1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 - 1 -
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 次の1から5までの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合,
9 甲に凶
10 器準備集合罪が成立しないものはどれか。
11
12 (解答欄は,
13 [bP])
14 1.甲は,
15 乙,
16 丙及び丁が,
17 対立するグループの者らによる襲撃に備えて同人らの身体に対し共
18 同して害を加える目的で凶器を準備して公園に集合していることを知った。
19
20 その上で,
21 甲は,
22
23 自らも乙らと共同して害を加える目的で凶器を所持して同公園に赴き,
24 乙,
25 丙及び丁に合流し
26 たが,
27 客観的には同グループの者らによる襲撃が切迫しているという状況はなかった。
28
29
30 2.甲は,
31 乙,
32 丙及び丁と共に,
33 Vの身体に対し共同して害を加える目的でそれぞれ凶器を準備
34 し公園に集合することとしたが,
35 乙,
36 丙及び丁が凶器を準備して先に同公園に到着しVを待ち
37 伏せていたところ,
38 同公園にVが現れたことから,
39 乙らにおいてVの身体に対する加害行為を
40 開始した。
41
42 その後間もなく,
43 甲は,
44 凶器を所持して同公園に到着し,
45 乙らがVに対する加害行
46 為に及んでいる間も,
47 自らも乙らと共にVの身体に対し共同して害を加える目的で凶器を所持
48 してその場に居続けた。
49
50
51 3.甲は,
52 乙,
53 丙及び丁と共に,
54 Vが居住する家屋を共同して損壊する目的でそれぞれハンマー
55 や斧を準備し,
56 同家屋近くの公園に集合した。
57
58
59 4.甲は,
60 乙,
61 丙及び丁と共に公園で雑談をしていたところ,
62 同公園の隅に長さ約1メートルの
63 棒状の角材が多数保管されているのを発見した。
64
65 甲ら4名は,
66 その角材を手に取った後,
67 これ
68 を凶器としてVの身体に対し共同して害を加える目的を有するに至った。
69
70
71 5.甲は,
72 乙,
73 丙及び丁が,
74 対立するグループの者らによる車両での襲撃を察知して,
75 相手車両
76 に衝突させるという意図の下に,
77 エンジンを切った状態で無人のダンプカー1台を乙方付近の
78 路上に駐車させていることを知った。
79
80 その上で,
81 甲は,
82 自らも乙らと共に同グループの者らの
83 身体に対し共同して害を加える目的で乙方に赴き,
84 乙,
85 丙及び丁に合流した。
86
87
88 〔第2問〕(配点:2)
89 次の【事例】における甲の罪責について,
90 判例の立場に従って検討した場合,
91 正しいものは,
92 後
93 記1から5までのうちどれか。
94
95 (解答欄は,
96 [bQ])
97 【事
98
99 例】
100 甲は,
101 バーの経営者Aから現金を強取しようと考え,
102 12歳の長男乙に,
103 「Aのバーに行って
104
105 お金をとってきて。
106
107 覆面を付けて,
108 『金だ。
109
110 』とか言ってモデルガンを見せなさい。
111
112 」と言い聞か
113 せた。
114
115 乙は,
116 当初警察に捕まることを恐れて嫌がっていたが,
117 結局小遣い欲しさから承諾し,
118 甲
119 から覆面とモデルガンを受け取った。
120
121
122 乙は,
123 Aのバーまで行き,
124 甲から指示された方法に従って,
125 覆面を付けモデルガンを拳銃のよ
126 うに見せ掛け,
127 Aを脅迫してその反抗を抑圧した。
128
129 さらに,
130 乙は,
131 自己の判断により,
132 外から人
133 が来ないようにするためバーの出入口ドアの鍵を掛け,
134 Aをバーのトイレに閉じ込めた。
135
136 その後,
137
138 乙は,
139 レジ内の現金を強取し,
140 外に出ようとしたところ,
141 トイレから脱出して乙に向かってきた
142 Aから腕をつかまれたため,
143 これを激しく振り払った。
144
145 その結果,
146 Aは転倒して負傷した。
147
148
149 乙は,
150 逃走して自宅に戻り,
151 強取した現金を全て甲に渡した。
152
153 甲はその現金の中から乙に小遣
154 いを与え,
155 その余を生活費等に費消した。
156
157
158 1.強盗致傷罪の教唆犯が成立する。
159
160
161 2.強盗罪の間接正犯が成立する。
162
163
164 3.強盗致傷罪の間接正犯が成立する。
165
166
167 4.強盗罪の共同正犯が成立する。
168
169
170 5.強盗致傷罪の共同正犯が成立する。
171
172
173 - 2 -
174
175 〔第3問〕(配点:2)
176 信用及び業務に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
177
178 正しいものはどれか。
179
180 (解答欄は,
181 [bR])
182 1.信用毀損罪における「流布」とは,
183 虚偽の風説を不特定又は多数の人が認識可能な状態に置
184 くことをいい,
185 行為者自らが直接に不特定又は多数の人に告知する場合のみならず,
186 特定かつ
187 少数の者を通じて順次不特定又は多数の人に伝播させる場合も含まれる。
188
189
190 2.電子計算機損壊等業務妨害罪は,
191 電子計算機に向けられた加害行為を手段とする業務妨害行
192 為を処罰対象とするものであるところ,
193 同罪の加害行為は,
194 「人の業務に使用する電子計算機
195 若しくはその用に供する電磁的記録を損壊」することと「人の業務に使用する電子計算機に虚
196 偽の情報若しくは不正な指令を与え」ることに限られる。
197
198
199 3.威力業務妨害罪における「威力を用いて」とは,
200 人の意思を制圧するような勢力を行使する
201 ことをいい,
202 このような勢力が業務に従事している人に対して直接行使されることを要する。
203
204
205 4.信用毀損罪は,
206 公訴が提起されることにより公判において事件の内容が明らかになり,
207 かえ
208 って被害者の信用が損なわれる事態を招くおそれがあるため,
209 被害者による告訴がなければ公
210 訴を提起することができない。
211
212
213 5.強制力を行使しない公務は,
214 業務妨害罪における「業務」には該当するが,
215 公務執行妨害罪
216 における「職務」には該当しない。
217
218
219 〔第4問〕(配点:2)
220 故意に関する次の各【見解】に従って後記1から5までの各【事例】における甲の罪責を検討し
221 た場合,
222 いずれの【見解】に従うかによって,
223 結論が異なるものはどれか。
224
225 (解答欄は,
226 [bS])
227 【見
228
229 解】
230
231 A説:行為者が認識していた事実と発生した事実とが,
232 構成要件的評価として一致する限り,
233 発
234 生した事実についての故意が認められ,
235 殺人罪においては,
236 客体が「およそ人」という点で
237 一致していれば故意が認められる。
238
239
240 B説:行為者が認識していた事実と発生した事実とが,
241 具体的に一致しない限り,
242 発生した事実
243 についての故意は否定され,
244 殺人罪においては,
245 客体が「その人」という点で一致していな
246 ければ故意は認められない。
247
248
249 【事
250
251 例】
252
253 1.甲は,
254 Vを殺そうと考えてVの首を絞め,
255 Vが動かなくなったので死亡したものと思い,
256 V
257 を海岸の砂上まで運び放置したところ,
258 Vが砂を吸引したことにより死亡した。
259
260
261 2.甲は,
262 Vが連れている犬を殺そうと考え,
263 その犬を狙って猟銃を発射したが,
264 犬をかばおう
265 としたVに弾丸が当たり,
266 Vを死亡させた。
267
268
269 3.甲は,
270 前方を歩いていた人をV1と思い,
271 V1を殺そうと考え,
272 その人を狙って拳銃を発射
273 し弾丸を命中させて死亡させたが,
274 その人はV1ではなく,
275 V2であった。
276
277
278 4.甲は,
279 Vから殺してほしいと頼まれたので,
280 Vを殺そうと考え,
281 Vの首を絞めてVを死亡さ
282 せたが,
283 嘱託殺人が犯罪にならないと考えていた。
284
285
286 5.甲は,
287 V1を殺そうと考え,
288 V1を狙って拳銃を発射したが,
289 弾丸がそれて,
290 V1ではなく,
291
292 そのそばにいたV2に当たり,
293 V2を死亡させた。
294
295
296
297 - 3 -
298
299 〔第5問〕(配点:2)
300 次のアからオまでの各記述における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合,
301 正しい
302 ものの組合せは,
303 後記1から5までのうちどれか。
304
305 (解答欄は,
306 [bT])
307 ア.甲が,
308 自然湖の一部に設けられた乙のいけすから逃げ出した乙所有の錦鯉30匹を,
309 同湖内
310 の同いけすから離れた場所で発見し,
311 乙が所有する錦鯉であると認識しながら,
312 これらを自己
313 のものにしようと考えて捕獲した場合,
314 窃盗罪が成立する。
315
316
317 イ.甲は,
318 パチスロ機に針金を差し込んで誤作動させてメダルを窃取することを乙と共謀し,
319 乙
320 による窃盗の犯行を周囲から見えにくくするため,
321 乙の隣のパチスロ機で通常の遊戯を行い,
322
323 それによりメダルを取得した。
324
325 この場合,
326 甲自身が遊戯したパチスロ機で取得したメダルにつ
327 いても窃盗罪が成立する。
328
329
330 ウ.甲が,
331 乙から封かんされた現金20万円入りの封筒を渡されてそれを丙に届けるように依頼
332 されたが,
333 丙方に向かう途中で封筒内の現金が欲しくなり,
334 封を開いて封筒に入っていた現金
335 のうち5万円を取り出してこれを自己のものとし,
336 残りの現金が入った封筒を丙に交付した場
337 合,
338 取り出した5万円について窃盗罪が成立する。
339
340
341 エ.甲は,
342 乙から,
343 乙が海中に落とした腕時計の引き揚げを依頼され,
344 その腕時計が落ちた場所
345 の大体の位置を指示された。
346
347 甲が,
348 乙から指示された海中付近を探索した結果,
349 同腕時計を発
350 見したが,
351 それを乙に知らせることなく,
352 同腕時計を引き揚げて自己のものとした場合,
353 窃盗
354 罪が成立する。
355
356
357 オ.甲が,
358 満員電車に乗っていた際,
359 隣の席に座っていた見ず知らずの乙が財布を座席に置き忘
360 れたままX駅で下車したのを目撃し,
361 乙の財布とその中身を自己のものにしようと考え,
362 次の
363 Y駅に到着した時点で乙の財布を取得した上,
364 同駅で下車し自宅に持ち帰った場合,
365 窃盗罪が
366 成立する。
367
368
369 1.ア
370
371 イ
372
373 2.ア
374
375 オ
376
377 3.イ
378
379 エ
380
381 4.ウ
382
383 エ
384
385 5.ウ
386
387 オ
388
389 〔第6問〕(配点:3)
390 共犯の従属性に関する次の【見解】に従って後記1から5までの各【記述】を検討した場合,
391 正
392 しいものを2個選びなさい。
393
394 (解答欄は,
395 [bU],
396 [bV]順不同)
397 【見
398
399 解】
400 共犯が成立するためには,
401 正犯の行為が構成要件に該当し,
402 違法性を具備することを要する。
403
404
405
406 【記
407
408 述】
409
410 1.甲が強盗犯人Aの妻乙を唆してAを蔵匿させた場合,
411 甲には犯人蔵匿罪の教唆犯は成立し得
412 ない。
413
414
415 2.甲が刑法第41条の刑事未成年者に当たる乙を唆して窃盗を行わせた場合,
416 甲には窃盗罪の
417 教唆犯は成立し得ない。
418
419
420 3.甲が乙にAが一人で居住する家屋に侵入するよう唆したところ,
421 乙がAの承諾を得て平穏に
422 その家屋に立ち入った場合,
423 甲には住居侵入罪の教唆犯は成立し得ない。
424
425
426 4.甲が乙を唆して私文書を偽造させたが,
427 乙に行使の目的がなかった場合,
428 甲には私文書偽造
429 罪の教唆犯は成立し得ない。
430
431
432 5.甲が乙に偽証するよう唆したところ,
433 乙が証人として法律により宣誓した上,
434 虚偽の陳述を
435 したが,
436 証人尋問手続が終了した後,
437 判決言渡し前に自白した場合,
438 甲には偽証罪の教唆犯は
439 成立し得ない。
440
441
442
443 - 4 -
444
445 〔第7問〕(配点:2)
446 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
447 正しいものの組合せは,
448 後記1
449 から5までのうちどれか。
450
451 (解答欄は,
452 [bW])
453 ア.甲は,
454 同僚Aを会社の備品倉庫内に閉じ込めて困らせようと考え,
455 午後7時頃,
456 Aが一人で
457 作業をしていた同倉庫の全ての出入口扉に外側から鍵を掛けた。
458
459 Aはそのことに気付かず,
460 も
461 ともと同倉庫で深夜遅くまで仕事をするつもりであったので,
462 そのまま作業を続けていたとこ
463 ろ,
464 午後10時頃,
465 たまたま同倉庫にやって来た他の従業員が出入口扉の鍵を開けた。
466
467 この場
468 合,
469 甲には監禁罪は成立し得ない。
470
471
472 イ.甲は,
473 別居中の元妻Aが単独で親権を有する生後数日のBを連れ去ろうと考え,
474 A方を訪問
475 した上,
476 Aがトイレに行っている隙に,
477 ベビーベッドで寝ていたBを連れ去った。
478
479 この場合,
480
481 Bには移動の自由が全くないから,
482 甲には未成年者略取罪は成立し得ない。
483
484
485 ウ.甲は,
486 捜査車両をのぞき見て同車両のナンバーを把握するため,
487 警察署の建物及び敷地への
488 外部からの立入りを制限するとともに内部をのぞき見ることができない構造として作用し,
489 建
490 物の利用のために供されている高さ約2.5メートルのコンクリート塀を正当な理由なくよじ
491 登り,
492 その上部に立って同警察署の敷地内の捜査車両を見て立ち去った。
493
494 この場合,
495 甲には建
496 造物侵入罪は成立し得ない。
497
498
499 エ.甲は,
500 Aに恨みを抱き,
501 「ふざけるな。
502
503 おまえの妻Bを酷い目に遭わせてやる。
504
505 」という電子
506 メールをA宛てに送り付けた。
507
508 BがAの内縁の妻であった場合,
509 甲には脅迫罪は成立し得ない。
510
511
512 オ.甲は,
513 深夜,
514 A方に侵入し,
515 泥酔して熟睡中のAにわいせつ行為をして,
516 Aに全く気付かれ
517 ないままA方を出た後,
518 A方から約100メートル離れた路上で,
519 警ら中の警察官Bから職務
520 質問を受けたため,
521 逮捕を免れる目的で,
522 Bを拳骨で殴打してBに傷害を負わせた。
523
524 この場合,
525
526 甲には準強制わいせつ致傷罪は成立し得ない。
527
528
529 1.ア
530
531 イ
532
533 2.ア
534
535 オ
536
537 3.イ
538
539 ウ
540
541 4.ウ
542
543 エ
544
545 5.エ
546
547 オ
548
549 〔第8問〕(配点:3)
550 不能犯と未遂犯を区別する基準についての次の【見解】に関する後記1から5までの各【記述】
551 を検討し,
552 正しいものを2個選びなさい。
553
554 (解答欄は,
555 [bX],
556 [10]順不同)
557 【見
558
559 解】
560 行為当時に一般人が認識し得た事情及び行為者が特に認識した事情を基礎とし,
561 一般人を基準
562
563 に結果発生の危険性があるか否かの判断による。
564
565
566 【記
567
568 述】
569
570 1.この【見解】によれば,
571 人を殺そうとして,
572 客観的には死の結果を引き起こさない量の空気
573 を人の血管内に注射した場合,
574 殺人未遂罪の成立が認められる余地がある。
575
576
577 2.この【見解】によれば,
578 結果発生の危険性の有無は,
579 実際に存在した事実のほかにどのよう
580 な事実が存在すれば結果が発生し得たかを事後的見地から検討し,
581 そのような事実が行為時に
582 存在し得る可能性の程度を考慮して判断することになる。
583
584
585 3.この【見解】によれば,
586 人を殺そうとして,
587 一般人ならば明らかに砂糖と分かる黒糖を毒薬
588 と思い込んで紅茶に入れて飲ませた場合,
589 この行為者の認識した事情を基礎として,
590 一般人を
591 基準に,
592 この行為による死の結果発生の危険性の有無を判断することになる。
593
594
595 4.この【見解】によれば,
596 行為者が特に認識した事情も基礎とされるので,
597 結果を引き起こす
598 特別な事情を認識している行為者による行為には結果発生の危険性が認められ,
599 その事情を認
600 識していない行為者による行為には結果発生の危険性が認められない場合がある。
601
602
603 5.この【見解】によれば,
604 結果が発生しなかった原因が科学的に説明できる場合には,
605 常に結
606 果発生の危険性は否定されることになる。
607
608
609
610 - 5 -
611
612 〔第9問〕(配点:2)
613 学生A,
614 B及びCは,
615 次の【事例】における甲の罪責について,
616 後記【会話】のとおり議論して
617 いる。
618
619 【会話】中の@からCまでの(
620
621 )内から適切なものを選んだ場合,
622 正しいものの組合せは,
623
624
625 後記1から5までのうちどれか。
626
627 (解答欄は,
628 [11])
629 【事
630
631 例】
632 甲は,
633 過失による自動車追突事故を偽装して保険会社から保険金を詐取することを計画し,
634 乙
635
636 に同計画を打ち明け,
637 乙の真意に基づく同意を得た上で,
638 自己の運転する自動車を乙が運転する
639 自動車に追突させた。
640
641 その結果,
642 乙は軽微な傷害を負った。
643
644
645 【会
646
647 話】
648
649 学生A.被害者が自己の身体に対する傷害を同意した場合に傷害罪が成立するか否かにつき,
650 私
651 は,
652 判例と@(a.同様の・b.異なる)立場に立っており,
653 単に同意が存在するという
654 事実だけではなく,
655 その同意を得た動機,
656 目的,
657 身体傷害の手段,
658 方法,
659 損傷の部位,
660 程
661 度など諸般の事情を照らし合わせて,
662 傷害罪の成否を決すべきであると考えます。
663
664 乙の同
665 意は,
666 保険金詐取という違法な目的に利用するために得られた違法なものであり,
667 これに
668 より,
669 乙に対する傷害行為の違法性が阻却されることはないので,
670 甲には傷害罪が成立す
671 ると考えます。
672
673
674 学生B.A君の見解に対しては,
675 A(c.個人の自己決定権を重視し過ぎている・d.不可罰で
676 ある詐欺の予備行為を傷害罪で処罰することになる)という批判があります。
677
678
679 学生C.私は,
680 乙の有効な同意がある限り,
681 刑法によって保護すべき法益の侵害がないので,
682 乙
683 に対する傷害行為については,
684 傷害罪の構成要件該当性を欠き,
685 甲には傷害罪が成立しな
686 いと考えます。
687
688
689 学生A.C君の見解に対しては,
690 B(e.傷害罪の処罰根拠と合理的な関連性のない事情を考慮
691 し過ぎている・f.死亡の結果が発生した場合に傷害致死罪が不成立となるのは不当であ
692 る)と批判することが可能です。
693
694
695 学生C.同意殺人罪に対応する同意傷害罪の規定がない以上,
696 私の見解のように,
697 同意傷害は不
698 可罰であると解すべきです。
699
700
701 学生B.しかし,
702 C(g.同意殺人罪の法定刑に比して傷害罪の法定刑は重い・h.同意殺人罪
703 は,
704 殺人罪の法定刑の下限の重さが考慮されて,
705 その減軽類型として特に設けられたもの
706 である)ので,
707 同意傷害罪の規定がないことは理由にならないと思います。
708
709
710 1.@a
711
712 Ac
713
714 Be
715
716 Ch
717
718 2.@a
719
720 Ad
721
722 Bf
723
724 Cg
725
726 3.@a
727
728 Ad
729
730 Bf
731
732 Ch
733
734 4.@b
735
736 Ac
737
738 Be
739
740 Cg
741
742 5.@b
743
744 Ad
745
746 Bf
747
748 Cg
749
750 - 6 -
751
752 〔第10問〕(配点:2)
753 賄賂罪(あっせん収賄罪を除く。
754
755 )に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検
756 討した場合,
757 正しいものの組合せは,
758 後記1から5までのうちどれか。
759
760 (解答欄は,
761 [12])
762 ア.賄賂罪の「賄賂」は,
763 公務員の職務に関する不正な利益であれば足り,
764 個別の職務行為との
765 間に具体的な対価関係があることを要しない。
766
767
768 イ.賄賂罪は,
769 賄賂を収受し,
770 又はその要求若しくは約束をした時点でそれらの行為をした者が
771 公務員でなければ,
772 いかなる場合でも成立しない。
773
774
775 ウ.賄賂罪の「職務」とは,
776 公務員がその地位に伴い公務として取り扱うべき執務をいうが,
777 独
778 立の決裁権限がなく,
779 単に上司の補助をする立場の公務員が取り扱う事務はこれに該当しない。
780
781
782 エ.賄賂罪の「職務」は,
783 公務員の一般的職務権限に属するものであれば足り,
784 公務員が現に具
785 体的に担当している事務であることを要しない。
786
787
788 オ.賄賂罪の「職務」は,
789 賄賂を収受し,
790 又はその要求若しくは約束をした時点で公務員の一般
791 的職務権限に属している必要があり,
792 公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後
793 に前の職務に関して賄賂を収受した場合には,
794 賄賂罪は成立しない。
795
796
797 1.ア
798
799 ウ
800
801 2.ア
802
803 エ
804
805 3.イ
806
807 エ
808
809 4.イ
810
811 オ
812
813 5.ウ
814
815 オ
816
817 〔第11問〕(配点:2)
818 責任能力に関する次の1から5までの各記述のうち,
819 判例の立場に従って検討した場合,
820 正しい
821 ものはどれか。
822
823 (解答欄は,
824 [13])
825 1.裁判所は,
826 責任能力の有無・程度について,
827 専門家たる精神医学者の意見を十分に尊重して
828 判定すべきであるから,
829 精神鑑定の意見の一部だけを採用することは許されない。
830
831
832 2.行為者が犯行時に心神耗弱状態にあった場合でも,
833 その刑を減軽しないことができる。
834
835
836 3.犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,
837 行動を制御する能力が十
838 分に保たれていれば,
839 完全責任能力が認められることがある。
840
841
842 4.精神の障害がなければ,
843 心神喪失又は心神耗弱と認められる余地はない。
844
845
846 5.14歳の者は,
847 事物の是非善悪を弁識し,
848 その弁識に従って行動する能力が十分に認められ
849 る場合であっても,
850 処罰されない。
851
852
853
854 - 7 -
855
856 〔第12問〕(配点:2)
857 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
858 正しいものはどれか。
859
860 (解答欄
861 は,
862 [14])
863 1.甲は,
864 Aから現金を借り入れるに当たり,
865 借入金をAに自ら返済する意思も能力もないのに,
866
867 乙に対し,
868 「自分がAに返済するので,
869 保証人として名前を貸してほしい。
870
871 」とうそを言い,
872 そ
873 の旨乙を誤信させ,
874 乙に,
875 Aを貸主,
876 甲を借主とする消費貸借契約書の保証人欄に署名押印さ
877 せた。
878
879 乙は錯誤に基づいて署名押印しているから,
880 甲には有印私文書偽造罪の間接正犯が成立
881 する。
882
883
884 2.甲は,
885 取引先乙に見せて自己に信用があることを誇示するだけの目的で,
886 偽造された約束手
887 形を真正なものとして乙に提示した。
888
889 偽造有価証券行使罪の「行使」といえるためには,
890 偽造
891 有価証券を真正なものとして流通に置く必要があるから,
892 甲には同罪は成立しない。
893
894
895 3.甲は,
896 偽名を用いて会社に就職しようと考え,
897 同会社に提出する目的で,
898 履歴書用紙に,
899 架
900 空人Aの氏名を記載し,
901 その氏名の横にAと刻した印鑑を押印するとともに,
902 自己の顔写真を
903 貼り付けて履歴書を作成した。
904
905 同履歴書の作成名義人と作成者との人格の同一性にそごを生じ
906 させるものとは認められないから,
907 甲には有印私文書偽造罪は成立しない。
908
909
910 4.甲は,
911 信販会社の財産上の事務処理を誤らせる目的で,
912 権限がないのに,
913 同会社の会員名義
914 のクレジットカードの電磁的記録を白地のカード板の磁気部分に印磁して,
915 クレジットカード
916 を構成する電磁的記録を作成したが,
917 その外観は一般人が真正な支払用カードと誤認する程度
918 のものではなかった。
919
920 支払用カード電磁的記録不正作出罪が成立するためには,
921 一般人が真正
922 な支払用カードと誤認する程度の外観を備える必要はないから,
923 甲には同罪が成立する。
924
925
926 5.県立高校を中途退学した甲は,
927 父親乙に見せて安心させるだけの目的で,
928 偽造された同高校
929 校長A名義の甲の卒業証書を真正なものとして乙に提示した。
930
931 甲は,
932 同卒業証書を乙に見せた
933 だけであり,
934 公文書に対する公共の信用を害するおそれがないから,
935 甲には偽造有印公文書行
936 使罪は成立しない。
937
938
939
940 - 8 -
941
942 〔第13問〕(配点:4)
943 次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し,
944 正しい場合
945 には1を,
946 誤っている場合には2を選びなさい。
947
948 (解答欄は,
949 アからオの順に[15]から[
950 19])
951 【事
952
953 例】
954 甲は,
955 別居している実弟Aとの間で,
956 自己が所有するX市内の土地(以下「本件土地」とい
957
958 う。
959
960 )を代金3000万円で売却する売買契約を締結し,
961 Aから代金全額の支払を受けたものの,
962
963 本件土地の所有権移転登記は未了のままであった。
964
965
966 そこで,
967 甲は,
968 自己が経営する会社の資金繰りのため,
969 自らが保管していた本件土地の登記済
970 証を利用し,
971 事情を知らないBに対して,
972 本件土地に抵当権を設定するので,
973 それを担保に10
974 00万円を融資してほしい旨申し入れたところ,
975 Bは,
976 これを了承した。
977
978 数日後,
979 甲は,
980 Bから
981 1000万円の融資を受けた上,
982 Aに無断で本件土地の抵当権設定登記を完了した。
983
984
985 X市の土木部長である乙は,
986 本件土地を乙個人として購入したいと考え,
987 甲に対して,
988 その旨
989 を申し入れた。
990
991 甲は,
992 乙に対して,
993 本件土地は既にAに売却済みであるが,
994 登記名義は自分に残
995 っているので,
996 代金2000万円で売却してもよい旨を伝えたところ,
997 乙は,
998 これを了承した。
999
1000
1001 そして,
1002 乙は,
1003 Y市内に時価700万円の農地(以下「本件農地」という。
1004
1005 )を所有していたこ
1006 とから,
1007 本件土地の購入資金を調達するため,
1008 それまでにX市発注の公共工事の受注に際して,
1009
1010 土木部長として便宜を図ってきた建築業を営むCに対して,
1011 本件農地を時価で買い取ってほしい
1012 旨を依頼した。
1013
1014 Cは,
1015 本件農地にはそれまで買手が全く見付からず,
1016 乙が苦労していることを知
1017 りながら,
1018 かねてX市発注の公共工事の受注に際して乙が有利な取り計らいをしてくれたことに
1019 対する謝礼の趣旨に加え,
1020 時価であれば損をすることもないと考えて,
1021 乙の依頼を了承した。
1022
1023 そ
1024 して,
1025 Cは,
1026 乙と本件農地の売買契約を締結した上で,
1027 乙に現金700万円を手渡した。
1028
1029
1030 その後,
1031 甲は,
1032 Aに無断で乙と本件土地の売買契約を締結し,
1033 乙から代金全額の支払を受けた
1034 上,
1035 本件土地の所有権が売買により乙に移転した旨の登記を完了した。
1036
1037
1038 【記
1039
1040 述】
1041
1042 ア.甲がAに無断で本件土地に抵当権を設定し,
1043 その旨の登記を完了したことについては,
1044 甲に
1045 横領罪が成立するが,
1046 Aは甲の実弟であるので,
1047 告訴がなければ公訴を提起することができな
1048 い。
1049
1050 [15]
1051 イ.甲が本件土地をAに無断で乙に売却し,
1052 所有権移転登記を完了したことについては,
1053 それ以
1054 前に甲がAに無断で本件土地に抵当権を設定し,
1055 その旨の登記を完了したことによって,
1056 犯罪
1057 の成立は妨げられないので,
1058 甲に横領罪が成立する。
1059
1060 [16]
1061 ウ.乙は,
1062 本件農地を時価でCに売却したのであるから,
1063 乙がCから交付を受けた現金700万
1064 円は通常の経済取引に基づく不動産の購入代金であり,
1065 不正な利益としての賄賂には当たらな
1066 いので,
1067 乙に収賄罪(収受)は成立しない。
1068
1069 [17]
1070 エ.仮に,
1071 乙が,
1072 Cに対して,
1073 時価を超える1000万円で本件農地を購入するよう依頼したが,
1074
1075 Cはこの依頼を拒否した場合,
1076 収賄罪と贈賄罪は対向犯として必要的共犯の関係にあるので,
1077
1078 乙に収賄罪(要求)は成立しない。
1079
1080 [18]
1081 オ.乙は,
1082 甲から本件土地が既にAに売却済みであることを知らされながら,
1083 Aに無断で本件土
1084 地を購入し,
1085 所有権移転登記を完了したのであるから,
1086 乙に横領罪の共同正犯が成立する。
1087
1088
1089 [19]
1090
1091 - 9 -
1092
1093 [刑事訴訟法]
1094 〔第14問〕(配点:2)
1095 捜査の端緒に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1096 正しいものは幾つあるか。
1097
1098 後記1から6
1099 までのうちから選びなさい。
1100
1101 ただし,
1102 判例がある場合には,
1103 それに照らして考えるものとする。
1104
1105
1106 (解答欄は,
1107 [20])
1108 ア.検視を行うに当たっては,
1109 死因の確認のために,
1110 令状なくして,
1111 対象となる死体から注射器
1112 を用いて血液を採取したり,
1113 腹部を切開したりすることができる。
1114
1115
1116 イ.被害者の法定代理人たる親権者が2人いるときは,
1117 その各自が被害者の法定代理人として,
1118
1119 告訴をすることができる。
1120
1121
1122 ウ.司法警察員は,
1123 告発を受けたときは,
1124 速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付
1125 しなければならない。
1126
1127
1128 エ.検察官又は司法警察員は,
1129 口頭による自首を受けたときは調書を作らなければならない。
1130
1131
1132 オ.警察官は,
1133 異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯したと疑う
1134 に足りる相当な理由のある者を停止させて質問することはできるが,
1135 質問するため,
1136 付近の警
1137 察署に同行することを求めることはできない。
1138
1139
1140 1.0個
1141
1142 2.1個
1143
1144 3.2個
1145
1146 4.3個
1147
1148 5.4個
1149
1150 6.5個
1151
1152 〔第15問〕(配点:2)
1153 緊急逮捕に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1154 正しいものは幾つあるか。
1155
1156 後記1から6ま
1157 でのうちから選びなさい。
1158
1159 (解答欄は,
1160 [21])
1161 ア.司法巡査が緊急逮捕することは許されない。
1162
1163
1164 イ.司法警察員は,
1165 留置の必要がないと思料するときでも,
1166 緊急逮捕した被疑者を釈放すること
1167 は許されず,
1168 検察官に送致する手続をしなければならない。
1169
1170
1171 ウ.緊急逮捕における逮捕の理由の告知は,
1172 被疑者に逮捕状を示す際にすれば足りる。
1173
1174
1175 エ.緊急逮捕状の請求は,
1176 警察官たる司法警察員については,
1177 国家公安委員会又は都道府県公安
1178 委員会が指定する警部以上の者に限り,
1179 これを行うことができる。
1180
1181
1182 オ.緊急逮捕した被疑者を検察官に送致する手続は,
1183 逮捕状の発付を受けた時から48時間以内
1184 にしなければならない。
1185
1186
1187 1.0個
1188
1189 2.1個
1190
1191 3.2個
1192
1193 4.3個
1194
1195 5.4個
1196
1197 6.5個
1198
1199 〔第16問〕(配点:2)
1200 被疑者の勾留理由開示に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1201 正しいものの組合せは,
1202 後記
1203 1から5までのうちどれか。
1204
1205 (解答欄は,
1206 [22])
1207 ア.勾留の理由の開示は,
1208 被疑者及びその弁護人に限り請求することができる。
1209
1210
1211 イ.勾留の理由の開示は,
1212 公開の法廷でしなければならない。
1213
1214
1215 ウ.検察官が出頭しないときは,
1216 勾留理由開示の法廷を開くことはできない。
1217
1218
1219 エ.勾留の理由を開示するには,
1220 勾留の基礎となっている犯罪事実と,
1221 勾留されている者が罪を
1222 犯したことを疑うに足りる相当な理由を告げれば足りる。
1223
1224
1225 オ.勾留理由開示の法廷に出頭した被疑者及び弁護人は,
1226 意見を述べることができる。
1227
1228
1229 1.ア
1230
1231 イ
1232
1233 2.ア
1234
1235 エ
1236
1237 3.イ
1238
1239 オ
1240
1241 4.ウ
1242
1243 - 10 -
1244
1245 エ
1246
1247 5.ウ
1248
1249 オ
1250
1251 〔第17問〕(配点:2)
1252 逮捕に伴う令状によらない捜索差押えに関する次のアからオまでの各記述のうち,
1253 誤っているも
1254 のの組合せは,
1255 後記1から5までのうちどれか。
1256
1257 ただし,
1258 判例がある場合には,
1259 それに照らして考
1260 えるものとする。
1261
1262 (解答欄は,
1263 [23])
1264 ア.被疑者を逮捕状により逮捕する場合には,
1265 逮捕に伴う令状によらない捜索差押えをすること
1266 はできない。
1267
1268
1269 イ.証拠物について,
1270 逮捕に伴う令状によらない捜索差押えを行い得るのは,
1271 逮捕の着手後に限
1272 られる。
1273
1274
1275 ウ.警察官は,
1276 現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは,
1277 人の住居に入り被疑者の捜
1278 索をすることができる。
1279
1280
1281 エ.逮捕現場付近で逮捕に伴う令状によらない捜索差押えをすると被疑者の抵抗による混乱等が
1282 生じるとの事情があるときは,
1283 被疑者を捜索の実施に適する最寄りの場所に連行した上,
1284 逮捕
1285 に伴う令状によらない捜索差押えをすることができる。
1286
1287
1288 オ.被疑者を緊急逮捕し,
1289 逮捕に伴う令状によらない捜索差押えをしたが,
1290 逮捕状が発付されな
1291 かった場合には,
1292 差押物は直ちにこれを還付しなければならない。
1293
1294
1295 1.ア
1296
1297 イ
1298
1299 2.ア
1300
1301 エ
1302
1303 3.イ
1304
1305 オ
1306
1307 4.ウ
1308
1309 オ
1310
1311 5.ウ
1312
1313 エ
1314
1315 〔第18問〕(配点:2)
1316 次のアからオまでの各記述のうち,
1317 誤っているものの組合せは,
1318 後記1から5までのうちどれか。
1319
1320
1321 (解答欄は,
1322 [24])
1323 ア.被疑者については,
1324 保釈の請求をすることはできない。
1325
1326
1327 イ.弁護人は,
1328 起訴後,
1329 裁判所が行う捜索差押えに立ち会うことができる。
1330
1331
1332 ウ.弁護人は,
1333 被告人の明示の同意がなければ,
1334 証拠調べを請求することができない。
1335
1336
1337 エ.弁護人は,
1338 あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情が
1339 あるときは,
1340 第1回の公判期日前に限り,
1341 裁判官に証人の尋問を請求することができる。
1342
1343
1344 オ.第一審で有罪判決を受けた被告人の弁護人は,
1345 改めて弁護人に選任されなければ控訴をする
1346 ことができない。
1347
1348
1349 1.ア
1350
1351 イ
1352
1353 2.ア
1354
1355 ウ
1356
1357 3.イ
1358
1359 エ
1360
1361 4.ウ
1362
1363 - 11 -
1364
1365 オ
1366
1367 5.エ
1368
1369 オ
1370
1371 〔第19問〕(配点:3)
1372 次のアからオまでの各記述のうち,
1373 正しいものには1を,
1374 誤っているものには2を選びなさい。
1375
1376
1377 ただし,
1378 判例がある場合には,
1379 それに照らして考えるものとする。
1380
1381 (解答欄は,
1382 アからオの順に
1383 [25]から[29])
1384 ア.刑事訴訟法上,
1385 捜査機関による取調べにおいて,
1386 被疑者が供述を拒むことができる事項に限
1387 定はない。
1388
1389 [25]
1390 イ.刑事訴訟法上,
1391 捜査機関は,
1392 被害者,
1393 目撃者など被疑者以外の者に対して取調べを行うに際
1394 しても,
1395 自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
1396
1397 [26]
1398 ウ.呼気検査は,
1399 酒気を帯びて車両等を運転することの防止を目的として運転者らから呼気を採
1400 取してアルコール保有の程度を調査するものであり,
1401 その供述を得ようとするものではないか
1402 ら,
1403 検査を拒んだ者を処罰する道路交通法の規定は,
1404 憲法第38条第1項に違反しない。
1405
1406 [
1407 27]
1408 エ.身体の拘束を受けている被疑者に取調べのために出頭し,
1409 滞留する義務があると解すること
1410 は,
1411 直ちに被疑者からその意思に反して供述することを拒否する自由を奪うことを意味するも
1412 のではないから,
1413 憲法第38条第1項に違反しない。
1414
1415 [28]
1416 オ.公判前整理手続において被告人又は弁護人に主張明示義務を課す刑事訴訟法第316条の1
1417 7の規定は,
1418 被告人に対し,
1419 自己が刑事責任を問われるおそれのある事項について認めるよう
1420 に義務付けるものではなく,
1421 また,
1422 主張すること自体を強要するものでもないから,
1423 憲法第3
1424 8条第1項に違反しない。
1425
1426 [29]
1427 〔第20問〕(配点:3)
1428 次のアからオまでの各記述のうち,
1429 正しいものには1を,
1430 誤っているものには2を選びなさい。
1431
1432
1433 ただし,
1434 判例がある場合には,
1435 それに照らして考えるものとする。
1436
1437 (解答欄は,
1438 アからオの順に
1439 [30]から[34])
1440 ア.恐喝の手段として被害者に郵送された脅迫文書の趣旨が,
1441 その内容を相当詳細に摘示しなけ
1442 れば判明し難いような場合には,
1443 公訴事実に脅迫文書の全文とほとんど同様の記載をしたとし
1444 ても,
1445 刑事訴訟法第256条第6項に違反しない。
1446
1447 [30]
1448 イ.詐欺罪の公訴事実中に被告人の詐欺の前科を記載することは原則として刑事訴訟法第256
1449 条第6項に違反して許されないが,
1450 被告人が同前科による刑の執行猶予中である場合には,
1451 そ
1452 の前科を公訴事実中に記載する必要がある。
1453
1454 [31]
1455 ウ.起訴状には,
1456 裁判官に事件につき予断を生じさせるおそれのある書類その他の物を添付する
1457 ことが禁止されているので,
1458 検察官が勾留されている被疑者について公訴を提起する際に,
1459 起
1460 訴状の提出と同時に,
1461 被告人の逮捕状や勾留状をその裁判所の裁判官に差し出すことは許され
1462 ない。
1463
1464 [32]
1465 エ.公訴事実中に裁判官に予断を生じさせるおそれのある事項を記載したときは,
1466 これによって
1467 既に生じた違法性は,
1468 その性質上もはや治癒することができず,
1469 裁判所は,
1470 判決で公訴を棄却
1471 しなければならない。
1472
1473 [33]
1474 オ.即決裁判手続においては,
1475 刑事訴訟法第256条第6項の適用はない。
1476
1477 [34]
1478
1479 - 12 -
1480
1481 〔第21問〕(配点:3)
1482 次のアからオまでの各記述のうち,
1483 正しいものの組合せは,
1484 後記1から5までのうちどれか。
1485
1486 た
1487 だし,
1488 判例がある場合には,
1489 それに照らして考えるものとする。
1490
1491 (解答欄は,
1492 [35])
1493 ア.共謀共同正犯において,
1494 「共謀」は,
1495 罪となるべき事実にほかならないから,
1496 訴因において
1497 その存在を明示することを要し,
1498 これを認定するためには厳格な証明によらなければならない。
1499
1500
1501 イ.殺人罪の共同正犯において,
1502 実行行為者が誰であるかは,
1503 罪となるべき事実の特定に不可欠
1504 とはいえないものの,
1505 一般的に,
1506 被告人の防御にとって重要な事項であるから,
1507 検察官は,
1508
1509 訴因に実行行為者を明示しなければならない。
1510
1511
1512 ウ.検察官において,
1513 共謀共同正犯の存在に言及することなく,
1514 被告人が1人で原動機付自転車
1515 を窃取したという窃盗の訴因で公訴を提起した場合に,
1516 裁判所が,
1517 証拠上,
1518 他に実行行為を行
1519 っていない共謀共同正犯者が存在するとの心証を得たときは,
1520 被告人1人の行為により犯罪構
1521 成要件の全てが満たされたと認めるときであっても,
1522 検察官に対し,
1523 訴因の変更を積極的に促
1524 し,
1525 又はこれを命じなければならない。
1526
1527
1528 エ.被告人が共謀共同正犯として起訴された事件において,
1529 検察官が主張せず,
1530 被告人側も防御
1531 活動を行っていない日時における謀議について,
1532 裁判所が,
1533 争点としてこれを顕在化させる措
1534 置を採ることなく,
1535 その日時における謀議への被告人の関与を認定したとしても,
1536 取り調べた
1537 証拠から認定したものである限り,
1538 被告人に不意打ちを与え,
1539 その防御権を不当に侵害するも
1540 のとして違法となることはない。
1541
1542
1543 オ.被告人及びAを共同正犯とする殺人被告事件において,
1544 実行行為者が誰であるかが争点とな
1545 り,
1546 審理を尽くしても実行行為者を特定するに至らなかった場合には,
1547 裁判所は,
1548 実行行為者
1549 につき,
1550 「被告人若しくはA又はその両名」と認定し,
1551 その旨を罪となるべき事実として判示
1552 することが,
1553 許されることがある。
1554
1555
1556 1.ア
1557
1558 イ
1559
1560 2.イ
1561
1562 ウ
1563
1564 3.ウ
1565
1566 エ
1567
1568 4.エ
1569
1570 オ
1571
1572 5.ア
1573
1574 オ
1575
1576 〔第22問〕(配点:2)
1577 被告人の勾留に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1578 正しいものは幾つあるか。
1579
1580 後記1から
1581 6までのうちから選びなさい。
1582
1583 (解答欄は,
1584 [36])
1585 ア.裁判所は,
1586 検察官の請求がなければ,
1587 被告人を勾留することができない。
1588
1589
1590 イ.勾留されている被疑者につき公訴の提起があった場合,
1591 その被告人の勾留の期間は,
1592 公訴の
1593 提起があった日から1か月である。
1594
1595
1596 ウ.裁判所は,
1597 逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは,
1598 検察官の請
1599 求により又は職権で,
1600 勾留されている被告人と弁護人との接見を禁じることができる。
1601
1602
1603 エ.勾留されている被告人につき,
1604 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは,
1605 保
1606 釈は一切許されない。
1607
1608
1609 オ.刑の全部の執行猶予の裁判の告知があったときは,
1610 勾留状はその効力を失う。
1611
1612
1613 1.0個
1614
1615 2.1個
1616
1617 3.2個
1618
1619 4.3個
1620
1621 - 13 -
1622
1623 5.4個
1624
1625 6.5個
1626
1627 〔第23問〕(配点:2)
1628 裁判員裁判に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1629 正しいものの組合せは,
1630 後記1から5ま
1631 でのうちどれか。
1632
1633 (解答欄は,
1634 [37])
1635 ア.裁判員の参加する合議体の構成は,
1636 原則として,
1637 裁判官3人,
1638 裁判員6人である。
1639
1640
1641 イ.裁判員の選任手続は,
1642 公開の法廷で行われる。
1643
1644
1645 ウ.検察官が,
1646 裁判員候補者につき不選任の請求をする場合,
1647 必ず理由を示さなければならない。
1648
1649
1650 エ.補充裁判員は,
1651 裁判員の員数が不足した場合に,
1652 不足した裁判員に代わって裁判員に選任さ
1653 れるが,
1654 選任されるまでは,
1655 訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧することはできない。
1656
1657
1658 オ.法令の解釈に係る判断については,
1659 裁判官のみの合議によってなされる。
1660
1661
1662 1.ア
1663
1664 ウ
1665
1666 2.ア
1667
1668 オ
1669
1670 3.イ
1671
1672 ウ
1673
1674 4.イ
1675
1676 エ
1677
1678 5.エ
1679
1680 オ
1681
1682 〔第24問〕(配点:2)
1683 次のアからオまでの各記述のうち,
1684 誤っているものの組合せは,
1685 後記1から5までのうちどれか。
1686
1687
1688 (解答欄は,
1689 [38])
1690 ア.主尋問において,
1691 誘導尋問をすることができる場合がある。
1692
1693
1694 イ.証人の記憶が明らかでない事項についてその記憶を喚起するため必要があるときは,
1695 裁判長
1696 の許可を受けずに,
1697 書面を証人に示して尋問することができる。
1698
1699
1700 ウ.証人は,
1701 自己の祖父が刑事訴追を受け,
1702 又は有罪判決を受けるおそれのある証言を拒むこと
1703 ができる。
1704
1705
1706 エ.裁判官は,
1707 検察官の請求により第1回公判期日前に証人尋問を実施する場合は,
1708 被告人,
1709 被
1710 疑者又は弁護人をその尋問に立ち会わせなければならない。
1711
1712
1713 オ.裁判所は,
1714 証人が被告人の面前においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認
1715 めるときは,
1716 弁護人が出頭している場合に限り,
1717 検察官及び弁護人の意見を聴き,
1718 その証人の
1719 供述中被告人を退廷させることができる。
1720
1721
1722 1.ア
1723
1724 エ
1725
1726 2.ア
1727
1728 オ
1729
1730 3.イ
1731
1732 ウ
1733
1734 4.イ
1735
1736 - 14 -
1737
1738 エ
1739
1740 5.ウ
1741
1742 オ
1743
1744 〔第25問〕(配点:3)
1745 次のアからオまでの各記述のうち,
1746 誤っているものの組合せは,
1747 後記1から5までのうちどれか。
1748
1749
1750 ただし,
1751 判例がある場合には,
1752 それに照らして考えるものとする。
1753
1754 (解答欄は,
1755 [39])
1756 ア.刑事訴訟法第321条第3項所定の書面の作成主体は「検察官,
1757 検察事務官又は司法警察職
1758 員」とされているところ,
1759 火災原因の調査,
1760 判定に関して特別の学識経験を有する者は,
1761 私人
1762 であっても同項の作成主体に準ずるものと解されるから,
1763 同人の作成した燃焼実験報告書につ
1764 いても,
1765 同項の書面に準ずるものとして,
1766 同項により証拠能力を認めることができる。
1767
1768
1769 イ.捜査官が,
1770 被疑者の供述内容を明確にすることを主たる目的にして,
1771 被疑者に犯行状況につ
1772 いて再現させた結果を記録した実況見分調書の要証事実が,
1773 再現されたとおりの犯罪事実の存
1774 在と解されるときは,
1775 このような内容の実況見分調書の証拠能力については,
1776 刑事訴訟法第3
1777 26条の同意が得られない場合には,
1778 同法第321条第3項所定の要件を満たす必要があるこ
1779 とはもとより,
1780 被告人である再現者の供述の録取部分については同法第322条第1項所定の
1781 要件を,
1782 写真部分については署名押印を除く同項所定の要件を,
1783 それぞれ満たす必要がある。
1784
1785
1786 ウ.刑事訴訟法第323条第2号の「業務の通常の過程において作成された書面」に該当するか
1787 否かは,
1788 その書面自体だけから判断されなければならず,
1789 その作成者の証言等関係証拠を考慮
1790 に入れて判断することは許されない。
1791
1792
1793 エ.犯行の状況を撮影したいわゆる現場写真は,
1794 非供述証拠に属し,
1795 当該写真自体又はその他の
1796 証拠により事件との関連性を認め得る限り証拠能力を具備するものであって,
1797 これを証拠とし
1798 て採用するためには,
1799 必ずしも撮影者らに現場写真の作成過程ないし事件との関連性を証言さ
1800 せることを要しない。
1801
1802
1803 オ.刑事訴訟法第328条により許容される証拠は,
1804 信用性を争う供述をした者のそれと矛盾す
1805 る内容の供述が,
1806 同人の供述書,
1807 供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限
1808 る。
1809
1810 ),
1811 同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述又はこれらと同視し得る証拠の中に現れ
1812 ている部分に限られる。
1813
1814
1815 1.ア
1816
1817 ウ
1818
1819 2.ア
1820
1821 オ
1822
1823 3.イ
1824
1825 ウ
1826
1827 4.イ
1828
1829 エ
1830
1831 5.エ
1832
1833 オ
1834
1835 〔第26問〕(配点:2)
1836 次のアからオまでの各記述のうち,
1837 正しいものの組合せは,
1838 後記1から5までのうちどれか。
1839
1840 た
1841 だし,
1842 判例がある場合には,
1843 それに照らして考えるものとする。
1844
1845 (解答欄は,
1846 [40])
1847 ア.控訴の提起期間は,
1848 刑事訴訟法上,
1849 10日と定められている。
1850
1851
1852 イ.判決の主文と理由に食い違いがある場合,
1853 それが判決に影響を及ぼすことが明らかであると
1854 きに限り,
1855 控訴を申し立てることができる。
1856
1857
1858 ウ.控訴審において,
1859 裁判所は,
1860 公判期日に被告人が出頭しなければ開廷することができない。
1861
1862
1863 エ.控訴裁判所は,
1864 必要と認めるときは,
1865 原判決の言渡し後に生じた刑の量定に影響を及ぼすべ
1866 き情状について取り調べることができる。
1867
1868
1869 オ.控訴裁判所は,
1870 被告人のみが控訴をした事件について,
1871 原判決の刑より重い刑を言い渡すこ
1872 とはできない。
1873
1874
1875 1.ア
1876
1877 ウ
1878
1879 2.ア
1880
1881 エ
1882
1883 3.イ
1884
1885 ウ
1886
1887 4.イ
1888
1889 - 15 -
1890
1891 オ
1892
1893 5.エ
1894
1895 オ
1896
1897