1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 - 1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 正当防衛及び緊急避難に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
9 正しいものはどれか。(解答欄は,[bP])
10 1.国家的法益を防衛するための正当防衛が成立する余地はない。
11 2.相手方から急迫不正の侵害を受け,第三者の所有物を用いて相手方に反撃し,同所有物を損
12 壊した場合において,その行為が器物損壊罪の構成要件に該当するとき,その行為につき緊急
13 避難が成立する余地はない。
14 3.相手方から急迫不正の侵害を受け,これに逆上して相手方に反撃を加えた場合,正当防衛が
15 成立する余地はない。
16 4.相手方から急迫不正の侵害を受け,相手方に反撃を加えた場合,その侵害が相手方の過失に
17 基づくものであれば,正当防衛が成立する余地はない。
18 5.正当防衛が成立する行為に対しては,正当防衛が成立する余地はない。
19 〔第2問〕(配点:3)
20 放火の罪等に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
21 (解答欄は,
22 [bQ],[bR]順不同)
23 1.建造物等以外放火罪は,抽象的危険犯である。
24 2.建造物等以外放火罪には,未遂処罰規定がない。
25 3.人がいない他人所有の空き家に放火し,予期せずその火が現に人が居住する隣家に燃え移っ
26 てこれを焼損した場合は,延焼罪が成立する。
27 4.客を乗せて航行中の他人所有のフェリーに放火した場合は,建造物等以外放火罪が成立する。
28 5.失火により,自己所有の自動二輪車を焼損し,それによって公共の危険を生じさせた場合は,
29 失火罪が成立する。
30 〔第3問〕(配点:2)
31 学生A,B及びCは,不真正不作為犯の作為義務違反に関して次の【会話】のとおり検討してい
32 る。【会話】中の@からDまでの(
33
34 )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,
35
36 後記1から5までのうちどれか。ただし,【会話】中の「法律上の防止義務」とは,法令,法律行
37 為,条理等に基づき法益侵害を防止する法的義務をいい,また,いずれの事例も結果回避は容易で
38 あったとする。(解答欄は,[bS])
39 【会
40
41 話】
42
43 学生A.「甲は,人通りの多い市街地で自動車を運転していた際,誤って乙を跳ねて重傷を負わ
44 せたが,怖くなったことから,乙を放置したまま逃走したところ,乙が死亡した。」とい
45 う事例において,殺人罪の成否に関し,不真正不作為犯の作為義務を検討してみよう。私
46 は,不真正不作為犯の作為義務違反は,法律上の防止義務を負う者が,法益侵害への因果
47 関係を具体的・現実的に支配している状況下で防止措置を採らなかった場合に認められる
48 と考えるので,甲には作為義務違反が@(a.認められる・b.認められない)ことにな
49 る。
50 学生B.私は,不真正不作為犯の作為義務違反は,法律上の防止義務を負う者が,既に発生して
51 いる法益侵害の危険を利用する意思で防止措置を採らなかった場合に認められると考える
52 ので,この事例では,甲には作為義務違反がA(a.認められる・b.認められない)こ
53 とになる。
54 学生C.私は,不真正不作為犯の作為義務違反は,法益侵害に向かう因果の流れを自ら設定した
55
56 - 2 -
57
58 者が,その法益侵害の防止措置を採らなかった場合に認められると考えるので,この事例
59 では,甲には作為義務違反がB(a.認められる・b.認められない)ことになる。
60 学生A.次に,「一人暮らしをしている丙は,自宅に遊びに来ていた丁が帰った後,丁のたばこ
61 の火の不始末でカーテンが燃えているのに気付いたが,家に掛けてある火災保険の保険金
62 を手に入れようと考え,そのまま放置して外出したところ,カーテンの火が燃え移って家
63 が全焼した。」という事例において,非現住建造物等放火罪の成否に関し,不真正不作為
64 犯の作為義務を検討してみよう。C君の立場からだと,丙には作為義務違反がC(a.認
65 められる・b.認められない)ことになるよね。
66 学生B.先ほど話した私の立場からは,今の事例では,丙には作為義務違反がD(a.認められ
67 る・b.認められない)ことになる。
68 1.@a
69
70 Ab
71
72 Ba
73
74 Ca
75
76 Db
77
78 2.@a
79
80 Aa
81
82 Bb
83
84 Ca
85
86 Db
87
88 3.@b
89
90 Aa
91
92 Ba
93
94 Cb
95
96 Db
97
98 4.@b
99
100 Ab
101
102 Ba
103
104 Cb
105
106 Da
107
108 5.@b
109
110 Ab
111
112 Bb
113
114 Ca
115
116 Da
117
118 〔第4問〕(配点:4)
119 住居を侵す罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,正しい場合には1
120 を,誤っている場合には2を選びなさい。
121 (解答欄は,アからオの順に[bT]から[bX])
122 ア.強盗の意図を隠してA方の玄関前で「こんばんは。」と言ったところ,来客と勘違いしたA
123 から「どうぞお入りください。」と言われてA方住居に立ち入った場合,住居侵入罪が成立す
124 る。[bT]
125 イ.建造物への立入りが平穏な態様で行われた場合には,管理権者があらかじめ立入り拒否の意
126 思を積極的に明示していない限り,建造物侵入罪が成立することはない。[bU]
127 ウ.平穏を害する態様での住居への立入りであっても,住居権者の同意に基づくものである場合
128 には,住居侵入罪の構成要件には該当するが,違法性が阻却される。[bV]
129 エ.現金自動預払機が設置されている銀行支店出張所は,一般の利用客の立入りが許容されてい
130 る場所であるので,同機を利用する客のキャッシュカードの暗証番号等を盗撮する目的で立ち
131 入っても,平穏な態様での立入りであれば,建造物侵入罪が成立することはない。[bW]
132 オ.住居権者の意思に反して住居に立ち入った上,その後,退去を求められたにもかかわらず数
133 日間にわたってその住居に滞留した場合には,住居侵入罪だけでなく,不退去罪も成立する。
134 [bX]
135
136 - 3 -
137
138 〔第5問〕(配点:2)
139 学生A,B及びCは,次の【事例】における甲の罪責について,後記【会話】のとおり検討してい
140 る。【会話】中の@からDまでの(
141
142 )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,
143
144 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[10])
145 【事
146
147 例】
148 甲は,乙が甲に向けて拳銃を発射してきたので,防衛のため,殺意をもって,携帯していた拳
149
150 銃を乙に向けて発射した。その弾丸は,乙に当たり乙を死亡させるとともに,乙を貫通して,た
151 またま乙のそばを通り掛かった丙にも当たって丙を死亡させた。
152 【会
153
154 話】
155
156 学生A.私は,甲の行為は,乙に対する殺人既遂罪と丙に対する殺人既遂罪の構成要件に該当す
157 ると考えます。そして,乙に対する行為については,正当防衛が成立すると考えます。こ
158 れを前提として丙に対する行為について検討しましょう。私は,@(a.正当防衛・b.
159 緊急避難)が成立すると考えます。
160 学生B.私は,Aさんの見解に反対です。この事例のように,防衛行為によって攻撃者以外の第
161 三者の法益を侵害した場合,第三者との関係は,「正対不正」の関係とはいえないと考え
162 るからです。私は,丙に対する行為については,A(c.正当防衛・d.緊急避難)が成
163 立すると考えます。
164 学生A.私は,A(c.正当防衛・d.緊急避難)が成立するためには,当該第三者の法益を侵
165 害したことによって初めて現在の危難を避けることができたという関係が必要だと考える
166 ので,Bさんの見解には反対です。Cさんは,どう考えますか。
167 学生C.甲は,主観的にはB(e.正当防衛・f.緊急避難)と認識して拳銃を発射し,丙に死
168 亡の結果が発生しているので,丙に対する行為については,C(g.誤想防衛・h.誤想
169 避難)であると考えます。そして,C(g.誤想防衛・h.誤想避難)についての判例の
170 立場によれば,D(i.違法性・j.故意)が阻却されると考えます。
171 1.@a
172
173 Ad
174
175 Be
176
177 Cg
178
179 Dj
180
181 2.@b
182
183 Ac
184
185 Bf
186
187 Ch
188
189 Di
190
191 3.@a
192
193 Ad
194
195 Bf
196
197 Ch
198
199 Dj
200
201 4.@b
202
203 Ac
204
205 Be
206
207 Ch
208
209 Dj
210
211 5.@a
212
213 Ad
214
215 Be
216
217 Cg
218
219 Di
220
221 〔第6問〕(配点:2)
222 文書偽造の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,Xに
223
224
225 )内の罪が成立しないものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。
226 (解
227
228 答欄は,[11])
229 ア.医師Xは,Yに依頼され,Yが保険会社に提出するために虚偽の病名を記載した診断書を作
230 成した。(虚偽診断書作成罪)
231 イ.Xは,自動車運転免許の効力停止中に自動車を運転し,速度違反の取締りを受けた際,警察
232 官に対し,あらかじめYから名義使用の承諾を受けていたことから,Yの氏名を名乗り,交通
233 事件原票の供述者欄にY名義で署名押印した。(有印私文書偽造罪)
234 ウ.Yの代理人でないXは,Yに無断で,行使の目的をもって,金銭消費貸借契約書用紙に「Y
235 代理人X」と記載し,その横に「X」と刻した印鑑を押すなどして,Yを債務者とする金銭消
236 費貸借契約書を作成した。(有印私文書偽造罪)
237 エ.Xは,身分証明書として使おうと考え,A県公安委員会が発行したYの自動車運転免許証の
238 写真をXの写真に貼り替えた。(有印公文書偽造罪)
239 オ.Xは,Yの所有する不動産を勝手に売却しようと考え,Yに無断で,行使の目的をもって,
240
241 - 4 -
242
243 不動産の売買契約書用紙に売主として「Y」と記載するなどして,同不動産の売買契約書を作
244 成したが,「Y」と刻した印鑑は押さなかった。(無印私文書偽造罪)
245 1.ア
246
247
248
249 2.ア
250
251
252
253 3.イ
254
255
256
257 4.イ
258
259
260
261 5.エ
262
263
264
265 〔第7問〕(配点:3)
266 因果関係に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選
267 びなさい。(解答欄は,[12],[13]順不同)
268 1.甲が,殺害目的でVの首を両手で絞め,失神してぐったりとしたVを死んだものと誤解し,
269 死体を隠すつもりでVを雪山に運んで放置したところ,Vは意識を回復しないまま凍死した。
270 甲がVの首を両手で絞めた行為とVの死亡との間には,因果関係がない。
271 2.甲が,心臓発作を起こしやすい持病を持ったVを突き飛ばして尻餅をつくように路上に転倒
272 させたところ,Vはその転倒のショックで心臓発作を起こして死亡した。Vにその持病がある
273 ことを甲が知り得なかった場合でも,甲がVを突き飛ばして路上に転倒させた行為とVの死亡
274 との間には,因果関係がある。
275 3.甲は,Vの頸部を包丁で刺し,Vは,同刺創に基づく血液循環障害による脳機能障害により
276 死亡した。その死亡するまでの経過は,Vは,受傷後,病院で緊急手術を受けて一命をとりと
277 め,引き続き安静な状態で治療を継続すれば数週間で退院することが可能であったものの,安
278 静にすることなく病室内を歩き回ったため治療の効果が上がらず,同脳機能障害により死亡し
279 たというものであった。この場合でも,甲がVの頸部を包丁で刺した行為とVの死亡との間に
280 は,因果関係がある。
281 4.甲は,深夜,市街地にある道幅の狭い車道上に無灯火のまま駐車していた普通乗用自動車の
282 後部トランクにVを閉じ込めて監禁したが,数分後,たまたま普通乗用自動車で通り掛かった
283 乙が居眠り運転をして同車を甲の普通乗用自動車の後部トランクに衝突させ,Vは全身打撲の
284 傷害を負い死亡した。甲がVをトランクに監禁した行為とVの死亡との間には,因果関係がな
285 い。
286 5.甲は,ホテルの一室で未成年者Vに求められてその腕に覚せい剤を注射したところ,その場
287 でVが錯乱状態に陥った。甲は,覚せい剤を注射した事実の発覚を恐れ,そのままVを放置し
288 て逃走し,Vは覚せい剤中毒により死亡した。Vが錯乱状態に陥った時点で甲がVに適切な治
289 療を受けさせることによりVを救命できた可能性が僅かでもあれば,甲がVを放置した行為と
290 Vの死亡との間には,因果関係がある。
291
292 - 5 -
293
294 〔第8問〕(配点:2)
295 わいせつの罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,誤ってい
296 るものはどれか。(解答欄は,[14])
297 1.甲は,人通りの多い駅構内において,自己の性器を露出させたが,実際には,それに気付い
298 た人はいなかった。この場合,甲には公然わいせつ罪は成立しない。
299 2.甲は,日本国外で販売する目的で,日本国内において,わいせつな映像が録画されたDVD
300 を所持した。この場合,甲にはわいせつ物有償頒布目的所持罪は成立しない。
301 3.甲は,友人乙からの土産に対するお礼として,わいせつな映像が録画されたDVD1枚を乙
302 にプレゼントした。この場合,甲にはわいせつ物頒布罪は成立しない。
303 4.甲は,不特定多数の通行人を勧誘して5名の客を集めた上,自宅であるマンションの一室に
304 おいて,外部との出入りを完全に遮断した状態で,わいせつな映像が録画されたDVDを再生
305 し,その5名の客に有料で見せた。この場合,甲にはわいせつ物公然陳列罪が成立する。
306 5.甲は,海水浴場において,不特定多数の者の面前で,乙女の衣服を全てはぎ取るなどして強
307 いてわいせつな行為をした。この場合,甲には,強制わいせつ罪が成立するのみならず,公然
308 わいせつ罪も成立する。
309 〔第9問〕(配点:2)
310 次の【事例】に関する後記1から5までの各記述のうち,甲に窃盗罪の従犯の成立を肯定する論
311 拠となり得ないものはどれか。(解答欄は,[15])
312 【事
313
314 例】
315 甲は,乙又は乙の友人が窃盗罪を犯そうとしていることを知り,その手助けのため,乙に対し,
316
317 同罪の遂行に必要な道具を貸したところ,さらに,乙はその道具を友人丙に貸し,丙がこれを用
318 いて同罪を犯した。
319 なお,丙には同罪の正犯が成立し,乙にはその従犯が成立するものとする。
320 1.従犯には独立した犯罪性が認められる。
321 2.従犯の幇助には,教唆者を教唆した者については正犯の刑を科すとする刑法第61条第2項
322 のような規定がない。
323 3.共犯は修正された構成要件に該当する行為であるところ,従犯もその構成要件においては
324 「正犯」となる。
325 4.幇助は正犯を容易にすることであるという定義からすると,幇助行為が直接的になされた
326 か,間接的になされたかは必ずしも問われない。
327 5.教唆犯に対する幇助行為は従犯として処罰される。
328 〔第10問〕(配点:2)
329 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
330 (解答欄は,
331 [16])
332 1.甲は,警察官から職務質問をされそうになったのでその場から急いで立ち去ろうと考え,た
333 またま路上に駐車されていた他人所有の自動車に乗り込み,適当な場所で乗り捨てるつもりで,
334 同自動車を運転してその場から走り去った。この場合,甲には,不法領得の意思が認められ,
335 窃盗罪が成立する。
336 2.甲は,タクシーの売上金を奪おうと考えて,乗客を装ってタクシーに乗り込み,行き先を指
337 定して人気のない場所に誘導した上,同所で,乗車料金を請求してきた運転手の首元に鋭利な
338 ガラス片を突き付けて売上金を渡すよう要求したが,同運転手から抵抗されて売上金を手に入
339 れることができず,そのままその場から立ち去った。この場合,甲には強盗未遂罪のみが成立
340 する。
341
342 - 6 -
343
344 3.甲は,視力回復の効果が全くない飲料について,その効果が絶大で入手困難なものと偽って,
345 信じた客にこれを販売し,その代金として現金の交付を受けたが,その販売価格は適正,妥当
346 なものであった。この場合,甲には詐欺罪は成立しない。
347 4.甲は,乙がその同居の親族から盗んできたカメラを,盗品であると知りながら乙から購入し
348 た。この場合,乙は,窃盗罪についての刑が免除されることから,甲には盗品等有償譲受け罪
349 は成立しない。
350 5.甲は,乙所有の土地について,価格が暴落すると偽って,これを信じた乙との間で,時価の
351 半額で同土地を買い受ける旨の売買契約を締結した。この場合,その売買契約が成立したこと
352 のみをもって,甲には詐欺既遂罪が成立する。
353
354 - 7 -
355
356 〔第11問〕(配点:2)
357 学生A,B及びCは,事実の錯誤に関して,次の【会話】のとおり検討している。
358 【会話】中の@か
359 らJまでの( )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうち
360 どれか。
361 (解答欄は,[17])
362 【会
363
364 話】
365
366 学生A.Xが甲を狙って殺人の故意で拳銃を発射し,甲にかすり傷を負わせ,さらに,その弾丸
367 が偶然に乙に命中して乙を死亡させた事例について考えてみよう。私は,同一の構成要件
368 の範囲内であれば,故意を阻却しないと考え,故意の個数については,@(a.故意の個
369 数を問題としない・b.故意の個数を問題とし一個の故意を認める)立場を採ります。で
370 すから,私は,事例の場合,故意犯としては乙に対する殺人既遂罪のみが成立すると考え
371 ます。
372 学生B.私は,基本的にはA君と同じ立場ですが,故意の個数について,A(c.故意の個数を
373 問題としない・d.故意の個数を問題とし一個の故意を認める)立場に立ちます。A君の
374 考えだと,B(e.意図した・f.意図しない)複数の客体に既遂の結果が発生した場合,
375 いずれの客体に故意犯を認めるのか不明だからです。
376 学生C.B君の立場は,C(g.罪刑法定主義・h.責任主義)に反することになりませんか。
377 私は,この原則を尊重し,D(i.客体の錯誤・j.方法の錯誤)の場合には故意を認め
378 ますが,E(k.客体の錯誤・l.方法の錯誤)の場合には故意を認めるべきではないと
379 思います。ですから,私は,事例の場合,乙に対する殺人既遂罪は成立しないと考えます。
380 学生A.でも,C君の立場では,方法の錯誤と客体の錯誤との明確な区別が可能であることが前
381 提となりますね。また,未遂犯や過失犯を処罰する規定の有無によっては,処罰の範囲が
382 不当にF(m.狭まる・n.広がる)ことになると思います。
383 一方で,B君の立場では,処断刑が不当に重くなりませんか。
384 学生B.私は,甲に対する罪と乙に対する罪の関係をG(o.併合罪・p.観念的競合)と考え
385 ますので,処断刑はA君の立場による場合と同一となります。
386 学生A.でも,複数の客体に既遂の結果が発生した場合,H(q.意図した・r.意図しない)
387 客体についてのI(s.故意犯・t.過失犯)を,刑をJ(u.重くする・v.軽くする)
388 方向で量刑上考慮するとなると,やはり問題ではないでしょうか。
389 1.@b
390
391 Ac
392
393 Bf
394
395 Cg
396
397 Dj
398
399 Ek
400
401 Fm
402
403 Gp
404
405 Hq
406
407 Is
408
409 Jv
410
411 2.@a
412
413 Ad
414
415 Be
416
417 Cg
418
419 Dj
420
421 Ek
422
423 Fn
424
425 Go
426
427 Hr
428
429 It
430
431 Jv
432
433 3.@b
434
435 Ac
436
437 Bf
438
439 Ch
440
441 Di
442
443 El
444
445 Fm
446
447 Gp
448
449 Hr
450
451 Is
452
453 Ju
454
455 4.@a
456
457 Ad
458
459 Be
460
461 Ch
462
463 Di
464
465 El
466
467 Fn
468
469 Go
470
471 Hq
472
473 Is
474
475 Ju
476
477 5.@b
478
479 Ac
480
481 Bf
482
483 Ch
484
485 Di
486
487 El
488
489 Fn
490
491 Gp
492
493 Hr
494
495 It
496
497 Ju
498
499 〔第12問〕(配点:2)
500 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
501 (解答欄は,
502 [18])
503 1.共謀共同正犯が成立するためには,実行行為を行わない者が実行行為者に対して指揮命令を
504 することが必要である。
505 2.共謀共同正犯が成立するためには,実行行為を行わない者が実行行為の具体的内容の詳細を
506 認識していることが必要である。
507 3.共謀共同正犯が成立するためには,数人相互の間に,実行行為者の犯行の認識だけでなく,
508 共同犯行の認識があることが必要である。
509 4.順次共謀の形式では,共謀共同正犯は成立しない。
510 5.共謀が明示的に行われなければ,共謀共同正犯は成立しない。
511
512 - 8 -
513
514 〔第13問〕(配点:2)
515 次の【事例】に関する後記アからエまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,正し
516 いものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[19])
517 【事
518
519 例】
520 甲は,内縁の妻Aと同居していたところ,遊興費に窮し,A所有のドレス20着及び指輪1個
521
522 と,A管理のA名義のクレジットカード1枚(その規約上,会員である名義人のみが利用でき,
523 他人への譲渡,貸与等が禁じられ,また,加盟店は,利用者が会員本人であることを善良な管理
524 者の注意義務をもって確認することが定められている。)を,Aの部屋から盗み出した。
525 甲は,丙にドレス及び指輪の売却を仲介してもらおうと考え,これらの盗品を丙方に運ぼうと
526 した。しかし,甲は,ドレスの数が多く一人で運ぶのが困難であったため,乙に対し,ドレスと
527 指輪が盗品であることを話した上で,丙宅への運搬を手伝ってほしいと頼んだ。乙がこれを了解
528 したので,甲及び乙は,指輪とドレスのうち10着を甲が,残りのドレス10着を乙が,それぞ
529 れ運転する自動車に載せて丙宅へ運ぶこととし,これらの盗品を丙宅へ運んだ。
530 丙は,ドレス及び指輪を,甲がAから盗んできたものであることを承知した上で甲から預かり,
531 甲からの依頼どおりに売却先を探すこととしたが,指輪についてはAが母親の形見として大切に
532 していたものであることを知っていたことから,高値でAに売り付けようと考え,後日,Aに対
533 し,代金50万円で指輪を売却し,その売却代金を甲に渡した。
534 また,甲は,Aから盗んだクレジットカードを担保として丁から現金30万円を借りたが,そ
535 の際,丁に対し,「これはA名義のクレジットカードだけど,Aから使用を許されており,お前
536 がこのカードを利用して買物をしても,その利用代金はAにおいて決済される。」と伝えた。そ
537 の後,甲が丁に対して金を返さなかったことから,丁は,甲の話を信じ,デパートにおいて,A
538 に成り済まして同カードを用いて腕時計1個を購入した。
539 【記
540
541 述】
542
543 ア.甲がAの指輪を盗んだことにつき,甲の行為は窃盗罪に該当するが,Aは甲の内縁の妻であ
544 るから,刑法第244条第1項により刑が免除される。
545 イ.乙が盗品のドレス10着を,窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を,それぞれ丙宅まで
546 運搬したことにつき,乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから,乙にはドレス
547 20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。
548 ウ.丙がAを相手方として指輪の売却をあっせんしたことにつき,Aは窃盗の被害者であるが,
549 丙には盗品等処分あっせん罪が成立する。
550 エ.丁がA名義のクレジットカードで腕時計を購入したことにつき,丁は,Aから同カードの使
551 用を許されており,かつ,自らの使用に係る同カードの利用代金がAにおいて決済されるもの
552 と信じていたので,丁に詐欺罪は成立しない。
553 1.ア
554
555
556
557 2.ア
558
559
560
561 3.イ
562
563
564
565 4.イ
566
567 - 9 -
568
569
570
571 5.ウ
572
573
574
575 [刑事訴訟法]
576 〔第14問〕(配点:2)
577 次のアからオまでの各記述は,甲が,平成26年11月1日に乙に強姦されたとの事実により乙
578 を告訴する場合について述べたものである。これらの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1
579 から5までのうちどれか。(解答欄は,[20])
580 ア.司法警察員は,甲からの告訴を受けたときは,乙を逮捕しなければならない。
581 イ.甲は,告訴を一旦取り消した後でも,再度適法に告訴をすることができる。
582 ウ.告訴は,必ず書面によってしなければならない。
583 エ.甲は,公訴の提起があるまでは,告訴を取り消すことができる。
584 オ.甲の告訴が犯人を知った日から1年を経過した後にされたときでも,検察官は適法に公訴を
585 提起することができる。
586 1.ア
587
588
589
590 2.ア
591
592
593
594 3.イ
595
596
597
598 4.ウ
599
600
601
602 5.エ
603
604
605
606 〔第15問〕(配点:2)
607 逮捕に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものは幾つあるか。後記1から6までの
608 うちから選びなさい。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄
609 は,[21])
610 ア.司法警察員は,逮捕状により被疑者を逮捕し,弁解の機会を与えた後,留置の必要がないと
611 判断したときは,被疑者を検察官に送致することなく,直ちに釈放しなければならない。
612 イ.検察官は,逮捕中の被疑者につき,公訴を提起することはできない。
613 ウ.現行犯人である「現に罪を行い終つた者」というためには,犯罪の実行行為の全部を完了し
614 ていることが必要である。
615 エ.現行犯逮捕が許されるためには,逮捕者が,少なくとも犯行の一部を現認していることが必
616 要である。
617 オ.司法警察員は,私人から現行犯人の引渡しを受けた場合,直ちに逮捕状を求める手続をしな
618 ければならず,逮捕状が発せられないときは,直ちに釈放しなければならない。
619 1.0個
620
621 2.1個
622
623 3.2個
624
625 4.3個
626
627 5.4個
628
629 6.5個
630
631 〔第16問〕(配点:3)
632 次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものは幾つあるか。
633 後記1から6までのうちから選びなさい。(解答欄は,[22])
634 【事
635
636 例】
637 平成27年2月1日,H県I警察署所属の司法警察員Xは,私人から「H県営J公園で,女性
638
639 が血を流して死んでいる。」との通報を受け,同公園に向かい,その女性の死体を確認した。X
640 から変死体を発見した旨の連絡を受けたH地方検察庁検察官Yは,自ら検視を実施した。検視の
641 結果,所持品等から,前記死体がH県内に住むVであることが判明し,胸部にはナイフで刺され
642 たような傷痕が認められた。そこで,Vを被害者とする殺人事件の捜査が開始された。
643 Xは,同日,J公園の草むらで,血痕が付着したナイフを発見し,その場でこれを領置した。
644 また,Yは,前記検視の結果を踏まえ,Vの死体については捜査の必要から解剖を実施すること
645 とし,同月2日,Z医師による同死体の解剖が行われた。その結果,Vの死因は,胸部刺創によ
646 る失血死であることが判明した。
647 その後,J公園に設置された防犯カメラに,甲がVの胸付近を刃物で刺す場面が撮影されてい
648 ることが明らかとなり,Xは,同月4日,甲を被疑者とする逮捕状の発付を受けた。Xは,同日,
649 甲方に向かったところ,ちょうど甲がボストンバッグ1個を持って甲方から出てきた。そこで,
650
651 - 10 -
652
653 Xは,甲方前路上において,甲に前記逮捕状を示した上で,これを逮捕し,その際,甲が持って
654 いたボストンバッグのチャックを開け,その中の物を取り出したところ,血の付いたシャツを認
655 めたことから,同シャツをその場で差し押さえた。その後,Xは,I警察署において,逮捕され
656 た甲の指紋を採取し,甲の正面及び左右の顔写真を撮影した。
657 【記
658
659 述】
660
661 ア.Yが検視を実施するには,検証許可状の発付を受ける必要がある。
662 イ.Xがナイフを領置するには,差押許可状の発付を受ける必要がない。
663 ウ.ZがVの死体を解剖するには,鑑定処分許可状の発付を受ける必要がある。
664 エ.Xがボストンバッグのチャックを開けて中の物を取り出し,シャツを差し押さえるには,捜
665 索差押許可状の発付を受ける必要がない。
666 オ.Xが甲の指紋を採取し,甲の顔写真を撮影するには,身体検査令状の発付を受ける必要があ
667 る。
668 1.0個
669
670 2.1個
671
672 3.2個
673
674 4.3個
675
676 5.4個
677
678 6.5個
679
680 〔第17問〕(配点:2)
681 次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
682 ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[23])
683 ア.被告人又は被疑者の兄弟姉妹は,被告人又は被疑者の意思にかかわらず,弁護人を選任する
684 ことができる。
685 イ.被告人の国選弁護人の選任は,審級ごとにしなければならない。
686 ウ.被疑者の国選弁護人の選任は,勾留の執行停止により被疑者が釈放された場合にはその効力
687 を失う。
688 エ.国選弁護人は,辞任を申し出ても,裁判所又は裁判官が解任しない限り,弁護人の地位を失
689 わない。
690 オ.被告人の私選弁護人の選任は,弁護士が裁判所にその旨直接申し出る限り,書面による必要
691 はない。
692 1.ア
693
694
695
696 2.ア
697
698
699
700 3.イ
701
702
703
704 4.ウ
705
706
707
708 5.エ
709
710
711
712 〔第18問〕(配点:3)
713 次のアからオまでの各記述は,刑事訴訟法の各規定の要旨を記述したものである。これらの各記
714 述中の(
715
716 )内からそれぞれ適切なものを選んだ場合,aが正しいものには1を,bが正しいもの
717
718 には2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[24]から[28])
719 ア.検察官は,逮捕状により被疑者を逮捕したときは,直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任
720 することができる旨を告げた上,弁解の機会を与え,留置の必要があると思料するときは被疑
721 者が身体を拘束された時から(a.24
722
723 b.48)時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求
724
725 しなければならない。[24]
726 イ.裁判官は,やむを得ない事由があると認めるときは,検察官の請求により,被疑者の勾留の
727 期間を延長することができる。この期間の延長は,通じて(a.10
728
729 b.20)日を超える
730
731 ことができない。[25]
732 ウ.検察官は,死刑又は無期若しくは長期(a.3
733
734 b.5)年以上の懲役若しくは禁錮にあた
735
736 る罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で,急速を要し,裁判官の逮捕状を求
737 めることができないときは,その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。[26]
738 エ.被告人の勾留の期間は,公訴の提起があった日から(a.1
739 27]
740 オ.控訴の提起期間は,(a.7
741
742 b.14)日とする。[28]
743
744 - 11 -
745
746 b.2)箇月とする。[
747
748 〔第19問〕(配点:2)
749 公訴時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5まで
750 のうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[
751 29])
752 ア.公訴時効期間の満了日が,日曜日,土曜日,国民の祝日に関する法律に規定する休日に当た
753 るときは,これを期間に算入しない。
754 イ.結果犯について,実行行為が終了した日と結果が発生した日が異なるとき,公訴時効は,実
755 行行為の終了時から進行する。
756 ウ.共犯者の一人に対してした公訴の提起による時効の停止は,他の共犯者に対してその効力を
757 有するが,この場合において,停止した時効は,当該事件についてした第一審判決の言渡し時
758 からその進行を始める。
759 エ.一個の行為が数個の罪名に触れる観念的競合の場合における公訴時効期間の算定については,
760 数個の罪名を各別に論じることなく,これを一体として観察し,その最も重い罪の刑につき定
761 められた時効期間による。
762 オ.検察官が,A事実を起訴した後,これと一罪の関係にあると判断してB事実を訴因に追加す
763 る旨訴因変更請求をし,裁判所もこれを許可したが,審理の結果,両事実は併合罪の関係にあ
764 ることが判明し,裁判所は,同許可決定を取り消した。この場合でも,B事実について,訴因
765 変更請求によって公訴時効の進行は停止する。
766 1.ア
767
768
769
770 2.ア
771
772
773
774 3.イ
775
776
777
778 4.ウ
779
780
781
782 5.エ
783
784
785
786 〔第20問〕(配点:2)
787 公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から
788 5までのうちどれか。(解答欄は,[30])
789 ア.裁判所は,裁判員裁判の対象事件ではない事件についても,必要があると認めるときは,公
790 判前整理手続に付することができる。
791 イ.裁判所は,公判前整理手続において,弁護人から,被告人の自白調書につきその自白の任意
792 性を争う旨の意見が述べられた場合には,公判前整理手続の終結までに当該自白調書の証拠能
793 力を判断しなければならない。
794 ウ.検察官は,公判前整理手続における証拠開示に関する裁判所の決定に対して,不服申立てを
795 することができない。
796 エ.裁判所は,公判前整理手続に付された事件の公判において,検察官,被告人及び弁護人が公
797 判前整理手続において取調べを請求しなかった証拠について,やむを得ない事由によって請求
798 できなかった場合でなくても,必要と認めるときは,職権で証拠調べをすることができる。
799 オ.裁判所は,事件を公判前整理手続に付した場合,同手続を終結させて公判を開始した後には,
800 期日間整理手続に付することができない。
801 1.ア
802
803
804
805 2.ア
806
807
808
809 3.イ
810
811
812
813 - 12 -
814
815 4.ウ
816
817
818
819 5.エ
820
821
822
823 〔第21問〕(配点:2)
824 次の【記述】は,訴因変更の要否に関する最高裁判所の決定からの引用である。【記述】中の@
825 からCまでの(
826
827 )内から適切な語句を選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から
828
829 5までのうちどれか。(解答欄は,[31])
830 【記
831
832 述】
833 殺人罪の共同正犯の訴因としては,その実行行為者がだれであるかが明示されていないからと
834
835 いって,それだけで直ちに訴因の記載として罪となるべき事実の特定に欠けるものとはいえない
836 と考えられるから,訴因において実行行為者が明示された場合にそれと異なる認定をするとして
837 も,@(a.審判対象の画定
838
839 b.被告人の防御)という見地からは,訴因変更が必要となると
840
841 はいえないものと解される。とはいえ,実行行為者がだれであるかは,一般的に,A(a.審判
842 対象の画定 b.被告人の防御)にとって重要な事項であるから,当該訴因の成否について争い
843 がある場合等においては,B(a.他の犯罪事実との識別
844
845 b.争点の明確化)などのため,検
846
847 察官において実行行為者を明示するのが望ましいということができ,検察官が訴因においてその
848 実行行為者の明示をした以上,判決においてそれと実質的に異なる認定をするには,原則として,
849 訴因変更手続を要するものと解するのが相当である。しかしながら,実行行為者の明示は,前記
850 のとおり訴因の記載として不可欠な事項ではないから,少なくとも,被告人の防御の具体的な状
851 況等の審理の経過に照らし,C(a.被告人に不意打ちを与えるものではない b.他の犯罪事
852 実との識別を損なうものではない)と認められ,かつ,判決で認定される事実が訴因に記載され
853 た事実と比べて被告人にとってより不利益であるとはいえない場合には,例外的に,訴因変更手
854 続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することも違法ではないものと解すべきである。
855 1.@a
856
857 Ab Ba
858
859 Ca
860
861 2.@a
862
863 Ab Bb
864
865 Ca
866
867 3.@a
868
869 Ab Bb
870
871 Cb
872
873 4.@b
874
875 Aa Ba
876
877 Ca
878
879 5.@b
880
881 Aa Ba
882
883 Cb
884
885 - 13 -
886
887 〔第22問〕(配点:3)
888 次の教授と学生の【会話】は,各種書面の証拠能力に関する議論である。【会話】中の@からD
889 までの(
890
891 )内から適切な語句を選んだ場合,aが正しいものには1を,bが正しいものには2を
892
893 選びなさい。(解答欄は,@からDの順に[32]から[36])
894 【会
895
896 話】
897 教授:刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」に,捜査機関が任意捜査
898 として行う実況見分の結果を記載した書面(以下「実況見分調書」という。)が含まれる
899 かについて,あなたはどのように考えますか。
900 学生:私は,実況見分調書も含まれると考えます。検証と実況見分は,@(a.いずれも弁護
901 人の立会権が明文で認められており
902
903 b.いずれも客観的・技術的性質を有しており)虚
904
905 偽が入る余地が少ないと考えるからです。[32]
906 教授:次に,私人が作成した書面について,刑事訴訟法第321条第3項の準用又は類推が認
907 められるかについて,あなたはどのように考えますか。
908 学生:私は,認められると考えます。ただし,私人が作成した書面全般に準用又は類推を認め
909 るべきではなく,私は,A(a.捜査機関の実況見分に準ずるだけの客観性・業務性が認
910 められるときは
911
912 b.特別の学識経験に基づいた報告であれば)準用又は類推を認めてよ
913
914 いと考えています。[33]
915 教授:火災原因の調査を行う会社に勤める元消防士で,通算約20年間火災原因の調査・判定
916 に携わった経験のある私人が,燃焼実験を行ってその考察結果を報告した書面の証拠能力
917 について,判例はどのような判断を示しましたか。
918 学生:判例は,B(a.刑事訴訟法第321条第3項の準用により証拠能力を有する
919
920 b.刑
921
922 事訴訟法第321条第3項の準用は否定されるが,同条第4項の準用により証拠能力を有
923 する)旨の判断を示しました。[34]
924 教授:では,医師が作成する診断書について,判例は,どの条文を根拠に証拠能力を認めてい
925 ますか。
926 学生:C(a.刑事訴訟法第321条第3項
927
928 b.刑事訴訟法第321条第4項)を根拠とし
929
930 ています。[35]
931 教授:また,判例によれば,酒酔い鑑識カードの化学判定欄及び被疑者の言語,動作,酒臭,
932 外貌,態度等の外部的状態に関する各記載は,いずれも刑事訴訟法第321条第3項によ
933 り証拠能力が認められるとされていますが,更に警察官が被疑者に質問を行い,これに対
934 する被疑者の応答を記載した部分について,判例はどのように述べていますか。
935 学生:D(a.化学判定欄等と一体となって刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認
936 められる
937
938 b.警察官作成の捜査報告書たる性質のものとして刑事訴訟法第321条第1
939
940 項第3号により証拠能力が認められる)と述べています。[36]
941 〔第23問〕(配点:2)
942 次の【会話】は,乙と共謀の上,丙を殺害したという事件で起訴された甲の公判において,「甲
943 の指示により丙を殺害した。」旨の乙の供述のみによって,甲を有罪とすることはできるかについ
944 ての議論である。甲を有罪とすることはできるとの立場から発言する学生の人数は,後記1から5
945 までのうちどれか。(解答欄は,[37])
946 【会
947
948 話】
949 学生A:この場合に問題となるのは,共犯者の自白にいわゆる補強証拠が必要か,すなわち,
950 憲法第38条第3項,刑事訴訟法第319条第2項により,「本人の自白」を唯一の証
951 拠として有罪とすることは許されず,補強証拠が必要とされるところ,この「本人の自
952 白」に共犯者の自白も含まれるかということですよね。
953
954 - 14 -
955
956 学生B:補強法則は,自由心証主義の例外ですから,条文の解釈は厳格に行うべきだと思いま
957 す。
958 学生C:私は,自白偏重防止という観点から,本人の自白と共犯者の自白とで区別すべきでは
959 ないと考えます。
960 学生D:私は,他に補強証拠がない場合に,自白した者が無罪となり,否認した者が有罪とな
961 るような非常識な結論を導く解釈を採ることは,許されないと思います。
962 学生A:自白した者が無罪となるのは,自白に補強証拠がないためであり,否認した者が有罪
963 となるのは,共犯者の供述が信用できると判断された結果だから,別に不合理ではない
964 でしょう。
965 学生B:共犯者の自白に対しては反対尋問ができるのだから,被告人本人の自白とは違います
966 よ。
967 学生C:誤判のおそれという観点からは,むしろ共犯者の自白の方が危険だということも考え
968 るべきでしょう。
969 学生D:共犯者は,自己の刑事責任を免れ又は軽くするために,他人を巻き込んだり責任転嫁
970 したりするような供述をする危険性がありますからね。
971 1.0人
972
973 2.1人
974
975 3.2人
976
977 4.3人
978
979 5.4人
980
981 〔第24問〕(配点:3)
982 次の【事例】に関し,捜査機関が収集した後記アからオまでの【証拠】について,「直接証拠と
983 は,犯罪事実を直接に証明する証拠をいう。」とする見解を前提とした場合,直接証拠に該当する
984 ものには1を,直接証拠に該当しないものには2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[
985 38]から[42])
986 【事
987
988 例】
989 甲は,平成28年2月1日午後7時頃,Hマンション401号室のV方において,Vを包丁で
990
991 刺殺した。
992 【証
993
994 拠】
995
996 ア.
997 「平成28年2月1日午後6時58分頃,包丁を持った甲がHマンション1階でエレベーター
998 に乗り,4階で降りた後,401号室方向に向かう状況」を撮影した防犯カメラ映像[38]
999 イ.V方居室内で,隠れて犯行を見ていたA(Vの交際相手)の「甲は,Vを包丁で刺して殺し
1000 ました。」との供述を録取した検察官調書[39]
1001 ウ.V方の隣室である402号室に住むBの「平成28年2月1日午後7時頃,401号室から,
1002 Vの声で,『おい,甲,包丁で何するんだ。やめろ。』という声を聞いた。」との供述を録取し
1003 た検察官調書[40]
1004 エ.V方に遺留されていた,Vの血液及び甲の指紋が付着した包丁[41]
1005 オ.甲及びVの共通の知人であるCの「甲は,Vのことを恨んでいた。甲がVを殺したことに間
1006 違いないと思う。」との供述を録取した検察官調書[42]
1007
1008 - 15 -
1009
1010 〔第25問〕(配点:2)
1011 被害者参加制度における被害者参加人又はその委託を受けた弁護士の法律上定められた権限に関
1012 する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
1013 (解答欄は,[43])
1014 ア.裁判員裁判の対象事件において,公判前整理手続期日に出席することができる。
1015 イ.情状に関する事項について,証拠調べを請求することができる。
1016 ウ.裁判所が申出を相当と認めるときは,情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争
1017 うために必要な事項について,その証人を尋問することができる。
1018 エ.裁判所が申出を相当と認めるときは,訴因として特定された事実の範囲内で事実及び法律の
1019 適用について意見を陳述することができる。
1020 オ.上訴をすることができる。
1021 1.ア
1022
1023
1024
1025 2.ア
1026
1027
1028
1029 3.イ
1030
1031
1032
1033 4.ウ
1034
1035
1036
1037 5.エ
1038
1039
1040
1041 〔第26問〕(配点:2)
1042 次のアからオまでの各記述は,有罪の確定判決に対する再審について述べたものである。これらの
1043 記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
1044 (解答欄は,[44])
1045 ア.有罪の言渡しを受けた者が死亡した場合には,その者の子であっても再審の請求をすること
1046 ができない。
1047 イ.検察官は,再審の請求をすることができる。
1048 ウ.有罪の言渡しを受けた者は,再審の請求をする場合には,弁護人を選任することができる。
1049 エ.再審の請求を受けた裁判所は,同請求が理由のあるときは,再審開始の決定をしなければな
1050 らない。
1051 オ.再審開始の決定が確定したときは,再審の請求が対象とした確定判決は,その効力を失う。
1052 1.ア
1053
1054
1055
1056 2.ア
1057
1058
1059
1060 3.イ
1061
1062
1063
1064 - 16 -
1065
1066 4.ウ
1067
1068
1069
1070 5.エ
1071
1072
1073
1074