1 短答式試験問題集[公法系科目]
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3 - 1 -
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5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 人権の享有主体に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているも
8 のには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[bP])
9 ア.憲法第3章の人権規定は,法人についても性質上可能な限り適用される。精神的自由権に
10 は,自然人にのみ認められているものと法人にも認められているものがある。信教の自由は,
11 自然人である個人の内面の自由であるから,法人には適用されない。
12 イ.憲法第3章の人権規定は,権利の性質上日本国民のみを対象としていると解されるものを除
13 き,我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶ。国家から干渉されない自由である自由権
14 は,その性質上いずれも日本国民と同様に保障される。
15 ウ.憲法第3章の人権規定は,未成年者にも当然適用される。もっとも,人権の性質によって
16 は,社会の構成員として成熟した人間を主として対象としており,それに至らない未成年者に
17 対しては,その保障の範囲や程度が異なることがある。
18 1.ア○
19
20 イ○
21
22 ウ○
23
24 2.ア○
25
26 イ○
27
28 ウ×
29
30 3.ア○
31
32 イ×
33
34 ウ○
35
36 4.ア○
37
38 イ×
39
40 ウ×
41
42 5.ア×
43
44 イ○
45
46 ウ○
47
48 6.ア×
49
50 イ○
51
52 ウ×
53
54 7.ア×
55
56 イ×
57
58 ウ○
59
60 8.ア×
61
62 イ×
63
64 ウ×
65
66 〔第2問〕(配点:3)
67 私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨
68 に照らして,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
69 (解答欄は,アか
70 らウの順に[bQ]から[bS])
71 ア.国が行政の主体としてでなく私人と対等の立場から私人との間で個々的に締結する私法上の
72 契約は,国の統治行動の場合と同一の基準や観念によってこれを律することはできないのであ
73 り,私人間の利害関係の公平な調整を目的とする私法の適用を受けるだけである。[bQ]
74 イ.大学は学生を規律する包括的権能を有するが,特に,建学の精神に基づく独自の伝統と教育
75 方針を有する私立大学においては,政治活動を目的とする学外の団体に学生が加入することに
76 ついて届出制あるいは許可制を採ることで,これを規制することも社会通念上不合理なものと
77 いえない。[bR]
78 ウ.企業者は,憲法第22条,第29条等において保障されている経済活動の自由の一環として
79 契約締結の自由を有するから,特定の思想,信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れるこ
80 とを拒むことができる。ただし,労働者の採否決定に際し,労働者の思想,信条を調査し,そ
81 の者からこれらに関連する事項についての申告を求めることは公序良俗に反し違法である。
82
83 4]
84
85 - 2 -
86
87 〔第3問〕(配点:3)
88 民法第900条第4号ただし書前段をめぐる最高裁判所の決定(最高裁判所平成7年7月5日大
89 法廷決定,民集49巻7号1789頁)に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正
90 しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
91 (解答欄は,アからウの順に[bT]から
92 [bV])
93 ア.法定相続分の嫡出性に基づく別異の取扱いの合憲性に関して,多数意見は当該取扱いが「著
94 しく不合理」であるか否かを検討する。それに対し,反対意見は,そもそも,立法目的と手段
95 との間の合理的関連性の存否を審査すべきだとする。[bT]
96 イ.多数意見によれば,法定相続分の嫡出性に基づく別異の取扱いは民法が採る法律婚主義から
97 生じるものであって,不合理な区別ではない。それに対し,反対意見によれば,生まれてきた
98 子供には何の責任もないし,自らの意思や努力によって変えることができない属性に基づく差
99 別である。[bU]
100 ウ.多数意見は,相続制度が総合的な立法政策によるものであることと法定相続分規定の補充性
101 を理由に,相続制度の法定に関する広い立法裁量を帰結する。それに対し,反対意見は,立法
102 裁量にも憲法上の限界があるとした上で,そのような限界として個人の尊厳を挙げる。
103 [bV]
104 〔第4問〕(配点:2)
105 選挙権及び被選挙権に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤ってい
106 るものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
107 (解答欄は,
108 [bW])
109 ア.選挙権は,国政への参加を国民に保障する権利という面と,選挙人としての地位に基づいて
110 公務員の選挙に関与する公務という面の両者を合わせ持つという考え方によると,選挙権も公
111 務としての特殊な性格に基づく必要最小限度の制限を受けることになり,選挙犯罪者が一定期
112 間選挙権を行使できないことはその例といえる。
113 イ.選挙権は,国政への参加を国民に保障する権利という面のみを有し,選挙人としての地位に
114 基づいて公務員の選挙に関与する公務という面を否定する考え方によると,選挙犯罪者が一定
115 期間選挙権を行使できないことは,選挙の公正確保を目的とした必要最小限度の制限といえる
116 かどうかが問題となる。
117 ウ.立候補の自由について,最高裁判所は,選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり,自由かつ
118 公正な選挙を維持する上で極めて重要であることを認めつつ,憲法が立候補の自由について明
119 文では規定していないので,立候補の自由は憲法の保障する基本的人権とまではいえないと判
120 示した。
121 1.ア○
122
123 イ○
124
125 ウ○
126
127 2.ア○
128
129 イ○
130
131 ウ×
132
133 3.ア○
134
135 イ×
136
137 ウ○
138
139 4.ア○
140
141 イ×
142
143 ウ×
144
145 5.ア×
146
147 イ○
148
149 ウ○
150
151 6.ア×
152
153 イ○
154
155 ウ×
156
157 7.ア×
158
159 イ×
160
161 ウ○
162
163 8.ア×
164
165 イ×
166
167 ウ×
168
169 - 3 -
170
171 〔第5問〕(配点:2)
172 市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対し,入学式における国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ
173 伴奏を行うよう命じた職務命令が,憲法第19条に違反しないとした最高裁判所の判決(最高裁判
174 所平成19年2月27日第三小法廷判決,民集61巻1号291頁)に関する次のアからウまでの
175 各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から
176 8までの中から選びなさい。(解答欄は,[bX])
177 ア.この判決は,校長の職務命令が,
178 「君が代」について当該教諭が有する歴史観ないし世界観そ
179 れ自体を直接否定するものであることを認めつつも,公務員は全体の奉仕者であって,思想・
180 良心の自由も職務の公共性に由来する内在的制約を受けるから,上記職務命令が当該教諭の思
181 想・良心の自由を制約するものであっても受忍すべきであるとした。
182 イ.この判決は,「君が代」のピアノ伴奏の強制により制約される当該教諭の思想・良心の自由
183 と,
184 「君が代」の伴奏が録音テープで行われることによって損なわれる入学式進行の秩序・規律
185 とを,具体的に比較衡量した上で,
186 「君が代」をテープ伴奏にすることによる違和感は看過し難
187 いから,校長の職務命令が不合理とはいえないとした。
188 ウ.この判決は,入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をする行為は,音楽専科の教
189 諭にとって通常想定され期待されるものであり,当該教諭が特定の思想を有するということを
190 外部に表明する行為であると評価することは困難であって,校長の職務命令は当該教諭に対し
191 特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものではないとした。
192 1.ア○
193
194 イ○
195
196 ウ○
197
198 2.ア○
199
200 イ○
201
202 ウ×
203
204 3.ア○
205
206 イ×
207
208 ウ○
209
210 4.ア○
211
212 イ×
213
214 ウ×
215
216 5.ア×
217
218 イ○
219
220 ウ○
221
222 6.ア×
223
224 イ○
225
226 ウ×
227
228 7.ア×
229
230 イ×
231
232 ウ○
233
234 8.ア×
235
236 イ×
237
238 ウ×
239
240 〔第6問〕(配点:3)
241 信教の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
242 それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
243 (解答欄は,アからウの順に[
244 10]から[12])
245 ア.宗教上の教義に基づき高等学校における剣道の実技に参加しなかった生徒がいる場合に,学
246 校側がその生徒の信教の自由を理由として参加したのと同様の評価をすることは,一部の生徒
247 について特定の宗教に基づいて有利な取扱いをすることになる。このことは,ひいてはその宗
248 教を信仰しない他の生徒の信教の自由を侵害することになりかねない。[10]
249 イ.信教の自由の保障は,何人も他者の信仰に基づく行為に対して,それが強制や不利益の付与
250 を伴うことにより自己の信教の自由を妨害するものでない限り寛容であることを要請している
251 ものというべきである。このことは,死去した配偶者の追慕,慰霊等に関する場合においても
252 同様である。[11]
253 ウ.患者が,輸血を受けることは宗教上の信念に反するとして,輸血を伴う医療行為を拒否する
254 との明確な意思を有している場合には,その意思決定をする権利は尊重されなければならない。
255 医師としては,手術の際に輸血以外には救命手段がないと判断したときは輸血するとの方針を
256 採っていることを患者に説明し,手術を受けるか否かをその意思決定にゆだねるべきである。
257 [12]
258
259 - 4 -
260
261 〔第7問〕(配点:3)
262 政教分離原則に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
263 それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
264 (解答欄は,アからウの順に[
265 13]から[15])
266 ア.日本国憲法が政教分離規定を設けたのは,戦前の信教の自由の保障が不完全なものであった
267 ことや,各種の宗教が多元的,重層的に発達,併存してきているという我が国の事情を考慮し
268 て,信教の自由の確実な保障のためには国家と宗教との結び付きを排除する必要があると考え
269 られたためである。[13]
270 イ.国家と宗教とのかかわり合いが憲法上許容される限度は,国家の行為の目的と効果を考慮し
271 て定められる。例えば,ある市が建築工事の無事安全等を神式で祈願する地鎮祭のための費用
272 を公金から支出する場合,行為の目的は,その儀式に対する一般人の評価を考慮せず,市の関
273 係者がどういう意図で支出を行ったかで判断すべきである。[14]
274 ウ.憲法第20条第1項後段にいう「宗教団体」とは,特定の宗教の信仰,礼拝又は普及等の宗
275 教的活動を行うことを本来の目的とする組織ないし団体を指す。したがって,例えば戦没者遺
276 族の相互扶助・福祉向上と英霊の顕彰を主たる目的とする団体が行う宗教的行事に対し,ある
277 市が援助を与えたとしても,その援助は目的効果基準を用いるまでもなく合憲である。
278 [15]
279 〔第8問〕(配点:3)
280 次のアからウは,表現の自由の価値に関する文章である。aはある見解を要約したものであり,
281 bはそれぞれの見解に対する批判である。bがaに対する批判となり得る場合には1を,批判とな
282 り得ない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[16]から[18])
283 ア.a.表現の自由が有する自己実現あるいは自己充足の価値を重視し,表現の自由の目的は個
284 人の自律の保護にあり,表現の自由は思想・情報の送り手を保護する楯であると解する見
285 解がある。
286 b.しかし,自己実現あるいは自己充足の価値を重視するこの見解によれば,商業広告のよ
287 うな営利的言論は,個人の自己充足とは無関係であるとして,憲法が保障する表現の自由
288 に含まれないことになる。[16]
289 イ.a.表現の自由が有する自己統治の価値を最高度に重視し,民主主義の観点から表現の自由
290 の絶対的保障を主張しつつ,表現の自由として憲法上の保障を受けるのは「公共的利害に
291 かかわる事柄」のみであるとする見解がある。
292 b.しかし,表現の自由の絶対的保障を帰結するこの見解によれば,例えば性的言論は,
293 「公
294 共的利害にかかわる事柄」ではないとして,憲法上の保障を受けない言論とされるおそれ
295 がある。[17]
296 ウ.a.表現の自由が有する真理到達機能を重視し,真理の最上のテストは市場の競争において
297 自らを容認させる思想の力であり,その競争で最後に残った意見が真理であるとする見解
298 がある。
299 b.しかし,この見解は,
300 「思想の自由市場」が必ずしも自由とは言い難い現実からして問題
301 が残る。また,仮に「市場」が完全に機能しているとしても,最後に残った意見が真理で
302 あることを立証することは,不可能である。[18]
303
304 - 5 -
305
306 〔第9問〕(配点:3)
307 酒類販売の免許制が憲法第22条第1項に適合するか否かについて判示した最高裁判所の判決
308 (最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決,民集46巻9号2829頁)に関する次のア
309 からウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
310 (解答欄は,アからウの順に[19]から[21])
311 ア.この判決は,許可制の場合には重要な公共の利益のために必要かつ合理的措置であることを
312 要するとする一方で,租税法の制定に当たっては立法府の政策的・技術的な裁量的判断が尊重
313 されるべきであるとして,許可制の必要性と合理性についての立法府の判断が政策的・技術的
314 裁量の範囲を逸脱した著しく不合理なものでない限り,合憲であるとした。[19]
315 イ.この判決は,酒類販売の免許制は,酒類が致酔性を有する嗜好品であることから,酒類の無
316 秩序な販売による国民の健康安全に対する弊害を防止するために必要な規制であるとしつつ,
317 消費者への酒税の円滑な転嫁のため,これを阻害するおそれのある酒類販売業者を酒類の流通
318 過程から排除するための規制でもあるとして,規制の目的を複合的なものと判断した。
319 [20]
320 ウ.この判決は,酒類販売の免許制は,経済的弱者保護という意味での積極目的による規制とは
321 異なるとした上で,免許の許否が実際に既存の酒類販売業者の権益を擁護するような運用にな
322 っているか否かに着目すべきであるが,そのような運用がなされていない限り酒税法の立法目
323 的を明らかに逸脱するものであるとはいえず,合憲であるとした。[21]
324 〔第10問〕(配点:2)
325 大学の自治に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものに
326 は×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,
327 [22])
328 ア.大学構内の施設を利用した集会であっても,実社会の政治的社会的な活動が行われている限
329 り,その集会が一般に公開されているか否かを問わず,警察官は,警備情報の収集のため自由
330 に集会の場に立ち入ることができる。
331 イ.大学構内への警察官の立入りは,大学側の許諾又は了解の下に行うことを原則とすべきであ
332 るが,裁判官の発する令状に基づいて犯罪捜査のために立ち入る場合には,大学側の許諾又は
333 了解を得る必要がない。
334 ウ.大学における研究と教育は,大学が国家権力等による干渉を排し,組織体としての自律性を
335 保障されることなしには全うすることが不可能であるから,学問の自由と不可分のものとして
336 大学の自治も保障される。
337 1.ア○
338
339 イ○
340
341 ウ○
342
343 2.ア○
344
345 イ○
346
347 ウ×
348
349 3.ア○
350
351 イ×
352
353 ウ○
354
355 4.ア○
356
357 イ×
358
359 ウ×
360
361 5.ア×
362
363 イ○
364
365 ウ○
366
367 6.ア×
368
369 イ○
370
371 ウ×
372
373 7.ア×
374
375 イ×
376
377 ウ○
378
379 8.ア×
380
381 イ×
382
383 ウ×
384
385 〔第11問〕(配点:2)
386 労働基本権に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものに
387 は×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[23])
388 ア.憲法第28条にいう「勤労者」の中に公務員も含まれるが,その職務の性質上,国民全体の
389 利益の保障という見地から公務員の労働基本権の制約は認められる。ただし,労働三権のすべ
390 てが否定されている職種は存在しない。
391 イ.労働基本権は,それを制限する立法その他の国家行為を国に対して禁止するという点で,自
392 由権としての性格を有する。労働組合法第1条第2項の定める争議行為の刑事免責は,このよ
393 うな制限の禁止の具体化といえる。
394 ウ.労働基本権は,その権利保障の具体化,実効化のために立法その他によって一定の措置を執
395 るべき責務が国に課せられているという点で,社会権としての性格を有する。労働組合法にお
396 - 6 -
397
398 ける労働委員会等に関する規定は,このような責務を具体化したものといえる。
399 1.ア○
400
401 イ○
402
403 ウ○
404
405 2.ア○
406
407 イ○
408
409 ウ×
410
411 3.ア○
412
413 イ×
414
415 ウ○
416
417 4.ア○
418
419 イ×
420
421 ウ×
422
423 5.ア×
424
425 イ○
426
427 ウ○
428
429 6.ア×
430
431 イ○
432
433 ウ×
434
435 7.ア×
436
437 イ×
438
439 ウ○
440
441 8.ア×
442
443 イ×
444
445 ウ×
446
447 〔第12問〕(配点:2)
448 憲法保障に関する次のアからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの二つの組合せを,
449 後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[24])
450 ア.重大な人権侵害等の国家の圧政に対しては,合法的な救済手段が尽きてもなお抵抗する権利
451 が存在するとの考えは,市民革命期に大きな影響力を持った。ただし,実定憲法によって人権
452 保障のための諸制度が整備された段階では,抵抗権の主たる意義は,立憲主義を支える基本理
453 念であることに求められる。
454 イ.付随的違憲審査制は,個人の権利保護を主たる目的とする私権保障型の憲法裁判制度であ
455 り,客観的な憲法秩序の保障を主目的とする抽象的違憲審査制とは制度趣旨が異なる。したが
456 って,付随的違憲審査制の訴訟で主張できるのは,訴訟当事者の権利に限られる。
457 ウ.憲法は基本的に国家権力を拘束する規範であるが,国民の中で憲法に敵対的な民意が形成さ
458 れると,国家権力に憲法を遵守させることが困難になる。それゆえ,憲法の基本的価値に反す
459 る表現活動等の自由は認めるべきではないとの考え方が成り立ち,日本国憲法もこのような立
460 場を採用している。
461 エ.国家緊急権を肯定する立場によれば,戦争・内乱や大規模な自然災害といった非常事態の際
462 には,国家の存立を維持するために憲法秩序を一時停止することが可能である。ただし,日本
463 国憲法が国家緊急権について規定していないことは,立憲主義に対する例外を認めることへの
464 慎重な姿勢を示している。
465 1.アとイ
466
467 2.アとウ
468
469 3.アとエ
470
471 4.イとウ
472
473 5.イとエ
474
475 6.ウとエ
476
477 〔第13問〕(配点:3)
478 法解釈の方法の一つとして,文理解釈がある。それは,条文の文言の辞書的意味や条文の文法的
479 構造等に基づいて条文を解釈する方法である。文理解釈は,憲法解釈における一つの方法でもある。
480 次のアからウまでの各記述について,文理解釈によって導くことのできる見解である場合には1を,
481 文理解釈によっては導くことのできない見解である場合には2を選びなさい。
482 (解答欄は,アからウ
483 の順に[25]から[27])
484 ア.日本国憲法において外国人の人権が保障されていることを否定する見解[25]
485 イ.行政手続への憲法第31条の適用あるいは準用を否定する見解[26]
486 ウ.政教分離原則における目的効果論[27]
487
488 - 7 -
489
490 〔第14問〕(配点:2)
491 国会が国の唯一の立法機関であること(憲法第41条)に関する次のアからエまでの各記述につ
492 いて,明らかに誤っているもの二つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。
493 (解答欄は,
494 [28])
495 ア.最高裁判所規則制定権は,国会だけが実質的意味の立法を制定できることに対する憲法が定
496 める例外であるから,裁判所の内部規律や司法事務処理に関する事項については最高裁判所規
497 則で定めなければならず,裁判所法もそうした事項について定めていない。
498 イ.憲法第41条にいう「立法」を国民に義務を課しあるいは権利を制限する法規範の定立と解
499 するならば,栄典はそれを授与された者に利益を与えるにすぎないから,栄典制度を政令で定
500 めても違憲とはいえない。
501 ウ.国会が国の唯一の立法機関であることは,立法に対する他の国家機関の関与を必要としない
502 ことを意味するが,例外として,一の地方公共団体のみに適用される特別法については,当該
503 地方公共団体の住民の権利義務に直接影響がある場合に限り,その団体の住民投票による同意
504 を必要とする。
505 エ.憲法は,国の行政組織について法律で定めるべきことを明示していない。一般には,国の行
506 政組織の基本は法律で定めるべきであるが,各省庁の組織の細部については政令で定めること
507 ができると解されている。
508 1.アとイ
509
510 2.アとウ
511
512 3.アとエ
513
514 4.イとウ
515
516 5.イとエ
517
518 6.ウとエ
519
520 〔第15問〕(配点:2)
521 衆議院解散権に関する次のアからエまでの各記述について,正しいもの二つの組合せを,後記1
522 から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[29])
523 ア.憲法第7条で挙げられた国事行為はもともと形式的・儀礼的行為であるから,同条により内
524 閣の衆議院解散権を根拠付けることはできないという説によれば,解散は衆議院が自律的に決
525 定したときにのみ可能であるということになる。
526 イ.内閣が衆議院解散を決定できるのは憲法第69条所定の場合に限るという説によれば,解散
527 は新たな政治問題が生じた場合に国民の判断を求める制度であるということになる。
528 ウ.日本国憲法は議院内閣制を採っていると理解できるから,この制度の本質からして内閣には
529 自由な解散権が認められるという説に対しては,議院内閣制の概念は一義的ではないという批
530 判がなされている。
531 エ.現在の実務は,内閣の自由な衆議院解散権を憲法第7条で根拠付けているが,最高裁判所
532 は,これが妥当な憲法解釈であるか否かについて判断を示していない。
533 1.アとイ
534
535 2.アとウ
536
537 3.アとエ
538
539 4.イとウ
540
541 5.イとエ
542
543 6.ウとエ
544
545 〔第16問〕(配点:2)
546 次の文章は,最高裁判所平成10年12月1日大法廷決定(民集52巻9号1761頁)の中で,
547 裁判官に対する懲戒と憲法第82条第1項との関係について論じた部分を要約したものである。次
548 のアからウまでの各記述につき,この見解に対する批判となり得る場合には○を,批判となり得な
549 い場合には×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
550 (解答欄は,
551 [30])
552 「憲法第82条第1項は,裁判の対審及び判決は公開の法廷で行わなければならない旨を規定し
553 ているが,右規定にいう『裁判』とは,現行法が裁判所の権限に属するものとしている事件につい
554 て裁判所が裁判という形式をもってする判断作用ないし法律行為のすべてを指すのではなく,その
555 うちの固有の意味における司法権の作用に属するもの,すなわち,裁判所が当事者の意思いかんに
556 かかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的と
557 - 8 -
558
559 する純然たる訴訟事件についての裁判のみを指すものと解すべきである。そして,裁判官に対する
560 懲戒は,裁判所が裁判という形式をもってすることとされているが,一般の公務員に対する懲戒と
561 同様,その実質においては裁判官に対する行政処分の性質を有するものであるから,裁判官に懲戒
562 を課する作用は,固有の意味における司法権の作用ではなく,懲戒の裁判は,純然たる訴訟事件に
563 ついての裁判には当たらないことが明らかである。したがって,分限事件については憲法第82条
564 第1項の適用はないものというべきである。」
565 ア.裁判官に対する懲戒の裁判が行政処分の実質を有するとすれば,被処分者は裁判を受ける権
566 利に基づきそれに対し不服の裁判を提起することができ,その裁判の対審及び判決は公開法廷
567 で行われなければならない。
568 イ.裁判官に対する懲戒の裁判を非公開にすることは,裁判官の身分保障の弱体化を招き,司法
569 権の独立が侵害されるおそれがある。
570 ウ.裁判官に対する懲戒の裁判が,固有の意味における司法権の作用ではないとしても,これを
571 公開することで裁判の公正・中立に対する国民の信頼が確保されることを見過ごしている。
572 1.ア○
573
574 イ○
575
576 ウ○
577
578 2.ア○
579
580 イ○
581
582 ウ×
583
584 3.ア○
585
586 イ×
587
588 ウ○
589
590 4.ア○
591
592 イ×
593
594 ウ×
595
596 5.ア×
597
598 イ○
599
600 ウ○
601
602 6.ア×
603
604 イ○
605
606 ウ×
607
608 7.ア×
609
610 イ×
611
612 ウ○
613
614 8.ア×
615
616 イ×
617
618 ウ×
619
620 〔第17問〕(配点:3)
621 次のアからウは,憲法第89条後段にいう「公の支配」に関する文章である。aはある見解を要
622 約したものであり,bはそれぞれの見解に対する批判である。bがaに対する批判となり得る場合
623 には1を,批判となり得ない場合には2を選びなさい。
624 (解答欄は,アからウの順に[31]から[
625 33])
626 ア.a.
627 「公の支配」とは,国又は地方公共団体がその事業の根本的な方向に重大な影響を及ぼし
628 得るような権力を有することをいう。
629 b.この見解は,私学の自主性確保を重視するものであるが,現行法の私学助成が違憲とな
630 り現実的ではない上,
631 「公の支配」に属する教育事業に公金を支出することを禁じていない
632 憲法第89条後段と矛盾する。[31]
633 イ.a.
634 「公の支配」に属する事業とは,国家の支配の下に特に法的その他の規律を受けている事
635 業をいう。
636 b.この見解は,私学助成の現実的な必要性から,
637 「公の支配」の要件を緩和するものであり,
638 憲法第89条後段を空文化してしまう。[32]
639 ウ.a.
640 「公の支配」の解釈は,憲法第14条,第23条,第25条,第26条など他の憲法条項
641 との体系的解釈によるべきである。
642 b.この見解は,現行法の私学助成を合憲とするものであるが,体系的解釈によっては学校
643 法人への助成を正当化することにはならない。[33]
644
645 - 9 -
646
647 〔第18問〕(配点:3)
648 条例と法律の関係に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,
649 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[34]から[36])
650 ア.憲法第92条に照らせば,地方自治の本旨に基づいて行われるべき地方公共団体による地方
651 税の賦課徴収については,住民の代表である議会が民主的な手続により制定する条例に基づい
652 て行ったとしても,行政権による専断的な課税を防止するという趣旨を害しない。したがって,
653 憲法第84条にいう「法律」には条例が含まれる。[34]
654 イ.憲法第94条により,地方公共団体が条例を制定するには法律の根拠を必要とする。条例制
655 定権の一般的な根拠を提供するのが「普通地方公共団体は,法令に違反しない限りにおいて第
656 2条第2項の事務に関し,条例を制定することができる」と規定する地方自治法第14条第1
657 項の規定である。[35]
658 ウ.憲法第31条により刑罰及びこれを科す手続は「法律」で定める必要があるが,この「法
659 律」には,法律に限らず,その授権を受けた下位法令も含まれる。そして,条例は住民の代表
660 である議会が制定する自主立法として法律に類するから,法律が相当程度具体的に限定して授
661 権している場合には,条例により刑罰及びこれを科す手続を定めることができる。[36]
662 〔第19問〕(配点:3)
663 次のアからウは,憲法改正手続に関する文章である。aはある見解を要約したものであり,bは
664 それぞれの見解に対する批判である。bがaに対する批判となり得る場合には1を,批判となり得
665 ない場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[37]から[39])
666 ア.a.国会が憲法改正を発議するには,「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を必要とす
667 る。そこでいう「総議員」とは,議員の法定数を意味する。
668 b.憲法改正の議決を厳重にするという趣旨では一定の合理性があるが,欠員に相当する数
669 を常に反対投票をしたものと同じに扱う点で合理性に欠ける。[37]
670 イ.a.法律案提出権は内閣に認められるとしても,憲法改正と法律制定の場合とを同一に論じ
671 ることはできないので,憲法改正の発案権は内閣にはない。
672 b.憲法改正の発案権を内閣に認めても,国会の意思決定に直ちに影響を及ぼすわけではな
673 いし,国会の自主的審議権が必然的に害されるとはいえない。[38]
674 ウ.a.国民の承認を得るためには,国民投票において「その過半数の賛成」を必要とする。そ
675 こでいう「過半数の賛成」とは,有効投票の過半数を意味する。
676 b.書き損ない等の理由で無効とされてしまう投票をすべて反対投票と数えるのは,不合理
677 である。[39]
678 〔第20問〕(配点:2)
679 条約に対する違憲審査に関する次のアからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの二
680 つの組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[40])
681 ア.日本国憲法と条約の関係についての条約優位説によっても,憲法第81条の「法律」や「規
682 則又は処分」という文言の解釈次第では,条約そのものが違憲審査の対象となり得る。
683 イ.日本国憲法と条約の関係についての憲法優位説は,条約そのものが違憲審査の対象となるか
684 否かにつき,肯定説及び否定説のいずれとも結び付く。
685 ウ.砂川事件判決(最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決,刑集13巻13号3225
686 頁)の採る見解は,条約そのものについて一般的に違憲審査の対象となるとする立場と結び付
687 き得る。
688 エ.条約が違憲審査の対象となるとする見解によれば,条約を違憲とする判決によって当該条約
689 の国内法的効力及び国際法的効力のいずれもが失われることになる。
690 - 10 -
691
692 1.アとイ
693
694 2.アとウ
695
696 3.アとエ
697
698 4.イとウ
699
700 5.イとエ
701
702 6.ウとエ
703
704 〔第21問〕(配点:3)
705 次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選
706 びなさい。(解答欄は,アからエの順に[41]から[44])
707 ア.法律による行政の原理の下においては,国が補助金の交付を行う場合には,法律によって補
708 助金交付の根拠を定めなければならず,補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律がこ
709 れを定めている。[41]
710 イ.厚生労働大臣は,隔離を要する疾病が発生した場合には,厚生労働省設置法第4条第4号,
711 第19号に基づき,隔離を要する疾病に罹患した患者について,強制隔離の措置を執ることが
712 できる。[42]
713 (参照条文)厚生労働省設置法
714 第4条
715
716 厚生労働省は,前条の任務を達成するため,次に掲げる事務をつかさどる。
717
718 一〜三
719
720
721 (略)
722
723 原因の明らかでない公衆衛生上重大な危害が生じ,又は生じるおそれがある緊急の
724 事態への対処に関すること。
725
726 五〜十八
727 十九
728
729 (略)
730
731 感染症の発生及びまん延の防止並びに港及び飛行場における検疫に関すること。
732
733 二十〜百十一
734
735
736 (略)
737
738 (略)
739
740 ウ.民法第177条は,本来,私人間の法律関係を規律するものであるから,公権力の行使や公
741 の行政活動については,これが直接適用されることはない。[43]
742 エ.行政機関が定立する定めであっても,国民の権利義務に直接関係しない行政規則は,行政機
743 関が法律の根拠なくして定立することができる。[44]
744 〔第22問〕(配点:3)
745 行政手続法に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤って
746 いる場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[45]から[48])
747 ア.地方公共団体の機関が定める命令等については,その根拠となる規定が法律に置かれている
748 場合には,行政手続法第6章(意見公募手続等)の規定が適用される。[45]
749 イ.申請に対する処分について,行政庁は審査基準を定めるよう努めなければならず,審査基準
750 を定めるに当たっては,許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければなら
751 ない。[46]
752 ウ.聴聞手続を公正なものとするため,聴聞の当事者やその者の一定範囲の親族等は,当該聴聞
753 の主宰者とはなり得ないと規定されている。[47]
754 エ.聴聞の主宰者は,不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどう
755 かについての意見を記載した報告書を作成し,行政庁に提出するが,処分権限を有するのは行
756 政庁であるから,行政庁は,不利益処分の決定をする際に,当該報告書に記載された主宰者の
757 意見を参酌することを要しない。[48]
758
759 - 11 -
760
761 〔第23問〕(配点:3)
762 A市では,職員の非違行為の類型とそれに対して課されるべき懲戒処分の種別及び程度を規定し
763 た内部基準(地方公務員法第29条第1項第1号にいう条例,規則又は規程のいずれにも該当しな
764 いもの。以下「本件基準」という。)を定めているが,A市市長は,職員Xに対し,本件基準よりも
765 厳しい懲戒処分(以下「本件処分」という。)を行った。そこで,Xは,本件処分の取消訴訟を提起
766 した。この事例に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っ
767 ている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[49]から[52])
768 (参照条文)地方公務員法
769 第29条
770
771 職員が次の各号の一に該当する場合においては,これに対し懲戒処分として戒
772
773 告,減給,停職又は免職の処分をすることができる。
774
775
776 この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例,地方
777 公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
778
779
780
781 職務上の義務に違反し,又は職務を怠つた場合
782
783
784
785 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
786
787 2〜4
788
789 (略)
790
791 ア.最高裁判所の判例によれば,公務員に対する懲戒処分は,当該処分が社会観念上著しく妥当
792 を欠き,裁量権の範囲を超え,又は濫用したと認められる場合に違法となるものと解されてい
793 る。[49]
794 イ.行政規則の中には,いかなる場合にいかなる処分を行うかを行政法規が行政庁の判断にゆだ
795 ねている場合において当該裁量権の行使の仕方を定めるもの(裁量基準)が存在するとされる
796 が,本件基準はこれに該当する。[50]
797 ウ.最高裁判所の判例によれば,行政機関が裁量基準を定めたにもかかわらず,その基準に違背
798 する処分をした場合,当該処分は,裁量権の範囲を超え,又は濫用したものとして,原則とし
799 て違法となるものと解されている。[51]
800 エ.裁判所は行政規則には拘束されないとの見解を採ると,本件処分が本件基準よりも厳しいも
801 のであるという事情は,本件処分の違法性に関する受訴裁判所の判断に影響することはない。
802 [52]
803
804 - 12 -
805
806 〔第24問〕(配点:2)
807 行政指導に関する次のアからウまでの各記述について,法令に照らし,正しいものに○,誤って
808 いるものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
809 (解答欄は,
810 [53])
811 ア.国土交通大臣が,その所掌事務について,全日本トラック協会のような関係業界団体の長に
812 対して発する通達は,国家行政組織法第14条第2項の通達には該当せず,行政指導であると
813 解される。
814 (参照条文)国家行政組織法
815 第14条
816
817
818 (略)
819
820 各省大臣,各委員会及び各庁の長官は,その機関の所掌事務について,命令又は示達
821 するため,所管の諸機関及び職員に対し,訓令又は通達を発することができる。
822
823 イ.行政庁が建築基準法違反の建築物に対して除却を命ずることができる場合に,行政庁が自主
824 的な除却を求める行政指導を行うことなく除却命令を発するのは違法である。
825 ウ.ある市では生活保護の不正受給対策として,申請書を提出しようとした者に対して,まず窓
826 口指導を行い,生活保護法の定める保護を必要とする見込みの低い者に対しては申請書を返戻
827 して審査に入らない運用をしているが,窓口指導に従わない意思を明確にしている者に対して
828 も申請書を返戻するのは,行政手続法第7条に反し違法である。
829 1.ア○
830
831 イ○
832
833 ウ○
834
835 2.ア○
836
837 イ○
838
839 ウ×
840
841 3.ア○
842
843 イ×
844
845 ウ○
846
847 4.ア○
848
849 イ×
850
851 ウ×
852
853 5.ア×
854
855 イ○
856
857 ウ○
858
859 6.ア×
860
861 イ○
862
863 ウ×
864
865 7.ア×
866
867 イ×
868
869 ウ○
870
871 8.ア×
872
873 イ×
874
875 ウ×
876
877 〔第25問〕(配点:2)
878 税務調査等に関する次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,
879 正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びな
880 さい。(解答欄は,[54])
881 ア.税務調査としての質問検査権の行使により犯則事件が探知され,それが端緒となって犯則調
882 査に移行したとしても,一般的に質問検査権を犯則事件の調査あるいは捜査のための手段とし
883 て行使することにはならない。
884 イ.犯則事件によって収集された資料は,刑事手続に準じた強制力を伴う手続によって収集され
885 たものであるから,これを課税処分のための資料として利用することは,許されない。
886 ウ.収税官吏は,調査のため必要がある場合には,国税犯則取締法第1条の規定に基づき,調査
887 に際し,実力を行使し,調査の相手方の抵抗を排して必要な措置を行うことができる。
888 (参照条文)国税犯則取締法
889 第1条
890
891 収税官吏ハ国税(関税及噸税ヲ除ク以下同シ)ニ関スル犯則事件(以下犯則事件
892
893 ト称ス)ヲ調査スル為必要アルトキハ犯則嫌疑者若ハ参考人ニ対シ質問シ,犯則嫌疑者
894 ノ所持スル物件,帳簿,書類等ヲ検査シ又ハ此等ノ者ニ於テ任意ニ提出シタル物ヲ領置
895 スルコトヲ得
896
897
898 収税官吏ハ犯則事件ヲ調査スル為必要アルトキハ参考人ノ所持スル物件,帳簿,書類
899 等ヲ検査スルコトヲ得
900
901 1.ア○
902
903 イ○
904
905 ウ○
906
907 2.ア○
908
909 イ○
910
911 ウ×
912
913 3.ア○
914
915 イ×
916
917 ウ○
918
919 4.ア○
920
921 イ×
922
923 ウ×
924
925 5.ア×
926
927 イ○
928
929 ウ○
930
931 6.ア×
932
933 イ○
934
935 ウ×
936
937 7.ア×
938
939 イ×
940
941 ウ○
942
943 8.ア×
944
945 イ×
946
947 ウ×
948
949 - 13 -
950
951 〔第26問〕(配点:3)
952 道路交通法(以下「法」という。)に基づく交通反則通告制度に関する後記条文について述べた次
953 のアからエまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤
954 っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[55]から[58])
955 ア.法第125条第1項に定める反則行為は,本来犯罪を構成する行為であり,その成否は刑事
956 手続において審判されるべきものであるが,法は,大量の違反事件を迅速に処理する目的から,
957 交通反則通告制度を設けている。[55]
958 イ.法第127条第1項に定める反則金の納付を通告する手続は,行政手続である。[56]
959 ウ.法第127条第1項の規定による通告があった場合,これを受けた者は反則金を支払う法的
960 義務を負うことになる。[57]
961 エ.法第127条第1項の規定による通告を受けた者は,当該通告の理由となった反則行為の不
962 成立を主張しようとするのであれば,反則金を納付せず,後に公訴が提起されたときに,これ
963 によって開始された刑事手続において裁判所の審判を求めるべきである。[58]
964 (参照条文)道路交通法
965 第125条
966
967 この章(注1)において「反則行為」とは,前章(注2)の罪に当たる行為
968
969 のうち別表第二の上欄に掲げるものであつて,車両等(中略)の運転者がしたものをい
970 い,その種別は,政令で定める。
971 (注1)第9章「反則行為に関する処理手続の特例」を指す。
972 (注2)第8章「罰則」を指す。
973
974
975 この章において「反則者」とは,反則行為をした者であつて,次の各号のいずれかに
976 該当する者以外のものをいう。
977 一〜三
978
979
980
981 (略)
982
983 この章において「反則金」とは,反則者がこの章の規定の適用を受けようとする場合
984 に国に納付すべき金銭をいい,その額は,別表第二に定める金額の範囲内において,反
985 則行為の種別に応じ政令で定める。
986
987 第126条
988
989 警察官は,反則者があると認めるときは,次に掲げる場合を除き,その者に
990
991 対し,速やかに,反則行為となるべき事実の要旨及び当該反則行為が属する反則行為の
992 種別並びにその者が次条第1項前段の規定による通告を受けるための出頭の期日及び場
993 所を書面で告知するものとする。(以下略)
994 一,二
995
996 (略)
997
998
999
1000 (略)
1001
1002
1003
1004 警察官は,第1項の規定による告知をしたときは,当該告知に係る反則行為が行われ
1005 た地を管轄する都道府県警察の警察本部長に速やかにその旨を報告しなければならな
1006 い。(以下略)
1007
1008
1009
1010 (略)
1011
1012 第127条
1013
1014 警察本部長は,前条第3項又は第4項の報告を受けた場合において,当該報
1015
1016 告に係る告知を受けた者が当該告知に係る種別に属する反則行為をした反則者であると
1017 認めるときは,その者に対し,理由を明示して当該反則行為が属する種別に係る反則金
1018 の納付を書面で通告するものとする。(以下略)
1019 2,3
1020
1021 (略)
1022
1023 第128条
1024
1025 前条第1項又は第2項後段の規定による通告に係る反則金(中略)の納付は,
1026
1027 当該通告を受けた日の翌日から起算して10日以内(中略)に,政令で定めるところに
1028 より,国に対してしなければならない。
1029
1030
1031 前項の規定により反則金を納付した者は,当該通告の理由となつた行為に係る事件に
1032 ついて,公訴を提起されず,又は家庭裁判所の審判に付されない。
1033 - 14 -
1034
1035 〔第27問〕(配点:2)
1036 A市では,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)の規制
1037 の及ばない,新たな形態の性風俗営業により,生活環境,教育環境に悪影響が出ていることから,
1038 良好な生活環境の維持形成と青少年の健全育成を目的に,ホテル等建築の適正化に関する条例(以
1039 下「条例」という。)を制定することを検討している。当該条例では,条例に違反したホテルの建築
1040 に着手した者に対して,A市市長が中止を命ずることができる旨の規定を置くとともに, 中止命令
1041 の実効性を確保するための規定を設ける予定である。当該規定に基づく次のアからエまでの各措置
1042 のうち,法令又は最高裁判所の判例に照らし,適法になし得る余地のないものの個数を, 後記1か
1043 ら5までの中から選びなさい(なお,解答に当たり,条例は旅館業法,風営法に矛盾抵触しないこ
1044 とを前提とすること)。(解答欄は,[59])
1045 ア.中止命令に従わない場合には,中止命令に従わない者に対して罰金20万円を科するものと
1046 すること
1047 イ.中止命令に従わない場合には,A市職員が建築工事現場の入口を封鎖することができるもの
1048 とすること
1049 ウ.中止命令に従わない場合には,A市が建築続行禁止の仮処分を申し立てることができるもの
1050 とすること
1051 エ.中止命令に従わない場合には,A市市長が除却を命ずることができるものとして,行政代執
1052 行法に基づく行政代執行を可能にすること
1053 1.1個
1054
1055 2.2個
1056
1057 3.3個
1058
1059 4.4個
1060
1061 5.0個
1062
1063 〔第28問〕(配点:3)
1064 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「公開法」という。)及び行政機関の保有する
1065 個人情報の保護に関する法律(以下「保護法」という。)に関する次のアからエまでの各記述につい
1066 て,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
1067 (解答欄は,アからエの順
1068 に[60]から[63])
1069 ア.公開法に基づく開示請求に係る行政文書に,第三者の個人情報などの不開示情報が記録され
1070 ている場合であっても,行政機関の長は,公益上特に開示の必要性があると認める場合には,
1071 開示請求者に対し当該行政文書を開示することも許される。[60]
1072 イ.開示請求者本人の個人情報については,公開法に基づく開示請求であっても,保護法に基づ
1073 く開示請求であっても,開示される情報の範囲は異ならない。[61]
1074 ウ.保護法は,個人情報保護の見地から,行政機関の長が,あらかじめ定めた利用目的以外の目
1075 的のために保有個人情報を利用することを全面的に禁止している。[62]
1076 エ.公開法及び保護法に基づく開示決定等については,いわゆる不服申立前置の制度が採用され
1077 るとともに,当該不服申立てについて判断する行政機関の長は,情報公開・個人情報保護審査
1078 会等に対し諮問しなければならないものとされ,不服申立手続における適正な判断を担保する
1079 措置が講じられている。[63]
1080
1081 - 15 -
1082
1083 〔第29問〕(配点:2)
1084 次の文章は,知事Yがした医療法(平成18年法律第84号による改正前のもの。以下「法」と
1085 いう。)第7条に基づく病院の開設許可(以下「本件開設許可」という。)について,同病院の開設
1086 地の市又はその付近において医療施設を開設し医療行為をする医師等であるX(上告人)らがその
1087 取消しを求めた事案について判断を示した最高裁判所平成19年10月19日第二小法廷判決の判
1088 示の一部である。この判決に関する後記アからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの
1089 の個数を,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[64])
1090 「法は,
1091 (中略)病院の開設許可については,その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員
1092 が(中略)厚生労働省令の定める要件に適合するときは許可を与えなければならないこと(7条4
1093 項),営利を目的として病院を開設しようとする者に対しては許可を与えないことができること(同
1094 条5項)を定めており,許可の要件を定めるこれらの規定は,病院開設の許否の判断に当たり,当
1095 該病院の開設地の付近で医療施設を開設している者等(以下「他施設開設者」という。)の利益を考
1096 慮することを予定していないことが明らかである。」
1097 「法の目的を定める法1条及び医師等の責務を定める法1条の4の規定からも,病院開設の許可
1098 に関する法の規定が他施設開設者の利益を保護すべきものとする趣旨を含むことを読み取ることは
1099 できず,そのほか,上告人らが本件開設許可の取消しを求める法律上の利益を有すると解すべき根
1100 拠は見いだせない。」
1101 (参照条文)医療法
1102 第1条
1103
1104 この法律は,病院,診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこ
1105
1106 れらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により,医療を提供する
1107 体制の確保を図り,もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
1108 第1条の4
1109
1110 医師,歯科医師,薬剤師,看護師その他の医療の担い手は,第1条の2に規
1111
1112 定する理念に基づき,医療を受ける者に対し,良質かつ適切な医療を行うよう努めなけ
1113 ればならない。
1114 2〜4
1115
1116 (略)
1117
1118 第7条
1119
1120 病院を開設しようとするとき(中略)は,開設地の都道府県知事(中略)の許可
1121
1122 を受けなければならない。
1123 2,3
1124
1125
1126 (略)
1127
1128 都道府県知事(中略)は,前三項の許可の申請があつた場合において,その申請に係
1129 る施設の構造設備及びその有する人員が(中略)厚生労働省令の定める要件に適合する
1130 ときは,前三項の許可を与えなければならない。
1131
1132
1133
1134 営利を目的として,病院,診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては,前項
1135 の規定にかかわらず,第1項の許可を与えないことができる。
1136
1137 ア.この判決は,Xらの原告適格について,本件開設許可の根拠となる規定の趣旨にかかわら
1138 ず,Xらの利益が保護すべきものであるかどうかによって判断すべきであるとの考え方に基づ
1139 いている。
1140 イ.この判決の考え方によれば,一般に,事業等の許可に関する限り,当該許可の名あて人たる
1141 事業者と競争関係に立つ事業者には当該許可の取消しを求める原告適格がないことになる。
1142 ウ.この判決は,関係法令の趣旨に照らし,医療計画の策定の目的は,良質かつ適切な医療を効
1143 率的に提供する体制を確保することにあることから,他施設開設者の利益を保護する趣旨を含
1144 むものであるということを前提に,Xらの原告適格について判断したものである。
1145 エ.この判決は,Xらが,本件開設許可により,自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵
1146 害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者には該当しないとの判断を示したものである。
1147 - 16 -
1148
1149 1.1個
1150
1151 2.2個
1152
1153 3.3個
1154
1155 4.4個
1156
1157 5.0個
1158
1159 〔第30問〕(配点:2)
1160 最高裁判所平成20年9月10日大法廷判決(以下「本判決」という。)は,土地区画整理法に基
1161 づく土地区画整理事業計画の決定が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると判断したが,本判決
1162 に関する次のアからエまでの各記述について,誤っているものの個数を,後記1から5までの中か
1163 ら選びなさい。(解答欄は,[65])
1164 ア.最高裁判所の従来の判例は,言わば事業の青写真たるにすぎない一般的抽象的な単なる計画
1165 にとどまるなどとして土地区画整理事業計画の決定の処分性を否定していたが,本判決は,事
1166 業計画の決定に伴う法的効果が一般的抽象的なものにすぎなくとも抗告訴訟の対象となる行政
1167 処分に当たるとして判例を変更した。
1168 イ.都市計画法に基づき都市計画決定の一つとしてされる工業地域指定の決定の処分性を否定し
1169 た最高裁判所の判例があるが,本判決の理由に従えば,同指定の決定についても,当該地域内
1170 において建築物の建築が制約されるという法的効果が発生するから,処分性が肯定されること
1171 になる。
1172 ウ.土地改良法に基づく国営又は都道府県営の土地改良事業の事業計画の決定について行政上の
1173 不服申立てが認められていることを根拠の一つとして,市町村営の土地改良事業に関し都道府
1174 県知事が行う事業施行の認可の処分性を認めた最高裁判所の判例があるが,本判決も,土地区
1175 画整理事業計画の決定に行政上の不服申立てが認められていることを理由に処分性を認めた。
1176 エ.都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業の施行地区内の土地の所有者等は,特段の事
1177 情のない限り,自己の所有地等が収用されるべき地位に立たされるなど,その法的地位に直接
1178 的な影響を受けるとして,当該事業に係る事業計画の決定の処分性を認めた最高裁判所の判例
1179 があるが,本判決も,土地区画整理事業の事業計画の施行地区内の宅地所有者等の法的地位に
1180 直接的な影響を及ぼすとの理由で同事業計画の決定の処分性を認めた。
1181 1.1個
1182
1183 2.2個
1184
1185 3.3個
1186
1187 4.4個
1188
1189 - 17 -
1190
1191 5.0個
1192
1193 〔第31問〕(配点:2)
1194 処分性に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに
1195 ○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
1196 (解答欄
1197 は,[66])
1198 ア.公共施設の管理権限を有する行政機関が都市計画法に基づく開発行為の許可を申請しようと
1199 する者に対して同法第32条第1項の同意を拒否する行為は,公共施設の適正な管理上当該開
1200 発行為を行うことは相当でない旨の公法上の判断を表示する行為といえるところ,この同意が
1201 得られなければ,公共施設に影響を与える開発行為を適法に行うことができないことからする
1202 と,上記の同意を拒否する行為は,それ自体が開発行為を禁止し,又は制限する効果を持つも
1203 のといえるから,国民の権利ないし法律上の地位に直接影響を及ぼすものとして,処分性が認
1204 められるものといえる。
1205 (参照条文)都市計画法
1206 第30条
1207
1208 前条第1項又は第2項の許可(以下「開発許可」という。)を受けようとする者
1209
1210 は,
1211 (中略)次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
1212 一〜五
1213
1214
1215 (略)
1216
1217 前項の申請書には,第32条第1項に規定する同意を得たことを証する書面(中略)
1218 を添付しなければならない。
1219
1220 第32条
1221
1222 開発許可を申請しようとする者は,あらかじめ,開発行為に関係がある公共施
1223
1224 設の管理者と協議し,その同意を得なければならない。
1225 2,3
1226
1227 (略)
1228
1229 第33条
1230
1231 都道府県知事は,開発許可の申請があつた場合において,当該申請に係る開発
1232
1233 行為が,次に掲げる基準(中略)に適合しており,かつ,その申請の手続がこの法律又
1234 はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは,開発許可をしなけれ
1235 ばならない。
1236 一〜十四
1237 2〜8
1238
1239 (略)
1240
1241 (略)
1242
1243 イ.市町村長が住民票に住民基本台帳法所定の事項を記載する行為は,元来,いわゆる公証行為
1244 であり,それ自体によって新たに国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定する法的効果
1245 を有するものではないが,同法及び公職選挙法の規定によれば,住民票に特定の住民の氏名等
1246 を記載する行為は,その者が当該市町村の選挙人名簿に登録されるか否かを決定付けるもので
1247 あって,その者は選挙人名簿に登録されない限り原則として投票することができないのである
1248 から,同行為には法的効果が与えられているといえる。そして,住民票上,住民の氏名等の記
1249 載と世帯主との続柄の記載とが一体となっていることからすると,住民票に世帯主との続柄を
1250 記載する行為についても,処分性が認められるものといえる。
1251 ウ.地方公共団体の水道事業に関して,水道料金の値上げを内容とする「水道事業給水条例」が
1252 制定された場合,水道需要者は,同条例の施行によって,その後にされる個別的行政処分を経
1253 ることなく,同条例に従って値上げされた水道料金の支払義務を負わされることになるから,
1254 同条例の制定行為には,処分性が認められるものといえる。
1255 1.ア○
1256
1257 イ○
1258
1259 ウ○
1260
1261 2.ア○
1262
1263 イ○
1264
1265 ウ×
1266
1267 3.ア○
1268
1269 イ×
1270
1271 ウ○
1272
1273 4.ア○
1274
1275 イ×
1276
1277 ウ×
1278
1279 5.ア×
1280
1281 イ○
1282
1283 ウ○
1284
1285 6.ア×
1286
1287 イ○
1288
1289 ウ×
1290
1291 7.ア×
1292
1293 イ×
1294
1295 ウ○
1296
1297 8.ア×
1298
1299 イ×
1300
1301 ウ×
1302
1303 - 18 -
1304
1305 〔第32問〕(配点:3)
1306 行政事件訴訟の判決に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,
1307 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[67]から[70])
1308 ア.処分の取消判決には,行政事件訴訟法に基づき認められた効力として,第三者効及び拘束力
1309 がある。[67]
1310 イ.最高裁判所の判例によれば,既判力の客観的効果は一般に訴訟物に及ぶと解されており,処
1311 分の取消判決がされた場合には,当該処分が違法であることが既判力をもって確定するから,
1312 当該処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟において当該処分をしたことに違法がない旨を
1313 主張することは,許されないものとされている。[68]
1314 ウ.申請者に欠格事由Aがあるとしてされた申請を拒否する処分が判決によって取り消された場
1315 合であっても,処分後に,申請者が欠格事由Aに該当することになったときは,改めて申請を
1316 拒否する処分をすることが許される。[69]
1317 エ.処分又は裁決が違法ではあるが,これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる
1318 場合において,原告が受ける損害の程度,その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切
1319 の事情を考慮して,請求を棄却する事情判決の制度は,いわゆる定数訴訟等に関する最高裁判
1320 所の判例によって,初めて認められた制度である。[70]
1321 〔第33問〕(配点:2)
1322 行政事件訴訟に関する次の文章中,アからエまでの下線部の各記述について,誤っているものの
1323 個数を,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[71])
1324 行政事件訴訟法第7条は,行政事件訴訟に関し,この法律に定めがない事項については,民事訴
1325 訟の例によると規定している。したがって,
1326 (ア)取消訴訟においても,当事者の自白には拘束力が
1327 あると解されている。もっとも,取消訴訟は,処分が適法にされているか否かという公益に関係す
1328 る事項を対象とするため,
1329 (イ)行政事件訴訟法は,釈明についての特則を設けるとともに,当事者
1330 において主張しない事実をしんしゃくすることができることと,職権で証拠調べをすることができ
1331 ることを規定するほか,
1332 (ウ)訴訟の結果により権利を害される第三者の訴訟参加や処分をした行政
1333 庁以外の行政庁の訴訟参加の規定を設けている。また,処分権主義を徹底することは相当でないた
1334 め,
1335 (エ)取消訴訟においては,請求の認諾や放棄はできず,和解や訴えの取下げもできないと解さ
1336 れている。
1337 1.1個
1338
1339 2.2個
1340
1341 3.3個
1342
1343 4.4個
1344
1345 - 19 -
1346
1347 5.0個
1348
1349 〔第34問〕(配点:2)
1350 次の文章は,ある法科大学院の学生甲乙2名の会話である。アからエまでの各発言のうち誤って
1351 いるものの個数を,後記1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[72])
1352
1353
1354 「昨日テレビで,A市の有力者Xが,A市の市有地を無断で使っている疑いがあるというニ
1355 ュースを見たよ。」
1356
1357
1358
1359 「前からうわさになっていたよね。昨日のニュースでは,Xは,A市から5年以上前から借
1360 りていると言っているらしいね。賃料はだいぶ安いようだけど。」
1361
1362
1363
1364 「君はA市に住んでいるから,住民監査請求をすることができるんじゃないか。」
1365
1366
1367
1368 ア.
1369 「そうだね。Xの言い分を前提としても,賃料が安すぎるという問題は,住民監査請求の
1370 対象に含まれるね。」
1371
1372
1373
1374 「外に要件はなかったかな。」
1375
1376
1377
1378 イ.「住民監査請求には期間制限があるよね。」
1379
1380
1381
1382 「いずれにしても,住民監査請求を経ないと住民訴訟を起こすことはできないね。」
1383
1384
1385
1386 「他の住民が既に住民監査請求をしていて,監査結果が出ていたらどうなるのかな。」
1387
1388
1389
1390 ウ.「その場合は,別個に住民監査請求をする必要はなく,住民訴訟を起こせると思うよ。」
1391
1392
1393
1394 「住民訴訟では,だれに何を求めることになるんだろう。」
1395
1396
1397
1398 エ.
1399 「A市の市長が,極端に安い賃料でXに市有地を貸したというのであれば,市長個人を被
1400 告として,A市に損害賠償を支払えという訴訟を提起することができるよね。」
1401
1402
1403
1404 「4号請求だね。実務上も一番多いらしいね。」
1405
1406 1.1個
1407
1408 2.2個
1409
1410 3.3個
1411
1412 4.4個
1413
1414 5.0個
1415
1416 〔第35問〕(配点:3)
1417 Xは,マンション建設を計画し,Y県知事に対し,都市計画法第29条の開発行為の許可を求め
1418 る申請をした。ところが,その建設予定地は,急傾斜地であり,同開発行為によってがけ崩れがあ
1419 れば直接的な被害を受けることが予想される近接地に居住しているZは,同開発行為が同法第33
1420 条第1項第7号の開発許可基準を満たしていないと考えている。次のアからエまでの各記述につい
1421 て,法令又は最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を
1422 選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[73]から[76])
1423 (参照条文)都市計画法
1424 第33条
1425
1426 都道府県知事は,開発許可の申請があつた場合において,当該申請に係る開発
1427
1428 行為が,次に掲げる基準(中略)に適合しており,かつ,その申請の手続がこの法律又
1429 はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは,開発許可をしなけれ
1430 ばならない。
1431 一〜六
1432
1433
1434 (略)
1435
1436 地盤の沈下,崖崩れ,出水その他による災害を防止するため,開発区域内の土地に
1437 ついて,地盤の改良,擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられる
1438 ように設計が定められていること。(以下略)
1439
1440 八〜十四
1441 2〜8
1442
1443 (略)
1444
1445 (略)
1446
1447 ア.Xは,Y県知事が相当の期間内に申請に対する許否の決定をしない場合,不作為の違法確認
1448 の訴えを提起することもできるし,これを提起しないで開発許可処分の義務付けの訴えを提起
1449 することもできる。[73]
1450 イ.差止めの訴えは,行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるに
1451 つき法律上の利益を有する者に限り,提起することができるが,Zには,Y県知事のXに対す
1452 - 20 -
1453
1454 る開発許可処分の差止めを求める法律上の利益が認められる。[74]
1455 ウ.XがY県を被告として提起した開発許可処分の義務付けの訴えに係る請求が認容され,Y県
1456 知事が同許可処分をした場合,原則として,Zにも同義務付け判決の効力が及び,Zは,同許
1457 可処分の違法性を主張することができなくなる。[75]
1458 エ.XがY県を被告として不作為の違法確認の訴えと開発許可処分の義務付けの訴えを提起した
1459 場合,裁判所は,X,Y県若しくはZの申立てにより又は職権で,決定をもって,Zを訴訟に
1460 参加させることができる。[76]
1461 〔第36問〕(配点:3)
1462 次のアからエまでの各事例におけるXが行政事件訴訟法上の仮の救済を求めるとした場合,各事
1463 例について最も適切と考えられる仮の救済の申立てを,それぞれ後記1から4までの中から一つ選
1464 びなさい。(解答欄は,アからエの順に[77]から[80])
1465 ア.出入国管理及び難民認定法に定める退去強制事由に該当するとされた外国人Xが,入国管理
1466 局の主任審査官から退去強制令書の発付を受けた事例[77]
1467 イ.市立の高等学校の校長が,身体に障害を有する入学希望者Xに対し,同校の全課程を無事に
1468 履修する見通しがないとして,その入学を不許可とした事例[78]
1469 ウ.市議会議員選挙が近々予定されている時期に,市長が,同市の住民基本台帳に住民として記
1470 載されているXは,生活の本拠でない場所を住所として届け出ているとして,職権により,X
1471 の住民票を消除しようとしている事例[79]
1472 エ.パチンコ店を経営するXが,公安委員会から,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関す
1473 る法律に基づく営業許可の取消しを受けた事例[80]
1474 1.処分の執行の停止の申立て
1475 2.処分の効力の停止の申立て
1476 3.仮の義務付けの申立て
1477 4.仮の差止めの申立て
1478
1479 - 21 -
1480
1481 〔第37問〕(配点:2)
1482 国家賠償法第2条に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正
1483 しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさ
1484 い。(解答欄は,[81])
1485 ア.市が管理する道路に設置された防護柵から幼児が転落した事故において,当該防護柵は,そ
1486 の材質,高さその他その構造に徴し,通行時における転落防止の目的からみてその安全性に欠
1487 けるところがなく,当該事故が通常予測することのできない被害者の行動に起因するものであ
1488 ったといえる場合には,当該事故につき,市が営造物の設置管理者としての責任を負うことは
1489 ない。
1490 イ.点字ブロック等のように,新たに開発された視力障害者用の安全設備を駅に設置しなかった
1491 ことが当該駅のホームに係る設置又は管理の瑕疵に該当するか否かを判断するに当たっては,
1492 視力障害者の事故発生の危険性の程度,その事故を防止するために当該安全設備を設置する必
1493 要性の程度及び当該安全設備の設置の困難性等の諸般の事情を総合考慮することを要するが,
1494 その際,当該安全設備が全国ないし当該地域における駅のホーム等に普及しているかどうかに
1495 ついてまで考慮する必要はない。
1496 ウ.国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは,営造物が通常有すべき安全性
1497 を欠いていることをいい,そこにいう安全性の欠如とは,当該営造物を構成する物的施設自体
1498 に存する物理的,外形的な欠陥ないし不備によって一般的にその利用者に危害を生ぜしめる危
1499 険性があることを意味するから,このような危険性ではなく,その営造物が供用目的に沿って
1500 利用されることとの関連においてその利用者以外の第三者に危害を生ぜしめる危険性があると
1501 いうだけでは,国家賠償法第2条第1項の営造物の設置又は管理の瑕疵があるとはいえない。
1502 1.ア○
1503
1504 イ○
1505
1506 ウ○
1507
1508 2.ア○
1509
1510 イ○
1511
1512 ウ×
1513
1514 3.ア○
1515
1516 イ×
1517
1518 ウ○
1519
1520 4.ア○
1521
1522 イ×
1523
1524 ウ×
1525
1526 5.ア×
1527
1528 イ○
1529
1530 ウ○
1531
1532 6.ア×
1533
1534 イ○
1535
1536 ウ×
1537
1538 7.ア×
1539
1540 イ×
1541
1542 ウ○
1543
1544 8.ア×
1545
1546 イ×
1547
1548 ウ×
1549
1550 〔第38問〕(配点:2)
1551 損失補償に関する次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,正
1552 しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさ
1553 い。(解答欄は,[82])
1554 ア.土地収用法(以下「法」という。)第71条に基づく補償金の額の決定に際しては,事業認定
1555 の告示の時から権利取得裁決の時までに近傍類地の取引価格に変動が生ずることがあり,その
1556 変動率は必ずしも法第71条による修正率と一致するとはいえないから,被収用者は,収用の
1557 前後を通じて被収用者の有する財産価値を等しくさせるような補償を常に受けられるものとは
1558 いえないが,憲法第29条第3項にいう「正当な補償」とは,その当時の経済状態において成
1559 立すると考えられる価格に基づき合理的に算出された相当な額をいうのであって,必ずしも常
1560 に上記の価格と完全に一致することを要するものではないから,法第71条の規定は憲法第2
1561 9条第3項に違反するものではない。
1562 (参照条文)土地収用法
1563 第71条
1564
1565 収用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額は,
1566
1567 近傍類地の取引価格等を考慮して算定した事業の認定の告示の時における相当な価格
1568 に,権利取得裁決の時までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額とする。
1569 イ.土地収用に伴い,被収用地で営まれていた営業を一時休止せざるを得なくなった場合,営業
1570 の休止がなければ得られていたはずの収益は,土地収用法上損失補償の対象になる。
1571 ウ.都市計画決定に基づく都市計画道路の区域内に土地及び建物を所有している者が,当該都市
1572 - 22 -
1573
1574 計画に係る事業が決定から60年以上にわたって着手されないことにより,その間,当該土地
1575 への建築物の建築につき都市計画法第53条の建築制限を受けてきた場合には,そのような長
1576 期間の建築制限による損失は,通常,一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超
1577 えた特別の犠牲に当たるから,憲法第29条第3項の損失補償を必要とする。
1578 (参照条文)都市計画法
1579 第53条
1580
1581 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築を
1582
1583 しようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事の許可を受けな
1584 ければならない。ただし,次に掲げる行為については,この限りでない。
1585 一〜五
1586 2,3
1587
1588 (略)
1589 (略)
1590
1591 1.ア○
1592
1593 イ○
1594
1595 ウ○
1596
1597 2.ア○
1598
1599 イ○
1600
1601 ウ×
1602
1603 3.ア○
1604
1605 イ×
1606
1607 ウ○
1608
1609 4.ア○
1610
1611 イ×
1612
1613 ウ×
1614
1615 5.ア×
1616
1617 イ○
1618
1619 ウ○
1620
1621 6.ア×
1622
1623 イ○
1624
1625 ウ×
1626
1627 7.ア×
1628
1629 イ×
1630
1631 ウ○
1632
1633 8.ア×
1634
1635 イ×
1636
1637 ウ×
1638
1639 〔第39問〕(配点:3)
1640 Xの夫Aは,勤務中にくも膜下出血を起こし死亡した。Xは,Aの発症は,過重な労働が原因と
1641 考え,所轄の労働基準監督署長に対して遺族補償給付の支給を請求したが,同署長は,業務起因性
1642 が認められないとして不支給の決定をした。次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい
1643 場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
1644 (解答欄は,アからエの順に[83]から[
1645 86])
1646 (参照条文)労働者災害補償保険法
1647 第38条
1648
1649 保険給付に関する決定に不服のある者は,労働者災害補償保険審査官に対して
1650
1651 審査請求をし,その決定に不服のある者は,労働保険審査会に対して再審査請求をする
1652 ことができる。
1653 2,3 (略)
1654 第40条
1655
1656 第38条第1項に規定する処分の取消しの訴えは,当該処分についての再審査
1657
1658 請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ,提起することができない。
1659 (以
1660 下略)
1661 一,二
1662
1663 (略)
1664
1665 ア.Xは,労働基準監督署長の不支給決定を不服として,同署長に対し,異議申立てをすること
1666 ができる。[83]
1667 イ.労働者災害補償保険審査官に対する審査請求がされた後は,労働基準監督署長は,自らした
1668 不支給決定を取り消し,改めて支給決定をすることはできない。[84]
1669 ウ.労働基準監督署長の保険給付に関する決定,審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の
1670 決定,再審査請求に対する労働保険審査会の裁決は,いずれも抗告訴訟の対象とすることがで
1671 きる。[85]
1672 エ.労働者災害補償保険審査官は,Xの審査請求を棄却し,労働保険審査会は,Xの再審査請求
1673 を棄却した。Xは,Aの死亡に業務起因性がないとした労働基準監督署長の不支給決定の違法
1674 を理由として,労働保険審査会の裁決の取消しを求めることができない。[86]
1675
1676 - 23 -
1677
1678 〔第40問〕(配点:3)
1679 行政組織に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤ってい
1680 る場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[87]から[90])
1681 ア.行政庁とは,国や地方公共団体の意思を決定し,対外的に表示する権限を有した機関であ
1682 り,各省大臣,都道府県知事,市町村長など,独任制である点に特色をもつ。[87]
1683 イ.国家行政組織法第8条に基づく審議会の中には,調査審議し,不服審査を行う機関が存在す
1684 るが,その議決が行政庁を法的に拘束することはない。[88]
1685 ウ.独立行政法人は,国から独立した法人格を有する主体として設立されたものであるが,国民
1686 に対し説明責任を負うことは国の行政機関の場合と何ら変わるところはないので,何人も独立
1687 行政法人の保有する法人文書の開示を請求することができる。[89]
1688 エ.国土交通大臣の指定を受けた指定確認検査機関が建築確認を行った場合には,当該建築確認
1689 に関し,指定確認検査機関は行政庁に当たる。[90]
1690
1691 - 24 -
1692
1693