1 短答式試験問題集[公法系科目]
2
3 1
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:3)
7 適正手続の保障に関する次のアからエまでの各記述について,
8 最高裁判所の判例の要約として,
9
10 それぞれ正しい場合には1を,
11 誤っている場合には2を選びなさい。
12
13
14 (解答欄は,
15 アからエの順に[
16 1]から[bS])
17 ア. 刑事裁判において,
18 起訴された犯罪事実のほかに,
19 起訴されていない犯罪事実をいわゆる余
20 罪として認定し,
21 実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮し,
22 これに基づいて被告人を
23 重く処罰することは,
24 不告不理の原則に反し,
25 憲法第31条に違反する。
26
27 [bP]
28 イ. 憲法第31条の定める法定手続の保障は,
29 直接には刑事手続に関するものであるが,
30 行政手
31 続についても同条の保障が及ぶと解すべき場合があり,
32 その場合には行政処分の相手方に事前
33 の告知,
34 弁解,
35 防御の機会を与えることが必要である。
36
37 [bQ]
38 ウ. 憲法第35条は同法第33条の場合を除外しているから,
39 少なくとも現行犯の場合に関する
40 限り,
41 法律が司法官憲の発した令状によらずにその犯行の現場において捜索押収等をなし得べ
42 きことを規定したからといって,
43 憲法第35条違反の問題を生じる余地はない。
44
45 [bR]
46 エ. 法廷等の秩序維持に関する法律による制裁は従来の刑事的行政的処罰のいずれの範ちゅうに
47 も属しないところの,
48 同法によって設定された特殊の処罰であるが,
49 その制裁は,
50 通常の刑事
51 裁判に関して憲法が要求する諸手続の範囲内において,
52 これに準拠して科されるべきものであ
53 る。
54
55 [bS]
56 〔第2問〕(配点:2)
57 日本国憲法における「主権」の概念に関する次のアからエまでの各記述について,
58 誤っているも
59 の二つの組合せを,
60 後記1から6までの中から選びなさい。
61
62 (解答欄は,
63 [bT])
64 ア. 日本国憲法前文には「われらは,
65 いづれの国家も,
66 自国のことのみに専念して他国を無視し
67 てはならないのであつて,
68 政治道徳の法則は,
69 普遍的なものであり,
70 この法則に従ふことは,
71
72 自国の主権を維持し,
73 他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」とあるが,
74
75 ここにいう「主権」は「国家の統治権」を意味する。
76
77
78 イ. 国民主権の意義を,
79 国家が支配権力を行使する権威のより所(国家権力の正統性)が国民に
80 由来することと解する立場からすると,
81 国民主権の原理は,
82 国家権力の行使が全国民の名の下
83 で行われるべきことを意味するにとどまり,
84 実際に国家の意思決定に国民の意思が的確に反映
85 されるような仕組みを作ることまでは要請されない。
86
87
88 ウ. ポツダム宣言8項には「日本国ノ主権ハ本州,
89 北海道,
90 九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小
91 島ニ局限セラルベシ」とあるが,
92 ここにいう「主権」は日本国憲法第1条にいう「主権」の意
93 味とは異なる。
94
95
96 エ. 日本国憲法の国民主権原理が明治憲法の天皇主権の否定として表明されたものだという趣旨
97 からすると,
98 日本国憲法下において,
99 少なくとも天皇は国民ではないことは明らかである。
100
101
102 1. アとイ
103
104 2. アとウ
105
106 3. アとエ
107
108 4. イとウ
109
110 5. イとエ
111
112 6. ウとエ
113
114 〔第3問〕(配点:3)
115 私人間における人権保障に関する次のアからエまでの各記述について,
116 最高裁判所の判決の要約
117 として,
118 それぞれ正しい場合には1を,
119 誤っている場合には2を選びなさい。
120
121
122 (解答欄は,
123 アからエ
124 の順に[bU]から[bX])
125 ア. 企業者が特定の思想,
126 信条を有する者をそれゆえに雇い入れることを拒んでも違法ではない
127 のであるから,
128 企業者は入社試験の際に学生運動歴を秘匿していたことを理由に本採用を拒否
129 することもできる。
130
131 [bU]
132 2
133
134 イ. 女子を男子より5歳若く定年退職させることは,
135 企業経営の上で合理的であるが,
136 必要不可
137 欠とまでは言えないのであるから,
138 女子の定年を男子より低く定めた就業規則の規定は,
139 民法
140 第90条の規定により無効である。
141
142 [bV]
143 ウ. 労働組合による統制と組合員が市民又は人間として有する自由や権利とが矛盾衝突する場
144 合,
145 問題とされている具体的な組合活動の内容・性質,
146 これについて組合員に求められる協力
147 の内容・程度・態様等を比較考量して,
148 組合の統制力とその反面としての組合員の協力義務の
149 範囲に合理的な限定を加えるべきである。
150
151 [bW]
152 エ. 憲法の自由権的基本権の保障規定は,
153 私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用
154 されるものでなく,
155 私立大学には学生を規律する包括的権能が認められるが,
156 私立大学の当該
157 権能は,
158 在学関係設定の目的と関連し,
159 かつ,
160 その内容が社会通念に照らして合理的と認めら
161 れる範囲においてのみ是認される。
162
163 [bX]
164 〔第4問〕(配点:2)
165 憲法第27条の勤労の権利及び第28条の労働基本権に関する次のアからオまでの各記述につい
166 て,
167 最高裁判所の判例の要約として,
168 正しいもの三つの組合せを,
169 後記1から10までの中から選び
170 なさい。
171
172 (解答欄は,
173 [10])
174 ア. 憲法第27条の勤労の権利は,
175 これを直接根拠として行政庁に対してその実現を求め得る具
176 体的請求権であるとは解せないものの,
177 立法府が勤労の機会を実質的に確保するため最低限度
178 の立法をしないときには,
179 憲法第27条に基づいて,
180 立法不作為の違憲確認訴訟を提起できる。
181
182
183 イ. 労働組合の組合員に対する統制権は,
184 労働者の団結権保障の一環として,
185 憲法第28条の精
186 神に由来するものであるが,
187 労働組合が,
188 公職選挙における統一候補を決定し,
189 組合を挙げて
190 選挙運動を推進している場合であっても,
191 組合の方針に反して立候補した組合員を統制違反と
192 して処分することは,
193 労働組合の統制権の限界を超えるものとして,
194 違法といわなければなら
195 ない。
196
197
198 ウ. 労働組合への加入強制の方式の一つとして採用されているユニオン・ショップ協定のうち,
199
200 使用者とユニオン・ショップ協定を締結している組合(締結組合)以外の他の組合に加入して
201 いる者や,
202 締結組合から脱退・除名されたが他の組合に加入し又は新たな組合を結成した者に
203 ついて,
204 使用者の解雇義務を定める部分は,
205 労働者の組合選択の自由や他の組合の団結権を侵
206 害するものであり,
207 民法第90条の規定により無効と解すべきである。
208
209
210 エ. 憲法は,
211 勤労者の団体行動権を保障しているが,
212 勤労者の争議権の無制限な行使を許容する
213 ものではなく,
214 労働争議において使用者側の自由意思をはく奪し又は極度に抑圧し,
215 あるいは
216 その財産に対する支配を阻止し,
217 私有財産制度の基幹を揺るがすような行為をすることは許さ
218 れない。
219
220 いわゆる生産管理において,
221 労働者が,
222 権利者の意思を排除して企業経営の権能を行
223 うときは,
224 正当な争議行為とはいえない。
225
226
227 オ. 憲法第28条の趣旨からすると,
228 正当な争議行為については,
229 刑事責任を問われず,
230 また,
231
232 民事上の債務不履行ないし不法行為責任を免除されると解され,
233 ストライキを行った場合,
234 そ
235 れが正当な争議行為であると認定されれば,
236 当該ストライキ期間中の賃金についても使用者側
237 に請求することができる。
238
239
240 1. ア
241
242 イ
243
244 ウ
245
246 2. ア
247
248 イ
249
250 エ
251
252 3. ア
253
254 イ
255
256 オ
257
258 4. ア
259
260 ウ
261
262 エ
263
264 5. ア
265
266 ウ
267
268 オ
269
270 6. ア
271
272 エ
273
274 オ
275
276 7. イ
277
278 ウ
279
280 エ
281
282 8. イ
283
284 ウ
285
286 オ
287
288 9. イ
289
290 エ
291
292 オ
293
294 10. ウ
295
296 エ
297
298 オ
299
300 3
301
302 〔第5問〕(配点:3)
303 「知る権利」に関する次の文章を読み,
304 後記1から3までの小問に答えなさい。
305
306
307 「知る権利」という概念は様々な意味で用いられている。
308
309 まず,
310 最高裁判所は,
311 (a)事実の報
312 道の自由が憲法第21条の保障の下にあると述べるにあたり,
313 報道機関の報道が国民の「知る権
314 利」に奉仕することを指摘している。
315
316 また,
317
318 「知る権利」は,
319 情報を受領する権利を指して用いら
320 れることがあるが,
321 最高裁判所の判決は,
322 閲読の自由ないし情報摂取の自由が(b)ことを認めて
323 いる。
324
325 さらに,
326 最近では,
327
328 「知る権利」が政府に対して情報の開示を求める権利を指して用いられ
329 ることが多い。
330
331
332 なお,
333 マス・メディアに対するアクセス権が,
334 マス・メディアに対する「知る権利」と言われ
335 ることがある。
336
337 しかし,
338 アクセス権は,
339
340 「知る権利」というよりは,
341 市民がマス・メディアを利用
342 して表現行為を行う権利である。
343
344 (c)このアクセス権に対しては様々な批判があり,
345 権利として
346 一般的に承認されてはいない。
347
348
349 〈小問1〉
350
351 下線部(a)のように述べている最高裁判所の判決を次の1から3までの中から選びな
352
353 さい。
354
355 (解答欄は,
356 [11])
357 1. 新聞による公職候補者の前科の公表が名誉毀損罪に当たるか否かが争われた事例についての
358 判決
359 2. 公職候補者を厳しく批判する雑誌の刊行,
360 販売,
361 配布等を差し止める仮処分が争われた事例
362 についての判決
363 3. 取材フィルムの提出命令が取材の自由を侵害するとして争われた事例についての判決
364 〈小問2〉
365
366 (b)に入るものとして適切なものを次の1から3までの中から選びなさい。
367
368 (解答欄
369
370 は,
371 [12])
372 1. 表現の自由を保障した憲法第21条第1項によって保障される
373 2. 表現の自由を保障した憲法第21条第1項の規定の趣旨,
374 目的から,
375 いわばその派生原理と
376 して当然に導かれる
377 3. 表現の自由を保障した憲法第21条第1項の精神に照らして十分尊重に値する
378 〈小問3〉
379
380 下線部(c)のいうところのアクセス権に対する批判として明らかに適切でないもの
381
382 を,
383 次の1から3までの中から選びなさい。
384
385 (解答欄は,
386 [13])
387 1. アクセス権は,
388 私人であるマス・メディアの作為(意見広告の掲載や反論文の掲載等)を求
389 めるものであるので,
390 国家からの自由であるという表現の自由とは根本的に性格が異なる。
391
392
393 2. マス・メディアによる報道において批判された者に当該メディアを用いて無料で反論するこ
394 とを認めることは,
395 マス・メディアの側の報道を萎縮させ,
396 批判的な報道がされなくなるおそ
397 れがある。
398
399
400 3. 周波数が有限であることから,
401 放送局に対して公平な放送をするように要求することが憲法
402 上認められるので,
403 新聞によって批判された者の当該新聞に対する反論文掲載請求権はともか
404 く,
405 放送局に対する同様の反論放送請求権を認めることはできない。
406
407
408
409 4
410
411 〔第6問〕(配点:2)
412 内閣は,
413 A国との間で,
414 相手国から引渡請求を受けた犯罪人を相互に引き渡す義務を課す犯罪人
415 引渡条約を締結した。
416
417 ところが,
418 内閣が事後にその承認を国会に求めたところ,
419 国会は,
420 引渡義務
421 の対象から自国民が除外されていないことを理由に,
422 引渡義務の対象から自国民を除外するとの条
423 項を付して,
424 その犯罪人引渡条約を承認するとの議決をした。
425
426 このような事態に関する次のアから
427 カまでの各記述について,
428 明らかに誤っているもの二つの組合せを,
429 後記1から9までの中から選
430 びなさい。
431
432 (解答欄は,
433 [14])
434 ア. 国会の条約承認手続において両院協議会の手続が認められていることからして,
435 犯罪人引渡
436 条約に新たな条項を付する決議は,
437 国会に認められた権限である。
438
439
440 イ. 条約の締結に際して,
441 内閣が事前に国会の承認を受けることは条約の成立要件であるから,
442
443 この犯罪人引渡条約は,
444 新たな条項の有無にかかわらず国内法上効力が認められない。
445
446
447 ウ. 新たな条項を付して承認するとの国会の議決は,
448 内閣に対し,
449 新たな条項を含んだ条約の締
450 結交渉を政治的責務として課すことになる。
451
452
453 エ. 条約の内容を確定するのは,
454 内閣の職務に属することであるから,
455 国会が行うことができる
456 のは承認か不承認に限られ,
457 国会は犯罪人引渡条約に新たな条項を加えることは認められてい
458 ない。
459
460
461 オ. 条約に国会の承認が必要なのは今日の民主国家には共通のことであり,
462 内閣案のとおりに国
463 会の承認を受けることができなかった犯罪人引渡条約は,
464 結局は不承認を意味することになる
465 から国内法としては無効と考えざるを得ない。
466
467
468 カ. 条約は国会の議決を必要とする一種の法律であるから,
469 後法優先の原則により,
470 新たな条項
471 の付された条約は国内法として効力を持つことになる。
472
473
474 1. アとウ
475
476 2. イとエ
477
478 3. ウとオ
479
480 7. ウとカ
481
482 8. アとオ
483
484 9. イとカ
485
486 4. エとカ
487
488 5
489
490 5. アとエ
491
492 6. イとオ
493
494 〔第7問〕(配点:3)
495 次の文章は,
496 職業選択の自由を規制する法令の合憲性判断基準に関するものである。
497
498 AからDま
499 での空欄に,
500 後記1から6までの中から適切なものを補充して,
501 文章を完成させなさい。
502
503
504 (解答欄は,
505
506 AからDの順に[15]から[18])
507 最高裁判所は,
508 職業選択の自由を規制する法令の合憲性に関して,
509 [A][15]の判決におい
510 て,
511 積極的な社会経済政策を実施するための法的規制措置については,
512 立法府がその裁量権を逸
513 脱し,
514 当該法的規制措置が著しく不合理であることが明白な場合に限って,
515 これを違憲として,
516
517 その効力を否定することができる旨判示した。
518
519 その後,
520 [B][16]の判決では,
521 職業の許可制
522 について合憲性を肯定し得るためには,
523 原則として,
524 重要な公共の利益のために必要かつ合理的
525 な措置であることを要し,
526 それが自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するた
527 めの消極的,
528 警察的措置である場合には,
529 許可制に比べて職業の自由に対するより緩やかな制限
530 である職業活動の内容及び態様に対する規制によっては,
531 その目的を十分に達成することができ
532 ないと認められることを要する旨判示した。
533
534
535 これらを受けて,
536 職業選択の自由を規制する法令の合憲性審査基準に関して,
537 判例はいわゆる
538 「目的二分論」に立っていると理解した上で,
539 これを基本的に支持する見解がある一方で,
540 規制
541 目的と合憲性審査基準を対応させることについて批判的な見解もある。
542
543 このような中,
544 最高裁判
545 所は,
546 平成元年に,
547 [C][17]において,
548 ある小法廷が,
549 [A][15]の判決と同様の合憲性
550 審査基準を述べた上で,
551 当該規制は違憲とすべき場合に当たらない旨判示したのに対して,
552 別の
553 小法廷は,
554 そのような審査基準を述べることなく当該規定の合憲性を肯定して,
555 判断手法が分か
556 れた。
557
558 しかし,
559 平成5年の[D]
560 [18]についての判決では,
561 その規制目的に言及した上で,
562
563 [A]
564 [15]の判決を引用して,
565 当該規制は,
566 その目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまるも
567 のであって,
568 これが著しく不合理であることが明白であるとは認め難く,
569 憲法第22条第1項に
570 違反するということはできない旨判示した。
571
572
573 1. 薬局設置場所が配置の適正を欠くと認められることを都道府県知事による開設不許可事由と
574 した薬事法の規定の合憲性が争われた事案
575 2. たばこ事業法,
576 同法施行規則及びこれを受けた大蔵大臣依命通達による製造たばこの小売販
577 売業に対する適正配置規制の合憲性が争われた事案
578 3. 公衆浴場設置場所が配置の適正を欠くと認められることを都道府県知事による経営不許可事
579 由とした公衆浴場法の規定の合憲性が争われた事案
580 4. 酒類の販売業を税務署長の免許制とし,
581 その要件を定めている酒税法の規定の合憲性が争わ
582 れた事案
583 5. 都道府県知事の許可なく小売市場を開設することを禁じた小売商業調整特別措置法の規定の
584 合憲性が争われた事案
585 6. 司法書士及び公共嘱託登記司法書士協会以外の者が他人の嘱託を受けて登記に関する手続の
586 代理業務等を行うことを禁じた司法書士法の規定の合憲性が争われた事案
587
588 6
589
590 〔第8問〕(配点:2)
591 財政制度に関する次のアからエまでの各記述について,
592 明らかに誤っているもの二つの組合せを,
593
594 後記1から6までの中から選びなさい。
595
596 (解答欄は,
597 [19])
598 ア. 日本国憲法は,
599 租税法律主義の例外を設けていないため,
600
601 「条約中に関税について特別の規定
602 があるときは,
603 当該規定による」と定める関税法第3条ただし書の合憲性が問題となり得るが,
604
605 憲法第84条にいう「法律の定める条件による」場合に該当するものとして,
606 憲法違反ではな
607 いと解される。
608
609
610 イ. 日本国憲法は,
611 予備費の制度を設け,
612 事前に国会の議決を経るとともに,
613 具体的な支出につ
614 いては,
615 事後的に国会の承諾を得ることを必要としている。
616
617 そして,
618 国会の承諾が得られない
619 場合には,
620 既に締結された契約は直ちに無効とはされないものの,
621 当該契約を解除する正当な
622 事由があるものと解される。
623
624
625 ウ. 日本国憲法においては,
626 予算発案権は内閣に専属する。
627
628 しかし,
629 憲法第83条の趣旨からし
630 て,
631 国会は,
632 提出された予算案につき,
633 減額修正,
634 増額修正のいずれもなし得ると解されてお
635 り,
636 国会法や財政法には,
637 増額修正を想定した規定が置かれている。
638
639
640 エ. 日本国憲法には,
641 予算と法律が不一致の場合に関する規定は設けられていない。
642
643 年度途中に
644 予算に計上されていない経費を要する法律が成立した場合,
645 内閣は,
646 補正予算,
647 経費流用,
648 予
649 備費などの予算措置を採るべき義務を負い,
650 当該法律の執行が緊急を要するときには,
651 事後に
652 国会の承認を経ることを条件に,
653 これらの予算措置のいずれであっても内閣の責任で選択して
654 執行することができる。
655
656
657 1. アとイ
658
659 2. アとウ
660
661 3. アとエ
662
663 4. イとウ
664
665 5. イとエ
666
667 6. ウとエ
668
669 〔第9問〕(配点:3)
670 投票価値の平等に関する次のアからエまでの各記述について,
671 最高裁判所の判例に照らして,
672 そ
673 れぞれ正しい場合には1を,
674 誤っている場合には2を選びなさい。
675
676
677 (解答欄は,
678 アからエの順に[
679 20]から[23])
680 ア. 議員定数をどのように配分するかは,
681 立法府である国会の権限に属する立法政策の問題であ
682 るが,
683 衆議院議員選挙において,
684 選挙区間の投票価値の格差により選挙人の選挙権の享有に極
685 端な不平等を生じさせるような場合には,
686 例外的に,
687 立法府の裁量の範囲を超えるものとして,
688
689 憲法違反となる。
690
691 [20]
692 イ. 衆議院議員選挙において,
693 選挙区間の投票価値の最大格差が3倍を超える場合には,
694 憲法の
695 要求する投票価値の平等に反する程度に至っているといえるが,
696 必ずしもそれだけでは,
697 当該
698 議員定数配分規定が憲法に違反しているということまではできない。
699
700 [21]
701 ウ. 参議院議員の選挙区選挙については,
702 地域代表の性質を有するという参議院の特殊性により,
703
704 投票価値の平等が直接的には要求されないと解されるから,
705 衆議院議員選挙の場合とは異なり,
706
707 選挙区間における投票価値の格差が5倍を超えるような場合であっても,
708 憲法違反とはならな
709 い。
710
711 [22]
712 エ. 議員定数配分規定が,
713 憲法の要求する投票価値の平等に反し,
714 違憲であると判断される場合,
715
716 そのことを理由として当該規定に基づく選挙全体を無効としても,
717 これによって直ちに違憲状
718 態が是正されるわけではなく,
719 かえって憲法の所期するところに適合しない結果を生ずるから,
720
721 行政事件訴訟法第31条の定める事情判決の制度を類推して,
722 議席を過小に配分された選挙区
723 の選挙のみを無効とすべきである。
724
725 [23]
726
727 7
728
729 〔第10問〕(配点:3)
730 憲法第9条に関する次のアからエまでの各記述について,
731 最高裁判所の判例の要約として,
732 それ
733 ぞれ正しい場合には1を,
734 誤っている場合には2を選びなさい。
735
736 (解答欄は,
737 アからエの順に[
738 24]から[27])
739 ア. 憲法第9条は,
740 我が国が主権国として持つ固有の自衛権を否定するものではなく,
741 憲法の平
742 和主義は決して無防備,
743 無抵抗を定めたものではない。
744
745 [24]
746 イ. 憲法第9条第2項がその保持を禁止した戦力とは,
747 我が国が主体となってこれに指揮権,
748 管
749 理権を行使し得る戦力をいうものであり,
750 外国の軍隊は,
751 たとえそれが我が国に駐留するとし
752 ても,
753 ここにいう戦力には該当しない。
754
755 [25]
756 ウ. 憲法第9条が侵略のための陸海空軍その他の戦力の保持を禁じていることは一見明白である
757 が,
758 自衛のための軍隊その他の戦力の保持を禁じているか否かに関して憲法第9条第2項は一
759 義的に明確な規定と解することはできない。
760
761 [26]
762 エ. 憲法第9条の宣明する国際平和主義,
763 戦争の放棄,
764 戦力の不保持などの国家の統治活動に対
765 する規範は,
766 私法的な価値秩序とは本来関係のない公法的な性格を有する規範であるから,
767 そ
768 れに反する私法上の行為の効力を一律に否定する作用を営むことはない。
769
770 [27]
771 〔第11問〕(配点:2)
772 思想・良心の自由に関する次のアからエまでの各記述について,
773 誤っているもの二つの組合せを,
774
775 後記1から6までの中から選びなさい。
776
777 (解答欄は,
778 [28])
779 ア. 憲法第19条の思想・良心の自由は,
780 人の内心における精神活動の自由を保障したものであ
781 り,
782 人の内心は何らかの形で外部に表明されない限りだれも知ることができないものであるか
783 ら,
784 その意味では,
785 思想・良心の自由の保障は絶対的なものである。
786
787
788 イ. 江戸時代の日本においてキリシタンであるか否かを告白させる目的で行われた「踏絵」は,
789
790 内心における宗教的信条の告白を強制するものであるが,
791 信教の自由を保障している日本国憲
792 法の下では,
793 このような事例に対して憲法第19条を適用する余地はない。
794
795
796 ウ. 最高裁判所の判例によれば,
797
798 「単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するに止まる程度」の
799 謝罪広告であれば,
800 これを新聞紙に掲載すべきことを命ずる判決は,
801 被告に屈辱的若しくは苦
802 役的労苦を科し,
803 又は被告の有する倫理的な意思,
804 良心の自由を侵害することを要求するもの
805 とは解されない。
806
807
808 エ. 憲法第19条は,
809 内心の告白を強制されないという意味では「沈黙の自由」を保障したもの
810 と解することができるから,
811
812 「自己に不利益な供述を強要されない」と規定する憲法第38条第
813 1項は,
814 憲法第19条との関係では一般法に対する特別法の関係にあると一般に解されている。
815
816
817 1. アとイ
818
819 2. アとウ
820
821 3. アとエ
822
823 4. イとウ
824
825 5. イとエ
826
827 6. ウとエ
828
829 〔第12問〕(配点:3)
830 内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからエまでの各記述について,
831 それぞれ正しい場合には1
832 を,
833 誤っている場合には2を選びなさい。
834
835 (解答欄は,
836 アからエの順に[29]から[32])
837 ア. 憲法は,
838 内閣総理大臣が欠けたときは,
839 内閣は総辞職をしなければならないと定めているが,
840
841 ここにいう「欠けた」とは,
842 死亡や国会議員たる資格の喪失などを意味し,
843 病気や一時的な生
844 死不明は含まない。
845
846 [29]
847 イ. 最高裁判所の判例によれば,
848 内閣総理大臣は,
849 少なくとも内閣の明示の意思に反しない限り,
850
851 行政各部に対し,
852 随時その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導,
853 助言等の指示を
854 与える権限を有する。
855
856 [30]
857 ウ. 閣議の決定は,
858 慣例上全員一致でなければならないとされているから,
859 一部の大臣が閣議の
860 決定に参加せず,
861 あくまでもその決定に反対であった場合には,
862 内閣は総辞職しなければなら
863
864 8
865
866 ない。
867
868 [31]
869 エ. 内閣総理大臣は,
870 内閣を代表して議案を国会に提出し,
871 国務を総理するほか,
872 外交関係につ
873 いて国会に報告することを職務とするが,
874 外交関係の処理と条約の締結は内閣が行うべき事務
875 である。
876
877 [32]
878 〔第13問〕(配点:2)
879 次のアからウまでの各記述について,
880 正しいものに○,
881 誤っているものに×を付した場合の組合
882 せを,
883 後記1から8までの中から選びなさい。
884
885 (解答欄は,
886 [33])
887 ア. 憲法第26条第2項前段は,
888 国民は,
889
890 「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」
891 と定めている。
892
893 この点,
894 親権者には教育の自由があるから,
895 親権者は,
896 その保護する子女に受
897 けさせる教育内容を決めることができ,
898 子女に学校教育法による普通教育の代わりに,
899 自ら自
900 由に定めた内容による9年間の教育を受けさせることによっても,
901 憲法第26条第2項前段の
902 義務を果たしたことになる。
903
904
905 イ. 憲法第27条第1項は,
906 勤労の義務を定めている。
907
908 憲法第18条は,
909
910 「犯罪に因る処罰の場合
911 を除いては,
912 その意に反する苦役に服させられない」と定めているから,
913 国は,
914 犯罪による処
915 罰の場合を除き,
916 国民に「苦役」に当たる労働を強制することはできないが,
917 苦役に当たらな
918 い程度のものであれば,
919 犯罪による処罰の場合以外であっても,
920 憲法第27条第1項を根拠と
921 して国民に勤労を強制することができる。
922
923
924 ウ. 憲法第30条は,
925 納税の義務を定めている。
926
927 同条は,
928 その主体について,
929
930 「国民は」と規定し
931 ているが,
932 この「国民」には内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人)も含まれ
933 る。
934
935 また,
936 法律をもってすれば,
937 日本国内に居住する外国人及び外国法人(内国法人以外の法
938 人)に対しても納税の義務を課すことができる。
939
940
941 1. ア○
942
943 イ○
944
945 ウ○
946
947 2. ア○
948
949 イ○
950
951 ウ×
952
953 3. ア○
954
955 イ×
956
957 ウ○
958
959 4. ア○
960
961 イ×
962
963 ウ×
964
965 5. ア×
966
967 イ○
968
969 ウ○
970
971 6. ア×
972
973 イ○
974
975 ウ×
976
977 7. ア×
978
979 イ×
980
981 ウ○
982
983 8. ア×
984
985 イ×
986
987 ウ×
988
989 〔第14問〕(配点:3)
990 憲法改正に関する次のアからエまでの各記述について,
991 それぞれ正しい場合には1を,
992 誤ってい
993 る場合には2を選びなさい。
994
995 (解答欄は,
996 アからエの順に[34]から[37])
997 ア. 国会が発議した憲法改正案は国民の承認を得なければならないが,
998 憲法上は,
999 必ず特別の国
1000 民投票が実施されなければならないわけではなく,
1001 例えば,
1002 参議院議員通常選挙の際に国民の
1003 投票を求めることも認められている。
1004
1005 [34]
1006 イ. 憲法第96条第1項は,
1007 憲法改正が成立するためには国民投票において「その過半数の賛成」
1008 を必要とするとしているが,
1009 憲法改正の重要性や硬性憲法であることを重視する場合には,
1010
1011 「そ
1012 の過半数の賛成」とは国民投票における有効投票の過半数を意味すると解すべきである。
1013
1014 [
1015 35]
1016 ウ. 憲法改正権が制度化された制憲権であるという理解からすれば,
1017 制憲権が万能である以上,
1018
1019 憲法改正には限界はなく,
1020 いかなる内容の改正もなし得るということになる。
1021
1022 [36]
1023 エ. ポツダム宣言の受諾によって主権の所在が天皇から国民に移ったという,
1024 いわゆる八月革命
1025 説は,
1026 憲法改正には限界があるという立場を採りつつ日本国憲法の制定を正当化しようとする
1027 ものである。
1028
1029 [37]
1030
1031 9
1032
1033 〔第15問〕(配点:2)
1034 地方公共団体において,
1035 日本国民である職員に限って管理職に昇任することができる措置を執る
1036 ことは,
1037 憲法第14条第1項に違反しないとした最高裁判所の判決(最高裁判所平成17年1月2
1038 6日大法廷判決,
1039 民集59巻1号128頁)に関する次のアからエまでの各記述について,
1040 正しい
1041 もの二つの組合せを,
1042 後記1から6までの中から選びなさい。
1043
1044 (解答欄は,
1045 [38])
1046 ア. この判決は,
1047 地方公共団体が,
1048 在留外国人を職員として採用する場合,
1049 その者について,
1050 ど
1051 のような昇任の条件を定めるかは当該地方公共団体の裁量にゆだねられるから,
1052 その判断に裁
1053 量権の逸脱・濫用がない限り,
1054 違法の問題を生じないとした。
1055
1056
1057 イ. この判決は,
1058 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する
1059 特例法に定める「特別永住者」の公務就任権を制限する場合について,
1060 一般の在留外国人とは
1061 異なる取扱いが求められると解する余地を否定した。
1062
1063
1064 ウ. 憲法が,
1065 在留外国人に対し一定の範囲で公務就任権を保障しているか否かについては争いが
1066 あるが,
1067 この判決は,
1068 これを否定する立場に立つことを明らかにしたものである。
1069
1070
1071 エ. この判決は,
1072 当該地方公共団体の管理職の中に,
1073 住民の権利義務を直接形成し,
1074 その範囲を
1075 確定するなどの公権力の行使に当たる行為を行い,
1076 若しくは普通地方公共団体の重要な施策に
1077 関する決定を行い,
1078 又はこれらに参画することを職務とするものが含まれていることを前提と
1079 している。
1080
1081
1082 1. アとイ
1083
1084 2. アとウ
1085
1086 3. アとエ
1087
1088 4. イとウ
1089
1090 5. イとエ
1091
1092 6. ウとエ
1093
1094 〔第16問〕(配点:3)
1095 天皇の権能に関する次の1から8までの各記述について,
1096 正しいと認められるものを二つ選びな
1097 さい。
1098
1099 (解答欄は,
1100 [39],
1101 [40]順不同)
1102 1. 天皇の国事行為について,
1103 それが内閣の助言に基づいてなされた場合には,
1104 天皇が責任を問
1105 われることはないが,
1106 天皇の発案に基づき内閣の承認を受けてなされた場合には,
1107 天皇が国事
1108 行為の責任を問われることがある。
1109
1110
1111 2. 天皇の権能は,
1112 一身に専属し,
1113 その国事に関する行為を他に委任することはできない。
1114
1115
1116 3. 天皇は,
1117 内閣の助言と承認が不当なものであると判断した場合でも,
1118 その助言と承認を拒む
1119 ことは一切認められていない。
1120
1121
1122 4. 天皇は,
1123 憲法で列挙された国事に関する行為以外であっても,
1124 国政に関する権能を行使する
1125 ことが認められている場合がある。
1126
1127
1128 5. 憲法が定める天皇の任命行為は,
1129 すべて内閣の助言と承認に基づいて行われる。
1130
1131
1132 6. 天皇に衆議院の解散権があるとしても,
1133 それが内閣の助言と承認によって行われる以上,
1134 国
1135 会が天皇の政治責任を追及することは認められない。
1136
1137
1138 7. 天皇による国会開会式の「おことば」を「儀式」に含めて理解する見解に立てば,
1139 その行為
1140 については内閣による助言と承認は要求されない。
1141
1142
1143 8. 天皇に代わって摂政が置かれる場合は,
1144 摂政が自らの名で国事に関する行為を行い,
1145 その責
1146 任は摂政に帰属する。
1147
1148
1149
1150 10
1151
1152 〔第17問〕(配点:2)
1153 国会議員の地位と権能に関する次のアからオまでの各記述について,
1154 誤っているもの二つの組合
1155 せを,
1156 後記1から10までの中から選びなさい。
1157
1158 (解答欄は,
1159 [41])
1160 ア. 比例代表選挙において選出された国会議員も全国民の代表であるが,
1161 国会法は,
1162 比例代表選
1163 出議員が,
1164 選出された選挙における他の名簿届出政党に所属する者になったときは退職者とな
1165 ると規定している。
1166
1167
1168 イ. 憲法第50条は,
1169 両議院の議員は「法律の定める場合を除いては」国会の会期中逮捕されな
1170 いと定めており,
1171 それを受けて,
1172 国会法は,
1173 議員が国会の会期中に逮捕され得る場合として,
1174
1175 院外における現行犯の場合とその院の許諾のある場合を挙げている。
1176
1177
1178 ウ. 憲法第51条は,
1179 国会議員が「議院で行った演説,
1180 討論又は表決について,
1181 院外で責任を問
1182 はれない」と定めているので,
1183 議員が所属する政党が,
1184 議員の院内での表決などを理由に除名
1185 処分を行うことは憲法上許されないが,
1186 政党の除名処分が司法審査の対象とならないため,
1187 実
1188 際にはそうした憲法第51条違反の除名処分に法的統制が及ばないことになっている。
1189
1190
1191 エ. 最高裁判所は,
1192 議員が院内での質疑等によって個人の名誉を低下させる発言をしたとしても,
1193
1194 国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような
1195 特別の事情がある場合に限り,
1196 国家賠償法第1条第1項にいう違法な行為があったとして国の
1197 損害賠償責任が認められると判示した。
1198
1199
1200 オ. 国会が国の唯一の立法機関である以上,
1201 議員は当然に法案をその所属する議院に提出するこ
1202 とができるが,
1203 この議員の法案提出につき一定の人数の賛同を得ていることを要求するなどし
1204 て制限を加えることは憲法上許されないのであって,
1205 実際,
1206 国会法には議員による法案提出を
1207 制限する規定はない。
1208
1209
1210 1. アとイ
1211
1212 2. アとウ
1213
1214 3. アとエ
1215
1216 4. アとオ
1217
1218 7. イとオ
1219
1220 8. ウとエ
1221
1222 9. ウとオ
1223
1224 10. エとオ
1225
1226 5. イとウ
1227
1228 6. イとエ
1229
1230 〔第18問〕(配点:3)
1231 次のアからエまでの各記述について,
1232 最高裁判所の判例の趣旨に照らし,
1233 それぞれ正しい場合に
1234 は1を,
1235 誤っている場合には2を選びなさい。
1236
1237 (解答欄は,
1238 アからエの順に[42]から[45])
1239 ア. 刑事事件の証人尋問の際に,
1240 傍聴人が証人の状態を認識することができないような遮へい措
1241 置を採っても,
1242 審理が公開されていることに変わりはないから,
1243 憲法第82条第1項及び第3
1244 7条第1項に違反しない。
1245
1246 [42]
1247 イ. 家庭裁判所は,
1248 遺産の分割に関する処分の審判において,
1249 その前提となる相続権,
1250 相続財産
1251 等の権利関係の存否を審理判断することはできず,
1252 争いのない権利関係を前提として遺産の分
1253 割を具体的に形成決定するなどの処分をなすのであるから,
1254 その審判を公開法廷において行わ
1255 なくとも,
1256 憲法第82条第1項に違反しない。
1257
1258 [43]
1259 ウ. 憲法第82条第1項は,
1260 裁判の公開を制度として保障することにより,
1261 国民に裁判を傍聴す
1262 る権利を認め,
1263 その一環として傍聴した内容についてメモを取る権利も保障したものというべ
1264 きであるから,
1265 裁判長は,
1266 特段の事情のない限り,
1267 傍聴人がメモを取ることを禁止してはなら
1268 ない。
1269
1270 [44]
1271 エ. 刑事事件の公判廷における写真撮影は,
1272 審判の秩序を乱し被告人その他訴訟関係人の正当な
1273 利益を不当に害する結果を生ずる恐れがあるため,
1274 最高裁判所規則により,
1275 裁判長の許可を得
1276 なければすることができないものと規定することは,
1277 憲法第21条に違反しない。
1278
1279 [45]
1280
1281 11
1282
1283 〔第19問〕(配点:2)
1284 憲法第17条及び国家賠償法に関する次のアからオまでの各記述について,
1285 明らかに誤っている
1286 もの二つの組合せを,
1287 後記1から10までの中から選びなさい。
1288
1289 (解答欄は,
1290 [46])
1291 ア. 憲法第17条にいう「不法行為」は,
1292 民法上の「不法行為」と同義であると解し,
1293 かつ,
1294 公
1295 権力の行使について損害賠償請求をするには民法以外の特別の法律が必要であるとの見解があ
1296 る。
1297
1298 この見解によれば,
1299 国家賠償法第1条を改正し,
1300 公務員に故意がある場合にのみ賠償請求
1301 権が発生すると定めた場合,
1302 当該改正は憲法違反であると解される。
1303
1304
1305 イ. 憲法第17条を受けて制定された国家賠償法第1条は,
1306 公務員の不法行為に基づく国又は公
1307 共団体の責任を定めている。
1308
1309 論理的には,
1310 この責任につき,
1311 国又は公共団体の自己責任である
1312 と解すると,
1313 公務員個人に対する賠償請求権は否定され,
1314 他方,
1315 代位責任であると解すると,
1316
1317 公務員個人に対する賠償請求権は否定されないということになる。
1318
1319
1320 ウ. 憲法第17条及び国家賠償法第1条にいう「公務員」には,
1321 国会議員も含まれると解され,
1322
1323 憲法第51条に定める国会議員の免責特権との関係が問題となる。
1324
1325 この点,
1326 国家賠償法第1条
1327 第1項の適用上,
1328 国会議員個々人ではなく,
1329 国会自体について,
1330 その組織的行為の評価を論ず
1331 れば足りると解する立場を採れば,
1332 憲法第51条は,
1333 国会の不法行為を理由とする国家賠償責
1334 任追及の法的障害とはならない。
1335
1336
1337 エ. 国会議員は,
1338 憲法を尊重し擁護する義務を負っているので,
1339 違憲の法律を制定してはならな
1340 いという行為規範の遵守義務が課されている。
1341
1342 したがって,
1343 国会において議決された法律が違
1344 憲であれば,
1345 立法過程における国会議員の立法活動の当否にかかわらず,
1346 当該立法行為は,
1347 国
1348 家賠償法第1条第1項の適用上も違法となるとするのが,
1349 最高裁判所の基本的な考え方である。
1350
1351
1352 オ. 憲法第17条は,
1353
1354 「国家無答責の原則」を否定する趣旨の規定であるが,
1355 国民に生じたあらゆ
1356 る損害を国が賠償することまで定めたものではない。
1357
1358 例えば,
1359 最高裁判所は,
1360 内閣等が物価安
1361 定という政策目標達成への対応を誤り原告らの郵便貯金を目減りさせたとしても,
1362 政府の政治
1363 的責任が問われるのは格別,
1364 法律上の義務違反ないし違法行為として国家賠償法上の損害賠償
1365 責任の問題は生じない旨判示した。
1366
1367
1368 1. アとイ
1369
1370 2. アとウ
1371
1372 3. アとエ
1373
1374 4. アとオ
1375
1376 7. イとオ
1377
1378 8. ウとエ
1379
1380 9. ウとオ
1381
1382 10. エとオ
1383
1384 12
1385
1386 5. イとウ
1387
1388 6. イとエ
1389
1390 〔第20問〕(配点:2)
1391 次のアからウまでの各記述について,
1392 正しいものに○,
1393 誤っているものに×を付した場合の組合
1394 せを,
1395 後記1から8までの中から選びなさい。
1396
1397 (解答欄は,
1398 [47])
1399 ア. 地方自治法は,
1400 地方公共団体として,
1401 普通地方公共団体と特別地方公共団体とを定めている。
1402
1403
1404 同法は,
1405 一時期,
1406 都の特別区について,
1407 その区長は特別区の議会が都知事の同意を得てこれを
1408 選任するものと定めていたところ,
1409 最高裁判所は,
1410 特別区は憲法上の地方公共団体には当たら
1411 ないものと解して,
1412 これを合憲としたが,
1413 現在の地方自治法では,
1414 都の特別区も,
1415 都道府県及
1416 び市町村と同じく普通地方公共団体とされており,
1417 その区長は選挙人の投票により選挙される。
1418
1419
1420 イ. 憲法第93条第1項は,
1421
1422 「地方公共団体には,
1423 法律の定めるところにより,
1424 その議事機関とし
1425 て議会を設置する」と規定している。
1426
1427 したがって,
1428 地方自治法で,
1429 小規模の普通地方公共団体
1430 について,
1431 条例で,
1432 議会を置かず,
1433 選挙権を有する者の総会を設けることができる旨を規定す
1434 ることは,
1435 憲法に違反する。
1436
1437
1438 ウ. 憲法が,
1439 基礎的な地方公共団体と包括的な地方公共団体からなる2段階構造を保障している
1440 か否かについては,
1441 議論がある。
1442
1443 これを肯定する立場は,
1444 憲法が,
1445 制定当時の地方制度,
1446 すな
1447 わち市町村と都道府県からなる地方制度を前提にして地方自治を保障したことを尊重するもの
1448 であるが,
1449 この立場からしても,
1450 都道府県より更に広域の道州のような自治組織を設けること
1451 は,
1452 必ずしも,
1453 憲法に違反すると解すべきことにはならない。
1454
1455
1456 1. ア○
1457
1458 イ○
1459
1460 ウ○
1461
1462 2. ア○
1463
1464 イ○
1465
1466 ウ×
1467
1468 3. ア○
1469
1470 イ×
1471
1472 ウ○
1473
1474 4. ア○
1475
1476 イ×
1477
1478 ウ×
1479
1480 5. ア×
1481
1482 イ○
1483
1484 ウ○
1485
1486 6. ア×
1487
1488 イ○
1489
1490 ウ×
1491
1492 7. ア×
1493
1494 イ×
1495
1496 ウ○
1497
1498 8. ア×
1499
1500 イ×
1501
1502 ウ×
1503
1504 〔第21問〕(配点:3)
1505 国家賠償法第1条に関する次のアからエまでの各記述について,
1506 最高裁判所の判例に照らし,
1507 そ
1508 れぞれ正しい場合には1を,
1509 誤っている場合には2を選びなさい。
1510
1511
1512 (解答欄は,
1513 アからエの順に[
1514 48]から[51])
1515 ア. 同一の地方公共団体に属する公務員による一連の職務行為の過程において他人に損害を生じ
1516 させる事態が発生した場合,
1517 一連の行為のうちのいずれかに過失による違法行為があったので
1518 なければ当該損害が生ずることはなかったと認められるときは,
1519 どの公務員のどのような違法
1520 行為によるものかが特定されなくても,
1521 当該地方公共団体は,
1522 その不特定を理由として損害賠
1523 償責任を免れることができない。
1524
1525 [48]
1526 イ. 裁判官による争訟の裁判については,
1527 当該裁判官に事実認定や法律解釈の誤りがあったとし
1528 ても,
1529 それは上訴等の訴訟法上の救済方法によって是正されるべきものであるから,
1530 国家賠償
1531 法第1条第1項にいう違法な行為に当たるものとして争うことができるのは,
1532 そのような訴訟
1533 法上の救済が及ばない瑕疵に限られる。
1534
1535 [49]
1536 ウ. 国家賠償法第1条の「その職務を行うについて」に該当するためには,
1537 少なくとも公務員が
1538 主観的に権限行使の意思をもってする場合であることを要するから,
1539 公務員が私利私欲を図る
1540 意図をもって職権を濫用し,
1541 その結果他人に損害を与えたとしても,
1542 当該公務員個人の損害賠
1543 償責任が生ずるにとどまり,
1544 国又は公共団体が賠償責任を負うことはない。
1545
1546 [50]
1547 エ. 宅地建物取引業法は,
1548 宅地建物取引業者の不正な行為により個々の取引関係者が被る損害の
1549 防止・救済を目的とするものではないから,
1550 当該業者に対する行政庁の監督処分権限の不行使
1551 が著しく不合理と認められる場合でも,
1552 当該権限の不行使は国家賠償法第1条第1項の適用上
1553 違法の評価を受けるものではない。
1554
1555 [51]
1556
1557 13
1558
1559 〔第22問〕(配点:2)
1560 最高裁判所平成2年12月13日第一小法廷判決(民集44巻9号1186頁・多摩川水害訴訟
1561 上告審判決)から引用する次の判示に照らし,
1562 後記アからウまでの各記述について正しいものに○,
1563
1564 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1565 後記1から8までの中から選びなさい。
1566
1567
1568 (解答欄は,
1569
1570 [52])
1571 「国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵とは,
1572 営造物が通常有すべき安全性
1573 を欠き,
1574 他人に危害を及ぼす危険性のある状態をいい,
1575 このような瑕疵の存在については,
1576 当該
1577 営造物の構造,
1578 用法,
1579 場所的環境及び利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的,
1580 個別的に判
1581 断すべきものである。
1582
1583 ところで,
1584 河川は,
1585 当初から通常有すべき安全性を有するものとして管理
1586 が開始されるものではなく,
1587 治水事業を経て,
1588 逐次その安全性を高めてゆくことが予定されてい
1589 るものであるから,
1590 河川が通常予測し,
1591 かつ,
1592 回避し得る水害を未然に防止するに足りる安全性
1593 を備えるに至っていないとしても,
1594 直ちに河川管理に瑕疵があるとすることはできず,
1595 河川の備
1596 えるべき安全性としては,
1597 一般に施行されてきた治水事業の過程における河川の改修,
1598 整備の段
1599 階に対応する安全性をもって足りるものとせざるを得ない。
1600
1601 そして,
1602 河川の管理についての瑕疵
1603 の有無は,
1604 過去に発生した水害の規模,
1605 発生の頻度,
1606 発生原因,
1607 被害の性質,
1608 降雨状況,
1609 流域の
1610 地形その他の自然的条件,
1611 土地の利用状況その他の社会的条件,
1612 改修を要する緊急性の有無及び
1613 その程度等諸般の事情を総合的に考慮し,
1614 河川管理における財政的,
1615 技術的及び社会的諸制約の
1616 もとでの同種・同規模の河川の管理の一般的水準及び社会通念に照らして是認し得る安全性を備
1617 えていると認められるかどうかを基準として判断すべきであると解するのが相当である」
1618 ア. 「現に改修中の河川については,
1619 河川管理の特質に由来する財政的・技術的・社会的諸制約
1620 のもとで一般に施行されてきた治水事業による河川の改修・整備の過程に対応する過渡的安全
1621 性で足りる」とする見解は,
1622 前記判示によって明確に否定されることとなった。
1623
1624
1625 イ. 「道路への落石を防止するための措置を講じるための費用が多額にのぼり予算措置に困却す
1626 ることがあっても,
1627 道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れ得ない」と
1628 する見解は,
1629 前記判示によって明確に否定されることとなった。
1630
1631
1632 ウ. 「河川法に基づく計画に従って改修・整備が完了した河川が備えるべき安全性とは,
1633 同計画
1634 に定める規模の洪水における流水の通常の作用から予測される災害の発生を防止するに足りる
1635 安全性である」とする見解は,
1636 前記判示によって明確に否定されることとなった。
1637
1638
1639 1. ア○
1640
1641 イ○
1642
1643 ウ○
1644
1645 2. ア○
1646
1647 イ○
1648
1649 ウ×
1650
1651 3. ア○
1652
1653 イ×
1654
1655 ウ○
1656
1657 4. ア○
1658
1659 イ×
1660
1661 ウ×
1662
1663 5. ア×
1664
1665 イ○
1666
1667 ウ○
1668
1669 6. ア×
1670
1671 イ○
1672
1673 ウ×
1674
1675 7. ア×
1676
1677 イ×
1678
1679 ウ○
1680
1681 8. ア×
1682
1683 イ×
1684
1685 ウ×
1686
1687 〔第23問〕(配点:3)
1688 行政権限の代理,
1689 委任,
1690 専決・代決に関する次の記述について,
1691 アからエまでの下線部の各記述
1692 につき,
1693 それぞれ正しい場合には1を,
1694 誤っている場合には2を選びなさい。
1695
1696
1697 (解答欄は,
1698 アからエ
1699 の順に[53]から[56])
1700 本来の行政庁とは異なる行政機関が権限を行使することが認められる形態として,
1701 行政組織法
1702 上,
1703 代理,
1704 委任,
1705 専決・代決があると考えられている。
1706
1707
1708 まず,
1709 代理とは,
1710 本来の行政庁を代理する行政機関が,
1711 本来の行政庁を代理して権限を行使す
1712 ることを明らかにして権限を行使することを指す。
1713
1714 代理には,
1715 法定代理と委任代理とがあり,
1716 法
1717 定代理とは,
1718 行政庁が欠けたとき又は事故があったときに,
1719 法律の定めるところに従い,
1720 他の行
1721 政機関が本来の行政庁のすべての権限を代行することをいう。
1722
1723 そして,
1724 このような法定代理には,
1725
1726 本来の行政庁が予め指定しておいた機関が代理権をもつ場合(指定代理)と,
1727 法律の定める機関が
1728 代理権を当然に行使する場合(狭義の法定代理)とがある。
1729
1730 (ア)[53]
1731 これに対し,
1732 権限の委任とは,
1733 自己に与えられた権限の一部を他の機関に委任して行わせるこ
1734
1735 14
1736
1737 とをいう。
1738
1739 委任をした本来の行政庁が委任を受けた行政機関の直近上級行政庁であるときは,
1740 委
1741 任をした行政庁は委任を受けた行政機関に対する監督権を保持しているので,
1742 委任には法律上の
1743 根拠は不要であると解されている。
1744
1745 (イ)[54]また,
1746 このような場合,
1747 当該処分に対する不服
1748 申立てとしては,
1749 行政不服審査法第5条第1項第1号ただし書等の特別の場合を除き,
1750 委任をし
1751 た本来の行政庁に対する審査請求をすることになる。
1752
1753 (ウ)[55]
1754 権限の代理・委任に対し,
1755 行政庁が権限行使に関する事務の処理をその補助機関にゆだねるも
1756 のの,
1757 国民に対する関係では本来の行政庁の名において行われるものとすることがあり,
1758 これを
1759 専決・代決という。
1760
1761 (エ)[56]
1762 (参照条文)行政不服審査法
1763 第5条
1764 一
1765
1766 行政庁の処分についての審査請求は,
1767 次の場合にすることができる。
1768
1769
1770 処分庁に上級行政庁があるとき。
1771
1772 ただし,
1773 処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局
1774
1775 若しくはこれに置かれる庁の長であるときを除く。
1776
1777
1778 二
1779
1780 前号に該当しない場合であつて,
1781 法律(条例に基づく処分については,
1782 条例を含む。
1783
1784 )に審査
1785 請求をすることができる旨の定めがあるとき。
1786
1787
1788
1789 2
1790
1791 (略)
1792
1793 〔第24問〕(配点:3)
1794 行政機関の種別に関する次の記述について,
1795 アからエまでの下線部の各記述につき,
1796 それぞれ正
1797 しい場合には1を,
1798 誤っている場合には2を選びなさい。
1799
1800
1801 (解答欄は,
1802 アからエの順に[57]から
1803 [60])
1804 行政機関には,
1805 行政庁,
1806 諮問機関・参与機関,
1807 執行機関,
1808 補助機関等の区別があるとされる。
1809
1810
1811 まず,
1812 行政庁とは,
1813 行政主体の法律上の意思を決定し外部に表示する機関をいう。
1814
1815 行政処分等の
1816 権限を行使する行政庁として法律上規定されている例としては,
1817 内閣府や,
1818 法務省等の各省や,
1819
1820 東京都,
1821 北海道,
1822 京都府,
1823 沖縄県等の都道府県や,
1824 大阪市,
1825 横浜市等の市町村等がある。
1826
1827 (ア)[
1828 57]
1829 行政庁から諮問を受けて意見を具申する機関を諮問機関という。
1830
1831 参与機関と異なり,
1832 これらの
1833 機関の意見に行政庁は必ず従わなければならない訳ではない。
1834
1835 法制審議会等の各種審議会が諮問
1836 機関の例である。
1837
1838 これらの組織は,
1839 国家行政組織法上,
1840 審議会等として位置付けられ,
1841 同法にい
1842 う委員会とは区別されている。
1843
1844 (イ)[58]国家行政組織上の委員会の例としては,
1845 中央労働委
1846 員会,
1847 公害等調整委員会がある。
1848
1849
1850 行政目的を実現するために,
1851 代執行,
1852 直接強制,
1853 即時強制等の実力を行使する機関を執行機関
1854 という。
1855
1856 警察官,
1857 消防職員,
1858 自衛官,
1859 海上保安官等がこれに該当する。
1860
1861 (ウ)[59]
1862 また,
1863 学説上は,
1864 行政庁の事務や会計の処理を検査し,
1865 これらの処理が適正に行われているか
1866 を監査する機関のことを指して,
1867 監査機関と呼ぶ考え方もある。
1868
1869 国の機関の会計処理等を検査す
1870 る会計検査院,
1871 地方公共団体の財務に関する事務処理等を監査する監査委員等がこれに該当する。
1872
1873
1874 (エ)[60]
1875
1876 15
1877
1878 〔第25問〕(配点:2)
1879 行政上の法律関係における権利濫用禁止の原則,
1880 信義誠実の原則,
1881 信頼関係の法理等の一般的な
1882 法原理の適用に関する次のアからウまでの各記述について,
1883 最高裁判所の判例に照らして,
1884 正しい
1885 ものに○,
1886 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1887 後記1から8までの中から選びなさい。
1888
1889
1890 (解
1891 答欄は,
1892 [61])
1893 ア. 私人がその権利を濫用する場面には権利濫用禁止の原則が適用されるが,
1894 国又は地方公共団
1895 体の行為が問題となったケースについて,
1896 権利の濫用ないし行政権の濫用を理由として違法と
1897 認定されることはない。
1898
1899
1900 イ. 信義誠実の原則及び信頼保護の原則は行政上の法律関係にも適用される場合があるが,
1901 課税
1902 関係においては,
1903 租税法律主義の厳格な適用による納税者間の平等を犠牲にしてもなお納税者
1904 の信頼を保護しなければならない特別の事情がない場合には信頼保護の要請は劣後する。
1905
1906
1907 ウ. 公営住宅法及びこれに基づく条例の規定によれば,
1908 公営住宅の事業主体は,
1909 公営住宅の入居
1910 者を決定するに際しては入居者を選択する自由は認められていないと解されるので,
1911 入居後に
1912 おける入居者と事業主体との間の公営住宅の使用関係について,
1913 賃貸借契約関係における信頼
1914 関係の法理の適用はない。
1915
1916
1917 1. ア○
1918
1919 イ○
1920
1921 ウ○
1922
1923 2. ア○
1924
1925 イ○
1926
1927 ウ×
1928
1929 3. ア○
1930
1931 イ×
1932
1933 ウ○
1934
1935 4. ア○
1936
1937 イ×
1938
1939 ウ×
1940
1941 5. ア×
1942
1943 イ○
1944
1945 ウ○
1946
1947 6. ア×
1948
1949 イ○
1950
1951 ウ×
1952
1953 7. ア×
1954
1955 イ×
1956
1957 ウ○
1958
1959 8. ア×
1960
1961 イ×
1962
1963 ウ×
1964
1965 〔第26問〕(配点:3)
1966 通達の法的性質等に関する次のアからエまでの各記述について,
1967 それぞれ正しい場合には1を,
1968
1969 誤っている場合には2を選びなさい。
1970
1971 (解答欄は,
1972 アからエの順に[62]から[65])
1973 ア. 通達は上級機関が関係下級機関・職員に対してその職務権限の行使を指揮する等のために発
1974 するものであるから,
1975 当該職務権限の行使を規律する法令の中に通達を発することができる旨
1976 の規定がない場合には,
1977 上級機関はこれを発することはできない。
1978
1979 [62]
1980 イ. 裁判所は,
1981 法令の解釈適用に際しては,
1982 通達に示された法令の解釈に拘束されない。
1983
1984
1985 [63]
1986 ウ. 事務処理の全国的な統一のために発せられた通達に反する措置を税務署長が行った場合,
1987 そ
1988 の措置は,
1989 他の税務署長が通達に準拠して行った措置との関係において,
1990 平等原則違反を理由
1991 に違法と判断される余地がある。
1992
1993 [64]
1994 エ. 複数の行政機関が同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政
1995 指導を行う場合に,
1996 これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を上級機関の通達に
1997 より定めることは許される。
1998
1999 [65]
2000 〔第27問〕(配点:2)
2001 水道事業者による給水拒否に関する次のアからウまでの各記述について,
2002 最高裁判所の判例に照
2003 らし,
2004 正しいものに○,
2005 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2006 後記1から8までの中から
2007 選びなさい。
2008
2009 (解答欄は,
2010 [66])
2011 ア. 水道事業者である地方公共団体が,
2012 同地方公共団体が定めた建築指導要綱に基づく行政指導
2013 に従わないことを理由に,
2014 建築中のマンションにつき給水契約の締結を拒否した場合,
2015 それが,
2016
2017 当該建築指導要綱を順守させる目的によるときは,
2018 水道法第15条にいう「正当な理由」があ
2019 り,
2020 違法な拒否には当たらない。
2021
2022
2023 イ. 建築基準法に違反して建築確認を取得せずになされた増築部分について,
2024 水道事業者である
2025 地方公共団体の職員が給水装置新設工事の申込書を返戻した場合,
2026 その趣旨が,
2027 建築基準法違
2028 反の状態を是正して建築確認を受けた上で再度,
2029 当該工事の申込みをするよう一応の勧告をす
2030 るにとどまるものと認められるときであっても,
2031 それは申込みに対する違法な拒否に当たる。
2032
2033
2034
2035 16
2036
2037 ウ. 水道事業者である地方公共団体が,
2038 建築予定のマンションについての給水契約締結の申込み
2039 を拒否した場合,
2040 それが,
2041 専ら慢性的な水不足の状況の下で水道水の需要の増加を抑制する目
2042 的によるときは,
2043 水道法第15条にいう「正当な理由」がないため,
2044 違法な拒否に当たる。
2045
2046
2047 (参照条文)水道法
2048 第15条第1項
2049
2050 水道事業者は,
2051 事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受
2052
2053 けたときは,
2054 正当な理由がなければ,
2055 これを拒んではならない。
2056
2057
2058 1. ア○
2059
2060 イ○
2061
2062 ウ○
2063
2064 2. ア○
2065
2066 イ○
2067
2068 ウ×
2069
2070 3. ア○
2071
2072 イ×
2073
2074 ウ○
2075
2076 4. ア○
2077
2078 イ×
2079
2080 ウ×
2081
2082 5. ア×
2083
2084 イ○
2085
2086 ウ○
2087
2088 6. ア×
2089
2090 イ○
2091
2092 ウ×
2093
2094 7. ア×
2095
2096 イ×
2097
2098 ウ○
2099
2100 8. ア×
2101
2102 イ×
2103
2104 ウ×
2105
2106 〔第28問〕(配点:2)
2107 行政手続法における利害関係人の取扱いに関する次のアからウまでの各記述について,
2108 正しいも
2109 のに○,
2110 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2111 後記1から8までの中から選びなさい。
2112
2113
2114 (解
2115 答欄は,
2116 [67])
2117 ア. 行政庁は,
2118 聴聞を行うに当たっては,
2119 不利益処分の名あて人となるべき者に対し聴聞の通知
2120 をすれば足り,
2121 それ以外に,
2122 当該不利益処分につき利害関係を有する者に対して聴聞の通知を
2123 する必要はない。
2124
2125
2126 イ. 行政庁は,
2127 申請により求められた許認可等の処分をする場合には,
2128 それにより不利益を受け
2129 る者がいるときは,
2130 その者に対し,
2131 当該処分の理由を示さなければならない。
2132
2133
2134 ウ. 行政庁は,
2135 申請に対する処分であって,
2136 申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令
2137 において許認可等の要件とされているものを行う場合には,
2138 必要に応じ,
2139 公聴会の開催その他
2140 の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならな
2141 い。
2142
2143
2144 1. ア○
2145
2146 イ○
2147
2148 ウ○
2149
2150 2. ア○
2151
2152 イ○
2153
2154 ウ×
2155
2156 3. ア○
2157
2158 イ×
2159
2160 ウ○
2161
2162 4. ア○
2163
2164 イ×
2165
2166 ウ×
2167
2168 5. ア×
2169
2170 イ○
2171
2172 ウ○
2173
2174 6. ア×
2175
2176 イ○
2177
2178 ウ×
2179
2180 7. ア×
2181
2182 イ×
2183
2184 ウ○
2185
2186 8. ア×
2187
2188 イ×
2189
2190 ウ×
2191
2192 〔第29問〕(配点:3)
2193 行政庁の裁量に関する次のアからエまでの各記述について,
2194 それぞれ正しい場合には1を,
2195 誤っ
2196 ている場合には2を選びなさい。
2197
2198 (解答欄は,
2199 アからエの順に[68]から[71])
2200 ア. 法律の条文において,
2201 行政処分をすることが「できる」と規定されている場合,
2202 当該条文上
2203 の要件が満たされているときに,
2204 当該処分をするかしないかの裁量を行政庁に認める趣旨であ
2205 るとは限らない。
2206
2207 [68]
2208 イ. 行政庁が裁量権を行使して行った処分については,
2209 当不当の問題が生じるだけであるから,
2210
2211 裁判所の審査が及ぶことはない。
2212
2213 [69]
2214 ウ. 行政庁が裁量の基準を設けている場合,
2215 その基準に従わないでした行政処分であっても,
2216 当
2217 然に違法ということにはならない。
2218
2219 [70]
2220 エ. 法律の条文上,
2221 行政庁において,
2222 数種類の不利益処分(一定の者に対して直接に義務を課し
2223 又はその権利を制限する処分)をすることができると規定されている場合,
2224 特定の者に対しど
2225 の処分を行うかについて,
2226 行政庁に裁量が認められることがある。
2227
2228 [71]
2229
2230 17
2231
2232 〔第30問〕(配点:3)
2233 行政指導に関する次のアからエまでの各記述について,
2234 それぞれ正しい場合には1を,
2235 誤ってい
2236 る場合には2を選びなさい。
2237
2238 (解答欄は,
2239 アからエの順に[72]から[75])
2240 ア. 行政指導は,
2241 相手の任意の協力を求める行為であるから,
2242 行政指導に関して国家賠償法第1
2243 条による損害賠償責任が発生することはない。
2244
2245 [72]
2246 イ. 法令上「指導」,
2247 「勧告」又は「助言」という文言が使われた場合,
2248 その行為は,
2249 取消訴訟の
2250 対象たる「処分その他公権力の行使に当たる行為」には当たらない。
2251
2252 [73]
2253 ウ. 行政手続法の行政指導に関する規定は,
2254 国の行政機関が行う行政指導に適用されるものであ
2255 って,
2256 地方公共団体の機関が行う行政指導への適用はない。
2257
2258 [74]
2259 エ. 行政手続法の行政指導に関する規定は,
2260 法令上に根拠規定のある行政指導にのみ適用される。
2261
2262
2263 [75]
2264 〔第31問〕(配点:2)
2265 次のアからウまでの各記述について,
2266 法令及び最高裁判所の判例に照らし,
2267 正しいものに○,
2268 誤
2269 っているものに×を付した場合の組合せを,
2270 後記1から8までの中から選びなさい。
2271
2272
2273 (解答欄は,
2274
2275 [
2276 76])
2277 ア. 国税犯則取締法第3条第1項は,
2278 憲法第33条の場合を除外して住居,
2279 書類及び所持品につ
2280 き侵入,
2281 捜索及び押収を受けることのない権利を保障する憲法第35条に違反するものではな
2282 い。
2283
2284
2285 (参照条文)国税犯則取締法
2286 第2条
2287
2288 収税官吏ハ犯則事件ヲ調査スル為必要アルトキハ其ノ所属官署ノ所在地ヲ管轄スル地
2289
2290 方裁判所又ハ簡易裁判所ノ裁判官ノ許可ヲ得テ臨検,
2291 捜索又ハ差押ヲ為スコトヲ得
2292 A
2293
2294 前項ノ場合ニ於テ急速ヲ要スルトキハ収税官吏ハ臨検スヘキ場所,
2295 捜索スヘキ身体若ハ物
2296 件又ハ差押ヲ為スヘキ物件ノ所在地ヲ管轄スル地方裁判所又ハ簡易裁判所ノ裁判官ノ許可ヲ
2297 得テ前項ノ処分ヲ為スコトヲ得
2298
2299 BからDまで
2300 第3条
2301
2302 (略)
2303
2304 間接国税ニ関シ現ニ犯則ヲ行ヒ又ハ現ニ犯則ヲ行ヒ終リタル際ニ発覚シタル事件ニ付
2305
2306 其ノ証憑ヲ集取スル為必要ニシテ且急速ヲ要シ前条第一項又ハ第二項ノ許可ヲ得ルコト能ハ
2307 サルトキハ其ノ犯則ノ現場ニ於テ収税官吏ハ同条第一項ノ処分ヲ為スコトヲ得
2308 A
2309
2310 (略)
2311
2312 イ. 警察官職務執行法第2条第1項の規定に基づく職務質問に付随して行う所持品検査は,
2313 任意
2314 手段として許容されるものであるから,
2315 所持人の承諾を得てその限度でしか行うことができな
2316 い。
2317
2318
2319 (参照条文)警察官職務執行法
2320 第2条第1項
2321
2322 警察官は,
2323 異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を
2324
2325 犯し,
2326 若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪
2327 について,
2328 若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を
2329 停止させて質問することができる。
2330
2331
2332 ウ. 所得税法第234条第1項の規定による質問や検査は,
2333 それにより過少申告の事実が明らか
2334 となり,
2335 所得ほ脱事実の発覚につながり得るものであるから,
2336 所得税の公平確実な賦課徴収の
2337 ために必要な資料の収集だけでなく,
2338 刑事責任の追及をも目的とする手続であり,
2339 自己に不利
2340 益な供述を強要されないことを保障する憲法第38条第1項に反する。
2341
2342
2343 (参照条文)所得税法
2344 第234条第1項
2345
2346 国税庁,
2347 国税局又は税務署の当該職員は,
2348 所得税に関する調査について必
2349
2350 要があるときは,
2351 次に掲げる者に質問し,
2352 又はその者の事業に関する帳簿書類(中略)その
2353
2354 18
2355
2356 他の物件を検査することができる。
2357
2358
2359 一から三まで
2360
2361 (略)
2362
2363 1. ア○
2364
2365 イ○
2366
2367 ウ○
2368
2369 2. ア○
2370
2371 イ○
2372
2373 ウ×
2374
2375 3. ア○
2376
2377 イ×
2378
2379 ウ○
2380
2381 4. ア○
2382
2383 イ×
2384
2385 ウ×
2386
2387 5. ア×
2388
2389 イ○
2390
2391 ウ○
2392
2393 6. ア×
2394
2395 イ○
2396
2397 ウ×
2398
2399 7. ア×
2400
2401 イ×
2402
2403 ウ○
2404
2405 8. ア×
2406
2407 イ×
2408
2409 ウ×
2410
2411 〔第32問〕(配点:2)
2412 次の文章について,
2413 後記語句群アからカまでの中から適切な言葉を選択して空欄A,
2414 B,
2415 Cに入
2416 れて文章を完成させる場合の正しい組合せを,
2417 後記1から8までの中から選びなさい。
2418
2419
2420 (解答欄は,
2421
2422 [77])
2423 行政上の強制執行とは,
2424 行政上の義務の不履行に関して行政機関が行う,
2425
2426 【A】作用ないし手続
2427 をいう。
2428
2429 それは,
2430
2431 【B】である点において行政罰と区別され,
2432 また,
2433 義務の不履行を前提とするも
2434 のである点において,
2435 義務の不履行を前提とせずに行政上必要な状態を直接に実現するための強
2436 制手段である【C】と区別される。
2437
2438
2439 【語句群】
2440 空欄Aについて
2441 ア. 自ら義務者のすべき行為をし又は第三者にこれをさせ,
2442 義務の履行があったのと同一の状
2443 態を実現する
2444 イ. 強制的に義務を履行させ又は履行があったのと同一の状態を実現する
2445 空欄Bについて
2446 ウ. 予想される義務不履行に対する事前の対応手段
2447 エ. 将来に向けて一定の状態を実現するもの
2448 空欄Cについて
2449 オ. 即時強制
2450 カ. 直接強制
2451 1. Aア
2452
2453 Bウ
2454
2455 Cオ
2456
2457 2. Aア
2458
2459 Bウ
2460
2461 Cカ
2462
2463 3. Aア
2464
2465 Bエ
2466
2467 Cオ
2468
2469 4. Aア
2470
2471 Bエ
2472
2473 Cカ
2474
2475 5. Aイ
2476
2477 Bウ
2478
2479 Cオ
2480
2481 6. Aイ
2482
2483 Bウ
2484
2485 Cカ
2486
2487 7. Aイ
2488
2489 Bエ
2490
2491 Cオ
2492
2493 8. Aイ
2494
2495 Bエ
2496
2497 Cカ
2498
2499 〔第33問〕(配点:2)
2500 行政機関の保有する情報の公開に関する法律に関する次のアからウまでの各記述について,
2501 正し
2502 いものに○,
2503 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2504 後記1から8までの中から選びなさい。
2505
2506
2507 (解答欄は,
2508 [78])
2509 ア. 開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで不開示情報を開示することと
2510 なるときは,
2511 行政機関の長は,
2512 当該行政文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否す
2513 ることができる。
2514
2515
2516 イ. 開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合であっても,
2517 不開示情報
2518 に当たる部分を容易に区分して除くことができるときは,
2519 行政機関の長は,
2520 原則として,
2521 当該
2522 部分を除いた部分について開示しなければならない。
2523
2524
2525 ウ. 開示請求に係る行政文書に開示請求者以外の者の情報が記録されている場合においてそれを
2526 開示しようとするときは,
2527 行政機関の長は,
2528 事前に,
2529 当該情報に係る第三者に対し意見書の提
2530 出を求め,
2531 その意見に従って,
2532 開示するか否かの決定を行わなければならない。
2533
2534
2535 1. ア○
2536
2537 イ○
2538
2539 ウ○
2540
2541 2. ア○
2542
2543 イ○
2544
2545 ウ×
2546
2547 3. ア○
2548
2549 イ×
2550
2551 ウ○
2552
2553 4. ア○
2554
2555 イ×
2556
2557 ウ×
2558
2559 5. ア×
2560
2561 イ○
2562
2563 ウ○
2564
2565 6. ア×
2566
2567 イ○
2568
2569 ウ×
2570
2571 7. ア×
2572
2573 イ×
2574
2575 ウ○
2576
2577 8. ア×
2578
2579 イ×
2580
2581 ウ×
2582
2583 19
2584
2585 〔第34問〕(配点:3)
2586 最高裁判所昭和60年12月17日第三小法廷判決(伊達火力発電所訴訟判決)の次の判示に関
2587 するアからエまでの各記述について,
2588 それぞれ正しい場合には1を,
2589 誤っている場合には2を選び
2590 なさい。
2591
2592 (解答欄は,
2593 アからエの順に[79]から[82])
2594 「行政処分の取消訴訟は,
2595 その取消判決の効力によつて処分の法的効果を遡及的に失わしめ,
2596
2597 処分の法的効果として個人に生じている権利利益の侵害状態を解消させ,
2598 右権利利益の回復を図
2599 ることをその目的とするものであり,
2600 行政事件訴訟法9条が処分の取消しを求めるについての法
2601 律上の利益といつているのも,
2602 このような権利利益の回復を指すものである。
2603
2604 したがつて,
2605 処分
2606 の法的効果として自己の権利利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者に限つて,
2607
2608 行政処分の取消訴訟の原告適格を有するものというべきであるが,
2609 処分の法律上の影響を受ける
2610 権利利益は,
2611 処分がその本来的効果として制限を加える権利利益に限られるものではなく,
2612 行政
2613 法規が個人の権利利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより
2614 保障されている権利利益もこれに当たり,
2615 右の制約に違反して処分が行われ行政法規による権利
2616 利益の保護を無視されたとする者も,
2617 当該処分の取消しを訴求することができると解すべきであ
2618 る。
2619
2620 」
2621 ア. この判示は,
2622 行政処分の取消訴訟に関し,
2623 処分の本来的効果として権利利益を制限される者
2624 にのみ原告適格を認め,
2625 それ以外の者には原告適格を認めないという立場をとるものである。
2626
2627
2628 [79]
2629 イ. この判示によれば,
2630 行政庁がある事業者の一定の行為について許可処分をした場合において,
2631
2632 当該行為がされることにより不利益を受ける第三者が存在するとしても,
2633 事業者が当該行為を
2634 必ず行うとは限らないから,
2635 その第三者は,
2636 許可処分により自己の権利利益を侵害され又は必
2637 然的に侵害されるおそれのある者には当たらず,
2638 許可処分の取消訴訟の原告適格は認められな
2639 い。
2640
2641 [80]
2642 ウ. この判示は,
2643 法律の規定に基づく処分の効果として権利利益を制限される者はもちろん,
2644 法
2645 律の規定に基づかない処分により,
2646 その効果として重大な権利利益を制限される者にも,
2647 当該
2648 処分の取消訴訟の原告適格を肯定するという立場をとるものである。
2649
2650 [81]
2651 エ. この判示からは,
2652 行政庁の許可に基づく事業者の行為によって第三者が不利益を受け,
2653 それ
2654 が処分の法的効果としての権利利益の侵害に当たると解される場合に,
2655 その第三者は当該事業
2656 者に対してその行為の差止めを訴求することができることから許可処分の取消しを求める法律
2657 上の利益を有しないとの結論は導かれない。
2658
2659 [82]
2660 〔第35問〕(配点:3)
2661 抗告訴訟の審理に関する次のアからエまでの各記述について,
2662 それぞれ正しい場合には1を,
2663 誤
2664 っている場合には2を選びなさい。
2665
2666 (解答欄は,
2667 アからエの順に[83]から[86])
2668 ア. 第三者を名あて人とする処分の義務付け判決には第三者効があるとされているので,
2669 名あて
2670 人となる第三者が当該義務付け判決に基づいてされる処分の適法性を争うには,
2671 再審の手続に
2672 よらなければならない。
2673
2674 [83]
2675 イ. ある処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟は民事訴訟であるから,
2676 当該処分の取消訴訟
2677 に追加的に併合することはできない。
2678
2679 [84]
2680 ウ. 税務署長の行った所得税の更正処分の取消訴訟が,
2681 東京地方裁判所及び当該税務署長の所在
2682 地を管轄する地方裁判所以外の地方裁判所の管轄に属する場合は,
2683 合意管轄又は応訴管轄によ
2684 る場合以外にもある。
2685
2686 [85]
2687 エ. 行政庁に対して一定の処分を求める旨の法令に基づく申請を拒否された者が,
2688 同拒否処分の
2689 取消訴訟と当該一定の処分の義務付けの訴えを提起する場合には,
2690 両訴えを併合提起しなけれ
2691 ばならない。
2692
2693 [86]
2694 20
2695
2696 〔第36問〕(配点:2)
2697 土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟において,
2698 当該事業計画に係る工事及び換地処分がすべ
2699 て完了したため,
2700 社会的,
2701 経済的損失の観点からみて,
2702 社会通念上,
2703 原状回復が不可能である場合
2704 であっても,
2705 訴えの利益を消滅させるものではないとした最高裁判所平成4年1月24日第二小法
2706 廷判決(民集46巻1号54頁)に関する次のアからウまでの各記述について,
2707 それぞれ正しいも
2708 のに○,
2709 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2710 後記1から8までの中から選びなさい。
2711
2712
2713 (解
2714 答欄は,
2715 [87])
2716 ア. 本判決は,
2717 社会的,
2718 経済的損失の観点からみて,
2719 社会通念上,
2720 原状回復が不可能であるとの
2721 事情は,
2722 行政事件訴訟法第31条の事情判決の適用に関して考慮されるべき事柄であって,
2723 土
2724 地改良事業の施行認可処分の取消訴訟の訴えの利益を消滅させるものではないとしている。
2725
2726
2727 イ. 本判決は,
2728 土地改良事業の施行認可処分が取り消されれば,
2729 同処分後に行われる換地処分等
2730 の一連の手続及び処分の法的効力が影響を受けることを,
2731 訴えの利益を根拠付ける理由として
2732 いる。
2733
2734
2735 ウ. 本判決は,
2736 社会通念上,
2737 原状回復が法的に不可能となった場合において,
2738 原告が採り得る手
2739 段は損害賠償請求のみであり,
2740 同請求の前提として,
2741 土地改良事業の施行認可処分の取消訴訟
2742 を提起しておかなければならないことを,
2743 訴えの利益を根拠付ける理由としている。
2744
2745
2746 1. ア○
2747
2748 イ○
2749
2750 ウ○
2751
2752 2. ア○
2753
2754 イ○
2755
2756 ウ×
2757
2758 3. ア○
2759
2760 イ×
2761
2762 ウ○
2763
2764 4. ア○
2765
2766 イ×
2767
2768 ウ×
2769
2770 5. ア×
2771
2772 イ○
2773
2774 ウ○
2775
2776 6. ア×
2777
2778 イ○
2779
2780 ウ×
2781
2782 7. ア×
2783
2784 イ×
2785
2786 ウ○
2787
2788 8. ア×
2789
2790 イ×
2791
2792 ウ×
2793
2794 〔第37問〕(配点:3)
2795 行政事件訴訟法上の差止めの訴えに関する次のアからエまでの各記述について,
2796 それぞれ正しい
2797 場合には1を,
2798 誤っている場合には2を選びなさい。
2799
2800
2801 (解答欄は,
2802 アからエの順に[88]から[
2803 91])
2804 ア. 一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合には,
2805 差止め
2806 の訴えによる救済の必要性が認められるが,
2807 その損害を避けるため他に適当な方法があるとき
2808 は,
2809 例外的に差止めの訴えによる救済の必要性が認められないものとされている。
2810
2811 [88]
2812 イ. 行政庁が一定の処分をしようとしている場合に,
2813 その処分の差止めの訴えが提起されたとき
2814 は,
2815 当該処分がされてしまうと訴えの利益が失われてしまうことから,
2816 差止めの訴えの提起と
2817 ともに,
2818 当該行政庁は当該処分を行うことができなくなるものとされている。
2819
2820 [89]
2821 ウ. 行政庁が第三者に対する一定の処分をしようとしている場合に,
2822 その処分の差止めの訴えが
2823 提起され認容判決がされたときは,
2824 当該第三者に対し判決の効力が及ばないと認容判決の意味
2825 がないから,
2826 その判決には,
2827 原則として第三者効があるとされている。
2828
2829 [90]
2830 エ. 行政庁が第三者に対する一定の処分をしようとしている場合に,
2831 その処分の差止めの訴えが
2832 提起され,
2833 認容判決がされて確定したときは,
2834 関係行政庁は,
2835 その判決に拘束されるとされて
2836 いる。
2837
2838 [91]
2839
2840 21
2841
2842 〔第38問〕(配点:2)
2843 次の文章は,
2844 在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件に関し,
2845 衆議院小選挙区選出議員の選挙
2846 及び参議院選挙区選出議員の選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める訴え
2847 の適法性について判断した最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決の一部分を抜き出したもの
2848 である。
2849
2850 後記語群から適切な言葉を選択して空欄ア,
2851 イ,
2852 ウに入れて文章を完成させる場合の正し
2853 い組合せを,
2854 後記1から6までの中から選びなさい。
2855
2856 (解答欄は,
2857 [92])
2858 「本件の確認請求に係る訴えは,
2859
2860 [ア]のうち[イ]と解することができるところ,
2861 その内容を
2862 みると,
2863 公職選挙法附則第8項につき所要の改正がされないと,
2864 在外国民である上告人らが,
2865 今
2866 後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院
2867 議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず,
2868 選挙権を行使
2869 する権利を侵害されることになるので,
2870 そのような事態になることを防止するために,
2871 同上告人
2872 らが,
2873 同項が違憲無効であるとして,
2874 当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確
2875 認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。
2876
2877
2878 選挙権は,
2879 これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず,
2880 侵害を受け
2881 た後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから,
2882 そ
2883 の権利の重要性にかんがみると,
2884
2885 [ウ]選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある
2886 場合にこれを有することの確認を求める訴えについては,
2887 それが有効適切な手段であると認めら
2888 れる限り,
2889 確認の利益を肯定すべきものである。
2890
2891 そして,
2892 本件の確認請求に係る訴えは,
2893
2894 [イ]と
2895 して,
2896 上記の内容に照らし,
2897 確認の利益を肯定することができるものに当たるというべきである。
2898
2899 」
2900 【語
2901
2902 群】
2903
2904 a. 無名抗告訴訟
2905
2906 b. 民衆訴訟
2907
2908 d. 公職選挙法上の選挙訴訟
2909
2910 c. 公法上の当事者訴訟
2911
2912 e. 不作為の違法確認の訴え
2913
2914 f. 公法上の法律関係に関する確認の訴え
2915
2916 g. 過去の
2917
2918 h. 具体的な
2919
2920 i. 特定の種類の
2921 1. a
2922
2923 f
2924
2925 g
2926
2927 2. b
2928
2929 d
2930
2931 g
2932
2933 5. c
2934
2935 f
2936
2937 h
2938
2939 6. c
2940
2941 f
2942
2943 g
2944
2945 3. b
2946
2947 d
2948
2949 i
2950
2951 4. c
2952
2953 e
2954
2955 h
2956
2957 〔第39問〕(配点:2)
2958 行政不服審査法に関する次のアからウまでの各記述について,
2959 正しいものに○,
2960 誤っているもの
2961 に×を付した場合の組合せを,
2962 後記1から8までの中から選びなさい。
2963
2964 (解答欄は,
2965 [93])
2966 ア. 異議申立ては,
2967 処分庁又は不作為庁に対して簡易迅速に再考を促す行政不服申立てであり,
2968
2969 審査請求をすることができるかどうかにかかわらず常にすることができる。
2970
2971
2972 イ. 審査請求は,
2973 処分庁又は不作為庁以外の行政庁に対してする行政不服申立てであり,
2974 個別の
2975 法律又は条例に審査請求をすることができる旨の定めがなくてもすることができる。
2976
2977
2978 ウ. 再審査請求は,
2979 審査請求についての審査庁の裁決に不服のある者が同じ審査庁に対して更に
2980 不服を申し立てるものであり,
2981 法律又は条例に再審査請求ができる旨の定めがあるときにする
2982 ことができる。
2983
2984
2985 1. ア○
2986
2987 イ○
2988
2989 ウ○
2990
2991 2. ア○
2992
2993 イ○
2994
2995 ウ×
2996
2997 3. ア○
2998
2999 イ×
3000
3001 ウ○
3002
3003 4. ア○
3004
3005 イ×
3006
3007 ウ×
3008
3009 5. ア×
3010
3011 イ○
3012
3013 ウ○
3014
3015 6. ア×
3016
3017 イ○
3018
3019 ウ×
3020
3021 7. ア×
3022
3023 イ×
3024
3025 ウ○
3026
3027 8. ア×
3028
3029 イ×
3030
3031 ウ×
3032
3033 22
3034
3035 〔第40問〕(配点:3)
3036 行政不服審査法及び行政事件訴訟法の規定に関する次のアからエまでの各記述について,
3037 それぞ
3038 れ正しい場合には1を,
3039 誤っている場合には2を選びなさい。
3040
3041
3042 (解答欄は,
3043 アからエの順に[94]
3044 から[97])
3045 ア. 行政事件訴訟法には,
3046 取消訴訟の原告適格に関する規定があるが,
3047 行政不服審査法には,
3048 不
3049 服申立適格に関しそれに相当する規定は置かれていない。
3050
3051 [94]
3052 イ. 行政事件訴訟法には,
3053 差止訴訟に関する規定があるが,
3054 行政不服審査法には,
3055 不服申立てに
3056 よって処分の差止めを求めることについての規定は置かれていない。
3057
3058 [95]
3059 ウ. 行政事件訴訟法における取消訴訟の出訴期間(処分又は裁決があったことを知った日を基準
3060 として算定されるもの)は,
3061 行政不服審査法における不服申立期間(処分があったことを知っ
3062 た日を基準として算定されるもの)と同じ日数である。
3063
3064 [96]
3065 エ. 処分の際に誤った教示がされた場合の救済の問題に関しては,
3066 行政不服審査法には明文の規
3067 定があるが,
3068 行政事件訴訟法には明文の規定は置かれていない。
3069
3070 [97]
3071
3072 23
3073
3074