1 論文式試験問題集[公法系科目]
2
3 - 1 -
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 遺伝子は,
8 細胞を作るためのタンパク質の設計図である。
9
10 人間には約2万5000個の遺伝子が
11 あると推測されている。
12
13 遺伝情報は,
14 子孫に受け継がれ得る情報で,
15 個人の遺伝的特質及び体質を
16 示すものであるが,
17 その基になる遺伝子に係る情報は,
18 当該個人にとって極めて機微に係る情報で
19 ある。
20
21 遺伝子には,
22 すべての人間に共通な生存に不可欠な部分と,
23 個人にオリジナルの部分とがあ
24 る。
25
26 もし生存に不可欠な遺伝子が異常になると,
27 細胞や体の働きが損なわれるので,
28 その個体は病
29 気になることもある。
30
31 既に多数の遺伝子疾患が知られており,
32 また,
33 高血圧などの生活習慣病や癌,
34
35 そして神経難病なども遺伝子の影響を受けることが解明されつつある。
36
37
38 遺伝子治療とは,
39 生命活動の根幹である遺伝子を制御する治療法であり,
40 正常な遺伝子を細胞に
41 補ったり,
42 遺伝子の欠陥を修復・修正することで病気を治療する手法である。
43
44 遺伝子治療の実用化
45 のためには,
46 動物実験の次の段階として,
47 人間を対象とした臨床研究も必要である。
48
49 遺伝子治療に
50 おいては,
51 まず,
52 当該疾患をもたらしている遺伝子の異常がどこで起こっているかなどについて調
53 べる必要がある。
54
55 それを確定するためには,
56 遺伝にかかわるので,
57 本人だけではなく,
58 家族の遺伝
59 子も検査する必要がある。
60
61 遺伝子治療は,
62 難病の治癒のための新たな可能性を有する治療法ではあ
63 るが,
64 安全性という点でなお不十分な面があるし,
65 未知の部分もある。
66
67 例えば,
68 治療用の正常な遺
69 伝子の導入が適切に行われないと,
70 癌抑制遺伝子等の有益な遺伝子を壊すことがある。
71
72 さらに,
73
74 伝子という生命の根幹にかかわる点で,
75 遺伝子治療によって「生命の有り様」を人間が変えること
76 にもなり得るなど,
77 遺伝子治療それ自体をめぐって様々なレベルで議論されている。
78
79
80 【注:本問では,
81 遺伝子治療に関する知見は以上の記述を前提とすること。
82
83
84 政府は,
85 遺伝子を人為的に組み換えたり,
86 それを生殖細胞に移入したりして操作することには人
87 間を改造する危険性もあるが,
88 研究活動は研究者の自由な発想を重視して本来自由に行われるべき
89 であることを考慮し,
90 研究者の自主性や倫理観を尊重した柔軟な規制の形態が望ましいとして,
91
92 則を伴った法律による規制という方式を採らなかった。
93
94 2002年に,
95 文部科学省及び厚生労働省
96 が共同して,
97 制裁規定を一切含まない「遺伝子治療臨床研究に関する指針」
98 (2004年に全部改正
99 され,
100 2008年に一部改正された【参考資料1】。
101
102 以下「本指針」という。
103
104 )を制定した。
105
106 こうし
107 て,
108 遺伝子治療の臨床研究(以下「遺伝子治療臨床研究」という。
109
110 )について研究者が遵守すべき指
111 針が定められ,
112 大学や研究所に設置される審査委員会で審査・承認を受けた後,
113 さらに文部科学省
114 ・厚生労働省で審査・承認されて研究が行われている。
115
116
117 2009年に,
118 国立大学法人A大学医学部B教授らのグループによる遺伝子治療臨床研究におい
119 て,
120 被験者が一人死亡する事故が起きた。
121
122 また,
123 遺伝子に係る情報の漏洩事件も複数起きた。
124
125 そこ
126 で,
127 同年,
128 Y県立大学医学部は,
129
130 「審査委員会規則」を改正し,
131 専門機関としてより高度の倫理性と
132 責任性を持つべきであるとして,
133 遺伝子治療臨床研究によって重大な事態が生じたときには当該研
134 究の中止を命ずることができるようにした【参考資料2】。
135
136 さらに,
137 同医学部は,
138 「遺伝子情報保護
139 規則」
140 【参考資料3】を新たに定め,
141 匿名化(その個人情報から個人を識別する情報の全部又は一部
142 を取り除き,
143 代わりに当該個人情報の提供者とかかわりのない符号又は番号を付すことをいう。
144
145 )さ
146 れておらず,
147 特定の個人と結び付いた形で保持されている遺伝子に係る情報について規律した。
148
149
150 該規則は,
151 本人の求めがある場合でも,
152
153 「遺伝子治療の対象である疾病の原因となる遺伝子情報」以
154 外の開示を禁止している。
155
156 その理由は,
157 すべての遺伝子に係る情報を開示することが本人に与える
158 マイナスの影響を考慮したからである。
159
160 また,
161 当該規則は,
162 被験者ばかりでなく,
163 遺伝子検査・診
164 断を受けたすべての人の遺伝子に係る情報を第三者に開示することを禁止している。
165
166 その理由は,
167
168 その開示によって生じるかもしれない様々な問題の発生等を考慮したからである。
169
170
171 Y県立大学医学部の,
172 X教授を代表者とする遺伝子治療臨床研究グループは,
173 2003年以来難
174 病性疾患に関する従来の治療法の問題点を解決する新規治療法の開発を目的として,
175 動物による実
176 - 2 -
177
178 験を行ってきた。
179
180 201※年に,
181 X教授のグループは,
182 X教授を総括責任者とし,
183 本指針が定める
184 手続に従って,
185 遺伝子治療臨床研究(以下「本研究」という。
186
187 )を実施することの承認を受けた。
188
189
190 教授は,
191 難病治療のために来院したCを診断したところ,
192 Cの難病の原因は遺伝子に関係する可能
193 性が極めて高いと判断した。
194
195 Cは成人であるので,
196 X教授は,
197 Cの同意を得てその遺伝子を検査し
198 た。
199
200 さらに,
201 X教授はCに,
202 家族全員(父,
203 母,
204 兄及び姉)の遺伝子も検査する必要があることを
205 説明し,
206 その家族4人からそれぞれ同意を得た上で,
207 4人の遺伝子も検査した。
208
209 その結果,
210 Cの難
211 病が遺伝子の異常によるものであることが判明した。
212
213 X教授は,
214 動物実験で有効であった遺伝子治
215 療法の被験者としてCが適切であると考え,
216 Cに対し,
217 遺伝子治療を行う必要性等,
218 本指針が定め
219 る説明をすべて行った。
220
221 説明を受けた後,
222 Cは,
223 本研究の被験者となることを受諾する条件として,
224
225 自己ばかりでなくその家族4人の遺伝子に係るすべての情報の開示をX教授に求めた。
226
227 X教授は,
228
229 Cの求めに応じて,
230 C以外の家族4人の同意を得ずに,
231 C自身及びその家族4人の遺伝子に係るす
232 べての情報をCに伝えた。
233
234 Cは,
235 本研究の被験者になることに同意する文書を提出した。
236
237
238 Cを被験者とする本研究が実施されたが,
239 その過程で全く予測し得なかった問題が生じ,
240 Cは重
241 体に陥り,
242 そのため,
243 Cに対する本研究は続けることができなくなった(その後,
244 Cは回復した。
245
246 )。
247
248
249 Y県立大学医学部長は,
250 定められた手続に従い慎重に審査した上で,
251 X教授らによる本研究の中
252 止を命じた。
253
254 その後,
255 この問題を契機として調査したところ,
256
257 「遺伝子情報保護規則」に違反する行
258 為が明らかとなった。
259
260 任命権者である学長は,
261 X教授によるCへのC自身及びその家族4人の遺伝
262 子に係る情報の開示が「遺伝子情報保護規則」に違反していることを理由に,
263 X教授を1か月の停
264 職処分に処した。
265
266
267 〔設問1〕
268 X教授は,
269 本研究の中止命令(注:行政組織内部の職務命令自体の処分性については,
270 本問で
271 は処分性があるものとする。
272
273 )の取消しを求めて訴訟を提起することにした。
274
275 あなたがX教授から
276 依頼を受けた弁護士であったならば,
277 憲法上の問題についてどのような主張を行うか述べなさい。
278
279
280 そして,
281 大学側の処分を正当化する主張を想定しながら,
282 あなた自身の結論及び理由を述べな
283 さい。
284
285
286 〔設問2〕
287 X教授は,
288 遺伝子に係る情報の開示(注:個人情報に関する法令や条例との関係については,
289
290 本問では論じる必要はない。
291
292 )に関する1か月の停職処分の取消しを求めて訴訟を提起することに
293 した。
294
295 あなたがX教授から依頼を受けた弁護士であったならば,
296 憲法上の問題についてどのよう
297 な主張を行うか述べなさい。
298
299
300 そして,
301 大学側の処分を正当化する主張を想定しながら,
302 あなた自身の結論及び理由を述べな
303 さい。
304
305
306
307 - 3 -
308
309 【参考資料1】
310 文部科学省/厚生労働省「遺伝子治療臨床研究に関する指針」平成14年3月27日
311 (平成16年12月28日全部改正;平成20年12月1日一部改正)(抄録)
312 第一章
313 第一
314
315 総則
316
317 目的
318 この指針は,
319 遺伝子治療の臨床研究(以下「遺伝子治療臨床研究」という。
320
321 )に関し遵守すべ
322
323 き事項を定め,
324 もって遺伝子治療臨床研究の医療上の有用性及び倫理性を確保し,
325 社会に開か
326 れた形での適正な実施を図ることを目的とする。
327
328
329 第二
330
331
332 定義
333 この指針において「遺伝子治療」とは,
334 疾病の治療を目的として遺伝子又は遺伝子を導入
335 した細胞を人の体内に投与すること及び二に定める遺伝子標識をいう。
336
337
338
339
340
341 この指針において「遺伝子標識」とは,
342 疾病の治療法の開発を目的として標識となる遺伝
343 子又は標識となる遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与することをいう。
344
345
346
347
348
349 この指針において「研究者」とは,
350 遺伝子治療臨床研究を実施する者をいう。
351
352
353
354
355
356 この指針において「総括責任者」とは,
357 遺伝子治療臨床研究を実施する研究者に必要な指
358 示を行うほか,
359 遺伝子治療臨床研究を総括する立場にある研究者をいう。
360
361
362
363 五〜九
364
365 (略)
366
367 第三〜第五
368 第六
369
370 (略)
371
372 生殖細胞等の遺伝的改変の禁止
373 人の生殖細胞又は胚(一の細胞又は細胞群であって,
374 そのまま人又は動物の胎内において発
375
376 生の過程を経ることにより一の個体に成長する可能性のあるもののうち,
377 胎盤の形成を開始す
378 る前のものをいう。
379
380 以下同じ。
381
382 )の遺伝的改変を目的とした遺伝子治療臨床研究及び人の生殖細
383 胞又は胚の遺伝的改変をもたらすおそれのある遺伝子治療臨床研究は,
384 行ってはならない。
385
386
387 第七
388
389 適切な説明に基づく被験者の同意の確保
390 遺伝子治療臨床研究は,
391 適切な説明に基づく被験者の同意(インフォームド・コンセント)
392
393 が確実に確保されて実施されなければならない。
394
395
396 第八
397
398 (略)
399 第二章
400
401 被験者の人権保護
402
403 第一
404
405 (略)
406
407 第二
408
409 被験者の同意
410
411
412
413 総括責任者又は総括責任者の指示を受けた医師である研究者(以下「総括責任者等」とい
414 う。
415
416 )は,
417 遺伝子治療臨床研究の実施に際し,
418 第三に掲げる説明事項を被験者に説明し,
419 文書
420 により自由意思による同意を得なければならない。
421
422
423
424
425
426 同意能力を欠く等被験者本人の同意を得ることが困難であるが,
427 遺伝子治療臨床研究を実
428 施することが被験者にとって有用であることが十分に予測される場合には,
429 審査委員会の審
430 - 4 -
431
432 査を受けた上で,
433 当該被験者の法定代理人等被験者の意思及び利益を代弁できると考えられ
434 る者(以下「代諾者」という。
435
436 )の文書による同意を得るものとする。
437
438 この場合においては,
439
440 当該同意に関する記録及び同意者と当該被験者の関係を示す記録を残さなければならない。
441
442
443 第三
444
445 被験者に対する説明事項
446 総括責任者等は,
447 第二の同意を得るに当たり次のすべての事項を被験者(第二の二に該当す
448
449 る場合にあっては,
450 代諾者)に対し十分な理解が得られるよう可能な限り平易な用語を用いて
451 説明しなければならない。
452
453
454
455
456 遺伝子治療臨床研究の目的,
457 意義及び方法
458
459
460
461 遺伝子治療臨床研究を実施する機関名
462
463
464
465 遺伝子治療臨床研究により予期される効果及び危険
466
467
468
469 他の治療法の有無,
470 内容並びに当該治療法により予期される効果及び危険
471
472
473
474 被験者が遺伝子治療臨床研究の実施に同意しない場合であっても何ら不利益を受けること
475 はないこと。
476
477
478
479
480
481 被験者が遺伝子治療臨床研究の実施に同意した場合であっても随時これを撤回できるこ
482 と。
483
484
485
486
487
488 個人情報保護に関し必要な事項
489
490
491
492 その他被験者の人権の保護に関し必要な事項
493
494 (以下略)
495 【参考資料2】
496 Y県立大学医学部「審査委員会規則」
497 第1条〜第7条
498 第8条
499
500 (略)
501
502 医学部長は,
503 被験者の死亡その他遺伝子治療臨床研究により重大な事態が生じたときは,
504
505
506 総括責任者に対し,
507 遺伝子治療臨床研究の中止又は変更その他必要な措置を命ずるものとする。
508
509
510 (以下略)
511 【参考資料3】
512 Y県立大学医学部「遺伝子情報保護規則」
513 第1条
514
515 本学部において,
516 遺伝子に係る情報であって,
517 匿名化されておらず個人を識別すること
518
519 ができるもの(以下「遺伝子情報」という。
520
521 )の取扱いについては,
522 この規則によるものとする。
523
524
525 第2条〜第5条
526 第6条
527
528 (略)
529
530 本学部の教職員は,
531 いかなる理由による場合であっても,
532 遺伝子情報を開示しないもの
533
534 とする。
535
536
537
538
539 前項の規定にかかわらず,
540 総括責任者は,
541 遺伝子検査又は診断を受けた者からの求めがある
542 場合には,
543 遺伝子治療の対象である疾病の原因となる遺伝子情報に限り,
544 本人に開示しなけれ
545 ばならない。
546
547
548
549 (以下略)
550
551 - 5 -
552
553 〔第2問〕(配点:100)
554 建設会社Aは,
555 B県C市内に所在するA所有地(以下「本件土地」という。
556
557 )において,
558 鉄筋コン
559 クリート造,
560 地上9階,
561 地下2階で,
562 住戸100戸のほか,
563 135台収容の地下駐車場を備えるマ
564 ンション(以下「本件建築物」という。
565
566 )の建築を計画した。
567
568 本件建築物は,
569 高さ30メートル,
570
571 地面積5988平方メートル,
572 建築面積3321平方メートル,
573 延べ面積2万1643平方メート
574 ルである。
575
576 本件土地は,
577 都市計画法上の第二種中高層住居専用地域に位置している。
578
579
580 Aは,
581 平成20年7月23日,
582 本件土地の周辺住民からの申出に基づき,
583 本件建築物の建築計画
584 に関する説明会を開催した。
585
586 本件土地の周辺住民で構成する「D地域の生活環境を守る会」は,
587
588 県建築主事E(C市には建築主事が置かれていない。
589
590 )に対し,
591 同年9月26日付け申入書をもって,
592
593 周辺住民とAとの協議が整うまで,
594 Aに対し,
595 本件建築物に係る建築計画について建築基準法第6
596 条第1項に基づく確認をしないこと,
597 また,
598 同計画については,
599 建築基準法等に違反している疑い
600 があり,
601 周辺住民の反対も強いので,
602 公聴会を開催することを求める申入れをした。
603
604
605 その後,
606 Aと周辺住民の間で何度か協議が行われたが,
607 話合いはまとまらなかった。
608
609 同年12月
610 12日,
611 Aは,
612 Eに対し,
613 建築基準法第6条第1項により建築確認の申請を行った。
614
615 Eは,
616 公聴会
617 を開催することなく,
618 Aに対し,
619 平成21年1月8日付けで建築確認(以下「本件確認」という。
620
621
622 をした。
623
624
625 本件土地の周辺住民であるF,
626 G,
627 H,
628 Iの4名(以下「Fら」という。
629
630 )は,
631 同年1月22日,
632
633 B県建築審査会に対し,
634 本件確認の取消しを求める審査請求をしたが,
635 同年4月8日,
636 B県建築審
637 査会は,
638 これを棄却する裁決を行った。
639
640
641 そこで,
642 Fらは,
643 訴訟の提起を決意し,
644 同年4月14日,
645 弁護士Jの事務所を訪問して,
646 同事務
647 所に所属する弁護士Kと面談した。
648
649 これを受けて,
650 同月下旬,
651 本件に関し,
652 弁護士Jと弁護士Kが
653 会議を行った。
654
655
656 【資料1
657
658 法律事務所の会議録】を読んだ上で,
659 弁護士Kの立場に立って,
660 弁護士Jの指示に応
661
662 じ,
663 設問に答えなさい。
664
665
666 なお,
667 本件土地等の位置関係は【資料2
668
669 説明図】に示してあり,
670 また,
671 建築基準法,
672 B県建築
673
674 安全条例,
675 B県中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(以下「本件紛争予防条
676 例」という。
677
678 )の抜粋は,
679 【資料3
680 〔設
681
682 関係法令】に掲げてあるので,
683 適宜参照しなさい。
684
685
686
687 問〕
688
689 1.Fらが本件建築物の建築を阻止するために考えられる法的手段(訴訟とそれに伴う仮の救済
690 措置)を挙げた上で,
691 それを用いる場合の行政事件訴訟法上の問題点を中心に論じなさい。
692
693
694 2.考え得る本件確認の違法事由について詳細に検討し,
695 当該違法事由の主張が認められ得るか
696 を論じなさい。
697
698 また,
699 原告Fがいかなる違法事由を主張できるかを論じなさい。
700
701
702
703 - 6 -
704
705 【資料1
706
707 法律事務所の会議録】
708
709 弁護士J:本日はFらの案件について基本的な処理方針を議論したいと思います。
710
711 Fらは,
712 本件建
713 築物が違法であると主張しているようですが,
714 その理由はどのようなものですか。
715
716
717 弁護士K:本件土地は,
718 幅員6メートルの道路(以下「本件道路」という。
719
720 )に約30メートルにわ
721 たって接しているのですが,
722 Fらは,
723 本件建築物のような大きなマンションを建築する場
724 合,
725 この程度の道路では道路幅が不十分だと主張しています。
726
727 また,
728 本件道路が公道に接
729 する部分にゲート施設として遮断機が設置されているため,
730 遮断機が下りた状態では車の
731 通行が不可能であり,
732 遮断機を上げた状態でも実際に車が通行できる道路幅は3メートル
733 弱しかないそうです。
734
735 さらに,
736 Aの説明では,
737 遮断機の横にインターホンが設置されてお
738 り,
739 非常時には遮断機の設置者であるL神社の事務所に連絡して遮断機を上げることがで
740 きるそうですが,
741 Fらは,
742 常に連絡が取れて遮断機を上げることができるか心配であると
743 話しています。
744
745 つまり,
746 火災時などに消防車等が進入することが困難で,
747 防災上問題があ
748 ると述べております。
749
750
751 弁護士J:どうして,
752 道路に遮断機が設置されているのですか。
753
754
755 弁護士K:本件道路は,
756 L神社の参道なのですが,
757 B県知事から幅員6メートルの道路として位置
758 指定を受けており,
759 いわゆる位置指定道路に当たるそうです。
760
761 L神社では,
762 参道への違法
763 駐車が後を絶たないことから,
764 本件道路が公道に接する部分に遮断機を設置しているとの
765 ことです。
766
767
768 弁護士J:なるほど,
769 位置指定道路ですか。
770
771 宅地造成等の際に,
772 新たに開発される敷地予定地が接
773 道義務を満たすようにするため,
774 位置の指定を受けた私道を建築基準法上の道路として扱
775 う制度ですね(建築基準法第42条第1項第5号)。
776
777 まず,
778 本件土地については,
779 幅員がど
780 れだけの道路に,
781 どれだけの長さが接していなければならないか調べてください。
782
783 その上
784 で,
785 本件道路との関係で,
786 本件建築物の建築に違法な点がないかを検討してください。
787
788
789 弁護士K:分かりました。
790
791 このほか,
792 本件建築物の地下駐車場出入口から約10メートルのところ
793 に,
794 市立図書館(以下「本件図書館」という。
795
796 )に設置されている児童室(以下「本件児童
797 室」という。
798
799 )の専用出入口があります。
800
801 Fらは,
802 地下駐車場の収容台数が135台とかな
803 り大規模なものなので,
804 本件児童室を利用する子供の安全性に問題がある,
805 と主張してい
806 ます。
807
808
809 弁護士J:本件児童室は一体どのようなものですか。
810
811
812 弁護士K:本件図書館内にあって,
813 児童関係の図書を一箇所に集め,
814 一般の利用者とは別に閲覧場
815 所等を設けたもので,
816 児童用の座席が10人分程度用意されています。
817
818 本件児童室には,
819
820 本件図書館の出入口とは別に,
821 先ほど触れた専用出入口が設けられ,
822 専用出入口は午後5
823 時に閉鎖されますが,
824 本件図書館の他の部分とは内部の出入口でつながっており,
825 本件図
826 書館の利用者はだれでも自由に行き来できるようです。
827
828 本件児童室内には,
829 児童用のサン
830 ダルが置かれたトイレがあり,
831 また,
832 幼児の遊び場コーナーがあるなど,
833 児童の利用しや
834 すい設備が整っています。
835
836 本件図書館は,
837 総床面積3440平方メートル,
838 地下1階,
839
840 上4階ですが,
841 本件児童室は,
842 1階部分のうち約100平方メートルを占めています。
843
844
845 弁護士J:なるほど。
846
847 本件児童室との関係で,
848 本件建築物の建築に違法な点がないかを検討してく
849 ださい。
850
851 確認ですが,
852 本件建築物は,
853 容積率,
854 高さ,
855 建ぺい率の点では法令に合致してい
856 るのですね。
857
858
859 弁護士K:はい,
860 そのようです。
861
862
863 弁護士J:Fらの主張はそれだけですか。
864
865
866 弁護士K:Aは,
867 本件建築物の建築について一応説明会を開催したのですが,
868 情報の開示が不十分
869 で,
870 住民に質問の機会を与えず,
871 一方的に終了を宣言するなど,
872 形ばかりのものだったそ
873 うです。
874
875
876 - 7 -
877
878 弁護士J:そもそもAには説明会の開催義務があるのですか。
879
880
881 弁護士K:本件紛争予防条例には,
882 説明会の開催についての規定があり,
883 Fらは,
884 Aの行為は条例
885 違反に当たると主張しております。
886
887
888 弁護士J:そうですか。
889
890 本件において当該条例違反が認められるか,
891 仮に認められるとして,
892 それ
893 が本件確認との関係でどのような意味を持つのか,
894 それぞれについて検討してください。
895
896
897 弁護士K:分かりました。
898
899 最後になりますが,
900 Fらは,
901 本件確認を行う際には,
902 公聴会を開催する
903 必要があったにもかかわらず,
904 建築主事Eはこれを行っていない,
905 という点も強調してお
906 りました。
907
908
909 弁護士J:なるほど。
910
911 それでは,
912 以上のFらの主張について,
913 その当否も含めて検討しておいてく
914 ださい。
915
916
917 弁護士K:はい,
918 分かりました。
919
920
921 弁護士J:次に,
922 訴訟手段についてですが,
923 本件建築物の建築を阻止するためには,
924 どのような方
925 法が考えられるか検討してください。
926
927 建築基準法第9条第1項に基づく措置命令をめぐる
928 行政訴訟も考えられますが,
929 これについては後日議論することとして,
930 今回は検討の対象
931 から外してください。
932
933 また,
934 検査済証の交付を争っても建築の阻止には役立ちませんから,
935
936 これも除外してください。
937
938
939 弁護士K:了解しました。
940
941 それでは,
942 本件確認を争う手段を検討してみます。
943
944
945 弁護士J:本件確認が処分に当たることは疑いありませんし,
946 審査請求も既に行われています。
947
948
949 訴期間も現時点では問題ないようですね。
950
951 訴訟を提起するとして,
952 Fらは本件建築物とど
953 のような関係にあるのですか。
954
955
956 弁護士K:Fは,
957 本件土地から10メートルの地点にあるマンションの一室に居住しています。
958
959
960 は,
961 Fの居住するマンションの所有者ですが,
962 そこには住んでおりません。
963
964 したがって,
965
966 FとGは,
967 本件建築物から至近距離に居住するか,
968 建築物を所有しているといえます。
969
970
971 弁護士J:HとIはどうですか。
972
973
974 弁護士K:Hは,
975 小学2年生で,
976 本件児童室に毎週通っており,
977 Iはその父親です。
978
979 二人は,
980 本件
981 土地から500メートル離れたマンションに住んでいます。
982
983
984 弁護士J:そうですか。
985
986 全員が訴訟を提起する資格があるのか,
987 ここは今回の案件で特に重要だと
988 思いますので,
989 個別具体的に丁寧に検討してください。
990
991
992 弁護士K:はい,
993 分かりました。
994
995
996 弁護士J:訴訟を適法に提起できるとして,
997 自らの法律上の利益との関係で,
998 本案においていかな
999 る違法事由を主張できるのでしょうか。
1000
1001 まず,
1002 Fについて検討してみてください。
1003
1004
1005 弁護士K:分かりました。
1006
1007
1008 弁護士J:建築工事の進ちょく状況はどうですか。
1009
1010
1011 弁護士K:急ピッチで進められており,
1012 この調子でいくと,
1013 余り遠くない時期に完成に至りそうで
1014 す。
1015
1016
1017 弁護士J:Fらが望んでいるのは建築を阻止することですし,
1018 本件建築物が完成してしまうと訴訟
1019 手続上不利になる可能性もありますね。
1020
1021 本件建築物が完成した場合,
1022 どのような法的問題
1023 が生じるかを整理した上で,
1024 訴訟係属中の工事の進行を止めるための法的手段について,
1025
1026 それが認容される見込みがあるかどうかも含めて検討してください。
1027
1028
1029 弁護士K:そうですね。
1030
1031 よく調べてみます。
1032
1033
1034
1035 - 8 -
1036
1037 【資料2
1038
1039 説明図】
1040
1041
1042
1043
1044
1045 遮断機
1046
1047 6m
1048
1049 本件児童室
1050
1051 本件図書館
1052
1053 本件土地
1054 駐車場出入口
1055
1056 6m
1057
1058 本件道路
1059 6m
1060
1061 L神社
1062
1063 - 9 -
1064
1065 【資料3
1066
1067
1068 関係法令】
1069
1070 建築基準法(昭和25年5月24日法律第201号)(抜粋)
1071 (目的)
1072
1073 第1条
1074
1075 この法律は,
1076 建築物の敷地,
1077 構造,
1078 設備及び用途に関する最低の基準を定めて,
1079 国民の生
1080
1081 命,
1082 健康及び財産の保護を図り,
1083 もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
1084
1085
1086 (用語の定義)
1087 第2条
1088
1089 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は,
1090 それぞれ当該各号に定めるところによ
1091
1092 る。
1093
1094
1095 一〜九
1096
1097 (略)
1098
1099 九の二
1100
1101 耐火建築物
1102
1103
1104
1105 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
1106
1107
1108
1109 その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
1110
1111
1112
1113 (1)
1114
1115 耐火構造であること。
1116
1117
1118
1119 (2)
1120
1121 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては,
1122 (@)に掲げる性能に限る。
1123
1124 )に関し
1125
1126 て政令で定める技術的基準に適合するものであること。
1127
1128
1129 (@)
1130
1131 当該建築物の構造,
1132 建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災に
1133 よる火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
1134
1135
1136
1137 (A)
1138
1139 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで
1140 耐えること。
1141
1142
1143
1144
1145
1146 (略)
1147
1148 九の三〜三十五
1149
1150 (略)
1151
1152 (建築物の建築等に関する申請及び確認)
1153 第6条
1154
1155 建築主は,
1156 第1号から第3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(中略),
1157 これら
1158
1159 の建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第4号に掲げる建築物
1160 を建築しようとする場合においては,
1161 当該工事に着手する前に,
1162 その計画が建築基準関係規定(こ
1163 の法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。
1164
1165 )その他建
1166 築物の敷地,
1167 構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定
1168 めるものをいう。
1169
1170 以下同じ。
1171
1172 )に適合するものであることについて,
1173 確認の申請書を提出して建築
1174 主事の確認を受け,
1175 確認済証の交付を受けなければならない。
1176
1177 (以下略)
1178 一〜四
1179 2,
1180
1181
1182
1183 (略)
1184 (略)
1185
1186 建築主事は,
1187 第1項の申請書を受理した場合においては,
1188 同項第1号から第3号までに係るも
1189 のにあつてはその受理した日から35日以内に,
1190 同項第4号に係るものにあつてはその受理した
1191 日から7日以内に,
1192 申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し,
1193
1194 審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは,
1195 当該申請者に確認済
1196 証を交付しなければならない。
1197
1198
1199
1200 5〜15
1201
1202 (略)
1203
1204 (建築物に関する完了検査)
1205 第7条
1206
1207 建築主は,
1208 第6条第1項の規定による工事を完了したときは,
1209 国土交通省令で定めるとこ
1210
1211 ろにより,
1212 建築主事の検査を申請しなければならない。
1213
1214
1215 2,
1216
1217
1218
1219 (略)
1220
1221 建築主事が第1項の規定による申請を受理した場合においては,
1222 建築主事又はその委任を受け
1223 た当該市町村若しくは都道府県の職員(以下この章において「建築主事等」という。
1224
1225 )は,
1226 その申
1227 請を受理した日から7日以内に,
1228 当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合
1229 - 10 -
1230
1231 しているかどうかを検査しなければならない。
1232
1233
1234
1235
1236 建築主事等は,
1237 前項の規定による検査をした場合において,
1238 当該建築物及びその敷地が建築基
1239 準関係規定に適合していることを認めたときは,
1240 国土交通省令で定めるところにより,
1241 当該建築
1242 物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。
1243
1244
1245 (違反建築物に対する措置)
1246
1247 第9条
1248
1249 特定行政庁は,
1250 建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反
1251
1252 した建築物又は建築物の敷地については,
1253 当該建築物の建築主,
1254 当該建築物に関する工事の請負
1255 人(請負工事の下請人を含む。
1256
1257 )若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有
1258 者,
1259 管理者若しくは占有者に対して,
1260 当該工事の施工の停止を命じ,
1261 又は,
1262 相当の猶予期限を付
1263 けて,
1264 当該建築物の除却,
1265 移転,
1266 改築,
1267 増築,
1268 修繕,
1269 模様替,
1270 使用禁止,
1271 使用制限その他これら
1272 の規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
1273
1274
1275 2〜15
1276
1277 (略)
1278
1279 (大規模の建築物の主要構造部)
1280 第21条
1281
1282 高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超える建築物(その主要構造部(床,
1283
1284
1285 屋根及び階段を除く。
1286
1287 )の政令で定める部分の全部又は一部に木材,
1288 プラスチックその他の可燃材
1289 料を用いたものに限る。
1290
1291 )は,
1292 第2条第9号の2イに掲げる基準に適合するものとしなければなら
1293 ない。
1294
1295 ただし,
1296 構造方法,
1297 主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定
1298 める技術的基準に適合する建築物(政令で定める用途に供するものを除く。
1299
1300 )は,
1301 この限りでない。
1302
1303
1304
1305
1306 延べ面積が3000平方メートルを超える建築物(その主要構造部(床,
1307 屋根及び階段を除く。
1308
1309
1310 の前項の政令で定める部分の全部又は一部に木材,
1311 プラスチックその他の可燃材料を用いたもの
1312 に限る。
1313
1314 )は,
1315 第2条第9号の2イに掲げる基準に適合するものとしなければならない。
1316
1317
1318 (道路の定義)
1319
1320 第42条
1321
1322 この章の規定において「道路」とは,
1323 次の各号の一に該当する幅員4メートル(特定行
1324
1325 政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計
1326 画審議会の議を経て指定する区域内においては,
1327 6メートル。
1328
1329 次項及び第3項において同じ。
1330
1331 )以
1332 上のもの(地下におけるものを除く。
1333
1334 )をいう。
1335
1336
1337
1338
1339 道路法(昭和27年法律第180号)による道路
1340
1341 二〜四
1342
1343
1344 (略)
1345
1346 土地を建築物の敷地として利用するため,
1347 道路法(中略)によらないで築造する政令で定め
1348 る基準に適合する道で,
1349 これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けた
1350 もの
1351
1352 2〜6
1353
1354 (略)
1355
1356 (敷地等と道路との関係)
1357 第43条
1358 一,
1359
1360
1361
1362 建築物の敷地は,
1363 道路(中略)に2メートル以上接しなければならない。
1364
1365 (以下略)
1366 (略)
1367
1368 地方公共団体は,
1369 特殊建築物,
1370 階数が3以上である建築物,
1371 政令で定める窓その他の開口部を
1372 有しない居室を有する建築物又は延べ面積(中略)が1000平方メートルを超える建築物の敷
1373 地が接しなければならない道路の幅員,
1374 その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は
1375 建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により,
1376 前項の規定によ
1377 つては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては,
1378 条例で,
1379 必要な制
1380 限を付加することができる。
1381
1382
1383 (容積率)
1384
1385 第52条
1386
1387 建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。
1388
1389 )は,
1390 次の各号に掲
1391
1392 げる区分に従い,
1393 当該各号に定める数値以下でなければならない。
1394
1395 (以下略)
1396
1397
1398 (略)
1399 - 11 -
1400
1401
1402
1403 第一種中高層住居専用地域若しくは第二種中高層住居専用地域内の建築物又は第一種住居地
1404 域,
1405 第二種住居地域,
1406 準住居地域,
1407 近隣商業地域若しくは準工業地域内の建築物(中略)
1408
1409
1410
1411 0分の10,
1412 10分の15,
1413 10分の20,
1414 10分の30,
1415 10分の40又は10分の50の
1416 うち当該地域に関する都市計画において定められたもの
1417 三〜六
1418
1419 (略)
1420
1421 2〜15
1422
1423 (略)
1424
1425 (建築物の各部分の高さ)
1426 第56条
1427
1428 建築物の各部分の高さは,
1429 次に掲げるもの以下としなければならない。
1430
1431
1432
1433 一,
1434
1435
1436
1437 (略)
1438
1439 第一種低層住居専用地域若しくは第二種低層住居専用地域内又は第一種中高層住居専用地域
1440 若しくは第二種中高層住居専用地域(中略)内においては,
1441 当該部分から前面道路の反対側の
1442 境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離に1.25を乗じて得たものに,
1443 第一種低層
1444 住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあつては5メートルを,
1445 第一種中高層
1446 住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては10メートルを加えたもの
1447
1448 2〜7
1449
1450
1451 (略)
1452
1453 B県建築安全条例(昭和25年B県条例第11号)(抜粋)
1454 (趣旨)
1455
1456 第1条
1457
1458 建築基準法(以下「法」という。
1459
1460 )(中略)第43条第2項による建築物の敷地及び建築物
1461
1462 と道路との関係についての制限の付加(中略)については,
1463 この条例の定めるところによる。
1464
1465
1466 (建築物の敷地と道路との関係)
1467 第4条
1468
1469 延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合は,
1470 その延べ面積の合計とする。
1471
1472 )が1
1473
1474 000平方メートルを超える建築物の敷地は,
1475 その延べ面積に応じて,
1476 次の表に掲げる長さ以上
1477 道路に接しなければならない。
1478
1479
1480 延べ面積
1481
1482 長さ
1483
1484 1000平方メートルを超え,
1485 2000平方メートル以下のもの 6メートル
1486 2000平方メートルを超え,
1487 3000平方メートル以下のもの 8メートル
1488 3000平方メートルを超えるもの
1489
1490
1491 10メートル
1492
1493 延べ面積が3000平方メートルを超え,
1494 かつ,
1495 建築物の高さが15メートルを超える建築物
1496 の敷地に対する前項の規定の適用については,
1497 同項中「道路」とあるのは,
1498
1499 「幅員6メートル以上
1500 の道路」とする。
1501
1502
1503
1504
1505
1506 前二項の規定は,
1507 建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により知事が安全上支
1508 障がないと認める場合においては,
1509 適用しない。
1510
1511
1512 (敷地から道路への自動車の出入口)
1513
1514 第27条
1515
1516 自動車車庫等の用途に供する建築物の敷地には,
1517 自動車の出入口を次に掲げる道路のい
1518
1519 ずれかに面して設けてはならない。
1520
1521 ただし,
1522 交通の安全上支障がない場合は,
1523 第5号を除き,
1524
1525 の限りでない。
1526
1527
1528
1529
1530 道路の交差点若しくは曲がり角,
1531 横断歩道又は横断歩道橋(地下横断歩道を含む。
1532
1533 )の昇降口
1534 から5メートル以内の道路
1535 - 12 -
1536
1537
1538
1539 勾配が8分の1を超える道路
1540
1541
1542
1543 道路上に設ける電車停留場,
1544 安全地帯,
1545 橋詰め又は踏切から10メートル以内の道路
1546
1547
1548
1549 児童公園,
1550 小学校,
1551 幼稚園,
1552 盲学校,
1553 ろう学校,
1554 養護学校,
1555 児童福祉施設,
1556 老人ホームその
1557 他これらに類するものの出入口から20メートル以内の道路
1558
1559
1560
1561
1562 前各号に掲げるもののほか,
1563 知事が交通上支障があると認めて指定した道路
1564 B県中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和53年B県条例第64号)
1565
1566 (抜粋)
1567 (目的)
1568 第1条
1569
1570 この条例は,
1571 中高層建築物の建築に係る計画の事前公開並びに紛争のあつせん及び調停に
1572
1573 関し必要な事項を定めることにより,
1574 良好な近隣関係を保持し,
1575 もつて地域における健全な生活
1576 環境の維持及び向上に資することを目的とする。
1577
1578
1579 (定義)
1580 第2条
1581
1582 この条例において,
1583 次の各号に掲げる用語の意義は,
1584 それぞれ当該各号に定めるところに
1585
1586 よる。
1587
1588
1589
1590
1591 中高層建築物
1592
1593 高さが10メートルを超える建築物(第一種低層住居専用地域及び第二種低
1594
1595 層住居専用地域(都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に掲げる第一
1596 種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域をいう。
1597
1598 )にあつては,
1599 軒の高さが7メートル
1600 を超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物)をいう。
1601
1602
1603
1604
1605 紛争
1606
1607 中高層建築物の建築に伴つて生ずる日照,
1608 通風及び採光の阻害,
1609 風害,
1610 電波障害等並
1611
1612 びに工事中の騒音,
1613 振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣関係住民と建築主との
1614 間の紛争をいう。
1615
1616
1617
1618
1619 建築主
1620
1621 中高層建築物に関する工事の請負契約の注文者又は請負契約によらないで自らその
1622
1623 工事をする者をいう。
1624
1625
1626
1627
1628 近隣関係住民
1629
1630
1631 次のイ又はロに掲げる者をいう。
1632
1633
1634
1635 中高層建築物の敷地境界線からその高さの2倍の水平距離の範囲内にある土地又は建築物
1636 に関して権利を有する者及び当該範囲内に居住する者
1637
1638
1639
1640 中高層建築物による電波障害の影響を著しく受けると認められる者
1641
1642 (知事の責務)
1643 第3条
1644
1645 知事は,
1646 紛争を未然に防止するよう努めるとともに,
1647 紛争が生じたときは,
1648 迅速かつ適正
1649
1650 に調整するよう努めなければならない。
1651
1652
1653 (当事者の責務)
1654 第4条
1655
1656 建築主は,
1657 紛争を未然に防止するため,
1658 中高層建築物の建築を計画するに当たつては,
1659
1660
1661 辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに,
1662 良好な近隣関係を損なわないよう努めなけ
1663 ればならない。
1664
1665
1666
1667
1668 建築主及び近隣関係住民は,
1669 紛争が生じたときは,
1670 相互の立場を尊重し,
1671 互譲の精神をもつて,
1672
1673 自主的に解決するよう努めなければならない。
1674
1675
1676 (説明会の開催等)
1677
1678 第6条
1679
1680 建築主は,
1681 中高層建築物を建築しようとする場合において,
1682 近隣関係住民からの申出があ
1683
1684 つたときは,
1685 建築に係る計画の内容について,
1686 説明会等の方法により,
1687 近隣関係住民に説明しな
1688 ければならない。
1689
1690
1691
1692
1693 知事は,
1694 必要があると認めるときは,
1695 建築主に対し,
1696 前項の規定により行つた説明会等の内容
1697 について報告を求めることができる。
1698
1699
1700
1701 - 13 -
1702
1703