1 論文式試験問題集[民事系科目第1問]
2
3 - 1 -
4
5 [民事系科目]
6 〔第1問〕(配点:100〔〔設問1〕,
7 〔設問2〕及び〔設問3〕の配点の割合は,
8 3:4:3〕)
9 次の文章を読んで,
10 後記の〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
11
12
13 T
14 【事実】
15 1.Aは,
16 店舗を建設して料亭を開業するのに適した土地を探していたところ,
17 平成2年(19
18 90年)8月頃,
19 希望する条件に沿う甲土地を見つけた。
20
21
22 甲土地は,
23 その当時,
24 Bが管理していたが,
25 登記上は,
26 Bの祖父Cが所有権登記名義人とな
27 っている。
28
29 Cは,
30 妻に先立たれた後,
31 昭和60年(1985年)4月に死亡した。
32
33 Cには子と
34 してD及びEがいたが,
35 Dは,
36 昭和63年(1988年)7月に死亡した。
37
38 Dの妻は,
39 Dより
40 先に死亡しており,
41 また,
42 Bは,
43 Dの唯一の子である。
44
45
46 2.Aが,
47 平成2年(1990年)9月頃,
48 Bに対し甲土地を購入したい旨を申し入れたところ,
49
50 Bは,
51 その1か月後,
52 Aに対し,
53 甲土地を売却してもよいとする意向を伝えるとともに,
54 「甲
55 土地は,
56 登記上は祖父Cの名義になっているが,
57 Cが死亡した後,
58 その相続について話合いを
59 することもなくDが管理してきた。
60
61 Dが死亡してからは,
62 自分が管理をしている。
63
64 」と説明し
65 た。
66
67 Aが,
68 「Bを所有権登記名義人とする登記にすることはできないのか。
69
70 」とBに尋ねたとこ
71 ろ,
72 Bは,
73 「しばらく待ってほしい。
74
75 」と答えた。
76
77
78 3.AとBは,
79 平成2年(1990年)11月15日,
80 甲土地を代金3600万円でBがAに売
81 却することで合意した。
82
83 そして,
84 その日のうちに,
85 Aは,
86 Bに代金の全額を支払った。
87
88 また,
89
90 同月20日,
91 Aは,
92 甲土地を柵で囲み,
93 その中央に「料亭「和南」建設予定地」という看板を
94 立てた。
95
96
97 4.平成3年(1991年)11月頃,
98 Aは,
99 甲土地上に飲食店舗と自宅を兼ねる乙建物を建設
100 し,
101 同年12月10日,
102 Aを所有権登記名義人とする乙建物の所有権の保存の登記がされた。
103
104
105 そして,
106 Aは,
107 平成4年(1992年)3月14日から,
108 乙建物で料亭「和南」の営業を開始
109 した。
110
111 なお,
112 料亭「和南」の経営は,
113 Aが個人の事業者としてするものである。
114
115
116 5.Aは,
117 平成15年(2003年)2月1日に死亡した。
118
119 Aの妻は既に死亡しており,
120 FがA
121 の唯一の子であった。
122
123 Fは,
124 他の料亭で修業をしていたところ,
125 Aが死亡したため,
126 料亭「和
127 南」の営業を引き継いだ。
128
129 乙建物は,
130 Fが居住するようになり,
131 また,
132 同年4月21日,
133 相続
134 を原因としてAからFへの所有権の移転の登記がされた。
135
136
137 〔設問1〕
138
139
140 【事実】1から5までを前提として,
141 以下の及びに答えなさい。
142
143
144
145 Fは,
146 Aが甲土地をBとの売買契約により取得したことに依拠して,
147 Eに対し,
148 甲土地の所
149 有権が自己にあることを主張したい。
150
151 この主張が認められるかどうかを検討しなさい。
152
153
154
155
156
157 Fが,
158 Eに対し,
159 甲土地の占有が20年間継続したことを理由に,
160 同土地の所有権を時効に
161 より取得したと主張するとき,
162 【事実】3の下線を付した事実は,
163 この取得時効の要件を論ず
164 る上で法律上の意義を有するか,
165 また,
166 法律上の意義を有すると考えられるときに,
167 どのよう
168 な法律上の意義を有するか,
169 理由を付して解答しなさい。
170
171
172
173 U
174
175 【事実】1から5までに加え,
176 以下の【事実】6から17までの経緯があった。
177
178
179
180 【事実】
181 6.料亭「和南」は順調に発展し,
182 名店として評判となった。
183
184 そこで,
185 Fは,
186 「和南」ブランド
187 で,
188 瓶詰の「和風だし」及びレトルト食品の「山菜おこわ」を販売することを考えるようにな
189 - 2 -
190
191 った。
192
193
194 7.まず,
195 Fは,
196 「和風だし」を2000箱分のみ製造し,
197 二つの地域で試験的に販売すること
198 とした。
199
200 そして,
201 料亭「和南」とその周辺でF自らが1000箱分を販売するが,
202 別の地域に
203 おける販売は,
204 食料品販売業者のGに任せることとし,
205 FがGに「和風だし」1000箱を販
206 売し,
207 Gがそれを転売することとした。
208
209
210 8.「和風だし」は,
211 一部に特殊な原材料が必要なことから,
212 平成23年9月に製造する必要が
213 あった。
214
215 しかし,
216 試験販売の開始は,
217 準備の都合上,
218 平成24年3月からとされた。
219
220 そこで,
221
222 Fは,
223 「和風だし」2000箱分を製造した上,
224 販売開始時期まで,
225 どこかに保管することを
226 考えた。
227
228 そして,
229 甲土地のすぐ近くで,
230 かつて質店を経営していたが,
231 現在は廃業しているH
232 ならば,
233 広い倉庫を所有しているだろうと考え,
234 Hと交渉した結果,
235 H所有の丙建物に,
236 Fが
237 製造した「和風だし」を出荷まで保管してもらい,
238 これに対しFが保管料を支払うこととなっ
239 た。
240
241
242 9.Fは,
243 平成23年9月10日,
244 Gとの間で,
245 「和風だし」2000箱のうち1000箱をF
246 がGに対し代金500万円で売却し,
247 丙建物で同月25日にFがGに現実に引き渡す旨の契約
248 を締結した。
249
250 そして,
251 平成23年9月25日,
252
253 「和風だし」2000箱が丙建物に運び込まれ,
254
255 そのうち1000箱がFからGに現実に引き渡された後直ちに,
256 FとH,
257 GとHは,
258 それぞれ
259 【別紙】の内容の寄託契約を締結した。
260
261 これらの結果,
262 丙建物では,
263 合わせて「和風だし」2
264 000箱が保管されることとなった。
265
266
267 なお,
268 平成23年9月25日までに実際に製造された「和風だし」は予定どおり2000箱
269 分であり,
270 それ以外には,
271 「和風だし」は製造されていない。
272
273 また,
274 製造された「和風だし」
275 2000箱分は,
276 種類及び品質が同一であり,
277 包装も均一であった。
278
279
280 10.また,
281 Fは,
282 平成24年1月中には,
283 料亭「和南」で飲食した顧客のために,
284 お土産用「山
285 菜おこわ」の販売を始めることとし,
286 製造する「山菜おこわ」の保管場所につきHに相談した。
287
288
289 Hは,
290 既に「和風だし」の寄託を受けて丙建物が有効活用されていること,
291 さらに,
292 丙建物に
293 はなお保管場所に余裕があることから,
294 Fの「山菜おこわ」を丙建物において無償で保管する
295 ことをFと合意した。
296
297
298 11.Fは,
299 平成24年1月に入ると,
300 「山菜おこわ」の製造を開始し,
301 同月10日,
302 Hの立会い
303 を得て,
304 「山菜おこわ」500箱を丙建物に運び込んだ。
305
306
307 12.平成24年1月12日,
308 Fは,
309 これまで取引のなかった大手百貨店Qの本部から,
310 「山菜お
311 こわ」をQ百貨店本店の地下1階食品売場で販売し,
312 その評判が良ければ,
313 「山菜おこわ」を
314 Q百貨店の全店舗の食品売場で販売したいとの申出を受けた。
315
316
317 13.Fは,
318 平成24年1月16日,
319 Qとの間で,
320 丙建物に保管されている「山菜おこわ」500
321 箱をFがQに対し代金300万円で売却し,
322 これを同月31日に丙建物で引き渡す旨の契約を
323 締結した。
324
325 Fは,
326 この売買契約が成立したことから,
327 Qが「山菜おこわ」の販売を始めるまで
328 は,
329 これを料亭「和南」で販売しないこととした。
330
331
332 14.Fは,
333 Q百貨店で「山菜おこわ」を取り扱ってもらえることになったことを大いに喜び,
334 平
335 成24年1月22日,
336 たまたまHが料亭「和南」を訪れた際,
337
338 「Q百貨店本店の食品売場に「山
339 菜おこわ」を置いてもらえることになった。
340
341 その評判が良ければ,
342 Q百貨店は,
343 全店舗で「山
344 菜おこわ」を取り扱うことを申し出てくれている。
345
346 「和南」の味を広める大きなチャンスだか
347 ら張り切っている。
348
349 」とHに話した。
350
351
352 15.ところが,
353 平成24年1月24日,
354 丙建物に何者かが侵入し,
355 丙建物内に保管されていた「和
356 風だし」2000箱のうち1000箱及び「山菜おこわ」500箱全てが盗取された。
357
358 なお,
359
360 丙建物に何者かが侵入することを許したのは,
361 その日はHが丙建物の施錠を忘れていたためで
362 ある。
363
364 また,
365 Fが,
366 同月31日までに「山菜おこわ」500箱分を新たに製造することは不可
367 能である。
368
369
370 - 3 -
371
372 16.Qにおいて,
373 この盗難事件を受け,
374 Fとの取引を進めるかどうかについて社内で協議したと
375 ころ,
376 Fの商品保管態勢が十分であるとはいえないとして,
377 その経営姿勢に疑問が呈せられた。
378
379
380 そこで,
381 Qは,
382 平成24年2月1日,
383 「山菜おこわ」500箱分の売買契約を解除すること及
384 び「山菜おこわ」販売に関するFQ間の交渉を打ち切ることをFに通知した。
385
386
387 17.なお,
388 【事実】16までに記載した以外には,
389 丙建物に保管されている「和風だし」及び「山
390 菜おこわ」について出し入れはなく,
391 丙建物に侵入した者は不明であり盗品を取り戻すことは
392 不可能である。
393
394
395 また,
396 「和風だし」及び「山菜おこわ」を丙建物で保管する行為は商行為ではなく,
397 Hは商
398 人でない。
399
400
401 〔設問2〕
402
403 Gは,
404 Hに対し,
405 丙建物に存在する「和風だし」1000箱を自己に引き渡すよう求め
406
407 ている。
408
409 これに対して,
410 Hは,
411 寄託された「和風だし」はFの物と合わせて2000箱であるとこ
412 ろ,
413 その半分がもはや存在しないことと,
414 残りの1000箱全てをGに引き渡せば,
415 Fの権利を侵
416 害することとを理由に,
417 Gの請求に応ずることを拒んでいる。
418
419 このHの主張に留意しながら,
420 Gの
421 する「和風だし」1000箱の引渡請求の全部又は一部が認められるか否かを検討しなさい。
422
423
424 〔設問3〕
425
426 Fは,
427 Hに対し,
428 「山菜おこわ」を目的とする寄託契約の債務不履行を理由として損害
429
430 賠償を請求しようと考えている。
431
432 この債務不履行の成否について検討した上で,
433 Fが,
434 【事実】16
435 の下線を付した経過があったためQ百貨店の全店舗で「山菜おこわ」を取り扱ってもらえなくなっ
436 たことについての損害の賠償を請求することができるか否かについて論じなさい。
437
438
439
440 - 4 -
441
442 【別紙】
443 寄託契約書
444 第1条
445 寄託者は,
446 受寄者に対し,
447 料亭「和南」製「和風だし」1000箱(以下「本寄託物」という。
448
449 )
450 を寄託し,
451 受寄者は,
452 これを受領した。
453
454
455 第2条
456 1
457
458 受寄者は,
459 本寄託物を丙建物において保管する。
460
461
462
463 2
464
465 受寄者は,
466 本寄託物を善良な管理者の注意をもって保管する。
467
468
469
470 第3条
471 1
472
473 受寄者が他の者(次項及び次条において「他の寄託者」という。
474
475 )との寄託契約に基づいて本
476
477 寄託物と種類及び品質が同一である物を保管する場合において,
478 受寄者は,
479 その物と本寄託物と
480 を区別することなく混合して保管すること(以下「混合保管」という。
481
482 )ができ,
483 寄託者は,
484 こ
485 れをあらかじめ承諾する。
486
487
488 2
489
490 前項の場合において,
491 受寄者は,
492 寄託者に対し,
493 他の寄託者においても寄託物の混合保管がさ
494
495 れることを承諾していることを保証する。
496
497
498 第4条
499 寄託者及び受寄者は,
500 寄託者及び他の寄託者が,
501 混合保管をされた物について,
502 それぞれ寄託し
503 た物の数量の割合に応じ,
504 寄託物の共有持分権を有することを確認する。
505
506
507 第5条
508 受寄者は,
509 本寄託物に係る保管料を別に定める方法で計算し,
510 寄託者に請求する。
511
512
513 第6条
514 受寄者は,
515 寄託者に対し,
516 混合保管をされていた物の中から,
517 寄託者の寄託に係るものと同一数
518 量のものを返還する。
519
520
521 〔以下の条項は,
522 省略。
523
524 〕
525
526 - 5 -
527
528 論文式試験問題集[民事系科目第2問]
529
530 - 1 -
531
532 [民事系科目]
533 〔第2問〕(配点:100〔
534 〔設問1〕から〔設問3〕までの配点の割合は,
535 2:5:3〕)
536 次の文章を読んで,
537 後記の〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
538
539
540 1.甲株式会社(以下「甲社」という。
541
542 )は,
543 主に情報サービス事業を営む監査役会設置会社であ
544 り,
545 その株式を東京証券取引所に上場している。
546
547
548 甲社の資本金は30億円,
549 その発行済株式の総数は100万株である。
550
551
552 甲社の取締役は,
553 平成20年6月に選任されたA,
554 B,
555 C及びDの4名であり,
556 Aが代表取締
557 役社長である。
558
559 なお,
560 Aは,
561 甲社の株式1万株を有している。
562
563
564 甲社の監査役は,
565 平成19年6月に選任されたE,
566 F及びGの3名であり,
567 Eが常勤監査役,
568
569 F及びGが非常勤の社外監査役である。
570
571
572 2.甲社の定款には,
573 (a)定時株主総会の議決権の基準日は,
574 毎年3月31日とすること,
575 (b)株主
576 総会は,
577 取締役社長がこれを招集し,
578 議長となること,
579 (c)取締役の員数は,
580 6名以内とするこ
581 と,
582 (d)取締役の選任決議は,
583 議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有
584 する株主が出席し,
585 その議決権の過半数をもって行うこと,
586 (e)取締役の選任決議は,
587 累積投票
588 によらないものとすること,
589 (f)取締役会は,
590 その決議によって取締役会長及び取締役社長各1
591 名を定めることができること,
592 (g)事業年度は,
593 4月1日から翌年3月31日までの1年とする
594 ことなどが定められている。
595
596
597 なお,
598 甲社には,
599 取締役の任期を短縮する旨の定款の定めや株主総会の決議はない。
600
601
602 3.甲社は,
603 平成20年秋頃の経営環境の著しい悪化を受け,
604 その業績及び株価は,
605 共に下落の一
606 途をたどった。
607
608 それにもかかわらず,
609 Aは,
610 効果的な経営立て直し策を実施できないままでいた
611 ため,
612 甲社内外のAに対する評価は,
613 日増しに厳しくなる一方であった。
614
615
616 これに危機感を抱いたB,
617 C及びDは,
618 Aに対し,
619 Aは取締役会長となって一線を退き,
620 新た
621 に外部から経営者を迎えて代表取締役社長とすることを求めた。
622
623 結局,
624 Aも,
625 この求めに応じざ
626 るを得ず,
627 Hを新たに甲社の代表取締役社長として迎えることに同意した。
628
629
630 これを受けて,
631 平成21年6月に開催された甲社の定時株主総会において,
632 Hが取締役に選任
633 され,
634 就任し,
635 また,
636 その後に開かれた甲社の取締役会において,
637 Hが代表取締役社長に選定さ
638 れ,
639 Aは代表権のない取締役会長となった。
640
641
642 4.乙株式会社(以下「乙社」という。
643
644 )は,
645 設立以来,
646 株主も取締役もPだけの会社であるが,
647
648 実際の事業活動は,
649 ほとんど行っていない。
650
651
652 乙社は,
653 平成21年7月に入り,
654 金融業者から融資を受けて市場において甲社の株式を買い集
655 め,
656 平成22年1月に,
657 甲社の株式33万株を有するに至った。
658
659
660 5.平成22年6月に開催された甲社の定時株主総会(以下「22年総会」という。
661
662 )では,
663 その
664 終結の時をもって,
665 取締役5名のうちHを除くA,
666 B,
667 C及びDの4名について取締役の任期が
668 満了するため,
669 A,
670 B,
671 C及びDの4名を候補者とする取締役選任議案が会社提案として提出さ
672 れた。
673
674
675 ところが,
676 甲社の株主である乙社から,
677 上記の取締役選任につき,
678 会社法第304条に基づき,
679
680 P,
681 Q及びRの3名を候補者として追加する旨の議案が提出された。
682
683 なお,
684 乙社は,
685 Dの選任に
686 ついては賛成する意向であった。
687
688
689 議長であるHは,
690 事前に何も知らされていなかったためやや驚いたものの,
691 淡々と議事を進め
692 ることとし,
693 A,
694 B,
695 C,
696 D,
697 P,
698 Q,
699 Rの順に,
700 候補者ごとに投票による採決をした。
701
702
703 投票による採決の結果,
704 Hは,
705 Aから上記の順に得票数(候補者の選任に賛成する議決権の数
706 をいう。
707
708 以下同じ。
709
710 )を集計し,
711 Pの得票数を集計した時点で,
712 出席株主の議決権の過半数の賛
713 成を得た候補者が4名に達したので,
714 Q及びRの得票数については議場で集計しないで,
715 B,
716 C,
717
718 - 2 -
719
720 D及びPの4名だけが取締役に選任された旨を宣言した。
721
722 なお,
723 各候補者の実際の得票数等は,
724
725 次のとおりであった。
726
727
728 議決権を行使することができる株主の議決権の数:100万個
729 出席株主の議決権の数:77万個
730 各候補者の得票数
731 A:33万個
732 B:39万個
733 C:43万個
734 D:65万個
735 P:42万個
736 Q:41万個
737 R:40万個
738 6.22年総会の後に開かれた甲社の取締役会には,
739 H,
740 B,
741 C,
742 D及びPが取締役として,
743 また,
744
745 E,
746 F及びGが監査役として,
747 それぞれ出席した。
748
749
750 この取締役会で,
751 Pは,
752 甲社が乙社に対して平成22年7月中に15億円の貸付けを無担保で
753 行う旨の提案をした(以下この貸付けを「本件貸付け」という。
754
755 )。
756
757 これに対し,
758 説明が不十分で
759 あるとしてFが強く異議を述べたものの,
760 この提案は,
761 議決に加わらなかったPを除くH,
762 B,
763
764 C及びDの賛成により承認された。
765
766
767 7.Fは,
768 この取締役会の後に引き続いて開かれた甲社の監査役会でも,
769 本件貸付けはさせるべき
770 でない旨を強く主張したが,
771 E及びGは,
772 これに取り合わなかった。
773
774 最終的には,
775 Eが,
776 本件貸
777 付けについては問題視しないことを監査役会の方針とする旨の提案をし,
778 Fが反対したものの,
779
780 Gは,
781 この提案に賛成した。
782
783
784 8.E,
785 F及びGは,
786 平成23年6月に開催される甲社の定時株主総会(以下「23年総会」とい
787 う。
788
789 )の終結の時をもって監査役の任期が満了するところ,
790 同年3月に,
791 Hは,
792 甲社の監査役会
793 に対し,
794 23年総会に提出する監査役選任議案の候補者は,
795 E,
796 Q及びRの3名としたい旨を伝
797 えた。
798
799
800 9.平成23年4月上旬に,
801 Eが,
802 甲社の監査役会において,
803 上記の監査役選任議案の提出に同意
804 する旨の提案をしたが,
805 F及びGが賛成しなかったため,
806 この提案は可決されなかった。
807
808
809 他方,
810 Fが,
811 この監査役会において,
812 E,
813 F及びGの3名を候補者とする監査役選任議案(以
814 下「議案@」という。
815
816 )を23年総会に提出することを取締役に対して請求する旨の提案をした。
817
818
819 この提案は,
820 F及びGの賛成により,
821 可決された。
822
823 そこで,
824 甲社の監査役会は,
825 Hに対し,
826 議案
827 @を23年総会に提出することを請求した。
828
829
830 10.平成23年4月下旬に,
831 Pは,
832 甲社の株主である乙社を代表して,
833 甲社に対し,
834 監査役3名の
835 選任を23年総会の目的とすること並びにE,
836 Q及びRの3名を候補者とする監査役選任議案(以
837 下「議案A」という。
838
839 )の要領を招集通知に記載することを請求した。
840
841 なお,
842 社債,
843 株式等の振
844 替に関する法律第154条第3項所定の通知(いわゆる個別株主通知)に係る要件は満たされて
845 いた。
846
847
848 11.平成23年6月7日に,
849 Hは,
850 H,
851 B,
852 C,
853 D及びPの賛成による取締役会決議に基づき,
854 議
855 案@及び議案Aを含む23年総会に係る招集通知を発した。
856
857
858 12.平成23年6月29日に,
859 Hが議長となって23年総会が開催された。
860
861 この株主総会に監査役
862 として出席したFは,
863 議案@及び議案Aの審議の際に,
864 監査役の選任について意見を述べようと,
865
866 議長であるHに対して発言の機会を求めた。
867
868 しかし,
869 Hがこれを制止したため,
870 Fは,
871 意見を述
872 べることができなかった。
873
874
875 - 3 -
876
877 Hは,
878 採決の結果,
879 議案@については,
880 出席した株主の議決権の過半数の賛成を得られなかっ
881 たことから,
882 否決を宣言し,
883 議案Aについては,
884 出席した株主の議決権の過半数の賛成を得たこ
885 とから,
886 可決を宣言した。
887
888 これに基づき,
889 E,
890 Q及びRが監査役に就任した。
891
892
893 〔設問1〕
894
895 上記5のとおり,
896 22年総会において,
897 Hは,
898 B,
899 C,
900 D及びPの4名だけが取締役
901
902 に選任された旨を宣言したが,
903 この取締役選任の当否について,
904 論じなさい。
905
906
907 なお,
908 解答に当たっては,
909 次の2点を前提としてよい。
910
911
912 ア.22年総会における甲社の会社提案の提出及び乙社による会社法第304条に基づく議案の
913 提出は,
914 いずれも適法であったこと。
915
916
917 イ.22年総会の日から3か月以内に,
918 株主総会の決議の取消しの訴えは,
919 提起されなかったこ
920 と。
921
922
923 〔設問2〕
924
925
926 上記1から上記7までを前提として,
927 次の及びに答えなさい。
928
929
930
931 Hが甲社を代表して本件貸付けを実行しようとしている場合,
932 A及びFが本件貸付けをあら
933 かじめ阻止するために行使することができる会社法上の権限について,
934 論じなさい。
935
936
937
938
939
940 Hが甲社を代表して本件貸付けを実行し,
941 その後,
942 乙社が倒産し,
943 甲社が本件貸付けの返済
944 を受けられなくなった場合,
945 A及びFは,
946 本件貸付けに関し,
947 H,
948 D及びPに対し,
949 会社法上,
950
951 どのような責任追及をすることができるかについて,
952 論じなさい。
953
954
955
956 〔設問3〕
957
958 上記12の後,
959 A及びFは,
960 23年総会において否決を宣言された議案@及び可決を宣
961
962 言された議案Aにつき,
963 株主総会の決議の取消しの訴えを提起しようと検討している。
964
965 この訴え
966 に関して考えられるA及びFの主張並びにその当否について,
967 論じなさい。
968
969
970
971 - 4 -
972
973 論文式試験問題集[民事系科目第3問]
974
975 - 1 -
976
977 [民事系科目]
978 〔第3問〕(配点:100〔
979 〔設問1〕から〔設問3〕までの配点の割合は,
980 3.5:4:2.5〕)
981 次の文章を読んで,
982 後記の〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
983
984
985 【事例】
986 Xは,
987 Aに対し,
988 300万円を貸し渡したが,
989 返済がされないまま,
990 Aについて破産手続が開
991 始された。
992
993 Xは,
994 BがAの上記貸金返還債務を連帯保証したとして,
995 Bに対し,
996 連帯保証債務の
997 履行を求める訴えを提起した(以下,
998 この訴訟を「訴訟1」という。
999
1000 )。
1001
1002
1003 第1回口頭弁論期日において,
1004 被告Bは,
1005 保証契約の締結の事実を否認した。
1006
1007
1008 原告Xは,
1009 書証として,
1010 連帯保証人欄にBの記名及び印影のある金銭消費貸借契約書兼連帯保
1011 証契約書(資料参照。
1012
1013 以下「本件連帯保証契約書」という。
1014
1015 なお,
1016 その作成者は証拠説明書にお
1017 いてX,
1018 A及びBとされている。
1019
1020 )を提出した。
1021
1022
1023 Bは,
1024 本件連帯保証契約書の連帯保証人欄の印影は自分の印章により顕出されたものであるが,
1025
1026 この印章は,
1027 日頃から自分の所有するアパートの賃貸借契約の締結等その管理全般を任せている
1028 娘婿Cに預けているものであり,
1029 押印の経緯は分からないと述べた。
1030
1031 Xが主張の補充を検討した
1032 いと述べたことから,
1033 裁判所は,
1034 口頭弁論の続行の期日を指定した。
1035
1036
1037 以下は,
1038 第1回口頭弁論期日の後にXの訴訟代理人弁護士Lと司法修習生Pとの間でされた会
1039 話である。
1040
1041
1042 弁護士L:証拠として本件連帯保証契約書がありますから,
1043 立証が比較的容易な事件だと考え
1044 ていましたが,
1045 予想していなかった主張が被告から出てきました。
1046
1047 被告の主張は,
1048 現
1049 在のところ裏付けもなく,
1050 そのまま鵜呑みにすることはできませんから,
1051 当初の請求
1052 原因を維持し,
1053 本件連帯保証契約書を立証の柱としていく方針には変わりはありませ
1054 ん。
1055
1056 もっとも,
1057 Xによれば,
1058 本件連帯保証契約書の作成の経緯は「主債務者AがCと
1059 ともにX方を訪れた上,
1060 連帯保証人欄にあらかじめBの記名がされ,
1061 Bの押印のみが
1062 ない状態の契約書を一旦持ち帰り,
1063 後日,
1064 AとCがBの押印のある本件連帯保証契約
1065 書を持参した」ということのようですから,
1066 こちら側から本件連帯保証契約書の作成
1067 状況を明らかにしていくことはなかなか難しいと思います。
1068
1069
1070 修習生P:二段の推定を使えば,
1071 本件連帯保証契約書の成立の真正を立証できますから,
1072 それ
1073 で十分ではないでしょうか。
1074
1075
1076 弁護士L:確かに,
1077 保証契約を締結した者がB本人であるとの前提に立てば,
1078 二段の推定を考
1079 えていけば足りるでしょう。
1080
1081 他方で,
1082 仮にCがBから印章を預かっていたとすると,
1083
1084 CがBの代理人として本件連帯保証契約書を作成したということも十分考えられま
1085 す。
1086
1087
1088 修習生P:しかし,
1089 本件連帯保証契約書には「B代理人C」と表示されていないので,
1090 代理人
1091 Cが作成した文書には見えないのですが。
1092
1093
1094 弁護士L:代理人が本人に代わって文書を作成する場合に,
1095 代理人自身の署名や押印をせず,
1096
1097 直接本人の氏名を記載したり,
1098 本人の印章で押印したりする場合があり,
1099 このような
1100 場合を署名代理と呼んでいます。
1101
1102 その法律構成については,
1103 考え方が分かれるところ
1104 ですが,
1105 ここでは取りあえず通常の代理と同じであると考え,
1106 かつ,
1107 代理人の作成し
1108 た文書の場合,
1109 その文書に現れているのは代理人の意思であると考えると,
1110 本件連帯
1111 保証契約書の作成者は代理人Cとなります。
1112
1113
1114 そこで,
1115 私は,
1116 念のため,
1117 第2の請求原因として,
1118 Bではなくその代理人Cが署名
1119 - 2 -
1120
1121 代理の方式によりBのために保証契約を締結した旨の主張を追加し,
1122 敗訴したときに
1123 は無権代理人Cに対し民法第117条の責任を追及する訴えを提起することを想定し
1124 て,
1125 Cに対し,
1126 訴訟告知をしようと考えています。
1127
1128
1129 修習生P:訴訟告知ですか。
1130
1131 余り勉強しない分野ですのでよく調べておきます。
1132
1133
1134 しかし,
1135 本件連帯保証契約書を誰が作成したかが明らかでないからといって,
1136 第2
1137 の請求原因を追加する必要までありますか。
1138
1139 裁判所が審理の結果を踏まえてCがBの
1140 代理人として保証契約を締結したと認定すれば足りるのではないでしょうか。
1141
1142 最高裁
1143 判所の判決にも,
1144 傍論ながら,
1145 契約の締結が当事者本人によってされたか,
1146 代理人に
1147 よってされたかは,
1148 その法律効果に変わりがないからとして,
1149 当事者の主張がないに
1150 もかかわらず契約の締結が代理人によってされたものと認定した原判決が弁論主義に
1151 反しないと判示したもの(最高裁判所昭和33年7月8日第三小法廷判決・民集12
1152 巻11号1740頁)があるようですが。
1153
1154
1155 弁護士L:その判例の読み方にはやや難しいところがありますから,
1156 もう少し慎重に考えてく
1157 ださい。
1158
1159 先にも言ったとおり,
1160 本件連帯保証契約書の作成者が代理人Cであるという
1161 前提に立つと,
1162 本件連帯保証契約書において保証意思を表示したのは代理人Cである
1163 と考えられ,
1164 その効果がBに帰属するためには,
1165 BからCに対し代理権が授与されて
1166 いたことが必要となります。
1167
1168 そうだとすると,
1169 第2の請求原因との関係では,
1170 Bから
1171 Cへの代理権授与の有無が主要な争点になるものと予想され,
1172 本件連帯保証契約書が
1173 証拠として持つ意味も当初の請求原因とは違ってきますね。
1174
1175 なぜだか分かりますか。
1176
1177
1178 修習生P:二段の推定が使えるかどうかといったことでしょうか。
1179
1180
1181 弁護士L:良い機会ですから,
1182 当初の請求原因(請求を基礎付ける事実)が,
1183 @XA間におけ
1184 る貸金返還債務の発生原因事実,
1185 AXB間における保証契約の締結,
1186 BAの保証契約
1187 が書面によること及びC@の貸金返還債務の弁済期の到来であり,
1188 第2の請求原因(請
1189 求を基礎付ける事実)が,
1190 @XA間における貸金返還債務の発生原因事実,
1191 A代理人
1192 Cが本人Bのためにすることを示してXとの間で保証契約を締結したこと(顕名及び
1193 法律行為),
1194 BAの保証契約の締結に先立って,
1195 BがCに対し,
1196 同契約の締結につい
1197 ての代理権を授与したこと(代理権の発生原因事実),
1198 CAの保証契約が書面によ
1199 ること及びD@の貸金返還債務の弁済期の到来であるとして,
1200 処分証書とは何か,
1201 そ
1202 れによって何がどのように証明できるかといった基本に立ち返って考えてみましょう。
1203
1204
1205 〔設問1〕
1206
1207
1208 Xが当初の請求原因Aの事実を立証する場合と第2の請求原因Bの事実を立証する場合と
1209
1210 で,
1211 本件連帯保証契約書が持つ意味や,
1212 同契約書中にBの印章による印影が顕出されているこ
1213 とが持つ意味にどのような違いがあるか。
1214
1215 弁護士Lと司法修習生Pの会話を踏まえて説明せよ。
1216
1217
1218
1219
1220 Xが第2の請求原因を追加しない場合においても,
1221 裁判所がCはBの代理人として本件連帯
1222 保証契約書を作成したとの心証を持つに至ったときは,
1223 裁判所は,
1224 審理の結果を踏まえて,
1225 C
1226 がBの代理人として保証契約を締結したと認定して判決の基礎とすることができるというPの
1227 見解の問題点を説明せよ。
1228
1229
1230
1231 【事例(続き)】
1232 第2回口頭弁論期日において,
1233 原告Xは,
1234 第2の請求原因として,
1235 被告Bではなくその代理人
1236 Cが署名代理の方式によりBのために保証契約を締結した旨の主張を追加した。
1237
1238 Bは,
1239 第2の請
1240 求原因に係る請求原因事実のうち,
1241 保証契約の締結に先立ちBがCに対し同契約の締結について
1242 の代理権を授与したこと(代理権の発生原因事実)を否認し,
1243 代理人Cが本人Bのためにするこ
1244 とを示してXとの間で保証契約を締結したこと(顕名及び法律行為)は知らないと述べた。
1245
1246
1247 - 3 -
1248
1249 第3回口頭弁論期日において,
1250 Xは,
1251 第3の請求原因として,
1252 Xは,
1253 Cには保証契約を締結す
1254 ることについての代理権があるものと信じ,
1255 そのように信じたことについて正当な理由があるか
1256 ら,
1257 民法第110条の表見代理が成立する旨の主張を追加した。
1258
1259 Bは,
1260 表見代理の成立の要件と
1261 なる事実のうち,
1262 基本代理権の授与として主張されている事実は認め,
1263 その余の事実を否認した。
1264
1265
1266 同期日の後,
1267 Xは,
1268 Cに対し,
1269 訴訟告知をし,
1270 その後,
1271 BもCに対して訴訟告知をしたが,
1272 C
1273 は,
1274 X及びBのいずれの側にも参加しなかった。
1275
1276
1277 裁判所は,
1278 審理の結果,
1279 表見代理が成立することを理由として,
1280 XのBに対する請求を認容す
1281 る判決を言い渡し,
1282 同判決は確定した。
1283
1284
1285 Bは,
1286 CがBから代理権を与えられていないにもかかわらず,
1287 Xとの間で保証契約を締結した
1288 ことによって訴訟1の確定判決において支払を命じられた金員を支払い,
1289 損害を被ったとして,
1290
1291 Cに対し,
1292 不法行為に基づき損害賠償を求める訴えを提起した(以下,
1293 この訴訟を「訴訟2」と
1294 いう。
1295
1296 )。
1297
1298
1299 〔設問2〕
1300 訴訟2においてBが,
1301 @CがBのためにすることを示してXとの間で保証契約を締結したこと,
1302
1303 A@の保証契約の締結に先立って,
1304 Cが同契約の締結についての代理権をBから授与されたことは
1305 なかったこと,
1306 を主張した場合において,
1307 Cは,
1308 上記@又はAの各事実を否認することができるか。
1309
1310
1311 Bが訴訟1においてした訴訟告知に基づく判決の効力を援用した場合において,
1312 Cの立場から考え
1313 られる法律上の主張とその当否を検討せよ。
1314
1315
1316 【事例(続き)】
1317 以下は,
1318 訴訟1の判決が確定した後に原告Xの訴訟代理人弁護士Lと司法修習生Pとの間でさ
1319 れた会話である。
1320
1321
1322 弁護士L:今回は幸いにして勝訴することができましたが,
1323 私たちの依頼者Xとしては,
1324 仮にB
1325 に敗訴することがあったとしても,
1326 少なくともCの責任は問いたいところでした。
1327
1328 そこ
1329 で,
1330 B及びCに対する各請求がいずれも棄却されるといういわゆる「両負け」を避ける
1331 ため,
1332 今回は訴訟告知をしましたが,
1333 民事訴訟法にはほかにも「両負け」を避けるため
1334 の制度があることを知っていますか。
1335
1336
1337 修習生P:同時審判の申出がある共同訴訟でしょうか。
1338
1339
1340 弁護士L:そうですね。
1341
1342 良い機会ですから,
1343 今回の事件の事実関係の下で同時審判の申出がある
1344 共同訴訟によったとすれば,
1345 どのようにして,
1346 どの程度まで審判の統一が図られ,
1347 原告
1348 が「両負け」を避けることができたのか,
1349 整理してみてください。
1350
1351 例えば,
1352 以下の事案
1353 ではどうなるでしょうか。
1354
1355
1356 (事案)XがB及びCを共同被告として訴えを提起し,
1357 Bに対しては有権代理を前提として保証債
1358 務の履行を求め,
1359 Cに対しては民法第117条に基づく責任を追及する請求をし,
1360 同時審判
1361 の申出をした。
1362
1363 第一審においては,
1364 Cに対する代理権授与が認められないという理由で,
1365 B
1366 に対する請求を棄却し,
1367 Cに対する請求を認容する判決がされた。
1368
1369
1370 〔設問3〕
1371 同時審判の申出がある共同訴訟において,
1372 どのようにして,
1373 どの程度まで審判の統一が図られ,
1374
1375 原告の「両負け」を避けることができるか。
1376
1377 上記(事案)の第一審の判決に対し,
1378 @Cのみが控訴
1379 し,
1380 Xは控訴しなかった場合と,
1381 AC及びXが控訴した場合とを比較し,
1382 控訴審における審判の範
1383 囲との関係で論じなさい。
1384
1385
1386 - 4 -
1387
1388 【資料】
1389 金銭消費貸借契約書兼連帯保証契約書
1390 平成○○年○月○日
1391 住
1392
1393 所
1394
1395 ○○県○○市・・・
1396 (略)
1397
1398 貸
1399
1400 主
1401
1402 X
1403
1404 住
1405
1406 所
1407
1408 ○○県○○市・・・
1409 (略)
1410
1411 借
1412
1413 主
1414
1415 A
1416
1417 住
1418
1419 所
1420
1421 ○○県○○市・・・
1422 (略)
1423
1424 連帯保証人
1425 1
1426
1427 B
1428
1429 印
1430
1431 印
1432
1433 印
1434
1435 本日,
1436 借主は,
1437 貸主から金三百萬円を次の約定で借入れ,
1438 受領した。
1439
1440
1441 弁済期
1442
1443 平成○○年○月○日
1444
1445 利
1446
1447 年3パーセント(各月末払)
1448
1449 息
1450
1451 損害金
1452 2
1453
1454 年10パーセント
1455
1456 借主が次の各号の一にでも該当したときは,
1457 借主は何らの催告を要しないで期限の利益を失い,
1458
1459 元利金を一時に支払わなければならない。
1460
1461
1462
1463
1464 第三者から仮差押え,
1465 仮処分又は強制執行を受けたとき
1466 ・・・・
1467 (略)
1468
1469 3
1470
1471 連帯保証人は,
1472 借主がこの契約によって負担する一切の債務について,
1473 借主と連帯して保証債務
1474 を負う。
1475
1476
1477
1478 - 5 -
1479
1480