確認の訴えに係る請求を棄却する確定判決は, 第三者に対しても, その効 力を有する。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 21 - オ 5.ウ オ 〔第51問〕(配点:2) 次のアからオまでの各事項のうち, 株式会社の登記事項とされているものを組み合わせたもの は, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [63]) ア.資本金の額 イ.事業年度 ウ.取締役の氏名及び住所 エ.取締役会設置会社であるときは, その旨 オ.監査役会設置会社であるときは, その旨及び監査役のうち常勤監査役であるものについて常 勤監査役である旨 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第52問〕(配点:2) Aが個人旅行を予定しているB(商人ではないものとする。 )のために一定の行為を業としてする 場合におけるAの商法上の地位に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [64]) ア.AがBから委託を受けてBの希望に添うレンタカー契約の締結を媒介する場合, Aは, Bの 代理商に該当する。 イ.AがBから委託を受けて自己の名でBのためにバス会社との間で旅客運送契約を締結する場 合, Aは, いわゆる準問屋に該当する。 ウ.AがBから委託を受けてBのために宿泊契約の締結を媒介する場合において, Aが宿泊契約 の相手方であるホテル会社からその媒介の委託を受けていないときは, Aは, 仲立人に該当し ない。 エ.AがBから委託を受けてBのためにゴルフバッグを運送する宅配便をあっせんし, Bと運送 会社との間で物品運送契約が締結された場合, Aは, 運送取扱人に該当する。 オ.Aが店舗の半分のスペースで旅行の手配に係る業務を営み, 残りの半分のスペースで喫茶店 を営んでいる場合において, 旅程の相談を終えたBに対しその喫茶店で飲食物を有料で提供す るときは, Aは, 場屋の主人に該当する。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第53問〕(配点:2) 交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないことは, 第三者が交互計算契約の成立を知 っていたかどうかにかかわらず, 第三者に対抗することができるとの見解がある。 次のアからオま での各記述のうち, この見解の論拠又はそれと親和性を有するものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [65]) ア.交互計算は, 第三者に対する公示手段を有しない。 イ.当事者の意思に基づいて差押禁止財産を作ることは, 許容すべきではない。 ウ.交互計算に組み入れた債権を譲渡することができないのは, その債権が交互計算の下におけ る取引により生じたことの当然の結果である。 エ.交互計算に組み入れた債権については, 当事者間に譲渡禁止の特約があると考えられる。 オ.第三者の保護は, 債権者代位権に基づいて交互計算契約を解除する方法によって図ることが できる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 22 - オ 5.ウ オ 〔第54問〕(配点:2) 約束手形の記載事項に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄 は, [66]) 1.手形の金額として二つの異なる金額を記載した場合, その手形は, 無効となる。 2.確定日払の手形において, 手形金額につき利息を生ずる旨の約定を記載した場合, その手形 は, 無効となる。 3.判例によれば, 手形の満期として平年の2月29日を記載した場合, その手形は, 無効とな る。 4.手形の金額として毎月末に一定金額ずつ支払う旨の記載をした場合でも, 手形金額となる総 額が確定していれば, その手形は, 無効とはならない。 5.手形に満期の記載がない場合でも, その手形は, 無効とはならない。 〔第55問〕(配点:2) 甲は, 乙に対する売買代金の支払のために, 乙を受取人とする確定日払の約束手形を作成して, 乙に交付したところ, これを乙から預かった丙が, 甲及び乙の同意なく, 受取人乙の記載を抹消し て受取人欄を空欄とした。 この場合に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを 組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [67]) ア.この手形は, 丙による受取人乙の記載の抹消により, 白地手形となる。 イ.甲の手形金を支払う義務は, 丙による受取人乙の記載の抹消により, 消滅しない。 ウ.丙が受取人欄に自己の名前を記載して満期に甲に手形金の請求をした場合, 甲は, 丙に対し, 手形金を支払う義務を負わない。 エ.丙が受取人欄に自己の名前を記載して満期前に丁に裏書をした場合において, その裏書が無 担保裏書でないときは, 丙に対する遡求権が発生する。 オ.手形上の権利が時効により消滅した場合, 丙は, 利得償還請求権を取得する。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第56問〕(配点:2) 除斥及び忌避に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後 記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [68]) ア.裁判所書記官は, 忌避の対象にはなるが, 除斥の対象とはならない。 イ.裁判官に対する忌避を理由があるとする決定に対しては, 不服を申し立てることができな い。 ウ.裁判官について忌避の原因があるときは, 裁判所は, 当事者の申立てがなくても, 当該裁判 官を職務の執行から排除する旨の決定をする。 エ.裁判官が自らに除斥の原因があることを知らずに合議体の構成員として訴訟手続に関与した 場合, 除斥の原因のない裁判官によって構成される裁判所が当該手続をやり直す必要がある。 オ.終局判決が確定したときは, その判決に関与した裁判官について除斥の原因があることを理 由として, その判決に対し, 再審の訴えをもって不服を申し立てることはできない。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ - 23 - オ 5.ウ エ 〔第57問〕(配点:2) 必要的共同訴訟に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものはどれか。 (解答欄 は, [69]) 1.必要的共同訴訟において共同訴訟人の一人が死亡した場合, その者に訴訟代理人がいるとき を除き, 訴訟手続は, 共同訴訟人の全員について中断する。 2.必要的共同訴訟の口頭弁論の期日に共同訴訟人の一部が欠席した場合, 相手方は, 準備書面 に記載していない事実を主張することはできない。 3.必要的共同訴訟の口頭弁論の期日に共同訴訟人の一部が欠席した場合, 出頭した共同訴訟人 がその期日において自白をしても, 欠席した共同訴訟人は, その後の期日において, その自白 に係る事実を争うことができる。 4.必要的共同訴訟において共同訴訟人の一人について上訴期間が経過しても, 他の共同訴訟人 の上訴期間が経過していなければ, 判決は全体として確定しない。 5.必要的共同訴訟において共同訴訟人の一人が上訴をすれば, 共同訴訟人の全員に対する関係 で判決の確定が遮断され, 当該訴訟は全体として移審する。 〔第58問〕(配点:2) 独立当事者参加に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [ 70]) 1.独立当事者参加をした者は, 原告又は被告の共同訴訟人となる。 2.独立当事者参加をする者がすることができる請求は, 当該請求について別訴を提起したとき に原告と被告との間の訴訟事件が係属する裁判所に管轄があるものに限られる。 3.独立当事者参加について原告又は被告が異議を述べたときは, 裁判所は, 参加の許否につい て決定で裁判しなければならない。 4.独立当事者参加の申出は, 第一審の口頭弁論の終結の時までにしなければならない。 5.独立当事者参加の申出が時機に後れた攻撃防御方法として却下されることはない。 〔第59問〕(配点:2) 補助参加に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [71], [72]順不同) 1.被参加人が訴訟外で解除権を行使したとしても, 被参加人が訴訟においてその事実を主張し ない限り, 補助参加人は, その事実を主張することができない。 2.貸主Xの借主Yに対する貸金返還請求訴訟において, Yの連帯保証人ZがYに補助参加した 場合, Yが自白をしても, Zは, その自白に係る事実を争うことができる。 3.判例の趣旨によれば, 補助参加人がする上告の提起は, 被参加人が上告を提起することがで きる期間内にしなければならない。 4.Xは, その所有する建物をYに賃貸し, Yは, Xの承諾を得てその建物をZに転貸した。 そ の後, Xが, Yの債務不履行を理由にYとの建物賃貸借契約を解除したとして, Zに対し, 建 物の明渡しを求める訴えを提起した場合, Yは, Zに補助参加することができる。 5.当事者が補助参加について異議を述べた場合, 補助参加人は, 補助参加を許す旨の裁判が確 定するまでの間は, 訴訟行為をすることができない。 - 24 - 〔第60問〕(配点:2) 当事者の法定代理人及び訴訟代理人(訴訟委任による訴訟代理人に限る。 以下同じ。 )に関する次 の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2個選びなさい。 (解答欄は, [73], [74] 順不同) 1.法定代理人は判決書の必要的記載事項であるが, 訴訟代理人は判決書の必要的記載事項では ない。 2.法定代理人及び訴訟代理人の事実に関する陳述を当事者が直ちに取り消したときは, 当該陳 述は, その効力を生じない。 3.法定代理人が数人ある場合であっても, 訴訟代理人が数人ある場合であっても, 送達は, そ の一人にすれば足りる。 4.法定代理人が死亡した場合であっても, 訴訟代理人が死亡した場合であっても, 訴訟手続は 中断する。 5.法定代理人は当該訴訟において証人となることができないが, 訴訟代理人は当該訴訟におい て証人となることができる。 〔第61問〕(配点:2) 訴状審査に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [75]) 1.訴状審査の結果として訴状に不備があることが判明した場合の補正命令は, 裁判所書記官が する。 2.訴状審査の結果, 訴えが不適法でその不備を補正することができないことが判明した場合, 裁判長は, 直ちに訴えを却下することができる。 3.訴状審査の結果として訴状が却下された場合であっても, 訴えの提起による時効中断の効力 が生ずる。 4.訴状における立証方法に関する記載も, 訴状審査の対象となる。 5.当事者が法人である場合において, 訴状にその代表者の記載があるかどうかは, 訴状審査の 対象となる。 〔第62問〕(配点:2) 中間確認の訴えに関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものはどれか。 (解答欄 は, [76]) 1.地方裁判所における中間確認の訴えは, 書面でしなければならない。 2.中間確認の訴えによって, 当事者間に争いがある訴訟要件の存否の確認を求めることはでき ない。 3.中間確認の訴えに対する裁判は, 中間判決である。 4.中間確認の訴えを控訴審で提起する場合, 相手方の同意は不要である。 5.他の裁判所の法定の専属管轄に属する請求は, 中間確認の訴えの対象とすることができな い。 - 25 - 〔第63問〕(配点:2) Xは, Aから甲土地を買ったと主張して, 甲土地を占有しているYに対し, 所有権に基づき甲土 地の明渡しを求める訴えを提起したところ, Yは, Aが甲土地を所有していたことは認めるが, A から甲土地を買ったのはXではなくBであると主張した。 Yからこれ以外の主張がなかった場合に おける次のア及びイの裁判所の判決に関する後記1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照ら し正しいものはどれか。 (解答欄は, [77]) ア.裁判所は, 証拠調べの結果, Aから甲土地を買ったのはXではなくCであったとの事実を認 定して, Xの請求を棄却する判決をした。 イ.裁判所は, 証拠調べの結果, XはAから甲土地を買った後にこれをCに売ったとの事実を認 定して, Xの請求を棄却する判決をした。 1.ア及びイの判決は, いずれも弁論主義に反する。 2.アの判決は弁論主義に反しないが, イの判決は弁論主義に反する。 3.アの判決は弁論主義に反するが, イの判決は弁論主義に反しない。 4.ア及びイの判決は, いずれも弁論主義に反しない。 〔第64問〕(配点:2) 次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうち どれか。 (解答欄は, [78]) ア.被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しなかった場合には, 原告が出頭していれば答弁 書の陳述を擬制することができるが, 原告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しなかった場 合には, 被告が出頭していても訴状の陳述を擬制することはできない。 イ.当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃防御方法について, 裁判所 は, これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは, 相手方の申立てがなくて も, 却下の決定をすることができる。 ウ.当事者が文書提出命令に従わないときは, 裁判所の決定により, 過料に処されることがあ る。 エ.当事者照会に対し, 相手方が正当な理由なく回答を拒んだときは, 裁判所は, 照会をした当 事者の照会事項に関する主張を真実と認めることができる。 オ.当事者が適切な時期に攻撃防御方法を提出しないことにより訴訟を遅滞させたときは, 裁判 所は, その当事者に, その勝訴の場合においても, 遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一 部を負担させることができる。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第65問〕(配点:2) 証拠調べに関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [79], [80]順不同) 1.裁判所は, 証拠調べをするに当たり, 訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため 必要があると認めるときは, 当事者の意見を聴いて, 決定で, 証拠調べの期日において専門的 な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。 2.裁判所は, 証拠保全として, 文書の証拠調べ及び検証をすることはできるが, 証人の尋問を することはできない。 3.当事者が訴訟能力を欠く場合は, その当事者本人を尋問することはできない。 4.証人が正当な理由なく出頭しない場合, 裁判所は, 受命裁判官又は受託裁判官に裁判所外で その証人の尋問をさせることができる。 5.裁判所は, 職権で当事者本人を尋問することができる。 - 26 - 〔第66問〕(配点:2) 裁判上の陳述に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後 記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [81]) ア.所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が, 最初にすべき口頭弁論の期日において, 被告と の間で当該建物について使用貸借契約を締結したがその契約は終了した旨の陳述をしたのに対 し, 被告は, 請求棄却を求め事実に対する認否は追って行う旨の答弁書を提出し, その期日に は出頭しなかった。 被告が次の口頭弁論の期日にも出頭しなかった場合, 原告は, その期日に おいて, 使用貸借契約を締結した旨の陳述を撤回することができる。 イ.原告と被告との間に父子関係があると主張して提起された認知の訴えにおいて, 被告が父子 関係の存在の事実を認める旨の陳述をしたときは, 裁判所は, その陳述に反する事実を認定す ることができない。 ウ.所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が, 原告本人の尋問において, 被告が抗弁として主 張した当該建物についての賃貸借契約締結の事実を認める旨の陳述をしたときは, 裁判所は, その陳述に反する事実を認定することができない。 エ.判例の趣旨によれば, 代理人による契約締結の事実を主張する原告が代理権授与の事実を証 明するための証拠として委任状を提出し, 被告がその成立の真正を認める旨の陳述をした場合 であっても, 裁判所は, 当該委任状が真正に成立したものではないと認めることができ, 被告 は, その陳述をいつでも撤回することができる。 オ.所有権に基づく建物明渡請求訴訟の原告が, 被告との間で当該建物について使用貸借契約を 締結したがその契約は終了した旨の陳述をしたのに対し, 被告は, 当該建物はもともと自己の 所有する建物であったと主張し, 口頭弁論の終結に至るまで, 原告が陳述した使用貸借契約締 結の事実を援用しなかった。 この場合, 裁判所は, 証拠調べの結果, 当該使用貸借契約締結の 事実が認められるとの心証を得ても, この事実を判決の基礎とすることができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第67問〕(配点:2) 文書の成立に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2個選びなさい。 (解答 欄は,[82], [83]順不同) 1.公文書の成立の真否について疑いがあるときは, 裁判所は, 職権で, 当該官庁又は公署に照 会をすることができる。 2.法律関係を証する書面の成立の真否を確定するために確認の訴えを提起することはできな い。 3.当事者が文書の成立の真正を筆跡の対照によって証明しようとする場合において, 対照をす るのに適当な相手方の筆跡がないときは, 裁判所は, 対照の用に供すべき文字の筆記を相手方 に命ずることができる。 4.私文書は, 本人又はその代理人の署名又は押印があるときは, 真正に成立したものと推定さ れる。 5.文書は, その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは, 真正に 成立した公文書とみなされる。 - 27 - 〔第68問〕(配点:2) Aは, Y会社で工員として勤務していたが, 工場で就業中に事故に遭って死亡した。 Aの遺族で あるXは, Y会社を被告として損害賠償を求める訴えを提起したが, 事故の状況を立証するため, 国の機関である労働基準監督署において保管されている調査報告書の提出を求める文書提出命令の 申立てを検討している。 この事例に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし 正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [84], [85]順不同) 1.労働基準監督官が作成した調査報告書にY会社やその関係者の私人の秘密に関する記載があ ったとしても, これは公務員の職務上の秘密には当たらないので, 国には同報告書を提出する 義務がある。 2.労働基準監督官が作成した調査報告書中の調査担当者の意見が公務員の職務上の秘密に当た り, かつ, これが提出されると公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれが具体的に存在する場 合には, 国には同報告書を提出する義務はない。 3.裁判所は, Xが提出を求めている調査報告書が, 公務員の職務上の秘密に関する文書か否 か, 又はその提出により公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるか否かの判断をするた め必要があると認めるときは, 文書の所持者である国にその提示をさせることができる。 4.調査報告書について文書提出命令が出された場合, Y会社は, 証拠調べの必要性がないこと を理由として, 即時抗告をすることができる。 〔第69問〕(配点:2) 確定判決の効力に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2 個選びなさい。 (解答欄は, [86], [87]順不同) 1.土地賃貸人から提起された借地上に建物を所有する土地賃借人に対する建物収去土地明渡請 求訴訟で請求を認容する判決が確定した場合, 賃借人は, その後に提起した請求異議の訴えに おいて, 建物買取請求権を行使し, その効果を異議の事由として主張することができる。 2.金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求訴訟で請求を認容する判決が確定した場合, 借主 は, その後に提起した請求異議の訴えにおいて, 当該貸金返還請求訴訟の事実審の口頭弁論終 結前に相殺適状にあった貸主に対する債権を自働債権とし, 当該貸金返還請求訴訟に係る貸金 債権を受働債権とする相殺の意思表示をし, その効果を異議の事由として主張することができ ない。 3.金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求訴訟で請求を認容する判決が確定した場合, 借主 は, その後に提起した請求異議の訴えにおいて, 当該貸金返還請求訴訟の提起前に完成した当 該貸金返還請求訴訟に係る貸金債権の消滅時効を援用して, その時効による消滅を異議の事由 として主張することができない。 4.売買契約に基づく土地引渡請求訴訟で請求を認容する判決が確定した場合, 売主は, その後 に提起した請求異議の訴えにおいて, 当該売買契約につき詐欺による取消権を行使し, その効 果を異議の事由として主張することができる。 5.手形の所持人から提起された振出人に対するいわゆる白地手形に基づく手形金請求訴訟にお いて, 白地部分が補充されず, 請求を棄却する判決が確定した場合, 当該手形の所持人は, そ の後に提起した訴えにおいて, 当該白地部分を補充して振出人に対し手形上の権利の存在を主 張することができる。 - 28 - 〔第70問〕(配点:2) 訴えの取下げ及び控訴の取下げに関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものを2 個選びなさい。 (解答欄は, [88], [89]順不同) 1.判例の趣旨によれば, 訴訟外で訴えの取下げの合意がされても, それだけでは, 訴えの取下 げの効力は生じない。 2.第一審判決に仮執行宣言が付された後, 控訴審において訴えが取り下げられたときは, その 仮執行宣言付判決は, その効力を失う。 3.訴えの取下げも, 控訴の取下げも, 判決が確定するまで行うことができる。 4.控訴審において, 当事者双方が口頭弁論の期日に欠席した場合において, 1か月以内に期日 指定の申立てをしないときは, 控訴の取下げがあったものとみなされる。 5.被控訴人が附帯控訴をしているときは, その同意がなければ, 控訴の取下げをすることがで きない。 〔第71問〕(配点:2) 請求の放棄及び認諾に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたもの は, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [90]) ア.和解の期日において, 請求の放棄をすることはできない。 イ.受命裁判官によって行われている弁論準備手続の期日において, 請求の放棄をすることはで きない。 ウ.相手方が出頭していない口頭弁論の期日においても, 請求の認諾をすることができる。 エ.請求の放棄は, 1個の金銭請求の一部についてすることができる。 オ.請求の認諾は, 相手方が反対給付を履行することを条件にしてすることができる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第72問〕(配点:2) Xは, Yに1000万円を貸し付けたとして, Yに対して, そのうち400万円の貸金の返還を 求める訴えを提起した。 これに対し, Yは, 請求棄却の判決を求め, 当該貸付けの事実を否認する とともに, 消滅時効又は相殺による当該貸金債権の消滅を主張した。 この事例に関する次の1から 5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [91], [ 92]順不同) 1.第一審裁判所が, XのYに対する貸付けの事実を認めた上で, Yの主張する消滅時効を理由 にXの請求を全部棄却した場合, Yは, 貸付けの事実を認めたことを不服として控訴すること ができる。 2.第一審裁判所がXの請求を全部認容した場合, Xは, Yに対する請求を1000万円に拡張 するために控訴することができる。 3.第一審裁判所がYの主張する相殺を理由にXの請求を全部棄却した場合, Yは, これを不服 として控訴することができる。 4.第一審裁判所がXの請求を全部認容し, Yがこれを不服として控訴した場合, Xは, 附帯控 訴の方式により, 請求を1000万円に拡張することができる。 5.第一審裁判所が, Xの請求を全部認容したが, 訴訟費用の一部をXの負担とした場合, X は, 訴訟費用の負担の裁判を不服として控訴することができる。 - 29 - 〔第73問〕(配点:2) 再審に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [93]) 1.控訴審において控訴を棄却する判決が確定した場合には, これに対する再審の訴えは第一審 の判決に対してしなければならない。 2.当事者が控訴により第一審の判決が前に確定した判決と抵触する旨の主張をしたが, 控訴が 棄却されて, 判決が確定した場合には, 当該確定判決に対して同一の事由によって再審の訴え を提起することはできない。 3.再審の訴えを提起した当事者は, 再審の訴状に記載した不服の理由を変更することはできな い。 4.再審開始の決定に対しては, 不服を申し立てることができない。 5.再審開始の決定後の再審理の結果, 再審の対象となった確定判決が正当であると判断した場 合には, 裁判所は, 改めて同一内容の判決をしなければならない。 〔第74問〕(配点:2) Xは, 薬剤製造販売業者Yが販売した医薬品を摂取したため, 健康被害が生じたと主張している が, Yは, 医薬品と健康被害との間の因果関係を争っている。 そこで, Xは全国の同様の被害を主 張している者に呼び掛けて被害者の会を設立したところ, その会員数は1000名を超えた。 Xは, 全国の会員らと共にYを被告として損害賠償を求める訴えを提起することにしている。 この事例に 関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びなさい。 (解答 欄は, [94], [95]順不同) 1.Xらは, Yの住所地にかかわらず, Xらの住所地を管轄する各地方裁判所に訴えを提起する ことができるが, 裁判所は, 訴訟の著しい遅滞を避け, 又は当事者間の衡平を図るため必要が あると認めるときは, 申立てにより又は職権で, 訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送 することができる。 2.Xらの中には弁護士費用を支払う資力のない者もいる。 しかし, 弁護士費用は損害としてY に請求することができるから, 裁判所は, 訴え提起の手数料や送達費用, 鑑定費用等について 訴訟上の救助を認めるか否かの判断において, 弁護士費用を支払う資力がないことを考慮する ことはできない。 3.Xらは, Yが販売した医薬品によって健康被害が生じたことを, 個々の原告ごとに立証しな ければならないが, 訴訟上の因果関係の立証は, 一点の疑義も許されない自然科学的証明では なく, 経験則に照らして全証拠を総合検討し, 特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を 是認し得る高度の蓋然性を証明することであり, その判定は, 通常人が疑いを差し挟まない程 度に真実性の確信を持ち得るものであることを必要とし, かつ, それで足りるものである。 4.Xらに損害が生じたことは認められても, その損害額の立証が極めて困難であるときは, 裁 判所は, 口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき, 相当な損害額を認定することができ るが, 損害額の立証が不十分であるとして請求を棄却することもできる。 - 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