1 論文式試験問題集[公法系科目]
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3 - 1 -
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 200*年度インターネット白書によると,インターネット利用者数は推計で約8900万人と
8 され,国民のおよそ4分の3がインターネットを利用していることになる。とりわけ,携帯電話所
9 有者のほぼ100%がインターネットにアクセスしている。インターネットは,既に個人レベルに
10 まで普及しており,インターネットなしの生活は考えられなくなっている反面,様々な弊害も問題
11 視されている。それは,過度の性的表現,過度の暴力や残虐な表現,犯罪や違法薬物への興味を引
12 き起こすような情報等が子どもに及ぼす有害な影響である。また,過度の性的表現等を見たくない
13 大人もおり,そのような大人に配慮することも必要であるという意見も主張されてきていた。
14 有害な影響を及ぼすインターネット上の情報を子どもが閲覧できないようにする技術的対策とし
15 て,フィルタリング・ソフトウェア(以下「フィルタリング・ソフト」ともいう。)がある。国は,
16 子どもが使用する携帯電話等へのフィルタリング・ソフトの搭載を促進することが効果的と考え,
17 学校や携帯電話等の販売業者等を通じるなどしてその普及を図ってきていた。しかし,前記白書に
18 よれば,インターネットを利用する際にフィルタリング・ソフトを使用している利用者は10%に
19 とどまり,フィルタリング・ソフトについて知らないという利用者が70%に上っていた。政府は,
20 過度の性的表現等から子どもを保護することを更に徹底するための対策等の強化について検討し,
21 201×年,
22 「インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図るためのフィ
23 ルタリング・ソフトウェアの普及の促進に関する法律」
24 (フィルタリング・ソフト法)案を策定して
25 国会に提出し,同法案は衆参両院で可決・成立した。
26 フィルタリング・ソフト法は,有害情報を定義するとともに,その基準の定めなど細目的事項に
27 ついて内閣府令に委任している。同法によれば,パソコン,携帯電話等のインターネットへの接続
28 機能を有する電子機器(以下「インターネット接続電子機器」という。)を製造する業者は,これを
29 製造する場合には,内閣総理大臣が指定した適合フィルタリング・ソフトウェア(以下「適合ソフ
30 ト」という。)の一つをあらかじめ搭載しなければならず,インターネット接続電子機器を販売する
31 業者は,法施行前に製造された製品等,適合ソフトが搭載されていないインターネット接続電子機
32 器を販売する場合には,適合ソフトの一つをあらかじめ搭載して販売しなければならない(違反し
33 た場合は,罰則が適用される。)。ただし,販売業者はインターネット接続電子機器の購入者から,
34 専ら使用することとなる者が18歳未満の者ではないことを理由として適合ソフトの削除を求める
35 旨の申出を受けたときは,使用者が18歳未満の者ではないことを所定の方法で確認した上で,適
36 合ソフトを削除することができる(当該確認を怠って削除して販売した場合は,罰則が適用され
37 る。)。他方で,フィルタリング・ソフト法は,適合ソフトの効果を損なうソフトウェアが蔓延し,
38 18歳未満の者の保護が図れなくなることを防止するため,適合ソフトを削除し又は使用目的に沿
39 うべき動作をさせないプログラムを他人に提供してはならないし,また,適合ソフトが搭載された
40 インターネット接続電子機器を使用する者は,正当な理由なく,同法に定める手続以外の手続で適
41 合ソフトを削除してはならない旨を規定している(提供又は無断削除した場合は,罰則が適用され
42 る。)。なお,同法は,適合ソフト搭載の促進のために国が助成措置を講じることとしており,使用
43 者は,適合ソフト搭載のために上乗せされた価格部分を追加的に自己負担することなく,適合ソフ
44 トを搭載したインターネット接続電子機器を購入することができる。また,適合ソフトが搭載され
45 ていないインターネット接続電子機器を所有している者も,追加的な自己負担なしに適合ソフトを
46 搭載してもらうことができる(資料1,資料2,資料3参照)。
47 Aは,平和問題と死刑存廃問題に関係する情報を無料で配信するサイト(以下「本件サイト」と
48 いう。)を運営していた。本件サイトには,戦場における死傷者の無残な画像,拷問を受ける人々の
49 画像,公開処刑の画像等,見る人に不快感を与える可能性のある画像も掲載されていた。フィルタ
50 リング・ソフト法施行後,本件サイトに含まれるウェブページの大半が有害情報を含む有害ウェブ
51 - 2 -
52
53 ページとして,かつ本件サイト全体が有害ウェブサイトとして指定された。このため,適合ソフト
54 を搭載したインターネット接続電子機器では,本件サイト内のすべてのウェブページが閲覧できな
55 くなった。
56 Aは,大人ばかりでなく子どもも真実を知った上で問題を考える必要があるという信念のもとで
57 本件サイトを運営していた。しかも,Aは,見る人に不快感を与える可能性のある画像が表示され
58 る前に,「次のウェブページには,不快感を与えるかもしれない画像が掲載されています。」という
59 注意を促す文章を掲げていた。遮断される以前に本件サイトに寄せられていた意見のほとんどは,
60 画像を見てショックを受けたが,平和や死刑の問題を真剣に考えるようになったというものであっ
61 た。Aは,子どもが全く見ることができず,18歳以上の者も所定の手続を踏まなければ見ること
62 ができないことへの対抗策として,適合ソフトが搭載されていても本件サイトを閲覧できるように
63 するプログラムを開発した上,本件サイトとは別の自分のサイトに同プログラムをアップロードし,
64 無償でダウンロードできるようにした。
65 このため,Aは,フィルタリング・ソフト法第17条及び第16条第1項第2号が定める,適合
66 ソフトの使用目的に沿うべき動作をさせないプログラムを提供する罪に当たるものとして起訴され
67 た。
68 〔設
69
70 問〕
71
72 1. あなたがAの弁護人であったとして,裁判においてどのような憲法上の主張を行うか,具体的
73 に論じなさい。
74 2. Aの主張に対する検察官の主張を想定しつつ,憲法上の問題点について,あなた自身の見解を
75 述べなさい。
76 <用語説明>
77 ウェブページ:インターネット上に公開されている情報を閲覧ソフトで閲覧した場合に,一度に表
78 示されるデータのまとまりをいう。
79
80
81
82
83 ト:ウェブサイトともいう。複数のウェブページで構成された全体のウェブページ群を
84 指す。また,そのウェブページ群が置いてあるインターネット上での場所を指す。
85
86 ソフトウェア:コンピュータの処理の手順を示すプログラムの総称。
87 アップロード:ネットワークを通じて,利用者のコンピュータに保存されているデータをサーバ・
88 コンピュータ(*)に転送すること。
89 ダウンロード:ネットワークを通じて,サーバ・コンピュータ(*)に保存されているデータを利
90 用者のコンピュータに転送すること。
91 *サーバ・コンピュータ:ネットワークにおいて,自身の持っている機能やデータを提供するコン
92 ピュータのこと。
93
94 - 3 -
95
96 資料1: インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図る
97 ためのフィルタリング・ソフトウェアの普及の促進に関する法律
98 目次
99 第1章
100
101 総則(第1条−第4条)
102
103 第2章
104
105 適合ソフトウェアの指定及びその搭載義務等(第5条−第12条)
106
107 第3章
108
109 フィルタリング審議会(第13条−第15条)
110
111 第4章
112
113 適合ソフトウェア削除プログラムの提供等の禁止(第16条)
114
115 第5章
116
117 罰則(第17条−第19条)
118
119 附則
120 第1章
121
122 総則
123
124 (目的)
125 第1条
126
127 この法律は,インターネットを利用する子どもを有害情報から保護するとともに,インタ
128
129 ーネットを利用するその他の国民についても,有害情報にさらされることを希望しない者が有害
130 情報にさらされることを防止するため,フィルタリング・ソフトウェアの普及の促進を図ることを
131 目的とする。
132 (定義)
133 第2条
134
135 この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところに
136
137 よる。
138
139
140 子ども
141
142 18歳に満たない者をいう。
143
144
145
146 有害情報
147
148 インターネット上で流通している情報で,子どもに対し,著しく性的感情を刺激
149
150 し,著しく残虐性を助長し,又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するものとして,内閣府令で
151 定める基準に該当し,子どもの健全な成長を阻害するおそれがあると認められるものをいう。
152
153
154 有害ウェブページ
155
156 有害情報が掲載されているウェブページとして内閣総理大臣が指定する
157
158 ものをいう。
159
160
161 有害ウェブサイト
162
163 有害ウェブページを含み内容的に一つのまとまりをなすウェブページ群
164
165 として内閣総理大臣が指定するものをいう。
166
167
168 フィルタリング・ソフトウェア
169
170 有害ウェブサイトを閲覧できないようにする機能を有する
171
172 プログラムをいう。
173
174
175 インターネット接続電子機器
176
177 電子計算機,携帯電話その他の電子機器であって,インター
178
179 ネットへの接続機能を有するものをいう。
180
181
182 プログラム
183
184 インターネット接続電子機器に対する指令であって,一の結果を得ることがで
185
186 きるように組み合わせたものをいう。
187 (国及び地方公共団体の責務)
188 第3条
189
190 (略)
191
192 (保護者の責務)
193 第4条
194
195 (略)
196
197 第2章
198
199 適合ソフトウェアの指定及びその搭載義務等
200
201 (有害ウェブページ等の指定)
202 第5条
203
204 内閣総理大臣は,有害ウェブページ及び有害ウェブサイトを指定するものとする。
205
206 - 4 -
207
208 (適合ソフトウェアの指定)
209 第6条
210
211 内閣総理大臣は,フィルタリング・ソフトウェアを開発した者からの申出を受けて,当該
212
213 フィルタリング・ソフトウェアが有害ウェブサイトを閲覧できないようにするために必要な性能
214 を有するかどうかを検査し,これを有すると認めるものを適合フィルタリング・ソフトウェア(以
215 下「適合ソフトウェア」という。)として指定するものとする。
216
217
218 適合ソフトウェアの検査の方法は,内閣府令で定める。
219 (告示)
220
221 第7条
222
223 内閣総理大臣は,第5条又は前条第1項の規定による指定をした場合には,その旨その他
224
225 内閣府令で定める事項を告示するものとする。これを取り消したときも,同様とする。
226 (適合ソフトウェアの搭載義務)
227 第8条
228
229 インターネット接続電子機器の製造を業として行う者(以下「製造業者」という。)は,こ
230
231 れを製造する場合には,適合ソフトウェアの一をこれに搭載しなければならない。
232
233
234 インターネット接続電子機器の販売を業として行う者(以下「販売業者」という。)は,適合ソ
235 フトウェアが搭載されていないインターネット接続電子機器を販売する場合には,適合ソフトウ
236 ェアの一をあらかじめこれに搭載して販売しなければならない。
237 (購入者による適合ソフトウェアの削除の求め)
238
239 第9条
240
241 前条の規定にかかわらず,当該インターネット接続電子機器を専ら使用することとなる者
242
243 が子どもでない場合には,これを購入しようとする者は,当該インターネット接続電子機器を製
244 造した製造業者又はこれを販売する販売業者に対し,搭載されている適合ソフトウェアを削除す
245 るよう求めることができる。
246
247
248 前項に規定する適合ソフトウェアの削除を求められた製造業者又は販売業者は,その削除をす
249 る場合には,内閣府令で定めるところにより,あらかじめ,当該インターネット接続電子機器を
250 専ら使用することとなる者が子どもでないことを確認しなければならない。
251 (使用者による適合ソフトウェアの搭載の求め)
252
253 第10条
254
255 適合ソフトウェアが搭載されていないインターネット接続電子機器を使用する者は,当
256
257 該インターネット接続電子機器を製造した製造業者又はこれを販売した販売業者に対し,適合ソ
258 フトウェアを搭載するよう求めることができる。
259 (搭載費用の助成)
260 第11条
261
262 国は,第8条及び前条に規定する適合ソフトウェアの搭載のための費用について,製造
263
264 業者及び販売業者に対する助成措置を講ずるものとする。
265 (使用者による適合ソフトウェアの削除の求め)
266 第12条
267
268 適合ソフトウェアが搭載されているインターネット接続電子機器を専ら使用する者が子
269
270 どもでない場合には,その使用者は,当該インターネット接続電子機器を製造した製造業者又は
271 これを販売した販売業者に対し,当該適合ソフトウェアを削除するよう求めることができる。
272
273
274 前項に規定する適合ソフトウェアの削除を求められた製造業者又は販売業者は,その削除をす
275 る場合には,内閣府令で定めるところにより,あらかじめ,当該インターネット接続電子機器を
276 専ら使用する者が子どもでないことを確認しなければならない。
277 第3章
278
279 フィルタリング審議会
280
281 (設置)
282 第13条
283
284 内閣総理大臣の諮問に応じて,次項に掲げる事項について調査審議させるため,内閣府
285
286 に,フィルタリング審議会(以下「審議会」という。)を置く。
287
288
289 内閣総理大臣は,次に掲げる場合には,審議会の意見を聴かなければならない。
290
291
292 第2条第2号に規定する内閣府令の基準を定めようとするとき。
293 - 5 -
294
295
296
297 第5条の規定による有害ウェブページ又は有害ウェブサイトの指定をしようとするとき。
298
299
300
301 第6条の規定による適合ソフトウェアの指定をしようとするとき。
302
303 (組織等)
304 第14条
305
306 審議会は,前条第2項に掲げる事項に関して学識経験のある者のうちから,内閣総理大
307
308 臣が任命する委員10人以内で組織する。
309
310
311 委員の任期は,2年とする。ただし,補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。
312 (内閣府令への委任)
313
314 第15条
315
316 前二条に規定するもののほか,審議会の組織及び運営に関し必要な事項は,内閣府令で
317
318 定める。
319 第4章
320 第16条
321
322
323
324 適合ソフトウェア削除プログラムの提供等の禁止
325 何人も,次に掲げるものを他人に提供してはならない。
326
327
328
329 適合ソフトウェアを削除するプログラム
330
331
332
333 適合ソフトウェアの使用目的に沿うべき動作をさせないプログラム
334 適合ソフトウェアが搭載されたインターネット接続電子機器を使用する者は,正当な理由なく,
335
336 第9条又は第12条に定める手続以外の手続で,当該適合ソフトウェアを削除してはならない。
337 第5章
338 第17条
339
340 罰則
341 第8条又は前条第1項の規定に違反した者は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰
342
343 金に処する。
344 第18条
345
346 第9条第2項,第12条第2項又は第16条第2項の規定に違反した者は,30万円以
347
348 下の罰金に処する。
349 第19条
350
351 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人
352
353 の業務に関して前二条の罪を犯したときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても各
354 本条の罰金刑を科する。
355
356
357 則(以下略)
358
359 - 6 -
360
361 資料2: インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図る
362 ためのフィルタリング・ソフトウェアの普及の促進に関する内閣府令
363 (法第2条第2号の基準)
364 第1条
365
366 インターネット上の有害情報からの子どもその他の利用者の保護等を図るためのフィルタ
367
368 リング・ソフトウェアの普及の促進に関する法律(以下「法」という。)第2条第2号に定める基
369 準は,次の各号に掲げる種別に応じ,当該各号に定めるものとする。
370
371
372 著しく性的感情を刺激するもの
373
374
375 次のいずれかに該当するものであること。
376
377 全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより,卑わいな感じを与
378 え,又は性的行為を容易に連想させるものであること。
379
380
381
382 性的行為を露骨に描写し,又は表現することにより,卑わいな感じを与え,又は性的行為
383 を容易に連想させるものであること。
384
385
386
387 電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより,人
388 に卑わいな行為を擬似的に体験させるものであること。
389
390
391
392 イからハまでに掲げるもののほか,その描写又は表現がこれらの基準に該当するものと同
393 程度に卑わいな感じを与え,又は性的行為を容易に連想させるものであること。
394
395
396
397 著しく残虐性を助長するもの
398
399 次のいずれかに該当するものであること。
400
401
402
403 暴力を不当に賛美するように表現しているものであること。
404
405
406
407 残虐な殺人,傷害,暴行,処刑等の場面又は殺傷による肉体的苦痛若しくは言語等による
408 精神的苦痛を刺激的に描写し,又は表現しているものであること。
409
410
411
412 電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより,人
413 に残虐な行為を擬似的に体験させるものであること。
414
415
416
417 イからハまでに掲げるもののほか,その描写又は表現がこれらの基準に該当するものと同
418 程度に残虐性を助長するものであること。
419
420
421
422 著しく自殺又は犯罪を誘発するもの
423
424
425 次のいずれかに該当するものであること。
426
427 自殺又は刑罰法令に触れる行為を賛美し,又はこれらの行為の実行を勧め,若しくは唆す
428 ような表現をしたものであること。
429
430
431
432 自殺又は刑罰法令に触れる行為の手段を,模倣できるように詳細に,又は具体的に描写し,
433 又は表現したものであること。
434
435
436
437 電磁的記録媒体に記録されたプログラムを電子計算機等を用いて実行することにより,人
438 に刑罰法令に触れる行為を擬似的に体験させるものであること。
439
440 (以下略)
441
442 - 7 -
443
444 資料3: フィルタリング・ソフト法Q&A(内閣府作成の広報資料から)
445 ここでは,いわゆるフィルタリング・ソフト法に関してよくある御質問とそれに対する回答を一問一
446 答形式で掲載しています。
447 Q1
448
449 有害情報を規制する方法として,フィルタリング・ソフトの普及の促進を図ることにした
450 のはなぜですか。
451
452
453
454 有害情報から子どもを保護することが強く求められています。また,有害情報にさらされずに
455 インターネットを使用したいと考える大人の利益にも配慮する必要があります。しかし,インタ
456 ーネット上の情報は,このような保護されるべき又は配慮が払われるべき受け手か,それ以外の
457 受け手かを区別することなく流通しています。このようなインターネットのシステムの中で,必
458 要以上に影響を及ぼすことなく,保護されるべき又は配慮が払われるべき受け手の保護等を実現
459 するには,受信する側において有害情報を遮断することが最も効果的な方法であると考えられま
460 す。そこで,本法では,表現の自由にも十分に配慮しつつ有害情報を的確に規制する方法として,
461 フィルタリング・ソフトの普及の促進を強力に図ることとしました。
462 フィルタリング・ソフトは,インターネット上の情報を受信する側において,どのような情報
463 を受信して表示するかをコントロールするプログラムで,これを使うと,情報を発信する側の機
464 能には何ら影響を与えることなく,情報を受信する側において,不適切な情報の表示を拒否する
465 ことができます。
466
467 Q2
468
469 本法は,インターネット接続電子機器を購入して子どもが使用する場合に適合ソフトの搭
470 載を義務付けるだけでなく,インターネット接続電子機器の製造段階等で適合ソフトを搭載
471 させ,購入後に専ら大人が使用する場合で,購入しようとする者から適合ソフトを削除して
472 ほしい旨の申出があった場合を除いて適合ソフトを削除しないこととしていますが,なぜこ
473 のような制度にしたのですか。
474
475
476
477 200*年の世論調査では,インターネットを利用していると予想外の有害情報が表示される
478 ことがあり,有害サイトに接続するとウイルスに感染したり法外な利用料を請求される心配があ
479 るなどの理由で,インターネットの利用に不安を感じるとの回答が60%に達しました。このよ
480 うな不安に煩わされることなくインターネットを利用したいとの国民の利益は十分考慮すべきで
481 あると考えられます。このような不安を解消し,安心してインターネットを利用するためには,
482 フィルタリング・ソフトの搭載が効果的ですが,同じ世論調査で,フィルタリング・ソフトにつ
483 いても調査したところ,全く知らないが70%,名称だけしか知らないが15%で,使用してい
484 る利用者は10%にとどまり,フィルタリング・ソフトについての認識が極めて低いことが確認
485 できました。このため,国民の利益を確実に実現するには,子どもが使用するかどうかにかかわ
486 らず,製造段階等であらかじめフィルタリング・ソフトを搭載させておき,購入者から,専ら大人
487 が使用する予定であり,フィルタリング・ソフトを削除してほしい旨の積極的な申出がない限り,
488 そのまま販売させることにより,フィルタリング・ソフトの普及を強力に進めることとしました。
489
490 - 8 -
491
492 Q3
493
494 本法により,インターネット接続電子機器には,内閣総理大臣が指定した適合ソフトが原
495 則として搭載されることになりますが,この適合ソフトによりどのような情報が遮断される
496 のですか。
497
498
499
500 本法は,一定の有害情報から子どもを保護するとともに,これらにさらされることを欲しない
501 大人の利益を実現することを目的としています。この目的を確実に実現するとともに,有害情報
502 ではない情報に影響を与えない制度とするため,本法は,内閣総理大臣が,有害情報(法2条2
503 号,府令1条)が掲載されているウェブページを,有害ウェブページとして指定・告示すること
504 とし,さらに,有害ウェブページを含み,内容的に一つのまとまりをなすウェブページ群を,有
505 害ウェブサイトとして指定・告示することとしています(法5条,7条)。その上で,本法は,内
506 閣総理大臣が,有害ウェブサイトを遮断するのに必要な性能を有するフィルタリング・ソフトを適
507 合ソフトとして指定することとしています(法6条1項)。複数のウェブページで内容的に一つの
508 まとまりをなすものを,一般にウェブサイトといいますが,その中に有害ウェブページがある場
509 合は,ウェブサイト全体が子どもの健全な成長を阻害する情報を含むおそれが高いので,適合ソ
510 フトにより,そのウェブサイト全体を閲覧できないようにする必要があります。本法は,どの範
511 囲のウェブサイトが閲覧ができなくなるのかを明確にするため,有害ウェブサイトを具体的に指
512 定・告示することとしています。
513
514 Q4
515
516 適合ソフトを削除したり使用目的に沿うべき動作をさせないプログラムの提供を禁止する
517 ことにしたのはなぜですか。また,インターネット接続電子機器の使用者が,本法に定める
518 手続以外の手続で適合ソフトを削除した場合に処罰されるのはなぜですか。
519
520
521
522 本法では,インターネット上の有害情報から子どもを確実に保護するため,インターネット接
523 続電子機器の製造業者又は販売業者に,これを専ら使用する者が18歳以上であることを府令で
524 定める方法で確認することを求め,これが確認できた場合に限って適合ソフトを削除できること
525 としています。適合ソフトを削除したり使用目的に沿うべき動作をさせないプログラムが提供さ
526 れると,このような手続を踏まずに無断で削除等されてしまうので,子どもが現に使用するイン
527 ターネット接続電子機器から適合ソフトが削除等されたり,適合ソフトが削除等されたインター
528 ネット接続電子機器が子どもの使用に供されるおそれが生じます。このような事態が生ずると,
529 その保護が図られなくなりますから,このようなプログラムの提供は罰則で禁止する必要があり
530 ます。
531 また,本法に定める手続以外の手続で適合ソフトを削除する行為は,このような削除プログラ
532 ムの提供行為が蔓延する温床になります。一般の人々が自分で適合ソフトを削除するためには,
533 削除ソフトを入手する必要があるので,無断で適合ソフトを削除する行為を許しておくと,削除
534 ソフトの作成・販売が促されます。反対に,削除ソフトの提供を抑止するには,無断削除を禁止し
535 て需要を断つことが不可欠です。
536
537 - 9 -
538
539 〔第2問〕(配点:100)
540 医療法人社団であるAは,平成13年1月24日,B県の知事から,介護保険法(以下「法」と
541 いう。)第94条第1項に基づく開設許可を得て,介護老人保健施設(以下「本件施設」という。)
542 を運営してきた。本件施設は,要介護者を対象に,施設サービス計画に基づき,看護,医学的管理
543 の下における介護及び機能訓練,その他必要な医療や日常生活上の世話を行うことを目的としてい
544 る。現在,本件施設には60名が入所して利用しており,大半が70歳を超えた高齢者で,長期間
545 の入所者である。
546 平成19年10月1日,本件施設を退職して間もない元職員から,B県高齢福祉課に対し,本件
547 施設では法令上必要とされている医師が存在せず,看護師,介護職員の人数が足りていない,との
548 通報が入った。本件施設は,法第97条第2項,第3項により,厚生労働省令(介護老人保健施設
549 の人員,施設及び設備並びに運営に関する基準。以下「省令」という。)の定める基準を満たさなけ
550 ればならないとされている。上記通報を契機に,同月15日,B県高齢福祉課職員(以下「B県職
551 員」という。)が,法第100条に基づき本件施設に立ち入り,質問,報告の聴取等の調査を実施し
552 た。Aの理事長は,
553 「ほかの施設では行政指導として実地指導が行われているにもかかわらず,いき
554 なり法律に基づく調査を実施するのは穏当ではない。」と抗議をしたが,B県職員は,これを聞き入
555 れることなく,調査に着手した。B県職員は,本件施設の職員から,身分や調査の趣旨を説明する
556 よう要請されたにもかかわらず,身分証の提示を拒否し,公的な調査であり抵抗すれば罰則の対象
557 になることを繰り返し述べた上,事務机の上にあった帳簿等書類を段ボール箱に詰めて持ち帰った。
558 B県高齢福祉課としては,医師が存在しないという事実は確認できなかったものの,当日の調査に
559 基づき,本件施設では,看護師数,介護職員数が不足しており,さらには,一部入所者に対する身
560 体的拘束が常時行われているなど,法第97条第2項,第3項,省令第2条第1項,第13条第4
561 項違反の状況が継続していると判断するに至った。
562 そこで,B県知事は,Aに対し,平成20年1月15日,勧告書を交付し,法第103条第1項
563 に基づく勧告を行った。同勧告書には,同年3月24日を期限として,@省令の定める基準を遵守
564 できるよう常勤の看護師,介護職員の人員を確保すること,A入所者に対する常時の身体的拘束を
565 やめ,定期的に研修等を行い,身体的拘束の廃止に関する普及啓発を図ること,B上記@及びAに
566 関する改善状況を文書で報告することの3点が記載されていた。さらに,勧告に従わない場合には,
567 B県知事が,Aの勧告不服従を公表することがあること,措置命令や業務停止命令を発することが
568 あることも明記されていたが(法第103条第2項,第3項),勧告の基礎となる事実は示されてい
569 なかった。
570 Aの理事長は,前記調査以来,B県からは,何の連絡もなく,問い合わせに一切応じてこなかっ
571 た状況の中で,いきなり勧告書が交付された上,内容的にも誤っているとして,激怒した。そこで,
572 Aは,同年3月14日,勧告が違法であると考え,勧告に応ずる意思が無い旨を回答した。
573 しかし,Aの理事長は,このままでは,勧告書に書かれていたように公表がされ,市民からの信
574 頼が失われること,Aとしては多くの利用者が本件施設を離れてしまい,経営難に陥ること,仮に
575 施設経営が立ち行かなくなれば,施設変更に伴う環境の変化や別の施設への移動により,高齢の利
576 用者に身体面でも,精神面でも,大きな健康リスクが及ぶこと,入所者の移ることのできる施設が
577 近隣には無いため,自宅待機となれば,入所者家族が大きな負担を負わざるを得ないことなどを懸
578 念した。そこで,Aは,弁護士Cに訴訟提起を依頼することとした。
579 【資料1
580
581 法律事務所の会議録】を読んだ上で,弁護士Dの立場に立って,Cの指示に応じ,設
582
583 問に答えなさい。
584 なお,介護保険法,介護老人保健施設の人員,施設及び設備並びに運営に関する基準,B県行政
585 手続条例の抜粋は,【資料2
586
587 介護保険法等】に掲げてあるので,適宜参照しなさい。
588
589 - 10 -
590
591 〔設
592
593 問〕
594
595 1. 勧告に従わなかった旨の公表がされることを阻止するために考えられる法的手段(訴訟とそ
596 れに伴う仮の救済措置)を検討し,それを用いる場合の行政事件訴訟法上の問題点を中心に論
597 じなさい。解答に当たっては,複数の法的手段を比較検討した上で,最も適切と考える法的手
598 段について自己の見解を明らかにすること。
599 2. 前記1の最も適切と考える法的手段において勧告や調査の適法性を争おうとする場合に,A
600 はいかなる主張をすべきかについて,考えられる実体上及び手続上の違法事由を挙げて詳細に
601 論じなさい。
602 【資料1
603
604 法律事務所の会議録】
605
606 弁護士C: 本日は,Aの案件の基本処理方針を議論したいと思います。本件では調査のやり方が目
607 を引きますね。
608 弁護士D: B県の説明では,通報の内容が重大なものであり,証拠隠滅も懸念された結果だという
609 ことです。
610 弁護士C: 納得できる理屈ではありませんね。Aはいきなり調査が行われたと主張していますが,
611 これはどういった趣旨なのですか。
612 弁護士D: B県の作成した調査の実施要綱によりますと,実務上は2種類の調査形態が存在するよ
613 うです。一つは実地指導と呼ばれるもので,行政指導として行われる調査です。もう一つ
614 が本件で問題となっている,法律に基づく調査でして,調査に基づき勧告がされると,公
615 表,措置命令,業務停止命令,開設許可取消しがされる可能性があります。
616 弁護士C: Aは調査について何を主張しているのですか。
617 弁護士D: 調査の手順がひどい上,その中身も誤りだというのです。具体的には,@調査が,一部
618 の出勤簿を対象としていない上,実施された特定曜日以外に週5日働いている看護師2名,
619 介護職員5名を計算に含めていないなど,人員の把握を誤ったものであり,本件施設は看
620 護師数及び介護職員数についての省令の基準を満たしていたこと,Aベッドからの転倒防
621 止を第一に考え,5時間に限って,入所者家族の同意の下に1名のベッドに柵を設置した
622 だけであり,常時の身体的拘束には該当しないことが主張されています。
623 弁護士C: 調査が違法に行われたとして,そのことは勧告にどういった影響を及ぼすのか,両者の
624 関係を整理してください。
625 弁護士D: 分かりました。
626 弁護士C: それと,勧告についてですが,Aは唐突に出された点が不満のようですね。
627 弁護士D: そうです。これに対し,B県の側は,手順は行政の自由であるという理解のようです。
628 弁護士C: それは,勧告をソフトなものととらえているからでしょうか。本件の法的仕組みの中で
629 勧告が占める位置や,その性格からさかのぼって,どのような手続が要求されるのか,も
630 う一度検討してください。Aの言い分からしますと,最も恐れているのは,勧告に続く公
631 表のようですね。
632 弁護士D: 勧告不服従事業者として市民に公表されるのだけは避けたいようです。
633 弁護士C: D君には,勧告と公表の法的性格を分析した上で,採るべき法的手段について,公表を
634 阻止する観点から検討をお願いします。
635
636 - 11 -
637
638 【資料2
639
640
641 介護保険法等】
642
643 介護保険法(平成9年12月17日法律第123号)(抜粋)
644 (帳簿書類の提示等)
645
646 第24条
647
648
649 1,2
650
651 (略)
652
653 前2項の規定による質問を行う場合においては,当該職員は,その身分を示す証明書を携帯し,
654 かつ,関係人の請求があるときは,これを提示しなければならない。
655
656
657
658 第1項及び第2項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならな
659 い。
660 (開設許可)
661
662 第94条
663
664 介護老人保健施設を開設しようとする者は,厚生労働省令で定めるところにより,都道
665
666 府県知事の許可を受けなければならない。
667 2〜6
668
669 (略)
670
671 (介護老人保健施設の基準)
672 第97条
673
674 介護老人保健施設は,厚生労働省令で定めるところにより,療養室,診察室,機能訓練
675
676 室,談話室その他厚生労働省令で定める施設を有しなければならない。
677
678
679 介護老人保健施設は,厚生労働省令で定める員数の医師,看護師,介護支援専門員及び介護そ
680 の他の業務に従事する従業者を有しなければならない。
681
682
683
684 前2項に規定するもののほか,介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準は,厚生労働大
685 臣が定める。
686
687
688
689 厚生労働大臣は,前項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(介護保健施
690 設サービスの取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは,あらかじめ社会保障審議会
691 の意見を聴かなければならない。
692
693
694
695 介護老人保健施設の開設者は,要介護者の人格を尊重するとともに,この法律又はこの法律に
696 基づく命令を遵守し,要介護者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
697 (報告等)
698
699 第100条
700
701 都道府県知事又は市町村長は,必要があると認めるときは,介護老人保健施設の開設
702
703 者,介護老人保健施設の管理者若しくは医師その他の従業者(以下「介護老人保健施設の開設者
704 等」という。)に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を命じ,介護老人
705 保健施設の開設者等に対し出頭を求め,又は当該職員に,介護老人保健施設の開設者等に対して
706 質問させ,若しくは介護老人保健施設に立ち入り,その設備若しくは診療録,帳簿書類その他の
707 物件を検査させることができる。
708
709
710 第24条第3項の規定は,前項の規定による質問又は立入検査について,同条第4項の規定は,
711 前項の規定による権限について準用する。
712
713
714
715 (略)
716 (設備の使用制限等)
717
718 第101条
719
720 都道府県知事は,介護老人保健施設が,第97条第1項に規定する施設を有しなくな
721
722 ったとき,又は同条第3項に規定する介護老人保健施設の設備及び運営に関する基準(設備に関
723 する部分に限る。)に適合しなくなったときは,当該介護老人保健施設の開設者に対し,期間を定
724 めて,その全部若しくは一部の使用を制限し,若しくは禁止し,又は期限を定めて,修繕若しく
725 は改築を命ずることができる。
726 (業務運営の勧告,命令等)
727 第103条
728
729 都道府県知事は,介護老人保健施設が,その業務に従事する従業者の人員について第
730
731 97条第2項の厚生労働省令で定める員数を満たしておらず,又は同条第3項に規定する介護老
732 - 12 -
733
734 人保健施設の設備及び運営に関する基準(運営に関する部分に限る。以下この条において同じ。)
735 に適合していないと認めるときは,当該介護老人保健施設の開設者に対し,期限を定めて,第9
736 7条第2項の厚生労働省令で定める員数の従業者を有し,又は同条第3項に規定する介護老人保
737 健施設の設備及び運営に関する基準を遵守すべきことを勧告することができる。
738
739
740 都道府県知事は,前項の規定による勧告をした場合において,その勧告を受けた介護老人保健
741 施設の開設者が,同項の期限内にこれに従わなかったときは,その旨を公表することができる。
742
743
744
745 都道府県知事は,第1項の規定による勧告を受けた介護老人保健施設の開設者が,正当な理由
746 がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは,当該介護老人保健施設の開設者に対し,期
747 限を定めて,その勧告に係る措置をとるべきことを命じ,又は期間を定めて,その業務の停止を
748 命ずることができる。
749
750
751
752 都道府県知事は,前項の規定による命令をした場合においては,その旨を公示しなければなら
753 ない。
754
755
756
757 (略)
758 (許可の取消し等)
759
760 第104条
761
762 都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当する場合においては,当該介護老人保健
763
764 施設に係る第94条第1項の許可を取り消し,又は期間を定めてその許可の全部若しくは一部の
765 効力を停止することができる。
766 一〜八
767
768
769 (略)
770
771 前各号に掲げる場合のほか,介護老人保健施設の開設者が,この法律その他国民の保健医療
772 若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に
773 違反したとき。
774
775 十〜十二
776 2,3
777
778 (略)
779
780 (略)
781
782 第14章
783 第209条
784
785 罰則
786 次の各号のいずれかに該当する場合には,その違反行為をした者は,30万円以下の
787
788 罰金に処する。
789
790
791 (略)
792
793
794
795 第42条第3項,第42条の3第3項,第45条第8項,第47条第3項,第49条第3項,
796 第54条第3項,第54条の3第3項,第57条第8項,第59条第3項,第76条第1項,
797 第78条の6第1項,第83条第1項,第90条第1項,第100条第1項,第112条第1
798 項,第115条の6第1項,第115条の15第1項又は第115条の24第1項の規定によ
799 る報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示をせず,若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の帳簿
800 書類の提出若しくは提示をし,又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず,若しくは虚
801 偽の答弁をし,若しくはこれらの規定による検査を拒み,妨げ,若しくは忌避したとき。
802
803
804
805
806 (略)
807 介護老人保健施設の人員,施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年3月31日厚生
808 省令第40号)(抜粋)
809 第2章
810
811 人員に関する基準
812
813 (従業者の員数)
814 第2条
815
816 介護保険法(略)第97条第2項の規定による介護老人保健施設に置くべき医師,看護師,
817
818 介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者の員数は,次のとおりとする。
819
820
821 医師
822
823
824
825 薬剤師
826
827 常勤換算方法で,入所者の数を100で除して得た数以上
828 介護老人保健施設の実情に応じた適当数
829 - 13 -
830
831
832
833 看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」という。)又は介護職員(以下「看護・介護職員」
834 という。) 常勤換算方法で,入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(看護職員の員
835 数は看護・介護職員の総数の7分の2程度を,介護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分
836 の5程度をそれぞれ標準とする。)
837
838
839
840 支援相談員
841
842
843
844 理学療法士又は作業療法士
845
846
847
848 栄養士
849
850
851
852 介護支援専門員
853
854
855
856 調理員,事務員その他の従業者
857
858
859
860 入所者の数が100又はその端数を増すごとに1以上
861 常勤換算方法で,入所者の数を100で除して得た数以上
862
863 入所定員100以上の介護老人保健施設にあっては,1以上
864 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする。)
865 介護老人保健施設の実情に応じた適当数
866
867 前項の入所者の数は,前年度の平均値とする。ただし,新規に許可を受ける場合は,推定数に
868 よる。
869
870
871
872 第1項の常勤換算方法は,当該従業者のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該介護老人保健施
873 設において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより常勤の従業者の員数に換算する
874 方法をいう。
875
876
877
878 介護老人保健施設の従業者は,専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する者でなければなら
879 ない。ただし,入所者の処遇に支障がない場合には,この限りでない。
880
881 5〜7
882
883 (略)
884
885 第4章
886
887 運営に関する基準
888
889 (介護保健施設サービスの取扱方針)
890 第13条
891
892
893 1〜3
894
895 (略)
896
897 介護老人保健施設は,介護保健施設サービスの提供に当たっては,当該入所者又は他の入所者
898 等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き,身体的拘束その他入所者の行動
899 を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。
900
901 5,6
902
903
904 (略)
905
906 B県行政手続条例(抜粋)
907 (定義)
908
909 第2条
910
911 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
912
913 一〜六
914
915
916 (略)
917
918 行政指導
919
920 県の機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するた
921
922 め特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導,勧告,助言その他の行為であって処分に該
923 当しないものをいう。
924
925
926 (略)
927 第4章
928
929 行政指導
930
931 (行政指導の一般原則)
932 第30条
933
934 行政指導にあっては,行政指導に携わる者は,当該県の機関の任務又は所掌事務の範囲
935
936 を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容が相手方の任意の協力によって実現されるもので
937 あることに留意しなければならない。
938
939
940 行政指導に携わる者は,その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として,不利益な取
941 扱いをしてはならない。
942
943
944
945 前項の規定は,公益の確保その他正当な理由がある場合において,県の機関が行政指導の事実
946 その他必要な事項を公表することを妨げない。
947 (申請に関連する行政指導)
948
949 第31条
950
951 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては,行政指導に携わる者は,申
952 - 14 -
953
954 請者が当該行政指導に従う意思がない旨を明確に表明したにもかかわらず当該行政指導を継続す
955 ること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。
956
957
958 前項の規定は,申請者が行政指導に従わないことにより公益が著しく害されるおそれがある場
959 合に,当該行政指導を継続することを妨げない。
960 (許認可等の権限に関連する行政指導)
961
962 第32条
963
964 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する県の機関が,当該権
965
966 限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあって
967 は,行政指導に携わる者は,当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政
968 指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。
969 (行政指導の方式)
970 第33条
971
972 行政指導に携わる者は,その相手方に対して,当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任
973
974 者を明確に示さなければならない。
975
976
977 行政指導が口頭でされた場合において,その相手方から前項に規定する事項を記載した書面の
978 交付を求められたときは,当該行政指導に携わる者は,行政上特別の支障がない限り,これを交
979 付しなければならない。
980
981
982
983 (略)
984 (複数の者を対象とする行政指導)
985
986 第34条
987
988 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしよう
989
990 とするときは,県の機関は,あらかじめ,事案に応じ,これらの行政指導に共通してその内容と
991 なるべき事項を定め,かつ,行政上特別の支障がない限り,これを公表しなければならない。
992 (この章の解釈)
993 第35条
994
995 この章の規定は,県の機関が公益上必要な行政指導を行うことを妨げるものと解釈して
996
997 はならない。
998
999 - 15 -
1000
1001