1 短答式試験問題集
2 [憲法・行政法]
3
4 - 1 -
5
6 [憲法]
7 〔第1問〕(配点:3)
8 次の対話は,
9 公務員の人権に関する教授と学生の対話である。
10
11 教授の各質問に対する次のアから
12 ウまでの学生の各回答について,
13 それぞれ正しい場合には1を,
14 誤っている場合には2を選びなさ
15 い。
16
17 (解答欄は,
18 アからウの順に[bP]から[bR])
19 教授.公務員の地位のように権利主体と公権力との間に特殊な法律関係がある場合には,
20 憲法の
21 人権保障が原則として及ばないなどとする理論がありますね。
22
23 このような理論によって公務
24 員の人権に対する制約を正当化した最高裁判所の判決がありますか。
25
26
27 ア.
28
29 はい。
30
31 猿払事件判決(最高裁判所昭和49年11月6日大法廷判決,
32 刑集28巻9号39
33 3頁)が,
34 先生のおっしゃる趣旨の判示をして,
35 公務員の政治的意見表明の自由に対する制
36 約を正当化しています。
37
38 [bP]
39
40 教授.あなたの言うその判決は,
41 国家公務員法第102条第1項が一定の行動類型に属する政治
42 的行為を禁止していることに伴い生じ得る意見表明の自由の制約については,
43 どのような判
44 示をしていますか。
45
46
47 イ.
48
49 公務員の政治的中立性を損なうおそれのある行動類型に属する政治的行為を禁止すること
50 に伴い意見表明の自由が制約されることになっても,
51 そのような制約は行動の禁止に伴う限
52 度での間接的・付随的制約にとどまると判示しています。
53
54 [bQ]
55
56 教授.堀越事件判決(最高裁判所平成24年12月7日第二小法廷判決,
57 刑集66巻12号13
58 37頁)は,
59 公務員のしたある行為が国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」
60 に該当するか否かの判断についてどのような枠組みを示していますか。
61
62
63 ウ.
64
65 同項にいう「政治的行為」の意義を,
66 公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれ
67 が実質的に認められるものと解した上,
68 その判断においては,
69 当該公務員の地位,
70 その職務
71 の内容や権限等,
72 当該公務員がした行為の性質,
73 態様,
74 目的,
75 内容等の諸般の事情を総合し
76 て判断するのが相当であると判示しています。
77
78 [bR]
79
80 〔第2問〕(配点:2)
81 法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について,
82 最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
83
84 正しいものには○,
85 誤っているものには×を付した場合の組合せを,
86 後記1から8までの中から選
87 びなさい。
88
89 (解答欄は,
90 [bS])
91 ア.子にとって自ら選択できないような事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず,
92 子を個人
93 として尊重し,
94 その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきたという事情は,
95 嫡出
96 子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠が失われたと判断すべき根拠となる。
97
98
99 イ.憲法第14条第1項は国民に対し法の下の平等を保障した規定であり,
100 平等の要請は,
101 事柄
102 の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでない限り,
103 差別的な取扱いをすることを禁止す
104 る趣旨と解され,
105 特に同項後段の事項は,
106 合憲性の推定が排除される事項を限定列挙したもの
107 である。
108
109
110 ウ.地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定することができるとしている条例制定権の規定
111 (憲法第94条)に照らすと,
112 地方公共団体が売春の取締りについて各別に条例を制定する結
113 果,
114 その取扱いに差別を生ずることがあっても,
115 地域差の故をもって憲法第14条第1項に反
116 するとはいえない。
117
118
119 1.ア○
120
121 イ○
122
123 ウ○
124
125 2.ア○
126
127 イ○
128
129 ウ×
130
131 3.ア○
132
133 イ×
134
135 ウ○
136
137 4.ア○
138
139 イ×
140
141 ウ×
142
143 5.ア×
144
145 イ○
146
147 ウ○
148
149 6.ア×
150
151 イ○
152
153 ウ×
154
155 7.ア×
156
157 イ×
158
159 ウ○
160
161 8.ア×
162
163 イ×
164
165 ウ×
166
167 - 2 -
168
169 〔第3問〕(配点:3)
170 次の見解は,
171 インターネット上の名誉毀損罪の成否と表現の自由について論じたものである。
172
173 こ
174 の見解に関する次のアからエまでの各記述について,
175 それぞれ正しい場合には1を,
176 誤っている場
177 合には2を選びなさい。
178
179 (解答欄は,
180 アからエの順に[bT]から[bW])
181 「インターネットの利用者は,
182 自己の見解を外部に向かって発信することができるから,
183 インタ
184 ーネットを利用している被害者は,
185 自己に向けられた加害者のインターネット上の表現行為に対し,
186
187 言論による反論が可能である。
188
189 したがって,
190 インターネットの利用者が名誉毀損の表現行為をした
191 場合には,
192 新聞などのマス・メディアを通じた表現の場合よりも,
193 名誉毀損罪の成立する範囲を限
194 定すべきである。
195
196 」
197 ア.この見解に対しては,
198 インターネット上の全ての情報を知ることは不可能であり,
199 自己の名
200 誉を毀損する表現が存在することを知らない被害者に対して反論を要求すること自体,
201 そもそ
202 も不可能である,
203 という批判があり得る。
204
205 [bT]
206 イ.言論の応酬により当不当を判断することができるのは意見や論評であって,
207 事実の摘示によ
208 る名誉毀損の場合には,
209 被害者と加害者が言論の応酬をしても,
210 インターネット利用者は真偽
211 を判断することができないという指摘は,
212 この見解の根拠となり得る。
213
214 [bU]
215 ウ.この見解に対しては,
216 インターネット上に載せた情報は,
217 不特定多数の利用者が瞬時に閲覧
218 可能となり,
219 全世界に伝播される可能性もあることから,
220 被害者のインターネット上の反論に
221 よって名誉の回復が図られる保証もない,
222 という批判があり得る。
223
224 [bV]
225 エ.言論による侵害に対しては,
226 言論で対抗するのが表現の自由の基本原則であり,
227 被害者が加
228 害者に対し十分な反論ができ,
229 功を奏するのであれば,
230 被害者の社会的評価が害されるおそれ
231 はないという指摘は,
232 この見解の根拠となり得る。
233
234 [bW]
235 〔第4問〕(配点:3)
236 取材フィルム又はビデオテープの押収が問題となった「博多駅事件決定」(最高裁判所昭和44
237 年11月26日大法廷決定,
238 刑集23巻11号1490頁),
239 「日本テレビ事件決定」(最高裁判所
240 平成元年1月30日第二小法廷決定,
241 刑集43巻1号19頁)及び「TBS事件決定」(最高裁判所
242 平成2年7月9日第二小法廷決定,
243 刑集44巻5号421頁)に関する次のアからウまでの各記述
244 について,
245 それぞれ正しい場合には1を,
246 誤っている場合には2を選びなさい。
247
248 (解答欄は,
249 アか
250 らウの順に[bX]から[11])
251 ア.「博多駅事件決定」は,
252 裁判所の提出命令について適法としたが,
253 「日本テレビ事件決定」と
254 「TBS事件決定」は,
255 公正な刑事裁判を実現するためには,
256 適正迅速な捜査が不可欠である
257 として,
258 検察事務官や司法警察職員がした差押えについても,
259 適法と認められる場合があると
260 した。
261
262 [bX]
263 イ.「日本テレビ事件決定」と「TBS事件決定」では,
264 対象のビデオテープは,
265 事件の全容を
266 解明し犯罪の成否を判断する上でほとんど不可欠と認められるものであったのに対し,
267 「博多
268 駅事件決定」では,
269 犯罪の成立は他の証拠上認められるが,
270 事件の重要な部分の真相を明らか
271 にする必要があるとして,
272 取材フィルムの提出命令を適法とした。
273
274 [10]
275 ウ.3事件いずれの決定においても,
276 それぞれその対象となった取材フィルム又はビデオテープ
277 は,
278 既にそれらが編集された上放映されており,
279 提出命令又は差押えによって放映が不可能と
280 なって報道の機会が奪われたというものではなかった。
281
282 [11]
283
284 - 3 -
285
286 〔第5問〕(配点:2)
287 学問の自由及び教育の自由に関する次のアからウまでの各記述について,
288 最高裁判所の判例の趣
289 旨に照らして,
290 正しいものには○,
291 誤っているものには×を付した場合の組合せを,
292 後記1から8
293 までの中から選びなさい。
294
295 (解答欄は,
296 [12])
297 ア.大学における学生の集会が,
298 大学の公認した団体が大学の許可を得て開催したものであれば,
299
300 真に学問的な研究又はその結果の発表のためのものでなく,
301 実社会の政治的社会的活動に当た
302 る場合であっても,
303 同集会への警察官の立入りは,
304 大学の有する学問の自由と自治を侵害する
305 こととなる。
306
307
308 イ.学問の自由は,
309 学問研究の自由とその研究結果の発表の自由だけでなく,
310 その研究結果を教
311 授する自由をも含むところ,
312 教育の本質上,
313 教師は,
314 高等学校以下の普通教育においても,
315 教
316 授の自由を有し,
317 自らの判断で教育内容を決定することができるのであって,
318 国が教育内容の
319 決定に介入することは許されない。
320
321
322 ウ.親は,
323 子の将来に関して最も深い関心を持ち,
324 かつ,
325 配慮をすべき立場にある者として,
326 子
327 に対する教育の自由を有しており,
328 このような親の教育の自由は,
329 主として家庭教育等学校外
330 における教育や学校選択の自由にあらわれるところ,
331 親の学校選択の自由は,
332 特定の学校の選
333 択を強要又は妨害された場合,
334 その侵害が問題となり得る。
335
336
337 1.ア○
338
339 イ○
340
341 ウ○
342
343 2.ア○
344
345 イ○
346
347 ウ×
348
349 3.ア○
350
351 イ×
352
353 ウ○
354
355 4.ア○
356
357 イ×
358
359 ウ×
360
361 5.ア×
362
363 イ○
364
365 ウ○
366
367 6.ア×
368
369 イ○
370
371 ウ×
372
373 7.ア×
374
375 イ×
376
377 ウ○
378
379 8.ア×
380
381 イ×
382
383 ウ×
384
385 〔第6問〕(配点:2)
386 居住・移転の自由に関する次のアからエまでの各記述について,
387 明らかに誤っているものの組合
388 せを,
389 後記1から6までの中から選びなさい。
390
391 (解答欄は,
392 [13])
393 ア.自衛官につき,
394 防衛大臣が指定する場所に居住しなければならないとする法律の規定は,
395 当
396 該国民が自ら自衛官に志願した結果として課される制約であるところ,
397 我が国の防衛のためい
398 つでも職務に従事できる態勢にあることが求められるという自衛官の職務の性質に照らし,
399 こ
400 のような居住地の制限は合理的な制限であって合憲と解される。
401
402
403 イ.外務大臣において,
404 著しくかつ直接に日本国の利益又は公安を害するおそれがあると認める
405 に足りる相当な理由がある者につき一般旅券を発給しないことができるとする法律の規定は,
406
407 単に旅券の発給を制限するに過ぎず,
408 海外渡航の自由を制約するものではないため合憲と解さ
409 れる。
410
411
412 ウ.住民が住所を変更したときには市町村長に届け出なければならない旨を義務付ける法律の規
413 定は,
414 住所・居所の決定や移転それ自体を制限するものではなく,
415 規制態様が軽微である反面,
416
417 住民票の整備により得られる公益が大きいことから合憲と解される。
418
419
420 エ.破産手続中の破産者につき,
421 裁判所の許可なく居住地を離れることを禁止する法律の規定は,
422
423 破産手続という限られた期間内にのみ適用されるものに過ぎず,
424 仮に裁判所の許可が得られな
425 くても破産手続が終結すれば自由に居住地を離れることができるため,
426 居住・移転の自由に対
427 する制約が認められず合憲と解される。
428
429
430 1.ア
431
432 イ
433
434 2.ア
435
436 ウ
437
438 3.ア
439
440 エ
441
442 4.イ
443
444 - 4 -
445
446 ウ
447
448 5.イ
449
450 エ
451
452 6.ウ
453
454 エ
455
456 〔第7問〕(配点:3)
457 人身の自由に関する次のアからウまでの各記述について,
458 最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
459
460 それぞれ正しい場合には1を,
461 誤っている場合には2を選びなさい。
462
463 (解答欄は,
464 アからウの順に
465 [14]から[16])
466 ア.憲法第31条は「何人も,
467 法律の定める手続によらなければ,
468 その生命若しくは自由を奪は
469 れ,
470 又はその他の刑罰を科せられない。
471
472 」と定めるところ,
473 同条の定める法定手続の保障が及
474 ぶと解すべき行政手続であっても,
475 常に必ず,
476 行政処分の相手方に事前の告知,
477 弁解,
478 防御の
479 機会を与えることを必要とするものではないと解される。
480
481 [14]
482 イ.憲法第35条第1項は,
483 本来,
484 主として刑事責任追及の手続における強制について,
485 それが
486 司法権による事前の抑制の下におかれるべきことを保障した趣旨であるが,
487 刑事責任追及を目
488 的とする手続においてばかりでなく,
489 それ以外の手続においても,
490 同項による保障が等しく及
491 ぶと解される。
492
493 [15]
494 ウ.憲法第38条第1項は,
495 「何人も,
496 自己に不利益な供述を強要されない。
497
498 」と規定するところ,
499
500 自己が刑事上の責任を問われるおそれのある事項について供述を強要されないことを保障する
501 とともに,
502 その実効性を担保するため,
503 供述拒否権の告知を義務付けていると解される。
504
505
506 [16]
507 〔第8問〕(配点:3)
508 選挙に関する次のアからウまでの各記述について,
509 それぞれ正しい場合には1を,
510 誤っている場
511 合には2を選びなさい。
512
513 (解答欄は,
514 アからウの順に[17]から[19])
515 ア.判例は,
516 参議院議員選挙における定数不均衡の問題について,
517 参議院の半数改選制の要請を
518 踏まえれば投票価値の平等が一定の限度で譲歩を求められても憲法に違反するとはいえないと
519 して,
520 衆議院の場合よりも広い立法裁量を認めてきており,
521 これまで違憲状態を認定したこと
522 はない。
523
524 [17]
525 イ.判例は,
526 衆議院議員選挙におけるいわゆる1人別枠方式について,
527 小選挙区比例代表並立制
528 の導入に当たり,
529 直ちに人口比例のみに基づいて定数配分を行った場合の影響に配慮するため
530 の方策であり,
531 新選挙制度が定着し運用が安定すればその合理性は失われるとしている。
532
533
534 [18]
535 ウ.判例は,
536 公職選挙法による選挙運動用の文書図画の頒布・掲示の規制について,
537 表現の自由
538 に対する最小限の制約とはいえないが,
539 憲法第47条の趣旨に照らせば,
540 国会の定めた選挙運
541 動のルールは合理的と考えられないような特段の事情のない限り尊重されなければならず,
542 当
543 該規制は立法裁量の範囲を逸脱しているとまではいえないので合憲であるとしている。
544
545 [19]
546
547 - 5 -
548
549 〔第9問〕(配点:2)
550 政党に対する寄付に関する次のアからウまでの各記述について,
551 最高裁判所の判例の趣旨に照ら
552 して,
553 正しいものには○,
554 誤っているものには×を付した場合の組合せを,
555 後記1から8までの中
556 から選びなさい。
557
558 (解答欄は,
559 [20])
560 ア.労働組合は,
561 組合員の経済的地位の向上を本来の目的とする団体であり,
562 その目的のために,
563
564 組織として支持政党又はいわゆる統一候補を決定し,
565 その選挙運動を推進すること自体は自由
566 であるが,
567 その政党に寄付する資金の費用負担を組合員に強制することは許されない。
568
569
570 イ. 会社は,
571 法令の規定に従い定款で定められた目的の範囲内において権利を有し,
572 義務を負う
573 ところ,
574 会社が特定の政党に政治資金を寄付することも,
575 客観的,
576 抽象的に観察して,
577 会社の
578 社会的役割を果たすためにされたものと認められる限りにおいては,
579 定款所定の目的の範囲内
580 の行為とみることができる。
581
582
583 ウ. 税理士会は,
584 税理士の使命及び職責に鑑み,
585 税理士法に基づき設立された強制加入団体であ
586 り,
587 その会員には,
588 実質的には脱退の自由が保障されていないが,
589 税理士に係る法令の制定改
590 廃に関する要求を実現するために税理士会として政党に金員を寄付することは,
591 税理士会の目
592 的の範囲内の行為であり,
593 そのために会員から特別会費を徴収する決議も有効である。
594
595
596 1.ア○
597
598 イ○
599
600 ウ○
601
602 2.ア○
603
604 イ○
605
606 ウ×
607
608 3.ア○
609
610 イ×
611
612 ウ○
613
614 4.ア○
615
616 イ×
617
618 ウ×
619
620 5.ア×
621
622 イ○
623
624 ウ○
625
626 6.ア×
627
628 イ○
629
630 ウ×
631
632 7.ア×
633
634 イ×
635
636 ウ○
637
638 8.ア×
639
640 イ×
641
642 ウ×
643
644 〔第10問〕(配点:3)
645 衆議院の優越に関する次のアからウまでの各記述について,
646 それぞれ正しい場合には1を,
647 誤っ
648 ている場合には2を選びなさい。
649
650 (解答欄は,
651 アからウの順に[21]から[23])
652 ア.条約の承認に関する衆議院の優越の程度は,
653 法律案の議決,
654 予算の議決のいずれの場合と比
655 べても小さい。
656
657 [21]
658 イ.参議院と比べて衆議院の方が議員の任期が短いこと,
659 衆議院に解散の制度があることは,
660 衆
661 議院の優越の根拠とはならない。
662
663 [22]
664 ウ.憲法改正の発議及び予備費支出の承諾については,
665 議決において衆議院の優越はなく,
666 両議
667 院の議決は対等である。
668
669 [23]
670
671 - 6 -
672
673 〔第11問〕(配点:2)
674 次の文章は,
675 憲法上の地方公共団体の意義について述べた最高裁判所の判決(最高裁判所昭和3
676 8年3月27日大法廷判決,
677 刑集17巻2号121頁)の判示を要約したものである。
678
679 この判決に
680 関する次のアからエまでの各記述について,
681 明らかに誤っているものの組合せを,
682 後記1から6ま
683 での中から選びなさい。
684
685 (解答欄は,
686 [24])
687 「憲法が特に一章を設けて地方自治を保障するにいたったのは,
688 新憲法の基調とする政治民主化
689 の一環として,
690 住民の日常生活に密接な関連をもつ公共的事務は,
691 その地方の住民の手でその住民
692 の団体が主体となって処理する政治形態を保障しようとする趣旨からである。
693
694 この趣旨に徴すると
695 きは,
696 憲法第93条第2項にいう地方公共団体といい得るためには,
697 単に法律で地方公共団体とし
698 て取り扱われているということだけでは足らず,
699 事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営
700 み,
701 共同体意識をもっているという社会的基盤が存在し,
702 沿革的にみても,
703 また現実の行政の上に
704 おいても,
705 相当程度の自主立法権,
706 自主行政権,
707 自主財政権等地方自治の基本的権能を附与された
708 地域団体であることを必要とするものというべきである。
709
710 」
711 ア.この判決は,
712 憲法によって保障された地方自治がどのような性質を有するかという問題につ
713 いて,
714 個人が国家に対して固有かつ不可侵の権利を持つのと同様に,
715 地方公共団体もまた固有
716 の前国家的な基本権を有するという立場に立つものである。
717
718
719 イ.この判決は,
720 「事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み,
721 共同体意識をもってい
722 るという社会的基盤」の存在を地方公共団体の要件として挙げるが,
723 「共同体意識」というのは
724 測定不能で漠然とした概念ではないかとの批判がある。
725
726
727 ウ.この判決のように,
728 沿革上及び行政上の実態を基準に,
729 憲法上の地方公共団体に当たるか否
730 かを判断することは,
731 憲法の下位規範である地方自治法によって憲法の解釈を行うこととなる
732 との指摘がある。
733
734
735 エ.この判決には,
736 憲法第92条にいう「地方自治の本旨」が,
737 第93条で具体化されている住民
738 自治と第94条で具体化されている団体自治によって構成されていると解する余地がなくなる
739 という問題点がある。
740
741
742 1.ア
743
744 イ
745
746 2.ア
747
748 ウ
749
750 3.ア
751
752 エ
753
754 4.イ
755
756 ウ
757
758 5.イ
759
760 エ
761
762 6.ウ
763
764 エ
765
766 〔第12問〕(配点:2)
767 条約に関する次のアからウまでの各記述について,
768 正しいものには○,
769 誤っているものには×を
770 付した場合の組合せを,
771 後記1から8までの中から選びなさい。
772
773 (解答欄は,
774 [25])
775 ア.砂川事件判決(最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決,
776 刑集13巻13号3225
777 頁)は,
778 主権国家としての我が国の存立の基礎に極めて重大な関係を持つ高度の政治性を有す
779 る条約について,
780 憲法に対する優位性を認め,
781 裁判所の違憲審査権の範囲外にあると判断した。
782
783
784 イ.憲法と条約の効力関係に関する憲法優位説によれば,
785 条約を違憲審査の対象とし得るが,
786 適
787 式な手続を経て締結されたある条約が違憲と判断された場合でも,
788 当該条約の国際法上の効力
789 は失われないため,
790 我が国は依然として当該条約を履行する義務を負うこととなる。
791
792
793 ウ.憲法第98条第2項が遵守を求める「確立された国際法規」の意義を「国際社会において一
794 般に承認されている成文・不文の国際法規」と解する説に立っても,
795 我が国が締結していない
796 条約に規定されている事項については,
797 同条項が定める遵守義務の対象にはならない。
798
799
800 1.ア○
801
802 イ○
803
804 ウ○
805
806 2.ア○
807
808 イ○
809
810 ウ×
811
812 3.ア○
813
814 イ×
815
816 ウ○
817
818 4.ア○
819
820 イ×
821
822 ウ×
823
824 5.ア×
825
826 イ○
827
828 ウ○
829
830 6.ア×
831
832 イ○
833
834 ウ×
835
836 7.ア×
837
838 イ×
839
840 ウ○
841
842 8.ア×
843
844 イ×
845
846 ウ×
847
848 - 7 -
849
850 [行政法]
851 〔第13問〕(配点:2)
852 以下のAからCは,
853 行政上の法律関係における信義則の法理の適用に関する文章である。
854
855 次のア
856 からウまでの【
857
858 】内の各記述について,
859 最高裁判所の判例に照らし,
860 正しいものに○,
861 誤ってい
862
863 るものに×を付した場合の組合せを,
864 後記1から8までの中から選びなさい。
865
866 (解答欄は,
867 [26])
868 A:納税者が,
869 所得税について,
870 青色申告の承認を受けることなく,
871 青色申告書による確定申告
872 をしたところ,
873 税務署長が青色申告の承認があるかどうかの確認を怠り申告書を受理し,
874 さら
875 に,
876 翌年分以降の所得税についても青色申告用紙を送付し,
877 青色申告書による確定申告を受理
878 するなどしてきた事案に関する最高裁判所昭和62年10月30日第三小法廷判決(裁判集民
879 事152号93頁)は,
880 (ア)【租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係において,
881 信
882 義則の法理の適用が認められるかどうかの判断に当たっては,
883 納税者が税務官庁の表示した公
884 的見解を信頼して行動した後に,
885 その表示に反する課税処分が行われたため,
886 経済的不利益を
887 受けることになったかどうか,
888 また,
889 その表示を信頼し,
890 その信頼に基づいて行動したことに
891 ついて納税者に帰責事由がないかどうか,
892 という点の考慮が不可欠であると判断したものであ
893 る。
894
895 】
896 B:地方公共団体が一定内容の継続的な施策を決定し,
897 特定の者に対し同施策に適合する特定内
898 容の活動を促す個別的具体的な勧告ないし勧誘をし,
899 当該特定の者も,
900 相当長期にわたる同施
901 策の継続を前提にして初めて投入した資金や労力に相応する効果を生じ得るような性質の特定
902 内容の活動を行ったが,
903 その後の施策の変更により,
904 当該特定の者に看過し得ない程度の積極
905 的損害が発生した事案に関する最高裁判所昭和56年1月27日第三小法廷判決(民集35巻
906 1号35頁)は,
907 (イ)【上記事情の下において上記損害を補償するなどの代償的措置を講ずる
908 ことなく施策を変更することは,
909 それがやむを得ない客観的事情によるのでない限り,
910 当事者
911 間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯びると判断したものである。
912
913 】
914 C:原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等に基づき被爆者に対して支給される健康管理手
915 当の受給権につき,
916 法令上の根拠がないのに,
917 被爆者が国外に居住地を移した場合に失権の取
918 扱いとなるものと定めた違法な通達に基づき,
919 地方公共団体が支給を打ち切った事案に関する
920 最高裁判所平成19年2月6日第三小法廷判決(民集61巻1号122頁)は,
921 (ウ)【上記通
922 達に基づき違法な事務処理をしていた地方公共団体が,
923 未支給の健康管理手当の支給義務を免
924 れるために消滅時効を主張することは,
925 特段の事情のない限り,
926 信義則に反し許されないと判
927 断したものである。
928
929 】
930 1.ア〇
931
932 イ〇
933
934 ウ○
935
936 2.ア〇
937
938 イ〇
939
940 ウ×
941
942 3.ア〇
943
944 イ×
945
946 ウ○
947
948 4.ア〇
949
950 イ×
951
952 ウ×
953
954 5.ア×
955
956 イ〇
957
958 ウ○
959
960 6.ア×
961
962 イ〇
963
964 ウ×
965
966 7.ア×
967
968 イ×
969
970 ウ○
971
972 8.ア×
973
974 イ×
975
976 ウ×
977
978 - 8 -
979
980 〔第14問〕(配点:2)
981 行政処分の効力に関する教員と学生の対話中の次のアからウまでの【
982
983 】内の各記述について,
984
985
986 最高裁判所の判例に照らし,
987 正しいものに○,
988 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
989 後記
990 1から8までの中から選びなさい。
991
992 なお,
993 解答に当たっては,
994 行政庁が以下の農地買収計画を定め
995 ることが,
996 いずれも旧自作農創設特別措置法(昭和21年法律第43号。
997
998 昭和27年廃止)に基づ
999 く行政処分であること,
1000 同法に基づく農地買収計画に対する争訟の手続は,
1001 買収対象となる農地の
1002 所有者が異議申立てや訴願(以下,
1003 これらを併せて「不服申立て」という。
1004
1005 )を前置する制度であ
1006 ったこと,
1007 同法に基づく農地買収計画に係る最高裁判所の判例で示された行政処分の効力に係る行
1008 政法の理論が現行法においても通用することを前提としなさい。
1009
1010 (解答欄は,
1011 [27])
1012 教員:行政庁が,
1013 ある農地買収計画を定めた後に,
1014 その農地買収計画の内容が違法又は不当であ
1015 ると判断した場合の行政処分の効力について考えてみましょう。
1016
1017 当該行政庁は,
1018 当該農地買
1019 収計画に係る法定の不服申立て期間が徒過した後において,
1020 法律上の定めがなくても,
1021 当該
1022 農地買収計画を自ら取り消すことはできるでしょうか。
1023
1024
1025 学生:(ア)【農地買収計画を定めた行政庁は,
1026 当該農地買収計画に係る法定の不服申立て期間の
1027 徒過により争訟手続によってその効力を争い得なくなった後は,
1028 当然無効と認められる場合
1029 を除き,
1030 当該農地買収計画を自ら取り消すことができないものと解されます。
1031
1032 】
1033 教員:では,
1034 農地買収計画が違法であるが,
1035 権限ある機関により取り消されていない場合に,
1036 そ
1037 の行政処分の効力がない場合とはどのような場合ですか。
1038
1039
1040 学生:(イ)【農地買収計画の違法が重大かつ明白で当然無効ならしめるものと認められる場合に
1041 は,
1042 権限ある機関による取消しを待たずに,
1043 その効力を有しないものと解されます。
1044
1045 】
1046 教員:では,
1047 行政庁がある農地について農地買収計画を定めたが,
1048 裁決庁が当該農地の所有者か
1049 らの不服申立てにより当該農地買収計画から当該農地を除外する旨の裁決を行い確定したと
1050 いう事例で,
1051 行政処分の効力について考えてみましょう。
1052
1053 当該裁決庁は,
1054 その裁決が違法で
1055 あると判断する場合に,
1056 特別の規定がなくてもその裁決を自ら職権で取り消すことができる
1057 でしょうか。
1058
1059 当該裁決では,
1060 一定の争訟手続に従い,
1061 当事者を手続に関与させて,
1062 紛争の終
1063 局的解決を図ることを目的として,
1064 実質的には法律上の争訟を裁判していたものと認められ
1065 ることを前提として,
1066 考えてください。
1067
1068
1069 学生:(ウ)【当該裁決は,
1070 実質的には法律上の争訟を裁判するものであることから,
1071 特別の規定
1072 がない限り,
1073 裁決庁が自ら取り消すことはできないものと解されます。
1074
1075 】
1076 1.ア〇
1077
1078 イ〇
1079
1080 ウ○
1081
1082 2.ア〇
1083
1084 イ〇
1085
1086 ウ×
1087
1088 3.ア〇
1089
1090 イ×
1091
1092 ウ○
1093
1094 4.ア〇
1095
1096 イ×
1097
1098 ウ×
1099
1100 5.ア×
1101
1102 イ〇
1103
1104 ウ○
1105
1106 6.ア×
1107
1108 イ〇
1109
1110 ウ×
1111
1112 7.ア×
1113
1114 イ×
1115
1116 ウ○
1117
1118 8.ア×
1119
1120 イ×
1121
1122 ウ×
1123
1124 - 9 -
1125
1126 〔第15問〕(配点:3)
1127 行政手続法上の不利益処分に関する次のアからエまでの各記述について,
1128 法令に照らし,
1129 それぞ
1130 れ正しい場合には1を,
1131 誤っている場合には2を選びなさい。
1132
1133 (解答欄は,
1134 アからエの順に[28]
1135 から[31])
1136 ア.行政手続法の不利益処分に関する規定は,
1137 職務の遂行上必要な情報の収集を直接の目的とし
1138 てされる処分にも適用される。
1139
1140 [28]
1141 イ.行政手続法は,
1142 行政庁が不利益処分に関する基準(処分基準)を定めた場合には,
1143 これを公
1144 にすることを求めているが,
1145 この義務は努力義務にとどまる。
1146
1147 [29]
1148 ウ.行政手続法の定めによれば,
1149 行政庁が聴聞手続を執ることができるのは,
1150 許認可等を取り消
1151 すといった重大な不利益処分に限られる。
1152
1153 [30]
1154 エ.行政手続法の定めによれば,
1155 不利益処分をする際に,
1156 理由を示さないで処分をすべき差し迫
1157 った必要がある場合には,
1158 処分と同時にその理由を提示する必要はない。
1159
1160 [31]
1161 〔第16問〕(配点:2)
1162 行政裁量に関する次のアからウまでの各記述について,
1163 最高裁判所の判例に照らし,
1164 正しいもの
1165 に○,
1166 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1167 後記1から8までの中から選びなさい。
1168
1169 (解
1170 答欄は,
1171 [32])
1172 ア.裁判所は,
1173 出入国管理及び難民認定法に基づく,
1174 「在留期間の更新を適当と認めるに足りる
1175 相当の理由」があるかどうかに関する法務大臣の判断について,
1176 それが違法となるかどうかを
1177 審理,
1178 判断するに当たっては,
1179 上記法務大臣の判断が裁量権の行使としてされたものであるこ
1180 とを前提として,
1181 その判断の基礎とされた重要な事実に誤認があること等により上記判断が全
1182 く事実の基礎を欠くかどうか,
1183 又は事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により上記
1184 判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるかどうかについて審理し,
1185 そ
1186 れが認められる場合に限り,
1187 上記判断が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして
1188 違法であるとすべきものである。
1189
1190
1191 イ.高等学校用の教科用図書の検定における合否の判定等に係る文部科学大臣の判断について,
1192
1193 教科用図書検定調査審議会の判断の過程に,
1194 原稿の記述内容又は欠陥の指摘の根拠となるべき
1195 検定当時の学説状況,
1196 教育状況についての認識や,
1197 検定の基準に違反するとの評価等に看過し
1198 難い過誤があって,
1199 文部科学大臣の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には,
1200 上記
1201 判断は,
1202 裁量権の範囲を逸脱したものとして,
1203 国家賠償法上違法となる。
1204
1205
1206 ウ.公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病の認定の申請を棄却する処分の取消訴訟
1207 における裁判所の審理,
1208 判断は,
1209 処分行政庁の判断の基準とされた認定の基準に現在の最新の
1210 医学水準に照らして不合理な点があるか否か,
1211 公害健康被害認定審査会の調査審議及び判断の
1212 過程に看過し難い過誤,
1213 欠落があってこれに依拠してされた処分行政庁の判断に不合理な点が
1214 あるか否かといった観点から行われるべきものである。
1215
1216
1217 1.ア〇
1218
1219 イ〇
1220
1221 ウ○
1222
1223 2.ア〇
1224
1225 イ〇
1226
1227 ウ×
1228
1229 3.ア〇
1230
1231 イ×
1232
1233 ウ○
1234
1235 4.ア〇
1236
1237 イ×
1238
1239 ウ×
1240
1241 5.ア×
1242
1243 イ〇
1244
1245 ウ○
1246
1247 6.ア×
1248
1249 イ〇
1250
1251 ウ×
1252
1253 7.ア×
1254
1255 イ×
1256
1257 ウ○
1258
1259 8.ア×
1260
1261 イ×
1262
1263 ウ×
1264
1265 - 10 -
1266
1267 〔第17問〕(配点:3)
1268 建築の分野における行政指導に関する次のアからエまでの各記述について,
1269 法令又は最高裁判所
1270 の判例に照らし,
1271 それぞれ正しい場合には1を,
1272 誤っている場合には2を選びなさい。
1273
1274 (解答欄は,
1275
1276 アからエの順に[33]から[36])
1277 ア.建築基準法に基づくいわゆる総合設計許可をする権限を有する都道府県知事が,
1278 当該許可の
1279 申請の内容の変更を求める行政指導を行う場合,
1280 当該行政指導には,
1281 行政手続法の行政指導に
1282 関する規定が適用される。
1283
1284 [33]
1285 イ.何人においても,
1286 建築基準法に基づく違反建築物の除却命令をする権限を有する市町村長に
1287 対し,
1288 行政手続法の規定により,
1289 違反建築物の除却を促す行政指導を求める申出をすることが
1290 認められているが,
1291 違反建築物の除却命令を求める申出をすることは認められていない。
1292
1293 [
1294 34]
1295 ウ.国土交通大臣が,
1296 全国の一級建築士に対し,
1297 その業務の適正な実施を確保するための行政指
1298 導をしようとするときは,
1299 あらかじめ,
1300 事案に応じ,
1301 行政指導指針を定め,
1302 かつ,
1303 行政上特別
1304 の支障がない限り,
1305 これを公表しなければならない。
1306
1307 [35]
1308 エ.建築主において自己の申請に対する建築確認を留保されたままでの行政指導には応じられな
1309 いとの意思を真摯かつ明確に表明している場合であっても,
1310 行政指導の目的とする公益上の必
1311 要性が失われていないときは,
1312 行政指導が行われていることを理由に建築確認を留保しても,
1313
1314 違法ではない。
1315
1316 [36]
1317 〔第18問〕(配点:3)
1318 行政契約に関する次のアからエまでの各記述について,
1319 法令又は最高裁判所の判例に照らし,
1320 そ
1321 れぞれ正しい場合には1を,
1322 誤っている場合には2を選びなさい。
1323
1324 (解答欄は,
1325 アからエの順に
1326 [37]から[40])
1327 ア.行政手続法は,
1328 行政契約の定義及び手続的規律に関する規定を設け,
1329 行政契約の締結及び履
1330 行に関する公正の確保と透明性の向上を図っている。
1331
1332 [37]
1333 イ.公共事業に必要な用地を土地収用法に基づく収用裁決によって取得することができる場合に,
1334
1335 これを随意契約の方法によって取得することは,
1336 原則として許されない。
1337
1338 [38]
1339 ウ.国又は地方公共団体が,
1340 相手方に新たな義務を課することを内容とする契約を当該相手方と
1341 締結するに当たっては,
1342 法律による行政の原理ないし侵害留保原則の見地から,
1343 原則として,
1344
1345 当該義務を課する法令上の根拠があることを要する。
1346
1347 [39]
1348 エ.水道事業者は,
1349 事業計画に定める給水区域内の需要者から受けた給水契約の申込みを拒否す
1350 るか否かを判断するに当たり,
1351 正常な企業努力を尽くしても水の供給に一定の限界があり得る
1352 ことを考慮することが許される。
1353
1354 [40]
1355
1356 - 11 -
1357
1358 〔第19問〕(配点:2)
1359 行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求に関する次のアからウまでの各記
1360 述について,
1361 法令に照らし,
1362 正しいものに○,
1363 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1364 後記
1365 1から8までの中から選びなさい。
1366
1367 (解答欄は,
1368 [41])
1369 ア.開示請求の対象となる行政文書とは,
1370 行政機関の職員が職務上作成し,
1371 又は取得した文書,
1372
1373 図画及び電磁的記録であって,
1374 当該行政機関の職員が組織的又は個人的に用いるものとして保
1375 有されているものをいう。
1376
1377
1378 イ.開示請求は,
1379 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項を明
1380 らかにしても,
1381 口頭により行うことは認められない。
1382
1383
1384 ウ.開示請求に対し,
1385 当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,
1386 不開
1387 示情報を開示することとなるときは,
1388 行政機関の長は,
1389 当該行政文書の存否を明らかにしない
1390 で,
1391 当該開示請求を拒否することができる。
1392
1393
1394 1.ア〇
1395
1396 イ〇
1397
1398 ウ○
1399
1400 2.ア〇
1401
1402 イ〇
1403
1404 ウ×
1405
1406 3.ア〇
1407
1408 イ×
1409
1410 ウ○
1411
1412 4.ア〇
1413
1414 イ×
1415
1416 ウ×
1417
1418 5.ア×
1419
1420 イ〇
1421
1422 ウ○
1423
1424 6.ア×
1425
1426 イ〇
1427
1428 ウ×
1429
1430 7.ア×
1431
1432 イ×
1433
1434 ウ○
1435
1436 8.ア×
1437
1438 イ×
1439
1440 ウ×
1441
1442 〔第20問〕(配点:2)
1443 処分性に関する次のアからウまでの各記述について,
1444 最高裁判所の判例に照らし,
1445 正しいものに
1446 ○,
1447 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1448 後記1から8までの中から選びなさい。
1449
1450 (解答
1451 欄は,
1452 [42])
1453 ア.告示により一定の条件に合致する道を一括して道路に指定する方法でされた建築基準法第4
1454 2条第2項所定のいわゆるみなし道路の指定は,
1455 特定の土地について個別具体的にこれを指定
1456 するものではなく,
1457 不特定多数の者に対して一般的抽象的な基準を定立するものにすぎないの
1458 であって,
1459 これによって直ちに建築制限等の私権制限が生じるものでないから,
1460 抗告訴訟の対
1461 象となる行政処分に当たらない。
1462
1463
1464 (参照条文)建築基準法
1465 (道路の定義)
1466 第42条
1467 2
1468
1469 (略)
1470
1471 この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満
1472 の道で,
1473 特定行政庁の指定したものは,
1474 前項の規定にかかわらず,
1475 同項の道路とみなし,
1476
1477 その中心線からの水平距離2メートル(中略)の線をその道路の境界線とみなす。
1478
1479 (以下
1480 略)
1481
1482 3〜6
1483
1484 (略)
1485
1486 イ.労災就学援護費について,
1487 労働者災害補償保険法及び同法施行規則は,
1488 その支給の実体的及
1489 び手続的な要件や金額について何ら定めていないから,
1490 労災就学援護費を支給しない旨の決定
1491 は,
1492 行政庁が公権力の行使として一方的に決定し,
1493 取消訴訟によらなければその判断を覆すこ
1494 とができないとの効力が法律上与えられたものとはいえず,
1495 抗告訴訟の対象となる行政処分に
1496 当たらない。
1497
1498
1499 ウ.病院開設中止の勧告は,
1500 医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待して
1501 される行政指導として定められているものの,
1502 当該勧告を受けた者に対し,
1503 これに従わない場
1504 合には,
1505 相当程度の確実さをもって,
1506 病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることがで
1507 きなくなるという結果をもたらすものであり,
1508 その結果,
1509 実際上病院の開設自体を断念せざる
1510 を得ないことになるから,
1511 上記勧告は,
1512 抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
1513
1514
1515
1516 - 12 -
1517
1518 1.ア〇
1519
1520 イ〇
1521
1522 ウ○
1523
1524 2.ア〇
1525
1526 イ〇
1527
1528 ウ×
1529
1530 3.ア〇
1531
1532 イ×
1533
1534 ウ○
1535
1536 4.ア〇
1537
1538 イ×
1539
1540 ウ×
1541
1542 5.ア×
1543
1544 イ〇
1545
1546 ウ○
1547
1548 6.ア×
1549
1550 イ〇
1551
1552 ウ×
1553
1554 7.ア×
1555
1556 イ×
1557
1558 ウ○
1559
1560 8.ア×
1561
1562 イ×
1563
1564 ウ×
1565
1566 〔第21問〕(配点:2)
1567 原告適格に関する次のアからウまでの各記述について,
1568 それぞれ@の事案を前提にした場合に,
1569
1570 Aの記述が最高裁判所の判例の内容として正しいものに○,
1571 誤っているものに×を付した場合の組
1572 合せを,
1573 後記1から8までの中から選びなさい。
1574
1575 (解答欄は,
1576 [43])
1577 ア.@鉄道の連続立体交差化を内容とする都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち,
1578
1579 同事業に係る東京都環境影響評価条例所定の関係地域内に居住するXらが,
1580 都市計画法に基づ
1581 いてされた同事業の認可の取消訴訟を提起した事案。
1582
1583 AXらの住所地と上記事業の事業地との
1584 距離関係などに加えて,
1585 上記条例の規定する関係地域が,
1586 対象事業を実施しようとする地域及
1587 びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に著しい影響を及ぼすおそれがある地域として知
1588 事が定めるものであることを考慮すれば,
1589 Xらは上記事業の認可の取消しを求める原告適格を
1590 有する。
1591
1592
1593 イ.@建築基準法に基づくいわゆる総合設計許可に係る建築物の周辺地域に存する建築物に居住
1594 し又はこれを所有するXらが,
1595 同許可の取消訴訟を提起した事案。
1596
1597 AXらのうち,
1598 総合設計許
1599 可に係る建築物の倒壊,
1600 炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存
1601 する建築物に居住する者は,
1602 上記許可の取消しを求める原告適格を有するが,
1603 同地域に存する
1604 建築物を所有するにすぎない者は,
1605 その原告適格を有しない。
1606
1607
1608 ウ.@市町村長から一定の区域につき既に一般廃棄物収集運搬業の許可を受けてこれを営んでい
1609 るXが,
1610 当該区域を対象としてAに対してされた一般廃棄物収集運搬業の許可処分の取消訴訟
1611 を提起した事案。
1612
1613 A廃棄物の処理及び清掃に関する法律は,
1614 他の者からの一般廃棄物処理業
1615 (一般廃棄物収集運搬業を含む。
1616
1617 )の許可の申請に対して市町村長が既存の許可業者の事業へ
1618 の影響を考慮してその許否を判断することを通じて,
1619 当該区域の衛生や環境を保持する上でそ
1620 の基礎となるものとして,
1621 その事業に係る営業上の利益を個々の既存の許可業者の個別的利益
1622 としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解されるから,
1623 XはAに対する上記許可の取
1624 消しを求める原告適格を有する。
1625
1626
1627 1.ア〇
1628
1629 イ〇
1630
1631 ウ○
1632
1633 2.ア〇
1634
1635 イ〇
1636
1637 ウ×
1638
1639 3.ア〇
1640
1641 イ×
1642
1643 ウ○
1644
1645 4.ア〇
1646
1647 イ×
1648
1649 ウ×
1650
1651 5.ア×
1652
1653 イ〇
1654
1655 ウ○
1656
1657 6.ア×
1658
1659 イ〇
1660
1661 ウ×
1662
1663 7.ア×
1664
1665 イ×
1666
1667 ウ○
1668
1669 8.ア×
1670
1671 イ×
1672
1673 ウ×
1674
1675 - 13 -
1676
1677 〔第22問〕(配点:3)
1678 次のアからエまでの各事例におけるXが行政事件訴訟法上の仮の救済を求めるとした場合,
1679 各事
1680 例について最も適切と考えられる仮の救済の申立てを,
1681 それぞれ後記1から3までの中から選びな
1682 さい。
1683
1684 (解答欄は,
1685 アからエの順に[44]から[47])
1686 ア.タクシー会社であるXが,
1687 道路運送法に基づき,
1688 運賃及び料金の認可申請をしたところ,
1689 処
1690 分行政庁から申請を拒否する処分を受けた事例[44]
1691 イ.県知事が公有水面埋立法に基づき公有水面埋立免許を与えた後に,
1692 当該免許に基づく工事に
1693 より,
1694 周辺の景観が破壊されることを危惧する周辺住民Xの事例[45]
1695 ウ.地方公務員であるXが,
1696 非行があったとして,
1697 懲戒権者から地方公務員法に基づき停職処分
1698 をされようとしている事例[46]
1699 エ.市の公園で集会を開催しようと計画していたXが,
1700 当該市の条例に基づき,
1701 公園の使用許可
1702 を市長に申請し使用許可を受けたが,
1703 その後,
1704 集会の開催前に,
1705 集会内容が不適切であるとし
1706 て,
1707 市長から当該使用許可を取り消す処分を受けた事例[47]
1708 1.執行停止の申立て
1709 2.仮の義務付けの申立て
1710 3.仮の差止めの申立て
1711 〔第23問〕(配点:3)
1712 国家賠償に関する次のアからエまでの各記述について,
1713 最高裁判所の判例に照らし,
1714 それぞれ
1715 正しい場合には1を,
1716 誤っている場合には2を選びなさい。
1717
1718 (解答欄は,
1719 アからエの順に[48]
1720 から[51])
1721 ア.行政処分が違法であることを理由として国家賠償請求をするについては,
1722 あらかじめ当該行
1723 政処分について取消し又は無効確認の判決を得なければならないものではなく,
1724 このことは,
1725
1726 当該行政処分が金銭を納付させることを直接の目的としており,
1727 その違法を理由とする国家賠
1728 償請求を認容したとすれば,
1729 結果的に当該行政処分を取り消した場合と同様の経済的効果が得
1730 られるという場合であっても異ならない。
1731
1732 [48]
1733 イ.建築基準法によると,
1734 建築物の所有者が有する財産上の利益は法律上保護された利益ではな
1735 いから,
1736 建築確認を行う際に建築主事が職務上尽くすべき義務を尽くさず,
1737 建築物の所有者に
1738 損害が生じたとしても,
1739 建築物の所有者に対する,
1740 建築主事が所属する公共団体の国家賠償責
1741 任は認められない。
1742
1743 [49]
1744 ウ.国家賠償法第1条第1項の「その職務を行うについて」とは,
1745 少なくとも公務員が主観的に
1746 権限行使の意思を有して,
1747 当該権限行使を行う場合に限られるから,
1748 客観的に職務執行の外形
1749 を備える行為によって,
1750 他人に損害を加えた場合であっても,
1751 当該公務員に権限行使の意思が
1752 認められない場合には,
1753 当該公務員個人の損害賠償責任は別として,
1754 国家賠償責任は認められ
1755 ない。
1756
1757 [50]
1758 エ.監獄の長が行った未成年者との面会を拒否する処分が,
1759 旧監獄法による委任の範囲を超えた
1760 命令に基づいていることを理由として違法とされたとしても,
1761 当該命令の適法性につき,
1762 長期
1763 間にわたって,
1764 実務上特に疑いを差し挟む解釈をされたことも裁判上とりたてて問題とされた
1765 こともないといった事情があり,
1766 監獄の長にとって当該命令が委任の範囲を超えることが容易
1767 に理解できなかった場合には,
1768 上記の違法を理由とする国家賠償責任は認められない。
1769
1770 [51]
1771
1772 - 14 -
1773
1774 〔第24問〕(配点:3)
1775 行政不服審査法に関する次のアからエまでの各記述について,
1776 法令に照らし,
1777 それぞれ正しい場
1778 合には1を,
1779 誤っている場合には2を選びなさい。
1780
1781 (解答欄は,
1782 アからエの順に[52]から[
1783 55])
1784 ア.行政不服審査法にいう「処分」とは,
1785 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう
1786 ところ,
1787 弁護士会は,
1788 国又は地方公共団体の機関ではなく,
1789 「行政庁」には当たらないから,
1790 弁
1791 護士会が弁護士法の規定に基づいて行う所属弁護士に対する懲戒は,
1792 行政不服審査法にいう
1793 「処分」には当たらない。
1794
1795 [52]
1796 イ.行政不服審査法は,
1797 国民が簡易迅速な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすること
1798 ができるための制度を定めるものであるから,
1799 審査請求は,
1800 他の法律(条例に基づく処分につ
1801 いては,
1802 条例)に書面でしなければならない旨の定めがある場合を除き,
1803 口頭ですることがで
1804 きる。
1805
1806 [53]
1807 ウ.審査請求をするか否かは関係者の自由な判断に委ねられているから,
1808 審査請求人は,
1809 審理手
1810 続が開始され,
1811 処分庁等が書面を提出し又は口頭で意見を述べた後であっても,
1812 裁決があるま
1813 では,
1814 いつでも審査請求を取り下げることができる。
1815
1816 [54]
1817 エ.行政不服審査法は,
1818 国民の権利利益の救済を図るのみならず,
1819 行政の適正な運営を確保する
1820 ことを目的とするものであるから,
1821 審査庁は,
1822 審査請求に係る処分が違法又は不当であると認
1823 めるときは,
1824 裁決で,
1825 審査請求人の不利益に当該処分を変更することも許される。
1826
1827 [55]
1828
1829 - 15 -
1830
1831