1 短答式試験問題集[民事系科目]
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3 - 1 -
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5 [民事系科目]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 詐害行為取消権に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものは
8 どれか。(解答欄は,[bP])
9 1.詐害行為取消権は,必ず裁判上で行使しなければならないので,訴訟外の意思表示では足りな
10 いが,訴訟において抗弁で提出することは認められる。
11 2.詐害行為取消訴訟において,取消しの対象となるものが金銭又は動産であるときは,原告は,
12 取消しの効果はすべての債権者のために利益を生ずるという民法の規定にもかかわらず,被告た
13 る受益者に対して,自己に給付せよという判決を得ることができる。
14 3.債務者が,その行為によって債権者を害することを知っていたという詐害行為の成立要件につ
15 いては,取消債権者が証明しなければならない。
16 4.一部の債権者に本旨弁済をした場合でも,債務者がその債権者と通謀して,他の債権者を害す
17 る意思をもって弁済をしたことまでを取消債権者が証明すれば,詐害行為となる。
18 5.受益者が当該行為によって他の債権者を害することの認識については,取消債権者に受益者の
19 悪意についての主張立証責任が課されるのではなく,受益者の方が自らの善意を主張立証しなけ
20 れば,詐害行為の成立を否定することはできない。
21 〔第2問〕(配点:2)
22 次のアからエまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後
23 記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bQ])
24 ア.売買契約の売主は,履行期について特約がない限り,売買目的物を引き渡す前において,買主
25 に対して有する売買代金債権を自働債権,買主に対して別途負っている借入金債務を受働債権と
26 して,対当額で相殺することはできない。
27 イ.売買契約の売主が買主に対して一度売買目的物の引渡しの提供をしたときは,買主はその後の
28 売主からの売買代金請求に対して,売買目的物の引渡しと引換えに支払うことを主張することは
29 できない。
30 ウ.債務の履行とその債務を担保するために設定された抵当権設定登記の抹消登記手続とは,同時
31 履行の関係にはない。
32 エ.売買契約が売主の債務不履行により解除された場合の当事者の原状回復義務は同時履行関係に
33 あるが,売買契約が売主の詐欺により取り消された場合の当事者の原状回復義務は同時履行関係
34 にはない。
35 1.ア,イ
36
37 2.ア,ウ
38
39 3.イのみ
40
41 4.イ,エ
42
43 5.ウ,エ
44
45 〔第3問〕(配点:2)
46 物上代位に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1か
47 ら5までのうちどれか。(解答欄は,[bR])
48 ア.判例によれば,債務者が破産した後であっても,動産売買先取特権に基づく物上代位権も抵当
49 権に基づく物上代位権も行使できる。
50 イ.判例によれば,債務者が第三者に対して有する賃料債権につき,債務者の一般債権者が差押え
51 を行ったとしても,抵当権は優先弁済権を第三者に対抗できるから,配当要求の終期までに設定
52 登記をして物上代位の手続をとれば,抵当権者は物上代位権を行使して,一般債権者に優先する
53 ことができる。
54 ウ.目的物の売買代金に対して,動産売買先取特権に基づく物上代位のみならず,抵当権に基づく
55 物上代位も明文で認められており,解釈で否定することはできない。
56 - 2 -
57
58 エ.判例によれば,抵当目的不動産の賃料債権に対する物上代位は,賃料債権を生じる賃貸借契約
59 が,抵当権設定登記後に設定された場合にのみ可能である。
60 オ.請負工事に用いられた動産の売主には,請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して
61 も,動産売買先取特権に基づく物上代位権の行使が認められる場合がある。
62 1.ア,イ
63
64 2.ア,オ
65
66 3.イ,エ
67
68 4.ウ,エ
69
70 5.ウ,オ
71
72 〔第4問〕(配点:2)
73 次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちど
74 れか。(解答欄は,[bS])
75 ア.ある動産に留置権を取得した者は,その占有を第三者に奪われた場合でも,その第三者に対し
76 て留置権に基づく返還請求を行うことができない。
77 イ.抵当権の目的となっている土地に第三者が時折所有者に無断で材木を置いている場合,抵当権
78 者は,抵当権に基づく妨害排除請求ができる。
79 ウ.所有動産を無料で貸し与えたところ,借りた者が期限が到来したのに返さない場合,請求権競
80 合に関するどのような見解に立っても,所有権者は,所有権に基づく返還請求権を持つ。
81 エ.所有者から預かった動産が盗まれた場合において,受寄者は,盗まれた時から2年以内であっ
82 ても,盗品であることを過失なく知らずに同種商品の販売商人から取得した占有者には返還を請
83 求できない。
84 オ.賃借建物に機械を借りて備え付けた建物賃借人が,賃貸借終了時にこの機械を撤去しない場合
85 には,建物賃貸人は,建物の所有権に基づき,その機械の所有者に建物所有権を侵害することに
86 ついて故意・過失がなくても,この者にその機械の撤去を請求できる。
87 1.ア,ウ
88
89 2.ア,オ
90
91 3.イ,エ
92
93 4.イ,オ
94
95 5.ウ,エ
96
97 〔第5問〕(配点:2)
98 次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのう
99 ちどれか。(解答欄は,[bT])
100 ア.Bが善意・無過失・平穏・公然にA所有の甲土地の自主占有を開始してから10年が経過する
101 直前にAがCに甲土地を譲渡し,10年経過後にCが移転登記を得た場合,判例によると,Bは
102 登記がなければCに甲土地の時効取得を対抗できない。
103 イ.Bが善意・無過失・平穏・公然にA所有の甲土地の自主占有を開始してから10年が経過する
104 直前にAがCに甲土地を譲渡し,Cが移転登記を得た場合,登記による取引安全確保の機能を重
105 視する学説によると,Bは登記がなければCに甲土地の時効取得を対抗できない。
106 ウ.Bが善意・無過失・平穏・公然にA所有の甲土地の自主占有を開始してから10年経過後にA
107 がCに甲土地を譲渡してCが移転登記を得た場合,判例によると,Bは登記がなければCに甲土
108 地の時効取得を対抗できない。ただし,Cが背信的悪意者に当たる場合はBは登記がなくても時
109 効取得を対抗できる余地がある。
110 エ.ウの事例において,BがCの登記時からさらに20年,Cから権利主張をされることなく甲土
111 地の占有を続け,その後に取得時効を援用したときは,判例によると,Bは登記がなくてもCに
112 対し,甲土地の時効取得を対抗できる。
113 オ.ウの事例において,BがCから権利主張をされることなく占有開始時から20年間甲土地の占
114 有を続けたとしても,判例によると,Bは登記がなければCに甲土地の時効取得を対抗できない。
115 1.ア,イ
116
117 2.ア,オ
118
119 3.イ,ウ
120
121 - 3 -
122
123 4.ウ,エ
124
125 5.エ,オ
126
127 〔第6問〕(配点:2)
128 AはBに対し,1,000万円を貸し付けた。その際,B所有の甲土地に抵当権を設定するとと
129 もに,Cがその債務を保証し,D所有の乙土地にも抵当権が設定された。甲土地はその後Eに売り
130 渡され,乙土地にはDのFに対する債務のため次順位の抵当権が設定された。また,BはAからの
131 借入れ後,Gからも500万円を借り受けた。BのAに対する債務が弁済期から10年を経過した
132 とき,判例の趣旨に照らし,Bを除き,この債務の消滅時効を援用できるのはだれか。
133 (解答欄は,
134 [bU])
135 1.C及びD
136
137 2.C,D及びE
138
139 3.C,D及びF
140
141 4.C,D,E及びF
142
143 5.C,D,E,F及びG
144 〔第7問〕(配点:2)
145 次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後
146 記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bV])
147 ア.Aは,その財産を隠匿するため,その所有する甲土地をBに仮装譲渡し,Bに対する所有権移
148 転登記を了した。Cは,AB間の譲渡が仮装のものであることを知らないで,Bから甲土地を買
149 い受けたが,その後CがBから所有権移転登記を受けない間に,AB間の所有権移転登記が抹消
150 され,登記名義がAに復した。この場合,Cは,Aに対して,甲土地の所有権移転登記を請求す
151 ることはできない。
152 イ.Aは,その財産を隠匿するため,その所有する甲土地をBに仮装譲渡し,Bに対する所有権移
153 転登記を了した。その後,AはBとの間で,前記仮装譲渡を撤回する旨の合意書を交わしたが,
154 登記はB名義のままにしている間に,Bは仮装譲渡の事実を知らないCに対して甲土地を譲渡し
155 た。この場合,Aは,AB間の甲土地譲渡の無効をCに対して主張できない。
156 ウ.Aは自分が多額の債務を負っているように仮装するため,Bと通謀して,BからAに対する金
157 員の授受がないにもかかわらず,BがAに対して1,000万円を貸し付けたことを示す消費貸
158 借契約書を作成した。事情を知らないBの債権者Cが,前記のBのAに対する貸金債権につき債
159 権差押えをした場合,Aは,消費貸借契約が無効であることを主張できない。
160 エ.Bは,信用を増すために,Aからその所有する甲土地の仮装譲渡を受け,AからBへの所有権
161 移転登記を了し,その登記簿をCに見せて融資を依頼した。Cは,Bが真実甲土地を所有してお
162 り,資力のある者と信じて,Bに対して1,000万円を貸し付けたが,その後,BはAに対し
163 て登記名義を戻してしまった。この場合,Cは,甲土地がBの所有であることを主張できる。
164 オ.Aは,Bから取引上の信用を得るために,A所有の甲土地の名義を貸してほしいと頼まれ,甲
165 土地につき売買予約を仮装してBを権利者とする所有権移転請求権保全の仮登記手続をした。そ
166 の後,Bは,Aの実印及び印鑑証明書を用いて前記仮登記に基づき自分に対する所有権移転の本
167 登記手続をした上,Cに甲土地を譲渡した。Cが,登記名義人Bを甲土地の所有者と信じたが,
168 信じるにつき過失があったときは,Cは甲土地の所有権の取得をAに対して主張することはでき
169 ない。
170 1.ア,イ
171
172 2.ア,エ
173
174 3.イ,オ
175
176 4.ウ,エ
177
178 5.ウ,オ
179
180 〔第8問〕(配点:2)
181 次の1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[bW])
182 1.債権の客体は有体物ではないのに対し,物権の客体は有体物に限られる。
183 2.債権関係に基づく請求権は消滅時効にかかるが,物権的請求権は消滅時効にかからない。
184 3.1筆の土地に関して,債権が登記を備えた物権に優先することはない。
185 4. 1筆の土地の一部に関して,債権関係が成立することはあっても,物権が成立することはない。
186 5.物権には時効取得が認められるが,債権には時効取得は認められない。
187 - 4 -
188
189 〔第9問〕(配点:2)
190 次の1から5までの事例のうち,判例の見解によれば要素の錯誤とならないものはどれか。
191 (解答
192 欄は,[bX])
193 1.Aは,知人のBから頼まれ,借主はBだと思って100万円を貸し付けたが,実は借主はCで
194 あった。
195 2.Aは,Bが所有する甲土地を1,000万円で買うとの契約を締結した。しかし,Aが甲土地
196 だと思っていたのは乙土地で,実際の甲土地は乙土地より不便で日当たりの悪い土地であった。
197 3.Aは,Bから,100馬力あるという中古のエンジンを買うとの契約を締結したが,実際この
198 エンジンは10馬力しかなかった。
199 4.Aは,Bから,Bの所有であると思って甲土地を賃借する契約を締結したが,甲土地の所有者
200 はCであった。
201 5.Aは,Bに対し,CのBに対する債務を担保するつもりで自己の所有地に抵当権を設定したが,
202 実はDのBに対する債務を担保することになっていた。
203 〔第10問〕(配点:2)
204 次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1
205 から5までのうちどれか。(解答欄は,[10])
206 ア.売買の目的物に隠れた瑕疵がある場合,非商人間の売買においては買主に代金減額請求権はな
207 いが,商人間の売買においては買主に代金減額請求権がある。
208 イ.土地の売買の買主が,土地の引渡しを受けてから20年後に当該土地の隠れた瑕疵を知って,
209 それから1年以内に売主に対して損害賠償請求をした場合,売主は損害賠償請求権の消滅時効の
210 抗弁を援用することができる。
211 ウ.買主が売買の目的物に隠れた瑕疵があることを理由に売主に対して損害賠償請求をするには,
212 瑕疵があることを知った時から1年以内に訴えを提起しなければならない。
213 エ.土地の売買契約に当たり,坪当たり単価に土地面積を乗じて代金額を決定した場合,実際の面
214 積が契約時に用いた面積より大きいことが後日判明したときは,実際の面積に応じて代金を精算
215 する旨の契約当事者間の合意がなくても,売主は買主に対して代金の増額を請求することができ
216 る。
217 オ.建物とその敷地又は敷地の賃借権の売買において,敷地に,地盤が軟弱で不等沈下するという
218 隠れた瑕疵があった場合,建物と敷地の売買においては,買主は売主に対して瑕疵担保責任を追
219 及することができるが,建物と敷地の賃借権の売買においては,買主は売主に対して瑕疵担保責
220 任を追及することはできない。
221 1.ア,ウ
222
223 2.ア,オ
224
225 3.イ,エ
226
227 4.イ,オ
228
229 5.ウ,エ
230
231 〔第11問〕(配点:2)
232 認知に関する次のアからエまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものは何個あるか。
233 (解答欄は,[11])
234 ア.未成年者が法定代理人の同意なくして認知をしたときは,その認知は無効である。
235 イ.認知届が認知者の意思に基づくことなくされたとしても,認知者と被認知者との間に事実上の
236 親子関係があるときは,その認知は有効である。
237 ウ.父は,胎内にある子でもこれを認知することができるが,その場合には家庭裁判所の許可を得
238 なければならない。
239 エ.妻以外の女性との間にもうけた子につき,妻との間の嫡出子として出生の届出をし受理された
240 ときは,その届出は認知届としての効力を有する。
241 1.1個
242
243 2.2個
244
245 3.3個
246
247 4.4個
248 - 5 -
249
250 5.誤っているものはない
251
252 〔第12問〕(配点:2)
253 2005年1月,AはBに建物建築資金を融資し,Bの所有する甲土地に根抵当権の設定を受け
254 根抵当権設定登記を得た。その後Bは自分自身で建物を建築することを断念し,甲土地を期間20
255 年の約定でCに賃貸し,Cが甲土地上に乙建物を建築した。この事例に関する次のアからエまでの
256 記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[12])
257 ア.Aや,甲土地の根抵当権が実行された場合の甲土地の買受人Dに対して,Cが甲土地の賃借権
258 を対抗できる方法はない。
259 イ.Aが,甲土地の根抵当権の実行として,甲土地と一緒に乙建物の競売を申し立てることはでき
260 ない。
261 ウ.Aが建物の建築を想定して甲土地に根抵当権の設定を受けた場合であっても,法定地上権は成
262 立しない。
263 エ.Aは,Cが乙建物を建築した時点以降は,BのCに対する賃料債権につき,甲土地に対する収
264 益執行手続か抵当権に基づく物上代位手続のいずれかを自由に選択して,優先権を主張すること
265 ができる。
266 1.ア
267
268 2.イ
269
270 3.ウ
271
272 4.エ
273
274 5.正しいものはない
275
276 〔第13問〕(配点:2)
277 A,B,Cの3名が共同で縫製機械を所有して縫製請負事業を行うため,6:3:1の割合で金
278 銭を出資して組合契約を締結して甲組合を結成し,甲組合がDから縫製機械を分割払で購入して縫
279 製請負事業を開始した。この事例に関する次の1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。
280 (解
281 答欄は,[13])
282 1.甲組合がDに縫製機械の残代金を支払わない場合,Dは,A,B,Cの出資割合の知・不知に
283 かかわらず,A,B,Cの各自に対して,均等の割合で残代金の支払を請求することができる。
284 2.甲組合に対して縫製請負代金債務50万円を負うEが,Aに対して30万円の貸金債権を有す
285 る場合,Eは,両方の債権債務を相殺することができる。
286 3.前記2の場合,Aは,甲組合のEに対する縫製請負代金債権のうちの30万円をもって,Eに
287 対する借入金債務と相殺することができる。
288 4.組合契約をもって業務執行組合員を定めなかったときは,甲組合の業務執行は,BとCの合意
289 により決定することができる。
290 5.Aが死亡した場合,甲組合は当然に解散し清算される。
291 〔第14問〕(配点:2)
292 次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1
293 から5までのうちどれか。(解答欄は,[14])
294 ア.被用者の重大な過失による失火によって生じた損害については,その使用者は被用者の選任又
295 は監督について重大な過失がなくても賠償責任を負う。
296 イ.家屋の建築業者がその過失により隣家に損害を与えた場合において,被害者が注文者に対して
297 損害賠償を請求するためには,注文者が注文又は指図について過失があったことを被害者が主張
298 立証しなければならない。
299 ウ.他人の飼い犬にかまれてけがを負った被害者が飼い主に対して損害賠償を請求するためには,
300 飼い主の過失を被害者が主張立証しなければならない。
301 エ.建物の保存の瑕疵によって他人に損害を生じた場合,建物の占有者及び所有者は,損害の発生
302 防止に必要な注意をなしたことを主張立証すれば免責される。
303 オ.自動車損害賠償保障法に基づく自動車の運行供用者の損害賠償責任は無過失責任である。
304 1.ア,イ
305
306 2.ア,ウ
307
308 3.イ,エ
309 - 6 -
310
311 4.ウ,オ
312
313 5.エ,オ
314
315 〔第15問〕(配点:2)
316 AはBに対し,自己所有の土地を売却する代理権を与え,代理人欄と委任事項欄が共に白紙の委
317 任状を交付した。この事例に関する次の教授の質問に対する学生の1から5までの回答のうち,誤
318 っているものはどれか。(解答欄は,[15])
319 教授
320
321 Bは,白紙委任状の委任事項欄にBのCに対する債務を担保するためA所有の土地に抵当権
322 を設定するとの内容を記入し,Cとの間で抵当権設定契約を締結しました。この場合,相手方
323 Cを保護することはできますか。
324
325 1.学生ア
326
327 BにはA所有の土地を売却する代理権があったのですから,これを基本代理権として
328
329 民法第110条により相手方Cを保護することができると思います。
330 2.学生イ
331
332 私は,AはBに対し,白紙委任状を交付することによりCに対して代理権授与表示を
333
334 したといえるから,民法第109条により相手方Cを保護することができると考えます。
335 教授
336
337 では,Bが本来その利用が予定されていないB’に白紙委任状を交付し,B’が白紙委任状
338 の代理人欄に自己の名を勝手に記入した上,委任事項欄にB’のCに対する債務を担保するた
339 めA所有の土地に抵当権を設定するとの内容を記入し,Cとの間で抵当権設定契約を締結した
340 場合はどうですか。
341
342 3.学生イ
343
344 白紙委任状の代理人欄だけを利用して委任事項についてはBに与えた代理権の範囲内
345
346 であったのであれば,民法第109条で保護できると思いますが,本件では委任事項欄につ
347 いても逸脱があるので,もはや第109条の代理権授与表示があったとはいえないと思いま
348 す。
349 4.学生ア
350
351 この場合も,もともとAは代理人に自己所有の土地を売却してもらおうと思っていた
352
353 のですから,民法第110条で保護すればよいと思います。
354 5.学生ウ
355
356 私は,白紙委任状の交付によって民法第109条の代理権授与表示をしたと考え,委
357
358 任事項の範囲を超えたという点で,民法第110条も重畳的に適用すればよいと思います。
359 〔第16問〕(配点:2)
360 特定の動産(以下「甲」という。)の取引に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に
361 照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[16])
362 ア.甲について自己の所有権の取得原因事実を証明した者から返還請求を受けた占有者が,即時取
363 得を理由に請求を拒むためには,自分が前主との有効な取引によって過失なく甲の占有を取得し
364 たことを抗弁として主張立証しなければならない。
365 イ.占有者が質屋から買い受けた甲が,その1年前に盗まれた品物であると判明した場合,占有者
366 が返還を請求する所有者に代価の弁償を求めるためには,甲の即時の返還を拒む抗弁として代価
367 弁償の請求をしておかなければならない。
368 ウ.AはBに甲の所有権を譲渡したが,しばらくの間Bのために甲を預かることにした。その後,
369 Aの債権者Cが,甲をAの物であると過失なく信じて差し押さえた場合であっても,BはCに甲
370 の所有権の取得を主張できる。
371 エ.Bは,Aに対する債務の担保として,A所有の甲の所有権を取得するが,引き続きAに甲の占
372 有・使用を認めることとした。その後,Aは,その間の事情を知らないCに対する債務の担保と
373 して甲の所有権をCに譲渡する契約を結んだ。Aが債務不履行に陥った後,CがBの存在に気付
374 いていち早く甲の現実の引渡しを受けたとしても,CはBに対して甲の所有権取得を主張できな
375 い。
376 オ.AはBに甲の所有権を譲渡したが,現実の引渡しも占有改定の合意もされなかった。その後,
377 AがCに甲を預けたとすると,受寄者Cは,Bの対抗要件の欠缺を主張して,その返還請求を拒
378 むことができる。
379 1.ア,イ
380
381 2.ア,オ
382
383 3.イ,ウ
384 - 7 -
385
386 4.ウ,エ
387
388 5.エ,オ
389
390 〔第17問〕(配点:2)
391 条件・期限に関する次の1から5までの記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[
392 17])
393 1.AがBに100万円を貸し付け,「Aが医師の資格を取得したときに返済するものとする。」と
394 約した場合について,この返済時期の約定は不確定期限といえる。
395 2.AがBに100万円を贈与し,「昨年死亡したCが生き返ったときは返還するものとする。」と
396 の条件を付した場合,この契約は無効である。
397 3.AB間で,Bの仲介によりAC間で甲土地の売買契約が成立したら,AがBに報酬を支払うと
398 約した場合において,Aが自らCよりも条件の良いDとの間で売買契約を成立させたとしても,
399 AはBに対し報酬を支払わなくてもよい。
400 4.売買代金100万円を1週間以内に支払うよう催告するとともに,同時に1週間以内に100
401 万円を支払わなかったときは売買契約を解除するとの意思表示をすることは許される。
402 5.AがBに返済期限を定めて100万円を貸し付けた場合,利息の定めがあるときでも,Bは返
403 済期限前に弁済をすることができる。
404 〔第18問〕(配点:2)
405 連帯債務に関する次の1から5までの記述のうち,誤っているものはどれか。
406 (解答欄は,
407 [18])
408 1.3人の連帯債務者が300万円の連帯債務を負っていて負担部分が平等の場合,最初に30万
409 円だけ弁済した者は,他の連帯債務者に10万円ずつ求償することができる。
410 2.数人がその一人又は全員のために,債権者債務者双方にとっての商行為たる行為により債務を
411 負担した場合には,当事者が特約で排除しない限り,連帯債務が成立する。
412 3.連帯債務者の一人に対して履行の請求がされても,それを知らない他の連帯債務者については
413 時効は中断しない。
414 4.連帯債務者ABのうちAが債権者から年利5%で金銭消費貸借をする合意をしていたところ,
415 Bが実際には6%で借入れをしてしまったという場合,ABの連帯債務はそれぞれ異なる利率で
416 成立する。
417 5.債権者が,300万円の連帯債務者ABのうちAのみを被告として300万円の支払を求める
418 訴えを提起し,さらに別訴でBを被告として300万円の支払を求める訴えを提起しても,重複
419 する訴えの提起の禁止に触れることはない。
420 〔第19問〕(配点:2)
421 AはBとの間で,その所有する自動車をBに100万円で売り,代金はBがCに支払うとの合意
422 をした。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後
423 記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[19])
424 ア.AがBに自動車を引き渡したにもかかわらず,BがCに代金を支払わない場合,CはBに支払
425 を催告した上,売買契約を解除することができる。
426 イ. Cが受益の意思表示をしたか否かを問わず,AとBは売買契約を合意解除することはできない。
427 ウ.CからBに対する代金の支払請求に対して,Bは自動車に瑕疵があることを理由とする損害賠
428 償債権をもって相殺を主張することはできない。
429 エ.Cが受益の意思表示をせず,かつ無資力である場合,Cの債権者DはCに代位して受益の意思
430 表示をした上,Cに代位してBに対して代金100万円の請求をすることができる。
431 オ.Bが真実Aの自動車を買い受ける意思がないのにAと契約締結した場合,Bの真意につきAが
432 善意無過失であっても,CがBの真意を知っていれば,Bは契約の無効を主張することができる。
433 1.ア,ウ
434
435 2.イ,エ
436
437 3.ウ,オ
438
439 - 8 -
440
441 4.エのみ
442
443 5.エ,オ
444
445 〔第20問〕(配点:2)
446 Aが失踪宣告を受け,唯一の相続人である妻BがA所有の甲土地及び乙土地を相続した。Bは,
447 相続の1年後に,甲土地を代金1,000万円でCに売り渡して代金を受領し,5年後には,乙土
448 地を代金2,000万円でDに売り渡して代金を受領した。また,Bは失踪宣告後3年目にEと結
449 婚した。失踪宣告後,11年が経過し,失踪宣告が取り消された。この事例に関する次のアからオ
450 までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5まで
451 のうちどれか。(解答欄は,[20])
452 ア.Aが失踪宣告時には生存しており,その3年後に死亡した事実が判明して,失踪宣告が取り消
453 された場合,B,C及びDがそれぞれの売買契約の当時,Aの生存を知っていたとしても,Cは
454 甲土地を,Dは乙土地をAの相続人Bに返還する必要はない。
455 イ.Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合,前記各売買契約の当時,B及
456 びCはAの生存を知っていたが,Dがその事実を知らなかったときは,Cは甲土地をAに返還し
457 なければならないが,Dは乙土地をAに返還する必要はない。
458 ウ.Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消され,前記各売買契約の当時,BはAの生
459 存を知っていたが,Cはその事実を知らなかった場合において,CがBから甲土地の引き渡しを
460 受けて平穏かつ公然に現在まで占有を継続しているときは,CはAに対し甲土地を返還する必要
461 はない。
462 エ.Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合,B及びEが婚姻時にAの生存
463 を知っていたときは,AB間の婚姻が復活し,BE間の婚姻は当然無効となる。
464 オ.Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合,Bは,前記各売買契約の当時,
465 Aの生存を知らなかったときは,Cから受領した代金のうち,遊興費として費消した金額をAに
466 返還する必要はない。
467 1.ア,イ
468
469 2.ア,ウ
470
471 3.イ,エ
472
473 4.ウ,オ
474
475 5.エ,オ
476
477 〔第21問〕(配点:2)
478 供託に関する次のアからエまでの記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[21])
479 ア.供託は債務消滅原因であるので,債務者は,いったん供託したものを取り戻すことはできない。
480 イ.供託金払渡処理の法律関係は公法関係であるから,供託金の払渡請求権の消滅時効については,
481 民法の規定の適用が排除され,会計法の規定による。
482 ウ.債権全額についての二重差押えがあった場合にも債務者は供託することができるが,供託をす
483 るかどうかは債務者の自由である。
484 エ.供託は,目的物の全部を供託することが必要であるので,複数回の一部供託をして債務全額に
485 達したとしても,有効な供託とはみなされない。
486 1.ア
487
488 2.イ
489
490 3.ウ
491
492 4.エ
493
494 5.正しいものはない
495
496 〔第22問〕(配点:2)
497 遺留分減殺請求権に関する次のアからエまでの記述のうち,誤っているものは何個あるか。
498 (解答
499 欄は,[22])
500 ア.贈与及び遺贈は,その目的の価額の多いものから順に減殺しなければならない。
501 イ.受贈者から贈与の目的物を譲り受けた者が減殺請求を受けた場合,譲受時に遺留分権利者に損
502 害を加えることを知っていたときは,その価額を弁償しなければならない。
503 ウ.受贈者は,その返還すべき財産のほか贈与を受けた日以後の果実も返還しなければならない。
504 エ.共同相続人の一人が遺留分を放棄した場合,他の相続人の遺留分はそれだけ増加する。
505 1.1個
506
507 2.2個
508
509 3.3個
510
511 4.4個
512
513 - 9 -
514
515 5.誤っているものはない
516
517 〔第23問〕(配点:2)
518 債権者代位権に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはど
519 れか。(解答欄は,[23])
520 1.債権者は,債権者代位権行使のために必要な費用を支出したときは,その費用の償還請求権を
521 有する。
522 2.債権者は,自己の債権保全に必要な限度で,債務者に代位して,他の債権者に対する債務の消
523 滅時効を援用することができる。
524 3.債権者は,債務者が自ら当該権利を行使している場合でも,その方法が不誠実かつ不適当であ
525 る場合には,債権者代位権を行使することができる。
526 4.建物賃借人は,その賃借権を保全するため,賃貸人たる建物所有者に代位して建物の不法占拠
527 者に対してその明渡しを請求し,直接自己に対して明け渡しを請求することができる。
528 5.債権者代位訴訟の判決の既判力は,債権者の勝訴・敗訴にかかわらず債務者に及ぶ。
529 〔第24問〕(配点:2)
530 売主Aと買主Bは,A所有の甲建物をBに代金3,000万円で売る契約を締結し,BからAに
531 売買代金の内金として600万円を支払い,残代金は1か月後に甲建物の所有権移転登記手続及び
532 引渡しと引換えに支払うことを合意した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち,正し
533 いものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[24])
534 ア.Bは,Aが契約の履行に着手する前であれば,支払った内金600万円を放棄してAとの売買
535 契約を解除することができる。
536 イ.履行期日にBはAに残代金を提供したが,Aが正当な理由なく移転登記手続と建物引渡しに応
537 じなかった。その後,甲建物が落雷により焼失した場合,Bは催告せずにAとの売買契約を解除
538 することができる。
539 ウ.履行期日にAもBも自らの債務の履行を提供することなく履行期日が徒過した場合,Bの履行
540 遅滞を理由にAが売買契約を解除するためには,あらかじめBに対して2回催告する必要がある。
541 エ.履行期日にAが移転登記手続と引渡しの履行の提供をしたところ,Bが残代金の提供をしなか
542 ったので,AがBに残代金の支払を催告した上解除の意思表示をしたが,その前にBがCに対し
543 て甲建物を売る契約を締結していた場合,Aは解除の効果をCに対して主張することができない。
544 オ.履行期日にAが移転登記手続と引渡しの履行の提供をしたが,Bが甲建物の適正な時価は2,
545 500万円である旨主張して残代金として1,900万円の提供しかしなかった場合,Aは催告
546 をすることなくBとの売買契約を解除することができる。
547 1.ア,エ
548
549 2.イのみ
550
551 3,イ,ウ
552
553 4.ウ,エ
554
555 5.オのみ
556
557 〔第25問〕(配点:2)
558 子のない夫婦ABは,Cを養子にした。その当時,Cには先妻との間にもうけた子Dがあった。
559 その後,CはEと再婚し,Eとの間に子Fをもうけた。なお,Aには母Gがいる。以上の事情の下
560 で,A,C及びFの3人は,一緒に旅行中に飛行機事故により死亡した。その死亡の先後は不明で
561 あり,Aは1,500万円の遺産を残した。この事例におけるAの相続人の法定相続分について,
562 次の1から5までのうち正しいものはどれか。(解答欄は,[25])
563 1.B及びDがそれぞれ750万円
564 2.Bが1,000万円,Dが500万円
565 3.Bが750万円,D及びEがそれぞれ375万円
566 4.B及びGがそれぞれ750万円
567 5.Bが1,000万円,Gが500万円
568
569 - 10 -
570
571 〔第26問〕(配点:2)
572 Aは,Bに対し,自己所有の甲土地を売ったが,この売買はBの詐欺によるものであった。この
573 事例に関する次のアからエまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
574 (解答
575 欄は,[26])
576 ア.AはAB間の売買を取り消すとの意思表示をしたが,その前に,BがCに対し,この土地を売
577 った。Cは,Bから所有権移転登記を受けていなくても,BC間の売買契約当時,AB間の売買
578 がBの詐欺によるものであることを知らなかったときは,Aに対し,甲土地の所有権取得を主張
579 できる。
580 イ. アの場合において,詐欺のためAに動機の錯誤があり,それが契約時に表示されていた場合は,
581 Cは,例えBC間の売買契約当時,錯誤の事実を知らなかったとしても,Aからの甲土地の返還
582 請求を拒むことはできない。
583 ウ.AはAB間の売買を取り消すとの意思表示をしたが,その後に,BがCに対し,この土地を売
584 った。所有権移転登記がB名義のままである場合,Cは,Bから所有権移転登記を受けていなく
585 ても,Aからの甲土地の返還請求を拒むことができる。
586 エ.Aは,詐欺であることに気付いた後にBに対し所有権移転登記をしたが,その後にAB間の売
587 買を取り消すとの意思表示をした。取消し前に詐欺の事実を知ってこの土地を買い受けたCは,
588 Aからの甲土地の返還請求を拒むことはできない。
589 1.ア
590
591 2.イ
592
593 3.ウ
594
595 4.エ
596
597 5.誤っているものはない
598
599 〔第27問〕(配点:2)
600 Aは,Bから甲土地を買って所有しているとして,甲土地を占有しているCに対し,所有権に基
601 づき甲土地の返還請求訴訟を提起した。同訴訟において,Cは,
602 「確かに,自分は甲土地を占有して
603 いる。しかし,AはDに甲土地を売り,自分はDから甲土地を買った。」と主張して争っている。こ
604 の事例に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
605 ただし,すべての売買契約について,代金支払と甲土地の引渡しはされているもの(売買契約の
606 事実が証明されたときはこれらの事実も証明されたもの)とする。(解答欄は,[27])
607 1.CがAD間の売買の当時におけるAの甲土地の所有を認めていても,Aは,甲土地を所有して
608 いたBから甲土地を買ったことを証明できなければ,所有権を証明したとはいえず,敗訴する。
609 2.Aは,Cに所有権以外の占有権原がないことを主張立証しなければ,敗訴する。
610 3.A主張の甲土地の所有権取得が認められた場合,Cは,AがDに甲土地を売った事実だけでな
611 く,CがDから甲土地を買った事実も証明できなければ,敗訴する。
612 4.A主張の甲土地の所有権取得が認められた場合,Cは,AがDに甲土地を売った事実を主張立
613 証するだけでなく,Dが対抗要件である所有権移転登記を備えた事実も主張立証しなければ,敗
614 訴する。
615 5.AD間の売買,DC間の売買が認められるが,AがAD間の売買が虚偽表示であると主張し,
616 これが認められた場合,Cは,DC間の売買契約当時,虚偽表示の事実を知らなかったことを主
617 張立証すれば,勝訴できる。
618
619 - 11 -
620
621 〔第28問〕(配点:2)
622 Aは,Bの代理人と称するC(30歳)との間で,B所有の甲土地を買い受けるとの売買契約を
623 締結したが,BはCが無権代理であったと主張して争っている。この事例に関する次の1から5ま
624 での記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。(解答欄は,[28])
625 1.AがBに対し,売買契約の履行を求める訴えを提起したところ,Cの代理権の存在について真
626 偽不明となった。この場合,裁判所は,AとBの代理人と称するCとの間で売買契約が締結され
627 たことが証拠上認められれば,A勝訴の判決を言い渡す。
628 2.Aは,Bに対し,相当の期間を定め,その期間内に無権代理人Cのした売買契約を追認するか
629 否か確答すべき旨の催告をしたが,Bはその期間内に確答をしなかった。この場合,Aは,Bに
630 対し,売買契約に基づき甲土地の所有権移転登記手続をするよう求めることができる。
631 3.配偶者のいないBが死亡し,Bに子C及びDがいた場合,Dが追認を拒絶していても,Aは,
632 Cに対し,甲土地の共有持分2分の1について,所有権移転登記手続を求めることができる。
633 4.Aにおいて,Cが無権代理人であることについて善意かつ無過失であれば,Cに故意又は過失
634 がなくても,Cに対し,甲土地の転売で得られたはずの利益の賠償を請求することができる。
635 5.Aは,Bに対しては売買契約の履行を,Cに対しては無権代理人の責任として損害賠償をそれ
636 ぞれ求める訴えを提起するとともに,同時審判の申出をした。第一回口頭弁論期日にBは出頭し
637 て争ったが,Cは答弁書等の書面を提出せずに欠席した場合,裁判所は,Cに対する請求につい
638 て弁論を分離して終結し,A勝訴の判決を言い渡すことができる。
639 〔第29問〕(配点:2)
640 登記請求権に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み
641 合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[29])
642 ア.未登記建物の買主であっても,売主に対して移転登記の請求ができる。
643 イ.通行地役権の承役地を譲り受けた者は,未登記の通行地役権者に対して背信的悪意者に当たら
644 ない場合でも,通行地役権の存在を否定できない場合があり,この場合には,通行地役権者は,
645 地役権設定当事者ではないこの所有権者に対しても,地役権設定登記を求めることができる。
646 ウ.売買契約に基づき土地の所有権の移転登記を受けた買主は,この売買契約を解除した場合,売
647 主に移転登記の抹消登記を請求することができる。
648 エ.不動産を買い受けた者は,第三者の名義を勝手に使って,売主からその第三者への移転登記を
649 行った場合,その後,この登記名義人に対して,真正な名義の回復を理由とする移転登記を請求
650 することができない。
651 オ.A→B→Cと不動産が順次譲渡され,三者間でBへの登記を省略してAからCに直接の移転登
652 記手続を行うとの合意が存在すれば,Bの債権者がBを代位して行ったAからBへの移転登記は
653 無効である。
654 1.ア,イ
655
656 2.ア,エ
657
658 3.イ,ウ
659
660 4.ウ,オ
661
662 5.エ,オ
663
664 〔第30問〕(配点:2)
665 次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのう
666 ちどれか。(解答欄は,[30])
667 ア.借地上の建物の所有権を取得した第三者は,借地借家法に基づく建物買取請求権を行使した場
668 合,買取代金支払まで建物の引渡しを拒むことができるが,建物の使用を継続した期間に応じて
669 建物賃料相当額の不当利得返還責任を負う。
670 イ.給付判決確定後にそれと実体的法律関係の矛盾が判明したが,それが故意による判決効の詐取
671 に該当しない場合には,再審の訴えによらない限り,その判決に基づき行われた給付について,
672 不当利得の返還は請求できない。
673 - 12 -
674
675 ウ.AがBの財産を無権限でCに売却した場合,Bが後にCに対してAの処分を追認しても,Aは
676 Bに対する不当利得返還責任を免れない。
677 エ.混和によって混和物全体の所有権を得た者は,所有権を失った原所有者に対して,不当利得返
678 還責任を負わない。
679 オ.即時取得によって占有物の所有権を得た者は,所有権を失った原所有者に対して,不当利得返
680 還責任を負わない。
681 1.ア,ウ
682
683 2.ア,エ
684
685 3.イ,エ
686
687 4.イ,オ
688
689 5.ウ,オ
690
691 〔第31問〕(配点:2)
692 次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後
693 記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[31])
694 ア.短期取得時効を主張する者は,その不動産を自己の所有であると信じたことにつき無過失であ
695 ったことの証明責任を負う。
696 イ.土地の賃借人を相続し,この土地の占有権を取得した者は,例え被相続人の占有が自主占有で
697 あると過失なく信じた場合であっても,短期取得時効によりこの土地を取得することはできない。
698 ウ.他人の不動産を自己の所有と過失なく信じたAが死亡してBがAを相続し,さらにCがBを相
699 続した場合,その不動産が他人の所有であることをC自身が知っていても,A・B・Cの占有を
700 通算して10年を超えれば,Cは,短期取得時効を主張することができる。
701 エ.占有者が賃借権に基づき占有を取得した事実や外形的客観的に占有者が他人の所有権を排斥し
702 て占有する意思を有していなかったと解される事情が証明されれば,20年以上占有が継続した
703 としても,時効取得は認められない。
704 オ.農地法第5条により都道府県知事若しくは農業委員会の許可がなければ所有権が移転しない転
705 用目的の農地売買の場合には,例え買主が代金を支払って引渡しを受け,買い受けた農地の占有
706 を続けても,許可手続がとられていない以上,その農地を時効により取得することはできない。
707 1.ア,ウ
708
709 2.ア,オ
710
711 3.イ,エ
712
713 4.イ,オ
714
715 5.ウ,エ
716
717 〔第32問〕(配点:2)
718 譲渡担保に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
719 (解答欄は,[32])
720 1.譲渡担保権者が,被担保債権の弁済期後に目的不動産を譲渡した場合,譲渡担保を設定した債
721 務者は,譲受人がいわゆる背信的悪意者に当たるときでも,債務を弁済して目的不動産を受け戻
722 すことができない。
723 2.担保権実行としての取立ての通知をするまでは,譲渡した債権の取立権限を譲渡担保権設定者
724 に付与する旨の債権譲渡担保契約も有効であり,このような取立権付与付の債権譲渡も,通常の
725 債権譲渡の対抗要件の方法で対抗力を備える。
726 3.譲渡担保の目的となっている商品を,譲渡担保権者の許諾を得て譲渡担保権設定者が第三者に
727 譲渡した場合,転売代金債権に対して譲渡担保権者の物上代位権を認めることはできない。
728 4.債務を弁済しないときには被担保債務の代物弁済として債務者所有の不動産の所有権を債権者
729 に確定的に帰属させる旨の合意があっても,目的物の評価額若しくは処分額が被担保債権額を上
730 回る場合には,債権者に清算金支払義務が生じ,債務者は,債権者の目的物引渡請求に対して,
731 清算金の支払との同時履行を主張することができる。
732 5.譲渡担保権を設定した会社について会社更生手続が開始されたときは,譲渡担保権者は,会社
733 更生手続によって権利を行使すべきであり,目的物の所有権を主張して取戻権を行使することは
734 できない。
735
736 - 13 -
737
738 〔第33問〕(配点:2)
739 Aは,甲土地と甲土地上の未登記の乙建物を共に,BとCに二重に売却する契約を結んだ。この
740 事例に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせた
741 ものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[33])
742 ア.Bが既に甲土地と乙建物の引渡しを受けている場合には,少なくとも乙建物の所有権は完全に
743 Bに移転しているので,Cが善意であっても乙建物の所有権を取得することはできない。
744 イ. Bが既に甲土地について移転登記を得ている場合には,Cは善意であっても甲土地はもとより,
745 甲土地上の乙建物の所有権も取得することができない。
746 ウ.Bが乙建物について所有権保存登記を行ったが,それを知らないCが甲土地について所有権移
747 転登記を行った場合,CはBに対して建物収去土地明渡の請求ができるのが原則である。
748 エ.甲土地・乙建物の双方についてBCともに未登記である場合,Bが,Cに対し,自己の所有権
749 の確認を求める本訴を提起し,Cが,Bに対し,甲土地や乙建物へ立ち入ってはならない旨の反
750 訴を提起し,お互いに相手方の所有権を争っているときは,両方の訴えとも棄却される。
751 オ.AB間の契約の定めに従えば,甲土地についても乙建物についてもBに所有権がいまだ移転し
752 ていない場合であっても,所有権を取得したCは登記をしなければ,Bに対して所有権の取得を
753 主張することができない。
754 1.ア,イ
755
756 2.ア,ウ
757
758 3.イ,エ
759
760 4.ウ,オ
761
762 5.エ,オ
763
764 〔第34問〕(配点:2)
765 Aは,結婚式を挙げることになり,衣裳仕立業者Bとの間で,当日Aが着るためのウェディング
766 ドレスをBが製作し,挙式の3日前までに完成してAに引き渡すことを目的とする請負契約を締結
767 した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記
768 1から5までのうちどれか。(解答欄は,[34])
769 ア.ドレスの完成間際に,Bの作業所が隣家からの失火で延焼してドレスが滅失し,挙式日までに
770 新たに製作することが不可能な場合,BはAに対して請負代金を請求することはできない。
771 イ.前記アの場合,Aが貸衣装業者から別のウェディングドレスを借りて挙式したときは,その借
772 賃相当額をBに請求することができる。
773 ウ.Aが急きょ挙式を取りやめたときは,Aは,Bがドレスを完成させる前ならば契約を解除する
774 ことができ,この場合,BはAに対してドレスの製作のために支出した実費のみを請求すること
775 ができる。
776 エ.AがBから引渡しを受けたドレスに修補可能な瑕疵があるときは,AはまずBに修補を請求す
777 るべきであり,直ちに修補に代わる損害賠償請求をすることはできない。
778 オ.AがBから引渡しを受けたドレスに挙式日までに修補することが不可能な瑕疵があり,Aがこ
779 れを着て挙式することができない場合には,Aは,Bとの契約を解除し,さらに損害賠償を請求
780 することができる。
781 1.ア,エ
782
783 2.ア,オ
784
785 3.イ,ウ
786
787 4.イ,エ
788
789 5.ウ,オ
790
791 〔第35問〕(配点:2)
792 AはBと売買契約を結び,目的物を引き渡して100万円の代金債権を得た。Aに売掛金債権を
793 持つ債権者Cは,このAのBに対する代金債権を差し押さえて取立訴訟を提起した。Bは,Aに対
794 して80万円の反対債権を有していたため,これをもって相殺することを主張したい。この事例に
795 関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
796 (解答欄は,
797 [35])
798 1.Bは,Aに対して,自己のAに対する80万円の反対債権とAの自己に対する100万円の代
799 金債権とを対当額で相殺する旨の意思表示をしたことを,抗弁として主張することが必要である。
800 - 14 -
801
802 2.Bは,Aに対する反対債権がCの差押えよりも先に発生していることを主張立証しなければな
803 らない。
804 3.Bは,Aに対する反対債権の弁済期がCの差押えよりも先に到来していることを主張立証しな
805 ければならない。
806 4.BのAに対する反対債権が,金額確定済みの不法行為の損害賠償債権である場合でも,Bの相
807 殺の主張は許される。
808 5.BのAに対する反対債権が,BがAに対し別訴で現在訴求中のものであるときは,この反対債
809 権を自働債権として相殺することは許されない。
810 〔第36問〕(配点:2)
811 Bは,特定物を所定の期日にAの家まで持参して引き渡す債務を負っていたが,これを自分で持
812 参せず,運送業者Cにその期日に間に合わせるように指示して配送を依頼した。この事例に関する
813 次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうち
814 どれか。(解答欄は,[36])
815 ア.Cの過失によって配達がその期日より後になった場合,Bは,Cに対する注文や指図に過失が
816 ない限り,Aに対して履行遅滞の責めを負わない。
817 イ.Cがその期日より後に配達した場合,Bは,B及びCに帰責事由のなかったことを証明できな
818 ければ履行遅滞の責めを負う。
819 ウ.Cがこの特定物を誤って焼失させてしまった場合,Aは,履行不能による損害賠償を請求する
820 ためには,履行不能の事実について自らが主張立証しなければならない。
821 エ.当初の引渡し期日が8月1日であったが,Aが目的物の焼失を知って契約を解除し損害賠償を
822 請求したのが7月15日であった場合,これに遅延損害金を付すべきなのは7月16日からであ
823 る。
824 オ.履行遅滞の場合も,履行不能の場合も,Aが特別事情によって生じた損害の賠償を請求してき
825 た場合は,Bは,自己にその事情についての予見可能性がなかったことを証明する責任を負う。
826 1.ア,イ
827
828 2.ア,オ
829
830 3.イ,エ
831
832 4.ウ,エ
833
834 5.ウ,オ
835
836 〔第37問〕(配点:2)
837 営業譲渡に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1か
838 ら5までのうちどれか。(解答欄は,[37])
839 ア.譲渡される営業により生じた債務について譲受人が免責的債務引受をすることに債権者が同意
840 しない場合には,譲渡人は,譲渡した財産の価額を限度として債権者に対して弁済する責任を負
841 うことになる。
842 イ.譲受人が譲渡人の商号を続用する場合には,譲渡される営業により生じた債務については,譲
843 受人が債務引受をしていないときでも,譲受人が債務の弁済の責任を負い,譲渡人は債務を免れ
844 る。
845 ウ.譲渡される営業により生じた債務について譲受人に移転しない旨約定し,かつ,譲受人が譲渡
846 人の商号を続用しない場合であっても,譲受人が債務を引き受けた旨の広告をしたときは,譲受
847 人も弁済の責任を負う。
848 エ.譲渡される営業により生じた債権が営業譲渡に際して譲受人に移転されなかった場合でも,譲
849 受人が商号を続用するときは,債権譲渡があったものとみなされ,債務者は譲受人に弁済しなけ
850 ればならない。
851 オ.商号は,営業が廃止されない限り,営業とともにするのでなければ譲渡することができない。
852 1.ア,イ
853
854 2.ア,オ
855
856 3.イ,エ
857
858 - 15 -
859
860 4.ウ,エ
861
862 5.ウ,オ
863
864 〔第38問〕(配点:2)
865 次のアからオまでの債務のうち,利率が年6分であるものを組み合わせたものは,後記1から5
866 までのうちどれか。(解答欄は,[38])
867 ア.約束手形の振出人が,満期に支払場所で呈示を受けたにもかかわらず,所持人に対して手形金
868 の支払をしないときの,満期以後の利息支払債務
869 イ.取締役が,返済の見込みが全くないことを認識しながら第三者に対して巨額の融資を実行し,
870 そのため会社を破たんさせ,会社債権者に損害を与えたとして,会社債権者に対して商法第26
871 6条ノ3第1項に基づき損害賠償責任を負うときの,損害賠償金に対する遅延損害金支払債務
872 ウ.会社が,営業のために雇用していた従業員に対する退職金支払を怠ったときの,退職金に対す
873 る遅延損害金支払債務
874 エ.個人で貸金業を行っている者から,生活費に充てるため,利息,遅延損害金の定めをせずに,
875 金銭を借り受けた個人が,弁済期限が到来したにもかかわらず返済をしないときの,元本に対す
876 る遅延損害金支払債務
877 オ.運送会社の従業員が業務として自動車を運転中に交通事故を起こし物的損害を与えた場合に,
878 運送会社が民法第715条に基づき使用者責任を負うときの,損害賠償金に対する遅延損害金支
879 払債務
880 1.ア,ウ
881
882 2.ア,オ
883
884 3.イ,エ
885
886 4.イ,オ
887
888 5.ウ,エ
889
890 〔第39問〕(配点:2)
891 仲介業者についての次の記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[39])
892 1.商人ではない一般人を相手にホテル等を周旋し宿泊契約の締結を媒介する業者は,民事仲立人
893 であって,商法上の仲立人ではない。
894 2.顧客の依頼に基づき自己の名で旅客運送契約を締結する業者は,運送取扱人に当たる。
895 3.複数の損害保険会社と委託契約を締結している,いわゆる乗り合い代理店は,商法上の代理商
896 には当たらない。
897 4.手数料を取って結婚相手の紹介を業とする行為は,営業的商行為の一つである仲立に当たる。
898 5.メーカーから買い上げた商品を自己の名をもって小売店に販売する業者は,商法上の問屋に当
899 たる。
900 〔第40問〕(配点:2)
901 取締役が欠けた場合等に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたもの
902 は,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[40])
903 ア.取締役解任の訴えの提起に伴う当事者の申立てによって,裁判所がその取締役の職務執行の停
904 止と職務代行者の選任を決定した場合,職務代行者は取締役と同一の権限を有する。
905 イ.株式会社の代表取締役が死亡して欠員となっている場合,この会社を訴えようとする者は,遅
906 滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して,受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を
907 申し立てることができる。
908 ウ.取締役が商法違反の罪によって刑に処せられた場合,その取締役は地位を失うが,仮取締役の
909 選任が行われない限り,後任者が就職するまで,引き続き取締役としての権利義務を有する。
910 エ.代表取締役は,取締役としての任期が満了した場合には代表取締役の地位も失うが,他に代表
911 取締役がいなくなるときは,仮代表取締役の選任が行われない限り,後任者が就職するまで,引
912 き続き代表取締役としての権利義務を有する。
913 オ.株式会社が破産した場合,会社は解散するが,定款に別段の定めがあるとき又は株主総会で他
914 人を選任したときを除いて,取締役は清算人になる。
915 1.ア,エ
916
917 2.ア,オ
918
919 3.イ,ウ
920 - 16 -
921
922 4.イ,エ
923
924 5.ウ,オ
925
926 〔第41問〕(配点:2)
927 株式会社が自ら発行した株式(以下「自己株式」という。)を買い受けることについては,a債権
928 者の利益を害するおそれがある,b株主の平等を害するおそれがある,c会社支配の公正を害する
929 おそれがある,d証券市場の公正を害するおそれがあるとの弊害の指摘がある。自己株式の買受け
930 について商法が採用している次の規律のうち,前記の弊害の解消のための措置でないものはどれか。
931 (解答欄は,[41])
932 1.特定の株主から自己株式を買い受けようとする場合には,他の株主は,株主総会の5日前まで
933 に,議案を,売主として自己をも加えたものとすべきことを請求することができる。
934 2.不特定の者から自己株式を買い受ける場合は,市場取引か公開買い付けの方法によらなければ
935 ならない。
936 3.自己株式の買受けは,これを行う営業年度末において配当可能利益がなくなるおそれがある場
937 合には,してはならない。
938 4.買い受けた自己株式は,処分しないで保有することもできる。
939 5.買い受けた自己株式を処分する場合には,新株発行類似の手続をとらなければならない。
940 〔第42問〕(配点:2)
941 株主総会における株主の議決権の行使に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているもの
942 を組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[42])
943 ア.定款によっても議決権の代理行使を禁止することはできない。
944 イ.2個以上の議決権を有する株主は,商法所定の手続に基づき,議決権の不統一行使をすること
945 ができるが,会社は,他人のために株式を有することを理由としない不統一行使を拒むことがで
946 きる。
947 ウ.株主総会の議案に特別の利害関係を有する株主が議決権を行使したことは,決議の取消事由で
948 ある。
949 エ.議決権を有する株主の数が1,000人以上の商法特例法上の大会社においては,株主総会に
950 出席しない株主は,書面によって議決権を行使することができる。
951 オ.ある会社Aが他の会社Bの総株主の議決権の5分の1の議決権を有する場合,Bは,A社の株
952 式を有していても,その議決権を行使することができない。
953 1.ア,イ
954
955 2.ア,エ
956
957 3.イ,ウ
958
959 4.ウ,オ
960
961 5.エ,オ
962
963 〔第43問〕(配点:2)
964 新株予約権に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1
965 から5までのうちどれか。(解答欄は,[43])
966 ア.新株予約権を無償で発行することはできるが,新株予約権の行使に際して払込みをすべき額を
967 定めないで新株予約権を発行することはできない。
968 イ.取締役に対する,いわゆるストック・オプションとしての新株予約権の発行は,取締役に対す
969 る報酬として株主総会の普通決議に基づいてしなければならない。
970 ウ.新株予約権は,その譲渡につき取締役会の承認を要するものとする制限を付して発行すること
971 ができる。
972 エ.取締役に対して新株予約権を発行していたが,当該取締役が任期途中で辞任した場合には,発
973 行決議であらかじめ定めがされていないときでも,取締役会の決議により当該取締役の新株予約
974 権を無償で消却することができる。
975 オ.新株予約権を行使することができる期間の終了日は,取締役会の新株予約権発行決議の日から
976 10年を経過する日の間までで定めなければならない。
977 1.ア,イ
978
979 2.ア,ウ
980
981 3.イ,エ
982 - 17 -
983
984 4.ウ,オ
985
986 5.エ,オ
987
988 〔第44問〕(配点:2)
989 新株発行についての次の記述のうち,判例の趣旨に照らして正しいものはどれか。
990 (解答欄は,
991 [
992 44])
993 1.新株発行について必要な機関の決議を欠いた場合でも,新株発行は有効であるのが原則である
994 が,親会社に第三者割当増資を行った後,当該新株が親会社の手元にとどまっているときは,新
995 株発行は無効となる。
996 2.新株が著しく不公正な方法で発行された場合でも,それだけでは新株発行の無効原因にはなら
997 ない。
998 3.新株発行不存在確認の訴えを提起することができる期間は,当該新株発行に係る登記がされて
999 から6か月間に限られる。
1000 4.新株発行の通知及び公告を欠く場合には,他に瑕疵が認められないときでも,新株発行は無効
1001 となる。
1002 5.新株発行差止の仮処分命令が発せられた場合でも,会社がそれを無視して新株を発行してしま
1003 えば,当該新株発行は有効である。
1004 〔第45問〕(配点:2)
1005 株式会社の組織再編に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,
1006 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[45])
1007 ア.会社分割の際の債権者保護手続においては,債権者に対する各別の催告を省略することができ
1008 ない場合がある。
1009 イ.営業の一部を現物出資する場合には,物的分割をする場合と同様に,債権者保護手続が必要で
1010 ある。
1011 ウ.電子公告を公告方法とする会社であっても,合併に際し知れている債権者に対する各別の催告
1012 を省略するには,官報に加えて,日刊新聞紙への公告をしなければならない。
1013 エ.会社分割に際して発行する株式の総数を分割会社に割り当てる場合には,分割会社に債権を行
1014 使することができる債権者は,会社分割に異議を述べることができない。
1015 オ.資本に欠損が生じている会社は,判例によれば,債務超過に至らない場合でも,吸収合併の対
1016 象にすることができない。
1017 1.ア,ウ
1018
1019 2.ア,エ
1020
1021 3.イ,エ
1022
1023 4.イ,オ
1024
1025 5.ウ,オ
1026
1027 〔第46問〕(配点:2)
1028 会社関係訴訟に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[46])
1029 1.株主総会決議の内容が定款に違反するときは,株主総会決議取消しの訴えによらなければ,訴
1030 訟上,その主張をすることができない。
1031 2.取締役に対する株主代表訴訟においては,会社が訴訟に参加しない場合でも,株主と取締役と
1032 の間で,取締役が会社に対して金銭を支払うことを内容とする和解をすることができる。
1033 3.取締役の職務遂行に関し,不正の行為があるにもかかわらず株主総会において取締役解任の議
1034 案が否決された場合には,その株主総会の手続に瑕疵があるか否かにかかわらず,一定の要件を
1035 満たす株主は,取締役解任の訴えを提起することができる。
1036 4.株主が株主総会決議の内容に法令違反があるとして,株主総会決議無効確認の訴えを提起した
1037 が,法令違反が認められないとして敗訴した場合,後に他の株主が同一理由によって株主総会決
1038 議無効確認の訴えを提起することはできない。
1039 5.株主が取締役の法令違反行為の差止めを求める訴えを提起したが敗訴した場合,後に他の株主
1040 が,同一の取締役がした同一の行為の差止めを求める訴えを提起することはできない。
1041
1042 - 18 -
1043
1044 〔第47問〕(配点:2)
1045 株主の権利に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[47])
1046 1.株主は,商法上の株主提案権を行使しなくとも,株主総会の会場で,会議の目的事項につき代
1047 表取締役が提出した議案に対し,修正提案をすることができる。
1048 2.株主が取締役の責任を追及する訴えは,会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所又は被告の
1049 普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に提起することができる。
1050 3.会社の業務及び財産の状況の調査のために裁判所から選任された検査役は,その職務を行うた
1051 めに必要があるときは,子会社の業務及び財産の状況の調査も行うことができる。
1052 4.会社は,株主から会計帳簿の閲覧請求があったときでも,株主の権利の確保又は行使に関し調
1053 査をする目的で請求されたものでないことを証明すれば,その請求を拒むことができる。
1054 5.株主は,株主総会の会議の目的事項に関し,取締役・監査役に対する質問事項を事前に会社に
1055 通知しておくことができるが,この事前通知があっても,株主が総会において質問をしなければ,
1056 取締役・監査役に説明の義務は生じない。
1057 〔第48問〕(配点:2)
1058 約束手形に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1か
1059 ら5までのうちのどれか。(解答欄は,[48])
1060 ア.全国銀行協会連合会の定める統一手形用紙によらないで,振り出された約束手形は,無効であ
1061 る。
1062 イ.手形金額について,漢数字とアラビア数字で二つ記載したものが相違している場合には,手形
1063 法上は,漢数字で記載された金額をもって手形金額とするものとされている。
1064 ウ.振出人が株式会社である約束手形は,振出人欄に代表取締役の署名又は記名なつ印がなければ,
1065 有効な手形とはならない。
1066 エ.振出日欄白地で振り出された約束手形については,確定日払の手形であっても,白地を補充し
1067 ないまま支払呈示期間内に支払呈示をしたときは,裏書人に対する遡求権は保全されない。
1068 オ.手形要件としての受取人欄には,受取人が法人の場合には,法人の名称とともに,その代表者
1069 名が記載されなければならない。
1070 1.ア,イ
1071
1072 2.ア,オ
1073
1074 3.イ,エ
1075
1076 4.ウ,エ
1077
1078 5.ウ,オ
1079
1080 〔第49問〕(配点:2)
1081 手形と小切手の相違点に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせた
1082 ものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[49])
1083 ア.満期は,約束手形における手形要件であるが,小切手における小切手要件ではない。
1084 イ.支払人の資格は,為替手形については限定はないが,小切手については銀行又は法令によりこ
1085 れと同視されるものに限られる。
1086 ウ.支払人による引受けは,為替手形については行うことができるが,小切手については禁じられ
1087 ている。
1088 エ.支払が拒絶された場合における所持人の裏書人に対する遡求権は,約束手形については行使す
1089 ることができるが,小切手については行使することができない。
1090 オ.所持人の裏書人に対する請求権の消滅時効の期間は,約束手形については3年であるが,小切
1091 手については6か月である。
1092 1.ア,イ
1093
1094 2.ア,ウ
1095
1096 3.イ,エ
1097
1098 - 19 -
1099
1100 4.ウ,オ
1101
1102 5.エ,オ
1103
1104 〔第50問〕(配点:2)
1105 商法の名板貸についての責任に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っ
1106 ているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[50])
1107 ア.名板貸人の責任が生ずるのは,名板貸人が商人の場合に限られる。
1108 イ.名板借人の被用者が交通事故を起こしたことによる責任を名板貸人が負うことはない。
1109 ウ.自己の名称を使用して営業をすることを許諾したところ,許諾を受けた者が当該営業をせず,
1110 当該営業と同種の営業のための手形取引にその名称を使用したときは,許諾者は,手形債務につ
1111 き責任を負う。
1112 エ.相手方が名板貸の事実を知っていたときは,名板貸人は責任を負わないが,相手方に誤認がな
1113 かったことの主張・立証責任は名板貸人が負う。
1114 オ.名板貸人が責任を負うときは,取引の相手方は,名板借人の責任を問うことはできない。
1115 1.ア,ウ
1116
1117 2.ア,オ
1118
1119 3.イ,エ
1120
1121 4.イ,オ
1122
1123 5.ウ,エ
1124
1125 〔第51問〕(配点:2)
1126 株式会社の設立に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,
1127 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[51])
1128 ア.発起人が全員で定款を作成して,公証人の認証を受けなければならない。
1129 イ.法人も発起人になることができる。
1130 ウ.設立しようとする株式会社が委員会等設置会社であるときは,発起人は,取締役と執行役を選
1131 任しなければならない。
1132 エ.現物出資は,定款に定めなければならず,かつ,発起人しかすることができない。
1133 オ.不動産でない現物出資財産についての定款で定めた価格が相当であることにつき公認会計士の
1134 証明を受けている場合には,当該価格よりも当該財産の実価が著しく低いときでも,会社の成立
1135 当時の取締役は,不足額の支払義務を負わない。
1136 1.ア,ウ
1137
1138 2.ア,エ
1139
1140 3.イ,エ
1141
1142 4.イ,オ
1143
1144 5.ウ,オ
1145
1146 〔第52問〕(配点:2)
1147 監査役又は監査委員に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,
1148 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[52])
1149 ア.子会社の取締役が親会社の監査役を兼ねることはできないが,親会社の取締役が子会社の監査
1150 役を兼任することは可能である。
1151 イ.商法特例法上の大会社である監査役設置会社の監査役は,監査役会の承認がない限り,独自の
1152 判断で取締役の行為を差し止めることはできない。
1153 ウ.委員会等設置会社の場合には,監査委員の一人が監査報告書に会計監査人の監査結果が相当で
1154 ない旨の付記をしても,計算書類の確定に影響を及ぼさない。
1155 エ.委員会等設置会社が監査委員を訴える場合には,監査委員会が定める者が会社を代表する。
1156 オ.委員会等設置会社の監査委員は,全員を非常勤とすることも許される。
1157 1.ア,エ
1158
1159 2.ア,オ
1160
1161 3.イ,ウ
1162
1163 4.イ,オ
1164
1165 5.ウ,エ
1166
1167 〔第53問〕(配点:2)
1168 株式会社の貸借対照表に関する商法施行規則上の規律に関する次のアからオまでの記述のうち,
1169 誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[53])
1170 ア.貸借対照表の資産の部は,流動資産・固定資産・繰延資産の三つの部からなる。
1171 イ.新製品の研究のために特別に支出した金額は,繰延資産として計上することができ,その研究
1172 が継続している期間は,償却することを要しない。
1173 - 20 -
1174
1175 ウ.有償で譲り受けたのれんは,資産として計上することができる。
1176 エ. 金銭債権は,債務者の資産状況が悪化し,回収不能となるおそれがあっても,貸借対照表上は,
1177 債権額全額を資産として計上することができる。
1178 オ.役員退職慰労金は,支払義務が発生しない段階でもその支出が合理的に予測できる場合には,
1179 引当金として負債の部に計上することができる。
1180 1.ア,ウ
1181
1182 2.ア,オ
1183
1184 3.イ,エ
1185
1186 4.イ,オ
1187
1188 5.ウ,エ
1189
1190 〔第54問〕(配点:2)
1191 株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めのある会社(以下「譲渡制限会社」と
1192 いう。)に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[54])
1193 1.定款を変更して譲渡制限会社になろうとするための株主総会の決議の要件は,通常の特別決議
1194 の要件より加重されている。
1195 2.譲渡制限会社においては,取締役会の承認なしにされた株式の譲渡は,当事者間において無効
1196 である。
1197 3.譲渡制限会社においては,授権株式数が発行済株式総数の4倍を超えることができる。
1198 4. 譲渡制限会社は,定款をもって,株主総会の招集通知期間を1週間まで短縮することができる。
1199 5.譲渡制限会社の株主が,会社に対し書面で株式譲渡の承認を請求したが,法律の定める期間内
1200 に会社が承認しない旨の通知をしない場合には,譲渡の承認があったものとみなされる。
1201 〔第55問〕(配点:2)
1202 種類株式に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[55])
1203 1.配当優先株に普通株への転換予約権を付すような形で転換予約権付株式が発行されることはな
1204 い。
1205 2.株主から一切の議決権を奪うような議決権制限株式を発行しても無効である。
1206 3.定款をもってしても,議決権制限株式を有する株主から少数株主権を奪うことはできない。
1207 4.子会社の業績に連動して配当する株式を発行するには,定款に配当の上限額を記載しなければ
1208 ならない。
1209 5.取締役の選解任について内容を異にする種類株式を発行できるのは,株式の譲渡につき取締役
1210 会の承認を要する旨の定款の定めのある会社に限られる。
1211 〔第56問〕(配点:2)
1212 裁判所の訴訟指揮権の行使に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わ
1213 せたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[56])
1214 ア.裁判長は,適当と認めるときは,証人尋問の順序を変更することができるが,その際には当事
1215 者の意見を聴かなければならない。
1216 イ.裁判所は,争点及び証拠の整理を行うため必要があると認めるときは,準備的口頭弁論を行う
1217 ことができるが,その際には当事者の意見を聴かなければならない。
1218 ウ.裁判所は,相当と認めるときは,裁判所外において証拠調べをすることができるが,その際に
1219 は当事者の意見を聴かなければならない。
1220 エ.裁判所は,証拠調べをするに当たり,訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするため必
1221 要があると認めるときは,証拠調べの期日において専門的知見に基づく説明を聴くために,専門
1222 委員を手続に関与させることができるが,その際には当事者の意見を聴かなければならない。
1223 オ.控訴審においては,裁判長は,攻撃防御方法を提出すべき期間を定めることができるが,その
1224 際には当事者の意見を聴かなければならない。
1225 1.ア,イ
1226
1227 2.ア,オ
1228
1229 3.イ,ウ
1230 - 21 -
1231
1232 4.ウ,エ
1233
1234 5.エ,オ
1235
1236 〔第57問〕(配点:4)
1237 Aは,Bに対して200万円を貸し付け,Cがこれに連帯保証をしたとして,B及びCを共同被
1238 告とし,200万円の支払を求める訴えを提起した。訴状の請求原因の記載の要旨は次のとおりで
1239 ある:(1)平成15年6月25日,AはBに,弁済期を同年7月25日として,200万円を貸し
1240 付けた。(2)同日,CはBの債務について連帯保証した。(3)Bは弁済期に弁済しない。本件に関
1241 する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうち
1242 どれか。なお,当然の補助参加を認める見解,共同訴訟人間の主張共通原則や準必要的共同訴訟を
1243 認める見解は採らないものとする。(解答欄は,[57])
1244 ア.訴状副本はB及びCにそれぞれ通常の手続により送達されたが,Bは答弁書を提出せず,また
1245 第1回口頭弁論期日に出頭しなかった。Cは請求棄却を求め,また,貸付けの事実を争う答弁書
1246 を事前に提出したが,第1回口頭弁論期日には欠席した。裁判所は,弁論を分離し,原告のBに
1247 対する請求を認容する判決を言い渡すことができる。
1248 イ.前記アの場合に,裁判所は弁論を分離せずに訴訟手続を進行したが,貸付けの事実があるとの
1249 心証を得ることができなかった。なお,この間,Bは一度も口頭弁論期日に出頭していない。こ
1250 の場合に,裁判所は,AのB及びCに対する請求のいずれをも棄却することができる。
1251 ウ.訴状副本は,Cに対しては通常の手続により送達されたが,Bに対しては住居所等不明による
1252 公示送達がなされた。第1回口頭弁論期日にA及びCは出頭したが,Bは欠席した。Cはあらか
1253 じめ答弁書を提出し,AからBに200万円の交付はあったが,それはAのBに対する債務の弁
1254 済としてなされたものであると主張し,これを裏付ける文書を証拠として提出した。裁判所が,
1255 200万円の交付はAのBに対する債務の弁済としてなされたとの心証を得,他に何らの主張立
1256 証がなかった場合は,裁判所は,AのCに対する請求を棄却するとともに,AのBに対する請求
1257 も棄却することができる。
1258 エ.訴状副本及びAが証拠として提出した貸付契約書の写しは,Cに対しては通常の手続により送
1259 達されたが,Bに対しては住居所等不明による公示送達がなされた。第1回口頭弁論期日にA及
1260 びCは出頭したが,Bは欠席した。Cはあらかじめ答弁書を提出し,AのBに対する貸付け及び
1261 連帯保証の事実は認めたが,200万円は既にBがAに弁済していると主張し,これを裏付ける
1262 文書を証拠として提出した。裁判所が,Bが既に200万円を弁済しているとの心証を得,他に
1263 何らの主張立証がなかった場合は,裁判所は,AのCに対する請求を棄却するとともに,AのB
1264 に対する請求も棄却することができる。
1265 オ.第1回口頭弁論期日にA,B及びCが出頭し,Bは貸付けの事実を否認したが,Cは裁判所の
1266 釈明にもかかわらず自分の信念に基づく行動であるとして貸付け及び連帯保証の事実を認めた。
1267 その後の立証によっても裁判所は貸付けの事実を認定するのに必要な心証を得ることができなか
1268 った。この場合に,裁判所は,AのB及びCに対する請求のいずれをも棄却することができる。
1269 1.ア,ウ
1270
1271 2.ア,オ
1272
1273 3.イ,ウ
1274
1275 4.イ,エ
1276
1277 5.エ,オ
1278
1279 〔第58問〕(配点:2)
1280 次のアからエまでの記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[58])
1281 ア.裁判所は,遠隔地に居住する証人の尋問をする場合には,当事者の意見を聴いて,いわゆるテ
1282 レビ会議システムを利用する方法で,尋問をすることができる。
1283 イ.人証の取調べにおいて,主尋問,反対尋問,再主尋問の順序により尋問が行われた場合,当事
1284 者が更に尋問をするには,裁判長の許可が必要である。
1285 ウ.人証の取調べにおいて,当事者は,正当な理由がある場合は,誘導質問や争点に関係のない質
1286 問をすることができる。
1287 エ.裁判所は,職権で,当事者本人を尋問することができる。
1288 1.ア
1289
1290 2.イ
1291
1292 3.ウ
1293
1294 4.エ
1295 - 22 -
1296
1297 5.誤っているものはない
1298
1299 〔第59問〕(配点:2)
1300 次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちど
1301 れか。(解答欄は,[59])
1302 ア.訴えが取り下げられたときは,訴訟は,初めから係属していなかったものとみなされる。
1303 イ.訴えを取り下げることができるのは,終局判決が言い渡されるまでである。
1304 ウ.訴えの取下げは,相手方が本案について準備書面を提出していても,それを口頭弁論又は弁論
1305 準備手続の期日において陳述していなければ,相手方の同意を得なくても,その効力を生じる。
1306 エ.原告が連続して2回口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日に出頭せず,又は弁論若しくは弁論
1307 準備手続において申述をしないで退廷若しくは退席をした場合は,訴えの取下げがあったものと
1308 みなされる。
1309 オ.訴訟代理人は,特別の委任を受けなければ,訴えを取り下げることができない。
1310 1.ア,ウ
1311
1312 2.ア,オ
1313
1314 3.イ,ウ
1315
1316 4.イ,エ
1317
1318 5.エ,オ
1319
1320 〔第60問〕(配点:2)
1321 Aに対して貸金債務を負担しているBが,唯一の財産であるB所有の動産をCに仮装譲渡した場
1322 合に関し,次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたも
1323 のは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[60])
1324 ア.Aは,債権者代位権を訴訟物として,Cに対し,当該動産の引渡しを求める訴えを提起するこ
1325 とができる。
1326 イ.Aは,詐害行為取消権を行使して,Cに対し,BC間の譲渡行為の取消し及び当該動産の引渡
1327 しを求める訴えを提起することができる。
1328 ウ.AのCに対する前記アの債権者代位訴訟と前記イの詐害行為取消訴訟とでは,前者がBC間の
1329 譲渡行為の無効を理由とするのに対し,後者では譲渡行為が有効であることを前提とし,両者は
1330 矛盾した主張をすることになるから,併合して訴えを提起することはできない。
1331 エ.BがCに対して当該動産の返還を求める訴えを提起した場合,Aは,Bを被参加人として,補
1332 助参加の申出をすることができる。
1333 オ.Aは,Cに対する当該動産の引渡執行を保全するため,当該動産について,占有移転禁止の仮
1334 処分を申し立てることができる。
1335 1.ア,イ
1336
1337 2.ア,ウ
1338
1339 3.イ,エ
1340
1341 4.ウ,オ
1342
1343 5.エ,オ
1344
1345 〔第61問〕(配点:2)
1346 不動産登記手続請求訴訟に関する次のアからエまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤ってい
1347 るものはどれか。(解答欄は,[61])
1348 ア.不動産の売買契約が締結され,売買代金も支払われたが,売主が所有権移転登記手続に応じな
1349 い場合,買主は,登記請求権を保全するために,当該不動産の処分禁止の仮処分を申し立てるこ
1350 とができる。
1351 イ.不動産登記手続請求訴訟は,被告に対して登記手続を命ずる判決が確定することによって,登
1352 記記録を変動させるものであり,その判決が確定しない限り登記記録の変動を何人も主張するこ
1353 とができないから,形成訴訟である。
1354 ウ.不動産登記記録の推定力は事実上のものであるから,原告が,ある不動産について,その所有
1355 権を有すると主張して,被告名義の抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴訟において,原告
1356 は,請求原因として,抵当権設定登記が正当な権原に基づかないことを基礎付ける事実を主張す
1357 る必要はない。
1358 エ.被告に対して登記手続を命ずる判決が確定したときは,被告は,その確定の時に登記申請の意
1359 思表示をしたものとみなされる。
1360 1.ア
1361 2.イ
1362 3.ウ
1363
1364 4.エ
1365
1366 - 23 -
1367
1368 5.誤っているものはない
1369
1370 〔第62問〕(配点:2)
1371 次の1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[62])
1372 1.裁判所は,申立てがなければ,訴訟の当事者に,商業帳簿の提出を命ずることができない。
1373 2.簡易裁判所は,申立てがなければ,その管轄に属する訴訟を,その所在地を管轄する地方裁判
1374 所に移送することができない。
1375 3.裁判所は,申立てがなければ,訴え提起前において,証拠保全の決定をすることができない。
1376 4.裁判所は,申立てがなければ,事件を完結する裁判において,訴訟費用の負担の裁判をするこ
1377 とができない。
1378 5.裁判所は,訴訟手続の受継の申立てがなければ,訴訟手続の続行を命ずることができない。
1379 〔第63問〕(配点:2)
1380 Xが,Yに対して,Y名義の甲土地の所有権を時効取得したと主張して,甲土地の所有権移転登
1381 記手続を求める訴えを提起したという事例に関し,次の教授の質問に対する学生の答アからオまで
1382 のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[
1383 63])
1384 教授
1385
1386 Xの主張は,Xが甲土地を平成5年9月18日(土)午後1時に引渡しを受けてから10年
1387 間占有を継続しているというものであったとすると,Xが甲土地の所有権を取得するのはいつ
1388 ですか。
1389
1390 学生
1391
1392 ア
1393
1394 平成15年9月18日(木)が満了した時です。
1395
1396 教授
1397
1398 その場合,いわゆる時効の起算日はいつですか。
1399
1400 学生
1401
1402 イ
1403
1404 教授
1405
1406 第1回口頭弁論期日は,訴えが提起された日から何日以内の日に指定しなければならないで
1407
1408 平成5年9月19日(日)です。
1409
1410 すか。
1411 学生
1412 教授
1413
1414 ウ
1415
1416 原則として,30日以内の日に指定しなければなりません。
1417
1418 第一審裁判所は,審理の結果訴訟が裁判をするのに熟したと判断して,口頭弁論を終結した
1419 場合,いつまでに判決の言渡しをしなければなりませんか。
1420
1421 学生
1422
1423 エ
1424
1425 原則として,口頭弁論終結の日から3か月以内にしなければなりません。
1426
1427 教授
1428
1429 第一審裁判所は,平成16年12月13日(月),Xの請求を認容する判決を言い渡し,この
1430 判決正本が,同月15日(水)午後1時に当事者双方に送達されたとすると,Yの控訴期間は
1431 いつ満了しますか。
1432
1433 学生
1434
1435 オ
1436
1437 1.ア,イ
1438
1439 平成17年1月4日(火)に満了します。
1440 2.ア,ウ
1441
1442 3.イ,エ
1443
1444 4.ウ,オ
1445
1446 5.エ,オ
1447
1448 〔第64問〕(配点:2)
1449 次の1から5までの記述のうち,誤っているものはどれか。(解答欄は,[64])
1450 1.準備的口頭弁論期日では,争点及び証拠の整理に必要であれば,その限度で,書証や人証の取
1451 調べをすることができる。
1452 2.当事者双方が期日に出頭することに支障がある場合には,いわゆる電話会議の方法によって,
1453 弁論準備手続期日における手続を行うことができる。
1454 3.裁判長は,相当と認めるときは,弁論準備手続を終結するに当たって,当事者に弁論準備手続
1455 における争点及び証拠の整理の結果を要約した書面を提出させることができる。
1456 4.裁判所は,書面による準備手続の終結後の口頭弁論期日において,その後の証拠調べによって
1457 証明すべき事実を当事者との間で確認する。
1458 5.進行協議期日においては,裁判所外で,口頭弁論における証拠調べと争点との関係の確認その
1459 他訴訟の進行に関し必要な事項についての協議を行うことができる。
1460 - 24 -
1461
1462 〔第65問〕(配点:2)
1463 Xは,その所有するダイヤモンドの指輪の売却方をY及びZに委託し,ダイヤモンドの指輪をY
1464 らに引き渡したが,それが実行されないので,委託を合意解除し,改めて,Y及びZとの間で,Y
1465 及びZは1か月以内にダイヤモンドの指輪を返還するか,又は損害金500万円を支払う旨の契約
1466 (以下「本件契約」という。)を締結した。ところが,期限内にいずれの義務も履行されなかったの
1467 で,Xは,Y及びZを共同被告として,訴えを提起した。
1468 この事例に関する次の1から4までの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを2個選びな
1469 さい。(解答欄は,[65],[66]順不同)
1470 1.Xは本件契約に基づいて1個の選択債権を取得しているにすぎないから,Xが,Y及びZを共
1471 同被告として,ダイヤモンドの指輪の返還又は損害金500万円の支払を求める旨の訴えを提起
1472 しても,訴訟上の請求は1個である。
1473 2.Xからの500万円の支払を求める訴えに対して,第一審裁判所は,
1474 「被告らは,原告に対し,
1475 500万円を支払え。」との判決を言い渡した。この判決に対して,控訴を提起したのがYだけで
1476 あっても,控訴不可分の原則により,XのZに対する請求についてもまた,確定遮断の効力が生
1477 じる。
1478 3.前記2の第一審判決に対し,Y及びZが控訴を提起した場合,Xは,控訴審において,本件契
1479 約当時,Y及びZが商人であったことを主張して,
1480 「被告らは,原告に対し,連帯して500万円
1481 を支払え。」との判決を求めるためには,附帯控訴の方式によらなければならない。
1482 4.前記2の第一審判決が確定し,Xが250万円の支払を受けた場合,Xが,Y及びZは本件契
1483 約当時商人であったと主張して,Y及びZに対し連帯して残額250万円を支払うことを求める
1484 訴えを提起することは,既判力に抵触して許されない。
1485 〔第66問〕(配点:2)
1486 確認の利益に関する次のアからカまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わ
1487 せたものは,後記1から6までのうちどれか。(解答欄は,[67])
1488 ア.自分の戸籍に日本国籍の離脱及び回復に関する記載のある者が,出生による日本国籍を現に引
1489 き続き有する旨の確認を求める訴えは,確認の利益がない。
1490 イ.共同相続人間に,ある相続人の具体的相続分の価額又は割合について争いがある場合,共同相
1491 続人のうちの一部の者が当該相続人の具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えは,確認
1492 の利益がある。
1493 ウ.遺言者の推定相続人と受遺者との間に遺言の効力について争いがある場合,推定相続人が,遺
1494 言者の生存中に,遺言が無効であることの確認を求める訴えは,原則として,確認の利益がない
1495 が,遺言者が回復の見込みがない重篤な精神疾患により事理を弁識する能力を欠く常況にあり,
1496 遺言者による遺言の取消し又は変更の可能性がないことが明白なときは,例外的に確認の利益が
1497 ある。
1498 エ.賃借人が,賃貸借契約継続中に,敷金返還請求権の存在の確認を求める訴えは,条件付の権利
1499 の確認を求めるものであり,賃貸人が敷金交付の事実を争って敷金返還義務を負わないと主張し
1500 ているときは,確認の利益がある。
1501 オ.自分と戸籍上の父母との間の親子関係が存しないことの確認を求める訴えは,当該戸籍上の父
1502 母が双方とも死亡した後に提起されたときは,確認の利益がない。
1503 カ.共同相続人間に,ある財産が被相続人の遺産に属するかどうかについて争いがある場合,当該
1504 財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えは,確認の利益がある。
1505 1.ア,オ
1506
1507 2.ア,カ
1508
1509 3.イ,ウ
1510
1511 4.イ,オ
1512
1513 - 25 -
1514
1515 5.ウ,エ
1516
1517 6.エ,カ
1518
1519 〔第67問〕(配点:2)
1520 給付訴訟において,請求原因となる契約に取消原因が存在していたが,被告から取消しの主張が
1521 されずに,請求を認容する判決が確定した。その後,被告は,この確定判決について,請求異議の
1522 訴えを提起した。次のアからエまでの記述のうち,この請求異議訴訟において,給付訴訟の被告が
1523 当該契約についての取消権の行使をすることが認められるとする見解の論拠として不適切なものは
1524 どれか。(解答欄は,[68])
1525 ア.無効事由となるか取消事由となるかは,瑕疵の軽重によって定められているのではなく,その
1526 主張を行使者の意思によらせるべきかどうかによって定められているものである。
1527 イ.民法第126条は,取消権について,追認をすることができる時から5年間行使しないときは,
1528 時効によって消滅すると規定しているが,この規定は,この期間内の権利行使を保障するもので
1529 はなく,この期間を経過すると権利行使はできないことを意味するにとどまるとみるべきである。
1530 ウ.既判力とは標準時における権利関係をそのまま反映して確定するものである。すなわち,取消
1531 原因があるが取消権は未行使の権利関係は,取消原因が付着した権利関係として確定される。
1532 エ.請求異議訴訟における取消権行使の主張は,実際上不当な場合も少なくないであろうが,そう
1533 した不当な取消権行使を封じるか否かは,取消権者が取消権の存在を知っていたか否かという主
1534 観的事情を考慮して決すべきである。
1535 1.ア
1536
1537 2.イ
1538
1539 3.ウ
1540
1541 4.エ
1542
1543 5.不適切なものはない
1544
1545 〔第68問〕(配点:2)
1546 次のアからエまでの記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[69])
1547 ア.XがYを被告として,絵画の所有権の確認を求める訴えをYの住所地を管轄する大阪地方裁判
1548 所に提起した。その後,Yが住所を東京都に移した場合,Yは本案について弁論をし,又は弁論
1549 準備手続で申述をするまでは,Yの住所が大阪地方裁判所の管轄地内にないことを理由とする管
1550 轄違いの抗弁を提出することができる。
1551 イ.管轄裁判所に訴えが提起された後は,当事者の申立て及び相手方の同意があっても,訴訟の著
1552 しい遅滞を避け,又は当事者間の衡平を図るため必要があると認める場合でなければ,訴訟を申
1553 立てに係る裁判所に移送することはできない。
1554 ウ.法定管轄のある複数の裁判所のうちの一つを管轄裁判所とする合意は,専属的合意管轄を定め
1555 たものと解されるので,当該裁判所に提起された訴訟を,訴訟の著しい遅滞を避けるためという
1556 理由で,他の管轄裁判所に移送することはできない。
1557 エ.XがYを被告として,売買代金の支払を求める訴えをA裁判所に提起したところ,Yの管轄違
1558 いを理由とする移送の申立てに基づき,B裁判所に移送する旨の決定がなされた。訴え提起時に
1559 は売買代金債権についての消滅時効期間は満了していなかったが,移送決定時には消滅時効期間
1560 が満了していた場合でも,訴えによる消滅時効中断の効力は認められる。
1561 1.ア
1562
1563 2.イ
1564
1565 3.ウ
1566
1567 4.エ
1568
1569 5.正しいものはない
1570
1571 〔第69問〕(配点:2)
1572 Aは,Bを被告として,売買契約に基づく売買代金500万円の支払を求める訴えを提起した。
1573 Bは,売買契約の成立を争うとともに,錯誤による売買契約の無効を主張し,予備的に,BがAに
1574 対して有する貸金債権600万円との相殺を主張した。この事例に関する次のアからエまでの記述
1575 のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[70])
1576 ア.売買契約の成立を認め,錯誤による無効を認めてAの請求を棄却した判決に対し,Bは,売買
1577 契約の不成立を主張して控訴することができる。
1578 イ.売買契約の成立を認め,錯誤無効を認めず,相殺を認めてAの請求を棄却した判決に対し,B
1579 は,売買契約の不成立及び錯誤無効を主張して控訴することができる。
1580 - 26 -
1581
1582 ウ.売買契約の成立を認めたが代金額は300万円であると認定し,錯誤無効及び相殺のいずれも
1583 認めず,AのBに対する請求を300万円の限度で認めた判決に対し,Bは控訴期間内に控訴し
1584 たが,Aは控訴期間を徒過した。この場合,民事訴訟法に定める訴訟行為の追完が許される場合
1585 を除けば,Aは,この判決に対する不服申立てをすることができない。
1586 エ.売買契約の成立を認め,錯誤無効は認めず,相殺を認めてAの請求を棄却した判決に対し,A
1587 だけが控訴し,控訴審が売買契約は認められるが錯誤により無効であるとの心証を得たときは,
1588 判例によれば,原判決を取り消し,請求棄却の判決をする。
1589 1.ア
1590
1591 2.イ
1592
1593 3.ウ
1594
1595 4.エ
1596
1597 5.正しいものはない
1598
1599 〔第70問〕(配点:2)
1600 Aは,Bを被告として,BがA所有の土地上に無断で建物を建築して当該土地を不法に占拠して
1601 いるとして,土地所有権に基づき建物を収去し土地を明け渡すことを求める訴えを提起した。本件
1602 に関する次のアからエまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までの
1603 うちどれか。(解答欄は,[71])
1604 ア.Bは,C弁護士を訴訟代理人として応訴したが,訴訟の係属中に死亡した。DはBの唯一の相
1605 続人として単純承認をした。B死亡後,被告をBと表示したA勝訴判決がなされ,確定した。こ
1606 の判決はDに対しても効力を有する。
1607 イ.訴訟係属中に,Bがその所有の建物をEに売却し,この事実を主張立証したときは,Aの主張
1608 する請求権は建物の真の所有者に対して認められるものであるから,判例によれば,建物につい
1609 ての所有権移転登記がなされたか否かにかかわらず,AのBに対する請求は棄却される。
1610 ウ.訴訟係属中に,Aがその所有の土地をFに売却したときは,Fは,独立当事者参加をすること
1611 ができるが,BからFに対し訴訟引受けの申立てをして,Fを当事者とすることはできない。
1612 エ.Aが,Bに対して,建物を収去して土地の明渡しを求める権利を保全するため,当該建物につ
1613 いて処分禁止の仮処分命令を得て,その登記がされた場合には,その後Bから当該建物を買った
1614 Cが所有権移転登記をしても,Aは,Bを被告とする前記訴えについての勝訴判決を債務名義と
1615 して,建物収去土地明渡しの強制執行をすることができる。
1616 1.ア,イ
1617
1618 2.ア,エ
1619
1620 3.イ,ウ
1621
1622 4.ウ,エ
1623
1624 5.正しいものの組合せはない
1625
1626 〔第71問〕(配点:2)
1627 次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちど
1628 れか。(解答欄は,[72])
1629 ア.養子が15歳未満であるときでも,養親は,養子を被告として離縁の訴えを提起することがで
1630 き,この場合,離縁後に法定代理人となるべき者が養子のために訴訟行為をすることとなる。
1631 イ.親権者が未成年の子に対して,動産の引渡しを求める訴えを提起する場合,家庭裁判所に特別
1632 代理人の選任を請求することはできるが,受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任の申立てをす
1633 ることはできない。
1634 ウ.未成年の子は,親権者から目的を定めて処分を許された財産に関する訴訟について,法定代理
1635 人によらなければ訴訟行為をすることはできないが,営業をすることを許されている場合の当該
1636 営業に関する訴訟については,自ら訴訟行為をすることができる。
1637 エ.未成年者が当事者となった訴訟の係属中に,法定代理人となった後見人が辞任した場合,その
1638 辞任の通知が相手方にされるまでの間は,相手方は,その後見人に対して訴訟行為をすることが
1639 できる。
1640 オ.養子が養親を相手に離縁の訴えを提起し,その訴えに係る訴訟の係属中に養親が死亡したとき
1641 は,養親の他の相続人は,訴訟を受け継ぐことができる。
1642 1.ア,イ
1643
1644 2.ア,オ
1645
1646 3.イ,ウ
1647 - 27 -
1648
1649 4.ウ,エ
1650
1651 5.エ,オ
1652
1653 〔第72問〕(配点:2)
1654 次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのう
1655 ちどれか。(解答欄は,[73])
1656 ア.被成年後見人Aを原告とし,その成年後見人Bが提起した貸金返還請求訴訟において,Bを証
1657 人として尋問することは可能である。
1658 イ.Aが,BC間の訴訟の目的物をBのために所持し,BC間の訴訟の判決の効力が及ぶ者である
1659 場合でも,BC間の訴訟でAを証人として尋問することは可能である。
1660 ウ.AB間の訴訟において,Aの訴訟代理人であるC弁護士を,証人として尋問することはできな
1661 い。
1662 エ.AのBに対する保証債務履行請求訴訟において,主債務者CがBのために補助参加した場合,
1663 補助参加人Cを証人として尋問することは可能である。
1664 オ.被相続人Aの死亡後,Aの実子であるB及びCが共同原告となって,Aの養子であるDを被告
1665 として提起した養子縁組無効の訴えに係る訴訟において,Cがその訴えを取り下げた場合には,
1666 Cを証人として尋問することは可能である。
1667 1.ア,イ
1668
1669 2.ア,ウ
1670
1671 3.イ,オ
1672
1673 4.ウ,エ
1674
1675 5.エ,オ
1676
1677 〔第73問〕(配点:2)
1678 反訴に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたも
1679 のは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[74])
1680 ア.所有権に基づく動産引渡請求訴訟において,被告が留置権の抗弁を主張した場合に,その被担
1681 保債権に係る債務の弁済を求める反訴を提起することは認められない。
1682 イ.反訴について原告が口頭弁論期日において請求棄却の判決を求めるとの陳述をした後でも,本
1683 訴が取り下げられれば,被告は,原告の同意なくして反訴を取り下げることができる。
1684 ウ.所有権に基づく土地明渡請求訴訟の第一審で,被告が賃借権に基づいて土地を占有していると
1685 の抗弁を主張し,これが認められた後,控訴審で当該賃借権の確認を求める反訴を提起する場合
1686 には,第一審原告の同意は必要ではない。
1687 エ.ある動産についての占有保持の訴えに係る訴訟においては,被告は,自分がその所有者である
1688 ことを抗弁として主張することはできず,所有権に基づいて当該動産の引渡しを求める反訴を提
1689 起することもできない。
1690 オ.反訴が提起された後に本訴が不適法として却下された場合,反訴に係る訴訟は,当然に終了す
1691 る。
1692 1.ア,ウ
1693
1694 2.ア,オ
1695
1696 3.イ,ウ
1697
1698 4.イ,エ
1699
1700 5.エ,オ
1701
1702 〔第74問〕(配点:2)
1703 重複する訴えの提起の禁止に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わ
1704 せたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[75])
1705 ア.XのYに対する動産引渡請求訴訟が係属しているときは,Xは,Yのために当該動産を所持す
1706 るZに対して,動産引渡請求の別訴を提起することはできない。
1707 イ.XのYに対する貸金債務不存在確認訴訟が係属しているときは,Yは,Xに対して,当該貸金
1708 の返還請求の別訴を提起することはできない。
1709 ウ.XのYに対する手形金債務不存在確認訴訟が係属しているときは,Yは,Xに対して,当該手
1710 形に関して手形訴訟の別訴を提起することはできない。
1711 エ.判例によれば,債権者代位権に基づいて,XがZに代位して,Yに対して提起した貸金返還請
1712 求訴訟が係属しているときでも,Zは,独立当事者参加をして,Yに対して,当該貸金の返還請
1713 求をすることができる。
1714 - 28 -
1715
1716 オ.後訴の受訴裁判所が,重複した訴えであることに気が付かないで判決をし,これが確定した後
1717 に,その判決の既判力と抵触する内容の前訴の判決が確定した場合は,再審の訴えにより,後訴
1718 の判決を取り消すことができる。
1719 1.ア,ウ
1720
1721 2.ア,エ
1722
1723 3.イ,エ
1724
1725 - 29 -
1726
1727 4.イ,オ
1728
1729 5.ウ,オ
1730
1731