1 短答式試験問題集[公法系科目]
2
3 - 1 -
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 憲法第9条に関する次の各文章について,
8 正しいものに○,
9 誤っているものに×を付した場合の
10 組合せを,
11 後記1から8までの中から選びなさい。
12
13 (解答欄は,
14 [bP])
15 ア.憲法第9条第1項の「国際紛争を解決する手段としては」という文言は,
16 放棄しようとする対
17 象に何らかの限定を加える意味を持つものではないとする解釈によると,
18 一切の戦争と武力によ
19 る威嚇及び武力の行使は,
20 同項により,
21 禁止されることとなる。
22
23 この立場では,
24 同条第2項は,
25
26 一切の戦力を保持しない旨定めた規定と解することになる。
27
28
29 この解釈に対しては,
30 これまでの国際法の用例が,
31
32 「国際紛争を解決する」ための戦争を禁止す
33 るという定式によって,
34 専ら侵略戦争を禁止しようとしてきたことと合致しないのではないかと
35 いう批判が加えられている。
36
37
38 イ.憲法第9条第1項の「国際紛争を解決する手段」としての戦争が,
39 いわゆる侵略戦争を意味す
40 ると解すると,
41 同項自体は,
42 自衛権の発動としての戦争(自衛戦争)を禁止していないことにな
43 る。
44
45 しかし,
46 この解釈に立っても,
47 同条第2項が,
48 侵略戦争放棄という「前項の目的」を実質的
49 に達するために一切の「戦力」の不保持を定めたと解すれば,
50 結局,
51 外敵との戦闘を主たる目的
52 とする物的組織体を設け得るという解釈は,
53 生じる余地がなくなる。
54
55
56 同条第1項の「国際紛争を解決する手段」及び同条第2項の内容を前記のように解することに
57 対しては,
58 侵略戦争以外の戦争についても,
59 結局同条第2項によって不可能になるというのであ
60 れば,
61 同条第1項による放棄の対象を侵略戦争に限定する意味があるか疑問であり,
62 立法技術的
63 にも拙劣といわざるを得ないとの批判がなされている。
64
65
66 ウ. 憲法第9条第1項の「国際紛争を解決する手段」としての戦争をいわゆる侵略戦争と解した上
67 で,
68 そのような限定的放棄をすることを同条第2項の目的ととらえ,
69 同条第2項の意味を,
70 同条
71 第1項で放棄された侵略戦争を行うための戦力は保持しないことを定めたものと解すれば,
72 一定
73 の戦力の保持は許されることになる。
74
75
76 この解釈に対しては,
77 侵略戦争を行うための戦力とそれ以外の戦力を区別できるのかという批
78 判がなされている。
79
80
81 1.ア○
82
83 イ○
84
85 ウ○
86
87 2.ア○
88
89 イ○
90
91 ウ×
92
93 3.ア○
94
95 イ×
96
97 ウ○
98
99 4.ア○
100
101 イ×
102
103 ウ×
104
105 5.ア×
106
107 イ○
108
109 ウ○
110
111 6.ア×
112
113 イ○
114
115 ウ×
116
117 7.ア×
118
119 イ×
120
121 ウ○
122
123 8.ア×
124
125 イ×
126
127 ウ×
128
129 〔第2問〕(配点:3)
130 国家賠償法第1条に関する次のアからエまでの各記述につき,
131 それぞれ,
132 正しい場合には1を,
133
134 誤っている場合には2を選びなさい。
135
136 (解答欄は,
137 アからエの順に[bQ]から[bT])
138 ア.弁護士会は,
139 弁護士法により,
140 弁護士に対する懲戒権の行使をゆだねられている団体であり,
141
142 その懲戒権の行使は「公権力の行使」に当たるから,
143 国家賠償法第1条にいう「公共団体」に当
144 たると解されている。
145
146
147 イ.公立学校における教職員の教育活動は,
148 私立学校の場合と性質上変わるところがないから,
149 国
150 家賠償法第1条にいう「公権力の行使」には当たらない。
151
152
153 ウ.国会議員の立法行為であっても,
154 立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわ
155 らず国会があえて当該立法を行うというような容易に想定し難いような例外的な場合であれば,
156
157 国家賠償法上違法とされる場合が有り得る。
158
159
160 エ.検察官のした公訴提起は,
161 後に刑事事件において被告人の無罪判決が確定した場合には,
162 客観
163 的に違法であると認められるから,
164 国家賠償法第1条にいう違法の評価を受けるといわざるを得
165 ず,
166 違法であることを前提に故意又は過失の有無を判断することになる。
167
168
169 - 2 -
170
171 〔第3問〕(配点:3)
172 次の文章につき以下の問いに答えなさい。
173
174
175 「国民主権」が何を意味するかについては争いがあるが,
176 一般に,
177 国民が公務員の選定罷免権
178 を有し,
179 成年者の普通選挙が保障されるのは,
180 国民主権の現れであると解されている。
181
182 選挙権に
183 ついては,
184 選挙区間での人口の移動から生じた投票価値の不平等が裁判で争われてきた。
185
186 最高裁
187 判所は,
188 各選挙人の投票価値の平等も憲法の要求するところとしているが,
189 投票価値の平等は,
190
191 国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないしは理由との関連において調和的に実現
192 されるべきものとされている。
193
194 しかも,
195
196 (A)最高裁判所は,
197 参議院の選挙区に関して,
198 著しい投
199 票価値の不平等があって初めて違憲状態になるという立場を採っており,
200 実際,
201
202 (ア)近い格差が
203 許容されている。
204
205 また,
206
207 (B)最高裁判所は,
208 衆議院の議員定数配分規定(公職選挙法別表)が違
209 憲であるとしつつ,
210 選挙を無効とした場合には憲法の所期しない結果が生ずるとして当該選挙区
211 の選挙を無効としない判決を下している。
212
213 他方,
214 最高裁判所は,
215 立候補の自由についても(イ)
216 の自由な行使と表裏の関係にあるとして(ウ)によって保障されるとしているが,
217 選挙違反者に
218 対する立候補の制限は選挙の公正という公共の福祉のための制限として許されるとしている。
219
220
221 〈小問1〉
222
223 次の語群から言葉を選択して空欄ア,
224 イ,
225 ウを埋めるのに正しい組合せはどれか選び
226
227 なさい。
228
229 (解答欄は,
230 [bU])
231 1.adg
232
233 2.beh
234
235 3.cfi
236
237 4.aeh
238
239 6.cdg
240
241 7.afi
242
243 8.bdg
244
245 9.ceh
246
247 a.6倍
248
249 b.8倍
250
251 c.10倍
252
253 d.公務員の選定罷免権
254
255 e.選挙権
256
257 f.公職就任権
258
259 g.憲法第13条
260
261 h.憲法第15条第1項
262
263 【語
264
265 5.bfi
266
267 群】
268
269 i.憲法第15条第3項
270 〈小問2〉
271
272 最高裁判所が下線部(A)のような立場を採る根拠として正しいものは,
273 次のうちど
274
275 れか選びなさい。
276
277 (解答欄は,
278 [bV])
279 1.二院制の下,
280 第二院である参議院については,
281 第一院である衆議院とは異なった形で国民意
282 思を反映させるような選出方法を採ることが期待されているのであるから,
283 衆議院ほど強く投
284 票価値の平等の要請は及ばない。
285
286
287 2.国会が定めた都道府県を選挙区とする参議院選挙区選出議員についての選挙の仕組みが,
288 国
289 会の裁量権の行使として合理性を是認し得るものである限り,
290 この選挙の仕組みの下で投票価
291 値の平等が損なわれることになってもやむを得ない。
292
293
294 〈小問3〉 最高裁判所が下線部(B)で挙げた選挙無効判決のもたらす「憲法の所期しない結果」
295 とは,
296 次のうちどれか選びなさい。
297
298 (解答欄は,
299 [bW])
300 1.公職選挙法別表及びこれに基づく選挙を当然に無効であると解した場合,
301 当該選挙により選
302 出された議員がすべて当初から議員としての資格を有しなかったこととなる結果,
303 既にその議
304 員によって組織された衆議院の議決を経た上で成立した法律等の効力にも問題が生じ,
305 また,
306
307 今後における衆議院の活動が不可能となる。
308
309
310 2.選挙無効の判決によって得られる結果は,
311 当該選挙区の選出議員がいなくなるというだけで
312 あって,
313 真に憲法に適合する選挙が実現するためには,
314 公職選挙法自体の改正を待たなければ
315 ならず,
316 また,
317 公職選挙法の改正を含むその後の衆議院の活動が当該選挙区からの選出議員を
318 得ることができないままの異常な状態の下で行われざるを得ないこととなる。
319
320
321 3.選挙無効の判決が下されると,
322 その効力の発生が判決から一定期日後に発生するとしても,
323
324 国会は議員定数配分規定を改正して再選挙を行わざるを得ないことになるが,
325 議員定数配分規
326 定を改正するかどうかは高度に政治的な問題であるから,
327 結局,
328 裁判所が司法権の行使として
329 ふさわしくない政治の茂みに踏み込むことになり,
330 結果的に裁判所に対する国民の信頼が揺ら
331 ぐことになる。
332
333
334 - 3 -
335
336 〔第4問〕(配点:2)
337 労働基本権に関する次の各文章について,
338 正しいものを組み合わせたものはどれか。
339
340
341 (解答欄は,
342
343 [bX])
344 ア.労働基本権の保障は,
345 一般に,
346 私人間にも直接適用されるとされている。
347
348 労働組合法には,
349 使
350 用者は,
351 正当な争議行為によって損害を受けたことの故をもって,
352 労働組合又はその組合員に対
353 し賠償を請求することができない旨の規定があるが,
354 この考え方によれば,
355 当該規定は,
356 労働基
357 本権が私人間に適用されるという憲法の趣旨を体現したものといえる。
358
359
360 イ.労働基本権は,
361 自由権的側面も持つ。
362
363 労働組合法には,
364 労働組合の正当な行為について刑法第
365 35条の規定の適用があるものとする旨の規定があるが,
366 これは労働基本権の自由権的側面を規
367 定したものである。
368
369
370 ウ.労働基本権は,
371 団結権,
372 団体交渉権及び団体行動権からなるが,
373 このうち団結権は,
374 労働基本
375 権の最も基本的な権利であるので,
376 現行法上,
377 この権利が制限されている職種は存在しない。
378
379
380 エ.最高裁判所の判例は,
381 公務員の労働基本権につき,
382 公務員の地位の特殊性と職務の公共性等か
383 らして,
384 これに必要やむを得ない限度の制限を加えることは,
385 十分合理的な理由があるとして,
386
387 公務員一般の争議行為を禁止する地方公務員法及び国家公務員法の各規定をいずれも合憲として
388 いる。
389
390
391 オ.最高裁判所の判例は,
392 国家公務員の争議行為を禁止することが合憲であるとする理由の一つと
393 して,
394 代償措置としての人事院勧告制度の存在を重視しており,
395 人事院勧告が凍結された際にこ
396 れに抗議して行った争議行為に関しては,
397 その争議目的に照らして正当なものと評価すべきであ
398 るとして,
399 これに関与したことを理由とする懲戒処分は許されないと判示した。
400
401
402 1.アとイ
403
404 2.イとウ
405
406 3.ウとエ
407
408 4.エとオ
409
410 5.オとア
411
412 〔第5問〕(配点:3)
413 最高裁判所昭和41年2月8日判決(民集20巻2号196頁)は,
414
415 「司法権の固有の内容として
416 裁判所が審判し得る対象は,
417 裁判所法第3条にいう「法律上の争訟」に限られ,
418 いわゆる法律上の
419 争訟とは,
420 法令を適用することによって解決し得べき権利義務に関する当事者間の紛争をいうもの
421 と解される」と判示している。
422
423 この判例の見解を前提にした場合,
424 法律上の争訟に関する次のアか
425 らオまでの記述につき,
426 それが正しいときは1を,
427 誤っているときは2を選びなさい。
428
429
430 (解答欄は,
431
432 アからオの順に[10]から[14])
433 ア.国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で,
434 選挙人たる資格その他
435 自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する訴訟は,
436 法律上の争訟に該当しない。
437
438
439 イ.国家試験における合格・不合格の判定は,
440 学問・技術上の知識,
441 能力,
442 意見等の優劣・当否の
443 判断を内容とする行為であり,
444 試験実施機関の最終判断にゆだねられるから,
445 国家試験における
446 不合格判定が誤りであることを前提とする国家賠償請求訴訟は,
447 法律上の争訟に該当しない。
448
449
450 ウ.直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為の当否については専ら国民の政治判
451 断にゆだねられるべきものであるから,
452 衆議院の解散が無効であることを前提とする訴訟は,
453 法
454 律上の争訟に該当しない。
455
456
457 エ.具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとり,
458 宗教上の教義に関する判断が請
459 求の当否を決するについての前提問題にすぎなくとも,
460 これに立ち入ることなくしてはその当否
461 を判断することはできず,
462 しかも,
463 それが訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものである場合
464 には,
465 その実質において法令の適用による終局的解決に適しないから,
466 法律上の争訟に該当しな
467 い。
468
469
470 オ.行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにもかかわらず,
471 これがされようとしている場合
472 において,
473 これがされることにより重大な損害が生ずるおそれがあることを理由に,
474 行政庁がそ
475 の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟は,
476 法律上の争訟に該当しない。
477
478
479 - 4 -
480
481 〔第6問〕(配点:2)
482 国会が唯一の立法機関であること(憲法第41条)に関する次の各文章のうち,
483 正しいものをす
484 べて選び出したものはどれか。
485
486 (解答欄は,
487 [15])
488 ア.憲法第41条は実質的意味の立法が国会によってのみ制定されることを意味するが,
489 実質的意
490 味の立法が一般的・抽象的規範を意味するとすれば,
491 栄典制度についても法律で定めなければな
492 らないことになる。
493
494
495 イ.国の行政組織の基本も法律によって定められなければならないとの立場から,
496 現行の国家行政
497 組織法は,
498 各省の課及び室の設置も法律によらなければならないと定めている。
499
500
501 ウ.国会両院の議院規則は,
502 国会だけが実質的意味の立法を制定できることに対する憲法に明示さ
503 れた例外であるので,
504 議院規則制定事項である両院の「会議その他の手続及び内部の規律」につ
505 いては必ず議院規則で定めなければならず,
506 実際,
507 国会法もそうした事項につき定めていない。
508
509
510 エ.地方公共団体による条例制定は,
511 国会だけが実質的意味の立法を制定できることに対する憲法
512 上の例外の一つであるが,
513 住民の権利を制限する条例を制定するためには,
514 法律による個別具体
515 的委任が必要である。
516
517
518 オ.国会が実質的意味の法律の制定を内閣等の行政機関に委任することは認められるが,
519 委任を受
520 けた行政機関は自ら委任命令を制定しなければならず,
521 他の行政機関にさらに委任することは許
522 されないというのが最高裁判所の立場である。
523
524
525 1.アのみ
526
527 2.イのみ
528
529 3.ウのみ
530
531 4.エのみ
532
533 5.オのみ
534
535 6.アとイ
536
537 7.イとウ
538
539 8.ウとエ
540
541 9.ア,
542 イ,
543 ウ
544
545 10.イ,
546 ウ,
547 エ
548
549 〔第7問〕(配点:3)
550 条例に関する次の記述のうち,
551 判例に照らし,
552 正しいと認められるものを二つ選びなさい。
553
554
555 (解答
556 欄は,
557 [16],
558 [17]順不同)
559 1.国の法令が,
560 特定の事項につき一定の規律をしている場合には,
561 地方公共団体が,
562 当該事項に
563 つき同じ目的のために条例を制定し,
564 法律と異なる内容の規制を施すことは,
565 法律による明示的
566 な委任のない限り許されない。
567
568
569 2.憲法第31条は必ずしも刑罰がすべて法律そのもので定められなければならないとするもので
570 なく,
571 法律の授権によってそれ以下の法令によって定めることもできるが,
572 条例は,
573 公選の議員
574 をもって組織する地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治立法であって,
575 国会の議決を
576 経て制定される法律に類するものであるから,
577 条例で罰則を定める場合には,
578 法律の授権を必要
579 としない。
580
581
582 3.ため池の破損・決壊の原因となるような,
583 ため池の堤とうを使用する行為を条例で規制しても
584 違憲ではないし,
585 ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者もこのような規制を受忍し
586 なければならない責務を負うのであるから,
587 憲法第29条第3項の損失補償も必要としない。
588
589
590 4.美観の維持や危害防止のために,
591 政党の演説会開催の告知宣伝を内容とするポスターを街路樹
592 にくくりつける行為を条例で禁止することは公共の福祉のために許されるが,
593 表現の自由を制約
594 するものであるため,
595 当該行為に対して条例で罰則を科することは許されない。
596
597
598 5.公共の秩序を維持するために,
599 集団行進及び集団示威運動に当たり,
600 特定の場所又は方法につ
601 き合理的かつ明確な基準の下に,
602 あらかじめ許可を受けさせてこのような場合にはこれを禁止す
603 ることができる旨の規定を条例に設けることは違憲ではないが,
604 遵守事項の一つとして「交通秩
605 序を維持すること」という条件を付するのは,
606 広義かつ包括的でその内容が不明確なものである
607 ので許されない。
608
609
610 6.パチンコ店等を建築する者は市長の同意を得なければいけないという条例の規定に反して建築
611 工事に着手した者に対し,
612 市長が条例に基づいて工事の中止命令を発したが,
613 これに従わないた
614 め,
615 市がその者に工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えは,
616 不適法である。
617
618
619 - 5 -
620
621 〔第8問〕(配点:2)
622 内閣に関する次の各文章のうち,
623 誤っているものを組み合わせたものはどれか。
624
625 (解答欄は,
626 [
627 18])
628 ア.憲法には,
629 内閣が衆議院における内閣不信任案の議決や内閣信任案の否決がなくても衆議院を
630 解散できると明文で定めている規定はないが,
631 内閣は,
632 当初から,
633 衆議院の解散を天皇の国事行
634 為とする憲法第7条に基づき,
635 衆議院を解散してきた。
636
637
638 イ.内閣は国会に対して連帯して責任を負うとともに,
639 衆議院が内閣不信任案を提出することで内
640 閣の政治責任を追及することになっているのであるから,
641 国会の両院が内閣を構成する大臣の政
642 治責任を不信任決議などによって追及することはできない。
643
644
645 ウ.憲法には閣議の議事の方法に関する規定はないが,
646 閣議は全員一致で議事が決定されるという
647 慣行が成立している。
648
649 一般に,
650 これは,
651 内閣の国会に対する連帯責任を維持するためであると解
652 されている。
653
654
655 エ.内閣総理大臣に事故がある場合や内閣総理大臣が欠けた場合には,
656 内閣総理大臣があらかじめ
657 指定した国務大臣が内閣総理大臣の職務を行うが,
658 この内閣総理大臣臨時代理という地位は,
659 内
660 閣法が定めるものであって,
661 憲法が明文で定めているものではない。
662
663
664 オ.最高裁判所によれば,
665 最高の行政機関はあくまで内閣であり,
666 内閣総理大臣は内閣の首長にす
667 ぎないことから,
668 内閣総理大臣は,
669 閣議にかけて決定した方針に基づかなければ行政各部に対し
670 て指揮監督できないことはもとより,
671 一定の方向で事務を処理するよう指示することもできない。
672
673
674 1.アとエ
675
676 2.イとオ
677
678 3.ウとア
679
680 4.エとイ
681
682 5.オとウ
683
684 〔第9問〕(配点:3)
685 司法権に関する次の文章について,
686 それぞれその内容が正しい場合には1を,
687 誤りである場合に
688 は2を選びなさい。
689
690 (解答欄は,
691 1から5の順に[19]から[23])
692 1. 「司法権はすべて裁判所に属する」という原則の例外の一つとして,
693 国会の両議院が行う議員
694 資格争訟がある。
695
696 これは,
697 議員としての資質を疑わせるような非行等があった場合に懲罰として
698 その議員の資格を失わせるものであるから,
699 議院の自律権を尊重し,
700 それぞれの議院において,
701
702 その争訟を処理するものとしたものである。
703
704
705 2. 「司法権はすべて裁判所に属する」という原則の例外の一つとして,
706 弾劾裁判所の裁判がある。
707
708
709 これは,
710 裁判官が職務上の義務に著しく違反し,
711 又は職務を著しく怠ったときなどに,
712 当該裁判
713 官を罷免するための手続であり,
714 実質的には懲戒処分に該当する。
715
716 したがって,
717 罷免処分を受け
718 た裁判官は,
719 国家公務員が懲戒処分を受けた場合と同様に,
720 当該処分の取消しを求める取消訴訟
721 を東京地方裁判所に提起することができる。
722
723
724 3. 明治憲法の下では,
725 軍法会議,
726 皇室裁判所など,
727 いわゆる特別裁判所が認められていたが,
728 現
729 行憲法は,
730 これを許容していない。
731
732 しかしながら,
733 例えば,
734 行政事件を専門に扱う行政裁判所を
735 法律で設けることも,
736 それが通常の裁判所の系列に位置付けられる限り,
737 憲法に違反するもので
738 はないと一般に解されている。
739
740
741 4. 「行政機関は終審として裁判を行ふことができない」とされている。
742
743 したがって,
744 例えば,
745 あ
746 る行政機関が認定した事実は,
747 これを立証する実質的な証拠があるときには,
748 裁判所を拘束する,
749
750 というようなルールを設けたとすれば,
751 それは憲法違反になるというべきであるから,
752 我が国に
753 おいては,
754 このような制度は採用されていない。
755
756
757 5. 東京高等裁判所の特別の支部として,
758 平成17年4月,
759 特許権等の知的財産関係事件を取り扱
760 う知的財産高等裁判所が設置された。
761
762 この知的財産高等裁判所が,
763 東京高等裁判所の支部として
764 位置付けられたのは,
765 仮にこれを既存の高等裁判所とは別の9番目の高等裁判所とした場合,
766 特
767 許権等の知的財産関係事件に関する特別裁判所を設けることになって憲法違反の疑いが強いと考
768 えられたためである。
769
770
771 - 6 -
772
773 〔第10問〕(配点:2)
774 次の文章の空欄に,
775 後記の命題群から最も適する記述を補充すると,
776 憲法保障に関する文章が完
777 成する。
778
779 後記の組合せ群のうち,
780 空欄を補充するために用いた命題を最も多く含むものはどれか。
781
782
783 (解
784 答欄は,
785 [24])
786 憲法保障には,
787 様々な方法がある。
788
789 まず,
790 憲法保障のために,
791 憲法自らがその保障を直接の目
792 的とする特別の規定を置く場合がある。
793
794 日本国憲法第10章(「最高法規」の章)において,
795
796 (@)
797 もその一例である。
798
799 また,
800 第9章(
801 「改正」の章)において,
802 (A)も憲法保障を高めている。
803
804
805 さらに,
806 我が国の憲法における統治機構の仕組みとして,
807
808 (B)や(C)も,
809 憲法保障のメカニ
810 ズムを組み立てる原理となっている。
811
812 さらに,
813 憲法の目的である人権保障も,
814 憲法保障の観点か
815 らは,
816 その重要な要素となる。
817
818 例えば,
819 (D)は,
820 憲法保障に役立っている。
821
822
823 【命題群】
824 A.人身の自由を保障することにより,
825 明文の規定はないものの,
826 暗黙のうちに抵抗権を保障し
827 ていること
828 B.国民の憲法尊重擁護義務を定めていること
829 C.日本国が締結した条約及び確立した国際法規を遵守すべきと定めていること
830 D.国家の行為について裁判所がその憲法適合性を判断できるとしていること
831 E.国家緊急権の制度を設けていること
832 F.表現の自由を保障して,
833 国民が憲法に反する政府の行為を批判できること
834 G.憲法典の変更に特別手続を設けて,
835 硬性憲法の性格を持たせていること
836 H.公務員の憲法尊重擁護義務を定めていること
837 I.国民が自己の権利を守るため,
838 実力をもって憲法に反する国家権力の行使に抵抗できるとし
839 ていること
840 J.内閣総理大臣及び国務大臣に憲法擁護の宣誓義務を課していること
841 K.国家の権力を国会・内閣・裁判所に分散させ,
842 国会を二院制としていること
843 L.経済的自由を保障して,
844 資本主義社会を維持していること
845 【組合せ群】
846 1.AFK
847
848 2.BGL
849
850 3.CHA
851
852 4.DIB
853
854 5.EJC
855
856 〔第11問〕(配点:2)
857 以下は憲法第29条による財産権の保障に関する次の各文章のうち,
858 最高裁判所の判例に照らし
859 て正しいものをすべて選び出したものはどれか。
860
861 (解答欄は,
862 [25])
863 ア.財産権に対して加えられる規制が憲法第29条第2項にいう公共の福祉に適合するものとして
864 是認されるべきものであるかどうかは,
865 規制の目的,
866 必要性,
867 内容,
868 その規制によって制限され
869 る財産権の種類,
870 性質及び制限の程度等を比較考量して決すべきものである。
871
872
873 イ.密輸に用いられた船舶,
874 物品が被告人以外の第三者の所有物である場合,
875 所有者たる第三者に
876 告知及び密輸に用いられるとは知らなかったとの弁解の機会を与えずに附加刑として没収するこ
877 とは,
878 憲法第31条違反であるばかりか,
879 当該第三者の財産権をも侵害するものである。
880
881
882 ウ.条例は第29条第2項の「法律」に含まれないが,
883 財産権の内容を定めるのではなく単に財産
884 権の行使を制限するだけであれば条例によって行うことができる。
885
886
887 エ.財産権を制限する法律が,
888 損失補償が必要であるにもかかわらず,
889 損失補償を認める規定を欠
890 いていても,
891 憲法第29条第3項に基づき損失補償を請求することができるが,
892 この場合,
893 その
894 法律自体は憲法第29条第3項違反で無効となる。
895
896
897 1.アのみ
898
899 2.イのみ
900
901 3.ウのみ
902
903 4.エのみ
904
905 5.アとイ
906
907 6.イとウ
908
909 7.ウとエ
910
911 8.エとア
912
913 9.ア,
914 イ,
915 ウ
916
917 10.エ,
918 ア,
919 イ
920
921 - 7 -
922
923 〔第12問〕(配点:2)
924 次の[A]から[D]の空欄のうち,
925 [A]から[C]については語句群から,
926 [D]については
927 文章群から,
928 それぞれ適切な語句及び文章を入れると,
929 外国人の参政権についての最高裁判所の判
930 決文を要約した文章が完成する。
931
932
933 [A]から[C]までに入れるべき語句の組合せとして適当なもの
934 を,
935 語句群の組合せのうちから選ぶとともに,
936
937 [D]に入れるべき文章を文章群のうちから選びなさ
938 い。
939
940 (解答欄は,
941 【語句群の組合せ】は,
942 [26],
943 【文章群】は,
944 [27])
945 憲法第15条第1項にいう公務員を選定罷免する権利は,
946
947 [A]に基づき,
948 公務員の終局的任免
949 権が[B]に存することを表明したものにほかならないから,
950 その保障は我が国に在留する外国
951 人に[C]。
952
953 そして,
954 [A]及びこれに基づく憲法第15条第1項の規定の趣旨にかんがみ,
955 地方
956 公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることを併せ考えると,
957 憲法第93
958 条第2項は,
959 我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を[D]。
960
961
962 【
963
964 語
965
966 句
967
968 群
969
970 】
971
972 [A]について
973 ア.基本的人権の尊重原理
974
975 イ.直接民主主義の原理
976
977 ウ.国民主権の原理
978
979 イ.国民
980
981 ウ.日本国に居住する者
982
983 イ.及び得る
984
985 ウ.及ばない
986
987 [B]について
988 ア.自律的な個人
989 [C]について
990 ア.及ぶ
991 【語句群の組合せ】
992 (前記[A][B][C]の順)
993
994 【
995
996 1.アアア
997
998 2.アウア
999
1000 3.アウイ
1001
1002 4.イアア
1003
1004 5.イウア
1005
1006 6.イウイ
1007
1008 7.ウアイ
1009
1010 8.ウアウ
1011
1012 9.ウイイ
1013
1014 10.ウイウ
1015
1016 文
1017
1018 章
1019
1020 群
1021
1022 】
1023
1024 1.保障しているものの,
1025 その性質上,
1026 必要かつ合理的な範囲でその権利を制限することは,
1027 憲
1028 法上許される。
1029
1030
1031 2.保障したものとはいえず,
1032 一定の外国人について,
1033 法律をもって付与する措置を講ずること
1034 は,
1035 憲法上禁止される。
1036
1037
1038 3.保障したものとはいえないが,
1039 一定の外国人について,
1040 法律をもって付与する措置を講ずる
1041 ことは,
1042 憲法上禁止されているものではない。
1043
1044
1045 4.保障しているので,
1046 一定の外国人について,
1047 法律をもってその権利を制限することは,
1048 憲法
1049 上許されない。
1050
1051
1052 〔第13問〕(配点:3)
1053 行政事件訴訟法上の執行停止制度に関する次のアからエまでの各記述につき,
1054 それぞれ,
1055 正しい
1056 場合には1を,
1057 誤っている場合には2を選びなさい。
1058
1059
1060 (解答欄は,
1061 アからエの順に[28]から[
1062 31])
1063 ア.処分の取消しの訴えが提起されても,
1064 当然には処分の効力,
1065 処分の執行又は手続の続行が停止
1066 されることにはならない。
1067
1068
1069 イ.執行停止の申立てに当たっては,
1070 本案訴訟が適法に係属していることまで必ずしも必要でない
1071 場合がある。
1072
1073
1074 ウ.重大な損害を避けるため緊急の必要があることの疎明責任は申立人側に,
1075 本案について理由が
1076 ないとみえることの疎明責任は被申立人側にあると理解されている。
1077
1078
1079 エ.執行停止の決定が確定した場合でも,
1080 その理由が消滅し,
1081 その他事情が変更したときは,
1082 裁判
1083 所は,
1084 相手方の申立てにより,
1085 決定をもって,
1086 執行停止の決定を取り消すことができる。
1087
1088
1089
1090 - 8 -
1091
1092 〔第14問〕(配点:2)
1093 次のAからFの論述は,
1094 独立行政委員会の存在を合憲とする論拠又はこれを違憲とする論拠のい
1095 ずれかである。
1096
1097 そのうち,
1098 合憲とする論拠を組み合わせたものはどれか。
1099
1100 (解答欄は,
1101 [32])
1102 A.独立公正に行われることが要求されるような特殊な行政事務については,
1103 内閣の指揮監督を受
1104 けない独立の行政機関を設けることが認められている。
1105
1106
1107 B.独立行政委員会と内閣との間には事実上の意思疎通が行われ,
1108 内閣は,
1109 法律案の提出権,
1110 予算
1111 作成権において独立行政委員会に拘束されない。
1112
1113
1114 C.憲法は国家統治の基本方式として三権分立主義を採用しており,
1115 この基本方式を法律で変更す
1116 ることは許されない。
1117
1118
1119 D.内閣が独立行政委員会の委員の任命権を持ち,
1120 その任期が内閣による統制,
1121 責任を可能とする
1122 合理的な期間に限られている。
1123
1124
1125 E.すべての行政権の行使について内閣が国会に対して責任を負うことになっており,
1126 準司法機関
1127 を除いて,
1128 内閣を通じての国会のコントロールから逸脱する行政部門が存在してはならない。
1129
1130
1131 F.すべての行政機関が内閣に属し(憲法第65条),
1132 内閣総理大臣は行政各部を指揮監督する(同
1133 第72条)という規定によって,
1134 すべての行政権は内閣の下にあり,
1135 その指揮監督を受けなけれ
1136 ばならない。
1137
1138
1139 1.AとE
1140
1141 2.BとF
1142
1143 3.CとA
1144
1145 4.DとB
1146
1147 6.FとD
1148
1149 7.BとC
1150
1151 8.DとE
1152
1153 9.FとA
1154
1155 5.EとC
1156
1157 〔第15問〕(配点:3)
1158 次のアからエまでの各記述は,
1159
1160 「私」から弁護士に対する依頼内容であるが,
1161 依頼を受けた弁護士
1162 が,
1163
1164 「私」の代理人として,
1165 各依頼の趣旨に最も合致する訴訟を提起する場合,
1166 その訴訟が行政事件
1167 訴訟法第2条に「行政事件訴訟」として挙げられている抗告訴訟,
1168 当事者訴訟,
1169 民衆訴訟又は機関
1170 訴訟のいずれに当たるかを検討した上,
1171 後記小問1及び小問2に答えなさい。
1172
1173
1174 (解答欄は,
1175 小問1,
1176
1177 小問2の順に[33],
1178 [34])
1179 ア.私は,
1180 現在アメリカ国籍を有していますが,
1181 出生時の事情から,
1182 本当は日本国籍をも有してい
1183 ると思います。
1184
1185 私が日本国籍を有していることを確認してもらうために訴訟を提起したいのです。
1186
1187
1188 イ.私は,
1189 A市に住んでいますが,
1190 同市で組織的にカラ出張が行われているとの報道がされたこと
1191 から,
1192 A市監査委員に対し,
1193 A市が出張費の返還を求めるべきであると主張して監査請求をした
1194 のですが,
1195 却下されてしまいました。
1196
1197 市長に対し,
1198 出張費の返還請求をさせるために訴訟を提起
1199 したいのです。
1200
1201
1202 ウ.私は,
1203 B市の市長ですが,
1204 私も投票した先日のB市議会議員選挙の効力に関し疑問があり,
1205 選
1206 挙管理委員会に異議を申し出ましたが棄却されました。
1207
1208 その決定に不満があるので,
1209 選挙の無効
1210 を求めるために訴訟を提起したいのです。
1211
1212
1213 エ.私の住む家屋の隣に違法な高さの建物が建築され,
1214 日照が遮られて困っています。
1215
1216 行政からき
1217 ちんとした是正措置を採るように命じてもらうために訴訟を提起したいのです。
1218
1219
1220 〈小問1〉
1221
1222 アからエまでのうち,
1223 各依頼の趣旨に最も合致する訴訟が,
1224 抗告訴訟となるものをす
1225
1226 べて選んだ場合の組合せを,
1227 次の1から10までの中から選びなさい。
1228
1229
1230 1.アのみ
1231
1232 2.イのみ
1233
1234 3.ウのみ
1235
1236 4.エのみ
1237
1238 5.アとイ
1239
1240 6.アとウ
1241
1242 7.アとエ
1243
1244 8.イとウ
1245
1246 9.イとエ
1247
1248 10.ウとエ
1249
1250 〈小問2〉
1251
1252 アからエまでのうち,
1253 各依頼の趣旨に最も合致する訴訟が,
1254 民衆訴訟となるものをす
1255
1256 べて選んだ場合の組合せを,
1257 次の1から10までの中から選びなさい。
1258
1259
1260 1.アのみ
1261
1262 2.イのみ
1263
1264 3.ウのみ
1265
1266 4.エのみ
1267
1268 5.アとイ
1269
1270 6.アとウ
1271
1272 7.アとエ
1273
1274 8.イとウ
1275
1276 9.イとエ
1277
1278 10.ウとエ
1279
1280 - 9 -
1281
1282 〔第16問〕(配点:2)
1283 後記1から5までの各記述のうち,
1284 自動車検問に関する次の文章中の(
1285
1286 )の部分に入れて文章
1287
1288 を完成させたときに,
1289 その文章の内容が現行法令及び最高裁判所の判例に照らして誤りがないもの
1290 となるものはどれか。
1291
1292 (解答欄は,
1293 [35])
1294 警察官が,
1295 交通取締りの一環として,
1296 交通違反の多発する地域の適当な場所で,
1297 交通違反の予
1298 防・検挙のための自動車検問を実施し,
1299 その場所を通過する自動車に対し走行の外観上の不審な
1300 点の有無にかかわりなく停止を求め,
1301 運転者等に対し必要な事項についての質問をすることは,
1302
1303 (
1304
1305 )。
1306
1307
1308
1309 1.その場合の手段としての強制力の使用が,
1310 警察法第2条第1項に定める警察の責務の遂行のた
1311 めに合理的に必要とされる最小限度のものにとどまる限りにおいては,
1312 適法である
1313 2.公道を自動車で通行する者にとっては,
1314 公道利用を許されていることに付随する当然の負担と
1315 して甘受すべきものであるので,
1316 前記自動車検問が強制力を伴う方法で行われたとしても直ちに
1317 違法となるものではない
1318 3.強制力を伴わない任意手段による場合であっても,
1319 国民の権利自由の干渉にわたるおそれのあ
1320 るものであるから,
1321 そのこと自体についての法令の根拠が必要であり,
1322 そのような法令の根拠と
1323 しては,
1324 警察法第2条第1項だけでは足りない
1325 4.それを強制力を伴って実施しようとすると,
1326 警察法第2条第1項だけではその根拠として十分
1327 ではなく,
1328 また,
1329 警察官職務執行法による職務質問としても適法とされる余地はない
1330 5.それを強制力を伴って実施しようとすると,
1331 警察法第2条第1項だけではその根拠として十分
1332 ではないが,
1333 警察官職務執行法による犯罪の予防・制止の措置として適法とされる余地がある
1334 (参照条文)警察法
1335 第2条第1項
1336
1337 警察は,
1338 個人の生命,
1339 身体及び財産の保護に任じ,
1340 犯罪の予防,
1341 鎮圧及び捜査,
1342 被
1343
1344 疑者の逮捕,
1345 交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
1346
1347
1348 〔第17問〕(配点:2)
1349 次の文章は最高裁判所の判決の一部であるが,
1350 後記AからGまでの記述から適切なものを選んで,
1351
1352 アからウまでの空欄に入れて文章を完成させる場合に,
1353 選択すべきものの組合せを,
1354 後記1から6
1355 までの中から選びなさい。
1356
1357 (解答欄は,
1358 [36])
1359 行政処分が当然無効であるというためには,
1360 処分に重大かつ明白な瑕疵がなければならず,
1361 こ
1362 こに重大かつ明白な瑕疵というのは,
1363
1364 「処分の要件の存在を肯定する処分庁の認定に重大明白な瑕
1365 疵がある場合」を指すものと解すべきことは,
1366 当裁判所の判例である(中略)。
1367
1368 右判例の趣旨から
1369 すれば,
1370 瑕疵が明白であるというのは,
1371
1372 【ア】場合を指すものと解すべきである。
1373
1374 もとより,
1375
1376 【イ】
1377 どうかということ自体は,
1378 原審の口頭弁論終結時までに現れた証拠資料により判断すべきもので
1379 あるが,
1380 所論のように,
1381
1382 【ウ】どうかを口頭弁論終結時までに現れた証拠及びこれにより認められ
1383 る事実を基礎として判断すべきものであるということはできない。
1384
1385
1386 【ア】
1387
1388 A.処分成立の当初から,
1389 誤認であることが外形上客観的に明白である
1390 B.誤認であることが,
1391 処分成立の当初から行政庁にとって容易に判明し得た
1392 C.遅くとも原審の口頭弁論終結時において,
1393 誤認であったことが明らかとなっている
1394
1395 【イ】
1396
1397 D.処分成立の初めから重大かつ明白な瑕疵があったか
1398 E.重大かつ明白な瑕疵があるか
1399
1400 【ウ】
1401
1402 F.重大かつ明白な瑕疵があるか
1403 G.処分成立の初めから重大かつ明白な瑕疵があったか
1404
1405 1.アA
1406
1407 イD
1408
1409 ウF
1410
1411 2.アA
1412
1413 イE
1414
1415 ウG
1416
1417 3.アB
1418
1419 イD
1420
1421 ウF
1422
1423 4.アB
1424
1425 イE
1426
1427 ウG
1428
1429 5.アC
1430
1431 イD
1432
1433 ウF
1434
1435 6.アC
1436
1437 イE
1438
1439 ウG
1440
1441 - 10 -
1442
1443 〔第18問〕(配点:3)
1444 次のアからエまでの各記述について,
1445 それぞれにおける第1段落を前提とし,
1446 各第2段落の記述
1447 が,
1448 行政手続法の解釈又は適用として,
1449 正しい場合には1を,
1450 誤っている場合には2を選びなさい。
1451
1452
1453 なお,
1454 アからエまでのいずれの記述も,
1455 行政手続法第3条第1項の定める適用除外には当たらな
1456 い場面であり,
1457 建築基準法,
1458 食品衛生法,
1459 河川法には行政手続法の全部又は一部の適用を除外する
1460 規定は存在しない。
1461
1462 (解答欄は,
1463 アからエの順に[37]から[40])
1464 ア.食品衛生法によれば,
1465 飲食店事業を営むには,
1466 飲食店の営業許可を都道府県知事から取得しな
1467 ければならない。
1468
1469 また,
1470 都道府県知事は,
1471 営業許可に付された条件に違反した場合その他の場合
1472 において,
1473 営業許可の取消しを行うことができる。
1474
1475
1476 飲食店営業許可の取消処分は,
1477 事業活動を営むことができないという重大な不利益にかかわる
1478 行政処分であり,
1479 行政手続法上,
1480 都道府県知事において処分基準をあらかじめ設定し公にしてお
1481 かなければならない。
1482
1483
1484 イ.河川法によれば,
1485 河川の流水を占用しようとする者は,
1486 国土交通省令で定めるところにより,
1487
1488 河川管理者の許可を受けなければならない。
1489
1490
1491 占用不許可処分は,
1492 流水を用いた事業活動を営むことができないという重大な不利益をもたら
1493 す行政処分であるが,
1494 行政手続法上,
1495 河川管理者は,
1496 占用不許可処分をするに当たって弁明機会
1497 付与又は聴聞を行わなくてもよい。
1498
1499
1500 ウ.貸金業の規制等に関する法律によれば,
1501 貸金業を営もうとする者は,
1502 二以上の都道府県の区域
1503 内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあっては内閣総理大臣の,
1504 一の
1505 都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあっては当
1506 該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
1507
1508
1509 貸金業を営もうとする者が,
1510 内閣総理大臣の登録を受けようとする場合には,
1511 行政手続法の適
1512 用があり,
1513 都道府県知事の登録を受けようとする場合には,
1514 当該都道府県の行政手続条例が制定
1515 されていればその適用がある。
1516
1517
1518 エ.ある県条例において,
1519 知事は当該条例の定めに違反する者に対して「是正措置を講ずべきこと
1520 を勧告することができる」との規定及び当該勧告を受けた者が従わなかったときには「是正措置
1521 を講ずべきことを命ずることができる」との規定がある(なお,
1522 この条例は,
1523 法律の具体的な委
1524 任に基づくものではない。
1525
1526 )。
1527
1528
1529 知事が違反者に対して,
1530 是正のための措置を採るよう勧告する場合も,
1531 是正のための措置をす
1532 るよう命ずる場合も,
1533 共に行政手続法の適用はない。
1534
1535
1536 〔第19問〕(配点:3)
1537 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第5条第1号にいう「個人に関する情報」
1538 (以下「個
1539 人情報」という。
1540
1541 )について述べた次のアからエまでの各記述につき,
1542 それぞれ,
1543 正しい場合には1
1544 を,
1545 誤っている場合には2を選びなさい。
1546
1547 (解答欄は,
1548 アからエの順に[41]から[44])
1549 ア.個人情報の開示請求を受けた行政機関の長は,
1550 条文上,
1551 身分関係など当該個人のプライバシー
1552 にかかわるもののみ開示しないことができると規定されている。
1553
1554
1555 イ.他の情報と照合することによって初めて特定の個人を識別できる個人情報の開示請求を受けた
1556 行政機関の長は,
1557 当該情報のみでは特定の個人を識別することができず,
1558 当該個人の権利利益を
1559 害するおそれもないのであるから,
1560 当該情報を開示しなければならない。
1561
1562
1563 ウ.事業を営む個人の当該事業に関する情報は,
1564 法人等に関する情報と同様の要件により不開示情
1565 報該当性を判断することが適当であることから,
1566 個人情報から除外されている。
1567
1568
1569 エ.個人情報の開示請求を受けた行政機関の長は,
1570 当該情報が慣行として一般に公にされていると
1571 しても,
1572 個人のプライバシーを最大限保護するために,
1573 当該情報を開示しないことができる。
1574
1575
1576
1577 - 11 -
1578
1579 〔第20問〕(配点:2)
1580 ある地方で発生した大地震について,
1581 強制加入団体であるX税理士会が,
1582 被災した地域の税理士
1583 会の業務遂行支援のために寄付を行うこととし,
1584 このため復興支援特別負担金を会員から徴収する
1585 ことを決議した。
1586
1587 これに対して,
1588 X税理士会の会員であるYは,
1589 そのような強制的な寄付は,
1590 会員
1591 の憲法上の権利を侵害し,
1592 また,
1593 税理士会の権利能力の範囲外の行為であると主張し,
1594 決議の無効
1595 と特別負担金の支払義務の不存在の確認を求めて訴訟を提起した。
1596
1597 この事例に関する次のアからオ
1598 までの各記述のうち,
1599 最高裁判所の判例に照らし,
1600 正しいものをすべて選び出したものはどれか。
1601
1602
1603 (解
1604 答欄は,
1605 [45])
1606 ア.Yは,
1607 負担金徴収決議が自己の思想及び良心の自由を侵害するとの理由でX税理士会の決議の
1608 無効を主張することはできないが,
1609 それは憲法の第3章に定める権利の条項は,
1610 専ら公的機関と
1611 個人との関係を規律するものであるからである。
1612
1613
1614 イ.X税理士会の行う寄付は,
1615 その目的を遂行する上で直接又は間接に必要な範囲内での援助など
1616 にとどまるべきであるが,
1617 他の税理士会との間で業務その他について,
1618 提携,
1619 協力,
1620 援助等をす
1621 ることもその活動範囲に含まれる。
1622
1623
1624 ウ. 憲法第3章に保障された権利が,
1625 自然人たる国民にのみ認められた権利であることを考えれば,
1626
1627 法人であるX税理士会の人権は,
1628 特段の事情がない限り,
1629 自然人であるYの思想良心の自由に劣
1630 後する。
1631
1632
1633 エ.X税理士会が強制加入の団体であり,
1634 その会員であるYには実質的には脱退の自由が保障され
1635 ていないことからすると,
1636 寄付のために会員に強制的に協力義務を課すことは,
1637 寄付の目的にか
1638 かわらず,
1639 X税理士会の目的の範囲外の行為である。
1640
1641
1642 オ.憲法第3章に定める権利の条項は,
1643 性質上可能な限り,
1644 法人にも適用されるものと解すべきで
1645 あるから,
1646 いかなる相手にいかなる寄付を行うべきかは,
1647 自然人による寄付と別異に扱うべき憲
1648 法上の要請はなく,
1649 X税理士会において制限を受けることなく自由に決定することができる。
1650
1651
1652 1.アのみ
1653
1654 2.イのみ
1655
1656 3.ウのみ
1657
1658 4.エのみ
1659
1660 5.オのみ
1661
1662 6.アとイ
1663
1664 7.ウとエ
1665
1666 8.オとア
1667
1668 9.イとウ
1669
1670 10.アとイとウ
1671
1672 〔第21問〕(配点:3)
1673 行政事件訴訟法第3条第6項は,
1674 第1号で「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこ
1675 れがされないとき(次号に掲げる場合を除く。
1676
1677 )」,
1678 第2号で「行政庁に対し一定の処分又は裁決を求
1679 める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において,
1680 当該行政庁がその処分又は裁決を
1681 すべきであるにかかわらずこれがされないとき」にそれぞれ提起することができる二つの類型の義
1682 務付け訴訟を規定している。
1683
1684
1685 これらの義務付け訴訟について述べた次のアからエまでの各記述について,
1686 それぞれ,
1687 正しい場
1688 合には1を,
1689 誤っている場合には2を選びなさい。
1690
1691 (解答欄は,
1692 アからエの順に[46]から[4
1693 9])
1694 ア.行政事件訴訟法は,
1695 求める処分等の名あて人を,
1696 原告自らとするものと第三者とするもの2類
1697 型に分けて規定している。
1698
1699
1700 イ.申請に対して拒否処分を受けた者は,
1701 義務付け訴訟を提起するには拒否処分の取消訴訟を併合
1702 して提起しなければならない。
1703
1704
1705 ウ.申請に対して拒否処分を受けた者が,
1706 拒否処分の取消訴訟と義務付け訴訟を併合して提起した
1707 場合,
1708 取消訴訟が棄却されたとしても,
1709 取消訴訟と義務付け訴訟では判断の基準時が異なるので
1710 あるから,
1711 義務付け訴訟が認容される場合もある。
1712
1713
1714 エ.処分の根拠法令上,
1715 行政庁に処分を行うか否かにつき裁量が認められる場合には,
1716 当該処分の
1717 義務付けの訴えが却下されるか請求が棄却されるかのいずれかの結論となる。
1718
1719
1720
1721 - 12 -
1722
1723 〔第22問〕(配点:3)
1724 次の1から6までの平等原則に関する記述について,
1725 最高裁判所の判例に合致しないものを二つ
1726 選びなさい。
1727
1728 (解答欄は,
1729 [50],
1730 [51]順不同)
1731 1.憲法第14条第1項は法の下の平等を定めているが,
1732 この規定は合理的理由のない差別を禁止
1733 する趣旨のものであるから,
1734 各人に存する経済的,
1735 社会的その他種々の事実関係上の差異を理由
1736 としてその法的取扱いに区別を設けることは,
1737 その区別が合理性を有する限り,
1738 何ら憲法第14
1739 条に違反するものでない。
1740
1741
1742 2.非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする旨の規定は,
1743 非嫡出子が婚姻家族に属してい
1744 ないという属性を重視し,
1745 そこに区別の根拠を求めるものであって,
1746 それ自体では,
1747 社会的身分
1748 による差別として合理性が疑われるが,
1749 当該規定は,
1750 遺言による相続分の指定等がない場合など
1751 において補完的に機能するものにすぎないから,
1752 相続制度全体としてみれば,
1753 憲法第14条第1
1754 項に反するということはできない。
1755
1756
1757 3.租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取扱いの区別は,
1758 その立法目的が正当
1759 であり,
1760 かつ,
1761 当該立法において具体的に採用された区別の態様がその目的との関連で著しく不
1762 合理であることが明らかでない限り,
1763 その合理性を否定することができず,
1764 これを憲法第14条
1765 第1項の規定に違反するものということはできない。
1766
1767
1768 4.在留外国人を対象とする指紋押なつ制度は,
1769 外国人の登録を実施することによって外国人の居
1770 住関係及び身分関係を明確ならしめ,
1771 もって在留外国人の公正な管理に資するという法の目的を
1772 達成するため,
1773 戸籍制度のない外国人の人物特定につき確実な制度として制定されたものである
1774 が,
1775 今日においては,
1776 他の手段で代替することが可能であり,
1777 日本人と異なる取扱いをすること
1778 につき合理性が認め難いので,
1779 憲法第14条第1項に違反する。
1780
1781
1782 5
1783
1784 憲法が各地方公共団体の条例制定権を認める以上,
1785 地域によって差別が生じることは当然予期
1786 されることであるから,
1787 かかる差別は憲法自らが容認するところであると解するべきである。
1788
1789 そ
1790 れゆえ,
1791 地方公共団体が売春の取締りについて各別に条例を制定する結果,
1792 その取扱いに差異が
1793 生じることがあっても,
1794 地域差のゆえをもって違憲ということはできない。
1795
1796
1797
1798 6.刑罰として,
1799 被害者が尊属であることを,
1800 法律上,
1801 刑の加重要件とする規定を設けても,
1802 かか
1803 る差別的取扱いをもって直ちに合理的な根拠を欠くものと断ずることはできないが,
1804 加重の程度
1805 が極端であって,
1806 立法目的達成の手段として甚だしく均衡を失し,
1807 これを正当化しうべき根拠を
1808 見い出し得ないときは,
1809 その差別は著しく不合理なものとして,
1810 憲法第14条第1項に違反する。
1811
1812
1813 〔第23問〕(配点:3)
1814 次のアからエまでの各記述について,
1815 それぞれ,
1816 正しい場合には1を,
1817 誤っている場合には2を
1818 選びなさい。
1819
1820 (解答欄は,
1821 アからエの順に[52]から[55])
1822 ア.行政組織のために置かれる国の行政機関のうち,
1823 省は,
1824 内閣の統轄の下に行政事務をつかさど
1825 る機関として置かれ,
1826 その長は,
1827 内閣総理大臣が国務大臣の中から命ずることとされている。
1828
1829
1830 イ.法律により特定の行政庁Aの権限に属するとされた事項を他の者Bが専決として行う場合には,
1831
1832 対外的にはBの名前で行い,
1833 AはBに対する監督責任を負うことになる。
1834
1835
1836 ウ.処分の取消しの訴えを提起した後に訴えの利益が消滅した場合,
1837 原告は当該訴えを,
1838 当該処分
1839 が違法にされたことを理由とする国家賠償請求の訴えに変更して訴訟を維持することができる。
1840
1841
1842 エ.行政処分の附款の一種である負担は,
1843 処分の主たる内容に付随して相手方に作為,
1844 不作為,
1845 給
1846 付又は受忍を命ずるものであり,
1847 処分の効果は,
1848 負担が履行されるまでは不確定の状態に置かれ,
1849
1850 負担の不履行の確定によって当然に消滅する。
1851
1852
1853
1854 - 13 -
1855
1856 〔第24問〕(配点:3)
1857 次の【ア】と【イ】の空欄には後記の語句群から,
1858
1859 (A)から(C)までの空欄には後記の文章群
1860 から,
1861 それぞれ適切なものを入れると,
1862 いわゆる北方ジャーナル事件の最高裁判所判決に関する文
1863 章となる(ただし,
1864 同じ語句又は文章が入ることはない。
1865
1866 )。
1867
1868
1869 【ア】と【イ】の空欄に入れるべき語句
1870 の組合せとして適当なものを選ぶとともに,
1871
1872 (A)から(C)までの空欄に入れるべき文章を選びな
1873 さい。
1874
1875 (解答欄は,
1876 【語句の組合せ】は,
1877 [56],
1878 【文章群】は,
1879 (A)から(C)の順に[57]か
1880 ら[59])
1881 憲法第21条第2項前段にいう検閲とは,
1882
1883 【ア】が主体となって,
1884 思想内容等の表現物を対象と
1885 し,
1886 その全部又は一部の発表の禁止を目的として,
1887 対象とされる一定の表現物につき網羅的一般
1888 的に,
1889 発表前にその内容を審査した上,
1890 不適当と認めるものの発表を禁止することをいい,
1891 出版
1892 物の頒布等の仮処分による事前差止めは,
1893 検閲に【イ】。
1894
1895
1896 しかし,
1897 表現行為に対する事前抑制は,
1898 (A)というべきである。
1899
1900
1901 出版物の頒布等の事前差止めは,
1902 このような事前抑制に該当するものであって,
1903 とりわけその
1904 対象が,
1905 公務員又は公職選挙の候補者に対する評価,
1906 批判等の表現行為に関するものである場合
1907 には,
1908 (B)ものといわなければならない。
1909
1910 ただ,
1911 そのような場合であっても,
1912 (C)。
1913
1914
1915 【語
1916
1917 句
1918
1919 群】
1920
1921 a.公権力
1922
1923 b.行政権
1924
1925 c.司法権
1926
1927 d.当たる
1928
1929 e.当たらない
1930
1931 f.当たり得る
1932
1933 【語句の組合せ】
1934 1.ad
1935
1936 2.ae
1937
1938 3.af
1939
1940 4.bd
1941
1942 6.bf
1943
1944 7.cd
1945
1946 8.ce
1947
1948 9.cf
1949
1950 【文
1951
1952 章
1953
1954 5.be
1955
1956 群】
1957
1958 1.頒布される出版物の内容いかんによっては,
1959 出版物の対象となった者の人格等に回復し難い
1960 損害が生じるおそれがあるから,
1961 そのような場合に限って,
1962 厳格かつ明確な要件の下に,
1963 検閲
1964 として,
1965 許される場合がある
1966 2.その表現内容が真実でなく,
1967 又はそれが専ら公益を図る目的でないことが明白であって,
1968 か
1969 つ,
1970 被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがあるときには,
1971 例外的に許容さ
1972 れる
1973 3.裁判所による仮処分に基づくときには,
1974 一般に,
1975 口頭弁論ないし債務者の審尋を必要的とせ
1976 ず,
1977 立証についても疎明で足りるものとしており,
1978 表現の自由を確保する上で,
1979 その手続的保
1980 障として十分であるとはいえないから,
1981 相手方に反証の機会を与えない限り,
1982 許されない
1983 4.その者の人格権としての名誉権を十分に尊重しなければならないのであるから,
1984 当該表現行
1985 為によって侵害される個人的利益を上回るような出版の必要性が認められない限り,
1986 許容され
1987 る
1988 5.公の批判の機会を減少させるものであり,
1989 その性質上,
1990 予測に基づくものとならざるを得な
1991 いことから,
1992 事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く,
1993 濫用のおそれがあることなどからする
1994 と,
1995 厳格かつ明確な要件の下においてのみ許容される
1996 6.そのこと自体から,
1997 一般にそれが公共の利害に関する事項であるということができ,
1998 その表
1999 現が私人の名誉権に優先する社会的価値を含み憲法上特に保護されるべきであることにかんが
2000 みると,
2001 原則として許されない
2002 7.被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合には,
2003 その表現内容が真
2004 実であったとしても,
2005 例外的に許容される
2006
2007 - 14 -
2008
2009 〔第25問〕(配点:3)
2010 以下の各文章は,
2011 被疑者,
2012 被告人の権利に関する最高裁判所の判例の内容を要約したものである。
2013
2014
2015 それぞれ,
2016 内容が正しい場合には1を,
2017 誤りである場合には2を選びなさい。
2018
2019
2020 (解答欄は,
2021 アからオ
2022 の順に[60]から[64])
2023 ア.憲法第34条前段の弁護人に依頼する権利についての規定は,
2024 単に被疑者が弁護人を選任する
2025 ことを官憲が妨害してはならないというにとどまるものではなく,
2026 被疑者に対し,
2027 弁護人を選任
2028 した上で,
2029 弁護人に相談し,
2030 その助言を受けるなど弁護人から援助を受ける機会を持つことを実
2031 質的に保障しているものと解すべきである。
2032
2033
2034 イ.憲法第35条は,
2035 刑事手続に関する規定であって,
2036 行政手続に適用されるものではないと解す
2037 るのが相当であるから,
2038 収税官吏が所得税に関する調査について必要があるときは,
2039 納税義務者
2040 などに質問し,
2041 又は帳簿書類その他の物件の検査をすることができる旨を規定している昭和40
2042 年法律第33号による改正前の所得税法第63条には直接適用がないものといわなければならな
2043 い。
2044
2045
2046 ウ.憲法第37条第1項は,
2047 単に迅速な裁判を一般的に保障するために必要な立法上及び司法行政
2048 上の措置を採るべきことを要請するにとどまらず,
2049 さらに個々の刑事事件について,
2050 現実にその
2051 保障に明らかに反し,
2052 審理が著しく遅延し,
2053 迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認め
2054 られる異常な事態が生じた場合には,
2055 その審理を打ち切るという非常救済手段が採られるべきこ
2056 とをも認めている趣旨の規定である。
2057
2058 したがって,
2059 具体的刑事事件における審理の遅延が,
2060 通常
2061 その種の事件として想定される期間を著しく超えた場合には,
2062 裁判所は,
2063 被告人に対し非常救済
2064 手段として,
2065 免訴の言渡しをしなければならない。
2066
2067
2068 エ.憲法第38条第1項の法意は,
2069 何人も自己の刑事上の責任を問われるおそれのある事項につい
2070 て供述を強要されないことを保障したものであるところ,
2071 この保障は,
2072 純然たる刑事手続におい
2073 てばかりではなく,
2074 それ以外の手続においても実質上刑事責任追及のための資料の取得収集に直
2075 接結び付く作用を一般的に有する手続には,
2076 等しく及ぶものと解するのが相当である。
2077
2078
2079 オ.公判廷における被告人の自白は,
2080 憲法第38条第3項に規定する「本人の自白」には該当しな
2081 いと解すべきである。
2082
2083 その理由としては,
2084 被告人の発言,
2085 挙動,
2086 顔色,
2087 態度及びこれらの変化等
2088 からも,
2089 その自白が真実に合致するか,
2090 任意のものであるかなどを裁判所が判断し得ることが挙
2091 げられる。
2092
2093
2094 〔第26問〕(配点:2)
2095 行政処分に関する以下のアからウまでの各記述について,
2096 法令又は最高裁判所の判例に照らし,
2097
2098 正しいものに○,
2099 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2100 後記1から8までの中から選びな
2101 さい。
2102
2103 (解答欄は,
2104 [65])
2105 ア.土地収用法に基づく土地収用裁決により土地を収用された者は,
2106 出訴期間が経過した後,
2107 土地
2108 収用裁決の無効確認訴訟を提起することはできない。
2109
2110
2111 イ.建築基準法に基づく除却命令により自己の所有する建築物を損壊された者は,
2112 除却命令が取り
2113 消されない限り,
2114 除却命令が違法であることを理由とする国家賠償請求をすることはできない。
2115
2116
2117 ウ.原子炉設置予定地の周辺住民は,
2118 設置許可が取り消されない限り,
2119 当該原子炉の設置許可を受
2120 けた電力会社に対し,
2121 人格権に基づき原子炉の建設の差止めを求める民事訴訟を提起することは
2122 できない。
2123
2124
2125 1.ア○
2126
2127 イ○
2128
2129 ウ○
2130
2131 2.ア○
2132
2133 イ○
2134
2135 ウ×
2136
2137 3.ア○
2138
2139 イ×
2140
2141 ウ○
2142
2143 4.ア○
2144
2145 イ×
2146
2147 ウ×
2148
2149 5.ア×
2150
2151 イ○
2152
2153 ウ○
2154
2155 6.ア×
2156
2157 イ○
2158
2159 ウ×
2160
2161 7.ア×
2162
2163 イ×
2164
2165 ウ○
2166
2167 8.ア×
2168
2169 イ×
2170
2171 ウ×
2172
2173 - 15 -
2174
2175 〔第27問〕(配点:3)
2176 国会の権能に関する次の各文章について,
2177 それぞれ,
2178 正しい場合には1を,
2179 誤っている場合には
2180 2を選びなさい。
2181
2182 (解答欄は,
2183 アからオの順に[66]から[70])
2184 ア.憲法によれば,
2185 両議院は,
2186 それぞれ国政に関する調査に関して,
2187 証人の出頭,
2188 証言及び記録の
2189 提出を要求することができるとされている。
2190
2191 この規定を受けて,
2192 議院における証人の宣誓及び証
2193 言等に関する法律は,
2194 各議院から証人としての出頭及び証言又は書類の提出を求められたときは,
2195
2196 原則として何人もこれに応じなければならないとし,
2197 正当な理由なく,
2198 出頭,
2199 書類の提出,
2200 宣誓,
2201
2202 証言を拒んだ場合の刑罰を定めているほか,
2203 各議院が,
2204 国政調査に関して,
2205 捜索,
2206 押収を行うこ
2207 とを認めている。
2208
2209
2210 イ.国政調査権は,
2211 司法権の独立を害しない限り,
2212 司法に関する事項にも及ぶ。
2213
2214 両議院の議員によ
2215 って構成される裁判官訴追委員会は,
2216 裁判官について訴追の請求があったとき又は弾劾による罷
2217 免の事由があると思料するときは,
2218 その事由を調査しなければならない(裁判官弾劾法第11条)
2219 が,
2220 これは,
2221 そのような国政調査権行使の一例である。
2222
2223
2224 ウ.各議院は,
2225 答弁又は説明のために国務大臣の出席を求めることができる。
2226
2227 出席を求められた国
2228 務大臣は,
2229 両議院の一に議席を有するか否かにかかわらず,
2230 出席しなければならない。
2231
2232 他方,
2233 両
2234 議院の一に議席を有する国務大臣は,
2235 いつでも議案について発言するため議院に出席することが
2236 できるのに対し,
2237 議席を有しない国務大臣は,
2238 議院から求められた場合に限って出席することが
2239 できる。
2240
2241
2242 エ.両議院の会議は公開とするのが原則であるが,
2243 出席議員の三分の二以上の多数で議決したとき
2244 は,
2245 秘密会を開くことができる。
2246
2247 裁判所が裁判の対審を非公開とする場合には,
2248 公の秩序又は善
2249 良の風俗を害するおそれがなければならないが,
2250 両議院の会議を非公開にするについては,
2251 その
2252 ような制限は加えられていない。
2253
2254
2255 オ.条約の締結に必要な国会の承認については,
2256 先に衆議院に提出しなければならない。
2257
2258 先に提出
2259 を受けた衆議院がこれを承認したのに,
2260 参議院が承認しなかった場合に,
2261 両議院の協議会を開い
2262 ても意見が一致しないとき,
2263 又は参議院が提出を受けた後,
2264 国会休会中の期間を除いて30日以
2265 内に議決しないときは,
2266 衆議院の議決をもって国会の承認があったものとされる。
2267
2268
2269 〔第28問〕(配点:2)
2270 行政処分の成立と発効に関する次のアからウまでの各記述について,
2271 正しいものに○,
2272 誤ってい
2273 るものに×を付した場合の組合せを,
2274 後記1から8までの中から選びなさい。
2275
2276
2277 (解答欄は,
2278
2279 [71])
2280 ア.行政庁の処分は,
2281 行政庁がそれを決定して外部に表示することによりその効果を生ずるのが原
2282 則であるが,
2283 最高裁判所の判例によれば,
2284 一定種類の処分に関しては,
2285 法令に特別の定めがある
2286 場合はもちろん,
2287 特別の定めがなくても,
2288 相手方への到達により初めてその効果が生ずるものと
2289 されている。
2290
2291
2292 イ.行政庁は,
2293 法律関係を形成する処分を行うに当たっては,
2294 始期又は停止条件を付すことが原則
2295 として可能だとするのが最高裁判所の判例であり,
2296 その場合,
2297 処分の効果は始期の到来又は条件
2298 の成就によって発生する。
2299
2300
2301 ウ.最高裁判所の判例によれば,
2302 行政庁の処分を外部に表示する行為が行政庁の内部的意思決定と
2303 相違している場合に,
2304 表示されている内容の処分があったとして扱うことはできないとされてい
2305 る。
2306
2307
2308 1.ア○
2309
2310 イ○
2311
2312 ウ○
2313
2314 2.ア○
2315
2316 イ○
2317
2318 ウ×
2319
2320 3.ア○
2321
2322 イ×
2323
2324 ウ○
2325
2326 4.ア○
2327
2328 イ×
2329
2330 ウ×
2331
2332 5.ア×
2333
2334 イ○
2335
2336 ウ○
2337
2338 6.ア×
2339
2340 イ○
2341
2342 ウ×
2343
2344 7.ア×
2345
2346 イ×
2347
2348 ウ○
2349
2350 8.ア×
2351
2352 イ×
2353
2354 ウ×
2355
2356 - 16 -
2357
2358 〔第29問〕(配点:2)
2359 教育を受ける権利に関する次の文章のうち,
2360 @からEの空欄に入れるべき語句の組合せとして正
2361 しいものを語句群の組合せの中から選びなさい。
2362
2363 (解答欄は,
2364 [72])
2365 「教育を受ける権利」の性質については,
2366 社会権説,
2367 公民権説,
2368 学習権説が主張されている。
2369
2370
2371 (@)
2372 配慮を求める社会権説は,
2373 かつての通説的見解であり,
2374 教育の(A)の平等を実現するための(@)
2375 配慮を国家に対して要求する権利ととらえる。
2376
2377 公民権説は,
2378 国民主権の原理の下で,
2379 次の時代の
2380 (B)を育成することを重視する。
2381
2382 学習権説は,
2383 発達過程にある子供の学習する権利を保障した
2384 ものと解する。
2385
2386 近時の多数説は,
2387 学習権説である。
2388
2389
2390 「教育を受ける権利」を学習権と結び付けて解しても,
2391 そこから国家の教育内容への(C)に
2392 関して同じ結論が導かれるわけではないことに注意する必要がある。
2393
2394 第二次家永教科書検定事件
2395 第一審判決(東京地判昭和45年7月17日)は,
2396 学習権という把握から国民の教育権を導き出
2397 し,
2398 国家の教育内容への(C)を原則として否認した。
2399
2400 第一次家永教科書検定事件第一審判決(東
2401 京地判昭和49年7月16日)は,
2402 学習権と把握しつつも,
2403 国の権能が教育内容や教育方法にも
2404 及び得ることを是認した。
2405
2406 旭川学力テスト事件上告審判決(最大判昭和51年5月21日)は,
2407
2408 憲法第26条の規定の背後に学習権という観念が存在していることを肯定しつつも,
2409 そこから教
2410 育権の(D)について特定の見解が直ちに帰結されるものではないとした。
2411
2412
2413 学習権の意義を,
2414 最高裁判決と同様に,
2415 教師や親の教育の自由を根拠付けるとともに,
2416 これら
2417 教育の自由の(E)原理になる点にあるとする見解もある。
2418
2419 他方で,
2420 学習権はもともと国民の教
2421 育権にかかわる教育思想であったことを理由に,
2422 最高裁判決のように,
2423 国家の教育権を導き出す
2424 機能を果たす学習権概念の使用を批判する見解もある。
2425
2426
2427 【語
2428
2429 句
2430
2431 群】
2432
2433 ア.権力者
2434
2435 イ.侵害
2436
2437 ウ.所在
2438
2439 エ.経済的
2440
2441 オ.根拠
2442
2443 カ.教育的
2444
2445 キ.制約
2446
2447 ク.機会
2448
2449 ケ.介入
2450
2451 コ.主権者
2452
2453 サ.結果
2454
2455 シ.かかわり
2456
2457 【語句群の組合せ】
2458 1.@にカ,
2459 Aにク,
2460 Bにコ
2461
2462 2.@にエ,
2463 Bにコ,
2464 Dにウ
2465
2466 4.@にカ,
2467 Cにシ,
2468 Dにオ
2469
2470 5.Aにサ,
2471 Bにア,
2472 Eにキ
2473
2474 3.Aにク,
2475 Cにケ,
2476 Eにイ
2477
2478 〔第30問〕(配点:3)
2479 地方公共団体の契約に関して述べた次のアからエまでの各記述につき,
2480 現行法令及び最高裁判所
2481 の判例に照らして,
2482 それぞれ,
2483 正しい場合には1を,
2484 誤っている場合には2を選びなさい。
2485
2486
2487 (解答欄
2488 は,
2489 アからエの順に[73]から[76])
2490 ア.地方公共団体の長が当該地方公共団体と協力関係にある他の法人の代表者を兼ねている場合に,
2491
2492 その者が当該地方公共団体を代表して行う当該法人との契約の締結に関しては,
2493 双方代理に関す
2494 る民法規定の適用ないし類推適用はないとされている。
2495
2496
2497 イ.地方公共団体の長が公共工事に係る指名競争入札への参加希望者のうち一定の者を指名から排
2498 除する行為は,
2499 抗告訴訟の対象となる処分に当たるとされている。
2500
2501
2502 ウ.地方自治法の規定上,
2503 地方公共団体の契約について随意契約によることのできる場合は制限さ
2504 れているが,
2505 最高裁判所の判例では,
2506 この制限に違反して締結された契約は,
2507 相手方との関係で
2508 原則として無効とはならないとされている。
2509
2510
2511 エ.地方自治法上の住民訴訟においては,
2512 住民は,
2513 地方公共団体の契約締結の相手方に対して直接
2514 に契約の無効を理由とする不当利得返還請求をすることはできず,
2515 地方公共団体の長等において
2516 そのような不当利得返還請求をすることを求める旨の請求をすべきものとされている。
2517
2518
2519
2520 - 17 -
2521
2522 〔第31問〕(配点:2)
2523 次のアからウまでの各記述につき,
2524 国家賠償法の規定及び最高裁判所の判例に照らして,
2525 正しい
2526 ものに○,
2527 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
2528 後記1から8までの中から選びなさい。
2529
2530
2531 (解
2532 答欄は,
2533 [77])
2534 ア.道路工事箇所を表示する標識板が,
2535 夜間,
2536 通行車によって倒されたため,
2537 その直後に他の通行
2538 車について事故が発生したという場合,
2539 道路管理を担当する公務員において遅滞なくこれを原状
2540 に復し道路を安全な状態に保つことが不可能であったとすれば,
2541 国家賠償法第2条にいう営造物
2542 の管理に瑕疵があったとはいえない。
2543
2544
2545 イ.道路管理を担当する公務員において,
2546 故障した大型車が道路上に長時間放置されている事実を
2547 知ったにもかかわらず,
2548 道路の安全性を保持するための措置を講ずるに至らず,
2549 その結果,
2550 衝突
2551 事故が生じたという場合,
2552 公権力の行使に当たる公務員が故意又は過失によって違法に他人に損
2553 害を加えたことによる国家賠償法第1条の責任が認められる余地はない。
2554
2555
2556 ウ.故障した大型車が道路上に長時間放置されているにもかかわらず,
2557 十分な巡視の体制がとられ
2558 ていなかったために道路管理を担当する公務員においてその事実を知るに至らず,
2559 その結果,
2560 道
2561 路の安全性を保持するための措置が講じられず,
2562 衝突事故が生じたという場合,
2563 国家賠償法第2
2564 条にいう営造物の管理の瑕疵があったとはいえない。
2565
2566
2567 1.ア○
2568
2569 イ○
2570
2571 ウ○
2572
2573 2.ア○
2574
2575 イ○
2576
2577 ウ×
2578
2579 3.ア○
2580
2581 イ×
2582
2583 ウ○
2584
2585 4.ア○
2586
2587 イ×
2588
2589 ウ×
2590
2591 5.ア×
2592
2593 イ○
2594
2595 ウ○
2596
2597 6.ア×
2598
2599 イ○
2600
2601 ウ×
2602
2603 7.ア×
2604
2605 イ×
2606
2607 ウ○
2608
2609 8.ア×
2610
2611 イ×
2612
2613 ウ×
2614
2615 〔第32問〕(配点:2)
2616 強制執行に関する次のアからウまでの各記述について,
2617 正しいものに○,
2618 誤っているものに×を
2619 付した場合の組合せを,
2620 後記1から8までの中から選びなさい。
2621
2622 (解答欄は[78])
2623 ア.法律に基づき行政庁が特定の者に対して命じた行為について,
2624 命じられた行為が履行されるま
2625 での間,
2626 その者に一定の金銭支払義務を課すことができるという規定は,
2627 行政上の強制執行を定
2628 めたものである。
2629
2630
2631 イ. 警察官職務執行法第5条に定める警察官による制止措置は,
2632 身体に対する実力行使であるから,
2633
2634 行政上の強制執行のうち,
2635 直接強制の例である。
2636
2637
2638 (参照条文)警察官職務執行法
2639 第5条
2640
2641 警察官は,
2642 犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは,
2643 その予防のため関係者
2644
2645 に必要な警告を発し,
2646 又,
2647 もしその行為により人の生命若しくは身体に危害が及び,
2648 又は財
2649 産に重大な損害を受ける虞があつて,
2650 急を要する場合においては,
2651 その行為を制止すること
2652 ができる。
2653
2654
2655 ウ.消防法第5条の2第1項の規定に基づき消防長が建物の使用や立入りを禁ずる命令を出した場
2656 合,
2657 これを守らない者に対しては,
2658 消防長は,
2659 行政代執行法に基づく代執行を行うことができる。
2660
2661
2662 (参照条文)消防法
2663 第5条の2第1項
2664
2665 消防長又は消防署長は,
2666 防火対象物の位置,
2667 構造,
2668 設備又は管理の状況に
2669
2670 ついて次のいずれかに該当する場合には,
2671 権原を有する関係者に対し,
2672 当該防火対象物の使
2673 用の禁止,
2674 停止又は制限を命ずることができる。
2675
2676
2677 一,
2678 二
2679
2680 (略)
2681
2682 1.ア○
2683
2684 イ○
2685
2686 ウ○
2687
2688 2.ア○
2689
2690 イ○
2691
2692 ウ×
2693
2694 3.ア○
2695
2696 イ×
2697
2698 ウ○
2699
2700 4.ア○
2701
2702 イ×
2703
2704 ウ×
2705
2706 5.ア×
2707
2708 イ○
2709
2710 ウ○
2711
2712 6.ア×
2713
2714 イ○
2715
2716 ウ×
2717
2718 7.ア×
2719
2720 イ×
2721
2722 ウ○
2723
2724 8.ア×
2725
2726 イ×
2727
2728 ウ×
2729
2730 - 18 -
2731
2732 〔第33問〕(配点3)
2733 行政手続法第4章に関する次のアからエまでの各記述について,
2734 それぞれ,
2735 正しい場合には1を,
2736
2737 誤っている場合には2を選びなさい。
2738
2739 (解答欄は,
2740 アからエの順に[79]から[82])
2741 ア.行政手続法によれば,
2742 行政指導は,
2743 行政機関の任務又は所掌事務の範囲内で行われなければな
2744 らない。
2745
2746 したがって,
2747 行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱して行われた行政指導の効果は
2748 行政主体には帰属せず,
2749 国家賠償法の対象とはならない。
2750
2751
2752 イ.行政手続法によれば,
2753 行政指導に携わる者は,
2754 相手方が行政指導に従わなかったことを理由と
2755 して,
2756 不利益な取扱いをしてはならない。
2757
2758 法令違反行為に対して行政指導をしたにもかかわらず,
2759
2760 行政指導の相手方が従わなかった場合に,
2761 当該違反行為について法令上規定された不利益処分を
2762 行政庁が行うことは,
2763 ここにいう「不利益な取扱い」に直ちに該当するものではない。
2764
2765
2766 ウ.行政手続法によれば,
2767 行政指導を行うに際しては,
2768 相手方から求めがなくても,
2769 同法の定める
2770 例外に該当しない限りは,
2771 行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を記載した書面を行政指導の相
2772 手方に交付しなければならない。
2773
2774
2775 エ.行政手続法によれば,
2776 同一の行政目的を実現するため,
2777 一定の条件に該当する複数の者に対し
2778 て行政指導をしようとするときは,
2779 あらかじめ,
2780 事案に応じ,
2781 これらの行政指導に共通してその
2782 内容となるべき事項を定め,
2783 かつ,
2784 行政上特別の支障のない限り,
2785 公表しなければならない。
2786
2787
2788 〔第34問〕(配点:2)
2789 次の文章は,
2790 訴えの利益に関する最高裁判所の判例の一部であるが,
2791 後記aからiまでの記述か
2792 ら適切なものを選んで,
2793 アからウまでの空欄に入れて文章を完成させる場合に,
2794 選択すべきものの
2795 組合せを,
2796 後記1から8までの中から選びなさい。
2797
2798 (解答欄は,
2799 [83])
2800 本邦に在留する外国人が再入国の許可を受けないまま本邦から出国した場合には,
2801 同人がそれ
2802 まで有していた在留資格は消滅するところ,
2803 出入国管理及び難民認定法第26条第1項に基づく
2804 再入国の許可は,
2805 本邦に在留する外国人に対し,
2806 新たな在留資格を付与するものではなく,
2807 同人
2808 が有していた在留資格を出国にもかかわらず存続させ,
2809 右在留資格のままで本邦に再び入国する
2810 ことを認める処分であると解される。
2811
2812 そうすると,
2813 再入国の許可申請に対する不許可処分を受け
2814 た者が再入国の許可を受けないまま本邦から出国した場合には,
2815 [ア],
2816 右不許可処分が取り消さ
2817 れても,
2818 [イ],
2819 同人は,
2820 [ウ]。
2821
2822
2823 [ア]
2824
2825 a.同人がそれまで有していた在留資格が変更されることにより
2826 b.同人が在留資格を新たに取得することにより
2827 c.同人がそれまで有していた在留資格が消滅することにより
2828 d.同人がそれまで有していた在留資格が更新されることにより
2829
2830 [イ]
2831
2832 e.同人に対して右在留資格のままで再入国することを認める余地はなくなるから
2833 f.同人に対して右在留資格により再入国することを認める余地があるから
2834 g.同人に対して新たな在留資格により再入国することを認める余地があるから
2835
2836 [ウ]
2837
2838 h.右不許可処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を有するものというべきであ
2839 る
2840 i.右不許可処分の取消しによって回復すべき法律上の利益を失うに至るものと解すべき
2841 である
2842
2843 1.アa
2844
2845 イe
2846
2847 ウi
2848
2849 2.アa
2850
2851 イg
2852
2853 ウi
2854
2855 3.アb
2856
2857 イf
2858
2859 ウh
2860
2861 4.アb
2862
2863 イg
2864
2865 ウi
2866
2867 5.アc
2868
2869 イe
2870
2871 ウi
2872
2873 6.アc
2874
2875 イg
2876
2877 ウh
2878
2879 7.アd
2880
2881 イe
2882
2883 ウh
2884
2885 8.アd
2886
2887 イf
2888
2889 ウh
2890
2891 - 19 -
2892
2893 〔第35問〕(配点:3)
2894 次の文章は,
2895 昭和48年12月12日の最高裁判所判決の一部分を抜き出したものである。
2896
2897 この
2898 文章を読んで,
2899 以下の小問に答えなさい。
2900
2901
2902 私的支配関係においては,
2903 個人の基本的な自由や平等に対する具体的な侵害又はそのおそれが
2904 あり,
2905 その態様,
2906 程度が社会的に許容し得る限度を超えるときは,
2907 これに対する立法措置によっ
2908 てその是正を図ることが可能であるし,
2909 また,
2910 場合によっては,
2911 私的自治に対する一般的制限規
2912 定である民法第1条,
2913 第90条や不法行為に関する諸規定等の適切な運用によって,
2914 一面で私的
2915 自治の原則を尊重しながら,
2916 他面で社会的許容性の限度を超える侵害に対し基本的な自由や平等
2917 の利益を保護し,
2918 その間の適切な調整を図る方途も存するのである。
2919
2920 そしてこの場合,
2921 個人の基
2922 本的な自由や平等を極めて重要な法益として尊重すべきことは当然であるが,
2923 これを絶対視する
2924 ことも許されず,
2925 統治行動の場合と同一の基準や観念によってこれを律することができないこと
2926 は,
2927 論をまたないところである。
2928
2929
2930 〈小問1〉
2931
2932 この判決と同一の論点が問題となった最高裁判所判決の事例を次の事例群のうちから
2933
2934 二つ選びなさい。
2935
2936 (解答欄は,
2937 [84],
2938 [85]順不同)
2939 【事例群】
2940 1.私立大学の定める生活要録と学生の精神的自由
2941 2.地方議会議員に対する出席停止処分
2942 3.企業における女子若年定年制
2943 4.宗教法人の教義にかかわる宗教法人の代表役員の地位確認
2944 5.在監者の図書・新聞紙の閲読の制限
2945 〈小問2〉
2946
2947 次の論評アから論評ウのうち,
2948 この判決に対する論評として明らかに誤っているもの
2949
2950 に×を,
2951 そうとはいえないものに○を付した場合の組合せを,
2952 後記の1から8までの中から選び
2953 なさい。
2954
2955 (解答欄は,
2956 [86])
2957 論評ア.この判決は,
2958 国家類似の巨大な組織化された利益集団の出現した現代において,
2959 民主的
2960 憲法は単に制度としての国家の枠組みでなく,
2961 国民の政治・経済・社会の全生活分野にわ
2962 たる客観的価値秩序であり,
2963 憲法の定立する法原則は社会生活のあらゆる領域において同
2964 じように尊重され実現されるべきだという新しい憲法観に立脚したものである,
2965 と評価す
2966 ることができる。
2967
2968
2969 論評イ.この判決の見解は,
2970 人権規定を媒介する一般条項の活用が,
2971
2972 「社会的許容性の限度を超え
2973 る侵害」の場合というあいまいな基準の下に置かれており,
2974 さらに具体的事案に対する判
2975 断内容も,
2976 労働者の思想信条の自由という重要な人権に対して消極的であるため,
2977 無効力
2978 説に近いものといわざるを得ない。
2979
2980
2981 論評ウ.この判決は,
2982 人権は対国家権力的なものという伝統的観念を前提にした上で,
2983 具体的な
2984 私的行為による人権侵害を,
2985 それに国家権力が財政援助や各種の監督ないし規制等を通じ
2986 て極めて重要な程度にまでかかわり合いになった場合,
2987 又はある私的団体が国の行為に準
2988 ずるような高度に公的な機能を行使する場合に,
2989 国家権力による侵害と同視して憲法を適
2990 用しようとするものである,
2991 と評価することができる。
2992
2993
2994 1.ア○
2995
2996 イ○
2997
2998 ウ○
2999
3000 2.ア○
3001
3002 イ○
3003
3004 ウ×
3005
3006 3.ア○
3007
3008 イ×
3009
3010 ウ○
3011
3012 4.ア○
3013
3014 イ×
3015
3016 ウ×
3017
3018 5.ア×
3019
3020 イ○
3021
3022 ウ○
3023
3024 6.ア×
3025
3026 イ○
3027
3028 ウ×
3029
3030 7.ア×
3031
3032 イ×
3033
3034 ウ○
3035
3036 8.ア×
3037
3038 イ×
3039
3040 ウ×
3041
3042 - 20 -
3043
3044 〔第36問〕(配点:2)
3045 建築基準法には,
3046 建築主事による建築確認及び行政上の不服申立てについて,
3047 次の規定があり,
3048
3049 同法における行政上の不服申立てに関する規定は,
3050 これらの条文だけであるが,
3051 後記1から4まで
3052 の記述のうち,
3053 正しいものはどれか。
3054
3055 (解答欄は,
3056 [87])
3057 (参照条文)建築基準法
3058 第6条
3059
3060 建築主は,
3061 第1号から第3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合……においては,
3062
3063
3064 当該工事に着手する前に,
3065 その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び
3066 条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。
3067
3068 )その他建築物の敷地,
3069 構造又は建築設備に関
3070 する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。
3071
3072 以下同じ。
3073
3074 )に適合
3075 するものであることについて,
3076 確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け,
3077 確認済証の交付
3078 を受けなければならない。
3079
3080 ……
3081 一〜四
3082 2,
3083 3
3084 4
3085
3086 (略)
3087 (略)
3088
3089 建築主事は,
3090 第1項の申請書を受理した場合においては,
3091 同項第1号から第3号までに係るも
3092 のにあつてはその受理した日から21日以内に,
3093 同項第4号に係るものにあつてはその受理した
3094 日から7日以内に,
3095 申請に係る建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかどうかを審査し,
3096
3097 審査の結果に基づいて建築基準関係規定に適合することを確認したときは,
3098 当該申請者に確認済
3099 証を交付しなければばならない。
3100
3101
3102
3103 5
3104
3105 (略)
3106
3107 6
3108
3109 第1項の確認済証の交付を受けた後でなければ,
3110 同項の建築物の建築……は,
3111 することができ
3112 ない。
3113
3114
3115
3116 7
3117
3118 (略)
3119
3120 第94条
3121
3122 建築基準法令の規定による……建築主事……の処分又はこれに係る不作為に不服がある
3123
3124 者は,
3125 ……当該市町村又は都道府県の建築審査会に……対して審査請求をすることができる。
3126
3127
3128 2,
3129 3
3130
3131 (略)
3132
3133 第95条
3134
3135 建築審査会の裁決に不服がある者は,
3136 国土交通大臣に対して再審査請求をすることがで
3137
3138 きる。
3139
3140
3141 第96条
3142
3143 第94条第1項に規定する処分の取消しの訴えは,
3144 当該処分についての審査請求に対す
3145
3146 る建築審査会の裁決を経た後でなければ,
3147 提起することができない。
3148
3149
3150 1.建築主事に建築確認を申請したところ,
3151 確認を拒否する旨の通知を受けた建築主は,
3152 当該建築
3153 主事に対して異議申立てをすることができる。
3154
3155
3156 2.建築主事に建築確認を申請し,
3157 確認をする旨の通知を受けた建築主の隣人は,
3158 当該建築物の倒
3159 壊により被害を被るおそれ等を主張して,
3160 建築審査会に対する審査請求をすることができる。
3161
3162
3163 3.建築主事に建築確認を申請したところ,
3164 確認を拒否する旨の通知を受けた建築主は,
3165 建築基準
3166 法第96条の規定により,
3167 建築審査会のした裁決に対してのみ取消訴訟の提起をすることができ
3168 る。
3169
3170
3171 4.建築主事に建築確認を申請したところ,
3172 確認を拒否する旨の通知を受けた建築主は,
3173 建築基準
3174 法第96条の規定により取消訴訟を提起することはできるが,
3175 義務付け訴訟を提起することはで
3176 きない。
3177
3178
3179
3180 - 21 -
3181
3182 〔第37問〕(配点:3)
3183 以下は,
3184
3185 「裁判所は,
3186 職業活動による他人の生命,
3187 健康への侵害を防止するなどの消極的・警察的
3188 目的を達成するために職業選択の自由が制限される場合には,
3189 国民経済の円満な発展や社会公共の
3190 便宜の促進,
3191 経済的弱者の保護等の社会政策及び経済政策上の積極目的を達成するために職業選択
3192 の自由が制限される場合よりも,
3193 その合憲性を厳密に審査すべきである」という考え方(以下「消
3194 極目的規制・積極目的規制二分論」という。
3195
3196 )に関する文章である。
3197
3198 アからオのうち,
3199 bがaに対す
3200 る批判又は反論として成り立っているものについては1を,
3201 そうでないものについては2を選択し
3202 なさい。
3203
3204 (解答欄は,
3205 アからオの順に[88]から[92])
3206 ア.a.小売商業調整特別措置法に関する判決(最大判昭和47年11月22日)と薬事法距離制
3207 限規定を違憲とした判決(最大判昭和50年4月30日)とを合わせて読むと,
3208 最高裁判所
3209 が職業選択の自由の制限に関して消極目的規制・積極目的規制二分論に立っていると理解で
3210 きる。
3211
3212
3213 b.森林法の共有森林分割制限規定を違憲とした最高裁判決(最大判昭和62年4月22日)
3214 は,
3215 森林経営の安定を図るという積極目的による経済規制についてかなり厳密な違憲審査を
3216 しているのであるから,
3217 この判決によって,
3218 最高裁判所が職業選択の自由の制限に関しても
3219 消極目的規制・積極目的規制二分論を採らないことが明らかになった。
3220
3221
3222 イ.a.消極目的規制・積極目的規制二分論には,
3223 規制目的の類型によって規制手段に対する違憲
3224 審査基準が決まる理由が明らかでないという問題がある。
3225
3226
3227 b.消極目的の規制については,
3228 裁判所が必要性・合理性の判断をすることが比較的容易であ
3229 るが,
3230 積極目的の規制は,
3231 社会経済政策実施のための規制であって,
3232 その必要性・合理性の
3233 判断が裁判所になじみにくい。
3234
3235
3236 ウ.a.職業活動に対する規制の目的が消極的なものか積極的なものかを的確に区分することは,
3237
3238 理論上も実際上も困難である。
3239
3240
3241 b.職業の許可制は,
3242 単なる職業活動の内容及び態様に対する規制を超えて,
3243 狭義における職
3244 業の選択の自由そのものに制約を課すものであり,
3245 職業の自由に対する強力な制限である。
3246
3247
3248 エ.a.裁判所が消極目的規制・積極目的規制二分論に立って違憲審査を行うと,
3249 法律制定に当た
3250 り,
3251 積極目的をうたえば職業活動の制限に対する司法的なチェックを免れることができるの
3252 で,
3253 結果的に既得権益保護のための職業活動の制限が横行することになりかねない。
3254
3255
3256 b.消極目的規制・積極目的規制二分論の下では,
3257 国会が積極目的の規制を消極目的の規制で
3258 あると偽って法律を制定することが抑止される結果,
3259 立法過程が透明化されるという効果が
3260 あるのであるから,
3261 既得権益保護のための職業活動の規制は立法過程でそうしたものである
3262 ことが明らかになりチェックされ得る。
3263
3264
3265 オ.a.消極目的規制について厳密な違憲審査がなされることになると,
3266 公害規制立法による経済
3267 規制のような場合にも厳密な違憲審査がなされることになり,
3268 不都合な結果が生じ得る。
3269
3270
3271 b.消極目的と積極目的の双方が混在している経済活動の規制に対しては,
3272 消極目的規制の違
3273 憲審査基準を基礎としつつ,
3274 積極目的の強度を考慮に入れて違憲審査の程度を緩和すべきで
3275 ある。
3276
3277
3278
3279 - 22 -
3280
3281 〔第38問〕(配点:2)
3282 自然公園法第53条に定める訴えについて述べた次のアからウまでの各記述につき,
3283 正しいもの
3284 に○,
3285 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
3286 後記1から8までの中から選びなさい。
3287
3288
3289 (解答
3290 欄は,
3291 [93])
3292 ア.この訴えは,
3293 違法な公権力の行使によって加えられた財産上の特別の損害に対して,
3294 全体的な
3295 公平負担の見地からこれを調整するためにする損害賠償請求訴訟である。
3296
3297
3298 イ.この訴えは,
3299 当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規
3300 定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものであり,
3301 形式的当事者訴訟に分類される。
3302
3303
3304 ウ.この訴えは,
3305 環境大臣又は都道府県知事に対して補償を請求し,
3306 これに対する決定を経なけれ
3307 ば,
3308 提起することができない。
3309
3310
3311 (参照条文)自然公園法
3312 第13条
3313
3314 環境大臣は国立公園について,
3315 都道府県知事は国定公園について,
3316 当該公園の風致を維
3317
3318 持するため,
3319 公園計画に基づいて,
3320 その区域(海面を除く。
3321
3322 )内に,
3323 特別地域を指定することがで
3324 きる。
3325
3326
3327 2
3328
3329 (略)
3330
3331 3
3332
3333 特別地域(特別保護地区を除く。
3334
3335 ……)内においては,
3336 次の各号に掲げる行為は,
3337 国立公園に
3338 あつては環境大臣の,
3339 国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ,
3340 してはならない。
3341
3342
3343 ……
3344 一
3345
3346 工作物を新築し,
3347 改築し,
3348 又は増築すること。
3349
3350
3351
3352 二
3353
3354 木竹を伐採すること。
3355
3356
3357
3358 三
3359
3360 鉱物を掘採し,
3361 又は土石を採取すること。
3362
3363
3364
3365 四〜十五
3366 4〜9
3367 第52条
3368
3369 (略)
3370
3371 (略)
3372 国は国立公園について,
3373 都道府県は国定公園について,
3374 第13条第3項……の許可を得
3375
3376 ることができないため……損失を受けた者に対して,
3377 通常生ずべき損失を補償する。
3378
3379
3380 2
3381
3382 前項の規定による補償を受けようとする者は,
3383 国に係る当該補償については環境大臣に,
3384 都道
3385 府県に係る当該補償については都道府県知事にこれを請求しなければならない。
3386
3387
3388
3389 3
3390
3391 環境大臣又は都道府県知事は,
3392 前項の規定による請求を受けたときは,
3393 補償すべき金額を決定
3394 し,
3395 当該請求者にこれを通知しなければならない。
3396
3397
3398
3399 4,
3400 5
3401 第53条
3402
3403 (略)
3404 前条第3項……の規定による決定に不服がある者は,
3405 その通知を受けた日から6月以内
3406
3407 に訴えをもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。
3408
3409
3410 2
3411
3412 前項の訴えにおいては,
3413 国又は都道府県を被告とする。
3414
3415
3416
3417 1.ア○
3418
3419 イ○
3420
3421 ウ○
3422
3423 2.ア○
3424
3425 イ○
3426
3427 ウ×
3428
3429 3.ア○
3430
3431 イ×
3432
3433 ウ○
3434
3435 4.ア○
3436
3437 イ×
3438
3439 ウ×
3440
3441 5.ア×
3442
3443 イ○
3444
3445 ウ○
3446
3447 6.ア×
3448
3449 イ○
3450
3451 ウ×
3452
3453 7.ア×
3454
3455 イ×
3456
3457 ウ○
3458
3459 8.ア×
3460
3461 イ×
3462
3463 ウ×
3464
3465 - 23 -
3466
3467 〔第39問〕(配点:3)
3468 後記の「判決文」と題する文章は,
3469 公立の高等専門学校において保健体育の剣道実技に参加しな
3470 かった学生に対し2年連続の原級留置処分及びそれを前提とする退学処分がされたことについて,
3471
3472 それを違法とした最高裁判所平成8年3月8日第二小法廷判決からの抜粋である。
3473
3474 次の1から4ま
3475 での各記述のうち,
3476 この判決文についての言明として妥当なものはどれか。
3477
3478 (解答欄は,
3479 [94])
3480 1.判決文は,
3481 信仰上の根拠により剣道実技の履修を拒否している学生に対し,
3482 当該履修拒否を理
3483 由として不利益な取扱いをすることはおよそ許されないとする立場に立っている。
3484
3485
3486 2.判決文は,
3487 被上告人は「学業劣等で成業の見込みがないと認められる者」に当たらず,
3488 したが
3489 って,
3490 退学処分をすべきではなかった,
3491 と判断したものではない。
3492
3493
3494 3.判決文は,
3495 退学処分を選択するについては退学以外の他の処分を選択する場合と比較して特に
3496 慎重な配慮を要すると述べているが,
3497 結局は,
3498 校長が考慮すべき事項を考慮せず又は考慮された
3499 事実に対する評価が明白に合理性を欠いていたことから処分を違法と判断しており,
3500 この判断方
3501 法は退学処分以外の処分についても用いることができるのであって,
3502 退学処分の場合と他の処分
3503 の場合とを区別する実益はない。
3504
3505
3506 4
3507
3508 判決文は,
3509 原級留置処分や退学処分を行うかどうかに関しては校長が合理的な裁量によって判
3510 断することを十分に期待し得るので,
3511 裁判所としては校長の判断が合理的なものであったかどう
3512 かについて原則的には審査しないとする立場に立っている。
3513
3514
3515
3516 【判決文】
3517 高等専門学校の校長が学生に対し原級留置処分又は退学処分を行うかどうかの判断は,
3518 校長の
3519 合理的な教育的裁量にゆだねられるべきものであり,
3520 裁判所がその処分の適否を審査するに当た
3521 っては,
3522 校長と同一の立場に立って当該処分をすべきであったかどうか等について判断し,
3523 その
3524 結果と当該処分とを比較してその適否,
3525 軽重等を論ずべきものではなく,
3526 校長の裁量権の行使と
3527 しての処分が,
3528 全く事実の基礎を欠くか又は社会観念上著しく妥当を欠き,
3529 裁量権の範囲を超え
3530 又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り,
3531 違法であると判断すべきものである(…
3532 …)。
3533
3534 しかし,
3535 退学処分は学生の身分をはく奪する重大な措置であり,
3536 学校教育法施行規則13条
3537 3項も4個の退学事由を限定的に定めていることからすると,
3538 当該学生を学外に排除することが
3539 教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであり,
3540 その要件の認定に
3541 つき他の処分の選択に比較して特に慎重な配慮を要するものである……。
3542
3543
3544 1
3545
3546 公教育の教育課程において,
3547 学年に応じた一定の重要な知識,
3548 能力等を学生に共通に修得さ
3549 せることが必要であることは,
3550 教育水準の確保等の要請から,
3551 否定することができず,
3552 保健体
3553 育科目の履修もその例外ではない。
3554
3555 しかし,
3556 高等専門学校においては,
3557 剣道実技の履修が必須
3558 のものとまではいい難く,
3559 体育科目による教育目的の達成は,
3560 他の体育種目の履修などの代替
3561 的方法によってこれを行うことも性質上可能というべきである。
3562
3563
3564
3565 2
3566
3567 他方,
3568 前記事実関係によれば,
3569 ……被上告人は,
3570 信仰上の理由による剣道実技の履修拒否の
3571 結果として,
3572 他の科目では成績優秀であったにもかかわらず,
3573 原級留置,
3574 退学という事態に追
3575 い込まれたものというべきであり,
3576 その不利益が極めて大きいことも明らかである。
3577
3578 また,
3579 本
3580 件各処分は,
3581 その内容それ自体において被上告人に信仰上の教義に反する行動を命じたもので
3582 はなく,
3583 その意味では,
3584 被上告人の信教の自由を直接的に制約するものとはいえないが,
3585 しか
3586 し,
3587 被上告人がそれらによる重大な不利益を避けるためには剣道実技の履修という自己の信仰
3588 上の教義に反する行動を採ることを余儀なくさせられるという性質を有するものであったこと
3589 は明白である。
3590
3591
3592 上告人の採った措置が,
3593 信仰の自由や宗教的行為に対する制約を特に目的とするものではな
3594 く,
3595 教育内容の設定及びその履修に関する評価方法についての一般的な定めに従ったものであ
3596 るとしても,
3597 本件各処分が右のとおりの性質を有するものであった以上,
3598 上告人は,
3599 前記裁量
3600 権の行使に当たり,
3601 当然そのことに相応の考慮を払う必要があったというべきである。
3602
3603 ……
3604 - 24 -
3605
3606 3
3607
3608 被上告人は,
3609 レポート提出等の代替措置を認めてほしい旨繰り返し申し入れていたのであっ
3610 て,
3611 剣道実技を履修しないまま直ちに履修したと同様の評価を受けることを求めていたもので
3612 はない。
3613
3614 これに対し,
3615 ○○高専においては,
3616 被上告人ら……学生が,
3617 信仰上の理由から格技の
3618 授業を拒否する旨の申出をするや否や,
3619 剣道実技の履修拒否は認めず,
3620 代替措置は採らないこ
3621 とを明言し,
3622 被上告人及び保護者からの代替措置を採ってほしいとの要求も一切拒否し,
3623 剣道
3624 実技の補講を受けることのみを説得したというのである。
3625
3626 本件各処分の前示の性質にかんがみ
3627 れば,
3628 本件各処分に至るまでに何らかの代替措置を採ることの是非,
3629 その方法,
3630 態様等につい
3631 て十分に考慮するべきであったということができるが,
3632 本件においてそれがされていたとは到
3633 底いうことができない。
3634
3635
3636 ……
3637
3638 4
3639
3640 以上によれば,
3641 信仰上の理由による剣道実技の履修拒否を,
3642 正当な理由のない履修拒否と区
3643 別することなく,
3644 代替措置が不可能というわけでもないのに,
3645 代替措置について何ら検討する
3646 こともなく,
3647 体育科目を不認定とした担当教員らの評価を受けて,
3648 原級留置処分をし,
3649 さらに,
3650
3651 不認定の主たる理由及び全体成績について勘案することなく,
3652 二年続けて原級留置となったた
3653 め進級等規程及び退学内規に従って学則にいう「学力劣等で成業の見込みがないと認められる
3654 者」に当たるとし,
3655 退学処分をしたという上告人の措置は,
3656 考慮すべき事項を考慮しておらず,
3657
3658 又は考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠き,
3659 その結果,
3660 社会観念上著しく妥当を
3661 欠く処分をしたものと評するほかはなく,
3662 本件各処分は,
3663 裁量権の範囲を超える違法なものと
3664 いわざるを得ない。
3665
3666
3667
3668 (参照条文)学校教育法施行規則
3669 第13条
3670
3671 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては,
3672 児童等の心身の発達に応ずる等教育
3673
3674 上必要な配慮をしなければならない。
3675
3676
3677 2
3678
3679 懲戒のうち,
3680 退学,
3681 停学及び訓告の処分は,
3682 校長(大学にあつては,
3683 学長の委任を受けた学部
3684 長を含む。
3685
3686 )がこれを行う。
3687
3688
3689
3690 3
3691
3692 前項の退学は,
3693 公立の小学校,
3694 中学校(学校教育法第51条の10の規定により高等学校にお
3695 ける教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。
3696
3697 )を除く。
3698
3699 ),
3700 盲学校,
3701 聾学校
3702 又は養護学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き,
3703 次の各号の一に該当する児童等に対して
3704 行うことができる。
3705
3706
3707
3708 4
3709
3710 一
3711
3712 性行不良で改善の見込がないと認められる者
3713
3714 二
3715
3716 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
3717
3718 三
3719
3720 正当の理由がなくて出席常でない者
3721
3722 四
3723
3724 学校の秩序を乱し,
3725 その他学生又は生徒としての本分に反した者
3726 第2項の停学は,
3727 学齢児童又は学齢生徒に対しては,
3728 行うことができない。
3729
3730
3731
3732 - 25 -
3733
3734 〔第40問〕(配点:2)
3735 特殊な類型の処分等について行政手続法の適用のルールを定めた行政手続法第3条第1項及び国
3736 とこれに準ずる公的機関との間においてされる処分等についてのルールを定めた行政手続法第4条
3737 に関して,
3738 その内容を解説する次のアからウまでの各記述について,
3739 正しいものに○,
3740 誤っている
3741 ものに×を付した場合の組合せを,
3742 後記1から8までの中から選びなさい。
3743
3744 (解答欄は,
3745 [95])
3746 ア.処分のうち,
3747 国会の両院の議決によってされる処分,
3748 裁判所の裁判によりされる処分等は,
3749 そ
3750 れぞれ独自の手続に基づいてされるものであり,
3751 行政手続法は,
3752 同法第2章から第4章までの規
3753 定の適用を除外している。
3754
3755
3756 イ.行政が国民に対して行う処分等を視野において制定された行政手続法の諸規定は,
3757 地方公共団
3758 体が有する行政主体としての固有の立場に着目してされる処分等について本来適用されないのが
3759 筋であるが,
3760 国と地方公共団体とは対等の関係に立つとするのが地方分権の精神であり,
3761 行政手
3762 続法は,
3763 これらの処分等を適用除外としていない。
3764
3765
3766 ウ.行政手続法によれば,
3767
3768 「特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人」に対する国
3769 等による業務監督上の処分(法人の解散等の一定の処分を除く。
3770
3771 )について,
3772 同法第2章及び第3
3773 章の適用が除外されている。
3774
3775 ここにいう「特別の法律により特別の設立行為をもって設立された
3776 法人」とは,
3777 法律の規定に基づく試験,
3778 検査等の行政上の事務について,
3779 その全部又は一部を法
3780 律の規定に基づいて,
3781 行政庁が指定して行わせる目的の下に設立された法人を想定したものであ
3782 る。
3783
3784
3785 1.ア○
3786
3787 イ○
3788
3789 ウ○
3790
3791 2.ア○
3792
3793 イ○
3794
3795 ウ×
3796
3797 3.ア○
3798
3799 イ×
3800
3801 ウ○
3802
3803 4.ア○
3804
3805 イ×
3806
3807 ウ×
3808
3809 5.ア×
3810
3811 イ○
3812
3813 ウ○
3814
3815 6.ア×
3816
3817 イ○
3818
3819 ウ×
3820
3821 7.ア×
3822
3823 イ×
3824
3825 ウ○
3826
3827 8.ア×
3828
3829 イ×
3830
3831 ウ×
3832
3833 - 26 -
3834
3835