1 短答式試験問題集[刑法]
2
3 -1-
4
5 [刑法]
6 〔第1問〕(配点:2)
7 次の【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,
8 誤っているものはどれか。
9
10 (解答
11 欄は,
12 [bP])
13 【見
14
15 解】
16 間接正犯については,
17 被利用者の行為時に実行の着手を認めるべきである。
18
19
20
21 【記
22
23 述】
24
25 1.【見解】は,
26 実行行為時と実行の着手時期が一致することを要しないとする考え方と矛盾し
27 ない。
28
29
30 2.【見解】に対しては,
31 利用者にとって偶然の事情で実行の着手時期を決することになり不合
32 理であると批判できる。
33
34
35 3.【見解】は,
36 離隔犯において到達時に実行の着手を認める考え方と矛盾しない。
37
38
39 4.【見解】に対しては,
40 責任無能力者を利用する場合には,
41 責任無能力者に規範意識の障害が
42 ないというだけで,
43 直ちに結果発生の切迫した危険があるとはいえないと批判できる。
44
45
46 5.【見解】は,
47 自然的に観察して結果発生に向けた直接の原因となる行為を重視する考え方と
48 矛盾しない。
49
50
51 〔第2問〕(配点:2)
52 略取,
53 誘拐及び人身売買の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した
54 場合,
55 誤っているものの組合せは,
56 後記1から5までのうちどれか。
57
58 (解答欄は,
59 [bQ])
60 ア.営利の目的で未成年者を買い受けた場合,
61 未成年者買受け罪のみが成立する。
62
63
64 イ.身の代金目的誘拐罪は,
65 近親者その他誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその
66 財物を交付させる目的を主観的要素とする目的犯である。
67
68
69 ウ.身の代金目的で成年者を略取し,
70 公訴が提起される前に同成年者を安全な場所に解放すれば,
71
72 身の代金目的略取罪の刑が必要的に減軽される。
73
74
75 エ.未成年者誘拐罪は親告罪である。
76
77
78 オ.親権者は,
79 未成年者誘拐罪の主体とはならない。
80
81
82 1.ア
83
84
85
86 2.ア
87
88
89
90 3.イ
91
92
93
94 4.イ
95
96 -2-
97
98
99
100 5.エ
101
102
103
104 〔第3問〕(配点:2)
105 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
106 正しいものの組合せは,
107 後記1か
108 ら5までのうちどれか。
109
110
111 (解答欄は,
112 [bR])
113 ア.甲は,
114 乙を殺害する目的で,
115 乙を含む複数の者の飲用に供されているペットボトル内のお茶
116 に致死量の劇薬を投入した。
117
118 その結果,
119 そのお茶を飲用した複数の者全員が死亡した。
120
121 この場
122 合,
123 甲には,
124 前記お茶を飲用して死亡した者の数に応じた殺人罪の故意が認められる。
125
126
127 イ.覚せい剤を含有する粉末を所持していた甲は,
128 同粉末が身体に有害で違法な薬物であること
129 は認識していたが,
130 覚せい剤や麻薬ではないと認識していた。
131
132 この場合,
133 甲には覚せい剤取締
134 法違反(覚せい剤所持)の罪の故意が認められる。
135
136
137 ウ.甲は,
138 客観的にはわいせつな文書を,
139 その意味内容は理解しつつも,
140 刑法上のわいせつな文
141 書に該当しないと考え,
142 多数の者に販売した。
143
144 この場合,
145 甲にわいせつ物頒布罪の故意は認め
146 られない。
147
148
149 エ.甲は,
150 乙宅前路上に置かれていた自転車を,
151 乙の所有物と認識して持ち去ったが,
152 実際には
153 同自転車は無主物だった。
154
155 この場合,
156 甲には遺失物横領罪が成立する。
157
158
159 オ.甲は,
160 第三者が起こした交通事故により瀕死の重傷を負い路上に倒れていた乙を,
161 既に死亡
162 していると思って山中に遺棄した。
163
164 この場合,
165 甲に死体遺棄罪は成立しない。
166
167
168 1.ア
169
170
171
172 2.ア
173
174
175
176 3.イ
177
178
179
180 4.イ
181
182
183
184 5.ウ
185
186
187
188 〔第4問〕(配点:3)
189 各種偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
190 正しいも
191 のを2個選びなさい。
192
193 (解答欄は,
194 [bS],
195 [bT]順不同)
196 1.甲は,
197 他人の自動車運転免許証に甲の写真を貼り付けた偽造自動車運転免許証を入手し,
198
199 れを携帯して自動車を運転中に検問で停止を求められ,
200 情を知らない警察官に同免許証を真正
201 に成立したものとして提示した。
202
203 提示した時には同免許証に表示されている有効期間が経過し
204 ていたとしても,
205 甲には偽造公文書行使罪が成立する。
206
207
208 2.公務員でない甲は,
209 情を知らない公務員に対し虚偽の申立てをして登記簿に不実の記載をさ
210 せ,
211 その登記簿謄本の交付を受けた。
212
213 甲には虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
214
215
216 3.甲は,
217 情を知らずに釣銭として偽造通貨を受け取ったところ,
218 その後,
219 それが偽造通貨であ
220 ることに気付いたが,
221 行使の目的でそのまま所持した。
222
223 甲には偽造通貨収得罪が成立する。
224
225
226 4.甲は,
227 行使の目的で,
228 他人が振り出した額面10万円の小切手の金額欄に「0」を加え,
229
230 面100万円の小切手に改ざんした。
231
232 甲には有価証券変造罪が成立する。
233
234
235 5.弁護士資格のない甲は,
236 X弁護士会に実在する自己と同姓同名の弁護士を装い,
237 これを信じ
238 た乙から依頼を受けて弁護士としての業務を行った後,
239 乙から報酬を得るために,
240 「X弁護士
241 会所属
242
243 弁護士甲」名義の弁護士報酬金請求書を作成した。
244
245 甲には私文書偽造罪が成立しない。
246
247
248
249 -3-
250
251 〔第5問〕(配点:3)
252 正当防衛及び緊急避難に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
253 正しい
254 ものを2個選びなさい。
255
256 (解答欄は,
257 [bU],
258 [bV]順不同)
259 1.正当防衛は,
260 法益の侵害が現に存在している場合のほか,
261 法益の侵害が間近に差し迫ってい
262 る場合にも成立する余地があるが,
263 緊急避難は,
264 危難が間近に差し迫っている場合に成立する
265 余地はない。
266
267
268 2.正当防衛が成立するためには,
269 防衛行為が侵害に対する防衛手段として相当性を有するもの
270 であることを要するから,
271 防衛行為によって生じた害が避けようとした害の程度を超えた場合
272 に正当防衛が成立する余地はない。
273
274
275 3.正当防衛が成立する行為を避けるために相手方又は第三者の法益を侵害した場合,
276 緊急避難
277 が成立する余地があるが,
278 正当防衛が成立する余地はない。
279
280
281 4.過剰避難について,
282 その刑を減軽も免除もしないことはできるが,
283 過剰防衛については,
284
285 の刑を減軽又は免除しなければならない。
286
287
288 5.自然現象によって生じた法益侵害を避けるために第三者の法益を侵害した場合,
289 緊急避難が
290 成立する余地があるが,
291 正当防衛が成立する余地はない。
292
293
294 〔第6問〕(配点:2)
295 わいせつ物頒布等の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
296 甲に
297
298
299 )内の罪が成立しないものの組合せは,
300 後記1から5までのうちどれか。
301
302
303 (解答欄は,
304 [bW])
305 ア.インターネットを介した書籍販売業を営む甲は,
306 日本語で書かれたわいせつな文書である
307 小説を,
308 その購入を申し込んできた日本国内在住の多数の外国人に販売したところ,
309 いずれ
310 の外国人も日本語の読解能力に乏しく,
311 同小説の内容を理解できなかった。
312
313 (わいせつ物頒布
314 罪)
315 イ.甲は,
316 インターネットを介して多数の希望者を募った上,
317 その希望者らに無料で交付する
318 目的で,
319 わいせつな映像を記録したDVDを所持した。
320
321 (わいせつ物有償頒布目的所持罪)
322 ウ.甲は,
323 わいせつな映像を記録したDVDの販売業者に対してそのDVDの購入を申し込み,
324
325 これを購入した。
326
327 (わいせつ物頒布罪の教唆犯)
328 エ.DVDのレンタル業を営む甲は,
329 わいせつな映像を記録したDVDを,
330 多数の顧客へ有償
331 で貸し出した。
332
333 (わいせつ物頒布罪)
334 オ.甲がインターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めたところ,
335 その購入を申
336 し込んできた顧客は1名だけであったが,
337 甲は,
338 その者に対して,
339 電子メールに同映像のデ
340 ータを添付して送信した。
341
342 (わいせつ物頒布罪)
343
344 1.ア
345
346
347
348 2.ア
349
350
351
352 3.イ
353
354
355
356 4.イ
357
358 -4-
359
360
361
362 5.ウ
363
364
365
366 〔第7問〕(配点:2)
367 次の【記述】中の@からCまでの(
368
369 )内から適切な語句を選んだ場合,
370 その組合せとして正し
371
372 いものは,
373 後記1から5までのうちどれか。
374
375 (解答欄は,
376 [bX])
377 【記
378
379 述】
380 被害者の同意が問題となる場合としては,
381 一般に以下のような分類がなされている。
382
383 第1は,
384
385
386 被害者の意思に反することが構成要件要素になっている場合であり,
387 この類型においては,
388 被害
389 者の同意は構成要件該当性を阻却する。
390
391 窃盗罪は,
392 この類型に@(a.入る・b.入らない)。
393
394
395 第2は,
396 被害者の同意の有無が犯罪の成立に影響を及ぼさない場合である。
397
398 13歳未満の者に対
399 するわいせつ行為は,
400 この類型にA(c.入る・d.入らない)。
401
402 第3は,
403 被害者の同意がある
404 場合とない場合が分けて規定され,
405 被害者の同意があると軽い方の罪が成立する場合である。
406
407
408 務上堕胎罪は,
409 この類型にB(e.入る・f.入らない)。
410
411 第4は,
412 被害者の同意が行為の違法
413 性を阻却する場合である。
414
415 住居侵入罪の「侵入」を住居権者・管理権者の意思に反する立入りと
416 解した場合,
417 同罪は,
418 この類型にC(g.入る・h.入らない)。
419
420
421 1.@a
422
423 Ac
424
425 Be
426
427 Ch
428
429 2.@a
430
431 Ac
432
433 Bf
434
435 Ch
436
437 3.@a
438
439 Ad
440
441 Bf
442
443 Cg
444
445 4.@b
446
447 Ac
448
449 Be
450
451 Ch
452
453 5.@b
454
455 Ad
456
457 Bf
458
459 Cg
460
461 〔第8問〕(配点:4)
462 不法領得の意思に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
463 正しい場合
464 には1を,
465 誤っている場合には2を選びなさい。
466
467
468 (解答欄は,
469 アからオの順に[10]から[14])
470 ア.甲は,
471 町議会議員選挙に際し,
472 特定の候補者を当選させるため,
473 後日その候補者の氏名を記
474 載して投票の中に混入することにより同候補者の得票数を増加させる目的で,
475 投票所管理者乙
476 の保管する同選挙の投票用紙を密かに持ち出した。
477
478 この場合,
479 甲に不法領得の意思は認められ
480 ず,
481 窃盗罪は成立しない。
482
483 [10]
484 イ.A市建設部長である甲は,
485 不正工事の発覚を恐れ自宅に隠匿する目的で,
486 自己が業務上保管
487 している公文書である市立小学校の設計書を市役所外に持ち出した。
488
489 この場合,
490 甲に不法領得
491 の意思は認められず,
492 業務上横領罪は成立しない。
493
494 [11]
495 ウ.甲は,
496 自宅で分解して売却できそうな部品を中古部品屋に売却する目的で,
497 知人乙所有の自
498 動車を乙に無断で運転してその場から走り去った。
499
500 この場合,
501 甲に不法領得の意思は認められ
502 ず,
503 窃盗罪は成立しない。
504
505 [12]
506 エ.新聞購読料の集金業務に従事する甲は,
507 購読料として集金した現金を遊興のため全額費消し
508 て横領した後,
509 その発覚を免れる目的で,
510 新たに購読料として集金した現金を穴埋めに充てた。
511
512
513 この場合,
514 穴埋めに充てた現金について,
515 甲に不法領得の意思は認められず,
516 業務上横領罪は
517 成立しない。
518
519 [13]
520 オ.甲は,
521 乙宛てに送達されてきた支払督促状を乙に成り済まして受領して廃棄することにより,
522
523 送達が適式になされたものとして支払督促の効力を生じさせ,
524 乙所有の財産を不正に差し押さ
525 えようと考え,
526 郵便配達員丙を欺いて同督促状の交付を受けて廃棄した。
527
528 この場合,
529 甲に不法
530 領得の意思は認められず,
531 詐欺罪は成立しない。
532
533 [14]
534
535 -5-
536
537 〔第9問〕(配点:2)
538 没収と追徴に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
539 正しいもの
540 の組合せは,
541 後記1から5までのうちどれか。
542
543 (解答欄は,
544 [15])
545 ア.主物を没収するときは,
546 その従物も没収できる。
547
548
549 イ.判決により没収の言渡しをするためには,
550 対象物が判決時に裁判所により押収されている
551 必要がある。
552
553
554 ウ.被害者宅に侵入して行われた窃盗事犯において,
555 被害者宅への侵入に際して道具として使
556 用された鉄棒は,
557 住居侵入罪について公訴提起されていなければ没収できない。
558
559
560 エ.窃盗によって取得された盗品は,
561 取得物件であるが,
562 没収できない場合がある。
563
564
565 オ.収賄罪において,
566 収受した賄賂が没収不能となった時点で,
567 収受時と比較してその価額が
568 減じていた場合には,
569 没収不能時の価額を追徴することになる。
570
571
572 1.ア
573
574
575
576 2.ア
577
578
579
580 3.イ
581
582
583
584 4.ウ
585
586
587
588 5.エ
589
590
591
592 〔第10問〕(配点:2)
593 信用及び業務に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場
594 合,
595 正しいものはどれか。
596
597 (解答欄は,
598 [16])
599 1.威力業務妨害罪における「威力」は,
600 暴行又は脅迫を用いることを要し,
601 騒音喧騒により人
602 の意思を制圧して業務を妨害した場合,
603 同罪は成立しない。
604
605
606 2.偽計業務妨害罪における「偽計」は,
607 直接人に向けられていなくてもよい。
608
609
610 3.信用毀損罪における「信用」は,
611 人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定さ
612 れず,
613 経済的側面とは関係のない社会的な信頼を害した場合も,
614 同罪が成立する。
615
616
617 4.業務妨害罪における「業務」は,
618 社会生活上又は個人生活上の地位に基づき反復継続して従
619 事する事務であるから,
620 学生の学習活動を妨害した場合も,
621 同罪が成立する。
622
623
624 5.信用毀損罪は危険犯であるが,
625 業務妨害罪は侵害犯である。
626
627
628
629 -6-
630
631 〔第11問〕(配点:2)
632 次の【事例】に関する後記アからエまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,
633 誤っている
634 ものを全て選んだ場合の組合せは,
635 後記1から5までのうちどれか。
636
637 (解答欄は,
638 [17])
639 【事
640
641 例】
642 土木作業員甲及び乙は,
643 現場監督者丙の監督の下で,
644 X川に架かる鉄橋の橋脚を特殊なA鋼材
645
646 を用いて補強する工事に従事していたが,
647 作業に手間取り,
648 工期が迫ってきたことから,
649 甲及び
650 乙の2人で相談した上で,
651 より短期間で作業を終えることができる強度の弱いB鋼材を用いた補
652 強工事を共同して行った。
653
654 その結果,
655 工期内に工事を終えることはできたものの,
656 その後発生し
657 た豪雨の際,
658 A鋼材ではなくB鋼材を用いたことによる強度不足のために前記橋脚が崩落し,
659
660 またま前記鉄橋上を走行していたV1運転のトラックがX川に転落し,
661 V1が死亡した。
662
663 なお,
664
665 甲及び乙は同等の立場にあり,
666 甲及び乙のいずれについても,
667 B鋼材を工事に用いた場合に強度
668 不足のために前記橋脚が崩落することを予見していなかったものの,
669 その予見可能性があったも
670 のとする。
671
672
673 【記
674
675 述】
676
677 ア.甲及び乙には,
678 強度の弱いB鋼材で補強工事を行うことの意思連絡はあるが,
679 不注意の共同
680 はあり得ないから,
681 甲及び乙に業務上過失致死罪の共同正犯が成立する余地はない。
682
683
684 イ.丙は,
685 甲及び乙が強度の弱いB鋼材で補強工事を行っていることを認識していたが,
686 工期が
687 迫っていたことから,
688 これを黙認したという場合,
689 直接行為者である甲及び乙に過失が認めら
690 れたとしても,
691 更に丙に過失が認められる余地がある。
692
693
694 ウ.仮に,
695 甲及び乙において,
696 V1が死亡するに至る実際の因果経過を具体的に予見することが
697 不可能であった場合,
698 甲及び乙には業務上過失致死罪は成立しない。
699
700
701 エ.仮に,
702 V1運転のトラックの荷台に,
703 V1に無断でV2が乗り込んでおり,
704 同トラックがX
705 川に転落したことによって,
706 V1及びV2の両名が死亡した場合,
707 甲及び乙にはV2に対する
708 業務上過失致死罪は成立しない。
709
710
711 1.ア
712
713
714
715
716
717 2.ア
718
719
720
721
722
723 3.ア
724
725
726
727 4.イ
728
729
730
731 5.ウ
732
733
734
735 〔第12問〕(配点:4)
736 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,
737 正しい場合には1を,
738 誤っている場合
739 には2を選びなさい。
740
741 (解答欄は,
742 アからオの順に[18]から[22])
743 ア.甲は,
744 自転車Aが,
745 乙が自ら窃取した自転車Bからサドルを取り外し,
746 乙所有の別の自転
747 車本体に容易に着脱可能な状態で取り付けて完成させたものであると知りつつ,
748 乙から自転
749 車Aを購入した。
750
751 甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。
752
753 [18]
754 イ.甲は,
755 盗品であると知りつつ,
756 窃盗犯人乙から依頼を受けて保管していた宝石を乙に返却
757 した後,
758 改めて乙から依頼を受け,
759 預かった同宝石を事情を知らない丙に売却した。
760
761 甲には
762 盗品等有償処分あっせん罪のみが成立する。
763
764 [19]
765 ウ.甲は,
766 刑法第41条の刑事未成年である乙が窃取した物を,
767 盗品であると知りつつ,
768 乙か
769 ら無償で譲り受けた。
770
771 甲には盗品等無償譲受け罪は成立しない。
772
773 [20]
774 エ.甲は,
775 親族関係にない窃盗犯人乙から盗品の保管を依頼された。
776
777 甲は,
778 同盗品が,
779 甲の実
780 父丙の自宅から窃取された丙所有の物であると知りつつ,
781 乙からの依頼を受け入れて,
782 同盗
783 品を保管した。
784
785 甲は盗品等保管罪の刑が免除される。
786
787 [21]
788 オ.甲は,
789 妻乙が,
790 親族関係にない窃盗犯人丙から盗品であると知りつつ購入した物を,
791 乙か
792 ら依頼を受け,
793 盗品であると知りつつ,
794 乙の指定した場所まで運んだ。
795
796 甲は盗品等運搬罪の
797 刑が免除される。
798
799 [22]
800
801 -7-
802
803 〔第13問〕(配点:3)
804 責任能力に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,
805 正しいものを2個選
806 びなさい。
807
808 (解答欄は,
809 [23],
810 [24]順不同)
811 1.13歳の少年であっても,
812 事物の理非善悪を弁識する能力及びその弁識に従って行動する能
813 力が備わっていれば,
814 責任能力が認められることがある。
815
816
817 2.責任能力の有無は法律判断であり,
818 専ら裁判所の評価に委ねられるべきであるため,
819 その前
820 提となる生物学的・心理学的要素についても,
821 最終的には裁判所により判断される。
822
823
824 3.相手の頭部を殴打する暴行を加えた時点で行為者に責任能力が存在したとしても,
825 その暴行
826 により相手が死亡した時点で行為者に責任能力が存在しなければ,
827 死亡の結果について行為者
828 に刑事責任を問うことはできない。
829
830
831 4.犯行当時,
832 行為者に重度の精神疾患があれば,
833 そのことだけで直ちに心神喪失の状態にあっ
834 たと判断されることになる。
835
836
837 5.飲酒の際,
838 飲酒後に酒酔い運転をする意思が認められる場合には,
839 実際に酒酔い運転をした
840 時に酩酊による心神耗弱の状態にあったとしても,
841 行為者に完全責任能力が認められることが
842 ある。
843
844
845 〔第14問〕(配点:2)
846 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場
847 合,
848 正しいものの組合せは,
849 後記1から5までのうちどれか。
850
851 (解答欄は,
852 [25])
853 ア.犯人の親族が当該犯人の利益のために犯人蔵匿罪を犯したときは,
854 当該親族に対する刑は減
855 軽しなければならない。
856
857
858 イ.犯人隠避罪の「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」には,
859 犯人として既に逮捕・勾留され
860 ている者は含まれない。
861
862
863 ウ.証拠隠滅罪の「他人の刑事事件」は,
864 犯人蔵匿罪と異なり,
865 罰金以上の刑に当たる罪に限ら
866 れない。
867
868
869 エ.証人等威迫罪の「威迫」は,
870 相手と面会して直接なされる場合に限られ,
871 文書を送付して相
872 手にその内容を了知させる方法によりなされる場合を含まない。
873
874
875 オ.犯人が自己の刑事事件の裁判に必要な知識を有する証人を威迫した場合,
876 証人等威迫罪が成
877 立する。
878
879
880 1.ア
881
882
883
884 2.ア
885
886
887
888 3.イ
889
890
891
892 4.イ
893
894 -8-
895
896
897
898 5.ウ
899
900
901
902 〔第15問〕(配点:2)
903 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
904 正しいものはどれか。
905
906 (解答欄
907 は,
908 [26])
909 1.甲が乙に対し,
910 深夜の公園で待ち伏せしてAから金品を喝取するように教唆したところ,
911
912 は,
913 その旨決意し,
914 深夜の公園でAを待ち伏せしたが,
915 偶然通り掛かったBをAと誤認してB
916 から金品を喝取した。
917
918 乙は,
919 人違いに気付き,
920 引き続きAを待ち伏せして,
921 通り掛かったAか
922 ら金品を喝取しようとしてAを脅迫したが,
923 Aに逃げられてしまい金品を喝取することができ
924 なかった。
925
926 甲にはAに対する恐喝未遂罪の教唆犯のみが成立する。
927
928
929 2.甲が乙に対し,
930 Aをナイフで脅してAから金品を強取するように教唆したところ,
931 乙は,
932
933 の旨決意し,
934 Aをナイフで脅したが,
935 その最中に殺意を抱き,
936 Aの腹部をナイフで刺してAに
937 傷害を負わせ,
938 Aから金品を強取したものの,
939 Aを殺害するには至らなかった。
940
941 甲には強盗罪
942 の教唆犯が成立するにとどまる。
943
944
945 3.甲が乙に対し,
946 留守宅であるA方に侵入して金品を窃取するように教唆したところ,
947 乙は,
948
949 その旨決意したが,
950 B方をA方と誤認してB方に侵入し,
951 その場にいたBから金品を強取した。
952
953
954 甲にはB方への住居侵入罪及びBに対する窃盗罪の教唆犯が成立する。
955
956
957 4.甲が乙に対し,
958 現住建造物であるA家屋に放火するように教唆したところ,
959 乙は,
960 その旨決
961 意し,
962 A家屋に延焼させる目的で,
963 A家屋に隣接した現住建造物であるB家屋に放火したが,
964
965 B家屋のみを焼損し,
966 A家屋には燃え移らなかった。
967
968 甲にはA家屋に対する現住建造物等放火
969 未遂罪の教唆犯のみが成立する。
970
971
972 5.甲は,
973 土建業者AがB市発注予定の土木工事を請け負うためB市役所土木係員乙に現金を供
974 与しようと考えていることを知り,
975 乙に対し,
976 Aに工事予定価格を教える見返りとしてAから
977 現金を受け取り,
978 Aに工事予定価格を教えるように教唆したところ,
979 乙は,
980 その旨決意し,
981
982 との間で,
983 Aに工事予定価格を教える旨約束して,
984 Aから現金100万円を受け取ったが,
985
986 の後,
987 工事予定価格を教えなかった。
988
989 甲には加重収賄罪の教唆犯が成立する。
990
991
992
993 -9-
994
995 〔第16問〕(配点:2)
996 次の【見解】に関する後記アからオまでの各【記述】のうち,
997 正しいものの組合せは,
998 後記1か
999 ら5までのうちどれか。
1000
1001 (解答欄は,
1002 [27])
1003 【見
1004
1005 解】
1006 横領罪の目的物は,
1007 犯人が占有する他人の物であり,
1008 物の給付者において民法上その返還を請
1009
1010 求できるものであることを要しないので,
1011 不法な目的で金銭を委託した場合,
1012 委託者に返還請求
1013 権が認められなくても,
1014 受託者がこれを領得する行為には,
1015 横領罪が成立する。
1016
1017
1018 【記
1019
1020 述】
1021
1022 ア.この【見解】に対しては,
1023 民法第708条にいう「給付」に「委託」は含まれないとする立
1024 場を前提としなければならず,
1025 妥当でないとの批判ができる。
1026
1027
1028 イ.この【見解】は,
1029 使途を定めて委託された金銭の所有権は受託者に移転しないとする立場と
1030 明らかに矛盾するものである。
1031
1032
1033 ウ.この【見解】に対しては,
1034 受託者が民法第708条に基づいて委託者からの返還請求を拒む
1035 行為にも横領罪が成立することになりかねず,
1036 妥当でないとの批判ができる。
1037
1038
1039 エ.この【見解】は,
1040 横領罪の保護法益が所有権であることを重視し,
1041 委託信任関係の破壊とい
1042 う点を全く考慮していない。
1043
1044
1045 オ.この【見解】に対しては,
1046 不法原因給付の目的物の所有権は,
1047 給付者において給付した物の
1048 返還を請求できないことの反射的効果として,
1049 受給者に帰属するに至ったと解すべきであると
1050 する立場を前提とすると,
1051 横領罪にいう「他人の物」を領得したわけではないのに受託者に横
1052 領罪の成立を認めることになり,
1053 妥当でないとの批判ができる。
1054
1055
1056 (参照条文)民法
1057 第708条
1058
1059 不法な原因のために給付をした者は,
1060 その給付したものの返還を請求することがで
1061
1062 きない。
1063
1064 ただし,
1065 不法な原因が受益者についてのみ存したときは,
1066 この限りでない。
1067
1068
1069 1.ア
1070
1071
1072
1073 2.ア
1074
1075
1076
1077 3.イ
1078
1079
1080
1081 4.イ
1082
1083 - 10 -
1084
1085
1086
1087 5.ウ
1088
1089
1090
1091 〔第17問〕(配点:4)
1092 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,
1093 判例の立場に従って検討し,
1094
1095
1096 )内の
1097
1098 犯罪が既遂になる場合には1を,
1099 未遂にとどまる場合には2を,
1100 既遂にも未遂にもならない場合に
1101 は3を選びなさい。
1102
1103 (解答欄は,
1104 アからオの順に[28]から[32])
1105 ア.甲は,
1106 会社事務所内において現金を窃取して,
1107 戸外に出たところを警備員乙に発見されて取
1108 り押さえられそうになったため,
1109 逮捕を免れようと考え,
1110 乙に対し,
1111 刃体の長さ20センチメ
1112 ートルの出刃包丁をその腹部に突き付け,
1113 「ぶっ殺すぞ。
1114
1115 」と怒鳴り付けたが,
1116 偶然その場を通
1117 り掛かった警察官に取り押さえられ,
1118 逮捕を免れることができなかった。
1119
1120
1121 (事後強盗罪)[28]
1122 イ.甲は,
1123 行使の目的で,
1124 カラープリンターを用いて,
1125 複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面
1126 を複写して千円札を偽造しようとしたが,
1127 カラープリンターの操作を誤ったため,
1128 完成したも
1129 のは,
1130 一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではな
1131 かった。
1132
1133 (通貨偽造罪)[29]
1134 ウ.甲は,
1135 通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え,
1136 乙に対し,
1137 「俺をにらん
1138 できただろ。
1139
1140 金を払えば許してやる。
1141
1142 金を出せ。
1143
1144 」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧する
1145 に至らない程度の脅迫を加え,
1146 同脅迫により畏怖した乙は,
1147 甲に現金を直接手渡さなかったも
1148 のの,
1149 甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを
1150 黙認した。
1151
1152 (恐喝罪)[30]
1153 エ.甲は,
1154 知り合いの女性乙を自己が運転する自動車に乗せて同車内において強いて姦淫しよう
1155 と考え,
1156 乙に対し,
1157 「自宅まで送ってあげる。
1158
1159 」とうそを言ったところ,
1160 乙は,
1161 これを信じて同
1162 車に乗り込んだが,
1163 甲の態度を不審に思い即座に同車から降りた。
1164
1165 (強姦罪)[31]
1166 オ.甲は,
1167 会社事務所にある現金を窃取する目的で,
1168 門塀に囲まれ,
1169 警備員が配置されて出入り
1170 が制限されている同事務所の敷地内に塀を乗り越えて立ち入ったが,
1171 同事務所の建物に立ち入
1172 る前に警備員に発見され敷地外に逃走した。
1173
1174 (建造物侵入罪)[32]
1175 〔第18問〕(配点:2)
1176 名誉毀損罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
1177 正しいもの
1178 はどれか。
1179
1180 (解答欄は,
1181 [33])
1182 1.摘示される「事実」は,
1183 非公知のものでなければならないから,
1184 公知の事実を摘示した場合
1185 には,
1186 名誉毀損罪は成立しない。
1187
1188
1189 2.事実の摘示が「公然」といえるためには,
1190 摘示内容を不特定かつ多数人が認識し得る状態に
1191 あったことが必要であるから,
1192 不特定ではあるが,
1193 少数人しか認識し得ない状態にとどまる場
1194 合には,
1195 名誉毀損罪は成立しない。
1196
1197
1198 3.名誉の主体である「人」は,
1199 自然人に限られるから,
1200 法人の名誉を毀損した場合には,
1201 名誉
1202 毀損罪は成立しない。
1203
1204
1205 4.死者の名誉を毀損したとしても,
1206 虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから,
1207
1208 摘示した事実が真実である場合には,
1209 名誉毀損罪として処罰されない。
1210
1211
1212 5.人の名誉を侵害するに足りる事実を公然と摘示したとしても,
1213 現実に人の名誉が侵害されて
1214 いない場合には,
1215 名誉毀損罪は成立しない。
1216
1217
1218
1219 - 11 -
1220
1221 〔第19問〕(配点:2)
1222 学生A,
1223 B及びCは,
1224 次の【事例】における甲の罪責について,
1225 後記【会話】のとおり検討して
1226 いる。
1227
1228
1229 【会話】中の@からDまでの(
1230
1231 )内から適切な語句を選んだ場合,
1232 正しいものの組合せは,
1233
1234
1235 後記1から5までのうちどれか。
1236
1237 (解答欄は,
1238 [34])
1239 【事
1240
1241 例】
1242 甲は,
1243 乙がVに対して暴行を加えていたところに通り掛かり,
1244 乙との間で共謀を遂げた上,
1245
1246
1247 と一緒にVに対して暴行を加えた。
1248
1249 Vは,
1250 甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行を加えられた際
1251 に1個の傷害を負ったが,
1252 Vの傷害が,
1253 甲の共謀加担前の乙の暴行により生じたのか,
1254 甲の共謀
1255 加担後の甲又は乙の暴行により生じたのかは,
1256 証拠上不明であった。
1257
1258
1259 【会
1260
1261 話】
1262
1263 学生A.私は,
1264 共犯は自己の行為と因果関係を有する結果についてのみ責任を負うという見解に
1265 立ち,
1266 後行者は,
1267 共謀加担前の先行者の暴行により生じた傷害結果には因果性を及ぼし得
1268 ないと考えます。
1269
1270 事例の場合,
1271 甲には@(a.暴行罪・b.傷害罪)の共同正犯が成立す
1272 ると考えます。
1273
1274 事例とは異なり,
1275 Vの傷害が甲の共謀加担後の甲又は乙の暴行により生じ
1276 たことが証拠上明らかな場合,
1277 甲には傷害罪の共同正犯がA(c.成立する・d.成立し
1278 ない)と考えます。
1279
1280
1281 学生B.A君の見解に対しては,
1282 甲に対する傷害罪の成立範囲がB(e.狭く・f.広く)なり
1283 過ぎるとの批判が可能ですね。
1284
1285
1286 学生C.私は,
1287 事例の場合には,
1288 同時傷害の特例としての刑法第207条が適用され,
1289 甲は,
1290
1291 の傷害結果について責任を負うと考えます。
1292
1293 その理由の一つとして,
1294 仮に甲が乙と意思の
1295 連絡なく,
1296 Vに暴行を加えた場合に比べ,
1297 事例における甲がC(g.不利・h.有利)に
1298 扱われることになるのは不均衡であると考えられることが挙げられます。
1299
1300
1301 学生B.乙には,
1302 甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行の際にVに生じた傷害結果についての傷
1303 害罪が成立するのであり,
1304 傷害結果について責任を負う者が誰もいなくなるわけではない
1305 ということは,
1306 C君のD(i.見解に対する批判・j.見解の根拠)となり得ますね。
1307
1308
1309 1.@a
1310
1311 Ac
1312
1313 Be
1314
1315 Ch
1316
1317 Di
1318
1319 2.@b
1320
1321 Ad
1322
1323 Bf
1324
1325 Cg
1326
1327 Dj
1328
1329 3.@a
1330
1331 Ac
1332
1333 Bf
1334
1335 Cg
1336
1337 Dj
1338
1339 4.@b
1340
1341 Ac
1342
1343 Be
1344
1345 Ch
1346
1347 Di
1348
1349 5.@a
1350
1351 Ac
1352
1353 Be
1354
1355 Cg
1356
1357 Dj
1358
1359 - 12 -
1360
1361 〔第20問〕(配点:3)
1362 次の【事例】に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検討し,
1363 正しいもの
1364 を2個選びなさい。
1365
1366 (解答欄は,
1367 [35],
1368 [36]順不同)
1369 【事
1370
1371 例】
1372 甲は,
1373 覚せい剤の密売人である乙から,
1374 偽造した1万円札と引換えに覚せい剤をだまし取ろう
1375
1376 と考え,
1377 1万円札の偽造に使用する目的で,
1378 作業部屋を自己名義で賃借した上,
1379 印刷機及び印刷
1380 用紙を購入して同部屋に運び込み,
1381 それらを使用して1万円札100枚を偽造した。
1382
1383 (@)
1384 その後,
1385 甲は,
1386 ホテルの部屋で乙と会い,
1387 乙に対し,
1388 100万円相当の覚せい剤(以下「本件
1389 覚せい剤」という。
1390
1391 )の代金として,
1392 偽造した1万円札100枚を渡した。
1393
1394 乙は,
1395 甲から渡され
1396 た1万円札が偽札であることに気付かずに,
1397 甲に対し,
1398 本件覚せい剤を渡し,
1399 甲は,
1400 これを持っ
1401 て同部屋を出た。
1402
1403 (A)
1404 甲は,
1405 本件覚せい剤をホテルの駐車場に駐車中の自己の自動車内に置いたところ,
1406 甲が乙に渡
1407 した1万円札が偽札であることに気付いて追い掛けてきた乙から,
1408 本件覚せい剤を返還するよう
1409 に求められた。
1410
1411 甲は,
1412 本件覚せい剤の返還を免れるため,
1413 殺意をもって乙の首を両手で絞めて乙
1414 を殺害した。
1415
1416 (B)
1417 その数日後,
1418 甲は,
1419 本件覚せい剤を所持しているのを警察官に現認され,
1420 覚せい剤取締法違反
1421 の現行犯人として逮捕され,
1422 A警察署に連行された。
1423
1424 警察官丙は,
1425 A警察署の取調室において,
1426
1427 甲の弁解録取手続を行い,
1428 甲の供述内容を弁解録取書に記載した上,
1429 同弁解録取書を甲に手渡し
1430 て内容の確認を求めたところ,
1431 甲は,
1432 署名押印する前に同弁解録取書を両手で破った。
1433
1434 (C)
1435 甲は,
1436 同取調室から逃げ出し,
1437 A警察署の敷地外に出た。
1438
1439 (D)
1440 【記
1441
1442 述】
1443
1444 1.@について,
1445 甲が作業部屋を自己名義で賃借した行為は,
1446 通貨偽造罪の予備行為に該当する
1447 ことから,
1448 その段階で甲には通貨偽造等準備罪が成立する。
1449
1450
1451 2.Aについて,
1452 甲には詐欺罪が成立し,
1453 偽造通貨行使罪は詐欺罪に吸収される。
1454
1455
1456 3.Bについて,
1457 覚せい剤は,
1458 法定の除外事由なく所持することが禁じられた物であるが,
1459 甲は,
1460
1461 本件覚せい剤の返還を免れるために乙を殺害していることから,
1462 甲には強盗殺人罪が成立する。
1463
1464
1465 4.Cについて,
1466 丙が作成した弁解録取書には,
1467 甲の署名押印がないが,
1468 甲の供述内容が記載さ
1469 れていることから,
1470 甲には公用文書等毀棄罪が成立する。
1471
1472
1473 5.Dについて,
1474 甲は,
1475 逮捕中に逃走し,
1476 A警察署の敷地外に出ていることから,
1477 甲には単純逃
1478 走罪が成立する。
1479
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