1 論文式試験問題集[民事系科目第1問]
2
3 -1-
4
5 [民事系科目]
6 〔第1問〕(配点:100〔〔設問1〕,
7 〔設問2〕及び〔設問3〕の配点は,
8 30:40:30〕)
9 次の文章を読んで,
10 後記の〔設問1〕,
11 〔設問2〕及び〔設問3〕に答えなさい。
12
13
14 T
15 【事実】
16 1.甲土地と乙土地は,
17 平成14年3月31日以前は長い間いずれも更地であり,
18 全く利用され
19 ていなかった。
20
21 Aが所有する乙土地は,
22 南側が公道に面するほかはBが所有する甲土地に囲
23 まれた長方形の土地であるが,
24 乙土地の実際の面積は登記簿に記載されている地積よりも小
25 さかった。
26
27 また,
28 甲土地と乙土地の境界にはもともと排水溝があった。
29
30
31 2.平成14年4月1日,
32 Aは,
33 排水溝が埋没したのを奇貨として,
34 登記簿記載の地積にほぼ合
35 致するように,
36 乙土地の東側と西側をそれぞれ5メートルほど広げる形で,
37 柵を立てた(公
38 道に面する南側部分を除く。
39
40 以下では,
41 この柵と南側の公道に囲まれた土地全体を「本件土
42 地」といい,
43 乙土地の東側に隣接する甲土地の一部を「甲1部分」と,
44 西側に隣接する甲土
45 地の一部を「甲2部分」という。
46
47 なお,
48 本件土地の位置関係は別紙図面のとおりであり,
49 〔本
50 件土地=乙土地+甲1部分+甲2部分〕という関係にある。
51
52 本件土地の東側・北側・西側の
53 外周に,
54 それぞれ柵が立てられている状態である。
55
56 )。
57
58 Aは,
59 柵を立てた後も,
60 本件土地を更
61 地のままにしていた。
62
63
64 3.医師であるCは,
65 診療所を営むことを考えており,
66 それに適する場所を探していたところ,
67
68 知人からAを紹介され,
69 本件土地に診療所用の建物を建築することを計画した。
70
71 そこで,
72 C
73 は,
74 乙土地の登記簿を閲覧した上で,
75 Aと共に本件土地を実地に調査し,
76 本件土地の東側・
77 北側・西側の外周に柵があることを確認した。
78
79 また,
80 Cは,
81 本件土地の測量を行い,
82 その面
83 積が乙土地の登記簿に記載されている地積とほぼ合致することを確認した。
84
85
86 4.AとCは,
87 平成16年9月15日,
88 本件土地につき,
89 Aを賃貸人,
90 Cを賃借人,
91 契約期間を
92 同年10月1日から30年間,
93 賃料を月額20万円,
94 使用目的を診療所用の建物の所有とす
95 る賃貸借契約(以下「本件土地賃貸借契約」という。
96
97 )を締結した。
98
99
100 5.平成16年9月25日,
101 Cは,
102 建築業者との間で,
103 本件土地に診療所用の建物を建築するこ
104 とを目的とする請負契約を締結した(以下では,
105 この請負契約に基づき行われる工事を「本
106 件工事」という。
107
108 )。
109
110
111 6.平成16年10月1日,
112 Aは,
113 本件土地賃貸借契約に基づき,
114 本件土地をCに引き渡した。
115
116
117 Cは,
118 約定どおり,
119 Aが指定する銀行口座に同月分以降の賃料を振り込んでいた。
120
121
122 7.本件工事の開始は請負人である建築業者の都合で大幅に遅れた。
123
124 その間,
125 【事実】2の柵は
126 立てられたままであったが,
127 本件土地は全く利用されておらず,
128 更地のままであった。
129
130
131 8.平成17年6月1日になってようやく本件工事が始まった。
132
133 本件工事は,
134 乙土地と甲1部分
135 の上で行われ,
136 Cは,
137 同日以降,
138 甲2部分を工事関係者に駐車場や資材置場として利用させ
139 ていた。
140
141
142 9.本件工事は平成18年2月15日に終了し,
143 同日,
144 乙土地と甲1部分の上に建築された建物
145 (以下「丙建物」という。
146
147 )につきC名義で所有権保存登記がされた。
148
149 丙建物は,
150 乙土地と甲
151 1部分のほぼ全面を利用する形で建築された。
152
153 Cは,
154 同年4月1日に診療所を開設した。
155
156 甲
157 2部分は,
158 それ以降,
159 患者用駐車場(普通自動車3台分)として利用されている。
160
161
162 10.Bは,
163 長い間甲土地を利用しないまま放置していたが,
164 平成26年8月になって甲土地に建
165 物を建築することを計画した。
166
167 Bは,
168 その際,
169 丙建物が甲1部分に越境して建築されている
170 こと及びCが駐車場として利用している甲2部分も甲土地の一部であることに気付いた。
171
172
173 11.そこで,
174 平成27年4月20日,
175 Bは,
176 Cに対し,
177 所有権に基づき,
178 甲1部分を明け渡すこ
179 -2-
180
181 とを求める訴えを提起した。
182
183
184 〔設問1〕
185
186 【事実】1から11までを前提として,
187 次の問いに答えなさい。
188
189
190
191 Cは,
192 Bが甲1部分を所有することを認めた上でBの請求の棄却を求める場合,
193 どのような反論
194 をすることが考えられるか,
195 その根拠及びその反論が認められるために必要な要件を説明した上で,
196
197 その反論が認められるかどうかを検討しなさい。
198
199 なお,
200 丙建物の収去の可否及び要否について考慮
201 する必要はない。
202
203
204 U
205
206 【事実】1から11までに加え,
207 以下の【事実】12から16までの経緯があった。
208
209
210
211 【事実】
212 12.平成27年11月10日,
213 Aは,
214 Bから,
215 甲1部分及び甲2部分を買い受けた。
216
217 同日,
218 甲土
219 地を甲1部分,
220 甲2部分及びその余の部分に分筆する旨の登記がされ(以下では,
221 甲1部分
222 を「甲1土地」,
223 甲2部分を「甲2土地」といい,
224 乙土地,
225 甲1土地及び甲2土地を「本件土
226 地」という。
227
228 ),
229 甲1土地と甲2土地のそれぞれにつきBからAへの所有権移転登記がされた。
230
231
232 Bは,
233 これを受けて,
234 【事実】11の訴えを取り下げた。
235
236 Aは,
237 Cに対し,
238 これらの事実を伝え
239 るとともに,
240 本件土地賃貸借契約については従来と何も変わらない旨を述べた。
241
242 また,
243 同月
244 20日に,
245 丙建物につき,
246 その所在する土地の地番を,
247 「乙土地の地番」から「乙土地の地番
248 及び甲1土地の地番」に更正する旨の登記がされた。
249
250
251 13.平成28年1月に,
252 Cは,
253 友人Dから,
254 勤務医を辞めて開業したいと考えているが,
255 良い物
256 件を知らないかと相談を受けた。
257
258 Cは,
259 健康上の理由で廃業を考えていたところであったた
260 め,
261 Dに対し,
262 丙建物を貸すので,
263 そこで診療所を営むことにしてはどうか,
264 と提案した。
265
266
267 Dは,
268 この提案を受け入れることにした。
269
270
271 14.CとDは,
272 平成28年5月1日,
273 丙建物について,
274 賃貸人をC,
275 賃借人をD,
276 契約期間を同
277 日から5年間,
278 賃料を月額60万円,
279 使用目的を診療所の経営とする賃貸借契約(以下「丙
280 賃貸借契約」という。
281
282 )を締結した。
283
284 その際,
285 CとDは,
286 専らCの診療所の患者用駐車場とし
287 て利用されてきた甲2土地について,
288 以後は専らDの診療所の患者用駐車場として利用する
289 ことを確認した。
290
291
292 15.平成28年5月1日以降,
293 Dは,
294 丙建物で診療所を営んでいる。
295
296 丙建物の出入りは専ら甲1
297 土地上にある出入口で行われ,
298 甲2土地は,
299 従前と同様,
300 診療所の患者用駐車場として利用
301 されており,
302 3台の駐車スペースのうち1台は救急患者専用のものとして利用されている。
303
304
305 16.平成28年9月3日,
306 Aは,
307 CD間で丙賃貸借契約が締結されたこと,
308 Dが丙建物で診療所
309 を営み,
310 甲2土地を診療所の患者用駐車場として使っていることを知った。
311
312 同月5日に,
313 A
314 は,
315 Cに対し,
316 事前に了解を得ることなく,
317 @Cが丙建物をDに賃貸し,
318 そこでDに診療所
319 を営ませていること,
320 ACが甲2土地を診療所の患者用駐車場としてDに使用させているこ
321 とについて抗議をした。
322
323
324 〔設問2〕
325
326 【事実】1から16までを前提として,
327 次の問いに答えなさい。
328
329
330
331 Aは,
332 本件土地賃貸借契約を解除することができるか,
333 【事実】16の下線を付した@及びAの事
334 実がそれぞれ法律上の意義を有するかどうかを検討した上で,
335 理由を付して解答しなさい。
336
337
338 V
339
340 【事実】1から16までに加え,
341 以下の【事実】17から20までの経緯があった。
342
343
344
345 【事実】
346 17.その後,
347 Aは,
348 Cだけでなく,
349 Dにも連日苦情を述べるようになった。
350
351 Dから対処を求めら
352 れたCは,
353 平成28年9月20日,
354 Aに対し,
355 50万円を支払うので今回の件をこれ以上問
356 題にしないでほしいと申し入れた。
357
358 Aは,
359 不満ではあったものの,
360 金策に追われていたこと
361 から,
362 Cの申入れを受け入れることにし,
363 AとCとの間で和解が成立した。
364
365 同月25日に,
366
367 -3-
368
369 Cは,
370 Aに対し,
371 前記和解に基づき,
372 50万円を支払った。
373
374 Dは,
375 Cから,
376 Aとの間で和解
377 が成立した旨の報告を受け,
378 引き続き診療所を営んでいる。
379
380
381 18.平成28年12月10日,
382 Aは,
383 資金繰りの必要から,
384 Eとの間で,
385 本件土地(甲1土地,
386
387 甲2土地及び乙土地)を6000万円でEに売却する旨の契約(以下「本件売買契約」とい
388 う。
389
390 )を締結した。
391
392 その際,
393 Aは,
394 Eに対し,
395 Cの契約違反を理由に本件土地賃貸借契約は解
396 除されており,
397 Cは速やかに丙建物を収去して本件土地を明け渡すことになっている旨の虚
398 偽の説明をした。
399
400 Eがこの説明を信じたため,
401 前記代金額は,
402 それを前提として決定され,
403
404 建物の収去及び土地の明渡しが未了であることを考慮し,
405 本件土地の更地価格(7000万
406 円)より1000万円低く設定された。
407
408
409 19.平成28年12月16日,
410 Eは,
411 Aに対し,
412 本件売買契約に基づき,
413 その代金として600
414 0万円を支払った。
415
416 また,
417 同日,
418 本件土地の3筆それぞれにつき,
419 本件売買契約を原因とし
420 て,
421 AからEへの所有権移転登記がされた。
422
423
424 20.平成29年2月20日,
425 Eは,
426 Cに対し,
427 本件土地の所有権に基づき,
428 丙建物を収去して本
429 件土地を明け渡すことを求める訴えを提起した。
430
431
432 〔設問3〕
433
434 【事実】1から20までを前提として,
435 次の問いに答えなさい。
436
437
438
439 Cは,
440 Eの請求に対しどのような反論をすることが考えられるか,
441 その根拠を説明した上で,
442
443 その反論が認められるかどうかを検討しなさい。
444
445
446
447 -4-
448
449 【別紙
450
451 図面】
452 北
453
454 甲土地
455
456 甲2
457
458 乙土地
459
460 本件土地
461 公
462
463 道
464
465 -5-
466
467 甲1
468
469 論文式試験問題集[民事系科目第2問]
470
471 -1-
472
473 [民事系科目]
474 〔第2問〕(配点:100〔〔設問1〕から〔設問3〕までの配点の割合は,
475 35:40:25〕)
476 次の文章を読んで,
477 後記の〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
478
479
480 1.A及びBは,
481 Cから,
482 加工食品の製造業及び卸売業を営む甲株式会社(以下「甲社」という。
483
484 )
485 を設立するので,
486 協力してほしいと頼まれた。
487
488 そこで,
489 甲社の設立に際し,
490 Aは,
491 唯一の発起
492 人となるとともに,
493 甲社の設立に際して発行される株式の一部を引き受け,
494 出資の履行として
495 1200万円を払い込み,
496 Bは,
497 発起人とならなかったが,
498 残りの株式を引き受け,
499 出資の履
500 行として1800万円を払い込んだ。
501
502
503 2.Aは,
504 甲社の設立手続を進める上で,
505 当初の1か月間は,
506 設立事務を行う事務所と設立事務を
507 補助する事務員が必要であると考えた。
508
509 そこで,
510 Aは,
511 Dから,
512 平成23年5月9日,
513 「甲社発
514 起人A」の名義で,
515 事務所用建物を,
516 賃貸期間を1か月に限り,
517 賃料を後払いで60万円とす
518 る約定により賃借した。
519
520 また,
521 Aは,
522 同月12日,
523 「甲社発起人A」の名義で,
524 Eを,
525 設立事務
526 を補助する事務員として,
527 期間を1か月に限り,
528 報酬を後払いで40万円とする約定により雇
529 用した。
530
531 なお,
532 当該賃料及び当該報酬は,
533 相場に照らし,
534 いずれも適正な金額であった。
535
536
537 3.Aは,
538 Fとの間で,
539 平成23年5月13日,
540 「甲社発起人A」の名義で,
541 成立後の甲社の事業
542 に用いる目的で,
543 食品加工用の機械(以下「本件機械」という。
544
545 )を,
546 甲社の成立を条件として,
547
548 本件機械の引渡し及び代金の支払の期日をいずれも同年7月29日とし,
549 代金を800万円と
550 する約定により,
551 甲社がFから購入する契約(以下「本件購入契約」という。
552
553 )を締結した。
554
555
556 4.平成23年6月14日,
557 甲社の設立登記がされた。
558
559 公証人の認証を受けた甲社の定款には,
560 設
561 立費用については「設立費用は80万円以内とする。
562
563 」との記載のみがあり,
564 また,
565 甲社の成立
566 を条件として特定の財産を譲り受けることを約する契約については記載がなかった。
567
568 なお,
569 当
570 該設立費用については,
571 裁判所の選任した検査役の調査等の必要な手続を経ていた。
572
573
574 甲社は取締役会設置会社かつ監査役設置会社であり,
575 甲社の代表取締役はCである。
576
577 甲社の設
578 立時の株主は,
579 A及びBの二人のみであり,
580 甲社の発行済株式及び総株主の議決権のいずれも,
581
582 40%はAが,
583 60%はBが,
584 それぞれ保有している。
585
586 甲社の純資産額は,
587 設立後,
588 数か月の
589 間,
590 3000万円を超えることがなかった。
591
592
593 5.甲社は,
594 Fから,
595 平成23年6月16日,
596 本件機械について代金として50万円を追加するよ
597 うに要求されるとともに,
598 この要求に応じないのであれば,
599 本件購入契約の有効性を問題とし,
600
601 本件機械の引渡しに応じないと主張された。
602
603
604 〔設問1〕
605
606
607 Aは,
608 Dに対して上記2の賃料60万円を,
609 Eに対して上記2の報酬40万円を,
610 いずれも
611 支払っておらず,
612 甲社は,
613 その成立後,
614 直ちに,
615 D及びEから,
616 これらの支払を求められた。
617
618
619 この場合において,
620 甲社がこれらの支払を拒否することができるかどうかについて,
621 判例の
622 立場及びその当否を検討した上で,
623 論じなさい。
624
625
626
627
628
629 甲社の代表取締役Cは,
630 本件機械が甲社の事業活動に不可欠であったことから,
631 上記5のF
632 の要求に応ずることもやむを得ないが,
633 できれば代金を追加して支払うことなく本件機械の
634 引渡しを受けたいと考え,
635 平成23年6月20日頃,
636 その旨を弁護士に相談した。
637
638 当該弁護
639 士の立場に立って,
640 本件購入契約に関する会社法上の問題点について論じた上で,
641 それを踏
642 まえつつ,
643 甲社が本件機械の引渡しを受けるために採ることができる方法及びこれに必要と
644 なる会社法上の手続について,
645 検討しなさい。
646
647
648
649 6.平成27年12月,
650 甲社の取締役会は,
651 甲社と取引関係があった加工食品の小売販売業を営む
652 -2-
653
654 乙株式会社(以下「乙社」という。
655
656 )が経営不振に陥り,
657 乙社から援助を求められたことを受け,
658
659 乙社の全ての発行済株式を取得して,
660 乙社を完全子会社化した上で,
661 乙社の経営を立て直すこ
662 とを決定した。
663
664 乙社を完全子会社化するのは,
665 甲社の経営方針に反対する少数株主を排除する
666 ためであった。
667
668
669 乙社は,
670 会社法上の公開会社であるが,
671 金融商品取引所にその発行する株式を上場していない。
672
673
674 乙社は,
675 種類株式発行会社ではなく,
676 その定款には,
677 その発行する株式について株券を発行す
678 る定めや単元株式数に関する定めはない。
679
680 なお,
681 乙社の定款のうち,
682 本問に関係する定めは,
683
684 別紙の1のとおりである。
685
686
687 7.甲社は,
688 乙社の株式を買い集め,
689 乙社の発行済株式の60%に当たる6000株を取得した。
690
691
692 乙社の取締役はいずれも乙社が甲社の完全子会社となることに賛成していたが,
693 乙社の創業者
694 の一族である株主Gは,
695 乙社が甲社の完全子会社となることに強硬に反対し,
696 甲社からの株式
697 売却の勧誘にも一切応じない姿勢を見せていた。
698
699
700 8.乙社は従業員持株制度を採用しており,
701 乙社の従業員のうち希望者が従業員持株会に加入して
702 いる。
703
704 当該従業員持株会(以下「本件持株会」という。
705
706 )は,
707 平成28年3月31日の時点で,
708
709 乙社の従業員20人から成る民法上の組合であり,
710 乙社の株式を1200株取得しており,
711 当
712 該1200株については下記9のとおり株主名簿に株主として本件持株会の理事長であるHが
713 記載されている。
714
715 本件持株会の会員は,
716 積立口数に応じて本件持株会が保有する乙社の株式に
717 ついて持分を有し,
718 各自の持分に相当する株式を管理の目的をもって理事長に信託している。
719
720
721 すなわち,
722 当該1200株については,
723 実質的には,
724 本件持株会の会員である従業員20人が,
725
726 その持分に応じて,
727 保有していることとなる。
728
729 本件持株会の規約のうち本問に関係する定めは
730 別紙の2のとおりである。
731
732 なお,
733 本件持株会の規約の内容は適法であり,
734 当該規約に基づく株
735 式の信託を無効とする事由はない。
736
737
738 9.平成28年3月31日の最終の株主名簿に記載された乙社の株主及びその持株数は,
739 次のとお
740 りであった。
741
742
743 甲社:6000株,
744 G:2000株,
745 乙社従業員持株会(本件持株会)理事長H:1200株,
746
747 I:800株
748 10.甲社と乙社の取締役が話し合った結果,
749 乙社を甲社の完全子会社とするため,
750 乙社は,
751 株式の
752 併合をすることとなった。
753
754 乙社の代表取締役Jは,
755 取締役会の決議に基づき,
756 平成28年6月
757 1日に定時株主総会の招集通知を発した。
758
759 当該招集通知には,
760 株主総会の目的の一つが株式の
761 併合であること,
762 株式の併合に係る議案の概要として,
763 @3000株を1株に併合すること,
764
765 A株式の併合がその効力を生ずる日(以下「効力発生日」という。
766
767 )を同年7月11日とするこ
768 と,
769 B効力発生日における発行可能株式総数を効力発生日における発行済株式の総数の4倍に
770 当たる数とすること等が記載されていた。
771
772 他方で,
773 株主総会に出席しない株主が書面又は電磁
774 的方法によって議決権を行使することができることとする旨は記載されていなかった。
775
776
777 乙社は,
778 当該招集通知を発した日に,
779 上記@からBまでの事項を公告するとともに,
780 上記@か
781 らBまでの事項を含む株式の併合に関する所定の事項を記載した書面を本店に備え置いた。
782
783
784 11.上記10の招集通知に基づき平成28年6月20日に開催された乙社の定時株主総会(以下「本
785 件株主総会」という。
786
787 )には,
788 Gのほか,
789 甲社の代表取締役Cが甲社を代表して出席し,
790 また,
791
792 本件持株会の発足以来その会員であるKが本件持株会理事長Hの代理人として出席した。
793
794 Kは,
795
796 その際,
797 本件株主総会において議決権行使の代理人をKとする旨のHが作成した委任状を乙社
798 に提出した。
799
800 なお,
801 本件持株会の会員でHに対し本件株主総会における議決権行使についての
802 特別の指示をしたものはいなかった。
803
804
805 12.Iは平成27年10月1日に死亡し,
806 Iの唯一の相続人であるLが,
807 Iが保有していた乙社株
808 式800株(以下「本件株式」という。
809
810 )を相続した。
811
812 Lは,
813 Iの生前から,
814 乙社の株主名簿上
815 のIの住所においてIと同居しており,
816 Iが死亡した後も,
817 引き続き同所において居住してい
818 -3-
819
820 る。
821
822 Lは,
823 Iの生前から,
824 Iが本件株式を保有していたことを知っていたものの,
825 本件株式を
826 相続により取得した後も,
827 本件株式について株主名簿の名義書換えを請求していなかったが,
828
829 I宛ての本件株主総会の招集通知を受け取った日の翌日である平成28年6月3日,
830 乙社に対
831 し,
832 相続により本件株式を取得したことを証する書面を提示して株主名簿の名義書換えを請求
833 するとともに,
834 上記10の株式の併合に反対する旨を乙社に通知した。
835
836 乙社は,
837 同日,
838 Lの請求
839 のとおり株主名簿の名義書換えを行った。
840
841
842 本件株主総会の当日,
843 Lは,
844 本件株主総会の会場に現れ,
845 入場を求めたが,
846 乙社の受付担当者
847 は,
848 乙社の代表取締役Jの指示に基づき,
849 Lが本件株主総会に係る議決権行使の基準日におい
850 て株主名簿上の株主でなかったことを理由として,
851 Lの入場を認めなかった。
852
853
854 13.本件株主総会において,
855 乙社の代表取締役Jは,
856 株式の併合をすることを必要とする理由とし
857 て,
858 @株主への通知や配当金の支払に掛かるコストを削減するために株主の人数を減少させる
859 必要があること,
860 A乙社は,
861 数年後に,
862 会社の事業規模に合わせて資本金の額を減少する予定
863 であり,
864 そのためには,
865 会社法上,
866 発行済株式の総数を減少させる必要があることの2点を説
867 明したが,
868 乙社を甲社の完全子会社とした上で甲社の支援により乙社の経営を立て直すという
869 本来の目的については説明しなかった。
870
871
872 14.本件株主総会において,
873 上記10の株式の併合の議案については,
874 Gが反対したが,
875 甲社及びH
876 の代理人であるKが賛成したことにより,
877 可決された(以下「本件決議」という。
878
879 )。
880
881
882 〔設問2〕
883
884 Gは,
885 本件決議の瑕疵を主張して,
886 本件決議の効力を否定することを検討している。
887
888
889
890 平成28年7月20日の時点で,
891 本件決議の効力を争うためにGの立場において考えられる主
892 張及びその当否について,
893 論じなさい。
894
895
896 〔設問3〕
897
898 上記10の株式の併合により乙社の株式を失うこととなるLの経済的利益が会社法上ど
899
900 のように保護されるかについて,
901 論じなさい。
902
903 ただし,
904 株式の併合をやめることを請求し,
905 株
906 式の併合の効力を否定し,
907 又は損害賠償を請求するという手段については,
908 論じなくてよい。
909
910
911
912 -4-
913
914 別
915
916 紙
917
918 1
919
920 乙株式会社定款(抜粋)
921 (なお,
922 以下の定めは,
923 設立時から本件株主総会の終結の時までの間,
924 変更されていない。
925
926 )
927 (定時株主総会の基準日)
928 第11条
929
930 当会社は,
931 毎年3月31日の最終の株主名簿に記載された議決権を有する株主をもって,
932
933
934 その事業年度に関する定時株主総会において議決権を行使することができる株主とする。
935
936
937 (決議)
938 第15条
939
940 株主総会の普通決議は,
941 法令又は定款に別段の定めがある場合のほか,
942 出席した議決権
943
944 を行使することができる株主の議決権の過半数をもって決する。
945
946
947 2
948
949 会社法第309条第2項に定める決議は,
950 議決権を行使することができる株主の議決権の3分
951 の1以上を有する株主が出席し,
952 出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもっ
953 て行う。
954
955
956
957 (議決権の代理行使)
958 第16条
959 2
960
961 株主は,
962 当会社の他の株主1名を代理人として,
963 その議決権を行使することができる。
964
965
966
967 乙株式会社従業員持株会規約(抜粋)
968 (株式の管理及び名義)
969 第10条
970 2
971
972 会員は,
973 各自の持分に相当する株式を管理の目的をもって理事長に信託するものとする。
974
975
976
977 前項により理事長が受託する株式は,
978 株主名簿において理事長名義とする。
979
980
981
982 (議決権の行使)
983 第11条
984
985 理事長名義の株式の議決権は,
986 理事長が行使するものとする。
987
988 ただし,
989 会員は,
990 各自の
991
992 持分に相当する株式の議決権の行使について,
993 理事長に対し,
994 株主総会ごとに特別の指示を与え
995 ることができる。
996
997
998
999 -5-
1000
1001 論文式試験問題集[民事系科目第3問]
1002
1003 -1-
1004
1005 [民事系科目]
1006 〔第3問〕(配点:100[〔設問1〕から〔設問3〕までの配点の割合は,
1007 15:55:30])
1008 次の文章を読んで,
1009 後記の〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
1010
1011
1012 【事
1013
1014 例】
1015 Xは,
1016 Yに対し,
1017 平成28年3月10日,
1018 Yから譲り受けた浮世絵版画(以下「本件絵画」と
1019 いう。
1020
1021 )の引渡しを求める訴えを管轄地方裁判所に提起した。
1022
1023 この訴訟において,
1024 訴訟代理人は
1025 選任されていない。
1026
1027
1028 Xは,
1029 訴状において,
1030 次のように主張した。
1031
1032
1033 「Xは,
1034 かねてよりYの事業の支援をしていたが,
1035 平成27年9月1日,
1036 Yから,
1037 これまでの
1038 支援の御礼として,
1039 本件絵画の贈与を受けた。
1040
1041 Yから受け取った念書には,
1042 YがXに本件絵画
1043 を譲る旨や同年10月1日にY宅で本件絵画を引き渡す旨が記載されている。
1044
1045 その後,
1046 Xが約
1047 束どおりY宅に出向いて本件絵画の引渡しを求めたのに,
1048 Yはこれを拒み,
1049 一切の話合いに応
1050 じないので,
1051 贈与契約に基づく本件絵画の引渡しを求めるため,
1052 本件訴えを提起した。
1053
1054 贈与の
1055 事実の証拠として,
1056 この念書を提出する。
1057
1058 」
1059 これに対し,
1060 Yは,
1061 答弁書において,
1062 次のように主張した。
1063
1064
1065 「Yは,
1066 絵画について造詣が深い友人Aから,
1067 Xが本件絵画の購入を望んでいると聞いて,
1068 X
1069 に本件絵画を売却したのであり,
1070 贈与などしていない。
1071
1072 Xに交付した念書には代金額の記載が
1073 ないが,
1074 それは,
1075 代金額を本件絵画の時価相当額とする趣旨であり,
1076 その額は300万円であ
1077 る。
1078
1079 ところが,
1080 平成27年10月,
1081 Xは,
1082 本件絵画の取引はXに対する贈与であり,
1083 代金を支
1084 払うつもりはないと言ってきたので,
1085 Yは,
1086 本件絵画の引渡しを拒んだ。
1087
1088 これらの事実を立証
1089 するため,
1090 本件絵画の取引経緯に詳しいAを証人として申請する。
1091
1092 」
1093 第1回口頭弁論期日が平成28年5月10日に開かれ,
1094 Xは訴状に記載した事項を,
1095 Yは答弁
1096 書に記載した事項をそれぞれ陳述した。
1097
1098 さらに,
1099 Xは,
1100 贈与の主張に加え,
1101 仮にこの取引が売買
1102 であり,
1103 本件絵画の時価相当額が代金額であるとしても,
1104 その額は200万円にすぎないと主張
1105 した。
1106
1107
1108 第2回口頭弁論期日では,
1109 Aの証人尋問と,
1110 X及びYの当事者尋問が行われた。
1111
1112 Aは,
1113 本件絵
1114 画の取引はその時価相当額を代金額とする売買契約であること,
1115 その額は200万円であること,
1116
1117 この売買契約はAがYの代理人としてXと締結したものであることなどを述べた。
1118
1119 期日において
1120 は,
1121 本件絵画の取引が贈与又は売買のいずれであるか,
1122 また,
1123 売買であるとしてその代金額は幾
1124 らかに焦点が絞られ,
1125 AがYの代理人であったか否かについては,
1126 両当事者とも問題にしなかっ
1127 た。
1128
1129
1130 以下は,
1131 期日終了後の裁判官J1と司法修習生Pとの間の会話である。
1132
1133
1134 J1:今日の証拠調べの結果をどのように評価しますか。
1135
1136 率直な意見を聴かせてください。
1137
1138
1139 P:取引経緯に関するAの証言は具体的で信用できるため,
1140 Yの代理人AとXとの間で,
1141 本件
1142 絵画の時価相当額を代金額とする売買契約が成立し,
1143 その額は200万円であると考えられ
1144 ます。
1145
1146 Xはこの200万円を支払っていませんから,
1147 売買を理由に,
1148 「Yは,
1149 Xから200
1150 万円の支払を受けるのと引換えに,
1151 Xに対し,
1152 本件絵画を引き渡せ。
1153
1154 」との判決をすべきで
1155 はないでしょうか。
1156
1157
1158 J1:私の心証も同じですが,
1159 あなたの言うような判決を直ちにすることができるのでしょう
1160 か。
1161
1162 まず,
1163 Yの代理人AとXとの間で契約が締結されたとの心証が得られたとして,
1164 その事
1165 実を本件訴訟の判決の基礎とすることができるのかについて,
1166 考えてみてください。
1167
1168
1169 P:両当事者がその点を問題にしなかったのだからいいように思いましたが,
1170 考えてみます。
1171
1172
1173 -2-
1174
1175 〔設問1〕
1176 あなたが司法修習生Pであるとして,
1177 J1から与えられた課題に答えなさい。
1178
1179
1180 【事
1181
1182 例(続き)】
1183 以下は,
1184 J1とPとの間の会話の続きである。
1185
1186
1187 J1:次に,
1188 あなたの言うような判決はXの請求に対する裁判所の応答として適当なのか,
1189 す
1190 なわち,
1191 本件の訴訟物は何かを考える必要もありますね。
1192
1193
1194 そして,
1195 Xは,
1196 第1回口頭弁論期日に,
1197 「仮にこの取引が売買であり,
1198 本件絵画の時価相
1199 当額が代金額であるとしても,
1200 その額は200万円にすぎない。
1201
1202 」と主張していますが,
1203 こ
1204 れには,
1205 どのような法的な意味合いがありますか。
1206
1207
1208 P:Xが単に譲歩をしただけで,
1209 あまり法的に意味のある主張には見えませんが。
1210
1211
1212 J1:本当にそうでしょうか。
1213
1214
1215 他方,
1216 Yは,
1217 「本件絵画をXに時価相当額で売却し,
1218 その額は300万円である。
1219
1220 」と主張
1221 していますが,
1222 その法的な意味合いも問題になりますね。
1223
1224
1225 P:はい。
1226
1227 Xの主張する請求原因事実との関係で,
1228 Yのこの主張がどのように位置付けられる
1229 か,
1230 整理したいと思います。
1231
1232
1233 J1:本件は,
1234 訴訟代理人が選任されていないこともあり,
1235 紛争解決のために,
1236 両当事者の曖
1237 昧な主張を法的に明確にする必要がありそうです。
1238
1239
1240 訴訟物の捉え方については様々な議論がありますが,
1241 あなたの捉える本件の訴訟物は何に
1242 なるかを示した上で,
1243 各当事者から少なくともどのような申立てや主張がされれば,
1244
1245 「Yは,
1246
1247 Xから200万円の支払を受けるのと引換えに,
1248 Xに対し,
1249 本件絵画を引き渡せ。
1250
1251 」との判
1252 決をすることができるか,
1253 考えてみてください。
1254
1255 その際,
1256 先ほどお願いしたYの主張の位
1257 置付けの整理も行ってください。
1258
1259 これを課題@とします。
1260
1261
1262 ところで,
1263 本件絵画の時価相当額については,
1264 当事者からより適切な証拠が提出されれば,
1265
1266 別の金額と評価される可能性もあると思います。
1267
1268 課題@で必要となる各当事者の申立てや主
1269 張がされたという前提の下で,
1270 仮に,
1271 本件絵画の時価相当額が220万円と評価される場合
1272 あるいは180万円と評価される場合には,
1273 それぞれどのような判決をすることになるのか
1274 についても,
1275 考えてみてください。
1276
1277 これを課題Aとします。
1278
1279
1280 なお,
1281 課題@及びAの検討においては,
1282 設問1で検討した点に触れる必要はありません。
1283
1284
1285 また,
1286 あなたの言うとおり,
1287 本件絵画の時価相当額を代金額とする売買契約が成立したも
1288 のとして,
1289 考えてください。
1290
1291
1292
1293 〔設問2〕
1294
1295 【事
1296
1297
1298
1299 あなたが司法修習生Pであるとして,
1300 J1から与えられた課題@に答えなさい。
1301
1302
1303
1304
1305
1306 あなたが司法修習生Pであるとして,
1307 J1から与えられた課題Aに答えなさい。
1308
1309
1310 例(続き)】
1311 その後,
1312 上記の訴訟(以下「前訴」という。
1313
1314 )においては,
1315 「Yは,
1316 Xから200万円の支払を
1317
1318 受けるのと引換えに,
1319 Xに対し,
1320 本件絵画を引き渡せ。
1321
1322 」との判決がされ,
1323 この判決は確定した。
1324
1325
1326 もっとも,
1327 Xは,
1328 自らの事業の経営状態が悪化したこともあり,
1329 代金を支払ってまで本件絵画
1330 を手に入れることに熱意をなくしてしまった。
1331
1332 逆に,
1333 Yは,
1334 Xに対し,
1335 本件絵画を持参するので
1336 代金200万円を支払ってほしいと連絡したが,
1337 Xから拒絶された。
1338
1339 そこで,
1340 Yは,
1341 弁護士に委
1342 任して,
1343 Xに対し,
1344 平成29年3月1日,
1345 本件絵画の売買代金200万円の支払を求める訴え(以
1346 下「後訴」という。
1347
1348 )を管轄地方裁判所に提起した。
1349
1350
1351 -3-
1352
1353 Xから委任を受けた弁護士は,
1354 前訴で問題となった本件絵画の取引について事情を調べたとこ
1355 ろ,
1356 X及びYの取引仲間であるBから,
1357 本件絵画の取引は贈与である旨の証言を得られそうだと
1358 の感触を得た。
1359
1360 また,
1361 同弁護士が本件絵画の写真数点を古物商に見せたところ,
1362 高くても150
1363 万円相当であるとのことであった。
1364
1365 そこで,
1366 同弁護士は,
1367 改めて事実関係を争うべきであると考
1368 え,
1369 答弁書において,
1370 XY間には本件絵画の贈与契約が成立したのであって,
1371 Xは売買代金の支
1372 払義務を負わないし,
1373 仮に贈与契約でなく売買契約が成立したと判断されたとしても,
1374 その代金
1375 額は150万円であり,
1376 Xはその限度でしか支払義務を負わないと主張した。
1377
1378
1379 第1回口頭弁論期日には,
1380 双方の訴訟代理人が出頭し,
1381 訴状及び答弁書に記載した事項をそれ
1382 ぞれ陳述した。
1383
1384 Yの訴訟代理人は,
1385 答弁書におけるXの主張は前訴判決の既判力に触れて許され
1386 ず,
1387 前訴判決に沿って,
1388 直ちに請求認容判決がされるべきであると主張した。
1389
1390 これに対し,
1391 Xの
1392 訴訟代理人は,
1393 前訴判決において,
1394 XY間には代金200万円の本件絵画の売買契約が成立した
1395 と判断されたかもしれないが,
1396 Xの代金支払義務に関する判断には既判力は生じないと主張した。
1397
1398
1399 以下は,
1400 後訴を担当した裁判官J2と司法修習生Qとの間の会話である。
1401
1402
1403 J2:本件は,
1404 Yの訴訟代理人の主張するように,
1405 前訴判決に沿って,
1406 直ちに請求認容判決を
1407 すべきなのでしょうか。
1408
1409
1410 Q:今まで考えたことがないのですが,
1411 既判力の範囲に関する民事訴訟法の規定に遡って考え
1412 ないといけないように思います。
1413
1414
1415 J2:そうですね。
1416
1417 それを出発点としつつ,
1418 前訴判決の主文において引換給付の旨が掲げられ
1419 ていることの趣旨にも触れながら,
1420 後訴において,
1421 XY間の本件絵画の売買契約の成否及び
1422 その代金額に関して改めて審理・判断をすることができるかどうか,
1423 考えてみてください。
1424
1425
1426 〔設問3〕
1427 あなたが司法修習生Qであるとして,
1428 J2から与えられた課題に答えなさい。
1429
1430
1431
1432 -4-
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