1 論文式試験問題集[刑事系科目第1問]
2
3 - 1 -
4
5 [刑事系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 以下の【事例1】及び【事例2】を読んで,
8 後記〔設問1〕から〔設問3〕について,
9 答えなさ
10 い。
11
12
13 【事例1】
14
15
16 AはBに対し,
17 個人的に500万円を貸していた(この貸金債権を以下「本件債権」という。
18
19 )。
20
21
22 本件債権に係る弁済期限は到来していたが,
23 BがAからの返済の督促に応じず,
24 また,
25 A自身忙
26 しかったことから,
27 Aは,
28 知人の甲に本件債権の回収を依頼しようとして,
29 甲に対し,
30
31 「御礼はす
32 るから代わりにBから500万円を回収してきてくれないか。
33
34 あんたに回収を頼むことは,
35 Bに
36 は電話で伝えておく。
37
38 」と申し向けた。
39
40 甲は,
41 その依頼を承諾し,
42 Bの電話番号をAから教えても
43 らった。
44
45 甲は,
46 金融業者Cに多額の借金があったところ,
47 上記依頼を受けた後,
48 Cから,
49 その返
50 済を督促されたため,
51 Bに対して,
52 債権額についてうそをつくなどして水増しした額を請求し,
53
54 その差額で少しでもCに対する自己の債務を弁済しようと考えた。
55
56
57
58
59
60 甲は,
61 某月1日,
62 Bに電話を掛け,
63 Bに対し,
64 自身が暴力団組員ではないのにそうであるかの
65 ように装い,
66
67 「Aから債権の取立てを頼まれた。
68
69 債権は600万円だとAから聞いている。
70
71 その金
72 を指定する口座に入金しろ。
73
74 金を返さないのであれば,
75 うちの組の若い者をあんたの家に行かせ
76 ることになる。
77
78 」などと言った。
79
80 Bは,
81 事前にAからの電話で本件債権の回収を甲に依頼したと聞
82 いていたが,
83 その額は500万円だと認識していた。
84
85 しかし,
86 Bは,
87 甲が暴力団組員であると誤
88 信し,
89 甲の要求に応じなければ自身やその家族に危害を加えられるのでないかと畏怖した結果,
90
91 甲に600万円を交付することとし,
92 甲に対し,
93 「分かりました。
94
95 明日送金します。
96
97 」と答えた。
98
99
100 Bは,
101 翌2日,
102 自己名義の預金口座から甲の指定に係るD銀行E支店に開設された甲名義の預金
103 口座(預金残高0円)に600万円を送金し,
104 その結果,
105 同口座の預金残高が600万円になっ
106 た。
107
108
109
110 〔設問1〕 以下の@及びAの双方に言及した上で,
111
112 【事例1】における甲のBに対する罪責につい
113 て,
114 論じなさい(特別法違反の点は除く。
115
116 また,
117 本件債権に係る利息及び遅延損害金については
118 考慮する必要はない。
119
120 )。
121
122
123 @ 甲に成立する財産犯の被害額が600万円になるとの立場からは,
124 どのような説明が考えられるか。
125
126
127 A 甲に成立する財産犯の被害額が100万円にとどまるとの立場からは,
128 どのような説明が考えられ
129 るか。
130
131
132 【事例2】(
133 【事例1】の事実に続けて,
134 以下の事実があったものとする。
135
136
137
138
139 甲は,
140 同日,
141 前記口座にBから600万円の入金があったことを確認した。
142
143 甲は,
144 Cからの督
145 促が予想以上に厳しいことから,
146 600万円全額をCに対する弁済に充てようと決意し,
147 同日中
148 に,
149 D銀行E支店の窓口係員Fに対して,
150 同口座から600万円の払戻しを請求し,
151 Fから同額
152 の払戻しを受けた。
153
154 甲は,
155 同日,
156 Cに対し,
157 上記600万円を交付して自己の債務を弁済した。
158
159
160 甲は,
161 同日,
162 Aに対し,
163
164 「昨日,
165 Bに対して返済するようにきつく言った。
166
167 Bは,
168 反省した様子
169 で『今度こそは必ず返す。
170
171 返済を10日間だけ待ってほしい。
172
173 』と言っていた。
174
175 」などとうそをつ
176 き,
177 それを信用したAは,
178 「しょうがないな。
179
180 あと少しだけ待ってやるか。
181
182 」などと言い,
183 同月1
184 1日まで,
185 本件債権の回収状況に関して,
186 甲に確認することはなかった。
187
188 なお,
189 本件債権につい
190 て,
191 その存在を証明する資料はなく,
192 A,
193 B及び甲以外に知っている者はいなかった。
194
195
196
197
198
199 その後,
200 同月12日になっても,
201 甲からAに連絡がなかったため,
202 Aが甲を追及したところ,
203
204
205 - 2 -
206
207 甲は,
208 本件債権に係るBからの返済金を自己の債務の弁済に充てたことを打ち明けた。
209
210 これに憤
211 慨したAは,
212 甲に対して,
213 直ちに500万円を返還するように厳しく申し向けた。
214
215 その後,
216 甲は,
217
218 金策に努めたものの,
219 返還に充てる金を工面できなかったことから,
220 Aに相続人がいないことを
221 奇貨として,
222 その返還を免れる目的で,
223 Aを殺害しようと決意した。
224
225
226
227
228 甲は,
229 Aを殺害するため,
230 その方法についてインターネットで調べたところ,
231 市販されている
232 X剤及びY剤を混合すると,
233 致死性のある有毒ガスが発生することが分かった。
234
235 そこで,
236 甲は,
237
238 以前に自身が病院で処方されていた睡眠薬をAに飲ませてAを眠らせた上で,
239 当該有毒ガスを用
240 いて自殺に見せ掛けてAを殺害することを計画した。
241
242 甲の計画は,
243 具体的には,
244 犯行に必要な道
245 具を全て自車に積み込んで,
246 A方に隣接する駐車場まで自車で移動して同所に駐車し,
247 A方に行
248 き,
249 ワインに混ぜた睡眠薬をAに飲ませてAを眠らせた後,
250 直ちに自車に戻って車内に置いてお
251 いたX剤等を取った上で,
252 再度A方に赴いて有毒ガスを発生させ,
253 これをAに吸入させてAを殺
254 害するというものであった。
255
256 甲は,
257 同月16日,
258 ホームセンターでX剤及びY剤のほか,
259 これら
260 を混ぜるためのバケツを購入した。
261
262
263
264
265
266 甲は,
267 前記計画を実行するため,
268 翌17日,
269 Aに電話を掛けて,
270 Aに対し,
271
272 「これまでのことを
273 きちんと謝罪したい。
274
275 」と言い,
276 同日,
277 計画していたとおり,
278 前記駐車場に自車を駐車し,
279 自車内
280 にX剤,
281 Y剤及びバケツを置いたまま,
282 ワインと睡眠薬を持ってA方に行った。
283
284 なお,
285 甲が自車
286 内に置いていたX剤及びY剤は,
287 それらを混ぜ合わせれば致死量の有毒ガスが発生する程度の量
288 であった。
289
290 甲は,
291 A方において,
292 Aがトイレに行った隙に,
293 睡眠薬をAのグラス内のワインに混
294 入した。
295
296 Aは,
297 そのワインを飲み干し,
298 間もなく,
299 睡眠薬の影響で眠り込んだ。
300
301 甲は,
302 計画どお
303 りX剤等を取りに行くために同駐車場に戻ろうとしたが,
304 急にAを殺害することが怖くなり,
305
306 毒ガスを発生させることを止めた。
307
308
309
310
311
312 甲は,
313 A方を去ろうとした際,
314 机上にA所有の高級腕時計があることに気付き,
315 遊興費を得る
316 ためにそれを換金しようと考え,
317 同腕時計を自らの上着のポケットに入れて,
318 A方から立ち去っ
319 た。
320
321
322
323
324
325 Aは,
326 覚醒することなく,
327 甲がA方から立ち去った数時間後に,
328 急性心不全で死亡した。
329
330 Aに
331 は,
332 A自身も認識していなかった特殊な心臓疾患があり,
333 Aは,
334 睡眠薬の摂取によって同疾患が
335 急激に悪化して,
336 急性心不全に陥ったものであった。
337
338 Aに同疾患があることについては,
339 一般人
340 は認識できず,
341 甲もこれを知らなかった。
342
343
344
345
346
347 本件で甲がAのワインに混入した睡眠薬は,
348 病院で処方される一般的な医薬品であった。
349
350 その
351 混入量は,
352 確実に数時間は目を覚まさない程度ではあったが,
353 Aの特殊な心臓疾患がなければ,
354
355 生命に対する危険性は全くないものであった。
356
357 また,
358 甲も,
359 本件で混入した量の睡眠薬を摂取し
360 ても,
361 Aが死亡することはないと思っていた。
362
363
364
365 〔設問2〕 仮に【事例1】並びに【事例2】の3,
366 4及び7の事実が認められず,
367
368 【事例2】の5,
369
370 6,
371 8及び9の事実のみが認められた場合,
372 Aが睡眠薬を摂取して死亡したことについて,
373 甲に
374 殺人既遂罪が成立しないという結論の根拠となり得る具体的な事実としては,
375 どのようなものが
376 あるか。
377
378 考えられるものを3つ挙げた上で,
379 上記の結論を導く理由を事実ごとに簡潔に述べなさ
380 い。
381
382
383 〔設問3〕
384
385 【事例2】における甲の行為について,
386 その罪責を論じなさい(住居等侵入罪(刑法
387
388 第130条)及び特別法違反の点は除く。
389
390 )。
391
392 なお,
393
394 【事例1】における甲の罪責及び【事例1】で
395 成立する犯罪との罪数については論じる必要はない。
396
397
398
399 - 3 -
400
401 論文式試験問題集[刑事系科目第2問]
402
403 - 1 -
404
405 [刑事系科目]
406 〔第2問〕(配点:100)
407 次の【事例】を読んで,
408 後記〔設問1〕から〔設問3〕までに答えなさい。
409
410
411 【事
412
413
414 例】
415 令和元年10月から11月にかけて,
416 H市内で,
417 何者かが一戸建ての民家に侵入して室内から金
418
419 品を窃取するという住居侵入窃盗事件が,
420 連続して5件発生した。
421
422 5件いずれの事件においても,
423
424 現場民家の1階掃き出し窓のクレセント錠近くのガラスが半円形に割られた上で施錠が外され,
425
426 内が物色されて金品が窃取されており,
427 同市を管轄するH警察署には,
428 不安を感じた住民から早期
429 の犯人検挙を求める要望が多数寄せられていた。
430
431
432 H警察署司法警察員Pは,
433 同市内に居住する甲が,
434 同年12月1日夜,
435 同市内の一戸建てのX方
436 において,
437 庭に面した1階掃き出し窓のクレセント錠近くのガラスにガラスカッターを当てている
438 のを,
439 顔見知りの住民Wに目撃されたために逃走した旨の情報を,
440 Wからの通報により覚知した。
441
442
443 同事件については,
444 窃盗被害が発生しておらず被害届が提出されなかったために立件されないこと
445 となったが,
446 甲がガラスカッターを当てていたクレセント錠近くの窓ガラスに,
447 半円形の傷跡が残
448 されており,
449 その傷跡は一連の住居侵入窃盗事件の窓ガラスの割れ跡と形状において類似していた
450 ことから,
451 Pは,
452 甲が一連の住居侵入窃盗事件の犯人ではないかと目星を付け,
453 同月2日,
454 Wの事
455 情聴取をし,
456 甲がX方窓ガラスにガラスカッターを当てていたのを目撃した状況に関するWの供述
457 調書を作成した。
458
459
460 そうした中,
461 同月3日午後8時頃から同日午後9時頃までの間に,
462 同市内の一戸建てのV方にお
463 いて,
464 家人が不在の隙に,
465 V方の庭に面した1階掃き出し窓のクレセント錠近くのガラスが半円形
466 に割られた上で施錠が外され,
467 V方1階の居間にあったタンスの1段目引出しに保管されていた,
468
469 封がされていない茶封筒入り1万円札10枚が窃取されるという事件が発生した(以下「本件住居
470 侵入窃盗」という。
471
472 )。
473
474 Vは,
475 同日午後9時頃帰宅して本件住居侵入窃盗の被害に気付き,
476 110番
477 通報した。
478
479
480
481
482 その通報を受けてV方付近を検索したH警察署司法警察員P及びQは,
483 犯人の発見には至らなか
484 ったが,
485 本件住居侵入窃盗における窓ガラスの割れ跡が,
486 X方窓ガラスに残された半円形の傷跡の
487 形状に類似していたことから,
488 甲が本件住居侵入窃盗に及んだのではないか,
489 ひいては本件住居侵
490 入窃盗と前記5件の住居侵入窃盗事件は甲による連続窃盗事件ではないかと考えた。
491
492 そこで,
493 P及
494 びQは,
495 甲にH警察署への任意同行を求めて甲の取調べを実施することとし,
496 同月4日午後6時頃
497 に甲方に赴いたが不在のため同方付近で待機していたところ,
498 同日午後9時頃,
499 甲が帰宅したのを
500 確認したので,
501 甲方のインターホンを鳴らし,
502 玄関先に出てきた甲に対し,
503 「昨日発生したV方に
504 おける住居侵入窃盗の件で話を聞かせてもらいたいので,
505 H警察署に来てもらえないか。
506
507 」と申し
508 向けた。
509
510 それに対し甲は,
511 「疑われるのは本意ではないし,
512 早く犯人が捕まってほしいので協力し
513 ます。
514
515 」と言ってこれに同意した。
516
517 そこで,
518 P及びQは,
519 甲を徒歩で同行し,
520 同日午後9時10分
521 過ぎ頃,
522 H警察署に到着した。
523
524
525 @Pは,
526 同日午後9時20分頃から,
527 H警察署取調室において,
528 甲に黙秘権及び取調室からいつ
529 でも退去できる旨を告げた上で,
530 本件住居侵入窃盗について甲の取調べを開始した。
531
532 同取調べは,
533
534 当初Pが担当し,
535 後にQが引き継いで,
536 翌5日午後9時30分頃まで約24時間行われたが,
537 その
538 間,
539 甲は,
540 取調べを拒否して帰宅しようとしたことはなく,
541 仮眠したい旨の申出をしたこともなか
542 った。
543
544 また,
545 P及びQは,
546 甲からのトイレの申出にはいずれも応じたほか,
547 朝食,
548 昼食及び夕食を
549 摂らせて休憩させた。
550
551 そして,
552 同取調べ中,
553 同取調室及びその周辺には,
554 現に取調べを行っている
555 1名の取調官のほかに警察官が待機することはなかった。
556
557 甲は,
558 取調べが開始された同月4日は,
559
560 「やっていません。
561
562 証拠があるなら見せてください。
563
564 」などと言って自らが本件住居侵入窃盗を行
565 ったことにつき否認していたが,
566 時間の経過とともに疲労し,
567 翌5日午後3時頃には,
568 言葉数が少
569 - 2 -
570
571 なくなった。
572
573 その頃,
574 Qは,
575 Pから取調べを引き継いだが,
576 甲の供述態度は変わらず,
577 Qは,
578 同日
579 午後5時頃に甲に夕食を摂らせた。
580
581 そして,
582 取調べ再開後も,
583 言葉数が少ないながらも甲が否認し
584 ている状況が続いたため,
585 Qは,
586 「このままではらちが明かない,
587 これまでの取調べにより甲が疲
588 労している今の状況であれば,
589 軽微なうそをつくだけで自白を得られるのではないか。
590
591 」と考え,
592
593 同日午後7時10分頃,
594 本件住居侵入窃盗が行われた同月3日の夜に甲が目撃されたという情報は
595 得ていなかったにもかかわらず,
596 甲に対し,
597 「12月3日の夜,
598 君が自宅から外出するのを見た人
599 がいるんだ。
600
601 」と申し向けた。
602
603 それを聞いた甲は,
604 それまでの取調べの結果疲労していたこととあ
605 いまって自白するしかないと思い込み,
606 同月5日午後7時30分頃,
607 本件住居侵入窃盗を行ったこ
608 とを認めるに至った。
609
610 そして,
611 甲は,
612 Qから問われたことにポツリポツリと答えながら,
613 同日午後
614 8時20分頃までにかけて,
615 本件住居侵入窃盗を行った状況を自白した。
616
617 そこで,
618 Qは,
619 同日午後
620 9時20分頃までの間,
621 甲の前記自白を内容とする供述調書1通を作成し,
622 同日午後9時30分頃,
623
624 取調べを終了した。
625
626
627 その後,
628 甲は,
629 本件住居侵入窃盗の被疑事実により逮捕勾留されたが,
630 甲は,
631 徹夜で取調べを受
632 けていなければ否認を続けることができたと考えて後悔し,
633 黙秘に転じたため,
634 前記供述調書1通
635 のほかには甲の供述調書が作成されることはなかった。
636
637
638
639
640 甲が勾留された後,
641 甲方の捜索が行われ,
642 封がされていない,
643 被害品と同種の茶封筒入り1万円
644 札10枚と,
645 ガラスを半円形に切ることができるガラスカッター1点が発見押収された。
646
647 また,
648
649 況見分を行った結果,
650 本件住居侵入窃盗における窓ガラスの半円形の割れ跡は,
651 甲方から発見押収
652 されたガラスカッターにより形成可能であることが判明した。
653
654 その後,
655 甲は,
656 黙秘のまま本件住居
657 侵入窃盗の事実で公判請求された。
658
659 なお,
660 甲方から発見押収された茶封筒入り現金10万円及びガ
661 ラスカッターからは,
662 Vの指紋やV方ガラスからの付着物等Vに直接結び付く痕跡は検出されなか
663 った。
664
665 また,
666 同ガラスカッターは,
667 一般に流通し,
668 容易に入手可能なものであった。
669
670 ほかに,
671 本件
672 住居侵入窃盗につき,
673 その犯行状況を撮影した防犯カメラ映像その他の甲の犯行であることを直接
674 裏付ける証拠は得られなかった。
675
676
677 公判において,
678 甲は,
679 本件住居侵入窃盗の事実を否認し,
680 検察官は,
681 甲方から押収された前記茶
682 封筒入り現金10万円や前記ガラスカッターのほか,
683 甲の自白を内容とする前記供述調書等の取調
684 べを請求した。
685
686 また,
687 検察官は,
688 X方における甲の犯行と,
689 本件住居侵入窃盗の犯行とは手口が類
690 似しており,
691 このことは,
692 甲が本件住居侵入窃盗の犯人であることを推認させる事実であるとして,
693
694 X方における甲の犯行を目撃した状況に関するWの前記供述調書のほか,
695 X方の実況見分調書(X
696 方掃き出し窓のクレセント錠近くのガラスに半円形の傷跡が残っている状況を撮影した写真等添付
697 のもの)や,
698 窓ガラスの割れ跡等に関する実況見分調書(本件住居侵入窃盗における窓ガラスの半
699 円形の割れ跡が,
700 X方窓ガラスに残された半円形の傷跡と形状において類似しており,
701 甲方から発
702 見押収されたガラスカッターによりいずれも形成可能であることを明らかにしたもの)を証拠調べ
703 請求した。
704
705
706 甲の弁護人は,
707 Wの前記供述調書については,
708 不同意との証拠意見を述べた。
709
710 これを受けて検察
711 官は,
712 Wの前記供述調書と同じ立証趣旨で,
713 AWの証人尋問を請求したところ,
714 弁護人は,
715 Wの証
716 人尋問につき,
717 「異議あり。
718
719 関連性なし。
720
721 」との証拠意見を述べた。
722
723
724 〔設問1〕
725
726 下線部@の取調べの適法性について,
727 具体的事実を摘示しつつ論じなさい。
728
729
730
731 〔設問2〕
732 1.自白に対する,
733 自白法則及び違法収集証拠排除法則の適用の在り方について論じなさい。
734
735
736 2.1で論じた自己の見解に基づき,
737 下線部@の取調べで得られた甲の自白の証拠能力につい
738 て,
739 具体的事実を摘示しつつ論じなさい。
740
741
742 〔設問3〕
743
744 下線部Aの請求につき,
745 裁判所はこれを認めるべきか。
746
747 弁護人の証拠意見を踏まえて,
748
749
750 具体的事実を摘示しつつ論じなさい。
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