短答式試験問題集 [憲法・行政法] -1- [憲法] 〔第1問〕(配点:2) 人権の享有主体に関する次のアからウまでの各記述について、 正しいものには○、 誤っているも のには×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は、 [No. 1]) ア.未成年者は、 心身ともにいまだ発達途上にあり成熟した判断能力を持たないから、 人権の保 障について、 成年者と異なる考慮が必要になる。 日本国憲法も、 「公務員の選挙については、 成年者による普通選挙を保障する。 」と定め、 未成年者に選挙権を保障していない。 イ.法人は主として独立した経済活動の主体であることに存在意義があるから、 財産権や営業の 自由のような経済的自由権を享有する。 しかしながら、 精神的自由権は、 自然人とだけ結合し て考えられる人権であるから、 法人には保障されない。 ウ.天皇及び皇族は、 日本国籍を有する日本国民であり、 憲法第3章の人権享有主体としての「国 民」に含まれる。 したがって、 天皇及び皇族にも、 表現の自由、 外国移住の自由、 国籍離脱の 自由及び学問の自由について、 国民一般と同程度の保障が及ぶ。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第2問〕(配点:3) 憲法第13条に関する次のアからウまでの各記述について、 それぞれ正しい場合には1を、 誤っ ている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウの順に[No.2]から[No.4]) ア.判例は、 何人も、 その承諾なしに、 みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有し、 警察官が、 正当な理由なく個人の容ぼう等を撮影することは、 憲法第13条の趣旨に反し許さ れないが、 かかる自由も無制限に保護されるわけではなく、 犯罪捜査に必要な撮影をすること は許容される場合があるとしている。 [No.2] イ.憲法第13条で保障される幸福追求権は、 個別の基本権を包括する基本権であるが、 その内 容について、 個人の人格的生存に不可欠な利益を内容とする権利の総体をいうと理解する見解 を採ったとしても、 これに含まれない生活領域に関する行為の自由が憲法上保護されなくなる わけではない。 [No.3] ウ.プライバシー権は憲法第13条で保障されると説く見解のうち、 これを「自己に関する情報 をコントロールする権利」と理解する立場は、 その保障範囲が、 個人の私的領域に他者を無断 で立ち入らせないという自由権的側面にとどまるとしており、 それを超えてプライバシーの保 護を公権力に対して求めるという請求権的側面を想定していない。 [No.4] -2- 〔第3問〕(配点:3) 憲法第20条に関する次のアからウまでの各記述について、 bの見解がaの見解の批判となって いる場合には1を、 そうでない場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウの順に[No.5] から[No.7]) ア.a.憲法第20条第2項と同条第3項の規定は、 その目的、 趣旨、 対象、 範囲を異にしてお り、 同条第2項の「宗教上の行為、 祝典、 儀式又は行事」は、 必ずしも全てが同条第3項 の「宗教的活動」に含まれるという関係にはない。 b.憲法第20条第3項の「宗教的活動」に含まれない宗教上の祝典、 儀式、 行事等であっ ても、 国家がこれに参加を強制すれば、 同条第2項違反の問題が生じ得る。 [No.5] イ.a.憲法第20条第3項にいう「宗教的活動」とは、 国及びその機関の活動の中で宗教と関 わりを持つ全ての行為を指すものではなく、 その関わりが相当とされる限度を超えるもの に限られる。 b.国家が社会生活に規制を加え、 あるいは教育、 福祉、 文化等に関する助成、 援助等の諸 施策を実施するに当たって、 宗教と一定の関わりを生ずることは避けられない。 [No.6] ウ.a.憲法第20条第3項の「宗教的活動」とは、 目的が宗教的意義を持ち、 効果が宗教に対 する援助、 助長、 促進又は圧迫、 干渉等になるものをいい、 その該当性判断において、 一 般人の宗教的評価や行為者の意図等の主観、 行為が一般人に与える影響等も考慮すべきで ある。 b.「宗教的活動」の該当性判断において一般人の宗教的評価等を考慮することは、 多数者 による少数者の信仰の抑圧につながる可能性がある。 [No.7] 〔第4問〕(配点:2) 表現の自由に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例の趣旨に照らして、 正しいものには○、 誤っているものには×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選 びなさい。 (解答欄は、 [No.8]) ア.ビラの配布のために集合住宅の共用部分及び敷地内に管理権者の承諾なく立ち入って、 その 管理権やそこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害したとしても、 ビラの内容が政治的意 見を記載したものであれば、 表現の自由の行使として尊重されるべきであるから、 当該立入り 行為を刑法第130条前段の罪に問うことは憲法第21条第1項に違反し、 許されない。 イ.公立図書館は、 住民に対して思想、 意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してそ の教養を高めること等を目的とする公的な場であり、 図書の著作者にとっては、 その思想、 意 見等を公衆に伝達する公的な場でもあるから、 図書の著作者は、 公立図書館に対して表現の自 由に基づいて自らの著作物を購入し、 閲覧に供するよう求めることができる。 ウ.報道機関の報道が正しい内容を持つためには、 報道のための取材の自由も憲法第21条の精 神に照らして十分尊重されなければならず、 取材源の秘密は、 取材の自由を確保するために必 要なものとして重要な社会的価値を有するから、 報道機関の記者が民事訴訟で証人として尋問 された場合、 取材源に関する証言の拒絶は、 それによって真実発見及び裁判の公正が犠牲にな るとしても、 直ちに認められなければならない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× -3- 〔第5問〕(配点:2) 教育に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例の趣旨に照らして、 正しい ものには○、 誤っているものには×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさ い。 (解答欄は、 [No.9]) ア.憲法第26条の規定の背後には、 子どもは学習権を有するとの観念が存在しており、 子ども に対する教育は、 専ら子どもの利益のために、 教育を与える者の責務として行われるべきもの であることからすると、 教育の内容及び方法は、 基本的に、 子どもの教育の実施に当たる教師 が決定すべきこととなる。 イ.教育内容に対する国家的介入は抑制的であることが要請され、 誤った知識や一方的な観念を 子どもに植え付けるような教育を施すことを国が強制することは許されないと解されるが、 こ のことは、 教育内容について決定する国の権能を否定する理由とはならない。 ウ.憲法第26条第2項は、 子女に教育を受けさせることを国民に義務付け、 義務教育は無償と すると定めているのであるから、 同項は、 義務教育に関する限り、 授業料のほか、 教科書代金 や学用品についても国が負担することを定めたものと解される。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第6問〕(配点:3) 刑事手続上の権利に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例の趣旨に照ら して、 それぞれ正しい場合には1を、 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウ の順に[No.10]から[No.12]) ア.憲法第31条の定める法定手続の保障は、 直接には刑事手続に関するものであるが、 行政手 続にも及ぶと解すべき場合があり、 その場合には行政処分の相手方に常に事前の告知、 弁解、 防御の機会を与える必要がある。 [No.10] イ.憲法第35条は、 住居、 書類及び所持品について、 侵入、 捜索及び押収を受けることのない 権利を規定しているが、 この規定の保障対象には、 住居、 書類及び所持品に準ずる私的領域に 侵入されることのない権利が含まれる。 [No.11] ウ.憲法第38条第1項は、 自己が刑事上の責任を問われるおそれのある事項について供述を強 要されないことを保障するものであり、 氏名の供述も、 これによって自己が刑事上の責任を問 われるおそれがあることから、 原則として保障が及ぶ。 [No.12] -4- 〔第7問〕(配点:3) 日本の憲法史に関する次のアからウまでの各記述について、 それぞれ正しい場合には1を、 誤っ ている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウの順に[No.13]から[No.15]) ア.大日本帝国憲法の下では、 天皇が有していた、 作戦用兵の目的のために陸海軍を統括する統 帥権について、 国務大臣の輔弼の対象外とされたため、 帝国議会は関与し得なかった。 [No. 13] イ.大日本帝国憲法の下では、 内閣制度は憲法で規定されていなかった。 また、 帝国議会の権限 が強く保障されていたので、 各国務大臣は天皇ではなく帝国議会に対して責任を負うとされて いた。 [No.14] ウ.日本国憲法成立の法理に関する八月革命説は、 ポツダム宣言の受諾によって天皇から国民に 主権者が変更されたという説は現実社会の変化にそぐわない全くの擬制的な説明であると批判 して、 ポツダム宣言を受諾した1945年8月から革命が漸進的に進行し、 占領体制から脱し て国家主権を回復したときにその革命が成就し国民は真の主権者となった、 とする説である。 [No.15] 〔第8問〕(配点:2) 選挙権及び被選挙権に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例の趣旨に照 らして、 正しいものには○、 誤っているものには×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの 中から選びなさい。 (解答欄は、 [No.16]) ア.憲法第15条第4項は、 「すべて選挙における投票の秘密は、 これを侵してはならない。 」と して投票の秘密を明文で保障しているが、 選挙の公正が担保されることは、 代表民主制の根幹 をなすもので極めて重要であるから、 選挙権のない者又は代理投票をした者の投票のような無 効投票が存在する場合における議員の当選の効力を判断する手続の中で、 こうした無効投票の 投票先を明らかにするとしても、 その限度では投票の秘密を侵害するものではない。 イ.労働組合は、 団結権が保障されており、 組合の団結を維持するための統制権の行使によって 公職選挙における組合員の立候補の自由を制約することができるので、 公職選挙において統一 候補を擁立した場合、 当該候補以外の組合員が立候補をやめなかったことを理由にその組合員 を処分することができる。 ウ.組織的選挙運動管理者等が、 買収等所定の選挙犯罪を犯して禁錮以上の刑に処せられた場合 に、 公職の候補者等であった者の当選を無効とし、 かつ、 これらの者が5年間当該選挙に係る 選挙区において行われる当該公職に係る選挙に立候補することを禁止する旨を定めた公職選挙 法の規定は、 民主主義の根幹をなす公職選挙の公正を保持する極めて重要な法益を実現するた めの規定であり、 立法目的は合理的であるとともに、 立法目的を達成する手段として必要かつ 合理的なものといえるから、 憲法第15条に違反しない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× -5- 〔第9問〕(配点:3) 政党に関する次のアからウまでの各記述について、 bの見解がaの見解の根拠となっている場合 には1を、 そうでない場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウの順に[No.17]から[No. 19]) ア.a.政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることを定めた政治資金規正法は、 会社が政 党及び政治資金団体に対して政治活動に関する寄附をすることを、 一定の限度で認めてい る。 b.政党は、 議会制民主主義を支える不可欠の要素であり、 かつ、 国民の政治意思を形成す る最も有力な媒体であるから、 その健全な発展に協力することは、 会社にとって当然の行 為として期待される。 [No.17] イ.a.国が政党に対し政党交付金による助成を行うことを定めた政党助成法は、 政党に対する 政党交付金の交付に当たっては、 条件を付し、 又はその使途について制限してはならない としている。 b.政党が議会制民主主義を支える不可欠の要素であることからすると、 その結社としての 活動の自由が制約されることはやむを得ない。 [No.18] ウ.a.公職選挙法は、 所属議員、 直近の選挙における得票又は当該選挙における候補者に照ら し一定以上の規模を有する政党のみに、 衆議院及び参議院の比例代表選出議員の選挙に参 加することを認めている。 b.その所属する政党の規模の大小により、 選挙への参加機会が均等でないことは、 信条又 は社会的身分による差別に当たる疑いがある。 [No.19] 〔第10問〕(配点:2) 国政調査権に関する次のアからウまでの各記述について、 正しいものには〇、 誤っているものに は×を付した場合の組み合わせを、 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答欄は、 [No. 20]) ア.憲法第62条において、 議院は、 国政調査に関して、 証人の出頭、 証言及び記録の提出を要 求することができるとされているところ、 その実効性を担保するため、 法律は、 証人が正当な 理由なく出頭を拒否した場合や、 偽証した場合に刑罰を科す旨を定めている。 イ.議院が、 係属中の刑事事件において審理されている事実と同一の事実について調査すること は、 その調査の方法、 目的を問わず、 司法権の独立を侵すものであって許されない。 ウ.国政調査権の法的性質を、 議院の憲法上の権能を実効的に行使するための補助的権能である と捉える立場からすると、 国政調査権が国民の知る権利に仕える機能を有すると理解すること はできない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× -6- 〔第11問〕(配点:3) 合憲限定解釈に関する次のアからウまでの各記述について、 bの見解がaの見解の批判となって いる場合には1を、 そうでない場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからウの順に[No.21]か ら[No.23]) ア.a.関税法により輸入が禁止されている「風俗を害すべき書籍、 図画」等について、 合理的 に解釈すれば、 「風俗」とは専ら性的風俗を意味し、 輸入禁止の対象とされるのは、 わい せつな書籍、 図画等に限られる。 b.表現の自由を規制する法律の規定には明確性が求められることに鑑みると、 わいせつ表 現物の輸入のみを規制しようとするのであれば、 「わいせつな書籍、 図画」等と具体的に 規定すべきである。 [No.21] イ.a.地方公務員の争議行為の遂行を共謀し、 そそのかし、 あおる等の行為を地方公務員法違 反として刑事罰の対象とするには、 あおり行為等が争議行為に通常随伴する以上のもので あることを要する。 b.集団的かつ組織的な行為としての争議行為を成り立たせるものは、 正にあおり行為等で あって、 あおり行為等は、 その性格にかかわらず、 争議行為の原動力をなすものである。 [No.22] ウ.a.暴走族による集会を規制する条例における「暴走族」の定義が社会通念上の暴走族以外 の集団が含まれる文言であっても、 条例全体から読み取ることができる趣旨やその施行規 則の規定等を総合して解釈すれば、 規制対象となる「暴走族」は、 暴走行為を目的として 結成された集団である本来的な意味における暴走族及びその類似集団に限られる。 b.「暴走族」が社会通念上、 暴走行為を目的として結成された集団や、 オートバイなどを 集団で乗り回し、 危険な運転や騒音などにより、 暴走行為と同様の迷惑を他人に及ぼす者 たちを指すものという理解が国民の間で定着している。 [No.23] 〔第12問〕(配点:2) 条例に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例の趣旨に照らして、 正しい ものには○、 誤っているものには×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさ い。 (解答欄は、 [No.24]) ア.憲法第94条は、 法律の範囲内で条例制定権を認めているが、 ある事項について国の法令中 にこれを規制する明文の規定がない場合であれば、 当該事項について規制を設ける条例の規定 は、 国の法令に違反しない。 イ.条例は、 公選の議員をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立法 であって、 国民の公選した議員をもって組織する国会の議決を経て制定される法律に類するも のであるから、 条例によって刑罰を定める場合、 法律による条例への委任は、 一般的・包括的 委任で足りる。 ウ.憲法第94条は、 地方公共団体に条例制定権を認めており、 ある事項を条例によって規制す る結果として、 地方公共団体ごとにその取扱いに差異が生じることがあり得るから、 ある事項 について条例によって刑罰を定める場合、 地域によって刑罰の内容に差異が生じることも許容 され得る。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× -7- [行政法] 〔第13問〕(配点:2) 行政活動と法源に関する次のアからウまでの各記述について、 法令又は最高裁判所の判例に照ら し、 正しいものに○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選 びなさい。 (解答欄は、 [25]) ア.慣習法は、 行政法の法源として認められる場合があるが、 公水使用権のように私人の権利の 根拠として用いられる場合、 行政法の法源としては認められない。 イ.行政活動により国民の権利を侵害し、 又は自由を制限するには、 その根拠として法律が必要 となるが、 そのための法律としては、 行政機関の任務又は所掌事務を定める行政の組織規範が あれば足りる。 ウ.行政庁が条例によって課された代替的作為義務に違反した者に対し代執行を行うためには、 代執行ができる旨の規定が条例中に定められていなければならない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第14問〕(配点:2) 行政手続法施行前の行政手続についての最高裁判所の判例に関する次のアからウまでの各記述に ついて、 正しいものに○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中か ら選びなさい。 (解答欄は、 [26]) ア.いわゆる個人タクシー事件に係る最高裁判所昭和46年10月28日第一小法廷判決(民集 25巻7号1037頁)は、 多数の者のうちから少数特定の者を、 具体的個別的事実関係に基 づき選択して個人タクシー事業の免許の許否を決しようとする行政庁に対し、 道路運送法の定 める免許基準の趣旨を具体化した審査基準を設定することを要求したが、 当該審査基準を公に しておくことまでは要求していない。 イ.いわゆる成田新法事件に係る最高裁判所平成4年7月1日大法廷判決(民集46巻5号43 7頁)は、 行政庁が不利益処分をする場合に、 その名宛人に対し当該不利益処分の理由を示さ なければならない旨を定める法令が存しなくても、 当該不利益処分により制限を受ける権利利 益の内容、 性質、 制限の程度、 当該不利益処分により達成しようとする公益の内容、 程度、 緊 急性等を総合較量した結果に基づき、 当該不利益処分の理由の提示が憲法上要請される場合が あると判示している。 ウ.いわゆる伊方原発訴訟に係る最高裁判所平成4年10月29日第一小法廷判決(民集46巻 7号1174頁)は、 原子炉設置許可の申請に対して行政庁が処分をする際、 憲法第31条に 基づき、 原子炉設置予定地の周辺住民を原子炉設置許可手続に参加させることを要求している。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× -8- 〔第15問〕(配点:3) 行政裁量に関する次のアからエまでの各記述について、 最高裁判所の判例に照らし、 それぞれ正 しい場合には1を、 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[27]か ら[30]) ア.公立学校施設の目的外使用を許可するか否かは、 原則として、 当該学校施設の管理者の裁量 に委ねられており、 学校教育上支障がないからといって当然に許可しなくてはならないもので はなく、 行政財産である学校施設の目的及び用途と目的外使用の目的、 態様等との関係に配慮 した合理的な裁量判断により使用許可をしないこともできる。 [27] イ.懲戒権者が国家公務員に対して行う懲戒処分は、 それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量 権を付与した目的を逸脱し、 これを濫用したと認められる場合でない限り、 その裁量権の範囲 内にあるが、 免職処分は、 著しい不利益を伴うものであることから、 裁判所が当該処分の適否 を審査するに当たり、 懲戒権者と同一の立場に立って、 懲戒処分として免職処分を選択すべき と認められないと判断した場合は、 その裁量権の範囲を逸脱し、 又はこれを濫用したと認めら れ、 違法となる。 [28] ウ.公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定は、 水俣病のり患の有無という客観 的事実を確認する行為であり、 この点に関する処分行政庁の判断はその裁量に委ねられるべき 性質のものではなく、 上記水俣病認定の申請に対する処分行政庁の判断の適否に関する裁判所 の審理及び判断は、 裁判所において、 経験則に照らして個々の事案における諸般の事情と関係 証拠を総合的に検討し、 個々の具体的な症候と原因物質との間の個別的な因果関係の有無等を 審理の対象として、 申請者につき水俣病のり患の有無を個別具体的に判断すべきである。 [ 29] エ.宗教的信条と相容れないことから剣道実技に参加しなかったことにより体育科目の成績が認 定されなかった学生に対する市立高等専門学校の校長の原級留置処分及び退学処分は、 代替措 置を採ることが実際上可能であった場合であっても、 当該学生が、 剣道実技が必修でない学校 を選択することができ、 かつ、 当該学校の入学手続時に剣道実技が必修であることを知ってい た場合は、 その裁量権の範囲を超える違法なものとはならない。 [30] -9- 〔第16問〕(配点:3) 行政調査に関する次のアからエまでの各記述について、 法令又は最高裁判所の判例に照らし、 そ れぞれ正しい場合には1を、 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[ 31]から[34]) ア.国税通則法第74条の2第1項に基づく質問検査は、 諸般の具体的事情に鑑み、 質問検査の 客観的な必要性があると判断される場合に認められるものであって、 この場合の質問検査の範 囲、 程度、 時期、 場所等法律上特段の定めのない実施の細目については、 上記のような質問検 査の必要があり、 かつ、 これと相手方の私的利益との衡量において社会通念上相当な限度にと どまる限り、 権限ある職員の合理的な選択に委ねられている。 [31] (参照条文)国税通則法 (当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権) 第74条の2 国税庁、 国税局若しくは税務署(中略)又は税関の当該職員(中略)は、 所 得税、 法人税、 地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは、 次の各号 に掲げる調査の区分に応じ、 当該各号に定める者に質問し、 その者の事業に関する帳簿書 類その他の物件(中略)を検査し、 又は当該物件(中略)の提示若しくは提出を求めるこ とができる。 一〜四 2〜5 (略) (略) イ.国税通則法の定める税務調査は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないから、 当該調査により取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定さ れるときは、 質問検査の権限を行使することは許されない。 [32] ウ.警察官による交通違反の予防、 検挙を目的として、 警察法第2条及び警察官職務執行法第1 条の趣旨を踏まえ強制力を伴わない任意手段により行われる自動車の検問は、 自動車の運転者 が合理的に必要な限度で行われる交通の取締りに協力すべきであることを考慮して許容される ものであるから、 車両の外観、 走行の態様等に異常が見られる場合でなければ許されない。 [ 33] エ.国税通則法の定める犯則事件の調査手続は、 実質的に捜査手続としての性質を有し、 犯則嫌 疑者の身体を捜索する場合には裁判官の発する許可状が必要となるが、 犯則嫌疑者が置き去っ た物件を検査する場合には許可状を要しない。 [34] - 10 - 〔第17問〕(配点:2) 情報公開に関する次のアからウまでの各記述について、 法令又は最高裁判所の判例に照らし、 正 しいものに○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさ い。 (解答欄は、 [35]) ア.行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。 )は、 外国の国 籍を有する者にも開示請求権を認めており、 また、 衆議院・参議院の事務局や最高裁判所の事 務総局の保有する文書についても開示請求の対象としている。 イ.行政機関の長は、 情報公開法に基づく開示請求に係る行政文書に特定の個人を識別すること ができる情報が記載されているために不開示とすべき場合であっても、 公益上特に必要がある と認めるときは、 当該個人の同意がある場合に限り、 当該行政文書を開示することができる。 ウ.A県公文書公開等条例は、 「県の機関等が行う交渉、 渉外、 争訟等の事務に関する情報であ って、 公にすることにより、 当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり、 又はこれら の事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるものが記録されている公文書 は公開しないことができる。 」と定めるところ、 A県知事が懇談会で外部の飲食店を利用した 際の請求書、 領収書、 歳出額現金出納簿及び支出証明書のうち、 公表予定のない懇談会出席者 の氏名が記録されてはいるものの懇談の内容が全く記録されていないものについては、 同条例 により公開しないことができる文書に該当しない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第18問〕(配点:2) 訴えの利益に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例に照らし、 正しいも のに○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさい。 (解 答欄は、 [36]) ア.AのB県公文書公開条例に基づく公文書の公開請求についてB県知事が非公開決定をしたこ とに対し、 Aが当該非公開決定の取消訴訟を提起したところ、 その係属中に、 被告であるB 県から当該公開請求に係る公文書が書証として提出された場合であっても、 当該取消訴訟に ついては、 訴えの利益は失われない。 イ.C市がその設置している特定の保育所を廃止する旨の条例を制定したことに対し、 当該保育 所で現に保育を受けている児童及びその保護者であるDらが当該条例制定行為について取消訴 訟を提起したところ、 その係属中に、 Dらに係る保育の実施期間が満了した場合であっても、 当該取消訴訟については、 訴えの利益は失われない。 ウ.テレビジョン放送局の開設の免許申請をしたEが、 旧郵政大臣から免許拒否処分を受けると ともに競願者であるFに対して免許処分がされたことに対し、 Fに対する免許処分の取消訴訟 及びE自身に対する免許拒否処分の取消訴訟を提起したところ、 その係属中に、 Fに対する当 初の免許期間が満了したとしても、 その後直ちにFに対して再免許が与えられ事業が継続して 維持されている場合には、 Eが提起したFに対する免許処分の取消訴訟のみならず、 E自身に 対する免許拒否処分の取消訴訟についても、 訴えの利益は失われない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 11 - 〔第19問〕(配点:2) 処分性に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例に照らし、 正しいものに ○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさい。 (解答 欄は、 [37]) ア.税務署長が源泉徴収による所得税について国税通則法第36条第 1 項の規定に基づいてする 納税の告知は、 法令の規定に従い自動的に税額が確定した国税債権につき納期限を指定して履 行を請求する行為であり、 税額を確定する効力を有するものではないが、 法令の規定によって 確定した税額がいくらであるかについての税務署長の意見が初めて公にされるものであって、 処分性が認められる。 (参照条文)国税通則法 (納税の告知) 第36条 税務署長は、 国税に関する法律の規定により次に掲げる国税(その滞納処分費を 除く。 次条において同じ。 )を徴収しようとするときは、 納税の告知をしなければならな い。 一 (略) 二 源泉徴収等による国税でその法定納期限までに納付されなかつたもの 三、 四 2 (略) 前項の規定による納税の告知は、 税務署長が、 政令で定めるところにより、 納付すべき 税額、 納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達して行う。 ただし、 担保として提 供された金銭をもつて消費税等を納付させる場合その他政令で定める場合には、 納税告知 書の送達に代え、 当該職員に口頭で当該告知をさせることができる。 イ.有効に成立した行政処分を処分後の事情の変更を理由として撤回する行為は、 法令上当該撤 回について直接明文の規定がない場合には、 処分性が認められない。 ウ.公立学校の校長がその教職員に対して発した式典での国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し て斉唱することを命ずる旨の職務命令は、 教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務に直接 影響を及ぼすものではないから、 処分性が認められない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× - 12 - 〔第20問〕(配点:3) 取消訴訟の審理に関する次のアからエまでの各記述について、 行政事件訴訟法又は最高裁判所の 判例に照らし、 それぞれ正しい場合には1を、 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[38]から[41]) ア.取消訴訟において、 原告が故意又は重大な過失によらないで被告とすべき者を誤ったときは、 裁判所は、 原告の申立てにより、 決定をもって被告の変更を許すことができ、 この決定に対し ては、 不服を申し立てることができない。 [38] イ.固定資産評価審査委員会の審査決定は、 個々の固定資産ごとにされるものであるから、 同一 の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している複数の建物の評価額に関する各審査決定 の取消請求が、 互いに行政事件訴訟法第13条第6号所定の関連請求に当たるということはで きない。 [39] ウ.指定確認検査機関による建築確認の取消しを求める訴えを提起した後、 当該建築確認に係る 建築物について完了検査が終了した場合に、 上記訴えを、 当該建築物について建築確認をする 権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体に対する損害賠償を求める訴えに変更すること は、 許されない。 [40] エ.行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において、 不開示とされた文書を目的と する検証を被告に受忍義務を負わせて行うことは、 原告が検証への立会権を放棄した場合であ っても、 許されない。 [41] - 13 - 〔第21問〕(配点:3) 当事者訴訟に関する教員と学生による以下の対話中の次のアからエまでの【 】内の各記述につ いて、 法令又は最高裁判所の判例に照らし、 それぞれ正しい場合には1を、 誤っている場合には2 を選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[42]から[45]) 教員:行政事件訴訟法第4条は、 当事者訴訟として、 「当事者間の法律関係を確認し又は形成す る処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とする もの」と「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」 の二つの類型を規定しています。 これから、 前者を「形式的当事者訴訟」、 後者を「実質的 当事者訴訟」と呼ぶこととしますが、 まず、 形式的当事者訴訟としては具体的にどのような 訴訟がありますか。 学生:(ア)【土地収用法に基づく収用裁決により土地が収用された場合に、 起業者が、 当該収用 裁決において定められた損失補償額が過大であるとして、 同法の規定に基づき当該土地の所 有者を被告として提起する訴訟がこれに当たります。 】[42] 教員:処分又は裁決をした行政庁が、 当該処分又は裁決に関する形式的当事者訴訟が提起された ことを把握するための仕組みは設けられていますか。 学生:(イ)【はい。 形式的当事者訴訟が提起された場合には、 被告は、 当該処分又は裁決をした 行政庁が所属する国又は公共団体に対し、 遅滞なく、 その訴訟の告知をしなければならない とされています。 】[43] 教員:次に、 実質的当事者訴訟としては具体的にどのような訴訟がありますか。 学生:(ウ)【公務員である原告が、 職務命令への不服従を理由とする懲戒処分の予防を目的とし て、 当該職務命令に基づく公的義務が存在しないことの確認を求める訴訟がこれに当たりま す。 】[44] 教員:原告である国民が、 国又は公共団体を被告として金銭の支払を求める訴訟について考えて みましょう。 この訴訟が実質的当事者訴訟であるか民事訴訟であるかによって、 判決の効力 について何か違いがありますか。 学生:(エ)【いずれであっても第三者一般に対する効力を有しない点では共通しますが、 当該訴 訟が実質的当事者訴訟である場合には、 判決の内容によっては関係行政庁に対する拘束力を 有することとなる点で、 民事訴訟である場合と異なります。 】[45] 〔第22問〕(配点:3) 次のアからエまでの各事例において、 Xが本案訴訟を提起した上で行政事件訴訟法上の仮の救済 を求めるとした場合、 各事例について最も適切と考えられる仮の救済の申立てを、 それぞれ後記1 から3までの中から選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[46]から[49]) ア.市が管理する公園で集会を行うことを計画しているXが、 市の条例に基づき当該公園の使用 許可申請をしたところ、 不許可処分を受けた事例[46] イ.生活保護を受給していたXが、 預貯金を保有していたことを理由に、 保護廃止処分を受けた 事例[47] ウ.マンションの建築に係る建築確認処分がされたところ、 当該マンションの建築予定地の周辺 住民であるXが、 当該マンションの建築を阻止したいと考えている事例[48] エ.司法書士であるXが、 予定される不利益処分の内容を3か月の業務停止処分とする聴聞を受 けた事例[49] 1.執行停止の申立て 2.仮の義務付けの申立て 3.仮の差止めの申立て - 14 - 〔第23問〕(配点:2) 国家賠償に関する次のアからウまでの各記述について、 最高裁判所の判例に照らし、 正しいもの に○、 誤っているものに×を付した場合の組合せを、 後記1から8までの中から選びなさい。 (解 答欄は、 [50]) ア.中学校における教師の教育活動は、 当該学校が市立学校であるとしても、 国家賠償法第1条 第1項にいう「公権力の行使」に該当しない。 イ.警察官が専ら自己の利を図る目的で職務執行を装って私人Aに職務質問をし、 犯罪の証拠物 名義で預かった所持品を不法に領得するため拳銃でAを射殺した事案につき、 警察官の上記行 為は客観的に職務執行の外形を備えているから、 国家賠償法第1条第1項にいう公務員が「そ の職務を行うについて」違法に他人に損害を加えたときに該当する。 ウ.国の営造物である空港に離着陸する航空機の騒音等により周辺住民に被害が発生している場 合のように、 営造物を構成する物的施設自体に物理的、 外形的な欠陥ないし不備があるわけで はなく、 営造物が供用目的に沿って利用されることとの関連において危害を生じさせる危険性 があるにすぎない場合には、 国家賠償法第2条第1項の設置又は管理の瑕疵を認めることがで きない。 1.ア○ イ○ ウ○ 2.ア○ イ○ ウ× 3.ア○ イ× ウ○ 4.ア○ イ× ウ× 5.ア× イ○ ウ○ 6.ア× イ○ ウ× 7.ア× イ× ウ○ 8.ア× イ× ウ× 〔第24問〕(配点:3) 行政組織に関する次のアからエまでの各記述について、 法令又は最高裁判所の判例に照らし、 そ れぞれ正しい場合には1を、 誤っている場合には2を選びなさい。 (解答欄は、 アからエの順に[ 51]から[54]) ア.処分に関する審査請求について、 審査庁が指揮監督権を有する上級行政庁である場合、 当該 審査請求に理由があるときは、 当該審査庁は当該審査請求に対する裁決において審査請求の 対象となった処分を変更すること又は変更すべき旨を命ずることができるものの、 審査庁で ある上級行政庁が処分庁に当該処分をする権限を委任していた場合、 当該審査庁は当該処分 を変更すること又は変更すべき旨を命じることはできない。 [51] イ.地方自治法第2条第9項第1号に規定する第一号法定受託事務は、 本来国が果たすべき役割 に係る事務であって、 国がその事務の適正な処理を特に確保する必要があるものではあるが、 当該事務を処理する都道府県等は、 当該事務を所掌する国の大臣から、 国の下級行政機関と して指揮監督を受けるものではない。 [52] ウ.国家行政組織法第3条の規定により省の外局として設置されている行政委員会は、 その具体 的な職権行使に当たっては、 当該省の大臣の下級行政機関として、 その指揮監督を全面的に 受ける。 [53] エ.下級行政機関の事務処理に関し、 上級行政機関の指揮監督権の一つとして承認等を行う権限 が認められることがあるが、 上級行政機関により不承認とされた場合、 下級行政機関は、 そ の不承認の取消しを求めて抗告訴訟を提起することができる。 [54] - 15 -