短答式試験問題集[民法] - 1 - 【以下の問題の解答に当たっては, 国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の 適用を考慮する必要はない。 】 [民法] 〔第1問〕(配点:2) 未成年者に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後 記1から5までのうちどれか。 なお, 本問では, 婚姻による成年擬制を考慮する必要はない。 (解 答欄は, [bP]) ア.未成年者は, 養親となることができない。 イ.15歳に達した未成年者は, 遺言の証人となることができる。 ウ.一種又は数種の営業を許された未成年者は, その営業に関しては, 成年者と同一の行為能 力を有する。 エ.未成年者は, 法定代理人の同意を得ずにした法律行為を単独で取り消すことができる。 オ.未成年者は, 代理人となることができない。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第2問〕(配点:2) 錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bQ]) ア.法律行為の要素に錯誤が生じ, その錯誤により意思表示をした場合であっても, その意思表 示の時から20年が経過すれば, 表意者は, 錯誤による意思表示の無効を主張することができ ない。 イ.相手方の詐欺により法律行為の要素に錯誤が生じ, その錯誤により意思表示をした場合であ っても, 表意者は, 錯誤による意思表示の無効を主張することができる。 ウ.Aを売主, Bを買主とする売買契約に基づく商品の売買代金をCが立替払する旨の契約がB C間で締結され, BのCに対する立替金償還債務をDが連帯保証した場合において, Dが, C D間の連帯保証契約締結当時, 実際にはAB間の売買契約が存在しないことを知らなかったと きは, Dは, CD間の連帯保証契約について錯誤による無効を主張することができる。 エ.他にも連帯保証人となる者がいるとの債務者の説明を信じて連帯保証人となった者は, 特に その旨が表示され連帯保証契約の内容とされていたとしても, 連帯保証契約について錯誤によ る無効を主張することができない。 オ.Aの所有する甲土地の売買契約が, Bを売主, Cを買主として成立した場合において, Cは, BC間の売買契約締結当時, 甲土地がBの所有するものでなければ売買をしない旨の意思表示 をしたとしても, BC間の売買契約について錯誤による無効を主張することができない。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 2 - エ 5.エ オ 〔第3問〕(配点:2) 意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後 記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bR]) ア.成年被後見人であるAがBから日用品を買い受けた場合, Aが成年被後見人であることをB が知らなかったとしても, Aの成年後見人Cは, 当該日用品の売買契約を取り消すことができ る。 イ.AがBから契約解除の意思表示を受けた時にAが成年被後見人であった場合, Aの成年後見 人CがBの契約解除の意思表示を知るまで, 当該契約解除の効力は生じない。 ウ.Aが隔地者Bに対し契約申込みの通知を発した後, Aが行為能力を喪失した場合, Bがその 事実を知っていたとしても, 当該契約申込みの効力は生じる。 エ.Aが隔地者Bに対し契約解除の通知を発した後, Aが行為能力を喪失した場合, Bがその事 実を知っていたとしても, 当該契約解除の効力は生じる。 オ.Aが隔地者Bに対し契約承諾の通知を発した後, Aが行為能力を喪失した場合, Bがその事 実を知っていたとしても, 当該契約は成立する。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第4問〕(配点:2) 代理に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bS]) ア.無権代理行為の相手方は, 代理人が代理権を有しないことを過失によって知らなかったとき は, 民法上の無権代理人の責任を追及することができない。 イ.代理権は, 代理人が後見開始の審判を受けたときは消滅する。 ウ.成年後見人は, やむを得ない事由があるときでなければ, 復代理人を選任することができな い。 エ.委任による代理人がやむを得ない事由があるため復代理人を選任した場合, 復代理人は, 復 代理の委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときであっても, 本人に対し, その費用の償還を直接請求することはできない。 オ.Aの代理人BがCの詐欺により売買契約を締結した場合, Bは当該売買契約を取り消すこと ができるが, Aは当該売買契約を取り消すことができない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ - 3 - オ 5.エ オ 〔第5問〕(配点:2) 時効の援用に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合 わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bT]) ア.抵当不動産の第三取得者は, その抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。 イ.先順位抵当権の被担保債権の消滅により後順位抵当権者に対する配当額が増加する場合, 当 該後順位抵当権者は, 先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。 ウ.詐害行為の受益者は, 詐害行為取消権を行使している債権者の被保全債権について, その消 滅時効を援用することができない。 エ.譲渡担保権者が被担保債権の弁済期後に譲渡担保の目的物を第三者に譲渡したときは, その 第三者は譲渡担保権設定者が譲渡担保権者に対し有する清算金支払請求権の消滅時効を援用す ることができる。 オ.建物の敷地所有権の帰属につき争いがある場合において, その敷地上の建物の賃借人は, 建 物の賃貸人が敷地所有権を時効取得しなければ建物賃借権を失うときは, 建物の賃貸人による 敷地所有権の取得時効を援用することができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第6問〕(配点:2) 物権的請求権に関する次の1から4までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものはどれ か。 (解答欄は, [bU]) 1.A所有の甲土地上に権原なく乙建物を所有しているBがCに乙建物を売却した場合において, CがBからの乙建物の所有権移転登記を経由していないときは, Aは, Cに対し, 乙建物の収 去及び甲土地の明渡しを求めることができない。 2.A所有の甲土地上に権原なく乙建物を所有しているBがCに乙建物を売却し, CがBからの 乙建物の所有権移転登記を経由した後, CがDに乙建物を売却した場合には, DがCからの乙 建物の所有権移転登記を経由していないときであっても, Aは, Cに対し, 乙建物の収去及び 甲土地の明渡しを求めることができない。 3.Aがその所有する甲土地をBに賃貸し, Bが甲土地を自動車の駐車場として利用していたと ころ, 甲土地の賃借権の登記がされない間に, AがCに対し甲土地を売却した場合において, CがAからの甲土地の所有権移転登記を経由していないときは, Bは, Cからの甲土地の明渡 請求を拒むことができる。 4.A所有の甲土地に隣接する乙土地の所有者であるBが乙土地を掘り下げたために, 両土地の 間に高低差が生じ, 甲土地が崩落する危険が生じている場合において, その危険が生じた時か ら20年を経過した後にAがBに対し甲土地の崩落防止措置を請求したときは, Bはその請求 権の消滅時効を援用することができる。 - 4 - 〔第7問〕(配点:2) 登記請求権及び物権的請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bV]) ア.AがB所有の甲土地をBから買い受け, BからAへの所有権移転登記を経由した後に, AB 間の売買契約が解除された場合, Bは, Aに対し, 甲土地の所有権移転登記の抹消登記手続を 請求することができる。 イ.AがBとの間の売買契約に基づき買い受けた甲土地がBの所有でなかった場合, Aは, Bに 対し, 甲土地の所有権移転登記手続を請求することができない。 ウ.動産質権者は, 第三者に質物の占有を奪われたときは, 質権に基づきその質物の返還を請求 することができる。 エ.判例によれば, 抵当不動産の所有者Aから占有権原の設定を受けてこれを占有するBに対し, 抵当権者Cが抵当権に基づく妨害排除請求権を行使することができる場合, Aにおいて抵当権 に対する侵害が生じないように抵当不動産を適切に維持管理することが期待できないときに は, Cは, Bに対し, 直接自己への抵当不動産の明渡しを請求することができる。 オ.地役権者は, 承役地を不法占拠している者に対し, 地役権に基づき, 自己への承役地の明渡 しを請求することができる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第8問〕(配点:3) 甲土地を所有するAには, その妻Bとの間に子C及びDがいる。 この場合において, Aが死亡し たときの不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいも のを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bW]) ア.Cが相続放棄をした後に, 甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記を した上で, 甲土地の4分の1の持分をEに売却し, CからEへの持分移転登記を経由した場合, Eは, B及びDに対し, 甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。 イ.AがEに甲土地を遺贈し, 遺言により指定された遺言執行者Fがある場合において, Bが, 甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で, 甲土地の2分の1 の持分をGに売却し, BからGへの持分移転登記を経由したときは, Eは, Gに対し, 甲土地 の所有権の取得を主張することができる。 ウ.B, C及びDの遺産分割協議により, 甲土地はBが取得することとされた場合であっても, その後, Dが, 甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で, 甲 土地の4分の1の持分をEに売却し, DからEへの持分移転登記を経由したときには, Eは, Bに対し, 甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。 エ.Aが「甲土地はCに相続させる」旨の遺言をしていた場合において, Bが, 甲土地について 法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で, 甲土地の2分の1の持分をEに売 却し, BからEへの持分移転登記を経由したときには, Cは, Eに対し, 甲土地の所有権の取 得を主張することができない。 オ.Dが甲土地を単独で相続した旨の不実の登記をした上で, 甲土地をEに売却し, DからEへ の所有権移転登記を経由した場合, Bは, Eに対し, 甲土地について2分の1の持分の取得を 主張することができない。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 5 - オ 5.ウ エ 〔第9問〕(配点:2) 動産の即時取得に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているもの を組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bX]) ア.Aがその占有する時計をBに売却した場合において, Bが, 即時取得により当該時計の所有 権を取得したことを主張するためには, 当該時計の引渡しの当時, 自己に過失がなかったこと を立証しなければならない。 イ.Aがその占有する時計をBに売却した場合において, Bが, 当該時計の引渡しの当時, 当該 時計の所有者がAであることに疑いを持っていたときは, Bは即時取得により当該時計の所有 権を取得することができない。 ウ.Aがその占有する時計をBに売却した場合において, その売買契約の際に, 以後AがBのた めに占有する意思を表示したが, 当該時計の引渡しが現実にされていないときは, Bは即時取 得により当該時計の所有権を取得することができない。 エ.A所有の土地上にある立木を, Bが, B所有の土地上にあるものと過失なく信じて伐採した 場合には, Bは, 即時取得により当該伐木の所有権を取得する。 オ.Aがその占有する中古自動車をBに売却し, 現実に引き渡した場合において, 当該中古自動 車につき道路運送車両法による登録がされていたときは, Bは, 即時取得により当該中古自動 車の所有権を取得することができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第10問〕(配点:2) 相隣関係及び地役権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいもの を組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [10]) ア.共有物の分割によって袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)が生じた場合, 当 該袋地の所有者は, 囲繞地(袋地を囲んでいる土地)のうち, 他の分割者の所有地についての み無償の通行権を有するが, その通行権は, 他の分割者の所有地について売買がされた場合に は消滅する。 イ.袋地の所有権を取得した者は, 所有権取得登記を経由していなくても, 囲繞地の所有者及び 囲繞地につき利用権を有する者に対して, 公道に至るため囲繞地を通行する権利を主張するこ とができる。 ウ.甲土地を所有するAは, 甲土地の賃借人であるBがC所有の乙土地の上に通路を開設した場 合であっても, Aがその通路の利用を20年間続けていたときには, 甲土地を要役地, 乙土地 を承役地とする通行地役権の時効取得を主張することができる。 エ.甲土地を所有するAと, 乙土地を所有するBとの間で, 甲土地を要役地, 乙土地を承役地と する通行地役権設定の合意がされたが, 通行地役権の設定登記がない場合, その後, Aから甲 土地を譲り受けたCは, 甲土地の所有権移転の登記を経由しても, Bに対し, 通行地役権を主 張することができない。 オ.甲土地をAとBが共有する場合において, Bが, 甲土地を要役地, C所有の乙土地を承役地 とする通行地役権を時効により取得したときは, Aも, 甲土地を要役地, 乙土地を承役地とす る通行地役権を取得する。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ - 6 - オ 5.エ オ 〔第11問〕(配点:2) 担保物権に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [11]) 1.同一不動産上の先取特権, 質権及び抵当権の優先権の順位は, 当該各担保物権の登記の前後 によって決まる。 2.留置権, 先取特権, 質権及び抵当権には, いずれも物上代位性が認められる。 3.留置権は, 占有を第三者に奪われた場合も消滅しないが, その場合には, 第三者に対抗する ことができない。 4.留置権者及び抵当権者は, いずれも目的物の競売を申し立てることができる。 5.動産先取特権は, 動産質権に優先する。 〔第12問〕(配点:2) 留置権及び質権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているもの を組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [12]) ア.民法上の留置権の成立には, 目的物と牽連性のある債権の存在及び債権者による目的物の占 有が必要であるが, その債権の成立時に債権者が目的物を占有している必要はない。 イ.質権者が任意に質権設定者に質物を返還した場合, 質権は消滅する。 ウ.必要費償還請求権を被担保債権として建物を留置している留置権者は, その建物のための必 要費を更に支出した場合, 後者の必要費償還請求権を被担保債権として留置権を行使すること はできない。 エ.仮登記担保権の実行により不動産の所有権を取得した仮登記担保権者が, 債務者に清算金を 支払わないでその不動産を第三者に譲渡した場合, 債務者は, 清算金支払請求権を被担保債権 として, 譲受人たる第三者に対し, その不動産につき留置権を行使することができる。 オ.質権の目的物を所有する債務者が, 質権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返還 を求める訴訟を提起した場合に質権の主張が認められるときは, 債務者の請求は棄却されるが, 留置権の目的物を所有する債務者が, 留置権者に対して被担保債権を消滅させずに目的物の返 還を求める訴訟を提起した場合に留置権の主張が認められるときは, 引換給付判決がされる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ - 7 - エ 5.エ オ 〔第13問〕(配点:2) 先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [13]) ア.建物の賃貸人は, 賃借人が賃料を支払わない場合, 敷金を受け取っており, 未払賃料額が敷 金額の範囲内であっても, 賃借人が当該建物に備え付けた動産について先取特権を行使するこ とができる。 イ.建物の賃借人が, 家具店から購入して当該建物に備え付けたタンスについて未だ売買代金を 支払わず, かつ, 建物の賃料の支払も怠っている場合, 家具店が当該タンスについて有する先 取特権は, 建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権に優先する。 ウ.会社の従業員は, 会社が給料を支払っていない場合, その給料債権につき, 未払となってい る期間にかかわらず, 当該会社の総財産について先取特権を有する。 エ.会社が, 電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず, かつ, 従業員への給料も支払っ ていない場合, 電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は, 従業員が当該冷蔵庫について 有する先取特権に優先する。 オ.債務者が約定担保物権, 留置権及び特別の先取特権の目的とされていない不動産と動産を有 している場合, 一般の先取特権者は, まず不動産から弁済を受け, なお不足がある場合に動産 から弁済を受ける。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第14問〕(配点:2) 抵当権に関する次の1から4までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [14]) 1.抵当権は, 目的物の交換価値を把握する権利であるから, 被担保債権額が抵当不動産の価格 を上回っていても, 物上保証人が抵当不動産の価格に相当する額を弁済すれば, 抵当権は消滅 する。 2.抵当権の被担保債権について不履行があった場合であっても, 抵当権の効力は, その後に生 じた抵当不動産の果実には及ばない。 3.抵当権者が第三取得者に対して代価弁済の請求をした場合, 第三取得者は, その請求に応じ なければならない。 4.第一順位の抵当権者の被担保債権が弁済により消滅した場合, 第二順位の抵当権者は, 消滅 した第一順位の抵当権の抹消登記手続を求めることができる。 - 8 - 〔第15問〕(配点:2) Aは, Bに対する600万円の債権を担保するため, B所有の甲土地及び乙土地に, 第一順位の 共同抵当権を有している。 Cは, Bに対する400万円の債権を担保するため, 甲土地に, 第二順 位の抵当権を有している。 この場合に関する次の1から4までの各記述のうち, 誤っているものは どれか。 なお, 各記述において, 競売の結果として債権者に配当することが可能な金額は, 甲土地 につき500万円, 乙土地につき1000万円であり, また, 各債権者が有する債権の利息及び損 害金は考慮しないものとする。 (解答欄は, [15]) 1.Aが甲土地及び乙土地に設定された抵当権を同時に実行した場合, Aは甲土地から200万 円, 乙土地から400万円の配当を受け, Cは甲土地から300万円の配当を受けることがで きる。 2.先に甲土地に設定された抵当権が実行されてAが500万円の配当を受け, その後に乙土地 に設定された抵当権が実行された場合, Aは100万円の配当を受け, Cは300万円の配当 を受けることができる。 3.先に乙土地に設定された抵当権が実行された場合, Aは600万円の配当を受け, その後に 甲土地に設定された抵当権が実行されたときには, Cは300万円の配当を受けることができ る。 4.Aが乙土地に設定された抵当権を放棄した後に, 甲土地に設定された抵当権が実行された場 合, Aは200万円の配当を受け, Cは300万円の配当を受けることができる。 〔第16問〕(配点:2) 根抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1 から5までのうちどれか。 (解答欄は, [16]) ア.根抵当権者は, 元本確定前の根抵当権の全部又は一部を譲渡することができるが, その場合, 根抵当権設定者の承諾を得る必要はない。 イ.元本確定前において, 根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をするときは, 後順位抵当権 者の承諾を得なければならない。 ウ.根抵当権の債務者の変更は, 元本確定前に登記をしなかったときは, その変更をしなかった ものとみなされる。 エ.根抵当権の設定時に元本確定期日を定めなかった場合, 当該根抵当権の設定は無効である。 オ.元本の確定した根抵当権は, 確定した元本のほか, その利息についても, 極度額を限度とし て担保する。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ - 9 - オ 5.エ オ 〔第17問〕(配点:2) 債権に関する次の1から5までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [17]) 1.金銭債権は, 当事者の意思表示によって, 不可分債権とすることはできない。 2.判例によれば, 履行の場所につき別段の定めのない種類債権の目的物は, 債務者が債権者の 住所に目的物を発送した時に特定する。 3.不可分債権者の一人が債務者に対して債務を免除した場合であっても, 他の不可分債権者は, 債務者に対し, 債務の全部の履行を請求することができる。 4.生命又は身体が侵害されたことによって生じた不法行為に基づく損害賠償請求権は, その性 質上, 第三者に譲渡することはできない。 5.債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは, その選択権は, 債権者に属す る。 〔第18問〕(配点:2) 履行の強制に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記 1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [18]) ア.判例によれば, 不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制をするには, 債権者にお いて, 債務者がその不作為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り, 債務者が現に その不作為義務に違反していることを立証する必要はない。 イ.判例によれば, 事態の真相を告白して陳謝の意を表明する内容の謝罪広告を新聞紙に掲載す べきことを命ずる判決の執行は, 間接強制によらなければならず, 代替執行をすることはでき ない。 ウ.不作為を目的とする債務については, 債務者の費用で, 債務者がした行為の結果を除去する ことを裁判所に請求することができる。 エ.工作物の撤去を命ずる判決が確定した場合, その判決の執行は, 代替執行によることができ るが, 間接強制によることはできない。 オ.登記義務者に対し所有権移転登記手続を命ずる判決が確定した場合, その判決の執行は間接 強制によらなければならない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第19問〕(配点:2) 債権者代位権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものを 組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [19]) ア.債務者に代位して登記の移転を求める場合には, 債権者は, 第三債務者から直接自己へ登記 を移転すべき旨の請求をすることはできない。 イ.債務者が既に自ら権利を行使している場合には, その行使の方法又は結果の良否にかかわら ず, 債権者は, その権利について債権者代位権を行使できない。 ウ.債権者Aが債務者Bに代位して, Bの有する債権を行使した場合において, 第三債務者Cが Bに対して同時履行の抗弁を主張することができるときであっても, Cは, Aに対しては, 同 時履行の抗弁を主張することはできない。 エ.AのBに対する100万円の債権を被保全債権として, BのCに対する50万円の債権につ きAがCに対して債権者代位訴訟を提起したときには, Aは, 請求原因において, Bの無資力 を主張・立証する必要はない。 オ.債権者代位権を行使するためには, 被保全債権が代位行使される債権よりも先に成立してい る必要はない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ - 10 - エ 5.エ オ 〔第20問〕(配点:3) 弁済による代位に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたもの は, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [20]) ア.債務者の意思に反することなく有効に弁済した第三者は, 弁済によって当然に債権者に代位 する。 イ.判例によれば, 不動産を目的とする一つの抵当権が数個の債権を担保し, そのうちの一つの 債権のみについての保証人が当該債権に係る残債務全額につき代位弁済した場合において, 抵 当権の実行による売却代金が被担保債権の全てを消滅させるに足りないときには, 債権者と保 証人は, 両者間にその売却代金からの弁済の受領について特段の合意がない限り, その売却代 金につき, 債権者が有する残債権額と保証人が代位によって取得した債権額に応じて案分して 弁済を受ける。 ウ.代位弁済によって, 全部の弁済を受けた債権者は, 債権に関する証書を代位者に交付すれば 足り, 自己の占有する担保物を代位者に交付する必要はない。 エ.AのBに対する1200万円の債権について, 保証人C, 物上保証人D(担保物の価額90 0万円), 物上保証人E(担保物の価額300万円)が存在する場合, C, D及びEの間にお ける弁済による代位の割合は, 2対3対1となる。 オ.判例によれば, 保証人が債権者に代位弁済した後, 債務者から当該保証人に対し一部弁済が あったときは, その弁済は, 保証人が代位弁済によって取得した求償権だけでなく, 債権者に 代位して取得した原債権に対しても弁済があったものとして, それぞれに充当される。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ 〔第21問〕(配点:2) 保証に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせた ものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [21]) ア.賃借人の保証人は, 賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが, 賃 料不払によって賃貸借契約が解除された場合, 賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人 に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。 イ.建物賃貸借契約の存続期間中に賃借人の保証人が死亡した場合において, その相続人は, 相 続開始後に生じた賃借人の債務についても保証債務を負う。 ウ.身元保証契約において, 使用者が, 被用者に業務上不適任又は不誠実な事跡があって, その ために身元保証人の責任を惹起するおそれがあることを知ったときは, 使用者は, 遅滞なく 身元保証人にその旨を通知しなければならない。 エ.貸金等根保証契約において元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から6年を経過 する日と定められている場合, その元本確定期日は, その貸金等根保証契約の締結の日から 5年を経過する日となる。 オ.根保証契約の元本確定期日前に根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債権が譲渡された ときは, その譲受人は, 保証人に対し, 当該保証債務の履行を求めることができない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ - 11 - オ 5.エ オ 〔第22問〕(配点:2) 契約に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたものは, 後記1から 5までのうちどれか。 (解答欄は, [22]) ア.贈与は, 当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し, 相手方が受諾を することによって, その効力を生ずるから, 贈与を受ける者が贈与の申込みをし, 相手方がこ れを承諾しても贈与の効力は生じない。 イ.売買契約において瑕疵担保責任を免除する特約がある場合であっても, その当時売買の目的 物について瑕疵があることを売主が知りながらその瑕疵があることを告げなかったときには, 売主は瑕疵担保責任を免れない。 ウ.判例によれば, AがB所有の甲建物を賃貸権限を有しないCから賃借している場合において, BがAに甲建物の明渡しを求めたときは, Aは, 甲建物を使用収益することができなくなるお それが生じたものとして, Cに対し, それ以降の賃料の支払を拒絶することができる。 エ.賃借人が適法に賃借物を転貸した場合において, 賃貸人が賃借人に対し賃借物の修繕義務を 負うときは, 賃貸人は, 転借人に対しても直接に賃借物の修繕義務を負う。 オ.有償の金銭消費寄託契約において, 当事者が返還の時期を定めなかったときは, 寄託者は, 受寄者に対し相当の期間を定めて催告をしなければ, 金銭の返還を請求することができない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第23問〕(配点:2) Aは, Bとの間で, Aの所有する著名な陶芸家の銘が入った絵皿(以下「甲」という。 )をBに 300万円で売り, 代金はBがCに支払うとの合意をした。 この事例に関する次のアからオまでの 各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちど れか。 (解答欄は, [23]) ア.AB間の売買契約の当時, Cが胎児であり, 受益の意思表示をすることができなかったとき は, その後Cが出生したとしてもAB間の売買契約は無効である。 イ.AB間の売買契約が締結され, Cが受益の意思表示をした後, 実は甲が贋作であることが判 明し, BがAの詐欺を理由に売買契約を取り消した場合, CがAの詐欺について善意無過失で あるときは, Bは詐欺取消しをCに対抗することができない。 ウ.Cに対して債権を有するDは, AB間の売買契約が締結された後, Cが受益の意思表示をせ ず, かつ無資力である場合には, Cに代位して受益の意思表示をすることができる。 エ.AB間の売買契約が締結された後, AがBに甲を引き渡したにもかかわらず, BがCに甲の 代金300万円を支払わない場合には, CはBに催告した上, AB間の売買契約を解除するこ とができる。 オ.AB間の売買契約が, AのCに対する宝石の売買契約に基づく代金債務を弁済するために締 結され, Cが受益の意思表示をした場合において, Aがその目的をBに告げていなかったとき は, AC間の宝石の売買契約が無効であっても, Cは, Bに対し, 甲の代金300万円の請求 をすることができる。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ - 12 - オ 5.エ オ 〔第24問〕(配点:2) 売買に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [24]) ア.解約手付の授受された売買契約の買主は, 自ら履行に着手した場合でも, 売主が履行に着手 するまでは, 手付を放棄して売買契約の解除をすることができる。 イ.甲土地の売買契約がAを売主, Bを買主として締結され, AからBに甲土地の引渡しがされ たが, 甲土地がCの所有であった場合において, Aが甲土地の権利をCから取得してBに移転 することができないことを理由にBが甲土地の売買契約を解除したときは, Bは, Aに対し, その解除までの間の甲土地の使用利益を返還しなければならない。 ウ.建物とその敷地の賃借権とが売買契約の目的とされた場合には, 敷地に欠陥があり, 賃貸人 がその欠陥について修繕義務を負担するときであっても, 買主は, 売主に対し, その欠陥が売 買の目的物の隠れた瑕疵に該当することを理由として瑕疵担保責任を追及することができる。 エ.売買契約の目的物に隠れた瑕疵がある場合において, 買主がその瑕疵があることを知った時 から1年以内に瑕疵担保による損害賠償の請求をしたときは, その時点で買主が目的物の引渡 しを受けた時から10年を経過していたときであっても, その損害賠償請求権につき消滅時効 は完成しない。 オ.建物の強制競売の手続が開始され, 借地権の存在を前提として建物の売却が実施されたこと が明らかであるにもかかわらず, 実際には建物の買受人が代金を納付した時点において借地権 が存在しなかったことにより, 建物の買受人がその目的を達することができず, かつ, 債務者 が無資力であるときは, 建物の買受人は, 強制競売による建物の売買契約を解除した上, 売却 代金の配当を受けた債権者に対し, その代金の返還を請求することができる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第25問〕(配点:2) 不動産賃貸借に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み 合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [25]) ア.建物所有を目的とする土地賃貸借の賃借人が, その親族名義で所有権保存登記をした建物を 借地上に所有していても, 当該借地の新取得者に対し借地権を対抗できない。 イ.自己の所有建物を賃貸して賃借人に引き渡した者が, 賃貸借契約継続中に当該建物を第三者 に譲渡してその所有権を移転した場合には, 賃貸人たる地位を譲渡する旨の旧所有者と新所有 者間の合意がなければ, 賃貸人の地位は新所有者に移転しない。 ウ.対抗力のない賃借権が設定されている土地の所有権の譲渡において, 新所有者が旧所有者の 賃貸人としての地位を承継するには, 賃借人の承諾は必要でない。 エ.土地賃貸借の賃借人は, 当該土地の所有権移転に伴い賃貸人たる地位を譲り受けた者に対し, 当該土地の所有権移転登記が経由されていないことを理由として, 賃料の支払請求を拒むこと ができない。 オ.建物賃貸借契約において, 当該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地位の承継があった場合 は, 承継の時点で旧賃貸人に対する未払の賃料債務があっても, 旧賃貸人に差し入れられた敷 金全額についての権利義務関係が新賃貸人に承継される。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ - 13 - オ 5.ウ エ 〔第26問〕(配点:2) 委任契約に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [26]) ア.委任契約を債務不履行により解除したときは, その解除は, 将来に向かってのみその効力を 生ずる。 イ.準委任契約は, 書面でしなくてもその効力を生ずるが, 委任契約は, 書面でしなければ, そ の効力を生じない。 ウ.受任者がその委任事務処理の必要上負担した債務を委任者に対し受任者に代わって弁済する ことを請求する権利については, 委任者がこれを受働債権として相殺することはできない。 エ.委任契約は, 受任者の死亡によって終了するが, 委任者の死亡によっては終了しない。 オ.受任者は, 特約がなくとも, 委任者に対して報酬を請求することができる。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ 〔第27問〕(配点:2) 民法上の組合に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたもの は, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [27]) ア.組合の債権者は, 債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは, 個々 の組合員に対して等しい割合で権利を行使することができる。 イ.組合の債務者は, その債務と組合員に対する債権とを相殺することができる。 ウ.組合は, 不動産について組合名義の所有権移転登記を備えることはできない。 エ.除名された組合員は, 持分の払戻しを受けることができない。 オ.組合は, その目的である事業の成功によって解散する。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第28問〕(配点:2) 不当利得に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [28]) ア.債務が存在しないにもかかわらず, その事実を過失により知らないで債務の弁済として給付 をした者は, その給付したものの返還を請求することができない。 イ.抵当権者は, 自己の抵当権が設定された不動産について競売がされた場合には, 不動産競売 事件の配当期日において配当異議の申出をしなかったとしても, 債権又は優先権を有しないに もかかわらず配当を受けた債権者に対し, その者が配当を受けたことによって自己が配当を受 けることができなかった金銭相当額の金員について不当利得返還請求をすることができる。 ウ.建物賃借人との間の請負契約に基づき, 請負人が建物の修繕工事をしたが, 建物賃借人が請 負代金を支払わないまま無資力となった場合において, 建物賃貸借契約に建物の修繕工事の費 用は建物賃借人が負担するとの特約があるときは, 建物賃貸人である建物所有者が対価関係な しにその工事に要した財産及び労務の提供に相当する利益を受けたかどうかにかかわらず, 建 物所有者は, 法律上の原因なくしてその利益を受けたことになる。 エ.金銭の交付によって生じた不当利得の利益が存しないことについては, 不当利得返還請求権 の消滅を主張する者が主張・立証責任を負う。 オ.不当利得における悪意の受益者は, 損失を被った者に対してその受けた利益に利息を付して 返還しなければならないが, その者になお損害があるときは, 不法行為の要件を充足していな いとしても, その者に対してその損害を賠償しなければならない。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 14 - エ 5.エ オ 〔第29問〕(配点:2) 不法行為に関する次の1から5までの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし誤っているものはどれ か。 (解答欄は, [29]) 1.不法行為による損害賠償債務は, 不法行為の時に, 催告を要することなく遅滞に陥る。 2.被用者の重大な過失により火災が発生した場合において, 使用者にその被用者の選任及び監 督について過失があるときは, 使用者は, その選任及び監督についての過失が重大なものでは ないことを理由として, その火災により生じた損害を賠償する責任を免れることはできない。 3.事業の執行について不法行為を行った被用者が損害を賠償する責任を負うときであっても, その被用者を雇用する法人の代表者は, 被用者の選任又は監督を現実に担当していなければ, 被用者の不法行為について, 代理監督者として損害を賠償する責任を負わない。 4.交通事故の被害者が事故に起因する後遺障害のために労働能力の一部を喪失した後, 別の原 因により死亡した場合, 労働能力の一部喪失による財産上の損害の額の算定に当たっては, 交 通事故と被害者の死亡との間に相当因果関係があって死亡による損害の賠償をも請求できる場 合に限り, 死亡後の生活費を控除することができる。 5.自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていない未成年者の行為により火災が発生 した場合において, 未成年者にその火災につき重大な過失がなかったときは, その未成年者を 監督する法定の義務を負う者はその火災により生じた損害を賠償する責任を負わない。 〔第30問〕(配点:2) 夫婦であるAとBの間に未成年の子Cがいる場合に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [30]) ア.Aが成年被後見人である場合には, Cに対する親権はAの成年後見人とBが共同で行使する。 イ.AとBがいずれも18歳である場合には, Cに対する親権は, Aの親権者とBの親権者が共 同で行使し, AとBのいずれにも親権者がいない場合には, 家庭裁判所がCについて未成年後 見人を選任する。 ウ.Cが18歳である場合には, Aが死亡し, その後にBの親権が停止されたときでも, Cは, Bの同意を得れば婚姻をすることができる。 エ.AとBが離婚し, BがCの親権者となった後に, BがDと再婚し, CがDの養子となった場 合には, BとDがCの親権者となる。 オ.判例によれば, Aが死亡し, その相続人がBとCの二人であり, BがCの親権者である場合 において, BがAを被相続人とする相続につき自ら相続放棄をするのと同時にCを代理してC について相続放棄をしたときは, B及びCの相続放棄はいずれも有効となる。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第31問〕(配点:2) 普通養子縁組に関する次の1から4までの各記述のうち, 正しいものはどれか。 (解答欄は, [31]) 1.養子は養親と離縁しない限り, 他の者の養子になることはできない。 2.配偶者のある者が未成年者を養子とするには, 配偶者の嫡出子を養子とする場合又は配偶者 がその意思を表示することができない場合を除き, 配偶者とともにしなければならない。 3.後見人が被後見人を養子にする場合において, その被後見人が未成年者であり, 後見人と親 族関係にないときは, 未成年者を養子とすることについて家庭裁判所の許可を得れば, 被後見 人を養子とすることについて家庭裁判所の許可を得る必要はない。 4.未成年者は, 父母の共同親権に服する間は, 祖父母との間で養子縁組をすることができない。 - 15 - 〔第32問〕(配点:2) 扶養に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記 1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [32]) ア.家庭裁判所は, 特別の事情があるときは, 甥と叔母との間においても, 扶養の義務を負わせ ることができる。 イ.扶養の程度又は方法について協議が調わずに家庭裁判所の審判がされた場合には, その後事 情に変更を生じたときであっても, 当事者間の協議によってその変更又は取消しをすること はできない。 ウ.判例によれば, 扶養権利者を扶養した扶養義務者が他の扶養義務者に対して求償する場合に おける各自の分担額は, 扶養義務者間で協議が調わないときは, 家庭裁判所がこれを定める べきであって, 地方裁判所がこれを定めることはできない。 エ.子を認知した父がその子の親権者でない場合には, その父は, その子を扶養する義務を負わ ない。 オ.扶養をする義務のある者が数人ある場合において, 扶養をすべき者の順序について, 当事者 間に協議が調わないとき, 又は協議をすることができないときは, 家庭裁判所がこれを定める。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ 〔第33問〕(配点:2) 共同相続に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ せたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [33]) ア.共同相続人であるAとBの間で遺産分割協議が成立した場合において, Aがその協議におい て負担した債務を履行しないときであっても, BはAの債務不履行を理由に遺産分割協議を解 除することはできない。 イ.共同相続人は, 既に成立している遺産分割協議の全部を共同相続人全員の合意により解除し た上で, 改めて遺産分割協議を成立させることはできない。 ウ.共同相続が生じた場合, 相続人の一人であるAは, 遺産の分割までの間は, 相続開始時に存 した金銭を相続財産として保管している他の相続人Bに対して, 自己の相続分に相当する金銭 の支払を求めることはできない。 エ.A及びBがCに対して400万円の連帯債務を負担していたところ, Aが死亡し, その妻D 及び子Eが相続した場合, Cは, Eに対して, Aの負担していた400万円の債務全額の支払 を請求することができる。 オ.A, B及びCが共同相続した甲土地の共有持分権をCから譲り受けたDが, A及びBとの共 有関係の解消のためにとるべき裁判手続は, 遺産分割審判である。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ - 16 - オ 5.ウ エ 〔第34問〕(配点:2) 遺言に関する次のアからオまでの各記述のうち, 誤っているものを組み合わせたものは, 後記 1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [34]) ア.被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは, それにより推定相続人の 廃除の効力が生ずる。 イ.判例によれば, 相続人による遺言書の破棄又は隠匿は, 相続に関して不当な利益を目的 とするものでなかったときは, 相続人の欠格事由に当たらない。 ウ.被相続人は, 遺言により, 遺産分割の方法を定めることを第三者に委託することができる。 エ.夫婦は, 同一の証書で遺言をすることができる。 オ.複数の遺贈が遺留分を侵害し, 遺留分減殺請求権が行使されている場合において, 遺言者 がその遺言に別段の意思を表示していなかったときは, 各遺 贈 は , そ の目的の価額の割合 に応じて減殺される。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第35問〕(配点:2) 地上権及び土地賃借権に関する次のアからオまでの各記述のうち, 正しいものを組み合わせたも のは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [35]) ア.地上権と土地賃借権は, いずれも抵当権の目的とすることができない。 イ.土地所有者は, 地上権者に対し, 土地を使用に適する状態にする義務を負わないが, 賃貸人 は, 賃借人に対し, 土地を使用に適する状態にする義務を負う。 ウ.地上権者は, 土地所有者の承諾を得ることなく地上権を第三者に譲渡することができるが, 賃借人は, 賃貸人の承諾又はそれに代わる裁判所の許可を得なければ, 土地賃借権を譲渡する ことができない。 エ.判例によれば, 地上権は時効により取得できるが, 土地賃借権は時効により取得できない。 オ.土地について有益費を支出し, その価格の増加が現存する場合において, 地上権者と賃借人 は, いずれも, その選択に従い, 支出した金額又は増価額の償還を土地所有者に請求すること ができる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ - 17 - オ 5.エ オ 〔第36問〕(配点:3) A所有の甲土地に関する次のアからオまでの各記述のうち, 判例の趣旨に照らし正しいものを組 み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [36]) ア.Aは, BからBの取引上の信用のために, 甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け, Bへの所有権移転登記を了した。 この場合において, Bから甲土地を譲り受けたCが, 仮装譲 渡について善意のときは, 登記を備えていなくてもAに対して甲土地の所有権取得を主張する ことができる。 イ.Aは, BからBの取引上の信用のために, 甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け, Bへの所有権移転登記を了した。 この場合において, Bの死亡によりその単独相続人として所 有権移転登記を了したCが, 仮装譲渡について善意のときは, Aに対して甲土地の所有権を主 張することができる。 ウ.Dは, 建物所有を目的としてAから甲土地を賃借し, 甲土地上に乙建物を建築してD名義で 乙建物の所有権保存登記を有している。 Aは, BからBの取引上の信用のために, 甲土地の所 有権を仮装譲渡するように依頼を受け, Bへの所有権移転登記を了した。 この場合において, Bから甲土地を仮装譲渡であることについて善意で譲り受けて登記を備えたCは, 仮装譲渡で あることをDが知っていたときは, 甲土地の賃借権を否定することができる。 エ.Aは, BからBの取引上の信用のために, 甲土地の所有権を仮装譲渡するように依頼を受け, Bへの所有権移転登記を了した。 この場合において, Bから甲土地を仮装譲渡であることにつ いて善意で譲り受けたCから更に甲土地を譲り受けて登記を備えたDは, 仮装譲渡について悪 意であったとしても甲土地の所有権を取得する。 オ.Dは, 建物所有を目的としてAから甲土地を賃借し, 甲土地上に乙建物を建築してD名義で 乙建物の所有権保存登記を有している。 Dは, BからBの取引上の信用のために, 乙建物の所 有権を仮装譲渡するように依頼を受け, Bへの所有権移転登記を了した。 この場合において, 仮装譲渡であることを知らなかったAは, Bに対して, 賃借権の譲渡を承諾し, 地代の支払を 求めることができる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 18 - オ 5.ウ オ