1 短答式試験問題集
2 [憲法・行政法]
3
4 -1 -
5
6 [憲法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 憲法第14条第1項に関する次のアからエまでの各記述について,明らかに誤っているもの二つ
9 の組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[bP])
10 ア.人種とは,身体的特徴によって区別される人類学上の種類であり,国によって人々の身体的
11 特徴は異なるので,憲法上,国籍差別も人種差別と同様に扱われる。
12 イ.信条とは,言葉の由来から宗教上の信念を意味するが,今日では広く世俗的な政治上の主義
13 や思想的な主張も含むと解されている。
14 ウ.社会的身分の意味については狭義説,中間説,広義説と見解が分かれるが,最高裁判所は広
15 義説を採用している。
16 エ.性別とは男女の別をいうが,歴史的に差別されてきたのは女性であるから,憲法上は男性差
17 別を問題にする必要はない。
18 1.アとイ
19
20 2.アとウ
21
22 3.アとエ
23
24 4.イとウ
25
26 5.イとエ
27
28 6.ウとエ
29
30 〔第2問〕(配点:3)
31 国会議員の娘の離婚記事の出版差止めを認めた仮処分の保全異議に対する決定(東京地方裁判所
32 平成16年3月19日決定,判例時報1865号18頁)と,その抗告審決定(東京高等裁判所平
33 成16年3月31日決定,判例時報1865号12頁)との異同に関する次のアからウまでの記述
34 について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アか
35 らウの順に[bQ]から[bS])
36 ア.両決定は,いずれも,差止めの実質的要件について,北方ジャーナル事件判決(最大判昭和
37 61年6月11日)を参照し,公共性,公益性,重大にして著しく回復困難な損害を被るおそ
38 れ,という3要件を用いた。[bQ]
39 イ.両決定は,記事内容の公共性について判断を異にした。抗告審は,婚姻や離婚という出来事
40 自体は私事であるが,娘は政治家一家の長女であって後継者となる可能性があることを理由に,
41 記事内容の公共性を認めた。[bR]
42 ウ.両決定は,損害の程度の評価をめぐって判断を異にした。抗告審は,本件記事で取り上げら
43 れた私事自体は人格に対する評価に常につながるものではないし,日常的にどうということな
44 く見聞する情報の一つにすぎない,と判断した。[bS]
45 〔第3問〕(配点:3)
46 職業の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
47 それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に
48 [bT]から[bV])
49 ア.職業活動の自由についても精神的自由についても,国の積極的な社会経済政策のために規制
50 することが許されるのは同様であるが,前者の自由を規制する場合には立法府の裁量的判断が
51 広く認められる点が異なる。[bT]
52 イ.憲法第22条第1項が「公共の福祉に反しない限り」という留保を伴っているのは,職業活
53 動は社会的相互関連性が大きく,精神的自由と比較して公権力による規制の要請が強いことを
54 強調するためである。[bU]
55 ウ.職業の許可制は自由に対する強力な制限であるから,その合憲性を肯定し得るためには,原
56 則として重要な公共の利益のために必要かつ合理的な措置であることを要する。ただし,この
57 要請は,個々の許可条件の合憲性判断においてまで求められるものではない。[bV]
58
59 -2 -
60
61 〔第4問〕(配点:2)
62 森林法共有林分割制限事件判決(最高裁判所昭和62年4月22日大法廷判決,民集41巻3号
63 408頁)に関する次のアからウまでの各記述について,当該判決の趣旨に照らして,正しいもの
64 には○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
65 (解答欄は,[bW])
66 ア.憲法第29条は,私有財産制度を保障しているのみでなく,国民の個々の財産権につきこれ
67 を基本的人権として保障しているが,それ自体に内在する制約があるほか,社会全体の利益を
68 図るための規制により制約を受ける。
69 イ.財産権規制の目的には,社会政策及び経済政策上の積極的なものから,安全の保障や秩序の
70 維持等の消極的なものまで種々様々なものがあり得るが,森林法の共有林分割請求権を制限す
71 る規定は積極目的による規制である。
72 ウ.財産権規制の目的が公共の福祉に合致しないことが明らかであるか,規制手段が規制目的を
73 達成する手段として必要性や合理性に欠けていることが明らかであって,立法府の判断が合理
74 的裁量の範囲を超えるものとなる場合に限り,当該規制立法は違憲となる。
75 1.ア○
76
77 イ○
78
79 ウ○
80
81 2.ア○
82
83 イ○
84
85 ウ×
86
87 3.ア○
88
89 イ×
90
91 ウ○
92
93 4.ア○
94
95 イ×
96
97 ウ×
98
99 5.ア×
100
101 イ○
102
103 ウ○
104
105 6.ア×
106
107 イ○
108
109 ウ×
110
111 7.ア×
112
113 イ×
114
115 ウ○
116
117 8.ア×
118
119 イ×
120
121 ウ×
122
123 〔第5問〕(配点:2)
124 郵便法違憲判決(最高裁判所平成14年9月11日大法廷判決,民集56巻7号1439頁)に
125 関する次のアからウまでの各記述について,当該判決の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っ
126 ているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
127 (解答欄は,
128 [
129 9])
130 ア.憲法第17条は,公務員の不法行為による国又は公共団体の損害賠償責任を免除又は制限す
131 る法律が立法権の裁量を逸脱したものである場合には,これを違憲無効とする効力を持つ規定
132 である。
133 イ.書留郵便物について,郵便業務従事者の故意又は重大な過失によって損害が生じた場合に,
134 国の損害賠償責任を全面的に免除する立法は違憲無効であるが,法律で国が負担すべき賠償額
135 に一定の制限を付することは許される。
136 ウ.特別送達郵便物について,郵便業務従事者の故意又は重大な過失によって損害が生じた場合
137 に,国の損害賠償責任を免除又は制限する立法は違憲無効であるが,軽過失にとどまる場合に
138 は,国の損害賠償責任を免除又は制限することも許される。
139 1.ア○
140
141 イ○
142
143 ウ○
144
145 2.ア○
146
147 イ○
148
149 ウ×
150
151 3.ア○
152
153 イ×
154
155 ウ○
156
157 4.ア○
158
159 イ×
160
161 ウ×
162
163 5.ア×
164
165 イ○
166
167 ウ○
168
169 6.ア×
170
171 イ○
172
173 ウ×
174
175 7.ア×
176
177 イ×
178
179 ウ○
180
181 8.ア×
182
183 イ×
184
185 ウ×
186
187 -3 -
188
189 〔第6問〕(配点:2)
190 国民の義務に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものに
191 は×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[10])
192 ア.憲法第26条第2項前段は,国民がその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うこ
193 とを定めている。これは,同条第1項が保障する子どもの教育を受ける権利の保障に対応した
194 ものであって,子ども自身に教育を受ける義務を負わせるものではない。
195 イ.憲法第27条第1項は,国民の勤労の義務を定めている。したがって,憲法第18条で禁止
196 されている「その意に反する苦役」に至らないものであれば,法律の定めにより,刑罰をもっ
197 て勤労を強制することも許される。
198 ウ.憲法第30条は,国民の納税義務を定めている。この規定は,国家の存立に不可欠な財政を
199 支えるという国民としての当然の義務を確認するとともに,その義務の具体化には法律の定め
200 が必要であるとしたものである。
201 1.ア○
202
203 イ○
204
205 ウ○
206
207 2.ア○
208
209 イ○
210
211 ウ×
212
213 3.ア○
214
215 イ×
216
217 ウ○
218
219 4.ア○
220
221 イ×
222
223 ウ×
224
225 5.ア×
226
227 イ○
228
229 ウ○
230
231 6.ア×
232
233 イ○
234
235 ウ×
236
237 7.ア×
238
239 イ×
240
241 ウ○
242
243 8.ア×
244
245 イ×
246
247 ウ×
248
249 〔第7問〕(配点:2)
250 天皇又は皇室に関する次のアからエまでの各記述について,正しいもの二つの組合せを,後記1
251 から6までの中から選びなさい。(解答欄は,[11])
252 ア.天皇は,精神若しくは身体の疾患又は事故があるときは,国事行為を委任することができる。
253 この場合には,摂政が天皇の名で国事行為を行う。
254 イ.皇室に財産を譲り渡し,又は皇室が財産を譲り受け,若しくは賜与することは国会の議決に
255 基づかなければならない,というのが憲法の定める原則である。
256 ウ.皇位の継承について,大日本帝国憲法は,「皇男子孫之ヲ継承ス」と定めていたが,日本国
257 憲法は,男系男子主義までも求めるものではない。
258 エ.国務大臣の任免,法律の定めるその他の官吏の任免の認証は,天皇の国事行為とされている。
259 認証は,これらの行為の効力要件である。
260 1.アとイ
261
262 2.アとウ
263
264 3.アとエ
265
266 4.イとウ
267
268 5.イとエ
269
270 6.ウとエ
271
272 〔第8問〕(配点:3)
273 政党に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,それぞ
274 れ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
275 (解答欄は,アからウの順に[12]
276 から[14])
277 ア.選挙運動の規律は,選挙制度の仕組みの一部をなすものとして,国会が裁量により定めるこ
278 とができる。衆議院の小選挙区選挙において,候補者以外に候補者届出政党にも独自の選挙運
279 動が認められているのは,選挙制度を政策本位,政党本位にするという正当な政策的目的によ
280 るものといえる。[12]
281 イ.政党は議会制民主主義を支える重要な存在であり,政党間の批判や論評は公共性の極めて強
282 い事項である。したがって,ある政党が新聞紙上の広告で他の政党を批判した場合,それが名
283 誉毀損に当たらない場合であっても,批判された政党は同じ新聞紙上に反論文を掲載する権利
284 を有する。[13]
285 ウ.憲法は,議会制民主主義を支える不可欠の要素として,政党の存在を当然に予定している。
286 したがって,個人だけでなく,営利法人たる株式会社や特定職業に従事する者についての強制
287 加入団体も,社会的実在として期待される当然の行為として,政党などの政治団体に対して政
288 治資金の寄附を行う権利能力を有する。[14]
289 -4 -
290
291 〔第9問〕(配点:3)
292 衆議院の優越に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っ
293 ている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[15]から[17])
294 ア.衆議院と参議院を比較すると,衆議院の方が議員の任期が短く,また解散により必要な場合
295 には民意を問える地位にある点で,相対的に見て,その時々の民意をより反映しているといえ
296 ることが衆議院優越の根拠であると解される。[15]
297 イ.衆議院が可決した法律案を参議院が可決しなかった場合には,衆議院が出席議員の3分の2
298 以上の多数で再び可決して法律として成立させることができるが,衆議院の再議決の前には両
299 院協議会を開くことが憲法上求められている。[16]
300 ウ.憲法は条約について,内閣が締結権を有するとしながらも,国会による承認を経ることを求
301 めている。その際には,案件を先に衆議院に提出しなければならず,また議決についても,法
302 律案の場合よりも衆議院の強い優越性が認められている。[17]
303 〔第10問〕(配点:3)
304 司法権に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている
305 場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[18]から[20])
306 ア.「板まんだら」事件判決(最三小判昭和56年4月7日)は,宗教上の教義や信仰に関わる
307 紛争について裁判所は厳に中立を保つべきであるとして,これらの事項が訴訟の前提問題に含
308 まれている場合には,当該訴訟は法律上の争訟に当たらないとしたものである。[18]
309 イ.苫米地事件判決(最大判昭和35年6月8日)は,法律上の争訟の要件が満たされる事案で
310 あっても,高度の政治性を有する国家行為に関しては,実際的必要性の観点から,裁判所が司
311 法判断を下すのを自制すべきであるとしたものである。[19]
312 ウ.警察法改正無効事件判決(最大判昭和37年3月7日)は,警察法改正が衆参両院において
313 議決を経たとされ,適法な手続で公布されている以上,裁判所は両院の自主性を尊重すべきで
314 あり,議事手続に関する事実を審理してその有効無効を判断すべきでないとしたものである。
315 [20]
316 〔第11問〕(配点:3)
317 憲法と条約の効力関係をめぐる憲法優位説に関する次のアからウまでの各記述について,それぞ
318 れ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[21]
319 から[23])
320 ア.憲法優位説の論拠の一つは,条約優位説がもたらす結果に対する批判である。それは,条約
321 締結要件が憲法改正手続よりも緩やかであるので,条約によって実質的に憲法を改正すること
322 も可能になることへの批判である。[21]
323 イ.憲法優位説によれば,条約締結権を定めている憲法の規定は,どの機関が条約締結を担うの
324 か,またどのような手続を必要とするのかについて定めたものであって,条約の効力の根拠を
325 定めたものではない。[22]
326 ウ.憲法優位説の中にも,条約の違憲審査を控えるべきであるとする考え方がある。それは,憲
327 法第81条の文言に条約が含まれていないことや憲法第98条第2項が条約の誠実遵守を宣言
328 していることを根拠とする。[23]
329
330 -5 -
331
332 〔第12問〕(配点:2)
333 憲法改正について,その限界を理論的に想定する見解(限界説)と限界は理論的には存在しない
334 とする見解(無限界説)とが対立しているが,次の各記述について,限界説の立場に立つ記述を全
335 て挙げたものを,後記1から7までの中から選びなさい。(解答欄は,[24])
336 ア.憲法改正権は,憲法制定権力発動の所産である憲法に根拠を有する以上,憲法の同質性を失
337 わせるような改正をする法的能力を持ち得ない。
338 イ.ある憲法の基本原理が所定の憲法改正手続に従って改正されたとすれば,それは憲法の廃止
339 と新憲法の制定という,法を超えた政治的事件ということになる。
340 ウ.日本国憲法は,大日本帝国憲法に定められた憲法改正手続を遵守して制定されており,その
341 全面改正として法的には有効に成立した。
342 1.アイウ
343
344 2.アイ
345
346 3.アウ
347
348 4.イウ
349
350 -6 -
351
352 5.ア
353
354 6.イ
355
356 7.ウ
357
358 [行政法]
359 〔第13問〕(配点:3)
360 次のアからエまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,それぞれ正しい場合には1を,
361 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[25]から[28])
362 ア.警察法第2条第1項が「交通の取締」を警察の責務として定めていることなどに照らせば,
363 警察官が,交通取締りの一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において,交通違
364 反の予防,検挙のための自動車検問を実施し,同所を通過する自動車に対して走行の外観上の
365 不審な点の有無に関わりなく短時間の停止を求めて,運転者などに対し必要な事項についての
366 質問などをすることは,それが相手方の任意の協力を求める形で行われ,自動車の利用者の自
367 由を不当に制約することにならない方法,態様で行われる限り,適法である。[25]
368 イ.過去約10年間にわたり物品税が賦課されていなかったパチンコ球遊器につき,物品税法上
369 の課税対象物品に当たる旨の通達が発せられたために,税務署長が法令の解釈を変更して行っ
370 た物品税賦課処分は,法律の改正又は制定によらずに通達に基づいて国民に新たな不利益を課
371 すものであるから,法律の留保原則に違反する。[26]
372 ウ.民法第177条は,私経済上の取引の安全を保障するために設けられたものであるから,国
373 税滞納処分による差押えの関係には適用されることはない。[27]
374 エ.国が,勤務中の事故により損害を被った公務員に対して,安全配慮義務違背による損害賠償
375 の義務を負う関係には,会計法第30条は適用されず,当該関係における消滅時効期間につい
376 ては,民法の規定が適用される。[28]
377 (参照条文)会計法
378 第30条
379
380 金銭の給付を目的とする国の権利で,時効に関し他の法律に規定がないものは,
381
382 5年間これを行わないときは,時効に因り消滅する。国に対する権利で,金銭の給付を
383 目的とするものについても,また同様とする。
384
385 -7 -
386
387 〔第14問〕(配点:3)
388 建築基準法が同法所定の接道義務について条例による制限の付加を認めていることを受け,東京
389 都建築安全条例(以下「条例」という。)は,接道義務を厳格化している。条例の定める安全認定(以
390 下「安全認定」という。)は,接道義務の例外を認めるための制度であり,接道要件を満たしてい
391 ない建築物の計画であっても,適法に安全認定を受けていれば,建築確認申請手続において,接道
392 義務の違反がないものとして扱われることとなる。安全認定が行われた上で建築確認がされている
393 場合に,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することの可否について判断を示した
394 最高裁判所の判決(最高裁判所平成21年12月17日第一小法廷判決,民集63巻10号263
395 1頁)に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場
396 合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[29]から[32])
397 ア.この判決は,安全認定に処分性が認められないことを前提として,建築確認の取消訴訟にお
398 いて安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[29]
399 イ.この判決は,周辺住民には安全認定の取消訴訟の原告適格が認められないことを考慮して,
400 建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができるとしたものである。[
401 30]
402 ウ.この判決は,建築確認における接道要件充足の有無の判断と,安全認定における安全上の支
403 障の有無の判断は,避難又は通行の安全の確保という同一の目的を達成するために行われるも
404 のであることを考慮して,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することができ
405 るとしたものである。[31]
406 エ.この判決は,安全認定の適否を争うための手続的保障がこれを争おうとする者に十分に与え
407 られているというのは困難であることを考慮して,建築確認の取消訴訟において安全認定の違
408 法を主張することができるとしたものである。[32]
409 〔第15問〕(配点:2)
410 行政裁量に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいもの
411 に○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解
412 答欄は,[33])
413 ア.行政裁量が認められた処分についても,処分の理由提示が不備であることが当該処分の取消
414 事由となることがある。
415 イ.在留外国人の在留期間の更新不許可処分については,更新事由の有無の判断は法務大臣の裁
416 量に任され,その裁量権の範囲は広汎なものとされているから,判断の基礎となる事実認定に
417 ついては,それが社会通念に照らし著しく不合理な場合に限り,司法判断の対象となる。
418 ウ.公務員の懲戒処分については,裁判所は,懲戒権者と同一の立場に立って懲戒処分をするべ
419 きであったか,又はいかなる処分をするべきであったかについて判断し,懲戒権者の適法性判
420 断と裁判所の適法性判断とを比較して,両者に相違が存在する場合には,懲戒処分を違法とし
421 て取り消すべきである。
422 1.ア○
423
424 イ○
425
426 ウ○
427
428 2.ア○
429
430 イ○
431
432 ウ×
433
434 3.ア○
435
436 イ×
437
438 ウ○
439
440 4.ア○
441
442 イ×
443
444 ウ×
445
446 5.ア×
447
448 イ○
449
450 ウ○
451
452 6.ア×
453
454 イ○
455
456 ウ×
457
458 7.ア×
459
460 イ×
461
462 ウ○
463
464 8.ア×
465
466 イ×
467
468 ウ×
469
470 -8 -
471
472 〔第16問〕(配点:2)
473 A市は,行政手続条例に,行政指導に関して次の1から5までの内容の規定を設けようとしてい
474 る。この中から,行政手続法に同様の規定が置かれているものを2個選びなさい。ただし,1から
475 5までの文中にある「条例」は,「法律」と読み替えるものとする。(解答欄は,[34],[35]
476 順不同)
477 1.行政指導に携わる者は,当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならない。
478 2.申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導を行う場合には,原則として,行政指導の相
479 手方に対し,行政指導の趣旨及び内容を記載した書面を交付しなければならない。
480 3.条例の定めるところにより,行政指導の相手方が行政指導に従わなかった旨を公表する場合
481 には,原則として,行政指導の相手方に意見を述べる機会を与えなければならない。
482 4.行政指導指針を定めようとする場合には,原則として,広く一般の意見を求める意見公募手
483 続を採らなければならない。
484 5.行政指導の相手方は,行政指導が本条例に違反することを理由に,行政指導をした行政機関
485 に対し,行政指導の中止その他必要な措置を採るように求めることができる。
486 〔第17問〕(配点:2)
487 次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合
488 せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[36])
489 ア.最高裁判所の判例によれば,新規に大規模マンションの建設を予定している住宅分譲業者A
490 がB市に給水申込みをした事案において,B市が水道事業者として正常な企業努力をしている
491 にもかかわらず近い将来において水不足が生ずることが確実に予見される場合には,水道法第
492 15条第1項にいう「正当の理由」が認められることから,B市はAの給水契約の申込みを拒
493 否することができる。
494 (参照条文)水道法
495 第15条
496
497 水道事業者は,事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを
498
499 受けたときは,正当の理由がなければ,これを拒んではならない。
500 2,3
501
502 (略)
503
504 イ.最高裁判所の判例によれば,C市が特定の市立保育所を廃止する条例(以下「条例」という。)
505 を制定した場合において,廃止される保育所で保育を受けている児童及びその保護者は,保育
506 の実施期間満了まで当該保育所で保育を受けることを期待し得る法的地位を条例により違法に
507 侵害されたと主張して,条例制定行為に対する取消訴訟を適法に提起することができる。
508 ウ.D市は,産業廃棄物処理業者Eとの間で公害防止協定を締結する場合には,当該協定におい
509 て,必要があると認めるときは,D市職員をしてEの所有する処理施設に実力で立ち入らせ,
510 検査を行わせることができる旨を定めることができる。
511 1.ア○
512
513 イ○
514
515 ウ○
516
517 2.ア○
518
519 イ○
520
521 ウ×
522
523 3.ア○
524
525 イ×
526
527 ウ○
528
529 4.ア○
530
531 イ×
532
533 ウ×
534
535 5.ア×
536
537 イ○
538
539 ウ○
540
541 6.ア×
542
543 イ○
544
545 ウ×
546
547 7.ア×
548
549 イ×
550
551 ウ○
552
553 8.ア×
554
555 イ×
556
557 ウ×
558
559 -9 -
560
561 〔第18問〕(配点:2)
562 処分性に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らし,正しいものに
563 ○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答
564 欄は,[37])
565 ア.市町村の長が住民基本台帳法に基づき同法所定の氏名等の事項を住民票に記載する行為には,
566 処分性が認められるから,出生した子につき住民票の記載を求める親からの申出に対し市町村
567 の長がした当該記載をしない旨の応答には,処分性が認められるものといえる。
568 イ.国有普通財産の払下げは,売渡申請書の提出及びこれに対する払下許可の形式が採られてお
569 り,国が優越的地位に立って私人との間の法律関係を定めるものであるから,処分性が認めら
570 れるものといえる。
571 ウ.過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者が,登録免許税法に基づいて,登記機関に対
572 し税務署長への還付通知を行うよう請求した事例において,登記機関が当該請求を拒否する旨
573 の通知を行った場合,当該拒否通知は,登記等を受けた者に対して簡易迅速に還付を受ける手
574 続を利用することができる地位を否定する法的効果を有するから,処分性が認められるものと
575 いえる。
576 1.ア○
577
578 イ○
579
580 ウ○
581
582 2.ア○
583
584 イ○
585
586 ウ×
587
588 3.ア○
589
590 イ×
591
592 ウ○
593
594 4.ア○
595
596 イ×
597
598 ウ×
599
600 5.ア×
601
602 イ○
603
604 ウ○
605
606 6.ア×
607
608 イ○
609
610 ウ×
611
612 7.ア×
613
614 イ×
615
616 ウ○
617
618 8.ア×
619
620 イ×
621
622 ウ×
623
624 〔第19問〕(配点:2)
625 抗告訴訟における判決の効力に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤
626 っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
627 (解答欄は,
628 [
629 38])
630 ア.処分の取消判決が確定した場合,処分行政庁は,判決の拘束力により当該処分を取り消さな
631 ければならない。
632 イ.義務付け訴訟において請求を認容する判決が確定した場合,当該処分がされたのと同様の効
633 果が生ずる。
634 ウ.課税処分を取り消す判決が確定した場合,当該課税処分を前提とする滞納処分としての差押
635 処分がそのまま維持されることはない。
636 1.ア○
637
638 イ○
639
640 ウ○
641
642 2.ア○
643
644 イ○
645
646 ウ×
647
648 3.ア○
649
650 イ×
651
652 ウ○
653
654 4.ア○
655
656 イ×
657
658 ウ×
659
660 5.ア×
661
662 イ○
663
664 ウ○
665
666 6.ア×
667
668 イ○
669
670 ウ×
671
672 7.ア×
673
674 イ×
675
676 ウ○
677
678 8.ア×
679
680 イ×
681
682 ウ×
683
684 - 10 -
685
686 〔第20問〕(配点:2)
687 処分の取消しの訴えの審理に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っ
688 ているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[
689 39])
690 ア.処分の取消しの訴えにおいて,原告は,処分に関係する一切の違法を理由として取消しを求
691 めることができる。
692 イ.処分の取消しの訴えにおいて,裁判所は,訴訟関係を明瞭にするため,必要があると認める
693 ときは,処分の理由を明らかにする資料であって当該処分をした行政庁が保有するものの全部
694 又は一部の提出を求める釈明処分をすることができる。
695 ウ.処分の取消しの訴えにおいて,裁判所が職権ですることができる証拠調べの対象は,訴訟要
696 件に関するものに限られない。
697 1.ア○
698
699 イ○
700
701 ウ○
702
703 2.ア○
704
705 イ○
706
707 ウ×
708
709 3.ア○
710
711 イ×
712
713 ウ○
714
715 4.ア○
716
717 イ×
718
719 ウ×
720
721 5.ア×
722
723 イ○
724
725 ウ○
726
727 6.ア×
728
729 イ○
730
731 ウ×
732
733 7.ア×
734
735 イ×
736
737 ウ○
738
739 8.ア×
740
741 イ×
742
743 ウ×
744
745 〔第21問〕(配点:3)
746 行政事件訴訟法第3条第2項以下に定める法定抗告訴訟に関する次のアからエまでの各記述につ
747 いて,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエ
748 の順に[40]から[43])
749 ア.生活保護開始申請を却下された者は,保護の実施機関において生活保護を開始しないことが
750 裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たるといえるならば,却下処分の取消しの訴えに代えて,生
751 活保護開始決定の義務付けの訴えを適法に提起することができる。[40]
752 イ.建築基準法令に違反した建築物の敷地の隣地所有者は,当該建築物が倒壊する危険があるの
753 に特定行政庁が違反是正措置としての処分をしないのは違法であるとして,不作為の違法確認
754 の訴えを適法に提起することができる。[41]
755 ウ.差止めの訴えを提起することができるのは,行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない
756 旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限られる。[42]
757 エ.取消訴訟と義務付け訴訟が併合して提起されている場合,両訴訟の弁論及び裁判は,分離し
758 ないでしなければならないから,裁判所は,両訴訟に係る判決を同時にしなければならない。
759 [43]
760 〔第22問〕(配点:3)
761 処分の効力,処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)に
762 関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2
763 を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[44]から[47])
764 ア.執行停止の決定をする場合においては,本案の訴えが提起されていなければならないが,当
765 該訴えが適法であるか否かは問題とならない。[44]
766 イ.執行停止は,処分,処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため他に適
767 当な方法がないときに限り,することができる。[45]
768 ウ.処分の効力の停止は,処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる
769 場合には,することができない。[46]
770 エ.民事保全法に規定する仮処分をもっては,裁判所は,処分の執行停止を命ずることはできな
771 い。[47]
772
773 - 11 -
774
775 〔第23問〕(配点:3)
776 損失補償に関する次のアからエまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,そ
777 れぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
778 (解答欄は,アからエの順に[
779 48]から[51])
780 ア.Aが所有する一団の土地の一部が収用された事例において,残地部分が不整形になり,その
781 価格が収用前に比べて減少した場合には,起業者はAに対して,残地に関する損失を補償しな
782 ければならない。[48]
783 イ.ある土地が道路用地として収用され,道路が建設された結果,道路面とその隣接地との間に
784 高低差が生じた事例において,隣接地の所有者Bが高低差を解消するために通路の設置を余儀
785 なくされた場合には,Bは起業者に対して,通路設置に要した費用の補償を請求することがで
786 きる。[49]
787 ウ.Cの土地が収用される事例において,権利取得裁決により起業者はCの所有する土地を取得
788 することから,事業認定の時点ではなく,当該裁決の時点における土地取引価格を基準として,
789 Cが近傍において被収用地と同等の代替地を取得することができるだけの補償金額が,算定さ
790 れなければならない。[50]
791 エ.自己の所有する土地を収用されたDは,権利取得裁決に定められた補償額を不服として増額
792 請求訴訟を提起して勝訴した場合には,正当な補償額と裁決で定められた補償額との差額のみ
793 ならず,その差額に対する,裁決で定められた権利取得の時期からその支払済みに至るまでの
794 民法所定の法定利率相当額を請求することができる。[51]
795 〔第24問〕(配点:3)
796 次のアからエまでの各記述について,行政不服審査法(以下「法」という。)に照らし,それぞ
797 れ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
798 (解答欄は,アからエの順に[52]
799 から[55])
800 ア.法は,公権力の行使に当たる事実上の行為で,その内容が継続的性質を有しないものも,
801 「処
802 分」に含まれると定めている。[52]
803 イ.審査請求は,建築基準法に基づいて設置される建築審査会のような,独立して職権を行使す
804 る第三者機関に対して行われる不服申立てを意味する。[53]
805 ウ.ある処分について異議申立て及び審査請求をすることができる場合につき,法は,自由選択
806 主義を採用しているので,当該処分に不服のある者は,異議申立てについての決定を経た後で
807 審査請求をすることも,直ちに審査請求をすることもできる。[54]
808 エ.審査請求に理由があるときは,審査庁は,原則として,審査請求の全部又は一部を認容する
809 裁決をしなければならないが,例外として,事情裁決によって当該審査請求を棄却することが
810 できる。[55]
811
812 - 12 -
813
814