1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 - 1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
9 誤っているものはどれか。
10
11 (解
12 答欄は,
13 [bP])
14 1.甲は,
15 Xを眠らせてXが左腕に着けていた高級腕時計を外して持ち去ろうと考え,
16 Xに多量
17 の睡眠薬を飲ませたが,
18 Xが眠らなかったため,
19 Xの腕時計に触れることすらできなかった。
20
21
22 甲には昏酔強盗未遂罪が成立する。
23
24
25 2.拘置所に勾留中の甲は,
26 逃走しようと考え,
27 収容されていた房の壁を削り取って穴を開けた
28 が,
29 その穴が脱出可能な程度の大きさになる前に発見されたため,
30 逃走行為に及ばなかった。
31
32
33 甲には加重逃走未遂罪が成立する。
34
35
36 3.甲は,
37 Xから現金を脅し取ろうと考え,
38 「殺されたくなければ100万円をよこせ。
39
40 」などと
41 Xを恐喝する内容の手紙をポストに投かんし,
42 その手紙はX方に配達されたが,
43 手紙を見たX
44 の妻は冗談であると思い,
45 その内容をXに伝えなかった。
46
47 甲には恐喝未遂罪が成立する。
48
49
50 4.甲は,
51 X方の居間に置かれた金庫に多額の現金が入れてあることを知り,
52 これを盗む目的
53 で,
54 X方の無施錠のドアから玄関に入ったが,
55 Xにその場で発見されたため,
56 逃走した。
57
58 甲に
59 は窃盗未遂罪が成立する。
60
61
62 5.甲は,
63 Xに対し,
64 Xの孫を装って電話をかけ,
65
66 「おじいちゃん。
67
68 金がなくて困っているので,
69
70 今から言う俺の口座に100万円を送金して。
71
72 」と言って現金をだまし取ろうとしたが,
73 その
74 声が孫の声と違うことに気付いたXは,
75 甲から指定された口座に送金しなかった。
76
77 甲には詐欺
78 未遂罪が成立する。
79
80
81 〔第2問〕(配点:2)
82 名誉毀損罪(刑法第230条)と侮辱罪(刑法第231条)の保護法益に関する次の各【見解】
83 についての後記アからオまでの各【記述】を検討した場合,
84 正しいものの組合せは,
85 後記1から5
86 までのうちどれか。
87
88 (解答欄は,
89 [bQ])
90 【見
91
92 解】
93
94 A説:名誉毀損罪と侮辱罪の保護法益は,
95 いずれも人の外部的名誉(社会的評価,
96 社会的名誉)
97 であり,
98 名誉毀損罪と侮辱罪の違いは,
99 事実の摘示の有無である。
100
101
102 B説:名誉毀損罪の保護法益は人の外部的名誉(社会的評価,
103 社会的名誉)であり,
104 侮辱罪の保
105 護法益は人の主観的名誉(名誉感情)である。
106
107
108 【記
109
110 述】
111
112 ア.A説によれば,
113 刑法第231条で侮辱が被害者の面前において行われることを要件としてい
114 ないのは,
115 公然たる侮辱の言葉はやがて本人に伝わるので面前性は不要だからであると考えら
116 れる。
117
118
119 イ.A説に対しては,
120 刑法第231条の「事実を摘示しなくても」との文言は文字どおりに解す
121 べきであって「事実を摘示しないで」という意味にはならないはずであるとの批判がある。
122
123
124 ウ.B説によれば,
125 刑法第231条で公然性が要件とされているのは,
126 侮辱行為が公然となされ
127 るかどうかでその当罰性に差異が生ずるからであると考えられる。
128
129
130 エ.B説に対しては,
131 幼児・重度の精神障害者・法人に対する侮辱罪が成立しないのは妥当でな
132 いとの批判がある。
133
134
135 オ.B説に対しては,
136 名誉毀損罪と侮辱罪の法定刑の差を説明できないという批判がある。
137
138
139 1.ア
140
141 イ
142
143 ウ
144
145 2.ア
146
147 イ
148
149 エ
150
151 3.イ
152
153 ウ
154
155 エ
156 - 2 -
157
158 4.イ
159
160 エ
161
162 オ
163
164 5.ウ
165
166 エ
167
168 オ
169
170 〔第3問〕(配点:2)
171 緊急避難に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
172 誤っているも
173 のの組合せは,
174 後記1から5までのうちどれか。
175
176 (解答欄は,
177 [bR])
178 ア.国家的法益に対する現在の危難を避けるためにした行為については,
179 緊急避難が成立するこ
180 とはない。
181
182
183 イ.現在の危難の発生原因は人の行為に限られず,
184 自然災害や動物による危害も含まれる。
185
186
187 ウ.「やむを得ずにした行為」とは,
188 その避難行為をする以外には現在の危難を避けるための他
189 の方法がなく,
190 その避難行為に出たことが条理上肯定できる場合をいう。
191
192
193 エ.現在の危難を避けるためにした行為によって生じた害が,
194 避けようとした害の程度を超えた
195 場合,
196 当該行為をした者の刑を免除することはできない。
197
198
199 オ.緊急避難が違法性阻却事由であると考えた場合,
200 緊急避難と認められる行為に対して正当防
201 衛が成立することはない。
202
203
204 1.ア
205
206 ウ
207
208 2.ア
209
210 エ
211
212 3.イ
213
214 エ
215
216 4.ウ
217
218 オ
219
220 5.エ
221
222 オ
223
224 〔第4問〕(配点:2)
225 次の【事例】に関する後記1から5までの甲の罪責を判例の立場に従って検討した場合,
226 甲に(
227
228 )
229
230 内の犯罪が成立しないものはどれか。
231
232 (解答欄は,
233 [bS])
234 【事
235
236 例】
237 甲は,
238 A方から高価な壺を盗み出した。
239
240 Aは,
241 これに気付いて甲を追い掛けたが,
242 甲は,
243 逃げ
244
245 切って帰宅し,
246 盗んだ上記壺を自宅のテーブルに置いていた。
247
248 警察官は,
249 甲の本件窃盗事件の捜
250 査を開始した。
251
252
253 1.警察官は,
254 甲を立会人として本件窃盗事件に係る捜索差押許可状に基づき甲方を捜索中,
255 テ
256 ーブルに上記壺が置かれているのを発見し,
257 これを差し押さえようとして手を伸ばしたところ,
258
259 甲は,
260 腹立ち紛れにその壺を取り上げ,
261 その場で床にたたき付けて粉々に割った。
262
263 (公務執行
264 妨害罪)
265 2.甲は,
266 自宅において,
267 本件窃盗事件に係る捜索差押許可状に基づく捜索を受けた際,
268 自宅に
269 隠し持っていた覚せい剤が警察官に発見されることを恐れ,
270 これを密かにトイレに流した。
271
272
273 (証
274 拠隠滅罪)
275 3.甲は,
276 本件窃盗事件で通常逮捕され,
277 警察署において弁解録取の手続を受けた際,
278 警察官が
279 甲の供述を記載した弁解録取書を手に取って破った。
280
281 (公用文書毀棄罪)
282 4.甲は,
283 本件窃盗事件について発付された勾留状の執行により留置施設に留置されていたが,
284
285 留置担当者の隙を見て同施設から外へ逃走した。
286
287 (単純逃走罪)
288 5.甲は,
289 本件窃盗事件について犯人ではないと否認していたが,
290 公判請求され,
291 公判でAが被
292 害状況を証言したことを逆恨みし,
293 公判係属中,
294 Aに対して「自分が有罪になったら,
295 Aの自
296 宅へ行って直接会ってお礼をさせてもらう。
297
298 」旨の手紙を送り,
299 Aはこれを読んで不安に思っ
300 た。
301
302 (証人威迫罪)
303
304 - 3 -
305
306 〔第5問〕(配点:2)
307 学生Aと学生Bは,
308 次の【事例】における甲の罪責について後記【会話】のとおり検討している。
309
310
311 【会話】中の@からGまでの(
312
313 )内から適切な語句を選んだ場合,
314 正しいものの組合せは,
315 後記
316
317 1から5までのうちどれか。
318
319 (解答欄は,
320 [bT])
321 【事
322
323 例】
324 甲は,
325 乙に対し,
326 殺意をもって,
327 拳銃の引き金を引いて銃弾1発を発射し,
328 乙の胸部に命中さ
329
330 せて乙を殺害した。
331
332 甲が拳銃で乙に狙いを付ける直前,
333 乙は,
334 甲に対し,
335 殺意をもって,
336 拳銃で
337 狙いを付けて引き金を引こうとしていたものの,
338 甲が発射した銃弾によって死亡したことから,
339
340 引き金を引くには至らなかった。
341
342 なお,
343 甲は,
344 乙が拳銃で自己に狙いを付けていることを知らな
345 かった。
346
347
348 【会
349
350 話】
351
352 学生A.甲の行為は,
353 殺人罪の構成要件に該当する。
354
355 そして,
356 正当防衛の成立要件として,
357 防衛
358 の意思が必要であると考えると,
359 甲には@(a.殺人既遂罪が成立し・b.正当防衛が認
360 められ),
361 防衛の意思は不要であると考えると,
362 甲にはA(c.殺人既遂罪が成立する・
363 d.正当防衛が認められる)ことになる。
364
365
366 学生B.最近では,
367 防衛の意思必要説,
368 不要説のいずれからも,
369 甲には殺人未遂罪が成立し得る
370 という見解が有力に主張されている。
371
372 防衛の意思必要説からの殺人未遂罪説は,
373 違法性は
374 行為無価値と結果無価値の総合から構成されるという違法二元論を根拠とし,
375 B(e.行
376 為無価値の存在と結果無価値の欠如・f.行為無価値の欠如と結果無価値の存在)を理由
377 に,
378 一方,
379 防衛の意思不要説からの殺人未遂罪説は,
380 C(g.適法・h.違法)な結果が
381 発生する具体的危険があることを理由に,
382 それぞれ殺人未遂罪が成立し得ると説明してい
383 る。
384
385
386 学生A.しかし,
387 防衛の意思不要説からの殺人未遂罪説に対しては,
388 D(i.「侵害はよいが侵
389 害を試みることは許されない」・j.「侵害を試みることはよいが侵害は許されない」)こ
390 とになるとの批判がある。
391
392
393 学生B.もともと,
394 防衛の意思不要説からの殺人未遂罪説が問題にしている危険は,
395 E(k.別
396 のあり得た違法結果・l.当該結果)を発生させる危険ではなく,
397 F(m.別のあり得た
398 違法結果・n.当該結果)を発生させる危険と言われている。
399
400 だから,
401 その批判は当たら
402 ない。
403
404
405 学生A.いずれにせよ,
406 殺人未遂罪説は,
407 実際に乙が死亡しているのだから,
408 罪刑法定主義上,
409
410 問題があると思う。
411
412
413 学生B.刑法第43条は,
414 「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」と規定しており,
415 これ
416 を,
417 G(o.構成要件的結果・p.構成要件に該当する違法な結果)が発生しなかったと
418 いう意味に理解すれば,
419 文言解釈としての問題はないと思う。
420
421
422 1.@a
423
424 Ad
425
426 Be
427
428 Ch
429
430 Di
431
432 Ek
433
434 Fn
435
436 Go
437
438 2.@b
439
440 Ac
441
442 Be
443
444 Cg
445
446 Dj
447
448 Ek
449
450 Fn
451
452 Gp
453
454 3.@b
455
456 Ac
457
458 Bf
459
460 Cg
461
462 Dj
463
464 Ek
465
466 Fn
467
468 Go
469
470 4.@a
471
472 Ad
473
474 Be
475
476 Ch
477
478 Di
479
480 El
481
482 Fm
483
484 Gp
485
486 5.@a
487
488 Ad
489
490 Bf
491
492 Ch
493
494 Dj
495
496 El
497
498 Fm
499
500 Gp
501
502 - 4 -
503
504 〔第6問〕(配点:2)
505 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
506 誤っているものの組合せは,
507 後
508 記1から5までのうちどれか。
509
510 (解答欄は,
511 [bU])
512 ア.準強制わいせつ罪(刑法第178条第1項)の「心神喪失」とは,
513 責任能力における心神喪
514 失と同義である。
515
516
517 イ.第三者の暴行・脅迫によって女子が「抗拒不能」の状態に陥っているのを利用して,
518 同人を
519 姦淫した場合,
520 準強姦罪(刑法第178条第2項)が成立する。
521
522
523 ウ.2名以上の者が,
524 女子を強姦する目的でそれぞれ暴行を加えて同人の反抗を著しく困難な状
525 態にした上,
526 犯行現場にいる者のうち1名が姦淫行為に及んだ場合,
527 集団強姦罪(刑法第17
528 8条の2)が成立する。
529
530
531 エ.女子を強姦する目的で暴行を加えたところ,
532 その暴行によって同人が死亡したため,
533 姦淫す
534 るに至らなかった場合,
535 強姦致死罪(刑法第181条第2項)が成立する。
536
537
538 オ.女子に対して準強制わいせつ罪に当たる行為をし,
539 同人に騒がれて捕まりそうになり,
540 わい
541 せつな行為を行う意思を喪失してその場から逃走するため同人に暴行を加えて傷害を負わせた
542 場合,
543 強制わいせつ致傷罪(刑法第181条第1項)は成立せず,
544 準強制わいせつ罪と傷害罪
545 が成立する。
546
547
548 1.ア
549
550 ウ
551
552 2.ア
553
554 オ
555
556 3.イ
557
558 ウ
559
560 4.イ
561
562 エ
563
564 5.エ
565
566 オ
567
568 〔第7問〕(配点:2)
569 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
570 正しいものはどれか。
571
572 (解答欄
573 は,
574 [bV])
575 1.中止未遂が成立するためには,
576 行為者が自己の行為のみで結果発生を防止する必要がある。
577
578
579 2.既遂犯が成立する場合にも,
580 結果発生防止のための真摯な努力をしていれば,
581 中止未遂が成
582 立する。
583
584
585 3.窃盗の目的で他人の住居に侵入して物色行為を行った場合,
586 住居に侵入した行為について成
587 立する犯罪と物色行為について成立する犯罪は科刑上一罪の関係に立つので,
588 財物の窃取を自
589 己の意思により中止すれば,
590 いずれの犯罪にも中止未遂が成立する。
591
592
593 4.予備罪に中止未遂の成立する余地はない。
594
595
596 5.中止未遂の刑は,
597 刑法第43条ただし書により,
598 任意的に減軽又は免除される。
599
600
601
602 - 5 -
603
604 〔第8問〕(配点:2)
605 次の【記述】中の@からHまでの(
606
607 )内から適切な語句を選んだ場合,
608 正しいものの組合せは,
609
610
611 後記1から5までのうちどれか。
612
613 (解答欄は,
614 [bW])
615 【記
616
617 述】
618 強盗罪における強取とは,
619 相手方の反抗を@(a.困難にする・b.抑圧する)に足りる程度
620
621 の暴行・脅迫を加え,
622 相手方のA(c.意思に反し・d.瑕疵ある意思に基づき),
623 相手方の占
624 有に属する財物を自己又は第三者の占有に移転することをいう。
625
626 強取とB(e.窃盗罪における
627 窃取・f.恐喝罪における喝取)との区別は,
628 実行行為としての暴行・脅迫の有無であり,
629 強取
630 とC(g.窃盗罪における窃取・h.恐喝罪における喝取)との区別は,
631 相手方の反抗を@(a.
632 困難にする・b.抑圧する)に足りる程度の暴行・脅迫であるか否か,
633 つまり,
634 暴行・脅迫の程
635 度である。
636
637 それゆえ,
638 恐喝罪は,
639 D(i.委託物横領罪・j.詐欺罪)と同様,
640 相手方のE(k.
641 意思に反し・l.瑕疵ある意思に基づき),
642 財物を交付させる犯罪である。
643
644 そして,
645 強盗罪やF
646 (m.窃盗罪・n.恐喝罪)のように,
647 相手方のA(c.意思に反し・d.瑕疵ある意思に基づ
648 き),
649 相手方の占有に属する財物を自己又は第三者の占有に移転する犯罪をG(o.奪取罪・p.
650 交付罪)と呼び,
651 恐喝罪やD(i.委託物横領罪・j.詐欺罪)のように,
652 相手方のE(k.意
653 思に反し・l.瑕疵ある意思に基づき),
654 相手方の占有に属する財物を自己又は第三者の占有に
655 移転する犯罪をH(q.奪取罪・r.交付罪)と呼んで区別することができる。
656
657
658 1.@a
659
660 Ac
661
662 Be
663
664 Ch
665
666 Dj
667
668 Ek
669
670 Fn
671
672 Gp
673
674 Hq
675
676 2.@b
677
678 Ac
679
680 Be
681
682 Ch
683
684 Dj
685
686 El
687
688 Fm
689
690 Gp
691
692 Hq
693
694 3.@a
695
696 Ad
697
698 Bf
699
700 Cg
701
702 Di
703
704 El
705
706 Fn
707
708 Gp
709
710 Hq
711
712 4.@b
713
714 Ad
715
716 Bf
717
718 Cg
719
720 Di
721
722 Ek
723
724 Fm
725
726 Go
727
728 Hr
729
730 5.@b
731
732 Ac
733
734 Be
735
736 Ch
737
738 Dj
739
740 El
741
742 Fm
743
744 Go
745
746 Hr
747
748 〔第9問〕(配点:3)
749 結果的加重犯の共同正犯の成立が認められることを前提に,
750 次の【事例】及び各【見解】に関す
751 る後記1から5までの各【記述】を検討し,
752 誤っているものを2個選びなさい。
753
754
755 (解答欄は,
756
757 [bX],
758
759 [10]順不同)
760 【事
761
762 例】
763 甲と乙は,
764 丙に対する傷害を共謀し,
765 共同して木刀で丙の手足を殴打していた際,
766 甲は丙に対
767
768 する殺意を抱き,
769 木刀で丙の頭部を殴打し,
770 丙はその殴打により脳挫傷で死亡した。
771
772 なお,
773 乙は,
774
775 甲が殺意を抱いたことを知らなかった。
776
777
778 【見
779
780 解】
781
782 A説:共同正犯とは,
783 数人が犯罪に至る行為過程を含めた行為を共同することであり,
784 特定の犯
785 罪を共同して実現する場合はもちろんのこと,
786 単なる行為を共同して各自の意図する犯罪を
787 実現する場合も,
788 それぞれの行為について共同正犯の成立を認める。
789
790
791 B説:共同正犯とは,
792 数人の者が共同して特定の犯罪を行うことであり,
793 構成要件の間に重なり
794 合いがあれば,
795 そのうちのより重い犯罪について共同正犯の成立を認め,
796 軽い犯罪の故意し
797 かない者には,
798 軽い犯罪の刑を科す。
799
800
801 C説:共同正犯とは,
802 数人の者が共同して特定の犯罪を行うことであり,
803 構成要件の重なり合う
804 限度で軽い犯罪の共同正犯の成立を認める。
805
806
807 【記
808
809 述】
810
811 1.A説からは,
812 甲と乙に殺人罪の共同正犯が成立するとの結論が導かれる。
813
814
815 2.B説からは,
816 甲と乙に殺人罪の共同正犯が成立するとの結論が導かれる。
817
818
819 3.B説に対しては,
820 犯罪の成立と科刑が分離するのは妥当でないと批判できる。
821
822
823 4.C説からは,
824 甲と乙に傷害致死罪の共同正犯が成立し,
825 甲には殺人罪の単独犯が成立すると
826 - 6 -
827
828 の結論が導かれる。
829
830
831 5.C説に対しては,
832 A説やB説から,
833 共同正犯の成立範囲が広すぎると批判できる。
834
835
836 〔第10問〕(配点:3)
837 事後強盗罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
838 正しいものを2個
839 選びなさい。
840
841 (解答欄は,
842 [11],
843 [12]順不同)
844 1.窃盗既遂犯人のみが事後強盗罪の主体となる。
845
846
847 2.事後強盗罪は,
848 強盗罪と同様,
849 財物と財産上の利益について成立する。
850
851
852 3.窃盗犯人が窃盗の現場で逮捕を免れるために暴行・脅迫を加えた相手方が,
853 現に当該窃盗犯
854 人を逮捕する意図を有していなくても,
855 事後強盗罪は成立する。
856
857
858 4.窃盗犯人が窃盗の現場で逮捕を免れるために相手方を殺害した場合,
859 強盗殺人罪は成立しな
860 い。
861
862
863 5.強盗予備罪の「強盗の罪を犯す目的」には,
864 事後強盗を犯す目的も含まれる。
865
866
867 〔第11問〕(配点:2)
868 責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
869 正しいものは
870 どれか。
871
872 (解答欄は,
873 [13])
874 1.ある人が同じ精神の障害の状態にありながら,
875 ある行為については完全な責任能力が認めら
876 れ,
877 他の行為については完全な責任能力が認められないことがある。
878
879
880 2.心神喪失とは,
881 精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力及びその弁識に従って行動
882 する能力のいずれもない状態をいう。
883
884
885 3.心神喪失は,
886 精神の障害がある場合に限られるから,
887 アルコールによって一時的にそのよう
888 な状態に陥った場合は心神喪失と認めることはできない。
889
890
891 4.心神耗弱は,
892 責任能力が著しく減退しているにすぎないから,
893 その刑を減軽しないこともで
894 きる。
895
896
897 5.13歳の少年が人を殺害した場合,
898 少年法の規定に基づく手続を経れば,
899 その少年に刑罰を
900 科すことができる。
901
902
903
904 - 7 -
905
906 〔第12問〕(配点:2)
907 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
908 誤っているものはどれか。
909
910 (解
911 答欄は,
912 [14])
913 1.甲は,
914 酒に酔った状態で,
915 自動車を無免許で運転した。
916
917 甲には酒酔い運転の罪と無免許運転
918 の罪が成立し,
919 これらは観念的競合となる。
920
921
922 2.甲及び乙は,
923 対立する暴走族の構成員を襲撃することを共謀し,
924 同構成員であるX,
925 Y及び
926 Zに対し,
927 殴る蹴るの暴行を加え,
928 それぞれに傷害を負わせた。
929
930 甲及び乙にはそれぞれ3個の
931 傷害罪が成立し,
932 これらは併合罪となる。
933
934
935 3.甲は,
936 乙がX及びYを殺害するつもりでいることを知ったことから,
937 凶器としてナイフ1本
938 を乙に手渡したところ,
939 乙は,
940 同ナイフを用いてX及びYを殺害した。
941
942 甲には2個の殺人幇助
943 の罪が成立し,
944 これらは併合罪となる。
945
946
947 4.甲は,
948 離婚した元妻Xを殺害する目的で,
949 深夜,
950 Xの母親Y宅に侵入し,
951 その場にいたX,
952
953 Y及びYの子Zを順次殺害した。
954
955 甲には1個の住居侵入罪と3個の殺人罪が成立するが,
956 住居
957 侵入罪と各殺人罪は牽連犯となり,
958 全体が科刑上一罪となる。
959
960
961 5.甲は,
962 身の代金を得る目的でXを拐取し,
963 更にXを監禁し,
964 その間にXの近親者に対して身
965 の代金を要求した。
966
967 甲には身の代金目的拐取罪,
968 拐取者身の代金要求罪及び監禁罪が成立し,
969
970 身の代金目的拐取罪と拐取者身の代金要求罪は牽連犯となり,
971 これらの各罪と監禁罪は併合罪
972 となる。
973
974
975 〔第13問〕(配点:4)
976 次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,
977 正しい場合
978 には1を,
979 誤っている場合には2を選びなさい。
980
981 (解答欄は,
982 アからオの順に[15]から[19])
983 【事
984
985 例】
986 借金の返済に苦しんでいた甲とその内縁の妻乙は,
987 A市が発行した乙を被保険者とする国民健
988
989 康保険被保険者証の氏名を乙から実在しない丙に改変し,
990 丙になりすまして消費者金融会社から
991 借入れをして現金を手に入れることを相談した。
992
993 甲と相談したとおり,
994 乙は,
995 上記国民健康保険
996 被保険者証の被保険者氏名欄に乙とあるのを丙と書き換えた。
997
998 そして,
999 乙は,
1000 消費者金融会社の
1001 無人借入手続コーナーにおいて,
1002 借入申込書に丙の氏名を記載し,
1003 丙と刻した印鑑を押捺するな
1004 どして丙名義の借入申込書1通を完成させた上,
1005 同申込書及び氏名を丙に改変した上記国民健康
1006 保険被保険者証の内容を,
1007 同コーナーに設置された機械を使用し,
1008 同機械に接続されている同社
1009 本店の端末機に送信し,
1010 同社の貸付手続担当者に対し,
1011 丙であるかのように装って100万円の
1012 借入れを申し込んだ。
1013
1014 同担当者は,
1015 当該申込みをした者が真実丙であり,
1016 かつ,
1017 貸付金は約定の
1018 とおりに返済されるものと誤信し,
1019 同社の貸付システムに従って丙名義の借入カードを上記コー
1020 ナーに設置された機械から発券した。
1021
1022 乙は,
1023 その場で同カードを入手し,
1024 同カードを現金自動入
1025 出機に挿入して同機から現金100万円を引き出した。
1026
1027 その後,
1028 乙は,
1029 上記行為に及んだことを
1030 後悔し,
1031 自宅で,
1032 甲に一緒に自首をしようと持ち掛けた。
1033
1034 甲は,
1035 これを聞いて激高し,
1036 乙を窒息
1037 死させようと考え,
1038 その首を絞めたところ,
1039 乙は首を絞められたことによるショックで心不全に
1040 なり死亡した。
1041
1042 甲は,
1043 乙の死亡から約30分後,
1044 死亡して横たわっている乙の指に時価20万円
1045 相当の乙の指輪がはめてあることに気が付き,
1046 同指輪を奪って逃走した。
1047
1048
1049 【記
1050
1051 述】
1052
1053 ア.乙が国民健康保険被保険者証の被保険者氏名欄を丙と書き換えた行為については,
1054 単に文書
1055 の内容を書き換えたにすぎないから,
1056 甲と乙には,
1057 公文書偽造罪ではなく,
1058 公文書変造罪が成
1059 立する。
1060
1061 [15]
1062 イ.乙が丙名義の借入申込書を作成した行為については,
1063 丙が実在しなくても,
1064 一般人をして真
1065 正に作成された文書であると誤信させる危険があるから,
1066 甲と乙には有印私文書偽造罪が成立
1067 - 8 -
1068
1069 する。
1070
1071 [16]
1072 ウ.甲と乙は,
1073 当初から現金100万円を手に入れる目的で丙名義の借入カードを入手し,
1074 同カ
1075 ードを利用して現金100万円を引き出したのだから,
1076 甲と乙には現金100万円について詐
1077 欺罪が成立する。
1078
1079 [17]
1080 エ.甲は,
1081 乙を窒息死させようとしていたが,
1082 乙はそれとは別の原因で死亡するに至ったのであ
1083 るから,
1084 甲には,
1085 乙の首を絞めて死亡させた行為について殺人既遂罪は成立せず,
1086 殺人未遂罪
1087 と過失致死罪が成立する。
1088
1089 [18]
1090 オ.甲が乙の指輪を奪った行為については,
1091 その時点で乙は既に死んでいるから,
1092 甲には,
1093 窃盗
1094 罪ではなく,
1095 占有離脱物横領罪が成立する。
1096
1097 [19]
1098
1099 - 9 -
1100
1101 [刑事訴訟法]
1102 〔第14問〕(配点:2)
1103 次のアからオまでの各記述のうち,
1104 検察官と司法警察員のいずれもが行使できる権限は幾つある
1105 か。
1106
1107 後記1から6までのうちから選びなさい。
1108
1109 (解答欄は,
1110 [20])
1111 ア.逮捕状により被疑者を逮捕すること
1112 イ.被疑者の勾留を請求すること
1113 ウ.捜索差押許可状により捜索すること
1114 エ.私人から,
1115 同人が逮捕した現行犯人の引渡しを受けること
1116 オ.第1回公判期日前に,
1117 裁判官に対し,
1118 証人の尋問を請求すること
1119 1.0個
1120
1121 2.1個
1122
1123 3.2個
1124
1125 4.3個
1126
1127 5.4個
1128
1129 6.5個
1130
1131 〔第15問〕(配点:2)
1132 告訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1133 誤っているものの組合せは,
1134 後記1から5まで
1135 のうちどれか。
1136
1137 ただし,
1138 判例がある場合には,
1139 それに照らして考えるものとする。
1140
1141 (解答欄は,
1142 [
1143 21])
1144 ア.Aが強姦された場合,
1145 Aの夫は,
1146 「犯罪により害を被った者」として告訴権を有する。
1147
1148
1149 イ.被害者の法定代理人がした告訴を被害者本人が取り消すことはできない。
1150
1151
1152 ウ.告訴は,
1153 適法に受理された後はこれを取り消すことができない。
1154
1155
1156 エ.器物損壊罪の被害者が犯人をXと指定して告訴したが,
1157 捜査の結果,
1158 犯人はYであることが
1159 判明した場合,
1160 その告訴はYに対して有効である。
1161
1162
1163 オ.一通の文書でA及びBの名誉が毀損された場合,
1164 Aがした告訴の効力は,
1165 Bに対する名誉毀
1166 損の事実には及ばない。
1167
1168
1169 1.ア
1170
1171 イ
1172
1173 2.ア
1174
1175 ウ
1176
1177 3.イ
1178
1179 エ
1180
1181 4.ウ
1182
1183 オ
1184
1185 5.エ
1186
1187 オ
1188
1189 〔第16問〕(配点:2)
1190 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1191 誤っているものの組合せは,
1192
1193 後記1から5までのうちどれか。
1194
1195 (解答欄は,
1196 [22])
1197 【事
1198
1199 例】
1200 M県N警察署の司法警察員Xは,
1201 Vから,
1202 甲に宝石をだまし取られた旨の詐欺事件の被害届を
1203
1204 受理し,
1205 甲に対する内偵捜査を行っていたところ,
1206 平成25年3月3日午後2時頃,
1207 甲がN市内
1208 のコンビニエンスストアで万引きをしたとの通報を受けたことから,
1209 同店に急行し,
1210 同日午後2
1211 時10分,
1212 同店にいた甲を窃盗罪の現行犯人として逮捕した。
1213
1214 甲は,
1215 逮捕後の取調べの際,
1216 Xに
1217 対し,
1218 「コンビニエンスストアで万引きはしていない。
1219
1220 」旨供述するとともに,
1221 逮捕時に所持して
1222 いた宝石について,
1223 「Vから買ったものであり,
1224 だまし取ったものではない。
1225
1226 」旨申し立てた。
1227
1228 X
1229 は,
1230 前記詐欺事件及び前記窃盗事件について,
1231 それぞれ関係者の取調べを行うなどした上で,
1232 同
1233 月5日午後2時に窃盗罪で甲をM地方検察庁に送致する手続をとり,
1234 同日午後2時35分,
1235 M地
1236 方検察庁検察官Yが甲を受け取った。
1237
1238
1239 【記
1240
1241 述】
1242
1243 ア.Yは,
1244 甲に弁解の機会を与え,
1245 留置の必要があると判断すれば,
1246 平成25年3月6日午後2
1247 時35分までに裁判官に勾留を請求すれば足りる。
1248
1249
1250 イ.Yが,
1251 詐欺罪について甲を逮捕しないまま,
1252 窃盗罪の事実に詐欺罪の事実を併せて勾留請求
1253 した場合,
1254 勾留請求を受けた裁判官は,
1255 窃盗及び詐欺のいずれについても勾留の理由及び必要
1256 が認められるものと判断すれば,
1257 両罪について適法に勾留状を発することができる。
1258
1259
1260 ウ.甲は,
1261 勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が勾留状を発した場合,
1262 これに不服があると
1263 - 10 -
1264
1265 きは,
1266 同裁判所に対し,
1267 その裁判を取り消して勾留請求を却下するよう請求することができる。
1268
1269
1270 エ.Yは,
1271 勾留請求を受けたM地方裁判所の裁判官が,
1272 犯罪の嫌疑が認められないものとして勾
1273 留請求を却下した場合,
1274 これに不服があるときでも,
1275 同裁判所に対し,
1276 その裁判を取り消して
1277 甲を勾留するよう請求することは許されない。
1278
1279
1280 オ.窃盗罪で勾留状が発せられ,
1281 これが執行された後に,
1282 窃盗罪について勾留の理由又は必要が
1283 なくなった場合,
1284 Yは,
1285 詐欺罪について捜査の必要があることを理由として甲の勾留を継続す
1286 ることは許されない。
1287
1288
1289 1.ア
1290
1291 ウ
1292
1293 2.ア
1294
1295 エ
1296
1297 3.イ
1298
1299 ウ
1300
1301 4.イ
1302
1303 オ
1304
1305 5.エ
1306
1307 オ
1308
1309 〔第17問〕(配点:3)
1310 捜査機関による捜索差押えに関する次のアからオまでの各記述のうち,
1311 正しいものには1を,
1312 誤
1313 っているものには2を選びなさい。
1314
1315 ただし,
1316 判例がある場合には,
1317 それに照らして考えるものとす
1318 る。
1319
1320 (解答欄は,
1321 アからオの順に[23]から[27])
1322
1323 ア.捜索差押えを行うには,
1324 必ず捜索差押許可状が発付されていなければならない。
1325
1326
1327 [23]
1328 イ.パソコンを差し押さえる際は,
1329 その記録媒体に記録された電磁的記録の内容を必ず確
1330 認しなければならない。
1331
1332 [24]
1333 ウ.身体を拘束されていない被疑者の体内から尿を採取するために最寄りの病院に連行す
1334 る場合,
1335 捜索差押許可状に加え勾引状が発付されていなければならない。
1336
1337 [25]
1338 エ.公訴を提起した後に捜索差押えを行う場合,
1339 必ず弁護人を立ち会わせなければならな
1340 い。
1341
1342 [26]
1343 オ.捜索差押許可状が発付されているものの,
1344 捜査官がこれを所持していないためこれを
1345 示すことができない場合,
1346 急速を要するときは,
1347 処分を受ける者に対し,
1348 被疑事実の要
1349 旨と捜索差押許可状が発付されている旨を告げて,
1350 捜索差押えを行うことができる。
1351
1352
1353 [27]
1354 〔第18問〕(配点:2)
1355 公訴の提起に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1356 誤っているものの組合せは,
1357 後記1から
1358 5までのうちどれか。
1359
1360 ただし,
1361 判例がある場合には,
1362 それに照らして考えるものとする。
1363
1364 (解答欄
1365 は,
1366 [28])
1367 ア.公訴の提起があった事件について,
1368 更に同一裁判所に公訴が提起されたとき,
1369 裁判所は公訴
1370 を棄却しなければならない。
1371
1372
1373 イ.検察官が公訴を提起したときは,
1374 検察官が遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければ
1375 ならない。
1376
1377
1378 ウ.起訴状の謄本が公訴の提起があった日から2か月以内に被告人に送達されなかったため,
1379 公
1380 訴が棄却された場合,
1381 公訴の提起により進行を停止していた公訴時効は,
1382 公訴棄却の裁判が確
1383 定したときから再びその進行を始める。
1384
1385
1386 エ.起訴状の謄本が公訴の提起があった日から2か月以内に被告人に送達されなかったため,
1387 公
1388 訴が棄却され,
1389 その裁判が確定したとき,
1390 検察官は,
1391 同一事件について更に公訴を提起するこ
1392 とができる。
1393
1394
1395 オ.公訴は,
1396 検察官の指定した被告人以外の者にその効力を及ぼさないから,
1397 共犯の一人に対し
1398 てした公訴の提起による時効の停止は,
1399 他の共犯に対してその効力を及ぼさない。
1400
1401
1402 1.ア
1403
1404 ウ
1405
1406 2.ア
1407
1408 エ
1409
1410 3.イ
1411
1412 ウ
1413
1414 4.イ
1415
1416 - 11 -
1417
1418 オ
1419
1420 5.エ
1421
1422 オ
1423
1424 〔第19問〕(配点:3)
1425 公判手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1426 正しいものには1を,
1427 誤っているものには
1428 2を選びなさい。
1429
1430 ただし,
1431 判例がある場合には,
1432 それに照らして考えるものとする。
1433
1434 (解答欄は,
1435
1436 アからオの順に[29]から[33])
1437 ア.証人尋問が予定された公判期日に,
1438 勾留されている被告人が,
1439 召喚を受け,
1440 正当な理由がな
1441 いのに出頭を拒否し,
1442 引致しようとする刑事施設職員に暴力を振るって出頭しないときは,
1443 裁
1444 判所は,
1445 被告人が出頭しないまま,
1446 その公判期日において証人尋問を行うことができる。
1447
1448 [
1449 29]
1450 イ.弁護人が行った証拠調べに関する異議の申立てについて,
1451 裁判所が決定で棄却したのに対
1452 し,
1453 弁護人は,
1454 その判断に不服があるときでも,
1455 重ねて異議を申し立てることはできない。
1456
1457
1458 [30]
1459 ウ.被告人に弁護人があるときは,
1460 判決宣告を行うための公判期日に弁護人が出頭しなけれ
1461 ば,
1462 裁判所は,
1463 判決を宣告することができない。
1464
1465 [31]
1466 エ.同一事件の共犯者である甲と乙が,
1467 共同被告人として併合審理を受けている場合,
1468 検察官
1469 が,
1470 乙のためにのみその供述録取書の証拠調べを請求したとき,
1471 甲及び甲の弁護人は,
1472 これに
1473 対して意見を述べる権利がある。
1474
1475 [32]
1476 オ.公判前整理手続に付された事件について,
1477 被告人又は弁護人は,
1478 証拠により証明すべき事実
1479 その他の事実上及び法律上の主張があるときは,
1480 検察官の冒頭陳述に引き続き,
1481 必ず冒頭陳述
1482 をしなければならない。
1483
1484 [33]
1485 〔第20問〕(配点:3)
1486 次の【事例】中の実況見分調書につき,
1487 その証拠調べ請求に関して述べた後記アからオまでの【記
1488 述】のうち,
1489 正しいものには1を,
1490 誤っているものには2を選びなさい。
1491
1492 (解答欄は,
1493 アからオの
1494 順に[34]から[38])
1495 【事
1496
1497 例】
1498 司法警察員Kは,
1499 現住建造物に対する放火事件の捜査として,
1500 焼損した建造物につき,
1501 その所
1502
1503 有者Vを立会人とする見分を行い,
1504 実況見分調書を作成した(実況見分調書には,
1505 Vの署名・押
1506 印のいずれもない。
1507
1508 )。
1509
1510 Vが実況見分の際に建造物の特定の箇所を指し示しながら,
1511 Kに対し「こ
1512 こにAが火を付けるのを見た。
1513
1514 」旨説明したので,
1515 Kは,
1516 その箇所を写真撮影した後,
1517 同写真を
1518 実況見分調書に添付するとともに,
1519 Vの前記説明内容を実況見分調書に記載した。
1520
1521 その後,
1522 Aが
1523 同事件の犯人として起訴された。
1524
1525 検察官は,
1526 当該被告事件の公判前整理手続において,
1527 「建造物
1528 の焼損状況」を立証趣旨として実況見分調書の証拠調べを請求した。
1529
1530 弁護人は,
1531 「Aは犯人では
1532 なく,
1533 本件火災はVによる失火が原因である。
1534
1535 」旨主張した上,
1536 実況見分調書について不同意の
1537 意見を述べた。
1538
1539
1540 【記
1541
1542 述】
1543
1544 ア.弁護人は,
1545 裁判長から,
1546 不同意意見の理由として実況見分調書が真正に作成されたものであ
1547 ることを争う趣旨であるかについて釈明を求められた場合には,
1548 釈明する義務を負う。
1549
1550
1551 [34]
1552 イ.実況見分調書につき,
1553 関連性があるとして証拠能力が認められるためには,
1554 Aが犯人である
1555 ことを疎明する必要がある。
1556
1557 [35]
1558 ウ.Kが火災原因の調査,
1559 判定に関して学識経験を有しない場合には,
1560 実況見分調書が真正に作
1561 成されたものであるとは認められない。
1562
1563 [36]
1564 エ.実況見分調書の証拠能力が認められるためには,
1565 K及びV両名に対する証人尋問が必要であ
1566 る。
1567
1568 [37]
1569 オ.裁判所は,
1570 実況見分調書が真正に作成されたものであることが認められても,
1571 実況見分調書
1572 - 12 -
1573
1574 におけるVの前記説明内容が記載された部分を,
1575 Aが犯人であることを証明する証拠として用
1576 いることはできない。
1577
1578 [38]
1579 〔第21問〕(配点:2)
1580 裁判所の決定に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1581 誤っているものの組合せは,
1582 後記1か
1583 ら5までのうちどれか。
1584
1585 (解答欄は,
1586 [39])
1587 ア.弁護人は,
1588 訴因変更を許可する裁判所の決定に対し,
1589 適法に即時抗告をすることができる。
1590
1591
1592 イ.検察官,
1593 被告人又は弁護人は,
1594 裁判所による証拠調べの決定に対し,
1595 適法に異議を申し立て
1596 ることができる。
1597
1598
1599 ウ.裁判所は,
1600 保釈請求に対して許可又は却下の決定をするに当たり,
1601 公判期日において証拠と
1602 して取り調べていない資料に基づいて判断することができない。
1603
1604
1605 エ.検察官は,
1606 保釈を許可する裁判所の決定に対し,
1607 適法に抗告をすることができる。
1608
1609
1610 オ.裁判所は,
1611 決定をもって公訴を棄却する場合,
1612 口頭弁論に基づく必要はない。
1613
1614
1615 1.ア
1616
1617 ウ
1618
1619 2.ア
1620
1621 オ
1622
1623 3.イ
1624
1625 ウ
1626
1627 4.イ
1628
1629 エ
1630
1631 5.エ
1632
1633 オ
1634
1635 〔第22問〕(配点:2)
1636 公判前整理手続に関する次の1から5までの各記述のうち,
1637 正しいものはどれか。
1638
1639
1640 (解答欄は,
1641
1642 [
1643 40])
1644 1.被告人は,
1645 公判前整理手続期日への出頭が義務付けられている。
1646
1647
1648 2.検察官は,
1649 証明予定事実を記載した書面を提出した後,
1650 その内容を追加・変更することはで
1651 きない。
1652
1653
1654 3.弁護人は,
1655 検察官請求証拠の開示を受けた後,
1656 検察官に対し,
1657 それ以外の証拠の標目を記載
1658 した一覧表の交付を請求する権利を有する。
1659
1660
1661 4.公判前整理手続に付された事件については,
1662 裁判所は,
1663 公判期日において,
1664 公判前整理手続
1665 の結果を明らかにしなければならない。
1666
1667
1668 5.脅迫被告事件について,
1669 公判前整理手続に付された場合,
1670 その公判審理に当たり,
1671 弁護人な
1672 くして開廷しても適法である。
1673
1674
1675 〔第23問〕(配点:2)
1676 裁判員裁判に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1677 正しいものの組合せは,
1678 後記1から5ま
1679 でのうちどれか。
1680
1681 (解答欄は,
1682 [41])
1683 ア.裁判員裁判の対象事件であっても,
1684 被告人の明示の意思に反するときは,
1685 裁判員の参加する
1686 合議体により審理・裁判をすることはできない。
1687
1688
1689 イ.裁判所は,
1690 裁判員裁判の対象事件については,
1691 必ず当該事件を公判前整理手続に付さなけれ
1692 ばならない。
1693
1694
1695 ウ.裁判員裁判の公判において,
1696 被告人以外の者の供述を証拠とする場合,
1697 その者が供述不能で
1698 ある場合を除き,
1699 常にその者を証人として尋問しなければならない。
1700
1701
1702 エ.裁判員は,
1703 犯罪事実の認定に関する事項につき,
1704 裁判長に告げて,
1705 被告人に対し,
1706 直接質問
1707 することができる。
1708
1709
1710 オ.裁判員裁判により言い渡された判決につき,
1711 検察官は,
1712 刑の量定が不当であることを理由と
1713 して控訴の申立てをすることはできない。
1714
1715
1716 1.ア
1717
1718 イ
1719
1720 2.ア
1721
1722 ウ
1723
1724 3.イ
1725
1726 エ
1727
1728 4.ウ
1729
1730 - 13 -
1731
1732 オ
1733
1734 5.エ
1735
1736 オ
1737
1738 〔第24問〕(配点:3)
1739 次のアからオまでの各記述のうち,
1740 犯罪の被害者であるVを証人として尋問する場合とVに被害
1741 に関する心情等の意見を陳述させる場合の双方に当てはまるものの組合せは,
1742 後記1から5までの
1743 うちどれか。
1744
1745 (解答欄は,
1746 [42])
1747 ア.Vには,
1748 法律に特別の定めのある場合を除いて,
1749 宣誓をさせなければならない。
1750
1751
1752 イ.一定の場合,
1753 被告人とVとの間で相互に相手の状態を認識できないようにするための措置を
1754 採ることができる。
1755
1756
1757 ウ.尋問又は陳述が認められる被告事件には,
1758 罪名による制限がない。
1759
1760
1761 エ.審理の状況その他の事情を考慮して,
1762 Vに法廷で供述又は陳述させるのが相当でないと認め
1763 るときは,
1764 その供述又は意見が記載された書面を提出させることができる。
1765
1766
1767 オ.Vの供述又は陳述を犯罪事実の認定に用いることができる。
1768
1769
1770 1.ア
1771
1772 イ
1773
1774 2.ア
1775
1776 エ
1777
1778 3.イ
1779
1780 ウ
1781
1782 4.ウ
1783
1784 オ
1785
1786 5.エ
1787
1788 オ
1789
1790 〔第25問〕(配点:2)
1791 保釈に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1792 法律上許されないものの組合せは,
1793 後記1から
1794 5までのうちどれか。
1795
1796 (解答欄は,
1797 [43])
1798 ア.殺人の被疑事実により勾留中の被疑者について,
1799 保釈を許可すること
1800 イ.殺人の公訴事実により勾留中の被告人について,
1801 保釈を許可すること
1802 ウ.逃亡のおそれがある勾留中の被告人について,
1803 保釈を許可すること
1804 エ.保釈の請求がないまま,
1805 勾留中の被告人について,
1806 保釈を許可すること
1807 オ.意見を述べる機会を検察官に与えないまま,
1808 勾留中の被告人について,
1809 保釈を許可すること
1810 1.ア
1811
1812 イ
1813
1814 2.ア
1815
1816 オ
1817
1818 3.イ
1819
1820 ウ
1821
1822 4.ウ
1823
1824 エ
1825
1826 5.エ
1827
1828 オ
1829
1830 〔第26問〕(配点:2)
1831 次の【記述】は,
1832 控訴審における控訴申立ての理由の審査に関する最高裁判所の判例からの引用
1833 である。
1834
1835 【記述】中の@及びAの(
1836
1837 )内に入る適切な語句の組合せとして正しいものは,
1838 後記1
1839
1840 から6までのうちどれか。
1841
1842 (解答欄は,
1843 [44])
1844 【記
1845
1846 述】
1847 刑訴法は控訴審の性格を原則として事後審としており,
1848 控訴審は,
1849 第一審と同じ立場で事件そ
1850
1851 のものを審理するのではなく,
1852 当事者の訴訟活動を基礎として形成された第一審判決を対象とし,
1853
1854 これに事後的な審査を加えるべきものである。
1855
1856 第一審において,
1857 直接主義・口頭主義の原則が採
1858 られ,
1859 争点に関する証人を直接調べ,
1860 その際の証言態度等も踏まえて供述の信用性が判断され,
1861
1862 それらを総合して(@)が行われることが予定されていることに鑑みると,
1863 控訴審における(A)
1864 の審査は,
1865 第一審判決が行った証拠の信用性評価や証拠の総合判断が論理則,
1866 経験則等に照らし
1867 て不合理といえるかという観点から行うべきものであって,
1868 刑訴法第382条の(A)とは,
1869 第
1870 一審判決の(@)が論理則,
1871 経験則等に照らして不合理であることをいうものと解するのが相当
1872 である。
1873
1874 したがって,
1875 控訴審が第一審判決に(A)があるというためには,
1876 第一審判決の(@)
1877 が論理則,
1878 経験則等に照らして不合理であることを具体的に示すことが必要であるというべきで
1879 ある。
1880
1881
1882 1.@訴訟手続
1883
1884 A事実誤認
1885
1886 2.@訴訟手続
1887
1888 A訴訟手続の法令の違反
1889
1890 3.@法令の適用
1891
1892 A法令の適用の誤り
1893
1894 4.@法令の適用
1895
1896 A訴訟手続の法令の違反
1897
1898 5.@事実認定
1899
1900 A事実誤認
1901
1902 6.@事実認定
1903
1904 A法令の適用の誤り
1905 - 14 -
1906
1907