1 [新司法試験サンプル問題(公法系科目)]
2 ○
3
4 科目全般について
5 公法系科目とは,
6 憲法及び行政法に関する分野の科目をいう。
7
8
9 憲法に関する分野については,
10 これまでの司法試験とその範囲が変わるものではなく,
11 憲法
12 典だけではなく,
13 憲法の基本原理等の憲法総論を含むほか,
14 例えば,
15 地方自治法など憲法から
16 委任された法律等が憲法の趣旨を体現している部分や憲法の直接の委任はないものの憲法の趣
17 旨を具体化している法律の当該部分も含まれる。
18
19
20 また,
21 行政法に関する分野については,
22 実質的,
23 理論的,
24 体系的な観点から,
25 「行政法」と
26 して一般的に理解されているものが範囲となる。
27
28 具体的には,
29 行政法の基本原理,
30 行政手続法,
31
32 行政不服審査法,
33 行政事件訴訟法,
34 国家賠償法等のいわゆる行政手続・行政救済法のうち基本
35 的部分,
36 行政機関の保有する情報の公開に関する法律等のいわゆる行政情報関係法のうち基本
37 的部分,
38 国家行政組織法,
39 内閣法等のいわゆる行政組織法のうち基本的通則的部分等がこれに
40 該当する。
41
42 なお,
43 出題に当たり,
44 個別の行政実体法を素材とすることがあるが,
45 当該行政実体
46 法の知識を問うわけではない。
47
48 そのような場合には,
49 必要に応じて,
50 参照条文を問題文に添付
51 することとする。
52
53
54 なお,
55 行政事件訴訟法については,
56 行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律
57 第84号。
58
59 平成16年6月公布)の施行日が,
60 新司法試験の実施前である平成17年4月1日
61 とされていることに鑑み,
62 サンプル問題も,
63 改正後の行政事件訴訟法を前提として作成してい
64 る。
65
66
67
68 [短答式試験問題]
69 ○
70
71 短答式試験問題について
72 公法系の短答式試験においては,
73 上記「科目全般について」記載の試験範囲で,
74 幅広い分野
75 から基本的な問題を多数出題することにより,
76 専門的な法律知識及び法的な推論能力を試すこ
77 ととし,
78 サンプル問題では,
79 条文,
80 法律の基本的概念についての知識,
81 最高裁判所の判例につ
82 いての知識や理解,
83 重要判例の理由付けについての理解を確認する問題などを作成している。
84
85
86 例えば,
87 地方自治や住民訴訟に関する問題などもサンプル問題に含まれているが,
88 いずれも基
89 本的な内容を問うものである。
90
91
92 また,
93 サンプル問題の一部には,
94 憲法及び行政法にまたがる問題やこれらを融合した問題が
95 あるほか,
96 出題範囲の各分野に広くまたがった問題もあり,
97 様々な角度からの出題や幅広い分
98 野の出題を図っている。
99
100
101 出題の形式については,
102 択一方式のみによらず,
103 問題の内容等に応じて適当な数の肢を設定
104 して各肢ごとに正誤を問うもの,
105 空欄に補充する用語を選ばせるもの,
106 正答肢を複数選ばせる
107 ものなど,
108 多様化を図っている。
109
110 配点についても,
111 各問題の出題形式,
112 難易度等を考慮して,
113
114 各問の配点に差を設けることとするとともに,
115 各肢の正誤を問う問題においては,
116 一定数以上
117 の肢を正答すれば,
118 部分点を与えるなどの工夫をする予定である。
119
120
121
122 〔第1問〕
123
124 税関検査に関する以下のアからオまでの各記述について,
125 最高裁判所の判例に照ら
126
127 し,
128 それが正しい場合には1を,
129 誤っている場合には2を選びなさい(解答欄は,
130 アからオの
131
132 1
133
134 順に [bP] から [bT] )。
135
136
137
138 ア
139
140 税関長は,
141 輸入されようとする貨物のうちに「公安又は風俗を害すべき書籍,
142 図画,
143 彫
144 刻物その他の物品」(関税定率法第21条第1項第4号)に該当すると認めるのに相当の
145 理由がある貨物があるときは,
146 当該貨物を輸入しようとする者に対し,
147 その旨を通知しな
148 ければならない(同法第21条第3項)が,
149 この通知は行政処分ではないので,
150 取消訴訟
151 の対象とはならない。
152
153 しかし,
154 通知を受けた者は,
155 輸入ができなくなったことを理由に国
156 家賠償を請求することができる。
157
158 [bP]
159
160 イ
161
162 税関検査は,
163 「行政権が表現行為に先立ちその内容を事前に審査し,
164 不適当と認める場
165 合にその表現行為を禁止する」ものであるから,
166 憲法第21条第2項のいう「検閲」に該
167 当する。
168
169 しかし,
170 検閲の禁止も公共の福祉による例外が認められるのであるから,
171 我が国
172 内における健全な性的風俗の維持確保という公共の福祉を実現するためのものであるので,
173
174 例外的に許容される。
175
176 [bQ]
177
178 ウ
179
180 税関検査によって表現物の輸入を禁止しても,
181 一般に,
182 当該表現物は国外においては既
183 に発表済みのものであるから,
184 事前に発表そのものを一切禁止するというものではない。
185
186
187 また,
188 当該表現物は,
189 輸入が禁止されるだけであって,
190 税関により没収,
191 廃棄されるわけ
192 ではないから,
193 発表の機会が全面的に奪われてしまうというわけでもない。
194
195 その意味にお
196 いて,
197 税関検査を事前規制そのものということはできない。
198
199 [bR]
200
201 エ
202
203 法律をもって表現の自由を規制するについては,
204 基準の広汎,
205 不明確のゆえに当該規制
206 が本来憲法上許容されるべき表現にまで及ぼされて表現の自由が不当に制限されるという
207 結果を招くことがないように配慮する必要があるが,
208 関税定率法第21条第1項第4号の
209 「風俗を害すべき書籍,
210 図画」等をわいせつな書籍,
211 図画等のみを指すものと限定的に解
212 釈することによって,
213 合憲的に規制し得るもののみがその対象となることが明らかにされ
214 るのであるから,
215 当該規定を広汎又は不明確のゆえに憲法第21条第1項に違反するとい
216 うことはできない。
217
218 [bS]
219
220 オ
221
222 関税法第109条は,
223 関税定率法第21条第1項所定の輸入禁制品を輸入した者だけで
224 なく,
225 その予備・未遂罪を犯した者をも処罰するとしている(第3項)が,
226 わいせつな書
227 籍,
228 図画の単純所持を処罰することは憲法第13条に反するおそれがあるのであるから,
229
230 関税法第109条第3項を適用し,
231 個人的な鑑賞の目的でわいせつな書籍,
232 図画等を輸入
233 しようとしたところ税関検査により発見され目的を遂げ得なかった者を処罰することはで
234 きない。
235
236 [bT]
237
238 【正解】
239 ア.2(誤)
240
241 〔第2問〕
242
243 イ.2(誤)
244
245 ウ.1(正)
246
247 エ.1(正)
248
249 オ.2(誤)
250
251 次の【ア】から【ウ】までの空欄に入れるべき文章を,
252 それぞれ,
253 下記【ア】から
254
255 【ウ】までの文章群から選びなさい(解答欄は,
256 【ア】から【ウ】の順に [bU]から [bW])。
257
258
259
260 Pは,
261 行政庁から,
262 6か月間の営業停止処分を受けたが,
263 当該処分通知書には,
264 行政事件
265 訴訟法第46条に基づく取消訴訟の被告とすべき者及び出訴期間についての教示とともに,
266
267
268 2
269
270 当該処分に不服がある場合には,
271 60日以内に上級行政庁に審査請求できる旨の教示がなさ
272 れていた。
273
274 これらの教示が適法になされていた場合,
275 Pは,
276 【ア】
277 Pが当該処分について審査請求をして,
278 上級行政庁からそれを棄却する裁決がされたとき,
279
280 Pとして当該処分についての取消訴訟と当該裁決の取消訴訟のどちらを提起するかという点
281 について,
282 行政事件訴訟法では,
283 【イ】
284 我が国の行政争訟制度においては,
285 行政処分に対する審査請求,
286 取消訴訟の提起がされた
287 場合に,
288 当該処分の効力,
289 処分の執行や手続の続行を止めるか否かという問題については,
290
291 【ウ】
292
293 【ア】の文章群
294 1
295
296 [bU]
297
298 まず審査請求をして,
299 それを棄却する裁決を受けた後でないと,
300 取消訴訟を提起するこ
301 とはできないが,
302 審査請求をした日から3か月を経過しても裁決がされないときには,
303 裁
304 決を経ることなく取消訴訟を提起することができる。
305
306
307
308 2
309
310 処分が違法であると考えるときは,
311 審査請求をしないで,
312 直ちに取消訴訟を提起するこ
313 とができる。
314
315
316
317 3
318
319 処分がPに対する聴聞の手続を経てなされたものであったときには,
320 審査請求をしない
321 で,
322 直ちに取消訴訟を提起することができる。
323
324
325
326 【イ】の文章群
327 1
328
329 [bV]
330
331 原則として,
332 原処分の取消訴訟の提起を予定しており,
333 裁決の取消訴訟の提起が許され
334 るのは,
335 原処分の根拠となった個別の法律にその旨の定めがある場合に限られる。
336
337
338
339 2
340
341 原則として,
342 裁決の取消訴訟の提起を予定しており,
343 原処分の取消訴訟の提起が許され
344 るのは,
345 原処分の根拠となった個別の法律にその旨の定めがある場合に限られる。
346
347
348
349 3
350
351 原処分の取消訴訟も,
352 裁決の取消訴訟も提起できるが,
353 裁決の取消訴訟では,
354 原処分の
355 違法は争えないこととされている。
356
357
358
359 4
360
361 原処分と裁決のうち,
362 Pにおいて選択したいずれか一方のみについて,
363 取消訴訟を提起
364 することができるとしている。
365
366
367
368 【ウ】の文章群
369 1
370
371 [bW]
372
373 行政不服審査法は執行停止原則を採っているのに対し,
374 行政事件訴訟法では執行不停止
375 原則が採られているが,
376 前者の場合も,
377 執行不停止の例外が広く認められている。
378
379
380
381 2
382
383 行政不服審査法も行政事件訴訟法も,
384 共に執行不停止を原則としているが,
385 前者では,
386
387 処分行政庁の上級行政庁が行う審査手続であるため,
388 後者における裁判所による執行停止
389 と比べて,
390 執行停止をすべき場合を広く列挙している。
391
392
393
394 3
395
396 行政不服審査法も行政事件訴訟法も,
397 共に執行不停止を原則としているが,
398 前者では,
399
400 処分行政庁の上級行政庁である審査庁は職権によっても執行停止決定ができるとしている
401 点において,
402 後者における裁判所による執行停止と異なっている。
403
404
405
406 【正解】
407
408 〔第3問〕
409
410 【ア】.2
411
412 【イ】.3
413
414 【ウ】.3
415
416 米国国籍を有するXは,
417 在留期間を1年とする上陸許可を受けて本邦に入国し,
418 ベ
419
420 トナム戦争及び日米安全保障条約に反対する旨の政治活動をしていた。
421
422 Xは,
423 在留期間の更新
424
425 3
426
427 を申請したところ,
428 法務大臣が同更新を許可しない旨の処分(以下「本件処分」という。
429
430 )を
431 したため,
432 Xは,
433 法務大臣を被告として本件処分の取消しを求めた。
434
435
436 以下のアからオまでの文章について,
437 最高裁判所の判例に照らし,
438 それが正しい場合には1
439 を,
440 誤りの場合には2を選びなさい(解答欄は,
441 アからオの順に [bX] から [13] )。
442
443
444
445 ア
446
447 憲法第22条第1項は,
448 日本国内における居住・移転の自由を保障する旨を規定するに
449 とどまり,
450 外国人が我が国に入国することについては何ら規定していないものであり,
451 こ
452 のことは,
453 国際慣習法と考えを同じくするものと考えられる。
454
455 したがって,
456 外国人は,
457 憲
458 法上,
459 我が国に入国する自由を保障されているものでないことはもちろん,
460 在留の権利な
461 いし引き続き在留することを要求し得る権利を保障されているものでもない。
462
463 [bX]
464
465 イ
466
467 憲法第3章の諸規定による基本的人権の保障は,
468 権利の性質上日本国民のみをその対象
469 としていると解されるものを除き,
470 我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと
471 解すべきである。
472
473 したがって,
474 外国人が,
475 適法に本邦に入国して在留している以上,
476 その
477 者の在留期間の更新事由の有無の判断をする法務大臣の裁量の範囲は限定的に解されるべ
478 きである。
479
480 [10]
481
482 ウ
483
484 外国人の政治活動の自由については,
485 我が国の政治的意思決定又はその実施に影響を及
486 ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き,
487
488 その保障が及ぶものと解するのが相当であるから,
489 在留期間中の憲法の基本的人権の保障
490 を受ける行為を在留期間の更新の際に消極的な事情として斟酌されないことまでの保障は
491 与えられている。
492
493 [11]
494
495 エ
496
497 裁判所は,
498 法務大臣の判断がその裁量権の行使としてされたものであることを前提とし
499 て,
500 その判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により同判断が全く事実の基
501 礎を欠くかどうか,
502 又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により同判断が社
503 会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理することと
504 なる。
505
506 [12]
507
508 オ
509
510 法務大臣がXの本邦での政治活動を日本国にとって好ましいものではないと評価し,
511 ま
512 た,
513 Xの活動から同人を将来日本国の利益を害する行為を行うおそれがある者と認め,
514 在
515 留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるものとはいえないと判断して本件
516 処分をしたとすれば,
517 本件処分は違憲,
518 違法であり,
519 取り消されるべきである。
520
521 [13]
522
523 (参照条文)出入国管理及び難民認定法
524 (在留期間の更新)
525 第21条
526
527 本邦に在留する外国人は,
528 現に有する在留資格を変更することなく,
529 在留期間の更
530
531 新を受けることができる。
532
533
534 2
535
536 前項の規定により在留期間の更新を受けようとする外国人は,
537 法務省令で定める手続によ
538 り,
539 法務大臣に対し在留期間の更新を申請しなければならない。
540
541
542
543 3
544
545 前項の申請があつた場合には,
546 法務大臣は,
547 当該外国人が提出した文書により在留期間の
548 更新を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り,
549 これを許可することができる。
550
551
552
553 【正解】
554
555 4
556
557 ア.1(正)
558
559 〔第4問〕
560
561 イ.2(誤)
562
563 ウ.2(誤)
564
565 エ.1(正)
566
567 オ.2(誤)
568
569 次の[A]から[D]の空欄のうち,
570 [A]及び[D]については語句群1から,
571
572
573 [B]及び[C]については語句群2から,
574 それぞれ適切な語句を入れて,
575 津地鎮祭訴訟及び
576 自衛官合祀訴訟の最高裁判所大法廷判決に関する文章を完成させなさい(解答欄は,
577 AからD
578 の順に [14]から [17])。
579
580
581
582 憲法第20条第3項にいう[A]とは,
583 宗教とかかわり合いを持つすべての行為を指すも
584 のではなく,
585 当該行為の[B]が宗教的意義を持ち,
586 その[C]が宗教に対する援助,
587 助長,
588
589 促進又は圧迫,
590 干渉等になるような行為をいい,
591 ある行為が[A]に該当するかどうかを検
592 討するに当たっては,
593 当該行為の行われる場所,
594 当該行為に対する一般人の宗教的評価,
595 当
596 該行為者が当該行為を行うについての意図,
597 [B]及び宗教的意識の有無,
598 程度,
599 当該行為
600 の一般人に与える[C],
601 影響等,
602 諸般の事情を考慮し,
603 [D]に従って,
604 客観的に判断し
605 なければならない。
606
607
608
609 【語句群1】
610 1.政教分離原則
611 5.非宗教活動
612
613 2.通常人の宗教意識
614 6.倫理原則
615
616 3.規範原理
617
618 7.社会通念
619
620 4.宗教行為の禁止
621
622 8.宗教的活動
623
624 9.公的活動
625
626 10.一般常識
627 【語句群2】
628 1.内容
629
630 2.かかわり合い
631
632 6.宗教的意義
633
634 7.効果
635
636 3.評判
637 8.成果
638
639 4.趣旨
640 9.実態
641
642 5.関心
643 10.目的
644
645 【正解】
646 A.8(宗教的活動)
647
648 〔第5問〕
649
650 B.10(目的)
651
652 C.7(効果)
653
654 D.7(社会通念)
655
656 次のアからエまでの記述につき,
657 それぞれ,
658 最高裁判所の判例に照らして内容が正
659
660 しい場合には1を,
661 内容が誤りである場合には2を選びなさい(解答欄は,
662 ア か ら エ の 順 に
663 [18] から [21] )。
664
665
666
667 ア
668
669 供託法には,
670 「供託官ノ処分ヲ不当トスル者ハ監督法務局又ハ地方法務局ノ長ニ審査請
671 求ヲ為スコトヲ得」(同法第1条ノ4)との規定が置かれているが,
672 弁済供託は,
673 弁済者
674 の申請により供託官が債権者のために供託物を受入れ管理するもので,
675 民法上の寄託契約
676 の性質を有するものであるから,
677 供託官が弁済供託に係る供託物の取戻請求を理由がない
678 と認めて却下する行為は,
679 抗告訴訟の対象となる行政処分ではない。
680
681 [18]
682
683 イ
684
685 国土交通大臣が土地区画整理事業の施行者となる場合(土地区画整理法第3条第4項)
686 における事業計画の決定(同法第66条第1項)は,
687 事業計画そのものは,
688 特定個人に向
689 けられたものではないが,
690 その計画書に添付されている設計図書に各宅地の地番,
691 形状が
692 表示されており,
693 その後の手続の進展に伴って,
694 仮換地の指定処分(同法第98条),
695 建
696 物の移転・除去命令(同法第77条)等の具体的な権利侵害が生じ得るのであるから,
697 抗
698
699 5
700
701 告訴訟の対象となる行政処分に該当する。
702
703 [19]
704 ウ
705
706 私法上の契約関係に基づく私企業の従業員の雇用関係とは異なり,
707 国家公務員の任免は,
708
709 国家公務員法に基づき,
710 同法第55条に規定される任命権者により,
711 同法及び人事院規則
712 に従い,
713 公権力の行使として行われるものであるから,
714 国家公務員としての採用内定通知
715 を取り消す行為も,
716 抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する。
717
718 [20]
719
720 エ
721
722 建築基準法は,
723 同法第42条第1項で,
724 同法第3章(都市計画区域等における建築物の
725 敷地,
726 構造,
727 建築設備及び用途)の規定における「道路」の定義を規定するとともに,
728 同
729 条第2項で,
730 同法第3章の規定が適用されるに至った際,
731 現に建築物が立ち並んでいる幅
732 員4メートル未満の道で,
733 行政庁の指定したものを同条第1項の道路とみなす旨規定して
734 いるが,
735 行政庁の告示により,
736 同条第1項の道路とみなされる道を「幅員4メートル未満
737 1.8メートル以上の道」と一括して指定する行為は,
738 特定の土地について個別具体的に
739 指定をしたものではなく,
740 一般的基準を定立したものにすぎず,
741 当該告示自体により,
742 直
743 ちに私権の制限が生ずるわけではないから,
744 抗告訴訟の対象となる行政処分ではない。
745
746
747 [21]
748
749 【正解】
750 ア.2(誤)
751
752 〔第6問〕
753
754 イ.2(誤)
755
756 ウ.2(誤)
757
758 エ.2(誤)
759
760 次のAからDまでの文章は,
761 いずれも最高裁判所の判決の一節(一部形式的な修正
762
763 を施したもの)である。
764
765 これについて論じたアからオまでの文章について,
766 それぞれその内容
767 が正しい場合には1を,
768 内容が誤りである場合には2を選びなさい(解答欄は,
769 アからオの順
770 に [22] から [26] )。
771
772
773
774 A
775
776 不当景品類及び不当表示防止法第10条第6項にいう「第1項…の規定による公正取引
777 委員会の処分について不服があるもの」とは,
778 一般の行政処分についての不服申立の場合
779 と同様に,
780 当該処分について不服申立をする法律上の利益がある者,
781 すなわち,
782 当該処分
783 により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそ
784 れがある者をいう,
785 と解すべきである。
786
787 右にいう法律上保護された利益とは,
788 行政法規が
789 私人等権利主体の個人的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課してい
790 ることにより保障されている利益であって,
791 それは,
792 行政法規が他の目的,
793 特に公益の実
794 現を目的として行政権の行使に制約を課している結果たまたま一定の者が受けることとな
795 る反射的利益とは区別されるものである。
796
797
798
799 B
800
801 旧地方鉄道法第21条は,
802 地方鉄道における運賃,
803 料金の定め,
804 変更につき監督官庁の
805 認可を受けさせることとしていたが,
806 同条に基づく認可処分そのものは,
807 本来当該地方鉄
808 道の利用者の契約上の地位に直接影響を及ぼすものではなく,
809 このことは,
810 その利用形態
811 のいかんにより差異を生ずるものではない。
812
813 また,
814 同条の趣旨は,
815 専ら公共の利益を確保
816 することにあるのであって,
817 当該地方鉄道利用者の個別的な権利利益を保護することを目
818 的として認可権の行使に制限を課していると解すべき根拠はない。
819
820
821
822 C
823
824 取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法第9条にいう当該処分の取消しを
825 求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,
826 当該処分により自己の権利若しくは法律
827
828 6
829
830 上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであるが,
831
832 当該処分を定めた行政法規が不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消
833 させるにとどめず,
834 それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものと
835 する趣旨を含むと解される場合には,
836 かかる利益も右にいう法律上保護された利益に当た
837 る。
838
839
840 D
841
842 本件史跡指定解除処分の根拠である県文化財保護条例は,
843 文化財保護法に基づくもので
844 あるが,
845 同法により指定された文化財以外の県内の重要な文化財について,
846 保存及び活用
847 のため必要な措置を講じ,
848 もって県民の文化的向上に資するとともに,
849 我が国文化の進歩
850 に貢献することを目的としている。
851
852 同条例において,
853 県教育委員会は,
854 県内の重要な記念
855 物を県指定史跡等に指定することができ,
856 県指定史跡等がその価値を失った場合その他特
857 殊の理由があるときは,
858 その指定を解除することができることとされている。
859
860 これらの規
861 定並びに同条例及び同法の他の規定中に,
862 県民あるいは国民が史跡等の文化財の保存・活
863 用から受ける利益をそれら個々人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を明記し
864 ているものはなく,
865 また,
866 右各規定の合理的解釈によっても,
867 そのような趣旨を導くこと
868 はできない。
869
870 そうすると,
871 同条例及び同法は,
872 文化財の保存・活用から個々の県民あるい
873 は国民が受ける利益については,
874 本来同条例及び同法がその目的としている公益の中に吸
875 収解消させ,
876 その保護は,
877 専ら右公益の実現を通じて図ることとしているものと解される。
878
879
880
881 ア
882
883 「不当景品類及び不当表示防止法は一般消費者の利益保護を目的としているから,
884 一般
885 消費者の利益は原告適格を基礎付け得る。
886
887 」という主張は,
888 Aの理解として正しい。
889
890
891 [22]
892
893 イ
894
895 「立法者は,
896 原告適格を認めるかどうかをも考慮して諸規定を置いているものとは言い
897 難いのであるから,
898 原告適格が認められる範囲を判定するに当たっては,
899 法律の文言やそ
900 の趣旨解釈に限定されるべきではない。
901
902 」との主張は,
903 Cの根拠となっている。
904
905 [23]
906
907 ウ
908
909 「当該処分によって,
910 結果的に何らかの不利益を受けたということだけで抗告訴訟の原
911 告適格を認めるのは,
912 抗告訴訟が民衆訴訟と化してしまうことに歯止めが掛からない。
913
914 」
915 との主張は,
916 AからDのすべてと矛盾しない。
917
918 [24]
919
920 エ
921
922 「鉄道利用者のうち,
923 定期券利用者であれば,
924 運賃変更に係る監督官庁の認可による契
925 約上の地位に影響があるので,
926 例外的に原告適格が認められる。
927
928 」という主張は,
929 Bと矛
930 盾しない。
931
932 [25]
933
934 オ
935
936 「公益は,
937 最終的には,
938 何人かの個別的な利益とは切り離せないはずである。
939
940 」との指
941 摘は,
942 A,
943 B及びDに対する批判となる。
944
945 [26]
946
947 (参照条文)不当景品類及び不当表示防止法
948 第1条
949
950 この法律は,
951 商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引
952
953 を防止するため,
954 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54
955 号)の特例を定めることにより,
956 公正な競争を確保し,
957 もって一般消費者の利益を保護する
958 ことを目的とする。
959
960
961
962 【正解】
963
964 7
965
966 ア.2(誤)
967
968 〔第7問〕
969
970 イ.2(誤)
971
972 ウ.1(正)
973
974 エ.2(誤)
975
976 オ.1(正)
977
978 次の文章は,
979 昭和63年12月20日の最高裁判所判決の一部分を抜き出したもの
980
981 である。
982
983 この文章を読んで,
984 以下の小問に答えなさい。
985
986
987
988 政党が党員に対してした処分が(A)と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限
989 り,
990 裁判所の審判権は及ばないというべきであり,
991 他方,
992 右処分が一般市民としての権利利
993 益を侵害する場合であっても,
994 右処分の当否は,
995 当該政党の自律的に定めた規範が公序良俗
996 に反するなどの特段の事情がない限り右規範に照らし,
997 右規範を有しないときは条理に基づ
998 き,
999 適正な手続に則ってされたか否かによって決すべきであり,
1000 その審理も右の点に限られ
1001 る。
1002
1003
1004
1005 〈小問1〉
1006
1007 (A)にあてはめるべき言葉を,
1008 以下の語句群の中から選んだ上(解答欄は,[2
1009
1010 7]),
1011 この判決の法理と類似した法理を用いた最高裁判所判決の事例を以下の事例群のうちか
1012 ら二つ選びなさい(解答欄は,
1013 [28] 及び [29] で順不同)。
1014
1015
1016
1017 【語句群】
1018 1.政党活動
1019 5.司法権の範囲
1020
1021 2.党員の政治活動の自由
1022 6.一般市民法秩序
1023
1024 3.裁量権限
1025 7.権利利益
1026
1027 4.司法審査
1028 8.第三者の権利
1029
1030 【事例群】
1031 1
1032
1033 地方議会議員に対する出席停止処分
1034
1035 2
1036
1037 裁判官に対する戒告処分
1038
1039 3
1040
1041 国立大学における単位認定
1042
1043 4
1044
1045 宗教法人の教義にかかわる宗教法人の代表役員の地位確認
1046
1047 5
1048
1049 駐留米軍地に立ち入った者に対する刑事事件
1050
1051 〈小問2〉
1052
1053 次の事例において,
1054 下記の主張1から主張3は,
1055 この判決の法理を用いたもので
1056
1057 あるか。
1058
1059 その法理を用いて主張されている場合には1を,
1060 そうでない場合には2を選びなさ
1061 い(解答欄は,
1062 主張1から3の順に [30] から [32] )。
1063
1064
1065
1066 【事例】
1067 A政党においては,
1068 党員に対する処分を定めた規約がないところ,
1069 党員SがA政党の政策
1070 に反する主張を日刊新聞に公表したため,
1071 Aの党大会において,
1072 Sに一定の処分を加える旨
1073 の決定がされた。
1074
1075
1076 主張1
1077
1078 A政党には処分の手続,
1079 内容を定めた党規約がない以上,
1080 どのような場合にどの
1081 ような処分をするかを定めた規範が存在しないのであるから,
1082 Sを除名処分とする
1083 余地はない。
1084
1085 [30]
1086
1087 主張2
1088
1089 Sは,
1090 先月,
1091 2年の任期を有する党の役員に選ばれたばかりであるにもかかわら
1092 ず,
1093 今回の役職就任禁止処分によってその地位を剥奪されたのであって,
1094 条理上,
1095
1096 このような処分は許されない。
1097
1098 [31]
1099
1100 8
1101
1102 主張3
1103
1104 Sは党首選挙の選挙人資格停止処分を受けたにすぎないのであるから,
1105 裁判でこ
1106 の処分を争う余地はない。
1107
1108 [32]
1109
1110 〈小問3〉
1111
1112 次の事例において,
1113 下記の主張4及び主張5は,
1114 この判決の法理を用いたもので
1115
1116 あるか。
1117
1118 その法理を用いて主張されている場合には1を,
1119 そうでない場合には2を選びなさ
1120 い(解答欄は,
1121 主張4が [33] ,
1122 主張5が [34] )。
1123
1124
1125
1126 【事例】
1127 B政党においては,
1128 党規約において,
1129 「執行役員会議は,
1130 所属する党員に著しい非行があ
1131 ると認めた場合には,
1132 除名処分をすることができる」,
1133 「執行役員会議が党員を除名処分に
1134 する場合には,
1135 当該党員に弁解の機会を与えなければならない。
1136
1137 ただし,
1138 党執行役員の3分
1139 の2の賛成がある場合には,
1140 その限りでない。
1141
1142 」旨などが定められていた。
1143
1144 B党の執行役員
1145 会議は,
1146 3分の2の賛成により,
1147 Tの弁解を聴かないまま,
1148 党員として著しい非行があった
1149 という理由で,
1150 Tを除名処分(以下「本件処分」という。
1151
1152 )にした。
1153
1154
1155 主張4
1156
1157 執行役員の3分の2の多数決だけで,
1158 告知聴聞というTの手続的権利を剥奪する
1159 のは公序良俗に反するというべきであるから,
1160 何らTに弁解の機会を与えることな
1161 くなされた本件処分は,
1162 違法である。
1163
1164 [33]
1165
1166 主張5
1167
1168 本件処分は,
1169 政党が自律的に定めた党規約に従ってされたものであるから,
1170 この
1171 処分が違法となる余地はない。
1172
1173 [34]
1174
1175 【正解】
1176 〈小問1〉
1177
1178 A.6
1179
1180 〈小問2〉
1181
1182 主張1.2(誤)
1183
1184 主張2.2(誤)
1185
1186 〈小問3〉
1187
1188 主張4.1(正)
1189
1190 主張5.2(誤)
1191
1192 〔第8問〕
1193
1194 類似した法理.1と3
1195 主張3.1(正)
1196
1197 次のアからウまでの記述は,
1198 一定の行政処分を求める旨の法令に基づく申請を行政
1199
1200 庁が拒否した場合に,
1201 その処分をすべき旨を命ずることを求める義務付け訴訟に関するもので
1202 ある。
1203
1204 それぞれ,
1205 内容が正しい場合には1を,
1206 誤りである場合には2を選びなさい(解答欄は,
1207
1208 アからウの順に [35] から [37] )。
1209
1210
1211
1212 ア
1213
1214 当該義務付け訴訟は,
1215 その処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり,
1216
1217 かつ,
1218 その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り,
1219 提起することができる。
1220
1221
1222 [35]
1223
1224 イ
1225
1226 当該義務付け訴訟は,
1227 申請者以外の者であっても,
1228 行政庁がその処分をすべき旨を命ず
1229 ることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,
1230 提起することができる。
1231
1232
1233 [36]
1234
1235 ウ
1236
1237 当該義務付け訴訟を提起するに当たっては,
1238 拒否処分についての取消訴訟又は無効確認
1239 訴訟を併合して提起しなければならない。
1240
1241 [37]
1242
1243 【正解】
1244
1245 9
1246
1247 ア.2(誤)
1248
1249 〔第9問〕
1250
1251 イ.2(誤)
1252
1253 ウ.1(正)
1254
1255 次のアからカまでの記述につき,
1256 法令及び最高裁判所の判例に照らし,
1257 内容が正し
1258
1259 い場合には1を,
1260 誤りである場合には2を選びなさい(解答欄は,
1261 アからカの順に [38] か
1262 ら [43] )。
1263
1264
1265
1266 ア
1267
1268 行政処分の取消訴訟の目的たる請求は,
1269 一定の場合,
1270 当該処分に係る事務の帰属する国
1271 又は公共団体に対する損害賠償の請求に変更することができるが,
1272 訴えをもって,
1273 行政処
1274 分の取消しと併せて当該処分に係る事務の帰属する国又は公共団体に対する損害賠償請求
1275 をすることは許されない。
1276
1277 [38]
1278
1279 イ
1280
1281 国家賠償法第2条の営造物の管理者は,
1282 必ずしも当該営造物について所有権等の権原を
1283 有している者に限られるものではないので,
1284 国又は公共団体が事実上の管理をしているに
1285 すぎない場合であっても,
1286 同条の管理者として管理の瑕疵について損害賠償責任を負う。
1287
1288
1289 [39]
1290
1291 ウ
1292
1293 第三者を名宛人とする行政処分の執行停止を求める場合,
1294 名宛人たる第三者に損害を与
1295 えるおそれがあるから,
1296 執行停止決定に当たり,
1297 裁判所の判断により,
1298 立担保が求められ
1299 ることがある。
1300
1301 [40]
1302
1303 エ
1304
1305 住民訴訟は,
1306 住民監査請求に対する監査委員の判断を経ていることを要件としているた
1307 め,
1308 監査委員が住民監査請求を不適法として却下している場合には,
1309 当該住民監査請求の
1310 対象と同一の財務会計行為を対象とする住民訴訟も不適法却下を免れない。
1311
1312 [41]
1313
1314 オ
1315
1316 国会議員の立法行為は,
1317 立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわら
1318 ず国会があえて当該立法を行うといった容易に想定し難いような例外的な場合でない限り,
1319
1320 国家賠償法第1条第1項の規定の適用上,
1321 違法の評価を受けない。
1322
1323 [42]
1324
1325 カ
1326
1327 国家公務員法第100条第1項にいう「秘密」とは,
1328 非公知の事実であって実質的にも
1329 秘密として保護するに値すると認められるものをいうが,
1330 そのすべてが行政機関の保有す
1331 る情報の公開に関する法律上の「不開示情報」に当たるわけではなく,
1332 また,
1333 同法上の「不
1334 開示情報」のすべてが,
1335 ここにいう「秘密」に該当するわけでもない。
1336
1337 [43]
1338
1339 (参照条文)国家公務員法
1340 第100条第1項
1341
1342 職員は,
1343 職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
1344
1345 その職を退
1346
1347 いた後といえども同様とする。
1348
1349
1350
1351 【正解】
1352 ア.2(誤)
1353
1354 イ.1(正)
1355
1356 ウ.2(誤)
1357
1358 エ.2(誤)
1359
1360 オ.1(正)
1361
1362 カ.1(正)
1363
1364 〔第10問〕
1365
1366 以下の各文章について,
1367 それぞれ,
1368 それが正しい場合には1を,
1369 誤っている場合に
1370
1371 は2を選びなさい(解答欄は,
1372 アからカの順に [44] から [49] )。
1373
1374
1375
1376 ア
1377
1378 予算については,
1379 先に衆議院に提出しなければならないなど,
1380 衆議院に優越が認められ
1381
1382 10
1383
1384 ているから,
1385 もし,
1386 参議院において衆議院と異なる議決をした場合には,
1387 参議院は,
1388 衆議
1389 院に対して,
1390 両院協議会の開催を求めることができるとされている。
1391
1392 [44]
1393 イ
1394
1395 内閣は,
1396 行政権の行使について,
1397 国会に対し連帯して責任を負うとされているが,
1398 特定
1399 の国務大臣も,
1400 その所管事項に関しては,
1401 個別の責任を負うというべきであるから,
1402 衆議
1403 院及び参議院のそれぞれにおいて,
1404 特定の国務大臣に対する不信任決議が可決された場合
1405 には,
1406 当該国務大臣は,
1407 辞職をすべき法的義務を負うと一般に理解されている。
1408
1409 [45]
1410
1411 ウ
1412
1413 憲法は,
1414 裁判は,
1415 公開法廷でこれを行う旨を定めているから,
1416 すべての裁判手続は,
1417 裁
1418 判官の全員一致で,
1419 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合を除いて,
1420
1421 公開しなければならないことになっている。
1422
1423 [46]
1424
1425 エ
1426
1427 最高裁判所の判例によれば,
1428 我が国が,
1429 自国の平和と安全を維持し,
1430 その存立を全うす
1431 るために必要な自衛のための措置を採り得ることは,
1432 国家固有の権能の行使として当然の
1433 ことといわなければならない,
1434 とされている。
1435
1436 [47]
1437
1438 オ
1439
1440 最高裁判所の判例は,
1441 法令公布の方法については,
1442 一般的な法令の規定を欠くに至って
1443 いる,
1444 としながら,
1445 法令の公布は官報をもってされるものと解するのが相当であり,
1446 例え
1447 事実上,
1448 法令の内容が一般国民の知り得る状態に置かれ得たとしても,
1449 いまだ法令の公布
1450 があったとすることはできない,
1451 としている。
1452
1453 [48]
1454
1455 カ
1456
1457 憲法第93条は,
1458 地方公共団体に議事機関として議会を設置すべきことを定め,
1459 更に地
1460 方公共団体の長,
1461 議会の議員等についての住民の直接選挙制を定めている。
1462
1463 したがって,
1464
1465 地方自治法上も,
1466 町村において,
1467 議会を置かず,
1468 選挙権を有する者の総会を設けることは
1469 できない。
1470
1471 [49]
1472
1473 【正解】
1474 ア.2(誤)
1475
1476 イ.2(誤)
1477
1478 ウ.2(誤)
1479
1480 カ.2(誤)
1481
1482 11
1483
1484 エ.1(正)
1485
1486 オ.1(正)
1487
1488 [論文式試験問題]
1489 ○
1490
1491 論文式試験問題について
1492 公法系科目において出題する2問のうち,
1493 1問は,
1494 主として憲法分野のテーマから出題し,
1495
1496 可能であれば,
1497 関連する行政法分野の論点についても問うもの,
1498 他の1問は,
1499 主として行政法
1500 分野から出題し,
1501 可能であれば,
1502 関連する憲法分野の論点についても問うものとし,
1503 サンプル
1504 問題では,
1505 主として憲法分野のテーマから出題している問題において,
1506 行政法分野の論点につ
1507 いても問う問題としている。
1508
1509
1510 また,
1511 論文式試験においては,
1512 事例解析能力,
1513 論理的思考力,
1514 法解釈・適用能力等を十分に
1515 判定するため,
1516 多種多様で複合的な事実関係に基づく比較的長文の事例を出題し,
1517 十分な時間
1518 をかけて,
1519 法的に意味のある事柄を取り出させ,
1520 その事実関係にふさわしい解決策等を示させ
1521 たりすることなどにより,
1522 法的な分析,
1523 構成及び論述をさせることを中心とする。
1524
1525 そこで,
1526 サ
1527 ンプル問題では,
1528 その一例として,
1529 主として憲法分野のテーマから出題する問題においては,
1530
1531 事実関係に関する相当数の客観的資料や架空の関連法令等を参照しつつ設問に答えさせるもの
1532 とするとともに,
1533 主として行政法分野のテーマから出題する問題については,
1534 設例を整理した
1535 形で提示することはせず,
1536 弁護士とその依頼者との間の長文の会話や関係資料を読み,
1537 そこか
1538 ら設例を把握した上で,
1539 設問に答えるものとしている。
1540
1541
1542
1543 〔第1問〕
1544
1545 次の事例につき後掲の資料を参照しつつ問いに答えなさい。
1546
1547
1548
1549 「文化のまち」を目指すA市は,
1550 文化振興策の一環として文化事業奨励金条例に基づき,
1551
1552 文化事業を行う団体の代表者に対して文化事業奨励金を交付している。
1553
1554 A市の市民であるX
1555 が主宰する市民劇団「A市芝居集団」は,
1556 25周年記念公演に「A市の<輝かしい>過去と
1557 今」という劇をA市文化会館ホールで上演することを企画したが,
1558 Xは,
1559 市教育委員会教育
1560 総務課長BよりA市の後援を得た上で文化事業奨励金を申請し,
1561 市長Yより交付決定(30
1562 万円)を受けた。
1563
1564 しかし,
1565 その後,
1566 市議会でこの劇を市が後援し奨励するのは不適当ではな
1567 いかといった質問がなされるに至った。
1568
1569 こうした動きを受けて,
1570 Bは,
1571 Xらの劇の内容を検
1572 討した上で,
1573 Xに対し,
1574 「政治的な劇を支援することは市の後援及び文化事業奨励金交付の
1575 趣旨に反する。
1576
1577 殊更にA市市政を批判する劇を市が後援し文化事業奨励金を交付するならば,
1578
1579 市民に市政に関する市の立場を誤解させるおそれがある。
1580
1581 文化事業奨励金の交付を受けた者
1582 が文化事業奨励金を誹謗することは,
1583 市民の文化事業奨励金制度に対する不信感を醸成し,
1584
1585 市の文化振興政策を阻害するおそれがある。
1586
1587 」として,
1588 劇の題名から「A市」を外すととも
1589 に,
1590 劇の脚本も架空の物語であることが明らかになるよう変更し,
1591 さらに,
1592 文化事業奨励金
1593 への誹謗を外すよう求めた。
1594
1595 しかし,
1596 Xは,
1597 「これは,
1598 市当局による検閲である」としてB
1599 の要望を拒否した。
1600
1601 そこで,
1602 BはA市による後援を取り消し,
1603 それを受けてYは,
1604 市の後援
1605 が取り消されたので文化事業奨励金条例第7条第3号に該当するとして,
1606 文化事業奨励金交
1607 付決定を取り消した(この時点では文化事業奨励金の交付がなされていなかった。
1608
1609 )。
1610
1611 ただ
1612 し,
1613 A市文化会館ホールの使用許可が取り消されることはなく,
1614 Xらの劇は予定どおり上演
1615 された。
1616
1617
1618
1619 12
1620
1621 1.A市による後援取消・文化事業奨励金交付決定取消を違憲違法と考えるXが,
1622 どのよう
1623 な訴訟を提起すると考えられるかについて,
1624 簡潔に論じなさい。
1625
1626
1627 2.Xから依頼を受けた弁護士が,
1628 訴訟において,
1629 文化事業奨励交付決定の取消しが違憲で
1630 あるとしてどのような主張を行うと考えられるかについて,
1631 その主張の当否とともに論じ
1632 なさい。
1633
1634
1635
1636 13
1637
1638 資料1
1639
1640 劇団「A市芝居集団」公演「A市の<輝かしい>過去と今」の宣伝ビラ
1641
1642 劇団「A市芝居集団」25周年記念公演
1643
1644 「A市の<輝かしい>過去と今」
1645 輝かしい歴史と文化のまちA市に君臨する「小皇帝」
1646 A市はコネと腐敗のまちか?
1647
1648 文化事業奨励金すら罠なのか?
1649
1650 ギターかかえた風来坊が小皇帝に挑む
1651 虚実ないまぜ!
1652
1653 話題騒然!
1654
1655 抱腹絶倒!
1656 8月19・20日午後6時開演
1657 A市文化会館ホール
1658 前売り400円
1659
1660 当日500円
1661
1662 宣伝ビラ裏面
1663
1664 あらすじ
1665
1666 A市にやってきた風来坊アキラは,
1667 やくざ風の男たちにからまれていたのを助け
1668 たことから,
1669 ミユキと知り合う。
1670
1671 アキラはミユキの家の居候となるが,
1672 次第に,
1673 市
1674 長である小中大(こなか・まさる)が小皇帝として20年もA市に君臨していること
1675 が分かってくる。
1676
1677 輝かしい歴史と文化のまちのはずのA市は,
1678 小中や小中とつるむ
1679 土建業者「大子根組」(おおこねぐみ)とのコネがもの言う腐敗のまちになってし
1680 まっていたのだった。
1681
1682 そして,
1683 文化事業奨励金を始めとする数々の補助金によって
1684 失政がカモフラージュされ,
1685 市民は丸め込まれていた。
1686
1687 こんなA市を何とかしよう
1688 とアキラやミユキたちは,
1689 文化事業奨励金をもらって,
1690 A市の過去と現在を描く風
1691 刺劇の上演を計画した。
1692
1693 いよいよ小中を招待して抱腹絶倒の劇が始まった。
1694
1695 小中の
1696 反応は?A市は変わるのか?
1697
1698 14
1699
1700 資料2
1701
1702 市議会議事録
1703
1704 C議員
1705
1706 「私,
1707 最近,
1708 『A市芝居集団』という市民劇団の劇である『A市の<輝かしい>過
1709 去と今』の宣伝ビラを読みまして大変驚きました。
1710
1711 この劇は,
1712 このビラから判断しま
1713 すと,
1714 市長さらには市政を誹謗し揶揄するもののようなのですが,
1715 そのような劇を市
1716 が後援しており,
1717 しかも市の文化事業奨励金が交付されていると知り,
1718 二度驚いたわ
1719 けです。
1720
1721 この劇は市長に対する名誉毀損に当たるようにも思えますが,
1722 そんな劇を市
1723 が後援し助成することはいかがなものでしょう。
1724
1725 あるいは,
1726 表現の自由がありますか
1727 ら,
1728 市長批判,
1729 市政批判の劇を行うことは自由なんでしょう。
1730
1731 しかし,
1732 市政を誹謗し
1733 揶揄する劇を市が資金的に援助するなどというのは,
1734 文化事業奨励金の趣旨からして
1735 不適当ではないかと思うわけであります。
1736
1737 この件につきましての市長のお考えを是非
1738 伺いたい。
1739
1740 」
1741
1742 市
1743
1744 長
1745
1746 「市民の催し物への後援でございますが,
1747 後援名義等の使用承認に関する事務取扱
1748 要領に基づき当市の施策の推進に寄与すると認められるものに対して後援をしている
1749 ところでございます。
1750
1751 議員ご指摘の演劇につきましても,
1752 本市において長い活動実績
1753 のある劇団の25周年記念公演であるところから,
1754 文化の振興という市の政策にかな
1755 うと考え後援を行うこととしたものであります。
1756
1757 また,
1758 提出されました奨励金交付申
1759 請書に基づきまして,
1760 文化事業奨励金条例の定める要件を満たしているとの判断に至
1761 り,
1762 文化事業奨励金の交付決定を行ったわけでございます。
1763
1764 ただ,
1765 議員より大変重要
1766 なご指摘がありましたので,
1767 劇が市政批判という政治的な内容を持つものであること
1768 からして市の後援,
1769 文化事業奨励金交付にふさわしいものであったか否か,
1770 表現の自
1771 由との関係も踏まえつつ,
1772 再度検討いたしまして,
1773 必要であれば対応策を考えたいと
1774 思っております。
1775
1776 」
1777
1778 15
1779
1780 資料3
1781
1782 A市文化事業奨励金条例
1783
1784 (趣旨)
1785 第1条
1786
1787 この条例は,
1788 市民の文化の向上を図るため,
1789 文化事業を行う団体(以下「文化団体」
1790
1791 という。
1792
1793 )に対して行う奨励金の交付に関し,
1794 必要な事項を定めるものとする。
1795
1796
1797 (交付対象)
1798 第2条
1799
1800 奨励金の交付の対象となる文化事業は,
1801 次の各号に掲げる要件を備え,
1802 かつ,
1803 市長が
1804
1805 適当と認めるものとする。
1806
1807
1808 一
1809
1810 文化団体が主催し,
1811 本市が後援するものであること。
1812
1813
1814
1815 二
1816
1817 芸術的価値の高いもの又は慰楽として意義のあるものであること。
1818
1819
1820
1821 三
1822
1823 不特定又は多数の者に,
1824 無料又は低廉な対価により公開するものであること。
1825
1826
1827
1828 (奨励金の額)
1829 第3条
1830
1831 奨励金の額は,
1832 予算の範囲内において市長が定める額とする。
1833
1834
1835
1836 (申請)
1837 第4条
1838
1839 奨励金の交付を受けようとする文化団体の代表者は,
1840 文化事業奨励金交付申請書(別
1841
1842 記様式)を市長に提出しなければならない。
1843
1844
1845 (奨励金の交付決定等)
1846 第5条
1847
1848 市長は,
1849 前条の規定による申請があったときは,
1850 これを審査し,
1851 奨励金を交付するこ
1852
1853 とを適当と認めたものについて奨励金の交付額を決定し,
1854 その旨を当該文化団体代表者に通
1855 知するものとする。
1856
1857
1858 2
1859
1860 奨励金は,
1861 前項の文化団体代表者の請求に基づき交付する。
1862
1863
1864 (事業終了の報告)
1865
1866 第6条
1867
1868 奨励金の交付を受けた文化団体代表者は,
1869 奨励金の交付の対象となった文化事業が終
1870
1871 了したときは,
1872 速やかに市長にその旨を報告しなければならない。
1873
1874
1875 (取消し,
1876 返還等)
1877 第7条
1878
1879 市長は,
1880 奨励金の交付決定又は交付を受けた文化団体代表者ないしその者が代表者を
1881
1882 務める文化団体が次の各号の一に該当するときは,
1883 奨励金の交付決定を取り消し,
1884 若しくは
1885 交付額を変更し,
1886 又は既に交付した奨励金の全部若しくは一部の返還を命ずることがある。
1887
1888
1889 一
1890
1891 不正な行為により奨励金の交付を受けようとし,
1892 又は受けたとき。
1893
1894
1895
1896 二
1897
1898 奨励金の交付対象となった文化事業を変更し,
1899 又は中止したとき。
1900
1901
1902
1903 三
1904
1905 奨励金の交付対象となった文化事業が第2条の各号が掲げる要件を欠くに至ったとき。
1906
1907
1908
1909 四
1910
1911 その他この条例の規定又は市長の指示に違反したとき。
1912
1913
1914
1915 (報告等)
1916 第8条
1917
1918 市長は,
1919 奨励金の交付を受けた文化団体代表者に対して,
1920 その事業の実施に関し,
1921 報
1922
1923 告を求め,
1924 又は検査し,
1925 若しくは指示を与えることがある。
1926
1927
1928 附則
1929 (施行期日)
1930 1
1931
1932 この条例は,
1933 公布の日から施行する。
1934
1935
1936
1937 16
1938
1939 資料4
1940
1941 近年のA市文化事業奨励金交付の交付状況
1942
1943 申請数
1944
1945 交付数
1946
1947 一昨年
1948
1949 4
1950
1951 4
1952
1953 50万円
1954
1955 昨
1956
1957 年
1958
1959 6
1960
1961 5
1962
1963 30万〜50万円
1964
1965 本
1966
1967 年
1968
1969 8
1970
1971 6
1972
1973 30万〜40万円
1974
1975 資料5
1976
1977 1件あたりの奨励金額
1978
1979 A市の後援名義等の使用承認に関する事務取扱要領
1980
1981 国,
1982 地方公共団体,
1983 民間団体,
1984 民間企業等が主催する博覧会,
1985 展示会,
1986 講演会,
1987 記念式等
1988 の行事について,
1989 主催者から後援,
1990 共催,
1991 協賛等の名義(以下「後援名義等」という。
1992
1993 )の
1994 使用の依頼があった場合は,
1995 下記により取り扱うものとする。
1996
1997
1998 記
1999 第1
2000
2001 後援,
2002 協賛又は共催の名義の使い分けについて
2003
2004 1
2005
2006 「後援」と「協賛」の区分については,
2007 原則として「後援」名義の使用を承認するが,
2008
2009 特に主催者の要望があるときは,
2010 「協賛」名義等の使用を承認することができる。
2011
2012
2013
2014 2
2015
2016 「協賛」名義等の使用については,
2017 原則として「協賛」名義の使用を承認するものと
2018 し,
2019 「協賛」名義を除く「協賛」名義等の使用は,
2020 既にその承認の実績がある等のやむ
2021 を得ない事情がある場合に限って承認するものとする。
2022
2023
2024
2025 3
2026
2027 「後援」はA市が当該行事を外部的に支援するものであるのに対し,
2028 「共催」はA市
2029 が主体的に実施すべき行事を他の団体等と共同して実施するものであるから,
2030 いずれの
2031 名義を使用するかについては,
2032 十分検討して承認すること。
2033
2034
2035
2036 第2
2037
2038 後援名義等の使用承認基準等について
2039
2040 1
2041
2042 A市が後援名義等の使用を承認することのできる行事は,
2043 後援名義等の使用がA市の
2044 施策の推進に寄与すると認められるものとし,
2045 次の各号のいずれかに該当するときは,
2046
2047 後援名義等の使用を承認しないものとする。
2048
2049
2050
2051 (1)
2052
2053 行事が公序良俗に反するものその他社会的な非難を受けるおそれのあるものである
2054 とき。
2055
2056
2057
2058 (2)
2059
2060 行事が宗教的色彩を有しているとき。
2061
2062
2063
2064 (3)
2065
2066 行事が公職選挙候補者の紹介を目的としているとき。
2067
2068
2069
2070 (4)
2071
2072 行事が私的な利益を目的としているとき。
2073
2074
2075
2076 2
2077
2078 後援名義等の使用承認に当たっては,
2079 行事の実施状況の把握等に必要な条件を付する
2080 ものとする。
2081
2082
2083
2084 3
2085
2086 部局長は,
2087 前2項に定めるもののほか,
2088 各部の事務事業の実情を勘案した具体的基準
2089 等を必要に応じて定めるものとする。
2090
2091
2092
2093 4
2094
2095 課長は,
2096 後援名義等の使用を承認した行事について,
2097 A市の施策の推進を妨げる,
2098 あ
2099 るいは,
2100 第1項各号のいずれかに該当する,
2101 と判断するに至った場合には,
2102 後援名義等
2103 の使用の承認を取り消すものとする。
2104
2105
2106
2107 第3
2108
2109 後援名義等の使用承認手続について
2110
2111 17
2112
2113 後援名義等の使用承認は課長が行うものとし,
2114 次の各号に掲げる区分に応じ,
2115 当該各
2116 号に掲げる者に協議するものとする。
2117
2118
2119 (1)
2120
2121 当該年度,
2122 前年度又は前々年度に後援名義等の使用承認の実績のない行事に係る使
2123 用承認
2124
2125 (2)
2126 第4
2127
2128 総務部文書課長及び各部庶務主管課長
2129
2130 前号に掲げる行事以外の行事に係る使用承認
2131
2132 各部庶務主管課長
2133
2134 後援名義等の使用承認の実績報告について
2135 課長は,
2136 後援名義等の使用承認について,
2137 その承認の都度,
2138 別紙様式2の後援名義等
2139 使用承認名簿に記録してその実績を把握するとともに,
2140 各年度終了後20日以内に別紙
2141 様式1の後援名義等使用承認報告書に当該後援名義等使用承認名簿を添えて総務部長に
2142 報告すること。
2143
2144
2145
2146 第5
2147
2148 後援名義等の使用承認の通知について
2149 後援名義等の使用承認の通知は,
2150 別記1及び2に定める例により,
2151 必要に応じ所要の
2152 補正を加えるものとする。
2153
2154 ただし,
2155 これにより難いものについては,
2156 この限りでない。
2157
2158
2159
2160 18
2161
2162 資料6
2163
2164 Xの提出した文化事業奨励金交付申請書
2165
2166 (あて先)
2167
2168 A市長Y殿
2169
2170 200X年6月10日
2171
2172 申請者の住所・氏名
2173
2174 申請者が代表する文化団体名
2175
2176 A市***町1丁目2番地3号
2177
2178 A市芝居集団
2179
2180 X
2181
2182 A市文化事業奨励金条例第4条の規定により奨励金の交付を申請します。
2183
2184
2185
2186 事業名
2187 A市芝居集団25周年記念公演「A市の<輝かしい>過去と今」
2188
2189 事業の目的・内容
2190 劇団員の技量の向上,
2191 市民への文化的機会の提供を目的に,
2192 これまでの25年間
2193 にわたる演劇活動の集大成となる劇を上演する。
2194
2195 本劇は,
2196 A市を訪れた風来坊が
2197 くりひろげるドタバタ喜劇であるが,
2198 A市の過去と今を素材にしており,
2199 観劇し
2200 たA市市民がただ楽しむだけでなく,
2201 市民としての誇り,
2202 自覚を再認識してもら
2203 う契機となることを狙いとしている。
2204
2205
2206
2207 事業実施日
2208 200X年8月19日〜200X年8月20日
2209
2210 場所
2211 A市文化会館ホール
2212
2213 事業の経費
2214 80万円(文化会館ホール使用料*万円,
2215 舞台セット*万円,
2216 衣装*万円)
2217
2218 申請理由
2219 2日間にわたる記念公演を市民に低廉な対価で提供するために,
2220 文化事業奨励
2221 金の交付を受けたい。
2222
2223
2224
2225 19
2226
2227 資料7
2228
2229 後援取消通知
2230
2231 A市芝居集団代表X殿
2232
2233 A市芝居集団25周年記念公演「A市の<輝かしい>過去と今」については,
2234 A市の文化振
2235 興政策の推進を妨げるものであるとの判断に至りましたので,
2236 同公演に対するA市の後援を
2237 取り消します。
2238
2239
2240
2241 200X年7月30日
2242 A市教育委員会教育総務課長B
2243
2244 【出題趣旨】
2245 演劇公演に対する市の後援及び文化事業奨励金交付決定の取消しという設例をもとに,
2246 救
2247 済の方法についての理解を確認した上で,
2248 表 現 の 自 由 の 保 障 と 公 権 力 に よ る 助 成 と の 関 係
2249 (表現の自由は公権力により規制を受けないことの保障にとどまるのか,
2250 公権力は表現活動
2251 につき自由に助成を与え,
2252 助成を拒否することができるのか,
2253 取り分け表現内容を理由とす
2254 る助成の拒否は許されるのか等)等を問うものである。
2255
2256
2257
2258 20
2259
2260 〔第2問〕
2261
2262 別紙の「甲弁護士と関係者の会話」及び関係資料を読んで,
2263 次の問いに答えなさい。
2264
2265
2266
2267 1.別紙にいうB社が申請不許可処分の取消訴訟を提起するとした場合,
2268 B社から依頼を受
2269 けた甲弁護士としては,
2270 証拠に照らして廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第4
2271 条第1項第7号チ所定の要件を満たしているという主張以外に,
2272 不許可処分の違法事由と
2273 してどのような主張をすることが適切であると考えられるかを検討しなさい。
2274
2275 それぞれの
2276 主張について法律上どのような問題点があるかも述べなさい。
2277
2278
2279 2.1の取消訴訟において,
2280 被告が,
2281 新たに「気象条件によっては,
2282 近隣市町村であるG町
2283 において大気汚染を生じ,
2284 生活環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるのに,
2285 周辺地域の
2286 生活環境の保全について適正な配慮がされていない(廃棄物の処理及び清掃に関する法律
2287 第15条の2第1項第2号の要件を満たしていない)」ことを不許可の理由として主張し
2288 た場合,
2289 裁判所としてこの主張を取り上げるべきか否かについて検討しなさい。
2290
2291
2292
2293 21
2294
2295 別紙
2296
2297 甲弁護士と関係者の会話
2298
2299 場
2300
2301 所
2302
2303 :
2304
2305 甲法律事務所第1会議室
2306
2307 日
2308
2309 時
2310
2311 :
2312
2313 平成○年12月24日午後4時から午後7時30分まで
2314
2315 出席者
2316
2317 :
2318
2319 B産業株式会社(以下「B社」という。
2320
2321 )の代表取締役社長であるB氏,
2322 D株
2323 式会社(以下「D社」という。
2324
2325 )の従業員であるD氏,
2326 甲弁護士,
2327 乙弁護士
2328
2329 甲
2330
2331 「・・・それでは本題に入りましょう。
2332
2333 お電話でお話しした時系列は作ってきてく
2334 ださいましたか。
2335
2336 それに基づいて説明してください。
2337
2338 なお,
2339 本日は,
2340 当事務所の乙弁
2341 護士にも同席してもらいます。
2342
2343 乙弁護士は,
2344 10月から当事務所の一員となった新進
2345 気鋭の弁護士で,
2346 私と一緒に本件を担当いたしますので,
2347 よろしくお願いします。
2348
2349 」
2350
2351 乙
2352
2353 「弁護士の乙です。
2354
2355 どうぞよろしくお願いします。
2356
2357 」
2358
2359 B,
2360 D
2361
2362 「よろしくお願いします。
2363
2364 」
2365
2366 甲
2367
2368 「乙弁護士には概要を伝えてあるだけですので,
2369 最初からお願いします。
2370
2371 」
2372
2373 B
2374
2375 「はい。
2376
2377 これが時系列です(資料1)。
2378
2379 目ぼしいものだけですが,
2380 書いてみました。
2381
2382
2383 細かな日付は手帳で確認したものです。
2384
2385 B社は,
2386 私が脱サラをして,
2387 昨年秋に設立し
2388 た産業廃棄物の収集,
2389 運搬,
2390 処理と処分等を目的とする株式会社です。
2391
2392 私が代表取締
2393 役社長を務めています。
2394
2395 施設ができていませんし,
2396 まだ産業廃棄物の収集,
2397 運搬,
2398 処
2399 理業の許可を受けていませんから,
2400 B社は現在事業を行っておりません。
2401
2402 私は,
2403 A市
2404 C地区の土地を以前から所有しているのですが,
2405 昨年の夏ころに,
2406 隣地を所有してい
2407 る幼馴染みの友人から土地を買ってくれないかという話がありました。
2408
2409 彼は,
2410 資金繰
2411 りに困っているとのことで,
2412 彼の土地を含めて約7,
2413 000平方メートルの土地に,
2414
2415 産廃,
2416 主に廃プラスチック類の焼却施設を作る計画を立てました。
2417
2418 ただ,
2419 私にはノウ
2420 ハウが乏しいので,
2421 環境プラントなどの施工販売や環境コンサルタントをしているD
2422 社に申請手続などのアドバイスをお願いし,
2423 本件についてはDさんが担当してくださ
2424 っていました。
2425
2426 Dさんと私がA市役所に行ったのは今年2月初旬のことです。
2427
2428 A市環
2429 境事業部業務第1課生活環境部廃棄物対策室で,
2430 本件の設置計画の説明をし,
2431 申請に
2432 当たっての手続についていろいろと説明を受けました。
2433
2434 」
2435
2436 甲
2437
2438 「乙弁護士に関係法令を調査してもらっています。
2439
2440 乙君,
2441 本件の処分行政庁はどう
2442 なるかな。
2443
2444 」
2445
2446 乙
2447
2448 「はい。
2449
2450 参照条文を準備しておきました(資料2)。
2451
2452 A市は,
2453 保健所を設置する市
2454 ですので,
2455 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「法」という。
2456
2457 )第15条第1
2458 項,
2459 第8条第1項で,
2460 産業廃棄物設置の許可権者はA市長になります。
2461
2462 」
2463
2464 甲
2465
2466 「なるほど。
2467
2468 Bさん,
2469 続けてください。
2470
2471 」
2472
2473 B
2474
2475 「はい。
2476
2477 その後,
2478 D社に対し,
2479 本件土地上でB社が経営する予定の産業廃棄物処理
2480 施設の許可申請,
2481 設計施工,
2482 完成後の運転指導などを正式に依頼しました。
2483
2484 そして,
2485
2486 A市の担当者に対し,
2487 4月中旬ころ,
2488 産業廃棄物処理施設設置に伴う生活環境影響調
2489 査計画書(案)を作ってDさんと持っていきました。
2490
2491 このときはE主任の上司の対策
2492 室長も同席していました。
2493
2494 私たちとしても,
2495 後から調査をやり直すのは嫌なので,
2496 調
2497 査計画書案記載の調査で足りるかどうか,
2498 足りないとしたらどのような調査が必要な
2499
2500 22
2501
2502 のか教えてほしいと依頼して,
2503 了承されました。
2504
2505 4月末ころですが,
2506 A市内部でA市
2507 の幹部クラスによる政策調整会議というものが開かれたとのことで,
2508 そこでは,
2509 この
2510 設置許可申請を進めることを認める決定がされた,
2511 と私の方に連絡がありました。
2512
2513 」
2514 D
2515
2516 「私は,
2517 5月上旬に,
2518 E主任に申請書類の作成方法について相談に行ったときに,
2519
2520 口頭でも同様の説明を受けました。
2521
2522 」
2523
2524 甲
2525
2526 「調査についてはどのように言っていたのですか。
2527
2528 」
2529
2530 B
2531
2532 「はい。
2533
2534 特に行政指導はなかったので,
2535 手帳によりますと6月22日に,
2536 Dさんと
2537 一緒に計画案を再度持参して,
2538 E主任に指導をお願いしました。
2539
2540 ちょっと専門的なの
2541 で,
2542 Dさんから説明してくださいますか。
2543
2544 」
2545
2546 D
2547
2548 「はい。
2549
2550 調査の方法については,
2551 調査コストの問題もありますので,
2552 当初,
2553 大気汚
2554 染予測については現地で1週間の気象観測をする予定だったのですが,
2555 これについて,
2556
2557 E主任から指摘がありました。
2558
2559 つまり,
2560 本件土地は山間部谷筋に位置する特殊な地域
2561 なので,
2562 1週間の観測結果では,
2563 地方気象台の風向風速データとは異なるものと考え
2564 られる。
2565
2566 したがって,
2567 同気象台の風向風速の年間データを利用して大気汚染予測をし
2568 ても,
2569 予測結果の精度に問題が生ずるから,
2570 本件土地における気象観測を1か月程度
2571 行い,
2572 その観測結果から予測計算を行うという方法によって,
2573 現地調査の実施を進め
2574 られたい,
2575 というものでした。
2576
2577 そこで,
2578 調査案を再検討することにしまして,
2579 Bさん
2580 と協議の上,
2581 行政指導に従う形で調査案を修正し,
2582 7月2日に,
2583 E主任に会い,
2584 調査
2585 実施内容の変更に関して説明をし,
2586 了承を得ました。
2587
2588 」
2589
2590 B
2591
2592 「そういうお話でしたので,
2593 行政指導に従って,
2594 調査をやることにしてくださいと
2595 Dさんに申し上げて,
2596 調査をしてもらったのです。
2597
2598 その後,
2599 E主任に申請書類や記載
2600 内容等について相談をしました。
2601
2602 そして,
2603 8月4日に,
2604 許可申請書と生活環境影響調
2605 査報告書などの添付書類をA市に提出しました。
2606
2607 ただ,
2608 A市としては,
2609 規模が大きい
2610 ので一時預かりとして,
2611 許可申請書の記載漏れ,
2612 添付書類の不備や申請内容に問題が
2613 ないかを審査するとのことでした。
2614
2615 結局,
2616 2日後の6日に,
2617 本件許可申請に形式面,
2618
2619 内容面とも特段の問題点はないということで,
2620 正式に受理してくれました。
2621
2622 」
2623
2624 甲
2625
2626 「それからどうなりましたか。
2627
2628 」
2629
2630 B
2631
2632 「はい。
2633
2634 その後,
2635 音沙汰がないので,
2636 8月下旬ころに,
2637 E主任に電話で確認したと
2638 ころ,
2639 『今,
2640 許可処分が相当であるとして,
2641 上司に決裁を求めている。
2642
2643 』とのことで
2644 した。
2645
2646 今から思うと見切り発車だったのですが,
2647 友人を待たせるわけにもいかなかっ
2648 たので,
2649 私としては,
2650 もうこの段階で不許可にはならないだろうと思って,
2651 友人から
2652 約4,
2653 000平方メートルの土地を1,
2654 200万円で購入し,
2655 登記も移転しました。
2656
2657
2658 ただ,
2659 告示・縦覧の手続が済んでいないということで,
2660 この手続に入ることになりま
2661 した。
2662
2663 A市としては,
2664 8月27日に本件許可申請の告示をし,
2665 申請書と生活環境影響
2666 調査報告書が縦覧できるようになりました。
2667
2668 」
2669
2670 乙
2671
2672 「法第15条第4項の手続ですね。
2673
2674 法第15条の2第3項で,
2675 専門委員の意見も聞
2676 くはずですが。
2677
2678 」
2679
2680 B
2681
2682 「そのとおりです。
2683
2684 A大学工学部のF教授が専門委員として,
2685 意見を求められまし
2686 た。
2687
2688 そのころなのですが,
2689 告示された関係で,
2690 新聞報道がされ,
2691 住民の反対運動が起
2692 こったのです。
2693
2694 反対運動を受けてA市からは周辺住民の理解を得るようにという行政
2695
2696 23
2697
2698 指導があり,
2699 B社では,
2700 土地の近隣住民に対して9月初旬から10回以上,
2701 地元説明
2702 会を開きました。
2703
2704 ですが,
2705 反対されるだけで何の進展もありませんでした。
2706
2707 」
2708 D
2709
2710 「10月15日付けで,
2711 F教授から意見書が出されました。
2712
2713 意見書には細かな指摘
2714 が多数ありましたが,
2715 E主任が気にしていたのは,
2716 大気汚染の関係でして,
2717 環境の現
2718 況把握のためには1か月ではなく1年間の調査が必要であるという指摘と施設供用後
2719 の道路沿道大気質評価結果が,
2720 環境基準との対比において不適となっているという点
2721 でした。
2722
2723 」
2724
2725 甲
2726
2727 「反対運動の方はどうなりましたか。
2728
2729 私も新聞などで反対運動が起こったことは知
2730 っていましたが。
2731
2732 」
2733
2734 B
2735
2736 「それが,
2737 反対運動がどんどん盛り上がってしまい,
2738 今月初旬には,
2739 A市議会では
2740 建設反対の決議が採択されてしまいました。
2741
2742 」
2743
2744 甲
2745
2746 「A市とのやり取りはどうですか。
2747
2748 」
2749
2750 D
2751
2752 「私が説明しましょう。
2753
2754 10月22日と11月5日,
2755 Bさんと二人でE主任に面談
2756 し,
2757 1か月間の気象調査の結果が,
2758 1年間を代表している根拠を説明しました。
2759
2760 本件
2761 土地が特殊地形だということで,
2762 山谷部の地形を考慮した風の流れを考慮して気象予
2763 測を行わなければならないとの指摘については,
2764 一昨年度の気象データを10月末に
2765 入手したので,
2766 C地区測定局の年間気象集計,
2767 同局の年間,
2768 季節別大気安定度集計,
2769
2770 本件土地の気象集計,
2771 本件土地の大気安定度集計の諸点について,
2772 検討を行っており,
2773
2774 これらの比較から,
2775 谷部における風向,
2776 風速の状況の比較検討を行う予定だと回答し
2777 ました。
2778
2779 また,
2780 運搬車両の通行に伴う浮遊粒子状物質については,
2781 環境基準を超過し
2782 ていたという点ですが,
2783 その要因としては,
2784 もともとこの地域における濃度が高いこ
2785 と,
2786 現地調査段階では,
2787 本件土地が未整備であり,
2788 粉塵等が飛散しやすい状況にあっ
2789 たこと,
2790 将来的に本件各施設の設置に伴う整備が進めば,
2791 これらの粉塵等の飛散は抑
2792 えられ,
2793 濃度は低下することが予想されると回答しました。
2794
2795 しかし,
2796 結局,
2797 12月1
2798 7日に不許可処分が出されたのです。
2799
2800 その前日にA市内部で政策調整会議が開かれて,
2801
2802 許可申請を不許可処分とする決定がされたとのことでした。
2803
2804 」
2805
2806 甲
2807
2808 「乙君,
2809 審査請求前置とかは大丈夫かな。
2810
2811 」
2812
2813 乙
2814
2815 「はい,
2816 そのような規定は法にはありません。
2817
2818 」
2819
2820 甲
2821
2822 「不許可になった理由はどういうものか,
2823 お分かりですか。
2824
2825 」
2826
2827 D
2828
2829 「はい。
2830
2831 通知書には,
2832 不許可の理由としては次のように書かれていました。
2833
2834 廃棄物
2835 の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「規則」という。
2836
2837 )第4条第1項第7号
2838 チ所定の煤塵を焼却灰と分離して排出し,
2839 貯留することができる灰出し設備及び貯留
2840 設備が設けられていない,
2841 というものです。
2842
2843 これは,
2844 行政指導の中では一度も触れら
2845 れたことのないもので,
2846 全くびっくりしました。
2847
2848 」
2849
2850 乙
2851
2852 「これは実際にはどうなのですか。
2853
2854 基準を満たしているのでしょうか。
2855
2856 」
2857
2858 D
2859
2860 「実は,
2861 私は,
2862 3年前に,
2863 A市で同じような産業廃棄物処理施設を作るのをコンサ
2864 ルタントとして手伝ったことがあります。
2865
2866 そのときは,
2867 メーカーは違いますが,
2868 同じ
2869 仕様のもので,
2870 規則第4条第1項第7号チの要件を満たすものとして許可されたので
2871 す。
2872
2873 なぜ,
2874 こんなことを急に言われるのか,
2875 全く理解できません。
2876
2877 それに,
2878 こちらと
2879 してはA市の行政指導に従ってずっと作業をしてきたのです。
2880
2881 」
2882
2883 24
2884
2885 乙
2886
2887 「A市の窓口では,
2888 産業廃棄物処理施設の許可についての審査基準は公にされてい
2889 ませんでしたか。
2890
2891 」
2892
2893 D
2894
2895 「そういうものはありませんでした。
2896
2897 もちろん規則に定められている技術上の基準
2898 は見ていましたが,
2899 規則第4条第1項第7号チ所定の設備としてどんなものが要求さ
2900 れるのかまでは分かりませんでした。
2901
2902 ですから,
2903 3年前に作ったものと同じ仕様にし
2904 ておけば間違いないだろうと思ったのです。
2905
2906 それに,
2907 この点について,
2908 E主任からは
2909 何も指摘されませんでした。
2910
2911 相談に行ったときに,
2912 これでは駄目だと言ってもらえれ
2913 ば,
2914 変更することは可能だったのです。
2915
2916 3年前の件では反対運動がなかったのですが,
2917
2918 今回は途中から反対運動が盛り上がってしまったので,
2919 慌てて粗探しをしたのではな
2920 いかと思えてならないのです。
2921
2922 もっとも,
2923 E主任によれば,
2924 この仕様のものについて
2925 は,
2926 他県の実例から周辺環境に悪影響を与えるおそれがあるとの報告があったとのこ
2927 とでしたが。
2928
2929 」
2930
2931 B
2932
2933 「私たちは,
2934 A市を信頼してここまで準備してきたわけですから,
2935 このまま泣き寝
2936 入りするというわけにはいきません。
2937
2938 」
2939
2940 甲
2941
2942 「そうですね。
2943
2944 細かなことはまだまだ伺わなければいけませんが,
2945 大筋どうするか
2946 決める必要がありますね。
2947
2948 乙君,
2949 どうだろうか。
2950
2951 」
2952
2953 ……
2954
2955 25
2956
2957 資料1
2958
2959 依頼者B作成の時系列表
2960
2961 平成○年
2962 2月初旬
2963
2964 B→A市(担当者E):本件設置計画の説明,
2965 申請手続の説明を受ける。
2966
2967
2968
2969 4.19
2970
2971 B,
2972 D→A市(担当者E):生活環境影響調査計画書(案)交付。
2973
2974 行政指導
2975 を依頼。
2976
2977
2978
2979 4月末
2980
2981 A市において政策調整会議,
2982 許容の決定,
2983 Bに通知。
2984
2985 B→D社:手続依頼。
2986
2987
2988
2989 6.22
2990
2991 A市(担当者E)→B,
2992 D:1か月間のデータが必要と指導。
2993
2994
2995
2996 7.2
2997
2998 B,
2999 D→A市(担当者E):調査内容の変更の説明,
3000 Eは了承。
3001
3002
3003
3004 8.4
3005
3006 B社→A市:施設設置許可申請書提出。
3007
3008
3009
3010 8.6
3011
3012 正式受理
3013
3014 8.27
3015
3016 告示
3017
3018 8.28
3019
3020 本件計画につき新聞報道→反対運動の展開。
3021
3022
3023
3024 9月
3025
3026 住民説明会(以後,
3027 10回以上)
3028
3029 10.15
3030
3031 F→A市:意見書提出。
3032
3033
3034
3035 10.22
3036
3037 B,
3038 D→Eと協議,
3039 説明。
3040
3041
3042
3043 11.5
3044
3045 B,
3046 D→Eと協議,
3047 説明。
3048
3049
3050
3051 12.6
3052
3053 A市議会:建設反対決議の採択。
3054
3055
3056
3057 12.17
3058
3059 A市長→B社:不許可処分通知。
3060
3061
3062
3063 資料2
3064
3065 乙弁護士作成の参照条文
3066
3067 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
3068 (一般廃棄物処理施設の許可)
3069 第8条
3070
3071 一般廃棄物処理施設…を設置しようとする者…は,
3072 当該一般廃棄物処理施設を設置し
3073
3074 ようとする地を管轄する都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては,
3075 市長又
3076 は区長とする。
3077
3078 第20条の2第1項を除き,
3079 以下同じ。
3080
3081 )の許可を受けなければならない。
3082
3083
3084 2
3085
3086 ・・・
3087
3088 ・・・
3089 (許可の基準等)
3090 第8条の2
3091
3092 都道府県知事は,
3093 前条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合している
3094
3095 と認めるときでなければ,
3096 同項の許可をしてはならない。
3097
3098
3099 一
3100
3101 その一般廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合し
3102 ていること。
3103
3104
3105
3106 ・・・
3107 2
3108
3109 ・・・
3110
3111 ・・・
3112 (産業廃棄物処理業)
3113 第14条
3114
3115 産業廃棄物…の収集又は運搬を業として行おうとする者は,
3116 当該業を行おうとする
3117
3118 26
3119
3120 区域…を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
3121
3122 ・・・
3123 ・・・
3124 5
3125
3126 都道府県知事は,
3127 第1項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ,
3128
3129 同項の許可をしてはならない。
3130
3131
3132 一
3133
3134 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に,
3135 かつ,
3136 継続して行う
3137 に足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
3138
3139
3140
3141 二
3142
3143 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
3144
3145
3146 イ
3147
3148 第7条第5項第4号イからトまでのいずれかに該当する者
3149
3150 ロ
3151
3152 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法 律 第 2 条 第 6 号 に 規 定 す る 暴 力 団 員
3153 (以下この号において「暴力団員」という。
3154
3155 )又は暴力団員でなくなつた日から5年を
3156 経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。
3157
3158 )
3159
3160 ハ
3161
3162 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのい
3163 ずれかに該当するもの
3164
3165 ニ
3166
3167 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者の
3168 あるもの
3169
3170 ホ
3171
3172 法人で暴力団員等がその事業活動を支配するもの
3173
3174 ヘ
3175
3176 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
3177
3178 ・・・
3179 (産業廃棄物処理施設)
3180 第15条
3181
3182 産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,
3183 産業廃棄物の最終処分場その他
3184
3185 の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。
3186
3187 以下同じ。
3188
3189 )を設置しようとする者は,
3190
3191 当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなけれ
3192 ばならない。
3193
3194
3195 2
3196
3197 前項の許可を受けようとする者は,
3198 環境省令で定めるところにより,
3199 次に掲げる事項を記
3200 載した申請書を提出しなければならない。
3201
3202
3203 一
3204
3205 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては,
3206 その代表者の氏名
3207
3208 二
3209
3210 産業廃棄物処理施設の設置の場所
3211
3212 三
3213
3214 産業廃棄物処理施設の種類
3215
3216 四
3217
3218 産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
3219
3220 五
3221
3222 産業廃棄物処理施設の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては,
3223 産業
3224 廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)
3225
3226 3
3227
3228 六
3229
3230 産業廃棄物処理施設の位置,
3231 構造等の設置に関する計画
3232
3233 七
3234
3235 産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画
3236
3237 八
3238
3239 産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては,
3240 災害防止のための計画
3241
3242 九
3243
3244 その他環境省令で定める事項
3245 前項の申請書には,
3246 環境省令で定めるところにより,
3247 当該産業廃棄物処理施設を設置する
3248
3249 ことが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなけ
3250 ればならない。
3251
3252
3253 4
3254
3255 都道府県知事は,
3256 産業廃棄物処理施設(政令で定めるものに限る。
3257
3258 )について第1項の許
3259 可の申請があつた場合には,
3260 遅滞なく,
3261 第2項第1号から第4号までに掲げる事項,
3262 申請年
3263
3264 27
3265
3266 月日及び縦覧場所を告示するとともに,
3267 同項の申請書及び前項の書類を当該告示の日から1
3268 月間公衆の縦覧に供しなければならない。
3269
3270
3271 5
3272
3273 都道府県知事は,
3274 前項の規定による告示をしたときは,
3275 遅滞なく,
3276 その旨を当該産業廃棄
3277 物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し,
3278 期間を指定して
3279 当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。
3280
3281
3282
3283 6
3284
3285 第4項の規定による告示があつたときは,
3286 当該産業廃棄物処理施設の設置に関し利害関係
3287 を有する者は,
3288 同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに,
3289 当
3290 該都道府県知事に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。
3291
3292
3293 (許可の基準等)
3294
3295 第15条の2
3296
3297 都道府県知事は,
3298 前条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合してい
3299
3300 ると認めるときでなければ,
3301 同項の許可をしてはならない。
3302
3303
3304 一
3305
3306 その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合し
3307 ていること。
3308
3309
3310
3311 二
3312
3313 その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄
3314 物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適
3315 正な配慮がなされたものであること。
3316
3317
3318
3319 三
3320
3321 申請者の能力がその産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画
3322 に従つて当該産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に,
3323 かつ,
3324 継続して行うに足
3325 りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
3326
3327
3328
3329 四
3330 2
3331
3332 申請者が第14条第5項第2号イからヘまでのいずれにも該当しないこと。
3333
3334
3335 都道府県知事は,
3336 前条第1項の許可の申請に係る産業廃棄物処理施設の設置によつて,
3337 ご
3338
3339 み処理施設又は産業廃棄物処理施設の過度の集中により大気環境基準の確保が困難となると
3340 認めるときは,
3341 同項の許可をしないことができる。
3342
3343
3344 3
3345
3346 都道府県知事は,
3347 前条第1項の許可(同条第4項に規定する産業廃棄物処理施設に係るも
3348 のに限る。
3349
3350 )をする場合においては,
3351 あらかじめ,
3352 第1項第2号に掲げる事項について,
3353 生
3354 活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなけ
3355 ればならない。
3356
3357
3358
3359 4
3360
3361 前条第1項の許可には,
3362 生活環境の保全上必要な条件を付することができる。
3363
3364
3365
3366 5
3367
3368 前条第1項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物処理施設の設置者」という。
3369
3370 )は,
3371 当該
3372 許可に係る産業廃棄物処理施設について,
3373 都道府県知事の検査を受け,
3374 当該産業廃棄物処理
3375 施設が当該許可に係る前条第2項の申請書に記載した設置に関する計画に適合していると認
3376 められた後でなければ,
3377 これを使用してはならない。
3378
3379
3380
3381 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
3382 (産業廃棄物処理施設)
3383 第7条
3384
3385 法第15条第1項の政令で定める産業廃棄物の処理施設は,
3386 次のとおりとする。
3387
3388
3389
3390 ・・・
3391 八
3392
3393 廃プラスチック類…の焼却施設であつて,
3394 次のいずれかに該当するもの
3395 イ
3396
3397 1日当たりの処理能力が100キログラムを超えるもの
3398
3399 ロ
3400
3401 火格子面積が2平方メートル以上のもの
3402
3403 28
3404
3405 ・・・
3406
3407 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則
3408 (一般廃棄物処理施設の技術上の基準)
3409 第4条
3410
3411 法第8条の2第1項第1号…の規定によるごみ処理施設の技術上の基準は,
3412 次のとお
3413
3414 りとする。
3415
3416
3417 ・・・
3418 七
3419
3420 焼却施設…にあつては,
3421 次の要件を備えていること。
3422
3423
3424 ・・・
3425 チ
3426
3427 ばいじんを焼却灰と分離して排出し,
3428 貯留することができる灰出し設備及び貯留設備
3429 が設けられていること。
3430
3431 ・・・
3432
3433 ・・・
3434 ・・・
3435 2・・・
3436 (産業廃棄物処理施設の技術上の基準)
3437 第12条
3438
3439 ・・・
3440
3441 第12条の2
3442
3443 法第15条の2第1項第1号の規定による産業廃棄物処理施設の技術上の基準
3444
3445 は,
3446 前条に定めるもののほか,
3447 この条の定めるところによる。
3448
3449
3450 ・・・
3451 5
3452
3453 令第7条…第8号…に掲げる施設…の技術上の基準は,
3454 第4条第1項第7号…の規定の例
3455 によるほか,
3456 次のとおりとする。
3457
3458
3459 一
3460
3461 次の要件を備えた燃焼室が設けられていること。
3462
3463
3464 イ
3465
3466 燃焼ガスの温度が摂氏800度(令第7条第12号に掲げる施設にあつては,
3467 1,
3468 1
3469 00度)以上の状態で産業廃棄物を焼却することができるものであること。
3470
3471
3472
3473 ロ
3474
3475 燃焼ガスが,
3476 摂氏800度(令第7条第12号に掲げる施設にあつては,
3477 1,
3478 100
3479 度)以上の温度を保ちつつ,
3480 2秒以上滞留できるものであること。
3481
3482
3483
3484 二
3485
3486 令第7条第5号に掲げる施設及び同条第12号に掲げる施設(廃ポリ塩化ビフェニル等
3487 又はポリ塩化ビフェニル処理物の焼却施設に限る。
3488
3489 )にあつては,
3490 事故時における受入設
3491 備からの廃油の流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,
3492 かつ,
3493
3494 当該施設が設置される床又は地盤面は,
3495 廃油が浸透しない材料で築造され,
3496 又は被覆され
3497 ていること。
3498
3499
3500
3501 ・・・
3502
3503 【出題趣旨】
3504 本問は,
3505 やや複雑な事実関係の下で,
3506 産業廃棄物処理施設設置許可に関する行政庁の判断
3507 の法的性質の理解を前提に,
3508 その不許可処分の違法事由を,
3509 審査基準の設定公表義務,
3510 法定
3511 の基準についての解釈・運用の変更(平等原則,
3512 他事考慮等),
3513 行政指導の過程で形成され
3514 た信頼の保護の要否(ないし信義則上の諸問題)などの観点からどのように考えるか,
3515 また,
3516
3517 訴訟段階での処分理由の追加が認められるかを問うものである。
3518
3519
3520
3521 29
3522
3523