1 論文式試験問題集[倒
2
3 -1-
4
5
6
7 法]
8
9 [倒
10
11
12
13 法]
14
15 〔第1問〕(配点:50)
16 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
17 【事
18
19 例】
20 個人A(57歳)は,
21 「A金属工業」の屋号で,妻B(55歳)を含む従業員5名と共に,父の
22
23 代から続く金属加工業を営んでいた。Aは,目立った遊興等に興じることもなく,真面目に仕事
24 に精を出し,平成25年頃までは,おおむね順調に事業を遂行していた。
25 しかし,平成26年頃から,資材の高騰や受注件数の減少,取引先の経営悪化等により,Aの
26 資金繰りは徐々に悪化していった。平成28年には,Aの主要取引先であったCに対する売掛金
27 債権約100万円が未払いとなったまま,Cが廃業して音信不通となり,また,同じく主要取引
28 先であったDは,同年6月に破産手続開始決定を受け,Dに対する売掛金債権約200万円につ
29 いても破産手続による配当はなかった。さらに,同年11月,Aの従業員Eが売上金約100万
30 円を持ち逃げして行方不明となったことで,Aは,ますます資金繰りに窮するようになった。
31 その結果,Aは,新たな融資を受けない限り,F銀行からの借入金債務のうち,弁済期を平成
32 29年3月末日とする分割金100万円の弁済に窮する見通しとなり,債務整理を行うことで立
33 て直しを図りたいと考え,同月15日,弁護士Yに債務整理を依頼した。Yは,同月17日,同
34 日付けで,Aから聴取して判明した債権者宛てに,下記の内容の通知(以下「本件通知」という。)
35 を発送した。
36
37 当職は,この度,Aから依頼を受けて,同人の債務整理の任に当たることとなりました。
38 債務整理の方針については,Aの債務及び資産の状況を調査の上,慎重に決定することとなり
39 ますが,これらの全てについて当職がAの代理人としてAと協議の上行うこととなります。
40 つきましては,以後,Aとの債権債務関係に関する連絡の一切は,当職宛てにしていただき,
41 Aやその家族への連絡や取立行為は一切中止願います。
42 Yが本件通知発送時までに行った調査の結果によれば,Aの主な債務は,F銀行からの事業資
43 金の借入金債務の残額が約1500万円,同じくF銀行からの自宅兼工場の建物のローンの残額
44 が約2000万円あるほか,金融業者4社からの若干の借入金債務がある程度であり,Aの説明
45 では,Aの取引先に対する買掛金債務は存在しないとのことであった。
46 平成29年3月30日,Aは,Yとの間で債務整理の方針についての打合せを行ったところ,
47 やはり同月末の支払を行うことは困難であるとの結論に達し,破産手続開始の申立てを行うこと
48 を決意してその旨をYに委任した。
49 平成29年4月10日,Aは,Yを申立代理人として破産手続開始の申立てを行い,裁判所は,
50 同月12日午後5時,Aについて破産手続開始の決定を行い,破産管財人として弁護士Xを選任
51 した。
52 XがAの資産状況等を調査したところ,次の事実が判明した。
53 @
54
55 Aは,債務整理を依頼した後も,Yに相談することなく資金の融通先を探しており,平成
56 29年3月18日の深夜,長年の取引先で個人的な親交もあった取引先業者(個人)Gの自
57 宅にBとともに赴き,100万円の融資を依頼した。Gは,同日の時点でAに対し,弁済期
58 を4月末日とする80万円の売掛金債権を有していたが,Aが「どうしても今月末の支払に
59 100万円が必要なのです。今回をしのげば絶対立て直せます。取引先Cからの売掛金10
60 0万円の入金があれば必ず返せますから。決して御迷惑はお掛けしません。」と懇願するので
61 同情し,
62 「うちも楽ではないし100万円までは貸せないけど,せめてこれくらいなら」と,
63 -2-
64
65 その場でAに50万円を貸し付けた。
66 A
67
68 Aは,Gから受領した金員をF銀行に対する平成29年3月末日の分割金の弁済に充てよ
69 うと思っていたが,まだ50万円ほど不足しており,これ以上のあても思い付かずにいたと
70 ころ,同月25日の早朝,Bから,Bの父親Hが倒れ,入院費用が必要になったことを聞い
71 た。Aは,昨年12月末頃にHから「立て直しに成功したら返してくれればよい」として6
72 0万円を借りていたことを思い出し,平成29年3月26日,Bを通じて,Gから受領した
73 50万円をHに弁済した。
74
75 B
76
77 Aの資産としては,現金約20万円,預貯金30万円のほか,自宅兼工場としている借地
78 上の建物がある。ただし,当該建物には,F銀行の根抵当権が設定されており,その被担保
79 債権の残額は,借地権付建物の現在の評価額を上回っている。Aは,破産手続開始の決定に
80 伴い「A金属工業」を廃業した。その後,就職を試みてハローワークに通うなどしているも
81 のの,未だ就職先は決定しておらず,その見通しもない。Bは,Aの破産手続開始後,それ
82 までの心労がたたって倒れ,以後入退院を繰り返している。
83
84 〔設
85
86 問〕
87
88 1.Xは,AのHに対する50万円の弁済を否認することができるか否かを調査検討している。
89 本件通知が「支払の停止」に該当するかについて触れつつ,平成29年3月17日の時点で
90 Aに「支払不能」が認められるかについて,論じなさい。
91 2.Aの債権者であるGは,債権者集会兼免責審尋期日に出頭し,Aの免責を許可することにつ
92 いて強く反対する旨の意見を述べた。
93 他方,Aは,免責許可決定を受けることを強く希望している。Aは,債権者集会兼免責審尋
94 期日に出頭したほか,Xによる事情聴取にも素直に応じ,Gからの借入れやHに対する弁済に
95 ついて説明するなど,Xの管財業務に積極的に協力していた。
96
97
98 Aに免責不許可事由が認められるか否かについて,論じなさい。
99
100
101
102 仮にAに免責不許可事由が認められるとして,破産裁判所は,Aの免責を許可するべきか
103 否かについて,肯定的に考慮すべき事情,否定的に考慮すべき事情双方を挙げつつ,論じな
104 さい。
105
106 -3-
107
108 〔第2問〕(配点:50)
109 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
110 【事
111
112 例】
113 A社は,精密部品の製造及び販売を業とする株式会社である。Bは,A社の代表取締役であり,
114
115 その発行済株式の全部を有していた。A社は,優秀な技術をいかして研究を重ねた結果,競合す
116 る他社に勝る品質と価格を実現し,主要取引先である甲社及び乙社に対し,それぞれの仕様に応
117 じた製品を供給して,順調に事業を営んでいた。
118 ところが,平成28年10月末,甲社向けの製品に仕様と異なる多数の欠陥品が生じたことか
119 ら,同年11月末に甲社との取引が打ち切られた。そのため,A社は,売上げがほぼ半減し,平
120 成29年1月末日の資金繰りに窮することとなった。
121 そこで,A社は,弁護士Cを代理人として,平成29年1月25日に再生手続開始の申立てを
122 した。同日,A社について弁済禁止の保全処分(ただし,金5万円以下の債務の弁済は,その対
123 象外とされた。)及び監督命令が発せられ,弁護士Kが監督委員に選任された。
124 平成29年2月7日,A社について再生手続開始の決定がされた。同決定時のA社の負債の総
125 額は約3億円,債権者総数は50名である。
126 〔設
127
128 問〕
129
130 1.再生債権の弁済に関する原則に触れつつ,以下の小問に解答しなさい。
131
132
133 再生債権者のうち,債権額3万円未満の者は12社であり,その債権の総額は30万円,
134 その弁済期はいずれも平成29年2月20日であった。同年2月10日までに,そのうち3
135 社からA社に連絡があり,いずれも全額の弁済を強く求めた。他の9社は,特段の要求をせ
136 ず,債権届出書の作成中であることが判明した。
137 A社は,弁済を求めている3社に対して支払をすることができるか。C弁護士の立場に立
138 って,そのための方策を根拠とともに述べなさい。また,他の9社については,どうすべき
139 か。
140
141
142
143 再生債権者のうち,製造工程の一部を受注していた者は5社であり,その債権額は70万
144 円から300万円までであった。Bは,申立ての直後からこれら各社を回り,再生手続の遂
145 行について理解を求めたところ,D社を除く4社はおおむね協力的であり,再生債権の届出
146 を行い,従来どおりに取引を継続することを了解した。
147 一方,D社(債権額100万円,弁済期平成29年2月10日)は,同月15日,債権全
148 額の支払がない限り,今後一切A社との取引をしないと通告してきた。A社は,近時開発し
149 た製品αに不可欠なパーツβの製作を全てD社に発注していた。製品αは,A社の戦略商品
150 であり,再生手続開始の申立て後も主要取引先である乙社から安定した出荷の継続を要請さ
151 れ,乙社との取引の継続に必須であるのみならず,将来の取引先拡大など発展の要としても
152 位置付けられている。
153 しかし,A社にパーツβの在庫はほとんど残っておらず,D社がパーツβを納品しない限
154 り,A社は製品αの生産ができなくなる。
155 A社は,D社に対して支払をすることができるか。C弁護士の立場に立って,そのための
156 方策を根拠とともに述べなさい。
157
158 2.A社について管理命令が発せられ,弁護士Lが管財人に選任された場合と比較しつつ,以下
159 の小問に解答しなさい。
160
161
162 A社は,本社の近くに丙土地(担保設定なし)を所有していた。その隣地に居住していた
163 Eは,
164 「近々2台目の乗用車を買おうと思っており,その駐車場に丙土地がちょうどよい。お
165 隣同士だから50万円くらいなら買ってもよい。」とBに持ち掛けた。Bは,申出に応じるこ
166 ととし,平成28年10月15日,A社は,Eに対し,丙土地を売却して代金50万円を受
167 -4-
168
169 領した。おって,その所有権移転登記手続を行う予定であったが,同月末に生じた欠陥品問
170 題の対応にBが追われた事情もあり,登記手続が行われないまま,再生手続開始の申立てに
171 至った。
172 Eは,平成29年2月10日,A社に対し,丙土地の所有権移転登記手続を求める訴えを
173 提起した。
174 Eの所有権移転登記手続の請求は認められるか。A社の反論を踏まえて,論じなさい。
175
176
177 F社は,中古機械の販売等を業とする株式会社であるが,その代表取締役Gは,平成28
178 年9月末の決算期に合わせて在庫の台数を調整し,架空の売上げを計上しようと考え,旧知
179 のBに協力を要請した。A社は,中古機械を必要としていなかったが,Bは,Gの意図を理
180 解し,両社が通謀の上,平成28年9月末日,A社は,F社から中古機械(市場価格300
181 万円程度)を500万円で購入する契約を締結した。同日,F社は,当該中古機械をA社に
182 引き渡したが,打合せどおりF社は代金を請求せず,A社も支払をしなかった。当該中古機
183 械は,A社内に据え置かれたまま,再生手続開始の申立てに至った。
184 F社は,平成29年2月20日,当該中古機械の売買契約は,通謀虚偽表示(民法第94
185 条)により無効であるとして,A社に対し,その引渡しを求める訴えを提起した。
186 F社の引渡請求は認められるか。A社の反論を踏まえて,論じなさい。
187
188 -5-
189
190 -6-
191
192 論文式試験問題集[租
193
194 -7-
195
196
197
198 法]
199
200 [租
201
202
203
204 法]
205
206 〔第1問〕(配点:50)
207 甲市では,住民有志により結成された実行委員会が,町おこしの一環として,落ち武者伝説をテ
208 ーマにした「甲隠れ里祭り」の開催を企画していた。この祭りは,地域の旧跡を保全するとともに,
209 その魅力を多くの人にアピールし,甲市の全国的な知名度を向上させることを目的としていた。
210 甲市の住民であるXは,この企画に賛意を示し,自らが営む文房具店の在庫から事務用品(時価
211 20万円相当)を実行委員会に贈与することを決め,引き渡した。
212 他方,甲市で旅館業を営んでいた株式会社A(以下「A社」という。)も,この企画に賛意を示し,
213 実行委員会に対して協賛金200万円の支出を行った。
214 実行委員会は活発な宣伝活動を行い,全国ニュースにも取り上げられたため,市外からの観光客
215 も多く集まって,祭りは盛況であった。なお,
216 「甲隠れ里祭り」の宣伝に際しては,X及びA社を含
217 め,協賛金等を拠出した者の名前等は全く明らかにされなかった。
218 祭りの後,A社の代表取締役社長であるYは体調を崩して入院した。Yは,親から社長を引き継
219 いで以来,経営不振に陥った近隣の旅館を買い取ってファミリー向けに改装し,新たな客層を呼び
220 込むことで,観光客の低落傾向が続く甲市において,むしろ客室稼働率を高めることに成功してい
221 た。30年以上代表取締役として精力的に経営を担ってきたYであったが,この入院を機に引退を
222 考えるに至った。そこで,自らは代表権のない非常勤取締役に退くとともに,長男であるZを新た
223 に代表取締役社長として,事業を引き継がせることとした。代表取締役交代については,登記がな
224 され,また,取引先や従業員にも周知された。この代表取締役の交代を受けて,A社は,Yに対し
225 て分掌変更による退職手当の支給を行った。
226 Yは,これまで週5日出勤していたところ,上記交代後は出勤も週2日となり,報酬も大幅に減
227 額され,従来の3割程度の支給額にとどまることとなった。それまでYが管理していたA社の印鑑
228 や預金通帳についても,Zが管理することになった。その一方で,Yは依然として取締役会には必
229 ず参加していた。Zも,重要な役職の異動及び給与査定などの人事上の決定や,取引先の選定とい
230 った営業上の決定について,度々Yに相談し,その意見に従っていた。
231 以上の事案について,以下の設問に答えなさい。
232 〔設
233
234 問〕
235
236
237
238 Xが「甲隠れ里祭り」実行委員会に贈与した事務用品については,Xの事業所得における総収
239 入金額の計算上どのように扱われるか。根拠条文と理由を付して述べなさい。
240
241
242
243 YがA社から支給された退職手当は,所得税法上,いかなる所得に分類されるか。退職所得と
244 いう所得の種類が設けられている趣旨・目的を明らかにした上で,理由を付して述べなさい。
245
246
247
248 A社が行った「甲隠れ里祭り」実行委員会への協賛金の支出は,A社に対する法人税の課税
249 上,どのように扱われるか。根拠条文と理由を付して述べなさい。
250
251
252
253 仮に,A社の社名が,協賛企業として,実行委員会が提供する祭りの専用ホームページ及び
254 パンフレットに表示されていた場合,A社に対する法人税の課税上,協賛金の支出はどのよう
255 に扱われるか。における結論との異同を踏まえ,根拠条文と理由を付して述べなさい。
256
257 -8-
258
259 〔第2問〕(配点:50)
260 Aは,自宅の近くに店舗を借りて日本料理店を経営するとともに,別に一棟の建物内に複数の区
261 分建物(以下,併せて「本件各賃貸物件」という。)を所有し,本件各賃貸物件を賃貸して賃料を得
262 ていた。Aは,B銀行から,上記日本料理店の事業資金,本件各賃貸物件の購入資金及び自宅の購
263 入資金として,約3億円の借入れを行っていた。借入れに際しては,本件各賃貸物件及びAの自宅
264 に抵当権が設定されるとともに,Aの配偶者であるCが連帯保証人となっていた。
265 Aの営む日本料理店は,マスコミにも取り上げられたことのある著名な店舗であったが,平成2
266 0年頃からの景気の悪化に加え,平成22年冬にA自身の過失により店舗内で火事を発生させたこ
267 とから経営状態が悪化した。Aは,上記日本料理店の食材を納入しているD社から,平成24年末
268 までに支援の趣旨で融資を受け,その後も細々と営業を継続していた。AのD社から受けた融資の
269 合計額は約600万円となっていた。また,本件各賃貸物件についても,老朽化が進み,賃借人が
270 相次いで退去したが,一物件のみ賃料を大幅に減額した上で賃貸を継続している状況にあった。A
271 とCの生計は,市役所で非常勤職員として働いているCの月額15万円程度の給与収入により維持
272 されていた。
273 Aは,平成24年からは,B銀行と交渉して借入金について元本の返済の猶予を受け,利息部分
274 のみの支払を続けていたが,平成25年末からは利息の支払も滞るようになった。
275 平成27年12月1日,B銀行のAに対する貸付金元本及び利息合計の残高は,@本件各賃貸物
276 件の購入資金に係るものにつき1億円,A日本料理店の事業資金に係るものにつき6000万円,
277 B自宅の購入資金に係るものにつき4000万円の合計2億円であった(以下,これらの債権を併
278 せて「本件債権」という。)。これを踏まえて,A及びCはB銀行との間で,同日,Aが,その所有
279 する本件各賃貸物件及び自宅を売却するなどし,本件債権につき上記@からBまでの各残高に応じ
280 て案分して充当することとして1億円を弁済することとし,これを停止条件としてB銀行が残りの
281 1億円の債務を免除する旨の和解契約(以下「本件和解契約」という。)を締結した。A及びCには,
282 本件各賃貸物件及び自宅以外にめぼしい財産はなかった。Aは,平成27年12月10日にB銀行
283 に上記1億円を弁済し,B銀行は,残りの1億円について債務を免除した(以下,Aに対するこの
284 債務の免除を「本件債務免除」という。)。
285 その後,Aが営む日本料理店は,外国人旅行者の間で評判となり,平成28年夏以降,経営状態
286 が好転した。
287 以上の事案について,以下の設問に答えなさい。
288 〔設問1〕
289 本件債務免除により受ける経済的な利益の価額を,Aの各種所得の金額の計算上,総収入金額に
290 算入すべきであるかについて,具体的な事実を評価した上で所得税法第44条の2の適用の有無を
291 検討し,算入すべきとする場合には各種所得ごとにその金額を明らかにしなさい(ただし,同条第
292 3項の要件は充足しているものとする。)。
293 なお,Aの日本料理店に係る事業及び本件各賃貸物件の賃貸業について,平成27年分の各種所
294 得の金額の計算上生じた損失として,それぞれ500万円が発生していたものとする。
295 〔設問2〕
296 Aは,平成22年冬の火事により,自己所有の器具と備品の一部を焼失したが,Aの平成22年
297 の事業所得の金額の計算上この損失の金額を必要経費に算入できるか。事業所得の金額の計算上必
298 要経費を控除する理論的根拠に言及しつつ述べなさい。
299 〔設問3〕
300 B銀行は,本件和解契約の締結までには至らない場合に備え,本件債権につき次の1又は2の処
301 -9-
302
303 理を検討していた。
304
305
306 本件債権を債権回収会社であるE社に1億円で譲渡する。
307
308
309
310 本件債権の評価換えをして,その帳簿価額を1億円に減額し(ただし,損金経理はしない。),
311 1億円の評価損を計上する。
312
313 上記1及び2の処理について,法人税法上の取扱いの異同を述べなさい。
314 (参照条文)所得税法施行令
315 (固定資産の範囲)
316 第5条
317
318 法第2条第1項第18号(固定資産の意義)に規定する政令で定める資産は,たな卸資産,
319
320 有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるものとする。
321
322
323 土地(土地の上に存する権利を含む。)
324
325
326
327 次条各号に掲げる資産
328
329
330
331 電話加入権
332
333
334
335 前三号に掲げる資産に準ずるもの
336
337 (減価償却資産の範囲)
338 第6条
339
340 法第2条第1項第19号(減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は,棚卸資産,
341
342 有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(時の経過によりその価値の減少しないも
343 のを除く。)とする。
344 一〜六
345
346 (略)
347
348
349
350 工具,器具及び備品(観賞用,興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む。)
351
352
353
354 (以下略)
355
356 - 10 -
357
358 論文式試験問題集[経
359
360 - 11 -
361
362
363
364 法]
365
366 [経
367
368
369
370 法]
371
372 〔第1問〕(配点:50)
373 A社,B社及びC社は,特定の化学物質の検査機器甲を製造して日本国内の検査機関に販売する
374 事業を営んでおり,日本国内の甲の市場におけるシェアは,順に40パーセント,30パーセント
375 及び30パーセントである。日本では当該化学物質に対する規制が特に厳しく,その規制に対応す
376 る甲が必要となるため,日本国内の検査機関においては,外国製の甲は使用されていない。A社製
377 の甲は,他社製の甲に比してやや価格が高いものの,その機能と信頼性により高い評価を得ている。
378 ただ,近年はB社及びC社も甲の機能向上と売り込みに力を入れており,甲の販売競争は激しくな
379 っている。
380 甲は,1台数億円で販売される精密機器であり,その検査精度を維持するためには,年1回,当
381 該甲を製造したメーカーによる定期点検を受けることが不可欠である。A社,B社及びC社は,甲
382 の販売後10年間は無償で当該甲の定期点検を行っているが,10年経過後は,A社は1回につき
383 600万円,B社及びC社も1回につき500〜600万円の費用を徴収して定期点検を行ってい
384 る。さらに,甲が古くなり不具合が度々生じるようになった場合には,当該甲を製造したメーカー
385 にオーバーホール(部品単位まで分解して点検・洗浄を行い,新品同様の状態に戻すこと)を依頼
386 することもできるが,その費用は,A社は1200万円であり,B社及びC社も同程度である。甲
387 の仕様はメーカーごとに相当に異なり,当該メーカー固有の部品が使用されている箇所も多いため,
388 当該甲を製造したメーカー以外の者が定期点検やオーバーホールを行うことは困難である。
389 甲を使用するには,メーカーごとの規格に適合する検査キット乙(消耗品)が必要である。A社
390 製の甲向けの乙はB社及びC社製の甲には使用できず,B社及びC社製の甲向けの乙はA社製の甲
391 には使用できない。A社製の甲向けの乙は,A社が製造販売しているほか,甲を製造していない日
392 本国内の独立系事業者D社及びE社も近年製造販売を開始している。A社製の甲向けの乙1年分の
393 販売価格は,A社は1000万円であるが,D社及びE社は800万円前後である。A社製の甲向
394 けの乙の市場シェアは,現在はA社70パーセント,D社20パーセント,E社10パーセントで
395 あるが,D社又はE社製の乙でも使用上は特に問題ないとの評価が定着しつつあり,上記のような
396 販売価格差もあって,A社製の乙のシェアは低下し続けている。乙の利益率(販売価格に占める利
397 益の割合)は大きく,ここ数年,A社では乙の売上げが主要な収益源となっている。
398 近年,A社製の甲にD社又はE社製の乙を使用した際に異常な検査結果が出力されるトラブルが
399 生じたとの報告が散見されるようになった。ただ,A社製の乙を使用した際に類似のトラブルが生
400 じたとの報告もかねてより存在しており,D社又はE社製の乙の使用が上記のトラブルの原因であ
401 ることが科学的に立証されるには至っていない。
402 A社は,D社又はE社製の乙の使用が上記のトラブルの原因である可能性は否定できず,D社又
403 はE社製の乙が使用された場合には,定期点検だけでは甲の検査精度を保証できないとの理由によ
404 り,今後販売する甲については,
405 「顧客が当該甲に他社製の乙を使用した場合には,その使用後最初
406 に到来する定期点検の時期においては,販売後10年経過前であっても,定期点検は行わず,60
407 0万円の追加費用の支払を条件としてオーバーホールを行う。オーバーホールの後に再び他社製の
408 乙を使用した場合も,同様とする。」との約定を付して販売することを計画(以下「本件計画」とい
409 う。)している。
410 〔設
411
412 問〕
413 本件計画の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)上の
414
415 問題点について検討しなさい。
416
417 - 12 -
418
419 〔第2問〕(配点:50)
420 化学メーカーA社及びB社は,化学製品Xの日本国内メーカーである。A社及びB社の年間国内
421 売上高は,それぞれ2000億円及び3000億円である。
422 Xは,化粧品,シャンプー等の原材料である。Xについては,かつては,別の2社も日本国内で
423 生産を行っていたが,需要家である日本企業の工場の海外移転による内需の減退や輸入品の増加に
424 より採算性が悪化したため市場から撤退し,現在では,A社及びB社のみが国内生産を行っている。
425 現在,A社は,Xを年間50万トン生産しており,X生産用のP工場を関東地方に保有している。
426 他方で,B社は,Xを年間40万トン生産しており,X生産用のQ工場を関西地方に保有している。
427 両社とも,専ら国内販売のみをしており,Xの年商はそれぞれ,A社が約100億円,B社が約8
428 0億円である。このほか,主にアジア諸国から年間10万トン前後のXが,主としてコンテナを用
429 いて輸入されているが,日本国内の需要家のきめ細かな要求に十分応えられず輸入量が伸び悩んで
430 いる。
431 Xの国産品と輸入品との間で品質差はない。Xの国産品の販売価格は輸入品の販売価格より若干
432 割高ではあるが,A社及びB社は需要家の多頻度小口配送等のきめ細かな要求に応えているため,
433 需要家は輸入品に比して割高な価格を受け入れている。このような事情から,国産品は,現在の市
434 場シェアを過去5年程度は維持している。しかし,国内の需要家は,輸入通関統計などから輸入品
435 の価格を容易に知ることができるため,この価格を参照して,A社及びB社に対して,常に,価格
436 の引下げを求めている。
437 上記のとおり,日本国内におけるXの需要減退により,A社及びB社は余剰生産能力を抱えてお
438 り,それぞれ稼働率は,A社が50パーセント,B社が40パーセントにすぎない。A社及びB社
439 のいずれにおいても,生産設備維持のための固定費(生産量の変化に関わりなく生じる費用)の負
440 担が重く,この固定費がXの製造原価の引下げ,ひいてはXの価格の引下げへの障害になっている。
441 そして,A社及びB社のいずれにおいても,X事業については,過去3年にわたって営業赤字が継
442 続しており,事業存続性が問題となっている。
443 〔設
444
445 問〕
446 このような状況の中,A社及びB社は,厳しい事業環境にあるX事業の存続を図るため,次の
447
448 の事業統合あるいはの業務提携を行うことを検討している。それぞれの事業統合案及び業務提携
449 案について,独占禁止法上の問題点を検討しなさい。なお,Xの地理的市場は日本国内で画定され
450 るものとする。
451
452
453 A社とB社は,それぞれのX事業を共同新設分割方式で切り出し,Xの製造及び販売を行う合
454 弁会社を共同で設立する。その際,B社のQ工場は,X以外の製品の生産設備に転換することで
455 Xの生産をやめ,A社のP工場にXの生産を集約することにより,同工場の稼働率を大幅に引き
456 上げて固定費を始めとする一単位当たりの生産コストを削減し,輸入品に価格面で対抗すること
457 を目指す。なお,この共同新設分割は,公正取引委員会に対して届出を行うことを要する。
458
459
460
461 B社は,Q工場の生産設備をX以外の製品の生産設備に転換するとともに,A社にXの生産を
462 委託し,A社はその生産を受託するという,生産受委託(OEM)契約を締結する。そうするこ
463 とにより,A社のP工場の稼働率を大幅に向上させ,生産コストの大幅な削減を目指す。なお,
464 その際,B社は,A社によるXの生産に必要な主要原料(Xの製造原価の60パーセント程度)
465 を,こうした委託生産に必要な量だけ,自ら生産し又は外部から調達して,A社のP工場に提供
466 する。B社がA社に支払う生産委託費用は,主要原料費以外の製造原価の103パーセントとす
467 る。また,B社は,生産を委託したXの販売は自ら行うものの,当該販売に係る物流業務をA社
468 に実費のみ支払って委託することとし,顧客及び出荷先に関する情報をA社に提供する。
469 - 13 -
470
471 - 14 -
472
473 論文式試験問題集[知的財産法]
474
475 - 15 -
476
477 [知的財産法]
478 〔第1問〕(配点:50)
479 製薬会社X1は,
480 「薬剤αと,薬剤γ1,γ2,γ3及びγ4から選ばれる薬剤βとを組み合わせ
481 て成る糖尿病治療用医薬」という発明について,平成27年4月1日に特許出願し,平成28年4
482 月5日に設定登録を受けた(以下,
483 「本件特許権」といい,同特許権に係る発明を「本件特許発明」
484 という。)。薬剤α及び薬剤βは,いずれもそれぞれ単体として従来より公知の糖尿病治療用医薬で
485 あったが,本件特許発明は,薬剤αと薬剤βを組み合わせ,併用して服用することによって,従来
486 の治療用医薬にはない顕著な効能を奏する発明である。また,薬剤βは薬局で市販されている薬剤
487 であるが,薬剤αは医師の処方せんがないと入手できない薬剤である。
488 X1は,別の製薬会社であるX2に対し,本件特許権について,範囲を全部,地域を日本全国,
489 期間を特許権の存続期間全部とする専用実施権(以下「本件専用実施権」という。)を設定し,本件
490 専用実施権は登録された。
491 以上の事実関係を前提として,以下の設問に答えなさい。
492 なお,本件特許権はいわゆる併用・組合せ特許として有効であるものとし,
493 「医薬品,医療機器等
494 の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」
495 (いわゆる医薬品医療機器等法)所定の問題は考
496 慮しないこととする。また,各設問の事実関係はそれぞれ独立したものであって相互に関連性はな
497 いものとする。
498 〔設
499
500 問〕
501
502 1.製薬会社Yは,薬剤α(顆粒)の他に,薬剤βの一種である薬剤γ1(カプセル入りの液体)
503 とをそれぞれ別個に製造・販売していたが,平成27年1月,本件特許発明の内容を知らずに,
504 薬剤αと薬剤γ1を同時に服用すると更なる顕著な効果を生じるのではないかと着想し,組み
505 合わせる用量の試行錯誤を重ねたところ,同年3月,薬剤αと薬剤γ1を最適な用量で組み合
506 わせた糖尿病治療用医薬αγ1(以下「Y製品1」という。)を見いだし,直ちに両薬剤を組み
507 合わせるための生産ラインの設計・製造を外部に発注したところ,平成28年8月頃,同製造
508 ラインが完成したため,生産を開始した。その後,Yは,Y製品1の更なる改良に取り組み,
509 その結果,薬剤βの一種ではあるが薬剤γ1と比較して更に薬理効果の高い薬剤γ2と薬剤α
510 を組み合わせた糖尿病治療用医薬αγ2(以下「Y製品2」という。)を開発し,平成29年4
511 月以降,これを製造・販売している。
512 X1は,Yに対し,YによるY製品2の製造・販売は本件特許権を侵害するものであると主
513 張して,Y製品2の製造・販売の差止めを求めて訴訟を提起した。
514 X1は,どのような主張をすべきか。これに対するYの反論として,どのような主張が考え
515 られるか。その妥当性についても論じなさい。
516 2.製薬会社Zは,薬剤α(顆粒)を単体の糖尿病治療用医薬として製造・販売していたが,Z
517 製の薬剤α(以下「Z製品」という。)は,医師の処方せんに基づき薬剤師によって,患者に対
518 して,製薬会社Aの製造に係る薬剤β(カプセル入りの液体。以下「A製品」という。)と一緒
519 に処方され,患者に対してA製品と同時に服用するように指示され使用されている場合が多か
520 った。
521 Zは,本件特許権の存在を知り,かつ上記の処方・使用の事実を知りながら,あえてZ製品
522 の製造・販売を続けていた。
523 X2は,Zに対し,本件専用実施権に基づいてZ製品の製造・販売の差止めを求めて訴訟を
524 提起した。
525 X2は,どのような主張をすべきか。これに対するZの反論として,どのような主張が考え
526 られるか。その妥当性についても論じなさい。
527 - 16 -
528
529 3.X2は,X1の承諾を得て,製薬会社X3に対し,自ら本件特許発明を実施しないことを約
530 して独占的な通常実施権を許諾し(ただし,X3による再実施許諾権はない。),これを受けた
531 X3は,自らは本件特許発明の実施品である治療用医薬を製造・販売せず,契約に反し別の製
532 薬会社Bに再実施許諾して本件特許発明の実施品である治療用医薬(以下「B製品」という。)
533 を製造・販売させて,継続的に実施料を得ている。
534 一方,X2は,同様にX1の承諾を得て,X3との上記実施許諾契約に反し,製薬会社Cに
535 対し,本件専用実施権について通常実施権を許諾し,これを受けたCは,本件特許発明の実施
536 品である治療用医薬(以下「C製品」という。)を製造・販売している。その結果,本件特許発
537 明の実施品の市場はB製品とC製品とで二分された状況になっている。
538 X3は,Cに対して,C製品の製造・販売の差止めと特許法第102条第2項により算定し
539 た損害賠償を求めて訴訟を提起した。
540 X3は,どのような主張をすべきか。これに対するCの反論として,どのような主張が考え
541 られるか。その妥当性についても論じなさい。
542
543 - 17 -
544
545 〔第2問〕(配点:50)
546 社会福祉法人丙は,ある市においてチャリティーコンサート(以下「本件コンサート」という。)
547 を開催し,無報酬での出演を引き受けてくれた歌手Aに歌ってもらった。本件コンサートは,この
548 市の職員を対象としたもので,50名が来聴した。入場は無料だったが,会場で配布されたプログ
549 ラムの中に,市内の福祉施設への寄附のお願い文と封筒が挟んであり,そのお願い文には,寄附を
550 したい者は封筒に金銭を入れて出口に置かれた募金箱に投じるようにと記載されていた。丙は,今
551 後も近隣の市において同じ演目のチャリティーコンサートを催す予定である。
552 本件コンサートの主催者は丙であるが,歌の選曲はAに任されていたところ,歌われた曲の中に,
553 乙が作曲した曲を10曲集めて自ら発行したCD(以下「本件CD」という。)に含まれていたMと
554 いう曲があった。
555 Mの歌詞は,反戦活動家の甲が,全国各地の戊辰戦争の戦場を巡り,その土地に伝わる戦争に関
556 する詩を集めて編んだ詩集(以下「本件詩集」という。)に収められた詩の一編である詩Pを,その
557 まま利用したものである。本件詩集は,戦争の悲惨さを格調高く歌った詩60編を甲が厳選し,テ
558 ーマごとに6章に分けて構成したものであり,詩Pは,
559 「戦の果てに」と題する章であるQ章を構成
560 する10の詩の中の一つであった。平和運動家としても知られる乙は,本件詩集を読み,Q章「戦
561 の果てに」において,戦争により荒れた田畑や戦死者の遺族の悲しみを詠んだ詩がまとめられてい
562 るという構成に初めて接して感銘を受け,平和を祈念してQ章「戦の果てに」の10の詩に曲を付
563 けて本件CDとして発行したが,収録した曲の順序は,本件詩集のQ章の収載順とは異なっていた。
564 以上の事実関係を前提として,以下の設問に答えなさい。
565 〔設
566
567 問〕
568
569 1.乙は,本件コンサートにおけるMの歌唱は乙の著作権を侵害するものであるとして,丙に対
570 して,今後丙が催す予定の同じ演目のチャリティーコンサートの開催の差止めを求める訴訟を
571 提起した。乙は,どのような主張をすべきか。これに対する丙の反論として,どのような主張
572 が考えられるか。それぞれの主張の妥当性についても論じなさい。なお,本件コンサートのプ
573 ログラムには,Mの作曲者が乙であることは表示されていたものとする。
574 2.インターネット上で,エンターテインメントに関するニュース配信の事業を行っている新聞
575 社丁は,本件コンサートが開催されたという記事(以下「本件記事」という。)を配信し,この
576 記事にAがMを歌っている場面の動画(丁が取材して録画したもの。以下「本件動画」という。)
577 を貼り付けた。本件記事の文章は500文字であり,本件動画は,Mの歌唱全体が7分間であ
578 ったうちの1分間で構成されている。画面上,本件動画の部分は画面の8分の1の面積の窓に
579 なっており,その横に本件記事の文章が配置されている。なお,丁の配信記事に配信期限はな
580 く,一旦配信されたものは,そのまま配信され続けるシステムになっており,本件コンサート
581 の開催から1年以上経過してもなお本件記事は配信されている。
582 乙は,丁に対して,本件動画の配信は乙の著作権を侵害するものであるとして,本件動画の
583 配信の差止めを求める訴訟を提起した。乙は,どのような主張をすべきか。これに対する丁の
584 反論として,どのような主張が考えられるか。それぞれの主張の妥当性についても論じなさい。
585 3.乙は,本件CDに収められた楽曲の創作及び発行に際し,甲の許諾を得ておらず,本件CD
586 に本件詩集や甲についての言及もなかったので,甲は,乙の本件CDの発行は甲の著作権及び
587 著作者人格権を侵害するものであるとして,本件CD発行の差止め及び損害賠償を求める訴訟
588 を提起した。甲は,どのような主張をすべきか。これに対する乙の反論として,どのような主
589 張が考えられるか。それぞれの主張の妥当性についても論じなさい。
590 4.乙は,本件CDに収められた楽曲の創作及び発行に際し甲の許諾を得ており,同楽曲に関す
591 る著作権を著作権管理団体Jに信託的に移転していたものとする。戊は,劇団主宰者であり,
592 戦争を茶化した喜劇の背景音楽として,Mを繰り返し再生している。再生に際し,戊は著作権
593 - 18 -
594
595 管理団体JからMの再生の許諾を得ていた。乙は,戊のMの使用態様は乙がMを作曲した意図
596 を損ない,戊がこのような趣旨によりMを再生することは乙の権利を侵害すると主張して,M
597 の再生の差止めを求める訴訟を提起した。乙は,どのような主張をすべきか。これに対する戊
598 の反論として,どのような主張が考えられるか。それぞれの主張の妥当性についても論じなさ
599 い。
600
601 - 19 -
602
603 - 20 -
604
605 論文式試験問題集[労
606
607 - 21 -
608
609
610
611 法]
612
613 [労
614
615
616
617 法]
618
619 〔第1問〕(配点:50)
620 次の事例を読んで,後記の設問に答えなさい。
621 【事
622
623 例】
624 Y社は,A県において,乗合バス(路線バス,高速バス等)事業及び貸切りバス事業を営む株式
625
626 会社であるが,地域住民の路線バスの利用者数が漸減し,路線バス事業の営業収支が悪化の一途を
627 たどっていた。そこで,Y社は,隣県のB県で同じく路線バス事業を営む株式会社であるZ社と経
628 営統合の可能性について協議を重ね,Z社がY社の路線バス事業部門を引き継ぐことで合意に至っ
629 たので,Y社の路線バス事業を吸収分割によりZ社に承継させること(以下「本件分割」という。)
630 とした。Y社には従業員200名のうち150名の従業員で組織されるC労働組合(以下「C組合」
631 という。)が存在しているが,Z社(従業員120名)には,労働組合は存在しない。また,Y社と
632 Z社では定年年齢60歳の定年制が採用されている。分割対象である路線バス事業に従事していた
633 バス運転手は,X1〜X30の30名(以下「X1ら」という。)であり,X1ら全員が承継対象と
634 された。
635 Y社は,本件分割に際して,商法等改正法附則第5条(注)に定める手続として,X1ら全員を
636 対象とした説明会を実施し,Z社の概要,X1らが承継対象であること,承継後も現在と同様の路
637 線バスの運転業務に従事してもらうが,A県だけでなくB県の路線バスを担当してもらうこともあ
638 り得ること,給与,勤務時間などの労働条件は,当面,現在と同様で,変更はないことなどを説明
639 した。この説明会では,X1らから,Z社の今後の経営見通しに不安はないのか,B県の路線バス
640 を担当することになると,従業員によっては通勤時間等の面で不利益な面が出てくるのではないか,
641 転居が必要になる場合には,どのように対処するのかなどの質問が出されたが,Y社は,他社であ
642 るZ社の経営状況は説明すべきことではない,個々の従業員について具体的に問題が生じるのであ
643 れば,個別事情に応じて各個人に説明し,理解,協力を得ることにしたいなどと答えた。
644 なお,C組合から,本件説明会の前に,本件分割の背景や理由などの関連事情について説明を行
645 い,協議する機会を設けるよう申入れがあったが,Y社は承継対象であるX1らに対して説明会を
646 開催する予定であると回答して,この協議申入れに応じなかった。
647 以上の経緯で,本件分割が実行され,X1らの労働契約はZ社に承継された。しかし,本件分割
648 による労働契約承継後のX1らの労働条件とZ社の従業員の労働条件には相違があった。具体的に
649 は,両社とも職能資格制度に基づく給与制度を採用しており,諸手当の支給対象,手当額にはさほ
650 どの違いはなかったが,職能資格に対応する給与(基本給)の額が異なっていた。両社で同一の勤
651 続年数を有する従業員を比較すれば,Y社の基本給はZ社のそれの1割程度低く,Z社の水準が近
652 隣県の同業他社の平均的な水準であった。他方,退職金については,両社とも,
653 「在職月数×一定の
654 係数×退職時の基本給」により算定されていたが,Y社の計算係数はZ社のそれより高く,在職2
655 0年以上の場合にはY社の退職金額はZ社のそれを大きく上回るものであった。
656 本件分割から半年後,Z社は,社内体制整備の一環として,X1らの賃金,退職金をZ社の水準
657 に合わせ,諸手当については,より簡明なY社の制度に合わせるため,給与規程,退職金規程の改
658 訂を行うこととした。そこで,Z社は,全従業員を対象に,給与規程,退職金規程の改訂について,
659 説明会を2回開催することにした。第1回目の説明会において,Z社は,従前からのZ社従業員と
660 X1らとの労働条件が異なるのは賃金管理上支障があるので,給与,諸手当,退職金に係る賃金制
661 度を改訂して統一を図る必要があること,改訂の内容は,従前からのZ社従業員については,諸手
662 当の制度を簡明にするだけなので大きな変更はないが,X1らについては,基本給を引上げ,退職
663 金の計算係数を引き下げることになること,X1らについては,改訂後5年程度で基本給の増加分
664 が退職金の減少分に見合う見通しであることなどを説明した。これに対して,X1らからは,Y社
665 - 22 -
666
667 における給与水準は維持されるはずではなかったのか,定年ないし退職の時期によっては退職金の
668 減少分が基本給の増加分で補えないのではないかとの疑問が出されたが,Z社は,希望があれば各
669 人の今後の給与額の見込みと定年時の退職金額の見込みを個別に示すことにするので,まずは,こ
670 の改訂を了解していただきたいと訴えた。Z社は,この説明会終了時に,給与規程,退職金規程の
671 改訂に納得してもらえる人は,次回の説明会でこの改訂に同意する旨のZ社が用意する書面(以下
672 「本件同意書」という。)に署名,押印し,提出してもらいたいと伝えた。
673 そして,1週間後の第2回目の説明会において,140名の従業員が本件同意書に署名,押印し,
674 Z社に提出したが,X1らのうち,勤続が20年を超えていた12名中10名は,退職金が大幅に
675 減額になる退職金規程の改訂には同意できないとして,本件同意書を提出しなかった。Z社は,こ
676 の2回の説明会終了後,労働基準法の定めに従い,従業員の過半数代表者を選出して,給与規程と
677 退職金規程の改訂について意見聴取を行い,この改訂に賛成する旨の意見書を添付して,所轄労働
678 基準監督署に就業規則の変更を届け出た。併せて,改訂就業規則を各課室に備え置いた。
679 〔設
680
681 問〕
682
683 1.X1は,本件分割についてのY社の説明会での対応に納得できず,不満があったので,Y社か
684 らZ社への労働契約承継の効力を争いたいと考えている。検討すべき法律上の論点を挙げて,あ
685 なたの意見を述べなさい。ただし,会社分割に係る会社法上の論点には触れなくてよい。
686 2.X2は,本件同意書を提出した後,要介護状態にある母親の容態が悪化して退職することにし
687 たが,支給される退職金額はY社に在籍していれば支給されたはずの退職金額を大きく下回るの
688 で,支給金額との差額を請求したいと考えている。検討すべき法律上の論点を挙げて,あなたの
689 意見を述べなさい。
690 (注)商法等の一部を改正する法律(平成12年法律第90号)(抄)
691
692
693
694
695 (労働契約の取扱いに関する措置)
696 第5条
697
698 会社法(平成17年法律第86号)の規程に基づく会社分割に伴う労働契約の承継等に関し
699
700 ては,会社分割をする会社は,会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(平成12年法律第
701 103号)第2条第1項の規定による通知をすべき日までに,労働者と協議をするものとする。
702
703
704 (略)
705
706 - 23 -
707
708 〔第2問〕(配点:50)
709 次の事例を読んで,後記の設問に答えなさい。
710 【事
711
712 例】
713
714 1.Y社は約200名の従業員を擁する会社であり,その従業員によって構成されるA労働組合(以
715 下「A組合」という。)との間で締結した労働協約(以下「本件協約」という。)において,従業
716 員はA組合の組合員でなければならないこと,A組合に加入しない者,A組合から脱退した者又
717 は除名された者は解雇すること,A組合を唯一の交渉団体とすること等の定めを置いており,実
718 際にも組合員となる資格を有するY社の従業員全員がA組合に所属していた。
719 Y社の従業員であるX1は,Y社に対して協調的姿勢に終始し,労働条件の改善に向けた積極
720 的姿勢が見えないA組合の執行部にかねてより強い不満を抱いており,平成28年の冬季賞与の
721 支給額についてA組合が前年度より低い水準でY社と合意したことをきっかけとして,同じよう
722 な不満を抱いていた同僚約20名を誘いA組合を脱退することを決意し,同年12月15日にA
723 組合に脱退届を提出した。X1は,同日の脱退届提出後,同年中には新組合を結成することを予
724 定していた。しかし,
725 「A組合を脱退した場合には解雇が避けられない」などと警告するA組合の
726 委員長名の文書が社内のA組合の掲示板に掲示されたことにより,脱退を予定していた同僚の間
727 で動揺が広がった。その結果,最終的にA組合に脱退届を提出したのはX1のほかにはX2〜X
728 15の14名にとどまり,14名が脱退届を提出した時期も平成29年1月15日にずれ込んだ。
729 同月30日には新組合であるB労働組合(以下「B組合」という。)の結成総会が開催されて,X
730 1が委員長に選任されたが,A組合に脱退届を提出した計15名のうち,B組合に参加したのは
731 X1のほかX2〜X10の9名であり,X11〜X15の5名はB組合に参加しなかった。
732 この間,A組合は,Y社に対して,脱退届が提出される都度,脱退者名を通知した上,本件協
733 約に基づき解雇するよう求めた。これを受け,Y社は,X1に対しては,平成29年1月5日に
734 解雇の通知を行い,同年1月15日に脱退届を提出した者のうち,早くから新組合への参加を表
735 明していたX2,X11に対しても,A組合からの集団脱退を扇動した立場にあるとして同年2
736 月5日に解雇の通知を行ったが,それ以外の者は解雇しなかった。
737 2.B組合は,結成総会の開催後直ちに,Y社に対して,組合脱退を理由とする解雇は許されない
738 としてX1の解雇の撤回を要求し,2月5日に解雇通知を受けたX2についても,同様に解雇の
739 撤回を要求し,これらにつき団体交渉を求めた。また,B組合は,Y社施設内において,A組合
740 と同様の組合事務所及び掲示板のためのスペースの供与,具体的には,机や椅子等の備品を収納
741 するために使用していた部屋を組合事務所として,従業員食堂出入り口に設置してある会社広報
742 掲示板の一部をB組合の掲示板として,それぞれ利用することについても団体交渉を要求した。
743 これに対してY社は,B組合に対し,本件協約においてA組合を唯一の交渉団体とする旨の
744 条項を置いているので,B組合との団体交渉には応じられない,X1,X2の解雇は本件協約
745 に基づくもので適法であり,その効力を争うのであれば,団体交渉ではなく,訴訟によるべきで
746 ある,そもそも現状では,B組合に対する事務所,掲示板スペースを確保することは困難であ
747 るので団体交渉を行っても意味はない旨,文書で回答した。
748 〔設
749
750 問〕
751
752 1.X1,X2,X11が,Y社に対し,解雇の無効を主張して労働契約上の地位の確認を求める
753 場合に,検討すべき法律上の論点を挙げて,あなたの意見を述べなさい。
754 2.B組合のY社に対する要求とこれに対するY社の対応について,検討すべき法律上の論点を挙
755 げて,あなたの意見を述べなさい。
756
757 - 24 -
758
759 論文式試験問題集[環
760
761 - 25 -
762
763
764
765 法]
766
767 [環
768
769
770
771 法]
772
773 〔第1問〕(配点:50)
774 Aは,平成20年4月1日,S県所在の甲土地を所有者のBから,同年7月1日,甲土地に隣接
775 する乙土地を所有者のCから,それぞれ購入した。
776 この場合において,以下の各設問に答えよ。
777 〔設問1〕
778 AとBは,甲土地の売買契約(以下「甲売買契約」という。)において,下記条項のとおり合意
779 していたことから,Aは,甲土地について,その購入後,土壌汚染対策法(以下,単に「法」と
780 いう。)第2条第2項にいう土壌汚染状況調査と同等の土壌汚染調査を行った。その結果,同条第
781 1項にいう特定有害物質であるPについて,法第6条第1項第1号に規定する環境省令で定める
782 基準に適合しないことが判明したため,Aは,Bに対し,平成22年6月1日,甲売買契約第1
783 0条第2項に基づき,甲土地の汚染対策費用の支払を求める訴えを提起するに至った。
784 Bとしては,Pが自然由来物質であることから,甲売買契約第10条第2項にいう汚染対策費
785 用を負担すべき場合に当たらないと考えている。
786 なお,法は,土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年4月24日法律第23号)に
787 より改正され,平成22年4月1日に施行されているところ,同改正に際して,環境省水・大気
788 環境局長から【資料】の通知が発出されている。また,Pは,甲売買契約締結時,既に法第2条
789 第1項にいう特定有害物質であった。
790 以上の場合において,AのBに対する甲土地の汚染対策費用の支払請求が認められるかについ
791 て,想定できるAの主張とBの反論を説明した上で,論ぜよ。
792 【甲売買契約の関係条項】
793 第10条
794
795 本物件には,土壌汚染対策法第3条第1項が定める有害物質使用特定施設に係る工場でな
796
797 いものが設置されていたため,売主は,同工場由来の土壌汚染が存在し得ないことを理由に,土壌
798 汚染の調査を行わず,土壌汚染の調査は,買主の負担により実施するものとする。
799
800
801 土壌汚染調査の結果,環境省の指定基準に適合しない土壌汚染があった場合,買主は汚染の態様
802 及び範囲並びに汚染対策の方法及び費用を売主に明示し,売主は汚染対策費用を買主に支払うもの
803 とし,買主は自ら汚染対策を行うものとする。
804
805 【資
806
807
808 料】
809 環境省水・大気環境局長発都道府県知事・政令市長宛
810
811 「土壌汚染対策法の一部を改正する法律による改正後の土壌汚染対策法の施行について」
812 (平成22年3月5日環水大土発第100305002号)(抜粋)
813 旧法〔注:平成21年法律第23号による改正前の土壌汚染対策法〕においては,
814 「土壌汚染」は,
815 環境基本法(平成5年法律第91号)第2条第3項に規定する,人の活動に伴って生ずる土壌の汚染
816 に限定されるものであり,自然由来の有害物質が含まれる汚染された土壌をその対象としていなかっ
817 たところである。しかしながら,法〔注:平成21年法律第23号による改正後の土壌汚染対策法〕
818 第4章において,汚染土壌(法第16条第1項の汚染土壌をいう。以下同じ。)の搬出及び運搬並びに
819 処理に関する規制が創設されたこと並びにかかる規制を及ぼす上で,健康被害の防止の観点からは自
820 然由来の有害物質が含まれる汚染された土壌をそれ以外の汚染された土壌と区別する理由がないこと
821 から,同章の規制を適用するため,自然由来の有害物質が含まれる汚染された土壌を法の対象とする
822 こととする。
823 - 26 -
824
825 〔設問2〕
826 Aは,乙土地を購入後,当面,駐車場として一般の利用に供していたところ,駐車場利用者か
827 らS県職員に対して乙土地で異臭がするとの通報があった。そこで,S県知事は,法第5条第1
828 項に基づき,乙土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について,Xに対し,指定調査機関
829 に調査をさせて,その結果を報告すべきことを命じた。当該土壌汚染状況調査の結果,乙土地の
830 土壌において,法第2条第1項に規定する特定有害物質であるQについて,法第6条第1項第1
831 号に規定する環境省令で定める基準に適合しないことが判明した。
832 これを受けて,Aは,Cに対し,乙土地の売買契約を解除する旨の意思表示をしたが,土壌汚
833 染の除去措置等を回避したいCは,解除は無効であるとして争い,AとCとの間で乙土地の所有
834 権の帰属をめぐる訴訟が係属するに至った。
835
836
837 乙土地について,人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるにもかかわらず,AもCも何
838 ら対策を採らない場合,S県知事は,その被害を未然に防止するため,法に基づいてどのよ
839 うな措置を採ることができるか。
840
841
842
843 S県は,AとCの間の上記訴訟において,乙土地の所有権がCに帰属する旨の判決が確定
844 した後,Cに対し,の措置に要した費用として当該費用相当額の支払を請求した。ところ
845 が,S県が請求した費用のうちには,第三者が乙土地に不適法に埋めた産業廃棄物の処理費
846 用が含まれていたため,Cは,これについては,自分が負担する理由がないとして,S県の
847 請求を争った。このCの主張の当否について場合を分けて論ぜよ。
848
849 - 27 -
850
851 〔第2問〕(配点:50)
852 広域で飲食店事業を展開しているA株式会社では,鮮度が落ちて調理に適しなくなった生鮮食品
853 や利用客の食べ残した食品を廃棄物処理業者に外部委託して焼却処分しているが,その委託量を節
854 減することが全社的な課題となっている。
855 そのため,各店舗から節減の案ないし実例を募集したところ,甲店,乙店及び丙店から以下のよ
856 うな内容の応募があった。
857 甲店「利用客がそれぞれ自分の好きな料理を自由に選べるバイキング方式を導入したい。食材別の
858 仕入れ量の管理がしやすくなる上に,利用客の食べ残しも減り,廃棄食品を相当量減らすこと
859 ができるものと見込まれる。」
860 乙店「乙店では,生鮮野菜を仕入れている契約農家Bから,廃棄することとなる食品を堆肥の原料
861 として譲ってもらいたいとの申入れがある。譲ってもらえるのであれば,乙店への生鮮野菜の
862 卸値を割り引くと言っており,廃棄物処理の外部委託費用ばかりか仕入原価も節減できるので
863 あるから,こんなに良い話はない。」
864 丙店「丙店は複合商業施設ビルに出店しているが,同ビルでは,入居テナント向けに共同利用の厨
865 芥物(生ごみ)処理設備が提供されている。設備に生ごみを投入すると,発酵処理されて相当
866 部分がバイオガスとなり,ビル内の電力源として用いられるという仕組みであり,一部は廃棄
867 物として残るものの,施設ビル全体からの排出量は大幅に減るというものである。設備利用及
868 び電力利用のための負担金は支払わなければならないが,これに廃棄物の処理を共同で外部委
869 託する費用の分担金を加えても,丙店から出る廃棄食品の全量の処理をそのまま外部に委託す
870 るよりも,全体として廉価となっている。」
871 この場合において,【資料】を参照しつつ,以下の各設問に答えよ。
872 〔設問1〕
873 甲店,乙店及び丙店から応募のあった案ないし実例は,循環型社会形成推進基本法上の基本原
874 則を踏まえて見た場合,それぞれどのような点において優れていると言えるか,関係条文に触れ
875 つつ,説明せよ。
876 〔設問2〕
877 A株式会社の取締役会において,甲店,乙店及び丙店から応募のあった内容の当否及び有用性
878 が議事に諮られたところ,取締役Cから,
879 「乙店の提案は,他店でも容易にできることであり積極
880 的に推進していくべきである。」との意見が述べられた。
881 あなたがA株式会社のいわゆる社外取締役である弁護士だとして,法的観点から見たCの意見
882 の問題点を,その理由及び当該問題点が解消されるための条件を述べつつ,説明せよ。
883 〔設問3〕
884 結局,乙店は,B及び肥料製造会社であるD株式会社との間で,乙店の廃棄食品をD株式会社
885 で堆肥として精製し,これをBが利用して生産された生鮮野菜を乙店が仕入食材として用いると
886 いう枠組みを合意し,これが実行に移された。
887 乙店,B及びD株式会社にとって,このような枠組みを合意し,実行することによって,それ
888 ぞれ循環型社会形成推進基本法上の事業者の責務をどのように果たしていることになるか,関係
889 条文に触れつつ,説明せよ。
890 【資
891
892
893 料】
894 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)(抜粋)
895
896 (産業廃棄物)
897 - 28 -
898
899 第2条
900
901 法第2条第4項第1号の政令で定める廃棄物は,次のとおりとする。
902
903
904
905 紙くず
906
907 (以下略)
908
909
910
911 木くず
912
913 (以下略)
914
915
916
917 繊維くず
918
919
920
921 食料品製造業,医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る
922
923 (以下略)
924
925 固形状の不要物
926 四の二
927
928 と畜場法(昭和28年法律第114号)第3条第2項に規定すると畜場においてとさつし,
929
930 又は解体した同条第1項に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律
931 (平成2年法律第70号)第2条第6号に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第1
932 号に規定する食鳥に係る固形状の不要物
933
934
935 ゴムくず
936
937
938
939 金属くず
940
941
942
943 ガラスくず,コンクリートくず(工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたものを除く。)及
944 び陶磁器くず
945
946
947
948 鉱さい
949
950
951
952 工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
953
954
955
956 動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)
957
958 十一
959
960 動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)
961
962 十二
963
964 大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第2項に規定するばい煙発生施設,ダイ
965
966 オキシン類対策特別措置法第2条第2項に規定する特定施設(中略)又は次に掲げる廃棄物の焼却
967 施設において発生するばいじんであつて,集じん施設によつて集められたもの
968 イ〜ト
969 十三
970
971 (略)
972
973 燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類,前各号に掲げる廃棄物(第1
974
975 号から第3号まで,第5号から第9号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては,事業活動に伴つ
976 て生じたものに限る。)又は法第2条第4項第2号に掲げる廃棄物を処分するために処理したも
977 のであつて,これらの廃棄物に該当しないもの
978
979 - 29 -
980
981 - 30 -
982
983 論文式試験問題集[国際関係法(公法系)]
984
985 - 31 -
986
987 [国際関係法(公法系)]
988 〔第1問〕(配点:50)
989 A国のX州は,人口の大多数がA国の主要民族とは人種,言語,宗教等を異にする少数民族によ
990 って構成されていて,かねてより独立運動が盛んであった。A国はX州の住民の不満を解消するた
991 めに,2015年4月にX州に対して大幅な自治権を認めたが,X州の住民の独立への要求は収ま
992 らなかった。同年6月,X州自治政府は,A国政府の反対を押し切ってX州のA国からの独立の可
993 否を問う住民投票を実施し,90%を超える圧倒的多数が独立を支持した。この住民投票の結果を
994 基に,X州自治政府は同年8月,X国憲法を制定して一方的に独立宣言を行った。この時点でX国
995 政府(A国から見た場合は「X州自治政府」。以下同じ。)はX国(A国から見た場合は「X州」。以
996 下同じ。)の全領域を実効的に支配し,A国の軍隊もX国領内には駐留していなかった。X国政府は,
997 同年9月,各国にX国の独立を通告するとともに国家承認を求める書簡を送付し,X国と境界を接
998 するB国を始め多くの国が国家承認の通告を行った。他方,地理的に離れていて利害関係の薄いC
999 国やD国は,X国の要請には応えなかった。同年10月,X国政府は国連への加盟を申請し,同年
1000 12月,国連総会は,国連安全保障理事会の勧告を受けてX国の加盟申請を審議し,賛成152,
1001 反対23,棄権18でX国の加盟を承認した。国連総会の投票において,A国やD国は反対票を投
1002 じたが,B国やC国は賛成票を投じた。その後D国は,2016年5月にX国と通商航海条約を締
1003 結した。なお,A国〜D国は,いずれも国連加盟国である。
1004 以上の事実を基に,以下の設問に答えなさい。
1005 〔設
1006
1007 問〕
1008
1009 1.X国の要請に応じずに国家承認の通告をしなかったC国とD国は,本問に書かれているその
1010 後の行動を通して,X国を承認し同国と国際法上の国家間関係を築いたと言えるかどうか,理
1011 由を付して答えなさい。
1012 2.X国の独立を承認せず,その国連加盟にも反対したA国は,2016年1月,X国の了解を
1013 得ずにA国とX国との間の境界線を越えて,小規模のA国軍部隊をX国内のS地方に派遣した。
1014 その理由をA国政府は,S地方で起こった暴動鎮圧のためと説明した。このA国の行動は国際
1015 法上正当化されるかどうか,理由を付して論じなさい。
1016 3.A国は,2014年4月,B国との間で国境画定条約を締結し,X州とB国との間を流れる
1017 R川のX州側の川岸に沿った線をもって国境とすることに合意した。X国は,独立宣言後,A,
1018 B両国間の国境条約はB国とX国との間の境界部分に関しては無効であると主張し,
1019 「国境に沿
1020 って流れる河川を国境にする場合は,航行可能な水流の最深線を国境とする国際法の原則」を
1021 適用して,R川の航行可能な水流の最深線が国境であると主張した。このX国の主張は国際法
1022 上認められるかどうか,論じなさい。また,X国がこのような主張をしたため,B国はX国を
1023 承認するとした通告を2016年2月になって撤回するとX国に伝えた。このB国の行為は国
1024 際法上合法と言えるかどうか,論じなさい。
1025
1026 - 32 -
1027
1028 〔第2問〕(配点:50)
1029 A国は海に面する国であり,国内法によって基線から200海里までを排他的経済水域として定
1030 めている。また,A国では,水産資源枯渇のためA国民に対してもタコの漁獲を厳しく規制してお
1031 り,同国の排他的経済水域内では,外国人によるタコの漁獲を国内法の外国漁船取締法により禁止
1032 している。
1033 A国の巡視艇甲に乗船していたA国の沿岸警備官は,A国の基線から約180海里の排他的経済
1034 水域内で,B国の国旗を掲げた漁船乙がタコを漁獲している現場を視認した。巡視艇甲が,漁船乙
1035 に対して停船を命じたところ,漁船乙はこれを無視して逃走を開始した。巡視艇甲は,漁船乙に対
1036 して停船を命じながら継続して漁船乙を追跡し,A国の基線から約210海里の公海上でようやく
1037 漁船乙を停船させることに成功した。A国の沿岸警備官がその場で漁船乙に乗船して漁船乙の船内
1038 を検査したところ,タコが船内に大量に保管されているのを発見した。このためA国の沿岸警備官
1039 は,漁船乙の船長X以下乗組員全員の身柄を拘束し,漁船乙をA国の港まで曳航した。
1040 A国の検察当局は,外国漁船取締法違反の容疑で漁船乙の船長XをA国の裁判所に起訴した。そ
1041 の後,船長X以外の漁船乙の乗組員はA国当局から身柄を釈放され,本国であるB国に帰国したが,
1042 船長XはA国当局に身柄を拘束され続けた。なお,漁船乙はB国の水産会社であるY社が所有する
1043 ものであり,B国の船籍を有する。また,漁船乙の乗組員は,船長Xを含め全てB国の国籍を有し
1044 ている。A国とB国は,いずれも海洋法に関する国際連合条約の当事国である。
1045 〔設
1046
1047 問〕
1048
1049 1.A国の巡視艇甲がB国の漁船乙をA国の基線から約210海里の公海上で拿捕した行為は,
1050 国際法上どのように評価できるか。関係する条文等その法的根拠を挙げながら論じなさい。
1051 2.B国が本件に関してA国に対して取り得る国際法上の手段について,漁船乙を所有するY社
1052 の対応も視野に入れつつ,関係する条文等その法的根拠を挙げながら論じなさい。
1053 3.A国の外国漁船取締法は,A国の排他的経済水域内で違法に漁業を行った外国人に対して1
1054 年以下の懲役又は10万米ドル相当以下の罰金を科すことを定めており,A国の第一審裁判所
1055 は,B国が本件に関してA国に対して何ら具体的な行動を取らない間に,Xに対して同法違反
1056 を理由に懲役6か月の実刑判決を下し,この判決が確定したとする。この場合,B国は本件に
1057 関してA国に対してどのような国際法上の請求を行うことができるかについて論じなさい。
1058
1059 - 33 -
1060
1061 - 34 -
1062
1063 論文式試験問題集[国際関係法(私法系)]
1064
1065 - 35 -
1066
1067 [国際関係法(私法系)]
1068 〔第1問〕(配点:50)
1069 A男(甲国籍)は,妻B女(甲国籍)と長年日本で暮らしていた。A男は,平成19年より仕事
1070 の関係で乙国に単身で滞在するようになり,C女(乙国籍)と親しくなった。平成20年5月,C
1071 女は乙国で未婚のままDを出産し,Dは出生により乙国籍を取得した。甲国及び乙国は認知主義を
1072 採っており,同年6月,A男はDの認知(以下「本件認知」という。)をした。平成23年5月,A
1073 男は仕事の関係で日本に帰国し,その後を追って,平成24年5月,C女及びDも来日した。
1074 以上の事実を前提として,以下の設問に答えなさい。なお,各問は独立した問いであり,全ての
1075 問いにおいて,反致及び国際裁判管轄権については検討を要しない。
1076 〔設
1077
1078 問〕
1079
1080 1.本件認知は,乙国において乙国民法に定める方式で行われ,同法の要件を満たしていた。甲国
1081 民法上は,15歳未満の子の認知についてはその母の同意を要するが,乙国民法上はそのような
1082 同意は要件とされていないため,A男は,本件認知に当たってC女の同意を得ていなかった。本
1083 件認知は,日本において有効に成立していると判断されるか。
1084 2.本件認知は,A男とDとの間の血縁関係の存在を除き,甲国民法及び乙国民法上の認知の他の
1085 実質的成立要件を満たし,認知の方式についても法の適用に関する通則法(平成18年法律第7
1086 8号)が定める準拠法上の要件を満たすものであった。B女は,A男とDとの間には血縁関係が
1087 ないとして,日本において本件認知の無効請求をした。甲乙両国の民法上,血縁上の父子関係が
1088 ない認知は無効であるが,無効主張権者についての規定は異なる。すなわち,甲国民法上,認知
1089 者の配偶者は利害関係人として認知の無効を主張することができるが,乙国民法上は,認知を受
1090 けた子,その直系卑属又はこれらの者の法定代理人のみがこれを主張することができる。B女に
1091 よる認知無効請求は日本において認められるか。
1092 3.Dは,平成27年1月に甲国籍を取得し,乙国籍との二重国籍者となったが,日本の小学校に
1093 通い,日本での生活になじんでいた。平成28年4月,A男が死亡し,生活に行き詰まったC女
1094 は,乙国の方が安定した職業に就くことが可能であり,自らの親族もいることから,同年8月,
1095 乙国にDと共に帰国した。Dは,C女とその親族の家に身を寄せ,現地の小学校に通学し,既に
1096 乙国の生活にもなじんでいる。しかし,C女とDは,依然として生活に困窮している状況にある。
1097 C女は,Dのために,A男の資産家の叔父E(日本在住の甲国人・A男の父の弟)に援助を求め
1098 ることを思い付いた。
1099 現時点(平成29年5月)において,DがEに対し扶養料を請求することができるかについて,
1100 日本の裁判所は,いかなる国の法を適用すべきか。なお,先決問題として問題となり得る傍系親
1101 族関係の有無についてはあるものとし,甲国民法上,4親等内の傍系親族間の扶養義務が認めら
1102 れているが,乙国民法上は2親等内の傍系親族間でのみ扶養義務が認められており,いずれの民
1103 法上の親等の計算も日本民法と同様とする。
1104
1105 - 36 -
1106
1107 〔第2問〕(配点:50)
1108 日本及び甲国は,いずれも国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(平成15年条
1109 約第6号)(以下「本件条約」という。関連条文後掲。)の締約国である。他方,乙国は,本件条約
1110 及びその他の国際航空運送に関する条約のいずれの締約国にもなっていない。
1111 農業用機械を製造販売する日本法人X会社は,甲国法人A農場と交わした機械(以下「本件貨物」
1112 という。)の売買契約を履行するため,甲国法人Y航空会社(主たる営業所:甲国)の日本に所在す
1113 る営業所(従たる営業所)において,Xを荷送人,Aを荷受人とし,日本から甲国まで本件貨物を
1114 運送する旨の航空運送契約(以下「本件運送契約」という。)を締結した。本件運送契約には,X及
1115 びYがそれぞれ従たる営業所の一つを有する乙国が両社にとって中立の地位にあるという了解の下
1116 に,乙国裁判所を専属管轄裁判所とする旨の条項及び本件運送契約の準拠法を乙国法とする旨の条
1117 項が含まれていた。また,Xは本件運送契約を締結するに当たり,甲国法人Z保険会社との間で,
1118 運送中の本件貨物の毀損を保険事故とする保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結し,保
1119 険契約の準拠法を甲国法とする旨合意した。
1120 Xは,送付時に,本件貨物が毀損していないことをYの従業員立会いの下に確認した上で,その
1121 旨をAに知らせていた。本件貨物が甲国に到着した翌日,Aは,本件貨物の毀損(機械の機能を失
1122 うほどの損害)を発見し,Xにその旨を通知した。
1123 〔設問1〕XがYに対し,本件貨物の毀損を原因とする本件条約第18条第1項に基づく損害賠償
1124 請求権を訴訟物とする訴え(以下「本件訴え」という。)を日本の裁判所に提起したことを前提と
1125 して,以下の小問に答えなさい。
1126 〔小問1〕本件訴えにつき,Yは,乙国裁判所を専属管轄裁判所とする旨の条項の存在を指摘し,
1127 日本の裁判所には国際裁判管轄権がない旨主張した。Yの主張は認められるか。本件条約の適
1128 用のプロセスを踏まえて論じなさい。
1129 〔小問2〕本件訴えの提起の1か月前に,Yが,Xを被告として甲国の裁判所に本件貨物の毀損
1130 を原因とする本件条約第18条第1項に基づく債務の不存在確認を求める訴えを提起してい
1131 た。この場合,日本の裁判所は,本件訴えをどのように処理すべきか。
1132 〔設問2〕Zは,保険契約に基づいてXに保険金を支払った。Zは,法律上の代位により,本件貨
1133 物の毀損を原因とする本件条約第18条第1項に基づく損害賠償請求権をXから取得したと主張
1134 して,Yに対し,損害賠償金の支払を求める訴えを日本の裁判所に提起した。Zの主張の当否を
1135 判断する場合の準拠法について論じなさい。
1136 (参照条文)国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約(平成15年条約第6号)
1137 (抜粋)
1138 第1条
1139
1140
1141 適用範囲
1142
1143 この条約は,航空機により有償で行う旅客,手荷物又は貨物のすべての国際運送について適用
1144 し,航空運送企業が航空機により無償で行う国際運送についても同様に適用する。
1145
1146
1147
1148 この条約の適用上,
1149 「国際運送」とは,当事者間の約定により,運送の中断又は積替えがあるか
1150 ないかを問わず,出発地及び到達地が,二の締約国の領域内にある運送又は一の締約国の領域内
1151 にあり,かつ,予定寄航地が他の国(この条約の締約国であるかないかを問わない。)の領域内に
1152 ある運送をいう。一の締約国の領域内の二地点間の運送であって他の国の領域内に予定寄航地が
1153 ないものは,この条約の適用上,国際運送とは認めない。
1154
1155 3,4
1156 第18条
1157
1158
1159 (略)
1160 貨物の損害
1161
1162 運送人は,貨物の破壊,滅失又はき損の場合における損害については,その損害の原因となっ
1163 - 37 -
1164
1165 た事故が航空運送中に生じたものであることのみを条件として,責任を負う。
1166 2〜4
1167 第26条
1168
1169 (略)
1170 契約上の規定の無効
1171
1172 契約上の規定であって,運送人の責任を免除し又はこの条約に規定する責任の限度より低い額の
1173 責任の限度を定めるものは,無効とする。ただし,当該契約は,このような規定の無効によって無
1174 効となるものではなく,引き続き,この条約の適用を受ける。
1175 第29条
1176
1177 請求の根拠
1178
1179 旅客,手荷物及び貨物の運送については,損害賠償についての訴えは,その訴えがこの条約に基
1180 づくものであるか,また,契約,不法行為その他の事由を理由とするものであるかを問わず,この
1181 条約に定める条件及び責任の限度に従うことによってのみ,かつ,訴えを提起する権利を有する者
1182 がいずれであるか及びこれらの者それぞれがいかなる権利を有するかという問題に影響を及ぼすこ
1183 となく,提起することができる。このような訴えにおいては,懲罰的損害賠償その他の非補償的損
1184 害賠償を求めることはできない。
1185 第33条
1186
1187
1188 管轄
1189
1190 損害賠償についての訴えは,原告の選択により,いずれか一の締約国の領域において,運送人
1191 の住所地,運送人の主たる営業所若しくはその契約を締結した営業所の所在地の裁判所又は到達
1192 地の裁判所のいずれかに提起しなければならない。
1193
1194 2〜4
1195 第49条
1196
1197 (略)
1198 必要的な適用
1199
1200 運送契約中の条項又は損害の発生前に行った特別な合意は,当事者が,これらにより適用する法
1201 令を決定し又は裁判管轄に関する規則を変更し,もってこの条約に定める規則に反することを意図
1202 する場合には,いずれも無効とする。
1203
1204 - 38 -
1205
1206