1 短答式試験問題集[刑事系科目]
2
3 - 1 -
4
5 [刑事系科目]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 次の【事例】について,後記AからCまでの各【見解】を採って,甲の行為と乙の死亡の間に因
8 果関係があるかどうかを検討した場合,因果関係を認める【見解】として正しいものは,後記1か
9 ら5までのうちどれか。(解答欄は,[bP])
10 【事
11
12 例】
13 甲が乙に対して激しい暴行を加え,そのまま放置すれば1日後には死亡するような脳内出血の
14
15 傷害を負わせ,その場を立ち去った。その直後に,乙は通行人に発見され,救急車で病院に搬送
16 されることとなったが,その途中で救急車が大型トラックと衝突し,乙は,この事故により1時
17 間後に内臓破裂のため死亡した。
18 【見
19
20 解】
21
22 A. 予測不可能な介在事情によって死期が早められなかったと認められるときに限り,実行行為
23 と死亡の結果との間に因果関係が認められる。
24 B. 予測不可能な介在事情によって死期が早められたとしても,被害者の死因が,実行行為によ
25 り形成された傷害によって死亡したであろう場合の死因と同一であるときには,実行行為と死
26 亡の結果との間に因果関係が認められる。
27 C. 予測不可能な介在事情によって死期が早められたとしても,実行行為と死亡の結果との間に
28 条件関係があるときには,実行行為と死亡の結果との間に因果関係が認められる。
29 1. A
30
31
32
33 2. A
34
35
36
37 3. B
38
39
40
41
42
43 4. A
44 5. C
45 〔第2問〕(配点:2)
46 次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[bQ])
47 1. 甲は,自己が経営する書店においてわいせつ図画である写真誌を販売するに当たり,当該写
48 真誌をビニールで包装して,わいせつ性のない表紙だけが閲覧できるようにして陳列していた。
49 この場合,甲には,わいせつ図画販売目的所持罪は成立しない。
50 2. 甲は,人通りの多い道路上で,自己の陰部を露出させたが,偶然にも,通行人はだれもそれ
51 に気付かなかった。この場合,甲には,公然わいせつ罪は成立しない。
52 3. 書籍の通信販売業を営んでいた甲は,日本語で書かれたわいせつ文書である小説を,外国語
53 で書かれているかのように装って複数の外国人に販売したが,これを購入した顧客はいずれも
54 日本語の読解能力に乏しかったため,その小説の内容を理解することができなかった。この場
55 合,甲には,わいせつ文書販売罪は成立しない。
56 4. 甲は,友人の乙が誕生日を迎えることを知り,わいせつ図画であるDVD1枚を購入した上,
57 これをお祝いとして乙にプレゼントした。この場合,甲には,わいせつ図画頒布罪は成立しな
58 い。
59 5. 甲は,公園内において,多くの人が見ている前で,乙に対し,その衣服全部をはぎ取るなど
60 して強いてわいせつな行為をした。この場合,甲には,強制わいせつ罪が成立するが,公然わ
61 いせつ罪は成立しない。
62
63 - 2 -
64
65 〔第3問〕(配点:2)
66 正当防衛(刑法第36条第1項)の成立要件に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に
67 従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
68 (解答欄は,
69 [bR])
70 ア. 正当防衛は,不正の侵害に対して成立するから,正当防衛行為に対する正当防衛は成立し得
71 ない。
72 イ. 正当防衛は,急迫の侵害に対して成立するから,反撃行為を行った者が侵害を予期していた
73 場合には正当防衛は成立し得ない。
74 ウ. やむを得ずにした行為として正当防衛が成立するには,防衛行為が侵害に対する防衛手段と
75 して相当性を有するものであることを要するから,防衛行為によって生じた害が避けようとし
76 た害の程度を超えた場合には正当防衛は成立し得ない。
77 エ. 正当防衛は,不正の侵害に対して成立するから,加害者の過失行為に対しては正当防衛は成
78 立し得ない。
79 オ. 急迫不正の侵害がないのにあると誤信して,防衛の意思で反撃行為を行った場合には正当防
80 衛は成立し得ない。
81 1. ア
82
83
84
85 2. ア
86
87
88
89 3. イ
90
91
92
93 4. ウ
94
95
96
97 5. エ
98
99
100
101 〔第4問〕(配点:2)
102 甲は,友人の乙から,同人が殺人を犯したことを打ち明けられていたが,ある日,乙が路上で警
103 察官丙の職務質問を受けているのを見て,乙が殺人事件で逮捕されようとしているものと思い,そ
104 の逮捕を免れさせようと考えた。次のアからオまでの甲の行為について,公務執行妨害罪が成立す
105 るものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bS])
106 ア. 甲は,丙が付近道路に止めていたパトカーの発進を阻止するため,自己が運転していた自動
107 車を,同パトカーが発進することの障害となる位置に移動して駐車させた。このため,丙は,
108 職務質問後,乙を直ちに最寄りの警察署に任意同行することができなかった。
109 イ. 甲は,丙に対し,こぶし大の石1個を投げたが,丙の頭部をかすめたにすぎず,職務質問に
110 現実の支障は発生しなかった。
111 ウ. 甲は,職務質問を受けている乙の左手をつかんで引っ張り,その場から走って逃走したとこ
112 ろ,これを追いかけた丙が,走りながら,乙の右手をつかもうとして手を伸ばしたが,乙の右
113 手をつかめずにバランスを崩して道路上に転倒した。
114 エ. 甲は,丙の注意をそらすため,道を尋ねるふりをして丙に話しかけ,そのすきに乙を逃走さ
115 せた。
116 オ. 甲は,乙を逃走させるため,丙の背部をいきなり足で蹴って転倒させたが,乙は観念してい
117 たので逃走しなかった。
118 1. ア
119
120
121
122 2. ア
123
124
125
126 3. イ
127
128
129
130 4. イ
131
132 - 3 -
133
134
135
136 5. ウ
137
138
139
140 〔第5問〕(配点:3)
141 次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,正し
142 いものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bT])
143 【事
144
145 例】
146 甲と乙が,丙に対して同時に1発ずつけん銃を発射し,そのうち1発は丙の頭部をかすめたも
147
148 のの命中せず,もう1発が丙の頭部に命中し,それにより丙は死亡した。丙の頭部に命中した銃
149 弾が甲乙いずれのけん銃から発射されたものであるかは判明しなかった。
150 【記
151
152 述】
153
154 ア. 甲と乙が,共同して丙を殺害する意思をもってけん銃を発射した場合,甲及び乙には殺人既
155 遂罪の共同正犯は成立せず,殺人未遂罪の共同正犯が成立する。
156 イ. 甲は,乙がけん銃を発射することを知り,乙と共同して丙を殺害する意思で自らもけん銃を
157 発射したが,乙は,甲がけん銃を発射することも丙を殺害しようとしていることも知らないま
158 ま,自分一人で丙を殺害する意思をもってけん銃を発射した場合,甲には殺人罪の共同正犯が
159 成立し,乙には殺人未遂罪の単独犯が成立する。
160 ウ. 甲と乙は,互いに何ら意思の連絡なく,それぞれ丙を殺害する意思をもってけん銃を発射し
161 た場合,甲乙にはそれぞれ殺人未遂罪の単独犯が成立する。
162 エ. 甲は,丙を殺害する意思をもって,乙に対し,
163 「あれはマネキン人形だ。一緒に射撃しよう。」
164 とうそを言ったところ,乙はこれを鵜呑みにしてよく確認もせず丙をマネキン人形と誤信し,
165 甲と共にけん銃を発射した場合,甲には殺人罪の単独犯が成立し,乙には重過失致死罪の単独
166 犯が成立する。
167 オ. 甲と乙が,共同して丙に傷害を負わせる意思をもってけん銃を発射した場合,甲及び乙には
168 傷害致死罪の共同正犯が成立する。
169 1. ア
170
171
172
173 2. ア
174
175
176
177 3. イ
178
179
180
181 4. イ
182
183
184
185 5. ウ
186
187
188
189 〔第6問〕(配点:3)
190 次の【事例】における甲の罪責について,
191 「甲には犯人隠避教唆罪及び証拠偽造教唆罪が成立し,
192 両罪は観念的競合となる。」との結論に達した場合,後記アからオまでの【論点と見解】のうち,こ
193 の結論を導くための論拠となり得ないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
194 (解答欄は,
195 [bU])
196 【事
197
198 例】
199 甲は,東京都内の銀行で強盗を行ってその後逃走したが,警察の捜査が自己に及んでいること
200
201 を知り,アリバイ証人を作って自己の刑事責任を免れようと企て,知人の乙に対して,上記犯行
202 の時刻ころ,乙と一緒に大阪市内にいたことにしてほしいと依頼して,その旨承諾させ,同人を
203 して,甲の依頼に沿う内容虚偽の上申書を作成させた上,これを甲の強盗事件を捜査していた警
204 察署の警察官に提出させた。
205 【論点と見解】
206 ア. 犯人隠避罪の「隠避」の意味について,蔵匿以外の方法により官憲の発見逮捕を免れさせる
207 一切の行為をいうが,犯人の逃走を容易にさせることによって官憲による犯人の身柄の確保を
208 妨げる行為に限り,官憲による犯人の特定作用を妨げ,その結果として犯人の身柄の確保を妨
209 げる行為は含まないとする見解
210 イ. 証拠偽造罪の「証拠」の意味について,参考人の虚偽供述は,
211 「証拠」に含まれるが,文書化
212 されたものに限るとする見解
213 ウ. 証拠偽造罪の「偽造」の意味について,文書偽造罪と同様,作成名義を偽る場合に限るとす
214 る見解
215 エ. 証拠偽造教唆罪の成否について,被教唆者・教唆者以外の者の刑事事件に関する証拠を偽造
216 - 4 -
217
218 するように教唆し,これが実行された場合に限って成立するとする見解
219 オ. 犯人隠避罪と証拠偽造罪の罪数関係について,両者の保護法益は,広義においては国家の刑
220 事司法作用を保護するものであるが,前者は犯人の確保の観点から,後者は適正な証拠の収集
221 の観点から,それぞれこれを妨害する行為を処罰するものであって,保護法益が異なることを
222 重視する見解
223 1. ア
224
225
226
227
228
229 2. ア
230
231
232
233
234
235 3. ア
236
237
238
239
240
241 4. イ
242
243
244
245
246
247 5. イ
248
249
250
251
252
253 〔第7問〕(配点:2)
254 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1
255 から5までのうちどれか。(解答欄は,[bV])
256 ア. 甲は,乙が所有する木造家屋に乙が現在しているものと思って,同家屋に放火し,これを全
257 焼させたが,実際には同家屋はだれも現在していない空き家であった。この場合,甲には現住
258 建造物等放火罪が成立するが,その刑は非現住建造物等放火罪の刑による。
259 イ. 甲は,男性の乙が,酩酊して暴れ回る女性の丙を取り押さえているのを目撃し,乙が丙に対
260 し無理矢理わいせつ行為に及ぼうとしているものと誤信し,丙を助けるため,乙の腹部をゴル
261 フクラブで数回強く殴打するなどの暴行を加えて重傷を負わせた。甲の暴行の程度が,甲が認
262 識した急迫不正の侵害に対する防衛行為としての相当性を超えていた場合,甲には傷害罪は成
263 立しない。
264 ウ. 甲は,乙に対する殺意をもって,乙の背後からけん銃を発射したところ,乙は赤ん坊の丙を
265 抱いており,銃弾が乙の身体を貫通した後,丙にも命中して,乙及び丙の両名を死亡させた。
266 甲が,乙に抱かれている丙の存在を認識していなかった場合でも,甲には乙及び丙に対する殺
267 人罪が成立する。
268 エ. 甲は,公務員乙がその法令上の職務Aを執行するに当たり,乙が執行している職務がそれと
269 は別の法令上の乙の職務Bであると誤信して乙の顔面を手拳で殴る暴行を加えた。乙の執行す
270 る職務が職務Bでなく職務Aであると分かっていれば,甲は上記暴行には及ばなかったという
271 事情があった場合でも,甲には公務執行妨害罪が成立する。
272 オ. 甲は,客観的にはわいせつな文書を,その意味内容は理解したものの,その程度の性的描写
273 であれば刑法上の「わいせつな文書」には該当しないと判断し,同文書を販売した。この場合,
274 甲にはわいせつ文書販売罪は成立しない。
275 1. ア
276
277
278
279 2. ア
280
281
282
283 3. イ
284
285
286
287 4. ウ
288
289 - 5 -
290
291
292
293 5. ウ
294
295
296
297 〔第8問〕(配点:3)
298 甲の罪責についての次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1
299 を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,1から5の順に[bW]から[12])
300 1. 甲は,乙から,乙がA大学の入学試験を受けるに当たり,いわゆる替え玉になって受験して
301 ほしい旨依頼されてこれを引き受け,乙に成り済ましてA大学の入学試験を受け,乙名義で答
302 案を作成して提出した。大学の入学試験の答案は,私文書偽造罪の客体になるが,甲は作成名
303 義人乙に依頼されて乙名義で答案を作成したのであるから,甲には有印私文書偽造罪は成立し
304 ない。[bW]
305 2. 甲は,運転免許証を持っていなかったが,身分証明書として利用しようと考え,某県公安委
306 員会が発行した乙の運転免許証の写真を甲の写真に変えた。他人の運転免許証の写真を自己の
307 ものに変えることは,文書の本質的部分に変更を加えるものであるから,運転免許証の他の部
308 分に変更を加えていなくても,甲には有印公文書偽造罪が成立する。[bX]
309 3. 甲は,外国籍の女性乙に長期滞在資格を取得させるため婚姻を偽装しようと考え,甲を夫と
310 し乙を妻として婚姻する旨の内容虚偽の婚姻届を作成し,情を知らない市役所の係員に提出し
311 た。同係員は,同婚姻届を受理し,甲の戸籍の原本として用いられる電磁的記録に甲と乙が婚
312 姻した旨の記録をし,これを同市役所の事務処理に用いられる状態においた。甲は,公務員に
313 対し虚偽の申立てをして,権利義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不
314 実の記録をさせ,原本としての用に供したのであるから,甲には電磁的公正証書原本不実記録
315 罪,同供用罪が成立する。[10]
316 4. 医師である甲は,乙に依頼され,同人が保険会社に提出する診断書に,同人が肺結核に罹患
317 した事実はないのに,同人が肺結核に罹患している旨記載した。医師である甲が,保険会社に
318 提出する診断書に虚偽の記載をしたのであるから,甲には虚偽診断書作成罪が成立する。[
319 11]
320 5. 甲は,乙に100万円を貸したが,乙が甲に借用証を渡さなかったので,乙が返済しなかっ
321 た場合に証拠として使おうと考え,乙に無断で乙の氏名を記載し,乙名義の100万円の借用
322 証を作成した。文書の内容が真実であるから,甲には有印私文書偽造罪は成立しない。
323 [12]
324 〔第9問〕(配点:2)
325 次の【事例】について,学生A及びBが後記【会話】のとおり議論している。
326 【会話】中の@から
327 Bまでの(
328
329 )内に入る学生Aの発言として正しいものを後記【発言】から選んだ場合,正しいも
330
331 のの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[13])
332 【事
333
334 例】
335 甲は,乙を殺害しようと考えたが,しらふでは殺害行為に及ぶ勇気がなかったので,多量の飲
336
337 酒により自己を心神喪失状態に陥れて隣室で就寝中の乙を刺殺しようと考え,手元に包丁を用意
338 して飲酒を開始し,計画どおり自己が飲酒のため心神喪失になった状態で乙の胸部を包丁で突き
339 刺して殺害した。
340 【会
341
342 話】
343
344 A. 甲の行為は,自己の責任能力のない状態を道具として利用する一種の間接正犯であって,自
345 己を心神喪失状態に陥れる飲酒行為が殺人の実行行為であり,したがって,飲酒行為時に責任
346 能力が認められる以上,甲には殺人罪が成立すると思う。
347 B. ただ,君のように考えると,仮に,甲が自己の心神耗弱状態を利用して乙を殺害する意思で
348 殊更その状態に陥り,計画どおり乙を殺害した場合には,刑を減軽せざるを得ず,本件のよう
349 に心神喪失状態で殺害した場合には完全な刑事責任が認められることとの不均衡が生じないだ
350 ろうか。
351 A. (
352
353 @
354
355
356 - 6 -
357
358 B. 君の考えでは,甲が酔いつぶれて眠り込んでしまった場合にも殺人未遂罪が成立してしまう
359 ことになるが,それでは処罰範囲が広がりすぎるのではないか。
360 A. (
361
362 A
363
364
365
366 B. 責任能力は責任の要件ではあっても責任非難それ自体ではないのだから,実行行為を心神喪
367 失時の行為と解しつつ,それより前の責任能力のあったときの意思態度について非難可能性が
368 認められれば,行為全体について完全な責任を負わせても一向に構わないと思う。
369 A. (
370 【発
371
372 B
373
374
375
376 言】
377
378 ア. 責任能力は単に意思決定能力にすぎないものではなく,行動制御能力でもあるのだから,責
379 任能力は,やはり実行行為に対する同時的コントロールの問題と解すべきであって,実行行為
380 時に存在すべきものではないのか。
381 イ. 本事例のような故意の作為犯についてはそう思えるかもしれないが,過失犯や不作為犯のよ
382 うに,実行行為の定型性が弱い場合には,飲酒行為に構成要件該当性を認めても問題はないと
383 思う。それよりも,君のように実行行為の時点で心神喪失状態に陥っていても,甲に完全な刑
384 事責任を負わせることの方が問題ではないか。
385 ウ. 私の立場からは,あたかも身分のない故意ある道具の利用の場合と規範的意味において同じ
386 ように考え,心神耗弱状態を利用した場合にも原因において自由な行為の理論を認めることが
387 できると思う。
388 1. @ア
389
390 Aイ
391
392 Bウ
393
394 2. @ウ
395
396 Aア
397
398 Bイ
399
400 4. @ウ
401
402 Aイ
403
404 Bア
405
406 5. @イ
407
408 Aア
409
410 Bウ
411
412 3. @ア
413
414 Aウ
415
416 Bイ
417
418 〔第10問〕(配点:3)
419 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1
420 から5までのうちどれか。(解答欄は,[14])
421 ア. 甲は,乙所有の自動車に放火してこれを焼損し,公共の危険を発生させた。甲には同自動車
422 を焼損する意思しかなく,付近の建造物に延焼させる意思はなかったが,乙が住居として使用
423 する乙所有の木造家屋に火が燃え移って同家屋が全焼した。この場合,甲には延焼罪が成立す
424 る。
425 イ. 甲は,乙が住居として使用する乙所有の木造家屋に延焼させる意思で,同家屋に隣接し,だ
426 れも住居として使用せず,だれも現在しない丙所有の家屋に放火してこれを全焼させたが,上
427 記乙所有の家屋には燃え移らなかった。この場合,甲には現住建造物等放火未遂罪が成立する。
428 ウ. 甲は,甲がその家族と共に住居として使用する甲所有の木造家屋に放火して半焼させたが,
429 隣家に燃え移る危険は発生しなかった。この場合,甲には現住建造物等放火罪が成立する。
430 エ. 甲は,乙所有の自動車に放火してこれを焼損させたが,公共の危険は発生しなかった。この
431 場合,甲には建造物等以外放火罪が成立する。
432 オ. 甲は,多数人が住居として使用する乙所有の集合住宅一棟を全焼させる意思で,同住宅のう
433 ち,だれも現在しない空き部屋に放火した。他の住居部分に燃え移る可能性はあったが,甲が
434 放火した空き部屋の床及び天井の大部分が燃焼した時点で消火されたため,他の住居部分は燃
435 焼しなかった。この場合,甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。
436 1. ア
437
438
439
440 2. ア
441
442
443
444 3. イ
445
446
447
448 4. ウ
449
450 - 7 -
451
452
453
454 5. エ
455
456
457
458 〔第11問〕(配点:3)
459 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,
460
461
462 )内の犯
463
464 罪が既遂になる場合は1を,未遂にとどまる場合は2を,既遂にも未遂にもならない場合は3を選
465 びなさい。(解答欄は,アからオの順に[15]から[19])
466 ア. 甲は,所持金を全く有しておらず,タクシー料金を支払うつもりはないのに,乙運転のタク
467 シーに乗車したが,乙は,目的地に向けてしばらく走行するうちに,甲の不審な挙動から無賃
468 乗車ではないかと疑い,甲を降車させたため,甲は目的地に到着できなかった。(詐欺罪)[
469 15]
470 イ. 甲は,所持金を全く有していなかったが,窃取した他人名義のクレジットカードを持ってい
471 たので,代金を支払わずに同カードを使用して飲食店で食事をしようと考え,乙の経営する食
472 堂に入り,飲食物を注文しこれを飲食した後,代金を請求した乙に対し,同カードを手渡した
473 が,既に同カードの名義人から紛失届が出ていたため,同カードを使うことができなかった。
474 (詐
475 欺罪)[16]
476 ウ. 甲は,深夜,コンビニエンスストアでおにぎりを万引きして店外に出たところ,これに気付
477 いた店員乙に呼び止められたので,逮捕を免れるため,路上に落ちていた角材で乙を殴るなど
478 同人の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えたが,たまたま通り掛かった通行人に取り押
479 さえられ,逮捕を免れることができなかった。(事後強盗罪)[17]
480 エ. 甲は,乙が万引きするのを目撃したことを奇貨として,乙から現金を脅し取ろうと考え,乙
481 にあてて,「万引きをしたのを警察に知られたくなかったら,30万円持ってこい。」などと記
482 載した文書を郵送したところ,乙は同文書を受け取ったが,封を開ける前に誤って捨ててしま
483 ったため,甲は現金を手に入れることができなかった。(恐喝罪)[18]
484 オ. 甲は,乙を自宅に招いて毒入りの菓子を食べさせて毒殺しようと考え,菓子に致死量の毒薬
485 を混入し,乙に自宅に招待する旨の電話をしたが,乙が多忙を理由にこれを断ったため,乙を
486 殺害することができなかった。(殺人罪)[19]
487 〔第12問〕(配点:2)
488 次のアからオまでの各事例における甲の罪責を検討した場合,危険運転致死罪が成立するものの
489 組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[20])
490 ア. 甲は,自動車の運転免許を取得したことも運転経験もなく,ハンドル,ブレーキ等の運転装
491 置を操作する初歩的な技能もなかったのに自動車を走行させたため,自車を対向車線に進入さ
492 せ,対向車に衝突させて同車の運転者を死亡させた。
493 イ. 甲は,自動車を運転中に交通違反を犯し,パトカーに追跡されて逃走中,赤色信号に気付か
494 ずに交差点に進入したため,青色信号に従って左方道路から同交差点に進入してきた自動二輪
495 車に自車を衝突させ,同二輪車の運転者を死亡させた。
496 ウ. 甲は,自動車を運転中,携帯電話でメールを送信する操作に気をとられ,自車が対向車線に
497 進入しているのに気付かずに進行したため,自車を対向車に衝突させて同車の運転者を死亡さ
498 せた。
499 エ. 甲は,覚せい剤を使用した後,自動車の運転を開始したが,運転中,覚せい剤の影響により
500 正常な運転が困難な状態になったのに,それを認識しながらあえて運転を続けたため,自車を
501 電柱に激突させ,同乗者を死亡させた。
502 オ. 甲は,自動車を運転中,長距離運転の過労から眠気を覚えたにもかかわらず,その状態のま
503 まあえて運転を続けたため,運転中に眠り込んでしまい,自車を進路左前方の歩道に進入させ,
504 歩道上の歩行者に衝突させて同人を死亡させた。
505 1. ア
506
507
508
509 2. ア
510
511
512
513 3. イ
514
515
516
517 4. イ
518
519 - 8 -
520
521
522
523 5. ウ
524
525
526
527 〔第13問〕(配点:3)
528 学生A,Bは,不能犯の成否の判断基準に関する次のT,Uの【見解】のいずれかを採って後記
529 【事例】について後記【会話】のとおり議論している。
530 【会話】中の@からFまでの(
531
532 )内から適
533
534 切な語句を選んだ場合,後記1から5までのうち誤りを含むものはどれか。(解答欄は,[21])
535 【見
536
537 解】
538
539 T. 行為当時に一般人が認識し得た事情を基礎とし,一般人を基準に結果発生の具体的危険性が
540 あるか否かの判断による。
541 U. 行為当時に存在したすべての客観的事情を基礎とし,結果発生の具体的危険性があるか否か
542 の判断による。
543 【事
544
545 例】
546 甲は,健康な乙を毒殺するため,薬品棚から取り出した毒薬のラベルが付いた容器に入った粉
547
548 を毒薬と認識してその水溶液を乙に多量に注射したが,同粉は,ラベルに表示された毒薬ではな
549 くブドウ糖であったため乙は死亡しなかった。
550 【会
551
552 話】
553
554 A. 私は,甲の罪責については,@(a. 毒薬・b. ブドウ糖)の水溶液を注射する行為が危険
555 であるかどうかを判断し,甲には殺人未遂罪が成立A(c. する・d. しない)と考える。
556 B. しかし,A君の見解だと,特定の食物の摂取によりショック死しかねないアレルギー体質を
557 有する乙を,そのことを知った甲が,当該食物を乙に食べさせて殺害しようとした事案で,一
558 般人が乙の体質を認識し得なかった場合には,B(e. 行為当時に存在した全事情を基礎とし
559 て・f. 行為当時に一般人が認識し得た事情を基礎として)判断することになるから,未遂犯
560 が成立しないこととなり,常識に反する。
561 A. そのような場合,私の立場でも,C(g. 行為時に行為者が特に認識していた事情・h. 事
562 後的に明らかになった全事情)を考慮すべきと考えるので,B君の言う事案でも未遂犯の成立
563 を認めることができる。
564 それよりも,B君の立場を理論的に徹底すれば,結果が不発生に終わった事案は,ほとんど
565 常にD(i. 不能犯・j. 未遂犯)となってしまうのではないか。
566 B. いや,私の立場であっても,事後的・科学的見地から,実際に存在した事実のほかにどのよ
567 うな事実があれば結果が発生し得たかを検討し,そのような事実が行為時に存在し得る可能性
568 の程度を危険判断に取り込むべきと考える。したがって,前記【事例】でも,単に,E(k.
569 ブドウ糖・l. 毒薬)を健康な乙に注射することの危険性を判断するのではなく,毒薬のラベ
570 ルの付いた容器内にブドウ糖が入っていた原因・経緯なども考慮すべきだ。例えば,その原因
571 ・経緯が極めてまれで異常だったという事情は,不能犯をF(m. 肯定・n. 否定)する方向
572 に働くと考える。
573 1. @a,Ac
574 2. Bf
575 3. Cg,Di
576 4. Ek
577 5. Fm
578
579 - 9 -
580
581 〔第14問〕(配点:2)
582 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
583 (解答欄は,
584 [22])
585 1. 甲は,丁寧に手入れがなされていたVの長髪を,同人が寝ている間に無断で切って短くした。
586 甲には傷害罪が成立する。
587 2. 甲が,Vを多数回にわたって手拳で殴打したり足蹴にしたりする暴行を加え,その場を立ち
588 去った直後,偶然通り掛かった乙が,倒れているVに対し,更に手拳で殴打したり足蹴にした
589 りする暴行を加えた。これらの暴行による傷害によってVは死亡したが,その死因となった傷
590 害が,甲乙いずれの暴行によって生じたものであるか判明しなかった。この場合,甲乙それぞ
591 れに傷害罪が成立するにとどまる。
592 3. 甲は,傷害を負わせる意思なくVの顔面を手拳で殴打したが,甲の意に反して当該殴打によ
593 ってVが傷害を負った場合,甲には傷害罪は成立しない。
594 4. 甲は,Vに精神的ストレスを与えて精神に障害を生じさせようと考え,1か月間にわたり,
595 1時間おきにVに無言電話をかけ続けた。Vに何ら精神の障害が生じなかった場合,甲には暴
596 行罪が成立する。
597 5. 甲は,Vに下痢の症状を起こさせようと考え,腐敗した食品を食べさせたところ,Vは,こ
598 れによって下痢の症状を起こしたが,数時間安静にするうちに完治した。甲には傷害罪が成立
599 する。
600 〔第15問〕(配点:3)
601 身分犯の共犯に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
602 (解答欄は,
603 [23])
604 1. 刑法第65条第1項は,真正身分犯の成立及び科刑について規定し,同条第2項は,不真正
605 身分犯の成立及び科刑について規定していると解する見解に立ちつつ,常習賭博罪における常
606 習性も身分に含まれると解すると,賭博の非常習者甲が賭博の常習者乙を教唆して賭博をさせ
607 た場合,乙には常習賭博罪が成立し,甲には同罪の教唆犯が成立する。
608 2. 刑法第65条について前記1と同様の見解に立ちつつ,事後強盗罪は「窃盗」という身分を
609 有する者だけが法益を侵害し得る身分犯であって,他の犯罪の加重類型ではないと解すると,
610 窃盗犯人甲が,逃走中,追跡してきた被害者乙に対し,逮捕を免れるため,乙の反抗を抑圧す
611 るに足りる程度の暴行を加えた際,その事情を知った丙が,甲の暴行行為を幇助した場合,丙
612 が窃盗行為に全く関与していなかったとしても,丙には事後強盗罪の幇助犯が成立し,その刑
613 が科される。
614 3. 刑法第65条について前記1と同様の見解に立ちつつ,目的犯における目的も身分に含まれ
615 ると解すると,営利の目的を有する甲が,成人乙を買い受けるに際し,かかる目的を有しない
616 丙がこれを幇助した場合,甲には営利人身買い受け罪が成立し,丙には人身買い受け罪の幇助
617 犯が成立する。
618 4. 刑法第65条第1項は,真正身分犯及び不真正身分犯を通じて共犯の成立について規定し,
619 同条第2項は不真正身分犯の科刑について規定していると解する見解によれば,財物の非占有
620 者甲が,財物を業務上占有する乙を教唆して当該財物を横領させた場合,甲には業務上横領罪
621 の教唆犯が成立し,単純横領罪の刑が科せられる。
622 5. 刑法第65条第2項の「身分のない者には通常の刑を科する」の意義について,身分に応じ
623 て,加重又は減軽された身分犯が成立すると解する見解によれば,未成年者乙の保護責任者で
624 ある実母の甲が,保護責任者でない甲の内縁の夫丙を教唆して乙を山中に遺棄させた場合,甲
625 には保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し,丙には単純遺棄罪が成立する。
626
627 - 10 -
628
629 〔第16問〕(配点:3)
630 次の【見解】に従って,後記1から5までの各記述を検討した場合,誤っているものはどれか。
631 (解
632 答欄は,[24])
633 【見
634
635 解】
636
637 A. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する一切の行為をいう。信書隠匿罪は,物の「損
638 壊」のうち,信書の「隠匿」を軽く処罰する規定である。信書を「隠匿」した場合には,信書
639 隠匿罪が成立する。
640 B. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する一切の行為をいう。信書隠匿罪は,信書の「損
641 壊」を軽く処罰する規定である。信書を「損壊」した場合には,信書隠匿罪が成立する。
642 C. 器物損壊罪の「損壊」とは,物の効用を害する行為のうち,物の全部又は一部を物理的に破
643 壊するものをいう。信書隠匿罪は,信書の「隠匿」を処罰する規定である。信書を「隠匿」し
644 た場合には,信書隠匿罪が成立する。
645 1. Aの見解によれば,他人の信書を隠した場合には,信書隠匿罪が成立する。
646 2. Bの見解によれば,他人の信書を隠した場合には,器物損壊罪が成立する。
647 3. Bの見解によれば,他人の信書を破った場合には,信書隠匿罪が成立する。
648 4. Cの見解によれば,他人の信書を破った場合には,器物損壊罪が成立する。
649 5. Cの見解によれば,他人の宝石を隠した場合には,器物損壊罪は成立しない。
650 〔第17問〕(配点:2)
651 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
652 (解答欄は,
653 [25])
654 1. 甲は,乙を教唆して丙所有の骨董品を盗むことを決意させ,乙にこれを実行させた後,同人
655 が丙から盗んだ骨董品を買い受けた。甲には,窃盗教唆罪及び盗品等有償譲受け罪が成立し,
656 両罪は併合罪となる。
657 2. 甲は,脇見しながら自動車を運転したため,自車前方で信号待ちのため停車していた乙運転
658 の自動車に気付くのが遅れ,同車に自車を追突させ,その衝撃で乙運転の自動車を前方に押し
659 出し,同車の前方に停車中の丙運転の自動車に追突させ,これにより乙が死亡し,丙は傷害を
660 負った。甲には,乙に対する自動車運転過失致死罪及び丙に対する自動車運転過失傷害罪が成
661 立し,両罪は併合罪となる。
662 3. 甲は,乙を殺害する目的で,乙の住居に侵入し,同住居内で乙を殺害した。甲には,住居侵
663 入罪及び殺人罪が成立し,両罪は併合罪となる。
664 4. 甲は,自宅で乙を殺害し,その死体を遠方の山林に埋めた。甲には,殺人罪及び死体遺棄罪
665 が成立し,両罪は牽連犯となる。
666 5. 甲は,乙から同人名義のクレジットカードを窃取し,Aデパートにおいて,店員に対し,乙
667 に成り済まして同クレジットカードを呈示して商品の購入方を申し込んだが,同店員に盗難カ
668 ードであることを見破られたため,商品を手に入れることができなかった。甲には,窃盗罪及
669 び詐欺未遂罪が成立し,両罪は牽連犯となる。
670
671 - 11 -
672
673 〔第18問〕(配点:3)
674 横領罪(刑法第252条第1項)に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討
675 した場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[26])
676 ア. 甲が,乙から賃借している同人所有の骨董品について,その売却代金を自己の借金の返済に
677 充てるつもりで乙に無断で丙にその買取りを求めた場合,甲の行為は不法領得の意思が外部的
678 に発現したといえるから,丙が買受けの意思表示をしなくても甲には横領罪が成立する。
679 イ. 甲が,自己が所有し,登記簿上も自己が所有権者となっている土地を乙に売却し,その売買
680 代金の受領を終え,当該土地の所有権が乙に移転した後,乙がその移転登記を完了する前に,
681 甲が,事情を知った丙に当該土地を売却し,丙がその移転登記を完了した場合には,丙が当該
682 土地の所有権の取得を乙に対抗できるか否かにかかわらず,甲には横領罪が成立する。
683 ウ. 甲は,19歳の乙と同人所有の絵画の売買契約を締結し当該絵画の引渡しを受けたが,乙が
684 親権者の同意がないことを理由に同契約を取り消した。甲はこれを知りながら,乙に無断で当
685 該絵画を丙に売却して丙に引き渡した場合,甲乙間の売買契約が初めから無効であったものと
686 みなされるため,甲と乙の間に委託信任関係は存在しないこととなるから,甲には横領罪は成
687 立しない。
688 エ. 甲が,不在中の自宅に誤って配達された他人あての贈答品の高級食材を食べてしまった場合,
689 甲の当該食材に対する占有は委託信任関係に基づくものではないので,甲には横領罪は成立し
690 ない。
691 オ. 甲が,自己が所有し,登記簿上も自己が所有権者となっている土地を乙に売却し,その売買
692 代金の受領を終え,当該土地の所有権が乙に移転した後,乙がその移転登記を完了する前に,
693 甲が,当該土地に自己を債務者とし丙を抵当権者とする抵当権を設定し,その設定登記を完了
694 したとしても,抵当権が実行されない限り当該土地に関する乙の所有権は影響を受けないから,
695 甲には横領罪は成立しない。
696 1. ア
697
698
699
700
701
702 2. ア
703
704
705
706 3. イ
707
708
709
710
711
712 4. イ
713
714
715
716
717
718 5. ウ
719
720
721
722 〔第19問〕(配点:3)
723 次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[27])
724 1. 禁錮以上の刑に処せられてその執行を猶予され,猶予の期間中保護観察に付された者が,同
725 期間中に罪を犯し,1年以下の懲役刑の言渡しを受ける場合には,情状に特に酌量すべきもの
726 があるときに限り,その刑の執行を猶予することができる。
727 2. 刑の執行猶予の言渡しを受けた者が,猶予の期間内に更に罪を犯し,100万円の罰金に処
728 せられたときは,同期間が経過するまでは刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
729 3. 牽連犯について有期の懲役又は禁錮に処するとき,その刑は,その最も重い罪について定め
730 た刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。
731 4. 懲役に処せられた者がその執行を終わった日から5年以内に更に罪を犯し,その者を有期懲
732 役に処するとき,その刑は,その罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長
733 期とする。
734 5. 心神耗弱者の行為は,情状により,その刑を減軽することができる。
735
736 - 12 -
737
738 〔第20問〕(配点:2)
739 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
740 (解答欄は,
741 [28])
742 1. 甲は,盗んだ銀行キャッシュカードを現金自動預払機に挿入して現金を払い戻し,これを手
743 に入れた。この場合,甲は人を欺いていないから,甲に詐欺罪は成立しないが,人の事務処理
744 に使用する電子計算機に不正な指令を与えて財産権の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作
745 り,財産上の利益を得たといえるから,甲に電子計算機使用詐欺罪が成立する。
746 2. 甲は,乙所有の土地を甲が乙から買い受けた事実がないのに,登記申請に必要な書類を偽造
747 して登記官に提出し,当該土地につき乙から甲への所有権移転登記をさせた。この場合,不動
748 産の占有が甲に移ったといえるから,甲に詐欺罪が成立する。
749 3. 甲は,架空人である乙名義でX銀行Y支店に預金口座を開設しようと企て,乙に成り済まし
750 て預金口座を開設し,乙名義の預金通帳の交付を受けた。この場合,預金通帳は口座開設に伴
751 って発行される証書にすぎないので,甲に詐欺罪は成立しない。
752 4. 甲は,架空人である丙名義で預金口座を開設した上,乙に対し,
753 「あなたの息子が交通事故を
754 起こし,直ちに示談のお金が必要である。」とうそを言って,自ら通帳・印鑑を所持する上記口
755 座に乙をして現金を振り込ませた。この場合,甲は,いまだ他人名義の口座に振込みを受けた
756 にすぎないので,甲には詐欺未遂罪が成立するにとどまる。
757 5. 甲は,生活費に窮したため,返済する意思がないのに,知人の乙に,
758 「故郷にいる自分の父親
759 が亡くなった。故郷に帰るお金がないので貸してほしい。」旨のうそを言って金員の借入れを申
760 し込んだところ,乙は,そのうそを見破り,甲に返済の意思がないことを察したが,憐憫の情
761 から,甲に現金を手渡した。この場合,乙は錯誤に陥っていないので,甲には詐欺未遂罪が成
762 立するにとどまる。
763 〔第21問〕(配点:3)
764 次のアからキまでの各事項のうち,法定刑によって法律上当然にその結論が異なることにはなら
765 ないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[29])
766 ア. 被疑者の国選弁護人選任請求権の有無
767 イ. 検察官による起訴猶予の可否
768 ウ. 簡易裁判所が専属的に管轄権を有する事件であるか否か
769 エ. 必要的弁護事件であるか否か
770 オ. 保釈保証金の没取決定の可否
771 カ. 公判前整理手続に付する決定の可否
772 キ. 第一審の公判期日における被告人の出頭義務の有無
773 1. ア
774
775
776
777
778
779 2. ア
780
781
782
783
784
785 3. イ
786
787
788
789
790
791 - 13 -
792
793 4. イ
794
795
796
797
798
799 5. ウ
800
801
802
803
804
805 〔第22問〕(配点:3)
806 任意捜査と強制捜査の区別に関する次の【記述】の@からLまでの(
807 制」のいずれかの語句が入る。A,C,F及びJの(
808
809 )内には,
810 「任意」又は「強
811
812 )内に入る語句の組合せとして正しいもの
813
814 は,後記1から6までのうちどれか。(解答欄は,[30])
815 【記
816
817 述】
818 刑事訴訟法は,何が強制捜査であるのかについての定義を示していないため,その定義をめぐ
819
820 って学説は分かれており,まず,被疑者の逮捕,捜索差押えのような物理的な実力の行使を伴う
821 捜査が(@)捜査の典型であるとされてきたことから,物理的な実力の行使を伴う場合に限ると
822 する説と,それに加えて人に義務を負わせるものも含むとする説とが対立し,後説が従来の通説
823 であった。そして,いかなる場合が人に義務を負わせるものに当たるかの判断基準については,
824 間接強制を伴う場合に限るという考え方と,義務の履行を強制する手段の有無を問わないという
825 考え方に分かれていた。前者の考え方によると,同法第197条第2項の公務所に対する照会は,
826 (A)捜査,同法第226条の第一回公判期日前の証人尋問は,
827 (B)捜査ということになる。と
828 ころが,科学技術の発達が犯罪捜査に応用されるようになると,例えば,通信の当事者のいずれ
829 の同意も得ないで電気通信の傍受を行うといった対象者に対する物理的な実力行使や義務付けを
830 伴わない捜査手法が現れてきた。前記各説によると,こうした捜査手法は(C)捜査であること
831 になるが,この結論には大きな疑問がある。また,逆に,例えば,相手方を呼び止めるため,腕
832 に軽く手を掛ける行為のように,物理的な実力が用いられたからといって直ちに(D)捜査だと
833 することが適切か疑わしい場合もある。
834 その後,物理的な実力によると否とを問わず,個人の権利や法益を侵害するものはすべて(E)
835 捜査であるという学説が現れた。この学説によると,街頭で公然と行動している人を写真に撮る
836 捜査は,対象者に「みだりに容ぼうを撮影されない自由」が認められるので,
837 (F)捜査に該当す
838 ることになろう。この学説が物理的な実力の行使あるいは人に義務を負わせるという判断基準か
839 ら脱却しようとした点は正鵠を射ているが,刑事訴訟法の(G)捜査に関する要件や手続はかな
840 り厳格であるので,およそ何らかの権利や利益が侵害されればすべて(H)捜査であるというの
841 は妥当ではなく,やはり,そのような厳格な要件や手続によって保護する必要があるほど重要な
842 権利や利益の制約を伴う場合に初めて(I)捜査であると考えるべきであろう。こう考えれば,
843 街頭で公然と行動している人を写真に撮る捜査と,住居内の普通では外から見えないような場所
844 にいる人物を高性能の望遠レンズや赤外線フィルムを用いて密かに写真に撮る捜査が,同じ写真
845 撮影でありながら制約される権利や利益の重要性に違いがあるとして,前者を(J)捜査,後者
846 を(K)捜査とする結論を導くことが可能となり,この結論は常識にも合致する。そして,この
847 ように解したとしても,
848 (L)捜査は,制約される権利や利益の重要性と当該捜査の必要性・緊急
849 性を比較衡量し,相当と認められる限度でのみ許容されるのであるから,権利や利益の保護に欠
850 けるわけではないのである。
851 1. A強制
852
853 C任意
854
855 F任意
856
857 J任意
858
859 2. A任意
860
861 C任意
862
863 F強制
864
865 J強制
866
867 3. A強制
868
869 C強制
870
871 F任意
872
873 J強制
874
875 4. A強制
876
877 C強制
878
879 F任意
880
881 J任意
882
883 5. A任意
884
885 C任意
886
887 F強制
888
889 J任意
890
891 6. A任意
892
893 C強制
894
895 F強制
896
897 J強制
898
899 - 14 -
900
901 〔第23問〕(配点:2)
902 告訴の効力に関する次のアからエまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5ま
903 でのうちどれか。(解答欄は,[31])
904 ア. Vは,自己の所有する自転車が損壊されたとして,甲を器物損壊の罪で告訴した。捜査の結
905 果,真犯人は乙であり,甲は事件と無関係であることが判明した。この場合,Vの告訴の効力
906 は乙に対して及ぶ。
907 イ. V1は,月刊誌に自己の名誉を毀損する記事が掲載されたとして,同月刊誌の編集責任者甲
908 を名誉毀損の罪で告訴した。捜査の結果,甲に,前記記事によるV1及びその愛人V2に対す
909 る名誉毀損の事実が認められた場合,V1の告訴の効力は,甲のV2に対する名誉毀損の事実
910 にも及ぶ。
911 ウ. Vは,甲から住居侵入及びこれと科刑上一罪の関係にある強制わいせつの被害を受けたが,
912 甲を住居侵入の罪に限定して告訴した。この場合,Vの告訴の効力は,強制わいせつの事実に
913 は及ばない。
914 エ. Vは,自宅から自己の所有する宝石が盗まれたとして,親族でない甲を窃盗の罪で告訴した。
915 捜査の結果,甲がVの別居中の弟乙とともに窃盗に及んだことが判明した場合,Vの告訴の効
916 力は,乙に対しても及ぶ。
917 1. ア
918
919
920
921 2. ア
922
923
924
925 3. イ
926
927
928
929 4. イ
930
931
932
933 5. ウ
934
935
936
937 〔第24問〕(配点:3)
938 緊急逮捕に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5まで
939 のうちどれか。なお,死体遺棄罪(刑法第190条)の法定刑は,3年以下の懲役である。
940 (解答欄
941 は,[32])
942 ア. 強盗殺人罪の被疑者が警察署に自ら出頭して自首した場合,被疑者を警察署内に待たせてお
943 いてその間に通常逮捕のための逮捕状を求めることができるので,緊急逮捕が許されることは
944 ない。
945 イ. 緊急逮捕の要件としての罪を犯したことを疑うに足りる「充分な理由」とは,通常逮捕の場
946 合における「相当な理由」よりは一層高度な嫌疑をいい,具体的には,公訴を提起するに足り
947 る程度の嫌疑があることをいう。
948 ウ. 死体遺棄罪の幇助は,
949 「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪」
950 に該当しないので,これによる緊急逮捕は許されない。
951 エ. 緊急逮捕状を発するには,逮捕後直ちに裁判官の逮捕状を求める手続がなされたことのほか,
952 逮捕時における緊急逮捕の要件及び逮捕状発付時における通常逮捕の要件の双方を満たしてい
953 ることが必要である。
954 オ. 緊急逮捕の要件としての罪を犯したことを疑うに足りる「充分な理由」があるか否かの判断
955 においては,逮捕後に生じた状況を資料とすることは許されない。
956 1. ア
957
958
959
960 2. イ
961
962
963
964 3. ウ
965
966
967
968 4. ウ
969
970 - 15 -
971
972
973
974 5. エ
975
976
977
978 〔第25問〕(配点:2)
979 勾留の要件に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
980 (解答欄は,
981 [33])
982 1. 被疑者が,住民票記載の住所について,所有権,賃借権などのそこに居住する正当な権原を
983 有している場合には,現実にどこで起臥寝食しているかにかかわらず,住民票記載の住所が「定
984 まつた住居」に当たる。
985 2. 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」といえるためには,被疑者において主
986 観的に証拠を隠滅しようという意図があれば足り,証拠隠滅行為がなされた場合に,罪証隠滅
987 の効果が生じ得るものであることは必要ではない。
988 3. 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」における罪証隠滅行為とは,必ずしも
989 被疑者が自らこれを実行する場合に限られるものではなく,被疑者が第三者に命じたり,指示
990 したりして,その第三者に罪証隠滅行為をさせる場合も含まれる。
991 4. 相当年数同じ会社に勤務している被疑者と,日雇として短期間で勤務先を転々と変えている
992 被疑者を比較した場合,
993 「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」の判断に
994 差異は生じない。
995 5. 罪責が重大であることは,
996 「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由」を肯定する方向
997 に働く事情であるが,被疑者に同種前科があることを「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相
998 当な理由」を肯定する方向に考慮することは許されない。
999 〔第26問〕(配点:2)
1000 勾留理由開示に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[
1001 34])
1002 1. 被告人の勾留については,勾留の理由の開示を請求することはできない。
1003 2. 勾留の理由の開示は,公開の法廷でこれをしなければならない。
1004 3. 勾留の理由の開示は,勾留の基礎となっている犯罪事実と,勾留されている者が罪を犯した
1005 ことを疑うに足りる相当な理由を告げれば足りる。
1006 4. 被疑者は,勾留の理由を開示する期日において,勾留の理由についての意見を述べることは
1007 できない。
1008 5. 勾留の執行停止により釈放されている被疑者であっても,勾留の理由の開示を請求すること
1009 ができる。
1010 〔第27問〕(配点:3)
1011 身体の検査,捜索等に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1
1012 から6までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。
1013 (解答
1014 欄は,[35])
1015 ア. 身体検査令状により身体の検査をすることができる対象は,被疑者に限られており,被疑者
1016 以外の者の身体の検査をすることはできない。
1017 イ. 身体の拘束を受けている被疑者の指紋又は足型を採取するには,被疑者を裸にしない場合で
1018 あっても,身体検査令状によらなければならない。
1019 ウ. 身体検査令状により女子の身体を検査する場合には,医師又は成年の女子をこれに立ち会わ
1020 せなければならない。
1021 エ. 強制採尿のための捜索差押令状には,強制採尿は医師をして医学的に相当と認められる方法
1022 により行わせなければならない旨の条件の記載が不可欠である。
1023 オ. 身柄を拘束されていない被疑者を採尿場所へ任意に同行することが事実上不可能であると認
1024 められる場合には,強制採尿のための捜索差押令状の効力として,採尿に適する最寄りの場所
1025 まで被疑者を連行することができる。
1026 - 16 -
1027
1028 1. ア
1029
1030
1031
1032
1033
1034 6. ウ
1035
1036
1037
1038
1039
1040 2. ア
1041
1042
1043
1044
1045
1046 3. ア
1047
1048
1049
1050
1051
1052 4. イ
1053
1054
1055
1056
1057
1058 5. イ
1059
1060
1061
1062
1063
1064 〔第28問〕(配点:2)
1065 公訴の提起前における押収及び捜索に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組
1066 合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[36])
1067 ア. 被疑者以外の者の身体,物又は住居その他の場所については,押収すべき物の存在を認める
1068 に足りる状況のある場合に限り,捜索をすることができる。
1069 イ. 甲の自宅における捜索差押許可状の執行中は,甲の同居の親族に対しても,許可を得ないで
1070 甲の自宅に出入りすることを禁止することができる。
1071 ウ. 捜索差押許可状には,犯罪事実の要旨を記載しなければならない。
1072 エ. 殺人事件の犯人が公道上の犯行現場に遺留した凶器を押収するには,差押許可状が必要であ
1073 る。
1074 オ. 捜査機関に対し,証拠物を任意に提出することができる者は,当該証拠物の所有者に限られ
1075 る。
1076 1. ア
1077
1078
1079
1080 2. ア
1081
1082
1083
1084 3. イ
1085
1086
1087
1088 4. ウ
1089
1090
1091
1092 5. エ
1093
1094
1095
1096 〔第29問〕(配点:2)
1097 第一回の公判期日前に行われる証人尋問に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っている
1098 ものはどれか。(解答欄は,[37])
1099 1. 被告人,被疑者又は弁護人は,あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用する
1100 ことが困難な事情があるときは,第一回の公判期日前に限り,裁判官に証人の尋問を請求する
1101 ことができる。
1102 2. 犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる被疑者以外の者が,取
1103 調べに対して,出頭又は供述を拒んだ場合には,第一回の公判期日前に限り,検察官は,裁判
1104 官にその者の証人尋問を請求することができる。
1105 3. 取調べに際して任意の供述をした被疑者以外の者が,公判期日においては前にした供述と異
1106 なる供述をするおそれがあり,かつ,その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認め
1107 られる場合には,第一回の公判期日前に限り,検察官は,裁判官にその者の証人尋問を請求す
1108 ることができる。
1109 4. 第一回の公判期日前に行われる証人尋問により作成された証人尋問調書は,刑事訴訟法第
1110 321条第1項第1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」に該当する。
1111 5. 裁判官は,検察官の請求による第一回の公判期日前の証人尋問を行う際,被告人,被疑者又
1112 は弁護人をその尋問に立ち会わせなければならない。
1113
1114 - 17 -
1115
1116 〔第30問〕(配点:3)
1117 弁護に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から6までのう
1118 ちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。
1119 (解答欄は,
1120 [38])
1121 ア. 被告人に氏名を記載することができない合理的な理由がないのに,被告人の署名のない弁護
1122 人選任届によってした弁護人の選任は無効である。
1123 イ. 公訴の提起前にした弁護人の選任は,第一審においてその効力を有しないので,公訴の提起
1124 後,改めて弁護人の選任をしなければならない。
1125 ウ. 公訴の提起後における弁護人の選任は,審級ごとにこれをしなければならない。
1126 エ. 必要的弁護事件において,弁護人が出頭しないときは,職権で弁護人を付することができる
1127 ものの,弁護人が出頭しないおそれがあるにとどまるときは,職権で弁護人を付することはで
1128 きない。
1129 オ. 裁判官は,殺人被疑事件で在宅のまま取調べを受けている被疑者からの国選弁護人選任の請
1130 求があった場合,被疑者のため弁護人を付さなければならない。
1131 1. ア
1132
1133
1134
1135 2. ア
1136
1137
1138
1139 3. イ
1140
1141
1142
1143 4. イ
1144
1145
1146
1147 5. ウ
1148
1149
1150
1151 6. エ
1152
1153
1154
1155 〔第31問〕(配点:2)
1156 公訴の提起に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1157 (解答欄は,
1158 [39])
1159 1. 公訴の提起は,実務上,起訴状を提出して行うのが通例であるが,緊急やむを得ない場合に
1160 は,口頭によることもできる。
1161 2. 起訴状には,被告人の氏名を記載しなければならないので,被告人の氏名が判明しない場合
1162 には,公訴を提起することはできない。
1163 3. 公訴の提起と同時に略式命令の請求をする場合であっても,起訴状一本主義の適用があるの
1164 で,検察官は,略式命令の請求と同時に,略式命令をするために必要があると思料する書類及
1165 び証拠物を裁判所に差し出すことはできない。
1166 4. 起訴状の公訴事実は,訴因を明示してこれを記載しなければならず,罪名は,適用すべき罰
1167 条を示してこれを記載しなければならないところ,数個の訴因及び罰条は,予備的に又は択一
1168 的にこれを記載することができる。
1169 5. 告訴又は告発がなされた事件については,当該告訴又は告発が取り消されない限り,検察官
1170 は,公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないと思料する場合を除き,公訴を提起しなければ
1171 ならない。
1172
1173 - 18 -
1174
1175 〔第32問〕(配点:3)
1176 公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述につき,正しい場合には1を,誤っている場
1177 合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[40]から[44])
1178 ア. 公判前整理手続においては,証拠調べの請求をさせるだけでなく,証拠調べをする決定又は
1179 証拠調べの請求を却下する決定をすることができる。[40]
1180 イ. 検察官は,事件が公判前整理手続に付されたときは,公判期日において証拠により証明しよ
1181 うとする事実を記載した書面を,裁判所に提出し,及び被告人又は弁護人に送付しなければな
1182 らない。[41]
1183 ウ. 被告人は,事件が公判前整理手続に付されたときは,事件の争点及び証拠を整理するために
1184 公判前整理手続期日に出頭しなければならず,被告人が出頭しないときは,その手続を行うこ
1185 とができない。[42]
1186 エ. 検察官及び被告人又は弁護人は,公判前整理手続が終わった後には,やむを得ない事由によ
1187 って当該公判前整理手続において請求することができなかった証拠のうち,情状に関するもの
1188 に限って,その証拠調べを請求することができる。[43]
1189 オ. 公判前整理手続に付された事件については,被告人又は弁護人は,証拠により証明すべき事
1190 実その他の事実上及び法律上の主張があるときは,証拠調べのはじめに行われる検察官の冒頭
1191 陳述に引き続き,これを明らかにしなければならない。[44]
1192 〔第33問〕(配点:3)
1193 検察官は,ハンマーを凶器とする傷害被告事件の証拠として,犯行を目撃したWの検察官に対す
1194 る供述調書及び犯行に使用されたとされるハンマーの証拠調べを請求した。この場合に関する次の
1195 アからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
1196 (解答欄は,
1197 [45])
1198 ア. ハンマーには伝聞法則は適用されないから,裁判所は,弁護人の意見を聴かずに,ハンマー
1199 を証拠として採用するか否かを決定することができる。
1200 イ. Wの証人尋問が行われ,刑事訴訟法第321条第1項第2号後段の規定により,Wの証言と
1201 相反する供述が録取されたWの検察官に対する供述調書の証拠調べが請求された場合,裁判所
1202 は,証拠能力の有無を判断するためであっても,その採用決定をする前に,同供述調書を見る
1203 ことはできない。
1204 ウ. Wの証人尋問が行われ,Wの証言と相反する供述が録取されたWの検察官に対する供述調書
1205 が刑事訴訟法第321条第1項第2号後段の規定により証拠として採用された場合であって
1206 も,Wの証言は証拠能力を有する。
1207 エ. ハンマーの証拠調べの方法は,ハンマーを裁判所と訴訟関係人が認識できる状態にすること
1208 である。
1209 オ. ハンマーがいまだ証拠として採用されていない段階でWの証人尋問が行われた場合,Wに対
1210 するハンマーを示しての尋問が許されることはない。
1211 1. ア
1212
1213
1214
1215 2. イ
1216
1217
1218
1219 3. ウ
1220
1221
1222
1223 - 19 -
1224
1225 4. ウ
1226
1227
1228
1229 5. エ
1230
1231
1232
1233 〔第34問〕(配点:3)
1234 次のアからエまでの【方法】は,検察官が,共犯者として併合審理を受けている甲及び乙の関係
1235 で,目撃者Wの検察官に対する供述調書の証拠調べを請求したのに対し,甲の弁護人はその供述調
1236 書を証拠とすることに同意したが,乙の弁護人はこれを不同意とした場合に考えられる審理の進め
1237 方である。後記【発言】は,学生AないしDが,
1238 【方法】のいずれかについて発言したものであるが,
1239 【発言】と【方法】を対応させた場合,その組合せとして最も適切なものは,後記1から5までの
1240 うちどれか。(解答欄は,[46])
1241 【方
1242
1243 法】
1244
1245 ア. 弁論を分離し,甲,乙の審理を別個に進行させることとし,甲の審理で供述調書を採用決定
1246 して取り調べ,後日,乙の審理で証人Wを尋問する方法
1247 イ. 併合審理のまま,まず,甲の関係では,供述調書を採用決定して取り調べ,次に,乙の関係
1248 では,証人Wを尋問する方法
1249 ウ. 併合審理のまま,甲の関係では,供述調書の採用決定はするが,その証拠調べは,乙の関係
1250 での証人Wの尋問終了後に行う方法
1251 エ. 併合審理のまま,甲の関係では,供述調書の採用決定を留保した上で,甲及び乙の関係で証
1252 人Wを尋問し,その結果,証言内容が供述調書と同じ内容である場合には,甲の関係では,検
1253 察官に供述調書の証拠調べ請求の撤回を勧告するか,その請求を却下し,証言内容が供述調書
1254 と相反する内容である場合には,甲の関係では,刑事訴訟法第326条第1項により供述調書
1255 を採用決定して取り調べ,乙の関係では,同法第321条第1項第2号後段の適用の可否を検
1256 討する方法
1257 【発
1258
1259 言】
1260
1261 学生A. この方法は,裁判官が先に伝聞証拠で心証を形成してしまうのではないかという不安に
1262 配慮している上,何を証拠とするかについて当事者の意向を反映させることができるが,
1263 同一手続内における事実認定の合一的確定の要請に反するおそれがある。
1264 学生B. この方法は,裁判官が先に伝聞証拠で心証を形成してしまうのではないかという不安が
1265 残るという問題に加え,同一手続内における事実認定の合一的確定の要請に反するおそれ
1266 もあるが,何を証拠とするかについて当事者の意向を反映させることができる。
1267 学生C. この方法は,同一手続内で二つの事実認定が不整合になるという問題は回避できるもの
1268 の,引き続き同一の裁判官による審理がなされるという運用であれば,先に伝聞証拠で心
1269 証を形成してしまうのではないかという不安は解消されない。
1270 学生D. この方法は,一方の被告人からみれば,供述調書の内容より証言の方が有利になるとは
1271 限らないという点に対する配慮が足りない。
1272 1. 学生Aア
1273
1274 学生Bウ
1275
1276 学生Cイ
1277
1278 学生Dエ
1279
1280 2. 学生Aイ
1281
1282 学生Bエ
1283
1284 学生Cア
1285
1286 学生Dウ
1287
1288 3. 学生Aウ
1289
1290 学生Bイ
1291
1292 学生Cア
1293
1294 学生Dエ
1295
1296 4. 学生Aエ
1297
1298 学生Bア
1299
1300 学生Cウ
1301
1302 学生Dイ
1303
1304 5. 学生Aエ
1305
1306 学生Bウ
1307
1308 学生Cイ
1309
1310 学生Dア
1311
1312 - 20 -
1313
1314 〔第35問〕(配点:2)
1315 証人尋問に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1316 (解答欄は,
1317 [47])
1318 1. 証人には,自己の直接体験した事実だけでなく,その体験した事実により推測した事項を供
1319 述させることができる。
1320 2. 証人尋問は公開の法廷で行わなければならないので,裁判所は,公判期日外において,裁判
1321 所外で証人を尋問することはできない。
1322 3. 6歳の幼児は,その年齢だけによって,体験した事実を認識,記憶し,かつ,その事実を表
1323 現する能力に欠けているといえるので,証人としてこれを尋問することはできない。
1324 4. 検察官は,あらかじめ供述調書の証拠調べを請求しておかなければ,その供述者の証人尋問
1325 を請求することはできない。
1326 5. 宣誓した証人は,自己が刑事訴追を受けるおそれのある証言を拒むことはできないものの,
1327 その証言した内容が自己の刑事裁判で証拠とされることはない。
1328 〔第36問〕(配点:2)
1329 証人の保護に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5ま
1330 でのうちどれか。なお,記述中の証人への付添いは刑事訴訟法第157条の2,証人の遮へいは同
1331 法第157条の3,ビデオリンク方式による証人尋問は同法第157条の4に,それぞれ規定され
1332 ているものをいう。(解答欄は,[48])
1333 ア. 証人への付添いは,証人の精神的負担の軽減を目的とするものであるので,被害者が証人で
1334 ある場合に限定されている。
1335 イ. 証人に付き添うこととされた者は,その証人の供述中,裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若
1336 しくは証人の供述を妨げ,又はその供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはなら
1337 ない。
1338 ウ. 証人の遮へいについては,被告人と証人との間で遮へい措置を採ることはできるが,裁判の
1339 公開という憲法上の要請があるので,傍聴人と証人との間で遮へい措置を採ることはできない。
1340 エ. ビデオリンク方式による証人尋問の対象は,強姦罪等の性犯罪の被害者に限定されているの
1341 で,暴力団員による恐喝事件の被害者は対象とならない。
1342 オ. 被告人から証人の状態を認識することができないようにするための遮へい措置については,
1343 弁護人が出頭している場合に限り,採ることができる。
1344 1. ア
1345
1346
1347
1348 2. イ
1349
1350
1351
1352 3. イ
1353
1354
1355
1356 4. ウ
1357
1358 - 21 -
1359
1360
1361
1362 5. エ
1363
1364
1365
1366 〔第37問〕(配点:3)
1367 次のT及びUの【見解】は,常習一罪などの実体法上一罪の関係にある数個の可罰的行為につい
1368 ての勾留の効力に関する考え方を述べたものである。これらの【見解】のいずれかを前提に,後記
1369 【事例】における権利保釈の除外事由に関する判断について述べた後記アからカまでの【記述】の
1370 うち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[49])
1371 【見
1372
1373 解】
1374
1375 T. 一罪の一部を構成する可罰的行為についての勾留の効力は,起訴の有無にかかわらず,当然
1376 に他の部分に及ぶ。
1377 U. 一罪の一部を構成する可罰的行為についての勾留の効力は,起訴の有無にかかわらず,他の
1378 部分に及ばない。
1379 【事
1380
1381 例】
1382 甲は,平成○○年3月10日(a事件)に甲が経理係長として勤務する株式会社V所有の現金
1383
1384 100万円を横領したという業務上横領事件で,同年5月1日,逮捕され,引き続き勾留された
1385 上,勾留中のまま起訴された。甲には,同年3月12日(b事件)と同年4月15日(c事件)
1386 に,同様に株式会社V所有の現金各200万円を横領したという業務上横領の余罪があり,これ
1387 らの事件はいまだ起訴されていない。
1388 a事件の第一回公判期日前である同年6月1日,甲の弁護人から,保釈請求がなされた。
1389 なお,a事件とb事件は包括一罪の関係にあり,これらとc事件は併合罪の関係にある。
1390 【記
1391
1392 述】
1393
1394 ア. Tの考え方に立ったとき,a事件に関して,甲が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由
1395 がなくても,b事件に関して,それがある場合には,権利保釈は認められない。
1396 イ. Tの考え方に立ったとき,a事件に関して,甲が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由
1397 がなくても,c事件に関して,それがある場合には,権利保釈は認められない。
1398 ウ. Tの考え方に立ったとき,甲が常習としてa事件を犯したものであるか否かを判断するため
1399 に,c事件の存在を考慮することは許されない。
1400 エ. Uの考え方に立ったとき,a事件に関して,甲が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由
1401 がなければ,b事件に関して,それがある場合であっても,この点を理由として権利保釈が否
1402 定されることはない。
1403 オ. Uの考え方に立ったとき,a事件に関して,甲が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由
1404 がなければ,c事件に関して,それがある場合であっても,この点を理由として権利保釈が否
1405 定されることはない。
1406 カ. Uの考え方に立ったとき,甲が常習としてa事件を犯したものであるか否かを判断するため
1407 に,b事件の存在を考慮することは許されない。
1408 1. ア
1409
1410
1411
1412
1413
1414 2. ア
1415
1416
1417
1418
1419
1420 3. ア
1421
1422
1423
1424
1425
1426 - 22 -
1427
1428 4. イ
1429
1430
1431
1432
1433
1434 5. ウ
1435
1436
1437
1438
1439
1440 〔第38問〕(配点:2)
1441 刑事訴訟法第326条第1項の「同意」に関する次のアからエまでの各記述につき,正しい場合
1442 には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
1443 (解答欄は,アからエの順に[50]から[53])
1444 ア. 弁護人は,独立して訴訟行為をすることができるので,被告人の明示の意思に反しても,書
1445 面又は供述を証拠とすることに同意することができる。[50]
1446 イ. 書面又は供述が意味内容において分割可能な場合には,その一部を同意し,その他の部分を
1447 不同意とすることができる。[51]
1448 ウ. 書面又は供述を証拠とすることの同意は,第一審の判決が宣告されるまでは,いつでも撤回
1449 することができる。[52]
1450 エ. 第一審において,書面又は供述を証拠とすることに同意した場合,その効果は,第一審にし
1451 か及ばないので,控訴審では,その書面又は供述を不同意とすることができる。[53]
1452 〔第39問〕(配点:3)
1453 被告人の死亡を理由とする公訴棄却決定が確定した場合であっても,新たに発見された証拠によ
1454 って,その公訴棄却決定が被告人作出の内容虚偽の証拠に基づくものであったことが明白となった
1455 ときは,再起訴を妨げるものではないとの結論を採る場合,次の1から5までの各記述のうち,こ
1456 の結論の論拠となり得ないものはどれか。(解答欄は,[54])
1457 1. 刑事訴訟法が公訴棄却事由として定める「被告人が死亡したとき」とは,被告人の死亡では
1458 なく,被告人の死亡の証拠がある場合の意味である。
1459 2. 被告人の死亡による公訴棄却決定は,非終局的な決定であるため,確定裁判の効力が生じな
1460 い。
1461 3. 再起訴禁止による利益を受けるためには,被告人にその利益を要求できる資格が必要である
1462 と解すべきである。
1463 4. 被告人の死亡による公訴棄却決定は,訴訟続行が無意味となるため訴訟を打ち切る点におい
1464 て,心神喪失を理由とする公判手続の停止と同性質のものである。
1465 5. 再起訴禁止の効力が及ばなくなる事情の変更とは,新証拠の発見ではなく,被告人の死亡と
1466 いう事実自体の変化でなければならない。
1467 〔第40問〕(配点:2)
1468 再審事由を定める刑事訴訟法第435条第6号は,
1469 「明らかな証拠をあらたに発見したとき」と規
1470 定して,いわゆる証拠の明白性と新規性の要件を定めているが,証拠の明白性に関する次のアから
1471 エまでの各記述のうち,判例に照らして,正しいものの組合せは,後記1から4までのうちどれか。
1472 (解答欄は,[55])
1473 ア. 「明らかな証拠」とは,有罪等の確定判決を覆し無罪等の事実認定に到達する高度の蓋然性
1474 のある証拠を意味する。
1475 イ. 「明らかな証拠」とは,確定判決における事実認定につき合理的な疑いを抱かせ,その認定
1476 を覆すに足りる蓋然性のある証拠を意味する。
1477 ウ. 証拠の明白性は,申立てに係る証拠のみを単独に評価する孤立的な方法によって判断すべき
1478 である。
1479 エ. 証拠の明白性は,もし申立てに係る証拠が確定判決を下した裁判所の審理中に提出されてい
1480 たとするならば,果たしてその確定判決においてなされたような事実認定に到達したであろう
1481 かどうかという観点から,当の証拠と他の全証拠と総合的に評価して判断すべきである。
1482 1. ア
1483
1484
1485
1486 2. ア
1487
1488
1489
1490 3. イ
1491
1492
1493
1494 4. イ
1495
1496 - 23 -
1497
1498
1499
1500