短答式試験問題集 [刑法・刑事訴訟法] -1 - [刑法] 〔第1問〕(配点:2) 次の1から5までの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合, 甲に窃 盗罪が成立しないものはどれか。 (解答欄は, [bP]) 1.甲は, コンビニエンスストアでレジ係のアルバイトをしていたが, 店長の乙が短時間外出し ていた間に, 商品棚からたばこ1カートンを取り出して自分のバッグに入れ, アルバイト終了 後店外へ持ち出し, これを自分のものにした。 2.甲は, 旅館に宿泊した際, 旅館内にある共同浴場の脱衣場で, 他の宿泊客が置き忘れた時計 を見付けたので, 脱衣場から持ち出し, これを自分のものにした。 3.甲は, 深夜, 路上を歩いていたところ, 見知らぬ乙と丙が殴り合いのけんかをしていたので, これを見ていると, 乙がナイフを取り出して丙を刺し殺した。 甲は, 乙が走り去った直後, 死 亡した丙の上着のポケット内に入っていた現金入りの財布を持ち去り, これを自分のものにし た。 4.甲は, 乙から封かんされた現金10万円入りの封筒を渡されて丙に届けるように依頼され, 丙方に向かって歩き始めたが, 途中で封筒内の現金が欲しくなり, 封を開いて封筒に入ってい た現金のうち2万円を取り出してこれを自分のものにした後, 残りの現金が入った封筒を丙に 交付した。 5.甲は, 乙が他の者から盗んできた宝石を乙所有の自動車の中に置いているのを知っていたと ころ, ある日, 同車が無施錠で駐車されているのに気付き, 同車内から同宝石を持ち去り, こ れを自分のものにした。 〔第2問〕(配点:2) 正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合, 誤っているも のはどれか。 (解答欄は, [bQ]) 1.刑法第36条にいう「急迫」とは, 法益が侵害される危険が切迫していることをいい, 被害 の現在性を意味するものではない。 2.刑法第36条にいう「不正」とは, 違法であることを意味し, 侵害が全体としての法秩序に 反することをいう。 3.刑法第36条にいう「権利」は個人的法益を指し, 国家的法益や社会的法益は含まれない。 4.侵害者に対する攻撃的な意思を有していたとしても, 防衛の意思が認められる場合がある。 5.けんか闘争において正当防衛が成立するかどうかを判断するに当たっては, 闘争行為中の瞬 間的な部分の攻防の態様のみに着眼するのではなく, けんか闘争を全般的に観察することが必 要である。 〔第3問〕(配点:3) 放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し, 正しいものを2個選び なさい。 (解答欄は, [bR] , [bS]順不同) 1.甲は, 日頃恨みを持っていたVの所有する自動車が止めてある駐車場に出向き, 同車にガソ リンをかけて火をつけ, 同車を焼損させたところ, 同駐車場に駐車されていた第三者が所有す る自動車10台に延焼する危険が生じたものの, 駐車場が住宅地から離れていたため, 住宅そ の他の建物に延焼する危険は生じなかった。 甲には建造物等以外放火既遂罪は成立しない。 2.甲は, 周囲に他の住宅のない場所に空家を所有する乙から, 同家屋に付された火災保険金を だまし取る計画を持ちかけられ, これに応じることとし, 同家屋に立て掛けてあった薪に灯油 をかけて火をつけたところ, 火は同家屋の取り外し可能な雨戸に燃え移ったが, たまたま降り -2 - 出した激しい雨によって鎮火した。 甲には他人所有非現住建造物等放火未遂罪が成立するにと どまる。 3.甲は, 深夜, 本殿・祭具庫・社務所・守衛詰所が木造の回廊で接続され, 一部に火を放てば 他の部分に延焼する可能性がある構造の神社の祭具庫壁付近にガソリンをまいてこれに火をつ けた。 その結果, 無人の祭具庫は全焼したものの, Vらが現在する社務所・守衛詰所には, 火 は燃え移らなかった。 甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。 4.甲は, 日頃恨みを持っていたVが居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご 内に, ガソリンを染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火し, エレベーターのかごの内 部を焼損させた。 甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。 5.甲は, 妻所有の一戸建て木造家屋に妻と二人で暮らしていたところ, ある日, 同家屋内にお いて, 口論の末に激高して妻を殺害し, その直後に犯跡を隠すため, 同家屋に火をつけて全焼 させたが, 周囲の住宅には燃え移らなかった。 甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。 〔第4問〕(配点:3) 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し, 甲に( )内の犯罪の共同正犯が成立 する場合には1を, 教唆犯又は幇助犯が成立する場合には2を, 間接正犯が成立する場合には3を 選びなさい。 (解答欄は, アからオまでの順に[bT]から[bX]) ア.甲は, 甲の所属する暴力団事務所にVを連行し, 同事務所において3日間, Vを逃走できな いように見張って監禁し, その後, 同じ暴力団に所属する乙に対して「お前が俺に代わって見 張れ。 」と言った。 乙は, これを了承し, 4日目から前記事務所においてVを逃走できないよ うに見張って監禁した。 5日目に乙が居眠りをした隙に, Vは, 前記事務所の窓から外に飛び 降りて逃げ出したが, 飛び降りた際, 右足首を骨折した。 (監禁致傷罪)[bT] イ.甲は, 乙が自宅で賭博場を開張して利益を得ていることを知り, 乙の役に立とうと考え, 乙 に連絡することなく, 乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し, 賭博をさせた。 (賭博場開張 図利罪)[bU] ウ.甲は, 常日頃暴行を加えて自己の意のままに従わせていた実子の乙(13歳)に対し, Vが 管理するさい銭箱から現金を盗んでくるように命じ, 乙は, 是非善悪の識別能力及び識別に従 って行動を制御する能力を有していたが, 甲の命令に従わなければまた暴力を振るわれると畏 怖し, 意思を抑圧された状態で, 前記さい銭箱から現金を盗んだ。 (窃盗罪)[bV] エ.甲は, 知人乙から, 交際相手であるVを殺害したいので青酸カリを入手してほしいと依頼さ れ, 自らもVに恨みを抱いていたことから, 青酸カリを準備して乙に交付した。 乙は, 甲から 青酸カリを受領した後, 実行行為に出る前にV殺害を思いとどまり, 警察署に出頭した。 (殺 人予備罪)[bW] オ.甲は, 乙から, 乙がV方に強盗に入る際に外で見張りをしてほしいと頼まれ, 利益を折半す る約束でこれを承諾し, 乙と共にV方に赴いた。 甲がV方の外で見張りをしている間に, 乙は V方に侵入した。 その後, 甲は, 不安になり, 携帯電話で乙に「やっぱり嫌だ。 俺は逃げる。 」 と告げた上, その場から逃走した。 乙は, 甲の逃走を認識した後, V方内にいたVを発見し, 同人に包丁を突き付けてその反抗を抑圧した上, 現金を強取した。 (強盗罪)[bX] -3 - 〔第5問〕(配点:2) 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合, 甲に乙又は乙社に対する脅迫罪 が成立するものの組合せは, 後記1から7までのうちどれか。 (解答欄は, [10]) ア.甲は, 乙に対し, 乙の妻の実兄である丙を殺害する旨告知し, 乙は丙が殺されるかもしれな い旨畏怖した。 イ.甲は, 乙株式会社総務課長丙に対して, 乙社の商品不買運動を行って乙社の営業活動を妨害 する旨告知し, 丙は, 乙社の営業活動が妨害されるかもしれない旨畏怖した。 ウ.甲は, インターネット上の掲示板に乙が匿名で行った書き込みに対し, 同掲示板に「そんな 投稿をするやつには天罰が下る。 」旨の書き込みを行い, これを閲読した乙は, 小心者だった ことから, 何か悪いことが起こるかもしれない旨畏怖した。 エ.甲は, 口論の末, 乙に対し, 「ぶっ殺すぞ。 」と怒号した。 この様子を見ていた周囲の人たち は, 甲が本当に乙を殺害するのではないかと恐れたが, 乙は剛胆であったため畏怖しなかった。 オ.甲は, 単身生活の乙に対し, 「乙宅を爆破する。 」旨記載した手紙を投函し, 同手紙は乙方に 配達されたが, 同手紙には差出人が記載されていなかったことから, 不審に思った乙は同手紙 を開封しないまま廃棄した。 1.ア イ 2.ア ウ 6.ウ エ 7.ウ オ 3.ア エ 4.イ エ 5.イ オ 〔第6問〕(配点:3) 次の【事例及び裁判所の判断】に関する後記1から5までの各【記述】のうち, 誤っているもの はどれか。 (解答欄は, [11]) 【事例及び裁判所の判断】 被告人ら複数名が, 被害者に対し, マンションの居室内において, 長時間にわたって激しい暴 行を加えたところ, 被害者が, 隙を見て同居室から逃走した上, 被告人らに極度の恐怖感を抱き, その追跡から逃れるため, 逃走を開始してから約10分後, 上記マンションから約800メート ル離れた高速道路内に進入し, 疾走してきた自動車に衝突されて死亡したという傷害致死被告事 件において, 裁判所は, 「被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは, 危険な行為で はあるが, 被害者は, 被告人らの激しい暴行を受けて極度の恐怖感を抱き, 必死に逃走を図る過 程で, とっさにそのような行動を選択したものと認められ, その行動が, 被告人らの暴行から逃 れる方法として, 著しく不自然, 不相当であったとはいえない。 そうすると, 被害者が高速道路 に進入して死亡したのは, 被告人らの暴行に起因するものと評価することができるから, 被告人 らの暴行と被害者の死亡との間の因果関係は肯定することができる。 」旨の判断を示した。 【記 述】 1.この裁判所の考え方によれば, 上記事例において, 高速道路内に進入する以外に被害者にと って容易にとり得る他の安全な逃走経路があり, そのことを被害者が認識していたにもかかわ らず, あえて被害者が高速道路に進入した場合には, 因果関係を否定する判断に結び付きやす いといえる。 2.この裁判所の考え方は, 被告人らの行為の危険性が現実化したか否かという観点から, 逃走 した被害者の行動が, 被告人らの暴行による心理的・物理的な影響に基づくか否かを検討する ことによって, 因果関係の存否を判断しているものと評価することも可能である。 3.この裁判所の考え方によれば, 上記事例において, 被告人らが被害者に加えた暴行が短時間 かつ軽微なもので, 被害者も強い恐怖感を抱かなかった場合には, 因果関係を否定する判断に 結び付きやすいといえる。 4.この裁判所の考え方は, 被告人らの行為と被害者の死亡の結果との間に事実的なつながり(条 件関係)が存在することを前提にした上で, 被告人らの行為の後に被害者による危険な逃走行 -4 - 為が介在した場合における因果関係の存否を判断していると評価することも可能である。 5.この裁判所の考え方によれば, 上記事例において, 被害者が暴行を受けたマンションの居室 から逃げ出し, 同マンションに面した一般道路に慌てて飛び出したところ, 自動車に衝突され て死亡したという場合であれば, 因果関係を否定する判断に結び付きやすいといえる。 〔第7問〕(配点:2) 次の【事例】に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検討し, 誤っている ものを2個選びなさい。 (解答欄は, [12] , [13]順不同) 【事 例】 甲と乙は, V経営の食料品店で買った弁当を食べたら食中毒になった旨の嘘を言って因縁を付 けてVを脅迫するとともに, 同人に軽度の暴行を加え, これらの暴行・脅迫により同人を畏怖さ せて, 損害賠償金の名目で50万円を支払わせ, これを分配することを計画した。 乙は, 計画に 従い, 同店に行き, Vに対し, 「この店の弁当を食べたら食中毒になった。 店の営業を続けたけ れば50万円払え。 払わないと, この店の弁当で食中毒になったと書いたビラをばらまくぞ。 」 と語気鋭く申し向けた上, Vの額を手の平で軽くたたいた。 Vは, これをよけようとした際, バ ランスを崩して転倒し, 全治約1週間を要する後頭部打撲の怪我を負った。 Vは, 乙が食中毒になったことは嘘であると気付いたが, 乙の要求に応じないと, 更に暴力を 振るわれたり, 店を中傷するビラをまかれるかもしれないと畏怖し, 手持ちの現金30万円を乙 に渡し, 残りの20万円は翌日支払うことで乙を納得させた。 乙は, 同店を出て, 甲と会い, 前記経緯を説明した上, Vから受け取った30万円のうち15 万円を分け前として甲に渡した。 乙は, 翌日, 同店を訪れてVから残りの20万円を受け取ろうとしたが, 通報を受けた警察官 が同店近くにいたので, 20万円の受取は断念した。 乙は, 甲に事前に相談することなく, 腹いせに, 「V経営の食料品店で買った弁当を食べた客 が食中毒になった。 」という虚偽の事実が書かれたビラを多数の者に配った。 なお, 甲は, 乙がVに怪我を負わせることや前記ビラを配ることを予想していなかった。 【記 述】 1.Vに怪我を負わせたことについて, 甲には, 傷害罪は成立しない。 2.Vに怪我を負わせたことについて, 乙には, 傷害罪が成立する。 3.Vに30万円を交付させたことについて, 甲及び乙には, 恐喝既遂罪が成立する。 4.虚偽のビラを配ったことについて, 甲には, 信用毀損罪も業務妨害罪も成立しない。 5.乙から15万円を受け取ったことについて, 甲には, 盗品等無償譲受け罪が成立する。 -5 - 〔第8問〕(配点:2) 次のアからエまでの各事例を判例の立場に従って検討し, 成立する犯罪が【 ある場合には1を, 【 】内の罪数関係に 】内の罪数関係にない場合には2を選びなさい。 (特別法犯は除く。 解答欄 は, アからエまでの順に[14]から[17]) ア.公務員が, 電化製品を盗品であると知りながら, 賄賂として収受した。 【観念的競合】 [14] イ.連日, 駅前で募金箱を持ち, 真実は募金を難病の子供のために使うつもりはなく, 自己のた めに費消するつもりであるのにそれを隠して, 「難病の子供を救うため, 募金をお願いします。 」 と連呼し, 多数回にわたり, 不特定多数の通行人からそれぞれ少額の金員をだまし取った。 【包 括一罪】[15] ウ.他人のキャッシュカードを盗み, これを使って銀行の現金自動預払機から預金を引き出した。 【併合罪】[16] エ.自動車を盗み, これを売却した。 【牽連犯】[17] 〔第9問〕(配点:2) 犯人蔵匿罪又は犯人隠避罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場 合, 正しいものの組合せは, 後記1から7までのうちどれか。 (解答欄は, [18]) ア.甲は, 窃盗罪を犯して逃走中の友人乙及び丙をその事情を知りながら自宅にかくまった。 そ の時点で, 警察は, 乙に対する捜査を開始していたが, 丙が乙の共犯であることについては把 握していなかった。 甲には, 乙をかくまったことについて犯人蔵匿罪が成立するが, 丙をかく まったことについて同罪は成立しない。 イ.甲は, 乙が強制執行妨害目的財産損壊罪を犯したことを認識した上で乙をかくまったが, 同 罪の刑が罰金以上であることを知らなかった。 甲には犯人蔵匿罪が成立する。 ウ.甲は, 殺人罪を犯して逮捕勾留された乙に依頼され, 乙の身代わり犯人として警察署に出頭 し, 自己が犯人であるという嘘の申告をした。 甲には犯人隠避罪が成立する。 エ.甲は, 強盗罪を犯した後, 友人乙に事情を話して唆し, 自己を隠避させた。 甲には犯人隠避 罪の教唆犯は成立しない。 オ.甲は, 乙につき, 傷害罪で逮捕状が発付されていることを知りながら, 乙をかくまった。 そ の後, 乙は犯罪の嫌疑が不十分であるという理由で不起訴処分となった場合, 甲には犯人蔵匿 罪は成立しない。 1.ア イ 2.ア ウ 6.ウ オ 7.エ オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ エ 〔第10問〕(配点:2) 責任能力に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合, 誤っているも のの個数を後記1から5までの中から選びなさい。 (解答欄は, [19]) ア.犯行時に14歳未満であっても, 公訴を提起する時点で14歳に達していれば, 刑事責任能 力が認められる。 イ.犯行時に成年に達していても, 犯行時の知能程度が12歳程度であった場合には, 刑事未成 年者に関する刑法第41条が準用される。 ウ.犯行時に心神耗弱の状態にあったと認められれば, 刑が任意的に減軽される。 エ.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても, 行動を制御する能力が十 分に保たれていれば, 完全責任能力が認められることがある。 オ.飲酒当初から飲酒後に自動車を運転する意思があり, 実際に酩酊したまま運転した場合, 運 転時に飲酒の影響により心神耗弱の状態であっても, 完全責任能力が認められることがある。 1.1個 2.2個 3.3個 4.4個 -6 - 5.5個 〔第11問〕(配点:2) 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し, 正しいものを2個選びなさい。 (解答 欄は, [20] , [21]順不同) 1.甲は, V女を強姦した後, 同女から金品を奪う意思を生じ, 同女に更なる暴行・脅迫を加え, その反抗を抑圧して同女の財布を奪った。 甲には強盗強姦既遂罪は成立しない。 2.甲は, V女に暴行を加えてその反抗を著しく困難にさせた上で姦淫しようと思い, 同女の顔 面を1回殴ったところ, 同女に逃げられ, 姦淫することはできなかったが, 前記殴打行為によ り同女に全治約1か月間を要する鼻骨骨折の傷害を負わせた。 甲には強姦未遂罪と傷害罪が成 立し, 両罪は観念的競合となる。 3.甲は, 強姦するために反抗を著しく困難にする程度の暴行をV女に加えたところ, その暴行 により同女が脳震とうを起こして失神した。 甲は失神した同女を姦淫した。 甲には準強姦既遂 罪が成立する。 4.甲は, 13歳のV女を12歳であると誤信したまま, 暴行・脅迫を加えることなく同女を姦 淫した。 甲には強姦既遂罪は成立しない。 5.甲は, 強姦するため, 殺意をもってV女に強度の暴行を加え, 同女の反抗を抑圧した上で同 女を姦淫し, 同暴行により, 同女を死亡させた。 甲には強姦致死罪のみが成立する。 〔第12問〕(配点:3) 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し, 誤っているものを2個選びなさい。 (解 答欄は, [22], [23]順不同) 1.甲は, Aを川の中に突き落として溺死させようと思い, 橋の側端に立っていたAを突き飛ば したところ, Aは落下する途中で橋脚に頭部を強打して即死した。 甲には殺人既遂罪が成立す る。 2.甲は, 乙に対し, Aを殺害するよう唆したところ, 乙は, その旨決意し, 夜道で待ち伏せし た上, 歩いてきた男をAだと思って包丁で刺し殺したが, 実際には, その男はBであった。 甲 には殺人既遂罪の教唆犯が成立する。 3.甲は, 隣人Aの居宅の玄関前に置いてあった自転車を, Aの所有物と認識して持ち去ったが, 実際には, 同自転車は無主物だった。 甲には遺失物等横領罪が成立する。 4.甲は, 駐車場に駐車中のA所有の自動車を見て, Aに対する腹いせに傷つけてやろうと思っ て石を投げたが, 狙いがそれて, その隣に駐車中のB所有の自動車に石が当たってフロントガ ラスが割れた。 甲には器物損壊罪が成立する。 5.甲は, 乙との間で, Aに暴行を加えることを共謀したところ, 乙は, Aに対して暴行を加え ている最中に興奮のあまり殺意を生じ, Aを殺害してしまった。 甲には傷害罪の共同正犯が成 立するにとどまる。 -7 - 〔第13問〕(配点:2) 詐欺罪又は恐喝罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し, 誤っている ものを全て選んだ場合の組合せは, 後記1から7までのうちどれか。 (解答欄は, [24]) ア.甲は, 交通事故を装い保険会社から保険金をだまし取ろうと企て, 自己の運転する自動車を 道路脇の電柱に衝突させて自ら怪我をした。 この場合, 甲には, 自動車を電柱に衝突させた時 点で, 詐欺未遂罪が成立する。 イ.甲は, 警察官でないのに警察官を装い, 窃盗犯人である乙に対し, 「警察の者だが, 取り調 べる必要があるから差し出せ。 」などと虚偽の事実を申し向けて盗品の提出を求め, これに応 じなければ直ちに警察署に連行するかもしれないような態度を示したところ, 乙は, 逮捕され るかもしれないと畏怖した結果, 甲に盗品を交付した。 この場合, 甲には, 恐喝既遂罪が成立 する。 ウ.甲は, 無銭宿泊を企て, 宿泊代金を支払う意思も能力もないのに, これらがあるように装い, 民宿を営む乙に対し, 宿泊を申し込んだところ, 乙は, 他の民宿から甲が無銭宿泊の常習者で あることを聞いていたため, 甲に宿泊代金支払の意思も能力もないことが分かったが, 甲に憐 憫の情を抱き, 甲を宿泊させた。 この場合, 甲には, 詐欺未遂罪が成立するにとどまる。 エ.甲は, 通行中の乙から現金を喝取することを企て, 乙に対し, 反抗を抑圧するに至らない程 度の脅迫を加えたところ, 乙は, 甲の脅迫により畏怖し, 甲が乙の上着の内ポケットに手を入 れて財布を抜き取ることを黙認した。 この場合, 甲には, 恐喝未遂罪が成立するにとどまる。 オ.甲は, 偽札を作る意思がないのに, 乙に対し, 一緒に偽札を作ることを持ちかけた上, 偽札 を作る機材の購入資金にすると嘘を言って資金の提供を求め, その旨誤信した乙から同資金と して現金の交付を受けた。 この場合, 甲には, 詐欺未遂罪も, 詐欺既遂罪も成立しない。 1.アイウ 2.アエオ 3.アオ 4.イウ -8 - 5.イオ 6.エ 7.エオ [刑事訴訟法] 〔第14問〕(配点:2) 被疑者の勾留に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものの組合せは, 後記1から5 までのうちどれか。 (解答欄は, [25]) ア.裁判官は, 被疑者の勾留期間の延長をする旨の裁判をする際, 被疑者に対し被疑事件を告げ これに関する陳述を聴く手続を行わなければならない。 イ.裁判官が, 検察官から勾留の請求があった翌日に, 被疑者を勾留する旨の裁判をした場合で も, 検察官は, 勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときは, 勾留期間の延 長が認められた場合を除き, 直ちに被疑者を釈放しなければならない。 ウ.裁判官は, 検察官から勾留期間を10日間延長する請求があった場合でも, その延長期間を 5日間とする裁判をすることができる。 エ.少年の被疑者については, 勾留することができない。 オ.検察官は, 適当と認めるときは, 検察官自らの裁量により, 勾留の執行を停止することがで きる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第15問〕(配点:2) 次のT及びUの【見解】は, 被疑者を逮捕状により逮捕する場合に, 刑事訴訟法第220条第1 項第1号に基づき, 被疑者の捜索のために人の住居に入るに当たり, 逮捕状の呈示が必要か否かと いう解釈問題に関するものである。 後記【発言】は, 学生AないしEが, T又はUのいずれかの【見 解】を採って意見を述べたものである。 【見解】と【発言】を対応させた場合, その組合せとして 最も適切なものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [26]) 【見 解】 T.逮捕状は呈示しなくてよい。 U.逮捕状は呈示しなければならない。 【発 言】 学生A:刑事訴訟法第222条第1項前段は, 第220条の規定によってする捜索について, 第 110条の規定を準用すると定めているんだけれど, 刑事訴訟法第110条は, 「捜索状 は, 処分を受ける者にこれを示さなければならない。 」となっているから, 第110条の 文言を読み替えて準用するというのが正しい解釈だと思う。 学生B:現行犯逮捕や緊急逮捕の場合, 逮捕状の緊急執行の場合も, 刑事訴訟法第220条第1 項第1号に基づいて人の住居に入って被疑者を捜索することができることを考えると, こ れらの場合と一貫した解釈をする必要があると思う。 学生C:警察官が被疑者を追跡して来たような場合に逮捕が遅れて被疑者に逃亡されてしまうこ ともあるという弊害を考えるべきだと思うよ。 学生D:被疑者の名誉を保護する必要性を考えるべきだと思うよ。 学生E:警察官が多人数で捜索に赴くなどすれば, 住居主が被疑者に連絡したり, 逮捕を妨害す る行為に出たりするという弊害はないと思う。 1.T.学生A 学生E U.学生B 学生C 2.T.学生A 学生B 学生D U.学生C 学生E 3.T.学生B 学生C 学生E U.学生A 学生D 4.T.学生B 学生C 学生D U.学生A 学生E 5.T.学生B 学生D U.学生A 学生C -9 - 学生D 学生E 〔第16問〕(配点:2) 次のアからオまでの各行為のうち, 刑事訴訟法上, 起訴前は認められているが, 起訴後は認めら れていないものの組合せは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [27]) ア.勾留の取消し請求 イ.勾留理由開示の請求 ウ.保釈の請求 エ.検察官が弁護人に対して行う接見の日時の指定 オ.親告罪の告訴の取消し 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第17問〕(配点:2) 犯罪の証明に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものの組合せは, 後記1から 5までのうちどれか。 ただし, 判例がある場合には, それに照らして考えるものとする。 (解答欄 は, [28]) ア.裁判所は, 被告事件について犯罪の証明があったときは, 同事件について刑を免除するとき を除き, 判決で刑の言渡しをしなければならない。 イ.刑事裁判の有罪認定に当たって必要とされる「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立 証」とは, 反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく, 抽象的な可能性 としては反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても, 健全な社会常識に照らして, その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には, 有罪認定を可能とする趣旨である。 ウ.裁判員の関与する判断に関しては, 証拠の証明力は, それぞれの裁判官及び裁判員の自由な 判断に委ねる。 エ.一般的に, 情況証拠は, 直接証拠に比べて証明力が低く, 情況証拠により事実認定を行う場 合は, 直接証拠により事実認定を行う場合と比べてより慎重な判断が求められることから, 反 対事実の存在の可能性を許さないほどの確実性がなければならない。 オ.略式手続においては, 書面審理による迅速な判断が要求されることから, 犯罪の証明は証拠 の優越で足りる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第18問〕(配点:2) 次の教授と学生A及びBの【会話】は, 刑事訴訟法第319条第1項に関するものである。 @か らGまでの( )内に入る適切な語句を後記aからkまでの【語句群】から一つずつ選んで入れた 場合, 組合せとして正しいものは, 後記1から5までのうちどれか。 なお, @からGまでの( ) 内にはそれぞれ異なる語句が入る。 (解答欄は, [29]) 【会 教 話】 授:刑事訴訟法第319条第1項は, 「任意にされたものでない疑のある自白は, これを証 拠とすることができない」と規定していて, 任意性のない自白の(@)を否定しています が, その根拠についてはどんな考え方があるかね。 学生A:まず, 一つ目として, 任意性のない自白は, その内容が(A)おそれがあり, 誤判防止 のため排除されるべきとする説があります。 教 授:この説に対しては, 任意性のない自白でも, その内容が(B)と認められれば, 証拠と して許容される可能性があるのではないかという批判があるね。 ほかにどんな考え方があ るかな。 学生B:二つ目として, 任意性のない自白は, (C)等を保障するため排除されるべきとする説 があります。 でも, この説については, (D)に関する事実認定が困難ではないかという - 10 - 批判があります。 教 授:三つ目として, 一つ目の説と二つ目の説を統合した考え方もあるね。 学生A:四つ目として, 任意性のない自白は, (E)により得られた結果として排除されるべき とする説もあります。 この説は, 先ほどの三つの説と違い, (F)側から(G)側に視点 を移して, 取調べ方法を問題にするものです。 学生B:この説については, (E)により得られた自白の全てが刑事訴訟法第319条第1項に より排除されるという結論になりやすく, 規定の文言上無理があるという批判があります。 【語句群】 a.被告人 b.取調官 c.違法な手続 f.黙秘権 g.自由心証主義 j.供述者の主観的な心理状態 1.@i Cf h.証明力 d.虚偽ではない e.虚偽である i.証拠能力 k.客観的な取調べ状況 2.Ae Cg 3.Bd Dk 4.Dj Fb 5.Ec Ga 〔第19問〕(配点:2) 次の【記述】は, 酒酔い・酒気帯び鑑識カードの証拠能力に関する最高裁判所の判例を要約した ものである。 【記述】中の@からBまでの( )内から適切な語句を選んだ場合, その組合せとして 正しいものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [30]) 【記 述】 本件「化学判定」欄は, 甲警察署巡査Aが被疑者の呼気を通した飲酒検知管の着色度を観察して 比色表と対照した検査結果を検知管の示度として記入したものであり, また, 被疑者の外部的状態 に関する記載のある欄は, 同巡査が被疑者の言語, 動作, 酒臭, 外貌, 態度等の外部的状態に関す る所定の項目につき観察した結果を所定の評語に印を付ける方法によって記入したものであって, 本件「酒酔い・酒気帯び鑑識カード」のうち以上の部分は, 同巡査が, 被疑者の酒酔いの程度を判 断するための資料として, 被疑者の状態につき前記のような検査, 観察により認識した結果を記載 したものであるから, 紙面下段の調査の日時の記載, 同巡査の記名押印とあいまって, @(a.刑 事訴訟法第321条第3項にいう「検証の結果を記載した書面」 b.刑事訴訟法第321条第4 項にいう「鑑定の経過及び結果を記載した書面」)に当たるものと解するのが相当である。 (中略) 「外観による判定」欄の記載は, 同巡査が被疑者の外部的状態を観察した結果を記載したものであ るから, A(a.検証 b.鑑定)の結果を記載したものと認められる。 (中略)本件「酒酔い・ 酒気帯び鑑識カード」のうち被疑者との問答の記載のある欄は, 同巡査が所定の項目につき質問を してこれに対する被疑者の応答を簡単に記載したものであり, B(a.被疑者が作成した供述書と して刑事訴訟法第322条第1項の書面 b.同巡査作成の捜査報告書たる性質のものとして刑事 訴訟法第321条第1項第3号の書面)に当たるものと解するのが相当である。 1.@a Aa Ba 2.@a Aa Bb 3.@a Ab Ba 4.@b Ab Bb 5.@b Ab Ba - 11 - 〔第20問〕(配点:2) 鑑定に関する次の1から5までの各記述のうち, 誤っているものはどれか。 (解答欄は, [31]) 1.当事者の一方が鑑定を請求した場合, 裁判所が鑑定を決定するについては, 相手方又はその 弁護人に意見を述べる機会を与えなければならない。 2.裁判所は, 選任した鑑定人に鑑定を命ずるに先立ってその尋問を行うが, 尋問を行うための 召喚に当該鑑定人が応じないときは勾引することができる。 3.鑑定人には, 鑑定をする前に, 宣誓をさせなければならない。 4.鑑定人に鑑定の経過及び結果を報告させるに当たっては, 鑑定書により報告させる方法のほ か, 口頭で報告させる方法も認められている。 5.鑑定人作成の鑑定書を取り調べた後, 鑑定の過程について説明を求めるため, 当該鑑定人を 証人として尋問することができる。 〔第21問〕(配点:2) 主尋問後に証人が所在不明になるなどの事情により反対尋問を経ていない証人の証言の証拠能力 に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものの組合せは, 後記1から5までのうち どれか。 (解答欄は, [32]) ア.伝聞証拠とは, 反対尋問を経ていない供述証拠であることを強調すると, 反対尋問を受けて おらず, 伝聞証拠に当たることになるから, 前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。 イ.「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし, 又は公判期日外における他の者の供述を 内容とする供述を証拠とすることはできない」という刑事訴訟法第320条第1項の文言を言 葉どおりに解釈すると, 前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。 ウ.裁判官が証人の証言態度等を直接観察していることを重視すると, 前記証言の証拠能力を否 定する見解に結び付く。 エ.証人は, 宣誓をしており, 偽証罪による制裁という威嚇がある下での供述であることを重視 すると, 前記証言の証拠能力を肯定する見解に結び付く。 オ.前記証言が伝聞証拠に当たらないとの見解に立っても, 反対尋問が実施できなくなった事情 について証人申請をした当事者の責めに帰すべき理由がある場合には, 手続的正義に反し, 証 拠能力が否定されると考えることも可能である。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第22問〕(配点:3) 次の【事例】に関する裁判について述べた後記アからオまでの【記述】のうち, 誤っているもの の組合せは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [33]) 【事 例】 外国人である甲, 乙, 丙, 丁及び戊は, 共謀の上, 平成23年4月1日, H県I市内において, 被害者Vに対し, その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗 罪によりH地方裁判所に起訴された。 ちなみに, 甲, 乙, 丙, 丁及び戊は, いずれも, 家庭裁判所 に送致されることなく, 成人として起訴された。 その後, 同年7月1日に開かれた第1回公判期日 において, 乙, 丙, 丁及び戊については, 成人であることに間違いないことが確認されたが, 甲に ついては, 18歳であることが判明した。 また, 同公判において, 結審した。 裁判所は, 甲, 乙及び丙については, 強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが, 丁について は, 「公訴事実記載のとおり, 甲, 乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴 行を加えたことに間違いない。 しかし, これは, Vを痛めつけるために行ったものであり, Vから バッグ1個を奪うためではない。 Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。 」 との丁の公判廷での供述のとおり, 強盗罪の共謀までは認められず, 前記強盗の手段である暴行に - 12 - つき, 甲, 乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律 第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。 さらに, 戊については, 犯罪の証明がない 旨の心証を抱いた。 【記 述】 ア.裁判所は, 少年であることが判明した甲については, 決定をもって, 事件を家庭裁判所に移 送しなければならない。 イ.裁判所は, 乙につき, 有罪の言渡しをするには, 罪となるべき事実のみならず, 証拠の標目 及び法令の適用を示さなければならない。 ウ.裁判所は, 丙につき, 有罪の言渡しをするには, 宣告により判決を告知する必要があり, 宣 告をせずに判決書謄本を丙に交付するだけでは, 丙に判決を告知したことにはならない。 エ.裁判所は, 丁につき, 強盗罪の訴因から暴力行為等処罰に関する法律違反の罪の訴因に変更 する手続を採っていないことから, 有罪の言渡しをする余地はない。 オ.裁判所は, 戊につき, 無罪の言渡しをする場合には, 決定ではなく, 判決でしなければなら ない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ (参照条文)暴力行為等処罰に関する法律 第1条 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ, 団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人 共同シテ刑法(明治40年法律第45号)第208条, 第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタ ル者ハ3年以下ノ懲役又ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス 〔第23問〕(配点:2) 準抗告に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 ただし, 判例がある場 合には, それに照らして考えるものとする。 (解答欄は, [34]) 1.被疑者又は弁護人は, 逮捕状を発付した裁判に対して準抗告をすることができる。 2.検察官は, 地方裁判所の裁判官がした勾留請求を却下する裁判に対して高等裁判所に準抗告 をすることができる。 3.被疑者又は弁護人は, 司法警察員が録取した供述録取書の内容に不服がある場合, これに被 疑者が署名したことの取消しを求める準抗告をすることができる。 4.被疑者又は弁護人は, 捜査機関が, 捜索差押許可状に記載された「差し押さえるべき物」に 該当しない印鑑を写真撮影した場合, これにより得られたネガ及び写真の廃棄又は引渡しを求 める準抗告をすることができない。 5.被告人又は弁護人は, 第1回公判期日後の保釈請求を却下する裁判に対して準抗告をするこ とができる。 〔第24問〕(配点:3) 次のアからオまでの各記述のうち, 刑事訴訟法の規定上, 対象となっている事件の法定刑の軽重 による差異が設けられていないものの組合せは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [ 35]) ア.現行犯人を逮捕することができる要件 イ.被疑者を勾留することができる要件 ウ.告訴をすることができる者の範囲 エ.公訴時効が完成する期間 オ.公判期日において, 被害に関する心情その他被告事件に関する意見を陳述したい旨の申出が できる被害者の範囲 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ - 13 - エ 5.ウ オ 〔第25問〕(配点:3) 被疑者, 被告人及び弁護人の権利に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものの組合 せは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [36]) ア.被疑者, 被告人又は弁護人は, あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用する ことが困難な事情があるときは, 第1回の公判期日前に限り, 裁判官に押収, 捜索, 検証, 証 人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。 イ.公判前整理手続期日には, 被告人は, 裁判所の許可がなければ出頭することができない。 ウ.検察官から取調べ請求がなされた証拠に対して同意又は不同意の意見を述べるのは, 弁護人 のみが有する権利である。 エ.被告人甲の弁護人は, 裁判長に告げて, 共同審理を受けている被告人乙の供述を求めること ができるが, 甲が乙の供述を求めることはできない。 オ.控訴審では, 被告人自身が弁論をすることはできず, 控訴趣意書を被告人が差し出した場合 でも, それに基づく弁論は弁護人が行う。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第26問〕(配点:3) 訴因の予備的記載又は択一的記載に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものを2つ 選びなさい。 (解答欄は, [37], [38]順不同) 1.本位的訴因と併合罪の関係にある事実を予備的訴因とすることは許されない。 2.起訴状に3個以上の訴因を予備的又は択一的に記載することは許されない。 3.審理の途中で予備的訴因を追加することも許される。 4.訴因を予備的又は択一的に記載した場合であっても, 「罪となるべき事実」の特定が必要で あるから, 罰条を予備的又は択一的に記載することは許されない。 5.本位的訴因について有罪判決を言い渡す場合, 予備的訴因については無罪判決を言い渡さな ければならない。 - 14 -