1 [新司法試験サンプル問題(民事系科目)]
2 [短答式試験問題]
3 ○
4
5 短答式試験問題について
6 民法・商法・民事訴訟法の「幅広い分野」から「基本的な」問題を出題する(「新司法試験
7 実施に係る研究調査会報告書」第4,
8 1参照。
9
10 )ことに特に留意した。
11
12 また,
13 1問の中で民法
14 ・商法・民事訴訟法の三つの法分野の複数にまたがる問題も,
15 一定数出題した。
16
17
18
19 〔第1問〕
20
21 成年後見制度に関する次のアからオまでの記述のうち,
22 正しいものを組み合わせた
23
24 ものは,
25 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
26 [bP] )。
27
28
29
30 ア
31
32 妻子のある者が精神上の障害により事理を弁識する能力を欠くに至ったときは,
33 妻が成
34 年後見人になるのが原則である。
35
36
37
38 イ
39
40 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者については,
41 請求により保佐を開
42 始し,
43 保佐人を選任しなければならない。
44
45
46
47 ウ
48
49 本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするためには,
50 本人の同意が必要である。
51
52
53
54 エ
55
56 任意後見契約が登記されているときは,
57 任意後見受任者,
58 任意後見人,
59 任意後見監督人
60 が後見開始の審判を請求し得ることになり,
61 本人を除き,
62 配偶者や4等親以内の親族も後
63 見開始の審判の請求をすることができない。
64
65
66
67 オ
68
69 社会福祉法人や福祉関係の公益法人ばかりでなく,
70 銀行などの営利法人も成年後見人に
71 なることができる。
72
73
74
75 1.ア
76
77 イ
78
79 【正解】
80
81 2.ア
82
83 3.イ
84
85 エ
86
87 4.ウ
88
89 エ
90
91 5.ウ
92
93 オ
94
95 5
96
97 【出題趣旨】
98
99 〔第2問〕
100
101 オ
102
103 成年後見制度に関する基礎的知識について問う問題である。
104
105
106
107 次のアからオまでの記述のうち,
108 判例によるとBがCに対して登記なくして所有権
109
110 の取得を対抗できる場合を組み合わせたものは,
111 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
112
113 [bQ] )。
114
115
116
117 ア
118
119 AがBに対して自己所有の甲土地を売却して引き渡した後に死亡し,
120 Aの唯一の相続人
121 Dが相続による登記をした上で,
122 甲土地をCに譲り渡し,
123 Cが登記を備えた場合。
124
125
126
127 イ
128
129 AがBに対して自己所有の甲土地を遺贈する遺言を残して死亡した後,
130 Aの唯一の相続
131 人Dの債権者CがDを代位してD名義の所有権取得登記を行い,
132 甲土地を差し押さえた場
133 合。
134
135
136
137 ウ
138
139 Aには相続人BDがいた。
140
141 Aが自己所有の甲土地を残して死亡したところ,
142 Dは相続を
143 放棄し,
144 Bは単純承認した。
145
146 ところがDの債権者Cが,
147 Dを代位してBD共有名義の所有
148
149 1
150
151 権取得登記を行い,
152 甲土地のDの持分を差し押さえた場合。
153
154
155 エ
156
157 Aには相続人BDがいた。
158
159 Aが自己所有の甲土地を残して死亡したところ,
160 Dは遺産分
161 割協議書を偽造して,
162 自らが単独で相続したとして甲土地の相続登記を行った上,
163 甲土地
164 をCに売却し,
165 Cが登記を備えた場合。
166
167
168
169 オ
170
171 Aには相続人BDがいた。
172
173 Aが自己所有の甲土地を残して死亡したところ,
174 遺産分割協
175 議の結果,
176 甲土地はBが取得することになった。
177
178 ところが,
179 Dの債権者Cが,
180 Dを代位し
181 てBD共有名義の所有権取得登記を行い,
182 甲土地のDの持分を差し押さえた場合。
183
184
185
186 1.ア
187
188 イ
189
190 【正解】
191
192 2.ア
193
194 3.イ
195
196 ウ
197
198 4.ウ
199
200 エ
201
202 5.エ
203
204 オ
205
206 4
207
208 【出題趣旨】
209
210 〔第3問〕
211
212 オ
213
214 相続と登記に関する判例につき正確な理解を問う基本的な問題である。
215
216
217
218 AのBに対する同一の指名債権について,
219 AからCとDに二重に譲渡がされた事例
220
221 に関する次のアからオまでの記述のうち,
222 正しいものを組み合わせたものは,
223 後記1から5ま
224 でのうちどれか(解答欄は,
225 [bR] )。
226
227
228
229 ア
230
231 確定日付のある通知が2通同時に到達した場合,
232 債務者BはCDいずれに対しても弁済
233 を拒むことができる。
234
235
236
237 イ
238
239 確定日付のない通知が2通到達した場合,
240 債務者BはCDいずれに対しても弁済を拒む
241 ことができる。
242
243
244
245 ウ
246
247 Cへの譲渡の第三者対抗要件具備が債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する
248 法律に基づく登記でなされ,
249 Dへの譲渡のそれが確定日付のある通知でなされた場合,
250 C
251 D間の優劣関係は,
252 債権譲渡登記がされた時と確定日付のある通知が債務者Bに到達した
253 時の先後によって決定される。
254
255
256
257 エ
258
259 通知同時到達の場合で到達の先後が不明であることを理由にBが供託した場合,
260 CDは
261 供託金還付請求権確認訴訟において,
262 互いに相手より先に自己についての譲渡通知が債務
263 者に到達していたことを証明できなければ,
264 供託金還付は認められない。
265
266
267
268 オ
269
270 Dへの譲渡についての確定日付のある通知が,
271 Cへのそれよりも早くBに到達している
272 場合でも,
273 弁済のされる前にCがさらにこの債権を差し押さえて転付命令を得れば,
274 Cは
275 転付命令の送達のあったことを立証してDに優先できる。
276
277
278
279 1.ア
280
281 イ
282
283 【正解】
284
285 2.ア
286
287 エ
288
289 3.イ
290
291 ウ
292
293 4.ウ
294
295 オ
296
297 5.エ
298
299 オ
300
301 3
302
303 【出題趣旨】
304 債権譲渡の対抗要件について,
305 債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律も
306 含めての基礎的知識を問う問題である。
307
308
309
310 2
311
312 〔第4問〕
313
314 不動産賃貸借に関する次のアからエまでの記述のうち,
315 正しいものはどれか(解答
316
317 欄は,
318 [bS] )。
319
320
321
322 ア
323
324 建物賃貸借において,
325 賃借人が無断で建物を第三者に転貸したことを理由として,
326 賃貸
327 人が賃貸借契約を解除した場合に,
328 解除が有効と認められるためには,
329 無断転貸が背信行
330 為と認めるに足りる特段の事情を賃貸人が主張立証することを要する。
331
332
333
334 イ
335
336 土地又は建物の賃貸借契約において,
337 無断増改築を禁止する約定があるときでも,
338 土地
339 又は建物の通常の利用上相当である増改築について当事者間に協議が調わないときは,
340 賃
341 借人は裁判所に賃貸人の承諾に代わる許可を申し立てることができる。
342
343
344
345 ウ
346
347 通常の建物賃貸借契約では,
348 期間の定めがあっても,
349 借主はいつでも解約申入れをする
350 ことができるが,
351 定期建物賃貸借契約では,
352 やむを得ない事情により賃借人が建物を自己
353 の生活の本拠として使用することが困難になったときに限り,
354 解約申入れをすることがで
355 きる。
356
357
358
359 エ
360
361 建物賃貸借において契約期間中に賃料の不払いがあったときは,
362 敷金が当然に未払賃料
363 に充当され,
364 賃借人は敷金の不足額を追加で差し入れる義務がある。
365
366
367
368 1.ア
369
370 2.イ
371
372 【正解】
373
374 4.エ
375
376 5.正しいものはない。
377
378
379
380 5
381
382 【出題趣旨】
383
384 〔第5問〕
385
386 3.ウ
387
388 不動産の賃貸借についての基礎的知識を問う問題である。
389
390
391
392 次のアからキまでの記述のうち,
393 遺贈と死因贈与の両方に当てはまるものを組み合
394
395 わせたものは,
396 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
397 [bT] )。
398
399
400
401 ア
402
403 死亡によってその効果が生じる。
404
405
406
407 イ
408
409 18歳であっても単独ですることができる。
410
411
412
413 ウ
414
415 相手方のある意思表示である。
416
417
418
419 エ
420
421 代理人によってすることができる。
422
423
424
425 オ
426
427 遺留分減殺請求の対象となる。
428
429
430
431 カ
432
433 負担付ですることができる。
434
435
436
437 キ
438
439 胎児に対してすることができる。
440
441
442
443 1.ア エ カ
444
445 【正解】
446
447 2.イ オ キ
448
449 3.エ オ
450
451 4.ア オ カ
452
453 5.ウ キ
454
455 4
456
457 【出題趣旨】
458
459 遺贈に関する基礎的知識を死因贈与との異同も併せて問う問題である。
460
461
462
463 3
464
465 〔第6問〕
466
467 代理に関する次のアからオまでの記述のうち,
468 判例の趣旨に照らし誤っているもの
469
470 を組み合わせたものは,
471 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
472 [bU] )。
473
474
475
476 ア
477
478 民法上の代理行為を主張する者は,
479 代理人がその行為の法律効果を本人に帰属させよう
480 とする意思を有し,
481 かつ,
482 代理人としての意思表示であることを表示したことを主張立証
483 しなければならない。
484
485
486
487 イ
488
489 いわゆる代理権濫用の場合,
490 代理人には,
491 その法律行為による利益を自己又は第三者に
492 得させる意図があり,
493 その意思表示の法律的効果を本人に帰属させようとする代理意思は
494 ない。
495
496
497
498 ウ
499
500 商行為の代理の場合,
501 代理人に代理意思があることは不要であり,
502 代理人が本人のため
503 にすることを示さなくても,
504 その行為は本人のために効力を生じる。
505
506
507
508 エ
509
510 代理人が本人のためにすることを示さずに民法上の代理行為をした場合,
511 相手方におい
512 て,
513 代理人が本人のためにすることを知らず,
514 かつ,
515 知らなかったことについて過失がな
516 かったときは,
517 代理人と相手方との間にその意思表示の法律効果が発生し,
518 代理人は,
519 表
520 示と内心の意思との不一致を理由とする錯誤の主張をすることができない。
521
522
523
524 オ
525
526 代理人が本人のためにすることを示さずに商行為の代理をした場合,
527 相手方において,
528
529 代理人が本人のためにすることを知らず,
530 かつ,
531 知らなかったことについて過失がなかっ
532 たときは,
533 代理人と相手方との間にも本人相手方間におけると同一の法律関係が生じ,
534 相
535 手方がその選択権を有する。
536
537
538
539 1.ア
540
541 ウ
542
543 【正解】
544
545 2.ア
546
547 エ
548
549 3.イ
550
551 ウ
552
553 4.イ
554
555 オ
556
557 5.エ
558
559 オ
560
561 3
562
563 【出題趣旨】
564 民法及び商法にまたがって,
565 代理の要件である顕名に関する基本的な考え方を問う問題で
566 ある。
567
568
569
570 〔第7問〕
571
572 権利能力なき社団及び組合に関する次の1から5までの記述のうち,
573 判例の趣旨に
574
575 照らし正しいものはどれか(解答欄は,
576 [bV] )。
577
578
579
580 1.権利能力なき社団の財産である不動産は,
581 社団名義で登記することができるが,
582 組合財
583 産である不動産を組合の名義で登記することはできない。
584
585
586 2.権利能力なき社団は,
587 社団名で民事訴訟を提起することができるが,
588 組合は組合名で民
589 事訴訟を提起することはできない。
590
591
592 3.権利能力なき社団の構成員も組合員も,
593 社団又は組合の債務につき個人責任を負わない。
594
595
596 4.権利能力なき社団の構成員の個人債務の債権者は,
597 当該構成員が出資した財産を差し押
598 さえることはできないが,
599 組合員の個人債務の債権者は,
600 当該組合員の組合財産に対する
601 持分を差し押さえることができる。
602
603
604 5.権利能力なき社団においては,
605 代表機関が対外的に団体を代表して行為するが,
606 組合に
607
608 4
609
610 おいては,
611 契約で業務執行組合員が定められていないときは,
612 組合員の過半数が共同して
613 組合を代理する。
614
615
616
617 【正解】
618
619 5
620
621 【出題趣旨】
622
623 〔第8問〕
624
625 権利能力なき社団及び組合に関する基本的な判例等の知識を問う問題である。
626
627
628
629 担保物権に関する次のアからカまでの記述のうち,
630 誤っているものを組み合わせた
631
632 ものは,
633 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
634 [bW] )。
635
636
637
638 ア
639
640 民法上の留置権は債務者が破産すると消滅するが,
641 商法上の留置権は債務者が破産して
642 も消滅しない。
643
644
645
646 イ
647
648 民法上の留置権が成立するには,
649 被担保債権が対象物に関して生じた物であることを必
650 要とするが,
651 商法上の留置権の場合には,
652 そのような要件を必要としない。
653
654
655
656 ウ
657
658 民法上の留置権は土地についても成立するが,
659 商人間の留置権は,
660 文理上も動産と有価
661 証券についてしか成立しない。
662
663
664
665 エ
666
667 同一の不動産所有権の上に成立する特別の先取特権と抵当権の優先関係は,
668 登記の先後
669 によって決まる。
670
671
672
673 オ
674
675 動産売買の売主が売り渡した動産に対して有する先取特権は,
676 買主からの転得者がその
677 ような先取特権の存在を知りつつ買い受けて占有改定による引渡しを受けた場合であって
678 も消滅する。
679
680
681
682 カ
683
684 動産の買主が買い受けた動産を用いた請負工事を行って請負代金債権を取得したとする
685 と,
686 この請負代金債権に対しても,
687 売主は,
688 動産売買先取特権に基づく物上代位権を行使
689 できる場合がある。
690
691
692
693 1.ア
694
695 イ
696
697 【正解】
698
699 2.ア
700
701 エ
702
703 3.イ
704
705 オ
706
707 4.ウ
708
709 エ
710
711 5.オ
712
713 カ
714
715 4
716
717 【出題趣旨】
718 民法上の法定担保物権についての基本問題である。
719
720 商法や破産法の関連条文へも目配りし
721 ておくことを求めている。
722
723
724
725 〔第9問〕
726
727 BのAに対する債務をCが保証し,
728 AがCに弁済請求する場合に関する次の1から
729
730 5までの記述のうち,
731 誤っているものはどれか(解答欄は,
732 [bX] )。
733
734
735
736 1.BのAに対する債務が,
737 Bの商行為によって生じたものである場合は,
738 AC間の合意が
739 なくてもCの保証は連帯保証となる。
740
741
742 2.主債務も保証債務も商行為ではない場合,
743 保証債務の持つ附従性を奪って債権者の権利
744 を強化するために保証契約に付された特約によって連帯保証債務が生ずるとの見解に立つ
745
746 5
747
748 と,
749 AC間の連帯の特約は,
750 催告・検索の抗弁に対する再抗弁としてAに立証責任がある。
751
752
753 3.CがBのAに対する貸金元金債務を保証した場合,
754 特約がなくてもその利息債務も保証
755 したことになるが,
756 遅延損害金債務を保証したことにはならない。
757
758
759 4.CがBに依頼されて保証人となった場合は,
760 Bの債務の弁済期が到来しているのであれ
761 ば,
762 CはAに弁済する前でもBに求償することができる。
763
764
765 5.連帯保証か普通保証かにかかわらず,
766 Cが弁済する場合にはBにあらかじめ通知しない
767 と,
768 求償権が制限されることがある。
769
770
771
772 【正解】
773
774 3
775
776 【出題趣旨】
777
778 〔第10問〕
779
780 保証債務についての民法及び要件事実の基礎的知識を問う問題である。
781
782
783
784 AはBに対し,
785 甲動産を代金60万円で売った。
786
787 この事例に関する次のアからオま
788
789 での記述のうち,
790 誤っているものを組み合わせたものは,
791 後記1から5までのうちどれか(解
792 答欄は,
793 [10] )。
794
795
796
797 ア
798
799 A及びBがそれぞれ自己の債務の履行をした後,
800 売買契約がBのAに対する詐欺を理由
801 に取り消された場合,
802 AのBに対する代金返還債務とBのAに対する甲動産の返還債務と
803 は同時履行の関係に立つ。
804
805
806
807 イ
808
809 BがAに対して,
810 甲動産の引渡しを求めた場合,
811 AがBに対する代金債権を第三者Cに
812 譲渡したときは,
813 Aは同時履行の抗弁権を失う。
814
815
816
817 ウ
818
819 BがAに対し,
820 目的物の引渡しを求める訴えを提起した場合,
821 同時履行の抗弁権につい
822 て当事者の行使によって初めて効力を有するとする考え方に立つと,
823 BがAに対して代金
824 を支払ったとの事実は,
825 請求原因事実となる。
826
827
828
829 エ
830
831 AがBに対して代金の履行遅滞に基づく損害賠償請求訴訟を提起した場合,
832 同時履行の
833 抗弁権の存在効果により反対債務の不履行の違法性が阻却されるとする考え方に立つと,
834
835 違法性を基礎付けるため,
836 甲動産の引渡し又はその提供の事実が請求原因事実となる。
837
838
839
840 オ
841
842 AがBに対し,
843 代金支払請求訴訟を提起し,
844 Bの同時履行の抗弁が認められた場合,
845 裁
846 判所は,
847 甲動産の引渡しと引き換えに代金を支払うよう命ずる判決を言い渡す。
848
849
850
851 1.ア
852
853 イ
854
855 【正解】
856
857 2.ア
858
859 オ
860
861 3.イ
862
863 ウ
864
865 4.ウ
866
867 エ
868
869 5.エ
870
871 オ
872
873 3
874
875 【出題趣旨】
876 同時履行の抗弁権について,
877 民法,
878 要件事実及び民事訴訟法の基礎的知識を問う問題であ
879 る。
880
881
882
883 〔第11問〕
884
885 次のアからオまでの債務のうち,
886 消滅時効期間が5年であるものを組み合わせたも
887
888 のは,
889 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
890 [11] )。
891
892
893
894 6
895
896 ア
897
898 農業協同組合が組合員に対してした消費貸借契約に基づき組合員が負う元利金返還義務
899
900 イ
901
902 株式会社甲が商人でない乙との間で締結した不動産の売買契約が甲の債務不履行により
903 解除された場合における甲の乙に対する代金返還義務
904
905 ウ
906
907 約束手形の振出人の手形金支払義務
908
909 エ
910
911 大学生である甲が友人の大学生乙から勉強用に中古のパソコンを買い受けた場合におけ
912 る甲の代金支払義務
913
914 オ
915
916 1.ア
917
918 銀行から消費貸借契約により融資を受けた者の元利金支払義務
919
920 イ
921
922 【正解】
923
924 2.ア
925
926 ウ
927
928 3.イ
929
930 オ
931
932 4.ウ
933
934 エ
935
936 5.エ
937
938 オ
939
940 3
941
942 【出題趣旨】
943 商行為法についての基本的知識を問う問題であり,
944 商法総則や商行為法の分野についても
945 基礎的な学習をする必要があることを示すものである。
946
947
948
949 〔第12問〕
950
951 監査役設置株式会社の取締役会についての次の記述のうち,
952 正 し い も の は ど れ か
953
954 (解答欄は,
955 [12] )。
956
957
958
959 1
960
961 定款で取締役会の招集権者を定めたときは,
962 その定款の定めが商法の招集権者に関する
963 規定に優先して適用されるから,
964 その招集権者以外の取締役が取締役会を招集することは
965 できなくなる。
966
967
968
969 2
970
971 取締役会の議事録には企業秘密に属する事柄が含まれている可能性があるから,
972 株主の
973 閲覧請求権は認められていない。
974
975
976
977 3
978
979 監査役は,
980 取締役会の構成員ではないから,
981 正当な理由があるときは取締役会は監査役
982 の取締役会への出席を拒否することができる。
983
984
985
986 4
987
988 取締役会の決議に基づいてされた行為に関して取締役の会社に対する責任が生ずる場合
989 には,
990 取締役会議事録において異議をとどめなかった取締役は決議に賛成したものとみな
991 されるから,
992 異議をとどめなかった取締役は,
993 当該行為に加わらなかったとしても,
994 会社
995 に対して責任を負うことになる。
996
997
998
999 5
1000
1001 取締役は議題のいかんを問わず取締役会に出席する義務があるから,
1002 取締役会の招集通
1003 知においては,
1004 議題を特定する必要はない。
1005
1006
1007
1008 【正解】
1009
1010 5
1011
1012 【出題趣旨】
1013
1014 〔第13問〕
1015
1016 会社法のうち,
1017 株式会社の機関関係についての基本的知識を問う問題である。
1018
1019
1020
1021 監査役設置株式会社の計算に関する商法上の規律に関する次のアからオまでの記述
1022
1023 のうち,
1024 誤っているものを組み合わせたものは,
1025 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
1026
1027
1028 7
1029
1030 [13] )。
1031
1032
1033
1034 ア
1035
1036 法定準備金の資本組入れは,
1037 取締役会の決議で行うことができる。
1038
1039
1040
1041 イ
1042
1043 法定準備金の取崩しによる資本の欠損の填補は,
1044 株主総会の普通決議で行われる。
1045
1046
1047
1048 ウ
1049
1050 法定準備金は,
1051 資本の欠損の填補,
1052 資本組入れ以外の目的には使用することができない。
1053
1054
1055
1056 エ
1057
1058 利益準備金は,
1059 資本準備金と併せてその会社の資本の4分の1になるまで積み立てれば
1060 足りる。
1061
1062
1063
1064 オ
1065
1066 任意積立金で特に目的の定められていない別途積立金は,
1067 取締役会決議により,
1068 いつで
1069 も取り崩すことができる。
1070
1071
1072
1073 1.ア
1074
1075 イ
1076
1077 【正解】
1078
1079 2.ア
1080
1081 ウ
1082
1083 3.イ
1084
1085 エ
1086
1087 4.ウ
1088
1089 オ
1090
1091 5.エ
1092
1093 オ
1094
1095 4
1096
1097 【出題趣旨】
1098 会社法のうち,
1099 株式会社の計算関係についての基本的知識を問う問題であり,
1100 計算関係に
1101 ついても基本的な学習をする必要があることを示すものである。
1102
1103
1104
1105 〔第14問〕
1106
1107 商法第245条の規定により株主総会の特別決議が要求される営業譲渡の意義につ
1108
1109 いて,
1110 「営業のために組織化された有機的一体としての財産の譲渡であり,
1111 営業活動の承継及
1112 び競業避止義務の負担を伴うものに限られる。
1113
1114 」との見解がある。
1115
1116 次のアからオまでの記述の
1117 うち,
1118 この見解に対する批判となるものを組み合わせたものは,
1119 後記1から5までのうちどれ
1120 か(解答欄は,
1121 [14] )。
1122
1123
1124
1125 ア
1126
1127 取引の安全を害することになる。
1128
1129
1130
1131 イ
1132
1133 譲渡会社の株主の利益を害するおそれがある。
1134
1135
1136
1137 ウ
1138
1139 商法という一個の法典の中における同一の用語の意味を異なるものとして解釈すること
1140 になってしまう。
1141
1142
1143
1144 エ
1145
1146 会社の全財産の処分を取締役会に委ねることになってしまう。
1147
1148
1149
1150 オ
1151
1152 重要財産の処分が取締役会の専決事項であることと矛盾する。
1153
1154
1155
1156 1.ア
1157
1158 ウ
1159
1160 【正解】
1161
1162 2.ア
1163
1164 エ
1165
1166 3.イ
1167
1168 エ
1169
1170 4.イ
1171
1172 オ
1173
1174 5.ウ
1175
1176 オ
1177
1178 3
1179
1180 【出題趣旨】
1181 会社法における重要かつ基本的な論点についての理解を問う問題であるが,
1182 論理的思考力
1183 があれば,
1184 知識が十分でなくても解ける問題である。
1185
1186 条文や判例の知識を問うだけでなく,
1187
1188 理解力を試す出題もすることを示すものである。
1189
1190
1191
1192 8
1193
1194 〔第15問〕
1195
1196 次の弁護士甲の助言のうち,
1197 商法の条文及び判例に照らして正 し い も の は ど れ か
1198
1199 (解答欄は,
1200 [15] )。
1201
1202
1203
1204 1
1205
1206 株式会社Xは,
1207 株主総会において,
1208 定款に違反して非株主Bによる議決権の代理行使を
1209 許したことから,
1210 それを知った株主Aは,
1211 当該株主総会の2か月後に決議取消の訴えを提
1212 起した。
1213
1214 この訴訟において,
1215 X側が,
1216 Bが法人株主の従業員であった点を強く主張したた
1217 め,
1218 このままでは請求が棄却されかねないと考えた弁護士甲は,
1219 提訴後半年が経過した時
1220 点で,
1221 当該株主総会で株主からの委任状を持参した弁護士Cが入場を拒否されていた事実
1222 を取消事由に追加した方が勝訴の可能性が高まると助言した。
1223
1224
1225
1226 2
1227
1228 株式会社Xの株主総会において,
1229 相当数に上る招集通知漏れがあったことから,
1230 それを
1231 知った株主Aは,
1232 当該株主総会後直ちに決議不存在確認の訴えを提起した。
1233
1234 その後,
1235 半年
1236 が経過して,
1237 当該訴訟の原告代理人に加わった弁護士甲は,
1238 通知漏れの程度によっては決
1239 議が不存在とはいえないと考え,
1240 予備的請求として決議取消の訴えを追加すべきだと助言
1241 した。
1242
1243
1244
1245 3
1246
1247 株式会社Xは,
1248 複数の営業部門のうちの一つを一括して他社に譲渡するに当たり,
1249 株主
1250 総会で承認を受けたが,
1251 その招集通知に営業の譲渡先や対価を記載していなかった。
1252
1253 そこ
1254 で,
1255 当日欠席した株主Aは,
1256 当該株主総会後直ちに決議取消の訴えを提起しようとしたが,
1257
1258 弁護士甲は,
1259 A以外の株主が決議に参加して議案に賛成した以上,
1260 訴えても裁量棄却され
1261 るだけだと助言した。
1262
1263
1264
1265 4
1266
1267 名古屋に本店を有する株式会社Xは,
1268 株主の大多数が東京在住であることから,
1269 定款で
1270 定時株主総会の開催地を東京と定めた。
1271
1272 定款に基づき東京都内のホテルで開催された定時
1273 株主総会に招集通知漏れがあったので,
1274 東京在住の株主Aが決議の瑕疵を争いたいと相談
1275 に来た。
1276
1277 そこで弁護士甲は,
1278 株主総会の開催地が東京なので,
1279 東京地方裁判所に提訴する
1280 ことができると助言した。
1281
1282
1283
1284 5
1285
1286 株主Aは,
1287 自らが提起した取締役選任決議取消の訴えの係属中に,
1288 当該決議によって選
1289 任された取締役全員の任期が満了しそうになったので,
1290 仮にそれらの者が取締役に再任さ
1291 れた場合,
1292 決議取消の訴えはどうなるのかを相談に来た。
1293
1294 そこで弁護士甲は,
1295 再任後も決
1296 議取消の訴えは却下されず,
1297 それが認容されれば再任決議が無効となると助言した。
1298
1299
1300
1301 【正解】
1302
1303 2
1304
1305 【出題趣旨】
1306 株主総会決議に関する訴訟について,
1307 手続面をも視野に入れながら,
1308 基礎的な知識を問う
1309 問題である。
1310
1311 出題の形式に様々なものがあり得ること,
1312 手続面を視野に入れた出題をするこ
1313 ともあることを示すものである。
1314
1315
1316
1317 〔第16問〕
1318
1319 Aは,
1320 Bから機械を購入し,
1321 その代金の支払のため,
1322 代金額を手形金額とする約束
1323
1324 手形を振り出して,
1325 Bに交付した。
1326
1327 この事例に関する次の記述のうち,
1328 誤っているものはどれ
1329 か(解答欄は,
1330 [16] )。
1331
1332
1333
1334 9
1335
1336 1
1337
1338 AのBに対する代金債務は,
1339 AがBに当該手形を交付しても消滅しない。
1340
1341
1342
1343 2
1344
1345 Aは,
1346 Bから引渡しを受けた機械に瑕疵があったことを理由に,
1347 Bに対し,
1348 当該手形の
1349 支払を拒むことができる。
1350
1351
1352
1353 3
1354
1355 BがAに対して当該手形の手形金の支払を求める手形訴訟を提起した場合,
1356 AはBから
1357 引渡しを受けた機械に瑕疵があったことを立証するためにAの本人尋問の申立てをするこ
1358 とはできない。
1359
1360
1361
1362 4
1363
1364 Aは,
1365 Bが提起した手形訴訟の認容判決に対しては,
1366 控訴をすることができない。
1367
1368
1369
1370 5
1371
1372 Bが当該手形をCに裏書譲渡し,
1373 Cは,
1374 裏書譲渡を受けた後に,
1375 BがAに引き渡した機
1376 械に瑕疵があることを知った場合,
1377 AはCに対して当該手形の支払を拒むことができる。
1378
1379
1380
1381 【正解】
1382
1383 5
1384
1385 【出題趣旨】
1386 手形法と手形訴訟についての基本的理解を問う融合問題である。
1387
1388 手形法・小切手法につい
1389 ても基礎的な学習をする必要があること,
1390 民事訴訟法との融合問題を出題することもあるこ
1391 とを示すものである。
1392
1393
1394
1395 〔第17問〕
1396
1397 北海道札幌市に住所を有していたAは,
1398 青森県青森市でBの運転する自動車にひか
1399
1400 れ,
1401 脳挫傷により意識不明の常況にあるようになった。
1402
1403 Bは,
1404 宮城県仙台市に本店を有するC
1405 会社の従業員で,
1406 会社の業務として商品を配達中に事故を起こしたものである。
1407
1408 Bは,
1409 事故当
1410 時仙台市に住所を有していたが,
1411 その後,
1412 勤務先のC社が本店を福島県郡山市に移転したのを
1413 機に,
1414 同社を退職し,
1415 現在は山梨県甲府市に住所を有している。
1416
1417 Aについては,
1418 後見開始の審
1419 判がなされ,
1420 北海道札幌市に住所を有するDが成年後見人に選任された。
1421
1422 しかし,
1423 Aは,
1424 身寄
1425 りがないことから,
1426 その後,
1427 東京都港区にある施設に入所し,
1428 同区に住所が移された。
1429
1430 DはA
1431 を代理し,
1432 B及びCを共同被告として不法行為に基づく1億円の損害賠償を求める訴えを提起
1433 しようと考えている。
1434
1435
1436 この事例において,
1437 次のアからエまでの裁判所のうち,
1438 この訴えについての管轄権を有する
1439 裁判所を組み合わせたものは,
1440 後記1から5までのうちどれか。
1441
1442 なお,
1443 応訴管轄は考えないも
1444 のとする(解答欄は,
1445 [17] )。
1446
1447
1448
1449 ア
1450
1451 札幌地方裁判所
1452
1453 イ
1454
1455 青森地方裁判所
1456
1457 ウ
1458
1459 仙台地方裁判所
1460
1461 エ
1462
1463 甲府地方裁判所
1464
1465 1.ア
1466
1467 イ
1468
1469 【正解】
1470
1471 2.ア
1472
1473 ウ
1474
1475 3.イ
1476
1477 ウ
1478
1479 4.イ
1480
1481 エ
1482
1483 5.ウ
1484
1485 4
1486
1487 【出題趣旨】
1488
1489 土地管轄に関する基本的知識を問う問題である。
1490
1491
1492
1493 10
1494
1495 エ
1496
1497 〔第18問〕
1498
1499 民事訴訟における期日への当事者の不出頭に関する次の記述のうち,
1500 誤っているも
1501
1502 のはどれか(解答欄は,
1503 [18] )。
1504
1505
1506
1507 1
1508
1509 適法に開かれた最初にすべき口頭弁論期日に,
1510 被告は出頭したが,
1511 原告は欠席した。
1512
1513 こ
1514 の場合,
1515 裁判所は,
1516 訴状を陳述したものとみなすことができ,
1517 被告が原告の主張する事実
1518 をすべて自白し,
1519 他に何らの主張もしなかったときは,
1520 口頭弁論を終結し,
1521 判決書の原本
1522 に基づくことなく,
1523 直ちに請求認容の判決の言渡しをすることができる。
1524
1525
1526
1527 2
1528
1529 適法に開かれた最初にすべき口頭弁論期日に,
1530 原告は出頭したが,
1531 被告は,
1532 公示送達に
1533 よる呼出しを受けたにもかかわらず,
1534 答弁書その他の準備書面も提出しないまま欠席した。
1535
1536
1537 この場合,
1538 裁判所は,
1539 原告に訴状を陳述させ,
1540 被告が原告の主張する事実をすべて自白し
1541 たものとみなして,
1542 口頭弁論を終結し,
1543 判決書の原本に基づくことなく,
1544 直ちに請求認容
1545 の判決の言渡しをすることができる。
1546
1547
1548
1549 3
1550
1551 適法に開かれた最初にすべき口頭弁論期日に,
1552 被告は出頭したが,
1553 原告は,
1554 請求の放棄
1555 をする旨の書面を提出して,
1556 欠席した。
1557
1558 この場合,
1559 裁判所は,
1560 訴状及び請求の放棄をする
1561 旨の書面をそれぞれ陳述したものとみなすことができ,
1562 放棄が調書に記載された時に,
1563 訴
1564 訟手続が終了する。
1565
1566
1567
1568 4
1569
1570 適法に開かれた最初にすべき弁論準備手続の期日に,
1571 被告は出頭したが,
1572 原告は欠席し
1573 た。
1574
1575 この場合,
1576 裁判所は,
1577 原告が期日前に提出した訴状及び準備書面を陳述したものとみ
1578 なし,
1579 被告に事実の主張をさせるなど審理を行うことができる。
1580
1581
1582
1583 5
1584
1585 適法に開かれた証人尋問期日に一方当事者が欠席した場合,
1586 裁判所は,
1587 証人尋問を実施
1588 することができる。
1589
1590 また,
1591 裁判所は,
1592 その結果,
1593 訴訟が裁判をするのに熟したと判断した
1594 ときは,
1595 口頭弁論を終結し,
1596 判決言渡し期日を指定することができる。
1597
1598
1599
1600 【正解】
1601
1602 2
1603
1604 【出題趣旨】
1605 実務上,
1606 多く活用されている,
1607 いわゆる調書判決の要件を含め,
1608 民事訴訟における口頭弁
1609 論期日等の期日に一方当事者が欠席した場合の手続に関する基本的知識を問う問題である。
1610
1611
1612
1613 〔第19問〕
1614
1615 Aは,
1616 Bからの売買代金支払請求訴訟において敗訴した。
1617
1618 この事例に関する次のア
1619
1620 からオまでの記述のうち,
1621 判例の趣旨に照らして正しいものを組み合わせたものは,
1622 後記1か
1623 ら5までのうちどれか。
1624
1625 なお,
1626 BのAに対する代金債権は,
1627 商行為によって生じたものであり,
1628
1629 代金の支払時期に関する定めはなかったものとする(解答欄は,
1630 [19] )。
1631
1632
1633
1634 ア
1635
1636 Aは,
1637 判決確定後10年経過すれば,
1638 代金債権が売買契約時から存在しなかったことを
1639 理由に,
1640 代金の支払を拒むことができる。
1641
1642
1643
1644 イ
1645
1646 Aは,
1647 判決確定後5年経過すれば,
1648 時効による代金債権の消滅を理由に,
1649 代金の支払を
1650 拒むことができる。
1651
1652
1653
1654 ウ
1655
1656 Aは,
1657 判決確定後の弁済を異議事由とする請求異議訴訟で勝訴の確定判決を得たときは,
1658
1659
1660 11
1661
1662 その後に提起されたAのBに対する不当利得を理由とする弁済金の返還請求訴訟において,
1663
1664 代金債権が売買契約時から存在しなかったと主張することができる。
1665
1666
1667 エ
1668
1669 Bの代金債権について事実審の口頭弁論終結時前に消滅時効が完成していた場合,
1670 Aは,
1671
1672 判決確定後に,
1673 当該消滅時効を援用して,
1674 代金の支払を拒むことができる。
1675
1676
1677
1678 オ
1679
1680 判決確定後,
1681 具体的事情の下でBが確定した判決によって強制執行をすることが権利濫
1682 用に該当すると認められる場合には,
1683 Aは,
1684 請求異議の訴えにより,
1685 強制執行の不許を求
1686 めることができる。
1687
1688
1689
1690 1.ア
1691
1692 エ
1693
1694 【正解】
1695
1696 2.イ
1697
1698 ウ
1699
1700 3.ウのみ
1701
1702 4.ウ
1703
1704 エ
1705
1706 5.オのみ
1707
1708 5
1709
1710 【出題趣旨】
1711 判決の効力に関する基本的理解を,
1712 請求異議の訴えとの関係を含めて問うものであり,
1713 民
1714 法及び商法上の消滅時効の規律についての基本的知識をも併せて問う融合問題である。
1715
1716
1717
1718 〔第20問〕
1719
1720 Xは,
1721 金銭を貸し付けたYとその連帯保証人Zを共同被告として,
1722 それぞれ貸金の
1723
1724 返還と保証債務の履行を求める一つの訴えを提起した。
1725
1726 この事例に関する次のアからオまでの
1727 記述のうち,
1728 正しいものを組み合わせたものは,
1729 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
1730
1731 [20] )。
1732
1733
1734
1735 ア
1736
1737 Yのみが申し出た証拠の取調べの結果は,
1738 Zが援用しなくても,
1739 裁判所は,
1740 XのZに対
1741 する請求について,
1742 事実認定の資料とすることができるが,
1743 証拠調べ後にこの請求につい
1744 ての弁論を分離したときは,
1745 事実認定の資料とすることはできない。
1746
1747
1748
1749 イ
1750
1751 YがXから金銭を借り受けたことについて,
1752 Zがこれを自白しても,
1753 Yが当該事実を争
1754 えば,
1755 その自白は,
1756 XのZに対する請求においても,
1757 効力を生じない。
1758
1759
1760
1761 ウ
1762
1763 Xの訴えに係る訴訟の目的の価額については,
1764 Yに対する請求の価額と,
1765 Zに対する請
1766 求の価額とを合算する必要はない。
1767
1768
1769
1770 エ
1771
1772 XがYのみとの間で,
1773 Yの債務を一部免除する旨の訴訟上の和解をしたときは,
1774 Zは,
1775
1776 免除された部分について,
1777 自己の保証債務の消滅を主張することができる。
1778
1779
1780
1781 オ
1782
1783 XのYに対する請求とZに対する請求について,
1784 一つの判決がされた場合において,
1785 Y
1786 がこの判決に対して控訴をしたときは,
1787 この判決のうちZに対する請求部分も確定しない。
1788
1789
1790
1791 1.ア
1792
1793 イ
1794
1795 【正解】
1796
1797 2.ア
1798
1799 オ
1800
1801 3.イ
1802
1803 ウ
1804
1805 4.ウ
1806
1807 エ
1808
1809 5.エ
1810
1811 オ
1812
1813 4
1814
1815 【出題趣旨】
1816 主債務者と保証人とを被告とする訴訟を素材にして,
1817 主として,
1818 通常共同訴訟の手続のほ
1819 か,
1820 訴額の算定,
1821 民法の保証についての基本的知識をも問う問題である。
1822
1823
1824
1825 12
1826
1827 〔第21問〕
1828
1829 XがYを被告として提起した訴訟の係属中に,
1830 係争物がYからZに譲渡された場合
1831
1832 について,
1833 @Yは当事者適格を失わないとする法制度と,
1834 AYは当事者適格を失い,
1835 Zが新た
1836 に当事者適格を有するものとする法制度の二つの法制度があり得る。
1837
1838 この二つの法制度に関す
1839 る次のアからオまでの記述のうち,
1840 同じ法制度に関する記述を組み合わせたものは,
1841 後記1か
1842 ら5までのうちどれか(解答欄は,
1843 [21] )。
1844
1845
1846
1847 ア
1848
1849 この法制度は,
1850 ドイツの民事訴訟法が採用する制度である。
1851
1852
1853
1854 イ
1855
1856 占有移転禁止の仮処分の制度の導入は,
1857 この法制度を採る結果である。
1858
1859
1860
1861 ウ
1862
1863 この法制度の下では,
1864 Zを拘束しない無駄な訴訟追行が行われることがあるのではない
1865 かとの問題が存する。
1866
1867
1868
1869 エ
1870
1871 この法制度の下では,
1872 Yについて,
1873 Zのための黙示の任意的訴訟担当が成り立つ場合が
1874 あると解することが可能である。
1875
1876
1877
1878 オ
1879
1880 この法制度の下では,
1881 Yについて,
1882 Zのための法定訴訟担当が成り立つと解することが
1883 可能である。
1884
1885
1886
1887 1.ア
1888
1889 イ
1890
1891 【正解】
1892
1893 2.ア
1894
1895 ウ
1896
1897 3.イ
1898
1899 エ
1900
1901 4.ウ
1902
1903 オ
1904
1905 5.エ
1906
1907 オ
1908
1909 3
1910
1911 【出題趣旨】
1912 訴訟承継主義と当事者恒定主義についての基本的理解を問う問題であり,
1913 これらの主義に
1914 ついての基本的知識を問うのみならず,
1915 論理的な思考力をも試すものである。
1916
1917
1918
1919 〔第22問〕
1920
1921 決定に対する抗告に関する次のアからオまでの記述のうち,
1922 正しいものを組み合せ
1923
1924 たものは,
1925 後記1から5までのうちどれか(解答欄は,
1926 [22] )。
1927
1928
1929
1930 ア
1931
1932 通常抗告は,
1933 決定の告知を受けた日から2週間の不変期間内にしなければならない。
1934
1935
1936
1937 イ
1938
1939 即時抗告についての地方裁判所の裁判に対しては,
1940 再抗告をすることはできない。
1941
1942
1943
1944 ウ
1945
1946 抗告は,
1947 原決定に対して不服を有する当事者又は第三者が,
1948 原裁判所に抗告状を提出し
1949 て行う。
1950
1951
1952
1953 エ
1954
1955 原裁判所は,
1956 抗告が適法で理由があると認めるときは,
1957 原決定を更正しなければならな
1958 い。
1959
1960
1961
1962 オ
1963
1964 1.ア
1965
1966 抗告審手続は,
1967 判決手続であり,
1968 厳格な二当事者対立構造となっている。
1969
1970
1971
1972 イ
1973
1974 【正解】
1975
1976 2.ア
1977
1978 オ
1979
1980 3.イ
1981
1982 エ
1983
1984 4.ウ
1985
1986 エ
1987
1988 4
1989
1990 【出題趣旨】
1991
1992 抗告に関する基本的知識を問う問題である。
1993
1994
1995
1996 13
1997
1998 5.エ
1999
2000 オ
2001
2002 [論文式試験問題]
2003 〔第1問〕
2004
2005 1
2006
2007 別紙1「当事者双方の言い分」を読んで,
2008 以下の設問に答えなさい。
2009
2010
2011
2012 XがYに対し甲土地の明渡しを求める場合,
2013 どのような法律上の問題点があるかを検討
2014 せよ。
2015
2016 その際,
2017 争いのある事実については,
2018 Xの言い分が真実である場合とYの言い分が
2019 真実である場合のそれぞれについて検討すること。
2020
2021
2022
2023 2
2024
2025 XがYに対して訴訟を提起し,
2026 双方がそれぞれの言い分にある内容の事実を主張した場
2027 合,
2028 Yの言い分のうち,
2029 「私(Y)は,
2030 平成15年8月25日,
2031 Dから甲土地を代金1,
2032
2033 700万円で買いました。
2034
2035 」「Dの所有権移転登記に原因がなく,
2036 架空の登記であったと
2037 しても,
2038 私は,
2039 Dとの売買契約のとき,
2040 Dが所有者であると完全に信じ切っていました。」
2041 との主張にかかる事実の存否について,
2042 その主張・立証責任がXとYのいずれに存するか
2043 について説明せよ。
2044
2045
2046
2047 3
2048
2049 XのYに対する訴訟において,
2050 双方がそれぞれの言い分にある内容の事実を主張した後
2051 に,
2052 Xは,
2053 弁護士Zに対し,
2054 訴訟への対応について相談をした。
2055
2056 その際Xは,
2057 別紙2「X
2058 の説明(1)」のとおり説明をした。
2059
2060
2061 Xの説明どおりの主張をその後の口頭弁論期日において主張することについて,
2062 民事訴
2063 訟法上,
2064 どのような問題点があるかを検討せよ。
2065
2066
2067
2068 4
2069
2070 XのYに対する甲土地の明渡請求を認容する判決がされ,
2071 その判決が確定した後,
2072 Xは,
2073
2074 再び,
2075 弁護士Zに相談をし,
2076 その際,
2077 別紙3「Xの説明(2)」のとおり説明をした。
2078
2079
2080
2081 (1)
2082
2083 Zは,
2084 Xからのこの相談に対し,
2085 どのように回答すべきかについて検討せよ。
2086
2087
2088
2089 (2)
2090
2091 本件において,
2092 Yによる占有移転に対処するには,
2093 Xとしてはどのような法的手段を
2094 採ることができたかについて説明せよ。
2095
2096
2097
2098 14
2099
2100 別紙1
2101
2102 当事者双方の言い分
2103
2104 (Xの言い分)
2105 私は,
2106 ○○市のアパートに妻と子供2人の4人家族で居住しています。
2107
2108 職業は会社員で,
2109 同
2110 市から電車で約30分ほどの勤務地に通勤しています。
2111
2112
2113 以前からそろそろ同市内に一戸建ての家を建てたいと思い,
2114 土地を探していたところ,
2115 平成
2116 15年初めころ,
2117 知人からYの紹介を受けました。
2118
2119 この知人はバードウオッチングが趣味なの
2120 ですが,
2121 そのサークル活動の仲間に不動産にも詳しい男がいるということで紹介を受けたのが
2122 Yなのです。
2123
2124 私がYに土地を探していることを話すと,
2125 Yは,
2126 心当たりがあるので同市内の土
2127 地を探してあげようと言ってくれたため,
2128 お願いすることにしました。
2129
2130
2131 平成15年4月ころ,
2132 Yから,
2133 駅から比較的近いところに希望の条件に合う甲土地(地目・
2134 宅地,
2135 地積150.00平方メートル)があるので見てみないかと言われました。
2136
2137 その土地は
2138 Yの親せきであるA所有の土地で,
2139 私は,
2140 Y宅でAを紹介されました。
2141
2142 Aの話では,
2143 Aのお父
2144 さん(B)が20年くらい前にCから買ったもので,
2145 買ったときの値段はもう分からないそう
2146 ですが,
2147 当時の相場の値段だったらしいです。
2148
2149 Aのお父さん(B)が平成10年5月17日に
2150 亡くなったことから,
2151 唯一の相続人であるAが甲土地を含む全遺産を相続したのだが,
2152 Aは既
2153 に別の場所に土地と家を所有しているので,
2154 甲土地を適当な値段で売りたい,
2155 ということでし
2156 た。
2157
2158
2159 私は,
2160 Aの案内で現地を見てとても気に入り,
2161 甲土地を買うことに決めました。
2162
2163 そして,
2164 平
2165 成15年8月10日,
2166 Aから甲土地を代金2,
2167 000万円で買う契約を行い,
2168 同日に手付金と
2169 して300万円をAに支払いました。
2170
2171 Aは交渉当初は2,
2172 200万円の値段を提示してきまし
2173 たが,
2174 周囲の相場より少し高いと思いましたので,
2175 仲介してもらったYにも間に入ってもらっ
2176 て交渉した結果,
2177 最終的に2,
2178 000万円で決着したのです。
2179
2180 もちろん契約書(資料1)も交
2181 わしていますし,
2182 手付金300万円の領収書(資料2)も受け取っています。
2183
2184
2185 ただ,
2186 この土地はAが相続するに際して,
2187 税金対策のため,
2188 お父さん(B)が知人のDに代
2189 物弁済したことにして所有名義を移転してあるということでした。
2190
2191 Aによると,
2192 実際には,
2193 お
2194 父さん(B)がDから借金したことは全くなく,
2195 代物弁済をしたことはないということでした。
2196
2197
2198 もちろん,
2199 BとDとの間では,
2200 借用書や代物弁済の合意書も作られていないということです。
2201
2202
2203 仮にBとDが代物弁済契約を交わしていたとしても,
2204 Bも自分が死亡した場合の税金対策を考
2205 えていたもので,
2206 BもDも2人とも内心では本当は所有権を移転するつもりはなく,
2207 虚偽表示
2208 であったことは明らかです。
2209
2210 確かに,
2211 Yの言うとおり,
2212 Bが知人Eの銀行からの借受金債務の
2213 連帯保証人になっていたということはあります。
2214
2215 しかし,
2216 Eが破産して借受金が返済できなく
2217 なりBが連帯保証債務を履行したという事実は全く知りません。
2218
2219 Aもそのようなことは聞いた
2220 ことがないと言っています。
2221
2222 また,
2223 Aが現在,
2224 田畑など多くの不動産を所有していることから
2225 考えると,
2226 その父であるBにも同様の資産があったわけであり,
2227 仮に,
2228 Bが連帯保証の履行を
2229 することになったとしても,
2230 そのためにDから金を借りなければならなくなるはずがありませ
2231 ん。
2232
2233
2234 私が登記所で甲土地の所有者名義を確認すると,
2235 確かに平成10年5月10日の代物弁済を
2236 原因として,
2237 同年6月2日に,
2238 BからDに対し,
2239 所有権移転登記がされていました。
2240
2241 甲土地の
2242 名義は,
2243 今もD名義のままだと思います。
2244
2245
2246
2247 15
2248
2249 そこで,
2250 私は,
2251 Aに対し,
2252 甲土地の名義をDから取り戻して,
2253 私に所有権移転登記をするよ
2254 う申し入れました。
2255
2256 Aもなるべく早く名義を取り戻して所有権移転登記をしたいと言っていま
2257 した。
2258
2259 ところが,
2260 AがDに対し,
2261 甲土地の所有名義を戻すよう話した直後の平成15年8月2
2262 5日,
2263 この土地がDからYに,
2264 代金1,
2265 700万円で売却され,
2266 代金も支払われてしまいまし
2267 た。
2268
2269 そして,
2270 Yは,
2271 甲土地の引渡しを受けて現在甲土地に農機具などを置いています。
2272
2273
2274 私は,
2275 Yに対し,
2276 甲土地は自分のものであるから立ち退くよう求めましたが,
2277 Yは,
2278 甲土地
2279 は自分のものであると主張して立ち退こうとしません。
2280
2281 Yは,
2282 甲土地がDの所有であったと信
2283 じたなどと主張していますが,
2284 前述のように,
2285 Yは,
2286 私に甲土地の売買を仲介した本人です。
2287
2288
2289 甲土地がAの所有であったことを知らないはずがありません。
2290
2291 しかも,
2292 Yは,
2293 私よりも安い値
2294 段でこの土地を買っているのです。
2295
2296 私に高く売りつけようとの下心があったに違いありません。
2297
2298
2299 Yは,
2300 私とAとの売買を仲介したこと自体を否定していますが,
2301 本当に腹立たしいことで,
2302 絶
2303 対に許せません。
2304
2305 Yが仲介したことはAに聞いてもらえば分かると思います。
2306
2307 ただし,
2308 私がY
2309 との間で土地の媒介契約書を作っていないことも事実であり,
2310 Yが仲介した事実が認められな
2311 いこともあるかもしれません。
2312
2313 しかし,
2314 仲介の事実が認められないとしても,
2315 YはAやDとは
2316 親せきであり,
2317 しばしば財産管理の相談も受けていたようであり,
2318 また,
2319 AやDの資産の状況
2320 もよく知っていたはずですから,
2321 その事実からも甲土地がDの所有ではないことを十分知って
2322 いたことは十分認められると思います。
2323
2324 仮に知らなかったとしても,
2325 不注意だったことは明ら
2326 かです。
2327
2328 Aも,
2329 Dに登記を戻してほしいという話をするまでDとYの売買のことは知らず,
2330 Y
2331 から甲土地の所有権について何かを聞かれたこともないということです。
2332
2333 せっかくよい土地を
2334 見つけて購入し,
2335 そこに家を建てて家族で住もうと考えたのに,
2336 このような結果になって残念
2337 でなりません。
2338
2339 既に銀行から融資約束を取り付けていますから,
2340 移転登記さえしてもらえれば,
2341
2342 残代金は,
2343 その日のうちに支払えるようになっています。
2344
2345
2346 DもYもとんでもないことをすると腹立たしくも思います。
2347
2348 Aによれば,
2349 Yは近所でもお金
2350 に汚いところがあるとうわさのある人物で,
2351 職業は農業と言っていますが,
2352 裏では人に金を貸
2353 して高い金利を取っているという話も聞いたことがあるということです。
2354
2355
2356 私は,
2357 せっかく買った土地ですから,
2358 何としてもYから取り返し,
2359 所有権移転登記を得たい
2360 と思っています。
2361
2362
2363
2364 (Yの言い分)
2365 私は,
2366 △市内に住み,
2367 同市内で農業を営んでいます。
2368
2369 家族は,
2370 両親と妻と子供が1人です。
2371
2372
2373 所有する土地は田と畑が多く,
2374 主として米と野菜を作り,
2375 米を売って生計を立てています。
2376
2377 野
2378 菜はそれほどたくさん作っているわけではなく,
2379 家族で食べる分の外には,
2380 近所の青物市場で
2381 両親がその日にできた分を売っている程度です。
2382
2383
2384 私とXとの関係ですが,
2385 平成15年初めころ,
2386 知人から紹介を受けて会ったのが初めてです。
2387
2388
2389 私はバードウオッチングが趣味で仲間とサークル活動をしているのですが,
2390 Xが自分もバード
2391 ウオッチングに興味があるということで,
2392 サークルの集まりに参加したのが切っ掛けでした。
2393
2394
2395 そのときは,
2396 Xとの間で,
2397 バードウオッチングのことや世間話をしただけで,
2398 Xが土地を探し
2399 ているというような話を聞いた覚えはありません。
2400
2401 まして私がXの土地購入を仲介したなどと
2402 いうことは絶対にありません。
2403
2404 確かに,
2405 XにAを紹介したのは私です。
2406
2407 平成15年4月ころ,
2408
2409 Xが私の家を訪ねてきたことがあり,
2410 そのときたまたま私の家を訪れていた親戚のAをXに紹
2411
2412 16
2413
2414 介したことはあります。
2415
2416 しかし,
2417 それは不動産の取引のためではありません。
2418
2419 バードウオッチ
2420 ングの会で知り合ったXが私の家に遊びに来ていただけなのです。
2421
2422
2423 一方,
2424 私は,
2425 親せきのDから○○市内にある甲土地を買ってほしいとの申入れを受け,
2426 平成
2427 15年8月25日,
2428 代金1,
2429 700万円で買いました。
2430
2431 代金は銀行から預金を下ろしたほか,
2432
2433 同銀行から,
2434 同日1,
2435 000万円を借り受け,
2436 即日Dに支払いました。
2437
2438 銀行から借り受けた1,
2439
2440 000万円については,
2441 私の所有する宅地の一部に,
2442 この借受金のために抵当権を設定しまし
2443 た。
2444
2445 この抵当権は登記も済ませています。
2446
2447
2448 私は,
2449 Dから甲土地の引渡しを受けて,
2450 現在,
2451 同土地に農機具などを置いて同土地を占有し
2452 ています。
2453
2454 所有権移転登記はまだ行っていませんが,
2455 近いうちにDに登記手続に協力してもら
2456 おうと思っています。
2457
2458 土地の売買契約書(資料3)も作ってあり,
2459 銀行から700万円を下ろ
2460 したときの預金通帳,
2461 銀行からの1,
2462 000万円の金銭消費貸借契約書(資料4)もあります。
2463
2464
2465 Dから聞いたところによると,
2466 Dは,
2467 Aの父(B)に対し,
2468 平成8年10月5日,
2469 2,
2470 50
2471 0万円を弁済期平成9年10月末日との約定で貸し付けたものの,
2472 弁済期を過ぎても返済がで
2473 きず,
2474 そうこうしているうちにBの具合が悪くなってしまい,
2475 返済が延び延びになり,
2476 Bが死
2477 ぬ直前の平成10年5月10日,
2478 Bの入院先において,
2479 上記借金を返す代わりに甲土地の所有
2480 権をDに移転するとの合意をしたとのことでした。
2481
2482 Bは知人Eが銀行から借りた金の連帯保証
2483 人となっていたそうですが,
2484 Eが倒産して返せなくなり,
2485 銀行から連帯保証人として債務の履
2486 行を求められたために,
2487 その資金としてDが貸し付けたのが上記の貸金だそうです。
2488
2489 ただ,
2490 D
2491 とBは生前から大変親しくしていたらしく,
2492 消費貸借契約証書などは作らず,
2493 代物弁済の合意
2494 のときも特に書面は作らなかったものの,
2495 代物弁済の合意をしたときの様子は病室でBの看病
2496 をしていたAが一部始終を見ていたとのことです。
2497
2498 ところが,
2499 その直後,
2500 Bの病状が悪化して,
2501
2502 所有権移転登記をしないうちに,
2503 同月17日に,
2504 Bは亡くなってしまったのです。
2505
2506 そして,
2507 同
2508 年6月2日,
2509 Bの唯一の相続人であった息子のAがBからDへの直接の所有権移転登記の手続
2510 を行ったのですが,
2511 Aは,
2512 病室でBの約束を見ていたので,
2513 名義移転について特に異論はなか
2514 ったという話です。
2515
2516 代物弁済の原因証書はAとDとで作成したものと思います。
2517
2518 Xは,
2519 Aの税
2520 金対策のため何らの原因もないのにDに架空の名義移転をしたと主張していますが,
2521 Dから聞
2522 いた限りでは所有権移転登記を取得した経緯は上記のとおりであり,
2523 きちんとした代物弁済の
2524 合意があったのです。
2525
2526 もちろんこの合意が虚偽表示だということもありません。
2527
2528 Dが所有権移
2529 転登記を備えた以上,
2530 もうXは何も言えないのではないでしょうか。
2531
2532
2533 仮に,
2534 百歩譲って,
2535 Dの所有権移転登記に原因がなく,
2536 架空の登記であったとしても,
2537 私は,
2538
2539 Dとの売買契約のとき,
2540 Dが所有者であると完全に信じていましたし,
2541 疑わしい事情も全くあ
2542 りませんでした。
2543
2544 私は,
2545 AやDとは親せきですが,
2546 住んでいる場所を知っている程度で,
2547 Aの
2548 財産状態は今でも知りませんし,
2549 Dの財産状態についても,
2550 Dから甲土地を買ってほしいと言
2551 われるまでは全く知りませんでした。
2552
2553 買い受けるかどうかを決めるに当たっては登記は調べま
2554 したが,
2555 Dの説明のとおりでしたし,
2556 現地も更地でした。
2557
2558 売買に当たり,
2559 Dの前主であるAに
2560 まで事情を聞いたりはしませんでした。
2561
2562
2563 最近になって,
2564 Xは,
2565 私がXとAとの間の甲土地の売買契約を仲介したなどと主張していま
2566 すが,
2567 先ほども述べたとおり,
2568 そのような事実は絶対にありません。
2569
2570 Aも私の親せきですが,
2571
2572 AがXに甲土地を売っていたということも知りません。
2573
2574 確かに,
2575 先ほども述べたように,
2576 私は,
2577
2578 Xとバードウオッチングの同好会で知り合った後,
2579 たまたま私の家に来ていたAをXに紹介し
2580
2581 17
2582
2583 たことはあります。
2584
2585 しかし,
2586 土地の購入のことで紹介したわけではないのです。
2587
2588
2589 私は,
2590 甲土地を所有者であるDから正式に購入し,
2591 代金も完済していますから,
2592 完全に所有
2593 者です。
2594
2595 聞くところによると,
2596 Xはまだ代金の一部(手付金)しか払っていないということで
2597 す。
2598
2599 そんなXに対して,
2600 なぜ正当な所有者である私が甲土地を引き渡さなければならないので
2601 しょうか。
2602
2603 確かに,
2604 Xが私に明渡しを求めに来た時には,
2605 私は農業をしておりこの土地を使う
2606 予定は特にないと申しましたが,
2607 今は,
2608 隣地も購入し,
2609 アパートを建てて人に貸そうと思って
2610 います。
2611
2612 そのため,
2613 私は,
2614 隣地の所有者と土地購入の交渉も始めており,
2615 アパート建築の工事
2616 業者と建築の具体的な計画について,
2617 現在相談しています。
2618
2619 私は,
2620 先ほど申しましたとおり,
2621
2622 この土地購入のため銀行から1,
2623 000万円も借り受けており,
2624 農業収入だけでは返せません
2625 から,
2626 アパート経営は是非とも必要なのです。
2627
2628 したがって,
2629 私にとっても甲土地は必要性の高
2630 い土地であり,
2631 絶対に甲土地をXに引き渡すつもりはありません。
2632
2633
2634
2635 18
2636
2637 別紙2
2638
2639 1
2640
2641 Xの説明(1)
2642
2643 私は,
2644 Yを相手に土地の明渡しを求める訴えを起こしています。
2645
2646 これまでに,
2647 私とYが裁
2648 判所で主張してきた事実は,
2649 別紙1の当事者双方の言い分に書いてあるとおりです。
2650
2651 この裁
2652 判は,
2653 現在,
2654 双方の主張を整理する弁論準備手続期日というものが終わって,
2655 次回には,
2656 A
2657 の証人調べが行われる予定です。
2658
2659
2660
2661 2
2662
2663 そこで,
2664 本日の相談なのですが,
2665 実は,
2666 尋問の準備をするに当たって,
2667 いろいろと調べた
2668 結果,
2669 以下のようなことが判明しました。
2670
2671 このようなことを主張してもよいものか知りたい
2672 のです。
2673
2674
2675
2676 3
2677
2678 まず,
2679 BとEとの関係ですが,
2680 Aにもう一度記憶を喚起してもらったところ,
2681 確かに,
2682 E
2683 は,
2684 Bの知人でしたが,
2685 単なる仕事上の付き合いがあった程度で,
2686 とても保証人になるよう
2687 な間柄ではなかったということです。
2688
2689 したがって,
2690 BがEの連帯保証人になったということ
2691 はないのです。
2692
2693 私としては,
2694 息子のAの説明をそのまま信じてしまいましたが,
2695 Aももう高
2696 齢で記憶があいまいになっていたようです。
2697
2698
2699 また,
2700 BがDから借入れをしたとされているときの状況ですが,
2701 これもAに確認したとこ
2702 ろ,
2703 Bは,
2704 当時,
2705 田畑のほかにも,
2706 かなりの株式を所有していたようです。
2707
2708 また,
2709 この甲土
2710 地も農作業に使う機具等を置くために使っていたというのです。
2711
2712 ですから,
2713 Bは,
2714 Dからお
2715 金を借りる必要はなかったはずですし,
2716 少なくとも,
2717 この土地を代物弁済に差し出すという
2718 ことは考えられません。
2719
2720
2721
2722 4
2723
2724 次に,
2725 Yが平成15年8月25日,
2726 Dとの間で甲土地の売買契約を締結したというYの主
2727 張についてですが,
2728 私は,
2729 まさかYがこんなことまでも嘘(うそ)をつく人間だとは思って
2730 もみませんでしたし,
2731 その当時何の証拠もなく,
2732 Y本人が言っていることを争ってみても仕
2733 方がない,
2734 余計なことまで争って裁判所に悪い心証を与えるのはかえって不利ではないかと
2735 考えていました。
2736
2737 しかし,
2738 その後,
2739 私が調べたところによると,
2740 平成15年8月25日当時,
2741
2742 Yはバードウオッチングの団体の一員として海外旅行中であって,
2743 この前後の10日間くら
2744 いは日本にいなかったのです。
2745
2746 したがって,
2747 平成15年8月25日にDと売買契約を結ぶと
2748 いうことはあり得なかったのです。
2749
2750
2751 また,
2752 YがDに対する売買代金の支払のために,
2753 銀行から1,
2754 000万円借り入れたとい
2755 うYの主張です。
2756
2757 確かに,
2758 Yはその当時銀行から1,
2759 000万円を借り入れてはいますが,
2760
2761 これはYの息子さんが経営する会社の事業資金に当てるためのものであって,
2762 Dに対する支
2763 払のためではなかったのです。
2764
2765 Yの取引銀行に勤務している私の友人の話では,
2766 この借入れ
2767 についていろいろとごたごたしたことがあり,
2768 Yのことは銀行内では有名だそうです。
2769
2770
2771
2772 5
2773
2774 最後に,
2775 YとDとの関係ですが,
2776 実は,
2777 YはDの不動産の売却を仲介したことがあること
2778 が分かりました。
2779
2780 このことは,
2781 その不動産の買主にも確認したことです。
2782
2783 このように,
2784 Yは,
2785
2786 Dの財産管理もしていますので,
2787 甲土地がDのものではないことはもちろん知っていたと思
2788 います。
2789
2790
2791
2792 6
2793
2794 私としては,
2795 以上のようなことを主張して,
2796 裁判所に私の言い分が正しいことを分かって
2797 もらいたいと考えております。
2798
2799
2800
2801 19
2802
2803 別紙3
2804
2805 1
2806
2807 Xの説明(2)
2808
2809 私のYに対する甲土地の明渡訴訟については,
2810 全面的な勝訴となり,
2811 Yも観念したのか控
2812 訴もしないで判決が確定しまして,
2813 ほっとしております。
2814
2815
2816
2817 2
2818
2819 ところで,
2820 昨日,
2821 甲土地を見に行ったところ,
2822 「本件土地はFが占有するものであり,
2823 無
2824 断立入りを禁ずる」という看板が立っており驚きました。
2825
2826 Fというのは初めて聞く名前で,
2827
2828 どんな人かは分かりませんが,
2829 住所は書いてありましたのでメモしてきました。
2830
2831 Yの農機具
2832 などはありませんでした。
2833
2834
2835 裁判で,
2836 Aの尋問が行われたのは,
2837 私やYの尋問が行われた期日の前の期日だったと思い
2838 ますが,
2839 その日に甲土地を見たときには,
2840 Yの農機具などが置いてあって,
2841 Fの看板や,
2842 F
2843 の存在を示すものは何もありませんでした。
2844
2845 それから,
2846 昨日まで,
2847 甲土地を見にいっていま
2848 せんでしたので,
2849 いつFが甲土地を占有するようになったのかは不明です。
2850
2851
2852 また,
2853 いったいどのような経緯でFが甲土地を占有するようになったかについても全く分
2854 かりません。
2855
2856 Yが関与していたかどうかも分かりません。
2857
2858
2859
2860 3
2861
2862 せっかく勝訴判決をもらったのですが,
2863 この判決は,
2864 Fに対しては何の効果もないのでし
2865 ょうか。
2866
2867
2868
2869 20
2870
2871 資料1
2872
2873 収
2874
2875 入
2876
2877 印
2878
2879 紙
2880
2881 不 動 産 売 買 契 約 書
2882
2883 末尾記載の不動産を,
2884 売主を甲とし,
2885 買主を乙とし,
2886 下記のとおり売買契約をする。
2887
2888
2889 1条
2890
2891 甲は,
2892 上記不動産を金2000万円也を以て,
2893 乙に売渡すことを契約し,
2894 乙は,
2895 これを
2896 買い受けることを約諾した。
2897
2898
2899
2900 2条
2901
2902 乙は,
2903 甲に対し,
2904 売買代金の内金300万円を手付として支払い,
2905 甲はこれを受領した。
2906
2907
2908
2909 3条
2910
2911 売買代金の残額は,
2912 所有権移転登記と同時に支払い,
2913 登記に関する登録税其の他の費用
2914 は乙の負担とする。
2915
2916 本売買登記及び代金決済は,
2917 本契約成立後1か月以内に行うものとす
2918 る。
2919
2920
2921
2922 4条
2923
2924 本不動産の所有権は,
2925 本契約日に乙に移転するものとする。
2926
2927
2928
2929 5条
2930
2931 甲は,
2932 所有権移転登記を乙の都合で第三者に変更し又は転売するも,
2933 其の名義人の何人
2934 たるを問わず,
2935 異議なく乙の指定する名義人に登記することを承諾する。
2936
2937
2938
2939 6条
2940
2941 本契約に記載しない事項は,
2942 甲乙話合いの上別に定める。
2943
2944
2945
2946 上記のとおり契約したので本契約書2通を作成し甲乙各1通を所持するものとする。
2947
2948
2949
2950 平成15年8月10日
2951
2952 住
2953
2954 所
2955
2956 売
2957
2958 住
2959
2960 略
2961
2962 主
2963
2964 所
2965
2966 買
2967
2968 (甲)
2969
2970 A
2971
2972 ,
2973
2974 X
2975
2976 ,
2977
2978 略
2979
2980 主
2981
2982 (乙)
2983
2984 21
2985
2986 不
2987
2988 動
2989
2990 産
2991
2992 の
2993
2994 所
2995
2996 在
2997
2998 ○○県○○市(以下略)
2999
3000 地
3001
3002 番
3003
3004 略
3005
3006 地
3007
3008 目
3009
3010 宅地
3011
3012 地
3013
3014 積
3015
3016 150.00平方メートル
3017
3018 22
3019
3020 表
3021
3022 示
3023
3024 資料2
3025
3026 領
3027
3028 収
3029
3030 証
3031
3032 No.002121
3033
3034 平成15年
3035 X
3036
3037 8月10日
3038
3039 様
3040
3041 ― 金 三 佰 萬 圓 也
3042 但し
3043
3044 売買代金手付として
3045
3046 上記の金額正に領収いたしました
3047
3048 ,
3049
3050 A
3051
3052 住
3053
3054 所
3055
3056 TEL
3057
3058 略
3059
3060 収 入
3061
3062 ,
3063 印 紙
3064
3065 (○○○)○○○−○○○○
3066
3067 23
3068
3069 資料3
3070
3071 収
3072
3073 入
3074
3075 印
3076
3077 紙
3078
3079 不 動 産 売 買 契 約 書
3080
3081 末尾記載の不動産を,
3082 売主を甲とし,
3083 買主を乙とし,
3084 下記のとおり売買契約をする。
3085
3086
3087 1条
3088
3089 甲は,
3090 上記不動産を金1700万円也を以て,
3091 乙に売渡すことを契約し,
3092 乙は,
3093 これを
3094 買い受けることを約諾した。
3095
3096
3097
3098 2条
3099
3100 乙は,
3101 甲に対し,
3102 1条の売買代金を支払い,
3103 甲はこれを受領した。
3104
3105 甲は,
3106 乙に対し,
3107 本
3108 不動産を引渡し,
3109 乙はこれを受領した。
3110
3111
3112
3113 3条
3114
3115 本売買登記は,
3116 甲乙協議の上,
3117 可及的速やかに行うものとする。
3118
3119 登記に関する登録税其
3120 の他の費用は乙の負担とする。
3121
3122
3123
3124 4条
3125
3126 本契約に記載しない事項は,
3127 甲乙話合いの上別に定める。
3128
3129
3130
3131 上記のとおり契約したので本契約書2通を作成し甲乙各1通を所持するものとする。
3132
3133
3134
3135 平成15年8月25日
3136
3137 住
3138
3139 所
3140
3141 売
3142
3143 住
3144
3145 略
3146
3147 主
3148
3149 (甲)
3150
3151 所
3152
3153 買
3154
3155 住
3156
3157 D
3158
3159 ,
3160
3161 Y
3162
3163 ,
3164
3165 略
3166
3167 主
3168
3169 (乙)
3170
3171 所
3172
3173 立
3174
3175 会
3176
3177 人
3178
3179 24
3180
3181 住
3182
3183 ※
3184
3185 所
3186
3187 総合不動産業
3188
3189 ×
3190
3191 宅地建物取引主任
3192
3193 ×
3194
3195 商
3196
3197 事
3198
3199 宅地建物取引
3200 主任者代表者
3201 住所
3202
3203 ××××
3204
3205 略
3206
3207 п宦宦宦i○○○)○○○○
3208
3209 不
3210
3211 動
3212
3213 産
3214
3215 の
3216
3217 所
3218
3219 在
3220
3221 ○○県○○市(以下略)
3222
3223 地
3224
3225 番
3226
3227 略
3228
3229 地
3230
3231 目
3232
3233 宅地
3234
3235 地
3236
3237 積
3238
3239 150.00平方メートル
3240
3241 25
3242
3243 表
3244
3245 示
3246
3247 ,
3248
3249 資料4
3250
3251 収
3252
3253 入
3254
3255 印
3256
3257 紙
3258
3259 金銭消費貸借契約証書
3260
3261 (1)
3262
3263 借入金額
3264
3265 ¥10,
3266 000,
3267 000
3268
3269 (2)
3270
3271 利
3272
3273 年3.65%(年365日の日割り計算)
3274
3275 (3)
3276
3277 最終弁済期限
3278
3279 (4)
3280
3281 弁済方法
3282
3283 (5)
3284
3285 息
3286
3287 平成20年10月25日
3288 @
3289
3290 16.10.25
3291
3292 ¥2,
3293 000,
3294 000
3295
3296 A
3297
3298 17.10.25
3299
3300 ¥2,
3301 000,
3302 000
3303
3304 B
3305
3306 18.10.25
3307
3308 ¥2,
3309 000,
3310 000
3311
3312 C
3313
3314 19.10.25
3315
3316 ¥2,
3317 000,
3318 000
3319
3320 D
3321
3322 20.10.25
3323
3324 ¥2,
3325 000,
3326 000
3327
3328 利息支払方法
3329
3330 毎年4月25日及び10月25日の2回,
3331 そ
3332 の日までの利息を支払う。
3333
3334
3335
3336 (6)
3337
3338 支払場所
3339
3340 直接貴銀行又は貴銀行の指示した場所に持参
3341 します。
3342
3343
3344
3345 (7)
3346
3347 損 害 金
3348
3349 年14.6%(年365日の日割計算)
3350
3351 債務者は,
3352 上記条件により金銭を借用し確かに受領しました。
3353
3354 ついては,
3355 裏面の
3356 条項を承認の上,
3357 上記条件に従い,
3358 債務の履行をします。
3359
3360
3361
3362 平成15年8月25日
3363
3364 株式会社○○銀行
3365
3366 債
3367
3368 務
3369
3370 者
3371
3372 連帯保証人
3373
3374 御中
3375
3376 住
3377
3378 所
3379
3380 略
3381
3382 氏
3383
3384 名
3385
3386 Y
3387
3388 住
3389
3390 所
3391
3392 略
3393
3394 氏
3395
3396 名
3397
3398 略
3399
3400 ,
3401
3402 ,
3403 26
3404
3405 (裏面)
3406
3407 第1条(期限の利益の喪失)
3408 債務者について次の各号の事由が一つでも生じた場合には,
3409 貴銀行から通知催告等がなく
3410 とも貴銀行に対する一切の債務について当然に期限の利益を失い,
3411 直ちに債務を弁済します。
3412
3413
3414 (1)
3415
3416 債務者又は保証人の貴銀行に対する貯金その他の債権について仮差押え,
3417 保全差押え,
3418
3419 又は差押の命令,
3420 通知が発送されたとき
3421
3422 (2)
3423
3424 住所変更の届け出を怠るなど債務者の責に帰すべき事由によって,
3425 貴銀行に債務者の所
3426 在が不明となったとき
3427
3428 (3)
3429
3430 債務者について支払の停止又は破産,
3431 和議開始,
3432 会社更生手続開始,
3433 会社整理開始若し
3434 くは特別清算開始の申立てがあったとき
3435
3436 (4)
3437
3438 債務者が手形交換所の取引停止処分を受けたとき
3439
3440 (5)
3441
3442 債務者が債務の一部でも履行を遅滞したとき
3443
3444 (6)
3445
3446 担保の目的物について差押え又は競売手続の開始があったとき
3447
3448 (7)
3449
3450 債務者が貴銀行の取引約定に違反したとき
3451
3452 (8)
3453
3454 保証人が(1)から(7)の一つにでも該当したとき
3455
3456 中
3457
3458 略
3459
3460 第10条(保証)
3461 1
3462
3463 保証人は,
3464 債務者がこの約定によって負担する一切の債務について,
3465 債務者と連帯して
3466 保証債務を負い,
3467 その履行についてはこの約定に従います。
3468
3469
3470
3471 2
3472
3473 保証人は,
3474 貴銀行がその都合によって担保若しくは他の保証を変更,
3475 解除しても免責を
3476 主張しません。
3477
3478
3479
3480 3
3481
3482 保証人が保証債務を履行した場合,
3483 代位によって貴銀行から取得した権利は,
3484 貴銀行の
3485 同意がなければこれを行使しません。
3486
3487 もし,
3488 貴銀行の請求があれば,
3489 その権利又は順位を
3490 貴銀行に無償で譲渡します。
3491
3492
3493
3494 中
3495
3496 略
3497
3498 第12条(管轄)
3499 債務者及び保証人は,
3500 この契約に基づく取引についての訴訟は,
3501 ○○県○○市を管轄する
3502 裁判所を管轄裁判所とすることに合意します。
3503
3504
3505
3506 以
3507
3508 27
3509
3510 上
3511
3512 【出題趣旨】
3513 本問は,
3514 民法94条2項と177条についての最 高 裁 判 所 昭 和 4 2 年 1 0 月 3 1 日 判 決
3515 (民集21巻8号2232頁)の事例を参考に作成した事例を用いた,
3516 民法と民事訴訟法に
3517 またがる問題である。
3518
3519 事例解析能力,
3520 論理的思考力,
3521 法解釈・適用能力等を十分に見ること
3522 を基本とし,
3523 理論的かつ実践的な能力の判定ができるよう,
3524 比較的長文の具体的な事例を出
3525 題し,
3526 現在の司法試験より長い時間(4時間程度)をかけて,
3527 法的な分析,
3528 構成及び論述の
3529 能力を試そうとするものである。
3530
3531
3532 設問1は,
3533 当事者双方の言い分から法的に意味のある事実を抽出し,
3534 当事者双方の言い分
3535 の違いに注意して場合分けをした上で実体法上の問題点を検討させる問題であり,
3536 設問2は,
3537
3538 当事者の主張の一部についてだれが主張・立証責任を負うかを検討させる問題である。
3539
3540 設問
3541 3は,
3542 当事者の弁護士に対する説明から民事訴訟法上,
3543 問題となり得る陳述を抽出し,
3544 自白
3545 の撤回に関するものを中心として問題点を検討させる問題であり,
3546 設問4は判決の効力の主
3547 観的拡張の可否について場合分けをした上で検討させるとともに,
3548 被告による占有移転に対
3549 処するための法的措置についての基本的知識を問う問題である。
3550
3551 このように,
3552 民事訴訟法に
3553 関する分野の出題範囲については,
3554 民事訴訟法のほか,
3555 民事執行法及び民事保全法等の関連
3556 法も,
3557 法科大学院の民事訴訟法の講義の中で通常触れられる部分は,
3558 これに含まれるもので
3559 ある。
3560
3561
3562
3563 28
3564
3565 〔第2問〕
3566
3567 甲弁護士は,
3568 平成16年6月7日,
3569 A株式会社(以下「A社」という。
3570
3571 )の株主総
3572
3573 会検査役に選任された。
3574
3575 そこで,
3576 甲弁護士は,
3577 株主総会検査役として,
3578 同年6月15日,
3579 A社
3580 の総務部長である乙氏から事情聴取し,
3581 その結果を聴取書にまとめるとともに,
3582 乙氏から関係
3583 書類を受領した。
3584
3585 また,
3586 甲弁護士は,
3587 同年6月29日開催のA社の株主総会に出席し,
3588 別紙資
3589 料5に記載の出来事を見聞した。
3590
3591
3592 別紙の各資料を読んで,
3593 甲弁護士が株主総会検査役として裁判所に報告すべき事項のうち,
3594
3595 商法上の論点を箇条書にし,
3596 併せて,
3597 当該報告を受けた裁判所の立場に立って,
3598 当該報告に係
3599 る各論点についての見解と,
3600 その理由を簡潔に述べよ。
3601
3602
3603 なお,
3604 乙氏の甲弁護士への陳述内容及び資料5のうちの関係者の証言内容は,
3605 すべて真実で
3606 あるものとする。
3607
3608
3609 また,
3610 別紙の各資料によって認められる事実以外の事実を付加して解答してはならない。
3611
3612
3613
3614 資料1
3615
3616 乙氏からの聴取書
3617
3618 A社総務部長の乙氏は,
3619 平成16年6月15日,
3620 当職に対し,
3621 下記のとおり申し述べた。
3622
3623
3624 記
3625 私は,
3626 平成15年7月1日に総務部長となり,
3627 現在に至っております。
3628
3629
3630 当社は,
3631 昭和53年から東証2部に上場しております。
3632
3633 その主たる営業内容は,
3634 洋菓子やパ
3635 ンの製造・販売です。
3636
3637
3638 当社の株主数は,
3639 単元未満株主も含めますと約3,
3640 000人ですが,
3641 単元株主の数は,
3642 約1,
3643
3644 500人です。
3645
3646 単元未満株主の有する株式の合計数は,
3647 10万株です。
3648
3649
3650 なお,
3651 当社は,
3652 平成16年3月31日時点で,
3653 自己株式を保有しておりません。
3654
3655
3656 また,
3657 当社には子会社はなく,
3658 当社株式を保有している関連会社もありません。
3659
3660
3661 ちなみに,
3662 当社が平成13年の商法改正前に発行していた額面株式の1株の金額は50円で
3663 した。
3664
3665 この額面株券は,
3666 回収・再発行の手続をとっておりません。
3667
3668
3669 当社は,
3670 工場設備の大規模な更新を計画していますが,
3671 内部留保金の取崩しでは費用の全額
3672 を賄えないため,
3673 平成16年5月1日を払込期日とする20万株の第三者割当増資を行い,
3674 当
3675 社の主要取引先であるB社に引き受けていただきました。
3676
3677 この新株発行により,
3678 当社の発行済
3679 株式総数は220万株,
3680 資本の額は110億円になりました。
3681
3682
3683 さて,
3684 甲弁護士は,
3685 平成16年6月29日に開催される当社の株主総会の検査役になられた
3686 とのことですが,
3687 この株主総会は定時総会です。
3688
3689 この株主総会には,
3690 株主のCさんから株主提
3691 案権が行使されています。
3692
3693 Cさんが平成16年3月31日現在で名義書換をしていた株式数は
3694 2万株で,
3695 同数の株式を平成15年3月31日時点でも名義書換されていました。
3696
3697 Cさんは,
3698
3699 当社の従業員として永らく当社に勤務された方で,
3700 平成16年2月末で当社を退職されたので
3701 すが,
3702 今回の株主提案権の行使は,
3703 ご退職の際の当社の処遇にご不満がおありのためと承って
3704 おります。
3705
3706
3707 今回の株主総会招集のための取締役会は,
3708 平成16年6月10日に開催され,
3709 資料4の株主
3710
3711 29
3712
3713 総会招集通知書は,
3714 当該取締役会で承認されたものです。
3715
3716 当社は,
3717 この招集通知書に議決権行
3718 使書用紙,
3719 参考書類を添付したものを平成16年6月14日に発送しております。
3720
3721
3722
3723 以
3724
3725 上
3726
3727 資料2
3728
3729 定
3730 第1章
3731
3732 総
3733
3734 款
3735
3736 則
3737
3738 第1条〜第4条(略)
3739
3740 第2章
3741
3742 株式
3743
3744 (株式の総数)
3745 第5条
3746
3747 当会社が発行する株式の総数は,
3748 500万株とする。
3749
3750
3751
3752 (単元未満株券の不発行)
3753 第6条
3754
3755 当会社は,
3756 1単元の株式の数に満たない株式(以下「単元未満株式」という。
3757
3758 )に係
3759
3760 わる株券を発行しない。
3761
3762 ただし,
3763 株式取扱規程に定めるところについてはこの限りでない。
3764
3765
3766
3767 (基準日)
3768 第7条
3769
3770 当会社は,
3771 毎年3月31日の最終の株主名簿(実質株主名簿を含む。
3772
3773 以下同じ。
3774
3775 )に
3776
3777 記載又は記録された議決権を有する株主(実質株主を含む。
3778
3779 以下同じ。
3780
3781 )をもって,
3782 その決
3783 算期の定時株主総会において権利を行使すべき株主とする。
3784
3785
3786 A
3787
3788 前項のほか,
3789 必要がある場合は,
3790 取締役の決議によりあらかじめ公告して,
3791 一定の日にお
3792 ける最終の株主名簿に記載されている株主又は登録質権者をもってその権利を行使すべき株
3793 主又は登録質権者とすることができる。
3794
3795
3796
3797 (名義書換代理人)
3798 第8条
3799 A
3800
3801 当会社は,
3802 株式につき名義書換代理人を置く。
3803
3804
3805
3806 名義書換代理人及びその事務取扱場所は,
3807 取締役会の決議によって選定し,
3808 これを公告す
3809 る。
3810
3811
3812
3813 B
3814
3815 当会社の株主名簿及び実質株主名簿(以下「株主名簿等」という。
3816
3817 )は,
3818 名義書換代理人
3819 の事務取扱場所に備置き,
3820 株式の名義書換,
3821 単元未満株式の買取り,
3822 その他株式に関する事
3823 務は,
3824 これを名義書換代理人に取り扱わせ,
3825 当会社においては取り扱わない。
3826
3827
3828
3829 (株式取扱規程)
3830 第9条
3831
3832 当会社の株券の種類並びに株式の名義書換,
3833 単元未満株式の買取り,
3834 その他株式に関
3835
3836 する取扱い及び手数料は,
3837 法令又は本定款のほか,
3838 取締役会において定める株式取扱規程に
3839
3840 30
3841
3842 よる。
3843
3844
3845
3846 第3章
3847
3848 株主総会
3849
3850 (招集の時期及び議決権)
3851 第10条
3852
3853 当会社の定時株主総会は,
3854 毎年6月にこれを招集し,
3855 臨時株主総会は,
3856 必要あると
3857
3858 きに随時これを招集する。
3859
3860
3861
3862 (招集権者及び議長)
3863 第11条
3864 A
3865
3866 株主総会は,
3867 取締役社長がこれを招集し,
3868 議長となる。
3869
3870
3871
3872 取締役社長に事故があるときは,
3873 取締役会においてあらかじめ定めた順序に従い,
3874 他の取
3875 締役が株主総会を招集し,
3876 議長となる。
3877
3878
3879
3880 (決議の方法)
3881 第12条
3882
3883 株主総会の決議は,
3884 法令又は本定款に別段の定めある場合を除き,
3885 出席した株主の
3886
3887 議決権の過半数で行う。
3888
3889
3890 A
3891
3892 商法第343条に定める特別決議は,
3893 総株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席
3894 し,
3895 その議決権の3分の2以上で行う。
3896
3897
3898
3899 (議決権の代理行使)
3900 第13条
3901
3902 株主は,
3903 当会社の議決権を有する他の株主を代理人として,
3904 その議決権を行使する
3905
3906 ことができる。
3907
3908
3909 A
3910
3911 株主または代理人は,
3912 株主総会毎に代理権を証明する書面を当会社に提出しなければなら
3913 ない。
3914
3915
3916
3917 (議事録)
3918 第14条
3919
3920 株主総会における議事の経過の要領及びその結果については,
3921 これを議事録に記載
3922
3923 又は記録し,
3924 議長及び出席した取締役がこれに記名押印又は電子署名を行う。
3925
3926
3927
3928 第4章
3929
3930 取締役及び取締役会
3931
3932 第15条〜第25条(略)
3933
3934 第5章
3935
3936 監査役及び監査役会
3937
3938 第26条〜第35条(略)
3939
3940 第6章
3941
3942 計算
3943
3944 (営業年度)
3945 第36条
3946
3947 当社の営業年度は,
3948 毎年4月1日から翌年3月31日までの1年とする。
3949
3950
3951
3952 (利益配当金)
3953 第37条
3954
3955 利益配当金は,
3956 毎年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登
3957
3958 31
3959
3960 録質権者に支払う。
3961
3962
3963
3964 (中間配当金)
3965 第38条
3966
3967 当会社は,
3968 取締役会の決議により,
3969 毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記
3970
3971 録された株主又は登録質権者に対し,
3972 中間配当を行うことができる。
3973
3974
3975
3976 (配当金の除斥期間)
3977 第39条
3978
3979 利益配当金及び中間配当金は,
3980 支払開始の日から満3年を経過してもなお受領され
3981
3982 ないときは,
3983 当会社はその支払義務を免れる。
3984
3985
3986
3987 32
3988
3989 資料3
3990
3991 平成16年4月30日
3992
3993 A株式会社
3994 代表取締役社長
3995
3996 殿
3997
3998 A社株主C
3999
4000 少数株主の提案権行使
4001 私は,
4002 貴社の総株主の議決権の100分の1以上に当たる2万株の株式を,
4003 6か月前から所
4004 有しております。
4005
4006 来る6月に開催される貴社の定時株主総会において,
4007 下記の事項を総会の会
4008 議の目的とし,
4009 かつ同議案の要領を,
4010 株主総会の招集通知書に記載されるよう請求いたします。
4011
4012
4013 提
4014
4015 案
4016
4017 事
4018
4019 項
4020
4021 1
4022
4023 第34期利益処分案又は損失処理案の修正及び承認の件
4024
4025 2
4026
4027 議案の要領
4028 会社提案の利益処分案又は損失処理案を次の内容に修正した上で承認する。
4029
4030
4031
4032 (1)
4033
4034 当期未処分利益又は当期未処理損失の額は,
4035 会社提案の利益処分案又は損失処理案のと
4036 おりとする。
4037
4038
4039
4040 (2)
4041
4042 任意積立金のうち別途積立金12億円を取り崩し,
4043 これを当期利益処分の対象に加える。
4044
4045
4046
4047 (3)
4048
4049 (1)の当期未処分利益又は当期未処理損失の額に(2)の任意積立金取崩額を加えた当期利
4050 益処分の対象金額を次のとおり処分する。
4051
4052
4053 @
4054
4055 株主配当金として,
4056 1株につき20円(ただし,
4057 商法によりその許容される1株あた
4058 りの配当金の上限が20円を下回るときは,
4059 その上限となる金額)
4060
4061 A
4062
4063 商法288条の規定に基づき利益準備金を積み立てることを要する場合には,
4064 利益準
4065 備金として,
4066 同条に基づき積み立てなければならない最低額
4067
4068 B
4069
4070 次期繰越利益として,
4071 (1)の当期未処分利益又は当期未処理損失の額に(2)の任意積立
4072 金取崩額を加えた額から(3)の@及びAの処分額を控除した残額
4073
4074 3
4075
4076 提案の理由
4077 当社は,
4078 多額の余剰資金を内部留保しているが,
4079 本業にはほとんど投資を行わず,
4080 その内
4081 部留保金は,
4082 預金のままかせいぜい有価証券購入に向けられているにすぎない。
4083
4084 その結果,
4085
4086 当社の製品は時流に遅れ,
4087 今後の展開は極めて悲観的であると言わざるを得ない。
4088
4089
4090 現経営者が,
4091 このまま経営を続けるならば,
4092 企業価値の向上は望めない。
4093
4094 現経営者が,
4095 経
4096 営方針を変えないのであれば,
4097 配当金額を増額して株主に還元すべきである。
4098
4099
4100
4101 以
4102
4103 33
4104
4105 上
4106
4107 資料4
4108
4109 平成16年6月14日
4110
4111 株
4112
4113 主
4114
4115 各
4116
4117 位
4118
4119 東
4120
4121 京
4122
4123 都
4124
4125 A株式会社
4126 代表取締役社長
4127
4128 D
4129
4130 第34期定時株主総会招集ご通知
4131
4132 拝啓
4133
4134 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
4135
4136
4137
4138 さて,
4139 当社第34期定時株主総会を下記のとおり開催いたしますので,
4140 ご出席下さいますよ
4141 うご案内申し上げます。
4142
4143
4144 なお,
4145 当日ご出席願えない場合は,
4146 書面によって議決権を行使することができますので,
4147 お
4148 手数ながら後記の参考書類をご検討いただき,
4149 同封の議決権行使書用紙に賛否をご表示,
4150 ご押
4151 印の上,
4152 折り返しご送付下さいますようお願い申し上げます。
4153
4154
4155 敬具
4156 記
4157 1.日
4158
4159 時
4160
4161 平成16年6月29日(火曜日)午前10時
4162
4163 2.場
4164
4165 所
4166
4167 東京都千代田区××ホテル3階の鳳凰の間
4168 【末尾のご案内図をご参照下さい。
4169
4170 】
4171
4172 3.会議の目的事項
4173 報告事項
4174
4175 第34期
4176
4177 自
4178
4179 平成15年4月1日
4180
4181 至
4182
4183 平成16年3月31日
4184
4185 営業報告書,
4186 貸借対照表及び
4187 損益計算書報告の件
4188
4189 決議事項
4190 第1号議案
4191
4192 第34期利益処分承認の件
4193
4194 第2号議案
4195
4196 取締役5名選任の件
4197
4198 以
4199
4200 お願い
4201
4202 上
4203
4204 当日ご出席の際は,
4205 お手数ながら同封の議決権行使書用紙を会場受付にご提出下さい
4206 ますようお願い申し上げます。
4207
4208
4209
4210 34
4211
4212 資料5
4213
4214 株主総会当日の出来事
4215 1
4216
4217 平成16年6月29日午前10時より,
4218 東京都千代田区にある××ホテル3階の鳳凰の間
4219 において,
4220 A株式会社の第34期定時株主総会が開催された。
4221
4222 総会担当者の話では,
4223 受付を
4224 開始した午前8時半の時点で,
4225 既に数名の株主がロビーに集まっており,
4226 その中の1人が株
4227 主提案権を行使したCであったとのことである。
4228
4229
4230
4231 2
4232
4233 後に述べるように,
4234 午前9時25分過ぎから,
4235 Cは受付前において会社側の受付担当者と
4236 口論を繰り返した。
4237
4238 そこで,
4239 その直前のCの様子について複数の関係者から事情聴取したと
4240 ころ,
4241 次の事実が判明した。
4242
4243
4244 Cは,
4245 受付開始後もしばらくの間は会場に入ることなく,
4246 エレベーターを降りてくる何人
4247 かの株主を捕まえては,
4248 挨拶を交わしていたらしい。
4249
4250 そのうちの1人は,
4251 CがA社の従業員
4252 であったころに懇意にしていたB社の社長だった。
4253
4254 その時の会話について,
4255 B社の社長は次
4256 のように供述している。
4257
4258
4259 「私がエレベーターを降りると,
4260 Cは満面に笑みを浮かべながら握手を求めてきました。
4261
4262
4263 しばらく談笑した後,
4264 『社長の会社は,
4265 いつからA社の株主になったのか?』と聞かれまし
4266 たので,
4267 工場設備の更新にお金がかかると社長に泣きつかれたため,
4268 先月,
4269 増資に応じたこ
4270 とを伝えました。
4271
4272 その後,
4273 『中に入らないのか?』と尋ねたら,
4274 委任状をもらってくる仲間
4275 と待ち合わせをしていると言っていました。
4276
4277 そこで,
4278 私は1人で先に受付を済ませ,
4279 会議場
4280 に入り,
4281 議決権を行使しました。
4282
4283 」
4284
4285 3
4286
4287 午前9時25分過ぎ,
4288 Cが,
4289 受付の前で,
4290 ある中年男性の入場を巡って大声を出したので,
4291
4292 近くに行って次の事実を現認した。
4293
4294
4295 「なぜ,
4296 入れないんだ!」
4297 Cの怒鳴り声がホールに響き渡った。
4298
4299
4300 「このお方は確かに株主ではないが,
4301 ちゃんと5名の株主から委任状をもらって来ている
4302 じゃないか。
4303
4304 合計10万株だよ,
4305 10万株・・・。
4306
4307 それだけの株主から委任状をもらって来
4308 た代理人に向かって,
4309 このまま帰れというのか。
4310
4311 」
4312 Cの剣幕に圧倒された受付の従業員は,
4313 震える手で必死に受付マニュアルの該当箇所を開
4314 きながら,
4315 「5名の株主様のいずれかの会社にお勤めでいらっしゃるとか,
4316 顧問弁護士さん
4317 でいらっしゃるとか・・・そのようなご事情はございますでしょうか。
4318
4319 」と尋ねた。
4320
4321
4322 「いいえ。
4323
4324 」
4325 Cとは対照的に,
4326 問題の中年男性は静かに答えた。
4327
4328
4329 その後,
4330 約30分間にわたって押し問答が続いたが,
4331 総会の開始時刻が迫ったため,
4332 Cは
4333 あきらめて1人で会場に入っていった。
4334
4335 なお,
4336 その後,
4337 この中年男性が1階のティー・ラウ
4338 ンジで総会の終了を待ったことは,
4339 総会担当者の供述によって明らかになっている。
4340
4341
4342
4343 4
4344
4345 午前10時。
4346
4347 定刻どおり総会は始まった。
4348
4349 最初に議長であるA社の社長から,
4350 議事の進行
4351 方法と出席株主数につき,
4352 「本日の総会では,
4353 営業報告及び計算書類の報告をさせていただ
4354 いた後,
4355 議案をご説明させていただき,
4356 その上で,
4357 本日ご出席の皆様からのご質問を受けさ
4358 せていただきたいと思います。
4359
4360 なお,
4361 本日は,
4362 議決権行使書をご提出いただいております6
4363 0万株分の株主を含めまして,
4364 議決権総数の過半数にあたる120万株を保有する株主にご
4365
4366 35
4367
4368 出席いただいております。
4369
4370 」との説明が行われた。
4371
4372
4373 引き続き,
4374 監査役による監査報告がされ,
4375 直ちにビデオ上映の形で営業報告及び計算書類
4376 の報告が行われた。
4377
4378 その後,
4379 議長は,
4380 第1号議案,
4381 第2号議案の順に説明を行った。
4382
4383
4384 「それでは,
4385 ここで報告事項並びに第1号議案及び第2号議案の内容に関し,
4386 すべてのご
4387 質問およびご発言をお受けし,
4388 その後に決議事項について採決のみをとらせていただきたい
4389 と存じますが,
4390 ご異議ありませんでしょうか。
4391
4392 」
4393 Cが即座に「議長!」と叫びながら手を挙げた。
4394
4395
4396 指名されたCは,
4397 自らが事前に提案した議案が株主に伝わっていないので,
4398 その趣旨説明
4399 をさせてほしいと迫った。
4400
4401 議長は,
4402 後ろに控えた顧問弁護士から渡されたメモを読み上げる
4403 形で,
4404 その必要はないと拒んだ。
4405
4406 そこでCは,
4407 「ならば質問の形でいいから発言させろ!」
4408 と怒鳴ったが,
4409 前方に座っていた株主から「議事の進行方法は議長に一任」との声が上がり,
4410
4411 議場に「異議なし」の声が響いたため,
4412 Cの声はかき消された。
4413
4414
4415 「それでは,
4416 ご質問を受け付けます。
4417
4418 受付票の番号とお名前をおっしゃった上で,
4419 要点を
4420 簡潔にご発言ください。
4421
4422 」と議長は述べた。
4423
4424
4425 これに対して手を挙げたのはCのみだったので,
4426 議長は,
4427 受付票の番号と氏名を述べてか
4428 ら発言するよう注意した上で再度Cを指名した。
4429
4430 これを受けてCは,
4431 質問の形で長々と発言
4432 したが,
4433 話が徐々に自己の提案内容の趣旨説明に移ってきたので,
4434 議長が一旦これを制し,
4435
4436 担当役員に質問に答えるよう指示した。
4437
4438 Cは激怒し「議長交替!」と叫んだ後,
4439 マイクを離
4440 すことなく質問を続けた。
4441
4442 それを見かねた他の株主が,
4443 審議を打ち切るよう動議を出したの
4444 で,
4445 議長がこれを議場に諮ったところ「異議なし」の声が響いた。
4446
4447
4448 そこで,
4449 議長は,
4450 怒鳴り散らすCを尻目に,
4451 第1号議案から順に採決を行った。
4452
4453 その際,
4454
4455 議長は,
4456 第1号議案に関してCから提案が出されていることを告げ,
4457 Cの「少数株主の提案
4458 権行使」と題する書面の「2
4459
4460 議案の要領」を読み上げた。
4461
4462 会社側提案の各議案に対し,
4463 会
4464
4465 場から「異議なし」の声と拍手が聞こえたのを受けて,
4466 議長は,
4467 会社側の議案がいずれも賛
4468 成多数で可決され,
4469 その結果,
4470 Cの提案にかかる議案は否決されたことを宣言した。
4471
4472 その時,
4473
4474 Cは,
4475 「なぜ自分の提案を無視するんだ」と叫んで議長席に詰め寄ろうとしたが,
4476 係の者に
4477 押さえられたため,
4478 暴言を吐きながら自ら退場していった。
4479
4480 その後,
4481 新任取締役の紹介が行
4482 われ,
4483 午前11時20分,
4484 総会は閉会となった。
4485
4486
4487 5
4488
4489 なお,
4490 議場で「異議なし」と述べた株主の株式数は,
4491 B社を含め,
4492 少なく見積もっても3
4493 5万株を下ることはなく,
4494 また,
4495 総会終了後に確認したところ,
4496 会社側提案の各議案に対し
4497 ては,
4498 議決権行使書によって議決権を行使した株主のうち55万株が賛成であった。
4499
4500
4501
4502 【出題趣旨】
4503 本サンプル問題は,
4504 株主総会の手続を巡る商法上の問題点について問うものであり,
4505 商法
4506 についての知識と理解力があるかどうか,
4507 及び論述に当たって,
4508 論理力,
4509 記述力,
4510 説得力が
4511 あるかどうかを試すものである。
4512
4513 それとともに,
4514 ある程度の分量の資料を読ませて,
4515 その中
4516 から,
4517 弁護士や裁判官として摘出しなければならない法律上の問題点を的確に摘出する能力
4518 があるかどうかをも試すものである。
4519
4520
4521 本問題は,
4522 新司法試験においては現行の司法試験とは大幅に異なる問題も出題されること
4523 があることを例示するために,
4524 形式上は実務的な面に重きを置いた問題を作成することとし
4525
4526 36
4527
4528 たものである。
4529
4530 しかし,
4531 本問で問われている問題点は商法の解釈理論にかかわるものである。
4532
4533
4534 また,
4535 さらに一層理論的な面に重きを置いた出題も考えられるところである。
4536
4537
4538 本問題は,
4539 「当該報告を受けた裁判所の立場に立って,
4540 」各問題点についての見解と,
4541 そ
4542 の理由を簡潔に述べることを求めることにより,
4543 法律実務家としての基本的な能力を身につ
4544 けているかどうかも試している。
4545
4546 このため,
4547 実務上採用されない極端な少数説に立った見解
4548 を展開することは答案としては適切ではないという評価を与えられるであろうが,
4549 そのこと
4550 は,
4551 企業法務の実務を追認することを求める趣旨ではないし,
4552 少数説による答案でも内容が
4553 優れていれば高い評価を与えられることがあろう。
4554
4555
4556
4557 37
4558
4559