1 論文式試験問題集[公法系科目第1問]
2
3 - 1 -
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 20**年,
8 A市では,
9 性的な画像を含む書籍の販売等の在り方に対し,
10 市民から様々な意見や
11 要望があることを踏まえ,
12 新たな条例の制定が検討されることとなった。
13
14 この条例の検討に関わっ
15 ている市の担当者Xは,
16 憲法上の問題についての意見を求めるため,
17 条例案を持参して法律家甲の
18 ところを訪れた。
19
20 【別添資料】は,
21 その条例案の抜粋である。
22
23 法律家甲と担当者Xとの間でのやり
24 取りは以下のとおりであった。
25
26
27 甲:新しい条例が検討されているのはどのような理由からですか。
28
29
30 X:いわゆる「成人向け」「アダルトもの」と呼ばれる雑誌だけでなく,
31 最近では一般の週刊誌と
32 して販売される雑誌を含む様々な出版物等に,
33 裸の女性の写真など性的な画像が掲載され,
34 それ
35 らがスーパーマーケットやコンビニエンスストアなど市民が食料品や生活用品を購入するために
36 日常的に利用する店舗で販売されています。
37
38 近年,
39 一部のコンビニエンスストアでは,
40 そのよう
41 な雑誌類の取扱いをやめる動きも出てきていますが,
42 飽くまでも一部の店舗による自主的なもの
43 にとどまっています。
44
45 この状況に対して,
46 市民からは,
47 青少年の健全な育成に悪影響を及ぼす,
48
49 安心して子供と買い物に行けないという意見が寄せられているほか,
50 特に女性を中心として,
51
52 たくもないものが目に入って不快であるとか,
53 思わぬところで性的なものに触れないようにして
54 ほしいという意見が最近多く寄せられるようになりました。
55
56 市内には,
57 マンションや団地,
58 住宅
59 地が多く,
60 子供がいる世帯が多数居住していますが,
61 そのような地区の自治会からも性的な画像
62 を掲載した出版物等の販売や貸与について規制を求める要望が出ています。
63
64
65 甲:すると,
66 青少年の健全な育成を図ることだけが目的となるわけではないのですね。
67
68
69 X:そうです。
70
71 青少年の健全な育成とともに,
72 羞恥心や不快感を覚えるような卑わいな書籍等が,
73
74 それらをおよそ買うつもりのない人たちの目に,
75 むやみに触れることがないようにすることもね
76 らいです。
77
78
79 甲:具体的にはどのようなものを規制の対象とするのですか。
80
81
82 X:規制の対象となる図書類は,
83 この条例案の第7条に記載しています。
84
85 日々発行される様々な出
86 版物等を適切に規制の対象とするため,
87 市長等が規制の対象となる図書類を個別に指定すること
88 とはせず,
89 要件に該当する図書類が自動的に規制の対象となるようにしました。
90
91 「性交」,
92 「性交
93 類似行為」や「衣服の全部又は一部を着けない者の卑わいな姿態」を撮影した写真や動画などの
94 画像とこれらを描写した図画を対象とし,
95 かつ,
96 「殊更に性的感情を刺激する」ものであること
97 が要件となります。
98
99 このような画像や図画が含まれる書籍や雑誌などを「規制図書類」としまし
100 た。
101
102
103 甲:刑法第175条で処罰の対象となっている「わいせつ」な文書等には当たらないものもこの条
104 例では規制の対象となるのですね。
105
106
107 X:そうです。
108
109 刑法上の「わいせつ」な文書等に当たらないものも,
110 もちろん対象になります。
111
112
113 法上の「わいせつ」な文書等に該当すれば,
114 頒布や陳列自体が犯罪行為となるわけですから,
115
116 しろ,
117 この条例では刑法で処罰対象とならないものを規制することに意味があると考えています。
118
119
120 甲:規制の対象には,
121 写真や動画などの画像だけでなく,
122 漫画やアニメなど絵による描写も含むの
123 ですか。
124
125
126 X:含みます。
127
128 絵による描写でも,
129 殊更に性的感情を刺激する類のものがありますし,
130 普通の漫画
131 と同じように書店などで陳列され,
132 子供が普通の漫画だと思って手に取って見てしまうので困る
133 という意見も寄せられています。
134
135
136 甲:いわゆる性的玩具類の販売や映画館での成人向け映画の上映などの規制はどうするのですか。
137
138
139 X:これらは専門の店舗で販売等されるのが通常で,
140 既に別の法律や条例の規制対象になっている
141 - 2 -
142
143 ので,
144 本条例の対象とは考えていません。
145
146
147 甲:規制の内容,
148 方法はどのようなものですか。
149
150
151 X:第8条に4種類の規制を定めています。
152
153 まず,
154 通常のスーパーマーケットやコンビニエンスス
155 トアなど,
156 市民が食料品などの日用品を購入するために日常的に利用する店舗に規制図書類が置
157 かれていると,
158 青少年の健全な育成にとっても,
159 市民が性的なものに触れることなく安心して生
160 活できる環境の保持という点でも,
161 望ましくありませんので,
162 そのような店舗に規制図書類が並
163 ばないようにする必要があります。
164
165 そのため,
166 第8条第1項で,
167 主に日用品等を販売する店舗に
168 おける規制図書類の販売や貸与を禁止しています。
169
170 次に,
171 第8条第2項で,
172 小学校,
173 中学校,
174
175 等学校などの敷地から200メートルの範囲を規制区域とし,
176 事業者が,
177 その区域内において規
178 制図書類の販売や貸与をすることを禁止します。
179
180 規制区域では,
181 事業者は,
182 青少年に限らず,
183
184 に対しても,
185 店舗で規制図書類の販売や貸与をすることができないこととなります。
186
187 児童・生徒
188 らが頻繁に行き来する範囲にそのような店舗が存在することは望ましくないという市民の声に応
189 えるためです。
190
191 これらの規制の下でも,
192 第8条第1項に当たらない事業者の店舗,
193 つまり,
194 日用
195 品等の販売を主たる業務としていない事業者の店舗については,
196 第8条第2項の規制区域の外で
197 あれば,
198 規制図書類の販売や貸与ができます。
199
200 そこで,
201 第8条第3項で,
202 青少年に対する規制図
203 書類の販売や貸与を禁止し,
204 さらに,
205 第8条第4項で,
206 規制図書類の販売や貸与をする店舗内で
207 は,
208 規制図書類を壁と扉で隔てた専用の区画に陳列することなどを義務付けます。
209
210
211 甲:第8条第1項各号には,
212 書籍やDVDなど「図書類」が挙げられていませんが,
213 書店やレンタ
214 ルビデオ店は,
215 第8条第1項で規制図書類の販売や貸与が禁止される店舗には当たらないという
216 ことですか。
217
218
219 X:そのとおりです。
220
221 確かに,
222 書店やレンタルビデオ店にも青少年や規制図書類を購入等するつも
223 りのない人が出入りするのですが,
224 他方で,
225 書店など図書類を専ら扱う店舗で規制図書類を全く
226 扱えないとなると,
227 その営業に与える影響が大きく,
228 これらの店舗に酷なことになります。
229
230 また,
231
232 通常,
233 書店やレンタルビデオ店に,
234 規制図書類に当たるような書籍等が置かれていることは一般
235 の方も理解されているはずですので,
236 そういった店舗では,
237 第8条第4項に規定した規制図書類
238 を隔離して陳列するなどの義務を履行してもらえば足りるのではないかと考えています。
239
240
241 甲:この条例によって,
242 これまで規制図書類の販売や貸与をしていた事業者には,
243 どの程度の影響
244 が及ぶことになるのでしょうか。
245
246
247 X:市内には,
248 小売店が約3000店舗あるのですが,
249 そのうち,
250 第8条第1項に該当する日用品
251 等の販売を主たる業務とする店舗は約2400店舗あります。
252
253 この第8条第1項に該当する店舗
254 のうち,
255 約600店舗が規制図書類を販売しています。
256
257 もっとも,
258 これらの店舗は,
259 主に日用品
260 等を扱っていますから,
261 規制図書類の売上げが売上げ全体に占める割合は微々たるものです。
262
263
264 た,
265 第8条第2項によって規制図書類の販売や貸与をする事業が禁止される規制区域が市全体の
266 面積に占める割合は20パーセント程度で,
267 市内の商業地域に限っても,
268 規制区域が占める割合
269 は30パーセント程度です。
270
271 市内の規制区域にある店舗は約700店舗で,
272 そのうち規制図書類
273 の販売や貸与をする店舗は約150店舗あります。
274
275 しかし,
276 その約150店舗のうち,
277 規制図書
278 類の売上げが売上げ全体の20パーセントを超えるのは,
279 僅か10店舗に過ぎません。
280
281
282 甲:この条例案による規制に反対する意見はないのですか。
283
284
285 X:規制対象が広過ぎるのではないかという意見があります。
286
287 また,
288 日用品等の販売を主たる業務
289 とする店舗の一部は,
290 規制図書類の売上げが売上げ全体のごく一部であっても,
291 これを販売して
292 いること自体に集客力があると考えているようで,
293 販売の全面的な禁止に反対しています。
294
295 その
296 ほか,
297 第8条第2項の規制区域で規制図書類を販売してきた店舗の中からも,
298 この条例案に反対
299 する意見が寄せられています。
300
301 しかし,
302 これまでどおりの営業ができなくなっても,
303 正にそれを
304 市民が求めている以上は,
305 やむを得ないのではないかと考えています。
306
307 規制区域の店舗には,
308
309 制図書類の販売と貸与さえやめてもらえればいいわけで,
310 販売等を継続したいのであれば,
311 市内
312 - 3 -
313
314 にも店舗を移転できる場所はあるはずです。
315
316 条例の施行までには6か月という期間を設けてもい
317 ます。
318
319
320 甲:事業者の側からは,
321 ほかにどのような意見があるのですか。
322
323
324 X:スーパーマーケットやコンビニエンスストアの事業者や業界団体の中には,
325 既にいわゆる「成
326 人向け」の書籍等について自主規制を行っているところもあり,
327 反対はそれほど多くありません。
328
329
330 しかし,
331 例えば,
332 書店やレンタルビデオ店など規制図書類とそれ以外の図書類とを取り扱ってい
333 る店舗では,
334 今後,
335 第8条第4項に従って規制図書類を隔離して陳列しなければならないため,
336
337 その要件を満たすための内装工事等が必要で,
338 そこまでの必要があるのかと疑問視する声があり
339 ます。
340
341
342 甲:規制図書類を購入する側である18歳以上の人,
343 あるいは,
344 青少年への影響についてはどのよ
345 うに考えていますか。
346
347
348 X:18歳以上の人にとっては,
349 これまで規制図書類を購入していた店舗で購入できなくなる場合
350 があるなど,
351 不便になるということはあると思いますが,
352 市内で規制図書類を一切買えなくなる
353 わけではありません。
354
355 青少年については,
356 成長途上であり,
357 規制図書類が全く購入できなくなっ
358 ても,
359 社会的に許容されると考えています。
360
361
362 甲:この条例に違反した場合の制裁はどうなっていますか。
363
364
365 X:第9条に規定しているとおり,
366 第8条に違反した事業者に対し,
367 市長が,
368 改善命令又は業務停
369 止命令を発することができます。
370
371 そして,
372 第15条で,
373 第8条第1項から第3項までに違反した
374 者や,
375 市長の改善命令や業務停止命令に違反した者に対する刑事罰を定めており,
376 その法定刑は,
377
378 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金としています。
379
380
381 甲:条例案の内容は分かりました。
382
383
384 X:いろいろな意見がありますし,
385 規制は必要な範囲にしたいと考えて検討しているのですが,
386
387 例でこのような規制をすることは,
388 憲法上,
389 問題があるでしょうか。
390
391
392 甲:規制の対象となる図書類の範囲や,
393 規制の手段,
394 内容について,
395 議論があり得ると思います。
396
397
398 図書類を購入する側と販売等をする店舗の双方の立場でそれぞれの権利を検討しておく必要があ
399 りそうですね。
400
401 図書類を購入する側としては,
402 規制図書類の購入等ができない青少年と18歳以
403 上の人を想定しておく必要があります。
404
405 また,
406 販売等をする店舗としては,
407 条例の規制による影
408 響が想定される3つのタイプの店舗,
409 すなわち,
410 第一に,
411 これまで日用品と並んで規制図書類を
412 一部販売してきたスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗,
413 第二に,
414 学校周辺の
415 規制区域となる場所で規制図書類を扱ってきた店舗,
416 第三に,
417 規制図書類とそれ以外の図書類を
418 扱っている書店やレンタルビデオ店を考えておく必要があるでしょう。
419
420
421 〔設問〕
422 あなたがこの相談を受けた法律家甲であるとした場合,
423 本条例案の憲法上の問題点について,
424
425 どのような意見を述べるか。
426
427 本条例案のどの部分が,
428 いかなる憲法上の権利との関係で問題にな
429 り得るのかを明確にした上で,
430 参考とすべき判例や想定される反論を踏まえて論じなさい。
431
432
433
434 - 4 -
435
436 【別添資料】
437 善良かつ健全な市民生活を守るA市環境保持条例(案)
438 (目的)
439 第1条
440
441 この条例は,
442 性風俗に係る善良な市民の価値観を尊重するとともに青少年の健全な育成のた
443
444 めに必要な環境の整備を図り,
445 もって善良かつ健全な市民生活を守り,
446 A市の健全で文化的な環境
447 を保持することを目的とする。
448
449
450 (定義)
451 第2条
452
453 この条例において,
454 次の各号に掲げる用語の意義は,
455 それぞれ当該各号に定めるところによ
456
457 る。
458
459
460
461
462 青少年
463
464 18歳未満の者をいう。
465
466
467
468
469
470 図書類
471
472 書籍,
473 雑誌,
474 文書,
475 絵画,
476 写真,
477 ビデオテープ,
478 ビデオディスク,
479 コンピュータ用の
480
481 プログラム又はデータを記録した電磁的記録媒体並びに映写用の映画フィルム及びスライドフィ
482 ルムをいう。
483
484
485
486
487 (略)
488
489 (規制図書類)
490 第7条
491
492 次の各号に掲げるものを撮影した画像又は描写した図画(殊更に性的感情を刺激する画像又
493
494 は図画に限る。
495
496 )を含む図書類を規制図書類とする。
497
498
499
500
501 性交又は性交類似行為
502
503
504
505 衣服の全部又は一部を着けない者の卑わいな姿態
506
507 (規制図書類の販売等の制限)
508 第8条
509
510 次の各号に掲げる物品(以下「日用品等」という。
511
512 )の販売を主たる業務とする事業者は,
513
514
515 その営業を行う店舗において規制図書類を販売し又は貸与してはならない。
516
517
518
519
520 飲食料品
521
522
523
524 衣料品・日用雑貨
525
526
527
528 医薬品・化粧品
529
530
531
532 文房具
533
534
535
536 スポーツ用品
537
538
539
540 玩具・娯楽用品
541
542
543
544 楽器
545
546
547
548 事業者は,
549 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除
550 く。
551
552 )の敷地の周囲200メートル以内の区域(以下「規制区域」という。
553
554 )の店舗において,
555 規制
556 図書類を販売し又は貸与してはならない。
557
558
559
560
561
562 規制図書類を店舗において販売し又は貸与する事業者は,
563 青少年に対して規制図書類を販売し又
564 は貸与してはならない。
565
566
567
568
569
570 規制図書類を店舗において販売し又は貸与する事業者は,
571 規制図書類の陳列に当たり,
572 次の各号
573 に掲げる措置を講じなければならない。
574
575
576
577
578 規制図書類を隔壁及び扉により他の商品の陳列場所と区分された場所に陳列すること。
579
580
581
582
583
584 規制図書類の陳列場所の出入口付近の見やすい場所に,
585 規制図書類の陳列場所であることを掲
586 示すること。
587
588
589
590 (改善命令等)
591 - 5 -
592
593 第9条
594
595 市長は,
596 事業者が,
597 前条各項の規定に違反して規制図書類の販売又は貸与を行っていると認
598
599 めるときは,
600 当該事業者に対し,
601 期限を定めて業務の方法の改善に関し必要な措置を採るべきこと
602 を命ずることができる。
603
604
605
606
607 市長は,
608 事業者が,
609 前項の規定による命令に従わないときは,
610 当該事業者に対し,
611 3月以内の期
612 間を定めて,
613 その業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
614
615
616 (罰則)
617
618 第15条
619
620 次の各号のいずれかに該当する者は,
621 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
622
623
624
625
626
627 第8条第1項,
628 第2項又は第3項の規定に違反した者
629
630
631
632 第9条第1項又は第2項の規定による命令に違反した者
633
634 (両罰規定)
635 第16条
636
637 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,
638 使用人その他の従業者が,
639 その法人又は人の
640
641 業務に関し,
642 前条の違反行為をしたときは,
643 その行為者を罰するほか,
644 その法人又は人に対して,
645
646 同条の罰金刑を科する。
647
648
649 附則(抄)
650 第1条
651
652 本条例は,
653 公布の日から起算して6月を経過した日から施行する。
654
655
656
657 (参照条文)学校教育法(昭和22年法律第26号)
658 第1条
659
660 この法律で,
661 学校とは,
662 幼稚園,
663 小学校,
664 中学校,
665 義務教育学校,
666 高等学校,
667 中等教育学校,
668
669
670 特別支援学校,
671 大学及び高等専門学校とする。
672
673
674
675 - 6 -
676
677 論文式試験問題集[公法系科目第2問]
678
679 - 1 -
680
681 [公法系科目]
682 〔第2問〕
683 (配点:100〔〔設問1〕,
684
685 〔設問1〕,
686
687 〔設問2〕の配点割合は,
688 35:40:25〕)
689 宗教法人Aは,
690 宗教法人法に規定された宗教法人で,
691 同法の規定により登記された事務所を,
692
693 10年前からB市の区域内に有している。
694
695 Aは,
696 以前から墓地用石材の販売等を扱う株式会社Cと
697 取引関係にあったが,
698 Cから,
699 B市内に適当な広さの土地(以下「本件土地」という。
700
701 )を見付け
702 たので,
703 大規模な墓地の経営を始めないかとの提案を持ち掛けられた。
704
705 Cがこのような提案をした
706 のは,
707 B市においては,
708 「B市墓地等の経営の許可等に関する条例」(以下「本件条例」という。
709
710
711 第3条の定めにより,
712 株式会社であるCは墓地の経営許可を受けることができず,
713 墓地経営のため
714 に宗教法人であるAの協力が必要であったという事情による。
715
716 Aは,
717 大規模な墓地の経営に乗り出
718 すことは財政的に困難であると考えたが,
719 Cから,
720 用地買収や造成工事に必要な費用を全額無利息
721 で融資するとの申出を受けたため,
722 Cの提案を受け入れ,
723 本件土地において墓地(以下「本件墓地」
724 という。
725
726 )の経営を行うことを承諾した。
727
728 そこで,
729 Aは,
730 Cから融資を受けて,
731 平成29年9月2
732 5日に本件土地を購入した(なお,
733 本件土地に所有権以外の権利は設定されていない。
734
735 )。
736
737 さらに,
738
739 Aは,
740 「墓地,
741 埋葬等に関する法律」(以下「法」という。
742
743 )第10条第1項に基づき,
744 本件墓地の
745 経営許可を得るため,
746 本件条例に基づく必要な手続を開始した。
747
748 なお,
749 B市においては,
750 法に基づ
751 く墓地経営許可の権限は,
752 法第2条第5項に基づき,
753 B市長が有している。
754
755
756 Aは,
757 平成29年11月17日,
758 周辺住民らに対して,
759 本件条例第6条に基づく説明会(以下「本
760 件説明会」という。
761
762 )を開催した。
763
764 本件説明会は,
765 Aが主催したが,
766 Cの従業員が数名出席し,
767
768 民に対する説明は,
769 Aの担当者だけではなくCの従業員も行った。
770
771 本件土地の周囲100メートル
772 以内に住宅の敷地はなかったが,
773 本件土地から100メートルを超える場所に位置する住宅に居住
774 する周辺住民らが,
775 本件説明会に出席し,
776 本件土地周辺の道路の幅員はそれほど広いものではない
777 ため,
778 墓参に来た者の自動車によって渋滞が引き起こされること,
779 供物等の放置による悪臭の発生
780 並びにカラス,
781 ネズミ及び蚊の発生又は増加のおそれがあることなど,
782 生活環境及び衛生環境の悪
783 化への懸念を示した。
784
785 しかし,
786 Aは,
787 その後も本件墓地の開設準備を進め,
788 平成30年3月16日,
789
790 B市長に対して本件墓地の経営許可の申請(以下「本件申請」という。
791
792 )をした。
793
794
795 他方,
796 本件土地から約300メートル離れた位置にある土地には宗教法人Dの事務所が存在し,
797
798 Dは,
799 同所で約10年前から小規模な墓地を経営していた。
800
801 Dは,
802 本件説明会の開催後,
803 本件土地
804 において大規模な墓地の経営が始まることを知り,
805 自己が経営する墓地の経営悪化や廃業のおそれ
806 があると考えた。
807
808 Dの代表者は,
809 その親族にB市内で障害福祉サービス事業を営む法人Eの代表者
810 がいたことから,
811 これを利用して,
812 本件申請に対するB市長の許可処分を阻止しようと考えた。
813
814
815 の代表者は,
816 Eの代表者と相談し,
817 本件土地から約80メートル離れた位置にあるDの所有する土
818 地(以下「D所有土地」という。
819
820 )に,
821 Eの障害福祉サービスの事業所を移転するよう求めた。
822
823
824 は,
825 これを受けて,
826 特に移転の必要性はなかったにもかかわらず,
827 D所有土地を借り受けて事業所
828 (以下「本件事業所」という。
829
830 )を設置し,
831 平成30年3月23日,
832 D所有土地に事業所を移転し
833 た。
834
835 本件事業所は,
836 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に定められ
837 た要件に適合する事業所で,
838 短期入所用の入所施設を有しており,
839 本件条例第13条第1項第2号
840 の「障害福祉サービスを行う施設(入所施設を有するものに限る。
841
842 )」に該当する。
843
844 本件事業所は,
845
846 従来のEの施設の利用者を引き継いでいたことから,
847 定員に近い利用者が日常的に利用し,
848 また,
849
850 数日間連続して入所する利用者も見られた。
851
852
853 B市は,
854 本件事業所の移転やDの代表者とEの代表者に親族関係があるという事情を把握してい
855 なかったが,
856 D及びEがB市長に対して平成30年4月16日,
857 本件申請に対して許可をしないよ
858 う求める旨の申入れを行ったことにより,
859 上記事情を把握するに至った。
860
861 D及びEの申入れの内容
862 は,
863 @本件墓地が大規模であるため,
864 B市内の墓地の供給が過剰となり,
865 Dの墓地経営が悪化し,
866
867 廃業せざるを得ないこともあり得る,
868 A本件事業所が本件土地から約80メートル離れた位置にあ
869 - 2 -
870
871 り,
872 本件条例第13条第1項の距離制限規定に違反する,
873 B本件墓地の経営が始まることにより,
874
875 本件事業所周辺において,
876 本件説明会で周辺住民が指摘したのと同様の生活環境及び衛生環境の悪
877 化が生じ,
878 本件事業所の業務に無視できない影響を与える懸念がある,
879 C本件墓地の実質的経営者
880 は,
881 AではなくCである,
882 D仮にB市長が本件申請に対して許可をした場合には,
883 D,
884 E共に取消
885 訴訟の提起も辞さない,
886 というものであった。
887
888
889 B市長は,
890 本件墓地の設置に対する周辺住民の反対運動が激しくなったことも踏まえ,
891 本件申請
892 に対して何らかの処分を行うこととし,
893 平成30年5月16日,
894 法務を担当する総務部長に対し,
895
896 法に関する許可等を所管する環境部長及びB市の顧問弁護士Fを集めて検討会議を行い,
897 本件申請
898 に対して,
899 許可処分(以下「本件許可処分」という。
900
901 )を行うのか,
902 あるいは不許可処分(以下「本
903 件不許可処分」という。
904
905 )を行うのか,
906 また,
907 それぞれの場合にどのような法的な問題があるのか
908 を検討するよう指示した。
909
910
911 以下に示された【検討会議の会議録】を読んだ上で,
912 弁護士Fの立場に立って,
913 設問に答えなさ
914 い。
915
916 ただし,
917 検討に当たっては,
918 本件条例は適法であるとの前提に立つものとする。
919
920
921 なお,
922 関係法令の抜粋を【資料
923
924 関係法令】に掲げてあるので,
925 適宜参照しなさい。
926
927
928
929 〔設問1〕
930 B市長が本件申請に対して本件許可処分を行い,
931 D及びEが本件許可処分の取消しを求めて取消
932 訴訟を提起した場合について,
933 以下の点を検討しなさい。
934
935
936
937
938 D及びEは,
939 上記取消訴訟の原告適格があるとして,
940 それぞれどのような主張を行うと考えら
941 れるか。
942
943 また,
944 これらの主張は認められるか。
945
946 B市が行う反論を踏まえて,
947 検討しなさい。
948
949
950
951
952
953 仮に,
954 Eが上記取消訴訟を適法に提起できるとした場合,
955 Eは,
956 本件許可処分が違法であると
957 して,
958 どのような主張を行うと考えられるか。
959
960 また,
961 これに対してB市はどのような反論をすべ
962 きか,
963 検討しなさい。
964
965
966
967 〔設問2〕
968 B市長が本件申請に対して本件不許可処分を行い,
969 Aが本件不許可処分の取消しを求めて取消訴
970 訟を提起した場合,
971 Aは,
972 本件不許可処分が違法であるとして,
973 どのような主張を行うと考えられ
974 るか。
975
976 また,
977 これに対してB市はどのような反論をすべきか,
978 検討しなさい。
979
980
981
982 - 3 -
983
984 【検討会議の会議録】
985 総務部長:市長からの指示は,
986 本件申請に対して本件許可処分を行った場合と本件不許可処分を行っ
987 た場合それぞれに生じる法的な問題について,
988 考えられる訴訟への対応も含めて検討してほ
989 しいというものです。
990
991 法第10条第1項は,
992 墓地経営許可の具体的な要件をほとんど定めて
993 おらず,
994 本件条例が墓地経営許可の要件や手続を具体的に定めているのですが,
995 本件条例の
996 法的性質についてはどのように考えるべきでしょうか。
997
998
999 弁護士F:法第10条第1項の具体的な許可要件や手続を定める条例の法的性質については,
1000 様々な
1001 見解があり,
1002 また,
1003 地方公共団体によっても扱いが異なるようです。
1004
1005 本日の検討では,
1006 本件
1007 条例は法第10条第1項の許可要件や手続につき,
1008 少なくとも最低限遵守しなければならな
1009 い事項を具体的に定めたものであるという前提で検討することにしましょう。
1010
1011
1012 総務部長:分かりました。
1013
1014 では,
1015 まず,
1016 本市が本件申請に対して本件許可処分を行った場合の法的問
1017 題について検討しましょう。
1018
1019 この場合,
1020 D及びEが原告となって本件許可処分の取消しを求
1021 めて取消訴訟を提起することが考えられます。
1022
1023 このような訴訟は,
1024 法的に可能なのでしょう
1025 か。
1026
1027
1028 弁護士F:D及びEに取消訴訟を提起する原告適格が認められるかどうかが争点となります。
1029
1030 取消訴
1031 訟の他の訴訟要件については特に欠けるところはないと思います。
1032
1033 D及びEは,
1034 本件許可処
1035 分が行われた場合,
1036 それぞれどのような不利益を受けると考えて取消訴訟を提起しようとし
1037 ているのでしょうか。
1038
1039
1040 環境部長:まず,
1041 Dについては,
1042 既にDの墓地は余り気味で,
1043 空き区画が出ているそうです。
1044
1045 本件墓
1046 地は規模が大きく,
1047 本件墓地の経営が始まると,
1048 Dは,
1049 自らの墓地経営が立ち行かなくなる
1050 のではないかと懸念しています。
1051
1052 墓地経営には公益性と安定性が必要であり,
1053 墓地の経営者
1054 の経営悪化によって,
1055 墓地の管理が不十分となることは,
1056 法の趣旨目的から適切ではないと
1057 考えることもできるでしょうね。
1058
1059
1060 弁護士F:ええ。
1061
1062 そのことと本件条例が墓地の経営主体を制限していることとの関連も検討する必要
1063 がありそうです。
1064
1065
1066 環境部長:次に,
1067 Eについては,
1068 D所有土地に本件事業所を置いています。
1069
1070 Eは,
1071 本件墓地の経営が
1072 始まることにより,
1073 本件事業所周辺において,
1074 本件説明会で周辺住民が指摘したのと同様の
1075 生活環境及び衛生環境の悪化が生じ,
1076 本件事業所の業務に無視できない影響を与える懸念が
1077 あると考えています。
1078
1079 本件事業所の利用者は数日間滞在することもありますので,
1080 その限り
1081 では住宅の居住者と変わりがない実態があります。
1082
1083
1084 総務部長:D及びEに原告適格が認められるかどうかについては,
1085 いろいろな考え方があると思いま
1086 す。
1087
1088 本市としては,
1089 D及びEが,
1090 原告適格が認められるべきであるとしてどのような主張を
1091 行うことが考えられるのか,
1092 そして,
1093 それに対して裁判所がどのような判断をすると考えら
1094 れるのかを検討する必要があると思います。
1095
1096 これらの点について,
1097 F先生に検討をお願いし
1098 ます。
1099
1100
1101 弁護士F:了解しました。
1102
1103
1104 総務部長:次に,
1105 仮に原告適格が認められるとした場合,
1106 本件許可処分の違法事由としてどのような
1107 主張がされるのかについて検討します。
1108
1109 主張される違法事由については,
1110 DとEとで重複が
1111 見られますので,
1112 本日は,
1113 Eの立場からの主張のみを検討したいと思います。
1114
1115
1116 環境部長:Eは,
1117 まず,
1118 本件事業所がD所有土地に存在することで本件許可処分は本件条例第13条
1119 第1項の規定に違反すると主張しています。
1120
1121 そのような主張がされた場合,
1122 本市としてはど
1123 のように反論するのか考えておく必要がありますね。
1124
1125
1126 弁護士F:そうですね。
1127
1128 また,
1129 本件においては,
1130 仮に,
1131 本件墓地の経営許可を阻止するため,
1132 DとE
1133 が協力して本件事業所を意図的にD所有土地に設置したという事情があるならば,
1134 このよう
1135 な事情を距離制限規定との関係で法的にどのように評価すべきかについても,
1136 検討する必要
1137 - 4 -
1138
1139 がありそうです。
1140
1141
1142 総務部長:F先生が今指摘された事情は,
1143 Eの原告適格に関しても問題になるのではないでしょうか。
1144
1145
1146 弁護士F:原告適格の問題として整理する余地もあると思います。
1147
1148 しかし,
1149 本日の検討では,
1150 原告適
1151 格ではなく,
1152 本案の主張の問題として考えておきたいと思います。
1153
1154
1155 環境部長:本件許可処分の他の違法事由として,
1156 Eは,
1157 本件墓地の実質的な経営者は,
1158 AではなくC
1159 であると主張しています。
1160
1161
1162 総務部長:本件墓地の実質的な経営者が,
1163 AとCのいずれであるかは検討を要する問題ですね。
1164
1165 仮に
1166 実質的な経営者がCであるとした場合,
1167 法的に問題があるのでしょうか。
1168
1169
1170 弁護士F:本件条例によると,
1171 墓地の経営者は,
1172 地方公共団体のほか,
1173 宗教法人,
1174 公益社団法人等に
1175 限られています。
1176
1177 仮に本件墓地の実質的な経営者がCであるとすれば,
1178 このような点も踏ま
1179 え,
1180 法や本件条例の関連諸規定に照らして違法となるのかについて,
1181 注意深く検討する必要
1182 がありますね。
1183
1184
1185 総務部長:では,
1186 この点についてもF先生に検討をお願いします。
1187
1188 また,
1189 以上のような本件許可処分
1190 の違法事由について,
1191 Eがこれら全てを取消訴訟において主張できるかについても,
1192 検討す
1193 る必要がありますね。
1194
1195
1196 弁護士F:はい。
1197
1198 Eが,
1199 自己の法律上の利益との関係で,
1200 いかなる違法事由を主張できるかにも注意
1201 して検討すべきと考えています。
1202
1203
1204 総務部長:次に,
1205 本件申請に対して,
1206 本件不許可処分を行った場合です。
1207
1208 この場合にはAが本件不許
1209 可処分の取消しを求めて取消訴訟を提起することが想定されます。
1210
1211 本日は,
1212 この取消訴訟に
1213 おける本案の主張の検討をお願いします。
1214
1215
1216 環境部長:環境部では本件不許可処分をする場合の処分理由として,
1217 次のことを考えています。
1218
1219 (ア)
1220 本件墓地周辺の生活環境及び衛生環境が悪化する懸念から,
1221 周辺住民の反対運動が激しくな
1222 ったこと,
1223 (イ)Dの墓地を含むB市内の墓地の供給が過剰となり,
1224 それらの経営に悪影響が
1225 及ぶこと,
1226 (ウ)本件事業所が本件土地から約80メートル離れた位置にあること,
1227 の3点で
1228 す。
1229
1230
1231 弁護士F:(ウ)については先ほど検討しましたので,
1232 本件不許可処分の問題としては,
1233 検討を省略し
1234 ましょう。
1235
1236 まず,
1237 (ア)について補足される点はありますか。
1238
1239
1240 環境部長:Aは,
1241 本件墓地の設置に当たっては,
1242 植栽を行うなど,
1243 周辺の生活環境と調和するよう十
1244 分配慮しているとしていますが,
1245 住民の多くはそれでは十分ではないと考えています。
1246
1247
1248 弁護士F:次に,
1249 (イ)についてですが,
1250 本件墓地の経営は,
1251 B市内の既存の墓地に対して大きな影響
1252 を与えるのでしょうか。
1253
1254
1255 環境部長:Dの墓地を含めて,
1256 B市内には複数の墓地がありますが,
1257 いずれも供給過剰気味で,
1258 空き
1259 区画が目立つようになっています。
1260
1261 本件墓地の経営が始まれば,
1262 Dの墓地のような小規模な
1263 墓地は経営が破綻する可能性もあると思います。
1264
1265
1266 総務部長:では,
1267 これらの(ア)及び(イ)の処分理由に対して想定されるAからの主張について,
1268 本市か
1269 らの反論を含めて,
1270 F先生に検討をお願いします。
1271
1272
1273 弁護士F:了解しました。
1274
1275
1276
1277 - 5 -
1278
1279 【資料
1280
1281
1282 関係法令】
1283
1284 墓地,
1285 埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)(抜粋)
1286
1287 第1条
1288
1289 この法律は,
1290 墓地,
1291 納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が,
1292 国民の宗教的感情に適合し,
1293
1294
1295 つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から,
1296 支障なく行われることを目的とする。
1297
1298
1299 第2条
1300
1301 この法律で「埋葬」とは,
1302 死体(中略)を土中に葬ることをいう。
1303
1304
1305
1306 2,
1307
1308
1309 (略)
1310
1311
1312
1313 この法律で「墳墓」とは,
1314 死体を埋葬し,
1315 又は焼骨を埋蔵する施設をいう。
1316
1317
1318
1319
1320
1321 この法律で「墓地」とは,
1322 墳墓を設けるために,
1323 墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつ
1324 ては,
1325 市長又は区長。
1326
1327 以下同じ。
1328
1329 )の許可を受けた区域をいう。
1330
1331
1332
1333 6,
1334
1335
1336 (略)
1337
1338 第10条
1339
1340 墓地,
1341 納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は,
1342 都道府県知事の許可を受けなければな
1343
1344 らない。
1345
1346
1347
1348
1349 (略)
1350
1351
1352
1353 B市墓地等の経営の許可等に関する条例(抜粋)
1354 (趣旨)
1355
1356 第1条
1357
1358 この条例は,
1359 墓地,
1360 埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。
1361
1362 以下「法」という。
1363
1364
1365
1366 第10条の規定による経営の許可等に係る事前手続並びに墓地,
1367 納骨堂又は火葬場(以下「墓地等」
1368 という。
1369
1370 )の設置場所等,
1371 構造設備及び管理の基準その他必要な事項を定めるものとする。
1372
1373
1374 (墓地等の経営主体)
1375 第3条
1376
1377 墓地等を経営することができる者は,
1378 原則として地方公共団体とする。
1379
1380 ただし,
1381 次の各号の
1382
1383 いずれかに該当し,
1384 B市長(以下「市長」という。
1385
1386 )が適当と認める場合は,
1387 この限りでない。
1388
1389
1390
1391
1392 宗教法人法(中略)に規定する宗教法人で,
1393 同法の規定により登記された事務所を,
1394 B市(以
1395 下「市」という。
1396
1397 )の区域内に有するもの
1398
1399
1400
1401 墓地等の経営を目的とする公益社団法人又は公益財団法人で,
1402 登記された事務所を,
1403 市の区域
1404 内に有するもの
1405
1406
1407
1408 前項に規定する事務所は,
1409 その所在地に設置されてから,
1410 3年を経過しているものでなければな
1411 らない。
1412
1413
1414 (説明会の開催)
1415
1416 第6条
1417
1418 法第10条第1項の規定による経営の許可を受けて墓地等を経営しようとする者は,
1419 当該許
1420
1421 可の申請に先立って,
1422 規則で定めるところ〔注:規則の規定は省略〕により,
1423 墓地の設置等の計画
1424 について周知させるための説明会を開催し,
1425 速やかにその説明会の内容等を市長に報告しなければ
1426 ならない。
1427
1428
1429 (経営の許可の申請)
1430 第9条
1431
1432 法第10条第1項の規定による経営の許可を受けようとする者は,
1433 次の各号に掲げる事項を
1434
1435 記載した申請書を市長に提出しなければならない。
1436
1437
1438
1439
1440
1441 (略)
1442
1443 墓地又は火葬場の経営の許可を受けようとする者は,
1444 前項の申請書に次の各号に掲げる書類を添
1445 付しなければならない。
1446
1447
1448
1449
1450 法人(地方公共団体を除く。
1451
1452 )にあっては,
1453 その登記事項証明書
1454
1455
1456
1457 墓地又は火葬場の構造設備を明らかにした図面
1458
1459
1460
1461 墓地にあっては,
1462 その区域を明らかにした図面
1463
1464
1465
1466 墓地又は火葬場の周囲100メートル以内の区域の状況を明らかにした図面
1467
1468
1469
1470 墓地又は火葬場の経営に係る資金計画書
1471 - 6 -
1472
1473
1474
1475
1476 (略)
1477 (略)
1478
1479 (墓地等の設置場所等の基準)
1480 第13条
1481
1482 墓地及び火葬場は,
1483 次の各号に定めるものの敷地から100メートル以上離れていなけれ
1484
1485 ばならない。
1486
1487 ただし,
1488 市長が市民の宗教的感情に適合し,
1489 かつ,
1490 公衆衛生その他公共の福祉の見地
1491 から支障がないと認めるときは,
1492 この限りでない。
1493
1494
1495
1496
1497
1498 住宅
1499 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(中略)に規定する障害福祉サ
1500 ービスを行う施設(入所施設を有するものに限る。
1501
1502
1503
1504
1505
1506 (略)
1507
1508
1509
1510 墓地及び火葬場は,
1511 飲料水を汚染するおそれのない場所に設置しなければならない。
1512
1513
1514
1515
1516
1517 墓地等の土地については,
1518 当該墓地等の経営者(地方公共団体を除く。
1519
1520 )が,
1521 当該墓地等の土地
1522 を所有し,
1523 かつ,
1524 当該土地に所有権以外の権利が設定されていないものでなければならない。
1525
1526 ただ
1527 し,
1528 市長が当該墓地等の経営に支障がないと認めるときは,
1529 この限りでない。
1530
1531
1532 (墓地の構造設備の基準等)
1533
1534 第14条
1535
1536 墓地には,
1537 次の各号に掲げる構造設備を設けなければならない。
1538
1539 ただし,
1540 市長が市民の宗
1541
1542 教的感情に適合し,
1543 かつ,
1544 公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは,
1545 この
1546 限りでない。
1547
1548
1549
1550
1551 外部から墳墓を見通すことができないようにするための障壁又は密植した垣根
1552
1553
1554
1555 雨水等が停滞しないようにするための排水路
1556
1557
1558
1559 墓地の規模に応じた管理事務所,
1560 便所,
1561 駐車場並びに給水及びごみ処理のための設備(墓地の
1562 付近にあるこれらのものを含む。
1563
1564
1565
1566
1567
1568 墓地の構造設備については,
1569 植栽を行う等周辺の生活環境と調和するように配慮しなければなら
1570 ない。
1571
1572
1573
1574 - 7 -
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1576