1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 -1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 次の1から5までの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合,
9 甲に窃
10 盗罪が成立しないものはどれか。
11
12 (解答欄は,
13 [bP])
14 1.甲は,
15 コンビニエンスストアでレジ係のアルバイトをしていたが,
16 店長の乙が短時間外出し
17 ていた間に,
18 商品棚からたばこ1カートンを取り出して自分のバッグに入れ,
19 アルバイト終了
20 後店外へ持ち出し,
21 これを自分のものにした。
22
23
24 2.甲は,
25 旅館に宿泊した際,
26 旅館内にある共同浴場の脱衣場で,
27 他の宿泊客が置き忘れた時計
28 を見付けたので,
29 脱衣場から持ち出し,
30 これを自分のものにした。
31
32
33 3.甲は,
34 深夜,
35 路上を歩いていたところ,
36 見知らぬ乙と丙が殴り合いのけんかをしていたので,
37
38 これを見ていると,
39 乙がナイフを取り出して丙を刺し殺した。
40
41 甲は,
42 乙が走り去った直後,
43
44 亡した丙の上着のポケット内に入っていた現金入りの財布を持ち去り,
45 これを自分のものにし
46 た。
47
48
49 4.甲は,
50 乙から封かんされた現金10万円入りの封筒を渡されて丙に届けるように依頼され,
51
52 丙方に向かって歩き始めたが,
53 途中で封筒内の現金が欲しくなり,
54 封を開いて封筒に入ってい
55 た現金のうち2万円を取り出してこれを自分のものにした後,
56 残りの現金が入った封筒を丙に
57 交付した。
58
59
60 5.甲は,
61 乙が他の者から盗んできた宝石を乙所有の自動車の中に置いているのを知っていたと
62 ころ,
63 ある日,
64 同車が無施錠で駐車されているのに気付き,
65 同車内から同宝石を持ち去り,
66
67 れを自分のものにした。
68
69
70 〔第2問〕(配点:2)
71 正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
72 誤っているも
73 のはどれか。
74
75 (解答欄は,
76 [bQ])
77 1.刑法第36条にいう「急迫」とは,
78 法益が侵害される危険が切迫していることをいい,
79 被害
80 の現在性を意味するものではない。
81
82
83 2.刑法第36条にいう「不正」とは,
84 違法であることを意味し,
85 侵害が全体としての法秩序に
86 反することをいう。
87
88
89 3.刑法第36条にいう「権利」は個人的法益を指し,
90 国家的法益や社会的法益は含まれない。
91
92
93 4.侵害者に対する攻撃的な意思を有していたとしても,
94 防衛の意思が認められる場合がある。
95
96
97 5.けんか闘争において正当防衛が成立するかどうかを判断するに当たっては,
98 闘争行為中の瞬
99 間的な部分の攻防の態様のみに着眼するのではなく,
100 けんか闘争を全般的に観察することが必
101 要である。
102
103
104 〔第3問〕(配点:3)
105 放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
106 正しいものを2個選び
107 なさい。
108
109 (解答欄は,
110 [bR]
111
112 [bS]順不同)
113 1.甲は,
114 日頃恨みを持っていたVの所有する自動車が止めてある駐車場に出向き,
115 同車にガソ
116 リンをかけて火をつけ,
117 同車を焼損させたところ,
118 同駐車場に駐車されていた第三者が所有す
119 る自動車10台に延焼する危険が生じたものの,
120 駐車場が住宅地から離れていたため,
121 住宅そ
122 の他の建物に延焼する危険は生じなかった。
123
124 甲には建造物等以外放火既遂罪は成立しない。
125
126
127 2.甲は,
128 周囲に他の住宅のない場所に空家を所有する乙から,
129 同家屋に付された火災保険金を
130 だまし取る計画を持ちかけられ,
131 これに応じることとし,
132 同家屋に立て掛けてあった薪に灯油
133 をかけて火をつけたところ,
134 火は同家屋の取り外し可能な雨戸に燃え移ったが,
135 たまたま降り
136 -2 -
137
138 出した激しい雨によって鎮火した。
139
140 甲には他人所有非現住建造物等放火未遂罪が成立するにと
141 どまる。
142
143
144 3.甲は,
145 深夜,
146 本殿・祭具庫・社務所・守衛詰所が木造の回廊で接続され,
147 一部に火を放てば
148 他の部分に延焼する可能性がある構造の神社の祭具庫壁付近にガソリンをまいてこれに火をつ
149 けた。
150
151 その結果,
152 無人の祭具庫は全焼したものの,
153 Vらが現在する社務所・守衛詰所には,
154
155 は燃え移らなかった。
156
157 甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。
158
159
160 4.甲は,
161 日頃恨みを持っていたVが居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご
162 内に,
163 ガソリンを染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火し,
164 エレベーターのかごの内
165 部を焼損させた。
166
167 甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。
168
169
170 5.甲は,
171 妻所有の一戸建て木造家屋に妻と二人で暮らしていたところ,
172 ある日,
173 同家屋内にお
174 いて,
175 口論の末に激高して妻を殺害し,
176 その直後に犯跡を隠すため,
177 同家屋に火をつけて全焼
178 させたが,
179 周囲の住宅には燃え移らなかった。
180
181 甲には現住建造物等放火既遂罪が成立する。
182
183
184 〔第4問〕(配点:3)
185 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
186 甲に(
187
188 )内の犯罪の共同正犯が成立
189
190 する場合には1を,
191 教唆犯又は幇助犯が成立する場合には2を,
192 間接正犯が成立する場合には3を
193 選びなさい。
194
195 (解答欄は,
196 アからオまでの順に[bT]から[bX])
197 ア.甲は,
198 甲の所属する暴力団事務所にVを連行し,
199 同事務所において3日間,
200 Vを逃走できな
201 いように見張って監禁し,
202 その後,
203 同じ暴力団に所属する乙に対して「お前が俺に代わって見
204 張れ。
205
206 」と言った。
207
208 乙は,
209 これを了承し,
210 4日目から前記事務所においてVを逃走できないよ
211 うに見張って監禁した。
212
213 5日目に乙が居眠りをした隙に,
214 Vは,
215 前記事務所の窓から外に飛び
216 降りて逃げ出したが,
217 飛び降りた際,
218 右足首を骨折した。
219
220 (監禁致傷罪)[bT]
221 イ.甲は,
222 乙が自宅で賭博場を開張して利益を得ていることを知り,
223 乙の役に立とうと考え,
224
225 に連絡することなく,
226 乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し,
227 賭博をさせた。
228
229 (賭博場開張
230 図利罪)[bU]
231 ウ.甲は,
232 常日頃暴行を加えて自己の意のままに従わせていた実子の乙(13歳)に対し,
233 Vが
234 管理するさい銭箱から現金を盗んでくるように命じ,
235 乙は,
236 是非善悪の識別能力及び識別に従
237 って行動を制御する能力を有していたが,
238 甲の命令に従わなければまた暴力を振るわれると畏
239 怖し,
240 意思を抑圧された状態で,
241 前記さい銭箱から現金を盗んだ。
242
243 (窃盗罪)[bV]
244 エ.甲は,
245 知人乙から,
246 交際相手であるVを殺害したいので青酸カリを入手してほしいと依頼さ
247 れ,
248 自らもVに恨みを抱いていたことから,
249 青酸カリを準備して乙に交付した。
250
251 乙は,
252 甲から
253 青酸カリを受領した後,
254 実行行為に出る前にV殺害を思いとどまり,
255 警察署に出頭した。
256
257 (殺
258 人予備罪)[bW]
259 オ.甲は,
260 乙から,
261 乙がV方に強盗に入る際に外で見張りをしてほしいと頼まれ,
262 利益を折半す
263 る約束でこれを承諾し,
264 乙と共にV方に赴いた。
265
266 甲がV方の外で見張りをしている間に,
267 乙は
268 V方に侵入した。
269
270 その後,
271 甲は,
272 不安になり,
273 携帯電話で乙に「やっぱり嫌だ。
274
275 俺は逃げる。
276
277
278 と告げた上,
279 その場から逃走した。
280
281 乙は,
282 甲の逃走を認識した後,
283 V方内にいたVを発見し,
284
285 同人に包丁を突き付けてその反抗を抑圧した上,
286 現金を強取した。
287
288 (強盗罪)[bX]
289
290 -3 -
291
292 〔第5問〕(配点:2)
293 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
294 甲に乙又は乙社に対する脅迫罪
295 が成立するものの組合せは,
296 後記1から7までのうちどれか。
297
298 (解答欄は,
299 [10])
300 ア.甲は,
301 乙に対し,
302 乙の妻の実兄である丙を殺害する旨告知し,
303 乙は丙が殺されるかもしれな
304 い旨畏怖した。
305
306
307 イ.甲は,
308 乙株式会社総務課長丙に対して,
309 乙社の商品不買運動を行って乙社の営業活動を妨害
310 する旨告知し,
311 丙は,
312 乙社の営業活動が妨害されるかもしれない旨畏怖した。
313
314
315 ウ.甲は,
316 インターネット上の掲示板に乙が匿名で行った書き込みに対し,
317 同掲示板に「そんな
318 投稿をするやつには天罰が下る。
319
320 」旨の書き込みを行い,
321 これを閲読した乙は,
322 小心者だった
323 ことから,
324 何か悪いことが起こるかもしれない旨畏怖した。
325
326
327 エ.甲は,
328 口論の末,
329 乙に対し,
330 「ぶっ殺すぞ。
331
332 」と怒号した。
333
334 この様子を見ていた周囲の人たち
335 は,
336 甲が本当に乙を殺害するのではないかと恐れたが,
337 乙は剛胆であったため畏怖しなかった。
338
339
340 オ.甲は,
341 単身生活の乙に対し,
342 「乙宅を爆破する。
343
344 」旨記載した手紙を投函し,
345 同手紙は乙方に
346 配達されたが,
347 同手紙には差出人が記載されていなかったことから,
348 不審に思った乙は同手紙
349 を開封しないまま廃棄した。
350
351
352 1.ア
353
354
355
356 2.ア
357
358
359
360 6.ウ
361
362
363
364 7.ウ
365
366
367
368 3.ア
369
370
371
372 4.イ
373
374
375
376 5.イ
377
378
379
380 〔第6問〕(配点:3)
381 次の【事例及び裁判所の判断】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
382 誤っているもの
383 はどれか。
384
385 (解答欄は,
386 [11])
387 【事例及び裁判所の判断】
388 被告人ら複数名が,
389 被害者に対し,
390 マンションの居室内において,
391 長時間にわたって激しい暴
392 行を加えたところ,
393 被害者が,
394 隙を見て同居室から逃走した上,
395 被告人らに極度の恐怖感を抱き,
396
397 その追跡から逃れるため,
398 逃走を開始してから約10分後,
399 上記マンションから約800メート
400 ル離れた高速道路内に進入し,
401 疾走してきた自動車に衝突されて死亡したという傷害致死被告事
402 件において,
403 裁判所は,
404 「被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは,
405 危険な行為で
406 はあるが,
407 被害者は,
408 被告人らの激しい暴行を受けて極度の恐怖感を抱き,
409 必死に逃走を図る過
410 程で,
411 とっさにそのような行動を選択したものと認められ,
412 その行動が,
413 被告人らの暴行から逃
414 れる方法として,
415 著しく不自然,
416 不相当であったとはいえない。
417
418 そうすると,
419 被害者が高速道路
420 に進入して死亡したのは,
421 被告人らの暴行に起因するものと評価することができるから,
422 被告人
423 らの暴行と被害者の死亡との間の因果関係は肯定することができる。
424
425 」旨の判断を示した。
426
427
428 【記
429
430 述】
431
432 1.この裁判所の考え方によれば,
433 上記事例において,
434 高速道路内に進入する以外に被害者にと
435 って容易にとり得る他の安全な逃走経路があり,
436 そのことを被害者が認識していたにもかかわ
437 らず,
438 あえて被害者が高速道路に進入した場合には,
439 因果関係を否定する判断に結び付きやす
440 いといえる。
441
442
443 2.この裁判所の考え方は,
444 被告人らの行為の危険性が現実化したか否かという観点から,
445 逃走
446 した被害者の行動が,
447 被告人らの暴行による心理的・物理的な影響に基づくか否かを検討する
448 ことによって,
449 因果関係の存否を判断しているものと評価することも可能である。
450
451
452 3.この裁判所の考え方によれば,
453 上記事例において,
454 被告人らが被害者に加えた暴行が短時間
455 かつ軽微なもので,
456 被害者も強い恐怖感を抱かなかった場合には,
457 因果関係を否定する判断に
458 結び付きやすいといえる。
459
460
461 4.この裁判所の考え方は,
462 被告人らの行為と被害者の死亡の結果との間に事実的なつながり(条
463 件関係)が存在することを前提にした上で,
464 被告人らの行為の後に被害者による危険な逃走行
465 -4 -
466
467 為が介在した場合における因果関係の存否を判断していると評価することも可能である。
468
469
470 5.この裁判所の考え方によれば,
471 上記事例において,
472 被害者が暴行を受けたマンションの居室
473 から逃げ出し,
474 同マンションに面した一般道路に慌てて飛び出したところ,
475 自動車に衝突され
476 て死亡したという場合であれば,
477 因果関係を否定する判断に結び付きやすいといえる。
478
479
480 〔第7問〕(配点:2)
481 次の【事例】に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検討し,
482 誤っている
483 ものを2個選びなさい。
484
485 (解答欄は,
486 [12]
487
488 [13]順不同)
489 【事
490
491 例】
492 甲と乙は,
493 V経営の食料品店で買った弁当を食べたら食中毒になった旨の嘘を言って因縁を付
494
495 けてVを脅迫するとともに,
496 同人に軽度の暴行を加え,
497 これらの暴行・脅迫により同人を畏怖さ
498 せて,
499 損害賠償金の名目で50万円を支払わせ,
500 これを分配することを計画した。
501
502 乙は,
503 計画に
504 従い,
505 同店に行き,
506 Vに対し,
507 「この店の弁当を食べたら食中毒になった。
508
509 店の営業を続けたけ
510 れば50万円払え。
511
512 払わないと,
513 この店の弁当で食中毒になったと書いたビラをばらまくぞ。
514
515
516 と語気鋭く申し向けた上,
517 Vの額を手の平で軽くたたいた。
518
519 Vは,
520 これをよけようとした際,
521
522 ランスを崩して転倒し,
523 全治約1週間を要する後頭部打撲の怪我を負った。
524
525
526 Vは,
527 乙が食中毒になったことは嘘であると気付いたが,
528 乙の要求に応じないと,
529 更に暴力を
530 振るわれたり,
531 店を中傷するビラをまかれるかもしれないと畏怖し,
532 手持ちの現金30万円を乙
533 に渡し,
534 残りの20万円は翌日支払うことで乙を納得させた。
535
536
537 乙は,
538 同店を出て,
539 甲と会い,
540 前記経緯を説明した上,
541 Vから受け取った30万円のうち15
542 万円を分け前として甲に渡した。
543
544
545 乙は,
546 翌日,
547 同店を訪れてVから残りの20万円を受け取ろうとしたが,
548 通報を受けた警察官
549 が同店近くにいたので,
550 20万円の受取は断念した。
551
552
553 乙は,
554 甲に事前に相談することなく,
555 腹いせに,
556 「V経営の食料品店で買った弁当を食べた客
557 が食中毒になった。
558
559 」という虚偽の事実が書かれたビラを多数の者に配った。
560
561
562 なお,
563 甲は,
564 乙がVに怪我を負わせることや前記ビラを配ることを予想していなかった。
565
566
567 【記
568
569 述】
570
571 1.Vに怪我を負わせたことについて,
572 甲には,
573 傷害罪は成立しない。
574
575
576 2.Vに怪我を負わせたことについて,
577 乙には,
578 傷害罪が成立する。
579
580
581 3.Vに30万円を交付させたことについて,
582 甲及び乙には,
583 恐喝既遂罪が成立する。
584
585
586 4.虚偽のビラを配ったことについて,
587 甲には,
588 信用毀損罪も業務妨害罪も成立しない。
589
590
591 5.乙から15万円を受け取ったことについて,
592 甲には,
593 盗品等無償譲受け罪が成立する。
594
595
596
597 -5 -
598
599 〔第8問〕(配点:2)
600 次のアからエまでの各事例を判例の立場に従って検討し,
601 成立する犯罪が【
602 ある場合には1を,
603
604
605 】内の罪数関係に
606
607 】内の罪数関係にない場合には2を選びなさい。
608
609 (特別法犯は除く。
610
611 解答欄
612
613 は,
614 アからエまでの順に[14]から[17])
615 ア.公務員が,
616 電化製品を盗品であると知りながら,
617 賄賂として収受した。
618
619
620 【観念的競合】
621 [14]
622 イ.連日,
623 駅前で募金箱を持ち,
624 真実は募金を難病の子供のために使うつもりはなく,
625 自己のた
626 めに費消するつもりであるのにそれを隠して,
627
628 「難病の子供を救うため,
629 募金をお願いします。
630
631
632 と連呼し,
633 多数回にわたり,
634 不特定多数の通行人からそれぞれ少額の金員をだまし取った。
635
636
637 【包
638 括一罪】[15]
639 ウ.他人のキャッシュカードを盗み,
640 これを使って銀行の現金自動預払機から預金を引き出した。
641
642
643 【併合罪】[16]
644 エ.自動車を盗み,
645 これを売却した。
646
647 【牽連犯】[17]
648 〔第9問〕(配点:2)
649 犯人蔵匿罪又は犯人隠避罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場
650 合,
651 正しいものの組合せは,
652 後記1から7までのうちどれか。
653
654 (解答欄は,
655 [18])
656 ア.甲は,
657 窃盗罪を犯して逃走中の友人乙及び丙をその事情を知りながら自宅にかくまった。
658
659
660 の時点で,
661 警察は,
662 乙に対する捜査を開始していたが,
663 丙が乙の共犯であることについては把
664 握していなかった。
665
666 甲には,
667 乙をかくまったことについて犯人蔵匿罪が成立するが,
668 丙をかく
669 まったことについて同罪は成立しない。
670
671
672 イ.甲は,
673 乙が強制執行妨害目的財産損壊罪を犯したことを認識した上で乙をかくまったが,
674
675 罪の刑が罰金以上であることを知らなかった。
676
677 甲には犯人蔵匿罪が成立する。
678
679
680 ウ.甲は,
681 殺人罪を犯して逮捕勾留された乙に依頼され,
682 乙の身代わり犯人として警察署に出頭
683 し,
684 自己が犯人であるという嘘の申告をした。
685
686 甲には犯人隠避罪が成立する。
687
688
689 エ.甲は,
690 強盗罪を犯した後,
691 友人乙に事情を話して唆し,
692 自己を隠避させた。
693
694 甲には犯人隠避
695 罪の教唆犯は成立しない。
696
697
698 オ.甲は,
699 乙につき,
700 傷害罪で逮捕状が発付されていることを知りながら,
701 乙をかくまった。
702
703
704 の後,
705 乙は犯罪の嫌疑が不十分であるという理由で不起訴処分となった場合,
706 甲には犯人蔵匿
707 罪は成立しない。
708
709
710 1.ア
711
712
713
714 2.ア
715
716
717
718 6.ウ
719
720
721
722 7.エ
723
724
725
726 3.イ
727
728
729
730 4.イ
731
732
733
734 5.ウ
735
736
737
738 〔第10問〕(配点:2)
739 責任能力に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
740 誤っているも
741 のの個数を後記1から5までの中から選びなさい。
742
743 (解答欄は,
744 [19])
745 ア.犯行時に14歳未満であっても,
746 公訴を提起する時点で14歳に達していれば,
747 刑事責任能
748 力が認められる。
749
750
751 イ.犯行時に成年に達していても,
752 犯行時の知能程度が12歳程度であった場合には,
753 刑事未成
754 年者に関する刑法第41条が準用される。
755
756
757 ウ.犯行時に心神耗弱の状態にあったと認められれば,
758 刑が任意的に減軽される。
759
760
761 エ.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,
762 行動を制御する能力が十
763 分に保たれていれば,
764 完全責任能力が認められることがある。
765
766
767 オ.飲酒当初から飲酒後に自動車を運転する意思があり,
768 実際に酩酊したまま運転した場合,
769
770 転時に飲酒の影響により心神耗弱の状態であっても,
771 完全責任能力が認められることがある。
772
773
774 1.1個
775
776 2.2個
777
778 3.3個
779
780 4.4個
781 -6 -
782
783 5.5個
784
785 〔第11問〕(配点:2)
786 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
787 正しいものを2個選びなさい。
788
789 (解答
790 欄は,
791 [20]
792
793 [21]順不同)
794 1.甲は,
795 V女を強姦した後,
796 同女から金品を奪う意思を生じ,
797 同女に更なる暴行・脅迫を加え,
798
799 その反抗を抑圧して同女の財布を奪った。
800
801 甲には強盗強姦既遂罪は成立しない。
802
803
804 2.甲は,
805 V女に暴行を加えてその反抗を著しく困難にさせた上で姦淫しようと思い,
806 同女の顔
807 面を1回殴ったところ,
808 同女に逃げられ,
809 姦淫することはできなかったが,
810 前記殴打行為によ
811 り同女に全治約1か月間を要する鼻骨骨折の傷害を負わせた。
812
813 甲には強姦未遂罪と傷害罪が成
814 立し,
815 両罪は観念的競合となる。
816
817
818 3.甲は,
819 強姦するために反抗を著しく困難にする程度の暴行をV女に加えたところ,
820 その暴行
821 により同女が脳震とうを起こして失神した。
822
823 甲は失神した同女を姦淫した。
824
825 甲には準強姦既遂
826 罪が成立する。
827
828
829 4.甲は,
830 13歳のV女を12歳であると誤信したまま,
831 暴行・脅迫を加えることなく同女を姦
832 淫した。
833
834 甲には強姦既遂罪は成立しない。
835
836
837 5.甲は,
838 強姦するため,
839 殺意をもってV女に強度の暴行を加え,
840 同女の反抗を抑圧した上で同
841 女を姦淫し,
842 同暴行により,
843 同女を死亡させた。
844
845 甲には強姦致死罪のみが成立する。
846
847
848 〔第12問〕(配点:3)
849 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
850 誤っているものを2個選びなさい。
851
852
853 (解
854 答欄は,
855 [22],
856 [23]順不同)
857 1.甲は,
858 Aを川の中に突き落として溺死させようと思い,
859 橋の側端に立っていたAを突き飛ば
860 したところ,
861 Aは落下する途中で橋脚に頭部を強打して即死した。
862
863 甲には殺人既遂罪が成立す
864 る。
865
866
867 2.甲は,
868 乙に対し,
869 Aを殺害するよう唆したところ,
870 乙は,
871 その旨決意し,
872 夜道で待ち伏せし
873 た上,
874 歩いてきた男をAだと思って包丁で刺し殺したが,
875 実際には,
876 その男はBであった。
877
878
879 には殺人既遂罪の教唆犯が成立する。
880
881
882 3.甲は,
883 隣人Aの居宅の玄関前に置いてあった自転車を,
884 Aの所有物と認識して持ち去ったが,
885
886 実際には,
887 同自転車は無主物だった。
888
889 甲には遺失物等横領罪が成立する。
890
891
892 4.甲は,
893 駐車場に駐車中のA所有の自動車を見て,
894 Aに対する腹いせに傷つけてやろうと思っ
895 て石を投げたが,
896 狙いがそれて,
897 その隣に駐車中のB所有の自動車に石が当たってフロントガ
898 ラスが割れた。
899
900 甲には器物損壊罪が成立する。
901
902
903 5.甲は,
904 乙との間で,
905 Aに暴行を加えることを共謀したところ,
906 乙は,
907 Aに対して暴行を加え
908 ている最中に興奮のあまり殺意を生じ,
909 Aを殺害してしまった。
910
911 甲には傷害罪の共同正犯が成
912 立するにとどまる。
913
914
915
916 -7 -
917
918 〔第13問〕(配点:2)
919 詐欺罪又は恐喝罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
920 誤っている
921 ものを全て選んだ場合の組合せは,
922 後記1から7までのうちどれか。
923
924 (解答欄は,
925 [24])
926 ア.甲は,
927 交通事故を装い保険会社から保険金をだまし取ろうと企て,
928 自己の運転する自動車を
929 道路脇の電柱に衝突させて自ら怪我をした。
930
931 この場合,
932 甲には,
933 自動車を電柱に衝突させた時
934 点で,
935 詐欺未遂罪が成立する。
936
937
938 イ.甲は,
939 警察官でないのに警察官を装い,
940 窃盗犯人である乙に対し,
941 「警察の者だが,
942 取り調
943 べる必要があるから差し出せ。
944
945 」などと虚偽の事実を申し向けて盗品の提出を求め,
946 これに応
947 じなければ直ちに警察署に連行するかもしれないような態度を示したところ,
948 乙は,
949 逮捕され
950 るかもしれないと畏怖した結果,
951 甲に盗品を交付した。
952
953 この場合,
954 甲には,
955 恐喝既遂罪が成立
956 する。
957
958
959 ウ.甲は,
960 無銭宿泊を企て,
961 宿泊代金を支払う意思も能力もないのに,
962 これらがあるように装い,
963
964 民宿を営む乙に対し,
965 宿泊を申し込んだところ,
966 乙は,
967 他の民宿から甲が無銭宿泊の常習者で
968 あることを聞いていたため,
969 甲に宿泊代金支払の意思も能力もないことが分かったが,
970 甲に憐
971 憫の情を抱き,
972 甲を宿泊させた。
973
974 この場合,
975 甲には,
976 詐欺未遂罪が成立するにとどまる。
977
978
979 エ.甲は,
980 通行中の乙から現金を喝取することを企て,
981 乙に対し,
982 反抗を抑圧するに至らない程
983 度の脅迫を加えたところ,
984 乙は,
985 甲の脅迫により畏怖し,
986 甲が乙の上着の内ポケットに手を入
987 れて財布を抜き取ることを黙認した。
988
989 この場合,
990 甲には,
991 恐喝未遂罪が成立するにとどまる。
992
993
994 オ.甲は,
995 偽札を作る意思がないのに,
996 乙に対し,
997 一緒に偽札を作ることを持ちかけた上,
998 偽札
999 を作る機材の購入資金にすると嘘を言って資金の提供を求め,
1000 その旨誤信した乙から同資金と
1001 して現金の交付を受けた。
1002
1003 この場合,
1004 甲には,
1005 詐欺未遂罪も,
1006 詐欺既遂罪も成立しない。
1007
1008
1009 1.アイウ
1010
1011 2.アエオ
1012
1013 3.アオ
1014
1015 4.イウ
1016
1017 -8 -
1018
1019 5.イオ
1020
1021 6.エ
1022
1023 7.エオ
1024
1025 [刑事訴訟法]
1026 〔第14問〕(配点:2)
1027 被疑者の勾留に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1028 正しいものの組合せは,
1029 後記1から5
1030 までのうちどれか。
1031
1032 (解答欄は,
1033 [25])
1034 ア.裁判官は,
1035 被疑者の勾留期間の延長をする旨の裁判をする際,
1036 被疑者に対し被疑事件を告げ
1037 これに関する陳述を聴く手続を行わなければならない。
1038
1039
1040 イ.裁判官が,
1041 検察官から勾留の請求があった翌日に,
1042 被疑者を勾留する旨の裁判をした場合で
1043 も,
1044 検察官は,
1045 勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときは,
1046 勾留期間の延
1047 長が認められた場合を除き,
1048 直ちに被疑者を釈放しなければならない。
1049
1050
1051 ウ.裁判官は,
1052 検察官から勾留期間を10日間延長する請求があった場合でも,
1053 その延長期間を
1054 5日間とする裁判をすることができる。
1055
1056
1057 エ.少年の被疑者については,
1058 勾留することができない。
1059
1060
1061 オ.検察官は,
1062 適当と認めるときは,
1063 検察官自らの裁量により,
1064 勾留の執行を停止することがで
1065 きる。
1066
1067
1068 1.ア
1069
1070
1071
1072 2.ア
1073
1074
1075
1076 3.イ
1077
1078
1079
1080 4.ウ
1081
1082
1083
1084 5.エ
1085
1086
1087
1088 〔第15問〕(配点:2)
1089 次のT及びUの【見解】は,
1090 被疑者を逮捕状により逮捕する場合に,
1091 刑事訴訟法第220条第1
1092 項第1号に基づき,
1093 被疑者の捜索のために人の住居に入るに当たり,
1094 逮捕状の呈示が必要か否かと
1095 いう解釈問題に関するものである。
1096
1097 後記【発言】は,
1098 学生AないしEが,
1099 T又はUのいずれかの【見
1100 解】を採って意見を述べたものである。
1101
1102 【見解】と【発言】を対応させた場合,
1103 その組合せとして
1104 最も適切なものは,
1105 後記1から5までのうちどれか。
1106
1107 (解答欄は,
1108 [26])
1109 【見
1110
1111 解】
1112
1113 T.逮捕状は呈示しなくてよい。
1114
1115
1116 U.逮捕状は呈示しなければならない。
1117
1118
1119 【発
1120
1121 言】
1122
1123 学生A:刑事訴訟法第222条第1項前段は,
1124 第220条の規定によってする捜索について,
1125
1126 110条の規定を準用すると定めているんだけれど,
1127 刑事訴訟法第110条は,
1128 「捜索状
1129 は,
1130 処分を受ける者にこれを示さなければならない。
1131
1132 」となっているから,
1133 第110条の
1134 文言を読み替えて準用するというのが正しい解釈だと思う。
1135
1136
1137 学生B:現行犯逮捕や緊急逮捕の場合,
1138 逮捕状の緊急執行の場合も,
1139 刑事訴訟法第220条第1
1140 項第1号に基づいて人の住居に入って被疑者を捜索することができることを考えると,
1141
1142 れらの場合と一貫した解釈をする必要があると思う。
1143
1144
1145 学生C:警察官が被疑者を追跡して来たような場合に逮捕が遅れて被疑者に逃亡されてしまうこ
1146 ともあるという弊害を考えるべきだと思うよ。
1147
1148
1149 学生D:被疑者の名誉を保護する必要性を考えるべきだと思うよ。
1150
1151
1152 学生E:警察官が多人数で捜索に赴くなどすれば,
1153 住居主が被疑者に連絡したり,
1154 逮捕を妨害す
1155 る行為に出たりするという弊害はないと思う。
1156
1157
1158 1.T.学生A
1159
1160 学生E
1161
1162 U.学生B
1163
1164 学生C
1165
1166 2.T.学生A
1167
1168 学生B
1169
1170 学生D
1171
1172 U.学生C
1173
1174 学生E
1175
1176 3.T.学生B
1177
1178 学生C
1179
1180 学生E
1181
1182 U.学生A
1183
1184 学生D
1185
1186 4.T.学生B
1187
1188 学生C
1189
1190 学生D
1191
1192 U.学生A
1193
1194 学生E
1195
1196 5.T.学生B
1197
1198 学生D
1199
1200 U.学生A
1201
1202 学生C
1203
1204 -9 -
1205
1206 学生D
1207
1208 学生E
1209
1210 〔第16問〕(配点:2)
1211 次のアからオまでの各行為のうち,
1212 刑事訴訟法上,
1213 起訴前は認められているが,
1214 起訴後は認めら
1215 れていないものの組合せは,
1216 後記1から5までのうちどれか。
1217
1218 (解答欄は,
1219 [27])
1220 ア.勾留の取消し請求
1221 イ.勾留理由開示の請求
1222 ウ.保釈の請求
1223 エ.検察官が弁護人に対して行う接見の日時の指定
1224 オ.親告罪の告訴の取消し
1225 1.ア
1226
1227
1228
1229 2.ア
1230
1231
1232
1233 3.イ
1234
1235
1236
1237 4.ウ
1238
1239
1240
1241 5.エ
1242
1243
1244
1245 〔第17問〕(配点:2)
1246 犯罪の証明に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1247 誤っているものの組合せは,
1248 後記1から
1249 5までのうちどれか。
1250
1251 ただし,
1252 判例がある場合には,
1253 それに照らして考えるものとする。
1254
1255 (解答欄
1256 は,
1257 [28])
1258 ア.裁判所は,
1259 被告事件について犯罪の証明があったときは,
1260 同事件について刑を免除するとき
1261 を除き,
1262 判決で刑の言渡しをしなければならない。
1263
1264
1265 イ.刑事裁判の有罪認定に当たって必要とされる「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立
1266 証」とは,
1267 反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく,
1268 抽象的な可能性
1269 としては反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても,
1270 健全な社会常識に照らして,
1271
1272 その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には,
1273 有罪認定を可能とする趣旨である。
1274
1275
1276 ウ.裁判員の関与する判断に関しては,
1277 証拠の証明力は,
1278 それぞれの裁判官及び裁判員の自由な
1279 判断に委ねる。
1280
1281
1282 エ.一般的に,
1283 情況証拠は,
1284 直接証拠に比べて証明力が低く,
1285 情況証拠により事実認定を行う場
1286 合は,
1287 直接証拠により事実認定を行う場合と比べてより慎重な判断が求められることから,
1288
1289 対事実の存在の可能性を許さないほどの確実性がなければならない。
1290
1291
1292 オ.略式手続においては,
1293 書面審理による迅速な判断が要求されることから,
1294 犯罪の証明は証拠
1295 の優越で足りる。
1296
1297
1298 1.ア
1299
1300
1301
1302 2.ア
1303
1304
1305
1306 3.イ
1307
1308
1309
1310 4.ウ
1311
1312
1313
1314 5.エ
1315
1316
1317
1318 〔第18問〕(配点:2)
1319 次の教授と学生A及びBの【会話】は,
1320 刑事訴訟法第319条第1項に関するものである。
1321
1322 @か
1323 らGまでの(
1324
1325 )内に入る適切な語句を後記aからkまでの【語句群】から一つずつ選んで入れた
1326
1327 場合,
1328 組合せとして正しいものは,
1329 後記1から5までのうちどれか。
1330
1331 なお,
1332 @からGまでの(
1333
1334
1335
1336 内にはそれぞれ異なる語句が入る。
1337
1338 (解答欄は,
1339 [29])
1340 【会
1341
1342
1343 話】
1344 授:刑事訴訟法第319条第1項は,
1345 「任意にされたものでない疑のある自白は,
1346 これを証
1347 拠とすることができない」と規定していて,
1348 任意性のない自白の(@)を否定しています
1349 が,
1350 その根拠についてはどんな考え方があるかね。
1351
1352
1353
1354 学生A:まず,
1355 一つ目として,
1356 任意性のない自白は,
1357 その内容が(A)おそれがあり,
1358 誤判防止
1359 のため排除されるべきとする説があります。
1360
1361
1362
1363
1364 授:この説に対しては,
1365 任意性のない自白でも,
1366 その内容が(B)と認められれば,
1367 証拠と
1368 して許容される可能性があるのではないかという批判があるね。
1369
1370 ほかにどんな考え方があ
1371 るかな。
1372
1373
1374
1375 学生B:二つ目として,
1376 任意性のない自白は,
1377 (C)等を保障するため排除されるべきとする説
1378 があります。
1379
1380 でも,
1381 この説については,
1382 (D)に関する事実認定が困難ではないかという
1383 - 10 -
1384
1385 批判があります。
1386
1387
1388
1389
1390 授:三つ目として,
1391 一つ目の説と二つ目の説を統合した考え方もあるね。
1392
1393
1394
1395 学生A:四つ目として,
1396 任意性のない自白は,
1397 (E)により得られた結果として排除されるべき
1398 とする説もあります。
1399
1400 この説は,
1401 先ほどの三つの説と違い,
1402 (F)側から(G)側に視点
1403 を移して,
1404 取調べ方法を問題にするものです。
1405
1406
1407 学生B:この説については,
1408 (E)により得られた自白の全てが刑事訴訟法第319条第1項に
1409 より排除されるという結論になりやすく,
1410 規定の文言上無理があるという批判があります。
1411
1412
1413 【語句群】
1414 a.被告人
1415
1416 b.取調官
1417
1418 c.違法な手続
1419
1420 f.黙秘権
1421
1422 g.自由心証主義
1423
1424 j.供述者の主観的な心理状態
1425 1.@i Cf
1426
1427 h.証明力
1428
1429 d.虚偽ではない
1430
1431 e.虚偽である
1432
1433 i.証拠能力
1434
1435 k.客観的な取調べ状況
1436
1437 2.Ae Cg
1438
1439 3.Bd Dk
1440
1441 4.Dj Fb
1442
1443 5.Ec Ga
1444
1445 〔第19問〕(配点:2)
1446 次の【記述】は,
1447 酒酔い・酒気帯び鑑識カードの証拠能力に関する最高裁判所の判例を要約した
1448 ものである。
1449
1450 【記述】中の@からBまでの(
1451
1452 )内から適切な語句を選んだ場合,
1453 その組合せとして
1454
1455 正しいものは,
1456 後記1から5までのうちどれか。
1457
1458 (解答欄は,
1459 [30])
1460 【記
1461
1462 述】
1463
1464 本件「化学判定」欄は,
1465 甲警察署巡査Aが被疑者の呼気を通した飲酒検知管の着色度を観察して
1466 比色表と対照した検査結果を検知管の示度として記入したものであり,
1467 また,
1468 被疑者の外部的状態
1469 に関する記載のある欄は,
1470 同巡査が被疑者の言語,
1471 動作,
1472 酒臭,
1473 外貌,
1474 態度等の外部的状態に関す
1475 る所定の項目につき観察した結果を所定の評語に印を付ける方法によって記入したものであって,
1476
1477 本件「酒酔い・酒気帯び鑑識カード」のうち以上の部分は,
1478 同巡査が,
1479 被疑者の酒酔いの程度を判
1480 断するための資料として,
1481 被疑者の状態につき前記のような検査,
1482 観察により認識した結果を記載
1483 したものであるから,
1484 紙面下段の調査の日時の記載,
1485 同巡査の記名押印とあいまって,
1486 @(a.刑
1487 事訴訟法第321条第3項にいう「検証の結果を記載した書面」
1488
1489 b.刑事訴訟法第321条第4
1490
1491 項にいう「鑑定の経過及び結果を記載した書面」)に当たるものと解するのが相当である。
1492
1493 (中略)
1494 「外観による判定」欄の記載は,
1495 同巡査が被疑者の外部的状態を観察した結果を記載したものであ
1496 るから,
1497 A(a.検証
1498
1499 b.鑑定)の結果を記載したものと認められる。
1500
1501 (中略)本件「酒酔い・
1502
1503 酒気帯び鑑識カード」のうち被疑者との問答の記載のある欄は,
1504 同巡査が所定の項目につき質問を
1505 してこれに対する被疑者の応答を簡単に記載したものであり,
1506 B(a.被疑者が作成した供述書と
1507 して刑事訴訟法第322条第1項の書面
1508
1509 b.同巡査作成の捜査報告書たる性質のものとして刑事
1510
1511 訴訟法第321条第1項第3号の書面)に当たるものと解するのが相当である。
1512
1513
1514 1.@a
1515
1516 Aa
1517
1518 Ba
1519
1520 2.@a
1521
1522 Aa
1523
1524 Bb
1525
1526 3.@a
1527
1528 Ab
1529
1530 Ba
1531
1532 4.@b
1533
1534 Ab
1535
1536 Bb
1537
1538 5.@b
1539
1540 Ab
1541
1542 Ba
1543
1544 - 11 -
1545
1546 〔第20問〕(配点:2)
1547 鑑定に関する次の1から5までの各記述のうち,
1548 誤っているものはどれか。
1549
1550
1551 (解答欄は,
1552
1553 [31])
1554 1.当事者の一方が鑑定を請求した場合,
1555 裁判所が鑑定を決定するについては,
1556 相手方又はその
1557 弁護人に意見を述べる機会を与えなければならない。
1558
1559
1560 2.裁判所は,
1561 選任した鑑定人に鑑定を命ずるに先立ってその尋問を行うが,
1562 尋問を行うための
1563 召喚に当該鑑定人が応じないときは勾引することができる。
1564
1565
1566 3.鑑定人には,
1567 鑑定をする前に,
1568 宣誓をさせなければならない。
1569
1570
1571 4.鑑定人に鑑定の経過及び結果を報告させるに当たっては,
1572 鑑定書により報告させる方法のほ
1573 か,
1574 口頭で報告させる方法も認められている。
1575
1576
1577 5.鑑定人作成の鑑定書を取り調べた後,
1578 鑑定の過程について説明を求めるため,
1579 当該鑑定人を
1580 証人として尋問することができる。
1581
1582
1583 〔第21問〕(配点:2)
1584 主尋問後に証人が所在不明になるなどの事情により反対尋問を経ていない証人の証言の証拠能力
1585 に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1586 誤っているものの組合せは,
1587 後記1から5までのうち
1588 どれか。
1589
1590 (解答欄は,
1591 [32])
1592 ア.伝聞証拠とは,
1593 反対尋問を経ていない供述証拠であることを強調すると,
1594 反対尋問を受けて
1595 おらず,
1596 伝聞証拠に当たることになるから,
1597 前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。
1598
1599
1600 イ.「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし,
1601 又は公判期日外における他の者の供述を
1602 内容とする供述を証拠とすることはできない」という刑事訴訟法第320条第1項の文言を言
1603 葉どおりに解釈すると,
1604 前記証言の証拠能力を否定する見解に結び付く。
1605
1606
1607 ウ.裁判官が証人の証言態度等を直接観察していることを重視すると,
1608 前記証言の証拠能力を否
1609 定する見解に結び付く。
1610
1611
1612 エ.証人は,
1613 宣誓をしており,
1614 偽証罪による制裁という威嚇がある下での供述であることを重視
1615 すると,
1616 前記証言の証拠能力を肯定する見解に結び付く。
1617
1618
1619 オ.前記証言が伝聞証拠に当たらないとの見解に立っても,
1620 反対尋問が実施できなくなった事情
1621 について証人申請をした当事者の責めに帰すべき理由がある場合には,
1622 手続的正義に反し,
1623
1624 拠能力が否定されると考えることも可能である。
1625
1626
1627 1.ア
1628
1629
1630
1631 2.ア
1632
1633
1634
1635 3.イ
1636
1637
1638
1639 4.ウ
1640
1641
1642
1643 5.エ
1644
1645
1646
1647 〔第22問〕(配点:3)
1648 次の【事例】に関する裁判について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1649 誤っているもの
1650 の組合せは,
1651 後記1から5までのうちどれか。
1652
1653 (解答欄は,
1654 [33])
1655 【事
1656
1657 例】
1658
1659 外国人である甲,
1660 乙,
1661 丙,
1662 丁及び戊は,
1663 共謀の上,
1664 平成23年4月1日,
1665 H県I市内において,
1666
1667 被害者Vに対し,
1668 その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗
1669 罪によりH地方裁判所に起訴された。
1670
1671 ちなみに,
1672 甲,
1673 乙,
1674 丙,
1675 丁及び戊は,
1676 いずれも,
1677 家庭裁判所
1678 に送致されることなく,
1679 成人として起訴された。
1680
1681 その後,
1682 同年7月1日に開かれた第1回公判期日
1683 において,
1684 乙,
1685 丙,
1686 丁及び戊については,
1687 成人であることに間違いないことが確認されたが,
1688 甲に
1689 ついては,
1690 18歳であることが判明した。
1691
1692 また,
1693 同公判において,
1694 結審した。
1695
1696
1697 裁判所は,
1698 甲,
1699 乙及び丙については,
1700 強盗罪の共同正犯である旨の心証を抱いたが,
1701 丁について
1702 は,
1703 「公訴事実記載のとおり,
1704 甲,
1705 乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴
1706 行を加えたことに間違いない。
1707
1708 しかし,
1709 これは,
1710 Vを痛めつけるために行ったものであり,
1711 Vから
1712 バッグ1個を奪うためではない。
1713
1714 Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。
1715
1716
1717 との丁の公判廷での供述のとおり,
1718 強盗罪の共謀までは認められず,
1719 前記強盗の手段である暴行に
1720 - 12 -
1721
1722 つき,
1723 甲,
1724 乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律
1725 第1条違反)の共同正犯にとどまる旨の心証を抱いた。
1726
1727 さらに,
1728 戊については,
1729 犯罪の証明がない
1730 旨の心証を抱いた。
1731
1732
1733 【記
1734
1735 述】
1736
1737 ア.裁判所は,
1738 少年であることが判明した甲については,
1739 決定をもって,
1740 事件を家庭裁判所に移
1741 送しなければならない。
1742
1743
1744 イ.裁判所は,
1745 乙につき,
1746 有罪の言渡しをするには,
1747 罪となるべき事実のみならず,
1748 証拠の標目
1749 及び法令の適用を示さなければならない。
1750
1751
1752 ウ.裁判所は,
1753 丙につき,
1754 有罪の言渡しをするには,
1755 宣告により判決を告知する必要があり,
1756
1757 告をせずに判決書謄本を丙に交付するだけでは,
1758 丙に判決を告知したことにはならない。
1759
1760
1761 エ.裁判所は,
1762 丁につき,
1763 強盗罪の訴因から暴力行為等処罰に関する法律違反の罪の訴因に変更
1764 する手続を採っていないことから,
1765 有罪の言渡しをする余地はない。
1766
1767
1768 オ.裁判所は,
1769 戊につき,
1770 無罪の言渡しをする場合には,
1771 決定ではなく,
1772 判決でしなければなら
1773 ない。
1774
1775
1776 1.ア
1777
1778
1779
1780 2.ア
1781
1782
1783
1784 3.イ
1785
1786
1787
1788 4.イ
1789
1790
1791
1792 5.エ
1793
1794
1795
1796 (参照条文)暴力行為等処罰に関する法律
1797 第1条
1798
1799 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ,
1800 団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人
1801
1802 共同シテ刑法(明治40年法律第45号)第208条,
1803 第222条又ハ第261条ノ罪ヲ犯シタ
1804 ル者ハ3年以下ノ懲役又ハ30万円以下ノ罰金ニ処ス
1805 〔第23問〕(配点:2)
1806 準抗告に関する次の1から5までの各記述のうち,
1807 正しいものはどれか。
1808
1809 ただし,
1810 判例がある場
1811 合には,
1812 それに照らして考えるものとする。
1813
1814 (解答欄は,
1815 [34])
1816 1.被疑者又は弁護人は,
1817 逮捕状を発付した裁判に対して準抗告をすることができる。
1818
1819
1820 2.検察官は,
1821 地方裁判所の裁判官がした勾留請求を却下する裁判に対して高等裁判所に準抗告
1822 をすることができる。
1823
1824
1825 3.被疑者又は弁護人は,
1826 司法警察員が録取した供述録取書の内容に不服がある場合,
1827 これに被
1828 疑者が署名したことの取消しを求める準抗告をすることができる。
1829
1830
1831 4.被疑者又は弁護人は,
1832 捜査機関が,
1833 捜索差押許可状に記載された「差し押さえるべき物」に
1834 該当しない印鑑を写真撮影した場合,
1835 これにより得られたネガ及び写真の廃棄又は引渡しを求
1836 める準抗告をすることができない。
1837
1838
1839 5.被告人又は弁護人は,
1840 第1回公判期日後の保釈請求を却下する裁判に対して準抗告をするこ
1841 とができる。
1842
1843
1844 〔第24問〕(配点:3)
1845 次のアからオまでの各記述のうち,
1846 刑事訴訟法の規定上,
1847 対象となっている事件の法定刑の軽重
1848 による差異が設けられていないものの組合せは,
1849 後記1から5までのうちどれか。
1850
1851 (解答欄は,
1852
1853 35])
1854 ア.現行犯人を逮捕することができる要件
1855 イ.被疑者を勾留することができる要件
1856 ウ.告訴をすることができる者の範囲
1857 エ.公訴時効が完成する期間
1858 オ.公判期日において,
1859 被害に関する心情その他被告事件に関する意見を陳述したい旨の申出が
1860 できる被害者の範囲
1861 1.ア
1862
1863
1864
1865 2.ア
1866
1867
1868
1869 3.イ
1870
1871
1872
1873 4.ウ
1874 - 13 -
1875
1876
1877
1878 5.ウ
1879
1880
1881
1882 〔第25問〕(配点:3)
1883 被疑者,
1884 被告人及び弁護人の権利に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1885 正しいものの組合
1886 せは,
1887 後記1から5までのうちどれか。
1888
1889 (解答欄は,
1890 [36])
1891 ア.被疑者,
1892 被告人又は弁護人は,
1893 あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用する
1894 ことが困難な事情があるときは,
1895 第1回の公判期日前に限り,
1896 裁判官に押収,
1897 捜索,
1898 検証,
1899
1900 人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
1901
1902
1903 イ.公判前整理手続期日には,
1904 被告人は,
1905 裁判所の許可がなければ出頭することができない。
1906
1907
1908 ウ.検察官から取調べ請求がなされた証拠に対して同意又は不同意の意見を述べるのは,
1909 弁護人
1910 のみが有する権利である。
1911
1912
1913 エ.被告人甲の弁護人は,
1914 裁判長に告げて,
1915 共同審理を受けている被告人乙の供述を求めること
1916 ができるが,
1917 甲が乙の供述を求めることはできない。
1918
1919
1920 オ.控訴審では,
1921 被告人自身が弁論をすることはできず,
1922 控訴趣意書を被告人が差し出した場合
1923 でも,
1924 それに基づく弁論は弁護人が行う。
1925
1926
1927 1.ア
1928
1929
1930
1931 2.ア
1932
1933
1934
1935 3.イ
1936
1937
1938
1939 4.ウ
1940
1941
1942
1943 5.ウ
1944
1945
1946
1947 〔第26問〕(配点:3)
1948 訴因の予備的記載又は択一的記載に関する次の1から5までの各記述のうち,
1949 正しいものを2つ
1950 選びなさい。
1951
1952 (解答欄は,
1953 [37],
1954 [38]順不同)
1955 1.本位的訴因と併合罪の関係にある事実を予備的訴因とすることは許されない。
1956
1957
1958 2.起訴状に3個以上の訴因を予備的又は択一的に記載することは許されない。
1959
1960
1961 3.審理の途中で予備的訴因を追加することも許される。
1962
1963
1964 4.訴因を予備的又は択一的に記載した場合であっても,
1965 「罪となるべき事実」の特定が必要で
1966 あるから,
1967 罰条を予備的又は択一的に記載することは許されない。
1968
1969
1970 5.本位的訴因について有罪判決を言い渡す場合,
1971 予備的訴因については無罪判決を言い渡さな
1972 ければならない。
1973
1974
1975
1976 - 14 -
1977
1978