1 論文式試験問題集[公法系科目第1問]
2
3 -1-
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 20**年,
8 少子高齢化の影響で日本では労働力の不足が深刻化し,
9 経済成長にとって大きな足
10 かせとなっていた。
11
12 日本では,
13 それまで外国人のいわゆる非熟練労働者の受入れは認められていな
14 かったが,
15 政府は,
16 労働力不足の深刻化を受け,
17 労働力確保の必要性が特に高い農業と製造業を対
18 象として,
19 外国人非熟練労働者を受け入れる方針を決めた。
20
21 受入れに際しては,
22 十分な数の労働者
23 を迅速かつ円滑に確保するとともに,
24 適性のある労働者についてはある程度長期間にわたり雇用を
25 継続できるようにすることが望まれた。
26
27 他方,
28 政府の上記方針決定に対し,
29 野党からだけではなく
30 与党からも,
31 欧米諸国で移民を大規模に受け入れた結果として社会的・政治的な軋轢が生じた経験
32 を参照した慎重論が強く主張された。
33
34 そのため,
35 特に労働力確保が必要な区域として受入れの対象
36 区域を指定し,
37 受け入れた外国人はその指定区域内でのみ就労できることとした上,
38 いずれ必ず帰
39 国し,
40 日本への長期にわたる定住を認めないこと,
41 さらに,
42 受け入れた外国人に問題がある場合に
43 は迅速に出国させることが求められた。
44
45 このように,
46 外国人非熟練労働者の受入れについては,
47 現
48 行の出入国管理制度とは大幅に異なる枠組みが必要とされたことから,
49 政府は,
50 「農業及び製造業
51 に従事する特定労務外国人の受入れに関する法律」(以下「特労法」又は「法」という。
52
53 )を制定し
54 て外国人非熟練労働者のみに適用される本邦滞在制度(以下「新制度」という。
55
56 )を創設し,
57 新制
58 度の下で受け入れる外国人については,
59 出入国及び在留に関して,
60 出入国管理及び難民認定法(以
61 下「入管法」という。
62
63 )を適用しないこととした。
64
65
66 新制度の概要は以下のとおりである(特労法の関連条文は【参考資料】のとおり。
67
68 )。
69
70
71 ・ 本邦において,
72 熟練した技能や専門的知識を要しない特定の農業及び製造業の業務(以下「特定
73 労務」という。
74
75
76 )への就労を希望する,
77 一定の条件を満たした外国人は,
78 申請により,
79 特定労務に
80 従事する者として認証を受けることができる。
81
82
83 ・ 特定労務外国人は,
84 入管法上の在留資格を得ることなく本邦に入国し,
85 法務大臣が指定する地域
86 (基本的に市区町村を単位とする。
87
88
89 )内で特定労務に就労することができる。
90
91
92 ・ 滞在期間は3年とし,
93 更新可能とする。
94
95 ただし,
96 滞在が長期間にわたったとしても,
97 永住や帰化
98 は認めない。
99
100
101 ・ 特定労務外国人については,
102 新制度の趣旨・目的を達成するため,
103 滞在中の妊娠・出産を禁止す
104 るなど,
105 本邦に滞在するに当たっての特別な禁止行為を定める(法第15条)
106 。
107
108
109 ・ 新制度の運用のため,
110 滞在の認証に係る審査や強制出国についての審査及び強制出国命令書の発
111 付等を行う行政官として,
112 特定労務外国人審査官(以下「審査官」という。
113
114
115 )を置き,
116 新制度によ
117 り滞在する外国人の違反事件の調査や,
118 強制出国の執行等を行う行政官として,
119 特定労務外国人警
120 備官(以下「警備官」という。
121
122
123 )を置く。
124
125 審査官は,
126 外国人の出入国ないし在留管理等の業務に1
127 0年以上従事した経歴があり,
128 一定の試験に合格した者から任用する。
129
130 審査官となった者は,
131 警備
132 官の行う業務には携わらない。
133
134
135 ・ 警備官は,
136 上記の禁止行為を行ったことが疑われる者(以下「嫌疑者」という。
137
138
139 )を覚知したと
140 きには調査を開始し,
141 その結果,
142 禁止行為を行ったと疑うに足りる相当な理由があるときは,
143 裁判
144 官の発する令状や,
145 行政官の事前審査に基づく収容令書など,
146 身柄を拘束する者とは別の立場の者
147 が強制処分のために発する書面を要しないで,
148 嫌疑者を収容することができる。
149
150
151 ・ 警備官は,
152 嫌疑者を収容するときは,
153 違反が疑われる事実を告知し,
154 収容後速やかに弁解を聴取
155 する。
156
157 警備官は,
158 収容のために身柄を拘束したときから48時間以内に,
159 審査官に,
160 調書及び証拠
161 物を送付するとともに,
162 当該嫌疑者の収容を報告しなければならない。
163
164
165 ・ 審査官は,
166 警備官から報告を受けた場合,
167 速やかに当該嫌疑者による禁止行為の存否について審
168 査を開始し,
169 その存在を確認した場合には,
170 同人を強制出国とする。
171
172
173 -2-
174
175 立法過程では,
176 滞在中の妊娠・出産を認めないのは女性の自己決定権に対する制約として厳し過
177 ぎるのではないかなど,
178 禁止行為が厳格に過ぎるのではないかとの意見のほか,
179 裁判官の令状等を
180 得ることもなく,
181 警備官限りの判断で,
182 直ちに外国人の身柄を拘束することは手続的保障の観点か
183 ら問題ではないかとの疑問が呈された。
184
185 しかし,
186 日本への長期にわたる定住を認めないという趣旨
187 を徹底する必要性や,
188 外国人被扶養者の増加が我が国の社会保障制度や保育,
189 教育,
190 医療サービス
191 等に及ぼす影響への懸念から,
192 この程度の制約はやむを得ないとの意見が大勢を占めるに至った。
193
194
195 また,
196 収容の要件が限定され,
197 収容後に一定の手続保障が与えられていることのほか,
198 労働力確保
199 の要請から入管法に比して緩やかな要件で入国を認める以上,
200 受け入れた外国人に問題がある場合
201 には迅速に出国させることにより我が国の秩序を守り国民の安心を得る必要があること,
202 更には外
203 国人の入国・滞在の可否は国家の主権的判断に属するという原則等が強調され,
204 結局,
205 特労法が制
206 定された。
207
208
209 A国籍の女性Bは新制度に基づいて来日し,
210 機械部品を製造する工場で特定労務に従事していた。
211
212
213 Bは,
214 同じく新制度に基づいて入国し,
215 同じ工場に勤務していたA国籍男性Cと親しくなり,
216 しば
217 らくして妊娠した。
218
219 Bは懐妊後も引き続き工場で働いていたが,
220 Bの体型の変化に気付いた雇用主
221 がBの妊娠について通報した。
222
223 これを受けて,
224 警備官が早速調査を開始したところ,
225 Bが産婦人科
226 で受診した事実も確認された。
227
228 このため,
229 警備官は,
230 Bが妊娠しているとの疑いを強め,
231 法第18
232 条第1項に基づきBを拘束して出国準備センターに収容した。
233
234 警備官は,
235 収容に際し,
236 法第18条
237 第2項に基づき,
238 Bに対し,
239 滞在中に妊娠し,
240 法第15条第8号の禁止行為に該当するため収容す
241 る旨口頭で告げた。
242
243 また,
244 警備官が,
245 法第18条第2項に基づき,
246 収容後速やかにBから弁解を聴
247 取したところ,
248 Bは,
249 「Cとの間の子を妊娠しているのは間違いない。
250
251 ただ,
252 滞在中に妊娠するこ
253 とを禁じられていると知っていたので,
254 望んで妊娠したわけではない。
255
256 この先日本に定住するつも
257 りはなく,
258 日本である程度お金を稼いだらA国に戻りたいとの気持ちは変わらないが,
259 Cを愛して
260 いるので今は出産したい。
261
262 」旨申し立てた。
263
264 さらに,
265 警備官から報告を受けた審査官は,
266 審査を行
267 った結果,
268 Bの妊娠事実を認定し,
269 強制出国命令書を発付した。
270
271
272 Bは,
273 間もなくA国に送り返された。
274
275 Bは,
276 妊娠したことを理由にいきなり収容されて帰国させ
277 られたことが納得できず,
278 日本政府を訴えたいと考え,
279 引き続き日本にいるCに相談した。
280
281 Bから
282 相談を受けたCが弁護士甲に相談したところ,
283 甲は,
284 Bの委任を受けて,
285 Bの収容及び強制出国の
286 根拠となった特労法の規定が憲法違反であるとして,
287 国家賠償請求訴訟を提起しようと考えた。
288
289
290 〔設問1〕
291 あなたが弁護士甲であるとして,
292 上記の国家賠償請求訴訟においてどのような憲法上の主張を
293 行うかを述べなさい。
294
295 なお,
296 憲法第14条違反については論じなくてもよい。
297
298
299 〔設問2〕
300 〔設問1〕で述べられた甲の主張に対する国の反論を想定しつつ,
301 憲法上の問題点について,
302
303 あなた自身の見解を述べなさい。
304
305
306
307 -3-
308
309 【参考資料】農業及び製造業に従事する特定労務外国人の受入れに関する法律(抄)
310
311 (目的)
312 第1条
313
314 この法律は,
315 我が国の農業及び製造業に必要な労働力の確保に支障が生じつつあることに
316
317 鑑み,
318 我が国において就労しようとする特定労務外国人の受入れに関して必要な措置を定めるこ
319 とにより,
320 我が国の文化や秩序との調和を図りつつ,
321 特定労務における労働力の円滑な供給を実
322 現し,
323 もって国民生活の安定及び社会経済の発展に資することを目的とする。
324
325
326 (定義)
327 第2条
328
329 この法律で,
330 「特定労務」とは,
331 農業又は製造業の業務のうち,
332 その習得に相当の期間を
333
334 要する熟練した技能や専門的知識を要しないものとして,
335 法務大臣が指定したものをいう。
336
337
338 (認証の付与及び認証の効果)
339 第4条
340
341 法務大臣は,
342 以下の各号を満たす外国人の申請により,
343 当該外国人に本邦において特定労
344
345 務に従事する者として認証を付与することができる。
346
347
348 一
349
350 申請時点で年齢が満20歳以上45歳未満であること
351
352 二
353
354 心身ともに健全であること
355
356 三
357
358 本邦において特定労務への就労を希望していること
359
360 四
361
362 本邦への帰化又は永住を希望しないこと
363
364 五
365
366 過去に第15条各号のいずれかに該当して本邦からの出国を強制されたことがないこと
367
368 六〜八
369 2
370
371 (略)
372
373 前項の認証を受けた外国人(以下「特定労務外国人」という。
374
375 )は,
376 出入国管理及び難民認定
377 法(昭和26年10月4日政令第319号。
378
379 以下「入管法」という。
380
381 )の規定にかかわらず,
382 本
383 邦に入国し,
384 滞在することができる。
385
386
387
388 3
389
390 特定労務外国人は,
391 法務大臣が告示により指定する特別区域内において,
392 特定労務に従事する
393 ことができる。
394
395
396
397 4
398
399 特定労務外国人の認証は,
400 認証を受けた日から3年を経過した時又は本邦を出国した時のいず
401 れか早い時に,
402 その効力を失う。
403
404 ただし,
405 特定労務外国人は,
406 申請により認証期間の更新を受け
407 ることができる。
408
409
410
411 5
412
413 特定労務外国人については,
414 別段の定めがない限り,
415 入管法の規定は適用しない。
416
417
418 (認証の申請に必要な書類)
419
420 第5条
421
422 外国人は,
423 特定労務外国人の認証の申請に際し,
424 次に掲げる書類を提出しなければならな
425
426 い。
427
428
429 一〜四
430 五
431
432 (略)
433
434 第15条各号に掲げる事項を理解した上で同事由に該当する行為をしない旨を誓約する書面
435
436 (禁止行為)
437 第15条
438 一〜五
439
440 特定労務外国人は,
441 次に掲げる行為をしてはならない。
442
443
444 (略)
445
446 六
447
448 正当な理由なく,
449 特定労務を継続して1月以上行わないで滞在すること
450
451 七
452
453 本邦内において配偶者又は子(日本国民及び入管法上の在留資格を有する者を除く。
454
455 )を扶
456 養すること
457
458 八
459
460 本邦滞在中に妊娠し又は出産すること
461
462 (収容)
463 第18条
464
465 特定労務外国人警備官(以下「警備官」という。
466
467 )は,
468 特定労務外国人について第15
469
470 条各号に該当する事実があると疑うに足りる相当な理由がある場合には,
471 当該特定労務外国人(以
472 下「嫌疑者」という。
473
474 )を収容することができる。
475
476
477 -4-
478
479 2
480
481 前項の規定によって収容するときは,
482 警備官は,
483 嫌疑者に対し,
484 収容の理由を口頭で告知し,
485
486 収容後速やかにその弁解を聴取しなければならない。
487
488
489
490 3
491
492 第1項の規定によって収容する場所は,
493 出国準備センターとする。
494
495
496
497 4
498
499 警備官は,
500 第1項の規定により嫌疑者を収容したときは,
501 嫌疑者の身体を拘束した時から48
502 時間以内に,
503 特定労務外国人審査官(以下「審査官」という。
504
505 )に,
506 調書及び証拠物を送付し,
507
508 当該嫌疑者の収容を報告しなければならない。
509
510
511
512 5
513
514 第1項の規定による収容は,
515 14日を超えてはならない。
516
517
518 (収容後の審査官による審査)
519
520 第19条
521
522 審査官は,
523 前条第4項の規定により嫌疑者の収容に関する報告を受けたときは,
524 速やか
525
526 に審査を開始し,
527 第15条各号に該当する事実の有無を確認しなければならない。
528
529
530 2
531
532 審査官が,
533 審査の結果,
534 嫌疑者に第15条各号に該当する事実がない又は当該事実の存否が明
535 らかでないと認定したときは,
536 警備官は,
537 直ちにその者を放免しなければならない。
538
539
540
541 3
542
543 審査官は,
544 審査の結果,
545 嫌疑者に第15条各号に該当する事実が存在すると認定したときは,
546
547 速やかに強制出国命令書を発付しなければならない。
548
549
550
551 4
552
553 前条第5項の規定にかかわらず,
554 前項の強制出国命令書が発付されたときは,
555 出国の時まで前
556 条第1項に基づく収容を継続することができる。
557
558
559 (強制出国命令書の執行)
560
561 第23条
562 2
563
564 強制出国命令書は,
565 警備官が執行する。
566
567
568
569 警備官は,
570 強制出国命令書を執行するときは,
571 強制出国命令を受ける者に強制出国命令書又は
572 その写しを示して,
573 速やかにその者の国籍又は市民権の属する国に出国させなければならない。
574
575
576
577 -5-
578
579 論文式試験問題集[公法系科目第2問]
580
581 -1-
582
583 [公法系科目]
584 〔第2問〕(配点:100〔〔設問1〕,
585 〔設問1〕,
586 〔設問2〕,
587 〔設問2〕の配点割合は,
588
589 35:20:20:25〕)
590 Y市に所在し,
591 社会福祉法人Aが運営する保育園(以下「本件保育園」という。
592
593 )の敷地(南北
594 約200メートル,
595 東西約100メートルのほぼ長方形)は,
596 その西側境界線の全部が,
597 幅員約1
598 メートル,
599 全長約200メートルの南北方向に通る市道(以下「本件市道」という。
600
601 )に接してい
602 る。
603
604 本件市道は,
605 その北端及び南端(それぞれ本件保育園の敷地の北西端及び南西端に接する部分)
606 で,
607 それぞれ東西方向に通る別の公道に接続している。
608
609 本件市道は,
610 古くからその敷地をY市が所
611 有し,
612 市道として道路法第8条第1項に基づく路線の認定を受けた道路(以下「認定道路」という。
613
614 )
615 であるが,
616 幅員が狭いため,
617 歩行者,
618 自転車及び原動機付自転車の通行は可能であるものの,
619 普通
620 乗用自動車の通行はできない。
621
622
623 本件市道を挟んで本件保育園の敷地と向かい合う位置には,
624 Aが所有する畑(以下「本件畑」と
625 いう。
626
627 )があるほか,
628 数戸の住宅が立ち並んでいる。
629
630 これらの本件畑及び住宅の敷地は,
631 いずれも,
632
633 その東側で本件市道に接し,
634 その西側で,
635 南北方向に通る幅員5メートルの別の認定道路である市
636 道(B通り)に接している。
637
638
639 本件保育園においては,
640 保育活動の一環として,
641 本件畑が園児の農業体験等に頻繁に利用されて
642 おり,
643 本件市道も,
644 農業体験等の際に園児が自由に横断するなど,
645 本件保育園の敷地及び本件畑と
646 事実上一体的に利用されていた。
647
648 そのため,
649 本件市道を通行する原動機付自転車が園児と接触しか
650 ける事件が年数回発生しており,
651 保護者らもAに対し園児の安全確保を申し入れることがしばしば
652 あった。
653
654 このような状況の下で,
655 園児が本件市道を通行する原動機付自転車に接触して負傷する事
656 故が実際に発生したことから,
657 Aは,
658 園児の安全を確保するための緊急措置として,
659 本件市道の北
660 端と南端に簡易フェンス(以下「本件フェンス」という。
661
662 )を設置し,
663 一般通行者が本件市道に立
664 ち入ることができないようにした。
665
666 同時にAは,
667 抜本的解決のためには本件市道を買い取るしかな
668 いと考え,
669 本件市道を管理するY市との間で,
670 本件市道の路線の廃止及び売渡しについて事前相談
671 を開始した。
672
673
674 Y市長は,
675 Aからの相談の内容を踏まえ,
676 (ア)本件保育園の関係者以外の者による本件市道の利
677 用は乏しいと思われること,
678 (イ)現に本件市道上で園児と原動機付自転車との接触事故が発生して
679 おり,
680 現場の状況等からすると同種事故が発生しかねないこと,
681 (ウ)Aが本件市道の路線の廃止及
682 び売渡しを希望しており,
683 いずれ路線の廃止が見込まれることから,
684 本件フェンスの設置は道路法
685 第43条第2号に違反しないと判断し,
686 Aに対してその撤去を求めるなどの道路法に基づく監督処
687 分の措置を執らなかった。
688
689
690 また,
691 Y市長は,
692 職員に命じて,
693 本件フェンスにより本件市道が閉鎖された状況の下において本
694 件市道の調査を行わせ,
695 上記職員から,
696 @本件市道の幅員は約1メートルしかなく,
697 普通乗用自動
698 車が通行できないこと,
699 A本件保育園の関係者以外の者による本件市道の利用は乏しいと思われる
700 こと,
701 B本件市道の近くには認定道路であるB通りがあること等から,
702 道路法第10条第1項に基
703 づき本件市道の路線を全部廃止しても支障がないと考えられる旨の報告書の提出を受けた。
704
705 なお,
706
707 上記調査のうち聞き取り調査は,
708 Aに対してのみ行われた。
709
710 Y市長は,
711 上記報告書を踏まえ,
712 本件
713 市道は一般交通の用に供する必要性がなくなったと判断し,
714 Aに対し,
715 本件市道に隣接する全ての
716 土地(本件市道の西側に立ち並んでいる前記の数戸の住宅の敷地)の所有者から本件市道の路線の
717 廃止に関する同意を得た上で売渡しに向けた手続を進めるよう回答した。
718
719
720 Aは,
721 Y市長からの回答を受けて,
722 上記隣接土地所有者と交渉を進め,
723 そのほとんどの者から本
724 件市道の路線の廃止に関する同意を得たが,
725 本件畑の南側に隣接する土地(以下「本件土地」とい
726 う。
727
728 )を所有するX1だけは強く反対し,
729 同意を得ることができなかった。
730
731
732 X1及びその子X2(以下,
733 併せて「Xら」という。
734
735 )は,
736 本件土地上の住宅に居住し,
737 X2は,
738
739 -2-
740
741 C小学校への通学路として本件市道を利用してきた。
742
743 C小学校まではB通りを通っても行くことが
744 できるが,
745 周辺の道路状況から,
746 本件市道を通る方が,
747 C小学校までの距離は約400メートル短
748 い。
749
750 また,
751 普通乗用自動車が通行できず交通量が少ない点で,
752 B通りよりも本件市道の方がX2に
753 とって安全であるとX1は考えている。
754
755 さらに,
756 C小学校は,
757 災害時の避難場所として指定されて
758 おり,
759 Xらとしては,
760 災害時にC小学校に行くための緊急避難路として,
761 本件市道を利用する予定
762 であった。
763
764
765 Y市のウェブサイトには,
766 市道の路線を廃止するためには当該市道に隣接する全ての土地の所有
767 者から同意を得る必要がある旨の記載がある。
768
769 しかし,
770 X1がY市に問い合わせたところ,
771 隣接す
772 る全ての土地の所有者から同意を得ることは法律上の要件ではなく,
773 X1の同意が得られなくても
774 本件市道の路線の廃止は認められる旨の回答があった。
775
776
777 XらはY市に対して訴訟を提起しようと考え,
778 知り合いの弁護士Dに相談した。
779
780
781 以下に示された【法律事務所の会議録】を読んだ上で,
782 弁護士Dの指示に応じる弁護士Eの立場
783 に立って,
784 設問に答えなさい。
785
786
787 なお,
788 道路法の抜粋を【資料1
789
790 関係法令】に,
791 関連判例の抜粋を【資料2
792
793 参考判例】に掲げ
794
795 てあるので,
796 適宜参照しなさい。
797
798
799 〔設問1〕
800 Xらは,
801 現時点において,
802 Y市を被告として,
803 本件フェンスを撤去させるための抗告訴訟を提起
804 したいと考えている。
805
806
807
808
809 抗告訴訟として最も適切と考えられる訴えを具体的に一つ挙げ,
810 その訴えが訴訟要件を満たす
811 か否かについて検討しなさい。
812
813 なお,
814 仮の救済については検討する必要はない。
815
816
817
818
819
820 の訴えの本案において,
821 Xらはどのような主張をすべきか。
822
823 解答に当たっては,
824 当該訴えが
825 訴訟要件を満たすことを前提にしなさい。
826
827
828
829 〔設問2〕
830 仮に,
831 Y市長が,
832 道路法第10条第1項に基づき,
833 本件市道の路線を廃止したとする。
834
835
836
837
838 本件市道の路線の廃止は,
839 取消訴訟の対象となる処分に当たるか。
840
841
842
843
844
845 本件市道の路線の廃止の取消訴訟において,
846 Xらはどのような違法事由の主張をすべきか。
847
848 解
849 答に当たっては,
850 当該取消訴訟が訴訟要件を満たすことを前提にしなさい。
851
852
853
854 -3-
855
856 【法律事務所の会議録】
857 弁護士D:本日は,
858 Xらの案件について議論したいと思います。
859
860 Xらは,
861 本件市道をX2のC小学校
862 までの通学路として利用していること,
863 また,
864 災害時の緊急避難路として利用したいと考え
865 ていることから,
866 本件フェンスによって本件市道を通行できなくなっている状態を解消する
867 ための行政訴訟の提起を検討しています。
868
869 そこで,
870 まず,
871 本件市道の路線がまだ廃止されて
872 いない現時点の状態において,
873 Y市を被告として,
874 本件フェンスを撤去させるための抗告訴
875 訟を提起することができないかを検討したいと思います。
876
877 今回は抗告訴訟に絞って検討し,
878
879 当事者訴訟や住民訴訟については検討しないことにしましょう。
880
881
882 弁護士E:通行妨害を排除するためには,
883 本件フェンスの設置者であるAに対する民事訴訟の提起も
884 考えられますね。
885
886 この点については,
887 村道を利用して生活及び農業を営んでいると主張する
888 原告が,
889 その村道上に建物を建築するなどして排他的に占有しているとされる被告に対し,
890
891 通行妨害の排除を求めた事案についての最高裁判所の判例(【資料2
892
893 参考判例】参照)が
894
895 あるようです。
896
897
898 弁護士D:そうですね。
899
900 本件でそのような民事訴訟をAに対して提起して勝訴できるかどうかは分か
901 りませんが,
902 当該民事訴訟の可能性が,
903 Y市を被告とする抗告訴訟の訴訟要件の充足の有無
904 に影響を及ぼすかという点は,
905 落とさずに検討してください。
906
907 また,
908 訴訟要件の検討に当た
909 っては,
910 選択した訴訟類型を定める条文の規定に即して,
911 全般的に検討をしてください。
912
913
914 弁護士E:分かりました。
915
916
917 弁護士D:Y市長は,
918 本件フェンスの設置は道路法第43条第2号に違反していないと判断し,
919 道路
920 法に基づく監督処分の措置を執らないこととしています。
921
922 我々としては,
923 道路法の規定に即
924 して,
925 Y市長のこのような判断に誤りがないかどうかを検討し,
926 仮に誤りがある場合には,
927
928 さらに,
929 本件フェンスに関する監督処分の措置を執らないことが違法といえるかどうかを検
930 討しなければなりませんね。
931
932
933 弁護士E:分かりました。
934
935 次に,
936 Y市は道路法第10条第1項に基づき本件市道の路線を廃止してA
937 に売り渡すことを検討していますから,
938 路線が廃止された場合の対応についても検討してお
939 かなければならないと思います。
940
941
942 弁護士D:なるほど。
943
944 本件市道の路線の廃止前にそれを阻止するための訴訟を提起することも考えら
945 れますが,
946 今回は,
947 路線が廃止された場合を前提として,
948 それに対して取消訴訟を適法に提
949 起できるかに絞って検討しましょう。
950
951
952 弁護士E:本件市道の路線の廃止が取消訴訟の対象となる処分に当たるか否かが問題となりますね。
953
954
955 弁護士D:そうですね。
956
957 この問題を検討するに当たっては,
958 市町村道の路線の廃止が道路敷地の所有
959 者及び通行者の法的地位にどのような影響を及ぼすかを検討して,
960 それが処分に当たるか否
961 かを明らかにする必要があります。
962
963 市町村道は,
964 路線の認定,
965 そして道路の区域の決定とい
966 う過程を経た上で供用が開始されます。
967
968 また,
969 Y市が検討している路線の廃止は,
970 道路自体
971 の消滅を意味するものであって,
972 これにより,
973 当該路線について定められていた道路の区域
974 や,
975 当該道路についてされていた供用行為も自動的に消滅することとなると理解されていま
976 す。
977
978 ですから,
979 本件市道の路線の廃止に係る処分性の有無を検討するためには,
980 道路の区域
981 の決定及び供用の開始が,
982 道路敷地の所有者及び通行者の法的地位に対してどのような影響
983 を及ぼすかについても検討する必要がありそうです。
984
985
986 弁護士E:道路敷地の所有者とおっしゃいましたが,
987 本件市道の敷地の所有権は,
988 古くから,
989 私人で
990 はなくY市にあります。
991
992 道路の区域の決定及び供用開始や路線の廃止がY市の法的地位に与
993 える影響を検討する必要があるのでしょうか。
994
995
996 弁護士D:そうですね。
997
998 そのような疑問も生じ得るでしょうが,
999 道路法は,
1000 私人が所有する敷地が道
1001 路の区域とされる場合があり得ることを前提とした規定を置いていますので,
1002 処分性の検討
1003 に当たっては,
1004 そのような規定も踏まえ,
1005 道路の区域の決定及び供用開始や路線の廃止が道
1006 -4-
1007
1008 路敷地の所有者の法的地位に及ぼす影響を検討する必要があります。
1009
1010 また,
1011 それに加えて,
1012
1013 これらの行政上の行為が道路の通行者の法的地位にどのような影響を及ぼすかも検討してお
1014 くべきでしょう。
1015
1016 なお,
1017 Xらの原告適格については,
1018 これまで検討をお願いした点とかなり
1019 の程度重なるように思われますので,
1020 本件市道の路線の廃止の取消訴訟との関係では,
1021 差し
1022 当たり検討しなくて結構ですし,
1023 その他の訴訟要件についても,
1024 今は検討しないで構いませ
1025 ん。
1026
1027
1028 弁護士E:分かりました。
1029
1030
1031 弁護士D:次に,
1032 訴えの適法性が認められた場合,
1033 本件市道の路線の廃止の違法性についてどのよう
1034 な主張をすべきか検討してください。
1035
1036
1037 弁護士E:そもそもX2が通学路に利用していて本件市道の機能が失われていない以上,
1038 路線の廃止
1039 は許されないのではないかと思うのですが。
1040
1041
1042 弁護士D:道路法の規定に即してそのような解釈が可能かどうか検討してください。
1043
1044 また,
1045 我々とし
1046 ては,
1047 Y市長が,
1048 本件市道の路線の廃止の適法性をどのような理由付けで主張してくるかを
1049 想定し,
1050 そのようなY市長の主張を前提としても本件市道の路線の廃止が違法といえるかに
1051 ついても,
1052 検討する必要があります。
1053
1054
1055 弁護士E:分かりました。
1056
1057
1058 弁護士D:本件市道を利用していた人は,
1059 Xらと本件保育園の関係者以外に誰かいますか。
1060
1061
1062 弁護士E:現に本件市道上で,
1063 園児と原動機付自転車の接触事故が起こっていますし,
1064 それ以前にも
1065 時折原動機付自転車が通行して園児と接触しかけたことがあったようですから,
1066 利用されて
1067 いたことは確かですが,
1068 どの程度の頻度で利用されていたのかはよく分かりません。
1069
1070 Y市長
1071 は,
1072 本件フェンスにより本件市道が閉鎖された状況の下においてY市の職員がAに対しての
1073 み行った聞き取り調査に専ら依拠した上で,
1074 「本件保育園の関係者以外の者による本件市道
1075 の利用は乏しい」としています。
1076
1077 しかし,
1078 X1としては,
1079 Y市長が十分な調査をしていない
1080 のではないかとの不満を持っています。
1081
1082
1083 弁護士D:ところで,
1084 Y市は,
1085 市道の路線を廃止するには当該市道に隣接する全ての土地の所有者の
1086 同意を必要とする旨の内部基準を設け,
1087 その旨をウェブサイトで公表しています。
1088
1089 この内部
1090 基準の法的性質や,
1091 道路法の規定との関係を検討した上で,
1092 本件市道の路線の廃止の違法性
1093 とこの内部基準がどう関係するかについても検討しなければなりませんね。
1094
1095
1096 弁護士E:分かりました。
1097
1098
1099
1100 -5-
1101
1102 【資料1
1103 ○
1104
1105 関係法令】
1106
1107 道路法(昭和27年6月10日法律第180号)(抜粋)
1108 (この法律の目的)
1109
1110 第1条
1111
1112 この法律は,
1113 道路網の整備を図るため,
1114 道路に関して,
1115 路線の指定及び認定,
1116 管理,
1117 構造,
1118
1119
1120 保全,
1121 費用の負担区分等に関する事項を定め,
1122 もつて交通の発達に寄与し,
1123 公共の福祉を増進する
1124 ことを目的とする。
1125
1126
1127 (用語の定義)
1128 第2条
1129
1130 この法律において「道路」とは,
1131 一般交通の用に供する道で次条各号に掲げるものをいい,
1132
1133
1134 トンネル,
1135 橋,
1136 渡船施設,
1137 道路用エレベーター等道路と一体となつてその効用を全うする施設又は
1138 工作物及び道路の附属物で当該道路に附属して設けられているものを含むものとする。
1139
1140
1141 2〜5
1142
1143 (略)
1144
1145 (道路の種類)
1146 第3条
1147
1148 道路の種類は,
1149 左に掲げるものとする。
1150
1151
1152
1153 一
1154
1155 高速自動車国道
1156
1157 二
1158
1159 一般国道
1160
1161 三
1162
1163 都道府県道
1164
1165 四
1166
1167 市町村道
1168
1169 (私権の制限)
1170 第4条
1171
1172 道路を構成する敷地,
1173 支壁その他の物件については,
1174 私権を行使することができない。
1175
1176 但し,
1177
1178
1179 所有権を移転し,
1180 又は抵当権を設定し,
1181 若しくは移転することを妨げない。
1182
1183
1184 (市町村道の意義及びその路線の認定)
1185 第8条
1186
1187 第3条第4号の市町村道とは,
1188 市町村の区域内に存する道路で,
1189 市町村長がその路線を認定
1190
1191 したものをいう。
1192
1193
1194 2〜5
1195
1196 (略)
1197
1198 (路線の認定の公示)
1199 第9条
1200
1201 (前略)市町村長は,
1202 (中略)前条の規定により路線を認定した場合においては,
1203 その路線
1204
1205 名,
1206 起点,
1207 終点,
1208 重要な経過地その他必要な事項を,
1209 国土交通省令で定めるところにより,
1210 公示し
1211 なければならない。
1212
1213
1214 (路線の廃止又は変更)
1215 第10条
1216
1217 (前略)市町村長は,
1218 (中略)市町村道について,
1219 一般交通の用に供する必要がなくなつ
1220
1221 たと認める場合においては,
1222 当該路線の全部又は一部を廃止することができる。
1223
1224 (以下略)
1225 2
1226 3
1227
1228 (略)
1229 (前略)前条の規定は前2項の規定による市町村道の路線の廃止又は変更について(中略)準用
1230 する。
1231
1232
1233 (市町村道の管理)
1234
1235 第16条
1236 2〜5
1237
1238 市町村道の管理は,
1239 その路線の存する市町村が行う。
1240
1241
1242 (略)
1243
1244 (道路の区域の決定及び供用の開始等)
1245 第18条 (前略)第16条(中略)の規定によつて道路を管理する者((中略)以下「道路管理者」
1246 という。
1247
1248 )は,
1249 路線が指定され,
1250 又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては,
1251 遅滞
1252 なく,
1253 道路の区域を決定して,
1254 国土交通省令で定めるところにより,
1255 これを公示し,
1256 かつ,
1257 これを
1258 表示した図面を(中略)道路管理者の事務所(中略)において一般の縦覧に供しなければならない。
1259
1260
1261 (以下略)
1262 2
1263
1264 道路管理者は,
1265 道路の供用を開始し,
1266 又は廃止しようとする場合においては,
1267 国土交通省令で定
1268 -6-
1269
1270 めるところにより,
1271 その旨を公示し,
1272 かつ,
1273 これを表示した図面を道路管理者の事務所において一
1274 般の縦覧に供しなければならない。
1275
1276 (以下略)
1277 (道路に関する禁止行為)
1278 第43条
1279
1280 何人も道路に関し,
1281 左に掲げる行為をしてはならない。
1282
1283
1284
1285 一
1286
1287 (略)
1288
1289 二
1290
1291 みだりに道路に土石,
1292 竹木等の物件をたい積し,
1293 その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞
1294 のある行為をすること。
1295
1296
1297
1298 (道路管理者等の監督処分)
1299 第71条
1300
1301 道路管理者は,
1302 次の各号のいずれかに該当する者に対して,
1303 この法律若しくはこの法律に
1304
1305 基づく命令の規定によつて与えた許可,
1306 承認若しくは認定を取り消し,
1307 その効力を停止し,
1308 若しく
1309 はその条件を変更し,
1310 又は行為若しくは工事の中止,
1311 道路(中略)に存する工作物その他の物件の
1312 改築,
1313 移転,
1314 除却若しくは当該工作物その他の物件により生ずべき損害を予防するために必要な施
1315 設をすること若しくは道路を原状に回復することを命ずることができる。
1316
1317
1318 一
1319
1320 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反している
1321 者
1322
1323 二,
1324 三
1325 2〜7
1326
1327 (略)
1328
1329 (略)
1330
1331 (道路予定区域)
1332 第91条
1333
1334 第18条第1項の規定により道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間
1335
1336 は,
1337 何人も,
1338 道路管理者(中略)が当該区域についての土地に関する権原を取得する前においても,
1339
1340 道路管理者の許可を受けなければ,
1341 当該区域内において土地の形質を変更し,
1342 工作物を新築し,
1343 改
1344 築し,
1345 増築し,
1346 若しくは大修繕し,
1347 又は物件を付加増置してはならない。
1348
1349
1350 2
1351
1352 道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間においても,
1353 道路管理者が当該区域
1354 についての土地に関する権原を取得した後においては,
1355 当該区域又は当該区域内に設置された道路
1356 の附属物となるべきもの(以下「道路予定区域」という。
1357
1358 )については,
1359 第4条,
1360
1361 (中略)第43条,
1362
1363 (中略)第71条(中略)の規定を準用する。
1364
1365
1366
1367 3
1368
1369 第1項の規定による制限により損失を受ける者がある場合においては,
1370 道路管理者は,
1371 その者に
1372 対して通常受けるべき損失を補償しなければならない。
1373
1374
1375
1376 4
1377
1378 (略)
1379
1380 第102条
1381 一,
1382 二
1383
1384 次の各号のいずれかに該当する者は,
1385 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1386
1387
1388 (略)
1389
1390 三
1391
1392 第43条(中略)の規定に違反した者
1393
1394 四
1395
1396 (略)
1397
1398 第104条
1399 一〜三
1400
1401 次の各号のいずれかに該当する者は,
1402 100万円以下の罰金に処する。
1403
1404
1405 (略)
1406
1407 四
1408
1409 第71条第1項(中略)の規定による道路管理者の命令に違反した者
1410
1411 五
1412
1413 (略)
1414
1415 -7-
1416
1417 【資料2
1418 ○
1419
1420 参考判例】
1421
1422 最高裁判所昭和39年1月16日第一小法廷判決(民集18巻1号1頁)(抜粋)
1423 「地方公共団体の開設している村道に対しては村民各自は他の村民がその道路に対して有する利益
1424 ないし自由を侵害しない程度において,
1425 自己の生活上必須の行動を自由に行い得べきところの使用
1426 の自由権(民法710条参照)を有するものと解するを相当とする。
1427
1428 勿論,
1429 この通行の自由権は公
1430 法関係から由来するものであるけれども,
1431 各自が日常生活上諸般の権利を行使するについて欠くこ
1432 とのできない要具であるから,
1433 これに対しては民法上の保護を与うべきは当然の筋合である。
1434
1435 故に
1436 一村民がこの権利を妨害されたときは民法上不法行為の問題の生ずるのは当然であり,
1437 この妨害が
1438 継続するときは,
1439 これが排除を求める権利を有することは,
1440 また言を俟たないところである。
1441
1442 」
1443
1444 -8-
1445
1446