1 短答式試験問題集[刑事系科目]
2
3 -1 -
4
5 [刑事系科目]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
8 正しいものはどれか。
9
10 (解答欄
11 は,
12 [bP])
13 1.法人事業主は,
14 その従業者が法人の業務に関して行った犯罪行為について,
15 両罰規定が定め
16 られている場合には,
17 選任監督上の過失がなくても刑事責任を負う。
18
19
20 2.法人事業主を両罰規定により処罰するためには,
21 現実に犯罪行為を行った従業者も処罰され
22 なければならない。
23
24
25 3.法人事業主が処罰される場合には,
26 その代表者も処罰される。
27
28
29 4.刑法各則に規定された行為の主体には,
30 法人は含まれない。
31
32
33 5.刑法各則に規定された行為の客体には,
34 法人は含まれない。
35
36
37 〔第2問〕(配点:3)
38 監禁の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
39 正しいものを2個選
40 びなさい。
41
42 (解答欄は,
43 [bQ],
44 [bR]順不同)
45 1.甲は,
46 自己が経営する飲食店で住み込みの従業員として違法に働かせていたA女が逃げたこ
47 とから,
48 これを連れ戻すため,
49 A女に対し,
50
51 「お母さんが病気で入院していると連絡があった。
52
53
54 これからその病院に連れて行くから,
55 車に乗れ。
56
57 」と嘘を言い,
58 これを信じたA女を自己の運
59 転する普通乗用自動車に乗車させて約12キロメートル走行した。
60
61 甲に監禁罪は成立しない。
62
63
64 2.甲は,
65 身の代金取得の目的で7歳の子供Aを拐取し,
66 さらに,
67 Aの手足をロープで縛って逃
68 げることができないようにして自室に閉じ込め,
69 その間にAの親に電話をかけて身の代金を要
70 求した。
71
72 甲に監禁罪は成立しない。
73
74
75 3.甲は,
76 知人のA女をA女宅に送るため,
77 自己が運転する原動機付自転車の後部荷台に乗せて
78 走行していたが,
79 途中でA女を強姦しようと考え,
80 なおも走行を続けた。
81
82 その後,
83 甲の意図に
84 気付いたA女が「降ろして。
85
86 」と叫んだが,
87 甲は,
88 これを無視して,
89 そのまま約1キロメート
90 ルの間,
91 同車を疾走させた。
92
93 甲には監禁罪が成立する。
94
95
96 4.甲は,
97 自己の所属する暴力団の配下組員Aに指を詰めさせることとし,
98 嫌がるAを無理やり
99 普通乗用自動車に乗せて組事務所に連行し,
100 約1時間半にわたってAを監視したが,
101 その間に,
102
103 組事務所内において,
104 Aの左腕を押さえ付け,
105 包丁でAの小指を切断した。
106
107 甲には監禁致傷罪
108 が成立する。
109
110
111 5.甲は,
112 通行中のA女を殴るなどして無理やり自己が運転する普通乗用自動車に乗せて同車を
113 疾走させて連れ回そうと考え,
114 同車を停めて運転席から降り,
115 路上でA女に近づき,
116 A女を同
117 車に連れ込むために,
118 A女の顔面を殴打して加療約2週間を要する顔面挫傷の傷害を負わせた
119 が,
120 A女が甲に捕まえられることなく逃げたため,
121 A女を同車に乗せることはできなかった。
122
123
124 甲に監禁致傷罪は成立しない。
125
126
127 〔第3問〕(配点:2)
128 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
129 正しいものの組合せは,
130 後記1
131 から5までのうちどれか。
132
133 (解答欄は,
134 [bS])
135 ア.甲は,
136 医師免許を有していなかったが,
137 女性乙に対し,
138 医学的に必要とされる措置をとるこ
139 となく豊胸手術を行った。
140
141 女性乙が豊胸手術に伴う身体傷害につきあらかじめ甲に対して承諾
142 していた場合,
143 甲に傷害罪(刑法第204条)は成立しない。
144
145
146 イ.甲は,
147 民事訴訟の証拠調べの期日において,
148 証人として宣誓の上,
149 虚偽の陳述をした。
150
151 原告
152 乙及び被告丙の双方とも甲が虚偽の陳述をすることにつきあらかじめ甲に対して承諾していた
153 -2 -
154
155 場合,
156 甲に偽証罪(刑法第169条)は成立しない。
157
158
159 ウ.甲は,
160 重病の母親乙の首をロープで絞めて殺害した。
161
162 乙が殺害につきあらかじめ甲に対して
163 承諾していた場合,
164 甲に殺人罪(刑法第199条)は成立しない。
165
166
167 エ.甲は,
168 12歳の女児乙の同意を得て,
169 女児乙に対してわいせつな行為を行った。
170
171 甲に準強制
172 わいせつ罪(刑法第178条第1項)は成立しない。
173
174
175 オ.甲は,
176 交通違反の取締りを受けた際,
177 警察官に対し,
178 乙の氏名を名乗り,
179 交通事件原票の供
180 述書欄に乙名義で署名押印した。
181
182 乙が名義使用につきあらかじめ甲に対して承諾していた場合,
183
184 甲に有印私文書偽造罪(刑法第159条第1項)は成立しない。
185
186
187 1.ア
188
189
190
191 2.イ
192
193
194
195 3.ウ
196
197
198
199 4.エ
200
201
202
203 5.オ
204
205
206
207 〔第4問〕(配点:4)
208 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討し,
209 甲に窃盗罪が
210 成立する場合には1を,
211 成立しない場合には2を選びなさい。
212
213
214 (解答欄は,
215 アからオの順に[bT]
216 から[bX])
217 ア.甲は,
218 夜道を歩いていた際,
219 乙が路上で倒れて急死したのを目撃し,
220 乙が死亡しているのを
221 認識した上で,
222 乙の上着ポケットに入っていた財布を自分のものにしようと考え,
223 これを取り
224 出して自分のかばんにしまった。
225
226 [bT]
227 イ.甲は,
228 乙を強姦した直後,
229 警察に通報されないよう乙の携帯電話を破壊するため,
230 乙の持っ
231 ていたかばんから,
232 乙に気付かれないうちに乙の携帯電話を取り出してその場で破壊した。
233
234
235
236 6]
237 ウ.甲は,
238 自然湖であるA湖内で,
239 同湖の一部を区切って錦鯉を養殖している乙のいけすから逃
240 げ出した錦鯉20匹を発見し,
241 乙が養殖していた錦鯉であると認識しながら,
242 これを自分のも
243 のにするため捕獲し,
244 第三者に売却した。
245
246 [bV]
247 エ.甲は,
248 乙から鍵の掛かった乙の手提げ金庫を預かって保管していたが,
249 同金庫の在中物を自
250 分のものにしようと考え,
251 同金庫を破壊し,
252 中に入っていた乙の宝石を取り出し,
253 第三者に売
254 却した。
255
256 [bW]
257 オ.甲は,
258 A駅行きの満員電車に乗っていた際,
259 隣の席に座っていた乙がかばんを忘れたままB
260 駅で下車したのを目撃し,
261 乙のかばんとその中身を自分のものにしようと考え,
262 次のC駅で乙
263 のかばんを持って下車し,
264 自宅に持ち帰った。
265
266 [bX]
267 〔第5問〕(配点:2)
268 責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
269 正しいものは
270 どれか。
271
272 (解答欄は,
273 [10])
274 1.心神喪失とは,
275 精神の障害により,
276 行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動す
277 る能力が欠けている場合をいう。
278
279
280 2.心神耗弱とは,
281 精神の障害により,
282 行為の是非を弁識する能力が欠けている若しくは著しく
283 減退している場合,
284 又はこの弁識に従って行動する能力が欠けている若しくは著しく減退して
285 いる場合をいう。
286
287
288 3.13歳であるが,
289 行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動する能力に欠けると
290 ころがない場合,
291 責任能力が認められる。
292
293
294 4.精神鑑定により心神喪失と鑑定された場合には,
295 裁判所は,
296 被告人の責任能力を認めること
297 はできない。
298
299
300 5.精神の障害がなければ,
301 心神喪失は認められない。
302
303
304
305 -3 -
306
307 〔第6問〕(配点:2)
308 文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
309 正しいも
310 のはどれか。
311
312 (解答欄は,
313 [11])
314 1.甲は,
315 A公立高校を中途退学した乙から「父親に見せて安心させたい。
316
317 それ以外には使わな
318 いからA公立高校の卒業証書を作ってくれ。
319
320 」と頼まれ,
321 乙の父親に呈示させる目的で,
322 A公
323 立高校校長丙名義の卒業証書を丙に無断で作成した。
324
325 甲には公文書偽造罪は成立しない。
326
327
328 2.甲は,
329 自己の所有する土地の登記記録を改ざんしようと考え,
330 法務局の担当登記官である乙
331 にその情を打ち明けて記録の改ざんを依頼し,
332 乙に登記簿の磁気ディスクに内容虚偽の記録を
333 してもらった。
334
335 甲には電磁的公正証書原本不実記録罪,
336 同供用罪の共同正犯が成立する。
337
338
339 3.甲は,
340 行使の目的で,
341 高齢のため視力が衰え文字の判読が十分にできない乙に対し,
342 公害反
343 対の署名であると偽り,
344 その旨誤信した乙に,
345 甲を貸主,
346 乙を借主とする100万円の借用証
347 書の借主欄に署名押印させた。
348
349 甲には私文書偽造罪が成立する。
350
351
352 4.甲と乙は,
353 警察署に提出する目的で,
354 県立病院の医師丙に内容虚偽の診断書を作成させる旨
355 共謀し,
356 甲が丙にこれを依頼したが,
357 丙に断られたため,
358 甲は,
359 乙に相談することなく自ら県
360 立病院医師丙名義で内容虚偽の診断書を作成した。
361
362 乙には虚偽診断書作成罪の共同正犯が成立
363 する。
364
365
366 5.甲は,
367 行使の目的で,
368 正規の国際運転免許証を発給する権限のない民間団体乙名義で,
369 外観
370 が正規の国際運転免許証に酷似する文書を作成した。
371
372 甲は,
373 乙からその文書の作成権限を与え
374 られていたが,
375 乙に正規の国際運転免許証を発給する権限がないことは知っていた。
376
377 甲には私
378 文書偽造罪は成立しない。
379
380
381 〔第7問〕(配点:2)
382 刑法第65条に関する次のTないしVの各【見解】についての後記1から5までの各【記述】の
383 うち,
384 誤っているものはどれか。
385
386 (解答欄は,
387 [12])
388 【見
389
390 解】
391
392 T.刑法第65条第1項は真正身分犯の成立及び科刑についての規定であり,
393 同条第2項は不真
394 正身分犯の成立及び科刑についての規定である。
395
396
397 U.刑法第65条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり,
398 同条第2項は身
399 分が責任に関係する場合についての規定である。
400
401
402 V.刑法第65条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり,
403
404 同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である。
405
406
407 【記
408
409 述】
410
411 1.Tの見解に対しては,
412 真正身分犯が身分を連帯的に作用させ,
413 不真正身分犯が身分を個別的
414 に作用させることの実質的根拠が明らかでないとの批判がある。
415
416
417 2.Uの見解に対しては,
418 身分が違法性に関係する場合と身分が責任に関係する場合を区別する
419 ことは困難であるとの批判がある。
420
421
422 3.Vの見解は,
423 刑法第65条第1項が「共犯とする」と規定し,
424 同条第2項が「通常の刑を科
425 する」と規定していることを根拠の一つとしている。
426
427
428 4.Tの見解に立った場合,
429 甲が愛人である乙を唆して,
430 乙が介護していた乙の老母の生存に必
431 要な保護をやめさせた事例では,
432 甲には保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し,
433 科刑は単純遺棄
434 罪の刑となる。
435
436
437 5.Vの見解に立ちつつ,
438 常習賭博罪における常習性が身分に含まれると解した場合,
439 賭博の非
440 常習者である甲が賭博の常習者乙を唆して,
441 乙に賭博をさせた事例では,
442 甲には常習賭博罪の
443 教唆犯が成立し,
444 科刑は単純賭博罪の刑となる。
445
446
447
448 -4 -
449
450 〔第8問〕(配点:2)
451 犯人蔵匿等の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
452 誤って
453 いるものはどれか。
454
455 (解答欄は,
456 [13])
457 1.甲は,
458 窃盗事件を犯して逃亡中の乙を自宅にかくまったが,
459 かくまった時点では,
460 既にその
461 窃盗事件の公訴時効が完成していた。
462
463 甲には,
464 犯人蔵匿罪は成立しない。
465
466
467 2.甲は,
468 強盗事件を犯して逃亡中の乙の所在を知っていたが,
469 その所在を警察官に尋ねられた
470 際,
471 その質問に答えなかった。
472
473 甲には,
474 犯人隠避罪が成立する。
475
476
477 3.甲は,
478 強盗事件を犯した息子乙を逮捕から免れさせるため,
479 乙に逃走資金を与えた。
480
481 甲には,
482
483 犯人隠避罪が成立する。
484
485
486 4.甲は,
487 自動車運転過失致死事件の被告人として裁判を受けていた乙が保釈中であることを知
488 りながら,
489 乙を逃亡させるため,
490 乙にその資金を与えた。
491
492 甲には,
493 犯人隠避罪が成立する。
494
495
496 5.甲は,
497 強姦事件を犯して逃亡中,
498 告訴権者からの告訴がない時点で,
499 友人乙に強姦事件を犯
500 して逃げているのでかくまってほしい旨依頼して乙宅に一晩かくまってもらった。
501
502 甲には,
503
504 人蔵匿罪の教唆犯が成立する。
505
506
507 〔第9問〕(配点:4)
508 刑罰に関する次のアからオまでの各記述を検討し,
509 正しい場合には1を,
510 誤っている場合には2
511 を選びなさい。
512
513 (解答欄は,
514 アからオの順に[14]から[18])
515 ア.自由刑には,
516 懲役,
517 禁錮及び労役場留置が含まれる。
518
519 [14]
520 イ.財産刑には,
521 罰金,
522 没収及び追徴が含まれる。
523
524 [15]
525 ウ.有期の懲役又は禁錮は,
526 1月以上15年以下であり,
527 これを加重する場合においては30年
528 にまで上げることができる。
529
530 [16]
531 エ.有期の懲役又は禁錮を減軽する場合においては1月未満に下げることができる。
532
533 [17]
534 オ.懲役は,
535 受刑者を刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる刑罰であり,
536 禁錮は,
537 受刑者を
538 刑事施設に拘置する刑罰である。
539
540 [18]
541
542 -5 -
543
544 〔第10問〕(配点:2)
545 次の【事案及び判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
546 判旨の理解として誤って
547 いるものはどれか。
548
549 (解答欄は,
550 [19])
551 【事案及び判旨】
552 精神科の医師である甲が,
553 犯行時16歳の少年Aが犯した殺人罪に関する保護事件が係属して
554 いる家庭裁判所からAの精神鑑定を命ぜられた際,
555 鑑定資料として家庭裁判所から交付されたA
556 の捜査機関に対する供述調書の謄本を新聞記者に閲覧させたため,
557 Aが甲を秘密漏示罪で告訴し
558 た事案につき,
559 裁判所は,
560 甲の行為は秘密漏示罪に該当し,
561 訴訟条件にも欠けるところはない旨
562 判示し,
563 甲に有罪判決を言い渡した。
564
565
566 【記
567
568 述】
569
570 1.この判旨は,
571 甲が医師の身分を有していることを前提に秘密漏示罪の成立を認めたものであ
572 る。
573
574
575 2.この判旨は,
576 裁判手続等において後に公開される可能性のある事項であっても,
577 秘密漏示罪
578 における「人の秘密」として保護の対象になり得ると考えている。
579
580
581 3.この判旨は,
582 甲が医師の業務としてAの精神鑑定を行ったことを前提に秘密漏示罪の成立を
583 認めたものである。
584
585
586 4.この判旨は,
587 秘密漏示罪における「人の秘密」について,
588 Aの秘密ではなく,
589 甲に鑑定を命
590 じた家庭裁判所の秘密であると考えている。
591
592
593 5.この判旨からは,
594 秘密漏示罪の「人の秘密」の主体が,
595 自然人のみならず,
596 法人・団体を含
597 むかどうかは必ずしも明らかではない。
598
599
600 〔第11問〕(配点:2)
601 次の【事例】及び【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
602 正しいものはどれか。
603
604
605 (解答欄は,
606 [20])
607 【事
608
609 例】
610 甲は,
611 手の平で患部をたたいてエネルギーを患者に通すことにより自己治癒力を高めるとの独
612
613 自の治療を施す特別の能力を有すると称していたが,
614 その能力を信奉していたAから,
615 脳内出血
616 を発症した親族Bの治療を頼まれ,
617 意識障害があり継続的な点滴等の入院治療が必要な状態にあ
618 ったBを入院中の病院から遠く離れた甲の寄宿先ホテルの部屋に連れてくるようAに指示した
619 上,
620 実際に連れてこられたBの様子を見て,
621 そのままでは死亡する危険があることを認識しなが
622 ら,
623 上記独自の治療を施すにとどまり,
624 点滴や痰の除去等Bの生命維持に必要な医療措置を受け
625 させないままBを約1日間放置した結果,
626 Bを痰による気道閉塞に基づく窒息により死亡させた。
627
628
629 【判
630
631 旨】
632 甲は,
633 自己の責めに帰すべき事由によりBの生命に具体的な危険を生じさせた上,
634 Bが運び込
635
636 まれたホテルにおいて,
637 甲を信奉するAから,
638 重篤な状態にあったBに対する手当てを全面的に
639 委ねられた立場にあったものと認められる。
640
641 その際,
642 甲は,
643 Bの重篤な状態を認識し,
644 これを自
645 らが救命できるとする根拠はなかったのであるから,
646 直ちにBの生命を維持するために必要な医
647 療措置を受けさせる義務を負っていたものというべきである。
648
649 それにもかかわらず,
650 未必的な殺
651 意をもって,
652 上記医療措置を受けさせないまま放置してBを死亡させた甲には,
653 不作為による殺
654 人罪が成立する。
655
656
657 【記
658
659 述】
660
661 1.Aが甲に対してその特別の能力に基づく治療を行うことを真摯に求めていたという事情があ
662 れば,
663 甲にはその治療を行うことについてのみ作為義務が認められるから,
664 この判旨の立場か
665 らも殺人罪の成立は否定される。
666
667
668 2.判旨の立場によれば,
669 この事例で甲に患者に対する未必的な殺意が認められなければ,
670 重過
671 -6 -
672
673 失致死罪が成立するにとどまる。
674
675
676 3.判旨は,
677 不作為犯が成立するためには,
678 作為義務違反に加え,
679 既発の状態を積極的に利用す
680 る意図が必要であると考えている。
681
682
683 4.判旨は,
684 Aが甲の指示を受けてBを病院から搬出した時点で,
685 甲に殺人罪の実行の着手を認
686 めたものと解される。
687
688
689 5.判旨は,
690 先行行為についての甲の帰責性と甲による引受行為の存在を根拠に,
691 甲のBに対す
692 る殺人罪の作為義務を認めたものと解される。
693
694
695 〔第12問〕(配点:2)
696 強盗の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
697 誤っているも
698 のはどれか。
699
700 (解答欄は,
701 [21])
702 1.甲は,
703 乙に対し,
704 金品を奪うために,
705 反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加え,
706 その反抗
707 を抑圧して乙から財布を奪ったが,
708 乙は財布を奪われたことに気付かなかった。
709
710 甲には強盗既
711 遂罪が成立する。
712
713
714 2.甲は,
715 乙宅で財布を窃取し,
716 誰からも追跡されることなく,
717 約2キロメートル離れた場所ま
718 で徒歩で移動した後,
719 窃取した財布の中を見たが,
720 予想していたよりも現金が少なかったこと
721 から,
722 再び窃盗を行う目的で乙宅に戻り,
723 玄関を開けたところ,
724 帰宅していた乙に発見され,
725
726 逮捕を免れるために,
727 乙に対し,
728 反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた。
729
730 甲には事後強
731 盗既遂罪は成立しない。
732
733
734 3.甲は,
735 電車内で乗客のポケットから財布を窃取した直後,
736 その犯行状況を目撃して甲を逮捕
737 しようとした警察官乙に対し,
738 逮捕を免れるために,
739 反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加
740 えたが,
741 乙に逮捕された。
742
743 甲には事後強盗未遂罪が成立する。
744
745
746 4.甲は,
747 空き巣を行う目的で乙宅に侵入したところ,
748 たまたま留守番をしていた乙の甥である
749 10歳の丙に発見され,
750 金品を奪うために,
751 丙に対し,
752 反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を
753 加え,
754 その反抗を抑圧して寝室のタンス内にあった乙名義の預金通帳と印鑑を奪った。
755
756 甲には
757 強盗既遂罪が成立する。
758
759
760 5.甲は,
761 飲食店において,
762 代金を支払う意思及び能力がないのに,
763 店長乙をだまして酒食を注
764 文し,
765 飲食した後,
766 代金の支払いを免れるために,
767 乙に対し,
768 反抗を抑圧するに足りる程度の
769 暴行を加え,
770 その反抗を抑圧して逃走し,
771 代金請求を免れた。
772
773 甲には強盗既遂罪が成立する。
774
775
776
777 -7 -
778
779 〔第13問〕(配点:3)
780 正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
781 誤っているものを2
782 個選びなさい。
783
784 (解答欄は,
785 [22],
786 [23]順不同)
787 1.正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは,
788 予期された侵害を避けるべき義務を
789 課する趣旨ではないが,
790 単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず,
791 その機会を
792 利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは,
793 侵害の急迫性の要件
794 を欠く結果,
795 そのような侵害に対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
796
797
798 2.憎悪や怒りの念を抱いて侵害者に対する反撃行為に及んだ場合には,
799 防衛の意思を欠く結果,
800
801 防衛のための行為と認められることはない。
802
803
804 3.相手からの侵害が,
805 それに先立つ自らの攻撃によって触発されたものである場合には,
806 不正
807 の行為により自ら侵害を招いたことになるから,
808 相手からの侵害が急迫性を欠く結果,
809 これに
810 対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
811
812
813 4.刑法第36条にいう「権利」には,
814 生命,
815 身体,
816 自由のみならず名誉や財産といった個人的
817 法益が含まれるので,
818 自己の財産権への侵害に対して相手の身体の安全を侵害する反撃行為に
819 及んでも正当防衛となり得る。
820
821
822 5.正当防衛における「やむを得ずにした」とは,
823 急迫不正の侵害に対する反撃行為が,
824 自己又
825 は他人の権利を防衛する手段として必要最小限度のものであること,
826 すなわち反撃行為が侵害
827 に対する防衛手段として相当性を有するものであることを意味し,
828 反撃行為が防衛手段として
829 相当性を有する以上,
830 その反撃行為により生じた結果がたまたま侵害されようとした法益より
831 大であっても,
832 その反撃行為が正当防衛でなくなるものではない。
833
834
835 〔第14問〕(配点:4)
836 放火の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
837 正しい場合には1を,
838
839 誤っている場合には2を選びなさい。
840
841 (解答欄は,
842 アからオの順に[24]から[28])
843 ア.「放火」とは,
844 目的物の焼損を惹起させる行為をいい,
845 媒介物を介して目的物に点火する場
846 合には,
847 媒介物に点火することも含まれる。
848
849 [24]
850 イ.「焼損」とは,
851 火力により目的物の重要部分が焼失し,
852 その本来の効用が失われた状態をい
853 う。
854
855 [25]
856 ウ.「建造物」とは,
857 家屋その他これに類する工作物であって,
858 土地に定着し,
859 人の起居出入に
860 適する構造を有するものをいう。
861
862 [26]
863 エ.「建造物」には,
864 家屋の和室に敷かれている畳も含まれる。
865
866 [27]
867 オ.「現に人が住居に使用し」の「人」には,
868 犯人が含まれる。
869
870 [28]
871 〔第15問〕(配点:2)
872 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
873 誤っているものはどれか。
874
875 (解
876 答欄は,
877 [29])
878 1.罰則を定めた特別法の法条に,
879 過失行為を処罰する旨の明文の規定がない場合であっても,
880
881 当該特別法の目的から,
882 罰則を定めた法条に過失行為を処罰する趣旨が包含されていると認め
883 られるときには,
884 同法条が刑法第38条第1項ただし書に規定される特別の規定となり,
885 過失
886 による行為を処罰することが可能である。
887
888
889 2.業務上過失致死傷罪の「業務」とは,
890 社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われ,
891
892 たは,
893 反復継続して行う意思をもって行われる行為であり,
894 他人の生命・身体等に危害を加え
895 るおそれがあるものをいう。
896
897
898 3.重過失致死傷罪の「重過失」とは,
899 行為者としてわずかな注意を払えば,
900 結果発生を予見す
901 ることができ,
902 結果の発生を回避できた場合をいう。
903
904
905 -8 -
906
907 4.複数の行為者につき,
908 行為者共同の注意義務が観念でき,
909 行為者がその共同の注意義務に違
910 反し,
911 共同の注意義務違反と発生した結果との間に因果関係が認められる場合には,
912 過失犯の
913 共同正犯が成立し得る。
914
915
916 5.過失行為を行った者を監督すべき地位にある者の過失の有無を判断する際には,
917 信頼の原則
918 は適用されない。
919
920
921 〔第16問〕(配点:4)
922 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討し,
923 甲に公務執行
924 妨害罪が成立する場合には1を,
925 成立しない場合には2を選びなさい。
926
927 (解答欄は,
928 アからオの順
929 に[30]から[34])
930 ア.甲は,
931 県議会の議事が紛糾し,
932 議長乙が休憩を宣言して壇上から降りようとした際,
933 乙の顔
934 面をげんこつで殴った。
935
936 [30]
937 イ.甲は,
938 日本国内にある外国の大使館の職員乙がその大使館の業務に従事していた際,
939 乙の腹
940 部を足で蹴った。
941
942 [31]
943 ウ.甲は,
944 警察官乙から捜索差押許可状に基づき自宅の捜索を受け,
945 覚せい剤入りの注射器を差
946 し押さえられた際,
947 乙の眼前で同注射器を足で踏み付けて壊した。
948
949 [32]
950 エ.甲は,
951 無許可のデモ行進に参加していた際,
952 これを解散させようとした警察官乙に向かって
953 石を1回投げ,
954 その石は乙の頭部付近をかすめたが,
955 乙には命中しなかった。
956
957 [33]
958 オ.甲は,
959 執行官から確定判決に基づき居室明渡しの強制執行を受けていた際,
960 執行官の補助者
961 であった民間人乙の頭部を棒で殴った。
962
963 [34]
964 〔第17問〕(配点:2)
965 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
966 正しいものはどれか。
967
968 (解答欄
969 は,
970 [35])
971 1.甲は,
972 生活費欲しさから強盗を計画し,
973 12歳の長男乙に対し,
974 Vから現金を強取するよう
975 指示した。
976
977 乙は,
978 甲の指示に従い,
979 Vに刃物を突き付けて現金を強取した。
980
981 乙が是非善悪の判
982 断能力を有していたか否か,
983 甲の指示により意思を抑圧されていたか否かにかかわらず,
984 甲に
985 は強盗罪の間接正犯が成立する。
986
987
988 2.甲は,
989 通常の判断能力がないVの殺害を計画し,
990 Vに対し,
991 首をつっても仮死状態になるだ
992 けであり,
993 必ず生き返るとだまして,
994 Vに首をつらせて窒息死させた。
995
996 甲には自殺関与罪が成
997 立する。
998
999
1000 3.甲と乙は,
1001 自分たちのことを日頃ばかにするVを懲らしめてやろうと思い,
1002 Vに傷害を負わ
1003 せる旨共謀した。
1004
1005 そして,
1006 甲と乙は,
1007 それぞれ,
1008 Vに対し,
1009 日頃の恨みを言いながら,
1010 その身
1011 体を殴り付けた。
1012
1013 Vは,
1014 これに応答して甲らを罵った。
1015
1016 すると,
1017 乙は,
1018 Vの発言に腹を立て,
1019
1020 殺意をもって,
1021 隠し持っていたナイフでVを刺し殺した。
1022
1023 乙に殺人罪が成立する場合,
1024 甲には,
1025
1026 Vに対する殺意がなくても殺人罪の共同正犯が成立する。
1027
1028
1029 4.甲は,
1030 V宅に石を投げ付け窓ガラスを割り始めた。
1031
1032 これをたまたま見た乙は,
1033 自分も窓ガラ
1034 スを割りたいと思い,
1035 甲に気が付かれないよう,
1036 V宅に石を投げ付け,
1037 甲が割った窓ガラスと
1038 は別の窓ガラスを割った。
1039
1040 甲と乙には器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
1041
1042
1043 5.女性である甲は,
1044 甲の男友達である乙との間で,
1045 乙がVを強姦する旨共謀した。
1046
1047 その後,
1048
1049 がVを誘い出してVの体を押さえ付け,
1050 乙がVを強姦した。
1051
1052 乙に強姦罪が成立する場合でも,
1053
1054 甲には強姦罪の共同正犯は成立しない。
1055
1056
1057
1058 -9 -
1059
1060 〔第18問〕(配点:2)
1061 横領の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
1062 正しいものは
1063 どれか。
1064
1065 (解答欄は,
1066 [36])
1067 1.横領罪の「占有」とは,
1068 物に対して事実上の支配力を有する状態をいい,
1069 物に対して法律上
1070 の支配力を有する状態を含まない。
1071
1072
1073 2.株式会社の代表取締役には,
1074 同社の所有物について,
1075 横領罪の「占有」は認められない。
1076
1077
1078 3.横領罪の「物」は,
1079 窃盗罪における「財物」と同義であり,
1080 不動産は横領罪の客体とはなら
1081 ない。
1082
1083
1084 4.法人の金員を管理する者が,
1085 同法人の金員を支出した場合,
1086 同支出が商法その他関係法令に
1087 照らして違法であっても,
1088 横領罪の「不法領得の意思」が認められないことがある。
1089
1090
1091 5.業務上横領罪の「業務」には,
1092 社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われる事務であ
1093 れば,
1094 いかなる事務も含まれる。
1095
1096
1097 〔第19問〕(配点:2)
1098 次の【事例】及び【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
1099 正しいものはどれか。
1100
1101
1102 (解答欄は,
1103 [37])
1104 【事
1105
1106 例】
1107 Aは,
1108 殺意をもって,
1109 Bを狙い,
1110 けん銃を発射したところ,
1111 その弾丸がBを貫き,
1112 たまたまB
1113
1114 の背後を通行中のCにも命中したが,
1115 B,
1116 C共に死亡しなかった。
1117
1118 なお,
1119 Aは,
1120 けん銃を発射し
1121 た時点で,
1122 Cの存在を認識していなかった。
1123
1124
1125 【見
1126
1127 解】
1128 犯罪の故意があるとするには,
1129 罪となるべき事実の認識を必要とするものであるが,
1130 犯人が認
1131
1132 識した罪となるべき事実と現実に発生した事実とが必ずしも具体的に一致することを要するもの
1133 ではなく,
1134 両者が法定の範囲内において一致することをもって足りる。
1135
1136 人を殺す意思のもとに殺
1137 害行為に出た以上,
1138 犯人の認識しなかった人に対してその結果が発生した場合にも,
1139 その結果に
1140 ついて殺人の故意があり,
1141 Bに対する所為についてはもちろんのこと,
1142 Cに対する所為について
1143 も殺人未遂罪が成立し,
1144 両罪は観念的競合となる。
1145
1146
1147 【記
1148
1149 述】
1150
1151 1.この【見解】によれば,
1152 甲が殺意をもって,
1153 乙を狙い,
1154 けん銃を発射したところ,
1155 弾丸が乙
1156 に命中したが,
1157 乙は死亡せず,
1158 乙を貫通した弾丸が甲が予期しなかった丙に命中して丙が死亡
1159 した場合,
1160 甲には,
1161 丙に対する殺人既遂罪が成立するが,
1162 乙に対する犯罪は成立しない。
1163
1164
1165 2.この【見解】によれば,
1166 甲が殺意をもって,
1167 乙を狙い,
1168 けん銃を発射したところ,
1169 弾丸が乙
1170 に命中して乙が死亡し,
1171 乙を貫通した弾丸が甲が予期しなかった丙にも命中して丙も死亡した
1172 場合,
1173 甲には,
1174 乙に対する殺人既遂罪,
1175 丙に対する過失致死罪が成立する。
1176
1177
1178 3.この【見解】に対しては,
1179 殺人罪は被害者ごとに成立する犯罪であるから,
1180 被害者の個別性
1181 は構成要件的に重要な事実であるとの批判がある。
1182
1183
1184 4.この【見解】に対しては,
1185 いわゆる客体の錯誤の場合と方法の錯誤の場合とで故意の有無に
1186 ついて結論が異なるのは不合理であるとの批判がある。
1187
1188
1189 5.この【見解】に対しては,
1190 1人を殺す故意しかないのに,
1191 1人を殺した場合より処断刑が重
1192 くなるのは妥当ではないとの批判がある。
1193
1194
1195
1196 - 10 -
1197
1198 〔第20問〕(配点:2)
1199 次の【事例】における甲の罪責に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検
1200 討し,
1201 正しいものを2個選びなさい。
1202
1203 (解答欄は,
1204 [38]
1205
1206 [39]順不同)
1207 【事
1208
1209 例】
1210 甲は,
1211 深夜,
1212 帰宅しようと歩いていたところ,
1213 道端に見ず知らずのAが重傷を負って倒れてい
1214
1215 るのを見付けた。
1216
1217 甲は,
1218 周囲にA以外の誰もおらず,
1219 Aには意識があるものの,
1220 動ける状態では
1221 なかったことから,
1222 これに乗じて,
1223 Aの傍らに落ちていたAのかばんの中から金品を持ち去って
1224 自分のものにしようと考え,
1225 Aに対し,
1226 「もらっていくよ。
1227
1228 」と言って,
1229 同かばんからAの財布を
1230 取り出して自分のかばんの中に入れた上,
1231 Aを救護することなくそのまま放置してその場を立ち
1232 去った。
1233
1234 甲は,
1235 自宅に戻り,
1236 Aの財布の中を見たところ,
1237 現金約1万円のほか,
1238 @大きさや重さ
1239 は五百円硬貨と同じであるものの,
1240 中央に穴が開けられ,
1241 模様もない円形の金属片10枚,
1242 Aク
1243 レジットカードと同じ大きさであるものの,
1244 外観上何ら印刷が施されておらず,
1245 4桁の数字が手
1246 書きで書かれ,
1247 磁気ストライプらしき黒いテープが貼られているプラスチック製の白色カード1
1248 枚を見付けた。
1249
1250 甲は,
1251 @の金属片はAが自動販売機等で商品を購入する際などに使うつもりで持
1252 っていたものだろうと考え,
1253 同金属片10枚を1本100円の缶ジュースの自動販売機に順次投
1254 入して購入ボタンを押し,
1255 出てきたジュース10本と釣銭合計4000円を自分のものにした。
1256
1257
1258 また,
1259 Aの白色カードは,
1260 他人のクレジットカードの磁気情報をコピーして不正に作成されたカ
1261 ードであったが,
1262 甲は,
1263 そのことを認識した上,
1264 同カードに書かれた4桁の数字がその暗証番号
1265 に違いないと考え,
1266 後日同カードを現金自動預払機に挿入して現金を引き出すつもりで,
1267 同カー
1268 ドを自宅に保管しておいた。
1269
1270
1271 【記
1272
1273 述】
1274
1275 1.甲が上記重傷を負ったAを放置して立ち去った行為には,
1276 単純遺棄罪が成立する。
1277
1278
1279 2.甲が上記Aの財布を自分のかばんに入れて持ち去った行為には,
1280 窃盗罪が成立する。
1281
1282
1283 3.甲が上記金属片を自動販売機に投入した行為には,
1284 偽造通貨行使罪が成立する。
1285
1286
1287 4.甲が上記金属片を自動販売機に投入してジュースと釣銭を得た行為には,
1288 電子計算機使用詐
1289 欺罪が成立する。
1290
1291
1292 5.甲が上記白色カードを自宅に保管しておいた行為には,
1293 不正電磁的記録カード所持罪が成立
1294 する。
1295
1296
1297 〔第21問〕(配点:2)
1298 捜査機関の権限に関する次の1から5までの各記述のうち,
1299 誤っているものはどれか。
1300
1301 (解答欄
1302 は,
1303 [40])
1304 1.検察官は,
1305 司法警察員の取調べに際して任意の供述をした犯行の目撃者が,
1306 公判期日におい
1307 ては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり,
1308 かつ,
1309 その者の供述が犯罪の証明に欠く
1310 ことができないと認められる場合には,
1311 第1回公判期日前に限り,
1312 裁判官にその者の証人尋問
1313 を請求することができる。
1314
1315
1316 2.司法警察員は,
1317 告訴を受けた事件に関する書類及び証拠物について,
1318 当該事件について犯罪
1319 の嫌疑がないものと思料するときは,
1320 検察官に送付しないことができる。
1321
1322
1323 3.検察官は,
1324 司法警察員から送致を受けた事件であっても,
1325 捜査の必要があると思料するとき
1326 は,
1327 自ら,
1328 捜索差押許可状の発付を受けて,
1329 捜索差押えを行うことができる。
1330
1331
1332 4.司法警察員は,
1333 少年の被疑事件について捜査を遂げた結果,
1334 罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌
1335 疑があるものと思料するときは,
1336 これを検察官ではなく家庭裁判所に送致しなければならない。
1337
1338
1339 5.司法巡査は,
1340 犯罪の捜査について必要があるときは,
1341 犯罪の被害者の出頭を求め,
1342 これを取
1343 り調べることができる。
1344
1345
1346
1347 - 11 -
1348
1349 〔第22問〕(配点:2)
1350 告訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1351 誤っているものの組合せは,
1352 後記1から5まで
1353 のうちどれか。
1354
1355 ただし,
1356 判例がある場合には,
1357 それに照らして考えるものとする。
1358
1359 (解答欄は,
1360
1361 41])
1362 ア.被害者が死亡したときは,
1363 被害者の明示の意思に反しない限り,
1364 その兄弟姉妹が告訴をする
1365 ことができる。
1366
1367
1368 イ.親告罪の告訴期間を起算する基準となる「犯人を知った」とは,
1369 犯人が誰であるかを知るこ
1370 とをいい,
1371 告訴権者において,
1372 犯人の住所氏名などの詳細を知る必要はないが,
1373 少なくとも犯
1374 人の何人たるかを特定し得る程度に認識することを要する。
1375
1376
1377 ウ.告訴の取消しは,
1378 代理人によりこれをすることができない。
1379
1380
1381 エ.被害者の司法警察員に対する供述調書であっても,
1382 犯罪事実を申告し,
1383 犯人の処罰を求める
1384 旨の意思の表示がされていれば,
1385 告訴調書として有効である。
1386
1387
1388 オ.告訴は,
1389 書面でこれをしなければならない。
1390
1391
1392 1.ア
1393
1394
1395
1396 2.ア
1397
1398
1399
1400 3.イ
1401
1402
1403
1404 4.ウ
1405
1406
1407
1408 5.エ
1409
1410
1411
1412 〔第23問〕(配点:2)
1413 次のアからオまでの各手続のうち,
1414 その手続に関して裁判官の裁判が必要となるものの組合せは,
1415
1416 後記1から5までのうちどれか。
1417
1418 (解答欄は,
1419 [42])
1420 ア.私人が,
1421 窃盗行為に及んだ者を現行犯逮捕する場合
1422 イ.司法警察員が,
1423 殺人を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある者を緊急逮捕する場合
1424 ウ.検察官が,
1425 逮捕状に基づき逮捕された者を司法警察員から受け取った後,
1426 勾留請求せずに釈
1427 放する場合
1428 エ.殺人の事実で勾留中に起訴された者につき,
1429 同じ事実で引き続き勾留する場合
1430 オ.窃盗の事実で逮捕中に起訴された者につき,
1431 同じ事実で勾留する場合
1432 1.ア
1433
1434
1435
1436 2.ア
1437
1438
1439
1440 3.イ
1441
1442
1443
1444 4.イ
1445
1446
1447
1448 5.エ
1449
1450
1451
1452 〔第24問〕(配点:3)
1453 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1454 正しい場合には1を,
1455 誤って
1456 いる場合には2を選びなさい。
1457
1458 ただし,
1459 判例がある場合には,
1460 それに照らして考えるものとする。
1461
1462
1463 (解答欄は,
1464 アからオの順に[43]から[47])
1465 【事
1466
1467 例】
1468 司法警察員は,
1469 甲が自宅において覚せい剤を密売しているとの被疑事実により,
1470 甲の逮捕状及
1471
1472 び甲宅に対する捜索差押許可状の発付を得て,
1473 甲宅に赴いた。
1474
1475 甲宅には,
1476 甲の妻Aのみが在宅し
1477 ていたことから,
1478 司法警察員は,
1479 @Aに前記捜索差押許可状を呈示した上で,
1480 甲宅に立ち入り,
1481
1482 Aを立会人として捜索を実施し,
1483 覚せい剤や電子計量器などを差し押さえた。
1484
1485 更に捜索を進めた
1486 ところ,
1487 甲宅リビングルームのテーブル上に,
1488 甲が野球賭博を開張していたことを示すノートが
1489 発見されたことから,
1490 司法警察員はAにノートの提出を求めた。
1491
1492 ノートは甲の所有物であったが,
1493
1494 AAは司法警察員にノートを任意に提出し,
1495 司法警察員がこれを領置した。
1496
1497 捜索終了後,
1498 その日
1499 のうちに,
1500 司法警察員は甲が帰宅した旨の情報を得たことから,
1501 直ちに甲宅に赴き,
1502 B玄関から
1503 甲宅に立ち入り,
1504 在宅していた甲に逮捕状を示して通常逮捕した。
1505
1506 翌日,
1507 Aは,
1508 甲の了解を得ず
1509 に前記ノートを提出したことを後悔し,
1510 C司法警察員に対してノートの還付を請求した。
1511
1512
1513 【記
1514
1515 述】
1516
1517 ア.下線部@につき,
1518 覚せい剤や電子計量器などが甲の所有物である場合には,
1519 甲に捜索差押許
1520 可状を呈示していない以上,
1521 司法警察員がこれらの物を差し押さえることは違法である。
1522
1523
1524 43]
1525 - 12 -
1526
1527 イ.下線部@につき,
1528 仮にAが不在であり,
1529 甲宅に誰も在宅していなかった場合でも,
1530 立会人な
1531 くして捜索することは違法である。
1532
1533 [44]
1534 ウ.下線部Aにつき,
1535 任意提出を行うことができる者は,
1536 所有者又は所持者に限られるところ,
1537
1538 所持者とは自己のために当該物件を占有する者であるから,
1539 司法警察員がAからノートを領置
1540 したことは違法である。
1541
1542 [45]
1543 エ.下線部Bにつき,
1544 既に甲宅に対する捜索が終わった後であるから,
1545 甲宅に立ち入るためには,
1546
1547 甲又はAの了解が必要である。
1548
1549 [46]
1550 オ.下線部Cにつき,
1551 任意提出物を領置した場合には,
1552 提出者から還付を請求されると直ちに還
1553 付する必要がある。
1554
1555 [47]
1556 〔第25問〕(配点:3)
1557 令状主義に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1558 正しいものの個数を,
1559 後記1から6までの
1560 中から選びなさい。
1561
1562 ただし,
1563 判例がある場合には,
1564 それに照らして考えるものとする。
1565
1566
1567 (解答欄は,
1568
1569 [48])
1570 ア.捜査機関が,
1571 犯罪の証拠物として被疑者の体内に存在する尿を強制的に採取するには,
1572 捜索
1573 差押令状を必要とするが,
1574 人権の侵害にわたるおそれがある点では,
1575 検証の方法としての身体
1576 検査と共通の性質を有しているので,
1577 「裁判官は,
1578 身体の検査に関し,
1579 適当と認める条件を附
1580 することができる」旨の規定が前記捜索差押令状に準用される。
1581
1582
1583 イ.捜査機関は,
1584 身体を拘束されていない被疑者を採尿場所に任意に同行することが事実上不可
1585 能であると認められる場合,
1586 採尿することを許可する捜索差押令状の効力として,
1587 採尿に適す
1588 る最寄りの場所まで被疑者を連行することができ,
1589 その際,
1590 必要最小限度の有形力を行使する
1591 ことができる。
1592
1593
1594 ウ.身体検査令状に関する「裁判官は,
1595 身体の検査に関し,
1596 適当と認める条件を附することがで
1597 きる」旨の規定は,
1598 その規定する条件の付加が強制処分の範囲,
1599 程度を減縮させる方向に作用
1600 するので,
1601 身体検査令状以外の検証許可状にもその準用を肯定することができる。
1602
1603
1604 エ.捜査機関は,
1605 強盗殺人事件に関し,
1606 被疑者が犯人である疑いを持つ合理的理由が存在する場
1607 合,
1608 検証許可状がなくても,
1609 犯人の特定のための重要な判断に必要な証拠資料を入手する手段
1610 として,
1611 これに必要な限度において,
1612 公道上を歩いている被疑者の容貌等を撮影することがで
1613 きる。
1614
1615
1616 オ.捜査機関が,
1617 捜査目的で宅配業者が保管している宅配便荷物に荷送人や荷受人の承諾を得る
1618 ことなく,
1619 エックス線を照射して内容物の射影を観察するには,
1620 検証許可状を必要とする。
1621
1622
1623 1.0個
1624
1625 2.1個
1626
1627 3.2個
1628
1629 4.3個
1630
1631 - 13 -
1632
1633 5.4個
1634
1635 6.5個
1636
1637 〔第26問〕(配点:2)
1638 精神鑑定に関する次の1から5までの各記述のうち,
1639 正しいものはどれか。
1640
1641
1642 (解答欄は,
1643
1644 [49])
1645 1.検察官は,
1646 医師に被疑者の精神状態の鑑定を嘱託した場合,
1647 裁判官に被疑者の鑑定留置を請
1648 求しなければならない。
1649
1650
1651 2.検察官から被疑者の精神状態の鑑定を嘱託された医師は,
1652 鑑定留置状により留置された被疑
1653 者については,
1654 医療器具が整備された病院においてであれば,
1655 裁判官の許可がなくても,
1656 血液
1657 を採取した上で血液検査を実施するなどの必要な身体検査を強制的に実施することができる。
1658
1659
1660 3.裁判所は,
1661 裁判員裁判対象事件につき,
1662 公判前整理手続において被告人の精神状態の鑑定を
1663 行うことを決定した場合,
1664 当該鑑定の結果の報告がなされるまでに相当の期間を要すると認め
1665 るときは,
1666 公判前整理手続において鑑定の手続(鑑定の経過及び結果の報告を除く。
1667
1668 )を行う
1669 旨の決定をすることができる。
1670
1671
1672 4.裁判所は,
1673 精神鑑定のため鑑定留置中の被告人についても,
1674 適当と認めるときは,
1675 職権で保
1676 釈を許すことができる。
1677
1678
1679 5.裁判所は,
1680 被告人の精神状態の鑑定を命じた鑑定人が作成した「鑑定の経過及び結果を記載
1681 した書面」については,
1682 検察官が証拠とすることに同意しない場合でも,
1683 被告人が証拠とする
1684 ことに同意すれば,
1685 直ちに証拠とすることができる。
1686
1687
1688 〔第27問〕(配点:2)
1689 次のアからオまでの場合のうち,
1690 刑事訴訟法の規定上,
1691 被疑者の弁護人又は被告人の弁護人が立
1692 会いを求めることができるものの組合せは,
1693 後記1から5までのうちどれか。
1694
1695
1696 (解答欄は,
1697
1698 [50])
1699 ア.警察官が,
1700 裁判官により発せられた捜索許可状に基づき,
1701 被疑者方を捜索する場合
1702 イ.裁判官が,
1703 検察官からの勾留請求を受け,
1704 被疑者に対し,
1705 勾留質問をする場合
1706 ウ.裁判官が,
1707 勾留されている被疑者につき,
1708 公開の法廷において,
1709 勾留の理由を開示する場合
1710 エ.裁判官が,
1711 刑事訴訟法第226条に基づいて,
1712 検察官の請求により,
1713 犯罪の捜査に欠くこと
1714 のできない知識を有すると明らかに認められる者につき,
1715 第1回公判期日前に証人尋問を行う
1716 場合
1717 オ.裁判所が,
1718 起訴された被告事件の犯行現場を検証する場合
1719 1.ア
1720
1721
1722
1723 2.ア
1724
1725
1726
1727 3.イ
1728
1729
1730
1731 4.ウ
1732
1733 - 14 -
1734
1735
1736
1737 5.エ
1738
1739
1740
1741 〔第28問〕(配点:3)
1742 次のTないしVの【見解】は,
1743 公訴時効の根拠に関してのものである。
1744
1745 【見解】に関する後記ア
1746 からオまでの【記述】のうち,
1747 誤っているものの組合せは,
1748 後記1から5までのうちどれか。
1749
1750 (解
1751 答欄は,
1752 [51])
1753 【見
1754
1755 解】
1756
1757 T.時間の経過により犯罪行為の可罰性が消滅するので,
1758 訴追の対象としない。
1759
1760
1761 U.時間の経過により証拠が散逸し,
1762 公正な審理を行うことができなくなるので,
1763 訴追の対象と
1764 しない。
1765
1766
1767 V.時間の経過により長期間訴追されなかったという被告人の法的地位の安定を図る必要がある
1768 ので,
1769 訴追の対象としない。
1770
1771
1772 【記
1773
1774 述】
1775
1776 ア.Tの見解に対しては,
1777 刑の軽重により,
1778 公訴時効が異なることを説明できないとの批判があ
1779 る。
1780
1781
1782 イ.Tの見解に対しては,
1783 公訴時効完成後に公訴が提起された場合の判決が免訴という形式裁判
1784 であることを説明できないとの批判がある。
1785
1786
1787 ウ.Uの見解に対しては,
1788 犯人が国外にいる場合に公訴時効がその進行を停止することを説明で
1789 きないとの批判がある。
1790
1791
1792 エ.Uの見解に対しては,
1793 法改正により,
1794 公訴時効の期間が延長された場合,
1795 特別の定めを置か
1796 ない限り,
1797 既に行われた犯罪行為に対し,
1798 新法を適用することができないとの批判がある。
1799
1800
1801 オ.Vの見解に対しては,
1802 被告人の法的地位の安定は,
1803 正当な利益ないし権利といえるものでは
1804 なく,
1805 公訴時効制度があることによる反射的利益にすぎないとの批判がある。
1806
1807
1808 1.ア
1809
1810
1811
1812 2.ア
1813
1814
1815
1816 3.イ
1817
1818
1819
1820 4.イ
1821
1822
1823
1824 5.エ
1825
1826
1827
1828 〔第29問〕(配点:2)
1829 保釈に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1830 正しいものの組合せは,
1831 後記1から5までのう
1832 ちどれか。
1833
1834 (解答欄は,
1835 [52])
1836 ア.裁判所は,
1837 犯罪の性質や情状によっては,
1838 保証金額を定めずに保釈を許可することができる。
1839
1840
1841 イ.裁判員裁判対象事件は,
1842 刑事訴訟法第89条第1号の「死刑又は無期若しくは短期1年以上
1843 の懲役若しくは禁錮に当たる罪」に該当するから,
1844 保釈は認められない。
1845
1846
1847 ウ.保釈が許可されても,
1848 保証金(又はこれに代えることを許された有価証券,
1849 保証書)が納付
1850 されなければ,
1851 被告人は釈放されない。
1852
1853
1854 エ.裁判所は,
1855 保釈中に被告人が他の罪を犯した場合,
1856 保釈を取り消さなければならない。
1857
1858
1859 オ.勾留されている被告人やその弁護人のみならず,
1860 被告人の配偶者や直系の親族も,
1861 保釈の請
1862 求をすることができる。
1863
1864
1865 1.ア
1866
1867
1868
1869 2.ア
1870
1871
1872
1873 3.イ
1874
1875
1876
1877 4.ウ
1878
1879 - 15 -
1880
1881
1882
1883 5.エ
1884
1885
1886
1887 〔第30問〕(配点:3)
1888 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1889 正しいものの組合せは,
1890 後記
1891 1から5までのうちどれか。
1892
1893 (解答欄は,
1894 [53])
1895 【事
1896
1897 例】
1898 検察官は,
1899 Vを被害者とする傷害罪により甲を起訴したが,
1900 凶器を特定することができなかっ
1901
1902 たことから,
1903 起訴状には,
1904 「Vの足を刃物様の物で1回突き刺した」旨記載し,
1905 裁判所において
1906 は,
1907 合議体で審理及び裁判をする旨の決定がなされた。
1908
1909 検察官の起訴状朗読の後,
1910 弁護人は,
1911
1912 判長に対し,
1913 「刃物様の物」がいかなる凶器であるのか検察官に釈明を求めるように申し立てた
1914 が,
1915 @裁判長は,
1916 その必要がないと判断して釈明を求めなかった。
1917
1918 証拠調べ手続において,
1919 検察
1920 官は,
1921 目撃者の供述を録取した検察官調書の証拠調べを請求したが,
1922 弁護人が同意しなかったこ
1923 とから,
1924 目撃者の証人尋問を請求し,
1925 裁判所もこれを取り調べる旨の決定をした。
1926
1927 目撃者に対す
1928 る主尋問においては,
1929 A検察官の尋問に対して弁護人が異議を申し立てることがあった。
1930
1931 結局,
1932
1933 目撃者は,
1934 記憶が減退してしまったとして検察官調書の記載内容と実質的に異なった供述をした
1935 ので,
1936 検察官が,
1937 検察官調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号に基づき証拠調べ請求した。
1938
1939
1940 B弁護人は,
1941 検察官調書における供述を信用すべき特別の情況がない旨意見を述べたが,
1942 裁判所
1943 は,
1944 検察官調書を取り調べる旨の決定をした。
1945
1946
1947 【記
1948
1949 述】
1950
1951 ア.下線部@につき,
1952 裁判長が釈明を求めなかったことについての異議申立ては,
1953 法令の違反が
1954 あることを理由とする場合に限られる。
1955
1956
1957 イ.下線部Aにつき,
1958 検察官の尋問に対する異議申立ては,
1959 法令の違反があることを理由とする
1960 場合に限られる。
1961
1962
1963 ウ.下線部Aにつき,
1964 裁判長は,
1965 弁護人の異議申立てに対して判断するに当たり,
1966 他の裁判官と
1967 の合議を経る必要がない。
1968
1969
1970 エ.下線部Bにつき,
1971 弁護人は,
1972 検察官調書の証拠調べをする決定に不服がある場合には,
1973 直ち
1974 に抗告する必要がある。
1975
1976
1977 オ.下線部Bにつき,
1978 裁判所は,
1979 仮に検察官からの証拠調べ請求を却下する場合であっても,
1980
1981 護人の意見を聴く必要がある。
1982
1983
1984 1.ア
1985
1986
1987
1988 2.ア
1989
1990
1991
1992 3.イ
1993
1994
1995
1996 4.イ
1997
1998
1999
2000 5.ウ
2001
2002
2003
2004 〔第31問〕(配点:2)
2005 第一審の被告人質問に関する次のアからオまでの各記述のうち,
2006 正しいものの組合せは,
2007 後記1
2008 から5までのうちどれか。
2009
2010 (解答欄は,
2011 [54])
2012 ア.被告人質問については,
2013 証拠調べの最終の段階で行うこととされており,
2014 検察官の立証が終
2015 了する前に被告人質問を実施することは許されない。
2016
2017
2018 イ.被告人質問を実施するためには証拠調べの請求や決定を必要としない。
2019
2020
2021 ウ.被告人質問を開始するに当たっては,
2022 あらかじめ被告人に供述する意思の有無を確かめなけ
2023 れば違法な手続となる。
2024
2025
2026 エ.被告人質問においては,
2027 まず弁護人が質問し,
2028 次いで検察官が質問をするという順番によら
2029 なければならない。
2030
2031
2032 オ.当事者の質問終了後,
2033 裁判長が被告人に対し質問をしなかったとしても,
2034 訴訟手続の法令違
2035 反の問題は生じない。
2036
2037
2038 1.ア
2039
2040
2041
2042 2.ア
2043
2044
2045
2046 3.イ
2047
2048
2049
2050 4.イ
2051
2052 - 16 -
2053
2054
2055
2056 5.エ
2057
2058
2059
2060 〔第32問〕(配点:3)
2061 次のT,
2062 Uの【見解】は,
2063 犯行を否認する甲を有罪とするに当たり,
2064 甲と共に犯行を行った旨自
2065 白する乙の供述につき,
2066 補強証拠を要するか否かに関するものである。
2067
2068 【見解】に関する後記アか
2069 らオまでの【記述】のうち,
2070 誤っているものの組合せは,
2071 後記1から5までのうちどれか。
2072
2073 (解答
2074 欄は,
2075 [55])
2076 【見
2077
2078 解】
2079
2080 T.甲を有罪とするには,
2081 乙の供述につき補強証拠を要する。
2082
2083
2084 U.甲を有罪とするには,
2085 乙の供述につき補強証拠を要しない。
2086
2087
2088 【記
2089
2090 述】
2091
2092 ア.Uの見解に対しては,
2093 他に補強証拠がない限り,
2094 否認した甲は有罪,
2095 自白した乙は無罪にな
2096 り,
2097 事実を合一的に確定できないという批判がある。
2098
2099
2100 イ.自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法第319条第2項の規定の趣旨からす
2101 れば,
2102 本人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると,
2103 Tの見解に結び付く。
2104
2105
2106 ウ.本人の自白は,
2107 証明力が過大に評価される点に危険があるが,
2108 共犯者の自白は,
2109 被告人の引
2110 き込みや責任転嫁をする点に危険があり,
2111 その危険は異なると考えると,
2112 Tの見解に結び付く。
2113
2114
2115 エ.刑事訴訟法第319条第2項の規定は,
2116 自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきで
2117 あると考えると,
2118 Uの見解に結び付く。
2119
2120
2121 オ.共犯者である乙の自白は,
2122 甲の公判においては,
2123 反対尋問による吟味を経ることになるため
2124 証明力が高いと考えると,
2125 Tの見解に結び付く。
2126
2127
2128 1.ア
2129
2130
2131
2132 2.ア
2133
2134
2135
2136 3.イ
2137
2138
2139
2140 4.ウ
2141
2142 - 17 -
2143
2144
2145
2146 5.エ
2147
2148
2149
2150 〔第33問〕(配点:3)
2151 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
2152 正しい場合には1を,
2153 誤って
2154 いる場合には2を選びなさい。
2155
2156 (解答欄は,
2157 アからオの順に[56]から[60])
2158 【事
2159
2160 例】
2161 甲及び乙は,
2162 共謀の上,
2163 平成24年12月5日午前1時頃,
2164 H市内のコンビニエンスストア「T」
2165
2166 において,
2167 同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され,
2168 併合審理さ
2169 れることとなった。
2170
2171 この審理において,
2172 V,
2173 甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたと
2174 ころ,
2175 Vは,
2176 「2人組の犯人が店から出て行く際,
2177 犯人の1人がもう1人の犯人に対し,
2178 『@甲,
2179
2180 早く逃げるぞ。
2181
2182 』と言っていた。
2183
2184 」旨を証言した。
2185
2186 次に,
2187 Aは,
2188 「平成24年12月8日午後3時
2189 頃,
2190 自宅において,
2191 甲から『A3日前の午前1時頃,
2192 乙と一緒に,
2193 H市内のコンビニエンススト
2194 ア「T」で,
2195 果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。
2196
2197 見付からないと思って
2198 いたが,
2199 乙が捕まった。
2200
2201 ひょっとしたら,
2202 乙が自分のことを話すかもしれない。
2203
2204 そうなると,
2205
2206 察が来るだろう。
2207
2208 頼む。
2209
2210 B3日前の午前1時頃には,
2211 俺が自宅で寝ていたということにして欲し
2212 い。
2213
2214 』と言われた。
2215
2216 」旨を証言した。
2217
2218 次に,
2219 Bは,
2220 「平成24年12月4日,
2221 甲から,
2222 『C明日の午
2223 前1時頃,
2224 H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。
2225
2226 』と言われたが,
2227 断った。
2228
2229 」旨を証
2230 言した。
2231
2232 また,
2233 乙に対する被告人質問において,
2234 乙は,
2235 「甲と一緒に強盗をした際,
2236 甲が店員に
2237 『D金を出せ。
2238
2239 出さないと殺すぞ。
2240
2241 』と言っていた。
2242
2243 」旨を供述した。
2244
2245
2246 【記
2247
2248 述】
2249
2250 ア.下線部@の発言は,
2251 要証事実を「犯行後,
2252 犯人の1人が逃走を呼び掛けた相手が甲と呼ばれ
2253 ていたこと」とした場合,
2254 伝聞証拠ではない。
2255
2256 [56]
2257 イ.下線部Aの発言は,
2258 要証事実を「甲が乙と一緒に強盗を実行したこと」とした場合,
2259 伝聞証
2260 拠ではない。
2261
2262 [57]
2263 ウ.下線部Bの発言は,
2264 要証事実を「甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したこと」
2265 とした場合,
2266 伝聞証拠ではない。
2267
2268 [58]
2269 エ.下線部Cの発言は,
2270 要証事実を「甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたこと」とした場
2271 合,
2272 伝聞証拠ではない。
2273
2274 [59]
2275 オ.下線部Dの発言は,
2276 要証事実を「甲がVを脅迫したこと」とした場合,
2277 伝聞証拠ではない。
2278
2279
2280 [60]
2281
2282 - 18 -
2283
2284 〔第34問〕(配点:3)
2285 次の【見解】は,
2286 実体的には常習特殊窃盗罪を構成する窃盗行為が刑法第235条の窃盗罪(以
2287 下「単純窃盗罪」という。
2288
2289 )として起訴され(以下「前訴」という。
2290
2291 ),
2292 判決が確定した後,
2293 その判
2294 決の宣告前に犯されていた余罪の窃盗行為(実体的には確定判決を経由した窃盗行為と共に一つの
2295 常習特殊窃盗罪を構成するもの)が,
2296 前同様に単純窃盗罪として起訴された場合(以下「後訴」と
2297 いう。
2298
2299 )に,
2300 前訴の確定判決の一事不再理効が後訴に及ぶかという点に関するものである。
2301
2302 後記1
2303 から5までの【記述】のうち,
2304 【見解】と同じ立場から論じているものはどれか。
2305
2306 (解答欄は,
2307
2308 61])
2309 【見
2310
2311 解】
2312 訴因制度を採用した現行刑事訴訟法の下においては,
2313 少なくとも第一次的には訴因が審判の対
2314
2315 象であると解されること,
2316 犯罪の証明なしとする無罪の確定判決も一事不再理効を有することに
2317 加え,
2318 常習特殊窃盗罪の性質や一罪を構成する行為の一部起訴も適法になし得ることなどに鑑み
2319 ると,
2320 前訴の訴因と後訴の訴因との間の公訴事実の単一性についての判断は,
2321 基本的には,
2322 前訴
2323 及び後訴の各訴因のみを基準としてこれらを比較対照することにより行うのが相当である。
2324
2325 本件
2326 においては,
2327 前訴及び後訴の訴因が共に単純窃盗罪であって,
2328 両訴因を通じて常習性の発露とい
2329 う面は全く訴因として訴訟手続に上程されておらず,
2330 両訴因の相互関係を検討するに当たり,
2331
2332 習性の発露という要素を考慮すべき契機は存在しないのであるから,
2333 ここに常習特殊窃盗罪によ
2334 る一罪という観点を持ち込むことは,
2335 相当でないというべきである。
2336
2337
2338 【記
2339
2340 述】
2341
2342 1.単純窃盗として起訴された以上,
2343 訴因を動かす権限のない裁判所としては,
2344 訴因の範囲にお
2345 いて審判すべきである。
2346
2347
2348 2.裁判所は訴因を超えて事実を認定し有罪判決をすることは許されないが,
2349 免訴や公訴棄却と
2350 いった形式裁判をする場合に関する限り訴因に拘束されることはないと解すべきである。
2351
2352
2353 3.両訴因間における公訴事実の単一性の有無を判断するに当たり,
2354 いずれの訴因の記載内容に
2355 もなっていないところの犯行の常習性という要素について証拠により心証形成をし,
2356 両者は常
2357 習特殊窃盗として包括的一罪を構成するから公訴事実の単一性を肯定できる場合には,
2358 前訴の
2359 確定判決の一事不再理効が後訴にも及ぶとすべきである。
2360
2361
2362 4.実体に合わせて訴因が変更されれば免訴となるが,
2363 そうでなければ有罪判決になるというこ
2364 とになり,
2365 検察官の選択によって両極端の結果を生じさせるのは,
2366 不合理である。
2367
2368
2369 5.訴因は有罪を求めて検察官により提示された審判の対象であり,
2370 訴因を超えて有罪判決をす
2371 ることは,
2372 被告人の防御権を侵害するから許されないが,
2373 これに対し,
2374 確定判決の有無という
2375 訴訟条件の存否は職権調査事項である上,
2376 その結果免訴判決がなされても,
2377 被告人の防御権を
2378 侵害するおそれは全くないから,
2379 訴因に拘束力を認める理由も必要性も存しない。
2380
2381
2382 (参照条文)盗犯等の防止及び処分に関する法律
2383 第2条
2384
2385 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第235条,
2386 第236条,
2387 第238条若ハ第239
2388
2389 条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ窃盗ヲ以テ論ズベキトキハ3年以上,
2390 強盗ヲ以テ論ズ
2391 ベキトキハ7年以上ノ有期懲役ニ処ス
2392
2393
2394 凶器ヲ携帯シテ犯シタルトキ
2395
2396
2397
2398 二人以上現場ニ於テ共同シテ犯シタルトキ
2399
2400
2401
2402 門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,
2403 建造物若ハ艦船ニ
2404 侵入シテ犯シタルトキ
2405
2406
2407
2408 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅,
2409 建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ
2410
2411 - 19 -
2412
2413 〔第35問〕(配点:3)
2414 次の【記述】は,
2415 前科証拠の証拠能力に関する最高裁判所の判例を要約したものである。
2416
2417
2418 【記述】
2419 中の@からBまでの(
2420
2421 )内から適切な語句を選んだ場合,
2422 その組合せとして正しいものは,
2423 後記
2424
2425 1から5までのうちどれか。
2426
2427 (解答欄は,
2428 [62])
2429 【記
2430
2431 述】
2432
2433 前科も一つの事実であり,
2434 前科証拠は,
2435 一般的には犯罪事実について,
2436 様々な面で証拠としての
2437 価値(@(a.法律的関連性
2438
2439 b.自然的関連性))を有している。
2440
2441 反面,
2442 前科,
2443 特に同種前科に
2444
2445 ついては,
2446 被告人の犯罪性向といった実証的根拠の乏しい人格評価につながりやすく,
2447 そのために
2448 事実認定を誤らせるおそれがあり,
2449 また,
2450 これを回避し,
2451 同種前科の証明力を合理的な推論の範囲
2452 に限定するため,
2453 当事者が前科の内容に立ち入った攻撃防御を行う必要が生ずるなど,
2454 その取調べ
2455 に付随してA(a.争点が拡散する
2456
2457 b.不当な不意打ちになる)おそれもある。
2458
2459 したがって,
2460
2461
2462 科証拠は,
2463 単に証拠としての価値があるかどうか,
2464 言い換えれば,
2465 (@)があるかどうかのみによ
2466 って証拠能力の有無が決せられるものではなく,
2467 前科証拠によって証明しようとする事実について,
2468
2469 実証的根拠の乏しい人格評価によって誤った事実認定に至るおそれがないと認められるときに初め
2470 て証拠とすることが許されると解するべきである。
2471
2472 本件のように,
2473 前科証拠を被告人と犯人の同一
2474 性の証明に用いる場合についていうならば,
2475 前科に係る犯罪事実がB(a.顕著な特徴
2476
2477 b.相当
2478
2479 の重大性)を有し,
2480 かつ,
2481 それが起訴に係る犯罪事実と相当程度類似することから,
2482 それ自体で両
2483 者の犯人が同一であることを合理的に推認させるようなものであって,
2484 初めて証拠として採用でき
2485 るものというべきである。
2486
2487
2488 1.@a
2489
2490 Aa
2491
2492 Ba
2493
2494 2.@a
2495
2496 Ab
2497
2498 Ba
2499
2500 3.@a
2501
2502 Ab
2503
2504 Bb
2505
2506 4.@b
2507
2508 Aa
2509
2510 Ba
2511
2512 5.@b
2513
2514 Aa
2515
2516 Bb
2517
2518 〔第36問〕(配点:3)
2519 量刑において起訴されていない犯罪事実,
2520 すなわち余罪をどう扱うべきかに関し,
2521 「量刑は,
2522
2523 告人の性格,
2524 経歴及び犯罪の動機,
2525 目的,
2526 方法等全ての事情を考慮して,
2527 裁判所が処断刑の範囲内
2528 において,
2529 適当に決定すべきものであるから,
2530 その量刑のための一情状として,
2531 いわゆる余罪をも
2532 考慮することは,
2533 必ずしも禁じられるところではない。
2534
2535 」との見解がある。
2536
2537 次のアからオまでの各
2538 記述のうち,
2539 この見解に対する批判になり得ないものの組合せは,
2540 後記1から5までのうちどれか。
2541
2542
2543 (解答欄は,
2544 [63])
2545 ア.起訴された犯罪事実のほかに,
2546 起訴されていない犯罪事実を余罪として認定し,
2547 実質上これ
2548 を処罰する趣旨で量刑資料として考慮し,
2549 被告人を重く処罰することとの区別が実際には困難
2550 な場合がある。
2551
2552
2553 イ.余罪が考慮できないと,
2554 犯罪に至らない不当な行状などが情状事実に含まれることと均衡を
2555 失する。
2556
2557
2558 ウ.余罪は被告人が犯した別の犯罪事実であるから,
2559 情状事実である犯罪傾向の有力な間接事実
2560 となる。
2561
2562
2563 エ.刑事裁判手続において犯罪事実の認定手続と量刑手続とは区分されていないため,
2564 量刑資料
2565 である余罪が犯罪事実の認定に不当な影響を及ぼすおそれがある。
2566
2567
2568 オ.余罪も犯罪事実であるため,
2569 その認定に当たっては,
2570 起訴された犯罪事実に準じた手続保障
2571 を求めるべきであるが,
2572 量刑のための一情状だとすると厳格な証明を要しないことになる。
2573
2574
2575 1.ア
2576
2577
2578
2579 2.ア
2580
2581
2582
2583 3.イ
2584
2585
2586
2587 4.イ
2588
2589 - 20 -
2590
2591
2592
2593 5.エ
2594
2595
2596
2597 〔第37問〕(配点:2)
2598 公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,
2599 正しいものの組合せは,
2600 後記1から
2601 5までのうちどれか。
2602
2603 (解答欄は,
2604 [64])
2605 ア.裁判所は,
2606 被告人に弁護人がなければ公判前整理手続を行うことができない。
2607
2608
2609 イ.裁判所は,
2610 訴因の変更を許すことができない。
2611
2612
2613 ウ.裁判所は,
2614 証拠調べをする決定をすることができる。
2615
2616
2617 エ.検察官は,
2618 証明予定事実を記載した書面について,
2619 裁判所への提出を免除される場合がある。
2620
2621
2622 オ.被告人又は弁護人は,
2623 取調べを請求した証拠について,
2624 検察官に対し,
2625 開示する必要がない。
2626
2627
2628 1.ア
2629
2630
2631
2632 2.ア
2633
2634
2635
2636 3.イ
2637
2638
2639
2640 4.ウ
2641
2642
2643
2644 5.エ
2645
2646
2647
2648 〔第38問〕(配点:3)
2649 被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合における
2650 その配偶者,
2651 直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。
2652
2653 以下同じ。
2654
2655 )による意見陳述に関する次のアか
2656 らオまでの各記述のうち,
2657 誤っているものの組合せは,
2658 後記1から5までのうちどれか。
2659
2660 (解答欄
2661 は,
2662 [65])
2663 ア.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項に
2664 よる意見の陳述のいずれの場合であっても,
2665 その申出は,
2666 あらかじめ検察官にしなければなら
2667 ない。
2668
2669
2670 イ.裁判所は,
2671 審理の状況その他の事情を考慮して,
2672 相当でないと認めるときは,
2673 刑事訴訟法第
2674 292条の2第1項による意見の陳述の場合には,
2675 意見の陳述に代え意見を記載した書面を提
2676 出させることができるが,
2677 刑事訴訟法第316条の38第1項による意見の陳述の場合には,
2678
2679 意見の陳述に代え意見を記載した書面を提出させることはできない。
2680
2681
2682 ウ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項に
2683 よる意見の陳述のいずれの場合であっても,
2684 その陳述は,
2685 犯罪事実の認定のための証拠とはな
2686 らない。
2687
2688
2689 エ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述と刑事訴訟法第316条の38第1項に
2690 よる意見の陳述のいずれの場合であっても,
2691 その陳述は,
2692 量刑資料にはなり得る。
2693
2694
2695 オ.刑事訴訟法第292条の2第1項による意見の陳述では,
2696 法律の適用についての意見を述べ
2697 ることはできないから,
2698 被害者等は,
2699 被告人が受けるべき刑罰について,
2700 「法律上,
2701 なし得る
2702 限りの最も重い刑罰に処してください。
2703
2704 」と述べてはならない。
2705
2706
2707 1.ア
2708
2709
2710
2711 2.ア
2712
2713
2714
2715 3.イ
2716
2717
2718
2719 4.イ
2720
2721
2722
2723 5.エ
2724
2725
2726
2727 (参照条文)刑事訴訟法
2728 第292条の2第1項
2729
2730 裁判所は,
2731 被害者等又は当該被害者の法定代理人から,
2732 被害に関する心情
2733
2734 その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは,
2735 公判期日において,
2736 その意見を陳述
2737 させるものとする。
2738
2739
2740 第316条の38第1項
2741
2742 裁判所は,
2743 被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から,
2744 事実又は法
2745
2746 律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において,
2747 審理の状況,
2748 申出をした者の
2749 数その他の事情を考慮し,
2750 相当と認めるときは,
2751 公判期日において,
2752 第293条第1項の規定に
2753 よる検察官の意見の陳述の後に,
2754 訴因として特定された事実の範囲内で,
2755 申出をした者がその意
2756 見を陳述することを許すものとする。
2757
2758
2759
2760 - 21 -
2761
2762 〔第39問〕(配点:2)
2763 控訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,
2764 正しいものの組合せは,
2765 後記1から5までのう
2766 ちどれか。
2767
2768 ただし,
2769 判例がある場合には,
2770 それに照らして考えるものとする。
2771
2772
2773 (解答欄は,
2774
2775 [66])
2776 ア.控訴裁判所は,
2777 事後審なので,
2778 原判決の言渡し後に生じた刑の量定に影響を及ぼすべき情状
2779 について取り調べることはできない。
2780
2781
2782 イ.簡易裁判所がした刑事第一審の判決に対する控訴については,
2783 地方裁判所ではなく,
2784 高等裁
2785 判所が裁判権を有する。
2786
2787
2788 ウ.控訴裁判所は,
2789 被告人のみが控訴をした事件について,
2790 原判決の認定した事実に誤認がある
2791 と認める場合には,
2792 それより被告人に不利益な事実を認定することができる場合もある。
2793
2794
2795 エ.控訴審では,
2796 第一審の公判手続に関する規定が準用されるので,
2797 被告人は,
2798 公判期日におい
2799 て,
2800 控訴趣意書に基づき自ら弁論をすることができる。
2801
2802
2803 オ.第一審における弁護人は,
2804 判決の宣告により弁護人の選任の効力が失われるので,
2805 被告人の
2806 ため控訴をすることができず,
2807 控訴をするには改めて弁護人として選任される必要がある。
2808
2809
2810 1.ア
2811
2812
2813
2814 2.ア
2815
2816
2817
2818 3.イ
2819
2820
2821
2822 4.ウ
2823
2824
2825
2826 5.エ
2827
2828
2829
2830 〔第40問〕(配点:2)
2831 略式手続に関する次の1から5までの各記述のうち,
2832 誤っているものはどれか。
2833
2834 (解答欄は,
2835
2836 67])
2837 1.略式命令を受けた者又は検察官は,
2838 その告知を受けた日から14日以内に正式裁判の請求を
2839 することができる。
2840
2841
2842 2.検察官は,
2843 略式命令の請求に際し,
2844 被疑者に対し,
2845 あらかじめ,
2846 略式手続を理解させるため
2847 に必要な事項を説明し,
2848 通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上,
2849 略式手続
2850 によることについて異議がないかどうかを確かめなければならない。
2851
2852
2853 3.被疑者は,
2854 略式手続によることについて異議がないときは,
2855 書面でその旨を明らかにしなけ
2856 ればならない。
2857
2858
2859 4.地方裁判所は,
2860 検察官の請求により,
2861 その管轄に属する事件について,
2862 公判前,
2863 略式命令で,
2864
2865 100万円以下の罰金又は科料を科することができる。
2866
2867
2868 5.略式命令の告知があったときは,
2869 勾留状は,
2870 その効力を失う。
2871
2872
2873
2874 - 22 -
2875
2876