短答式試験問題集 [憲法・行政法] - 1 - [憲法] 〔第1問〕(配点:3) 私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について, 判例の趣旨に照らして, それぞれ正しい場合には1を, 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[ 1]から[bR]) ア.企業者は, 雇用の自由を有するから, 労働者の思想, 信条を理由として雇入れを拒んでも当 然に違法ということはできないが, 労働者の採否決定に当たり, その思想, 信条を調査し, 労 働者に関連事項の申告を求めることまでは許されない。 [bP] イ.大学は, その設置目的を達成するため, 必要な事項を定めて学生を規律する権能を有するか ら, 私立大学が, その伝統, 校風や教育方針に鑑み, 学内外における学生の政治的活動につき, かなり広範な規律を及ぼしても, 直ちに不合理ということはできない。 [bQ] ウ.長期間にわたり形成された地方の慣習に根ざした権利である入会権については, その慣習が 存続しているときは最大限尊重すべきであるから, 権利者の資格を原則として男子孫に限る旨 の特定の地域団体における慣習も, 直ちに公序良俗に反するとはいえない。 [bR] 〔第2問〕(配点:2) 法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について, 判例の趣旨に照らして, 正しい ものには○, 誤っているものには×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選び なさい。(解答欄は, [bS]) ア.憲法は, 外国人を日本国民と全く平等に扱うことまでは要求していないが, 我が国に入国す る全ての外国人に対し, 法律により, 日本国民と異なる規制を設けることは, 人種的な差別を する趣旨ではなくても, 憲法第14条第1項後段の「人種」による差別として許されない。 イ.選挙権の平等には各選挙人の投票価値の平等も含まれるが, 国会によって定められた選挙制 度における投票価値が不平等であっても, その不平等が国会の有する裁量権の行使として合理 的と認められるのであれば, 憲法第14条に違反しない。 ウ.条例においては, 一定の取締規定を設け, 法律による委任の範囲で, その違反に対する罰則 を規定することが許されるが, 禁錮又は懲役の刑は, 全国一律に規律すべきものと解されるの で, それぞれの条例の間で法定刑が異なる場合は, 憲法第14条に違反する。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第3問〕(配点:2) 取材の自由に関する次のアからウまでの各記述について, 判例の趣旨に照らして, 正しいものに は○, 誤っているものには×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。(解 答欄は, [bT]) ア.報道機関の報道は, 国民の知る権利に奉仕するものであるため, 報道の自由は, 表現の自由 を規定した憲法第21条によって保障されるが, 報道のための取材の自由も, 報道が正しい内 容を持つために, 報道の自由の一環として同条によって直接保障される。 イ.取材の自由は, 公正な刑事裁判の実現の要請からある程度制約を受けることがあるが, 公正 な刑事裁判を実現するに当たっては, 適正迅速な捜査が不可欠の前提であるから, 適正迅速な 捜査の要請からも取材の自由が制約を受けることがある。 ウ.法廷における筆記行為の自由は憲法第21条の規定の精神に照らして尊重されるべきである が, その制限は表現の自由に制約を加える場合に一般に必要とされる厳格な基準までは要求さ - 2 - れず, メモを取る行為が公正かつ円滑な訴訟の運営を妨げる場合には制限される。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第4問〕(配点:3) 海外渡航の自由に関する次のアからウまでの各記述について, それぞれ正しい場合には1を, 誤 っている場合には2を選びなさい。(解答欄は, アからウの順に[bU]から[bW]) ア.海外渡航の自由は, 出国の自由と再入国の自由を包括する概念であるが, その性質は, 経済 的自由の側面にとどまらず, 精神的自由, 人身の自由などと関連し, 複合的かつ多元的な性質 を持つ。 [bU] イ.憲法第22条第1項の「公共の福祉」との文言によって直ちに広範な政策的制約が許される ものではないと考えれば, 海外渡航の自由について, 憲法上の根拠を同項に求めるか他の条項 に求めるかによって, 許される制約の程度に決定的な差異は生じない。 [bV] ウ.判例は, 「著しく, かつ, 直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると 認めるに足りる相当の理由がある者」につき外務大臣が旅券の発給を拒否できる旨定めた旅券 法の規定を, 公共の福祉のための合理的な制限を定めたものとして合憲と解している。 [bW] 〔第5問 〕 (配 点 :2) 学問の自由に関する次のアからウまでの各記述について, 判例の趣旨に照らして, 正しいも のには○を, 誤っているものには×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選び なさい。(解答欄は, [bX]) ア.学問の自由は, 学問的研究の自由とその研究成果の発表の自由を指しており, 憲法第23条 は大学が学術の中心として深く真理を探究することを本質とすることに鑑みて規定されたもの であるから, 同条の保障は大学の教授や研究者を対象とするものであり, 国民一般はその保障 の対象ではない。 イ.大学における学問の自由を保障するために伝統的に大学の自治が認められているところ, 学 内集会について大学の自治の保障が及ぶか否かの判断に当たって, その集会の目的や性格を考 慮することは, 学内で行われる活動をその思想内容に着目して規制することになり, 大学の自 治を認めた趣旨に抵触するから, 許されない。 ウ.普通教育の場において使用される教科書は学術研究の結果の発表を目的とするものではなく, 教科書検定は, 記載内容がいまだ学界において支持を得ていないとき, あるいは当該教科課程 で取り上げるにふさわしい内容と認められないときなど一定の検定基準に違反する場合に, 教 科書の形態における研究結果の発表を制限するにすぎないから, 憲法第23条に反しない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 3 - 〔第6問〕(配点:3) 労働基本権に関する次のアからウまでの各記述について, それぞれ正しい場合には1を, 誤って いる場合には2を選びなさい。(解答欄は, アからウの順に[10]から[12]) ア.公務員の争議行為の制限は国民生活全体の利益を維持増進する必要との調和の見地から合理 性の認められる必要最小限度のものでなければならず, 職務の性質や違いを考慮することなく 公務員の争議行為を一律に禁止することは憲法上許されないとするのが判例の立場である。[ 10] イ.憲法により団結権が保障されている労働組合においては, 組合の目的の範囲内にある活動で あれば, その全ての活動について組合員に対して統制権を行使し得るから, 労働組合が統制権 に基づいて組合員を除名した処分には司法審査が及ばない。 [11] ウ.憲法第28条が保障する労働基本権は, 使用者との関係において労働者の権利を保護するこ とを目的の一つとするので, 私人相互の関係でも意味を持ち, 契約自由の原則は制限されるこ とになる。 [12] 〔第7問〕(配点:2) 天皇が国会開会式に出席した上で述べる「おことば」の憲法上の位置付けに関する次のアからウ までの各記述について, 正しいものには○, 誤っているものには×を付した場合の組合せを, 後記 1から8までの中から選びなさい。(解答欄は, [13]) ア.「おことば」を象徴としての地位に基づく公的行為であると捉える見解については, 象徴と しての地位が天皇の一身専属のものであることを前提にすると, 天皇の権能を代行する摂政は 「おことば」を述べることができないのではないかという問題点がある。 イ.「おことば」を国事行為である国会の召集(憲法第7条第2号)と密接に関連する行為とし て準国事行為と位置付ける見解については, 「おことば」について内閣による「助言と承認」 を通じたコントロールを及ぼす余地がなくなるという問題点がある。 ウ.「おことば」は国事行為である「儀式を行ふ」(憲法第7条第10号)に含まれるという見 解については, 上記「儀式を行ふ」を「儀式を主宰する」という意味に解すると, 文理上無理 があるという問題点がある。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第8問〕(配点:2) 政党に関する次のアからウまでの各記述について, 正しいものには○, 誤っているものには×を 付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は, [14]) ア.政党は, 政治上の信条, 意見等を共通にする者が任意に結成するものであって, 党員に対し て政治的忠誠を要求し, 一定の統制を施すなどの自治権能を有する。 イ.政党は, 内部的自律権を有し, 政党が組織内の自律的運用として党員に対してした除名等の 処分の当否については, 原則として政党による自律的な解決に委ねられる。 ウ.小選挙区選出の衆議院議員について, 政党の方針に反したことを理由として除名された場合 に議員の身分を当然喪失するとの制度を設けても, 違憲とは解されない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 4 - 〔第9問〕(配点:3) いわゆる在外邦人選挙権制限違憲訴訟上告審判決(最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決, 民集59巻7号2087頁)に関する次のアからウまでの各記述について, それぞれ正しい場合に は1を, 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は, アからウの順に[15]から[17]) ア.前記判決は, 国政選挙の選挙権について, 「国民の国政への参加の機会を保障する基本的権 利として議会制民主主義の根幹を成すものであり, 民主国家においては, 一定の年齢に達した 国民の全てに平等に与えられるべきものである」と指摘しているが, 同判決の考え方に従った としても, 自ら選挙の公正を害する行為をした者の選挙権について一定の制限をすることまで 違憲となるわけではない。 [15] イ.比例代表選出議員の選挙と異なり, 衆議院小選挙区選出議員の選挙及び参議院選挙区選出議 員の選挙については, 選挙権を行使する者が日本国内の特定地域に現に居住していることを前 提としているから, 上記判決の考え方に従ったとしても, 衆議院小選挙区選出議員の選挙及び 参議院選挙区選出議員の選挙における在外日本国民の選挙権の行使を制限することまで違憲と なるわけではない。 [16] ウ.前記判決は, 在外日本国民の選挙権行使を制限する公職選挙法の規定について違憲と判断し たものであるが, 「仮に当該立法の内容又は立法不作為が憲法の規定に違反するものであると しても, それゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに違法の評価を受けるものでは ない」として, 立法不作為を理由とする国家賠償請求は認めなかった。 [17] 〔第10問〕(配点:2) 内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからウまでの各記述について, 正しいものには○, 誤って いるものには×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は, [ 18]) ア.大日本帝国憲法において内閣総理大臣は同輩中の首席にすぎなかったのに対し, 日本国憲法 が内閣総理大臣に首長としての地位を認め, その権限を強化しているのは, 内閣の一体性と統 一性を確保し, 内閣の国会に対する連帯責任の強化を図るものである。 イ.判例によれば, 内閣総理大臣は, 閣議にかけて決定した方針が存在しない場合においても, 少なくとも内閣の明示の意思に反しない限り, 行政各部に対し, 随時その所掌事務について一 定の方向で処理するよう指導, 助言等の指示を与える権限を有する。 ウ.内閣は, 憲法第73条第1号により法律を執行する義務を負うから, たとえ内閣が違憲と判 断する法律であっても, その法律を執行しなければならず, また, 最高裁判所が違憲と判断し た場合でも, 国会がその法律を改廃しない限りは, その執行をしなければならない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 5 - 〔第11問〕(配点:3) 違憲審査に関する次のアからウまでの各記述について, 判例の趣旨に照らして, それぞれ正しい 場合には1を, 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は, アからウの順に[19]から[ 21]) ア.第三者の所有物を没収する言渡しを受けた被告人は, 当該第三者の権利を援用して, 所有者 に対し何ら告知, 弁解, 防御の機会を与えることなくその所有権を奪うことは憲法に違反する 旨主張することはできない。 [19] イ.嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする民法の規定は, 遅くとも同規定が 違憲とされた事案の被相続人の相続が開始した時点において, 憲法第14条第1項に違反して いたとする最高裁判所の決定は, 当該事案限りのものであって, 先例としての事実上の拘束性 はない。 [20] ウ.日本国民である父と外国人である母との間に生まれた嫡出でない子につき, 父母の婚姻及び その認知等所定の要件を備えた場合に届出により日本国籍が取得できる旨定めた国籍法(平成 20年法律第88号による改正前のもの。 以下同じ。 )第3条第1項は, 憲法第14条第1項 に違反するが, 血統主義を補完するために出生後の国籍取得の制度を設けた国籍法の趣旨に照 らし, 同法第3条第1項を全部無効とする解釈は採り得ない。 [21] 〔第12問〕(配点:3) 憲法改正について理論上一定の限界があるか否かについて限界説と無限界説とが対立しているが, 次のアからウまでの各記述のうち, 限界説の立場に立つ記述には1を, 無限界説の立場に立つ記述 には2を選びなさい。(解答欄は, アからウの順に[22]から[24]) ア.憲法規範に価値序列や段階性は認められず, 「不変」「不可侵」「永久」等の語を用いて定 めた改正禁止規定は, たやすく改正すべきではないとの考えを明らかにしたものである。 [ 22] イ.法は, 元来, 人間の社会生活に奉仕する手段であり, かつ社会は絶えず変化するものである から, 現在の規範・価値によって将来の世代を拘束するのは不当である。 [23] ウ.憲法規範には実定化された自然法規範が含まれており, それは実定化されたとしても自然法 規範としての性質を失うものではない。 [24] - 6 - [行政法] 〔第13問〕(配点:3) 最高裁判所平成25年1月11日第二小法廷判決(民集67巻1号1頁。 以下「本判決」とい う。 )は, 一般用医薬品のうち第一類医薬品及び第二類医薬品について, インターネット販売を含 む郵便等販売を規制する薬事法施行規則(平成26年厚生労働省令第8号による改正前のもの。 以 下「本件施行規則」という。 )の薬事法(平成25年法律第103号による改正前のもの。 以下同 じ。 )への適合性について判断した判決である。 問題となった本件施行規則は, 第一類医薬品及び 第二類医薬品につき, 店舗販売業者による店舗以外の場所にいる者に対する郵便等販売を一律に禁 止するものであった。 本判決に関する次のアからエまでの各記述について, それぞれ正しい場合に は1を, 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に[25]から[ 28]) ア.本判決は, 当事者訴訟(行政事件訴訟法第4条後段)として, 原告が第一類医薬品及び第二 類医薬品につき郵便等販売をすることができる権利(地位)を有することの確認を求める訴え を適法に提起することができることを前提としたものである。 [25] イ.本判決は, 一般用医薬品の郵便等販売の規制を本件施行規則に委任することについて, 授権 する薬事法の規定がある程度不明確であったとしても, 行政庁には専門技術的な観点からの一 定の裁量権が認められているから, 一般用医薬品の郵便等販売を規制する本件施行規則を制定 することが許されるとしたものである。 [26] ウ.本判決は, 薬事法の規定の趣旨を考慮する際には, 薬事法の立法過程で一般用医薬品を店舗 において対面で販売する必要性が強調されていたなどの立法過程における議論を考慮してはな らないとしたものである。 [27] エ.本判決は, 従前違法とされていなかった第一類医薬品及び第二類医薬品の郵便等販売を一律 に禁止する本件施行規則は, 職業活動の自由を相当程度制約するものであるから, 憲法第22 条第1項に違反すると判示したものである。 [28] (参照条文)薬事法(平成25年法律第103号による改正前のもの) (一般用医薬品の区分) 第36条の3 一般用医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを 除く。 )は, 次のように区分する。 一 第一類医薬品 その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるお それがある医薬品のうちその使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指 定するもの及びその製造販売の承認の申請に際して第14条第8項第1号に該当すると された医薬品(注:既に製造販売の承認を与えられている医薬品と, 有効成分, 分量, 用法, 用量, 効能, 効果等が明らかに異なるとされた医薬品)であつて当該申請に係る 承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの 二 第二類医薬品 その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるお それがある医薬品(第一類医薬品を除く。 )であつて厚生労働大臣が指定するもの 三 2, 3 第三類医薬品 第一類医薬品及び第二類医薬品以外の一般用医薬品 (略) - 7 - 〔第14問〕(配点:2) A県知事は, 介護保険法に基づく指定居宅サービス事業者Bについて, 介護報酬の不正請求が行 われているとの内部通報を受けたため, 調査の上, 不利益処分をすることにした。 次のアからウま での各記述について, 行政手続法に照らし, 正しいものに○, 誤っているものに×を付した場合の 組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は, [29]) ア.A県知事がBに対し, 指定の効力の一部停止処分をしようとする場合には, 原則として聴聞 手続を執らなければならない。 イ.Bに対する不利益処分の発動に強い関心を持っているライバル事業者Cは, 聴聞手続におい て, A県知事に対し, 当該処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。 ウ.Bからサービスを受けている高齢者Dは, サービスを受けられなくなると日常生活に困難を 来すことから, Bに対する不利益処分の発動に反対するため, 主宰者の許可を得て聴聞手続に 参加し, 口頭で意見を述べることができる。 1.ア〇 イ〇 ウ○ 2.ア〇 イ〇 ウ× 3.ア〇 イ× ウ○ 4.ア〇 イ× ウ× 5.ア× イ〇 ウ○ 6.ア× イ〇 ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第15問〕(配点:3) 行政裁量に関する次のアからエまでの各記述について, それぞれ正しい場合には1を, 誤ってい る場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に[30]から[33]) ア.不利益処分を行う行政庁に裁量権が認められる場合でも, 処分の必要性と処分による不利益 の内容との権衡の観点から当該処分を選択することの相当性を基礎付ける具体的な事情が認め られることを要するとされることがある。 [30] イ.処分を行う行政庁に裁量権が認められる場合でも, 処分の理由の提示に不備があったときは, 当該処分の取消事由となることがある。 [31] ウ.申請に対する裁量処分を行うかどうかを判断するための審査基準となる通達があるときは, 行政庁は, 当該通達に拘束されるから, 事案の性質に応じて当該通達の定めと異なる内容の処 分をすることは許されない。 [32] エ.生活扶助の老齢加算の廃止を内容とする生活保護法による保護の基準の改定については, 厚 生労働大臣の専門技術的かつ政策的な裁量に委ねられている。 したがって, 裁判所は, 厚生労 働大臣による最低限度の生活の具体化に係る判断の過程及び手続における過誤, 欠落の有無等 の観点からみて裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があると認められることを理由に, 当該保護 の基準の改定を違法とすることはできない。 [33] - 8 - 〔第16問〕(配点:3) 行政指導に関する次のアからエまでの各記述について, 法令又は最高裁判所の判例に照らし, そ れぞれ正しい場合には1を, 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に [34]から[37]) ア.法令に違反する行為の是正を求める行政指導を受けた者は, 原則として, 当該行政指導をし た行政機関に対して, 当該行政指導の中止等の措置を求めることができる。 [34] イ.同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとする ときは, 行政機関はその基準として行政指導指針を定めるよう努めなければならない。 [35] ウ.行政指導は法的拘束力を有しない事実行為に過ぎないことから, 国家賠償法第1条第1項に いう公権力の行使には当たらず, 違法な行政指導によって損害を受けた者は同法に基づき損害 賠償請求をすることはできない。 [36] エ.行政指導はあくまで相手方私人に対して任意の協力を求めるものであることから, 行政指導 である勧告に従わなかった者に対して, 勧告に従わなかったことを理由にして不利益処分を行 うことは, 法律の明文の根拠があっても許されない。 [37] 〔第17問〕(配点:2) 次のアからエまでの各記述は, 行政上の義務の実効性を確保するための条文の規定を示したもの である。 それぞれの【 】内の行為のうち, その性質がいわゆる執行罰に当たるものを一つ, 後記 1から4までの中から選びなさい。 (解答欄は, [38]) ア.私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号) 第97条 排除措置命令(注:私的独占など私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 の規定に違反する行為を行った事業者に対して公正取引委員会が当該違反行為を排除するた めに必要な措置を命じることを指す。 )に違反したものは, 50万円以下の【過料に処す る】。 ただし, その行為につき刑を科するべきときは, この限りでない。 イ.成田国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和53年法律第42号) 第3条 国土交通大臣は, 規制区域内に所在する建築物その他の工作物について, その工作物 が次の各号に掲げる用に供され, 又は供されるおそれがあると認めるときは, 当該工作物の 所有者, 管理者又は占有者に対して, 期限を付して, 当該工作物をその用に供することを禁 止することを命ずることができる。 一 多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用 二 暴力主義的破壊活動等に使用され, 又は使用されるおそれがあると認められる爆発物, 火炎びん等の物の製造又は保管の場所の用 三 成田国際空港又はその周辺における航空機の航行に対する暴力主義的破壊活動者による 妨害の用 2〜5(略) 6 国土交通大臣は, 第1項の禁止命令に係る工作物が当該命令に違反して同項各号に掲げる 用に供されていると認めるときは, 当該工作物について【封鎖その他その用に供させないた めに必要な措置を講ずること】ができる。 ウ.砂防法(明治30年法律第29号) 第36条 私人ニ於テ此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依ル義務ヲ怠ルトキハ国土 交通大臣若ハ都道府県知事ハ一定ノ期限ヲ示シ若シ期限内ニ履行セサルトキ若ハ之ヲ履行ス ルモ不充分ナルトキハ500円以内ニ於テ指定シタル【過料ニ処スルコト】ヲ予告シテ其ノ 履行ヲ命スルコトヲ得 エ.行政代執行法(昭和23年法律第43号) 第2条 法律(法律の委任に基く命令, 規則及び条例を含む。 以下同じ。 )により直接に命ぜ - 9 - られ, 又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に 限る。 )について義務者がこれを履行しない場合, 他の手段によつてその履行を確保するこ とが困難であり, 且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは, 当該行政庁は, 【自ら義務者のなすべき行為をなし, 又は第三者をしてこれをなさしめ, そ の費用を義務者から徴収すること】ができる。 1.ア 2.イ 3.ウ 4.エ 〔第18問〕(配点:2) 行政機関の保有する情報の公開に関する法律及びその適用に関する次のアからウまでの各記述に ついて, 法令又は最高裁判所の判例に照らし, 正しいものに○, 誤っているものに×を付した場合 の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は, [39]) ア.開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定 の取消訴訟においては, その取消しを求める者が, 当該不開示決定時に当該行政機関が当該行 政文書を保有していたことについて主張立証責任を負う。 イ.行政機関の長が, 開示請求があった日から30日以内に開示請求に係る行政文書の全部若し くは一部を開示する旨の決定又は開示をしない旨の決定をしないときは, 開示をしない旨の決 定があったものとみなされる。 ウ.行政文書を開示しない旨の決定について行政不服審査法に基づく審査請求があったときは, 当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は, 必ず情報公開・個人情報保護審査会に諮 問しなければならない。 1.ア〇 イ〇 ウ○ 2.ア〇 イ〇 ウ× 3.ア〇 イ× ウ○ 4.ア〇 イ× ウ× 5.ア× イ〇 ウ○ 6.ア× イ〇 ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 10 - 〔第19問〕(配点:2) 訴えの利益に関する次のアからウまでの各記述について, 最高裁判所の判例に照らし, 正しいも のに○, 誤っているものに×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は, [40]) ア.道路交通法に基づき, 自動車運転免許の効力停止処分を受けた者は, 無違反, 無処分で法定 の期間を経過し, 以後, 前歴のない者として取り扱われるに至ったとしても, 当該処分の記載 のある免許証を所持することにより, 名誉, 信用等を損なう可能性が継続して存在し, その程 度は重大なものであって, それを排除することは法の保護に値する利益であるといえるから, 当該処分の取消しにつき, 訴えの利益を有する。 イ.道路交通法は, 優良運転者の実績を賞揚し, 優良な運転をするように自動車運転免許証の保 有者を誘導して交通事故の防止を図る目的で, 優良運転者であることを免許証に記載して公に 明らかにするとともに, 優良運転者に対し更新手続上の優遇措置を講じていることなどに照ら せば, 免許証の有効期間の更新に当たり, 一般運転者として扱われ, 優良運転者である旨の記 載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は, 上記記載のある免許証を交付して行う更 新処分を受ける法律上の地位を否定されたことを理由として, これを回復するため, 当該更新 処分の取消しを求める訴えの利益を有する。 ウ.建築基準法に基づく建築確認は, それを受けなければ工事をすることができないという法的 効果が付与されているものにすぎないが, 建築確認が違法であるとして判決で取り消されれば, 相当程度の確実さをもって, 工事完了後, 建築主事等において検査済証の交付を拒否すること になるか, 又は特定行政庁において違反是正命令を発すべきことになるのであるから, 当該工 事が完了した場合においても, その取消しを求める訴えの利益は失われない。 1.ア〇 イ〇 ウ○ 2.ア〇 イ〇 ウ× 3.ア〇 イ× ウ○ 4.ア〇 イ× ウ× 5.ア× イ〇 ウ○ 6.ア× イ〇 ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第20問〕(配点:2) 行政処分の取消訴訟における主張の可否に関する次のアからウまでの各記述について, 最高裁判 所の判例に照らし, 正しいものに○, 誤っているものに×を付した場合の組合せを, 後記1から8 までの中から選びなさい。 (解答欄は, [41]) ア.青色申告による法人税の申告に対し, 不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正 の理由として更正処分がされた場合に, その取消訴訟において, 被告が, 仮に当該不動産の取 得価額が上記のとおりでないとしてもその販売価額が申告額より多額であると主張して争うこ とは許されない。 イ.労災保険給付の申請に対し, 申請に係る疾病が労働者災害補償保険法の適用対象である疾病 に当たらないとの理由で不支給決定がされた場合に, その取消訴訟において, 被告が, 同疾病 が仮に同法の適用対象であるとしても当該疾病に業務起因性がないと主張して争うことは許さ れない。 ウ.情報公開条例に基づく公開請求に対し, 同請求に係る情報が特定の非公開事由に該当するこ とを理由に非公開決定がされた場合に, その取消訴訟において, 被告が, 仮に同情報が上記事 由に該当しないとしても別の非公開事由にも該当すると主張して争うことは許されない。 1.ア〇 イ〇 ウ○ 2.ア〇 イ〇 ウ× 3.ア〇 イ× ウ○ 4.ア〇 イ× ウ× 5.ア× イ〇 ウ○ 6.ア× イ〇 ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 11 - 〔第21問〕(配点:3) 判決の効力に関する次のアからエまでの各記述について, 最高裁判所の判例に照らし, それぞれ 正しい場合には1を, 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に[42] から[45]) ア.水俣病患者認定申請に対する応答処分をしない行政庁の不作為の違法確認を求める訴訟にお ける違法と, 当該認定申請に対する行政庁の応答処分の遅延による精神的損害につき賠償を求 める国家賠償請求訴訟における違法は同じであるから, 前者の訴訟に係る認容判決の既判力は, 後者の訴訟の当事者及び裁判所に及ぶとされている。 [42] イ.AとBが同一周波の無線局の開設に係る免許をめぐって競願関係にある場合は, 免許付与と 免許申請拒否処分は表裏の関係にあるので, Bに与えられた免許が, Aの提起した免許取消訴 訟に係る判決で取り消されると, 免許申請拒否処分を受けたAには, 取消判決の拘束力による 再審査の結果, 免許を与えられる可能性がある。 [43] ウ.都市計画法では, 客観的にみて許可基準の要件に適合しない開発行為に関する工事がされた ときは, 都道府県知事は, 当該工事を行った者に対して, 違反是正命令を発することができる から, 開発許可が判決で取り消されたときは, 当該取消判決に違反是正命令を発すべき法的拘 束力が生ずることになる。 [44] エ.最高裁判所は, 市の設置する特定の保育所を廃止する条例の制定行為が抗告訴訟の対象とな る行政処分に当たると判断した根拠の一つとして, 取消判決には第三者効が認められているこ とを挙げている。 [45] 〔第22問〕(配点:2) 行政事件訴訟法第3条第6項, 第7項に定める「義務付けの訴え」及び「差止めの訴え」に関す る次のアからウまでの各記述について, 法令又は最高裁判所の判例に照らし, 正しいものに○, 誤 っているものに×を付した場合の組合せを, 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は, [46]) ア.行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずる判決は, 常に第三者に対しても効力を有するから, 行政庁が判決に従って当該処分をした場合, 当該処分の名宛人は当該処分の効力を争うことは できない。 イ.「差止めの訴え」の訴訟要件については, 一定の処分がされようとしていること, すなわち, 行政庁によって一定の処分がされる蓋然性があることが, 救済の必要性を基礎付ける前提とし て必要となる。 ウ.裁判所が, 「差止めの訴え」に係る処分につき, 行政庁がその処分をしてはならない旨を命 ずる判決をすることができるのは, その処分につき行政庁に裁量が認められていない場合に限 られる。 1.ア〇 イ〇 ウ○ 2.ア〇 イ〇 ウ× 3.ア〇 イ× ウ○ 4.ア〇 イ× ウ× 5.ア× イ〇 ウ○ 6.ア× イ〇 ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 12 - 〔第23問〕(配点:3) 行政処分の執行停止申立手続に関する次のアからエまでの各記述について, それぞれ正しい場合に は1を, 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に[47]から[50]) ア.自己が受けた行政処分に不服がある者は, 当該処分の執行により生ずる重大な損害を避ける ため緊急の必要があるときは, 当該処分の取消訴訟を提起することなく, 裁判所に対し, 当該 処分の執行停止決定をするよう申し立てることができる。 [47] イ.執行停止決定がされるための要件の一つとして, 当該処分, 処分の執行又は手続の続行によ り重大な損害を生ずるおそれがあることが必要であるが, その有無を判断するに当たっては, 損害の回復の困難の程度を考慮するものとし, 損害の性質及び程度並びに当該処分の内容及び 性質をも勘案するものとされている。 [48] ウ.執行停止決定は, 原則として口頭弁論を経てする必要があり, 緊急の必要がある場合に限り, 口頭弁論を経ないですることができる。 [49] エ.執行停止決定が確定した後に, 事情が変更したときは, 裁判所は, 相手方の申立てにより, 当該決定を取り消すことができる。 [50] 〔第24問〕(配点:3) 内閣の組織, 権限等に関する次のアからエまでの各記述について, それぞれ正しい場合には1を, 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は, アからエの順に[51]から[54]) ア.内閣総理大臣は, 主任の大臣として行政事務を分担管理する国務大臣を任命することとされ ており, 行政事務を分担管理しない大臣を置くことはできない。 [51] イ.最高裁判所の判例によれば, 内閣総理大臣は, 閣議にかけて決定した方針が存在しない場合に おいても, 内閣の明示の意思に反しない限り, 行政各部に対し, 随時, その所掌事務について一 定の方向で処理するよう指導, 助言等の指示を与える権限を有すると解されている。 [52] ウ.内閣を補助する組織として内閣に置かれる内閣補助部局は, 内閣官房及び内閣府に限られて いる。 [53] エ.内閣総理大臣は, 自ら各省大臣の職に就くこともできる。 [54] - 13 -