1 短答式試験問題集
2 [憲法・行政法]
3
4 -1-
5
6 [憲法]
7 〔第1問〕(配点:3)
8 私人間における人権保障に関する次のアからウまでの各記述について,
9 それぞれ正しい場合には
10 1を,
11 誤っている場合には2を選びなさい。
12
13 (解答欄は,
14 アからウの順に[bP]から[bR])
15 ア.「憲法の人権規定は私人間においても直接適用される」とする説のうち,
16 私的自治の原則に
17 より,
18 人権の効力は私人相互間の場合にはその本質的な核心が侵されない限度で相対化される
19 ことを認める見解は,
20 こうした相対化を認める限度において,
21 直接適用説といっても間接適用
22 説に類似したものになる。
23
24 [bP]
25 イ.「憲法の人権規定は,
26 公権力の統治行動に対して個人の基本的な自由と平等を保障する目的
27 に出たもので,
28 私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない」とする説を前提
29 にすると,
30 私人間における権利・自由の対立については,
31 その侵害の態様,
32 程度が社会的に許
33 容し得る一定の限界を超える場合に,
34 私法規定の解釈を通じてその間の適切な調整を図ること
35 ができるとの見解は採り得ない。
36
37 [bQ]
38 ウ.「私人間の関係においても,
39 相互の社会的力関係の相違から,
40 一方が他方に優越し,
41 事実上
42 後者が前者の意思に服従せざるを得ない場合,
43 憲法の人権規定は私人間に直接適用される」と
44 する説について,
45 判例は,
46 こうした支配関係はその支配力の態様,
47 程度,
48 規模等において様々
49 であり,
50 どのような場合にこれを国又は公共団体の支配と同視すべきかの判定が困難であると
51 している。
52
53 [bR]
54 〔第2問〕(配点:3)
55 法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述のうち,
56 aは最高裁判所の判例を要約したもの
57 であり,
58 bはその批判として書かれたものである。
59
60 bがaの批判となっている場合には1を,
61 そう
62 でない場合には2を選びなさい。
63
64 (解答欄は,
65 アからウの順に[bS]から[bU])
66 ア.a.尊属の殺害について,
67 尊属に対する尊重報恩は,
68 社会生活上の基本的道義であり,
69 この
70 ような自然的情愛ないし普遍的倫理の維持は,
71 刑法上の保護に値するから,
72 これを刑の加
73 重要件とする規定を設けても,
74 直ちに合理的な根拠を欠くものとは認められない。
75
76
77 b.尊属がただ尊属なるがゆえに特別の保護を受けるべきであるとの考えは,
78 個人の尊厳と
79 人格価値の平等を基本とする民主主義の理念と抵触する。
80
81 [bS]
82 イ.a.女性に対し6か月の再婚禁止期間を定める規定について,
83 厳密に父性の推定が重複する
84 ことを回避するための期間を超えて婚姻を禁止することは正当化できないから,
85 再婚禁止
86 期間のうち100日を超える部分は合理性を欠いた過剰な制約である。
87
88
89 b.子が出生した時点で法律上の父が定まらず,
90 検査の実施や訴訟等により法律上の父を定
91 める場合,
92 決定がかなり遅れる事態も想定され,
93 それは子の利益に反する。
94
95 [bT]
96 ウ.a.出生後に認知を受けた子について,
97 準正のあった場合に限り日本国籍を取得させると定
98 める規定は,
99 準正のない子に対し,
100 日本国民である父から胎児認知された又は母が日本国
101 民である非嫡出子と比較して,
102 著しく不利益な差別的取扱いを生じさせている。
103
104
105 b.日本国民が母である非嫡出子は出生時において母の親権に服し,
106 また,
107 胎児認知は任意
108 認知に限られるため,
109 出生の時点で既に血統を超えた我が国社会との結び付きがある。
110
111
112
113 6]
114
115 -2-
116
117 〔第3問〕(配点:3)
118 憲法第21条に関する次のアからウまでの各記述について,
119 bの見解がaの見解の根拠となって
120 いる場合には1を,
121 そうでない場合には2を選びなさい。
122
123 (解答欄は,
124 アからウの順に[bV]か
125 ら[bX])
126 ア.a.「検閲」とは,
127 行政権が主体となって,
128 思想内容等の表現物を対象とし,
129 その全部又は
130 一部の発表の禁止を目的として,
131 対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に,
132 発表
133 前にその内容を審査した上,
134 不適当と認めるものの発表を禁止することを,
135 その特質とし
136 て備えるものであり,
137 絶対的に禁止される。
138
139
140 b.大日本帝国憲法下においては,
141 文書,
142 図画ないし新聞,
143 雑誌等を出版直前ないし発行時
144 に提出させた上,
145 その発売,
146 頒布を禁止する権限が内務大臣に与えられ,
147 その運用を通じ
148 て実質的な検閲が行われたほか,
149 映画フィルムにつき典型的な検閲が行われる等,
150 思想の
151 自由な発表,
152 交流が妨げられるに至った経験を有する。
153
154 [bV]
155 イ.a.公務員又は公職選挙の候補者に対する評価,
156 批判等の表現行為に関する出版物の公布等
157 の事前差止めは,
158 原則として許されず,
159 その表現内容が真実でなく,
160 又はそれが専ら公益
161 を図る目的のものではないことが明白であって,
162 かつ,
163 被害者が重大にして著しく回復困
164 難な損害を被るおそれがあるときにのみ例外的に許される。
165
166
167 b.表現行為に対する事前抑制は,
168 表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読
169 者等の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ,
170 公の批判の
171 機会を減少させるものであり,
172 性質上,
173 予測に基づくものとならざるを得ないこと等から
174 広汎にわたりやすく,
175 濫用のおそれがある上,
176 実際上の抑止的効果が大きい。
177
178 [bW]
179 ウ.a.主催者が集会を平穏に行おうとしているのに,
180 その集会の目的や主催者の思想,
181 信条等
182 に反対する者らが,
183 これを実力で阻止し,
184 妨害しようとして紛争を起こすおそれがあるこ
185 とを理由に公の施設の利用を拒むことができるのは,
186 警察の警備等によってもなお混乱を
187 防止することができないなど特別な事情がある場合に限られる。
188
189
190 b.集団行動による思想等の表現は,
191 現在する多数人の集合体自体の力によって支持されて
192 いるから,
193 平穏静粛な集団であっても,
194 一瞬にして暴徒と化し,
195 勢いの赴くところ実力に
196 よって法と秩序をじゅうりんし,
197 集団行動の指揮者はもちろん警察力を以てしても如何と
198 もし得ないような事態に発展する危険が存在する。
199
200 [bX]
201
202 -3-
203
204 〔第4問〕(配点:2)
205 職業の自由に関する次のアからウまでの各記述について,
206 最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
207
208 正しいものには○,
209 誤っているものには×を付した場合の組合せを,
210 後記1から8までの中から選
211 びなさい。
212
213 (解答欄は,
214 [10])
215 ア.薬局の開設につき,
216 これを許可制とすることの目的が,
217 国民の生命及び健康に対する危険の
218 防止にある場合,
219 当該規制の合憲性を肯定するためには,
220 それが重要な公共の利益のために必
221 要かつ合理的な措置であることに加え,
222 より緩やかな規制によってはその目的を十分に達成す
223 ることができないと認められることも要する。
224
225
226 イ.個人の経済活動の自由に対して,
227 社会経済全体の均衡のとれた調和的発展を図るという積極
228 目的の規制を設けることが正当化される根拠として,
229 国民の生存権やその一環としての勤労権
230 が保障されているなど,
231 経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を行うことが憲法上の要
232 請とされていることを挙げることができる。
233
234
235 ウ.酒類販売業について免許制とすることを定めた酒税法の規定は,
236 酒類販売業者には経済的基
237 盤の弱い中小事業者が多いことに照らし,
238 酒類販売業者を相互間の過当競争による共倒れから
239 保護するという積極目的の規制であり,
240 当該規制の目的に合理性が認められ,
241 その手段・態様
242 も著しく不合理であることが明白であるとは認められないから,
243 違憲ではない。
244
245
246 1.ア○
247
248 イ○
249
250 ウ○
251
252 2.ア○
253
254 イ○
255
256 ウ×
257
258 3.ア○
259
260 イ×
261
262 ウ○
263
264 4.ア○
265
266 イ×
267
268 ウ×
269
270 5.ア×
271
272 イ○
273
274 ウ○
275
276 6.ア×
277
278 イ○
279
280 ウ×
281
282 7.ア×
283
284 イ×
285
286 ウ○
287
288 8.ア×
289
290 イ×
291
292 ウ×
293
294 〔第5問〕(配点:2)
295 生存権の法的性格に関し,
296 国民が立法者に対して立法その他の措置を要求する権利を定めたもの
297 であると解するが,
298 具体的権利性については否定する見解(いわゆる抽象的権利説)がある。
299
300 この
301 見解に関する次のアからウまでの各記述について,
302 正しいものには○,
303 誤っているものには×を付
304 した場合の組合せを,
305 後記1から8までの中から選びなさい。
306
307 (解答欄は,
308 [11])
309 ア.この見解の理由として,
310 資本主義経済においては,
311 個人の生活について自助の原則が妥当し,
312
313 生存権を具体的権利とする前提を欠いていること,
314 及び国が国民に生存権を保障する場合,
315
316 の実現には予算を伴うが,
317 予算の配分は財政政策上の問題として国の裁量に委ねられているこ
318 とも挙げることができる。
319
320
321 イ.この見解に立つと,
322 生活保護法に基づいて決定された保護が,
323 正当な理由がないにもかかわ
324 らず不利益に変更された場合,
325 その変更について争う裁判において,
326 その変更が生活保護法の
327 規定する不利益変更禁止の原則に違反することに加え,
328 憲法第25条にも違反するとの主張が
329 できる。
330
331
332 ウ.この見解は,
333 憲法第25条の趣旨に応えて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決
334 定は,
335 立法府の広い裁量に委ねられており,
336 それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・
337 濫用と見ざるを得ないような場合を除き,
338 裁判所が審査判断するのに適しないと判示した堀木
339 訴訟判決(最高裁判所昭和57年7月7日大法廷判決,
340 民集36巻7号1235頁)と矛盾す
341 る。
342
343
344 1.ア○
345
346 イ○
347
348 ウ○
349
350 2.ア○
351
352 イ○
353
354 ウ×
355
356 3.ア○
357
358 イ×
359
360 ウ○
361
362 4.ア○
363
364 イ×
365
366 ウ×
367
368 5.ア×
369
370 イ○
371
372 ウ○
373
374 6.ア×
375
376 イ○
377
378 ウ×
379
380 7.ア×
381
382 イ×
383
384 ウ○
385
386 8.ア×
387
388 イ×
389
390 ウ×
391
392 -4-
393
394 〔第6問〕(配点:2)
395 次の対話は,
396 婚姻の自由に関する教授と学生の対話である。
397
398 教授の各質問に対する次のアからウ
399 までの学生の各回答について,
400 正しいものには○,
401 誤っているものには×を付した場合の組合せを,
402
403 後記1から8までの中から選びなさい。
404
405 (解答欄は,
406 [12])
407 教授.婚姻の自由の憲法上の位置付けについての判例としては,
408 再婚禁止期間一部違憲判決(最
409 高裁判所平成27年12月16日大法廷判決,
410 民集69巻8号2427頁)が重要ですが,
411
412 この判決はどのように述べているでしょうか。
413
414
415 ア.この判決は,
416 婚姻をするかどうか,
417 いつ誰と婚姻をするかは当事者間の自由かつ平等な意
418 思決定に委ねられるべきこと(婚姻をするについての自由)は,
419 「憲法第24条第1項によ
420 って保障される」としています。
421
422
423 教授.再婚禁止期間を定めた当時の民法第733条の規定は,
424 婚姻をするについての自由の直接
425 的な制約だとされましたが,
426 夫婦同氏制を定める民法第750条について,
427 夫婦同氏制合憲
428 判決(最高裁判所平成27年12月16日大法廷判決,
429 民集69巻8号2586頁)はどの
430 ように述べていますか。
431
432
433 イ.同条は,
434 婚姻の効力の1つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものであり,
435
436 婚姻をすることについての直接の制約を定めたものではないとした上で,
437 このような事実上
438 の制約については立法裁量の審査の際に考慮すべきであるとしています。
439
440
441 教授.ところで,
442 近年,
443 海外主要国では同性婚の権利が憲法上保障されているとする判決が出さ
444 れたり,
445 法改正あるいは憲法改正によって同性婚の権利が保障される例が増えてきています。
446
447
448 憲法第24条第1項は,
449 婚姻が「両性の合意のみ」に基づいて成立するとしていますが,
450
451 条項の解釈論として,
452 同性婚の権利はどのように考えられるでしょうか。
453
454
455 ウ.今,
456 先生のおっしゃった文言を重視すれば,
457 同性婚の権利を同条項が保障しているとする
458 のは難しいと思います。
459
460 他方,
461 同条項は,
462 家制度の下での婚姻に関する戸主権を否定するこ
463 とを主たる趣旨とするので,
464 この文言を過度に重視すべきではないという見解もあります。
465
466
467 1.ア○
468
469 イ○
470
471 ウ○
472
473 2.ア○
474
475 イ○
476
477 ウ×
478
479 3.ア○
480
481 イ×
482
483 ウ○
484
485 4.ア○
486
487 イ×
488
489 ウ×
490
491 5.ア×
492
493 イ○
494
495 ウ○
496
497 6.ア×
498
499 イ○
500
501 ウ×
502
503 7.ア×
504
505 イ×
506
507 ウ○
508
509 8.ア×
510
511 イ×
512
513 ウ×
514
515 〔第7問〕(配点:2)
516 憲法の概念に関する次のアからウまでの各記述について,
517 正しいものには○,
518 誤っているものに
519 は×を付した場合の組合せを,
520 後記1から8までの中から選びなさい。
521
522 (解答欄は,
523 [13])
524 ア.「固有の意味の憲法」とは,
525 国家の統治の在り方を定めた基本法としての近代前の憲法を指
526 す。
527
528 これに対して,
529 「立憲的意味の憲法」とは,
530 国家権力を制限して国民の権利を保障すると
531 いう思想に基づく近代以降の憲法のことをいう。
532
533
534 イ.「形式的意味の憲法」とは,
535 憲法という名称を与えられた成文の法典(憲法典)を指す。
536
537
538 れに対して,
539 「実質的意味の憲法」とは,
540 その存在形式のいかんを問わず,
541 内容的に憲法と観
542 念されるもののことをいう。
543
544
545 ウ.「硬性憲法」とは,
546 日本国憲法のように,
547 憲法改正が困難な憲法を指す。
548
549 これに対して,
550 「軟
551 性憲法」とは,
552 ドイツ連邦共和国基本法のように,
553 憲法改正が容易でこれまで繰り返し改正が
554 成立してきた憲法のことをいう。
555
556
557 1.ア○
558
559 イ○
560
561 ウ○
562
563 2.ア○
564
565 イ○
566
567 ウ×
568
569 3.ア○
570
571 イ×
572
573 ウ○
574
575 4.ア○
576
577 イ×
578
579 ウ×
580
581 5.ア×
582
583 イ○
584
585 ウ○
586
587 6.ア×
588
589 イ○
590
591 ウ×
592
593 7.ア×
594
595 イ×
596
597 ウ○
598
599 8.ア×
600
601 イ×
602
603 ウ×
604
605 -5-
606
607 〔第8問〕(配点:2)
608 主権に関する次のアからエまでの各記述について,
609 正しいものの組合せを,
610 後記1から6までの
611 中から選びなさい。
612
613 (解答欄は,
614 [14])
615 ア.絶対王政の時代には,
616 国家の主権と国王の主権を区別することに意味がなく,
617 現に両者は一
618 体的に捉えられていた。
619
620
621 イ.ポツダム宣言第8項(「日本国ノ主権ハ本州,
622 北海道,
623 九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小
624 島ニ局限セラルベシ」)にいう主権は,
625 対外的独立性の意味の主権であるとされている。
626
627
628 ウ.一般に連邦国家では,
629 主権は各州に帰属し,
630 連邦は州より委譲された範囲でしか権限を行使
631 し得ないため,
632 連邦国家を主権国家と呼ぶことはできないとされている。
633
634
635 エ.統治権という意味での主権は国家に属すると考える国家法人説は,
636 君主主権と国民主権のど
637 ちらにも結び付き得る考え方である。
638
639
640 1.アとイ
641
642 2.アとウ
643
644 3.アとエ
645
646 4.イとウ
647
648 5.イとエ
649
650 6.ウとエ
651
652 〔第9問〕(配点:2)
653 天皇に関する次のアからウまでの各記述について,
654 正しいものには〇,
655 誤っているものには×を
656 付した場合の組合せを,
657 後記1から8までの中から選びなさい。
658
659 (解答欄は,
660 [15])
661 ア.憲法第6条第1項は,
662 天皇が国会の指名に基づいて内閣総理大臣を任命する旨定めているが,
663
664 国会の議決で内閣総理大臣を指名している以上,
665 天皇が内閣総理大臣を任命するに当たって,
666
667 内閣の助言と承認は不要である。
668
669
670 イ.憲法第4条第2項の定める国事行為の委任は,
671 憲法第5条の定める摂政を置く場合とは異な
672 り,
673 国事行為の臨時代行に関する法律の定める事由が発生した場合に,
674 天皇が内閣の助言と承
675 認に基づいて国事行為を委任するものである。
676
677
678 ウ.憲法第7条は,
679 天皇の国事行為について列挙しているが,
680 天皇の即位に際して行われる大嘗
681 祭は,
682 即位の礼と同様に憲法第7条第10号の定める「儀式」に当たるから,
683 国事行為として
684 行うことができる。
685
686
687 1.ア○
688
689 イ○
690
691 ウ○
692
693 2.ア○
694
695 イ○
696
697 ウ×
698
699 3.ア○
700
701 イ×
702
703 ウ○
704
705 4.ア○
706
707 イ×
708
709 ウ×
710
711 5.ア×
712
713 イ○
714
715 ウ○
716
717 6.ア×
718
719 イ○
720
721 ウ×
722
723 7.ア×
724
725 イ×
726
727 ウ○
728
729 8.ア×
730
731 イ×
732
733 ウ×
734
735 -6-
736
737 〔第10問〕(配点:3)
738 憲法第9条に関する次のアからウまでの各記述について,
739 bの見解がaの見解の根拠となってい
740 る場合には1を,
741 そうでない場合には2を選びなさい。
742
743 (解答欄は,
744 アからウの順に[16]から
745 [18])
746 ア.a.戦争の放棄について規定した憲法第9条第1項は,
747 自衛のためであると侵略のためであ
748 るとを問わず,
749 全ての戦争を放棄することとしたものである。
750
751
752 b.
753 「国際紛争を解決する手段として」の「戦争」という文言は,
754 戦争抛棄ニ関スル条約(い
755 わゆる不戦条約)に見られるような,
756 通常の国際法上の用例に従って解釈されるべきであ
757 る。
758
759 [16]
760 イ.a.日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(いわゆる日米安保条約)
761 に基づき日本国内に駐留するアメリカ合衆国の軍隊は,
762 憲法第9条第2項で保持しないこ
763 ととされた「戦力」に該当する。
764
765
766 b.憲法第9条第2項が戦力の不保持を定めているのは,
767 わが国が戦力を保持し,
768 自らその
769 主体となってこれに指揮権,
770 管理権を行使することにより,
771 同条第1項において放棄する
772 とした侵略戦争を引き起こすことがないようにするためである。
773
774 [17]
775 ウ.a.憲法第9条に違反する具体的な立法又は行政処分により,
776 個人に何らかの不利益が生じ
777 たとしても,
778 同条で保障された個人の権利が侵害されたものということはできない。
779
780
781 b.憲法第9条は,
782 前文における平和主義の原則を受けて規定されたものであり,
783 平和達成
784 のための禁止事項を前文よりも具体的に列挙しているが,
785 これは国家機関に対して一定の
786 行為を禁止するものであって,
787 その保護法益は国民一般の公益である。
788
789 [18]
790 〔第11問〕(配点:3)
791 裁判所に関する次のアからウまでの各記述について,
792 それぞれ正しい場合には1を,
793 誤っている
794 場合には2を選びなさい。
795
796 (解答欄は,
797 アからウの順に[19]から[21])
798 ア.憲法第76条第2項前段は,
799 「特別裁判所は,
800 これを設置することができない。
801
802 」としている
803 ところ,
804 これは,
805 司法権の強化を図るために,
806 大日本帝国憲法下で認められていた特別裁判所
807 を禁止する趣旨である。
808
809 そのため,
810 法律により,
811 司法権を行使する通常裁判所の系列に属する
812 下級裁判所として行政事件や労働事件を専門に扱う裁判所を設置しても,
813 違憲とはならない。
814
815
816 [19]
817 イ.憲法第76条第2項後段は,
818 「行政機関は,
819 終審として裁判を行ふことができない。
820
821 」として
822 いるところ,
823 前審であれば行政機関による裁判も認められる。
824
825 例えば,
826 人事院の公平審査に係
827 る裁決は,
828 これを不服とする場合,
829 司法裁判所への出訴が認められることから,
830 違憲とはなら
831 ない。
832
833 [20]
834 ウ.判例は,
835 憲法が定める刑事裁判の諸原則が厳格に遵守されるためには高度の法的専門性が要
836 求されることや,
837 憲法が裁判官の職権行使の独立と身分保障のために周到な規定を設けている
838 ことなどから,
839 憲法は,
840 刑事裁判の基本的な担い手として裁判官を想定しているとの見解に立
841 ちつつも,
842 一般の国民を刑事裁判に参加させる裁判員制度を合憲であるとした。
843
844 [21]
845
846 -7-
847
848 〔第12問〕(配点:3)
849 日本国憲法の改正に関する次のアからウまでの各記述について,
850 それぞれ正しい場合には1を,
851
852 誤っている場合には2を選びなさい。
853
854 (解答欄は,
855 アからウの順に[22]から[24])
856 ア. 憲法改正の手続において必要とされる発議とは,
857 通常の議案についていわれる発議が原案を
858 提出することを意味するのとは異なり,
859 国民に提案すべき憲法の改正案を国会が決定すること
860 を意味している。
861
862 [22]
863 イ. 国民による承認の要件として必要とされる過半数の賛成の意味については,
864 憲法上複数の解
865 釈があり得たが,
866 それらの中から,
867 法律で,
868 有効投票総数の過半数の賛成をいうものと定めら
869 れた。
870
871 [23]
872 ウ. 国民投票において過半数の賛成があったとしても,
873 一定の投票率に達しなかったときは,
874
875 の国民投票は成立せず,
876 国民の承認を得られなかったものとする制度が,
877 法律で設けられてい
878 る。
879
880 [24]
881
882 -8-
883
884 [行政法]
885 〔第13問〕(配点:2)
886 行政上の法律関係に関する次のアからウまでの各記述について,
887 最高裁判所の判例に照らし,
888
889 正しいものに○,
890 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
891 後記1から8までの中から選びな
892 さい。
893
894 (解答欄は,
895 [25])
896 ア.国家公務員の災害補償について国家公務員法や国家公務員災害補償法等に詳細な定めが置か
897 れていることからすると,
898 国が国家公務員に対して,
899 安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任
900 を負うとはいえない。
901
902
903 イ.公営住宅の使用関係については,
904 事業主体と入居者との間の法律関係が,
905 基本的には私人間
906 の家屋賃貸借関係と異なるところはないとしても,
907 民法及び借地借家法は適用されない。
908
909
910 ウ.国税滞納処分における国の地位は,
911 民事上の強制執行における差押債権者の地位に類するも
912 のであるから,
913 国税滞納処分による差押えの関係においても民法第177条の適用がある。
914
915
916 1.ア〇
917
918 イ〇
919
920 ウ○
921
922 2.ア〇
923
924 イ〇
925
926 ウ×
927
928 3.ア〇
929
930 イ×
931
932 ウ○
933
934 4.ア〇
935
936 イ×
937
938 ウ×
939
940 5.ア×
941
942 イ〇
943
944 ウ○
945
946 6.ア×
947
948 イ〇
949
950 ウ×
951
952 7.ア×
953
954 イ×
955
956 ウ○
957
958 8.ア×
959
960 イ×
961
962 ウ×
963
964 〔第14問〕(配点:2)
965 行政行為に関する次のアからウまでの各記述について,
966 最高裁判所の判例に照らし,
967 正しいもの
968 に○,
969 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
970 後記1から8までの中から選びなさい。
971
972 (解
973 答欄は,
974 [26])
975 ア.行政行為の効力が生ずるのは,
976 特段の定めのない限り,
977 相手方が現実に当該行政行為を了知
978 したか,
979 当該行政行為が相手方の了知し得べき状態に置かれたときである。
980
981
982 イ.行政行為がその成立時から違法であった場合,
983 当該行政行為を行った行政庁は,
984 その取消し
985 により相手方に生ずる不利益の大きさにかかわらず,
986 当該行政行為を取り消すことができる。
987
988
989 ウ.行政行為がその成立時には違法でなかったものの,
990 その後の事情の変化によりこれを存続さ
991 せることが公益に適合しなくなった場合,
992 当該行政行為を行った行政庁は,
993 法令上,
994 その撤回
995 について直接明文の規定がある場合に限り,
996 当該行政行為の効力を将来に向かって消滅させる
997 ことができる。
998
999
1000 1.ア〇
1001
1002 イ〇
1003
1004 ウ○
1005
1006 2.ア〇
1007
1008 イ〇
1009
1010 ウ×
1011
1012 3.ア〇
1013
1014 イ×
1015
1016 ウ○
1017
1018 4.ア〇
1019
1020 イ×
1021
1022 ウ×
1023
1024 5.ア×
1025
1026 イ〇
1027
1028 ウ○
1029
1030 6.ア×
1031
1032 イ〇
1033
1034 ウ×
1035
1036 7.ア×
1037
1038 イ×
1039
1040 ウ○
1041
1042 8.ア×
1043
1044 イ×
1045
1046 ウ×
1047
1048 -9-
1049
1050 〔第15問〕(配点:3)
1051 行政手続法上の処分の手続に関する次のアからエまでの各記述について,
1052 法令に照らし,
1053 それぞ
1054 れ正しい場合には1を,
1055 誤っている場合には2を選びなさい。
1056
1057
1058 (解答欄は,
1059 アからエの順に[27]
1060 から[30])
1061 ア.行政庁は,
1062 申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべ
1063 き標準的な期間を定めたときは,
1064 当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付け
1065 その他の適当な方法により,
1066 当該期間を公にするよう努めなければならない。
1067
1068 [27]
1069 イ.行政庁は,
1070 申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければな
1071 らないが,
1072 形式上の要件に適合しない申請については,
1073 速やかに,
1074 申請をした者に対し相当の
1075 期間を定めて当該申請の補正を求めなければならず,
1076 補正を求めることなく,
1077 申請を拒否する
1078 処分をすることは許されない。
1079
1080 [28]
1081 ウ.不利益処分に関する弁明の機会の付与の手続においては,
1082 聴聞と異なり,
1083 不利益処分の名あ
1084 て人となるべき者は,
1085 行政庁に対して,
1086 不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求
1087 めることはできない。
1088
1089 [29]
1090 エ.不利益処分に関する聴聞の終了後,
1091 聴聞の主宰者は,
1092 聴聞調書及び報告書を作成し,
1093 行政庁
1094 に提出するが,
1095 同時に,
1096 その写しを当事者及び参加人に送付しなければならない。
1097
1098 [30]
1099 〔第16問〕(配点:3)
1100 行政指導に関する次のアからエまでの各記述について,
1101 法令又は最高裁判所の判例に照らし,
1102
1103 れぞれ正しい場合には1を,
1104 誤っている場合には2を選びなさい。
1105
1106
1107 (解答欄は,
1108 アからエの順に[
1109 31]から[34])
1110 ア.行政手続法の行政指導に関する規定は,
1111 地方公共団体の機関がする行政指導にも適用される。
1112
1113
1114 [31]
1115 イ.行政指導は,
1116 行政機関の任務又は所掌事務の範囲内であれば,
1117 行政指導をすることができる
1118 旨を定めた明文の規定がない場合であっても,
1119 これをすることができる。
1120
1121 [32]
1122 ウ.行政指導は,
1123 処分に該当しない行為であるから,
1124 必ずしも行政指導の趣旨及び内容並びに責
1125 任者を相手方に対して明確に示すことは要しない。
1126
1127 [33]
1128 エ.勧告の相手方がこれに従わなかったときに,
1129 その旨及びその勧告の内容を公表することは,
1130
1131 行政指導に従わなかったことを理由とする不利益な取扱いに当たるから,
1132 法令上の規定がある
1133 場合でも許されない。
1134
1135 [34]
1136
1137 - 10 -
1138
1139 〔第17問〕(配点:2)
1140 行政計画に関する次のアからウまでの各記述について,
1141 法令又は最高裁判所の判例に照らし,
1142
1143 しいものに○,
1144 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1145 後記1から8までの中から選びなさ
1146 い。
1147
1148 (解答欄は,
1149 [35])
1150 ア.都市計画決定としての用途地域の指定は抗告訴訟の対象となる処分には当たらないため,
1151
1152 途地域指定を前提とする建築確認拒否処分に対して建築主が取消訴訟を提起した場合,
1153 建築主
1154 は当該取消訴訟において当該用途地域指定が違法であることを主張することはできない。
1155
1156
1157 イ.都市計画法第13条第1項柱書きが,
1158 都市計画は公害防止計画に適合しなければならない旨
1159 を規定していることからすれば,
1160 都市計画の決定又は変更に当たっては,
1161 都市計画法の規定の
1162 趣旨及び目的に加えて,
1163 公害防止計画の根拠法令である環境基本法の公害防止計画に関する規
1164 定の趣旨及び目的を踏まえて行うことが求められる。
1165
1166
1167 ウ.都市計画法第61条第1号は,
1168 同法第59条の規定による都市計画事業認可の基準の一つと
1169 して,
1170 事業の内容が都市計画に適合することを掲げているが,
1171 同号は,
1172 都市計画決定と事業内
1173 容との適合性のみを求める趣旨であり,
1174 都市計画決定自体が適法であることまでも必要とする
1175 趣旨ではない。
1176
1177
1178 (参照条文)都市計画法
1179 (都市計画基準)
1180 第13条
1181
1182 都市計画区域について定められる都市計画(中略)は,
1183 (中略)国土計画又は地方
1184
1185 計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは,
1186
1187 当該公害防止計画を含む。
1188
1189 (中略))(中略)に適合するとともに,
1190 当該都市の特質を考慮
1191 して,
1192 次に掲げるところに従つて,
1193 土地利用,
1194 都市施設の整備及び市街地開発事業に関す
1195 る事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,
1196 一体的かつ総合
1197 的に定めなければならない。
1198
1199 (以下略)
1200 一〜十九(略)
1201 2〜6(略)
1202 (施行者)
1203 第59条
1204
1205 都市計画事業は,
1206 市町村が,
1207 都道府県知事(第一号法定受託事務として施行する
1208
1209 場合にあつては,
1210 国土交通大臣)の認可を受けて施行する。
1211
1212
1213 2〜7(略)
1214 (認可等の基準)
1215 第61条
1216
1217 国土交通大臣又は都道府県知事は,
1218 申請手続が法令に違反せず,
1219 かつ,
1220 申請に係
1221
1222 る事業が次の各号に該当するときは,
1223 第59条の認可又は承認をすることができる。
1224
1225
1226
1227
1228 事業の内容が都市計画に適合し,
1229 かつ,
1230 事業施行期間が適切であること。
1231
1232
1233
1234
1235
1236 (略)
1237
1238 1.ア〇
1239
1240 イ〇
1241
1242 ウ○
1243
1244 2.ア〇
1245
1246 イ〇
1247
1248 ウ×
1249
1250 3.ア〇
1251
1252 イ×
1253
1254 ウ○
1255
1256 4.ア〇
1257
1258 イ×
1259
1260 ウ×
1261
1262 5.ア×
1263
1264 イ〇
1265
1266 ウ○
1267
1268 6.ア×
1269
1270 イ〇
1271
1272 ウ×
1273
1274 7.ア×
1275
1276 イ×
1277
1278 ウ○
1279
1280 8.ア×
1281
1282 イ×
1283
1284 ウ×
1285
1286 - 11 -
1287
1288 〔第18問〕(配点:2)
1289 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。
1290
1291 )に関する次のアからウ
1292 までの各記述について,
1293 正しいものに○,
1294 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1295 後記1か
1296 ら8までの中から選びなさい。
1297
1298 (解答欄は,
1299 [36])
1300 ア.法に基づく開示請求に係る保有個人情報に,
1301 開示請求者以外の第三者に関する情報が含まれ
1302 ているときは,
1303 行政機関の長は,
1304 当該第三者に意見書を提出する機会を与えなければならない。
1305
1306
1307 イ.何人も,
1308 法に基づく開示決定により開示を受けた保有個人情報の内容が事実でないと思料す
1309 るときは行政機関の長に対して訂正を請求することができるが,
1310 この訂正の請求は,
1311 開示を受
1312 けた日から法定の期間内にしなければならない。
1313
1314
1315 ウ.法に基づく不開示決定については,
1316 いわゆる不服申立前置の制度はとられておらず,
1317 不服を
1318 有する者は,
1319 行政不服審査法に基づく不服申立てをせずに直接裁判所に対して取消訴訟を提起
1320 することもできる。
1321
1322
1323 1.ア〇
1324
1325 イ〇
1326
1327 ウ○
1328
1329 2.ア〇
1330
1331 イ〇
1332
1333 ウ×
1334
1335 3.ア〇
1336
1337 イ×
1338
1339 ウ○
1340
1341 4.ア〇
1342
1343 イ×
1344
1345 ウ×
1346
1347 5.ア×
1348
1349 イ〇
1350
1351 ウ○
1352
1353 6.ア×
1354
1355 イ〇
1356
1357 ウ×
1358
1359 7.ア×
1360
1361 イ×
1362
1363 ウ○
1364
1365 8.ア×
1366
1367 イ×
1368
1369 ウ×
1370
1371 - 12 -
1372
1373 〔第19問〕(配点:3)
1374 訴えの利益に関する教員と学生による以下の対話中の次のアからエまでの【
1375
1376 】内の各記述に
1377
1378 ついて,
1379 最高裁判所の判例に照らし,
1380 それぞれ正しい場合には1を,
1381 誤っている場合には2を選び
1382 なさい。
1383
1384 (解答欄は,
1385 アからエの順に[37]から[40])
1386 教員:本日は,
1387 訴えの利益に関する考え方につき整理しておきたいと思います。
1388
1389 まず,
1390 ある行政
1391 処分に対して取消訴訟が提起された後,
1392 訴えの利益が消滅するのはどのような場合でしょう
1393 か,
1394 例を挙げてください。
1395
1396
1397 学生:例えば,
1398 保安林指定解除処分に基づく立木竹の伐採により,
1399 保安林の存在による洪水や渇
1400 水の防止上の利益を侵害される者には,
1401 保安林指定解除処分取消訴訟の原告適格が認められ
1402 ますが,
1403 (ア)【代替施設の設置によって洪水や渇水の危険が解消され,
1404 その防止上からは保
1405 安林の存続の必要性がなくなったと認められるに至ったときは,
1406 保安林指定解除処分の取消
1407 しを求める訴えの利益は失われます。
1408
1409 】[37]
1410 教員:では,
1411 行政手続法に基づいて公にされている処分基準が,
1412 先行する処分を受けたことを理
1413 由として後行の処分に係る量定を加重するとの不利益な取扱いを定めている場合,
1414 先行する
1415 営業停止命令の停止期間が経過すれば,
1416 当該営業停止命令の取消しを求める訴えの利益は失
1417 われるのでしょうか。
1418
1419
1420 学生:(イ)【通常は,
1421 当該処分基準の定めと異なる取扱いをすることを相当と認めるべき特段の
1422 事情がない限り,
1423 当該処分基準に基づく不利益な取扱いがされると考えられますが,
1424 当該処
1425 分基準は法令には当たらず,
1426 事実上不利益な取扱いがされるにすぎませんので,
1427 当該営業停
1428 止命令の取消しを求める訴えの利益は失われます。
1429
1430 】[38]
1431 教員:では,
1432 建築基準法に基づく建築確認は,
1433 それがなければ適法に建築工事をすることができ
1434 ないという法的効果が付与されていますが,
1435 建築工事が完了した後は,
1436 建築確認の取消しを
1437 求める訴えの利益は失われるのでしょうか。
1438
1439
1440 学生:(ウ)【建築工事が完了して建築物が完成してしまうと,
1441 建築確認が違法であるとして取り
1442 消されたとしても,
1443 社会的,
1444 経済的損失の観点からみて,
1445 社会通念上,
1446 当該建築物を除却す
1447 ることは不可能であると考えられますが,
1448 そのような事情は,
1449 事情判決に関する規定の適用
1450 に際して考慮されるべき事柄であって,
1451 建築確認の取消しを求める訴えの利益を消滅させる
1452 ものではないと考えられます。
1453
1454 】[39]
1455 教員:では,
1456 公務員が届出により公職の候補者となったときは,
1457 届出の日から公務員たることを
1458 辞したものとみなすとの公職選挙法の規定がありますが,
1459 免職処分取消訴訟を提起して争っ
1460 ている公務員が,
1461 公職の候補者となった場合には,
1462 当該免職処分の取消しを求める訴えの利
1463 益は失われるのでしょうか。
1464
1465
1466 学生:(エ)【仮に免職処分が取り消されても,
1467 当該公務員は,
1468 公務員たる地位を回復することは
1469 できませんが,
1470 免職処分は,
1471 それが取り消されない限り効力を有し,
1472 違法な免職処分さえな
1473 ければ公務員として有するはずであった給料請求権その他の権利,
1474 利益につき裁判所に救済
1475 を求めることができなくなるので,
1476 当該免職処分の効力を排除する判決を求めることは,
1477
1478 れらの権利,
1479 利益を回復するための必要な手段と考えられ,
1480 当該免職処分の取消しを求める
1481 訴えの利益は失われません。
1482
1483 】[40]
1484
1485 - 13 -
1486
1487 〔第20問〕(配点:3)
1488 処分の取消しの訴えにおける判決又は審理に関する次のアからエまでの各記述について,
1489 行政事
1490 件訴訟法に照らし,
1491 それぞれ正しい場合には1を,
1492 誤っている場合には2を選びなさい。
1493
1494 (解答欄
1495 は,
1496 アからエの順に[41]から[44])
1497 ア.申請を却下し又は棄却した処分が判決により取り消された場合には,
1498 その処分をした行政庁
1499 は,
1500 改めて当該申請に対する処分をしなければならないが,
1501 必ずしも当該判決の趣旨に従った
1502 処分をする必要はない。
1503
1504 [41]
1505 イ.処分を取り消す判決は第三者に対しても効力を有することから,
1506 訴訟の結果により権利を害
1507 される第三者は,
1508 自ら訴訟参加の申立てをすることができる。
1509
1510 [42]
1511 ウ.処分をした行政庁以外の行政庁は,
1512 当事者の申立て又は職権による裁判所の決定があった場
1513 合に訴訟に参加することはできるが,
1514 自ら訴訟参加の申立てをすることはできない。
1515
1516 [43]
1517 エ.処分を取り消す判決により権利を害された第三者は,
1518 自己の責めに帰することができない理
1519 由により訴訟に参加することができなかったため判決に影響を及ぼすべき攻撃又は防御の方法
1520 を提出することができなかったことを理由として,
1521 再審の訴えを提起することができる。
1522
1523 [4
1524 4]
1525 〔第21問〕(配点:2)
1526 行政事件訴訟に関する次のアからウまでの各記述について,
1527 法令又は最高裁判所の判例に照ら
1528 し,
1529 正しいものに○,
1530 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1531 後記1から8までの中から選
1532 びなさい。
1533
1534 (解答欄は,
1535 [45])
1536 ア.職務命令の違反を理由とする懲戒処分等の不利益処分の予防を目的として,
1537 当該職務命令に
1538 基づく公的義務が存在しないことの確認を求める訴えは,
1539 公法上の法律関係に関する確認の訴
1540 えとして適法である。
1541
1542
1543 イ.行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないときは,
1544 原告が当該処分に
1545 ついての申請をしたか否かにかかわらず,
1546 適法に不作為の違法確認の訴えを提起することがで
1547 きる。
1548
1549
1550 ウ.執行機関と議決機関との関係は,
1551 地方公共団体の内部の機関相互間の関係であり,
1552 法律が内
1553 部的解決に委ねることを不適当として特に訴えの提起を許している場合を除き,
1554 機関相互間の
1555 権限の紛争は,
1556 訴訟の対象とはならないから,
1557 市議会議員が,
1558 市議会議員としての資格におい
1559 て,
1560 市又は市長を被告として市議会の議決の無効又は議決の不存在の確認を求める訴えは,
1561
1562 れを許容する法律の規定がない以上,
1563 市長が市議会の議決に拘束されるとしても,
1564 不適法なも
1565 のとして却下を免れない。
1566
1567
1568 1.ア〇
1569
1570 イ〇
1571
1572 ウ○
1573
1574 2.ア〇
1575
1576 イ〇
1577
1578 ウ×
1579
1580 3.ア〇
1581
1582 イ×
1583
1584 ウ○
1585
1586 4.ア〇
1587
1588 イ×
1589
1590 ウ×
1591
1592 5.ア×
1593
1594 イ〇
1595
1596 ウ○
1597
1598 6.ア×
1599
1600 イ〇
1601
1602 ウ×
1603
1604 7.ア×
1605
1606 イ×
1607
1608 ウ○
1609
1610 8.ア×
1611
1612 イ×
1613
1614 ウ×
1615
1616 - 14 -
1617
1618 〔第22問〕(配点:3)
1619 行政事件訴訟法上の仮の救済に関する次のアからエまでの各記述について,
1620 法令に照らし,
1621 それ
1622 ぞれ正しい場合には1を,
1623 誤っている場合には2を選びなさい。
1624
1625 (解答欄は,
1626 アからエの順に[
1627 46]から[49])
1628 ア.処分の差止めの訴えの提起があった場合において,
1629 その差止めの訴えに係る処分がされるこ
1630 とにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり,
1631 かつ,
1632 本案について
1633 理由があるとみえるときは,
1634 公共の福祉に重大な影響を及ぼす場合であっても,
1635 裁判所は,
1636
1637 立てにより,
1638 仮の差止めをすることができる。
1639
1640 [46]
1641 イ.裁判所は,
1642 本案である処分の取消訴訟の係属が,
1643 執行停止の決定の確定後,
1644 訴えの取下げに
1645 より消滅したときは,
1646 相手方の申立て又は職権により,
1647 決定をもって,
1648 執行停止の決定を取り
1649 消すことができる。
1650
1651 [47]
1652 ウ.執行停止の申立ては,
1653 処分,
1654 処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるた
1655 め緊急の必要があるときは,
1656 本案の係属する裁判所以外の裁判所にすることが許される。
1657
1658 [4
1659 8]
1660 エ.執行停止の申立ての相手方は,
1661 申立てを認容する決定に対して即時抗告をすることができる
1662 が,
1663 当該即時抗告は,
1664 その決定の執行を停止する効力を有しないから,
1665 相手方が,
1666 即時抗告後,
1667
1668 その決定が取り消される前に,
1669 処分の執行を継続することは許されない。
1670
1671 [49]
1672 〔第23問〕(配点:2)
1673 国家賠償法に関する次のアからウまでの各記述について,
1674 法令又は最高裁判所の判例に照らし,
1675
1676 正しいものに○,
1677 誤っているものに×を付した場合の組合せを,
1678 後記1から8までの中から選びな
1679 さい。
1680
1681 (解答欄は,
1682 [50])
1683 ア.国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えた場合であっても,
1684 当該被用者の行
1685 為が国又は公共団体の公権力の行使に当たるとして国又は公共団体が被害者に対して国家賠償
1686 法第1条第1項に基づく損害賠償責任を負うときには,
1687 被用者個人は民法第709条に基づく
1688 損害賠償責任を負わないが,
1689 使用者は同法第715条に基づく損害賠償責任を負う。
1690
1691
1692 イ.国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人に被害を生ぜしめた
1693 場合において,
1694 それが具体的にどの公務員のどのような違法行為によるものであるかを特定す
1695 ることができなくても,
1696 それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共
1697 団体の公務員の職務上の行為に当たるときには,
1698 国又は公共団体は,
1699 加害行為が不特定である
1700 ことを理由に国家賠償法上の損害賠償責任を免れることはできない。
1701
1702
1703 ウ.公権力の行使に当たる公務員の失火による国又は公共団体の損害賠償責任については,
1704 「失
1705 火ノ責任ニ関スル法律」は適用されず,
1706 当該公務員に重大な過失があると認められない場合で
1707 あっても,
1708 国又は公共団体は,
1709 国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償責任を負う。
1710
1711
1712 1.ア〇
1713
1714 イ〇
1715
1716 ウ○
1717
1718 2.ア〇
1719
1720 イ〇
1721
1722 ウ×
1723
1724 3.ア〇
1725
1726 イ×
1727
1728 ウ○
1729
1730 4.ア〇
1731
1732 イ×
1733
1734 ウ×
1735
1736 5.ア×
1737
1738 イ〇
1739
1740 ウ○
1741
1742 6.ア×
1743
1744 イ〇
1745
1746 ウ×
1747
1748 7.ア×
1749
1750 イ×
1751
1752 ウ○
1753
1754 8.ア×
1755
1756 イ×
1757
1758 ウ×
1759
1760 - 15 -
1761
1762 〔第24問〕(配点:3)
1763 地方公共団体の事務と国との関係に関する次のアからエまでの各記述について,
1764 法令に照らし,
1765
1766 それぞれ正しい場合には1を,
1767 誤っている場合には2を選びなさい。
1768
1769 (解答欄は,
1770 アからエの順に
1771 [51]から[54])
1772 ア.地方公共団体の第一号法定受託事務は,
1773 国が本来果たすべき役割に係るものであって,
1774 国に
1775 おいてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして,
1776 地方公共団体の長に委任された
1777 事務であるから,
1778 地方公共団体の長は,
1779 国の機関としてその事務の処理を行う。
1780
1781 [51]
1782 イ.各大臣は,
1783 その担任する事務に関し,
1784 都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反してい
1785 ると認めるときは,
1786 当該都道府県に対し,
1787 その違反の是正のため必要な措置を講ずることを求
1788 めることができ,
1789 これにより,
1790 当該都道府県は,
1791 当該措置を講ずる義務を負う。
1792
1793 [52]
1794 ウ.各大臣は,
1795 その所管する法律に係る都道府県知事の事務の管理又は執行が法令の規定に違反
1796 するものがある場合において,
1797 その事務が第一号法定受託事務であるときは,
1798 一定の要件の下
1799 で代執行をすることができる。
1800
1801 [53]
1802 エ.地方公共団体の事務の処理について,
1803 当該地方公共団体と国との間で紛争が生じた場合,
1804
1805 の行政庁は,
1806 国地方係争処理委員会に対し,
1807 当該地方公共団体の執行機関を相手方として,
1808
1809 査の申出をすることができる。
1810
1811 [54]
1812
1813 - 16 -
1814
1815