1 論文式試験問題集[公法系科目]
2
3 1
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 Xは,
8 A党に属する衆議院議員であるが,
9 200X年の総選挙において,
10 国際的にテロ対策を進
11 めることが課題となってきていること(資料1)を踏まえて,
12 我が国においても国際テロ対策を強
13 力に推進することを選挙公約にうたって(資料2)再び当選した。
14
15 その後,
16 Xは,
17 他のA党の議員
18 とともに,
19 国際テロリズム対策法案を衆議院に提出する準備を進め,
20 同法案の要綱(資料3)を策
21 定した上で,
22 衆議院法制局に対して,
23 それを示し,
24 憲法に違反するものでないか相談をした。
25
26
27 この事例について以下の問いに答えなさい。
28
29
30 1.国際テロリズム対策法案について,
31 要綱の第1から第7のどの項目にどのような憲法上の問題
32 点が考えられるかを箇条書きにして挙げなさい。
33
34
35 2.要綱の項目のうち,
36 憲法違反となる疑いがもっとも強いと考えるものについて論じなさい。
37
38 そ
39 の上で,
40 その違憲の疑いを軽減させる方策について検討しなさい。
41
42
43
44 資料1
45
46 テロリズムに対するG8首脳声明
47 平成13年9月19日
48
49 我々G8首脳は,
50 9月11日にアメリカ合衆国に対して行われたテロリズムという野蛮な行為を
51 限りなく強く非難する。
52
53 我々の哀悼の意はアメリカの国境内のみに留まらない。
54
55 なぜならニューヨ
56 ークとワシントンは多くの国の国民が住んでいる国際都市だからである。
57
58 犯人,
59 そして如何なる手
60 段であっても犯人をかくまったり,
61 援助や支援を差し延べたりしたすべての者は,
62 無実の人々と国
63 際社会の中心的な価値や利益に対して攻撃を仕掛けたのである。
64
65 その行為は全ての人々,
66 全ての信
67 仰,
68 全ての国についての平和と繁栄と安全に対する深刻な脅威である。
69
70 我々は,
71 憎しみと恐怖を犯
72 す者により世界の諸国民や諸文化を分断させることは許さない。
73
74
75 国連憲章は全加盟国に対して国際の平和及び安全を維持するための有効な措置を執るよう明確に
76 責任を課している。
77
78
79 12件のテロ対策国連諸条約はテロリズムとの戦いに関する国際的な行動の規範を定めている。
80
81
82 9月11日の野蛮な事件を受けて,
83 我々はすべての国々にこれらの条約の可及的速やかな批准へ向
84 けての措置を執り,
85 また,
86 批准前であっても直ちにこれらの条約の内容を実施するよう強く要請す
87 る。
88
89
90 我々は,
91 我々の外務,
92 財務,
93 司法および必要に応じ他の関係各大臣に対し,
94 対テロ協力強化のた
95 めの具体的措置に関するリストを作成するよう指示した。
96
97 その中には,
98 テロリストへの資金の流れ
99 を断ち切るための金融的措置及び制裁の行使の拡大,
100 航空安全,
101 武器輸出の管理,
102 治安その他の当
103 局間の協力,
104 テロに対する全ての支援の拒絶,
105 そして,
106 テロの脅威の特定と除去が含まれる。
107
108 我々
109 は具体的な措置を特定し,
110 それらを実施することによって,
111 今回の非道な行為の犯人を法の下で裁
112 き,
113 あらゆる形態のテロと戦い,
114 更なるテロ攻撃を防止し,
115 そしてこのグローバルな悪との戦いに
116 おける国際的な協力を強化するという決意を強調するものである。
117
118
119 我々は,
120 これらの努力において我々と協調する用意のある全ての者を歓迎し,
121 また,
122 我々もそう
123 した者を支援する。
124
125
126
127 2
128
129 資料2
130
131 Xの選挙公約
132
133 1
134
135 世界一安全な国家を作るため,
136 テロ対策を推し進めます!
137 ・国際的テロ組織は,
138 米国の同盟国である我が国をテロの標的として名指ししています。
139
140
141 ・国際刑事警察機構を通じて国際手配されていた国際テロ組織関係者が,
142 他人名義の偽造旅
143 券を使用して我が国に不法に入国を繰り返していました。
144
145
146 ↓
147
148 今すぐ,
149 国際テロリストの実態(潜伏的,
150 無差別的)に合わせたテロ対策が
151 必要です。
152
153 テロ行為を未然に防ぐには予防的措置が必要です。
154
155
156 四つの対策の提言
157 @
158
159 テロリストに関する情報収集方策の強化
160
161 A
162
163 テロリストを入国させない対策
164
165 B
166
167 テロリストを我が国で自由に活動させないための対策強化
168
169 C
170
171 テロ資金を封じるための対策強化
172 (以下略)
173
174 資料3
175
176 国際テロリズム対策法案(要綱)
177
178 第1
179
180 目的
181 この法律は,
182 我が国において国際テロリズム活動を行う団体の活動を禁止するとともに,
183 国
184 際テロリズム活動に対する必要な規制措置を定め,
185 もって我が国を含む国際社会の平和及び安
186 全の確保に資することを目的とする。
187
188
189
190 第2
191
192 定義
193 この法律における用語の意義は,
194 以下に定めるところによる。
195
196
197 @
198
199 「テロリスト犯罪」とは,
200 我が国若しくは外国(条約等の国際的約束により設立された国
201 際機関を含む。
202
203 )に作為若しくは不作為を強制し,
204 又は,
205 我が国若しくは外国の政策に影響を
206 及ぼすことを目的として,
207 人の生命にとって危険な行為を行うことをいう。
208
209
210
211 A 「国際テロリズム活動」とは,
212 2か国以上の国においてテロリスト犯罪を行う運動をいう。
213
214
215 B
216
217 「特定国際テロリズム組織」とは,
218 国際テロリズム活動を行う組織のうち,
219 特に我が国に
220 おける公共の安全にとって脅威となるものであって,
221 国家公安委員会によって指定されたも
222 のをいう。
223
224
225
226 第3
227 1
228
229 特定国際テロリズム組織の指定
230 警察庁長官は,
231 国際テロリズム活動を行う組織が特に我が国における公共の安全にとって脅
232 威となると判断する場合には,
233 国家公安委員会に対して,
234 請求の内容・理由等を記載した指定
235 請求書を提出して,
236 当該組織を「特定国際テロリズム組織」に指定するよう求めることができ
237 る。
238
239
240
241 2
242
243 警察庁長官による指定請求がなされた場合には,
244 国家公安委員会は指定請求があった旨を官
245 報において公示しなければならない。
246
247 当該指定請求に異議のある者は,
248 国家公安委員会に対し
249 て,
250 指定に反対する理由を記載した書面を提出することができる。
251
252
253
254 3
255
256 国家公安委員会は,
257 審査にあたり必要である場合には,
258 警察庁長官に対し,
259 さらに説明を補
260 充するとともに資料を提出するよう求めることができる。
261
262
263
264 3
265
266 4
267
268 国家公安委員会は,
269 当該組織が特に我が国における公共の安全にとって脅威となると判断す
270 る場合には,
271
272 「特定国際テロリズム組織」の指定を行うものとする。
273
274 この指定は,
275 官報で公示さ
276 れなければならず,
277 公示した時から効力を有する。
278
279
280
281 第4
282
283 「特定国際テロリズム組織」への参加の禁止
284 何人も「特定国際テロリズム組織」の構成員となるなど,
285
286 「特定国際テロリズム組織」の活動
287 に加わってはならない。
288
289 違反者は,
290 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
291
292
293
294 第5
295
296 「特定国際テロリズム組織」のためにする行為の禁止
297 何人も「特定国際テロリズム組織」のためにするいかなる行為(「特定国際テロリズム組織」
298 への情報若しくは物的手段の提供,
299 又は「特定国際テロリズム組織」の犯罪行為に寄与すると
300 知りながら資金を提供することを含む。
301
302 )も行ってはならない。
303
304 違反者は,
305 1年以下の懲役又は
306 50万円以下の罰金に処する。
307
308
309
310 第6
311 1
312
313 捜索・押収
314 検察官,
315 検察事務官又は司法警察職員は,
316
317 「特定国際テロリズム組織」による犯罪行為が行わ
318 れようとしていると疑うに足りる充分な理由がある場合において,
319 証拠を保全する緊急性があ
320 り,
321 かつ,
322 裁判官の令状を求めることができないときは,
323 その理由を告げて当該場所に立ち入
324 り捜索し,
325 証拠物を押収することができる。
326
327
328
329 2
330
331 検察官,
332 検察事務官又は司法警察職員は,
333 裁判官の令状なしに捜索し証拠物を押収した場合
334 には,
335 直ちに,
336 裁判官に対して,
337 捜索をした場所,
338 理由を記載した書面と押収した物の目録を
339 提出し,
340 その許可を求めなければならない。
341
342 裁判官が許可を与えなかった場合には,
343 速やかに
344 押収物を還付しなければならず,
345 押収物の複写物又は写真は破棄されねばならない。
346
347
348
349 第7
350
351 金融機関に対する質問等
352 検察官,
353 検察事務官又は司法警察職員は,
354 銀行等の金融機関に対して,
355
356 「特定国際テロリズム
357 組織」による犯罪行為に関わりのあると信じることに相当の理由がある預金,
358 振込等につき質
359 問し,
360 記録の閲覧を求めることができる。
361
362 金融機関の職員が質問に答えず若しくは偽りの答弁
363 をし,
364 又は記録の閲覧を認めなかった場合には,
365 当該職員は50万円以下の罰金に処する。
366
367
368
369 4
370
371 〔第2問〕(配点:100)
372 次の事例について,
373 後記〔8〕において弁護士Lが弁護士Mに検討を指示した(A)及び(B)
374 の各事項について,
375 弁護士Mのレポートを踏まえて論じなさい。
376
377 なお,
378 解答に当たっては,
379 関係法
380 令は,
381 現在施行されているものと同一のものが,
382 弁護士Mの検討の時点においても適用されるとい
383 う前提に立ちなさい。
384
385
386 〔1〕
387
388 地方自治法第252条の19第1項の指定都市(いわゆる政令市)であるA市は,
389 児童福祉
390 法(昭和22年法律第164号)及びA市立保育所設置条例(昭和39年制定。
391
392 その後適宜改
393 正)に基づき,
394 平成17年4月の時点で,
395
396 「A市立第1保育所」から「A市立第46保育所」ま
397 で,
398 計46の市立保育所を設置し運営していた。
399
400
401 児童福祉法にいう「保育所」には,
402 公立保育所のほか,
403 同法第35条第4項の認可を得た民
404 間保育所(民間の法人等が設立し運営主体となる保育所)も含まれるが,
405 平成17年4月の時
406 点でA市には,
407 公立保育所として46の市立保育所があるほか,
408 認可された民間保育所が52
409 施設存在していた。
410
411
412
413 〔2〕
414
415 A市は,
416 既存の市立保育所の一部を民間保育所に転換する方針(以下「市立保育所民営化方
417 針」という。
418
419 )を打ち出すこととした。
420
421 その理由は,
422 46の市立保育所を維持することが近い将
423 来財政面で困難になるとの見通しであること,
424 また,
425 昨今の保育ニーズの量的拡大(保育所の
426 受入れ能力を大幅に超える入所申込みがあり,
427 いわゆる待機児童が多数存在すること)や質的
428 多様化(月曜日から金曜日における午前8時から午後5時まで等の時間帯において行われるい
429 わゆる通常保育に加えて,
430 延長保育や一時保育,
431 休日保育などの希望が強いこと)に対応する
432 には,
433 公立保育所よりも民間保育所の方が優れている面があると考えられること等であった。
434
435
436 A市長は,
437 差し当たりA市内のB区においてこの方針を実施に移すこととした。
438
439 それは,
440 B
441 区には市立保育所として第1保育所から第6保育所が設置されていたが,
442 A市内では唯一,
443 認
444 可を受けた民間保育所が存在せず,
445 前記保育ニーズに対応することが最も困難な地域と考えら
446 れたためである。
447
448
449 A市長は,
450 平成17年6月7日,
451 B区における市立保育所民営化方針について記者会見を行
452 い,
453 次のように説明した。
454
455
456 「A市B区内にある市立保育所のうち,
457 第5保育所と第6保育所を,
458 平成18年3月31日
459 限りで廃止し,
460 同年4月1日からは,
461 別に設置認可される2民間保育所に,
462 それぞれ第5保育
463 所及び第6保育所の敷地(市有地)の無償貸与,
464 備品の無償譲渡,
465 建物の有償譲渡を行う(児
466 童福祉法第56条の7参照)。
467
468 」
469 「当該2民間保育所には,
470 市として次のことを求める(以下「移管条件」という。
471
472 )。
473
474
475 @
476
477 民営化対象となる市立保育所で実施されている保育内容を継続すること
478 例)保育士の配置・年齢構成,
479 通常保育の曜日及び時間帯,
480 給食,
481 保育料その他の保
482 護者の経費負担,
483 休園日,
484 年間行事,
485 健康診断,
486 障害児保育など
487
488 A
489
490 保護者が求める新たな保育サービスの実施を積極的に検討すること
491 例)延長保育や一時保育の多様化,
492 休日保育の導入など」
493
494 〔3〕
495
496 記者会見後,
497 A市保健福祉局の児童福祉担当の職員数名は,
498 平成17年7月から8月にかけ
499 て,
500 第5保育所及び第6保育所に入所している児童の保護者らを集めた説明会を数度にわたり
501 開催し,
502 市立保育所民営化方針について理解を求めた。
503
504
505 説明会では,
506 第5保育所及び第6保育所に入所している児童について,
507 保護者がそれぞれの
508 移管先として予定されている民間保育所への入所を希望するならば,
509 これを認める方針である
510
511 5
512
513 ことが明らかにされた。
514
515
516 これに対して,
517 児童の保護者からは,
518 保育士や児童の間の人間関係,
519 保育時間や保育内容な
520 ど,
521 これまで第5保育所や第6保育所において形成されてきた良好な保育環境が,
522 新しい保育
523 所でもそのまま維持されることの確約を求める強い要望が出された。
524
525 A市側は,
526 A市の児童福
527 祉部長(A市保健福祉局に児童福祉部が置かれている。
528
529 )名の書面で,
530 こうした希望が移管先の
531 民間保育所において実現されるよう,
532 市として最大限の努力を払うことを表明した。
533
534
535 〔4〕
536
537 A市は,
538 第5保育所及び第6保育所の敷地・施設等の移管先となる法人を募集し,
539 選考の結
540 果,
541 法人H及び法人Iを選定することとした。
542
543 A市は,
544 平成17年11月10日,
545 法人H及び
546 法人Iとの間で,
547
548 「保育所運営に関する協定」を締結し,
549 前記の移管条件に関する詳細を定めた。
550
551
552 その後,
553 A市議会において,
554 第5保育所及び第6保育所を,
555 平成18年3月31日をもって
556 廃止する旨の条例案(A市保育所設置条例の一部改正条例案)が平成17年12月5日に可決
557 され,
558 A市長は平成17年12月20日にこれを公布した(以下「廃止条例」という。
559
560 )。
561
562
563 法人H及び法人Iは,
564 平成18年1月10日付けで,
565 それぞれH保育所及びI保育所を設置
566 することにつき,
567 児童福祉法第35条第4項に基づく認可をA市長から取得した。
568
569
570
571 〔5〕
572
573 Pは児童Q(平成14年5月26日生まれ)の保護者であり,
574 Qについて,
575 B区内での保育
576 所入所を希望していた。
577
578 平成17年1月5日,
579 児童Qにつき,
580 児童福祉法第24条第2項に基
581 づき,
582 入所を希望する保育所として第6保育所を記した申込書と添付文書を,
583 A市保育実施条
584 例施行規則第2条の定めるところにより,
585 A市B区を管轄する福祉事務所長(以下「B区福祉
586 事務所長」という。
587
588 )に提出した。
589
590
591 B区福祉事務所長は,
592 申込書及び添付文書に基づき,
593 児童Qについて児童福祉法第24条第
594 1項にいう「保育に欠ける」児童に該当すると判断し,
595 保護者Pに対し,
596 実施期間を平成17
597 年4月1日から平成21年3月31日までとして第6保育所において保育することを承諾する
598 旨の通知を,
599 平成17年2月21日付けで行った。
600
601 児童Qは,
602 平成17年4月から第6保育所
603 において保育を受けている。
604
605
606 保護者Pは,
607 A市長の記者会見によって市立保育所民営化方針を知るところとなったが,
608 第
609 6保育所における保育士らと児童らの間の良好な関係や,
610 保護者の間で評価の高い保育内容な
611 どが,
612 新しい民間保育所にうまく引き継がれないのではないか,
613 そのことで児童Qに悪影響が
614 生ずるのではないかと不安を感じている。
615
616 取り分け,
617 第5保育所及び第6保育所に長年勤務し
618 保護者からの信頼の厚いベテラン保育士のほぼ全員が,
619 移管先である法人での勤務条件に不満
620 を抱いて当該法人に移籍することを拒否しており,
621 民営化がなされるならば一斉に退職するら
622 しいという情報も得ており,
623 移管先の民間保育所における保育環境の劣悪化を強く懸念してい
624 る。
625
626
627
628 〔6〕
629
630 平成18年1月16日,
631 A市の児童福祉部長名で,
632 第5保育所及び第6保育所に入所してい
633 る児童の保護者一人一人にあてて,
634 次のような内容の書面が送付された。
635
636
637
638 @
639
640 第5保育所及び第6保育所が平成18年3月31日付けで廃止され,
641 両保育所の敷地,
642 施設,
643
644 備品等が同日付で直ちに,
645 第5保育所に関してはH保育所に,
646 第6保育所に関してはI保育所
647 に,
648 それぞれ引き継がれること。
649
650
651
652 A
653
654 第5保育所及び第6保育所に入所していた児童について,
655 保護者が,
656 B区内における他の市
657 立保育所か,
658 H保育所若しくはI保育所に転所することを希望する場合には,
659 希望する保育所
660 名とその順位を三つまで記した転所希望書を作成し,
661 2月16日までにB区福祉事務所長あて
662 に提出すること。
663
664 なお,
665 保育料は,
666 市立保育所と,
667 H保育所若しくはI保育所とで変わること
668 はない。
669
670
671
672 6
673
674 B
675
676 転所希望書が提出された場合は,
677 当該児童に係る4月1日以降の保育の実施場所について,
678
679 B区福祉事務所長の回答が3月上旬をめどに保護者に通知される予定であること。
680
681 希望書が提
682 出されなかった場合には,
683 B区内における市立保育所又は認可された民間保育所での保育がな
684 されないこと。
685
686
687
688 〔7〕
689
690 保護者Pは,
691 A市の市立保育所民営化方針に伴う自分の苦境について,
692 平成18年1月20
693 日,
694 弁護士Lに相談した。
695
696 弁護士Lは,
697 児童福祉法及びA市における保育の実施状況について,
698
699 同じ事務所の若手弁護士Mに調査を指示したところ,
700 弁護士Mからは,
701 一週間後に次のような
702 レポートが提出された。
703
704
705
706 @
707
708 市町村による「保育の実施」について
709 ・
710
711 児童福祉法によれば,
712
713 「保育に欠ける」児童について,
714 市町村が「保育の実施」を行わなけ
715 ればならない。
716
717 すなわち市町村は,
718 当該児童について,
719 公立の保育所(市町村立保育所又は都
720 道府県立保育所)において,
721 又は認可を受けた民間保育所に委託することによって,
722 「保育の
723 実施」を行うものと解されている。
724
725 以上につき,
726 同法第24条及び第35条を参照。
727
728
729
730 ・
731
732 A市において保護者の負担する保育料は,
733 46の市立保育所と,
734 52の認可民間保育所の
735 いずれに入所するかによって変わることはなく,
736 専ら保護者の前年度の所得等の状況や児童
737 の年齢に応じて,
738 月0円から月6万5,
739 000円までの間で設定されている(数字は平成17
740 年度のもの)。
741
742 児童福祉法第56条第3項及びA市保育実施条例施行規則第22条を参照。
743
744
745
746 ・
747
748 児童福祉法は,
749 同法にいう「保育所」を「日日保護者の委託を受けて,
750 保育に欠けるその
751 乳児又は幼児を保育することを目的とする施設」と定義する(同法第39条第1項)。
752
753 「日日
754 保護者の委託を受けて」とは,
755 事実行為として毎日,
756 保育所が保護者から児童を預かり保育
757 の上保護者に返すという意味であって,
758 保護者と保育所が委託契約を毎日締結するという意
759 味ではないと解されている。
760
761
762
763 ・
764
765 A市においては,
766 A市長の「保育の実施」に係る権限が,
767 児童福祉法第32条第2項に基
768 づき,
769 区毎に設けられた福祉事務所の長に委任されている。
770
771 B区福祉事務所長はこの委任に
772 基づき,
773 保護者Pの申込みを処理している。
774
775
776
777 ・
778
779 児童福祉法第24条に基づき,
780 保護者は,
781 市町村(福祉事務所)に,
782 希望する保育所を記
783 載した申込書を提出する。
784
785 A市における実務運用を見ると,
786
787 「保育に欠ける」と認められた場
788 合,
789 福祉事務所長は,
790 保育所,
791 保育期間,
792 保育料を明記した入所承諾通知書をもって回答す
793 る。
794
795
796 「保育に欠ける」と認められない場合や,
797 希望者が保育所定員を超過して選考となり,
798 選
799 考に漏れた場合などは,
800 入所不承諾通知書をもってその旨を回答する。
801
802
803
804 ・
805
806 児童福祉法にいう「保育実施の解除」とは,
807 保育所を退所させることであり,
808 その事由に
809 ついて,
810 A市保育実施条例施行規則第4条に規定がある。
811
812
813
814 ・
815
816 保育所の利用関係については,
817 例えば次のような見解が述べられている。
818
819
820 (甲説)
821
822 平成9年の児童福祉法改正により,
823 保護者による保育実施の申込みと,
824 これに対
825 する市町村の応諾によって成立する利用契約関係へと変更された。
826
827
828
829 (乙説)
830
831 平成9年の児童福祉法改正により,
832 保育所への入所承諾決定を申請する権利が明
833 文で認められたが,
834 保育所入所承諾決定は行政処分である。
835
836
837
838 ・
839
840 平成9年改正前の児童福祉法においては,
841 保育所に児童を入所させることは,
842 市町村が「措
843 置」という行政処分によってその裁量をもって保育所を決めて行うものであると解されてい
844 た。
845
846 実際には,
847 保護者から市町村(福祉事務所)に入所の申込みが行われ,
848 その際に入所を
849 希望する保育所の聴取りも行われていたが,
850 これは,
851
852 「措置」という行政処分を行うための端
853 緒に過ぎず,
854
855 「措置」を求める申請権が児童福祉法上認められているわけではないという行政
856 解釈が示されていた。
857
858 当時の条文は次のとおりである。
859
860
861 第24条
862
863 市町村は,
864 政令で定める基準に従い条例で定めるところにより,
865 保護者の労働
866
867 7
868
869 又は疾病等の事由により,
870 その監護すべき乳児,
871 幼児又は第39条第2項に規定する児童の
872 保育に欠けるところがあると認めるときは,
873 それらの児童を保育所に入所させて保育する措
874 置を採らなければならない。
875
876 ただし,
877 付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,
878
879 その他の適切な保護を加えなければならない。
880
881
882 A
883
884 大都市特例について
885 ・
886
887 いわゆる政令市の区域においては,
888 地方自治法第252条の19以下のいわゆる大都市等
889 の特例として,
890 児童福祉法において都道府県が処理することとされている事務の多くが,
891 政
892 令市において処理され,
893 それに伴い,
894 種々の読替規定がある。
895
896 児童福祉法第59条の4第1
897 項,
898 児童福祉法施行令第45条第1項,
899 地方自治法施行令第174条の26第1項を参照。
900
901
902
903 ・
904
905 本件において,
906 法人H及び法人Iに対し,
907 それぞれH保育所及びI保育所についての設置
908 認可を,
909 知事ではなくA市長が行ったのも,
910 大都市特例のゆえである。
911
912
913
914 ・
915
916 A市が行う「保育の実施」に要する保育費用の支弁については,
917 児童福祉法第50条では
918 なく,
919 同法第51条が適用されるものと解されている。
920
921 保育の実施に伴う費用の支弁は,
922 従
923 来より市町村が負担していたものであり,
924 大都市特例によって政令市が新たに行うことにな
925 ったものではないからである。
926
927
928
929 B
930
931 無認可保育所について
932 ・
933
934 児童福祉法上の「保育所」は,
935 公立保育所か,
936 同法第35条第4項の認可を受けた民間保
937 育所のいずれかである。
938
939
940
941 ・
942
943 このほかに,
944 同法第39条が定義する「保育所」と同じ内容のサービスを,
945 同法第35条
946 第4項の認可を得ずに提供する民間施設があり,
947 これは認可外保育所(無認可保育所)と呼
948 ばれる。
949
950 認可外保育所は,
951 児童福祉法にいう「保育所」ないし「児童福祉施設」に当たらな
952 いため,
953 児童福祉法第46条の最低基準の適用などがない。
954
955 認可外保育所は,
956 それぞれが直
957 接に,
958 保護者と契約して,
959 保育サービスを提供している。
960
961
962
963 〔8〕
964
965 弁護士Lは弁護士Mに,
966 次のように指示した。
967
968
969 「Pさんと面談したところ,
970 Pさんは,
971 保育士が絶対的に不足するであろうことが目に見えて
972 いるH保育所やI保育所に子供を預ける気にはならないし,
973 B区内の他の市立保育所は既にか
974 なり定員を超過しているので,
975 仮に特例的に受け入れてくれるとしても,
976 子供を預けるには十
977 分な環境ではないことを心配していました。
978
979 ちなみに,
980 B区内の無認可保育所は,
981 どれも極め
982 て規模が小さく,
983 とても受入れの余裕はなさそうです。
984
985 Pさんによれば,
986 こうした状況でのA
987 市の市立保育所民営化方針にはかなり無理があり,
988 やはり第6市立保育所でこのまま保育を受
989 けたいので,
990 転所希望書の提出もしたくないそうです。
991
992 ただ,
993 このまま何もしないと,
994 保育実
995 施の解除がされるかもしれません。
996
997 そうすると4月以降,
998 B区内ではQちゃんを預ける保育所
999 がないことになってしまいますね。
1000
1001 」
1002
1003 (A)
1004 「児童福祉法の仕組みはなかなか複雑なようですが,
1005 とりあえず,
1006 保育実施の解除の性格につ
1007 いて,
1008 君のレポートに示されている見解や関連条文等を手掛かりにして,
1009 処分であるとの主張
1010 を構成してみてください。
1011
1012 」
1013 注)
1014
1015 本問を解答するに当たっては,
1016 公の施設の利用関係について定める地方自治法第244
1017 条から第244条の4までについて言及する必要はない。
1018
1019
1020
1021 ( B)
1022 「Pさんのお子さんが4月1日以降も第6保育所に行くことができるようにするためには,
1023 今
1024 の時点だと,
1025 例えば,
1026 廃止条例を処分と見て,
1027 その取消訴訟を提起することが考えられますね。
1028
1029
1030 住民訴訟は少し迂遠ですし,
1031 間に合いそうにありませんね。
1032
1033 ほかに,
1034 廃止条例制定後の行為を
1035 も視野に入れるとすると,
1036 A市に対してはどのような訴訟を提起することが考えられるか,
1037 そ
1038 の訴訟要件や本案上の主張について,
1039 検討しておいてください。
1040
1041 」
1042 注)
1043
1044 本問を解答するに当たっては,
1045 仮の救済に言及する必要はない。
1046
1047
1048
1049 8
1050
1051 (参照条文)
1052 ○
1053
1054 児童福祉法(昭和22年法律第164号)
1055 第1条
1056
1057 すべて国民は,
1058 児童が心身ともに健やかに生まれ,
1059 且つ,
1060 育成されるよう努めなければな
1061
1062 らない。
1063
1064
1065 2
1066
1067 すべて児童は,
1068 ひとしくその生活を保障され,
1069 愛護されなければならない。
1070
1071
1072
1073 第2条
1074
1075 国及び地方公共団体は,
1076 児童の保護者とともに,
1077 児童を心身ともに健やかに育成する責任
1078
1079 を負う。
1080
1081
1082 第3条
1083
1084 前2条に規定するところは,
1085 児童の福祉を保障するための原理であり,
1086 この原理は,
1087 すべ
1088
1089 て児童に関する法令の施行にあたつて,
1090 常に尊重されなければならない。
1091
1092
1093 第4条
1094
1095 この法律で,
1096 児童とは,
1097 満18歳に満たない者をいい,
1098 児童を左のように分ける。
1099
1100
1101
1102 一
1103
1104 乳児
1105
1106 満1歳に満たない者
1107
1108 二
1109
1110 幼児
1111
1112 満1歳から,
1113 小学校就学の始期に達するまでの者
1114
1115 三
1116
1117 少年
1118
1119 小学校就学の始期から,
1120 満18歳に達するまでの者
1121
1122 第7条
1123
1124 この法律で,
1125 児童福祉施設とは,
1126 助産施設,
1127 乳児院,
1128 母子生活支援施設,
1129 保育所,
1130 児童厚
1131
1132 生施設,
1133 児童養護施設,
1134 知的障害児施設,
1135 知的障害児通園施設,
1136 盲ろうあ児施設,
1137 肢体不自由児
1138 施設,
1139 重症心身障害児施設,
1140 情緒障害児短期治療施設,
1141 児童自立支援施設及び児童家庭支援セン
1142 ターとする。
1143
1144
1145 第8条
1146
1147 ……第46条第4項……の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するため,
1148
1149
1150 都道府県に児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関を置くものとする。
1151
1152 ……
1153 2
1154
1155 前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以下「都道府県児童福祉審議会」という。
1156
1157 )は,
1158
1159 同項に定めるもののほか,
1160 児童,
1161 妊産婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議すること
1162 ができる。
1163
1164
1165
1166 3
1167
1168 市町村(特別区を含む。
1169
1170 以下同じ。
1171
1172 )は,
1173 前項の事項を調査審議するため,
1174 児童福祉に関する審
1175 議会その他の合議制の機関を置くことができる。
1176
1177
1178
1179 4
1180
1181 都道府県児童福祉審議会は,
1182 都道府県知事の,
1183 前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以
1184 下「市町村児童福祉審議会」という。
1185
1186 )は,
1187 市町村長(特別区の区長を含む。
1188
1189 以下同じ。
1190
1191 )の管理
1192 に属し,
1193 それぞれその諮問に答え,
1194 又は関係行政機関に意見を具申することができる。
1195
1196
1197
1198 5
1199
1200 都道府県児童福祉審議会及び市町村児童福祉審議会(以下「児童福祉審議会」という。
1201
1202 )は,
1203 特
1204 に必要があると認めるときは,
1205 関係行政機関に対し,
1206 所属職員の出席説明及び資料の提出を求め
1207 ることができる。
1208
1209
1210
1211 6,
1212 7
1213 第24条
1214
1215 (略)
1216 市町村は,
1217 保護者の労働又は疾病その他の政令で定める基準に従い条例で定める事由に
1218
1219 より,
1220 その監護すべき乳児,
1221 幼児又は第39条第2項に規定する児童の保育に欠けるところがあ
1222 る場合において,
1223 保護者から申込みがあつたときは,
1224 それらの児童を保育所において保育しなけ
1225 ればならない。
1226
1227 ただし,
1228 付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは,
1229 その他の適切な
1230 保護をしなければならない。
1231
1232
1233 2
1234
1235 前項に規定する児童について保育所における保育を行うこと(以下「保育の実施」という。
1236
1237 )を
1238 希望する保護者は,
1239 厚生労働省令の定めるところにより,
1240 入所を希望する保育所その他厚生労働
1241 省令の定める事項を記載した申込書を市町村に提出しなければならない。
1242
1243 ……
1244
1245 3
1246
1247 市町村は,
1248 一の保育所について,
1249 当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に
1250 係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育の実施が困難となることそ
1251 の他のやむを得ない事由がある場合においては,
1252 当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考
1253 することができる。
1254
1255
1256
1257 4,
1258 5
1259 第32条
1260
1261 (略)
1262 (略)
1263
1264 9
1265
1266 2
1267
1268 都道府県知事又は市町村長は,
1269 ……保育の実施等の権限並びに……及び第24条第1項ただし
1270 書に規定する保護の権限の全部又は一部を,
1271 それぞれその管理する福祉事務所の長に委任するこ
1272 とができる。
1273
1274
1275
1276 第33条の4
1277
1278 都道府県知事,
1279 市町村長,
1280 福祉事務所長……は,
1281 次の各号に掲げる措置又は保育の
1282
1283 実施等を解除する場合には,
1284 あらかじめ,
1285 当該各号に定める者に対し,
1286 当該措置又は保育の実施
1287 等の解除の理由について説明するとともに,
1288 その意見を聴かなければならない。
1289
1290 ただし,
1291 当該各
1292 号に定める者から当該措置又は保育の実施等の解除の申出があつた場合その他厚生労働省令で定
1293 める場合においては,
1294 この限りでない。
1295
1296
1297 一,
1298 二
1299
1300 (略)
1301
1302 三
1303
1304 母子保護の実施及び保育の実施
1305
1306 四
1307
1308 (略)
1309
1310 第33条の5
1311
1312 当該母子保護の実施又は保育の実施に係る児童の保護者
1313
1314 ……保育の実施等の解除については,
1315 行政手続法(平成5年法律第88号)第3章
1316
1317 (第12条及び第14条を除く。
1318
1319 )の規定は,
1320 適用しない。
1321
1322
1323 第35条
1324
1325 (略)
1326
1327 2
1328
1329 都道府県は,
1330 政令の定めるところにより,
1331 児童福祉施設を設置しなければならない。
1332
1333
1334
1335 3
1336
1337 市町村は,
1338 厚生労働省令の定めるところにより,
1339 あらかじめ,
1340 厚生労働省令で定める事項を都
1341 道府県知事に届け出て,
1342 児童福祉施設を設置することができる。
1343
1344
1345
1346 4
1347
1348 国,
1349 都道府県及び市町村以外の者は,
1350 厚生労働省令の定めるところにより,
1351 都道府県知事の認
1352 可を得て,
1353 児童福祉施設を設置することができる。
1354
1355
1356
1357 5〜7
1358
1359 (略)
1360
1361 第39条
1362
1363 保育所は,
1364 日日保護者の委託を受けて,
1365 保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること
1366
1367 を目的とする施設とする。
1368
1369
1370 2
1371
1372 (略)
1373
1374 第45条
1375
1376 厚生労働大臣は,
1377 児童福祉施設の設備及び運営……について,
1378 最低基準を定めなければ
1379
1380 ならない。
1381
1382 この場合において,
1383 その最低基準は,
1384 児童の身体的,
1385 精神的及び社会的な発達のため
1386 に必要な生活水準を確保するものでなければならない。
1387
1388
1389 2
1390
1391 児童福祉施設の設置者……は,
1392 前項の最低基準を遵守しなければならない。
1393
1394
1395
1396 3
1397
1398 児童福祉施設の設置者は,
1399 児童福祉施設の設備及び運営についての水準の向上を図ることに努
1400 めるものとする。
1401
1402
1403
1404 第46条
1405
1406 都道府県知事は,
1407 前条の最低基準を維持するため,
1408 児童福祉施設の設置者,
1409 児童福祉施
1410
1411 設の長……に対して,
1412 必要な報告を求め,
1413 児童の福祉に関する事務に従事する職員に,
1414 関係者に
1415 対して質問させ,
1416 若しくはその施設に立ち入り,
1417 設備,
1418 帳簿書類その他の物件を検査させること
1419 ができる。
1420
1421
1422 2
1423
1424 (略)
1425
1426 3
1427
1428 都道府県知事は,
1429 児童福祉施設の設備又は運営が前条の最低基準に達しないときは,
1430 その施設
1431 の設置者に対し,
1432 必要な改善を勧告し,
1433 又はその施設の設置者がその勧告に従わず,
1434 かつ,
1435 児童
1436 福祉に有害であると認められるときは,
1437 必要な改善を命ずることができる。
1438
1439
1440
1441 4
1442
1443 都道府県知事は,
1444 児童福祉施設の設備又は運営が前条の最低基準に達せず,
1445 かつ,
1446 児童福祉に
1447 著しく有害であると認められるときは,
1448 都道府県児童福祉審議会の意見を聴き,
1449 その施設の設置
1450 者に対し,
1451 その事業の停止を命ずることができる。
1452
1453
1454
1455 第49条
1456
1457 この法律で定めるもののほか,
1458 ……児童福祉施設の職員その他児童福祉施設に関し必要
1459
1460 な事項は,
1461 命令で定める。
1462
1463
1464 第50条
1465
1466 次に掲げる費用は,
1467 都道府県の支弁とする。
1468
1469
1470
1471 一〜六
1472
1473 (略)
1474
1475 六の二
1476
1477 都道府県の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用(保育の実施につき第
1478
1479 10
1480
1481 45条の最低基準を維持するために要する費用をいう。
1482
1483 次条第4号及び第4号の2並びに第5
1484 6条第3項において同じ。
1485
1486 )
1487 六の三〜九
1488 第51条
1489
1490 次に掲げる費用は,
1491 市町村の支弁とする。
1492
1493
1494
1495 一〜三
1496 四
1497
1498 (略)
1499
1500 (略)
1501
1502 市町村の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用
1503
1504 四の二
1505
1506 都道府県及び市町村以外の者の設置する保育所における保育の実施に要する保育費用
1507
1508 五〜七
1509
1510 (略)
1511
1512 第56条
1513
1514 (略)
1515
1516 2
1517
1518 (略)
1519
1520 3
1521
1522 第50条第6号の2に規定する保育費用を支弁した都道府県又は第51条第4号若しくは第4
1523 号の2に規定する保育費用を支弁した市町村の長は,
1524 本人又はその扶養義務者から,
1525 当該保育費
1526 用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響を考慮して保育の実施に係る児童の
1527 年齢等に応じて定める額を徴収することができる。
1528
1529
1530
1531 4〜8
1532 9
1533
1534 (略)
1535
1536 都道府県知事又は市町村長は,
1537 ……第3項の規定による費用の徴収……に関し必要があると認
1538 めるときは,
1539 本人又はその扶養義務者の収入の状況につき,
1540 官公署に対し,
1541 必要な書類の閲覧又
1542 は資料の提供を求めることができる。
1543
1544
1545
1546 10
1547
1548 (略)
1549
1550 11
1551
1552 ……第3項……の規定により徴収される費用を,
1553 指定の期限内に納付しない者があるときは,
1554
1555
1556 ……第3項……に規定する費用については地方税の滞納処分の例により処分することができる。
1557
1558
1559 この場合における徴収金の先取特権の順位は,
1560 国税及び地方税に次ぐものとする。
1561
1562
1563 第56条の7
1564
1565 保育の実施への需要が増大している市町村は,
1566 公有財産(地方自治法第238条第
1567
1568 1項に規定する公有財産をいう。
1569
1570 )の貸付けその他の必要な措置を積極的に講ずることにより,
1571 社
1572 会福祉法人その他の多様な事業者の能力を活用した保育所の設置又は運営を促進し,
1573 保育の実施
1574 に係る供給を効率的かつ計画的に増大させるものとする。
1575
1576
1577 2
1578
1579 (略)
1580
1581 第59条の4
1582
1583 この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは,
1584 地方
1585
1586 自治法第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。
1587
1588 )……においては,
1589 政令で
1590 定めるところにより,
1591 指定都市……が処理するものとする。
1592
1593 この場合においては,
1594 この法律中都
1595 道府県に関する規定は,
1596 指定都市……に関する規定として指定都市……に適用があるものとする。
1597
1598
1599 2
1600 ○
1601
1602 (略)
1603 児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号)
1604
1605 ※
1606
1607 この政令において,
1608 「法」とは児童福祉法を指す。
1609
1610
1611
1612 第27条
1613
1614 法第24条第1項の規定による保育の実施は,
1615 児童の保護者のいずれもが次の各号のい
1616
1617 ずれかに該当することにより当該児童を保育することができないと認められる場合であつて,
1618 か
1619 つ,
1620 同居の親族その他の者が当該児童を保育することができないと認められる場合に行うものと
1621 する。
1622
1623
1624 一
1625
1626 昼間労働することを常態としていること。
1627
1628
1629
1630 二
1631
1632 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
1633
1634
1635
1636 三
1637
1638 疾病にかかり,
1639 若しくは負傷し,
1640 又は精神若しくは身体に障害を有していること。
1641
1642
1643
1644 四
1645
1646 同居の親族を常時介護していること。
1647
1648
1649
1650 五
1651
1652 震災,
1653 風水害,
1654 火災その他の災害の復旧に当たつていること。
1655
1656
1657
1658 六
1659
1660 前各号に類する状態にあること。
1661
1662
1663
1664 11
1665
1666 第36条
1667
1668 都道府県は,
1669 法第35条第2項の規定により,
1670 児童自立支援施設を設置しなければなら
1671
1672 ない。
1673
1674
1675 2〜5
1676
1677 (略)
1678
1679 第37条
1680
1681 国,
1682 都道府県又は市町村の設置する児童福祉施設……は,
1683 法第49条の規定により,
1684 そ
1685
1686 れぞれ厚生労働大臣,
1687 都道府県知事又は市町村長が,
1688 これを管理する。
1689
1690
1691 第38条
1692
1693 都道府県知事は,
1694 当該職員をして,
1695 1年に1回以上,
1696 国以外の者の設置する児童福祉施
1697
1698 設が法第45条第1項の規定に基づき定められた最低基準を遵守しているかどうかを実地につき
1699 検査させなければならない。
1700
1701
1702 第45条
1703
1704 地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指
1705
1706 定都市」という。
1707
1708 )において,
1709 法第59条の4第1項の規定により,
1710 指定都市が処理する事務につ
1711 いては,
1712 地方自治法施行令第174条の26第1項から第7項までに定めるところによる。
1713
1714
1715 2
1716 ○
1717
1718 (略)
1719 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)
1720 (児童福祉に関する事務)
1721
1722 第174条の26
1723
1724 地方自治法第252条の19第1項の規定により,
1725 指定都市が処理する児童福
1726
1727 祉に関する事務は,
1728 児童福祉法及び児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号)……の規定に
1729 より,
1730 都道府県が処理することとされている事務……とする。
1731
1732 この場合においては,
1733 ……児童福
1734 祉法及び同令……中都道府県に関する規定……は,
1735 指定都市に関する規定として指定都市に適用
1736 があるものとする。
1737
1738
1739 2
1740
1741 (略)
1742
1743 3
1744
1745 第1項の場合においては,
1746 指定都市は,
1747 第5項の規定によりその権限に属させられた事項を調
1748 査審議するため,
1749 児童福祉法第8条第3項の規定により児童福祉に関する審議会その他の合議制
1750 の機関を置くものとする。
1751
1752 ……
1753
1754 4
1755
1756 (略)
1757
1758 5
1759
1760 第1項の場合においては,
1761 第3項に規定する児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関…
1762 …は,
1763 児童福祉法……第46条第4項……の規定による権限を有するものとする。
1764
1765
1766
1767 6
1768
1769 (略)
1770
1771 7
1772
1773 第1項の場合においては,
1774 児童福祉法……第35条第3項……中「市町村」とあるのは「指定
1775 都市以外の市町村」と,
1776 同法第46条第1項,
1777 第3項及び第4項中「児童福祉施設」とあるのは
1778 「児童福祉施設(都道府県が設置するものを除く。
1779
1780 )」と,
1781 同法第51条……第4号中「市町村」
1782 とあるのは「都道府県及び市町村」と,
1783 ……読み替えるものとする。
1784
1785
1786
1787 8
1788 ○
1789
1790 (略)
1791 児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)
1792
1793 ※
1794
1795 この省令において,
1796 「法」とは児童福祉法を指す。
1797
1798
1799
1800 第24条
1801 一
1802
1803 法第24条第2項に規定する厚生労働省令の定める事項は,
1804 次のとおりとする。
1805
1806
1807
1808 法第24条第1項の規定による保育の実施(以下単に「保育の実施」という。
1809
1810 )を希望する保
1811 護者の氏名,
1812 居住地,
1813 生年月日及び職業
1814
1815 2
1816
1817 二
1818
1819 保育の実施に係る児童の氏名及び生年月日
1820
1821 三
1822
1823 保育の実施を希望する理由
1824 法第24条第2項前段に規定する申込書は,
1825 保育の実施を希望する保護者の居住地の市町村に
1826
1827 提出しなければならない。
1828
1829
1830 3
1831
1832 前項の申込書には,
1833 法第56条第3項の規定により徴収する額の決定のために必要な事項に関
1834 する書類を添えなければならない。
1835
1836
1837
1838 12
1839
1840 4
1841 ○
1842
1843 (略)
1844 児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)
1845 第5章
1846
1847 保育所
1848
1849 (設備の基準)
1850 第32条
1851
1852 保育所の設備の基準は,
1853 次のとおりとする。
1854
1855
1856
1857 一〜八
1858
1859 (略)
1860
1861 (職員)
1862 第33条
1863 2
1864
1865 保育所には,
1866 保育士,
1867 嘱託医及び調理員を置かなければならない。
1868
1869 ……
1870
1871 保育士の数は,
1872 乳児おおむね3人につき1人以上,
1873 満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね
1874 6人につき1人以上,
1875 満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね20人につき1人以上,
1876 満4歳
1877 以上の幼児おおむね30人につき1人以上とする。
1878
1879 ただし,
1880 保育所1につき2人を下ることはで
1881 きない。
1882
1883
1884 (保育期間)
1885
1886 第34条
1887
1888 保育所における保育時間は,
1889 1日につき8時間を原則とし,
1890 その地方における乳児又は
1891
1892 幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して,
1893 保育所の長がこれを定める。
1894
1895
1896 (保育の内容)
1897 第35条
1898
1899 保育所における保育の内容は,
1900 健康状態の観察,
1901 服装等の異常の有無についての検査,
1902
1903
1904 自由遊び及び昼寝のほか,
1905 第12条第1項に規定する健康診断を含むものとする。
1906
1907
1908 (保護者との連絡)
1909 第36条
1910
1911 保育所の長は,
1912 常に入所している乳児又は幼児の保護者と密接な連絡をとり,
1913 保育の内
1914
1915 容等につき,
1916 その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。
1917
1918
1919 ○
1920
1921 A市立保育所設置条例(昭和39年条例第○号)
1922 第1条
1923
1924 市内に居住する乳幼児の福祉を増進するため,
1925 本市に,
1926 保育所(以下「市立保育所」とい
1927
1928 う。
1929
1930 )を設置する。
1931
1932
1933 第2条
1934
1935 市立保育所の名称及び位置は,
1936 次のとおりとする。
1937
1938
1939
1940 A市立第1保育所
1941
1942 A市B区松野2丁目3番地
1943
1944 A市立第2保育所
1945
1946 A市B区竹山3丁目4番地
1947
1948 A市立第3保育所
1949
1950 A市B区梅田4丁目5番地
1951
1952 A市立第4保育所
1953
1954 A市B区桃井5丁目6番地
1955
1956 A市立第5保育所
1957
1958 A市B区桜丘6丁目7番地
1959
1960 A市立第6保育所
1961
1962 A市B区菊川7丁目8番地
1963
1964 ……………
1965 A市立第46保育所
1966 第3条
1967 ○
1968
1969 A市G区桜谷8丁目9番地
1970
1971 (以下略)
1972
1973 A市保育実施条例(昭和39年条例第○号)
1974 第1条
1975
1976 この条例は,
1977 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第24条第1項の規定に基づき,
1978
1979
1980 保育の実施に必要な事項を定めることを目的とする。
1981
1982
1983 第2条
1984
1985 保育の実施は,
1986 児童の保護者のいずれもが次の各号のいずれかに該当することにより当該
1987
1988 児童を保育することができないと認められる場合であつて,
1989 かつ,
1990 同居の親族その他の者が当該
1991 児童を保育することができないと認められる場合に行うものとする。
1992
1993
1994 (ア)
1995
1996 昼間労働することを常態としていること。
1997
1998
1999
2000 (イ)
2001
2002 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
2003
2004
2005
2006 (ウ)
2007
2008 疾病にかかり,
2009 若しくは負傷し,
2010 又は精神若しくは身体に障害を有していること。
2011
2012
2013
2014 13
2015
2016 (エ)
2017
2018 同居の親族を常時介護していること。
2019
2020
2021
2022 (オ)
2023
2024 震災,
2025 風水害,
2026 火災その他の災害の復旧に当たつていること。
2027
2028
2029
2030 (カ)
2031
2032 前各号に類する状態にあること。
2033
2034
2035
2036 第3条
2037
2038 申込みの手続その他保育の実施に必要な事項は,
2039 市長が別に定める。
2040
2041
2042
2043 ○
2044
2045 A市保育実施条例施行規則(昭和39年規則第○号)
2046 第1条
2047
2048 この規則は,
2049 児童福祉法(昭和22年法律第164号。
2050
2051 以下「法」という。
2052
2053 ),
2054 児童福祉法
2055
2056 施行令(昭和23年政令第74号。
2057
2058 以下「施行令」という。
2059
2060 ),
2061 児童福祉法施行規則(昭和23年厚
2062 生省令第11号。
2063
2064 以下「施行規則」という。
2065
2066 )及びA市保育実施条例(以下「実施条例」という。
2067
2068 )
2069 の施行に関し必要な事項を定めるものとする。
2070
2071
2072 第2条
2073
2074 保護者は,
2075 保育所に児童の保育を委託しようとするときは,
2076 保育所入所申込書を福祉事務
2077
2078 所長に提出し,
2079 その承諾を得なければならない。
2080
2081
2082 2
2083
2084 福祉事務所長は,
2085 保育上又は管理上適当でないと認めるときは,
2086 前項の承諾をしないことがで
2087 きる。
2088
2089
2090
2091 第3条
2092
2093 福祉事務所長は,
2094 前条の承諾又は不承諾を決定したときは,
2095 保育所入所承諾書又は保育所
2096
2097 入所不承諾書によりこれを申込者に通知するものとする。
2098
2099
2100 第4条
2101
2102 福祉事務所長は,
2103 次の各号に定める場合においては,
2104 児童につき,
2105 一時その出席を停止し,
2106
2107
2108 又は退所させることができる。
2109
2110
2111 (ア)
2112
2113 実施条例第2条に該当しなくなったとき
2114
2115 (イ)
2116
2117 保護者が福祉事務所長の行う保育上の指示に従わないとき
2118
2119 (ウ)
2120
2121 疾病その他の事由により他の児童に悪影響を及ぼすおそれがあるとき
2122
2123 (エ)
2124
2125 第2条第2項に該当するに至ったとき
2126
2127 (オ)
2128
2129 その他児童を出席させることが適当でないと福祉事務所長において認めるとき
2130
2131 第5条
2132
2133 福祉事務所長は,
2134 前条の規定により児童を退所させるときは,
2135 保育実施解除通知書により
2136
2137 これを保護者に通知するものとする。
2138
2139
2140 第22条
2141
2142 福祉事務所長は,
2143 法第56条第2項又は第3項の規定により,
2144 本人又はその扶養義務者
2145
2146 から徴収金として,
2147 次に掲げる額を徴収する。
2148
2149
2150 (ア)
2151
2152 保育の実施に係る費用
2153
2154 別表第1
2155
2156 ……
2157 別表第1
2158
2159 (略)
2160
2161 14
2162
2163