1 短答式試験問題集[刑事系科目]
2
3 - 1 -
4
5 [刑事系科目]
6 〔第1問〕(配点:3)
7 判例の立場に従って以下のアからエまでの各事例における甲の裁判に関する記述を検討し,それ
8 が正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。なお,いずれの事例も記載以外の加
9 重減軽事由はないものとする。(解答欄は,アからエの順に[bP]から[bS])
10 ア. 【事例】
11
12 甲は,乙から覚せい剤購入資金の調達を頼まれたことに応じ,乙を助けるために,
13 平成17年1月10日,乙に現金100万円を貸したところ,乙は,平成17年2月
14 1日に東京都で,同年3月2日に神奈川県で,それぞれ別人から覚せい剤を購入し,
15 甲から借りた金で50万円ずつ支払った。
16
17 【裁判】
18
19 甲を覚せい剤取締法違反幇助の事実で懲役7年に処することは可能である。
20
21 【参照】
22
23 覚せい剤取締法第41条の2第1項
24
25 覚せい剤を,みだりに,所持し,譲り渡し,
26
27 又は譲り受けた者は,10年以下の懲役に処する。
28 イ. 【事例】
29
30 甲は,乙女を強姦する目的で,平成17年3月5日の深夜,乙女方に侵入し,目を
31 覚ました同女の顔面を平手で殴り付けた上,「言うことを聞かないと殺すぞ。」などと
32 怒号して脅迫したが,抵抗されたために目的を遂げなかった。
33
34 【裁判】
35
36 甲を住居侵入及び強姦未遂の事実で懲役1年6月に処することは可能である。
37
38 【参照】
39
40 刑法第130条
41
42 正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建
43
44 造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から
45 退去しなかった者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
46 刑法第177条
47
48 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は,強姦の
49
50 罪とし,3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も,同様
51 とする。
52 刑法第179条
53 ウ. 【事例】
54
55 第176条から前条までの罪の未遂は,罰する。
56
57 甲は,平成17年2月15日午後1時10分ころ,道路標識により最高速度が80
58 キロメートル毎時と定められた高速道路上のA地点において,150キロメートル毎
59 時の速度で普通乗用自動車を運転して進行し,その後,同じ高速道路の急カーブや上
60 り坂の場所で前記制限速度内に減速して進行した後,同日午後1時20分ころ,前記
61 A地点から約20キロメートル離れた同じ高速道路上のB地点において,140キロ
62 メートル毎時の速度で進行した。
63
64 【裁判】
65
66 甲を道路交通法違反(制限速度違反)の事実で懲役8月に処することは可能である。
67
68 【参照】
69
70 道路交通法第118条第1項
71
72 次の各号のいずれかに該当する者は,6月以下の懲
73
74 役又は10万円以下の罰金に処する。
75 第1号
76
77 第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
78
79 道路交通法第22条第1項
80
81 車両は,道路標識等によりその最高速度が指定されて
82
83 いる道路においてはその最高速度を,その他の道路においては政令で定める最高
84 速度をこえる速度で進行してはならない。
85 エ. 【事例】
86
87 甲は,平成17年4月1日の深夜,ほろ酔い加減で帰宅途中,制服着用の警察官乙
88 に職務質問を受けた際,乙の態度が悪いとして立腹し,乙の顔面をこぶしで2回殴り,
89 全治2週間の傷害を負わせた。
90
91 【裁判】
92
93 甲を傷害及び公務執行妨害の事実で罰金50万円に処することは可能である。
94
95 【参照】
96
97 刑法第95条第1項
98
99 公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅
100
101 迫を加えた者は,3年以下の懲役又は禁錮に処する。
102 刑法第204条
103
104 人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の
105
106 罰金に処する。
107 - 2 -
108
109 〔第2問〕(配点:2)
110 共犯と錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の立場に照らして誤っているものは
111 幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさい。(解答欄は,[bT])
112 ア.甲と乙は,公務員丙を唆して虚偽公文書を作成させる共謀を遂げたが,その後,乙は,甲と相
113 談することなく,丁を唆して公文書を偽造させた。この場合,甲は公文書偽造罪の教唆犯となる。
114 イ. 甲は,乙が丙に傷害を負わせるだろうと認識して乙を手助けするつもりで刃物を貸したところ,
115 乙は殺意をもって刃物で丙を刺し殺した。この場合,甲は傷害致死罪の幇助犯となる。
116 ウ.甲は,乙に対し,丙方への住居侵入窃盗を唆したところ,乙は誤って丁方に侵入して金品を物
117 色した。そして,物音に気付いた丁が乙を捕まえようとしたので,乙は丁に暴行を加えて全治2
118 週間の傷害を負わせた。この場合,甲は丁方への住居侵入罪及び強盗致傷罪の教唆犯となる。
119 エ.甲と乙は,共謀の上,ベンチで寝ている丙のそばに置かれていた丙所有のバッグを奪った際,
120 甲はバッグを丙の持ち物であると認識し,乙は第三者の落とし物であると認識していた。この場
121 合,甲と乙は窃盗罪の共同正犯となり,乙には遺失物等横領罪の刑が科せられる。
122 オ.甲は,丁に対する傷害を共謀した乙と丙のうちの乙が使用すると認識して日本刀を貸したとこ
123 ろ,丙がその日本刀を使用して丁に切りつけ傷害を負わせた。この場合,甲は傷害罪の幇助犯と
124 なる。
125 1.
126
127 0個
128
129 2.
130
131 1個
132
133 3.
134
135 2個
136
137 4.
138
139 3個
140
141 5.
142
143 4個
144
145 〔第3問〕(配点:3)
146 学生A及びBは,次の事例の甲の罪責について議論している(ただし,傷害の点を除く。)。後記
147 発言中の@からFまでの(
148
149 )内に語句群から適切な語句を入れた場合の組合せとして正しいもの
150
151 は,後記1から5までのうちのどれか。(解答欄は,[bU])
152 【事
153
154 例】
155 甲(男性)は,通勤途中の会社員乙(女性)のショルダーバッグを奪うため,乙の背後からオ
156
157 ートバイで近づき,乙が右肩にかけていたショルダーバッグを力任せに引ったくって逃走した。
158 その際,乙は右肩に全治2週間の傷害を負った。
159 【発
160
161 言】
162
163 学生A
164
165 甲は被害者のすきに乗じて財物の占有を奪ったのであり,(@)が成立すると思う。
166
167 学生B
168
169 甲はオートバイで走りながら力任せに乙のショルダーバッグを奪ったのであり,
170 (A)が
171 用いられたといえるから,(B)が成立すると思う。
172
173 学生A
174
175 確かに,
176 (A)が用いられたと考えられる余地があるが,本件の事例の場合,それは,被
177 害者の(C)に直接作用せず,(D)の手段として用いられたにすぎないのではないか。
178
179 学生B
180
181 しかし,詐欺罪や(E)と違い,
182 (B)は被害者の(C)に反して財物を奪取すれば足り
183 るのであるから,A君の指摘は(B)を否定する根拠にはならないと思う。
184
185 学生A
186
187 B君の意見に反対だ。(B)の構成要件を充足するためには,(A)を加え,その結果と
188 して(F)を招くことが必要だ。
189
190 学生B
191
192 A君は,本件で,甲がショルダーバッグを抱えて離さない乙をオートバイで引きずり転
193 倒させて引ったくった場合でも,(B)の成立を認めないのか。
194
195 学生A
196
197 いや,その場合は,暴行が(F)の手段として用いられたから,
198 (B)が成立すると思う。
199
200 【語句群】
201 a.窃盗罪
202
203 b.恐喝罪
204
205 c.強盗罪
206
207 d.財物の直接奪取
208
209 e.被害者の反抗抑圧
210
211 f.被害者の反抗を抑圧するに至らない程度の暴行
212 g.被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行
213 1.@aAf
214
215 2.BcDe
216
217 3.CiFh
218
219 - 3 -
220
221 h.処分行為
222 4.AgEb
223
224 i.意思
225 5.@cFe
226
227 〔第4問〕(配点:2)
228 刑の変更に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものは幾つあるか。後記1から5の
229 うちから選びなさい。なお,いずれの場合も経過措置は設けられていないものとする。
230 (解答欄は,
231 [bV])
232 ア.窃盗罪を犯した後,窃盗罪の法定刑を軽くする法改正が行われたが,まだ施行されていない場
233 合,常に旧法が適用される。
234 イ.人を不法に監禁中に監禁罪の法定刑を重くする法改正が行われて施行もされた場合,常に旧法
235 が適用される。
236 ウ.強盗罪を犯した後,強盗罪の法定刑を軽くする法改正が行われて施行もされ,さらに,その法
237 定刑を重くする法改正が行われて施行もされた場合,2度目の法改正による法定刑が行為時の法
238 定刑よりも軽いとき,最も新しい2度目の改正法が適用される。
239 エ.強姦罪を犯した後,強姦罪について懲役刑の変更はなく罰金刑も選択できる法改正が行われて
240 施行もされた場合,常に新法が適用される。
241 オ.甲と乙が被害者Vから金員を詐取する旨の共謀を遂げた上,まず甲がVを欺き,その後,詐欺
242 罪の法定刑を軽くする法改正が行われて施行もされた後,さらに,乙が,甲の欺く行為により錯
243 誤に陥ったVから金員の交付を受けた場合,甲には常に旧法が適用され,乙には常に新法が適用
244 される。
245 1.
246
247 1個
248
249 2.
250
251 2個
252
253 3.
254
255 3個
256
257 4.
258
259 4個
260
261 5.
262
263 5個
264
265 〔第5問〕(配点:2)
266 「甲は,乙から『公務員丙に賄賂として渡してほしい。』旨頼まれて預かった金銭を勝手に使って
267 しまった。」という事例の甲に刑法第38章の「横領の罪」が成立するか否かにつき,後記【見解@】
268 のAないしCと,後記【見解A】のa及びbを組み合わせたところ,TないしWまでの結論になっ
269 た。各見解及び結論の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
270 (解答欄は,
271
272 8])
273 【見解@】
274 A.乙が甲に預けた金銭は不法原因給付物であるが,横領の罪における「他人の物」の解釈とし
275 ては,給付者が民法第708条により返還請求できないからといって,その所有権は飽くまで
276 も給付者に帰属し,受給者には帰属しないと考えるべきである。
277 B.乙が甲に預けた金銭は不法原因給付物であるが,横領の罪における「他人の物」の解釈とし
278 ては,給付者が民法第708条により返還請求できないことの反射的効果として,その所有権
279 は受給者に帰属すると考えるべきである。
280 C.乙が甲に預けた金銭は不法原因給付物には当たらない。
281 【見解A】
282 a.甲が乙から預かった金銭に関する甲と乙の関係は,AがBあてに発送した郵便物につき,誤
283 配によってBの隣人Cが受領した場合におけるBとCの関係と同様である。
284 b.甲が乙から預かった金銭に関する甲と乙の関係は,AがBあてに発送した郵便物につき,留
285 守中のBから事前に依頼を受けていた隣人CがBのために預かった場合のBとCの関係と同様
286 である。
287 【結
288
289 論】
290
291 T.法定刑が懲役10年以下の犯罪が成立する。
292 U.法定刑が懲役5年以下の犯罪が成立する。
293 V.法定刑が懲役1年以下又は罰金10万円以下若しくは科料の犯罪が成立する。
294 W.犯罪は成立しない。
295 1.AaU
296
297 2.AbW
298
299 3.BaV
300 - 4 -
301
302 4.BbT
303
304 5.CaV
305
306 〔第6問〕(配点:2)
307 学生AないしCは,正当防衛における防衛の意思の要否及び内容に関する次のTないしVのいず
308 れか異なる見解を採り,後記事例の甲につき正当防衛の成否を検討したところ,学生AとCは同じ
309 結論になったが,学生Bがそれと異なる結論になった。後記アからオまでの各記述のうち,学生B
310 が採用する見解の記述として正しいものは幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさい。
311 (解答
312 欄は,[bX])
313 【見解】
314 T.正当防衛の成立には防衛の意思が必要であり,その内容は,不正な侵害から積極的に自己又
315 は他人の権利を守るという目的ないし意図であると解すべきである。
316 U.正当防衛の成立には防衛の意思が必要であるが,その内容は,急迫不正の侵害を認識しつつ
317 これを回避する心理状態であり,かつ,それで足りると解すべきである。
318 V.正当防衛の成立に防衛の意思は不要である。
319 【事例】
320 甲は,かねてから恨みを抱いていた乙を殺害するためにけん銃を準備していたところ,同人が
321 身をかがめて手を動かしている姿を見て何かの作業中だと思い好機だと考え,同人に向けてけん
322 銃を発射した。だが,実は,乙も甲を殺害するために身をかがめて甲に向けてけん銃を発射しよ
323 うとしていたところであり,甲の発射した弾丸が先に乙に命中して同人が死亡した。
324 【記述】
325 ア.この見解に立つと,前記事例の甲に正当防衛が成立するが,未遂罪についての理解によって
326 は,甲に殺人未遂罪の成立を認める余地がある。
327 イ.この見解は,防衛の意思の要否及びその内容に関する最高裁判所の判例の立場に反するとは
328 言えない。
329 ウ.この見解に立つと,前記事例で,乙が甲ではなく第三者丙を殺害するためにけん銃を発射し
330 ようとしていた場合は,甲に正当防衛が成立しない。
331 エ.この見解は,違法性の実質を結果無価値と考える立場と矛盾しない。
332 オ.この見解に立つと,
333 「Xは誤って自己の運転する自動車をYの運転する自動車に衝突させてY
334 を負傷させた。その衝突の際,Yはその運転する自動車で歩行者をれき死させる直前であり,
335 衝突により歩行者はれき死を免れた。」という事例のXに正当防衛の成立を肯定することができ
336 ない。
337 1.
338
339 1個
340
341 2.
342
343 2個
344
345 3.
346
347 3個
348
349 4.
350
351 4個
352
353 5.
354
355 5個
356
357 〔第7問〕(配点:2)
358 実行の着手に関する判例の立場について述べた次のアからオまでの各記述につき,正しい場合に
359 は1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[10]から[14])
360 ア.侵入盗の場合,財物の占有移転を開始する必要はないが,物色のために財物を手にするまでは,
361 窃盗罪の実行の着手を認めることができない。
362 イ.人の失神状態を利用して殺害する目的で実際に同人を失神させたとしても,人の死を直接惹起
363 する行為を開始するまでは,殺人罪の実行の着手を認めることができない。
364 ウ.女子を他の場所に連行して自動車内で強姦する目的で無理やり同女を車内に引きずり込んだ場
365 合,その時点で強姦罪の実行の着手を認めることができる。
366 エ.放火の目的で他人の住居に侵入した場合,その時点で現住建造物等放火罪の実行の着手を認め
367 ることができる。
368 オ.仮に拘禁場の損壊を開始したとしても,逃走行為自体を開始するまでは,加重逃走罪の実行の
369 着手を認めることはできない。
370
371 - 5 -
372
373 〔第8問〕(配点:2)
374 業務妨害罪に関する判例の立場について述べた次のアからオまでの各記述につき,正しい場合に
375 は1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[15]から[19])
376 ア.条文上「妨害した」と規定されている以上,業務妨害罪が成立するためには,業務活動が実際
377 に阻害されたことが必要である。
378 イ.衆議院本会議の議事は,議長が衛視を指揮して妨害を排除し得るとしても,威力業務妨害罪に
379 おける「業務」に当たる。
380 ウ.民間に類似した事務又は業務を内容とする公務を暴行によって妨害した場合,威力業務妨害罪
381 の成立を認めることで足り,公務執行妨害罪は成立しない。
382 エ.警察官がひったくり事件の被疑者を追跡している際,警察官にうそを言って被疑者の逃走を助
383 けたとしても,偽計業務妨害罪は成立しない。
384 オ.強制力を行使する権力的公務以外の公務にいかなる法的瑕疵があっても,威力業務妨害罪の客
385 体から除外されることはない。
386 〔第9問〕(配点:3)
387 学生AとBは,以下の事例について会話している。後記発言中の@からFまでの(
388
389 )内に語句
390
391 群から適切な語句を入れた場合の組合せとして正しいものを,後記1から7までのうち三つ選びな
392 さい。(解答欄は,[20]から[22]順不同)
393 【事
394
395 例】
396 甲は,自ら開設し,運営していたパソコンネットワークのホストコンピュータのハードディス
397
398 クにわいせつな画像データを記憶・蔵置させ,不特定多数の者が有償でハードディスクにアクセ
399 スして画像データを閲覧できる状態を設定したところ,十数名の者が有償でこの画像データを自
400 分のパソコンにダウンロードして閲覧した。
401 【発
402
403 言】
404
405 学生A
406
407 甲の行為は(@)罪に該当すると思う。この場合,同罪の客体は(A)と考える。
408
409 学生B
410
411 結論はA君と同じだが,客体は,A君と異なり(B)と考える。同罪は客体として「(C)」
412 と規定しているが,「物」とは民法の定義と同様に(D)を指すと考えるべきだ。
413
414 学生A
415
416 しかし,例えば,平成7年の改正前に賭博罪の客体と規定されていた「財物」には財産
417 上の利益を含むと解されていたし,
418 「人」の意義が殺人罪と(E)罪で異なるように,法的
419 概念は相対的に考えていいと思う。それ自体わいせつ性のない(B)を「わいせつ物」と
420 いうことが不自然かつ技巧的ではないか。むしろ,
421 (A)自体が(@)罪の客体と考えた方
422 が自然だ。
423
424 学生B
425
426 A君のような考えを押し進めると,例えば,劇場でわいせつな行為・姿態等を観客に見
427 せた事例について,法定刑が低く定められている(F)罪ではなく(@)罪として重く処
428 罰されることになりかねず,妥当ではない。
429
430 【語句群】
431 a.わいせつ物頒布
432
433 b.公然わいせつ
434
435 c.わいせつ物公然陳列
436
437 d.ハードディスクに記憶・蔵置されたわいせつな画像データ
438 e.わいせつな画像データが記憶・蔵置されたハードディスク
439 f.わいせつな映像,文書その他の物
440 h.管理可能性のあるもの
441
442 g.わいせつな文書,図画その他の物
443
444 i.有体性のあるもの
445
446 1.@cBe
447
448 2.AdCf
449
450 3.BeDi
451
452 5.DhFc
453
454 6.@aEk
455
456 7.AdFb
457
458 - 6 -
459
460 j.傷害致死
461 4.CgEj
462
463 k.名誉毀損
464
465 〔第10問〕(配点:3)
466 学生AないしDは,窃盗罪の不法領得の意思の要否及びその内容について異なる見解を採ってい
467 るものであるが,各自の見解に基づき,次のT及びUの事例の甲の罪責につき後記のとおり会話し
468 ている。判例の立場を採る学生とその学生の発言中の(
469
470 )内に入る語句群の語句の組合せとして
471
472 正しいものは,後記1から8までのうちどれか。(解答欄は,[23])
473 【事
474
475 例】
476
477 T.甲は,自宅に忘れた書類を取りに戻るため,勤務する会社の自転車置場にあった同僚X所有
478 の自転車を勝手に使用して約1キロメートル離れた自宅まで往復し,約20分後に元の場所に
479 戻した。
480 U.甲は,同僚Xを困らせてやろうと考え,Xが使っている同人所有のノートパソコンを投棄す
481 るつもりで,会社から自宅に持ち帰った。
482 【発
483
484 言】
485
486 学生A
487
488 事例Tは,4人とも窃盗罪の成立を否定することで一致しているから,その理由を議論
489 しよう。私は,窃盗罪の保護法益は,財物の(
490
491 )と解すべきであるから,一般的には,
492
493
494
495
496 を認識して行為をした以上,窃盗罪の成立を認めるべきだと考える。ただ,事例Tは,処
497 罰に値するだけの(
498 学生B
499
500 )がないと思う。
501
502 Aさんの見解に反対だ。Xの自転車を使用して走行している事実があるので,
503
504 定することは困難だ。窃盗罪の成立が否定されるのは,主観的要素の(
505
506 )を否
507
508 )が欠けるから
509
510 だと思う。
511 学生C
512
513 私は,Aさんと異なり,窃盗罪の成立が否定されるのは,軽微な距離・時間の(
514 場合,(
515
516 学生D
517
518 )の
519
520 )がないからだと思う。
521
522 Cさんに反対だ。窃盗罪は(
523
524 )が行われた時点で既遂になるから,その後の事情を窃
525
526 盗罪の成否の判断に持ち込むことは困難だ。私は,事例Tについて,Bさんと同じ見解だ。
527 学生A
528
529 事例Uはどうだろうか。私は,
530
531
532 )があり,それを認識して行為をしているから,
533
534
535
536
537 が成立すると思う。
538 学生D
539
540 Aさんの見解では,
541
542
543 )は財物の占有を奪わずに行った場合にしか認めらないことにな
544
545 り,妥当ではないと思う。
546 学生B
547
548 しかし,Dさんの見解では,持ち帰ったノートパソコンを甲が自ら利用した場合でも犯
549 罪が成立しないことになり,妥当ではないと思う。
550
551 学生C
552
553 その場合は,甲が自ら利用した時点で(
554
555 )が成立するから,Bさんの批判は当たらな
556
557 いと思う。
558 学生D
559
560 私は,(
561
562 )と(
563
564 )の法定刑の差は,(
565
566 )が財物を利用しようという動機・目的があ
567
568 る点でより強い非難に値するからであると説明できると思うが,AさんやBさんの見解で
569 は法定刑の差を説明できないと思う。
570 【語句群】
571 a.占有
572
573 b.本権
574
575 f.故意
576
577 g.不法領得の意思
578
579 k.遺失物等横領罪
580
581 c.占有侵害
582
583 d.本権侵害
584
585 h.期待可能性
586
587 e.可罰的違法性
588 i.窃盗罪
589
590 l.器物損壊罪
591
592 1.A−ai
593
594 2.A−bk
595
596 3.B−cg
597
598 4.B−df
599
600 5.C−el
601
602 6.C−hj
603
604 7.D−cl
605
606 8.D−ik
607
608 - 7 -
609
610 j.横領罪
611
612 〔第11問〕(配点:4)
613 放火罪に関する次の〈小問1〉及び〈小問2〉に答えなさい。
614 〈小問1〉(配点:2)
615 判例の立場に従って次の事例の甲の罪責を検討した場合の結論として正しいものは,後記1か
616 ら6までのうちどれか。(解答欄は,[24])
617 【事
618
619 例】
620 甲は,A所有の自動二輪車を焼損しようと決意し,周囲の人家に火が燃え移らないようにと考
621
622 えて,周囲20メートル内に建造物等のないグラウンドで,前記自動二輪車に火を放ったが,強
623 風のため,グラウンドに隣接した他人の住む木造住宅に燃え移った。
624 1.現住建造物等放火罪
625
626 2.建造物等以外放火罪
627
628 3.延焼罪
629
630 4.器物損壊罪
631
632 5.失火罪
633
634 6.犯罪不成立
635
636 〈小問2〉(配点:2)
637 学生A及びBは,放火罪における公共の危険の発生について次のとおり会話しており,各発言
638 中の@からHまでの(
639 る学生と(
640
641 )内には語句群から適切な語句が入る。判例の立場と合致する見解を採
642
643 )に入るものの組合せとして正しいものは,後記1から6までのうちどれか。
644 (解答
645
646 欄は,[25])
647 【発
648
649 言】
650
651 学生A
652
653 具体的危険犯とされる放火罪の場合,公共の危険の発生は(@)であると解すべきであ
654 る。したがって,例えば,刑法第110条第1項の放火罪が成立するために,公共の危険
655 の発生の認識は(A)であると考える。
656
657 学生B
658
659 A君に反対だ。同条同項の放火罪は,条文上(B)として規定されている。したがって,
660 同罪が成立するために,公共の危険の発生の認識は(C)であると考える。
661
662 学生A
663
664 Bさんの見解は,自己所有物の焼損は,本来違法行為ではなく公共の危険の発生により
665 初めて違法になることを軽視していると思う。
666
667 学生B
668
669 Aさんの見解では,刑法第109条第2項の放火罪を例にとると,
670 (D)があると同条第
671 1項及び第108条の故意を認める結果になり,これらの放火罪と第109条第2項の放
672 火罪との区別が困難になるのではないか。
673
674 学生A
675
676 (D)はあるが,刑法第108条及び第109条第1項の建造物等に対する(E)まで
677 はないという心理状態は有り得るし,具体的な公共の危険は,そのような建造物等への延
678 焼の危険に(F)から,Bさんの批判は当たらない。
679
680 学生B
681
682 Aさんの見解では,他に燃え移ることはないと軽信し,自分一人が住む自己所有家屋に
683 火を放った結果,他人の住む家屋に燃え移らせた場合,
684 (G)が成立することになるが,こ
685 の結論は妥当ではない。私の見解では,(H)が成立することになる。
686
687 【語句群】
688 a.客観的処罰条件
689
690 b.構成要件要素
691
692 e.結果的加重犯
693
694 f.故意犯
695
696 i.限定される
697
698 j.限定されない
699
700 l.非現住建造物等放火罪
701
702 c.必要
703
704 d.不要
705
706 g.公共の危険の発生の認識
707
708 m.延焼罪
709
710 h.延焼の認識
711
712 k.現住建造物等放火罪
713 n.失火罪
714
715 1.A−@aDg
716
717 2.A−AcEh
718
719 3.A−AdFj
720
721 4.B−BeDh
722
723 5.B−CdGk
724
725 6.B−DgHm
726
727 〔第12問〕(配点:3)
728 学生AないしCは,次の事例について後記のように会話している。各発言中の@からIまでの
729
730
731 )内に語句群から適切な語句を入れた場合の組合せとして正しいものは,後記アからオまでの
732
733 組合せのうち幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさい。(解答欄は,[26])
734 - 8 -
735
736 【事
737
738 例】
739 父甲は,長男乙(13歳)に対し,「丙にけん銃を突き付けて脅迫し,現金を奪ってこい。」と
740
741 指示し,けん銃を手渡した。乙は,甲から受け取ったけん銃と自ら用意したナイフを携行した上,
742 顔を見られないように覆面をして丙方に押し入り,丙にけん銃を向けた上,ナイフを突き付けて
743 脅迫し,現金30万円を強取した。甲は,乙からこの現金30万円を受け取り,遊興費として全
744 額費消した。
745 【発
746
747 言】
748
749 学生A
750
751 乙は(@)だが,私は共犯の要素従属性の問題につき(A)の立場から,甲は強盗罪の
752 (B)だと思う。
753
754 学生B
755
756 刑法第61条第1項は,
757 「人を教唆して『犯罪』を実行させた者」と規定しているから,
758 要素従属性の問題では(C)が正しいと思う。乙は(D)と考えるべきであり,甲は強盗
759 罪の(B)ではなく,(E)だと思う。
760
761 学生A
762
763 乙は(@)だが,覆面をしたことで分かるように違法な行為をしている認識がある上,
764 自らナイフを準備しており,
765 (F)を備えていると認められる。したがって,乙を(D)と
766 考えるのは無理がある。
767
768 学生C
769
770 私も,乙に(G)ような特別の事情がない限り,甲を(E)だと考えるのは妥当ではな
771 いと思う。そして,乙が甲の具体的指示に従って実行行為を遂行したこと,強取した現金
772 を甲がすべて費消したことなどの事情を実質的に考慮すれば,甲は強盗罪の(B)ではな
773 く,(H)だと思う。
774
775 学生A
776
777 C君は(I)を認めるから,その結論になるのではないか。しかし,本件の事例で,
778 「意
779 思の連絡」以上の「共謀」が認められるかは疑問であり,甲は強盗罪の(B)だと思う。
780
781 【語句群】
782 a.刑事責任無能力
783
784 b.是非弁別能力
785
786 c.極端従属性説
787
788 d.制限従属性説
789
790 e.教唆犯
791
792 f.幇助犯
793
794 g.共同正犯
795
796 h.道具にすぎない
797
798 j.共謀共同正犯
799
800 k.承継的共同正犯
801
802 i.意思の自由が抑圧されている
803 l.間接正犯
804 【組合せ】
805 ア.@aAc
806
807 イ.BfCd
808
809 ウ.DiEk
810
811 エ.FbGh
812
813 オ.HlIj
814
815 1.0個
816
817 2.1個
818
819 3.2個
820
821 4.3個
822
823 5.4個
824
825 〔第13問〕(配点:2)
826 責任能力に関する次のアからオまでの各記述につき,正しい場合には1を,誤っている場合には
827 2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[27]から[31])
828 ア.被告人の責任能力が争点となった傷害被告事件の第一審公判で,裁判所の選任した鑑定人は「被
829 告人は犯行時精神病にり患しており,心神喪失の状態にあった。」旨の鑑定書を提出し,裁判所は
830 証拠採用した。この場合,裁判所は限定責任能力を認めて有罪判決を言い渡すことができない。
831 イ.殺人被告事件の第一審公判で,裁判所は,被告人は犯行時,病的酩酊により心神耗弱の状態に
832 あったと認めた。この場合,裁判所は必ず刑を減軽しなければならない。
833 ウ.責任能力は犯行時に必要である。したがって,被告人が公判開始後に心神喪失の状態になって
834 も,公判手続の続行に支障はない。
835 エ.刑法は14歳未満の者に責任能力を認めていない。これは,14歳未満の者は是非を弁別しこ
836 れに従って行動を制御する能力が一律に欠けているとの理由に基づく。
837 オ.少年の傷害被告事件で,懲役5年の刑をもって処断すべきときは,裁判所は不定期刑を選択し
838 なければならない。
839
840 - 9 -
841
842 〔第14問〕(配点:3)
843 次の事例の甲に成立する犯罪を後記【罪名】から選んだ場合につき,誤ったものだけを集めた組
844 合せを後記1から8までのうち二つ選びなさい。なお,本問では,普通預金口座の名義人は,預金
845 の払戻権限はあるが,預金に対する占有は認められないものとする。(解答欄は,[32],[33]
846 順不同)
847 【事例】
848 A銀行本店に勤務する銀行員甲は,生活費に窮するようになったため,顧客の預金を引き出す
849 などして生活費に充てようと考え,顧客Bの自宅を訪れ,A銀行が金融商品を開発した事実がな
850 いのに,Bに「A銀行が高利回りの金融商品を開発し,近く有価証券化して販売する。」旨うそを
851 言い,購入を強く勧めた。
852 Bは甲の話を信じ,自宅にあった1,000万円の小切手(以下「本件小切手」という。)と,
853 A銀行M支店に開設したB名義の普通預金口座の預金のうち500万円を元手に前記有価証券を
854 購入することにした。Bは甲に本件小切手,B名義の普通預金通帳及び必要事項記入済みの普通
855 預金払戻請求書等の必要書類を手渡し,B名義の前記預金口座から500万円を払い戻して前記
856 有価証券を購入するよう依頼した。
857 A銀行では,顧客から現金,小切手等の有価証券及び預金通帳をA銀行各店舗以外の場所で預
858 かることを禁じていたため,甲はA銀行名義の正規の領収証を持参しておらず,Bから本件小切
859 手や普通預金通帳を預かるに当たり,市販のレポート用紙を用い,甲名義で「有価証券を購入す
860 る目的で預かる。」旨の内容虚偽の預り証を作成してBに交付した。
861 そして,甲はA銀行M支店に赴き,B本人に成りすまし,同支店の銀行員CにB名義の普通預
862 金通帳及び普通預金払戻請求書等の必要書類を提出し,B名義の前記預金口座から500万円を
863 払い戻し,これをCから受け取った。
864 その後,甲はA銀行頭取名義で内容虚偽の取引報告書(※)を作成してBに交付するなどの偽
865 装工作を行い,Bをして当初の予定どおりに有価証券を購入できたと信じ込ませる一方,D銀行
866 N支店に開設した甲名義の普通預金口座に本件小切手及び現金500万円を入金した。
867
868
869 取引報告書
870 金融機関が,顧客からの注文を受けて有価証券の売買等が成立した際,顧客に対し,その売
871 買成約日・売買数量・売買価格等の取引内容を報告・証明するために作成・交付する書面
872
873 【罪名】
874 ア.Bに対する現金500万円の詐欺既遂罪(刑法第246条第1項)
875 イ.A銀行(又は同行M支店)に対する現金500万円の詐欺既遂罪(刑法第246条第1項)
876 ウ.A銀行(又は同行M支店)に対する現金500万円の業務上横領罪(刑法第253条)
877 エ.Bに対する本件小切手の詐欺既遂罪(刑法第246条第1項)
878 オ.A銀行(又は同行M支店)に対する本件小切手の業務上横領罪(刑法第253条)
879 カ.預り証の私文書偽造・同行使既遂罪(刑法第159条第1項,第161条第1項)
880 キ.取引報告書の私文書偽造・同行使既遂罪(刑法第159条第1項,第161条第1項)
881 1.アイウ
882
883 2.アウオ
884
885 3.イウエ
886
887 4.イオカ
888
889 5.ウエオ
890
891 6.ウオカ
892
893 7.エカキ
894
895 8.オカキ
896
897 〔第15問〕(配点:2)
898 刑法第130条に規定されている住居侵入罪(建造物等侵入罪を含む。)及び不退去罪に関する次
899 のアからオまでの各記述のうち,正しいものは幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさい。
900 (解
901 答欄は,[34])
902 ア.住居侵入罪の罪質に関する判例の立場によれば,犯人が住居に立ち入って退去するまでの間,
903 公訴時効の進行は開始しない。
904 - 10 -
905
906 イ.他人所有のマンションのエレベーター内に無断で立ち入っても,各戸の住居部分に侵入しない
907 限り,住居侵入罪は成立しない。
908 ウ.塀で囲まれた他人の別荘の敷地内に門扉の錠を壊して無断で立ち入っても,それがオフ・シー
909 ズンで水道やガスなどの供給が停止され,閉鎖された無人の別荘であれば,住居侵入罪は成立し
910 ない。
911 エ.判例は,住居侵入罪の保護法益を住居の平穏であるとする立場から,
912 「侵入」の意義を住居の平
913 穏を害する態様の立入りであると解している。
914 オ.不退去罪は真正不作為犯であり,退去要求がなされると退去すべき作為義務が発生し,その時
915 点で直ちに成立する。
916 1.
917
918 1個
919
920 2.
921
922 2個
923
924 3.
925
926 3個
927
928 4.
929
930 4個
931
932 5.
933
934 5個
935
936 〔第16問〕(配点:3)
937 学生AないしCは,
938 「甲が13歳の乙(女性)に覚せい剤を注射したところ,乙が錯乱状態に陥っ
939 たが,甲は,覚せい剤使用の発覚を恐れ,救急車を呼ぶなどの救命措置を講じないで立ち去った。
940 その後,乙は覚せい罪使用による急性心不全で死亡した。」という事例の甲につき保護責任者遺棄致
941 死罪の成否を論じている。各発言中の(
942
943 )内に語句群からいずれか異なる適切な語句を入れた場
944
945 合,@からGまでに入るものの組合せとして正しいものは,後記1から6までのうちどれか。
946 (解答
947 欄は,[35])
948 【発
949
950 言】
951
952 学生A
953
954 不作為犯における因果関係は,一般論として,(@)という関係があれば肯定される。本
955 件の場合,甲が直ちに救命措置を講じていれば,(A),因果関係が肯定されると思う。
956
957 学生B
958
959 A君の意見では,保護責任者遺棄致死罪が危険犯化することになって妥当ではない。本
960 件の場合,甲が直ちに救命措置を講じていれば,(B),因果関係が肯定されると思う。
961
962 学生C
963
964 B君の意見に反対だ。不作為犯における因果関係は,作為犯における(C)という関係
965 に比較すると,
966 (D)判断が入らざるを得ないことがより明らかだと思う。本件の場合,甲
967 が直ちに救命措置を講じていれば,(E),因果関係が肯定されると思う。
968
969 学生A
970
971 C君の意見は最高裁判所の判例と同じ考え方だね。その考え方は,
972 「乙を救命できる
973 (F),
974 因果関係が肯定される。」という趣旨と理解していいのか。
975
976 学生C
977
978 それは違うと思う。飽くまでも刑事裁判における犯罪事実の証明の問題なので,
979 「乙を救
980 命できる(G),因果関係が肯定される。」という趣旨と理解すべきだと思う。
981
982 【語句群】
983 a.期待される作為をしたならば結果は発生しなかった
984 b.当該作為をしなければ結果は発生しなかった
985 c.期待される作為をしなければ結果は発生しなかった
986 d.乙の死亡を回避することが十中八九可能であったと認められる場合
987 e.乙の死亡を回避する可能性がある程度あったと認められる場合
988 f.乙の死亡を回避することが100パーセント可能であったと認められる場合
989 g.仮定的
990
991 h.主観的
992
993 i.現実的
994
995 j.可能性の程度が十中八九であれば,乙を救命することが合理的な疑いを超える程度に確実だ
996 ったと認められるので
997 k.可能性の証明の程度が80パーセントくらいであれば
998 1.@aAeCc
999
1000 2.@cBdCb
1001
1002 3.AeDgGj
1003
1004 4.BfCaDh
1005
1006 5.DiEeFj
1007
1008 6.DgEdGk
1009
1010 - 11 -
1011
1012 〔第17問〕(配点:3)
1013 学生AとBは,
1014 「甲は,自分の畑のこんにゃく玉がしばしば盗まれるので,盗難を防ぐために見張
1015 りをしていたところ,深夜,乙がこんにゃく玉を窃取する目的で畑に近づいたので,乙を捕まえた
1016 が,その際,同人に軽い傷害を負わせた。」という事例の甲の罪責につき議論している。各発言中の
1017
1018
1019 )内に語句群から適切な語句を選んで入れたとき,3回以上使われるものと1回しか使われな
1020
1021 いものの組合せとして正しいものは,後記組合せのうち幾つあるか。後記1から5のうちから選び
1022 なさい。(解答欄は,[36])
1023 【発
1024
1025 言】
1026
1027 学生A
1028
1029 甲の行為は逮捕致傷罪の構成要件に該当するが,
1030
1031 かが問題となる。乙の行為は,窃盗罪の(
1032 甲の行為は法令行為としての(
1033
1034 )として違法性が阻却されるかどう
1035
1036 )が認められず,予備の段階にとどまるから,
1037
1038 )にはならない。
1039
1040 学生B
1041
1042 そのとおりだが,違法性阻却事由に関する(
1043
1044 学生A
1045
1046 窃盗罪の(
1047
1048 )が認められる余地はないだろうか。
1049
1050 )があると認められる事実を誤って認識したのであれば,錯誤のうちの(
1051
1052
1053
1054 になるかもしれないが,甲は事実自体は正確に認識しており,主観面において認識した事
1055 実は法令行為としての(
1056
1057 )の要件を満たさない事実であったのだから,錯誤のうちの(
1058
1059
1060
1061 と考えるほかはないと思う。
1062 学生B
1063
1064 しかし,窃盗罪の(
1065
1066 )があるかどうかは法律の専門家の間でも意見が分かれるような
1067
1068 難しい問題だよね。違法性阻却事由についても,法的に正確な認識は必要とされないので
1069 あり,
1070
1071
1072 )があれば足りると考えるなら,甲についても違法性阻却事由に当たる事実認識
1073
1074 があったということで,錯誤のうちの(
1075
1076 )として(
1077
1078 )の結論を導く可能性はあると思
1079
1080 う。
1081 学生A
1082
1083 B君の意見に反対だ。このケースでは,(
1084
1085 )が否定されるから,(
1086
1087 )の結論が認めら
1088
1089 れるべきだ。ちなみに,このケースに関する裁判例〔東京高判昭和27年12月26日高
1090 刑集5巻13号2645頁〕も,甲が「自分の行為を法律上許されたものと信じていたこ
1091 とについては,相当の理由があるものと解される。」と判示しており,この部分は僕の立場
1092 と同じ考え方だ。ただ,同判決が,結論として犯罪不成立とした理由について「罪を犯す
1093 の意に出たものということはできない。」と判示している部分は賛成できない。
1094 学生B
1095
1096 その判決は結論として(
1097
1098 )を犯罪不成立の理由としているのだから,
1099
1100
1101 )の立場に立
1102
1103 つものだね。
1104 【語句群】
1105 a.違法性の意識の可能性
1106 d.現行犯逮捕
1107
1108 e.故意阻却
1109
1110 i.正当業務行為
1111
1112 j.責任説
1113
1114 b.違法性の錯誤
1115 f.事実の錯誤
1116
1117 c.意味の認識(素人的認識)
1118 g.実行の着手
1119
1120 h.制限故意説
1121
1122 k.責任阻却
1123
1124 【組合せ】
1125 ag
1126 1.
1127
1128 bk
1129 2個
1130
1131 ce
1132 2.
1133
1134 3個
1135
1136 dj
1137
1138 dk
1139
1140 3.
1141
1142 4個
1143
1144 - 12 -
1145
1146 eh
1147 4.
1148
1149 ei
1150 5個
1151
1152 fk
1153 5.
1154
1155 6個
1156
1157 〔第18問〕(配点:2)
1158 司法作用に対する罪に関する後記アからキまでの各記述のうち,判例の立場に照らして正しいも
1159 のは幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさい。(解答欄は,[37])
1160 ア.既に逮捕勾留されている犯人を釈放させるため,自ら真犯人であると偽って捜査機関に出頭す
1161 る行為は犯人隠避に当たるが,逮捕勾留されている者が真犯人でない場合は「罪を犯した者」に
1162 当たらず,犯人隠避罪は成立しない。
1163 イ.証拠隠滅等罪における「他人の刑事事件に関する証拠」は,いまだ捜査が開始されていない事
1164 件の証拠を含まない。
1165 ウ.証拠隠滅罪等における証拠の偽造とは,証拠自体の偽造を意味し,法律により宣誓した証人に
1166 よる偽証を含むものではない。
1167 エ.犯人蔵匿等罪及び証拠隠滅等罪については,犯人の親族が犯人の利益のために第三者にこれら
1168 の罪を犯すように教唆したとき,刑の免除が可能である。
1169 オ.偽証罪における「虚偽の陳述」とは,証人の記憶に反する陳述のことをいい,陳述の内容をな
1170 す事実が客観的真実に合致した場合にも虚偽性は否定されないが,これに対し,虚偽告訴等罪に
1171 おける「虚偽の申告」とは,客観的事実に反する事実を申告することをいう。
1172 カ.証言拒絶権を有する証人が証言を拒絶しないで虚偽の陳述をした場合,偽証罪は成立しない。
1173 キ. 刑事の処分を受けさせる目的で虚偽の告訴を行ったが,被告訴者がそれに同意していたときは,
1174 虚偽告訴罪は成立しない。
1175 1.
1176
1177 1個
1178
1179 2.
1180
1181 2個
1182
1183 3.
1184
1185 3個
1186
1187 4.
1188
1189 4個
1190
1191 5.
1192
1193 5個
1194
1195 〔第19問〕(配点:2)
1196 学生AないしDは,
1197 「ある役所に勤務する公務員甲は,職務執行の意思の下に,出入りの業者であ
1198 る乙を恐喝し,職務執行の対価として金銭を交付させた。」という事例の甲及び乙の罪責について,
1199 次のTないしVのいずれかの見解を採って会話している。学生とその採用する見解の組合せとして
1200 正しいものは,後記1から5までのうちどれか。なお,発言中の(
1201
1202 )内には「収賄」,
1203 「贈賄」,
1204 「恐
1205
1206 喝」のいずれかが入る。(解答欄は,[38])
1207 【見解】
1208 T.甲−恐喝罪と収賄罪が成立(観念的競合)する。
1209
1210 乙−贈賄罪が成立する。
1211
1212 U.甲−恐喝罪と収賄罪が成立(観念的競合)する。
1213
1214 乙−贈賄罪は成立しない。
1215
1216 V.甲−恐喝罪が成立し,収賄罪は成立しない。
1217
1218 乙−贈賄罪は成立しない。
1219
1220 【発言】
1221 学生A
1222
1223 D君の見解は,(
1224
1225
1226 学生B
1227
1228 )罪と罪質を異にする点を見逃しており妥当ではない。
1229 甲を(
1230
1231 う(
1232
1233 )罪で処罰することができれば,職務の公正及びそれに対する社会の信頼とい
1234
1235 )罪の保護法益も実質的に保護することができると考えるべきだ。また,被害者で
1236
1237 ある乙に(
1238 学生C
1239
1240 )罪は個人的法益に対する罪であり,国家的法益に対する罪である
1241
1242 )することを禁じるのは妥当ではない。
1243
1244 B君の見解に反対だ。乙が任意で金銭を交付した以上,
1245
1246
1247 )罪の成立を否定する理由は
1248
1249 ない。
1250 学生D
1251
1252 C君の見解は最高裁判所の判例の立場と同じだね。それと異なるA君の見解は,
1253
1254 と(
1255
1256 1.AT−BV
1257
1258 )罪
1259
1260 )罪が対向犯であることを無視しており妥当ではない。
1261 2.AU−DT
1262
1263 3.BV−CU
1264
1265 - 13 -
1266
1267 4.BT−DV
1268
1269 5.CT−DV
1270
1271 〔第20問〕(配点:2)
1272 我が国の刑罰制度に関する次のアからオまでの各記述につき,正しい場合には1を,誤っている
1273 場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[39]から[43])
1274 ア.禁錮は,一定の非破廉恥的動機に出た犯罪者に対し通常の犯罪者と異なった処遇をすべきであ
1275 るとの趣旨に由来しており,懲役と同様に監獄に拘置することにより執行するが,懲役と異なり
1276 所定の作業が課されない。したがって,禁錮受刑者が作業に就くことを請うときでも,作業を許
1277 すことはできない。
1278 イ.禁錮以上の刑の執行を終わり,又はその執行の免除を受けた者が,罰金以上の刑に処せられる
1279 ことなく10年を経過したときは,刑の言渡しの効力が失われるので,それに伴う資格制限等の
1280 法律上の効果も遡って失われる。
1281 ウ.前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を猶予された者がその執行猶予期間
1282 中に3年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け,情状に特に酌量すべきものがあるときは,その執
1283 行を猶予することができる。
1284 エ.執行猶予は刑罰そのものではなく刑の付随処分にすぎない。したがって,懲役6月・3年間執
1285 行猶予付の有罪判決を言い渡した傷害被告事件につき,検察官は控訴せず被告人だけが控訴した
1286 場合,控訴審が第一審判決を破棄して懲役3月の実刑判決を言い渡しても,不利益変更禁止の原
1287 則に反しない。
1288 オ.保護観察付執行猶予に付された者が遵守事項を守らず,その情状が重い場合,検察官は執行猶
1289 予を取り消すことができる。
1290 〔第21問〕(配点:2)
1291 警察官職務執行法第2条第1項の「職務質問」に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っ
1292 ているものの組合せは,後記1から5のうちどれか。(解答欄は,[44])
1293 ア.最高裁判所の判例によれば,警察官は,職務質問に付随する限り,必要と認めるときはいつで
1294 も,対象者の承諾なしに所持品検査を行うことができるとされている。
1295 イ.職務質問のための警察署等への「同行」は,行政警察活動としての目的・性質にかんがみ,警
1296 察官に,対象者の意思に反して対象者を連行する権限を認めたものである。
1297 ウ.職務質問の対象者には,「何らかの犯罪を犯そうとしている」と疑われる者が含まれている。
1298 エ.走行の外観に異常や不審の認められる自動車の停止は,職務質問について定めた警察官職務執
1299 行法第2条第1項の規定を根拠として行うことができる場合がある。
1300 オ.最高裁判所の判例によれば,職務質問は行政警察活動であるから,その違法は,これに引き続
1301 いて行われた司法警察活動の適法性には影響を及ぼさないとされている。
1302 1.ア,エ
1303
1304 2.イ,オ
1305
1306 3.ウ,ア
1307
1308 4.エ,イ
1309
1310 5.オ,ウ
1311
1312 〔第22問〕(配点:2)
1313 告訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものは幾つあるか。後記1から5の
1314 うちから選びなさい。(解答欄は,[45])
1315 ア.告訴は,被害者すなわち犯罪により害を被った者のほか,被害者の法定代理人も行うことがで
1316 きるが,被害者本人の告訴権が告訴期間経過により消滅した場合には,その法定代理人も当然に
1317 告訴を行うことができなくなる。
1318 イ.告訴は,書面によらなくても,口頭により行うことができ,検察官又は司法警察員は,口頭に
1319 よる告訴を受けたときは,調書を作成しなければならない。
1320 ウ.告訴は,第一審の判決があるまでいつでも取り消すことができる。
1321 エ.告訴は,特定の犯人ではなく,犯罪事実について訴追を求める意思表示であるから,告訴期間
1322 に制限がある場合のその起算点は,告訴権者が犯罪事実を知ったときである。
1323 - 14 -
1324
1325 オ.親告罪につき氏名不詳者を告訴したが,その後犯人の氏名が判明した場合,新たに当該犯人を
1326 告訴しなければ,訴訟条件を欠くことになる。
1327 1.
1328
1329 1個
1330
1331 2.
1332
1333 2個
1334
1335 3.
1336
1337 3個
1338
1339 4.
1340
1341 4個
1342
1343 5.
1344
1345 5個
1346
1347 〔第23問〕(配点:3)
1348 次の事例中のアからオまでの下線部分に関して述べた後記の各記述のうち,誤っているものの組
1349 合せは,後記1から5のうちどれか。(解答欄は,[46])
1350 【事例】
1351 甲は,上司Aから叱責を受けたことを恨みに思い,上司Aらが居住していた賃貸マンションに
1352 立ち入り,その玄関ドア等を損壊した。この事実を甲から打ち明けられて知った同僚Bは,当該
1353 事実を警察に匿名の投書で知らせた。
1354 ○年○月3日午後5時,建造物損壊被疑事件の被疑者として甲に対し,逮捕状が発せられた。
1355 X巡査部長ら4名は,甲が勤務先の△△会社から出てくるのを待って逮捕するため,同社付近で
1356 張り込みを開始したところ,順次,同社の社員が,退社のため裏口から出てきた。同日午後7時
1357 30分,X巡査部長が,同社裏口から出てきた甲を発見した。甲は,X巡査部長を見るなり,上
1358 着を押さえるようにして逃げ出そうとした。そこで,X巡査部長は,その場で,甲に対し逮捕状
1359 を示して逮捕し,甲の上着の左胸付近が膨らんでいたため,上着の表側から左内ポケット付近に
1360 手を当てて在中物を確認しようとした。しかし,甲が体を引いて抵抗し,さらに,退社のため裏
1361 口から出てきた甲の同僚らが,甲と警察官を取り囲み,「何だ,何だ。」などと騒ぎ出したため,
1362 X巡査部長は,在中物の確認をやめた。その後,X巡査部長は,そのまま甲を最寄りのI警察署
1363 に連行し,同日午後8時ころ,同署において,犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができ
1364 る旨を告げた上,弁解の機会を与えた(ア)。
1365 その際,X巡査部長は,甲に対し,上着の左内ポケットに何が入っているのか尋ねたが,甲が
1366 答えないため,同ポケットに手を入れて中を探り,そこにあったプラスチックケースを取り出し,
1367 その中身を確認した(イ)ところ,中から覚せい剤らしき白い結晶の入ったビニール袋が発見さ
1368 れたので,直ちにこれを押収した(ウ)。
1369 X巡査部長の上司であるY警部は,翌4日午後4時30分,被疑者甲を検察官に送致し,検察
1370 官は,甲に対し弁解の機会を与えた上,同月5日午前10時50分,裁判官に対し,勾留を請求
1371 したところ,裁判官は同日午後5時30分,勾留状を発した(エ)。
1372 翌日,X巡査部長らは,犯行に用いた道具等を差押対象物とする捜索差押許可状に基づいて甲
1373 の自宅を捜索したところ,甲宅の2階押し入れ内から甲が犯行に使用したと思われる金属製バッ
1374 トを発見し,当該バットを令状に基づいて押収した(オ)。
1375 【記述】
1376 ア.司法警察員が被疑者を逮捕状により逮捕した場合には,直ちに弁解の機会を与えることが必
1377 要であるのに,弁解の機会を与えないまま,最寄りの警察署まで連行することは違法である。
1378 イ.本件の場合,甲が拒否していても,X巡査部長は,甲の上着の左内ポケットに手を入れて所
1379 持品を取り出したり,その中身を確認したりすることは可能である。
1380 ウ.甲が覚せい剤を所持する資格がないことが判明しているならば,その場で直ちに当該ビニー
1381 ル袋を押収できる。
1382 エ.本問における逮捕後の手続において,刑事訴訟法の要求する時間的制限は遵守されている。
1383 オ.当該バットが甲のものではなく,甲の友人の所有物であるとしても,X巡査部長は,捜索差
1384 押許可状に基づいて当該バットを押収できる。
1385 1.ア,ウ
1386
1387 2.イ,エ
1388
1389 3.ウ,オ
1390
1391 - 15 -
1392
1393 4.エ,ア
1394
1395 5.オ,イ
1396
1397 〔第24問〕(配点:3)
1398 次のアからオまでの各記述のうち,そこに示された状況において,処分を受ける者Aがこれを拒
1399 否している場合に,
1400
1401
1402 )内に掲げた令状によって処分を直接行うことが許される場合は1を,許さ
1403
1404 れない場合は2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[47]から[51])
1405 ア.Aの私有地である建築現場において,重機が倒れ,そばにいた現場作業員が死亡したという業
1406 務上過失致死事件において,司法警察員は,事故発生当時の建築現場の状況を調べたい。
1407 (建築現場の検証許可状)
1408 イ.被疑者Aは,自動車を運転中,横断歩道上の被害者に自車を衝突させて死亡させた。Aの支離
1409 滅裂な言動から,司法警察員は,薬物使用の疑いが生じたので,Aから尿を採取するため,Aを
1410 事故現場から最寄りの病院まで連れていきたい。
1411 (Aの尿についての捜索差押許可状)
1412 ウ.被疑者Aは,自動車を運転中,横断歩道上の被害者に自車を衝突させて死亡させたが,Aもけ
1413 がをして病院に運ばれた。Aの様子を見たところ呼気が酒臭かったので,司法警察員は,アルコ
1414 ール濃度を調べるため医師をして注射器を使用させて血液を採取したい。
1415 (Aの血液についての鑑定処分許可状及びAの身体に対する身体検査令状)
1416 エ.被疑者甲を逮捕しようとしたところ,甲が逃走し,A宅に逃げ込んだので,司法警察員は,甲
1417 を発見し身柄を確保するため,A宅の中に立ち入りたい。
1418 (甲に対する逮捕状)
1419 オ.覚せい剤所持の嫌疑で被疑者A宅を捜索する際に,司法警察員は,立会いをしているAが下着
1420 の中に覚せい剤を隠しているかどうか確かめるため,Aを全裸にして調べたい。
1421 (A宅に対する捜索差押許可状)
1422 〔第25問〕(配点:3)
1423 次のT群のアからウまでは,強制処分の定義について述べた見解であり,U群のAからDまでは,
1424 強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。こ
1425 れらの見解を適宜組み合わせた立場から,
1426 「民家に対する放火と思われる火災が発生し,犯人の特定
1427 ・情報収集のために,警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適
1428 法性について述べた後記の@からEまでの各記述のうち,誤っているものは幾つあるか。後記1か
1429 ら5のうちから選びなさい。(解答欄は,[52])
1430 【T群】
1431 ア.強制処分は,有形力を行使する処分である。
1432 イ.強制処分は,何らかの権利侵害を伴う処分である。
1433 ウ.強制処分は,個人の意思を制圧し,重要な権利に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する
1434 処分である。
1435 【U群】
1436 A.強制処分は,法で定められた処分以外行うことが許されない。
1437 B.法で定められていない強制処分については,緊急性,必要性,相当性などを総合的に考慮し
1438 て適法性を判断する。
1439 C.任意処分は,その実施に特段の制限はない。
1440 D.任意処分も,無制限ではなく,緊急性,必要性,相当性などを総合的に考慮して適法性を判
1441 断する。
1442 【記述】
1443 @.ア,Cの見解において,この捜査は違法となる場合がある。
1444 A.ア,Dの見解において,この捜査は違法となる場合がある。
1445 B.イ,Aの見解において,この捜査は適法となる場合がある。
1446 - 16 -
1447
1448 C.イ,Bの見解において,この捜査は適法となる場合がある。
1449 D.ウ,Aの見解において,この捜査は適法となる場合がある。
1450 E.ウ,Dの見解において,この捜査は違法となる場合がある。
1451 1.
1452
1453 0個
1454
1455 2.
1456
1457 1個
1458
1459 3.
1460
1461 2個
1462
1463 4.
1464
1465 3個
1466
1467 5.
1468
1469 4個
1470
1471 〔第26問〕(配点:2)
1472 捜索に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5のう
1473 ちどれか。(解答欄は,[53])
1474 ア.検察事務官は,捜索令状の発付を請求することができる。
1475 イ.捜索令状の発付の請求を受けた裁判官は,犯罪の嫌疑及び証拠等の存在の蓋然性が認められる
1476 場合は,必ず令状を発付しなければならない。
1477 ウ.司法巡査は,捜索令状により,捜索をすることができる。
1478 エ.捜索令状には,被疑者の氏名,罪名,捜索すべき場所等のほかに被疑事実の要旨を必ず記載し
1479 なければならない。
1480 オ.マンションの居室を捜索すべき場所とする捜索令状によりその居室にいる者が携帯するかばん
1481 の中を捜索することが許されることはない。
1482 1.ア,オ
1483
1484 2.イ,ア
1485
1486 3.ウ,イ
1487
1488 4.エ,ウ
1489
1490 5.オ,エ
1491
1492 〔第27問〕(配点:3)
1493 甲は,J拘置所に被疑者として勾留されており,甲の妻である丙は,弁護士Bに甲の弁護人とな
1494 ることを依頼した。この場合の!甲と丙との接見,"甲とBとの接見について,当てはまる記述を
1495 T群,U群の中からそれぞれ選びなさい。
1496 (解答欄は,!について当てはまるT群の記述,!につい
1497 て当てはまるU群の記述,"について当てはまるT群の記述,"について当てはまるU群の記述の
1498 順に[54]から[57])
1499 【T群】
1500 1.J拘置所職員の立会いなくして接見することができる。
1501 2.J拘置所職員の立会いの下で接見することができる。
1502 3.接見することはできない。
1503 【U群】
1504 1.逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるときは検察官が接見を禁止する
1505 ことができる。
1506 2.逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるときは検察官が接見の日時等を
1507 指定することができる。
1508 3.逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるときは裁判官が接見を禁止する
1509 ことができる。
1510 4.逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があるときは裁判官が接見の日時等を
1511 指定することができる。
1512 5.捜査のため必要があるときは検察官が接見を禁止することができる。
1513 6.捜査のため必要があるときは検察官が接見の日時等を指定することができる。
1514 7.捜査のため必要があるときは裁判官が接見を禁止することができる。
1515 8.捜査のため必要があるときは裁判官が接見の日時等を指定することができる。
1516
1517 - 17 -
1518
1519 〔第28問〕(配点:2)
1520 次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[58])
1521 1.勾留している被疑者について,緊急の手術のため入院させざるを得ないという事情があるとき,
1522 裁判官は,被疑者の勾留の執行を停止するに当たり,その住居を制限することができる。
1523 2.甲罪の事実で勾留されている被疑者について,甲罪の事実とともにこれと併合罪の関係にある
1524 乙罪の事実を併せて起訴する場合には,乙罪の事実について別途勾留のための手続を採らなくて
1525 も,当然に乙罪の事実についても勾留されていることになる。
1526 3.裁判所は,勾留されている被告人の保釈を許す場合,事案の性質,被告人の行状等を総合考慮
1527 して,保釈保証金の額を定めないことも許される。
1528 4.最高裁判所の判例によれば,被告人が甲罪の事実とともに乙罪の事実について起訴され,その
1529 うち甲罪の事実についてのみ勾留状が発せられている場合,裁判所は刑事訴訟法第90条の裁量
1530 保釈の許否の審査をするに当たって,甲罪の事実の事案の性質や被告人の行状等を考慮するため
1531 の一資料として,乙罪の事実を考慮することは許されない。
1532 5.被告人に対して禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった後は,当該被告人を保釈することが
1533 できない。
1534 〔第29問〕(配点:2)
1535 第一審の冒頭手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1か
1536 ら5のうちどれか。(解答欄は,[59])
1537 ア.第1回公判期日の手続は,検察官が起訴状を朗読することにより始まる。
1538 イ.被告人は,第1回公判期日の前に起訴状謄本の送達を受け,その内容を理解することができる
1539 のであるから,被告人及び弁護人に異議がないときは,起訴状の朗読を省略することもできる。
1540 ウ.裁判長が,起訴状の公訴事実について検察官に対して釈明を求めたときは,検察官は釈明する
1541 義務を負う。
1542 エ.被告人の黙秘権を手続的に保障するため,起訴状朗読後,裁判長は,被告人に対して,終始沈
1543 黙し又は個々の質問に対し陳述を拒むことができることを告げなければならない。
1544 オ.被告人及び弁護人の被告事件についての陳述は,以後の審理計画策定の前提となる重要な手続
1545 であるから,陳述の機会を与えただけで,被告人及び弁護人の具体的な被告事件についての陳述
1546 がなされないまま証拠調べ手続に入ることは許されない。
1547 1.ア,イ
1548
1549 2.イ,ウ
1550
1551 3.ウ,エ
1552
1553 4.エ,オ
1554
1555 5.オ,ア
1556
1557 〔第30問〕(配点:3)
1558 次の見解は,訴因変更と訴訟条件に関して述べたものである。この見解中のアからサまでの(
1559 内に当てはまる語句を後記の語句群から一つずつ選んだ場合,エ,ク及びサの(
1560
1561
1562
1563 )内に当てはま
1564
1565 る語句の組合せとして正しいものは,後記1から8のうちどれか。なお,アからサまでの(
1566
1567 )内
1568
1569 には,同じ語句は入らないものとする。(解答欄は,[60])
1570 【見
1571
1572 解】
1573 検察官が公訴提起した甲訴因について,裁判所が実体審理を行ったところ,甲訴因については
1574
1575 証明が得られず,別に乙事実の認定ができるものの,乙事実については,訴訟条件を欠いている
1576 という場合がある。
1577 そのような場合,裁判所は,訴訟手続の厳格性,明確性を保持するため,検察官に乙事実を内
1578 容とする訴因への変更を促すことが適切である。
1579 例えば,告訴なくして起訴された(ア)の訴因について,(イ)の事実が認められず,(ウ)が
1580 認められるにすぎない場合であれば,
1581 (ア)の訴因による公訴提起そのものは適法であるから,裁
1582 判所がそのままの訴因で(エ)を言い渡すことは妥当ではなく,検察官に(ウ)への訴因変更を
1583 - 18 -
1584
1585 促すべきである。
1586 もっとも,この場合検察官が訴因変更に応じなくても,
1587 (オ)を適用して乙事実の認定を前提に
1588 判断を下してよいとする考え方もあるが,訴訟手続の厳格性,明確性の観点からは,妥当とは思
1589 われない。
1590 他方,地方裁判所に起訴された(カ)の訴因について,(キ)の認定しかできない場合,(ク)
1591 は,必ずしも(ケ)を包摂しないと考えられるので,
1592 (オ)を適用することはできないから,検察
1593 官が訴因変更に応じなければ,裁判所は(コ)はできず,
1594 (カ)の訴因のまま(サ)を言い渡すし
1595 かない。
1596 【語句群】
1597 a.故意犯
1598
1599 b.過失犯
1600
1601 c.現住建造物等放火罪
1602
1603 e.強姦罪
1604
1605 f.失火罪
1606
1607 g.傷害
1608
1609 j.公訴棄却の判決
1610 (注)
1611
1612 k.免訴の判決
1613
1614 d.強姦致傷罪
1615
1616 h.無罪の判決
1617
1618 i.管轄違いの判決
1619
1620 l.縮小認定の理論
1621
1622 失火罪は,法定刑が罰金以下であるため,簡易裁判所の専属管轄となる。
1623
1624 1.jah
1625
1626 2.jai
1627
1628 3.jbh
1629
1630 4.jbi
1631
1632 5.kah
1633
1634 6.kai
1635
1636 7.kbh
1637
1638 8.kbi
1639
1640 〔第31問〕(配点:3)
1641 訴因変更に関する次のアからオまでの各記述につき,最高裁判所の判例に照らし,正しければ1
1642 を,誤っていれば2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[61]から[65])
1643 ア.被告人が,I市内においてVが支払うべき相手を誤信して提供した金員をその者になりすまし
1644 て受け取り,詐取したという訴因と,同日同所において,その金員の受領後に領得意思を生じて
1645 これを着服したという訴因との間には,公訴事実の同一性が認められる。
1646 イ.被告人が,I市内において花札賭博をしたという訴因と,同日同所においてAらが行った賭博
1647 開張図利の際に賭具を貸与して幇助したという訴因との間には,公訴事実の同一性が認められる。
1648 ウ.被告人が,I市内路上において一時停止から発進しようとしてアクセルペダルとクラッチペダ
1649 ルを踏んだ際,クラッチペダルから左足を踏み外して自車を暴走させ停止中の先行車に衝突させ
1650 て同車運転手Vを負傷させたという業務上過失傷害の訴因に対して,同日同所におけるブレーキ
1651 操作の遅れにより自車を一時停止中の先行車に追突させて同車運転手Vを負傷させたという業務
1652 上過失傷害の事実を認定するためには,訴因変更を必要とする。
1653 エ.被告人が,I市内において帰宅中のVを殴打して反抗を抑圧した上金員を強取したという強盗
1654 の訴因に対して,同日同所においてVを殴打して金員を喝取したという恐喝の事実を認定するた
1655 めには,訴因変更を必要とする。
1656 オ.被告人が,I市内において建築工事請負契約の成約について便宜を図ったことに対する謝礼の
1657 趣旨で甲と共謀してAから金員を収受したという収賄の訴因に対して,同日同所において建築工
1658 事請負契約の成約について便宜を図ってもらったことに対する謝礼の趣旨でAと共謀して甲に対
1659 し金員を供与したという贈賄の事実を認定するためには,訴因変更を必要とする。
1660
1661 - 19 -
1662
1663 〔第32問〕(配点:3)
1664 後記のアからエまでの各記述のうち,次の判例(最高裁判所平成15年10月7日第三小法廷判
1665 決・刑集57巻9号1002頁)に明らかに反するものは幾つあるか。後記1から5のうちから選
1666 びなさい。なお,この判例にいう「常習特殊窃盗罪」とは,盗犯等の防止及び処分に関する法律第
1667 2条違反の罪である。(解答欄は,[66])
1668 【判例】
1669 実体的には常習特殊窃盗罪を構成するとみられる窃盗行為が単純窃盗罪として起訴され,確定
1670 判決があった後,確定判決前に犯された余罪の窃盗行為(実体的には確定判決を経由した窃盗行
1671 為とともに一つの常習特殊窃盗罪を構成するとみられるもの)が,前同様に単純窃盗罪として起
1672 訴された場合には,当該被告事件が確定判決を経たものとみるべきかどうかが,問題になるので
1673 ある。
1674 この問題は,確定判決を経由した事件(以下「前訴」という。)の訴因及び確定判決後に起訴さ
1675 れた確定判決前の行為に関する事件(以下「後訴」という。)の訴因が共に単純窃盗罪である場合
1676 において,両訴因間における公訴事実の単一性の有無を判断するに当たり,@両訴因に記載され
1677 た事実のみを基礎として両者は併合罪関係にあり一罪を構成しないから公訴事実の単一性はない
1678 とすべきか,それとも,Aいずれの訴因の記載内容にもなっていないところの犯行の常習性とい
1679 う要素について証拠により心証形成をし,両者は常習特殊窃盗として包括的一罪を構成するから
1680 公訴事実の単一性を肯定できるとして,前訴の確定判決の一事不再理効が後訴にも及ぶとすべき
1681 か,という問題であると考えられる。
1682 思うに,訴因制度を採用した現行刑訴法の下においては,少なくとも第一次的には訴因が審判
1683 の対象であると解されること,犯罪の証明なしとする無罪の確定判決も一事不再理効を有するこ
1684 とに加え,常習特殊窃盗罪の性質や一罪を構成する行為の一部起訴も適法になし得ることなどに
1685 かんがみると,前訴の訴因と後訴の訴因との間の公訴事実の単一性についての判断は,基本的に
1686 は,前訴及び後訴の各訴因のみを基準としてこれらを比較対照することにより行うのが相当であ
1687 る。
1688 (参照条文)盗犯等の防止及び処分に関する法律
1689 第二条
1690
1691 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五条,第二百三十六条,第二百三十八
1692
1693 条若ハ第二百三十九条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ窃盗ヲ以テ論ズベキトキハ三年
1694 以上,強盗ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ処ス
1695
1696
1697 兇器ヲ携帯シテ犯シタルトキ
1698
1699
1700
1701 二人以上現場ニ於テ共同シテ犯シタルトキ
1702
1703
1704
1705 門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,建造物若ハ艦船
1706 ニ侵入シテ犯シタルトキ
1707
1708
1709
1710 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ
1711
1712 【記述】
1713 ア.単純窃盗の訴因で有罪となった確定判決が存する被告人が,確定判決前の他の窃盗行為につ
1714 いて単純窃盗の訴因で起訴された場合,裁判所は,両訴因に掲げられた窃盗行為が一つの常習
1715 特殊窃盗罪を構成するものであるか否かを検討しなければならない。
1716 イ.実体的に一つの常習特殊窃盗罪を構成するとみられる複数の窃盗行為について,検察官は,
1717 複数の単純窃盗の訴因により公訴を提起することができない。
1718 ウ.単純窃盗の訴因で有罪となった確定判決が存する場合であっても,確定判決前に犯された他
1719 の窃盗行為について,単純窃盗の被疑事実で逮捕・勾留することができる。
1720 エ.単純窃盗の訴因で有罪となった確定判決が存する被告人が,確定判決前の他の窃盗行為につ
1721 いて単純窃盗の訴因で起訴された場合,裁判所は,両訴因に掲げられた窃盗行為が実体的に一
1722 つの常習特殊窃盗罪を構成するものであるとの心証を得た場合には,確定判決を経たとの理由
1723 - 20 -
1724
1725 で免訴の判決をしなければならない。
1726 1.
1727
1728 0個
1729
1730 2.
1731
1732 1個
1733
1734 3.
1735
1736 2個
1737
1738 4.
1739
1740 3個
1741
1742 5.
1743
1744 4個
1745
1746 〔第33問〕(配点:3)
1747 次の見解は,証明の方式に関して述べたものである。この見解中の甲から丙までの(
1748
1749 )内には,
1750
1751 後記のT群の中のいずれかの語句が入る。この見解を前提に,後記のU群のアからオまでの各事実
1752 につき,乙に当たる証明の方式を必要とするものは1を,必要としないものは2を選びなさい。
1753 (解
1754 答欄は,アからオの順に[67]から[71])
1755 【見解】
1756 刑事訴訟法第317条は「事実の認定は,証拠による。」と規定しているが,これは(甲)の原
1757 則を述べたものである。
1758 (甲)とは,広くは,訴訟に現れる一切の事実は何らかの資料によって認
1759 定することを要し,いわゆる勘などの単なる主観的判断による認定を許さないとする建前をいう
1760 が,本条は,狭義の(甲)を規定したものと解されている。すなわち,ここにいう「事実」とは
1761 「公訴事実」を指し,
1762 「証拠」とは「証拠能力があり,かつ適法な証拠調べを経た証拠」の意味で
1763 ある。このような証拠による証明を(乙)という。公訴事実につき(乙)を要求するとする趣旨
1764 は,公訴事実が,訴訟の対象として提示された事項であることによるものであるから,刑罰権の
1765 存否及び範囲を定める事実についても(乙)が必要と解される。他方,それ以外の事実について
1766 は,公訴事実の存否を判断するための前提にすぎないものや,その内容が複雑で非類型的なもの
1767 であるので,必ずしも(乙)によらずに(丙)で足りると解する。
1768 【T群】
1769 a.自由心証主義
1770
1771 b.証拠裁判主義
1772
1773 c.弾劾主義
1774
1775 e.自由な証明
1776
1777 f.疎明
1778
1779 g.厳格な証明
1780
1781 d.直接主義
1782
1783 【U群】
1784 ア.東京都内における単独犯による強盗事件発生当時,被告人が福岡市内にいたといういわゆる
1785 アリバイに関する事実
1786 イ.被告人が捜査段階で自白をするに至った理由に関する事実
1787 ウ.殺人事件の被告人が,凶器となった出刃包丁を事件当日に購入した事実
1788 エ.被告人が7年前に強盗事件で懲役5年の有罪判決を受けて確定し,刑が執行された事実
1789 オ.平成○年5月5日が祝日である事実
1790 〔第34問〕(配点:2)
1791 自白の証拠能力に関する次のアからウまでの各記述の正誤を正しく示しているものは,後記1か
1792 ら8のうちどれか。(解答欄は,[72])
1793 ア.被告人の公判廷外の自白には,補強証拠が必要とされるから,補強証拠がない場合には,公判
1794 廷外の自白を録取した書面の証拠能力は否定される。
1795 イ.被疑者が自白をすれば起訴猶予にする旨の検察官の言葉を信じ,起訴猶予になることを期待し
1796 て行った自白は,任意性に疑いがあるものとして,その真実性を裏付ける証拠が存在する場合に
1797 も,証拠能力が否定される場合がある。
1798 ウ.被疑者に対し黙秘権の告知を欠いたまま取調べを行い得られた自白は,常に黙秘権を侵害して
1799 得られた自白として,証拠能力を否定される。
1800 1.ア…正,イ…正,ウ…正
1801
1802 2.ア…正,イ…正,ウ…誤
1803
1804 3.ア…正,イ…誤,ウ…正
1805
1806 4.ア…正,イ…誤,ウ…誤
1807
1808 5.ア…誤,イ…正,ウ…正
1809
1810 6.ア…誤,イ…正,ウ…誤
1811
1812 7.ア…誤,イ…誤,ウ…正
1813
1814 8.ア…誤,イ…誤,ウ…誤
1815
1816 - 21 -
1817
1818 〔第35問〕(配点:3)
1819 次の見解は,供述録取書における供述者の署名押印の意義について述べたものである。この見解
1820 中の(B)に入るものは,後記の語句群の1から3のうちどれか。(解答欄は,[73])
1821 また,後記の事例のアないしウから,供述者の署名押印がないとしても直ちには証拠能力が否定
1822 されないものを選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から7のうちどれか。
1823 (解答欄
1824 は,[74])
1825 【見
1826
1827 解】
1828 刑事訴訟法が,供述者以外の第三者が作成した供述録取書に証拠能力を認める要件として,供
1829
1830 述者の署名押印を必要とする趣旨は,供述録取書が,(A)という点とともに,(B)という点に
1831 おいて二重の伝聞証拠たる性質を有するからである。つまり,供述者の署名押印は,
1832 (B)という
1833 点の伝聞過程について,供述者が録取内容の正確性を承認したことを意味し,これをもって反対
1834 尋問に代替し得る程度の信用性を認め得るとする趣旨に理解される。したがって,供述者の署名
1835 押印は,供述録取書の性格を有する証拠に証拠能力を認めるためには重要な要件の一つであり,
1836 これを欠く証拠は,弁護人の同意が得られない限り,原則として証拠能力を認めることはできな
1837 い。
1838 【語句群】
1839 1.供述を録取した者が,公判廷において反対尋問を受けない
1840 2.供述者が,複雑な内容を細部にわたり報告する
1841 3.供述者が,公判廷において反対尋問を受けない
1842 【事
1843
1844 例】
1845
1846 ア.被告人甲に係る傷害事件の犯行状況を目撃したAが,検察官から目撃状況につき取調べを受
1847 け,供述調書に録取されたものの,
1848 「読み聞かされた内容は間違いないが,甲に恨まれたくない。」
1849 と述べ,署名押印を拒絶した検察官面前調書について,検察官が,同事件の公判において,目
1850 撃状況を立証趣旨として証拠請求した場合
1851 イ.被告人甲に係る傷害事件の被害者Aが,受傷後,現場から救急搬送された病院において,医
1852 師に対し,被害状況を供述し,同医師が,録音装置を使用して録音したカセットテープについ
1853 て,検察官が,同事件の公判において,被害状況を立証趣旨として証拠請求した場合
1854 ウ.恐喝事件の被告人甲が,自己の公判における被告人質問において,
1855 「事件は,乙から指示を受
1856 けて実行した。」と供述し,これを記載した裁判所書記官作成の公判調書について,検察官が,
1857 被告人乙に対する同事件の公判において,甲との共犯関係を立証趣旨として証拠請求した場合
1858 1.ア,イ,ウ
1859
1860 2.ア,イ
1861
1862 3.ア,ウ
1863
1864 4.ア
1865
1866 5.イ,ウ
1867
1868 6.イ
1869
1870 7.ウ
1871
1872 〔第36問〕(配点:2)
1873 次の1から5までの書面のうち,刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の面前における
1874 供述を録取した書面」に当たらないものはどれか。(解答欄は,[75])
1875 1.当該事件の弁護人からの請求により第1回公判期日前の証拠保全として裁判官が行った証人尋
1876 問の調書
1877 2.当該事件の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が,捜査機関によ
1878 る参考人取調べのための出頭要求を拒んだため,検察官の請求により第1回公判期日前に裁判官
1879 が行った証人尋問の調書
1880 3.当該事件の公判を担当する裁判官の交替があったため公判手続を更新した場合において,更新
1881 前に尋問された証人の証言を録取した公判調書
1882 4.当該事件の共同被告人がその勾留質問において行った供述を録取した勾留質問調書
1883 5.当該事件を原因とする民事訴訟事件の証拠調べ手続における証人の陳述を記載した口頭弁論調
1884
1885 - 22 -
1886
1887 〔第37問〕(配点:3)
1888 起訴されていない犯罪事実,すなわち余罪を量刑の資料とすることができるかについて,次のA
1889 説,B説の2説がある。後記のアからエの各記述につき,B説の根拠となり得るものは1を,なり
1890 得るとはいえないものは2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[76]から[79])
1891 【A説】
1892 余罪を実質上処罰する趣旨で量刑の資料として考慮することは許されないが,被告人の性格,
1893 経歴及び犯罪の動機,目的,方法等の情状を推知するための資料として考慮することは許される。
1894 【B説】
1895 余罪は,それを実質上処罰する趣旨で量刑の資料として考慮することが許されないのはもちろ
1896 ん,被告人の性格,経歴及び犯罪の動機,目的,方法等の情状を推知するための資料としても考
1897 慮することは許されない。
1898 【記述】
1899 ア.量刑の本質は,被告人本人の全体としての統一的人格を個々の犯罪現象の根底に据えて考え
1900 るところにある。
1901 イ.余罪を実質上処罰する趣旨で量刑の資料としたのか,被告人の性格,経歴及び犯罪の動機,
1902 目的,方法等の情状を推知するための資料として考慮したのかを判別することは困難である。
1903 ウ.犯罪の程度に達しない非行を量刑の資料とすることができることには異論がない。
1904 エ.我が国の刑事訴訟手続においては,犯罪事実の認定手続と量刑手続とが分離されていない。
1905 〔第38問〕(配点:2)
1906 次のアからオまでの各記述のうち,正しいものは幾つあるか。後記1から5のうちから選びなさ
1907 い。(解答欄は,[80])
1908 ア.証人への付添い(刑事訴訟法第157条の2)制度の対象となる者は,被害者(被害者が死亡
1909 した場合においては,その配偶者,直系の親族又は兄弟姉妹)及び被害者の法定代理人に限定さ
1910 れている。
1911 イ.証人の供述中に被告人を退廷(刑事訴訟法第304条の2)させた場合には,証人の供述が終
1912 了した後,被告人に証言の要旨を告知しなければならない。
1913 ウ.証人尋問の際の傍聴人と証人との間の遮へい(刑事訴訟法第157条の3)は,弁護人が出頭
1914 している場合にしか行うことができない。
1915 エ.ビデオリンク方式による証人尋問(刑事訴訟法第157条の4)の対象となる事件は,強姦等
1916 の性犯罪に限定されている。
1917 オ.被害者等の意見の陳述(刑事訴訟法第292条の2)制度に基づいて被害者がした陳述は,一
1918 定の要件を満たす場合,犯罪事実の認定のための証拠とすることができる。
1919 1.
1920
1921 1個
1922
1923 2.
1924
1925 2個
1926
1927 3.
1928
1929 3個
1930
1931 - 23 -
1932
1933 4.
1934
1935 4個
1936
1937 5.
1938
1939 5個
1940
1941 〔第39問〕(配点:2)
1942 略式手続ないし略式命令に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。
1943 (解答
1944 欄は,[81])
1945 1.検察官が略式命令を請求した場合,検察官が主張する公訴事実が証拠上認められ,法定刑に5
1946 0万円以下の罰金又は科料が定められている場合,裁判所は,略式命令を発しなければならない。
1947 2.起訴状には,裁判官に予断を生ぜしめるおそれのある書類を添付してはならないとされている
1948 が,略式命令を請求する場合には,請求と同時に検察官が立証に必要と判断したすべての書類を
1949 裁判所に提出しなければならない。
1950 3.略式手続を行うためには,50万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であることを要すると
1951 されているため,法定刑に懲役あるいは禁錮が含まれている犯罪類型については略式手続による
1952 ことができない。
1953 4.略式手続においては,逮捕勾留されていない甲が乙の氏名を冒用して捜査機関に対し被疑者と
1954 して行動し,かつ,裁判所で被告人として乙名義の略式命令の謄本の交付を受けた場合には,そ
1955 の略式命令の効力は甲に生じたものと解されている。
1956 5.略式命令を受けた者は,その内容に不服がある場合には,略式命令の告知を受けた日から14
1957 日以内に控訴することができる。
1958 〔第40問〕(配点:2)
1959 控訴審に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものはどれか。(解答欄は,[82])
1960 1.現行刑事訴訟法は,控訴審の構造として事後審を基本にしていると考えられるから,原判決言
1961 渡し後生じた情状事実をしんしゃくして裁判をすることはできない。
1962 2.控訴理由には,原判決への影響の有無を問わない絶対的控訴理由と原判決への影響が明らかな
1963 場合に限られる相対的控訴理由があり,法律に従って判決裁判所を構成しなかったことは前者,
1964 事実誤認・法令適用の誤りは後者である。
1965 3.被告人のみが控訴した事件であっても,原判決の刑が著しく軽く,正義に反すると認めたとき
1966 は,控訴審裁判所は原判決の刑よりも重い刑を言い渡すことができる。
1967 4.控訴審裁判所における弁護人には,弁護士以外の者は選任されず,また,事後審としての性格
1968 から必要的弁護事件の概念は存しないとされている。
1969 5.控訴審の審理においては,第一審において証拠とすることができた証拠である以上証拠とする
1970 ことができるが,第一審当時供述者が所在不明であることを理由に証拠採用された供述調書につ
1971 いては,控訴審において供述者の所在が判明するに至った場合には,証拠排除しなければならな
1972 い。
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