1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 - 1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:3)
8 因果関係に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選
9 びなさい。(解答欄は,[bP],[bQ]順不同)
10 1.甲が,Vの胸部,腹部及び腰部を殴打したり足蹴りしたりする暴行を加えたところ,それに
11 耐えかねたVは,その場から逃走した際,逃げることに必死の余り,過って路上に転倒し,縁
12 石に頭部を打ち付けたことによって,くも膜下出血により死亡した。この場合,甲の暴行とV
13 の死亡との間には,因果関係がある。
14 2.甲が,Vを突き倒し,その胸部を踏み付ける暴行を加え,Vに血胸の傷害を負わせたところ,
15 Vは,Vの胸腔内に貯留した血液を消滅させるため医師が投与した薬剤の影響により,かねて
16 Vが罹患していた結核性の病巣が変化して炎症を起こし,同炎症に基づく心機能不全により死
17 亡した。この場合,甲の暴行とVの死亡との間には,因果関係がない。
18 3.甲は,自動車を運転中,過って同車をVに衝突させてVを同車の屋根に跳ね上げ,その意識
19 を喪失させたが,Vに気付かないまま同車の運転を続けるうち,同車の助手席に同乗していた
20 乙がVに気付き,走行中の同車の屋根からVを引きずり降ろして路上に転落させた。Vは,頭
21 部打撲傷に基づくくも膜下出血により死亡したところ,同傷害は,自動車と衝突した際に生じ
22 たものか,路上に転落した際に生じたものかは不明であった。この場合,甲の衝突行為とVの
23 死亡との間には,因果関係がある。
24 4.甲は,狩猟仲間のVを熊と誤認して猟銃弾を1発発射し,Vの大腿部に命中させて大量出血
25 を伴う重傷を負わせた直後,自らの誤射に気付き,苦悶するVを殺害して逃走しようと決意し,
26 更に至近距離からVを目掛けて猟銃弾を1発発射し,Vの胸部に命中させてVを失血により即
27 死させた。Vの大腿部の銃創は放置すると十数分で死亡する程度のものである一方,胸部の銃
28 創はそれ単独で放置すると半日から1日で死亡する程度のものであった。この場合,甲の2発
29 目の発射行為とVの死亡との間には,因果関係がない。
30 5.甲は,Vの頭部を多数回殴打する暴行を加えた結果,Vに脳出血を発生させて意識喪失状態
31 に陥らせた上,Vを放置して立ち去った。その後,Vは,甲とは無関係な乙から角材で頭頂部
32 を殴打される暴行を加えられ,死亡するに至った。Vの死因は甲の暴行により形成された脳出
33 血であり,乙の暴行は,既に発生していた脳出血を拡大させ,幾分か死期を早める影響を与え
34 るものであった。この場合,甲の暴行とVの死亡との間には,因果関係がある。
35 〔第2問〕(配点:2)
36 略取,誘拐及び人身売買の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した
37 場合,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bR])
38 ア.営利の目的で未成年者を買い受けた場合,未成年者買受け罪のみが成立する。
39 イ.身の代金目的誘拐罪は,近親者その他誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその
40 財物を交付させる目的を主観的要素とする目的犯である。
41 ウ.身の代金目的で成年者を略取し,公訴が提起される前に同成年者を安全な場所に解放すれば,
42 身の代金目的略取罪の刑が必要的に減軽される。
43 エ.未成年者誘拐罪は親告罪である。
44 オ.親権者は,未成年者誘拐罪の主体とはならない。
45 1.ア
46
47
48
49 2.ア
50
51
52
53 3.イ
54
55
56
57 4.イ
58
59 - 2 -
60
61
62
63 5.エ
64
65
66
67 〔第3問〕(配点:2)
68 次の【記述】中の@からCまでの(
69
70 )内から適切な語句を選んだ場合,その組合せとして正し
71
72 いものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bS])
73 【記
74
75 述】
76 被害者の同意が問題となる場合としては,一般に以下のような分類がなされている。第1は,
77
78 被害者の意思に反することが構成要件要素になっている場合であり,この類型においては,被害
79 者の同意は構成要件該当性を阻却する。窃盗罪は,この類型に@(a.入る・b.入らない)。
80 第2は,被害者の同意の有無が犯罪の成立に影響を及ぼさない場合である。13歳未満の者に対
81 するわいせつ行為は,この類型にA(c.入る・d.入らない)。第3は,被害者の同意がある
82 場合とない場合が分けて規定され,被害者の同意があると軽い方の罪が成立する場合である。業
83 務上堕胎罪は,この類型にB(e.入る・f.入らない)。第4は,被害者の同意が行為の違法
84 性を阻却する場合である。住居侵入罪の「侵入」を住居権者・管理権者の意思に反する立入りと
85 解した場合,同罪は,この類型にC(g.入る・h.入らない)。
86 1.@a
87
88 Ac
89
90 Be
91
92 Ch
93
94 2.@a
95
96 Ac
97
98 Bf
99
100 Ch
101
102 3.@a
103
104 Ad
105
106 Bf
107
108 Cg
109
110 4.@b
111
112 Ac
113
114 Be
115
116 Ch
117
118 5.@b
119
120 Ad
121
122 Bf
123
124 Cg
125
126 〔第4問〕(配点:2)
127 わいせつ物頒布等の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,甲に
128
129
130 )内の罪が成立しないものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[
131
132 5])
133 ア.インターネットを介した書籍販売業を営む甲は,日本語で書かれたわいせつな文書である
134 小説を,その購入を申し込んできた日本国内在住の多数の外国人に販売したところ,いずれ
135 の外国人も日本語の読解能力に乏しく,同小説の内容を理解できなかった。(わいせつ物頒布
136 罪)
137 イ.甲は,インターネットを介して多数の希望者を募った上,その希望者らに無料で交付する
138 目的で,わいせつな映像を記録したDVDを所持した。(わいせつ物有償頒布目的所持罪)
139 ウ.甲は,わいせつな映像を記録したDVDの販売業者に対してそのDVDの購入を申し込み,
140 これを購入した。(わいせつ物頒布罪の教唆犯)
141 エ.DVDのレンタル業を営む甲は,わいせつな映像を記録したDVDを,多数の顧客へ有償
142 で貸し出した。(わいせつ物頒布罪)
143 オ.甲がインターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めたところ,その購入を申
144 し込んできた顧客は1名だけであったが,甲は,その者に対して,電子メールに同映像のデ
145 ータを添付して送信した。(わいせつ物頒布罪)
146 1.ア
147
148
149
150 2.ア
151
152
153
154 3.イ
155
156
157
158 4.イ
159
160 - 3 -
161
162
163
164 5.ウ
165
166
167
168 〔第5問〕(配点:2)
169 次の【事例】に関する後記アからエまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,誤っている
170 ものを全て選んだ場合の組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[bU])
171 【事
172
173 例】
174 土木作業員甲及び乙は,現場監督者丙の監督の下で,X川に架かる鉄橋の橋脚を特殊なA鋼材
175
176 を用いて補強する工事に従事していたが,作業に手間取り,工期が迫ってきたことから,甲及び
177 乙の2人で相談した上で,より短期間で作業を終えることができる強度の弱いB鋼材を用いた補
178 強工事を共同して行った。その結果,工期内に工事を終えることはできたものの,その後発生し
179 た豪雨の際,A鋼材ではなくB鋼材を用いたことによる強度不足のために前記橋脚が崩落し,た
180 またま前記鉄橋上を走行していたV1運転のトラックがX川に転落し,V1が死亡した。なお,
181 甲及び乙は同等の立場にあり,甲及び乙のいずれについても,B鋼材を工事に用いた場合に強度
182 不足のために前記橋脚が崩落することを予見していなかったものの,その予見可能性があったも
183 のとする。
184 【記
185
186 述】
187
188 ア.甲及び乙には,強度の弱いB鋼材で補強工事を行うことの意思連絡はあるが,不注意の共同
189 はあり得ないから,甲及び乙に業務上過失致死罪の共同正犯が成立する余地はない。
190 イ.丙は,甲及び乙が強度の弱いB鋼材で補強工事を行っていることを認識していたが,工期が
191 迫っていたことから,これを黙認したという場合,直接行為者である甲及び乙に過失が認めら
192 れたとしても,更に丙に過失が認められる余地がある。
193 ウ.仮に,甲及び乙において,V1が死亡するに至る実際の因果経過を具体的に予見することが
194 不可能であった場合,甲及び乙には業務上過失致死罪は成立しない。
195 エ.仮に,V1運転のトラックの荷台に,V1に無断でV2が乗り込んでおり,同トラックがX
196 川に転落したことによって,V1及びV2の両名が死亡した場合,甲及び乙にはV2に対する
197 業務上過失致死罪は成立しない。
198 1.ア
199
200
201
202
203
204 2.ア
205
206
207
208
209
210 3.ア
211
212
213
214 4.イ
215
216
217
218 5.ウ
219
220
221
222 〔第6問〕(配点:2)
223 次の各【見解】に関する後記1から5までの各【記述】のうち,誤っているものはどれか。(解
224 答欄は,[bV])
225 【見
226
227 解】
228
229 A説:遺棄罪は,生命・身体に対する危険犯である。
230 B説:遺棄罪は,生命に対する危険犯である。
231 【記
232
233 述】
234
235 1.「自説のように解さないと処罰範囲が広くなり過ぎる」ことは,B説の根拠となり得る。
236 2.「刑法第219条(遺棄等致死傷罪)が致傷罪という加重処罰規定を置いている」ことは,
237 A説の根拠となり得る。
238 3.「刑法第218条(保護責任者遺棄罪)が生存に必要な保護をしなかったことを遺棄ととも
239 に処罰の対象としている」ことは,B説の根拠となり得る。
240 4.「遺棄罪の懲役刑の上限が傷害罪の懲役刑の上限よりも軽い」ことは,B説の根拠となり得
241 る。
242 5.「刑法典は,殺人,傷害,過失傷害,堕胎の各罪の章の後に遺棄の罪の章を置いている」こ
243 とは,A説の根拠となり得る。
244
245 - 4 -
246
247 〔第7問〕(配点:2)
248 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。(解答欄
249 は,[bW])
250 1.甲が乙に対し,深夜の公園で待ち伏せしてAから金品を喝取するように教唆したところ,乙
251 は,その旨決意し,深夜の公園でAを待ち伏せしたが,偶然通り掛かったBをAと誤認してB
252 から金品を喝取した。乙は,人違いに気付き,引き続きAを待ち伏せして,通り掛かったAか
253 ら金品を喝取しようとしてAを脅迫したが,Aに逃げられてしまい金品を喝取することができ
254 なかった。甲にはAに対する恐喝未遂罪の教唆犯のみが成立する。
255 2.甲が乙に対し,Aをナイフで脅してAから金品を強取するように教唆したところ,乙は,そ
256 の旨決意し,Aをナイフで脅したが,その最中に殺意を抱き,Aの腹部をナイフで刺してAに
257 傷害を負わせ,Aから金品を強取したものの,Aを殺害するには至らなかった。甲には強盗罪
258 の教唆犯が成立するにとどまる。
259 3.甲が乙に対し,留守宅であるA方に侵入して金品を窃取するように教唆したところ,乙は,
260 その旨決意したが,B方をA方と誤認してB方に侵入し,その場にいたBから金品を強取した。
261 甲にはB方への住居侵入罪及びBに対する窃盗罪の教唆犯が成立する。
262 4.甲が乙に対し,現住建造物であるA家屋に放火するように教唆したところ,乙は,その旨決
263 意し,A家屋に延焼させる目的で,A家屋に隣接した現住建造物であるB家屋に放火したが,
264 B家屋のみを焼損し,A家屋には燃え移らなかった。甲にはA家屋に対する現住建造物等放火
265 未遂罪の教唆犯のみが成立する。
266 5.甲は,土建業者AがB市発注予定の土木工事を請け負うためB市役所土木係員乙に現金を供
267 与しようと考えていることを知り,乙に対し,Aに工事予定価格を教える見返りとしてAから
268 現金を受け取り,Aに工事予定価格を教えるように教唆したところ,乙は,その旨決意し,A
269 との間で,Aに工事予定価格を教える旨約束して,Aから現金100万円を受け取ったが,そ
270 の後,工事予定価格を教えなかった。甲には加重収賄罪の教唆犯が成立する。
271 〔第8問〕(配点:2)
272 放火の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものは
273 どれか。(解答欄は,[bX])
274 1.甲は,住宅街の駐車場に駐車中の乙所有の自動車を燃やそうと考え,自己の自動車に灯油を
275 積みライターを持って同自動車を運転して同駐車場に向かったところ,その途中,交通事故を
276 起こし,乙所有の自動車に放火することができなかった。この場合,甲には,建造物等以外放
277 火罪の予備罪が成立する。
278 2.甲は,乙が居住する乙所有の家屋を燃やそうと考え,同家屋に放火し全焼させたところ,同
279 家屋内で就寝中の乙が焼死した。甲が乙を殺そうと考えて同家屋に放火した場合でも,甲には,
280 法定刑に死刑を含む現住建造物等放火罪のみが成立する。
281 3.甲は,山奥で乙を殺害した後,乙の失踪を装うため,乙が一人で居住していた丙所有の家屋
282 を燃やそうと考え,同家屋に放火し全焼させた。同家屋に人がいなかった場合でも,甲には,
283 現住建造物等放火罪が成立する。
284 4.甲は,不要となった甲所有の自動車を燃やそうと考え,同自動車に放火し全焼させ,公共の
285 危険を生じさせた。甲に公共の危険が生じることについての認識がなかった場合でも,甲には,
286 建造物等以外放火罪が成立する。
287 5.甲は,乙が居住する乙所有の家屋を燃やそうと考え,同家屋の壁際に駐車されていた乙所有
288 の自動車に放火して焼損し,同家屋への延焼の危険を生じさせたが,その火は通行人により消
289 し止められ,同家屋に燃え移らなかった。この場合,甲には,建造物等以外放火罪のみが成立
290 する。
291
292 - 5 -
293
294 〔第9問〕(配点:4)
295 次のアからオまでの各事例における甲の罪責について,判例の立場に従って検討し,(
296
297 )内の
298
299 犯罪が既遂になる場合には1を,未遂にとどまる場合には2を,既遂にも未遂にもならない場合に
300 は3を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[10]から[14])
301 ア.甲は,会社事務所内において現金を窃取して,戸外に出たところを警備員乙に発見されて取
302 り押さえられそうになったため,逮捕を免れようと考え,乙に対し,刃体の長さ20センチメ
303 ートルの出刃包丁をその腹部に突き付け,「ぶっ殺すぞ。」と怒鳴り付けたが,偶然その場を通
304 り掛かった警察官に取り押さえられ,逮捕を免れることができなかった。(事後強盗罪)[10]
305 イ.甲は,行使の目的で,カラープリンターを用いて,複写用紙に真正な千円札の表面及び裏面
306 を複写して千円札を偽造しようとしたが,カラープリンターの操作を誤ったため,完成したも
307 のは,一般人がこれを一見した場合に真正な千円札と誤認する程度の外観を備えたものではな
308 かった。(通貨偽造罪)[11]
309 ウ.甲は,通行中の乙に因縁を付けて乙から現金を脅し取ろうと考え,乙に対し,「俺をにらん
310 できただろ。金を払えば許してやる。金を出せ。」などと大声で怒鳴り付けて反抗を抑圧する
311 に至らない程度の脅迫を加え,同脅迫により畏怖した乙は,甲に現金を直接手渡さなかったも
312 のの,甲が乙のズボンのポケットから乙が所有する現金在中の財布を抜き取って持ち去るのを
313 黙認した。(恐喝罪)[12]
314 エ.甲は,知り合いの女性乙を自己が運転する自動車に乗せて同車内において強いて姦淫しよう
315 と考え,乙に対し,「自宅まで送ってあげる。」とうそを言ったところ,乙は,これを信じて同
316 車に乗り込んだが,甲の態度を不審に思い即座に同車から降りた。(強姦罪)[13]
317 オ.甲は,会社事務所にある現金を窃取する目的で,門塀に囲まれ,警備員が配置されて出入り
318 が制限されている同事務所の敷地内に塀を乗り越えて立ち入ったが,同事務所の建物に立ち入
319 る前に警備員に発見され敷地外に逃走した。(建造物侵入罪)[14]
320 〔第10問〕(配点:2)
321 名誉毀損罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいもの
322 はどれか。(解答欄は,[15])
323 1.摘示される「事実」は,非公知のものでなければならないから,公知の事実を摘示した場合
324 には,名誉毀損罪は成立しない。
325 2.事実の摘示が「公然」といえるためには,摘示内容を不特定かつ多数人が認識し得る状態に
326 あったことが必要であるから,不特定ではあるが,少数人しか認識し得ない状態にとどまる場
327 合には,名誉毀損罪は成立しない。
328 3.名誉の主体である「人」は,自然人に限られるから,法人の名誉を毀損した場合には,名誉
329 毀損罪は成立しない。
330 4.死者の名誉を毀損したとしても,虚偽の事実を摘示した場合でなければ処罰されないから,
331 摘示した事実が真実である場合には,名誉毀損罪として処罰されない。
332 5.人の名誉を侵害するに足りる事実を公然と摘示したとしても,現実に人の名誉が侵害されて
333 いない場合には,名誉毀損罪は成立しない。
334
335 - 6 -
336
337 〔第11問〕(配点:2)
338 学生A,B及びCは,次の【事例】における甲の罪責について,後記【会話】のとおり検討して
339 いる。【会話】中の@からDまでの( )内から適切な語句を選んだ場合,正しいものの組合せは,
340 後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[16])
341 【事
342
343 例】
344 甲は,乙がVに対して暴行を加えていたところに通り掛かり,乙との間で共謀を遂げた上,乙
345
346 と一緒にVに対して暴行を加えた。Vは,甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行を加えられた際
347 に1個の傷害を負ったが,Vの傷害が,甲の共謀加担前の乙の暴行により生じたのか,甲の共謀
348 加担後の甲又は乙の暴行により生じたのかは,証拠上不明であった。
349 【会
350
351 話】
352
353 学生A.私は,共犯は自己の行為と因果関係を有する結果についてのみ責任を負うという見解に
354 立ち,後行者は,共謀加担前の先行者の暴行により生じた傷害結果には因果性を及ぼし得
355 ないと考えます。事例の場合,甲には@(a.暴行罪・b.傷害罪)の共同正犯が成立す
356 ると考えます。事例とは異なり,Vの傷害が甲の共謀加担後の甲又は乙の暴行により生じ
357 たことが証拠上明らかな場合,甲には傷害罪の共同正犯がA(c.成立する・d.成立し
358 ない)と考えます。
359 学生B.A君の見解に対しては,甲に対する傷害罪の成立範囲がB(e.狭く・f.広く)なり
360 過ぎるとの批判が可能ですね。
361 学生C.私は,事例の場合には,同時傷害の特例としての刑法第207条が適用され,甲は,V
362 の傷害結果について責任を負うと考えます。その理由の一つとして,仮に甲が乙と意思の
363 連絡なく,Vに暴行を加えた場合に比べ,事例における甲がC(g.不利・h.有利)に
364 扱われることになるのは不均衡であると考えられることが挙げられます。
365 学生B.乙には,甲の共謀加担前後にわたる一連の暴行の際にVに生じた傷害結果についての傷
366 害罪が成立するのであり,傷害結果について責任を負う者が誰もいなくなるわけではない
367 ということは,C君のD(i.見解に対する批判・j.見解の根拠)となり得ますね。
368 1.@a
369
370 Ac
371
372 Be
373
374 Ch
375
376 Di
377
378 2.@b
379
380 Ad
381
382 Bf
383
384 Cg
385
386 Dj
387
388 3.@a
389
390 Ac
391
392 Bf
393
394 Cg
395
396 Dj
397
398 4.@b
399
400 Ac
401
402 Be
403
404 Ch
405
406 Di
407
408 5.@a
409
410 Ac
411
412 Be
413
414 Cg
415
416 Dj
417
418 〔第12問〕(配点:2)
419 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場
420 合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[17])
421 ア.犯人の親族が当該犯人の利益のために犯人蔵匿罪を犯したときは,当該親族に対する刑は減
422 軽しなければならない。
423 イ.犯人隠避罪の「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」には,犯人として既に逮捕・勾留され
424 ている者は含まれない。
425 ウ.証拠隠滅罪の「他人の刑事事件」は,犯人蔵匿罪と異なり,罰金以上の刑に当たる罪に限ら
426 れない。
427 エ.証人等威迫罪の「威迫」は,相手と面会して直接なされる場合に限られ,文書を送付して相
428 手にその内容を了知させる方法によりなされる場合を含まない。
429 オ.犯人が自己の刑事事件の裁判に必要な知識を有する証人を威迫した場合,証人等威迫罪が成
430 立する。
431 1.ア
432
433
434
435 2.ア
436
437
438
439 3.イ
440
441
442
443 4.イ
444
445 - 7 -
446
447
448
449 5.ウ
450
451
452
453 〔第13問〕(配点:3)
454 次の【事例】に関する後記1から5までの各【記述】を判例の立場に従って検討し,正しいもの
455 を2個選びなさい。(解答欄は,[18],[19]順不同)
456 【事
457
458 例】
459 甲は,覚せい剤の密売人である乙から,偽造した1万円札と引換えに覚せい剤をだまし取ろう
460
461 と考え,1万円札の偽造に使用する目的で,作業部屋を自己名義で賃借した上,印刷機及び印刷
462 用紙を購入して同部屋に運び込み,それらを使用して1万円札100枚を偽造した。(@)
463 その後,甲は,ホテルの部屋で乙と会い,乙に対し,100万円相当の覚せい剤(以下「本件
464 覚せい剤」という。)の代金として,偽造した1万円札100枚を渡した。乙は,甲から渡され
465 た1万円札が偽札であることに気付かずに,甲に対し,本件覚せい剤を渡し,甲は,これを持っ
466 て同部屋を出た。(A)
467 甲は,本件覚せい剤をホテルの駐車場に駐車中の自己の自動車内に置いたところ,甲が乙に渡
468 した1万円札が偽札であることに気付いて追い掛けてきた乙から,本件覚せい剤を返還するよう
469 に求められた。甲は,本件覚せい剤の返還を免れるため,殺意をもって乙の首を両手で絞めて乙
470 を殺害した。(B)
471 その数日後,甲は,本件覚せい剤を所持しているのを警察官に現認され,覚せい剤取締法違反
472 の現行犯人として逮捕され,A警察署に連行された。警察官丙は,A警察署の取調室において,
473 甲の弁解録取手続を行い,甲の供述内容を弁解録取書に記載した上,同弁解録取書を甲に手渡し
474 て内容の確認を求めたところ,甲は,署名押印する前に同弁解録取書を両手で破った。(C)
475 甲は,同取調室から逃げ出し,A警察署の敷地外に出た。(D)
476 【記
477
478 述】
479
480 1.@について,甲が作業部屋を自己名義で賃借した行為は,通貨偽造罪の予備行為に該当する
481 ことから,その段階で甲には通貨偽造等準備罪が成立する。
482
483 2.Aについて,甲には詐欺罪が成立し,偽造通貨行使罪は詐欺罪に吸収される。
484 3.Bについて,覚せい剤は,法定の除外事由なく所持することが禁じられた物であるが,甲は,
485 本件覚せい剤の返還を免れるために乙を殺害していることから,甲には強盗殺人罪が成立する。
486 4.Cについて,丙が作成した弁解録取書には,甲の署名押印がないが,甲の供述内容が記載さ
487 れていることから,甲には公用文書等毀棄罪が成立する。
488 5.Dについて,甲は,逮捕中に逃走し,A警察署の敷地外に出ていることから,甲には単純逃
489 走罪が成立する。
490
491 - 8 -
492
493 [刑事訴訟法]
494 〔第14問〕(配点:3)
495 次のアからオまでの各記述のうち,正しいものには1を,誤っているものには2を選びなさい。
496 ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,アからオの順に
497 [20]から[24])
498 ア.強制手段とは,有形力の行使を伴う手段を意味するものではなく,個人の意思を制圧し,身
499 体,住居,財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など,特別の根拠規定がな
500 ければ許容することが相当でない手段を意味するものであって,この程度に至らない有形力の
501 行使は,任意捜査においても許容される場合がある。[20]
502 イ.荷送人の依頼に基づき宅配便業者の運送過程下にある荷物について,捜査機関が,捜査目的
503 を達成するため,荷送人や荷受人の承諾を得ることなく,その荷物に外部からエックス線を照
504 射して内容物の射影を観察した行為は,任意処分として許される。[21]
505 ウ.捜索に至らない程度の行為は,強制にわたらない限り,所持品検査においても許容される場
506 合があると解すべきであるが,状況のいかんを問わず常に許容されるものと解すべきではなく,
507 かかる行為は,所持品検査の必要性,緊急性,これによって害される個人の法益と保護される
508 べき公共の利益との権衡などを考慮し,具体的状況の下で相当と認められる限度でのみ許容さ
509 れる。[22]
510 エ.警察官が,交通取締りの一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において,交通
511 違反の予防,検挙のための自動車検問を実施し,同所を通過する自動車に対して走行の外観上
512 の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて,運転者などに対し必要な事項につい
513 ての質問などをすることは,それが相手方の任意の協力を求める形で行われ,自動車の利用者
514 の自由を不当に制約することにならない方法,態様で行われる限り,適法である。[23]
515 オ.酒気帯び運転の疑いが生じたため,酒気を検知する旨告げたところ,運転者が急に反抗的態
516 度を示し,エンジンのかかっている自動車の運転席に乗り込んで発進させようとしたので,警
517 察官が運転席の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイッチを切った場合,この行為
518 が適法とされることはない。[24]
519 〔第15問〕(配点:2)
520 現行犯逮捕に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から
521 5までのうちどれか。(解答欄は,[25])
522 ア.30万円以下の罰金に当たる罪については,犯人の住居又は氏名が明らかでない場合に限り,
523 現行犯逮捕することができる。
524 イ.罪を行い終わってから間がないと認められないときでも,罪を犯したことを疑うに足りる充
525 分な理由があり,急速を要する場合には,現行犯逮捕することができる。
526 ウ.未遂犯の処罰規定のある犯罪の実行に着手した者については,その犯罪が既遂に達していな
527 くとも,現行犯逮捕することができる。
528 エ.私人でも,現行犯逮捕することができる。
529 オ.現行犯人の引致を受けた司法警察員は,直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任できること
530 を告げなければならない。
531 1.ア
532
533
534
535 2.ア
536
537
538
539 3.イ
540
541
542
543 4.ウ
544
545 - 9 -
546
547
548
549 5.エ
550
551
552
553 〔第16問〕(配点:3)
554 次の【事例】は,被疑者甲の身体拘束の経過である。甲の勾留期間の満了日は後記1から5まで
555 のうちどれか。(解答欄は,[26])
556 【事
557
558 例】
559 司法警察員Xは,平成28年10月1日,L地方裁判所裁判官から,被疑者を甲,罪名を傷害,
560
561 有効期間を「平成28年10月8日まで」などとする逮捕状の発付を受け,同月6日午後6時,
562 甲を逮捕した。その後,Xは,同日午後7時,甲をM警察署に引致し,司法警察員Yは,同月7
563 日午後4時に甲を書類及び証拠物とともにL地方検察庁検察官に送致する手続をした。同日午後
564 4時30分に送致を受けたL地方検察庁検察官は,同月8日午後3時,L地方裁判所裁判官に,
565 逮捕事実と同じ被疑事実で甲の勾留を請求し,L地方裁判所裁判官は,同月9日午後1時,被疑
566 者を甲,罪名を傷害,有効期間を「平成28年10月16日まで」などとする勾留状を発付した。
567 これを受けて,司法警察員Zは,同月9日午後1時20分,同勾留状を執行し,同日午後2時,
568 甲をM警察署に勾留した。その後,甲の勾留期間は延長されなかった。
569 1.平成28年10月15日
570 2.平成28年10月16日
571 3.平成28年10月17日
572 4.平成28年10月18日
573 5.平成28年10月19日
574 〔第17問〕(配点:2)
575 身体検査に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5まで
576 のうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[
577 27])
578 ア.捜査機関から鑑定の嘱託を受けた者は,鑑定処分許可状に基づき,身体検査を拒否する者に
579 対して,直接強制として身体検査を行うことができる。
580 イ.捜査機関が身体の拘束を受けている被疑者の顔写真を撮影するには,身体検査令状による必
581 要はない。
582 ウ.捜査機関が女子の身体を検査する場合,身体検査令状に医師又は成年の女子を立ち会わせる
583 旨の条件が付されていない限り,これらの者を立ち会わせる必要はない。
584 エ.捜査機関が人の着用している下着の中を捜索して物を差し押さえるためには,捜索差押許可
585 状によれば足り,併せて身体検査令状の発付を受ける必要はない。
586 オ.捜査機関が人の身体から直接強制として尿を採取するには身体検査令状による必要がある。
587 1.ア
588
589
590
591 2.ア
592
593
594
595 3.イ
596
597
598
599 4.イ
600
601
602
603 5.ウ
604
605
606
607 〔第18問〕(配点:3)
608 検察官が一罪の一部だけを起訴することができるかに関する次のアからオまでの各記述のうち,
609 肯定説の立場からの論拠となり得るものには1を,肯定説の立場からの論拠となり得ないものには
610 2を選びなさい。(解答欄は,アからオの順に[28]から[32])
611 ア.実体的真実の発見という刑事訴訟法の趣旨に反する。[28]
612 イ.検察官には,起訴,不起訴の裁量権が認められている。[29]
613 ウ.裁判所の訴因変更命令には形成力はないとされている。[30]
614 エ.刑事訴訟法は当事者主義に立ち,訴因制度を採用している。[31]
615 オ.被告人に利益になる場合も多い。[32]
616
617 - 10 -
618
619 〔第19問〕(配点:2)
620 次のアからオまでの罪名のうち,一定の期間を経過することによって公訴時効が完成するものの
621 個数は,後記1から6までのうちどれか。(解答欄は,[33])
622 ア.殺人
623 イ.殺人未遂
624 ウ.強盗致死
625 エ.保護責任者遺棄致死
626 オ.傷害致死
627 1.0個
628
629 2.1個
630
631 3.2個
632
633 4.3個
634
635 5.4個
636
637 6.5個
638
639 〔第20問〕(配点:2)
640 第1回公判期日後の保釈,勾留の取消し,勾留執行停止に関する次のアからオまでの各記述のう
641 ち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。ただし,判例がある場合には,
642 それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[34])
643 ア.裁判所は,保釈を許すときには,検察官の意見を聴かなければならないが,保釈の請求を却
644 下するときには,検察官の意見を聴かなくてもよい。
645 イ.裁判所は,検察官の請求がなくとも,職権で保釈を取り消すことができる。
646 ウ.勾留されている被告人の配偶者は,被告人と独立して,裁判所に対し,被告人の保釈の請求
647 をすることができる。
648 エ.勾留の必要がなくなったとき,検察官は,裁判所に対し,被告人の勾留の取消しを請求する
649 ことができる。
650 オ.被告人から勾留執行停止の申立てがあった場合,裁判所は,勾留の執行を停止するか否かの
651 裁判をしなければならない。
652 1.ア
653
654
655
656 2.ア
657
658
659
660 3.イ
661
662
663
664 4.ウ
665
666 - 11 -
667
668
669
670 5.エ
671
672
673
674 〔第21問〕(配点:2)
675 訴因変更に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5まで
676 のうちどれか。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[
677 35])
678 ア.「乙が公務員Aに賄賂を供与した際,これを幇助した。」という贈賄幇助の訴因で起訴された
679 甲について,「乙と共謀の上,公務員Aに賄賂を供与した。」という贈賄の共同正犯の事実を認
680 定するには,訴因変更の手続を要しない。
681 イ.「Aを脅迫して現金を強取した。」という強盗の訴因で起訴された甲について,脅迫が相手方
682 の反抗を抑圧するほど強度ではなかったことを理由に「Aを脅迫して現金を交付させた。」と
683 いう恐喝の事実を認定するには,訴因変更の手続を経なければならない。
684 ウ.「甲は,公務員乙と共謀の上,乙の職務上の行為に対する謝礼の趣旨で,丙から賄賂を収受
685 した。」という収賄の訴因を,「甲は,丙と共謀の上,公務員乙の職務上の行為に対する謝礼の
686 趣旨で,乙に対して賄賂を供与した。」という贈賄の訴因に変更することは,収受したとされ
687 る賄賂と供与したとされる賄賂とが同一であったとしても,公訴事実の同一性を欠き,許され
688 ない。
689 エ.「甲が銅板を窃取するに際し,犯行供用物件を貸与して窃盗の幇助をした。」という窃盗幇助
690 の訴因を,これと併合罪関係にある「甲が窃取した銅板を,盗品と知りながら買い受けた。」
691 という盗品等有償譲受けの訴因に変更することは,公訴事実の同一性を欠き,許されない。
692 オ.「Aに対し,殺意をもって猟銃を発射して殺害した。」という殺人の訴因で起訴された甲につ
693 いて,証拠上,殺人の訴因については無罪とするほかなくとも,これを重過失致死という相当
694 重大な罪の訴因に変更すれば有罪であることが明らかな場合,裁判所は,例外的に,訴因変更
695 を促し又はこれを命ずる義務がある。
696 1.ア
697
698
699
700 2.ア
701
702
703
704 3.イ
705
706
707
708 4.イ
709
710 - 12 -
711
712
713
714 5.エ
715
716
717
718 〔第22問〕(配点:2)
719 次の【事例】における証人尋問について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,正しいもの
720 の組合せは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[36])
721 【事
722
723 例】
724 検察官は,甲に対する傷害被疑事件の捜査において,目撃者Wを取り調べて供述録取書(以下
725
726 「検察官調書」という。)を作成した上,甲を傷害罪で地方裁判所に起訴した。検察官は,公判
727 において,検察官調書の取調べを請求したが,弁護人は,これを証拠とすることに同意しなかっ
728 た。そこで,検察官は,Wの証人尋問を請求した。裁判所は,Wが病気で入院していたため,検
729 察官及び弁護人の意見を聴いて,Wの入院先の病院においてWの証人尋問を実施することを決定
730 した。その後,同病院において,Wの証人尋問が実施されたところ,Wは,検察官調書の内容と
731 相反する供述をした。
732 【記
733
734 述】
735
736 ア.弁護人は,裁判所がWの証人尋問の実施場所を病院と定めたことについて,相当でないこと
737 を理由として適法に異議を申し立てることはできない。
738 イ.甲及び弁護人は,いずれも裁判所の許可を得なければ,Wの証人尋問に立ち会うことができ
739 ない。
740 ウ.裁判所は,病院でWの証人尋問を実施するに当たっては,その証人尋問を公開しなければな
741 らない。
742 エ.裁判所は,Wの証人尋問の実施後,その結果を記載した調書を公判廷で取り調べなければ,
743 証人尋問におけるWの供述内容を事実認定に用いることができない。
744 オ.Wの証人尋問が公判期日において行われない限り,検察官調書の証拠能力を認める余地はな
745 い。
746 1.ア
747
748
749
750 2.ア
751
752
753
754 3.イ
755
756
757
758 4.イ
759
760 - 13 -
761
762
763
764 5.エ
765
766
767
768 〔第23問〕(配点:2)
769 次の【事例】は,甲が自動車を運転中,これを自転車に乗っていたVに衝突させて同人を死亡さ
770 せ,そのまま逃走を図った過失運転致死及び道路交通法違反(不救護・不申告)被告事件に関する
771 公判での検察官の立証活動を記述したものである。各証人に対して書面,図面等を示してした尋問
772 に関する各下線部分の趣旨について,後記【記述】の(a)から(c)までのいずれかに結び付け
773 た場合,(a)に結び付くものの個数は,後記1から6までのうちどれか。(解答欄は,[37])
774 【事
775
776 例】
777 検察官Xは,事故現場の道路状況,スリップ痕の位置,Vの自転車が転倒していた場所,自動
778
779 車の破片が散乱していた位置等が記載された実況見分調書を作成した警察官Aに対する証人尋問
780 において,Aが「事故現場の道路状況等を正確に観察し,その結果を実況見分調書に正確に記載
781 した。」旨証言したので,(ア)同実況見分調書をAに示して尋問したところ,Aは,「この実況
782 見分調書は,今話をした実況見分調書で間違いありません。」旨証言した。
783 次に,Xは,事故状況を目撃し実況見分に立ち会ったBに対する証人尋問において,Bが「交
784 差点の中央付近で衝突した。」旨証言したことから,(イ)現場付近の地図の写しを示し,事故の
785 際にBが立っていた位置及び衝突位置を同地図の写しに記入するよう求めたところ,Bは,同地
786 図の写しに,立っていた位置及び衝突位置を記入した。続いて,Bは,「事故後の被告人運転車
787 両の動きは覚えていない。」旨証言したが,捜査段階においては,Xに対し,「被告人は,事故後,
788 コンビニ前の路上で一旦自動車を止め,被害者の様子を見たものの救護措置を講ずることなく逃
789 走した。」旨供述していたことから,Xは,「被告人は,その後,コンビニ前の路上で,一旦自動
790 車を止めていなかったか。」などの誘導尋問を行った。それにもかかわらず,Bが「覚えていな
791 い。」旨証言したことから,Xは,(ウ)コンビニエンスストアが写った事故現場付近の写真を示
792 して尋問したところ,Bは,「思い出しました。事故現場から約30メートル西方のコンビニ前
793 の路上で,被告人は,一旦自動車を止め,被害者の様子を見たものの救護措置を講ずることなく
794 逃走しました。」旨証言した。
795 また,Xは,甲の自動車の一部破損したヘッドライトと路上に散乱していたガラス片の各破断
796 部分が整合することを立証するため,同ガラス片を押収した警察官Cに対する証人尋問において,
797 (エ)同ガラス片をCに示し,これをCが自ら押収したかどうかを尋問したところ,Cは,「こ
798 のガラス片は間違いなく自らが押収した物である。」旨証言した。
799 さらに,Xは,甲の自動車がVの自転車のどの位置に衝突したのかを鑑定したDに対する証人
800 尋問において,Dに対し,衝突箇所を尋問し,Dは,「自転車の前輪右側部と自動車の左前部が
801 衝突した。」旨証言した。Xは,Dが衝突状況をシミュレーションした図面を鑑定書に添付して
802 いたことから,(オ)同図面を法廷内のスクリーンに映写した上,事故状況の詳細について尋問
803 したところ,Dは,同図面を利用して事故状況を証言した。
804 【記
805
806 述】
807
808 (a)
809
810 書面又は物に関しその成立,同一性その他これに準ずる事項について証人を尋問する場
811 合において必要があるとき
812
813 (b)
814
815 証人の記憶を喚起するため必要があるとき
816
817 (c)
818
819 証人の供述を明確にするため必要があるとき
820
821 1.0個
822
823 2.1個
824
825 3.2個
826
827 4.3個
828
829 5.4個
830
831 - 14 -
832
833 6.5個
834
835 〔第24問〕(配点:3)
836 次の【事例】は,被告人甲に対する傷害被告事件の公判手続である。同手続に関する後記アから
837 オまでの【記述】のうち,正しいものには1を,誤っているものには2を選びなさい。ただし,判
838 例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,アからオの順に[38]から
839 [42])
840 【事
841
842 例】
843 甲は,冒頭手続において,甲がVの頭部を鉄パイプで殴打し,加療約1か月間の傷害を負わせ
844
845 た旨の公訴事実につき,これを認める旨の陳述をし,弁護人も被告人と同旨であるとの意見を述
846 べた。
847 検察官は,公訴事実を立証するため,証拠書類のほか,Vの血液が付着した鉄パイプの証拠調
848 べ請求を行い,弁護人は,証拠書類全てを証拠とすることに同意し,鉄パイプの証拠調べについ
849 ては異議がない旨の意見を述べた。
850 検察官請求証拠の証拠調べ終了後,弁護人は,甲とVとの間の示談書及び甲がV宛てに郵送し
851 た反省文の写しの証拠調べ請求を行い,検察官は,これら全てを証拠とすることに同意した。
852 【記
853
854 述】
855
856 ア.検察官が,立証趣旨が同一で,内容が重複するVの供述調書2通を請求した場合,裁判所は,
857 弁護人が証拠とすることに同意している以上,いずれの供述調書も証拠として採用する決定を
858 しなければならない。[38]
859 イ.証拠として採用する決定があった証拠書類の取調べについては,必ず朗読の方法で行わなけ
860 ればならない。[39]
861 ウ.検察官は,鉄パイプの証拠調べにおいて,鉄パイプを被告人に展示する際,事件との関連性
862 を被告人に質問しなければならない。[40]
863 エ.示談書の原本が取り調べられた後,弁護人は,裁判所の許可を得て,示談書の写しを提出す
864 ることができる。[41]
865 オ.裁判所は,反省文の原本を取り調べることができない以上,その写しを証拠として採用する
866 決定をすることはできない。[42]
867 〔第25問〕(配点:2)
868 次の【見解】を前提とした場合,後記アからオまでの【記述】のうち,厳格な証明を要する事実
869 として正しいものの個数は,後記1から6までのうちどれか。(解答欄は,[43])
870 【見
871
872 解】
873 刑罰権の存否及び範囲を定める事実については,証拠能力があり,かつ,適式の証拠調べを経
874
875 た証拠による証明(厳格な証明)を要する。
876 【記
877
878 述】
879
880 ア.共謀共同正犯における共謀の事実
881 イ.累犯加重となる前科
882 ウ.暴行事件において,被告人が争っていない暴行事実
883 エ.勾留の要件の1つである被告人が定まった住居を有しない事実
884 オ.事後強盗事件において,被告人に逮捕を免れる目的があった事実
885 1.0個
886
887 2.1個
888
889 3.2個
890
891 4.3個
892
893 5.4個
894
895 - 15 -
896
897 6.5個
898
899 〔第26問〕(配点:2)
900 被告人甲以外の者の供述を録取した次のアからオまでの各調書のうち,刑事訴訟法第321条第
901 1項第1号の裁判官の面前における供述を録取した書面は幾つあるか。後記1から6までのうちか
902 ら選びなさい。ただし,判例がある場合には,それに照らして考えるものとする。(解答欄は,[
903 44])
904 ア.第1回公判期日前の証人尋問調書
905 イ.民事事件における証人尋問調書
906 ウ.乙の刑事事件における証人尋問調書
907 エ.乙の刑事事件における被告人質問調書
908 オ.少年丙の保護事件における証人尋問調書
909 1.0個
910
911 2.1個
912
913 3.2個
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915 4.3個
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917 5.4個
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