1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 -1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
9 正しいものはどれか。
10
11 (解答欄
12 は,
13 [bP])
14 1.法人事業主は,
15 その従業者が法人の業務に関して行った犯罪行為について,
16 両罰規定が定め
17 られている場合には,
18 選任監督上の過失がなくても刑事責任を負う。
19
20
21 2.法人事業主を両罰規定により処罰するためには,
22 現実に犯罪行為を行った従業者も処罰され
23 なければならない。
24
25
26 3.法人事業主が処罰される場合には,
27 その代表者も処罰される。
28
29
30 4.刑法各則に規定された行為の主体には,
31 法人は含まれない。
32
33
34 5.刑法各則に規定された行為の客体には,
35 法人は含まれない。
36
37
38 〔第2問〕(配点:2)
39 次の【事案及び判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
40 判旨の理解として誤って
41 いるものはどれか。
42
43 (解答欄は,
44 [bQ])
45 【事案及び判旨】
46 精神科の医師である甲が,
47 犯行時16歳の少年Aが犯した殺人罪に関する保護事件が係属して
48 いる家庭裁判所からAの精神鑑定を命ぜられた際,
49 鑑定資料として家庭裁判所から交付されたA
50 の捜査機関に対する供述調書の謄本を新聞記者に閲覧させたため,
51 Aが甲を秘密漏示罪で告訴し
52 た事案につき,
53 裁判所は,
54 甲の行為は秘密漏示罪に該当し,
55 訴訟条件にも欠けるところはない旨
56 判示し,
57 甲に有罪判決を言い渡した。
58
59
60 【記
61
62 述】
63
64 1.この判旨は,
65 甲が医師の身分を有していることを前提に秘密漏示罪の成立を認めたものであ
66 る。
67
68
69 2.この判旨は,
70 裁判手続等において後に公開される可能性のある事項であっても,
71 秘密漏示罪
72 における「人の秘密」として保護の対象になり得ると考えている。
73
74
75 3.この判旨は,
76 甲が医師の業務としてAの精神鑑定を行ったことを前提に秘密漏示罪の成立を
77 認めたものである。
78
79
80 4.この判旨は,
81 秘密漏示罪における「人の秘密」について,
82 Aの秘密ではなく,
83 甲に鑑定を命
84 じた家庭裁判所の秘密であると考えている。
85
86
87 5.この判旨からは,
88 秘密漏示罪の「人の秘密」の主体が,
89 自然人のみならず,
90 法人・団体を含
91 むかどうかは必ずしも明らかではない。
92
93
94
95 -2 -
96
97 〔第3問〕(配点:3)
98 正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
99 誤っているものを2
100 個選びなさい。
101
102 (解答欄は,
103 [bR],
104 [bS]順不同)
105 1.正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは,
106 予期された侵害を避けるべき義務を
107 課する趣旨ではないが,
108 単に予期された侵害を避けなかったというにとどまらず,
109 その機会を
110 利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは,
111 侵害の急迫性の要件
112 を欠く結果,
113 そのような侵害に対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
114
115
116 2.憎悪や怒りの念を抱いて侵害者に対する反撃行為に及んだ場合には,
117 防衛の意思を欠く結果,
118
119 防衛のための行為と認められることはない。
120
121
122 3.相手からの侵害が,
123 それに先立つ自らの攻撃によって触発されたものである場合には,
124 不正
125 の行為により自ら侵害を招いたことになるから,
126 相手からの侵害が急迫性を欠く結果,
127 これに
128 対する反撃行為に正当防衛が認められることはない。
129
130
131 4.刑法第36条にいう「権利」には,
132 生命,
133 身体,
134 自由のみならず名誉や財産といった個人的
135 法益が含まれるので,
136 自己の財産権への侵害に対して相手の身体の安全を侵害する反撃行為に
137 及んでも正当防衛となり得る。
138
139
140 5.正当防衛における「やむを得ずにした」とは,
141 急迫不正の侵害に対する反撃行為が,
142 自己又
143 は他人の権利を防衛する手段として必要最小限度のものであること,
144 すなわち反撃行為が侵害
145 に対する防衛手段として相当性を有するものであることを意味し,
146 反撃行為が防衛手段として
147 相当性を有する以上,
148 その反撃行為により生じた結果がたまたま侵害されようとした法益より
149 大であっても,
150 その反撃行為が正当防衛でなくなるものではない。
151
152
153 〔第4問〕(配点:2)
154 文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
155 正しいも
156 のはどれか。
157
158 (解答欄は,
159 [bT])
160 1.甲は,
161 A公立高校を中途退学した乙から「父親に見せて安心させたい。
162
163 それ以外には使わな
164 いからA公立高校の卒業証書を作ってくれ。
165
166 」と頼まれ,
167 乙の父親に呈示させる目的で,
168 A公
169 立高校校長丙名義の卒業証書を丙に無断で作成した。
170
171 甲には公文書偽造罪は成立しない。
172
173
174 2.甲は,
175 自己の所有する土地の登記記録を改ざんしようと考え,
176 法務局の担当登記官である乙
177 にその情を打ち明けて記録の改ざんを依頼し,
178 乙に登記簿の磁気ディスクに内容虚偽の記録を
179 してもらった。
180
181 甲には電磁的公正証書原本不実記録罪,
182 同供用罪の共同正犯が成立する。
183
184
185 3.甲は,
186 行使の目的で,
187 高齢のため視力が衰え文字の判読が十分にできない乙に対し,
188 公害反
189 対の署名であると偽り,
190 その旨誤信した乙に,
191 甲を貸主,
192 乙を借主とする100万円の借用証
193 書の借主欄に署名押印させた。
194
195 甲には私文書偽造罪が成立する。
196
197
198 4.甲と乙は,
199 警察署に提出する目的で,
200 県立病院の医師丙に内容虚偽の診断書を作成させる旨
201 共謀し,
202 甲が丙にこれを依頼したが,
203 丙に断られたため,
204 甲は,
205 乙に相談することなく自ら県
206 立病院医師丙名義で内容虚偽の診断書を作成した。
207
208 乙には虚偽診断書作成罪の共同正犯が成立
209 する。
210
211
212 5.甲は,
213 行使の目的で,
214 正規の国際運転免許証を発給する権限のない民間団体乙名義で,
215 外観
216 が正規の国際運転免許証に酷似する文書を作成した。
217
218 甲は,
219 乙からその文書の作成権限を与え
220 られていたが,
221 乙に正規の国際運転免許証を発給する権限がないことは知っていた。
222
223 甲には私
224 文書偽造罪は成立しない。
225
226
227
228 -3 -
229
230 〔第5問〕(配点:2)
231 次の【事例】及び【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
232 正しいものはどれか。
233
234
235 (解答欄は,
236 [bU])
237 【事
238
239 例】
240 甲は,
241 手の平で患部をたたいてエネルギーを患者に通すことにより自己治癒力を高めるとの独
242
243 自の治療を施す特別の能力を有すると称していたが,
244 その能力を信奉していたAから,
245 脳内出血
246 を発症した親族Bの治療を頼まれ,
247 意識障害があり継続的な点滴等の入院治療が必要な状態にあ
248 ったBを入院中の病院から遠く離れた甲の寄宿先ホテルの部屋に連れてくるようAに指示した
249 上,
250 実際に連れてこられたBの様子を見て,
251 そのままでは死亡する危険があることを認識しなが
252 ら,
253 上記独自の治療を施すにとどまり,
254 点滴や痰の除去等Bの生命維持に必要な医療措置を受け
255 させないままBを約1日間放置した結果,
256 Bを痰による気道閉塞に基づく窒息により死亡させた。
257
258
259 【判
260
261 旨】
262 甲は,
263 自己の責めに帰すべき事由によりBの生命に具体的な危険を生じさせた上,
264 Bが運び込
265
266 まれたホテルにおいて,
267 甲を信奉するAから,
268 重篤な状態にあったBに対する手当てを全面的に
269 委ねられた立場にあったものと認められる。
270
271 その際,
272 甲は,
273 Bの重篤な状態を認識し,
274 これを自
275 らが救命できるとする根拠はなかったのであるから,
276 直ちにBの生命を維持するために必要な医
277 療措置を受けさせる義務を負っていたものというべきである。
278
279 それにもかかわらず,
280 未必的な殺
281 意をもって,
282 上記医療措置を受けさせないまま放置してBを死亡させた甲には,
283 不作為による殺
284 人罪が成立する。
285
286
287 【記
288
289 述】
290
291 1.Aが甲に対してその特別の能力に基づく治療を行うことを真摯に求めていたという事情があ
292 れば,
293 甲にはその治療を行うことについてのみ作為義務が認められるから,
294 この判旨の立場か
295 らも殺人罪の成立は否定される。
296
297
298 2.判旨の立場によれば,
299 この事例で甲に患者に対する未必的な殺意が認められなければ,
300 重過
301 失致死罪が成立するにとどまる。
302
303
304 3.判旨は,
305 不作為犯が成立するためには,
306 作為義務違反に加え,
307 既発の状態を積極的に利用す
308 る意図が必要であると考えている。
309
310
311 4.判旨は,
312 Aが甲の指示を受けてBを病院から搬出した時点で,
313 甲に殺人罪の実行の着手を認
314 めたものと解される。
315
316
317 5.判旨は,
318 先行行為についての甲の帰責性と甲による引受行為の存在を根拠に,
319 甲のBに対す
320 る殺人罪の作為義務を認めたものと解される。
321
322
323
324 -4 -
325
326 〔第6問〕(配点:4)
327 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討し,
328 甲に公務執行
329 妨害罪が成立する場合には1を,
330 成立しない場合には2を選びなさい。
331
332 (解答欄は,
333 アからオの順
334 に[bV]から[11])
335 ア.甲は,
336 県議会の議事が紛糾し,
337 議長乙が休憩を宣言して壇上から降りようとした際,
338 乙の顔
339 面をげんこつで殴った。
340
341 [bV]
342 イ.甲は,
343 日本国内にある外国の大使館の職員乙がその大使館の業務に従事していた際,
344 乙の腹
345 部を足で蹴った。
346
347 [bW]
348 ウ.甲は,
349 警察官乙から捜索差押許可状に基づき自宅の捜索を受け,
350 覚せい剤入りの注射器を差
351 し押さえられた際,
352 乙の眼前で同注射器を足で踏み付けて壊した。
353
354 [bX]
355 エ.甲は,
356 無許可のデモ行進に参加していた際,
357 これを解散させようとした警察官乙に向かって
358 石を1回投げ,
359 その石は乙の頭部付近をかすめたが,
360 乙には命中しなかった。
361
362 [10]
363 オ.甲は,
364 執行官から確定判決に基づき居室明渡しの強制執行を受けていた際,
365 執行官の補助者
366 であった民間人乙の頭部を棒で殴った。
367
368 [11]
369 〔第7問〕(配点:3)
370 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
371 誤っているものを2個選びなさい。
372
373
374 (解
375 答欄は,
376 [12],
377 [13]順不同)
378 1.暴力団組長甲は,
379 配下組員乙に対し,
380 「もし,
381 Aがこちらの要求を聞き入れなかったら,
382 A
383 を殺してこい。
384
385 Aがこちらの要求を聞き入れるのであれば,
386 Aを殺す必要はない。
387
388 」旨指示し,
389
390 乙にけん銃を手渡した上,
391 乙を対立する暴力団組員Aのところに行かせた。
392
393 乙は,
394 Aが要求を
395 聞き入れなかったので,
396 Aをけん銃で射殺した。
397
398 甲には殺人罪の故意が認められる。
399
400
401 2.甲は,
402 駐車場で他人の所有する自動車に放火し,
403 公共の危険を生じさせた。
404
405 その際,
406 甲は,
407
408 公共の危険が発生するとは認識していなかった。
409
410 甲には建造物等以外放火罪の故意は認められ
411 ない。
412
413
414 3.甲は,
415 乙から,
416 乙が窃取してきた貴金属類を,
417 乙が盗んできたものかもしれないと思いなが
418 ら,
419 あえて買い取った。
420
421 甲には盗品等有償譲受け罪の故意が認められる。
422
423
424 4.覚せい剤が含まれている錠剤を所持していた甲は,
425 同錠剤について,
426 身体に有害で違法な薬
427 物類であるとの認識はあったが,
428 覚せい剤や麻薬類ではないと認識していた。
429
430 甲には覚せい剤
431 取締法違反(覚せい剤所持)の罪の故意が認められる。
432
433
434 5.甲は,
435 Aを殺害しようと考え,
436 Aに向けてけん銃を発射し,
437 弾丸をAに命中させ,
438 Aを死亡
439 させたが,
440 同弾丸は,
441 Aの身体を貫通し,
442 甲が認識していなかったBにも命中し,
443 Bも死亡し
444 た。
445
446 甲にはA及びBに対する殺人罪の故意が認められる。
447
448
449
450 -5 -
451
452 〔第8問〕(配点:2)
453 詐欺の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
454 正しいものは
455 どれか。
456
457 (解答欄は,
458 [14])
459 1.国や地方公共団体が所有する財物は,
460 刑法第246条第1項の詐欺罪における「財物」には
461 当たらない。
462
463
464 2.家賃を支払う意思も能力もないのに,
465 これがあるように装って大家をだましてアパートの一
466 室を借り受けた場合,
467 刑法第246条第1項の詐欺罪が成立する。
468
469
470 3.商品買受けの注文の際,
471 代金支払の意思も能力もないのに,
472 そのことを告げることなく,
473 単
474 純に商品買受けの注文をした場合,
475 その注文行為が刑法第246条第1項の詐欺罪における作
476 為による欺罔行為となる。
477
478
479 4.相手方を欺罔して錯誤に陥らせ,
480 これにより相手方から財物の交付を受けたとしても,
481 錯誤
482 に陥ったことに相手方の過失が認められるときには,
483 刑法第246条第1項の詐欺罪は成立し
484 ない。
485
486
487 5.知慮浅薄な未成年者を欺罔して錯誤に陥らせ,
488 これにより未成年者から財物の交付を受けた
489 場合,
490 刑法第248条の準詐欺罪が成立する。
491
492
493 〔第9問〕(配点:2)
494 次の【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
495 正しいものはどれか。
496
497
498 (解答欄は,
499
500 [15])
501 【見
502
503 解】
504 恐喝の目的で人を監禁し,
505 その監禁中に同人を脅迫して現金を喝取した場合,
506 監禁罪と恐喝罪
507
508 が成立し,
509 両者は併合罪の関係になる。
510
511
512 【記
513
514 述】
515
516 1.この見解は,
517 監禁行為と恐喝行為とが社会的に見て一個の行為であると考えている。
518
519
520 2.この見解は,
521 監禁が恐喝の手段として用いられることが類型的に予定されることを根拠とし
522 ている。
523
524
525 3.この見解は,
526 数個の犯罪の牽連性を,
527 行為者の主観によって判断すべきであると考えている。
528
529
530 4.この見解は,
531 監禁罪と恐喝罪の罪数関係を,
532 判例における逮捕罪と監禁罪の罪数関係と同様
533 に考えている。
534
535
536 5.この見解は,
537 監禁罪と恐喝罪の罪数関係を,
538 判例における監禁罪と殺人罪の罪数関係と同様
539 に考えている。
540
541
542 〔第10問〕(配点:2)
543 横領の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
544 正しいものは
545 どれか。
546
547 (解答欄は,
548 [16])
549 1.横領罪の「占有」とは,
550 物に対して事実上の支配力を有する状態をいい,
551 物に対して法律上
552 の支配力を有する状態を含まない。
553
554
555 2.株式会社の代表取締役には,
556 同社の所有物について,
557 横領罪の「占有」は認められない。
558
559
560 3.横領罪の「物」は,
561 窃盗罪における「財物」と同義であり,
562 不動産は横領罪の客体とはなら
563 ない。
564
565
566 4.法人の金員を管理する者が,
567 同法人の金員を支出した場合,
568 同支出が商法その他関係法令に
569 照らして違法であっても,
570 横領罪の「不法領得の意思」が認められないことがある。
571
572
573 5.業務上横領罪の「業務」には,
574 社会生活上の地位に基づいて反復継続して行われる事務であ
575 れば,
576 いかなる事務も含まれる。
577
578
579
580 -6 -
581
582 〔第11問〕(配点:2)
583 責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
584 正しいものは
585 どれか。
586
587 (解答欄は,
588 [17])
589 1.心神喪失とは,
590 精神の障害により,
591 行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動す
592 る能力が欠けている場合をいう。
593
594
595 2.心神耗弱とは,
596 精神の障害により,
597 行為の是非を弁識する能力が欠けている若しくは著しく
598 減退している場合,
599 又はこの弁識に従って行動する能力が欠けている若しくは著しく減退して
600 いる場合をいう。
601
602
603 3.13歳であるが,
604 行為の是非を弁識する能力及びこの弁識に従って行動する能力に欠けると
605 ころがない場合,
606 責任能力が認められる。
607
608
609 4.精神鑑定により心神喪失と鑑定された場合には,
610 裁判所は,
611 被告人の責任能力を認めること
612 はできない。
613
614
615 5.精神の障害がなければ,
616 心神喪失は認められない。
617
618
619 〔第12問〕(配点:2)
620 次の【事例】における甲の罪責に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検
621 討し,
622 正しいものを2個選びなさい。
623
624 (解答欄は,
625 [18],
626 [19]順不同)
627 【事
628
629 例】
630 甲は,
631 深夜,
632 帰宅しようと歩いていたところ,
633 道端に見ず知らずのAが重傷を負って倒れてい
634
635 るのを見付けた。
636
637 甲は,
638 周囲にA以外の誰もおらず,
639 Aには意識があるものの,
640 動ける状態では
641 なかったことから,
642 これに乗じて,
643 Aの傍らに落ちていたAのかばんの中から金品を持ち去って
644 自分のものにしようと考え,
645 Aに対し,
646 「もらっていくよ。
647
648 」と言って,
649 同かばんからAの財布を
650 取り出して自分のかばんの中に入れた上,
651 Aを救護することなくそのまま放置してその場を立ち
652 去った。
653
654 甲は,
655 自宅に戻り,
656 Aの財布の中を見たところ,
657 現金約1万円のほか,
658 @大きさや重さ
659 は五百円硬貨と同じであるものの,
660 中央に穴が開けられ,
661 模様もない円形の金属片10枚,
662 Aク
663 レジットカードと同じ大きさであるものの,
664 外観上何ら印刷が施されておらず,
665 4桁の数字が手
666 書きで書かれ,
667 磁気ストライプらしき黒いテープが貼られているプラスチック製の白色カード1
668 枚を見付けた。
669
670 甲は,
671 @の金属片はAが自動販売機等で商品を購入する際などに使うつもりで持
672 っていたものだろうと考え,
673 同金属片10枚を1本100円の缶ジュースの自動販売機に順次投
674 入して購入ボタンを押し,
675 出てきたジュース10本と釣銭合計4000円を自分のものにした。
676
677
678 また,
679 Aの白色カードは,
680 他人のクレジットカードの磁気情報をコピーして不正に作成されたカ
681 ードであったが,
682 甲は,
683 そのことを認識した上,
684 同カードに書かれた4桁の数字がその暗証番号
685 に違いないと考え,
686 後日同カードを現金自動預払機に挿入して現金を引き出すつもりで,
687 同カー
688 ドを自宅に保管しておいた。
689
690
691 【記
692
693 述】
694
695 1.甲が上記重傷を負ったAを放置して立ち去った行為には,
696 単純遺棄罪が成立する。
697
698
699 2.甲が上記Aの財布を自分のかばんに入れて持ち去った行為には,
700 窃盗罪が成立する。
701
702
703 3.甲が上記金属片を自動販売機に投入した行為には,
704 偽造通貨行使罪が成立する。
705
706
707 4.甲が上記金属片を自動販売機に投入してジュースと釣銭を得た行為には,
708 電子計算機使用詐
709 欺罪が成立する。
710
711
712 5.甲が上記白色カードを自宅に保管しておいた行為には,
713 不正電磁的記録カード所持罪が成立
714 する。
715
716
717
718 -7 -
719
720 〔第13問〕(配点:2)
721 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
722 正しいものはどれか。
723
724 (解答欄
725 は,
726 [20])
727 1.甲は,
728 生活費欲しさから強盗を計画し,
729 12歳の長男乙に対し,
730 Vから現金を強取するよう
731 指示した。
732
733 乙は,
734 甲の指示に従い,
735 Vに刃物を突き付けて現金を強取した。
736
737 乙が是非善悪の判
738 断能力を有していたか否か,
739 甲の指示により意思を抑圧されていたか否かにかかわらず,
740 甲に
741 は強盗罪の間接正犯が成立する。
742
743
744 2.甲は,
745 通常の判断能力がないVの殺害を計画し,
746 Vに対し,
747 首をつっても仮死状態になるだ
748 けであり,
749 必ず生き返るとだまして,
750 Vに首をつらせて窒息死させた。
751
752 甲には自殺関与罪が成
753 立する。
754
755
756 3.甲と乙は,
757 自分たちのことを日頃ばかにするVを懲らしめてやろうと思い,
758 Vに傷害を負わ
759 せる旨共謀した。
760
761 そして,
762 甲と乙は,
763 それぞれ,
764 Vに対し,
765 日頃の恨みを言いながら,
766 その身
767 体を殴り付けた。
768
769 Vは,
770 これに応答して甲らを罵った。
771
772 すると,
773 乙は,
774 Vの発言に腹を立て,
775
776 殺意をもって,
777 隠し持っていたナイフでVを刺し殺した。
778
779 乙に殺人罪が成立する場合,
780 甲には,
781
782 Vに対する殺意がなくても殺人罪の共同正犯が成立する。
783
784
785 4.甲は,
786 V宅に石を投げ付け窓ガラスを割り始めた。
787
788 これをたまたま見た乙は,
789 自分も窓ガラ
790 スを割りたいと思い,
791 甲に気が付かれないよう,
792 V宅に石を投げ付け,
793 甲が割った窓ガラスと
794 は別の窓ガラスを割った。
795
796 甲と乙には器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
797
798
799 5.女性である甲は,
800 甲の男友達である乙との間で,
801 乙がVを強姦する旨共謀した。
802
803 その後,
804 甲
805 がVを誘い出してVの体を押さえ付け,
806 乙がVを強姦した。
807
808 乙に強姦罪が成立する場合でも,
809
810 甲には強姦罪の共同正犯は成立しない。
811
812
813
814 -8 -
815
816 [刑事訴訟法]
817 〔第14問〕(配点:2)
818 捜査機関の権限に関する次の1から5までの各記述のうち,
819 誤っているものはどれか。
820
821 (解答欄
822 は,
823 [21])
824 1.検察官は,
825 司法警察員の取調べに際して任意の供述をした犯行の目撃者が,
826 公判期日におい
827 ては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり,
828 かつ,
829 その者の供述が犯罪の証明に欠く
830 ことができないと認められる場合には,
831 第1回公判期日前に限り,
832 裁判官にその者の証人尋問
833 を請求することができる。
834
835
836 2.司法警察員は,
837 告訴を受けた事件に関する書類及び証拠物について,
838 当該事件について犯罪
839 の嫌疑がないものと思料するときは,
840 検察官に送付しないことができる。
841
842
843 3.検察官は,
844 司法警察員から送致を受けた事件であっても,
845 捜査の必要があると思料するとき
846 は,
847 自ら,
848 捜索差押許可状の発付を受けて,
849 捜索差押えを行うことができる。
850
851
852 4.司法警察員は,
853 少年の被疑事件について捜査を遂げた結果,
854 罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌
855 疑があるものと思料するときは,
856 これを検察官ではなく家庭裁判所に送致しなければならない。
857
858
859 5.司法巡査は,
860 犯罪の捜査について必要があるときは,
861 犯罪の被害者の出頭を求め,
862 これを取
863 り調べることができる。
864
865
866
867 -9 -
868
869 〔第15問〕(配点:2)
870 次の【事例】に関する警察官の捜査活動等について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
871
872 正しいものの組合せは,
873 後記1から5までのうちどれか。
874
875 (解答欄は,
876 [22])
877 【事
878
879 例】
880 H警察署司法警察員は,
881 「平成24年3月1日午後9時,
882 I市内にあるJ倉庫裏において,
883 甲
884
885 が乙に覚せい剤を譲り渡すという覚せい剤取引の計画がある。
886
887 」旨の情報を入手した。
888
889 そこで,
890
891 司法警察員は,
892 部下である司法巡査X及び司法巡査Yに対して,
893 前記覚せい剤取引を確認した場
894 合には甲及び乙を逮捕するように指示した。
895
896 その後,
897 司法巡査X及び司法巡査Yは,
898 同日午後9
899 時,
900 前記J倉庫裏において,
901 甲が乙にアタッシュケースを渡したのを現認したので,
902 直ちに,
903 甲
904 及び乙に対する職務質問を開始した。
905
906 しかし,
907 甲は,
908 その場から逃走し,
909 司法巡査Xはこれを追
910 跡したものの,
911 見失った。
912
913 これに対し,
914 乙は,
915 その場に留まり,
916 司法巡査Yの求めに任意に応じ
917 て前記アタッシュケースを開披し,
918 その中に入っていた白色粉末入りのビニール袋を司法巡査Y
919 に渡した。
920
921 そして,
922 司法巡査Yは,
923 乙の同意を得た上で,
924 試薬を使用してその白色粉末が覚せい
925 剤であることを確認したことから,
926 同日午後9時20分,
927 乙を覚せい剤所持の事実により現行犯
928 逮捕した。
929
930 その後,
931 乙は,
932 同日午後10時,
933 司法警察員に引致された。
934
935 一方,
936 甲を捜していた司
937 法巡査Xは,
938 司法巡査Yから,
939 携帯電話により,
940 前記アタッシュケースの中には覚せい剤が入っ
941 ていたことを聞いた。
942
943 そして,
944 司法巡査Xは,
945 同日午後11時50分,
946 I市内において,
947 甲を発
948 見したことから,
949 甲を覚せい剤譲渡の事実により緊急逮捕し,
950 司法警察員に引致した。
951
952 その後,
953
954 甲には,
955 同年2月27日に同市内の宝石店において100万円相当の宝石を窃取したという窃盗
956 の余罪があることが判明した。
957
958
959 【記
960
961 述】
962
963 ア.乙が所持していた覚せい剤を押収するには,
964 差押許可状の発付を受ける必要がある。
965
966
967 イ.甲及び乙の引致を受けた司法警察員は,
968 緊急逮捕された甲については,
969 弁解の機会を与える
970 必要があるが,
971 現行犯逮捕された乙については,
972 弁解の機会を与える必要がない。
973
974
975 ウ.甲については,
976 直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならないが,
977 司法巡査Xも
978 この手続をすることができる。
979
980
981 エ.甲については,
982 覚せい剤譲渡の事実により逮捕されている間でも,
983 前記窃盗の事実により逮
984 捕することができる。
985
986
987 オ.乙について検察官に送致する手続をする場合には,
988 この手続を平成24年3月3日午後10
989 時までにしなければならない。
990
991
992 1.ア
993
994 イ
995
996 2.ア
997
998 オ
999
1000 3.イ
1001
1002 ウ
1003
1004 4.ウ
1005
1006 エ
1007
1008 5.エ
1009
1010 オ
1011
1012 (参照条文)覚せい剤取締法
1013 第41条の2第1項
1014
1015 覚せい剤を,
1016 みだりに,
1017 所持し,
1018 譲り渡し,
1019 又は譲り受けた者(第42条第
1020
1021 5号に該当する者を除く。
1022
1023 )は,
1024 10年以下の懲役に処する。
1025
1026
1027 〔第16問〕(配点:2)
1028 次のアからオまでの各手続のうち,
1029 その手続に関して裁判官の裁判が必要となるものの組合せは,
1030
1031 後記1から5までのうちどれか。
1032
1033 (解答欄は,
1034 [23])
1035 ア.私人が,
1036 窃盗行為に及んだ者を現行犯逮捕する場合
1037 イ.司法警察員が,
1038 殺人を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある者を緊急逮捕する場合
1039 ウ.検察官が,
1040 逮捕状に基づき逮捕された者を司法警察員から受け取った後,
1041 勾留請求せずに釈
1042 放する場合
1043 エ.殺人の事実で勾留中に起訴された者につき,
1044 同じ事実で引き続き勾留する場合
1045 オ.窃盗の事実で逮捕中に起訴された者につき,
1046 同じ事実で勾留する場合
1047 1.ア
1048
1049 ウ
1050
1051 2.ア
1052
1053 エ
1054
1055 3.イ
1056
1057 ウ
1058
1059 4.イ
1060 - 10 -
1061
1062 オ
1063
1064 5.エ
1065
1066 オ
1067
1068 〔第17問〕(配点:3)
1069 覚せい剤取締法違反被疑事件の捜査に関する次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記
1070 述】のうち,
1071 誤っているものの組合せは後記1から5までのうちどれか。
1072
1073 ただし,
1074 判例がある場合
1075 には,
1076 それに照らして考えるものとする。
1077
1078 (解答欄は,
1079 [24])
1080 【事
1081
1082 例】
1083 路上で騒いでいる男がいるとの通報を受けた司法警察員Xらが,
1084 パトカーで現場に駆けつけた
1085
1086 ところ,
1087 甲が上半身裸で大声を出していた。
1088
1089 Xらは,
1090 甲の言語や態度から,
1091 覚せい剤の使用を疑
1092 い,
1093 職務質問をすべく,
1094 パトカーから降りて甲に近づいた。
1095
1096 甲は,
1097 Xらに気付くと,
1098 その場から
1099 立ち去ろうとしたため,
1100 @Xは,
1101 甲を追い掛け,
1102 「待ちなさい。
1103
1104 」などと声を掛けながら,
1105 甲の肩
1106 に右手を掛けて引き留めた。
1107
1108 甲は,
1109 ふて腐れた様子で文句を言ったが,
1110 それ以上,
1111 その場から離
1112 れようとはしなかったため,
1113 Xは甲の肩から手を離した。
1114
1115 Xは,
1116 多くの野次馬が集まってきたた
1117 め,
1118 甲に対し,
1119 最寄りのH警察署への同行を求めた。
1120
1121 A甲は,
1122 当初,
1123 これを拒否していたが,
1124 最
1125 終的には渋々パトカーに乗車し,
1126 XらとともにH警察署に赴いた。
1127
1128 同署に到着後,
1129 Xは,
1130 甲の左
1131 腕に注射痕らしきものがあるのを認め,
1132 甲に対し,
1133 覚せい剤使用の事実について尋ねたが,
1134 甲は
1135 これを否定した。
1136
1137 Xは,
1138 甲に対し,
1139 尿の提出を再三にわたって求めたが,
1140 甲はこれを拒絶し続け
1141 た。
1142
1143 そこでXは,
1144 強制採尿もやむなしと考え,
1145 B裁判官より強制採尿令状の発付を受けた。
1146
1147 Xは,
1148
1149 甲に対し,
1150 同令状を示して再度尿の任意提出を求めたが,
1151 甲は,
1152 なおもこれを拒むとともに,
1153 最
1154 寄りのJ病院へ赴くことをも拒んだ。
1155
1156 そこでCXは,
1157 数名がかりで甲をJ病院まで連行した。
1158
1159 甲
1160 は,
1161 同病院の病室に連行された後も,
1162 身体を動かして激しく抵抗し,
1163 説得にも応じなかったため,
1164
1165 DXら数名が甲の身体を同病室のベッド上に押さえ付けた上で,
1166 医師において,
1167 カテーテルを甲
1168 の尿道に挿入して尿を採取した。
1169
1170 同尿を鑑定したところ,
1171 覚せい剤の成分の含有が認められたこ
1172 とから,
1173 甲は,
1174 覚せい剤取締法違反(自己使用)の疑いで緊急逮捕された。
1175
1176
1177 【記
1178
1179 述】
1180
1181 ア.下線部@については,
1182 職務質問において有形力の行使は一切許されないから違法となる。
1183
1184
1185 イ.下線部Aについては,
1186 甲が最終的にパトカーに乗車することには応じたとしても,
1187 その前後
1188 の状況によっては,
1189 甲をH警察署に連れて行った行為が違法と判断される場合がある。
1190
1191
1192 ウ.下線部Bの令状については,
1193 医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせなけれ
1194 ばならない旨の条件の記載が不可欠である。
1195
1196
1197 エ.下線部Cについては,
1198 甲を採尿場所へ任意に同行することが事実上不可能であると認められ
1199 る場合であっても,
1200 有形力を行使することは許されない。
1201
1202
1203 オ.下線部Dについては,
1204 採尿を安全に実施するにつき必要最小限度にとどまるものと認められ
1205 る有形力の行使は許される。
1206
1207
1208 1.ア
1209
1210 ウ
1211
1212 2.ア
1213
1214 エ
1215
1216 3.イ
1217
1218 エ
1219
1220 4.イ
1221
1222 オ
1223
1224 5.ウ
1225
1226 オ
1227
1228 〔第18問〕(配点:2)
1229 次のアからオまでの場合のうち,
1230 刑事訴訟法の規定上,
1231 被疑者の弁護人又は被告人の弁護人が立
1232 会いを求めることができるものの組合せは,
1233 後記1から5までのうちどれか。
1234
1235
1236 (解答欄は,
1237
1238 [25]
1239 )
1240 ア.警察官が,
1241 裁判官により発せられた捜索許可状に基づき,
1242 被疑者方を捜索する場合
1243 イ.裁判官が,
1244 検察官からの勾留請求を受け,
1245 被疑者に対し,
1246 勾留質問をする場合
1247 ウ.裁判官が,
1248 勾留されている被疑者につき,
1249 公開の法廷において,
1250 勾留の理由を開示する場合
1251 エ.裁判官が,
1252 刑事訴訟法第226条に基づいて,
1253 検察官の請求により,
1254 犯罪の捜査に欠くこと
1255 のできない知識を有すると明らかに認められる者につき,
1256 第1回公判期日前に証人尋問を行う
1257 場合
1258 オ.裁判所が,
1259 起訴された被告事件の犯行現場を検証する場合
1260 1.ア
1261
1262 イ
1263
1264 2.ア
1265
1266 ウ
1267
1268 3.イ
1269
1270 エ
1271
1272 4.ウ
1273 - 11 -
1274
1275 オ
1276
1277 5.エ
1278
1279 オ
1280
1281 〔第19問〕(配点:3)
1282 次のTないしVの【見解】は,
1283 公訴時効の根拠に関してのものである。
1284
1285 【見解】に関する後記ア
1286 からオまでの【記述】のうち,
1287 誤っているものの組合せは,
1288 後記1から5までのうちどれか。
1289
1290 (解
1291 答欄は,
1292 [26])
1293 【見
1294
1295 解】
1296
1297 T.時間の経過により犯罪行為の可罰性が消滅するので,
1298 訴追の対象としない。
1299
1300
1301 U.時間の経過により証拠が散逸し,
1302 公正な審理を行うことができなくなるので,
1303 訴追の対象と
1304 しない。
1305
1306
1307 V.時間の経過により長期間訴追されなかったという被告人の法的地位の安定を図る必要がある
1308 ので,
1309 訴追の対象としない。
1310
1311
1312 【記
1313
1314 述】
1315
1316 ア.Tの見解に対しては,
1317 刑の軽重により,
1318 公訴時効が異なることを説明できないとの批判があ
1319 る。
1320
1321
1322 イ.Tの見解に対しては,
1323 公訴時効完成後に公訴が提起された場合の判決が免訴という形式裁判
1324 であることを説明できないとの批判がある。
1325
1326
1327 ウ.Uの見解に対しては,
1328 犯人が国外にいる場合に公訴時効がその進行を停止することを説明で
1329 きないとの批判がある。
1330
1331
1332 エ.Uの見解に対しては,
1333 法改正により,
1334 公訴時効の期間が延長された場合,
1335 特別の定めを置か
1336 ない限り,
1337 既に行われた犯罪行為に対し,
1338 新法を適用することができないとの批判がある。
1339
1340
1341 オ.Vの見解に対しては,
1342 被告人の法的地位の安定は,
1343 正当な利益ないし権利といえるものでは
1344 なく,
1345 公訴時効制度があることによる反射的利益にすぎないとの批判がある。
1346
1347
1348 1.ア
1349
1350 ウ
1351
1352 2.ア
1353
1354 エ
1355
1356 3.イ
1357
1358 ウ
1359
1360 4.イ
1361
1362 オ
1363
1364 5.エ
1365
1366 オ
1367
1368 〔第20問〕(配点:2)
1369 保釈に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1370 正しいものの組合せは,
1371 後記1から5までのう
1372 ちどれか。
1373
1374 (解答欄は,
1375 [27])
1376 ア.裁判所は,
1377 犯罪の性質や情状によっては,
1378 保証金額を定めずに保釈を許可することができる。
1379
1380
1381 イ.裁判員裁判対象事件は,
1382 刑事訴訟法第89条第1号の「死刑又は無期若しくは短期1年以上
1383 の懲役若しくは禁錮に当たる罪」に該当するから,
1384 保釈は認められない。
1385
1386
1387 ウ.保釈が許可されても,
1388 保証金(又はこれに代えることを許された有価証券,
1389 保証書)が納付
1390 されなければ,
1391 被告人は釈放されない。
1392
1393
1394 エ.裁判所は,
1395 保釈中に被告人が他の罪を犯した場合,
1396 保釈を取り消さなければならない。
1397
1398
1399 オ.勾留されている被告人やその弁護人のみならず,
1400 被告人の配偶者や直系の親族も,
1401 保釈の請
1402 求をすることができる。
1403
1404
1405 1.ア
1406
1407 イ
1408
1409 2.ア
1410
1411 エ
1412
1413 3.イ
1414
1415 ウ
1416
1417 4.ウ
1418
1419 - 12 -
1420
1421 オ
1422
1423 5.エ
1424
1425 オ
1426
1427 〔第21問〕(配点:2)
1428 刑事事件の通常の第一審公判において行われる次のアからオまでの各手続を先に行われるものか
1429 ら時系列に沿って並べた場合,
1430 正しいものは,
1431 後記1から5のうちどれか。
1432
1433 (解答欄は,
1434 [28])
1435 ア.弁護人の弁論
1436 イ.検察官の冒頭陳述
1437 ウ.人定質問
1438 エ.黙秘権等の告知
1439 オ.起訴状朗読
1440 1.オエウイア
1441
1442 2.オウエアイ
1443
1444 3.オウアエイ
1445
1446 4.ウオエイア
1447
1448 5.ウエオイア
1449 〔第22問〕(配点:2)
1450 第一審の被告人質問に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1451 正しいものの組合せは,
1452 後記1
1453 から5までのうちどれか。
1454
1455 (解答欄は,
1456 [29])
1457 ア.被告人質問については,
1458 証拠調べの最終の段階で行うこととされており,
1459 検察官の立証が終
1460 了する前に被告人質問を実施することは許されない。
1461
1462
1463 イ.被告人質問を実施するためには証拠調べの請求や決定を必要としない。
1464
1465
1466 ウ.被告人質問を開始するに当たっては,
1467 あらかじめ被告人に供述する意思の有無を確かめなけ
1468 れば違法な手続となる。
1469
1470
1471 エ.被告人質問においては,
1472 まず弁護人が質問し,
1473 次いで検察官が質問をするという順番によら
1474 なければならない。
1475
1476
1477 オ.当事者の質問終了後,
1478 裁判長が被告人に対し質問をしなかったとしても,
1479 訴訟手続の法令違
1480 反の問題は生じない。
1481
1482
1483 1.ア
1484
1485 ウ
1486
1487 2.ア
1488
1489 エ
1490
1491 3.イ
1492
1493 ウ
1494
1495 4.イ
1496
1497 - 13 -
1498
1499 オ
1500
1501 5.エ
1502
1503 オ
1504
1505 〔第23問〕(配点:3)
1506 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1507 正しい場合には1を,
1508 誤って
1509 いる場合には2を選びなさい。
1510
1511 (解答欄は,
1512 アからオの順に[30]から[34])
1513 【事
1514
1515 例】
1516 甲及び乙は,
1517 共謀の上,
1518 平成24年12月5日午前1時頃,
1519 H市内のコンビニエンスストア「T」
1520
1521 において,
1522 同店店員Vから現金10万円を強取したとしてH地方裁判所に起訴され,
1523 併合審理さ
1524 れることとなった。
1525
1526 この審理において,
1527 V,
1528 甲の妻A及び知人Bに対する証人尋問が行われたと
1529 ころ,
1530 Vは,
1531 「2人組の犯人が店から出て行く際,
1532 犯人の1人がもう1人の犯人に対し,
1533 『@甲,
1534
1535 早く逃げるぞ。
1536
1537 』と言っていた。
1538
1539 」旨を証言した。
1540
1541 次に,
1542 Aは,
1543 「平成24年12月8日午後3時
1544 頃,
1545 自宅において,
1546 甲から『A3日前の午前1時頃,
1547 乙と一緒に,
1548 H市内のコンビニエンススト
1549 ア「T」で,
1550 果物ナイフを店員に突き付けて現金10万円を奪ってきた。
1551
1552 見付からないと思って
1553 いたが,
1554 乙が捕まった。
1555
1556 ひょっとしたら,
1557 乙が自分のことを話すかもしれない。
1558
1559 そうなると,
1560 警
1561 察が来るだろう。
1562
1563 頼む。
1564
1565 B3日前の午前1時頃には,
1566 俺が自宅で寝ていたということにして欲し
1567 い。
1568
1569 』と言われた。
1570
1571 」旨を証言した。
1572
1573 次に,
1574 Bは,
1575 「平成24年12月4日,
1576 甲から,
1577 『C明日の午
1578 前1時頃,
1579 H市内のコンビニエンスストアで強盗をしないか。
1580
1581 』と言われたが,
1582 断った。
1583
1584 」旨を証
1585 言した。
1586
1587 また,
1588 乙に対する被告人質問において,
1589 乙は,
1590 「甲と一緒に強盗をした際,
1591 甲が店員に
1592 『D金を出せ。
1593
1594 出さないと殺すぞ。
1595
1596 』と言っていた。
1597
1598 」旨を供述した。
1599
1600
1601 【記
1602
1603 述】
1604
1605 ア.下線部@の発言は,
1606 要証事実を「犯行後,
1607 犯人の1人が逃走を呼び掛けた相手が甲と呼ばれ
1608 ていたこと」とした場合,
1609 伝聞証拠ではない。
1610
1611 [30]
1612 イ.下線部Aの発言は,
1613 要証事実を「甲が乙と一緒に強盗を実行したこと」とした場合,
1614 伝聞証
1615 拠ではない。
1616
1617 [31]
1618 ウ.下線部Bの発言は,
1619 要証事実を「甲がAに甲のアリバイ作りに協力するよう依頼したこと」
1620 とした場合,
1621 伝聞証拠ではない。
1622
1623 [32]
1624 エ.下線部Cの発言は,
1625 要証事実を「甲がBに強盗を実行することを持ち掛けたこと」とした場
1626 合,
1627 伝聞証拠ではない。
1628
1629 [33]
1630 オ.下線部Dの発言は,
1631 要証事実を「甲がVを脅迫したこと」とした場合,
1632 伝聞証拠ではない。
1633
1634
1635 [34]
1636
1637 - 14 -
1638
1639 〔第24問〕(配点:3)
1640 量刑において起訴されていない犯罪事実,
1641 すなわち余罪をどう扱うべきかに関し,
1642 「量刑は,
1643 被
1644 告人の性格,
1645 経歴及び犯罪の動機,
1646 目的,
1647 方法等全ての事情を考慮して,
1648 裁判所が処断刑の範囲内
1649 において,
1650 適当に決定すべきものであるから,
1651 その量刑のための一情状として,
1652 いわゆる余罪をも
1653 考慮することは,
1654 必ずしも禁じられるところではない。
1655
1656 」との見解がある。
1657
1658 次のアからオまでの各
1659 記述のうち,
1660 この見解に対する批判になり得ないものの組合せは,
1661 後記1から5までのうちどれか。
1662
1663
1664 (解答欄は,
1665 [35])
1666 ア.起訴された犯罪事実のほかに,
1667 起訴されていない犯罪事実を余罪として認定し,
1668 実質上これ
1669 を処罰する趣旨で量刑資料として考慮し,
1670 被告人を重く処罰することとの区別が実際には困難
1671 な場合がある。
1672
1673
1674 イ.余罪が考慮できないと,
1675 犯罪に至らない不当な行状などが情状事実に含まれることと均衡を
1676 失する。
1677
1678
1679 ウ.余罪は被告人が犯した別の犯罪事実であるから,
1680 情状事実である犯罪傾向の有力な間接事実
1681 となる。
1682
1683
1684 エ.刑事裁判手続において犯罪事実の認定手続と量刑手続とは区分されていないため,
1685 量刑資料
1686 である余罪が犯罪事実の認定に不当な影響を及ぼすおそれがある。
1687
1688
1689 オ.余罪も犯罪事実であるため,
1690 その認定に当たっては,
1691 起訴された犯罪事実に準じた手続保障
1692 を求めるべきであるが,
1693 量刑のための一情状だとすると厳格な証明を要しないことになる。
1694
1695
1696 1.ア
1697
1698 ウ
1699
1700 2.ア
1701
1702 オ
1703
1704 3.イ
1705
1706 ウ
1707
1708 4.イ
1709
1710 エ
1711
1712 5.エ
1713
1714 オ
1715
1716 〔第25問〕(配点:2)
1717 公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1718 正しいものの組合せは,
1719 後記1から
1720 5までのうちどれか。
1721
1722 (解答欄は,
1723 [36])
1724 ア.裁判所は,
1725 被告人に弁護人がなければ公判前整理手続を行うことができない。
1726
1727
1728 イ.裁判所は,
1729 訴因の変更を許すことができない。
1730
1731
1732 ウ.裁判所は,
1733 証拠調べをする決定をすることができる。
1734
1735
1736 エ.検察官は,
1737 証明予定事実を記載した書面について,
1738 裁判所への提出を免除される場合がある。
1739
1740
1741 オ.被告人又は弁護人は,
1742 取調べを請求した証拠について,
1743 検察官に対し,
1744 開示する必要がない。
1745
1746
1747 1.ア
1748
1749 イ
1750
1751 2.ア
1752
1753 ウ
1754
1755 3.イ
1756
1757 エ
1758
1759 4.ウ
1760
1761 オ
1762
1763 5.エ
1764
1765 オ
1766
1767 〔第26問〕(配点:2)
1768 控訴に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1769 正しいものの組合せは,
1770 後記1から5までのう
1771 ちどれか。
1772
1773 ただし,
1774 判例がある場合には,
1775 それに照らして考えるものとする。
1776
1777
1778 (解答欄は,
1779
1780 [37])
1781 ア.控訴裁判所は,
1782 事後審なので,
1783 原判決の言渡し後に生じた刑の量定に影響を及ぼすべき情状
1784 について取り調べることはできない。
1785
1786
1787 イ.簡易裁判所がした刑事第一審の判決に対する控訴については,
1788 地方裁判所ではなく,
1789 高等裁
1790 判所が裁判権を有する。
1791
1792
1793 ウ.控訴裁判所は,
1794 被告人のみが控訴をした事件について,
1795 原判決の認定した事実に誤認がある
1796 と認める場合には,
1797 それより被告人に不利益な事実を認定することができる場合もある。
1798
1799
1800 エ.控訴審では,
1801 第一審の公判手続に関する規定が準用されるので,
1802 被告人は,
1803 公判期日におい
1804 て,
1805 控訴趣意書に基づき自ら弁論をすることができる。
1806
1807
1808 オ.第一審における弁護人は,
1809 判決の宣告により弁護人の選任の効力が失われるので,
1810 被告人の
1811 ため控訴をすることができず,
1812 控訴をするには改めて弁護人として選任される必要がある。
1813
1814
1815 1.ア
1816
1817 イ
1818
1819 2.ア
1820
1821 エ
1822
1823 3.イ
1824
1825 ウ
1826
1827 4.ウ
1828
1829 - 15 -
1830
1831 オ
1832
1833 5.エ
1834
1835 オ
1836
1837