1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 -1-
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 被害者の承諾に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
9 正しいも
10 のはどれか。
11
12 (解答欄は,
13 [bP])
14 1.甲は,
15 乙の承諾を得て,
16 乙から借り受けた乙所有の重機を丙に転貸していたが,
17 同重機の修
18 理のため一時これを丙から預かった際,
19 乙の承諾を得て,
20 丙に無断で,
21 自己の借金の返済とし
22 て同重機を自己の債権者に譲渡した。
23
24 この場合,
25 甲には,
26 横領罪が成立する。
27
28
29 2.甲は,
30 自らが組長を務める暴力団の組員乙から,
31 「暴力団を脱退したい。
32
33 」との申出を受けた
34 ので,
35 「落とし前として,
36 指を詰めろ。
37
38 」と言い,
39 乙の承諾を得て,
40 乙の右手小指の根元を出刃
41 包丁で切断した。
42
43 この場合,
44 甲には,
45 傷害罪は成立しない。
46
47
48 3.甲は,
49 乙との不倫関係を清算しようと考え,
50 真実は,
51 乙と心中するつもりはないにもかかわ
52 らず,
53 乙に対し,
54 「あの世で一緒になろう。
55
56 私も君の後を追って死ぬから。
57
58 」と言って心中を持
59 ちかけ,
60 その旨誤信してこれを承諾した乙に毒薬を手渡したところ,
61 乙がそれを飲んで死亡し
62 た。
63
64 この場合,
65 甲には,
66 自殺関与罪が成立する。
67
68
69 4.甲は,
70 知人乙から,
71 「生活が苦しく刑務所に入りたいので,
72 私から脅されたという事実をで
73 っち上げて,
74 私を告訴してほしい。
75
76 」と依頼され,
77 乙の承諾を得て,
78 乙を脅迫罪で告訴した。
79
80
81 この場合,
82 甲には,
83 虚偽告訴罪は成立しない。
84
85
86 5.甲は,
87 自らが刑務官を務める刑務所で受刑中の成人女性乙と恋愛関係になり,
88 乙の承諾を得
89 て,
90 勤務中,
91 同刑務所内において,
92 乙と性交した。
93
94 この場合,
95 甲には,
96 特別公務員暴行陵虐罪
97 が成立する。
98
99
100 〔第2問〕(配点:2)
101 文書等毀棄罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
102 正しいも
103 のはどれか。
104
105 (解答欄は,
106 [bQ])
107 1.公用文書等毀棄罪における「公務所の用に供する文書」とは,
108 公務所又は公務員が作成した
109 もので,
110 現に公務所において使用され,
111 又は使用の目的をもって保管されている文書のことを
112 いう。
113
114
115 2.偽造された文書や未完成の文書は,
116 公用文書等毀棄罪の客体とはなり得ない。
117
118
119 3.保存期間が経過した後の文書は,
120 公用文書等毀棄罪の客体とはなり得ない。
121
122
123 4.私用文書等毀棄罪における「権利又は義務に関する他人の文書」とは,
124 権利又は義務の存否
125 ・得喪・変更・消滅等を証明し得る他人所有の文書のことをいう。
126
127
128 5.手形や小切手等の有価証券は,
129 私用文書等毀棄罪の客体とはなり得ない。
130
131
132
133 -2-
134
135 〔第3問〕(配点:2)
136 不作為犯に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
137 誤っているも
138 のの組合せは,
139 後記1から5までのうちどれか。
140
141 (解答欄は,
142 [bR])
143 ア.不作為犯は,
144 結果発生を防止しなければならない義務が法律上の規定に基づくものでない場
145 合であっても,
146 成立する余地がある。
147
148
149 イ.不作為犯は,
150 死体遺棄罪についても成立する余地がある。
151
152
153 ウ.不真正不作為犯の故意は,
154 結果の発生を意欲していなくても,
155 認められる余地がある。
156
157
158 エ.不作為犯は,
159 作為可能性がない場合であっても,
160 成立する余地がある。
161
162
163 オ.不作為犯の因果関係は,
164 期待された作為に出ていれば結果が発生しなかったことが,
165 合理的
166 な疑いを超える程度に確実であったといえない場合であっても,
167 その可能性さえあれば,
168 認め
169 られる余地がある。
170
171
172 1.ア
173
174
175
176 2.ア
177
178
179
180 3.イ
181
182
183
184 4.ウ
185
186
187
188 5.エ
189
190
191
192 〔第4問〕(配点:3)
193 放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
194 誤っているもの
195 を2個選びなさい。
196
197 (解答欄は,
198 [bS],
199 [bT]順不同)
200 1.「建造物」とは,
201 家屋その他これに類する工作物であって,
202 土地に定着し,
203 人の起居出入り
204 に適する構造を有するものをいい,
205 毀損しなければ家屋から取り外すことができない状態にあ
206 る雨戸は,
207 「建造物」の一部に当たる。
208
209
210 2.「放火」とは,
211 目的物の焼損を惹起させる行為をいい,
212 目的物への直接的な点火行為に限ら
213 れず,
214 媒介物への点火行為であっても,
215 その燃焼作用が継続して目的物に延焼し得るものであ
216 る場合,
217 「放火」に当たる。
218
219
220 3.「焼損」とは,
221 火力により目的物の重要部分が焼失し,
222 その本来の効用が失われた状態をい
223 い,
224 不燃性の建造物のコンクリート壁が媒介物の火力によって崩落した場合,
225 「焼損」に当た
226 る。
227
228
229 4.建造物等以外放火罪にいう「公共の危険」は,
230 現住建造物等放火罪や他人所有非現住建造物
231 等放火罪の客体である建造物等に対する延焼の危険に限られず,
232 不特定又は多数の人の生命,
233
234 身体又は前記建造物等以外の財産に対する危険も含まれる。
235
236
237 5.現住建造物等放火罪にいう「現に人が住居に使用し」の「人」には犯人が含まれるが,
238 「現
239 に人がいる」の「人」には犯人が含まれない。
240
241
242
243 -3-
244
245 〔第5問〕(配点:3)
246 正当防衛に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
247 正しいものを
248 2個選びなさい。
249
250 (解答欄は,
251 [bU],
252 [bV]順不同)
253 1.当然又はほとんど確実に侵害が予期された場合において,
254 単に予期された侵害を避けなかっ
255 たにとどまらず,
256 その機会を利用して積極的に相手方に対し加害行為をする意思で暴行に及ん
257 だときは,
258 その暴行行為については,
259 正当防衛が成立する余地はない。
260
261
262 2.いわゆるけんか闘争において相手方に対してした暴行行為については,
263 正当防衛が成立する
264 余地はない。
265
266
267 3.手拳で殴る素振りをしながら「お前殴られたいのか。
268
269 」と言って近付いてきた相手方を,
270
271 傷能力のある刃物を構えて脅した場合,
272 その脅迫行為については,
273 正当防衛が成立する余地は
274 ない。
275
276
277 4.自己に対しナイフを示して脅している相手方に対し専ら攻撃の意思で暴行に及んだ場合,
278
279 の暴行行為については,
280 正当防衛が成立する余地はない。
281
282
283 5.財産的権利を防衛するために相手方の身体に暴行を加えて傷害を負わせた場合,
284 その暴行行
285 為については,
286 正当防衛が成立する余地はない。
287
288
289 〔第6問〕(配点:2)
290 文書偽造罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
291 誤っている
292 ものの組合せは,
293 後記1から5までのうちどれか。
294
295 (解答欄は,
296 [bW])
297 ア.公文書に限らず,
298 私文書であっても,
299 その写しは,
300 文書偽造罪の客体となり得る。
301
302
303 イ.行使の目的で,
304 交通事件原票中の供述書の署名欄に,
305 一定の範囲で定着した通称名を記載し
306 た場合,
307 私文書偽造罪は成立しない。
308
309
310 ウ.会社の代表取締役が,
311 個人として同社から貸付けを受けていた債務についての抵当権抹消登
312 記手続をするため,
313 その権限を濫用し,
314 代表取締役名義の債権放棄書を作成した場合,
315 私文書
316 偽造罪は成立しない。
317
318
319 エ.公文書の内容を改ざんし,
320 これを原稿としてファクシミリで相手方に送信した場合,
321 送信に
322 供した当該原稿が公文書偽造罪の客体であって,
323 受信書面は同罪の客体とならない。
324
325
326 オ.行使の目的で,
327 銀行預金通帳の預金受入年月日を改ざんする行為は,
328 私文書の変造であって,
329
330 偽造ではない。
331
332
333 1.ア
334
335
336
337 2.イ
338
339
340
341 3.イ
342
343
344
345 4.ウ
346
347 -4-
348
349
350
351 5.エ
352
353
354
355 〔第7問〕(配点:3)
356 次の各【見解】と後記の各【事例】を前提として,
357 後記アからエまでの各【記述】を検討し,
358
359 しい場合には1を,
360 誤っている場合には2を選びなさい。
361
362 (解答欄は,
363 アからエの順に[bX]か
364 ら[12])
365 【見解】
366 A.行為当時,
367 客観的に存在した全ての事情及び行為後に生じた事情のうち一般人が予見できた
368 事情を判断の基礎とし,
369 その行為から結果が発生することが相当であると認められる場合に因
370 果関係を肯定する。
371
372
373 B.一般人が認識・予見できたであろう事情及び行為者が認識・予見していた事情を判断の基礎
374 とし,
375 その行為から結果が発生することが相当であると認められる場合に因果関係を肯定する。
376
377
378 C.行為の危険性が結果へと現実化したといえる場合に因果関係を肯定する。
379
380 行為の危険性は行
381 為時に存在した全ての事情を基礎として判断する。
382
383
384 【事例】
385 T.甲は,
386 乙の顔面を手拳で1回殴打した。
387
388 その殴打は,
389 それだけで一般に人を死亡させるほど
390 の強さではなかったが,
391 乙はもともと特殊な病気により脳組織が脆弱となっており,
392 その1回
393 の殴打で脳組織が崩壊し,
394 その結果,
395 乙が死亡した。
396
397
398 U.甲は,
399 乙の首をナイフで突き刺し,
400 直ちに治療しなければ数時間のうちに死亡するほどの出
401 血を来す傷害を負わせた。
402
403 乙は,
404 直ちに病院で適切な医療処置を受け,
405 一旦容体が安定したが,
406
407 その後,
408 医師の指示に従わず安静に努めなかったため,
409 治療の効果が減殺され,
410 前記傷害に基
411 づき死亡した。
412
413
414 V.甲は,
415 路上で乙の頭部を激しく殴打し,
416 直ちに治療しなければ1日後には死亡するほどの脳
417 出血を伴う傷害を負わせ,
418 倒れたまま動けない乙を残して立ち去った。
419
420 そこへたまたま通り掛
421 かった無関係の通行人が,
422 乙の腹部を多数回蹴って,
423 内臓を破裂させ,
424 数時間後に乙は内臓破
425 裂により死亡した。
426
427
428 【記述】
429 甲の行為と乙の死亡との間の因果関係については,
430
431 ア.Tの事例で,
432 行為当時,
433 乙は特殊な病気により脳組織が脆弱となっていることを一般人は認
434 識できず,
435 甲も認識していなかった場合,
436 A及びCの見解からは肯定され,
437 Bの見解からは否
438 定される。
439
440 [bX]
441 イ.Tの事例で,
442 行為当時,
443 乙は特殊な病気により脳組織が脆弱となっていることを一般人は認
444 識できず,
445 甲も認識していなかったが,
446 甲はこれを認識できた場合,
447 AからCまでのいずれの
448 見解からも肯定される。
449
450 [10]
451 ウ.Uの事例で,
452 行為当時,
453 乙が治療を受けた後,
454 医師の指示に従わず安静に努めなくなること
455 を一般人は予見できなかったが,
456 甲は予見していた場合,
457 Bの見解からは肯定され,
458 A及びC
459 の見解からは否定される。
460
461 [11]
462 エ.Vの事例で,
463 行為当時,
464 乙が通行人に蹴られることを一般人は予見できず,
465 甲も予見してい
466 なかった場合,
467 AからCまでのいずれの見解からも否定される。
468
469 [12]
470
471 -5-
472
473 〔第8問〕(配点:2)
474 傷害の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
475 正しいものは
476 どれか。
477
478 (解答欄は,
479 [13])
480 1.傷害罪は,
481 他人の身体の生理的機能を毀損する犯罪であるから,
482 精神疾患の一種である心的
483 外傷後ストレス障害(いわゆるPTSD)を負わせるなど精神的機能の障害を惹起した場合,
484
485 傷害罪が成立することはない。
486
487
488 2.傷害罪は,
489 暴行罪の結果的加重犯であるから,
490 被害者に暴行を加えずに身体の生理的機能を
491 毀損した場合,
492 傷害罪が成立することはない。
493
494
495 3.被害者に睡眠薬を摂取させたことによって一定時間にわたり筋弛緩作用等を伴う急性薬物中
496 毒の症状を生じさせた場合,
497 傷害罪が成立することはない。
498
499
500 4.傷害の実行行為者をその現場において精神的に鼓舞する行為が傷害罪の幇助に当たる場合,
501
502 現場助勢罪が成立することはない。
503
504
505 5.同時傷害の特例は,
506 刑法の基本原理に対する重大な例外規定であり,
507 厳格に適用されなけれ
508 ばならないため,
509 その要件を満たす傷害から被害者に死亡結果が生じた場合,
510 同特例の適用に
511 より傷害致死罪が成立することはない。
512
513
514 〔第9問〕(配点:3)
515 身分犯の共犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
516 正しいも
517 のを2個選びなさい。
518
519 (解答欄は,
520 [14],
521 [15]順不同)
522 1.刑法第65条の身分には一時的な心理状態は含まれないので,
523 目的犯に当たる犯罪行為を,
524
525 当該目的を有する者と有しない者が共同して行った場合,
526 同条の適用の余地はない。
527
528
529 2.刑法第65条第2項は加減的身分のない者が当該身分のある者に加功した場合について規定
530 するものであるので,
531 賭博の常習性を有する者が有しない者に賭博を教唆した場合,
532 同項の適
533 用の余地はない。
534
535
536 3.非占有者が業務上の占有者による横領行為に加功した場合,
537 当該非占有者には,
538 刑法第65
539 条第1項の適用により業務上横領罪の共犯が成立し,
540 同条第2項の適用により単純横領罪の刑
541 が科される。
542
543
544 4.刑法第65条の身分は,
545 一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態
546 の全てを指称するものであるので,
547 責任能力のある者が刑事未成年者を教唆して犯罪を行わせ
548 た場合,
549 同条が適用される。
550
551
552 5.自首による刑の減免は一身的な事由であるので,
553 共犯者のうち一人に自首が成立する場合,
554
555 刑法第65条第1項の適用はなく,
556 その減免の効果は自首した者以外には及ばない。
557
558
559
560 -6-
561
562 〔第10問〕(配点:2)
563 学生A,
564 B及びCは,
565 監禁罪の客体に関して,
566 次の各【見解】のうち,
567 いずれか異なる見解を採
568 り,
569 後記【事例】について【会話】のとおり検討している。
570
571 学生A,
572 B及びCの採る見解として正
573 しいものの組合せは,
574 後記1から5までのうちどれか。
575
576 (解答欄は,
577 [16])
578 【見解】
579 ア.監禁されている時点で移動する一般的な能力がある者は,
580 その時点で移動できなくても,
581
582 禁罪の客体となる。
583
584
585 イ.監禁されている時点で移動する一般的な能力があり,
586 その時点で現実に移動できる者は,
587
588 禁罪の客体となる。
589
590
591 ウ.監禁されている時点で移動する一般的な能力があり,
592 その時点で現実に移動でき,
593 かつ,
594
595 動する意思がある者は,
596 監禁罪の客体となる。
597
598
599 【事例】
600 乙が窓のない部屋の中に一人でいたところ,
601 甲は,
602 午後1時から午後3時までの間,
603 その部屋
604 の唯一の出入口であるドアに外から施錠し,
605 その間,
606 乙がその部屋の外に出られないようにした。
607
608
609 【会話】
610 学生A.乙が甲による施錠に気付かなかった場合,
611 B君が採る見解によれば,
612 監禁罪は成立しま
613 すか。
614
615
616 学生B.成立します。
617
618
619 学生C.私が採る見解でも成立します。
620
621 では,
622 乙が午後0時30分頃に眠ってしまい,
623 その後,
624
625 午後2時頃に目覚めて,
626 甲による施錠に気付かないまま午後4時まで室内で過ごした場合,
627
628 A君が採る見解によれば,
629 監禁罪は成立しますか。
630
631
632 学生A.成立しません。
633
634
635 学生B.私が採る見解では,
636 結論はA君と異なります。
637
638 では,
639 今のC君の事例を少し修正し,
640
641 が午後3時過ぎに目覚め,
642 甲による施錠に気付かなかったという場合,
643 C君が採る見解に
644 よれば,
645 監禁罪は成立しますか。
646
647
648 学生C.成立しません。
649
650
651 1.A−ア
652
653 B−ウ
654
655 C−イ
656
657 2.A−イ
658
659 B−ア
660
661 C−ウ
662
663 3.A−イ
664
665 B−ウ
666
667 C−ア
668
669 4.A−ウ
670
671 B−ア
672
673 C−イ
674
675 5.A−ウ
676
677 B−イ
678
679 C−ア
680
681 -7-
682
683 〔第11問〕(配点:2)
684 学生A,
685 B及びCは,
686 次の【事例】における窃盗罪の実行の着手時期について,
687 後記【会話】の
688 とおり議論している。
689
690 【会話】中の@からEまでの(
691
692 )内から適切なものを選んだ場合,
693 正しい
694
695 ものの組合せは,
696 後記1から5までのうちどれか。
697
698 (解答欄は,
699 [17])
700 【事例】
701 甲は,
702 X宅のタンスに宝石が保管されていることを知ったため,
703 その宝石を窃取する目的で,
704
705 X宅に玄関から侵入し,
706 宝石が保管されているタンスの在りかを探し始めて,
707 それが置かれてい
708 た居間に立ち入ろうとしたところ,
709 居間から出てきたXと鉢合わせとなり,
710 取り押さえられた。
711
712
713 【会話】
714 学生A.私は,
715 甲がX宅に侵入した時点で窃盗罪の実行の着手を認めてよいと思います。
716
717 この時
718 点で,
719 @(a.犯意の飛躍的表動があった・b.法益侵害の危険が飛躍的に高まった)と
720 いえるからです。
721
722
723 学生B.A君は,
724 犯罪を行為者の危険な性格の発現であると考えているのですね。
725
726 私は,
727 実行の
728 着手の「実行」とは構成要件該当行為のことで,
729 「着手」とはそれを開始することだと解
730 するので,
731 【事例】では,
732 窃盗罪の実行の着手は,
733 A(c.認められない・d.居間に立
734 ち入ろうとした時点で認められる)と考えます。
735
736
737 学生A.B君の見解に対しては,
738 実行の着手時期がB(e.不明確になる・f.遅くなり過ぎる)
739 との批判がありますね。
740
741
742 学生C.私は,
743 実行の着手時期とは,
744 未遂犯の成立時期のことであるので,
745 未遂犯の処罰根拠に
746 遡り,
747 実質的に考えることが必要だと思います。
748
749 そのため,
750 窃盗罪の実行の着手時期は,
751
752 C(g.占有侵害の現実的危険性が発生した・h.窃取行為と密接に関連する行為を開始
753 した)時点だと解するので,
754 【事例】では,
755 窃盗罪の実行の着手は,
756 D(i.認められな
757 い・j.X宅内でタンスの在りかを探し始めた時点で認められる)と考えます。
758
759 この点,
760
761 B君の見解を修正し,
762 実行の着手時期をE(k.占有侵害の現実的危険性が発生した・l.
763 窃取行為と密接に関連する行為を開始した)時点とする見解もありますが,
764 この見解に対
765 しては,
766 形式面を重視すると言いながら,
767 結局,
768 実質的な観点を取り入れているとの批判
769 があります。
770
771
772 1.@a
773
774 Ek
775
776 2.Ac
777
778 Ch
779
780 3.Ad
781
782 Di
783
784 4.Bf
785
786 El
787
788 5.Cg
789
790 Dj
791
792 〔第12問〕(配点:2)
793 性的自由に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
794
795 っているものはどれか。
796
797 (解答欄は,
798 [18])
799 1.強制わいせつ罪は,
800 告訴がなくても公訴を提起することができる。
801
802
803 2.15歳の者に対し,
804 その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわ
805 いせつな行為をした場合には,
806 暴行又は脅迫を用いていなくても,
807 監護者わいせつ罪が成立す
808 る。
809
810
811 3.強制性交等罪の犯人が,
812 強制性交を行った直後に強盗の犯意を生じて,
813 同じ被害者に対し,
814
815 強盗罪の手段に当たる脅迫を加えて財物を強取した場合には,
816 強制性交等罪と強盗罪の併合罪
817 となる。
818
819
820 4.強制性交等罪については,
821 女性も男性も,
822 その行為の主体となり得るし,
823 客体ともなり得る。
824
825
826 5.強制性交の意思をもって暴行又は脅迫を用いて被害者を抗拒不能にさせた後,
827 その状態に乗
828 じて性交をした場合には,
829 準強制性交等罪ではなく,
830 強制性交等罪が成立する。
831
832
833
834 -8-
835
836 〔第13問〕(配点:2)
837 次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,
838 誤っ
839 ているものの個数を後記1から5までの中から選びなさい。
840
841 (解答欄は,
842 [19])
843 【事例】
844 甲は,
845 友人乙から,
846 借金の返済に窮している旨の相談をされ,
847 乙に対し,
848 「実家に親父の高級
849 腕時計がある。
850
851 それを盗んで売りさばけば金になる。
852
853 」と提案し,
854 甲と別居する甲の実父V方か
855 らV所有の腕時計を盗むことを唆した。
856
857 乙は,
858 甲の提案を受け,
859 V方に窃盗に入ることとしたが,
860
861 仮に,
862 窃盗を行う際にVらに見付かって逮捕されそうになった場合には,
863 Vらをナイフで脅して
864 これを抑圧し,
865 逃走しようと考えた。
866
867
868 乙は,
869 某日午後0時頃,
870 前記の意図でナイフを購入し,
871 それを携帯してV方に向かい,
872 同日午
873 後1時頃,
874 腕時計を盗む目的で,
875 V方に窓から侵入した上,
876 寝室でV所有の腕時計(時価100
877 万円相当)を窃取した。
878
879 乙は,
880 その後間もなく,
881 V方玄関ドアの施錠を外して戸外に出て,
882 誰か
883 らも発見,
884 追跡されることなく,
885 V方から約1キロメートル離れた公園まで逃げた。
886
887 乙は,
888 同所
889 において,
890 やはり現金も欲しいと考え,
891 再度V方に窃盗に入ることを決意し,
892 V方に戻り,
893 同日
894 午後1時30分頃,
895 V方玄関内に入ったところ,
896 その直後に帰宅してきたVと鉢合わせとなった
897 ことから,
898 逮捕を免れるため,
899 前記ナイフをVの面前に示し,
900 Vが恐怖の余り身動きできないう
901 ちに逃走した。
902
903
904 乙は,
905 翌日,
906 甲に前記腕時計の売却を依頼した。
907
908 甲は,
909 同腕時計の売却先を探し,
910 知人丙に対
911 し,
912 その買取りを申し向けたところ,
913 丙が80万円で購入する旨答えたことから,
914 同腕時計を丙
915 に売却した。
916
917 甲は,
918 丙から同腕時計の売却代金として80万円を受け取ったが,
919 その後,
920 これを
921 自己のものにしようと考え,
922 乙に無断で,
923 その全額を遊興費として費消した。
924
925
926 【記述】
927 ア.乙が某日午後0時頃に購入したナイフを携帯してV方に向かったことについては,
928 「強盗の
929 罪を犯す目的」が認められないので,
930 乙に強盗予備罪は成立しない。
931
932
933 イ.乙がVをナイフで脅迫したことについては,
934 腕時計の窃取行為との時間的・場所的な近接性
935 に照らせば,
936 窃盗の機会の継続中に行われたものといえるため,
937 乙に事後強盗罪が成立する。
938
939
940 ウ.甲が乙に腕時計の窃盗を唆したことと,
941 その売却をあっせんしたことは,
942 原因と結果の関係
943 に立つので,
944 窃盗教唆罪と盗品等有償処分あっせん罪は牽連犯となる。
945
946
947 エ.Vの直系血族である甲には盗品等に関する罪について親族等の間の犯罪に関する特例が適用
948 されるため,
949 盗品等有償処分あっせん罪について,
950 甲はその刑を免除される。
951
952
953 オ.甲が腕時計の売却代金を費消したことについては,
954 同腕時計の窃盗犯人である乙は甲に対し
955 てその代金の引渡しを請求する権利がないので,
956 甲に委託物横領罪は成立しない。
957
958
959 1.1個
960
961 2.2個
962
963 3.3個
964
965 4.4個
966
967 -9-
968
969 5.5個
970
971 [刑事訴訟法]
972 〔第14問〕(配点:3)
973 刑事手続における諸概念の意義や沿革に関する次のアからオまでの各記述のうち,
974 正しいものの
975 組合せは,
976 後記1から5までのうちどれか。
977
978 (解答欄は,
979 [20])
980 ア.日本国憲法が被疑者・被告人の権利を保障する諸規定を置いたのを受けて,
981 刑事訴訟法第1
982 条は,
983 同法の目的として,
984 「適正手続の保障」と「人権の尊重」を掲げる一方,
985 「事案の真相の
986 解明」については明文に掲げなかった。
987
988
989 イ.刑事訴訟法は,
990 裁判所が審判を行うことのできる対象について,
991 検察官が「訴因」として明
992 示する犯罪事実に限定されることはなく,
993 当該犯罪事実と「公訴事実の同一性」の関係が認め
994 られる事実にまで及ぶとすることにより,
995 審判対象設定における「当事者主義」を採用した。
996
997
998 ウ.刑事訴訟法が「起訴状一本主義」を採用したことにより,
999 公判における事実審理を裁判所が
1000 主導して行う「職権主義」は実際上困難となり,
1001 当事者による証拠調べ請求や交互尋問など,
1002
1003 「当事者主義」による訴訟追行が原則として行われることとなった。
1004
1005
1006 エ.犯罪事実については,
1007 その存在が証明されたとの心証を裁判所が抱いたのでない限り無罪が
1008 言い渡されるという意味で,
1009 検察官が「挙証責任」を負うとされるが,
1010 これは,
1011 刑事訴訟法が
1012 「当事者主義」による訴訟追行を原則としたことによるものであり,
1013 「職権主義」の下では,
1014
1015 検察官が犯罪事実について「挙証責任」を負うことはない。
1016
1017
1018 オ.確定した判決の言渡しを受けた者にとって不利益となる再審を認めることは,
1019 「二重の危険
1020 の禁止」に反する疑いがあるため,
1021 刑事訴訟法は,
1022 確定した有罪判決の言渡しを受けた者にと
1023 って利益な方向での再審のみを認めた。
1024
1025
1026 1.ア
1027
1028
1029
1030 2.ア
1031
1032
1033
1034 3.イ
1035
1036
1037
1038 4.イ
1039
1040
1041
1042 5.ウ
1043
1044
1045
1046 〔第15問〕(配点:2)
1047 次のアからオまでの各記述のうち,
1048 正しいものの組合せは,
1049 後記1から5までのうちどれか。
1050
1051
1052 だし,
1053 判例がある場合には,
1054 それに照らして考えるものとする。
1055
1056 (解答欄は,
1057 [21])
1058 ア.捜査機関は,
1059 逮捕状により被疑者を逮捕する場合において,
1060 被疑者を捜索するため人の住居
1061 に入る必要があるときは,
1062 住居を対象とする捜索許可状がなくても,
1063 その住居に入ることがで
1064 きる。
1065
1066
1067 イ.捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において,
1068 差し押さえるべき物が
1069 短時間のうちに破棄隠匿されるおそれがあり,
1070 捜索差押えの実効性を確保するためにやむを得
1071 ないと認められるときは,
1072 令状を呈示することなくその住居に入った後,
1073 直ちに令状を呈示し
1074 て捜索をすることができる。
1075
1076
1077 ウ.捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において,
1078 急速を要するときは,
1079
1080 令状に夜間でも捜索することができる旨の記載がなくても,
1081 日没後にその住居に入り捜索をす
1082 ることができる。
1083
1084
1085 エ.捜査機関の嘱託により鑑定を行う者が,
1086 鑑定のため人の住居に入る必要があるときは,
1087 自ら
1088 裁判官に令状を請求し,
1089 その発付を受けて,
1090 その住居に入ることができる。
1091
1092
1093 オ.捜査機関が人の住居に入りその内部の状態を五官の作用により認識する処分は,
1094 住居主の承
1095 諾がある場合であっても,
1096 これを令状なく行うことは許されず,
1097 検証許可状の発付を受けて行
1098 わなければならない。
1099
1100
1101
1102 1.ア イ
1103
1104 2.ア オ
1105
1106 3.イ ウ
1107
1108 4.ウ エ
1109
1110 - 10 -
1111
1112 5.エ オ
1113
1114 〔第16問〕(配点:2)
1115 現行犯逮捕に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1116 正しいものは幾つあるか。
1117
1118 後記1から6
1119 までのうちから選びなさい。
1120
1121 ただし,
1122 判例がある場合には,
1123 それに照らして考えるものとする。
1124
1125
1126 (解
1127 答欄は,
1128 [22])
1129 ア.現行犯人を逮捕することができる要件については,
1130 犯罪の法定刑の軽重による差異はない。
1131
1132
1133 イ.現行犯人である「現に罪を行い終つた者」というためには,
1134 犯罪が既遂に達していることが
1135 必要である。
1136
1137
1138 ウ.現行犯逮捕が許されるためには,
1139 逮捕者が,
1140 少なくとも犯行の一部を現認していることが必
1141 要である。
1142
1143
1144 エ.私人が現行犯人を逮捕したときは,
1145 直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は
1146 司法警察職員に引き渡さなければならない。
1147
1148
1149 オ.現行犯人を逮捕した私人は,
1150 逮捕の現場で令状によらずに,
1151 証拠物の捜索差押えをすること
1152 ができる。
1153
1154
1155 1.0個
1156
1157 2.1個
1158
1159 3.2個
1160
1161 4.3個
1162
1163 5.4個
1164
1165 6.5個
1166
1167 〔第17問〕(配点:2)
1168 被疑者の勾留に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1169 正しいものは幾つあるか。
1170
1171 後記1から
1172 6までのうちから選びなさい。
1173
1174 (解答欄は,
1175 [23])
1176 ア.裁判官は,
1177 勾留の請求を受けた時から24時間以内に勾留の裁判をしなければならない。
1178
1179
1180 イ.勾留の請求を受けた裁判官は,
1181 被疑者に被疑事件を告げる際,
1182 被疑者が既に弁護人を選任し
1183 ている場合には,
1184 弁護人選任権を告げる必要はない。
1185
1186
1187 ウ.裁判官は,
1188 勾留の継続により被疑者が受ける健康上又は社会生活上の不利益がある場合,
1189
1190 留中の被疑者を保釈することができる。
1191
1192
1193 エ.30万円以下の罰金に当たる事件の被疑者については,
1194 被疑者が罪を犯したと疑うに足りる
1195 相当な理由がある場合で,
1196 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があり,
1197 かつ,
1198 逃亡する
1199 と疑うに足りる相当な理由があったとしても,
1200 住居不定でなければ勾留することはできない。
1201
1202
1203 オ.少年の被疑者については,
1204 勾留することができない。
1205
1206
1207 1.0個
1208
1209 2.1個
1210
1211 3.2個
1212
1213 4.3個
1214
1215 5.4個
1216
1217 6.5個
1218
1219 〔第18問〕(配点:2)
1220 弁護人の活動に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1221 正しいものの組合せは,
1222 後記1から5
1223 までのうちどれか。
1224
1225 (解答欄は,
1226 [24])
1227 ア.警察官が捜索許可状に基づき被疑者方を捜索する場合,
1228 弁護人は,
1229 当該捜索許可状の執行に
1230 立ち会う権利がある。
1231
1232
1233 イ.裁判官は,
1234 逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは,
1235 検察官の請
1236 求により又は職権で,
1237 勾留されている被疑者と弁護人との接見を禁じることができる。
1238
1239
1240 ウ.弁護人は,
1241 勾留されている被疑者の勾留の期間を延長する裁判に対して,
1242 準抗告をすること
1243 ができる。
1244
1245
1246 エ.勾留されている被疑者の弁護人は,
1247 裁判官に勾留の理由の開示を請求することができる。
1248
1249
1250 オ.弁護人は,
1251 起訴前に,
1252 被疑者の勾留状の謄本の交付を請求することはできない。
1253
1254
1255 1.ア
1256
1257
1258
1259 2.ア
1260
1261
1262
1263 3.イ
1264
1265
1266
1267 4.ウ
1268
1269 - 11 -
1270
1271
1272
1273 5.エ
1274
1275
1276
1277 〔第19問〕(配点:2)
1278 公訴の提起に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1279 誤っているものは幾つあるか。
1280
1281 後記1か
1282 ら6までのうちから選びなさい。
1283
1284 ただし,
1285 判例がある場合には,
1286 それに照らして考えるものとする。
1287
1288
1289 (解答欄は,
1290 [25])
1291 ア.公訴事実として,
1292 数個の訴因を予備的に記載することは許されない。
1293
1294
1295 イ.起訴状の謄本が公訴の提起があった日から2か月以内に被告人に送達されなかったため,
1296
1297 訴が棄却された場合,
1298 公訴の提起により進行を停止していた公訴時効は,
1299 公訴棄却の裁判が確
1300 定した時から再びその進行を始める。
1301
1302
1303 ウ.共犯の1人に対してした公訴の提起による時効の停止は,
1304 他の共犯に対してその効力を有し
1305 ない。
1306
1307
1308 エ.検察官は,
1309 公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑が十分にあると思料するときは,
1310 必ず公訴を
1311 提起しなければならない。
1312
1313
1314 オ.公訴の提起は,
1315 緊急やむを得ない場合には,
1316 起訴状の提出によらず,
1317 口頭によることもでき
1318 る。
1319
1320
1321 1.0個
1322
1323 2.1個
1324
1325 3.2個
1326
1327 4.3個
1328
1329 5.4個
1330
1331 6.5個
1332
1333 〔第20問〕(配点:2)
1334 被害者特定事項の秘匿に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1335 正しいものの組合せは,
1336 後記
1337 1から5までのうちどれか。
1338
1339 (解答欄は,
1340 [26])
1341 ア.強制わいせつ致死事件の被害者の兄弟姉妹は,
1342 被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしな
1343 いよう申し出ることはできない。
1344
1345
1346 イ.傷害事件の被害者は,
1347 犯行の態様,
1348 被害の状況その他の事情により,
1349 被害者特定事項が公開
1350 の法廷で明らかにされることにより被害者の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれ
1351 がある場合,
1352 被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしないよう申し出ることができる。
1353
1354
1355 ウ.被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定がされた場合,
1356 被害者を証人として
1357 尋問する際には,
1358 被告人と被害者との間で相互に相手の状態を認識することができないように
1359 するための遮へい措置を講じなければならない。
1360
1361
1362 エ.被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定がされた場合,
1363 裁判長は,
1364 弁護人の
1365 尋問が被害者特定事項にわたるときは,
1366 当該尋問を必ず制限しなければならない。
1367
1368
1369 オ.被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない旨の決定に対して,
1370 抗告することはできない。
1371
1372
1373 1.ア
1374
1375
1376
1377 2.イ
1378
1379
1380
1381 3.イ
1382
1383
1384
1385 4.エ
1386
1387 - 12 -
1388
1389
1390
1391 5.ア
1392
1393
1394
1395 〔第21問〕(配点:2)
1396 次の【事例】における被害者Vの証人尋問に関して述べた後記アからオまでの【記述】のうち,
1397
1398 誤っているものの組合せは,
1399 後記1から5までのうちどれか。
1400
1401 ただし,
1402 判例がある場合には,
1403 それ
1404 に照らして考えるものとし,
1405 対象となる書面又は物については,
1406 あらかじめ相手方に閲覧する機会
1407 を与えたものとする。
1408
1409 (解答欄は,
1410 [27])
1411 【事例】
1412 甲は,
1413 Vの顔面を鉄パイプで殴打して傷害を負わせたという傷害の事実で公訴を提起された。
1414
1415
1416 は,
1417 公判において公訴事実を否認し,
1418 検察官の請求により,
1419 Vの証人尋問が実施された。
1420
1421
1422 【記述】
1423 ア.検察官は,
1424 Vの供述を明確にするため必要があるときは,
1425 裁判長の許可を受けて,
1426 実況見分
1427 調書に添付された現場見取図を利用して尋問することができる。
1428
1429
1430 イ.検察官や弁護人は,
1431 証拠調べを終わったものでない書面又は物については,
1432 これをVに示し
1433 て尋問することができない。
1434
1435
1436 ウ.検察官は,
1437 現場に遺留された鉄パイプにつき,
1438 犯行に使用された鉄パイプとの同一性をVに
1439 尋問する場合に必要があるときは,
1440 裁判長の許可を受けずにこれを示すことができる。
1441
1442
1443 エ.検察官が,
1444 捜査段階で撮影されたVによる被害再現写真をVに示すことについては,
1445 弁護人
1446 が異議がないと述べた場合に限り許される。
1447
1448
1449 オ.検察官は,
1450 Vの記憶が明らかでない被害状況についてその記憶を喚起するため必要があると
1451 きは,
1452 裁判長の許可を受けて,
1453 Vが被害状況について記載していたメモを示して尋問すること
1454 ができる。
1455
1456
1457 1.ア
1458
1459
1460
1461 2.イ
1462
1463
1464
1465 3.イ
1466
1467
1468
1469 4.ア
1470
1471 - 13 -
1472
1473
1474
1475 5.ウ
1476
1477
1478
1479 〔第22問〕(配点:3)
1480 次の【事例】に関し,
1481 甲の供述を記載した書面の証拠能力について述べた後記アからオまでの【記
1482 述】のうち,
1483 正しいものには1を,
1484 誤っているものには2を選びなさい。
1485
1486 ただし,
1487 刑事訴訟法第3
1488 26条の同意がなかったものとする。
1489
1490 (解答欄は,
1491 アからオの順に[28]から[32])
1492 【事例】
1493 甲は,
1494 平成30年12月15日午後8時頃,
1495 H市I町2丁目先路上において,
1496 Vに対し,
1497 殺意を
1498 もって,
1499 携帯していた出刃包丁で,
1500 同人の胸部を突き刺すなどし,
1501 よって,
1502 その頃,
1503 同所において,
1504
1505 同人を胸部刺切創による心臓損傷に基づく出血により失血死させて殺害したという殺人の事実によ
1506 り公訴を提起された。
1507
1508
1509 【記述】
1510 ア.甲がVを殺害するに至った経緯を自ら書き記した書面は,
1511 甲の署名又は押印のあるものに限
1512 り,
1513 V殺害の経緯を立証するための証拠として用いることができる。
1514
1515 [28]
1516 イ.取調べの際に,
1517 甲がVを殺害するに至った経緯についてした供述を録取した書面で,
1518 甲の署
1519 名又は押印のあるものは,
1520 その供述が検察官の面前でされたものであるときに限り,
1521 V殺害の
1522 経緯を立証するための証拠として用いることができる。
1523
1524 [29]
1525 ウ.検察官による取調べの際に,
1526 甲が,
1527 Vを殺害したことを認めた供述を録取した書面で,
1528 甲の
1529 署名又は押印のあるものは,
1530 その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであ
1531 るときに限り,
1532 甲がVを殺害したことを立証するための証拠として用いることができる。
1533
1534 [3
1535 0]
1536 エ.検察官による取調べの際に,
1537 甲が,
1538 平成30年12月14日午後7時頃,
1539 Vの胸部刺切創の
1540 大きさと合致する出刃包丁を購入したことを認めた供述を録取した書面で,
1541 甲の署名又は押印
1542 のあるものは,
1543 その供述が任意にされたものでない疑いがないときに限り,
1544 甲がVを殺害する
1545 ために出刃包丁を購入したことを立証するための証拠として用いることができる。
1546
1547 [31]
1548 オ.検察官による取調べの際に,
1549 甲が,
1550 平成30年12月15日午後8時頃,
1551 隣のJ市にいたた
1552 め,
1553 Vを殺害することは不可能であった旨を述べた供述を録取した書面で,
1554 甲の署名又は押印
1555 のあるものは,
1556 その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り,
1557 Vが殺害
1558 された当時,
1559 甲が犯行の場所にいなかったことを立証するための証拠として用いることができ
1560 る。
1561
1562 [32]
1563 〔第23問〕(配点:3)
1564 違法収集証拠の証拠能力に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1565 正しいものには1を,
1566 誤っ
1567 ているものには2を選びなさい。
1568
1569 ただし,
1570 判例がある場合には,
1571 それに照らして考えるものとする。
1572
1573
1574 (解答欄は,
1575 アからオの順に[33]から[37])
1576 ア.違法に収集された証拠物の証拠能力が否定されるか否かは,
1577 専ら憲法の解釈に委ねられてお
1578 り,
1579 憲法第31条の適正手続の保障自体の要請として,
1580 証拠物の収集手続に重大な違法があり,
1581
1582 これを使用して被告人を処罰することによって手続全体が適正を欠くものとなる場合に限っ
1583 て,
1584 その証拠能力が否定される。
1585
1586 [33]
1587 イ.被告人を逮捕する際に逮捕状の呈示がなく,
1588 逮捕状の緊急執行もされていないという違法が
1589 ある場合,
1590 警察官が逮捕手続の違法を糊塗するため,
1591 逮捕時に逮捕状を呈示した旨の虚偽を逮
1592 捕状に記入した上,
1593 同旨の内容虚偽の捜査報告書を作成し,
1594 さらに,
1595 公判廷において,
1596 同旨の
1597 内容虚偽の証言をしたという事情が存するとしても,
1598 これらは逮捕後に生じたものであるから,
1599
1600 その逮捕当日に任意に採取された尿の鑑定書の証拠能力を判断するに当たり,
1601 これを考慮する
1602 ことはできない。
1603
1604 [34]
1605 ウ.証拠物の収集手続にその証拠能力を否定すべき重大な違法があるか否かを判断するに当たり,
1606
1607 手続違反がなされた際の状況や適法になし得た行為からの逸脱の程度を考慮することはできる
1608 - 14 -
1609
1610 が,
1611 警察官の,
1612 令状主義に関する諸規定を潜脱しようとの意図の有無を考慮することはできな
1613 い。
1614
1615 [35]
1616 エ.違法な捜査手続の結果収集された証拠物が犯罪の立証上重要なものであればあるほど,
1617 その
1618 証拠能力を否定することは,
1619 事案の真相の究明との抵触が大きくなるため,
1620 逮捕手続に重大な
1621 違法が認められる場合であっても,
1622 その逮捕中に被告人が任意に提出した尿から覚せい剤成分
1623 が検出された旨の鑑定書は,
1624 同人の覚せい剤使用の罪に係る公判において,
1625 証拠能力が否定さ
1626 れることはない。
1627
1628 [36]
1629 オ.ある証拠物が収集された直接の手続のみに着目すれば違法が認められない場合でも,
1630 それに
1631 先行する捜査手続(先行手続)に重大な違法があって,
1632 当該証拠物がその先行手続と密接な関
1633 連を有するときは,
1634 その証拠能力が否定されることがある。
1635
1636 [37]
1637 〔第24問〕(配点:3)
1638 次のT,
1639 Uの【見解】は,
1640 犯行を否認する甲を有罪とするに当たり,
1641 甲と共に犯行を行った旨自
1642 白する乙の供述につき,
1643 補強証拠を必要とするか否かに関するものである。
1644
1645 【見解】に関する後記
1646 アからオまでの【記述】のうち,
1647 正しいものは幾つあるか。
1648
1649 後記1から6までのうちから選びなさ
1650 い。
1651
1652 (解答欄は,
1653 [38])
1654 【見解】
1655 T.甲を有罪とするには,
1656 乙の供述につき補強証拠を必要とする。
1657
1658
1659 U.甲を有罪とするには,
1660 乙の供述につき補強証拠を必要としない。
1661
1662
1663 【記述】
1664 ア.刑事訴訟法第319条第2項の規定は,
1665 自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきで
1666 あると考えると,
1667 Uの見解に結び付きやすい。
1668
1669
1670 イ.Tの見解に対しては,
1671 他に補強証拠がない限り,
1672 否認した甲は有罪,
1673 自白した乙は無罪にな
1674 るという非常識な結論が生じるとの批判がある。
1675
1676
1677 ウ.自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法第319条第2項の規定の趣旨からす
1678 れば,
1679 本人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると,
1680 Uの見解に結び付きやす
1681 い。
1682
1683
1684 エ.共犯者である乙の自白は,
1685 甲の公判において反対尋問による吟味を経るため,
1686 証明力が高い
1687 と考えると,
1688 Uの見解に結び付きやすい。
1689
1690
1691 オ.Tの見解のうち,
1692 補強証拠を必要とする範囲を法益侵害があった事実とそれが何人かの犯罪
1693 行為によるものであることで足りるとする立場に対しては,
1694 共犯者の自白には,
1695 引込みや責任
1696 転嫁の危険があるが,
1697 それらの危険を防止することはできないとの批判がある。
1698
1699
1700 1.0個
1701
1702 2.1個
1703
1704 3.2個
1705
1706 4.3個
1707
1708 - 15 -
1709
1710 5.4個
1711
1712 6.5個
1713
1714 〔第25問〕(配点:2)
1715 次のアからオまでの各記述のうち,
1716 正しいものの組合せは,
1717 後記1から5までのうちどれか。
1718
1719
1720 だし,
1721 判例がある場合には,
1722 それに照らして考えるものとする。
1723
1724 (解答欄は,
1725 [39])
1726 ア.有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」とは,
1727
1728 反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく,
1729 抽象的な可能性としては反
1730 対事実が存在するとの疑いを入れる余地があっても,
1731 健全な社会常識に照らして,
1732 その疑いに
1733 合理性がないと一般的に判断される場合には有罪認定を可能とする趣旨である。
1734
1735
1736 イ.直接証拠によって事実を認定すべき場合と,
1737 情況証拠によって事実を認定すべき場合とで,
1738
1739 求められる証明の程度に異なるところはない。
1740
1741
1742 ウ.裁判官が,
1743 証人の証言の信用性を判断する際には,
1744 その証言内容のみによって判断しなけれ
1745 ばならず,
1746 その証人の公判廷での表情や態度を考慮してはならない。
1747
1748
1749 エ.略式手続においては,
1750 犯罪の証明の程度は,
1751 証拠の優越で足りる。
1752
1753
1754 オ.裁判所は,
1755 被告人の精神状態につき,
1756 精神医学者の意見が鑑定等として証拠になっている場
1757 合には,
1758 その意見のとおりに認定しなければならない。
1759
1760
1761 1.ア
1762
1763
1764
1765 2.ア
1766
1767
1768
1769 3.イ
1770
1771
1772
1773 4.ウ
1774
1775
1776
1777 5.エ
1778
1779
1780
1781 〔第26問〕(配点:2)
1782 次のアからオまでの裁判又は処分のうち,
1783 準抗告の対象となるものの組合せは,
1784 後記1から5ま
1785 でのうちどれか。
1786
1787 ただし,
1788 判例がある場合には,
1789 それに照らして考えるものとする。
1790
1791
1792 (解答欄は,
1793
1794
1795 40])
1796 ア.裁判官がした,
1797 逮捕状を発付する裁判
1798 イ.受訴裁判所がした,
1799 被告人の保釈請求を却下する裁判
1800 ウ.司法巡査がした捜索
1801 エ.司法警察員がした差押え
1802 オ.検察官がした,
1803 被疑者とその弁護人との接見の日時の指定
1804 1.ア
1805
1806
1807
1808 2.ア
1809
1810
1811
1812 3.イ
1813
1814
1815
1816 4.ウ
1817
1818 - 16 -
1819
1820
1821
1822 5.エ
1823
1824
1825
1826