1 論文式試験問題集[知的財産法]
2
3 - 1 -
4
5 [知的財産法]
6 〔第1問〕(配点:50)
7 Aは,
8 B社に在職中にその職務として発明αをなした。
9
10 B社が設ける勤務規則には,
11
12 「会社は職務
13 発明の特許を受ける権利を承継する。
14
15 ただし,
16 会社がその権利を承継する必要がないと認めたとき
17 は,
18 この限りでない。
19
20 」と規定されていたところ,
21 B社は,
22 発明αは実用化が難しいため価値がない
23 と考え,
24 その特許を受ける権利を承継しなかった。
25
26 B社の発明αに対する低い評価に失望したAは,
27
28 B社を退職した後,
29 当該発明について特許出願し,
30 特許権を取得した。
31
32 その後,
33 関連技術の開発に
34 よって,
35 発明αの実用化が容易となったため,
36 B社の競業者であるC社は当該発明を実施したいと
37 考え,
38 Aに対して実施契約の締結を申し入れた。
39
40 交渉の結果,
41 AがC社に対して前記特許権の独占
42 的通常実施権を許諾する旨の契約が締結され,
43 この契約に基づき,
44 C社は発明αを実施している。
45
46
47 〔設
48
49 問〕
50
51 1.B社は,
52 C社が販売する発明αに係る製品の売行きが好調であることから,
53 当該発明が高い
54 経済的価値を有することに気付き,
55 当該発明を実施し始めた。
56
57 B社の競業者であるD社も,
58
59 明αを実施し始めた。
60
61 B社及びD社は,
62 いずれもその実施についてAの承諾を得ていない。
63
64
65 の場合において,
66 C社は,
67 B社及びD社に対し,
68 その実施の差止め及び損害賠償を請求するこ
69 とができるか。
70
71
72 2.Aは,
73 C社との前記実施契約締結後に,
74 同社よりも高額の実施料を申し出たE社との間で,
75
76 前記特許権の専用実施権設定契約を締結した。
77
78 E社は,
79 その専用実施権の設定登録がなされる
80 前に,
81 発明αを実施するC社に対し,
82 その実施の差止め及び損害賠償を請求することができる
83 か。
84
85 設定登録がなされた後であればどうか。
86
87
88 3.F社の従業者Gは,
89 出願公開がされたAの出願を見て,
90 発明αの将来性を見抜き,
91 当該発明
92 に関する研究開発を行った。
93
94 その結果,
95 Gは,
96 発明αを改良した発明βをなした。
97
98 Gから発明
99 βの特許を受ける権利を承継したF社は,
100 当該発明について特許出願し,
101 特許権を取得した。
102
103
104 発明αの特許権の専用実施権者となったE社は,
105 発明βを実施するF社に対し,
106 その実施の差
107 止め及び損害賠償を請求することができるか。
108
109
110
111 - 2 -
112
113 〔第2問〕(配点:50)
114 Aは,
115 松尾芭蕉の生涯をテーマとした劇場用映画を企画し,
116 自己の危険と責任において,
117 その製
118 作に必要な資金の調達,
119 その製作に従事するスタッフ,
120 キャストの選定・雇入れ,
121 スケジュール管
122 理等の活動を行って,
123 映画αを製作した。
124
125 その監督を担当したのは,
126 Bであり,
127 主題歌である楽曲
128 βを作曲したのは,
129 Cであった。
130
131 映画αは白黒映画とされたが,
132 それは,
133 Aが当該映画を懐古的な
134 雰囲気の漂うものとすることを構想していたためであり,
135 Bは,
136 Aから依頼を受けて監督となるこ
137 とを約束した際,
138 当該映画がAの構想に合致したものとなるように監督することを了承した。
139
140 また,
141
142 Cも,
143 映画αの主題歌を古風なイメージの曲にしてもらいたいとのAの依頼を受け入れ,
144 雅楽を部
145 分的に取り入れた楽曲βを作曲した。
146
147 映画αはAによって劇場公開されたが,
148 観客数はAが見込ん
149 でいたよりも少なかった。
150
151 そこで,
152 Aは,
153 その投資に見合う収益を得ることを期待して,
154 当該映画
155 の複製物であるDVDを販売している。
156
157 A,
158 B及びCはいずれも,
159 いずれかの者の業務に従事する
160 者ではない。
161
162
163 〔設
164
165 問〕
166
167 1.Dは,
168 Aが販売し,
169 小売店を介して消費者が購入した,
170 映画αの複製物であるDVDを購入
171 者から買い入れ,
172 中古品として販売している。
173
174 Aは,
175 Dに対し,
176 その販売の差止めを請求する
177 ことができるか。
178
179
180 また,
181 Dが,
182 買い入れたDVDを,
183 販売するのではなく,
184 その経営するレンタル店において
185 貸与している場合には,
186 Aは,
187 Dに対し,
188 その貸与の差止めを請求できるか。
189
190
191 2.Eは,
192 インターネット上に俳句に関する情報を掲載したホームページを開設している。
193
194 Eは,
195
196 そのホームページに映画αを掲載すれば,
197 多くの人がアクセスするようになると思い,
198 無断で
199 当該映画を掲載した。
200
201
202 Fは,
203 Eと同様にインターネット上に俳句に関する情報を掲載したホームページを開設して
204 いるところ,
205 映画αが白黒映画であるために,
206 これを鑑賞する者が松尾芭蕉の偉大さを深く理
207 解することができないと考え,
208 無断で,
209 当該映画をカラー化した映画α’を作成し,
210 これを自
211 己のホームページに掲載した。
212
213
214 (1)
215
216 Bは,
217 Eに対してそのホームページから映画αを削除することを,
218 Fに対してそのホーム
219
220 ページから映画α’を削除することを,
221 それぞれ請求することができるか。
222
223
224 (2)
225
226 Bの死後,
227 Bの妻であるGは,
228 E及びFに対し,
229 前記(1)と同様の請求をすることができる
230
231 か。
232
233
234 (3)
235
236 Cは,
237 E及びFに対し,
238 前記(1)と同様の請求をすることができるか。
239
240
241
242 - 3 -
243
244 - 4 -
245
246 論文式試験問題集[労
247
248 - 5 -
249
250
251
252 法]
253
254 [労
255
256
257
258 法]
259
260 〔第1問〕(配点:50)
261 次の各問に答えなさい(なお,
262 準拠法は日本法とし,
263 国際私法上の論点に触れる必要はありませ
264 ん。
265
266 )。
267
268
269 1.あなたが弁護士としてXから次のような相談を受けた場合,
270 どのような法律上の問題点がある
271 と回答しますか。
272
273
274 2.XがYに対し雇用契約上の地位確認訴訟を提起した場合,
275 文中の下線部@からCまでの各事実
276 はその訴訟においてどのような意味を持つと考えますか。
277
278
279 私(X)は,
280 平成16年4月1日付けで,
281 学校法人Yが経営する私立大学(以下「Y大学」と
282 いう。
283
284 )の専任講師として採用され,
285 経済学部において経済統計学,
286 銀行論,
287 英語,
288 ゼミを担当し
289 ていましたが,
290 Y大学は,
291 平成17年1月になって,
292 3月31日の任期満了をもって専任講師を
293 辞めてもらうと通告してきました。
294
295 Y大学は,
296 学長であり理事長でもあるA氏(以下「A学長」
297 という。
298
299 )が設立した大学で,
300 人事や予算などすべての実権をA学長が握っています。
301
302
303 そもそも私は,
304 平成7年に日本の大学を卒業した後,
305 アメリカに留学して経済学の勉強をし,
306
307 経済学博士の学位を取得し,
308 アメリカの銀行や経済研究所で働いていましたが,
309 両親が年を取っ
310 てきたので,
311 日本の大学で教員をしようと考えていたところ,
312 平成15年12月に,
313 インターネ
314 ットで,
315 Y大学が英語に堪能な経済学関係の教員を募集していることを知りました。
316
317 そこで,
318
319 ールで経歴を送って応募したところ,
320 年末に,
321 A学長から,
322
323 「君こそ私が求めていた人材だ。
324
325 今度
326 アメリカに行くので,
327 是非とも会って話をしたい。
328
329 」とのメールをもらい,
330 平成16年1月10日
331 にニューヨークでA学長と面談しました。
332
333 A学長は,
334 ご自分もアメリカの大学で教育学博士号を
335 取得したとのことで,
336 私が英語に堪能で,
337 経済学や銀行論にも詳しいことを知り,
338 すっかり気に
339 入ってくれて,
340 @「将来は,
341 我が大学の経済学部の教授になってもらいたいが,
342 他の教員の手前
343 もあるので,
344 最初は任期付きの専任講師で我慢してもらえないか。
345
346 」と言いました。
347
348 私の年齢で最
349 初から助教授に採用された人はいないそうですし,
350 将来を保証するというので,
351
352 「最初は講師でも
353 構いませんよ。
354
355 」と返事しました。
356
357 そして,
358 平成16年3月5日に帰国し,
359 4月1日からY大学で
360 教え始めたのです。
361
362
363 確かに,
364 辞令では,
365
366 「経済学部専任講師を命じる。
367
368 任期は平成16年4月1日から平成17年3
369 月31日までとする。
370
371 」と記載されていましたが,
372 A私は,
373 英語を週4コマと,
374 経済統計学,
375 銀行
376 論,
377 そしてゼミを担当しており,
378 この授業負担は教授や助教授の先生と同じでしたし,
379 経済学部
380 の建物内に研究室を与えられ,
381 教授会にもオブザーバーとして出席していましたので,
382 この点で
383 も教授や助教授の先生方と何の違いもありませんでした。
384
385
386 BA学長は,
387 当初は私を高く評価してくれていましたが,
388 平成16年の秋にアメリカから招い
389 たA学長の恩師の講演会で,
390 私が恩師を侮辱する質問をしたと言って私のことをひどく叱責しま
391 した。
392
393 Cその後,
394 A学長は,
395 私が英語の授業中に女子学生にセクハラまがいの質問をしたとか,
396
397 研究業績が不足しているとか,
398 協調性がないなどと言い出し,
399 今回の任期満了通告になったわけ
400 です。
401
402
403 私は,
404 Y大学で教授になる前提で勤め始めたので,
405 4月1日以降もY大学で研究と授業を続け
406 たいと思っています。
407
408 仮に,
409 研究室を閉め出されると,
410 研究に支障が出ますし,
411 キャリアも傷つ
412 きますので,
413 賃金だけでなく研究室の使用を認めてもらいたいと思っています。
414
415
416
417 - 6 -
418
419 〔第2問〕(配点:50)
420 次の文章を読んで,
421 末尾の設問に答えなさい。
422
423
424 甲株式会社(以下「会社」という。
425
426 )には500名の従業員がおり,
427 うち300名がA労働組合
428 に所属する組合員(以下「A組合」「
429 ・ A組合員」という。
430
431 )であり,
432 うち20名がB労働組合に所
433 属する組合員(以下「B組合」「
434 ・ B組合員」という。
435
436 )である。
437
438 その他は非組合員である。
439
440
441 賃上げ(ベースアップ)については就業規則上特段の定めはなく,
442 一時金については就業規則
443 上,
444 「会社の業績に応じて7月及び12月に一時金を支給する。
445
446 」との条項がある。
447
448
449 会社では過去10年間にわたって,
450 A組合・B組合とも春闘要求として,
451 毎年3月ごろから新
452 年度の賃上げ及び一時金(夏季一時金・冬季一時金)を要求し,
453 会社と団体交渉の結果,
454 それぞ
455 れについてすべて妥結し,
456 賃上げ及び一時金について一括した確認書を締結した上で,
457 賃上げ及
458 び一時金の支給を実施してきた。
459
460 ちなみに,
461 平成16年度の妥結内容は賃上げ率として組合員平
462 均2.5%,
463 夏季一時金は月額給与の3か月分(7月1日支給),
464 冬季一時金は月額給与の3か月
465 分(12月1日支給)であった。
466
467 ここ10年間,
468 一時金の支給月数は同一であり,
469 支給日もほと
470 んど変わりがなく,
471 非組合員も同様の取扱いがなされてきた。
472
473
474 平成17年度についても,
475 A組合・B組合とも従来と同様,
476 賃上げとして組合員平均5%,
477
478 季・冬季一時金としてそれぞれ月額給与の4か月分(それぞれ7月1日,
479 12月1日支給)を文
480 書により要求した。
481
482 この要求に対して,
483 会社は,
484 業績が悪化しており今後赤字に転落する可能性
485 が極めて高いこと等を理由に,
486 A組合・B組合のいずれに対しても,
487 次のとおり文書回答をした。
488
489
490 「平成17年度については,
491 @
492
493 賃上げについては実施しない,
494 A
495
496 @の条件を組合が受諾する
497
498 場合には,
499 夏季一時金及び冬季一時金を前年度と同様それぞれ3か月分(平成16年度の月額給
500 与を基礎とする)とし,
501 前年度と同じ期日に支給する。
502
503
504 この会社回答を巡って各組合は会社と団体交渉を行ったが,
505 会社が提示内容を譲らなかったの
506 で,
507 A組合はやむなく会社の回答を受諾し,
508 確認書を締結した。
509
510 一方,
511 B組合は,
512 会社の態度が
513 不誠実であるとして,
514 合意に至らなかった。
515
516 そこで,
517 B組合は,
518 会社回答のうち,
519 @の条件は受
520 諾できないが,
521 Aの一時金支給月数及び支給日については妥結する旨の文書を会社に交付した。
522
523
524 会社は7月1日,
525 非組合員及びA組合員に対し,
526 会社回答に従って夏季一時金を支給したが,
527
528 B組合員に対しては夏季一時金についてB組合と未妥結であることを理由に支給しなかった。
529
530
531 〔設
532
533 問〕
534
535 B組合から所属組合員の夏季一時金を請求したいとの相談を受けて,
536 あなたがその組
537
538 合員の代理人弁護士として会社を被告に訴えを提起する場合,
539 どのような法的構成が考えられま
540 すか。
541
542 考えられる法的構成を挙げ,
543 それぞれについて論じてください。
544
545
546
547 - 7 -
548
549 - 8 -
550
551 論文式試験問題集[租
552
553 - 9 -
554
555
556
557 法]
558
559 [租
560
561
562
563 法]
564
565 〔第1問〕(配点:50)
566 A株式会社は,
567 広告代理業を営んでおり,
568 営業社員(雇用契約により雇用される従業員)を多数
569 雇用している。
570
571 A社は,
572 営業社員に,
573 見込み客リスト(営業活動の対象とする法人や個人の住所・
574 電話等が記載されたもの)を提供し,
575 営業社員は,
576 そのリストや自分で収集した情報に基づいて,
577
578 会社から電話したり,
579 訪問したりして広告契約を獲得する営業活動を行っている。
580
581 営業社員の給与
582 は,
583 毎月定額で支払われる固定給と営業成績に応じて支払われる歩合給からなっており,
584 給与とし
585 ての源泉徴収がされている。
586
587
588 ところが,
589 営業社員の中で特に業績のよいBが,
590 自分は営業成績を上げるために,
591 営業用自動車
592 に関する費用,
593 通信費,
594 交際費など諸費用を自分で負担しているので,
595 社員扱いでなく,
596 独立事業
597 者扱いにしてほしい,
598 そうすれば諸費用を経費として計上できるので税金が少なくて済む,
599 そうで
600 なければ競合する他社に移籍したいと言い出した。
601
602
603 A社は,
604 やむを得ず,
605 Bの申出を受け入れ,
606 Bと業務委託契約を締結し,
607 委託料は定額委託料(従
608 前の固定給より少額)及び営業成績に応じた成果委託料(従前の歩合給より高率)とし,
609 報酬とし
610 ての源泉徴収を行うように変更した。
611
612 そして,
613 Bは,
614 社会保険も国民健康保険と国民年金に切り替
615 えた上,
616 自ら事業所得として所得税の確定申告を行い,
617 A社から得た報酬から必要経費を控除した
618 ものを所得として申告した。
619
620 しかし,
621 前記変更後も,
622 Bは,
623 A社に専属しA社以外の仕事は行わず,
624
625 A社内で電話による営業活動を行った場合の電話料を負担していない。
626
627 また,
628 A社は,
629 Bに出勤を
630 義務付けていないが,
631 Bの出勤状況は従前と同様である。
632
633
634 C税務署は,
635 A社に対する税務調査を行った結果,
636 Bに対する支払について給与としての源泉徴
637 収を行うべきであるとして,
638 源泉所得税納税告知処分を行った。
639
640
641 〔設
642
643 問〕
644
645 1.A社の代理人として,
646 Bの所得が事業所得であるとの立場で主張するとすれば,
647 どのような
648 主張が考えられるか。
649
650
651 2.国の代理人として,
652 Bの所得が給与所得であるとの立場で主張するとすれば,
653 どのような主
654 張が考えられるか。
655
656
657 〔第2問〕(配点:50)
658 昭和40年3月ごろ,
659 Aは,
660 本件土地を100万円で購入した。
661
662 Aは一人で暮らしていたが,
663
664 年にわたり世話になっていたB株式会社に対し本件土地を寄付したいと考え,
665 その旨の遺言をして
666 いた。
667
668 Aは平成16年1月に死亡し,
669 遺言に基づき,
670 平成16年2月に本件土地の所有権の登記が
671 B株式会社に移転した。
672
673 不動産鑑定士の意見によると,
674 本件土地の時価は3,
675 000万円と評価さ
676 れるとのことである。
677
678 なお,
679 Bの事業年度は1月1日に始まり12月31日に終わる。
680
681
682 〔設
683
684 問〕
685
686 1.平成16年分のAと平成16事業年度のBの課税関係はどうなるか。
687
688 後記2の事実がないも
689 のとして論じなさい。
690
691
692 2.昭和59年4月から,
693 AのおいのCが本件土地の上に家屋を建てて暮らしており,
694 Aは生前
695 それを黙認していた。
696
697 Cは,
698 平成16年6月,
699 Aからの生前贈与を理由として,
700 Bに対して所
701 有権移転登記を求めて訴訟を提起した。
702
703 訴訟追行の過程で,
704 Cは,
705 平成17年1月になって時
706 効を援用し,
707 時効取得の主張を追加した。
708
709 裁判所は20年の時効の成立を認め,
710 平成17年7
711 月にCを勝訴させた。
712
713 判決の確定をうけ,
714 平成17年10月に本件土地の登記がCに移転した。
715
716
717 この判決の認定を前提とする場合,
718 Cはどう課税されることになるか。
719
720
721 - 10 -
722
723 論文式試験問題集[倒
724
725 - 11 -
726
727
728
729 法]
730
731 [倒
732
733
734
735 法]
736
737 〔第1問〕(配点:50)
738 A会社は,
739 平成17年7月30日,
740 S会社に対し,
741 鋼材200トンを,
742 代金1,
743 600万円(1
744 トンあたり8万円)で,
745 代金の支払期日を9月20日として売り渡した。
746
747
748 S会社は,
749 当面の運転資金を得るために,
750 (1)8月5日,
751 B会社に対し,
752 前記鋼材のうち60トン
753 を,
754 代金480万円(1トンあたり8万円)で,
755 代金の支払期日を9月5日として売り渡し,
756 次い
757 で,
758 (2)8月10日,
759 C会社に対し,
760 前記鋼材のうち100トンを,
761 代金700万円(1トンあたり
762 7万円)で売り渡し,
763 同社から支払手形(満期10月5日)を受け取った。
764
765
766 しかし,
767 S会社が資金繰りに窮したため,
768 同社の経営状況の悪化に不安を抱いたA会社は,
769 前記
770 鋼材200トン分の売買代金債権1,
771 600万円の回収を図るため,
772 8月25日,
773 S会社から,
774
775 物弁済として,
776 前記のとおりA会社から買い受けたものの売れ残ってS会社の倉庫に保管されてい
777 た鋼材40トンの引渡しを受けたが,
778 A会社は,
779 さらに,
780 S会社に対し,
781 B会社及びC会社に転売
782 された鋼材分の売買代金債権についても返済を求めた。
783
784
785 そこで,
786 S会社は,
787 まず,
788 B会社に転売された前記鋼材60トン分については,
789 A会社に対する
790 売買代金債務の代物弁済として,
791 B会社に対して有する売買代金債権をA会社に譲渡することとし,
792
793 A会社は,
794 8月30日,
795 S会社から,
796 代物弁済として,
797 B会社に対する前記売買代金債権の譲渡を
798 受け,
799 9月1日に,
800 S会社からB会社に対し,
801 確定日付のある証書による債権譲渡の通知がされた。
802
803
804 他方,
805 C会社に転売された前記鋼材100トン分については,
806 まず,
807 S会社は,
808 C会社との間で
809 交渉を行い,
810 8月30日,
811 同社との間で,
812 前記鋼材100トン分の売買契約を合意解除するととも
813 に,
814 同社から受け取った支払手形を返還する旨の合意をした。
815
816 S会社は,
817 さらに,
818 同日,
819 A会社と
820 の間で,
821 売買の目的物である鋼材100トンをS会社のA会社に対する売買代金債務について代物
822 弁済として譲渡する旨の合意を成立させた。
823
824 そして,
825 同日,
826 S会社は,
827 これらに従って,
828 C会社に
829 支払手形を返還し,
830 C会社からA会社に対し,
831 当該鋼材100トンが引き渡された。
832
833
834 S会社は,
835 9月20日には支払不能の状態に陥り,
836 9月30日,
837 自ら破産手続開始の申立てをし
838 た。
839
840 その後,
841 10月7日にS会社に対して破産手続開始の決定がされ,
842 Xが破産管財人に選任され
843 た。
844
845
846 〔設
847
848 問〕
849
850 破産管財人Xは,
851 A会社に対し,
852 (1)売れ残った鋼材40トン分,
853 (2)B会社に転売さ
854
855 れた鋼材60トン分及び(3)C会社に転売された鋼材100トン分について,
856 どのような請求をす
857 ることができるか検討せよ。
858
859 なお,
860 解答するに当たっては,
861 C会社に転売された鋼材100トン
862 分についてと同様の方法で売買代金債権の回収が行われた事案に関する以下の見解の当否を検討
863 しつつ論ぜよ。
864
865
866 「動産売買の先取特権の目的物が買主から第三取得者(転買人)に引き渡された後に買主が
867 その所有権及び占有を回復したことにより,
868 売主が前記目的物に対して再び先取特権を行使し
869 得ることになるとしても,
870 買主が転売契約を合意解除して第三取得者から本件物件を取り戻し
871 た行為は,
872 売主に対する関係では,
873 法的に不可能であった担保権の行使を可能にするという意
874 味において,
875 実質的には新たな担保権の設定と同視し得るものと解される。
876
877 そして,
878 本件代物
879 弁済は,
880 本件物件を売主に返還する意図の下に,
881 転売契約の合意解除による本件物件の取戻し
882 と一体として行われたものであり,
883 義務なくして設定された担保権の目的物を買主が被担保債
884 権(代金債権)の代物弁済に供する行為に等しいというべきである。
885
886
887
888 - 12 -
889
890 〔第2問〕(配点:50)
891 以下の事例を読んで,
892 設問1から3までに解答せよ。
893
894
895 【事例】
896 A社は,
897 洋菓子の製造販売を行っている従業員30人ほどの老舗の有限会社である。
898
899 洋菓子の
900 販売自体は順調であるが,
901 先代の社長が,
902 レストラン部門への進出を試みるなどの事業展開をし
903 たために,
904 過大投資が原因で,
905 ここ数か月は債務の支払が苦しくなってきている。
906
907
908 A社は,
909 借地上に工場兼販売店舗(第1号店)として甲建物を有しており,
910 この甲建物には,
911
912 第1順位抵当権者B銀行(被担保債権額2,
913 000万円),
914 第2順位抵当権者C信用金庫(被担保
915 債権額4,
916 000万円)の各抵当権が設定されている。
917
918
919 A社は,
920 先代の社長のころに,
921 レストラン用の土地としてDから乙土地を購入したが,
922 現在の
923 社長がレストラン部門への進出を取りやめたために,
924 乙土地をEに譲渡した。
925
926 もっとも,
927 この2
928 度の売買については,
929 いずれも代金は支払われたものの,
930 DとA社との間で代金額を巡ってなお
931 争いがあるため,
932 DからA社への所有権移転登記はされておらず,
933 A社の社長と旧知の仲である
934 Eは,
935 DからA社への所有権移転登記がされたらEへの所有権移転登記をするということでいい,
936
937 と言っていた。
938
939 しかし,
940 DがいつまでもA社への所有権移転登記に応じないことから,
941 Eは,
942
943 社への移転登記請求権を保全するために,
944 Dを被告として,
945 DからA社への所有権移転登記手続
946 を求める訴訟を提起した(第一審に係属中。
947
948 この訴訟を訴訟@とする。
949
950 )。
951
952
953 A社がDから乙土地を購入した時点では,
954 乙土地はコイン式駐車場になっていたところ,
955 コイ
956 ン式駐車場の設備を除去するために,
957 A社は造成工事業者Fと請負契約を締結し,
958 Fは約定に従
959 って当該設備を除去して乙土地をA社に引き渡した。
960
961 しかし,
962 A社がFへの請負報酬(500万
963 円)の支払をしなかったため,
964 Fは,
965 A社に対して請負報酬500万円の支払を求める訴訟を提
966 起した(第一審に係属中。
967
968 この訴訟を訴訟Aとする。
969
970 )。
971
972 なお,
973 A社は,
974 この訴訟の中で,
975 Fへの
976 請負報酬支払債務は,
977 A社が乙土地をEに譲渡した際,
978 EがA社に代わって支払う旨約束してお
979 り,
980 Fもこれを承諾したと主張している。
981
982
983 Gは,
984 A社の工場に10年前から菓子職人として勤務していたところ,
985 A社が経営不振に陥っ
986 た後に退職し,
987 現在は別の菓子工場で勤務している。
988
989 Gに対しては,
990 A社の退職金規程に従い自
991 己都合退職扱いで退職金150万円が支払済みであるところ,
992 Gは,
993 会社都合退職であると主張
994 しており,
995 A社に対して,
996 会社都合退職であるとして算定した退職金250万円と支払済みの1
997 50万円との差額である100万円の支払を求める訴訟を提起した(第一審に係属中。
998
999 この訴訟
1000 を訴訟Bとする。
1001
1002 )。
1003
1004
1005 以上が,
1006 平成17年6月末時点での事実関係である。
1007
1008 A社は,
1009 7月1日に再生手続開始の申立
1010 てをし,
1011 同日監督命令が出された。
1012
1013 その後,
1014 7月8日に,
1015 A社に対して再生手続の開始決定がさ
1016 れた。
1017
1018
1019 A社の現在の社長は,
1020 今後の販売を伸ばすためには第1号店のリニューアルが必要であると判
1021 断して,
1022 再生手続中に同店舗のリニューアル工事を行うことを計画しており,
1023 この工事費用50
1024 0万円全額について,
1025 7月22日にHファイナンスに融資を申し込んでいる。
1026
1027
1028 〔設
1029
1030 問〕
1031
1032 1.訴訟@,
1033 訴訟A及び訴訟Bは,
1034 A社についての再生手続の開始決定によりそれぞれどのよう
1035 な影響を受けるか。
1036
1037
1038 2.A社の現在の社長から,
1039 再生手続開始後に,
1040 次のような相談があったとして,
1041 どのように返
1042 答すべきか。
1043
1044
1045 「甲建物(借地権付き)の時価の評価は,
1046 不動産業者によって若干の幅があるようですが,
1047
1048 概ね4,
1049 500万円から5,
1050 500万円といったところです。
1051
1052 当社としては,
1053 甲建物は事業
1054 を続けるために是非とも必要なものなので,
1055 これなくしては再生はできないと考えているの
1056 - 13 -
1057
1058 ですが,
1059 C信用金庫からの取立てが担当者の交替以後急に厳しくなってきており,
1060 最近では
1061 抵当権の実行も辞さないなどという態度に出ているので心配でなりません。
1062
1063 仮にC信用金庫
1064 から競売の申立てをされた場合,
1065 それを止めるため,
1066 当社としてどのようなことができるで
1067 しょうか。
1068
1069 なお,
1070 当社の収益性を評価してくださっているJ銀行(Hファイナンスの親会社)
1071 から,
1072 既存の抵当権をすべて抹消して1番抵当を設定することを条件に5,
1073 000万円まで
1074 なら新規融資を受けられる見込みがあります。
1075
1076 これを利用して抵当権を外すことはできない
1077 のでしょうか。
1078
1079 この場合,
1080 C信用金庫からの対抗手段としてはどのようなものが考えられる
1081 のでしょうか。
1082
1083
1084 3.A社から500万円の融資の申込みを受けたHファイナンスの融資担当者から次のような質
1085 問があったとして,
1086 どのように返答すべきか。
1087
1088
1089 「当社ではA社に対する無担保融資を検討しています。
1090
1091 ところで,
1092 A社の債権者の中には,
1093
1094 A社が作成中の再生計画案では弁済率が低すぎるとして,
1095 再生計画案に反対の意向を表明し
1096 ている者もある程度の数がいると聞いています。
1097
1098 仮に,
1099 A社の提出した再生計画案が決議に
1100 おいて否決された場合には,
1101 A社の倒産処理はどのように進行することになる見込みなので
1102 しょうか。
1103
1104 また,
1105 その場合に,
1106 リニューアル工事費用500万円の融資が未返済のときには,
1107
1108 当社の融資金返還請求権はどのように取り扱われるのでしょうか。
1109
1110
1111
1112 - 14 -
1113
1114 論文式試験問題集[経
1115
1116 - 15 -
1117
1118
1119
1120 法]
1121
1122 [経
1123
1124
1125
1126 法]
1127
1128 〔第1問〕(配点:50)
1129 国内において使用される軟式テニス(ソフトテニス)ラケットは,
1130 国内メーカー4社及びその他
1131 の国内メーカーの製品が,
1132 国内の商品の大部分を占めており,
1133 外国製品はほとんど輸入されていな
1134 い状況にある。
1135
1136 このうち4社の軟式テニスラケットの国内におけるシェアは,
1137 それぞれA社が29
1138 %,
1139 B社が17%,
1140 C社が15%,
1141 D社が10%である。
1142
1143 これらメーカーの商品のほとんどは,
1144
1145 問屋(一次卸・二次卸)を通して全国のスポーツ用品店等の小売店に納入され,
1146 多くの小売店は複
1147 数のメーカーの軟式テニスラケットを販売している。
1148
1149
1150 このうち,
1151 A社は,
1152 その製造したラケットのすべてを,
1153 主に東日本を販売地域とする甲社,
1154 及び
1155 主に西日本を販売地域とする乙社の2社(一次卸)に販売しており,
1156 甲社及び乙社は,
1157 それぞれ卸
1158 問屋(二次卸)又は小売店に販売していた。
1159
1160
1161 A社は,
1162 甲社及び乙社との間の取引基本契約において,
1163 甲社及び乙社が,
1164 A社以外の商品を取り
1165 扱わずA社の商品のみを取り扱う旨の約定及び甲社及び乙社が他のメーカーの商品を取り扱った場
1166 合にはA社は催告の上で契約を解約することができる旨の約定を設けていた。
1167
1168 さらに,
1169 A社の指示
1170 を受けて,
1171 甲社及び乙社は,
1172 卸問屋(二次卸)との間の取引基本契約において,
1173 A社以外のメーカ
1174 ーの商品を扱うことを認めない旨の約定を設けていた。
1175
1176 なお,
1177 このような約定は小売店に対しては
1178 設けられておらず,
1179 小売店はA社の商品と一緒に他の3社等の軟式テニスラケットを販売すること
1180 もでき,
1181 多くの小売店は,
1182 前記のように,
1183 複数のメーカーのラケットを販売している。
1184
1185
1186 〔設
1187
1188 問〕
1189
1190 前記の場合において,
1191 A社の行為には,
1192 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する
1193
1194 法律(独占禁止法)上,
1195 どのような問題があるか,
1196 次の1及び2の点に留意しつつ述べなさい。
1197
1198
1199 1.A社は,
1200 このように甲社及び乙社との間の取引基本契約において,
1201 他社の商品の取扱いを認
1202 めない方針を設け,
1203 また,
1204 両社に対して,
1205 二次卸との間の取引基本契約に同様の約定を設ける
1206 ように指示しているのは,
1207 A社の軟式テニスラケットに関して,
1208 ガット(ラケットの網)を張
1209 る方法,
1210 各ラケットに合ったメンテナンスなどについて特別のノウハウがあり,
1211 これが他社に
1212 流出することを防ぐという合理的な理由がある旨主張している。
1213
1214 この主張はどのように考慮さ
1215 れるべきであるか。
1216
1217
1218 2.A社と同様に,
1219 B社,
1220 C社及びD社も,
1221 卸問屋(一次卸)との間の取引基本契約,
1222 及び,
1223
1224 れらの3社の商品に関する一次卸と二次卸との間の取引基本契約において,
1225 他のメーカーの商
1226 品を扱うことを認めない約定を設けている場合(場合1)と,
1227 このような約定を設けておらず,
1228
1229 他のメーカーの商品を扱うことを許容している場合(場合2)とで,
1230 どのような違いがあるか。
1231
1232
1233
1234 - 16 -
1235
1236 〔第2問〕(配点:50)
1237 弁護士であるあなたは,
1238 自動車メーカーであるA社の法務担当者から次のような相談を受けた。
1239
1240
1241 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)についてA社に対してどのように
1242 助言をするか説明しなさい。
1243
1244
1245 我が社は,
1246 B社から,
1247 乗用車部門に力を注ぐためトラック製造部門を我が社に売却したい旨の
1248 申出を受けています。
1249
1250 各社の市場占拠率(シェア)は,
1251 生産ベースでも販売ベースでもほぼ同じ
1252 であり,
1253 後記のとおりです。
1254
1255 B社はできればトラックの販売をやめたいと言っており,
1256 我が社と
1257 してもそれは望むところです。
1258
1259
1260 しかし,
1261 我が社の内部には,
1262 この売却方式だと独占禁止法に違反するのではないかと指摘する
1263 声があります。
1264
1265 確かに我が社はトラックの製造には自信があり顧客の支持も得ていますが,
1266 残念
1267 なことに,
1268 我が社の乗用車部門は今一歩の状況にあり,
1269 自動車メーカーとしては4位又は5位で
1270 あるにすぎません。
1271
1272 本当に独占禁止法に違反するのでしょうか。
1273
1274
1275 もし独占禁止法に違反するのであれば,
1276 不本意ではあるのですが,
1277 B社がトラック製造部門を
1278 我が社に売却した後も,
1279 我が社がB社に対してOEM(相手先ブランドによる受注生産)供給を
1280 し,
1281 両社は,
1282 トラックの販売及びサービスを独立して行うことも考えています。
1283
1284 ただし,
1285 我が社
1286 の内部では,
1287 OEM供給をする場合,
1288 我が社がB社のトラックを生産しているにもかかわらず,
1289
1290 B社がその販売面においてで好き勝手に活動した場合,
1291 我が社の販売数量が減少したり販売価格
1292 に悪影響が出ることになるおそれがあるので,
1293 B社に対して一定の縛りをかけておくべきだとい
1294 う意見が大勢を占めています。
1295
1296
1297 そこで,
1298 OEM供給をする場合,
1299 例えば,
1300 B社の販売先,
1301 販売先への販売価格・販売数量を毎
1302 週我が社に情報提供させることとし,
1303 B社の販売動向等を把握できるようにしておくようなこと
1304 を考えています。
1305
1306 独占禁止法上何か問題があるでしょうか。
1307
1308
1309
1310
1311
1312
1313
1314
1315 自動車
1316
1317 トラック
1318
1319
1320
1321 自動車
1322
1323 ←生産部門を売却
1324 BへOEM供給→
1325
1326 自 動 車
1327
1328 トラック
1329
1330 トラック
1331 生産シェア
1332
1333 生産シェア
1334
1335
1336
1337 32%
1338
1339
1340
1341 32%
1342
1343
1344
1345 30%
1346
1347
1348
1349 23%
1350
1351
1352
1353 20%
1354
1355
1356
1357 20%
1358
1359
1360
1361 5%
1362
1363
1364
1365 15%
1366
1367
1368
1369 5%
1370
1371
1372
1373 5%
1374
1375 外国事業者
1376
1377 8%
1378
1379 外国事業者
1380
1381 5%
1382
1383 - 17 -
1384
1385 - 18 -
1386
1387 論文式試験問題集[国際関係法(公法系)]
1388
1389 - 19 -
1390
1391 [国際関係法(公法系)]
1392 〔第1問〕(配点:50)
1393 以下の事例について,
1394 次の問いに答えなさい。
1395
1396
1397 L県下に居住し,
1398 公立中学校に通っている女子中学生甲は,
1399 将来,
1400 画家になることを考えてお
1401 り,
1402 是非とも県立のA高校(男子高校)の芸術科に入学したいと考えていた。
1403
1404
1405 A高校の芸術科は,
1406 数多くの著名な画家を輩出し,
1407 かつ,
1408 現在も,
1409 日本で指折りの絵画指導者
1410 が芸術科の主任教諭を務めていて,
1411 その絵画教育には定評がある。
1412
1413 もちろん,
1414 県下には,
1415 芸術科
1416 を備えた共学又は別学の県立高校(男子高校及び女子高校)がほかにもあるが,
1417 A高校の芸術科
1418 ほど,
1419 絵画教育で評価の高いところはない。
1420
1421
1422 甲は高校受験の年齢になったので,
1423 A高校芸術科に願書を提出したが,
1424 甲が女子であることを
1425 理由に願書は受理されず,
1426 甲はその措置に対して強く抗議したが聞き入れられず,
1427 そのためにA
1428 高校に入学できなかった。
1429
1430 甲は自暴自棄となって高校入学自体も断念した。
1431
1432
1433 L県には男女共学制を採る高校が私立高校にも公立高校にもあったが,
1434 A高校のように特色の
1435 ある伝統校は,
1436 男子高校又は女子高校のいずれかであると一般に言われていた。
1437
1438 甲がA高校の受
1439 験を拒否されたのも,
1440 A高校が共学又は女子高校でなかったためであり,
1441 L県がA高校を男女共
1442 学にしていればこのような事態は起こらなかった。
1443
1444 そこで甲は,
1445 L県が芸術教育に秀でたA高校
1446 を男女別学にしていることは違法であると考え,
1447 L県に対して国家賠償を求める訴えを提起した。
1448
1449
1450 訴訟では,
1451 甲は,
1452 日本国憲法等の国内法令とともに,
1453 国際法上の根拠,
1454 特に「女子に対するあ
1455 らゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)」関連規定を持ち出すことが予想され
1456 た。
1457
1458
1459 なお,
1460 関連規定のうちの一つである,
1461 女子差別撤廃条約第10条(b)号については,
1462 次のような
1463 起草経緯があった。
1464
1465 女子差別撤廃条約を審議した国際連合総会では,
1466
1467 「その施設が共学であるか否
1468 かにかかわらず,
1469 同一の教育課程,
1470 同一の試験,
1471 同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一
1472 の質の学校施設及び設備を享受する平等な機会」という原案が提示されたが,
1473 国際連合総会での
1474 審議において,
1475
1476 「その施設が共学であるか否かにかかわらず」という部分は削除された。
1477
1478 また,
1479
1480 原案の「同一の教育課程,
1481 同一の試験」の部分については,
1482
1483 「同一又は同等の水準の教育課程及び
1484 試験(the curricula and examination of the same or equivalent standard)」という文言への
1485 修正提案が出されたが採用されなかった。
1486
1487
1488 〔設
1489
1490 問〕
1491
1492 被告のL県は,
1493 訴訟に備えて,
1494 女子差別撤廃条約に関する甲の主張に対する反論をX
1495
1496 弁護士に相談した。
1497
1498 女子差別撤廃条約に反するという甲の主張に対して考え得る,
1499 すべての反論
1500 を述べなさい。
1501
1502
1503 (参照条文)女子差別撤廃条約(抜粋)
1504 この条約の締約国は、
1505
1506 国際連合憲章が基本的人権、
1507 人間の尊厳及び価値並びに男女の権利の平等に関する信念を改めて確
1508 認していることに留意し、
1509
1510 世界人権宣言が、
1511 差別は容認することができないものであるとの原則を確認していること、
1512 並びに
1513 すべての人間は生まれながらにして自由であり、
1514 かつ、
1515 尊厳及び権利について平等であること並びに
1516 すべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに同宣言に掲げるすべての権利及び自由を享
1517 有することができることを宣明していることに留意し、
1518
1519 人権に関する国際規約の締約国がすべての経済的、
1520 社会的、
1521 文化的、
1522 市民的及び政治的権利の享有
1523 について男女に平等の権利を確保する義務を負つていることに留意し、
1524
1525 国際連合及び専門機関の主催の下に各国が締結した男女の権利の平等を促進するための国際条約を
1526 - 20 -
1527
1528 考慮し、
1529
1530 更に、
1531 国際連合及び専門機関が採択した男女の権利の平等を促進するための決議、
1532 宣言及び勧告に
1533 留意し、
1534
1535 しかしながら、
1536 これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在して
1537 いることを憂慮し、
1538
1539 女子に対する差別は、
1540 権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり、
1541 女子が
1542 男子と平等の条件で自国の政治的、
1543 社会的、
1544 経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるもので
1545 あり、
1546 社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり、
1547 また、
1548 女子の潜在能力を自国及び人類に役
1549 立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し、
1550
1551 窮乏の状況においては、
1552 女子が食糧、
1553 健康、
1554 教育、
1555 雇用のための訓練及び機会並びに他の必要とす
1556 るものを享受する機会が最も少ないことを憂慮し、
1557
1558 衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確信
1559 し、
1560
1561 アパルトヘイト、
1562 あらゆる形態の人種主義、
1563 人種差別、
1564 植民地主義、
1565 新植民地主義、
1566 侵略、
1567 外国に
1568 よる占領及び支配並びに内政干渉の根絶が男女の権利の完全な享有に不可欠であることを強調し、
1569
1570 国際の平和及び安全を強化し、
1571 国際緊張を緩和し、
1572 すべての国(社会体制及び経済体制のいかんを
1573 問わない。
1574
1575 )の間で相互に協力し、
1576 全面的かつ完全な軍備縮小を達成し、
1577 特に厳重かつ効果的な国際管
1578 理の下での核軍備の縮小を達成し、
1579 諸国間の関係における正義、
1580 平等及び互恵の原則を確認し、
1581 外国
1582 の支配の下、
1583 植民地支配の下又は外国の占領の下にある人民の自決の権利及び人民の独立の権利を実
1584 現し並びに国の主権及び領土保全を尊重することが、
1585 社会の進歩及び発展を促進し、
1586 ひいては、
1587 男女
1588 の完全な平等の達成に貢献することを確認し、
1589
1590 国の完全な発展、
1591 世界の福祉及び理想とする平和は、
1592 あらゆる分野において女子が男子と平等の条
1593 件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、
1594
1595 家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかつた女子の大きな貢献、
1596 母性の
1597 社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、
1598 また、
1599 出産における女子の役割
1600 が差別の根拠となるべきではなく、
1601 子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必要であ
1602 ることを認識し、
1603
1604 社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等の
1605 達成に必要であることを認識し、
1606
1607 女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女子
1608 に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意して、
1609
1610 次のとおり協定した。
1611
1612
1613 第一部
1614 第一条
1615 この条約の適用上、
1616
1617 「女子に対する差別」とは、
1618 性に基づく区別、
1619 排除又は制限であつて、
1620 政治的、
1621
1622 経済的、
1623 社会的、
1624 文化的、
1625 市民的その他のいかなる分野においても、
1626 女子(婚姻をしているかいない
1627 かを問わない。
1628
1629 )が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、
1630 享有し又は行使することを
1631 害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。
1632
1633
1634 第二条
1635 締約国は、
1636 女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、
1637 女子に対する差別を撤廃する政策をすべて
1638 の適当な手段により、
1639 かつ、
1640 遅滞なく追求することに合意し、
1641 及びこのため次のことを約束する。
1642
1643
1644 (a)
1645
1646 男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれを定
1647
1648 め、
1649 かつ、
1650 男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保すること。
1651
1652
1653 (b)
1654
1655 女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含む。
1656
1657
1658
1659 をとること。
1660
1661
1662 - 21 -
1663
1664 (c)
1665
1666 女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し、
1667 かつ、
1668 権限のある自国の裁判所
1669
1670 その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを確保す
1671 ること。
1672
1673
1674 (d)
1675
1676 女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え、
1677 かつ、
1678 公の当局及び機関がこの義
1679
1680 務に従つて行動することを確保すること。
1681
1682
1683 (e)
1684
1685 個人、
1686 団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。
1687
1688
1689
1690 (f)
1691
1692 女子に対する差別となる既存の法律、
1693 規則、
1694 慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべて
1695
1696 の適当な措置(立法を含む。
1697
1698 )をとること。
1699
1700
1701 (g)
1702
1703 女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること。
1704
1705
1706 第三条
1707
1708 締約国は、
1709 あらゆる分野、
1710 特に、
1711 政治的、
1712 社会的、
1713 経済的及び文化的分野において、
1714 女子に対して
1715 男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的とし
1716 て、
1717 女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置(立法を含む。
1718
1719 )をとる。
1720
1721
1722 第四条
1723
1724
1725 締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは、
1726 この
1727 条約に定義する差別と解してはならない。
1728
1729 ただし、
1730 その結果としていかなる意味においても不平等
1731 な又は別個の基準を維持し続けることとなつてはならず、
1732 これらの措置は、
1733 機会及び待遇の平等の
1734 目的が達成された時に廃止されなければならない。
1735
1736
1737
1738
1739
1740 締約国が母性を保護することを目的とする特別措置(この条約に規定する措置を含む。
1741
1742 )をとるこ
1743 とは、
1744 差別と解してはならない。
1745
1746
1747 第五条
1748 締約国は、
1749 次の目的のためのすべての適当な措置をとる。
1750
1751
1752
1753 (a)
1754
1755 両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び
1756
1757 慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、
1758 男女の社会的及び文化的な行動様式を修正する
1759 こと。
1760
1761
1762 (b)
1763
1764 家庭についての教育に、
1765 社会的機能としての母性についての適正な理解並びに子の養育及び発
1766
1767 育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保すること。
1768
1769 あらゆる場合において、
1770
1771 子の利益は最初に考慮するものとする。
1772
1773
1774 第六条
1775 (略)
1776 第二部(略)
1777 第三部
1778 第十条
1779 締約国は、
1780 教育の分野において、
1781 女子に対して男子と平等の権利を確保することを目的として、
1782
1783 に、
1784 男女の平等を基礎として次のことを確保することを目的として、
1785 女子に対する差別を撤廃するた
1786 めのすべての適当な措置をとる。
1787
1788
1789 (a)
1790
1791 農村及び都市のあらゆる種類の教育施設における職業指導、
1792 修学の機会及び資格証書の取得の
1793
1794 ための同一の条件。
1795
1796 このような平等は、
1797 就学前教育、
1798 普通教育、
1799 技術教育、
1800 専門教育及び高等技
1801 術教育並びにあらゆる種類の職業訓練において確保されなければならない。
1802
1803
1804 (b)
1805
1806 同一の教育課程、
1807 同一の試験、
1808 同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一の質の学校施設
1809
1810 及び設備を享受する機会
1811 (c)
1812
1813 すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃
1814
1815 を、
1816 この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより、
1817 また、
1818 特に、
1819
1820 教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行うこと。
1821
1822
1823 (d)
1824
1825 奨学金その他の修学援助を享受する同一の機会
1826 - 22 -
1827
1828 (e)
1829
1830 継続教育計画(成人向けの及び実用的な識字計画を含む。
1831
1832 )、
1833 特に、
1834 男女間に存在する教育上の
1835
1836 格差をできる限り早期に減少させることを目的とした継続教育計画を利用する同一の機会
1837 (f)
1838
1839 女子の中途退学率を減少させること及び早期に退学した女子のための計画を策定すること。
1840
1841
1842
1843 (g)
1844
1845 スポーツ及び体育に積極的に参加する同一の機会
1846
1847 (h)
1848
1849 家族の健康及び福祉の確保に役立つ特定の教育的情報(家族計画に関する情報及び助言を含
1850
1851 む。
1852
1853 )を享受する機会
1854 第一一条から第一四条まで(略)
1855 第四部以下(略)
1856
1857 - 23 -
1858
1859 〔第2問〕(配点:50)
1860 A国には,
1861 B国国民で私企業Xの関係者が多く在留している。
1862
1863 ある日,
1864 私企業Xが,
1865 A国国内の
1866 民間ホテルで開催した集会に,
1867 多くのB国国民が出席した。
1868
1869 A国の反B国政治集団Yは,
1870 A国のB
1871 国に関する友好的政策に対して,
1872 常に批判的政治活動を行っている。
1873
1874 その日,
1875 集団Yがこの集会に
1876 押し掛けて,
1877 会場に掲げられていたB国の国旗を引きずり下ろして燃やしたり,
1878 集会に参加してい
1879 たB国国民に対して,
1880 暴行などを加えたりしたため,
1881 多数のけが人が出た。
1882
1883 通報を受けて警察官が
1884 駆け付けたが,
1885 特に措置は採らず,
1886 むしろ集団Yの行動に加わる警察官もあった。
1887
1888 A国は,
1889
1890 「当該事
1891 実が,
1892 B国の名誉並びにA国とB国間の友好的関係を侵害するものであったことは遺憾であり陳謝
1893 する。
1894
1895 」としてB国に向けて公式に陳謝した。
1896
1897 A国とB国との間の交渉では,
1898 A国は国家責任の発生
1899 を認めたが,
1900 陳謝によって既にこの問題は解決済みであり,
1901 これ以上の救済は不要であるとの主張
1902 を繰り返したため,
1903 救済について両国間の合意は得られなかった。
1904
1905 しかも,
1906 B国国内では,
1907 被害を
1908 受けたB国国民の関係者らから,
1909 A国の責任を追及せよとの声が上がっている。
1910
1911
1912 そこで,
1913 B国は,
1914 A国が国家責任の発生は認めているものの,
1915 いまだ救済は十分ではないとして,
1916
1917 発生したすべての損害に関する救済について,
1918 国際裁判に訴えを提起しようと考えている。
1919
1920 この場
1921 合の請求の在り方について論じなさい。
1922
1923
1924 なお,
1925 国籍継続及び国内救済の完了といった国家責任の追及の要件については論ずる必要はない。
1926
1927
1928
1929 - 24 -
1930
1931 論文式試験問題集[国際関係法(私法系)]
1932
1933 - 25 -
1934
1935 [国際関係法(私法系)]
1936 〔第1問〕(配点:50)
1937 甲国法について以下の3点が確認されていることを前提として,
1938 後記の問題に答えよ。
1939
1940 なお,
1941
1942 問は独立した問いである。
1943
1944
1945 1.国際私法第a条は,
1946
1947 「婚姻の方式は当事者の一方の本国法又は挙行地法による」と定め,
1948 第b条
1949 は,
1950 「相続は被相続人の本国法による」と定めている。
1951
1952
1953 2. 「領事の職務及び権限に関する法律」第c条は,
1954
1955 「領事は甲国人間の婚姻又は甲国人と外国人と
1956 の婚姻を挙行することができる」と定めている。
1957
1958
1959 3.民法第d条は,
1960 「配偶者は互いに相続人となる」と定め,
1961 第e条は,
1962 「被相続人の配偶者,
1963 子及
1964 び直系尊属がいない場合,
1965 兄弟姉妹が相続人となる」と定めている。
1966
1967
1968 〔設
1969
1970 問〕
1971
1972 1.日本人女Yは,
1973 甲国人男Aと日本にある甲国領事館において,
1974 甲国法に従い甲国領事の関与
1975 の下に婚姻を挙行した。
1976
1977 しかし,
1978 日本法の定める婚姻の届出をしなかった。
1979
1980 この時点で,
1981 AY
1982 間の婚姻は日本において有効と扱われるか。
1983
1984
1985 2.その後,
1986 YとAは甲国において夫婦として生活を送っていた。
1987
1988 婚姻から20年が経過した時
1989 点で,
1990 遺言をすることなくAは甲国で死亡した。
1991
1992 Aには子も直系尊属もいない。
1993
1994 Aは日本にお
1995 いて不動産を所有していたので,
1996 日本に帰国したYがこの不動産に居住していたところ,
1997 Aの
1998 弟である甲国人Xは,
1999 日本法上の婚姻の届出を欠くためAY間の婚姻は無効であり,
2000 自己がA
2001 の相続人であると主張して,
2002 日本の裁判所においてYに対してその居住する不動産の明渡しを
2003 求めた。
2004
2005 Yは,
2006 自己がAの相続人であると主張して,
2007 Xの明渡し請求を拒むことができるか。
2008
2009
2010 なお,
2011 この請求につき日本の裁判所は国際的裁判管轄権を有しているものとする。
2012
2013
2014
2015 - 26 -
2016
2017 〔第2問〕(配点:50)
2018 Xは,
2019 衣料品及び生活用雑貨の販売を目的とする日本の会社であり,
2020 日本以外に活動の拠点はな
2021 い。
2022
2023 Yは,
2024 衣料品及び生活用雑貨の製造・販売を目的とする乙国に主たる営業所を有する乙国の会
2025 社であり,
2026 乙国で製造した衣料品等を大量に世界各地に輸出しているが,
2027 日本にも社員1人が常駐
2028 する事務所を有している。
2029
2030
2031 Xは,
2032 Yの日本の事務所からYが製造したスニーカーに関する情報を入手し,
2033 それが価格に見合
2034 う以上の品質を有していたため,
2035 XY間で以前に衣料品について継続的な取引関係があったことで
2036 もあり,
2037 Yからこのスニーカーを購入することにした。
2038
2039 Xは,
2040 商品を特定し,
2041 価格,
2042 数量等を提示
2043 してYに対して購入の引き合いを出したところ,
2044 Yは,
2045 直ちに,
2046 売買代金は合衆国ドルで支払うこ
2047 と,
2048 Xは船積期間開始の前日までに日本の銀行の信用状を開設すること,
2049 Xが信用状を開設しない
2050 場合にはYは催告を要せず契約を解除できること,
2051 商品の引渡しは一定の時期に乙国の港でYが手
2052 配した船舶への船積によること等を取引条件とする契約の申込みを,
2053 乙国の営業所からファクシミ
2054 リで日本のXの営業所あてに行い,
2055 Xはそれを承諾する旨の返事をファクシミリで返信した。
2056
2057 なお,
2058
2059 XY間において,
2060 今回の取引では準拠法についての明示の取決めはないが,
2061 従前の衣料品の取引で
2062 は,
2063 日本法を準拠法とする合意があった。
2064
2065
2066 その後,
2067 Xは資金繰りが悪くなり,
2068 Yに船積開始の日を遅らせるように依頼したが,
2069 Yは予定ど
2070 おりに船積する旨を連絡した。
2071
2072 Xは船積期間開始の前日までに信用状を開設しなかったため,
2073 Yは
2074 船積期間開始の日にファクシミリでXに対して契約解除を通知し,
2075 この通知は同日Xに到達した。
2076
2077
2078 しかし,
2079 Xは,
2080 船積期間(7日間)の終了の3日前に信用状を開設し,
2081 翌日Yにその通知がされた
2082 が,
2083 Yは船積をしなかった。
2084
2085
2086 Xは,
2087 Xが信用状を開設したにもかかわらずYが注文の品を送ってこなかったことはYの債務不
2088 履行であると主張し,
2089 Yに対して損害賠償を請求している。
2090
2091
2092 以上の事実を前提として以下の問題に答えよ。
2093
2094 なお,
2095 各問は独立した問いである。
2096
2097
2098 〔設
2099
2100 問〕
2101
2102 1.XがYに対する損害賠償請求の訴えを日本の裁判所に提起した場合に,
2103 日本の裁判所は,
2104
2105 の事務所が日本にあることを理由にこの訴えを審理・判断することができるか。
2106
2107
2108 2.日本の裁判所が管轄権を有する場合に,
2109 XのYに対する請求については,
2110 いかなる国の法律
2111 によって判断すべきか。
2112
2113
2114 3.XY間に本契約について日本法を準拠法とする明示の合意があった場合に,
2115 Xは,
2116 Yが船積
2117 をしなかったことを理由に,
2118 Yに対してその責任を問うことができるか。
2119
2120
2121
2122 - 27 -
2123
2124 - 28 -
2125
2126 論文式試験問題集[環
2127
2128 - 29 -
2129
2130
2131
2132 法]
2133
2134 [環
2135
2136
2137
2138 法]
2139
2140 〔第1問〕(配点:50)
2141 A市では,
2142 B工場(大気汚染防止法の特定施設に該当する)の操業に伴ってばい煙が発生してお
2143 り,
2144 住民Cらは,
2145 そのために自己の居住地周辺のばい煙の状態が環境基準を超え,
2146 受忍限度を超え
2147 る被害を受けていること,
2148 及び,
2149 B工場の排出するばい煙が,
2150 大気汚染防止法の定める規制値を超
2151 えていることを訴えている。
2152
2153
2154 〔設
2155
2156 問〕
2157
2158 1.この場合において,
2159 住民Cらが被害の回復や,
2160 将来における被害の防止を求めるために,
2161
2162 り得る手段としてどのような手続があるかを挙げ,
2163 それぞれの特色について述べよ。
2164
2165
2166 2.大気汚染防止法の規制値を超えていることは,
2167 訴訟手続においてどのような意味を持つか。
2168
2169
2170
2171 - 30 -
2172
2173 〔第2問〕(配点:50)
2174 Y社は,
2175 A県B町において,
2176 廃プラスチック類,
2177 ゴムくず,
2178 金属くずを埋立処分する最終処分場
2179 の建設と操業を計画した。
2180
2181
2182 Yが操業開始までに考慮しなければならない環境法上の問題点を説明しなさい(訴訟上の論点に
2183 触れる必要はない。
2184
2185 )。
2186
2187
2188 (参照条文)一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令
2189 (昭和五十二年三月十四日総理府・厚生省令第一号)(抜粋)
2190 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第八条第二項及び第四項並
2191 びに第十五条第二項及び第三項の規定に基づき、
2192 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分
2193 場に係る技術上の基準を定める命令を次のように定める。
2194
2195
2196 (一般廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準)
2197 第一条
2198
2199 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。
2200
2201 以下「法」という。
2202
2203
2204
2205 第八条の二第一項第一号の規定による一般廃棄物の最終処分場の技術上の基準は、
2206 次のとおりとす
2207 る。
2208
2209
2210
2211
2212 埋立処分の場所(以下「埋立地」という。
2213
2214 )の周囲には、
2215 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防
2216 止することができる囲い(次項第十七号の規定により閉鎖された埋立地を埋立処分以外の用に供
2217 する場合においては、
2218 埋立地の範囲を明らかにすることができる囲い、
2219 杭その他の設備)が設け
2220 られていること。
2221
2222
2223
2224
2225
2226 入口の見やすい箇所に、
2227 様式第一により一般廃棄物の最終処分場であることを表示する立札そ
2228 の他の設備が設けられていること。
2229
2230
2231
2232
2233
2234 地盤の滑りを防止し、
2235 又は最終処分場に設けられる設備の沈下を防止する必要がある場合にお
2236 いては、
2237 適当な地滑り防止工又は沈下防止工が設けられていること。
2238
2239
2240
2241
2242
2243 埋め立てる一般廃棄物の流出を防止するための擁壁、
2244 えん堤その他の設備であつて、
2245 次の要件
2246 を備えたもの(以下「擁壁等」という。
2247
2248 )が設けられていること。
2249
2250
2251
2252
2253 自重、
2254 土圧、
2255 水圧、
2256 波力、
2257 地震力等に対して構造耐力上安全であること。
2258
2259
2260
2261
2262
2263 埋め立てる一般廃棄物、
2264 地表水、
2265 地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措
2266 置が講じられていること。
2267
2268
2269
2270
2271
2272 埋立地(内部仕切設備により区画して埋立処分を行う埋立地については、
2273 埋立処分を行つてい
2274 る区画。
2275
2276 以下この号、
2277 第六号及び次項第十二号において同じ。
2278
2279 )からの浸出液による公共の水域及
2280 び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること。
2281
2282 ただし、
2283 公共の水域及
2284 び地下水の汚染を防止するために必要な措置を講じた一般廃棄物のみを埋め立てる埋立地につい
2285 ては、
2286 この限りでない。
2287
2288
2289
2290
2291 埋立地(地下の全面に厚さが五メートル以上であり、
2292 かつ、
2293 透水係数が毎秒百ナノメートル
2294 (岩盤にあつては、
2295 ルジオン値が一)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有す
2296 る地層(以下「不透水性地層」という。
2297
2298 )があるものを除く。
2299
2300 以下イにおいて同じ。
2301
2302 )には、
2303
2304 般廃棄物の投入のための開口部及びニに規定する保有水等集排水設備の部分を除き、
2305 一般廃棄
2306 物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。
2307
2308 )の埋立地からの浸出を防止するため、
2309 次の
2310 要件を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。
2311
2312 ただし、
2313
2314 埋立地の内部の側面又は底面のうち、
2315 その表面に不透水性地層がある部分については、
2316 この限
2317 りでない。
2318
2319
2320
2321 (1)
2322
2323 次のいずれかの要件を備えた遮水層又はこれらと同等以上の効力を有する遮水層を有する
2324
2325 こと。
2326
2327 ただし、
2328 遮水層が敷設される地盤(以下「基礎地盤」という。
2329
2330 )のうち、
2331 そのこう配が
2332 五十パーセント以上であつて、
2333 かつ、
2334 その高さが保有水等の水位が達するおそれがある高さ
2335 - 31 -
2336
2337 を超える部分については、
2338 当該基礎地盤に吹き付けられたモルタルの表面に、
2339 保有水等の浸
2340 出を防止するために必要な遮水の効力、
2341 強度及び耐久力を有する遮水シート(以下「遮水シ
2342 ート」という。
2343
2344 )若しくはゴムアスファルト又はこれらと同等以上の遮水の効力、
2345 強度及び耐
2346 久力を有する物を遮水層として敷設した場合においては、
2347 この限りでない。
2348
2349
2350 (イ)
2351
2352 厚さが五十センチメートル以上であり、
2353 かつ、
2354 透水係数が毎秒十ナノメートル以下であ
2355
2356 る粘土その他の材料の層の表面に遮水シートが敷設されていること。
2357
2358
2359 (ロ)
2360
2361 厚さが五センチメートル以上であり、
2362 かつ、
2363 透水係数が毎秒一ナノメートル以下である
2364
2365 アスファルト・コンクリートの層の表面に遮水シートが敷設されていること。
2366
2367
2368 (ハ)
2369
2370 不織布その他の物(二重の遮水シートが基礎地盤と接することによる損傷を防止するこ
2371
2372 とができるものに限る。
2373
2374 )の表面に二重の遮水シート(当該遮水シートの間に、
2375 埋立処分に
2376 用いる車両の走行又は作業による衝撃その他の負荷により双方の遮水シートが同時に損傷
2377 することを防止することができる十分な厚さ及び強度を有する不織布その他の物が設けら
2378 れているものに限る。
2379
2380 )が敷設されていること。
2381
2382
2383 (2)
2384
2385 基礎地盤は、
2386 埋め立てる一般廃棄物の荷重その他予想される負荷による遮水層の損傷を防
2387
2388 止するために必要な強度を有し、
2389 かつ、
2390 遮水層の損傷を防止することができる平らな状態で
2391 あること。
2392
2393
2394 (3)
2395
2396 遮水層の表面を、
2397 日射によるその劣化を防止するために必要な遮光の効力を有する不織布
2398
2399 又はこれと同等以上の遮光の効力及び耐久力を有する物で覆うこと。
2400
2401 ただし、
2402 日射による遮
2403 水層の劣化のおそれがあると認められない場合には、
2404 この限りでない。
2405
2406
2407
2408
2409 埋立地(地下の全面に不透水性地層があるものに限る。
2410
2411 以下ロにおいて同じ。
2412
2413 )には、
2414 保有水
2415 等の埋立地からの浸出を防止するため、
2416 開口部を除き、
2417 次のいずれかの要件を備えた遮水工又
2418 はこれらと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。
2419
2420
2421
2422 (1)
2423
2424 薬剤等の注入により、
2425 当該不透水性地層までの埋立地の周囲の地盤が、
2426 ルジオン値が一以
2427
2428 下となるまで固化されていること。
2429
2430
2431 (2)
2432
2433 厚さが五十センチメートル以上であり、
2434 かつ、
2435 透水係数が毎秒十ナノメートル以下である
2436
2437 壁が埋立地の周囲に当該不透水性地層まで設けられていること。
2438
2439
2440 (3)
2441
2442 鋼矢板(他の鋼矢板と接続する部分からの保有水等の浸出を防止するための措置が講じら
2443
2444 れるものに限る。
2445
2446 )が埋立地の周囲に当該不透水性地層まで設けられていること。
2447
2448
2449 (4)
2450
2451
2452 イ(1)から(3)までに掲げる要件
2453 地下水により遮水工が損傷するおそれがある場合には、
2454 地下水を有効に集め、
2455 排出すること
2456
2457 ができる堅固で耐久力を有する管渠その他の集排水設備(以下「地下水集排水設備」という。
2458
2459
2460 を設けること。
2461
2462
2463
2464
2465 埋立地には、
2466 保有水等を有効に集め、
2467 速やかに排出することができる堅固で耐久力を有する
2468 構造の管渠その他の集排水設備(水面埋立処分を行う埋立地については、
2469 保有水等を有効に排
2470 出することができる堅固で耐久力を有する構造の余水吐きその他の排水設備。
2471
2472 以下「保有水等
2473 集排水設備」という。
2474
2475 )を設けること。
2476
2477 ただし、
2478 雨水が入らないよう必要な措置が講じられる埋
2479 立地(水面埋立処分を行う埋立地を除く。
2480
2481 )であつて、
2482 腐敗せず、
2483 かつ、
2484 保有水が生じない一般
2485 廃棄物のみを埋め立てるものについては、
2486 この限りでない。
2487
2488
2489
2490
2491
2492 保有水等集排水設備により集められ、
2493 ヘに規定する浸出液処理設備に流入する保有水等の水
2494 量及び水質を調整することができる耐水構造の調整池を設けること。
2495
2496 ただし、
2497 水面埋立処分を
2498 行う最終処分場又はヘただし書に規定する最終処分場にあつては、
2499 この限りでない。
2500
2501
2502
2503
2504
2505 保有水等集排水設備により集められた保有水等(水面埋立処分を行う埋立地については、
2506
2507 有水等集排水設備により排出される保有水等。
2508
2509 以下同じ。
2510
2511 )に係る放流水の水質を別表第一の上
2512 欄に掲げる項目ごとに同表の下欄に掲げる排水基準及び法第八条第二項第七号に規定する一般
2513 廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(以下「維持管理計画」という。
2514
2515 )に放流水の水質につ
2516 - 32 -
2517
2518 いて達成することとした数値(ダイオキシン類(ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年
2519 法律第百五号)第二条第一項に規定するダイオキシン類をいう。
2520
2521 )に関する数値を除く。
2522
2523 )が定
2524 められている場合における当該数値(以下「排水基準等」という。
2525
2526 )並びにダイオキシン類対策
2527 特別措置法施行規則(平成十一年総理府令第六十七号)別表第二の下欄に定めるダイオキシン
2528 類の許容限度(維持管理計画においてより厳しい数値を達成することとした場合にあつては、
2529
2530 当該数値)に適合させることができる浸出液処理設備を設けること。
2531
2532 ただし、
2533 保有水等集排水
2534 設備により集められた保有水等を貯留するための十分な容量の耐水構造の貯留槽が設けられ、
2535
2536 かつ、
2537 当該貯留槽に貯留された保有水等が当該最終処分場以外の場所に設けられた本文に規定
2538 する浸出液処理設備と同等以上の性能を有する水処理設備で処理される最 終 処 分 場 に あ つ て
2539 は、
2540 この限りでない。
2541
2542
2543
2544
2545 埋立地の周囲には、
2546 地表水が埋立地の開口部から埋立地へ流入するのを防止することができる
2547 開渠その他の設備が設けられていること。
2548
2549
2550
2551
2552
2553 法第八条の三の規定による一般廃棄物の最終処分場の維持管理の技術上の基準は、
2554 次のとおりと
2555 する。
2556
2557
2558
2559
2560 埋立地の外に一般廃棄物が飛散し、
2561 及び流出しないように必要な措置を講ずること。
2562
2563
2564
2565
2566
2567 最終処分場の外に悪臭が発散しないように必要な措置を講ずること。
2568
2569
2570
2571
2572
2573 火災の発生を防止するために必要な措置を講ずるとともに、
2574 消火器その他の消火設備を備えて
2575 おくこと。
2576
2577
2578
2579
2580
2581 ねずみが生息し、
2582 及び蚊、
2583 はえその他の害虫が発生しないように薬剤の散布その他必要な措置
2584 を講ずること。
2585
2586
2587
2588
2589
2590 前項第一号の規定により設けられた囲いは、
2591 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止すること
2592 ができるようにしておくこと。
2593
2594 ただし、
2595 第十七号の規定により閉鎖された埋立地を埋立処分以外
2596 の用に供する場合においては、
2597 同項第一号括弧書の規定により設けられた囲い、
2598 杭その他の設備
2599 により埋立地の範囲を明らかにしておくこと。
2600
2601
2602
2603
2604
2605 前項第二号の規定により設けられた立札その他の設備は、
2606 常に見やすい状態にしておくととも
2607 に、
2608 表示すべき事項に変更が生じた場合には、
2609 速やかに書換えその他必要な措置を講ずること。
2610
2611
2612
2613
2614
2615 前項第四号の規定により設けられた擁壁等を定期的に点検し、
2616 擁壁等が損壊するおそれがある
2617 と認められる場合には、
2618 速やかにこれを防止するために必要な措置を講ずること。
2619
2620
2621
2622
2623
2624 埋め立てる一般廃棄物の荷重その他予想される負荷により、
2625 前項第五号イ又はロ((1)から(3)
2626 までを除く。
2627
2628 )の規定により設けられた遮水工が損傷するおそれがあると認められる場合には、
2629
2630 般廃棄物を埋め立てる前に遮水工の表面を砂その他の物により覆うこと。
2631
2632
2633
2634
2635
2636 前項第五号イ又はロの規定により設けられた遮水工を定期的に点検し、
2637 その遮水効果が低下す
2638 るおそれがあると認められる場合には、
2639 速やかにこれを回復するために必要な措置を講ずること。
2640
2641
2642
2643
2644
2645 埋立地からの浸出液による最終処分場の周縁の地下水の水質への影響の有無を判断することが
2646 できる二以上の場所から採取され、
2647 又は地下水集排水設備により排出された地下水(水面埋立処
2648 分を行う最終処分場にあつては、
2649 埋立地からの浸出液による最終処分場の周辺の水域の水又は周
2650 縁の地下水の水質への影響の有無を判断することができる二以上の場所から採取された当該水域
2651 の水又は当該地下水)の水質検査を次により行うこと。
2652
2653
2654
2655
2656 埋立処分開始前に別表第二の上欄に掲げる項目(以下「地下水等検査項目」という。
2657
2658 )、
2659 電気
2660 伝導率及び塩化物イオンについて測定し、
2661 かつ、
2662 記録すること。
2663
2664 ただし、
2665 最終処分場の周縁の
2666 地下水(水面埋立処分を行う最終処分場にあつては、
2667 周辺の水域の水又は周縁の地下水。
2668
2669 以下
2670
2671 「地下水等」という。
2672
2673 )の汚染の有無の指標として電気伝導率及び塩化物イオンの濃度を用いる
2674 ことが適当でない最終処分場にあつては、
2675 電気伝導率及び塩化物イオンについては、
2676 この限り
2677 でない。
2678
2679
2680
2681
2682 埋立処分開始後、
2683 地下水等検査項目について一年に一回(イただし書に規定する最終処分場
2684 - 33 -
2685
2686 にあつては、
2687 六月に一回)以上測定し、
2688 かつ、
2689 記録すること。
2690
2691 ただし、
2692 埋め立てる一般廃棄物
2693 の種類及び保有水等集排水設備により集められた保有水等の水質に照らして地下水等の汚染が
2694 生ずるおそれがないことが明らかな項目については、
2695 この限りでない。
2696
2697
2698
2699
2700 埋立処分開始後、
2701 電気伝導率又は塩化物イオンについて一月に一回以上測定し、
2702 かつ、
2703 記録
2704 すること。
2705
2706 ただし、
2707 イただし書に規定する最終処分場にあつては、
2708 この限りでない。
2709
2710
2711
2712
2713
2714 ハの規定により測定した電気伝導率又は塩化物イオンの濃度に異状が認められた場合には、
2715
2716 速やかに、
2717 地下水等検査項目について測定し、
2718 かつ、
2719 記録すること。
2720
2721
2722
2723 十一
2724
2725 前号イ、
2726 ロ又はニの規定による地下水等検査項目に係る水質検査の結果、
2727 水質の悪化(その
2728
2729 原因が当該最終処分場以外にあることが明らかであるものを除く。
2730
2731 )が認められた場合には、
2732 その
2733 原因の調査その他の生活環境の保全上必要な措置を講ずること。
2734
2735
2736 十二
2737
2738 前項第五号ニただし書に規定する埋立地については、
2739 埋立地に雨水が入らないように必要な
2740
2741 措置を講ずること。
2742
2743
2744 十三
2745
2746 前項第五号ホの規定により設けられた調整池を定期的に点検し、
2747 調整池が損壊するおそれが
2748
2749 あると認められる場合には、
2750 速やかにこれを防止するために必要な措置を講ずること。
2751
2752
2753 十四
2754
2755
2756
2757 前項第五号ヘの規定により設けられた浸出液処理設備の維持管理は、
2758 次により行うこと。
2759
2760
2761 放流水の水質が排水基準等に適合することとなるように維持管理すること。
2762
2763
2764 浸出液処理設備の機能の状態を定期的に点検し、
2765 異状を認めた場合には、
2766 速やかに必要な措
2767 置を講ずること。
2768
2769
2770
2771
2772
2773 放流水の水質検査を次により行うこと。
2774
2775
2776
2777 (1)
2778
2779 排水基準等に係る項目((2)に規定する項目を除く。
2780
2781 )について一年に一回以上測定し、
2782
2783
2784 つ、
2785 記録すること。
2786
2787
2788 (2)
2789
2790 水素イオン濃度、
2791 生物化学的酸素要求量、
2792 化学的酸素要求量、
2793 浮遊物質量及び窒素含有量
2794
2795 (別表第一の備考4に規定する場合に限る。
2796
2797 )について一月に一回(埋め立てる一般廃棄物の
2798 種類及び保有水等の水質に照らして公共の水域及び地下水の汚染が生ずるおそれがないこと
2799 が明らかな項目については、
2800 一年に一回)以上測定し、
2801 かつ、
2802 記録すること。
2803
2804
2805 十五
2806
2807 前項第六号の規定により設けられた開渠その他の設備の機能を維持するとともに、
2808 当該設備
2809
2810 により埋立地の外に一般廃棄物が流出することを防止するため、
2811 開渠に堆積した土砂等の速やか
2812 な除去その他の必要な措置を講ずること。
2813
2814
2815 十六
2816
2817 通気装置を設けて埋立地から発生するガスを排除すること。
2818
2819
2820
2821 十七
2822
2823 埋立処分が終了した埋立地
2824 (内部仕切設備により区画して埋立処分を行う埋立地については、
2825
2826
2827 埋立処分が終了した区画。
2828
2829 以下この号及び次条第二項第一号ニにおいて同じ。
2830
2831 )は、
2832 厚さがおおむ
2833 ね五十センチメートル以上の土砂による覆いその他これに類する覆いにより開口部を閉鎖するこ
2834 と。
2835
2836 ただし、
2837 前項第五号ニただし書に規定する埋立地については、
2838 同号イ(1)
2839 (イ)から(ハ)
2840 までのいずれかの要件を備えた遮水層に不織布を敷設したものの表面を土砂で覆つた覆い又はこ
2841 れと同等以上の遮水の効力、
2842 遮光の効力、
2843 強度及び耐久力を有する覆いにより閉鎖すること。
2844
2845
2846 十八
2847
2848 前号の規定により閉鎖した埋立地については、
2849 同号に規定する覆いの損壊を防止するために
2850
2851 必要な措置を講ずること。
2852
2853
2854 十九
2855
2856 残余の埋立容量について一年に一回以上測定し、
2857 かつ、
2858 記録すること。
2859
2860
2861
2862 二十
2863
2864 埋め立てられた一般廃棄物の種類及び数量並びに最終処分場の維持管理に当たつて行つた点
2865
2866 検、
2867 検査その他の措置の記録を作成し、
2868 当該最終処分場の廃止までの間、
2869 保存すること。
2870
2871
2872
2873
2874 法第九条第五項(法第九条の三第十項において準用する場合を含む。
2875
2876 )の規定による一般廃棄物の
2877 最終処分場の廃止の技術上の基準は、
2878 廃棄物が埋め立てられている一般廃棄物の最終処分場にあつ
2879 ては次のとおりとし、
2880 廃棄物が埋め立てられていない一般廃棄物の最終処分場にあつては廃棄物が
2881 埋め立てられていないこととする。
2882
2883
2884
2885
2886 最終処分場が、
2887 第一項(第一号、
2888 第二号並びに第五号ホ及びヘを除く。
2889
2890 )に規定する技術上の基
2891 - 34 -
2892
2893 準に適合していないと認められないこと。
2894
2895
2896
2897
2898 最終処分場の外に悪臭が発散しないように必要な措置が講じられていること。
2899
2900
2901
2902
2903
2904 火災の発生を防止するために必要な措置が講じられていること。
2905
2906
2907
2908
2909
2910 ねずみが生息し、
2911 及び蚊、
2912 はえその他の害虫が発生しないように必要な措置が講じられている
2913 こと。
2914
2915
2916
2917
2918
2919 前項第十号の規定により採取された地下水等の水質が、
2920 次に掲げる水質検査の結果、
2921 それぞれ
2922 次のいずれにも該当しないと認められること。
2923
2924 ただし、
2925 同号イ、
2926 ロ又はニの規定による地下水等
2927 検査項目に係る水質検査の結果、
2928 水質の悪化(その原因が当該最終処分場以外にあることが明ら
2929 かなものを除く。
2930
2931 )が認められない場合においては、
2932 この限りでない。
2933
2934
2935
2936
2937 前項第十号ロ又はニの規定による地下水等検査項目に係る水質検査の結果、
2938 地下水等の水質
2939 が、
2940 地下水等検査項目のいずれかについて当該地下水等検査項目に係る別表第二下欄に掲げる
2941 基準に現に適合していないこと。
2942
2943
2944
2945
2946
2947 前項第十号イ、
2948 ロ又はニの規定による地下水等検査項目に係る水質検査の結果、
2949 当該検査に
2950 よつて得られた数値の変動の状況に照らして、
2951 地下水等の水質が、
2952 地下水等検査項目のいずれ
2953 かについて当該地下水等検査項目に係る別表第二下欄に掲げる基準に適合しなくなるおそれが
2954 あること。
2955
2956
2957
2958
2959
2960 保有水等集排水設備により集められた保有水等の水質が、
2961 イ及びロに掲げる項目についてそれ
2962 ぞれイ及びロに掲げる頻度で二年(埋め立てる一般廃棄物の性状を著しく変更した場合にあつて
2963 は、
2964 当該変更以後の二年)以上にわたり行われた水質検査の結果、
2965 すべての項目について排水基
2966 準等に適合していると認められること。
2967
2968 ただし、
2969 第一項第五号ニただし書に規定する埋立地につ
2970 いては、
2971 この限りでない。
2972
2973
2974
2975
2976 排水基準等に係る項目(ロに掲げる項目を除く。
2977
2978
2979
2980
2981
2982 前項第十四号ハ(2)に規定する項目
2983
2984
2985
2986 六月に一回以上
2987
2988 三月に一回以上
2989
2990 埋立地からガスの発生がほとんど認められないこと又はガスの発生量の増加が二年以上にわた
2991 り認められないこと。
2992
2993
2994
2995
2996
2997 埋立地の内部が周辺の地中の温度に比して異常な高温になつていないこと。
2998
2999
3000
3001
3002
3003 前項第十七号に規定する覆いにより開口部が閉鎖されていること。
3004
3005
3006
3007
3008
3009 前項第十七号ただし書に規定する覆いについては、
3010 沈下、
3011 亀裂その他の変形が認められないこ
3012 と。
3013
3014
3015
3016 十一
3017
3018 埋立地からの浸出液又はガスが周辺地域の生活環境に及ぼす影響その他の最終処分場が周辺
3019
3020 地域の生活環境に及ぼす影響による生活環境の保全上の支障が現に生じていないこと。
3021
3022
3023 (産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準)
3024 第二条
3025
3026 法第十五条の二第一項第一号の規定による産業廃棄物の最終処分場の技術上の基準は、
3027 前条
3028
3029 第一項第三号の規定の例によるほか、
3030 次のとおりとする。
3031
3032
3033
3034
3035 入口の見やすい箇所に、
3036 様式第二により産業廃棄物の最終処分場(廃棄物の処理及び清掃に関
3037 する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。
3038
3039 以下「令」という。
3040
3041 )第七条第十四号イに掲げる産
3042 業廃棄物の最終処分場(以下「遮断型最終処分場」という。
3043
3044 )のうち、
3045 令第六条の五第一項第三号
3046 イ(1)から(6)までに掲げる特別管理産業廃棄物の埋立処分の用に供されるものにあつては有害な
3047 特別管理産業廃棄物の最終処分場、
3048 当該特別管理産業廃棄物の埋立処分の用に供されないものに
3049 あつては有害な産業廃棄物の最終処分場)であることを表示する立札その他の設備が設けられて
3050 いること。
3051
3052
3053
3054
3055
3056 遮断型最終処分場にあつては、
3057 前条第一項第六号の規定の例によるほか、
3058 次の要件を備えてい
3059 ること。
3060
3061
3062
3063
3064 埋立地の周囲には、
3065 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止することができる囲いが設けら
3066 れていること。
3067
3068
3069 - 35 -
3070
3071
3072
3073 埋立地には、
3074 産業廃棄物の投入のための開口部を除き、
3075 次の要件を備えた外周仕切設備が設
3076 けられていること。
3077
3078
3079
3080 (1)
3081
3082 日本工業規格A一一〇八(コンクリートの圧縮強度試験方法)により測定した一軸圧縮強
3083
3084 度が一平方ミリメートルにつき二十五ニュートン以上で、
3085 水密性を有する鉄筋コンクリート
3086 で造られ、
3087 かつ、
3088 その厚さが三十五センチメートル以上であること又はこれと同等以上の遮
3089 断の効力を有すること。
3090
3091
3092 (2)
3093
3094 前条第一項第四号イに掲げる要件を備えていること。
3095
3096
3097
3098 (3)
3099
3100 埋め立てた産業廃棄物と接する面が遮水の効力及び腐食防止の効力を有する材料で十分に
3101
3102 覆われていること。
3103
3104
3105 (4)
3106
3107 地表水、
3108 地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられているこ
3109
3110 と。
3111
3112
3113 (5)
3114
3115
3116 目視等により損壊の有無を点検できる構造であること。
3117
3118
3119
3120 面積が五十平方メートルを超え、
3121 又は埋立容量が二百五十立方メートルを超える埋立地は、
3122
3123 ロ(1)から(4)までに掲げる要件を備えた内部仕切設備により、
3124 一区画の面積がおおむね五十平
3125 方メートルを超え、
3126 又は一区画の埋立容量がおおむね二百五十立方メートルを超えないように
3127 区画すること。
3128
3129
3130
3131
3132
3133 令第七条第十四号ロに掲げる産業廃棄物の最終処分場(以下「安定型最終処分場」という。
3134
3135 )に
3136 あつては、
3137 前条第一項第四号の規定の例によるほか、
3138 次の要件を備えていること。
3139
3140
3141
3142
3143 埋立地の周囲には、
3144 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止することができる囲い(次項第
3145 二号トの規定により閉鎖された埋立地については、
3146 埋立地の範囲を明らかにすることができる
3147 囲い、
3148 杭その他の設備)が設けられていること。
3149
3150
3151
3152
3153
3154 擁壁等の安定を保持するため必要と認められる場合においては、
3155 埋立地の内部の雨水等を排
3156 出することができる設備が設けられていること。
3157
3158
3159
3160
3161
3162 埋め立てられた産業廃棄物への安定型産業廃棄物(令第六条第一項第三号イに規定する安定
3163 型産業廃棄物をいう。
3164
3165 以下同じ。
3166
3167 )以外の廃棄物の付着又は混入の有無を確認するための水質検
3168 査に用いる浸透水(安定型産業廃棄物の層を通過した雨水等をいう。
3169
3170 以下同じ。
3171
3172 )を埋立地から
3173 採取することができる設備(以下「採取設備」という。
3174
3175 )が設けられていること。
3176
3177
3178
3179
3180
3181 令第七条第十四号ハに掲げる産業廃棄物の最終処分場(以下「管理型最終処分場」という。
3182
3183 )に
3184 あつては、
3185 前条第一項第一号及び第四号から第六号までの規定の例によること。
3186
3187
3188
3189
3190
3191 法第十五条の二の二の規定による産業廃棄物の最終処分場の維持管理の技術上の基準は、
3192 前条第
3193 二項第一号から第四号まで及び第六号の規定の例によるほか、
3194 次のとおりとする。
3195
3196
3197
3198
3199 遮断型最終処分場の維持管理は、
3200 前条第二項第十号から第十二号まで、
3201 第十五号及び第十九号
3202 の規定の例によるほか、
3203 次によること。
3204
3205
3206
3207
3208 前項第二号イの規定により設けられた囲いは、
3209 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止する
3210 ことができるようにしておくこと。
3211
3212
3213
3214
3215
3216 埋立地(内部仕切設備により区画して埋立処分を行う埋立地については、
3217 埋立処分を行おう
3218 とする区画)にたまつている水は、
3219 当該埋立地又は区画における埋立処分開始前に排除するこ
3220 と。
3221
3222
3223
3224
3225
3226 前項第二号ロの規定により設けられた外周仕切設備及び同号ハの規定により設けられた内部
3227 仕切設備を定期的に点検し、
3228 これらの設備の損壊又は埋め立てられた産業廃棄物の保有水の浸
3229 出のおそれがあると認められる場合には、
3230 速やかに最終処分場への産業廃棄物の搬入及び埋立
3231 処分を中止するとともに、
3232 これらの設備の損壊又は埋め立てられた産業廃棄物の保有水の浸出
3233 を防止するために必要な措置を講ずること。
3234
3235
3236
3237
3238
3239 埋立処分が終了した埋立地は、
3240 速やかに前項第二号ロ(1)から(4)までに掲げる要件を備えた
3241 覆いにより閉鎖すること。
3242
3243
3244 - 36 -
3245
3246
3247
3248 ニの規定により閉鎖した埋立地(内部仕切設備により区画して埋立処分を行う埋立地につい
3249 ては、
3250 ニの規定により閉鎖した区画)については、
3251 覆いを定期的に点検し、
3252 覆いの損壊又は埋
3253 め立てられた産業廃棄物の保有水の浸出のおそれがあると認められる場合には、
3254 速やかに覆い
3255 の損壊又は埋め立てられた産業廃棄物の保有水の浸出を防止するために必要な措置を講ずるこ
3256 と。
3257
3258
3259
3260
3261
3262 埋立地(前項第二号ハの規定により区画して埋立処分を行う埋立地については、
3263 埋立処分を
3264 行つている区画)に埋め立てられた産業廃棄物の種類及び数量並びに最終処分場の維持管理に
3265 当たつて行つた点検、
3266 検査その他の措置の記録を作成し、
3267 当該最終処分場の廃止までの間、
3268
3269 存すること。
3270
3271
3272
3273
3274
3275 安定型最終処分場の維持管理は、
3276 前条第二項第七号、
3277 第十九号及び第二十号の規定の例による
3278 ほか、
3279 次によること。
3280
3281
3282
3283
3284 前項第三号イの規定により設けられた囲いは、
3285 みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止する
3286 ことができるようにしておくこと。
3287
3288 ただし、
3289 トの規定により閉鎖された埋立地については、
3290
3291 号イ括弧書の規定により設けられた囲い、
3292 杭その他の設備により、
3293 埋立地の範囲を明らかにし
3294 ておくこと。
3295
3296
3297
3298
3299
3300 産業廃棄物を埋め立てる前に、
3301 最終処分場に搬入した産業廃棄物を展開して当該産業廃棄物
3302 への安定型産業廃棄物以外の廃棄物の付着又は混入の有無について目視による検査を行い、
3303
3304 の結果、
3305 安定型産業廃棄物以外の廃棄物の付着又は混入が認められる場合には、
3306 当該産業廃棄
3307 物を埋め立てないこと。
3308
3309
3310
3311
3312
3313 浸透水による最終処分場の周縁の地下水の水質への影響の有無を判断することができる二以
3314 上の場所から採取された地下水の水質検査を次により行うこと。
3315
3316
3317
3318 (1)
3319
3320 埋立処分開始前に地下水等検査項目について測定し、
3321 かつ、
3322 記録すること。
3323
3324
3325
3326 (2)
3327
3328 埋立処分開始後、
3329 地下水等検査項目について一年に一回以上測定し、
3330 かつ、
3331 記録すること。
3332
3333
3334
3335 ただし、
3336 浸透水の水質等に照らして当該最終処分場の周縁の地下水の汚染が生ずるおそれが
3337 ないことが明らかな項目については、
3338 この限りでない。
3339
3340
3341
3342
3343 ハの規定による水質検査の結果、
3344 水質の悪化(その原因が当該最終処分場以外にあることが
3345 明らかであるものを除く。
3346
3347 )が認められる場合には、
3348 その原因の調査その他の生活環境の保全上
3349 必要な措置を講ずること。
3350
3351
3352
3353
3354
3355 採取設備により採取された浸透水の水質検査を、
3356 (1)及び(2)に掲げる項目についてそれぞれ
3357 (1)及び(2)に掲げる頻度で行い、
3358 かつ、
3359 記録すること。
3360
3361
3362
3363 (1)
3364
3365 地下水等検査項目
3366
3367 一年に一回以上
3368
3369 (2)
3370
3371 生物化学的酸素要求量又は化学的酸素要求量
3372
3373 一月に一回(埋立処分が終了した埋立地に
3374
3375 おいては、
3376 三月に一回)以上
3377
3378
3379 次に掲げる場合には、
3380 速やかに最終処分場への産業廃棄物の搬入及び埋立処分の中止その他
3381 生活環境の保全上必要な措置を講ずること。
3382
3383
3384
3385 (1)
3386
3387 ホ(1)に掲げる項目に係る水質検査の結果、
3388 地下水等検査項目のいずれかについて当該地下
3389
3390 水等検査項目に係る別表第二下欄に掲げる基準に適合していないとき。
3391
3392
3393 (2)
3394
3395 ホ(2)に掲げる項目に係る水質検査の結果、
3396 生物化学的酸素要求量が一リットルにつき二十
3397
3398 ミリグラムを超えているとき、
3399 又は化学的酸素要求量が一リットルにつき四十ミリグラムを
3400 超えているとき。
3401
3402
3403
3404
3405 埋立処分が終了した埋立地を埋立処分以外の用に供する場合には、
3406 厚さがおおむね五十セン
3407 チメートル以上の土砂等の覆いにより開口部を閉鎖すること。
3408
3409
3410
3411
3412
3413 トの規定により閉鎖した埋立地については、
3414 トに規定する覆いの損壊を防止するために必要
3415 な措置を講ずること。
3416
3417
3418
3419
3420
3421 管理型最終処分場の維持管理は、
3422 前条第二項第五号及び第七号から第二十号まで(鉱さい、
3423
3424 - 37 -
3425
3426 いじん等ガスを発生するおそれのない産業廃棄物のみを埋め立てる最終処分場にあつては、
3427 第十
3428 六号を除く。
3429
3430 )の規定の例によること。
3431
3432
3433
3434
3435 法第十五条の二の五第三項において準用する法第九条第五項の規定による産業廃棄物の最終処分
3436 場の廃止の技術上の基準は、
3437 廃棄物が埋め立てられている産業廃棄物の最終処分場にあつては前条
3438 第三項第二号から第四号まで及び第十一号の規定の例によるほか、
3439 次のとおりとし、
3440 廃棄物が埋め
3441 立てられていない産業廃棄物の最終処分場にあつては廃棄物が埋め立てられていないこととする。
3442
3443
3444
3445
3446 遮断型最終処分場にあつては、
3447 前条第三項第五号の規定の例によるほか、
3448 次によること。
3449
3450
3451
3452
3453 最終処分場が、
3454 第一項においてその例によることとされた前条第一項第三号及び第一項第二
3455 号ロに規定する技術上の基準に適合していないと認められないこと。
3456
3457
3458
3459
3460
3461 前項第一号ニに規定する覆いにより埋立地が閉鎖されていること。
3462
3463
3464
3465
3466
3467 最終処分場に埋め立てられた産業廃棄物又は第一項第二号ロの規定により設けられた外周仕
3468 切設備について、
3469 環境大臣の定める措置が講じられていること。
3470
3471
3472
3473
3474
3475 安定型最終処分場にあつては、
3476 前条第三項第七号及び第八号の規定の例によるほか、
3477 次による
3478 こと。
3479
3480
3481
3482
3483 最終処分場が、
3484 第一項においてその例によることとされた前条第一項第三号、
3485 第一項第三号
3486 においてその例によることとされた同条第一項第四号及び第一項第三号ロに規定する技術上の
3487 基準に適合していないと認められないこと。
3488
3489
3490
3491
3492
3493 前項第二号ハの規定により採取された地下水の水質が、
3494 次に掲げる水質検査の結果、
3495 それぞ
3496 れ次のいずれにも該当しないと認められること。
3497
3498 ただし、
3499 同号ハの規定による水質検査の結果、
3500
3501 水質の悪化(その原因が当該最終処分場以外にあることが明らかなものを除く。
3502
3503 )が認められな
3504 い場合においては、
3505 この限りでない。
3506
3507
3508
3509 (1)
3510
3511 前項第二号ハ(2)の規定による水質検査の結果、
3512 地下水の水質が、
3513 地下水等検査項目のいず
3514
3515 れかについて当該地下水等検査項目に係る別表第二下欄に掲げる基準に現に適合していない
3516 こと。
3517
3518
3519 (2)
3520
3521 前項第二号ハの規定による水質検査の結果、
3522 当該検査によつて得られた数値の変動の状況
3523
3524 に照らして、
3525 地下水の水質が、
3526 地下水等検査項目のいずれかについて当該地下水等検査項目
3527 に係る別表第二下欄に掲げる基準に適合しなくなるおそれがあること。
3528
3529
3530
3531
3532 採取設備により採取された浸透水の水質について、
3533 次の表の上欄に掲げる項目について行わ
3534 れた水質検査の結果、
3535 それぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合していること。
3536
3537
3538
3539
3540
3541 地下水等検査項目
3542
3543 別表第二下欄に掲げる基準
3544
3545 生物化学的酸素要求量
3546
3547 一リットルにつき二十ミリグラム以下
3548
3549 厚さがおおむね五十センチメートル以上の土砂等の覆いにより開口部が閉鎖されているこ
3550 と。
3551
3552
3553
3554
3555
3556 管理型最終処分場にあつては、
3557 前条第三項第五号から第十号までの規定の例によるほか、
3558 第一
3559 項においてその例によることとされた同条第一項第三号及び第一項第四号においてその例による
3560 こととされた同条第一項第四号から第六号まで(第五号ホ及びヘを除く。
3561
3562 )に規定する技術上の基
3563 準に適合していないと認められないこと。
3564
3565
3566
3567
3568
3569 法第十五条の二の四の規定に基づき設置した一般廃棄物処理施設(一般廃棄物の最終処分場に限
3570 る。
3571
3572 )については、
3573 その施設において埋め立てられた一般廃棄物を産業廃棄物とみなして、
3574 前二項の
3575 規定を適用する。
3576
3577
3578
3579 - 38 -
3580
3581