1 短答式試験問題集
2 [憲法・行政法]
3
4 - 1 -
5
6 [憲法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」の意義について判断した最高裁判所の二つ
9 の判決(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決,刑集66巻12号1337頁及び同
10 1722頁)に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものに
11 は×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[bP])
12 ア.「政治的行為」とは,公務員の政治的な行為一般ではなく,公務員の職務の遂行の政治的中
13 立性を損なうおそれが,観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして実質的に
14 認められるものを指す。
15 イ.管理職的地位にある公務員が政党機関紙の配布といった殊更に一定の政治的傾向を顕著に示
16 す行動に出た場合には,その指揮命令や指導監督を通じてその部下等の職務の遂行や組織の運
17 営にもその傾向に沿った影響を及ぼすことになりかねず,「政治的行為」に該当する。
18 ウ.公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが認められるか否かは,諸般の事情を総
19 合して判断する必要があるが,公務員の政治的な行為が勤務外で行われた場合には,そのおそ
20 れは存在しないと考えられる。
21 1.ア○
22
23 イ○
24
25 ウ○
26
27 2.ア○
28
29 イ○
30
31 ウ×
32
33 3.ア○
34
35 イ×
36
37 ウ○
38
39 4.ア○
40
41 イ×
42
43 ウ×
44
45 5.ア×
46
47 イ○
48
49 ウ○
50
51 6.ア×
52
53 イ○
54
55 ウ×
56
57 7.ア×
58
59 イ×
60
61 ウ○
62
63 8.ア×
64
65 イ×
66
67 ウ×
68
69 〔第2問〕(配点:3)
70 法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
71 それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
72 (解答欄は,アからウの順に[
73 2]から[bS])
74 ア.憲法第14条第1項の「社会的身分」とは,人が社会において占める継続的な地位をいうか
75 ら,高齢であることはこれに当たらないので,町長が町職員の余剰を整理する際,高齢のみを
76 基準として対象者を選択しても,平等原則には反しない。[bQ]
77 イ.併給調整条項の適用により,障害福祉年金を受けることのできる者とそうでない者との間に
78 児童扶養手当の受給に関して差別が生じても,両給付が基本的に同一の性格を有し,併給調整
79 に立法裁量があることなどに照らすと,合理的理由のない不当なものとはいえない。[bR]
80 ウ.租税法の定立は立法府の政策的,技術的判断に委ねるほかないから,この分野における取扱
81 いの区別は,立法目的が正当であり,かつ,区別の態様が立法目的との関連で著しく不合理で
82 あることが明らかでない限り,憲法第14条第1項に違反するとはいえない。[bS]
83 〔第3問〕(配点:2)
84 政教分離原則に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
85 正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選
86 びなさい。(解答欄は,[bT])
87 ア.市有地が神社の敷地となっており,政教分離原則に違反するおそれがあったことから,その
88 状態を解消するために,良好な地域社会の維持及び形成に資することを目的とした地域的活動
89 を行う町内会組織に当該土地を無償譲渡することは,憲法第89条に違反しない。
90 イ.地方公共団体が,神社が挙行した恒例の宗教上の祭祀に際して公金を支出しても,相当数の
91 者が社会的儀礼として行われることを望んでいれば,特定の宗教団体とのかかわり合いが相当
92 とされる程度を超えることにはならない。
93 ウ.国家の非宗教性を定めた政教分離原則は厳格に貫かれるべきであって,仮にそのことによっ
94 - 2 -
95
96 て社会生活の各方面に不都合な事態が生じるとしても,信教の自由の保障を一層確実なものに
97 するためにはやむを得ない。
98 1.ア○
99
100 イ○
101
102 ウ○
103
104 2.ア○
105
106 イ○
107
108 ウ×
109
110 3.ア○
111
112 イ×
113
114 ウ○
115
116 4.ア○
117
118 イ×
119
120 ウ×
121
122 5.ア×
123
124 イ○
125
126 ウ○
127
128 6.ア×
129
130 イ○
131
132 ウ×
133
134 7.ア×
135
136 イ×
137
138 ウ○
139
140 8.ア×
141
142 イ×
143
144 ウ×
145
146 〔第4問〕(配点:3)
147 憲法第25条に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っ
148 ている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[bU]から[bW])
149 ア.憲法第25条第1項で定める救貧施策においては国民の最低限度の生活を保障しなければな
150 らないが,同条第2項で定める防貧施策においては広い立法裁量が認められると解する立場に
151 よっても,救貧施策は生活保護法による公的扶助に限定されないと解することはできる。[bU]
152 イ.憲法第25条第1項は,将来に向けた政策の指針を定めたもので,国民の権利を保障するも
153 のではないと解するプログラム規定説によっても,裁判所が同項に基づいて個々の法律につい
154 て国民の生存権を侵害するか否かを判断できる。[bV]
155 ウ.いわゆる朝日訴訟においては,生活保護法に基づく生活扶助を廃止するとともに医療扶助を
156 変更する旨の保護変更決定について,これを認容した厚生大臣の裁決自体の裁量権の逸脱・濫
157 用が争われたのではなく,生活保護法自体が憲法第25条第1項に違反するとして争われた。
158 [bW]
159 〔第5問〕(配点:3)
160 財産権の保障に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っ
161 ている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[bX]から[11])
162 ア.憲法第29条第1項は財産権の不可侵性を規定しているが,同項が保障するのは,私有財産
163 制ではなく,個人が現に有する財産を侵害されないということである。[bX]
164 イ.憲法第29条第2項は財産権の内容は法律で定めるとするが,入会権のような慣習に基づく
165 伝統的な権利も憲法上の財産権に含まれる。[10]
166 ウ.憲法第29条第3項は私有財産を正当な補償の下に公共のために用いることができるとする
167 が,こうした規定は歴史的には福祉国家理念を背景にして制定されるに至った。[11]
168 〔第6問〕(配点:2)
169 国家賠償及び損失補償に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤って
170 いるものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[
171 12])
172 ア.憲法第17条が定める「公務員の不法行為」には,権力作用によるものばかりでなく,非権
173 力作用によるものも含まれる。
174 イ.国や公共団体が行う純粋な私的経済取引に基づく私法関係については,民法等の私法の規律
175 に従って賠償責任の有無が判断される。
176 ウ.憲法第29条第3項に基づく損失補償は,国の正当な行為について行われるもので,物的財
177 産だけでなく,身体に対してもなされるというのが最高裁判所の立場である。
178 1.ア○
179
180 イ○
181
182 ウ○
183
184 2.ア○
185
186 イ○
187
188 ウ×
189
190 3.ア○
191
192 イ×
193
194 ウ○
195
196 4.ア○
197
198 イ×
199
200 ウ×
201
202 5.ア×
203
204 イ○
205
206 ウ○
207
208 6.ア×
209
210 イ○
211
212 ウ×
213
214 7.ア×
215
216 イ×
217
218 ウ○
219
220 8.ア×
221
222 イ×
223
224 ウ×
225
226 - 3 -
227
228 〔第7問〕(配点:3)
229 人権の国際的保障に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,
230 誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[13]から[15])
231 ア.第二次世界大戦以前には人権を国際的に保障する制度は構築されておらず,第一次世界大戦
232 後に国際連盟が結成されたが,人権問題は専ら国内問題とされていた。[13]
233 イ.第二次世界大戦後,国際連合において採択された世界人権宣言は,国際社会における人権に
234 関する規律の中で最も基本的な「宣言」であるので,法規範性を有している。[14]
235 ウ.第二次世界大戦後,国際連合において採択された国際人権規約は,世界人権宣言の内容を基
236 礎として,これを条約化したものであり,法規範性を有している。[15]
237 〔第8問〕(配点:3)
238 政党名簿によって選出された議員が,後になって除名や離党あるいは党籍変更等により当該政党
239 に所属しなくなった場合に関する次のアからウまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1
240 を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[16]から[18])
241 ア.政党を基礎にその得票数に比例して議席配分を行う比例選挙が政党中心の選挙であることを
242 重視する立場では,当選人として議員の身分を取得した時の党籍を失った場合に議員資格を失
243 わせる制度を設けることは,憲法違反である。[16]
244 イ.政党中心の選挙である比例選挙で選ばれた議員であっても,憲法第43条第1項にいう全国
245 民の代表であると解する立場では,党の方針に従わない議員がその党を除名された場合に議員
246 資格を失わせる制度を設けることは,憲法違反である。[17]
247 ウ.比例選挙が政党中心の選挙であることと憲法第43条第1項の全国民の代表という文言を共
248 に重視する立場では,党の方針に従わない議員を除名しても議員資格を失わせない制度を設け
249 ることは,憲法違反である。[18]
250 〔第9問〕(配点:2)
251 内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤って
252 いるものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[
253 19])
254 ア.憲法第65条第1項は,「行政権は,内閣に属する」と規定している。行政権とは全ての国
255 家作用のうちから立法作用と司法作用を除いた残りの作用であるとすると,立法作用と司法作
256 用以外の全ての国家作用について内閣が自ら行うことが必要となる。
257 イ.内閣は,行政権の行使につき,国会に対し連帯して責任を負う。これは,特定の国務大臣が
258 その所管事項に関して単独の責任を負うことを否定するものではなく,個別の国務大臣に対す
259 る衆議院及び参議院の問責決議も認められるが,それらには法的効力はない。
260 ウ.内閣総理大臣は,内閣という合議体において,単なる同輩中の首席ではなく,首長の立場に
261 あり,その他の国務大臣の任免権を専権として有する。したがって,文民統制の観点から内閣
262 総理大臣は文民でなければならないとしても,その他の国務大臣が文民である必要はない。
263 1.ア○
264
265 イ○
266
267 ウ○
268
269 2.ア○
270
271 イ○
272
273 ウ×
274
275 3.ア○
276
277 イ×
278
279 ウ○
280
281 4.ア○
282
283 イ×
284
285 ウ×
286
287 5.ア×
288
289 イ○
290
291 ウ○
292
293 6.ア×
294
295 イ○
296
297 ウ×
298
299 7.ア×
300
301 イ×
302
303 ウ○
304
305 8.ア×
306
307 イ×
308
309 ウ×
310
311 - 4 -
312
313 〔第10問〕(配点:2)
314 憲法第82条第1項の裁判の公開に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには
315 ○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解
316 答欄は,[20])
317 ア.憲法第82条第1項の「公開」とは,訴訟関係人に審理に立ち会う権利と機会を与えること
318 を意味する。
319 イ.裁判手続の核心的部分をなす「対審」とは,訴訟当事者が裁判官の面前で,口頭でそれぞれ
320 の主張を闘わせることを意味する。
321 ウ.憲法第82条第1項の公開原則が制度としての保障であるか,権利としての保障であるかに
322 ついて争いがあるが,判例もそれを権利としての保障と位置付けるようになった。
323 1.ア○
324
325 イ○
326
327 ウ○
328
329 2.ア○
330
331 イ○
332
333 ウ×
334
335 3.ア○
336
337 イ×
338
339 ウ○
340
341 4.ア○
342
343 イ×
344
345 ウ×
346
347 5.ア×
348
349 イ○
350
351 ウ○
352
353 6.ア×
354
355 イ○
356
357 ウ×
358
359 7.ア×
360
361 イ×
362
363 ウ○
364
365 8.ア×
366
367 イ×
368
369 ウ×
370
371 〔第11問〕(配点:2)
372 合憲限定解釈に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているもの
373 には×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[21])
374 ア.合憲限定解釈に対しては,立法者の意思を超えて法文の意味を書き換えてしまう可能性があ
375 り,立法権の簒奪につながりかねないという問題がある。
376 イ.合憲限定解釈に対しては,当該解釈が不明確であると,犯罪構成要件の保障的機能を失わ
377 せ,憲法第31条違反の疑いを生じさせるという問題がある。
378 ウ.判例は,集会の自由の規制が問題となった広島市暴走族追放条例について,条例の改正が立
379 法技術上困難でないから,あえて合憲限定解釈をする必要はないとした。
380 1.ア○
381
382 イ○
383
384 ウ○
385
386 2.ア○
387
388 イ○
389
390 ウ×
391
392 3.ア○
393
394 イ×
395
396 ウ○
397
398 4.ア○
399
400 イ×
401
402 ウ×
403
404 5.ア×
405
406 イ○
407
408 ウ○
409
410 6.ア×
411
412 イ○
413
414 ウ×
415
416 7.ア×
417
418 イ×
419
420 ウ○
421
422 8.ア×
423
424 イ×
425
426 ウ×
427
428 〔第12問〕(配点:3)
429 地方自治に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,そ
430 れぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[
431 22]から[24])
432 ア.憲法上の「地方公共団体」とは,沿革的に見ても,また現実の行政の上においても,相当程
433 度の自主立法権,自主行政権,自主財政権等,地方自治の基本的権能を付与された地域団体で
434 あれば足り,共同体意識を持っているという社会的基盤が存在する必要はない。[22]
435 イ.憲法上の条例制定権は当然には罰則制定権を含まず,刑罰権設定は本来国家事務であり,条
436 例中に罰則を設けるには法律の授権が必要であるが,条例は,行政府の命令と異なり,民主的
437 立法であり実質的に法律に準ずるもので,条例への罰則の委任は一般的・包括的委任で足りる。
438 [23]
439 ウ.地方公共団体は,地方自治の本旨に従い,その財産を管理し事務を処理し及び行政を執行す
440 る権能を有し,その遂行のためには,その財源を自ら調達する権能を有することが必要である
441 から,地方自治の不可欠の要素として,課税権の主体となることが憲法上予定されている。[
442 24]
443
444 - 5 -
445
446 [行政法]
447 〔第13問〕(配点:3)
448 行政活動に係る立法及び基準に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合
449 には1を,誤っている場合には2を選びなさい。
450 (解答欄は,アからエの順に[25]から[28])
451 ア.法律に定められた租税を行政機関が減免する措置をとるためには,法律の根拠が必要である。
452 [25]
453 イ.国は,国の補助金を交付するための根拠として,補助金等に係る予算の執行の適正化に関す
454 る法律を定めているのであり,地方公共団体は,同法に相当する条例を制定しない限り,補助
455 金を交付することができない。[26]
456 ウ.行政庁が,申請に対しどのような処分をするかについて法令の規定に従って判断するための
457 基準を定めるには,法律の委任が必要であり,行政手続法に委任規定が置かれている。
458 [27]
459 エ.下級行政機関は上級行政機関の発する通達に拘束されるから,行政機関が通達に反する処分
460 をした場合,当該処分は権限を逸脱して行われたものとして無効となる。[28]
461 〔第14問〕(配点:3)
462 土地収用法による土地収用は,国土交通大臣又は都道府県知事が起業者(土地収用を必要とする
463 事業を行う者)からの申請に対して行う事業認定と,それに続く都道府県の収用委員会による収用
464 裁決とを経て行われる。以上の土地収用に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正
465 しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。なお,以下でいう「事業認定の違法性」
466 は,事業認定の無効事由には当たらない違法事由を指すものとする。(解答欄は,アからエの順に
467 [29]から[32])
468 ア.起業者は,事業認定を申請し収用することが可能な土地についても,土地所有者と売買契約
469 を締結して取得することができる。[29]
470 イ.事業認定が都道府県知事により行われた場合に,収用裁決の取消訴訟において原告は事業認
471 定の違法性を主張できるという考え方を採るとしても,事業認定が国土交通大臣により行われ
472 た場合には,そのような違法性の主張を認めることはできない。[30]
473 ウ.収用裁決の取消訴訟において原告は都道府県知事による事業認定の違法性を主張できるとい
474 う考え方を採る場合には,都道府県知事による事業認定の処分性を認めることはできない。
475 [31]
476 エ.最高裁判所の判例によれば,収用委員会が収用裁決において行う損失補償の範囲及び額の決
477 定について,収用委員会に裁量権は認められない。[32]
478 〔第15問〕(配点:3)
479 不利益処分の理由の提示に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ最高裁判所の判
480 例の趣旨と矛盾しない場合には1を,矛盾する場合には2を選びなさい。なお,以下では,行政手
481 続法(以下「法」という。)第14条第1項本文により,処分庁が理由の提示を義務付けられてい
482 る事案であることを前提とする。(解答欄は,アからエの順に[33]から[36])
483 ア.処分基準(法第12条)が定められ,公にされていても,不利益処分の理由の提示として,
484 処分基準の適用関係まで摘示する必要がない場合がある。[33]
485 イ.処分基準が定められていない場合,不利益処分の理由の提示は,抽象的な記載で足り,処
486 分の名宛人において,いかなる事実関係に基づいて,いかなる法規を適用して当該処分が行
487 われたかを知ることができるものである必要はない。[34]
488 ウ.法第13条第1項第1号に基づく聴聞手続が行われ,不利益処分の名宛人が,聴聞の期日
489 におけるやり取りの状況から処分理由を事前に予測し得る場合であっても,不利益処分の理
490 - 6 -
491
492 由の提示における記載自体から,いかなる事実関係に基づいて,いかなる法規を適用して当
493 該処分が行われたかを知ることができないときは,当該処分理由の提示に瑕疵があることに
494 なる。[35]
495 エ.不利益処分の理由の提示の不備による瑕疵は,後日の不服申立てに対する裁決又は決定に
496 おいて当該処分の具体的根拠が明らかにされれば,そのことにより治癒される。[36]
497 〔第16問〕(配点:2)
498 行政裁量に関する次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,
499
500 正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から
501 選びなさい。(解答欄は,[37])
502 ア.公立学校の校長が行った学生に対する退学処分の適否を裁判所が審査するに当たっては,裁
503 判所が校長と同一の立場に立ってした判断と校長がした判断との間に食い違いがあれば,当該
504 処分は違法とされる。
505 イ.国家公務員に対する懲戒処分について規定する国家公務員法第82条第1項は,懲戒権者に
506 要件裁量を認める趣旨の規定であり,効果裁量を認める趣旨の規定ではない。
507 (参照条文)国家公務員法
508 第82条 職員が,次の各号のいずれかに該当する場合においては,これに対し懲戒処分と
509 して,免職,停職,減給又は戒告の処分をすることができる。
510 一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(中略)に違反し
511 た場合
512 二 職務上の義務に違反し,又は職務を怠つた場合
513 三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
514 2 (略)
515 ウ.都市施設に係る都市計画決定に当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考
516 慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であり,このような判断は,こ
517 れを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられている。したがって,裁判所は,行政庁が判断の
518 過程において考慮すべき事項を考慮せずに都市計画決定を行ったことを理由に挙げて,当該決
519 定を違法とすることはできない。
520 1.ア○
521
522 イ○
523
524 ウ○
525
526 2.ア○
527
528 イ○
529
530 ウ×
531
532 3.ア○
533
534 イ×
535
536 ウ○
537
538 4.ア○
539
540 イ×
541
542 ウ×
543
544 5.ア×
545
546 イ○
547
548 ウ○
549
550 6.ア×
551
552 イ○
553
554 ウ×
555
556 7.ア×
557
558 イ×
559
560 ウ○
561
562 8.ア×
563
564 イ×
565
566 ウ×
567
568 - 7 -
569
570 〔第17問〕(配点:2)
571 行政上の即時強制に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っている
572
573 ものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
574 (解答欄は,
575 [38])
576 ア.行政代執行法は,地方公共団体が条例に基づき即時強制を行うことを禁止する明文の規定を
577 置いている。
578 イ.行政庁が行政処分により私人に義務を課すことができる旨が法律に定められていても,即時
579 強制を行うことができる旨が法律に定められていなければ,行政庁が行政処分を経ずに当該義
580 務の内容を実現する即時強制を行うことは認められない。
581 ウ.行政上の即時強制は,義務を命ずる暇のない緊急事態において行われるものであるから,い
582 わゆる警察比例の原則の適用を受けない。
583 1.ア○ イ○ ウ○
584 2.ア○ イ○ ウ×
585 3.ア○ イ× ウ○
586 4.ア○ イ× ウ×
587 5.ア× イ○ ウ○
588 6.ア× イ○ ウ×
589 7.ア× イ× ウ○
590 8.ア× イ× ウ×
591 〔第18問〕(配点:3)
592 行政機関の保有する情報の公開に関する法律及びその適用に関する次のアからエまでの各記述に
593 ついて,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アから
594 エの順に[39]から[42])
595 ア.行政機関の長が行政文書の部分開示決定をする場合,開示請求者に対し決定の理由を示す必
596 要はない。[39]
597 イ.行政文書の開示請求が専ら営利目的のために行われた場合であっても,行政機関の長がその
598 ことを理由として開示を拒否することはできない。[40]
599 ウ.開示請求から請求に対する決定までの期間については,法律上,期限の定めはなく,行政機
600 関の長が標準的な期間を定めるよう努めるものとされている。[41]
601 エ.行政機関の長は,開示請求に係る行政文書を保有していない場合であっても,不開示決定を
602 しなければならず,当該決定は,取消訴訟の対象となる処分に当たる。[42]
603 〔第19問〕(配点:2)
604 処分性に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らし,正し
605
606 いものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選び
607 なさい。(解答欄は,[43])
608 ア.憲法上,外国人は,在留の権利ないし引き続き在留することを要求し得る権利を保障されて
609 いないため,出入国管理及び難民認定法に基づく在留期間の更新を法務大臣が拒否する行為に
610 は,処分性が認められない。
611 イ.都市計画法は開発行為による影響を受ける公共施設の管理者の同意を得ることを開発許可申
612 請の要件としているが,公共施設の管理者が同意を拒否する行為自体は,開発行為を禁止又は
613 制限する効果をもつものとはいえず,当該同意を拒否する行為には処分性は認められない。
614 ウ.食品衛生法に基づく飲食店の営業許可申請を行政庁が拒否する行為は,行為の前後における
615 申請者の法的地位を変動させるものではないから,当該行為には処分性は認められない。
616 1.ア○ イ○ ウ○
617 2.ア○ イ○ ウ×
618 3.ア○ イ× ウ○
619 4.ア○ イ× ウ×
620 5.ア× イ○ ウ○
621 6.ア× イ○ ウ×
622 7.ア× イ× ウ○
623 8.ア× イ× ウ×
624
625 - 8 -
626
627 〔第20問〕(配点:2)
628 行政事件訴訟法第3条第6項第1号のいわゆる非申請型義務付け訴訟と同項第2号のいわゆる申
629 請型義務付け訴訟に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているも
630
631 のに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
632 (解答欄は,
633 [44])
634 ア.いずれの訴訟も,それを提起するためには,少なくとも,処分がされないことにより重大な
635 損害を生ずるおそれがある必要がある。
636 イ.非申請型義務付け訴訟を提起しようとする者は,少なくとも,行政庁が処分をすべき旨を命
637 ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者である必要がある。
638 ウ.申請型義務付け訴訟を提起しようとする者は,少なくとも,法令に基づく申請又は不服申立
639 てをした者である必要がある。
640 1.ア○ イ○ ウ○
641 2.ア○ イ○ ウ×
642 3.ア○ イ× ウ○
643 4.ア○ イ× ウ×
644 5.ア× イ○ ウ○
645 6.ア× イ○ ウ×
646 7.ア× イ× ウ○
647 8.ア× イ× ウ×
648
649 - 9 -
650
651 〔第21問〕(配点:3)
652 次の【甲群】に掲げるアからエまでの訴訟は,それぞれ【乙群】に掲げる1から5までの訴訟形
653 態のいずれに当たるか,その番号を選びなさい(なお,甲群と乙群の各肢が一対一に対応するもの
654 ではないことがあるので留意すること。)。(解答欄は,アからエの順に[45]から[48])
655 【甲
656
657 群】
658
659 ア.衆議院小選挙区選出議員の選挙につき,ある選挙区の選挙人が,公職選挙法の議員定数に関
660 する定めが憲法第14条に違反することを主張して,公職選挙法第204条に基づき,当該選
661 挙区に関し選挙を無効とすることを求める訴訟[45]
662 (参照条文)公職選挙法
663 第204条
664
665 衆議院議員又は参議院議員の選挙において,その選挙の効力に関し異議がある
666
667 選挙人又は公職の候補者(中略)は,衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選
668 出)議員の選挙にあつては当該都道府県の選挙管理委員会を,衆議院(比例代表選出)議
669 員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては中央選挙管理会を被告とし,当該選
670 挙の日から30日以内に,高等裁判所に訴訟を提起することができる。
671 イ.国外に居住していて国内の市町村の区域に住所を有していない日本国民が,次回の衆議院議
672 員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙において,在外選挙人名簿に登録されていること
673 に基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴訟[46]
674 ウ.起業者が,収用委員会のした裁決のうち土地所有者に対する損失の補償の金額が高すぎると
675 主張して,土地収用法第133条第2項に基づき,自己の主張する金額との差額につき債務不
676 存在確認を求める訴訟[47]
677 (参照条文)土地収用法
678 第133条
679
680
681 (略)
682
683 収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは,裁決書の正本の送達を受けた日か
684 ら6月以内に提起しなければならない。
685
686
687
688 (略)
689
690 エ.公立高等学校の教職員が,所属校の校長の職務命令は違憲,違法であるが,当該職務命令に
691 従わないと処遇上の不利益を受ける危険があると主張して,行政処分以外の処遇上の不利益を
692 予防する目的で,当該職務命令に基づく義務の不存在確認を求める訴訟[48]
693 【乙
694
695 群】
696
697 1.行政事件訴訟法(以下「法」という。)第3条第1項の抗告訴訟
698 2.法第4条の当事者訴訟のうち,同条前段の「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分
699 又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」
700 3.法第4条の当事者訴訟のうち,同条後段の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の
701 公法上の法律関係に関する訴訟」
702 4.法第5条の民衆訴訟
703 5.法第6条の機関訴訟
704
705 - 10 -
706
707 〔第22問〕(配点:2)
708 地方自治法第242条の2第1項の規定に基づいて提起する住民訴訟に関する次のアからウまで
709 の各記述について,法律及び最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を
710 付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。なお,言及のない訴訟要件は満た
711 されているものとする。(解答欄は,[49])
712 ア.市の住民であるXは,市の所有地上に産業廃棄物の処理施設を設置,操業して違法に有害な
713 物質を排出している産業廃棄物処理業者を被告として,当該施設の操業の差止めを求める住民
714 訴訟を適法に提起することができる。
715 イ.市の住民であるXは,市が特定の市有地を権原なく占用する者に対し占用料相当額の請求を
716 怠ることの違法確認を求める住民訴訟を,市長を被告として適法に提起することができる。
717 ウ.市の住民であるXは,市が廃棄物運搬業者との間で締結した委託契約に基づく委託料の支出
718 が違法であることを理由に,支出行為をした当時の市長個人を被告として,市への損害賠償の
719 支払を求める住民訴訟を適法に提起することができる。
720 (参照条文)地方自治法
721 第242条の2
722
723 普通地方公共団体の住民は,前条第1項の規定による請求(注:住民監査
724
725 請求)をした場合において,同条第4項の規定による監査委員の監査の結果(中略)に不
726 服があるとき(中略)は,裁判所に対し,同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事
727 実につき,訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。
728
729
730 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
731
732
733
734 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
735
736
737
738 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
739
740
741
742 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の
743 請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。(以
744 下略)
745
746 2〜12
747
748 (略)
749
750 1.ア○
751
752 イ○
753
754 ウ○
755
756 2.ア○
757
758 イ○
759
760 ウ×
761
762 3.ア○
763
764 イ×
765
766 ウ○
767
768 4.ア○
769
770 イ×
771
772 ウ×
773
774 5.ア×
775
776 イ○
777
778 ウ○
779
780 6.ア×
781
782 イ○
783
784 ウ×
785
786 7.ア×
787
788 イ×
789
790 ウ○
791
792 8.ア×
793
794 イ×
795
796 ウ×
797
798 - 11 -
799
800 〔第23問〕(配点:3)
801 処分の効力の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)その他の仮の救済に関する次の
802 アからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさ
803 い。(解答欄は,アからエの順に[50]から[53])
804 ア.審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができない旨の法律
805 の定めがある処分については,審査請求に対する裁決を経ない段階において,処分の取消しの
806 訴えを提起し,併せて当該処分につき執行停止を求める申立てをしても,当該申立てが適法と
807 される余地はない。[50]
808 イ.処分の取消しの訴えについて出訴期間が経過している場合,当該処分につき無効確認の訴え
809 を提起した上で執行停止の申立てをすることが適法であるとしても,緊急の必要を欠くため,
810 執行停止の決定を得ることはできない。[51]
811 ウ.公権力の行使に関わらない公法上の法律関係に関する確認の訴えについて,執行停止に関す
812 る行政事件訴訟法の規定は準用されないから,同訴えと併せて執行停止の申立てをすることは
813 不適法である。[52]
814 エ.行政庁に対し一定の処分を求める申請を行い,当該行政庁がその処分をすべきであるのにこ
815 れがされない場合,当該処分につき仮の義務付けの申立てをするには,併せて不作為の違法確
816 認の訴えを提起するだけでは足りず,更に義務付けの訴えを提起する必要がある。[53]
817 〔第24問〕(配点:2)
818 国家賠償に関する次のA及びアからウまでのかぎ括弧内の各記述は,最高裁判所の判例の中の一
819 節を抜き出したものである。国家賠償請求の成否に係る判断について,Aの考え方と最も近い考え
820 方を採る判例を,後記1から3までの中から選びなさい。(解答欄は,[54])
821
822
823 「刑事事件において無罪の判決が確定したというだけで直ちに起訴前の逮捕・勾留,公訴の
824 提起・追行,起訴後の勾留が違法となるということはない。けだし,逮捕・勾留はその時点に
825 おいて犯罪の嫌疑について相当な理由があり,かつ,必要性が認められるかぎりは適法であり,
826 公訴の提起は,検察官が裁判所に対して犯罪の成否,刑罰権の存否につき審判を求める意思表
827 示にほかならないのであるから,起訴時あるいは公訴追行時における検察官の心証は,その性
828 質上,判決時における裁判官の心証と異なり,起訴時あるいは公訴追行時における各種の証拠
829 資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば足りるものと解す
830 るのが相当であるからである。」
831 ア.「逮捕状は発付されたが,被疑者が逃亡中のため,逮捕状の執行ができず,逮捕状の更新
832 が繰り返されているにすぎない時点で,被疑者の近親者が,被疑者のアリバイの存在を理由
833 に,逮捕状の請求,発付における捜査機関又は令状発付裁判官の被疑者が罪を犯したことを
834 疑うに足りる相当な理由があったとする判断の違法性を主張して,国家賠償を請求すること
835 は許されないものと解するのが相当である。けだし,右の時点において前記の各判断の違法
836 性の有無の審理を裁判所に求めることができるものとすれば,その目的及び性質に照らし密
837 行性が要求される捜査の遂行に重大な支障を来す結果となるのであつて,これは現行法制度
838 の予定するところではないといわなければならないからである。」
839 イ.「税務署長のする所得税の更正は,所得金額を過大に認定していたとしても,そのことか
840 ら直ちに国家賠償法一条一項にいう違法があったとの評価を受けるものではなく,税務署長
841 が資料を収集し,これに基づき課税要件事実を認定,判断する上において,職務上通常尽く
842 すべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得るような事情がある場合に限
843 り,右の評価を受けるものと解するのが相当である。」
844 - 12 -
845
846 ウ.「不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分は,債権者の主張,登記簿の記載その
847 他記録にあらわれた権利関係の外形に依拠して行われるものであり,その結果関係人間の実
848 体的権利関係との不適合が生じることがありうるが,これについては執行手続の性質上,強
849 制執行法に定める救済の手続により是正されることが予定されているものである。したがつ
850 て,執行裁判所みずからその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合は格別,そうで
851 ない場合には権利者が右の手続による救済を求めることを怠つたため損害が発生しても,そ
852 の賠償を国に対して請求することはできないものと解するのが相当である。」
853 1.ア
854
855 2.イ
856
857 3.ウ
858
859 - 13 -
860
861