短答式試験問題集 [民法・商法・民事訴訟法] -1- [民法] 〔第1問〕(配点:2) 制限行為能力者の行為であることを理由とする取消しに関する次のアからオまでの各記述のう ち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は, [bP]) ア.未成年者がした売買契約は,親権者の同意を得ないでした場合であっても,その契約が日常 生活に関するものであるときは,取り消すことができない。 イ.成年被後見人がした売買契約は,成年後見人の同意を得てした場合であっても,その契約が 日常生活に関するものであるときを除き,取り消すことができる。 ウ.被保佐人がした保証契約は,保佐人の同意を得てした場合には,取り消すことができない。 エ.被補助人が,補助人の同意を得なければならない行為を,その同意又はこれに代わる家庭裁 判所の許可を得ないでしたときは,その行為は取り消すことができる。 オ.成年被後見人の行為であることを理由とする取消権の消滅時効の起算点は,成年被後見人が 行為能力者となった時である。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第2問〕(配点:2) 条件に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から 5までのうちどれか。(解答欄は,[bQ]) ア.停止条件付法律行為は,当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかの ぼらせる意思を表示したとしても,条件が成就した時からその効果が生ずる。 イ.条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は,一般の規定に従い,処分し,相続 し,若しくは保存し,又はそのために担保を供することができる。 ウ.不能の解除条件を付した法律行為は,無効となる。 エ.条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは, 相手方は,その条件が成就したものとみなすことができる。 オ.停止条件付法律行為は,その条件が単に債務者の意思のみに係るときは,無条件となる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第3問〕(配点:2) 物権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わ せたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bR]) ア.物権は,一筆の土地の一部について成立することはない。 イ.不特定物を売買契約の目的とした場合,その目的物が特定しない限り,所有権は買主に移転 しない。 ウ.複数の物の上に一つの物権の効力が及ぶことはない。 エ.金銭の所有権者は,その占有者と一致しないことがある。 オ.物権は,権利を目的として成立することがある。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ -2- エ 5.エ オ 〔第4問〕(配点:2) A,B及びCが各3分の1の割合で甲建物を共有している場合に関する次のアからオまでの各記 述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。 (解答欄は,[bS]) ア.Aは,その持分に抵当権を設定する場合,B及びCの同意を得る必要がある。 イ.DがA,B及びCに無断でD名義の所有権移転登記をした場合,Aは,B及びCの同意を得 ることなく単独で,Dに対してその所有権移転登記の抹消登記手続を請求することができる。 ウ.Aは,その持分を放棄する場合,B又はCの同意を得る必要がある。 エ.AがB及びCに無断で甲建物をEに引き渡し,無償で使用させている場合,Bは,Cの同意 を得ることなく単独で,Eに対して甲建物の明渡しを請求することができる。 オ.AがBに対して甲建物の管理に関する債権を有する場合において,Bがその持分をFに譲渡 したときは,Aは,Fに対してもその債権を行使することができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第5問〕(配点:2) 留置権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせ たものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bT]) ア.留置権者が目的物を紛失したときは,留置権は消滅する。 イ.他人の物の占有者は,その物に関して生じた債権が弁済期にないときであっても,その物を 留置することができる。 ウ.債務者は,相当の担保を供して,留置権の消滅を請求することができる。 エ.留置権者は,留置権に基づき,目的物の競売を申し立てることはできない。 オ.Aがその所有する甲建物をBに売却して引き渡した後,Aが甲建物をCに売却してその旨の 登記をした場合において,CがBに対して甲建物の明渡請求をしたときは,Bは,Aの債務不 履行に基づく損害賠償請求権を被担保債権として,甲建物を留置することができる。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ オ 〔第6問〕(配点:2) 抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合 わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bU]) ア.抵当権者は,目的物が第三者の行為により滅失した場合,物上代位により,所有者がその第 三者に対して有する損害賠償請求権から優先弁済を受けることができる。 イ.一人の者が所有する互いに主従の関係にない甲乙2棟の建物が工事により1棟の丙建物とな った場合において,甲建物と乙建物とにそれぞれ抵当権が設定されていたときは,それらの抵 当権は,丙建物のうちの甲建物と乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存 続する。 ウ.借地上の建物について抵当権が設定された場合,抵当権の効力は,敷地の賃借権に及ぶこと はない。 エ.物の引渡請求権を担保するために抵当権を設定する契約は,無効である。 オ.後日発生すべき貸付金債権を担保するために抵当権を設定する契約がされ,その旨の登記が された後にその貸付金債権が生じた場合,抵当権はその債権を有効に担保する。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ -3- オ 5.ウ エ 〔第7問〕(配点:2) 保証に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせた ものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bV]) ア.保証契約は,書面又はその内容を記録した電磁的記録によってされなければ,その効力を生 じない。 イ.保証人は,債権者が保証人を指名した場合でも,行為能力者であることを要する。 ウ.貸金等根保証契約は,主たる債務の元本の確定すべき期日の定めがない場合,その効力を生 じない。 エ.主たる債務につき期限が延長されても,その効力は保証債務には及ばない。 オ.保証人が催告の抗弁権を行使したにもかかわらず,債権者が催告を怠ったために主たる債務 者から全部の弁済を得られなかったときは,保証人は,債権者が直ちに催告をすれば弁済を得 ることができた限度において,その義務を免れる。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ エ 4.イ オ 5.ウ エ 〔第8問〕(配点:2) 弁済の充当に関する次の1から4までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 (解答欄は, [ 8]) 1.法定充当において,債務者のした給付が数個の債務の全てを消滅させるのに足りず,かつ, 全ての債務が弁済期にあるときは,その給付は,債務者のために弁済の利益が多い債務に先に 充当される。 2.債務者のした給付が数個の債務の全てを消滅させるのに足りない場合に,債務者は給付の時 に充当の指定をせず,債権者が給付の受領の時に特定の債務に充当する旨を指定したところ, 債務者が直ちに異議を述べたときは,債権者のした指定は効力を有しない。 3.債務者が1個の債務について費用,利息及び元本を支払うべき場合において,債務者のした 給付がそれらの全部を消滅させるのに足りないときは,債務者が給付の時にその給付を元本に 充当する旨を指定すれば,その給付は元本に充当される。 4.債務者が1個の債務について費用,利息及び元本を支払うべき場合において,債務者のした 給付がそれらの全部を消滅させるのに足りないときは,債権者と債務者がその給付を利息に充 当する旨を合意すれば,その給付は利息に充当される。 〔第9問〕(配点:2) 債務者Aが債権者Bに対して負う金銭債務(以下「本件債務」という。)に関する次のアからオ までの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答 欄は,[bX]) ア.Bは,Aの意思に反しては,本件債務を免除することができない。 イ.第三者は,Aの意思に反しても,本件債務を主たる債務とする保証をすることができる。 ウ.本件債務の物上保証人は,Aの意思に反しては,本件債務を弁済することができない。 エ.Bと第三者Cとは,Aの意思に反しては,Cに債務者を交替する更改をすることができない。 オ.Bは,Aの意思に反しては,Bが第三者に対して負う金銭債務について,本件債務に係る債 権をもって代物弁済をすることができない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ -4- エ 5.ウ オ 〔第10問〕(配点:2) 契約に関する次の1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[10]) 1.死因贈与は,負担付ですることができない。 2.準消費貸借は,目的物の引渡しがなければ成立しない。 3.使用貸借は,書面でしなければ成立しない。 4.寄託は,報酬を定めなければ成立しない。 5.民法上の組合契約の出資は,金銭を目的とするものに限られない。 〔第11問〕(配点:2) 請負人の担保責任に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたも のは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[11]) ア.仕事の目的物に重要でない瑕疵がある場合において,その修補に過分の費用を要するときは, 注文者は,請負人に対し,瑕疵の修補を請求することができない。 イ.仕事の目的物に瑕疵があり,その修補を請求することができる場合であっても,注文者は, 請負人に対し,瑕疵の修補に代わる損害賠償を請求することができる。 ウ.仕事の目的物の瑕疵が注文者の与えた指図によって生じたときは,請負人は,その指図が不 適当であることを知りながら注文者に告げなかったときであっても,瑕疵担保責任を負わない。 エ.建物の建築の請負において,注文者による瑕疵修補の請求は,建物が完成した時から1年以 内にしなければならない。 オ.請負人は,瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても,知りながら告げなかっ た事実については,その責任を免れない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第12問〕(配点:2) 過失相殺及び損益相殺に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいも のを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[12]) ア.被害者の過失を考慮するためには,被害者に自己の行為の責任を弁識するに足りる知能が備 わっていることを要する。 イ.内縁の夫が運転する自動車に同乗していた者が,内縁の夫と第三者の双方の過失による交通 事故で負傷し,第三者に対し損害賠償を請求する場合において,裁判所は,損害賠償の額を定 めるに当たり,内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することはできない。 ウ.複数の加害者の過失及び被害者の過失が競合する一つの交通事故において,その交通事故の 原因となった全ての過失の割合(いわゆる絶対的過失割合)を認定することができるときには, 絶対的過失割合に基づく被害者の過失による過失相殺をした損害賠償額について,加害者らは 連帯して共同不法行為に基づく賠償責任を負う。 エ.被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害 が発生した場合において,当該疾患の態様,程度などに照らし,加害者に損害の全部を賠償さ せるのが公平を失するときは,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,過失相殺の規定を 類推適用して,被害者の疾患を考慮することができる。 オ.不法行為により死亡した被害者の相続人が加害者に対し不法行為に基づく損害賠償を請求し た場合,裁判所は,生命保険契約に基づいて給付される死亡保険金の額を,損益相殺により損 害賠償額から控除することができる。 1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ -5- エ 5.エ オ 〔第13問〕(配点:2) 財産分与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み 合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[13]) ア.離婚に伴う財産分与は,離婚後における一方の当事者の生計の維持を図ることを目的として もすることができる。 イ.離婚に伴う財産分与請求権については,協議又は審判その他の手続によって具体的内容が形 成されるまでは,これを保全するために債権者代位権を行使することはできない。 ウ.離婚に伴う財産分与を得た者は,その財産分与が損害賠償の要素を含む趣旨とは解されない ときには,別個に不法行為を理由として離婚による慰謝料を請求することを妨げられない。 エ.離婚に伴う財産分与としてされた財産処分は,詐害行為として取り消されることはない。 オ.内縁の夫が死亡して内縁関係が解消したときには,内縁の妻は,内縁の夫の相続人に対し, 財産の分与を請求することができる。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ 〔第14問〕(配点:2) A及びBの実子であるCを養子とし,D及びEを養親とする特別養子縁組に関する次の1から5 までの各記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[14]) 1.家庭裁判所が特別養子縁組を成立させるためには,D及びEの請求が必要である。 2.家庭裁判所は,D及びEが婚姻していない場合であっても,Cとの特別養子縁組を成立させ ることができる。 3.A及びBがCを虐待していた場合には,CとD及びEとの間で特別養子縁組を成立させるに 当たり,A及びBの同意を得る必要はない。 4.特別養子縁組が成立した場合,A及びBとCとの親族関係は終了する。 5.特別養子縁組が成立した場合,D及びEは,特別養子縁組の離縁を請求することができない。 〔第15問〕(配点:2) 遺産分割に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ せたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[15]) ア.共同相続人A及びBのうち,Bが遺産分割協議書を偽造して,相続財産である甲不動産につ いてBへの所有権移転登記をした場合,Bは,Aの相続回復請求権の消滅時効を援用すること ができない。 イ.被相続人が,共同相続人A及びBのうち,Aに甲不動産を相続させる旨の遺言を残して死亡 し,その遺言が遺産分割の方法の指定と解される場合であっても,AB間の遺産分割協議を経 なければ,Aは甲不動産を取得することができない。 ウ.被相続人は,禁止期間を限定したとしても,遺言で遺産の分割を禁ずることはできない。 エ.A及びBが共同相続した甲不動産をAが遺産分割協議により取得した場合において,相続開 始から遺産分割までの間に甲不動産について生じた賃料債権は,その協議で特に定めなかった ときは,Aに帰属する。 オ.共同相続人である子A及びBが被相続人である父Cの唯一の相続財産である甲不動産につい て遺産分割をした後,認知の訴えにより,DがCの子であるとされた場合において,Dが遺産 分割を請求しようとするときは,Dは,価額のみによる支払の請求権を有する。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ -6- エ 5.エ オ [商法] 〔第16問〕(配点:2) 発起設立により株式会社を設立する場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である 場合を除く。)における設立時取締役に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2 個選びなさい。(解答欄は,[16],[17]順不同) 1.公証人の認証を受けた定款で設立時取締役として定められ,設立時取締役に選任されたもの とみなされたものは,発起人の全員の同意によっても解任することができない。 2.設立時取締役は,その選任後遅滞なく,株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反してい ないことを調査しなければならず,法令又は定款に違反する事項があると認めるときは,発 起人にその旨を通知しなければならない。 3.株式会社の成立の時における現物出資財産の価額が当該現物出資財産について定款に記載さ れた価額に著しく不足するときであっても,定款に記載された現物出資に関する事項につい て裁判所が選任した検査役の調査を経た場合には,設立時取締役は,当該株式会社に対し, 当該不足額を支払う義務を負わない。 4.株式会社が成立しなかったときは,設立時取締役は,連帯して,株式会社の設立に関してし た行為についてその責任を負い,株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。 5.設立時取締役の株式会社に対する責任は,株主代表訴訟の対象とならない。 〔第17問〕(配点:2) 異なる種類の株式に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたも のは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[18]) ア.会社法上の公開会社は,株主に対してその有する当該種類の株式の数にかかわらず同額の剰 余金の配当をすることを内容とする種類の株式を発行することはできない。 イ.会社法上の公開会社は,当該種類の株式の株主が1株につき複数個の議決権を有することを 内容とする種類の株式を発行することができる。 ウ.指名委員会等設置会社は,当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において 取締役を選任することを内容とする種類の株式を発行することができない。 エ.株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができな い議決権制限株式の株主であっても,当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総 会においては,議決権を有する。 オ.定款で定めた各種類の株式の発行可能種類株式総数の合計数は,定款で定めた発行可能株式 総数と一致していなければならない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ -7- オ 5.エ オ 〔第18問〕(配点:2) 株式の譲渡及び株主名簿の名義書換に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組 み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[19]) ア.判例の趣旨によれば,株式を譲り受けた株式取得者が株主名簿の名義書換の請求をしたにも かかわらず,株式会社が正当な事由なく当該請求に応じなかったときは,当該株式会社は, 株主名簿の名義書換がないことを理由として,株式の譲渡を否定することができず,当該株 式取得者を株主として取り扱わなければならない。 イ.判例の趣旨によれば,株券発行会社の株式について,株式会社が定めた剰余金の配当の基準 日より前に株券が交付されて譲渡されたが,当該基準日までに株主名簿の名義書換の請求が されなかったときは,株主名簿上の株主である譲渡人が適法に配当金を受領することができ, 譲渡人は,譲受人に対し,受領した配当金相当額の金員について不当利得返還義務を負わな い。 ウ.相続により譲渡制限株式を取得した株式取得者が株式会社に対し,株主名簿の名義書換の請 求をするには,当該譲渡制限株式を取得したことについて当該株式会社の承認を受けていな ければならない。 エ.振替株式は,株券発行会社でない株式会社の株式であるから,振替株式の譲渡は,当事者間 においては,意思表示のみによって,その効力を生ずる。 オ.振替株式に係る株主名簿の名義書換は,振替機関から株式会社に対してされる総株主通知に 基づいて行われる。 1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ -8- エ 5.エ オ 〔第19問〕(配点:2) 種類株式発行会社でない株式会社の株主総会に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しい ものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[20]) ア.株式会社が特定の株主から当該株式会社の株式を有償で取得する旨の株主総会の議案につい て,特定の株主に自己をも加えたものとすることを請求した株主は,特定の株主以外の株主 の全部が当該議案について議決権を行使することができない場合を除き,当該議案について 議決権を行使することができない。 イ.取締役会設置会社でない株式会社が当該株式会社の譲渡制限株式の相続人に対し,当該譲渡 制限株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することを議案とする株主総会を招集する場 合には,当該相続人である株主に対しては当該株主総会の招集の通知を発することを要しな い。 ウ.会社法上の公開会社が支配株主の異動を伴う募集株式の発行をする場合において,総株主の 議決権の10分の1以上の議決権を有する株主が特定引受人による募集株式の引受けに反対 する旨を当該公開会社に対し通知したときは,定款に別段の定めがある場合を除き,株主総 会の特別決議によって,当該特定引受人に対する募集株式の割当ての承認を受けなければな らない。 エ.株主総会において議決権を行使することができる株主の数が1000人以上である株式会社 において,株主総会に出席しない株主が電磁的方法による議決権の行使をすることができる 旨を定めたときは,当該株主が書面による議決権の行使をすることができる旨を定めること を要しない。 オ.吸収合併契約の承認を議案とする株主総会において書面又は電磁的方法による議決権の行使 をすることができることとされた株主が,株主総会の日の前日までに,書面又は電磁的方法 によって当該議案に反対する議決権の行使をした場合には,当該株主総会に先立って当該吸 収合併に反対する旨を株式会社に対し通知したものと認められ,反対株主として株式買取請 求をすることができる。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ 〔第20問〕(配点:2) 取締役に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記 1から5までのうちどれか。(解答欄は,[21]) ア.株式会社は,破産手続開始の決定を受け,復権していない自然人を取締役として選任するこ とができる。 イ.取締役会設置会社においては,第三者のために当該取締役会設置会社の事業の部類に属する 取引をした取締役は,当該取引につき取締役会の承認を受けなかった場合であっても,当該 取引後,遅滞なく,当該取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければならない。 ウ.監査役設置会社が当該監査役設置会社の取締役であった者に対してその責任を追及する訴え を提起する場合には,当該訴えについては,代表取締役が当該監査役設置会社を代表する。 エ.株式会社の取締役が自己のために当該株式会社とした取引によって当該株式会社に損害が生 じたときは,当該取締役の当該株式会社に対する損害賠償責任は,総株主の同意によっても, 免除することができない。 オ.監査等委員会設置会社の取締役のうち社外取締役であるものについては,社外取締役である 旨を登記しなければならない。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ -9- エ 5.エ オ 〔第21問〕(配点:2) 監査役会設置会社の取締役の報酬等に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているもの はどれか。なお,各記述について,定款には,報酬等に関する事項の定めがないものとする。(解 答欄は,[22]) 1.判例の趣旨によれば,取締役の報酬については,株主総会の決議により,取締役全員の報酬 の総額の最高限度額を定め,各取締役に対する配分の決定を取締役会の決定に委任すること ができ,その委任を受けた取締役会は,その決議によって,各取締役の報酬の額の決定を代 表取締役に再委任することができる。 2.判例の趣旨によれば,退任する取締役の退職慰労金については,株主総会の決議により,明 示的又は黙示的に,その支給に関する基準を示し,具体的な金額等は当該基準によって定め るべきものとして,その決定を取締役会の決定に委任することができる。 3.退任する取締役の退職慰労金に係る株主総会の決議においては,確定した額を定めるのでは なく,具体的な算定方法を定めることはできない。 4.株式会社が取締役に対し報酬として当該株式会社の株式を交付する場合には,交付する株式 の数ではなく,具体的な算定方法を株主総会の決議により定めることができる。 5.判例の趣旨によれば,退任した取締役が株主総会の決議を経て株式会社の内規に従い具体的 な退職慰労年金債権を取得した場合には,その後,取締役会の決議によって当該内規が廃止 されたときであっても,退任取締役相互間の公平を図るため集団的,画一的な処理が制度上 要請されているという理由のみから,当該内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼし, その同意なく未支給の退職慰労年金債権を失わせることはできない。 〔第22問〕(配点:2) 監査等委員会設置会社に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は,[23],[24]順不同) 1.監査等委員会設置会社においては,最低4人の取締役を置かなければならない。 2.大会社でない監査等委員会設置会社は,会計監査人を置くことを要しない。 3.会社法上の公開会社でない監査等委員会設置会社においては,定款によって,監査等委員で ある取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株 主総会の終結の時まで伸長することができる。 4.監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には,当該監査等委員会設 置会社の取締役会は,その決議によって,株主総会を招集する場合における株主総会の日時 及び場所の決定を取締役に委任することができる。 5.監査等委員は,取締役が法令又は定款に違反する行為をするおそれがある場合において,当 該行為によって監査等委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは,当該取締 役に対し,当該行為をやめることを請求することができる。 - 10 - 〔第23問〕(配点:2) 株式会社の資本金及び準備金に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わ せたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[25]) ア.株式会社が取得条項付新株予約権を取得するのと引換えに当該取得条項付新株予約権の新株 予約権者に対して当該株式会社の新たに発行する株式を交付するときは,当該株式会社は, 資本金の額を増加することができない。 イ.株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において,当該資本金の額の減少 の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときは,当該株式会 社の債権者は,当該株式会社に対し,当該資本金の額の減少について異議を述べることがで きない。 ウ.株式会社が準備金の額を減少する場合において,減少する準備金の額の全部を資本金とする ときは,当該株式会社の債権者は,当該株式会社に対し,当該準備金の額の減少について異 議を述べることができない。 エ.株式会社が剰余金の額を減少して,資本金の額を増加するには,株主総会の特別決議によら なければならない。 オ.株式会社における資本金の額の減少について承認をしたものとみなされた債権者は,当該資 本金の額の減少の無効の訴えを提起することができない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第24問〕(配点:2) 合同会社に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [26],[27]順不同) 1.合同会社においては,業務を執行する社員を定款で定めた場合であっても,社員の全員の氏 名又は名称を登記しなければならない。 2.公告方法が官報に掲載する方法である合同会社は,貸借対照表の作成後遅滞なく,当該貸借 対照表又はその要旨を公告しなければならない。 3.合同会社の業務を執行する社員が当該社員以外の社員の全員の承認を受けて自己又は第三者 のために当該合同会社の事業の部類に属する取引をしたときであっても,当該取引によって 当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は,当該合同会社に生じた損害の額と推 定される。 4.合同会社の存続期間を定款で定めた場合であっても,合同会社の社員は,やむを得ない事由 があるときは,いつでも退社することができる。 5.合同会社は,社債を発行することができる。 - 11 - 〔第25問〕(配点:2) 株式会社の吸収分割に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,各 記述に係る株式会社の定款には,別段の定めがないものとする。(解答欄は,[28]) 1.吸収分割承継株式会社が吸収分割株式会社の特別支配会社である場合であっても,一定数の 株式を有する当該吸収分割株式会社の株主が吸収分割に反対する旨を当該吸収分割株式会社 に対し通知したときは,当該吸収分割株式会社は,株主総会の決議によって,吸収分割契約 の承認を受けなければならない。 2.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式 会社の総資産額の5分の1を超えない場合であっても,一定数の株式を有する当該吸収分割 株式会社の株主が当該吸収分割に反対する旨を当該吸収分割株式会社に対し通知したときは, 当該吸収分割株式会社は,株主総会の決議によって,吸収分割契約の承認を受けなければな らない。 3.吸収分割承継株式会社が吸収分割株式会社の特別支配会社である場合であっても,吸収分割 が法令又は定款に違反するときであって,当該吸収分割株式会社の株主が不利益を受けるお それがあるときは,当該吸収分割株式会社の株主は,当該吸収分割株式会社に対し,当該吸 収分割をやめることを請求することができる。 4.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式 会社の総資産額の5分の1を超えない場合であっても,当該吸収分割株式会社の反対株主は, 当該吸収分割株式会社に対し,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求するこ とができる。 5.吸収分割により吸収分割承継株式会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式 会社の総資産額の5分の1を超えない場合には,当該吸収分割後当該吸収分割株式会社に対 して債務の履行を請求することができない当該吸収分割株式会社の債権者であっても,当該 吸収分割株式会社に対し,当該吸収分割について異議を述べることができない。 〔第26問〕(配点:2) 株主代表訴訟に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。なお,各記述に 係る株式会社の定款には,別段の定めがないものとする。 (解答欄は, [29] ) 1.株式会社は,株主による提訴請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合 において,当該株主から請求を受けたときは,当該株主に対し,遅滞なく,責任追及等の訴 えを提起しない理由を書面又は電磁的方法により通知しなければならない。 2.会社法上の公開会社でない最終完全親会社等は,定款によって,特定責任追及の訴えを提起 することができる当該最終完全親会社等の株主を,当該最終完全親会社等の総株主の議決権 の50分の1以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の発行済株式の50分の 1以上の数の株式を有する株主と定めることができる。 3.株式会社の最終完全親会社等の株主が特定責任追及の訴えを提起する場合には,当該株式会 社の本店の所在地を管轄する地方裁判所のほか,当該最終完全親会社等の本店の所在地を管 轄する地方裁判所にも,当該訴えを提起することができる。 4.株式会社の株主が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に当該株式会社が参加していない場 合において,当該訴訟における和解をしようとするときは,裁判所は,当該株式会社に対し, 当該和解の内容を通知し,当該訴訟に当該株式会社が参加した場合に限り,和解を成立させ ることができる。 5.責任追及等の訴えを提起した株主が訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても,その 者が当該株式会社の株式交換により当該株式会社の完全親会社の社債を取得したときは,そ - 12 - の者が,訴訟を追行することができる。 〔第27問〕(配点:2) 会社又は個人商人(小商人に当たる者を除く。)が選任する支配人に関する次のアからオまでの 各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄 は,[30]) ア.判例の趣旨によれば,個人商人が支配人を選任したが,その登記をする前である場合におい て,当該支配人が当該個人商人の支配人として第三者と取引をしたときは,当該第三者は, 当該個人商人に当該取引の効果が帰属することを主張することができる。 イ.監査役会設置会社がその本店の支配人を選任した場合には,当該支配人は,取締役会の決定 がなくとも,支配人以外の重要な使用人を選任することができる。 ウ.個人商人の支配人の代理権の消滅は,その登記の後でも,第三者が正当な事由によってその 登記があることを知らなかったときは,当該第三者に対抗することができない。 エ.判例の趣旨によれば,会社の支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人が, 善意の相手方に対し当該支店の支配人と同一の権限を有するものとみなされるのは,当該支 店が営業所としての実質を備えている場合に限られる。 オ.判例の趣旨によれば,個人商人のA営業所のみの支配人として選任された者がB営業所の営 業に関する行為を行った場合には,その者は,善意の第三者に対しては,B営業所の支配人 と同一の権限を有するものとみなされる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ 〔第28問〕(配点:2) 商行為に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [ 31],[32]順不同) 1.判例の趣旨によれば,会社の行為は商行為と推定され,これを争う者において当該行為が当 該会社の事業のためにするものでないことの主張立証責任を負う。 2.商人である隔地者の間において,承諾の期間を定めない契約の申込みを受けた者が相当の期 間内に承諾の通知を発しなかったときは,その申込みは効力を失う。 3.商人間の売買において,売主が債務の本旨に従った弁済の提供をしたにもかかわらず,買主 がその目的物の受領を拒んだときは,売主がその物を競売に付するためには,裁判所の許可 を得なければならない。 4.判例の趣旨によれば,商人間の売買における買主の目的物の検査義務及び瑕疵又は数量の不 足の通知義務に関する商法の規定は,不特定物の売買の場合には,適用されない。 5.商人間の売買において,瑕疵がある目的物を引き渡されたことを理由として買主が売買契約 を解除した場合には,売主及び買主の営業所が異なる市町村内にあるときであっても,買主 は,直ちにその目的物を売主に送り返さなければならない。 - 13 - 〔第29問〕(配点:2) 手形の裏書に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 (解答欄は,[ 33]) 1.商品の引渡しを条件とするなど,一定の条件を付した裏書は,手形上の権利を移転する効力 を有しない。 2.裏書は,手形の裏面に単に裏書人の署名をすることによって行うことができる。 3.判例の趣旨によれば,約束手形の受取人欄の記載が変造された場合であっても,手形面上, 変造後の受取人から現在の手形所持人へ順次連続した裏書の記載があるときは,当該手形所 持人は,振出人に対する関係においても,当該手形の適法な所持人と推定される。 4.判例の趣旨によれば,手形の裏書中に実在しない会社の裏書が介在している場合であっても, 裏書が形式的に連続しているときは,手形所持人は,振出人に対する関係において,当該手 形の適法な所持人と推定される。 5.判例の趣旨によれば,約束手形の裏書欄の記載事項のうち被裏書人欄の記載のみが抹消され た場合には,当該裏書は,裏書の連続の関係においては,白地式裏書となる。 〔第30問〕(配点:2) AがBに対し振り出した白地手形に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを 組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。なお,白地部分以外の手形要件は具備さ れているものとする。(解答欄は,[34]) ア.判例の趣旨によれば,AがBに対し受取人白地の約束手形を振り出し,Bが白地の補充をし ないままこれをCに裏書譲渡した場合において,CがAに対し満期日に受取人白地のまま手 形金を請求したときは,Aは,履行遅滞に陥らない。 イ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振出日白地の約束手形を振り出し,BがAに対し満期日 から3年以内に振出日白地のまま手形金請求の訴えを提起し,その後,Bが当該訴えの事実 審口頭弁論終結時までに白地の補充をした場合において,その補充の時が満期日から3年を 経過した後であったときは,Aは,その手形上の権利の消滅時効を援用することができる。 ウ.判例の趣旨によれば,AがBに対し満期及び受取人が白地の約束手形を振り出した場合にお いて,Bが振出日から5年以内にAとの間であらかじめされた白地の補充に関する合意に基 づき満期の記載を補充し,Aに対し満期日から3年以内に受取人の記載を補充して手形金を 請求したときは,Aは,その手形上の権利の消滅時効を援用することができない。 エ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した手形が白地手形であって,Bが白地の補充を しないままこれをCに裏書譲渡した場合において,CがAとBとの間であらかじめされた白 地の補充に関する合意と異なる補充をしたときであっても,Cが善意でかつ重大な過失がな いときは,Aは,その白地の補充に関する合意に反することをもってCに対抗することがで きない。 オ.判例の趣旨によれば,AがBに対し振り出した手形が白地手形であって,Bが白地の補充を する前に当該手形を紛失した場合において,当該手形について除権決定があったときは,B は,Aに対し,手形外で白地を補充する旨の意思表示をすることにより手形金を請求するこ とができる。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 14 - オ 5.ウ エ [民事訴訟法] 〔第31問〕(配点:2) 管轄に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを2個選 びなさい。(解答欄は,[35],[36]順不同) 1.管轄の有無は,口頭弁論の終結の時を基準に判断される。 2.原告が特定の裁判所を専属的な管轄裁判所とする合意に反して,当該裁判所以外の裁判所に 訴えを提起した場合であっても,被告が応訴すれば,応訴管轄が生ずる。 3.当事者は,合意により特定の高等裁判所を控訴審の管轄裁判所と定めることができる。 4.裁判所は,管轄に関する事項について,職権で証拠調べをすることができる。 5.被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出した後に本案について弁論をした場合に は,応訴管轄は生じない。 〔第32問〕(配点:2) 選定当事者に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み 合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[37]) ア.訴訟の目的である権利が同一の事実上及び法律上の原因に基づき,かつ,主要な攻撃防御 方法が共通である複数の者は,民事訴訟法第30条第1項の「共同の利益を有する多数の者」 に当たる。 イ.複数の選定当事者が選定されている場合において,その一部が訴訟係属中に死亡したとき は,他の選定当事者は,その資格を失う。 ウ.選定当事者は,選定者の特別の授権がなければ,選定者のために訴えの取下げ,和解並び に請求の放棄及び認諾をすることができない。 エ.訴訟係属後に選定当事者が選定された場合には,選定者は,脱退のための行為をしなくと も,当該訴訟から脱退する。 オ.選定者が訴訟係属後に選定当事者の選定の取消しをした場合には,当該選定者が裁判所に 対しその事実を書面で証明しなければ,当該取消しの効力は生じない。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ (参照条文)民事訴訟法 (選定当事者) 第30条 共同の利益を有する多数の者で前条の規定に該当しないものは,その中から,全員 のために原告又は被告となるべき一人又は数人を選定することができる。 2〜5 (略) 〔第33問〕(配点:2) 独立当事者参加に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものは どれか。(解答欄は,[38]) 1.訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者は,原告の請求を棄却する判決 を求める旨を述べれば,自ら請求を定立しなくとも,その訴訟に参加することができる。 2.訴訟の目的の全部が自己の権利であることを主張する第三者が原告及び被告を相手方とし て参加の申出をした場合において,原告と被告のいずれもが異議を述べなかったときは,裁 判所は,その第三者がその訴訟に参加することを許さなければならない。 3.土地の所有権確認請求訴訟において,原告が売買契約により土地を取得したと主張し,被 告がこの売買契約の成立の事実を認めた場合であっても,その訴訟係属前からその土地の所 有権を有することを主張する第三者が原告及び被告を相手方としてその訴訟に参加し,その - 15 - 売買契約の成立の事実を否認したときは,裁判所は,終局判決において,証拠調べの結果に 基づき,その売買契約の成立を認めないとの判断をすることができる。 4.第三者が自己の権利を主張するために原告及び被告を相手方として訴訟に参加した場合に, 原告は,被告の同意を得てその訴訟から脱退することができるが,被告及び参加人の同意を 得ても訴えを取り下げることはできない。 5.訴訟の目的の全部が自己の権利であることを主張する第三者が原告及び被告を相手方とし て訴訟に参加した場合において,原告の訴えが訴えの利益を欠き不適法であるときは,裁判 所は,その参加に係る訴えについて,不適法なものとして却下しなければならない。 〔第34問〕(配点:2) 訴訟上の和解に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているもの を2個選びなさい。(解答欄は,[39],[40]順不同) 1.裁判所は,口頭弁論の終結後に和解を試みる場合には,口頭弁論の再開を命じなければな らない。 2.訴訟上の和解は,訴訟物である権利以外の権利をその対象に含めることができる。 3.当事者以外の第三者も,訴訟上の和解に参加することができ,和解が成立した場合には, 和解調書の執行力は,その第三者にも及ぶ。 4.建物明渡請求訴訟において,被告が請求原因事実を全て認め,抗弁を提出しなかった場合 であっても,当事者は,建物明渡期限の猶予を内容とする和解をすることができる。 5.当事者が訴訟上の和解をした後,要素の錯誤があるとしてその和解の効力を争うためには, 和解無効確認の訴えによらなければならない。 〔第35問〕(配点:2) 訴えの追加等に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 (解答欄は, [41]) 1.係属中の訴訟の被告と共同の利益を有する者であって当事者でないものが,当該被告を自 己のためにも被告となるべき者として選定した場合に,原告は,口頭弁論の終結に至るまで, その選定者に係る請求の追加をすることができる。 2.原告は,請求又は請求の原因の変更をするときは,これを記載した書面を直接相手方に送 付しなければならない。 3.裁判所は,請求又は請求の原因の変更を不当であると認めるときは,申立てにより又は職 権で,その変更を許さない旨の決定をしなければならない。 4.被告は,本訴の目的である請求又は防御の方法と関連する請求を目的として,口頭弁論の 終結に至るまで,反訴を提起することができる。 5.反訴は,本訴の係属する裁判所に提起することができるが,反訴の目的である請求が他の 裁判所の専属管轄に属するときは,その限りではない。 - 16 - 〔第36問〕(配点:2) 訴訟要件に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。 (解答欄は, [42],[43]順不同) 1.第一審裁判所は,法律の定めにより他の裁判所が専属的な土地管轄を有する訴えが提起さ れた場合には,判決でその訴えを不適法なものとして却下しなければならない。 2.第一審裁判所は,訴えが不適法であると認める場合には,口頭弁論を経ずに判決で訴えを 却下しなければならない。 3.第一審裁判所の裁判長は,訴えの適法性を判断するための事実上及び法律上の事項につい て,当事者に対して釈明権を行使することができない。 4.第一審裁判所は,当事者間で争いになった訴訟要件の存在について中間判決をすることが できる。 5.第一審裁判所は,訴えの取下げが効力を生じた後においては,その訴えが不適法であると 認める場合であっても,訴えを却下する判決をすることができない。 〔第37問〕(配点:2) 当事者が第一審の期日に欠席した場合に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っている ものを2個選びなさい。(解答欄は,[44],[45]順不同) 1.訴状の送達及び第1回口頭弁論期日の呼出しが公示送達によりされた場合には,被告がそ の期日に出頭しなかったときであっても,裁判所は,その期日において口頭弁論を終結する ことはできない。 2.当事者双方が,連続して2回,口頭弁論の期日に出頭しなかった場合には,訴えの取下げ があったものとみなされる。 3.裁判所は,当事者双方が期日に出頭しなかった場合には,準備的口頭弁論を終了すること ができない。 4.裁判所は,当事者双方が口頭弁論の期日に出頭しなかった場合であっても,審理の現状及 び当事者の訴訟追行の状況を考慮して相当と認めるときは,口頭弁論を終結することができ る。 5.口頭弁論の続行の期日に被告が出頭しなかった場合であっても,事前に原告の準備書面が 被告に送達されていたときには,原告は,その期日において,その準備書面に記載された事 実を主張することができる。 〔第38問〕(配点:2) 弁論準備手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは, 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[46]) ア.裁判所は,事件を弁論準備手続に付する場合には,当事者の意見を聴かなければならない。 イ.裁判所は,弁論準備手続において,当事者の一方が申し出た者の傍聴を許す場合には,他 方の当事者の意見を聴かなければならない。 ウ.裁判所は,弁論準備手続において,証拠の申出に関する裁判をすることはできるが,証拠 調べをすることはできない。 エ.当事者は,口頭弁論において,弁論準備手続の結果を陳述しなければならない。 オ.裁判所は,受命裁判官又は受託裁判官に弁論準備手続を行わせることができる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ - 17 - エ 5.ウ オ 〔第39問〕(配点:2) 訴訟上の義務に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。 (解答欄は, [47]) 1.当事者は,訴訟において引用した文書を自ら所持する場合に,その文書につき文書提出命 令の申立てがされたときは,その文書を提出しなければならない。 2.鑑定に必要な学識経験を有し,鑑定人となることができる者は,受訴裁判所により鑑定人 に指定された場合には,鑑定をしなければならない。 3.裁判所は,事件を弁論準備手続に付する裁判をした場合において,当事者の一方がその取 消しを申し立てたときは,当該裁判を取り消さなければならない。 4.被告は,訴訟が係属した場合には,送達を受けるべき場所を受訴裁判所に届け出なければ ならない。 5.単独の裁判官が代わった場合において,その前に尋問をした証人について,当事者が更に 尋問の申出をしたときは,裁判所は,その尋問をしなければならない。 〔第40問〕(配点:2) 音声の送受信により同時に通話をすることができる方法(以下「電話会議」という。)又は映像 と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法(以下「テ レビ会議」という。)による手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合 わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[48]) ア.電話会議によって弁論準備手続の期日における手続を行うことができるのは,当事者の一 方が期日に出頭した場合に限られる。 イ.弁論準備手続の期日における手続が電話会議によって行われている場合には,期日に出頭 していない原告は,訴えを取り下げることはできない。 ウ.テレビ会議によって当事者本人を尋問することはできない。 エ.少額訴訟においては,電話会議によって証人を尋問することができる。 オ.テレビ会議によって鑑定人に口頭で意見を述べさせることができるのは,鑑定人が遠隔の地 に居住している場合に限られる。 1.ア イ 2.ア エ 3.イ ウ 4.ウ オ 5.エ オ 〔第41問〕(配点:2) 証拠調べに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合 わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[49]) ア.証拠の申出は,期日前においてもすることができる。 イ.調査嘱託の嘱託先から送付された回答書を証拠資料とするためには,回答書を文書として 取り調べなければならない。 ウ.証人の尋問の終了後は,その尋問の申出を撤回することができない。 エ.文書の証拠調べは,書証の申出をした者が当該文書を朗読し,又はその要旨を告げる方法 により行われる。 オ.訴え提起後は,証拠保全の申立てをすることができない。 1.ア ウ 2.ア エ 3.イ エ 4.イ - 18 - オ 5.ウ オ 〔第42問〕(配点:2) 処分権主義に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを 2個選びなさい。(解答欄は,[50],[51]順不同) 1.不法行為による人身に係る損害賠償請求権に基づき,慰謝料100万円及び休業損害30 0万円の支払を求める請求に対し,裁判所は,慰謝料150万円及び休業損害200万円の 支払を命ずる判決をすることができる。 2.原告の被告に対する損害賠償債務のうち100万円を超える部分の不存在確認請求に対し, 裁判所は,その損害賠償債務のうち50万円を超える部分が不存在であることを確認すると の判決をすることができる。 3.境界確定訴訟において,裁判所は,原告の請求を棄却するとの判決をすることができる。 4.建物所有目的の土地賃貸借契約の終了に基づき,建物収去土地明渡しを求める請求に対し, 被告が建物買取請求権を行使した場合には,裁判所は,建物を引き渡して土地を明け渡すこ とを命ずる判決をすることができる。 5.相続財産に属する債務の債権者が相続人に対してその債務の弁済を求める訴訟において, 相続人が主張する限定承認の事実を認めることができる場合には,裁判所は,相続によって 得た財産の限度で当該債務の弁済を命ずる判決をすることができる。 〔第43問〕(配点:2) 確定判決の効力が及ぶ者に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っ ているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[52]) ア.XがYに対して土地の賃貸借契約終了に基づき建物収去土地明渡しを求める訴えを提起し, Xの請求を認容する判決が確定した後,ZがYから当該建物を借り受けて当該土地を占有す る場合に,この判決の効力は,Zにも及ぶ。 イ.XがY法人に対して損害賠償を求める訴えを提起し,Xの請求を認容する判決が確定した 後,Y法人がZ法人を新たに設立して資産を移転したが,法人格の濫用であるとしてZ法人 の法人格が否認される場合に,この判決の効力は,Z法人にも及ぶ。 ウ.XがYを被告として離婚の訴えを提起し,Xの請求を棄却する判決が確定した場合に,こ の判決の効力は,第三者にも及ぶ。 エ.XがYに対して動産の引渡しを求める訴えを提起し,Xの請求を認容する判決が確定した 場合に,この判決の効力は,その訴えに係る第一審の口頭弁論の終結前にYから当該動産を 賃借したZにも及ぶ。 オ.XがYに対して所有権移転登記の原因となる行為の不存在を理由として所有権に基づき不 動産の所有権移転登記抹消登記手続を求める訴えを提起し,Xの請求を認容する判決が確定 した後,YがZに対して当該不動産の所有権移転登記手続をした場合に,この判決の効力は, Zにも及ぶ。 1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ - 19 - エ 5.ウ オ 〔第44問〕(配点:2) 控訴審における審理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいも のを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[53]) ア.当事者の一方が控訴審の第1回口頭弁論期日に欠席した場合に,その期日に出頭した当事 者は,当事者双方に係る第一審口頭弁論の結果を陳述することができる。 イ.第一審において,被告が請求原因事実の全部を自白したとみなされたために請求を全部認 容する判決がされた場合であって,被告が控訴審において当該請求原因事実の全部又は一部 を争うときは,その旨を明らかにするとともに,その争おうとする請求原因事実が真実でな いことを立証しなければならない。 ウ.第一審において弁論準備手続を終結している場合であって,当事者が控訴審において新た な攻撃防御方法を提出しないときは,控訴裁判所は,事件を弁論準備手続に付することはで きない。 エ.第一審裁判所が専属管轄を定める合意があることを理由とする管轄違いの主張を排斥して 本案判決をした場合であって,当該管轄違いの主張に係る判断に誤りがあるときは,当事者 は,控訴審において,当該合意があることを理由として,第一審裁判所が管轄権を有しない ことを主張することができる。 オ.当事者が控訴審において新たに提出した攻撃防御方法について,控訴裁判所は,控訴審の 審理経過だけでなく,第一審における審理経過についても考慮し,時機に後れたものである か否かを判断する。 1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ 〔第45問〕(配点:2) 申立て等があった場合の効果に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選 びなさい。(解答欄は,[54],[55]順不同) 1.事件の記録の閲覧等の制限の申立てがあったときは,その申立てについての裁判が確定す るまで,第三者は,秘密記載部分の閲覧等の請求をすることができない。 2.第1回口頭弁論期日の前において,著しい遅滞を避けるための移送の申立てがあったとき は,裁判所は,訴訟手続を停止しなければならない。 3.文書提出命令の申立てについての決定に対して即時抗告がされたときは,裁判所は,その 即時抗告についての裁判が確定するまで,訴訟手続を停止しなければならない。 4.補助参加人は,補助参加について異議があった場合においても,補助参加を許さない裁判 が確定するまでの間は,訴訟行為をすることができる。 5.ある事件の訴訟手続において,他の事件との口頭弁論の併合を命ずることが求められたと きは,裁判所は,その訴訟手続を停止しなければならない。 - 20 -