1 短答式試験問題集
2 [刑法・刑事訴訟法]
3
4 -1-
5
6 [刑法]
7 〔第1問〕(配点:2)
8 緊急避難(刑法第37条第1項)に関する次の【記述】の中の@からEまでの(
9 アからスまでの【語句群】から適切な語句を入れた場合,
10 (
11
12 )内に,
13 後記
14
15 )内に入るものの組合せとして正し
16
17 いものは,
18 後記1から5までのうちどれか。
19
20 なお,
21 @からEまでの(
22
23 )内にはそれぞれ異なる語
24
25 句が入る。
26
27 (解答欄は,
28 [bP])
29 【記
30
31 述】
32
33 緊急避難を(@)と解する見解によれば,
34 その不処罰の根拠は,
35 切迫した心理状態のために適法
36 な行為を期待し得ないことに求められる。
37
38 この見解によれば,
39 緊急避難によって侵害を転嫁される
40 第三者は緊急避難行為に対して(A)で対抗できることになる。
41
42 この見解に対しては,
43 刑法第37
44 条第1項が(B)を守るための緊急避難を認めていることと整合しないという批判がある。
45
46 他方,
47
48 緊急避難を(C)と解する見解によれば,
49 その不処罰の根拠は,
50 法益が衝突する状況下で被侵害法
51 益と同等以上の法益を保全する行為は社会全体の利益を(D)させるものではないことに求められ
52 る。
53
54 また,
55 この見解に立つと,
56 緊急避難行為に対して(A)で対抗することを認めるのは困難であ
57 る。
58
59 さらに,
60 緊急避難を基本的には(C)と解しつつ,
61 保全法益と被侵害法益がいずれも生命であ
62 る場合には,
63 (@)であると解する見解もある。
64
65 この見解は,
66 自己又は第三者の生命に対する危難
67 を避けるために無関係の第三者の生命を犠牲にする行為を(E)と評価するのは不当であるという
68 考え方に基づくものである。
69
70
71 【語句群】
72 ア.違法性阻却事由
73 オ.他人の法益
74 コ.正当防衛
75
76 イ.責任阻却事由
77
78 カ.自己の法益
79 サ.緊急避難
80
81 1.@ア
82
83 Bウ
84
85 Dク
86
87 2.@イ
88
89 Bエ
90
91 Dキ
92
93 3.Aケ
94
95 Cア
96
97 Eス
98
99 4.Aコ
100
101 Dク
102
103 Eス
104
105 5.Bオ
106
107 Cア
108
109 Eシ
110
111 ウ.個人的法益
112
113 キ.増加
114
115 シ.違法
116
117 ク.減少
118
119 ス.違法でない
120
121 -2-
122
123 エ.社会的法益
124 ケ.正当行為
125
126 〔第2問〕(配点:3)
127 放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
128 正しいものを2
129 個選びなさい。
130
131 (解答欄は,
132 [bQ],
133 [bR]順不同)
134 1.甲が自己の所有する空き家に放火したが,
135 公共の危険が生じなかった場合,
136 甲には,
137 非現住
138 建造物等放火未遂罪が成立する。
139
140
141 2.甲が乙に頼まれて,
142 乙所有の大型家具を,
143 丙が居住する家屋に近接する甲所有の畑地で燃や
144 し始めたところ,
145 周辺に火の粉が飛び散り,
146 予期に反して,
147 同家屋の屋根のひさしに飛び火し
148 て,
149 同ひさしを焼損させたところで火が消し止められた場合,
150 甲には,
151 延焼罪が成立する。
152
153
154 3.甲が住宅内にいる乙を殺害する目的で放火し,
155 住宅が焼失した上,
156 乙が死亡した場合,
157 甲に
158 は,
159 殺人罪は成立せず,
160 現住建造物等放火罪のみが成立する。
161
162
163 4.甲が,
164 一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火し,
165 同
166 室のみを焼損させた場合,
167 甲には,
168 現住建造物等放火罪が成立する。
169
170
171 5.甲が憂さ晴らしの目的で,
172 甲の世帯を含めて計30世帯が居住するマンション内部に設置さ
173 れたエレベーターのかご内に,
174 灯油を染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火したが,
175
176 エレベーターのかごの側壁を焼損したにとどまり,
177 住居部分には延焼しなかった場合,
178 甲には,
179
180 現住建造物等放火未遂罪が成立する。
181
182
183 〔第3問〕(配点:2)
184 共犯と錯誤に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
185 正しいもの
186 の個数を後記1から5までの中から選びなさい。
187
188 (解答欄は,
189 [bS])
190 ア.甲及び乙がAに対する暴行を共謀したが,
191 Aの態度に激高した甲が殺意をもってAを殺害し
192 た場合,
193 甲及び乙に殺人罪の共同正犯が成立するが,
194 乙は傷害致死罪の刑で処断される。
195
196
197 イ.甲及び乙がAに対する強盗を共謀したが,
198 その強盗の機会に,
199 甲が過失によってAに傷害を
200 負わせた場合,
201 甲及び乙に強盗致傷罪の共同正犯が成立する。
202
203
204 ウ.甲及び乙が共謀して,
205 公務員Aに虚偽の内容の公文書の作成を教唆することにしたが,
206 乙は
207 Aを買収することに失敗したため,
208 甲に無断で,
209 Bに公文書を偽造することを教唆し,
210 Bが公
211 文書を偽造した場合,
212 甲に虚偽公文書作成罪の教唆犯が成立する。
213
214
215 エ.甲が乙にA方に侵入して金品を窃取するように教唆して,
216 その犯行を決意させたが,
217 乙はA
218 方と誤認して隣のB方に侵入してしまい,
219 B方から金品を窃取した場合,
220 甲にB方への住居侵
221 入罪及びBに対する窃盗罪の教唆犯は成立しない。
222
223
224 オ.甲が乙の傷害行為を幇助する意思で,
225 乙に包丁を貸与したところ,
226 乙が殺意をもってその包
227 丁でAを刺殺した場合,
228 甲に殺人罪の幇助犯が成立し,
229 傷害致死罪の幇助犯は成立しない。
230
231
232 1.0個
233
234 2.1個
235
236 3.2個
237
238 4.3個
239
240 -3-
241
242 5.4個
243
244 〔第4問〕(配点:2)
245 名誉毀損罪及び侮辱罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
246
247 正しいものはどれか。
248
249 (解答欄は,
250 [bT])
251 1.名誉毀損罪及び侮辱罪の保護法益は,
252 いずれも人の外部的名誉であり,
253 法人については,
254 侮
255 辱罪の客体になり得ない。
256
257
258 2.死者であっても,
259 その外部的名誉を保護すべきことに変わりはないので,
260 死者の名誉を毀損
261 する事実が摘示された場合も,
262 その事実の真偽にかかわらず,
263 名誉毀損罪が成立し得る。
264
265
266 3.特定かつ少数の者に特定人の名誉を毀損する事実を摘示した場合,
267 その内容が拡散する可能
268 性があったとしても,
269 「公然と」事実を摘示したことにはならない。
270
271
272 4.風評の形式を用いて人の社会的評価を低下させる事実が摘示された場合,
273 刑法第230条の
274 2にいう「真実であることの証明」の対象となるのは,
275 風評が存在することではなく,
276 そのよ
277 うな風評の内容たる事実が存在することである。
278
279
280 5.表現方法が嘲笑的であるとか,
281 適切な調査がないまま他人の文章を転写しているなどといっ
282 た,
283 事実を摘示する際の表現方法や事実調査の程度は,
284 摘示された事実が刑法第230条の2
285 にいう「公共の利害に関する事実」に当たるか否かを判断する際に考慮すべき要素の一つであ
286 る。
287
288
289 〔第5問〕(配点:2)
290 結果的加重犯について,
291 学生A及びBが次の【会話】のとおり議論している。
292
293 【会話】中の@か
294 らGまでの(
295
296 )内に後記アからスまでの【語句群】の中から適切なものを選んだ場合,
297 正しいも
298
299 のの組合せは,
300 後記1から5までのうちどれか。
301
302 なお,
303 @からGまでの(
304
305 )内にはそれぞれ異な
306
307 る語句が入る。
308
309 (解答欄は,
310 [bU])
311 【会
312
313 話】
314
315 学生A.結果的加重犯について,
316 判例は,
317 基本犯と加重結果との間に(@)があれば足りるとし
318 ていると解されていますね。
319
320
321 学生B.判例の立場は(A)の点から疑問があります。
322
323 私は,
324 加重結果の発生について行為者に
325 (B)がなければ,
326 結果的加重犯の成立を認めることは許されないと考えます。
327
328
329 学生A.確かに,
330 判例が求めている(@)を単なる(C)と解するのであれば,
331 (A)の点から
332 問題だと思いますが,
333 私は(@)の有無については(D)が認められるか否かを基準に考
334 えますので,
335 (A)の点も問題ないと考えます。
336
337 ところで,
338 あなたのように加重結果の発
339 生について行為者に(B)を要求するのであれば,
340 加重結果の(E)があることが必要と
341 なりますが,
342 誰を基準にそれを考えるのですか。
343
344
345 学生B. (E)は(F)の前提要件であることから客観的に判断すべきであり,
346 それゆえ,
347 (G)
348 を基準にすべきと考えます。
349
350
351 学生A.そうすると,
352 私の見解でも,
353 (D)の有無の判断の基礎となる事情の一つとして,
354 行為
355 の時点において(G)が認識可能であった事情を考慮するので,
356 あなたの見解と変わりは
357 ないのではないですか。
358
359
360 【語句群】
361 ア.故意
362
363 イ.過失
364
365 オ.予見可能性
366
367 ウ.注意義務
368
369 カ.一般人
370
371 ケ.条件関係
372
373 コ.実行行為性
374
375 エ.期待可能性
376
377 キ.行為者
378
379 ク.因果関係
380
381 サ.相当因果関係
382
383 シ.責任主義
384
385 ス.法益保護主義
386 1.@ク
387
388 Dコ
389
390 5.Dサ
391
392 Eエ
393
394 2.Aス
395
396 Cケ
397
398 3.Aシ
399
400 Fア
401
402 -4-
403
404 4.Bイ
405
406 Gカ
407
408 〔第6問〕(配点:2)
409 住居侵入等の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
410 正しい
411 ものはどれか。
412
413 (解答欄は,
414 [bV])
415 1.「住居」というには,
416 居住者が,
417 法律上正当な権限に基づいて居住する必要があり,
418 単に日
419 常生活に使用しているだけでは足りない。
420
421
422 2.「人の看守する」というには,
423 施錠等の物的設備がなくても,
424 人が事実上管理支配していれ
425 ば足りる。
426
427
428 3.「建造物」というには,
429 土地に定着し,
430 屋根があって,
431 壁又は柱により支持され,
432 その内部
433 に人の出入りができる構造であるだけでは足りない。
434
435
436 4.「建造物」に含まれる囲繞地というには,
437 当該建物に接してその周辺に存在し,
438 かつ,
439 管理
440 者が外部との境界に囲障を設置することにより,
441 建物の付属地として,
442 建物利用のために供
443 されるものであることが明示されているだけでは足りない。
444
445
446 5.「侵入し」というには,
447 建造物等の平穏を害する必要があり,
448 その管理権者の意思に反して
449 立ち入ることだけでは足りない。
450
451
452 〔第7問〕(配点:3)
453 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
454 誤っているものを2個選びなさ
455 い。
456
457 (解答欄は,
458 [bW],
459 [bX]順不同)
460 1.甲は,
461 火災保険金をだまし取る目的で,
462 同居する家族が不在の間に,
463 自宅に放火して焼失
464 させ,
465 その後,
466 火災原因を偽って火災保険金の支払を受けた。
467
468 この場合,
469 甲には,
470 現住建造
471 物等放火罪及び詐欺罪が成立し,
472 これらは併合罪となる。
473
474
475 2.甲は,
476 強盗目的で,
477 乙方に侵入した上,
478 乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し,
479 その際,
480 両名
481 に怪我を負わせ,
482 乙が管理していた現金100万円を強取した。
483
484 この場合,
485 甲には,
486 住居侵入
487 罪及び1個の強盗致傷罪が成立し,
488 これらは牽連犯となる。
489
490
491 3.甲は,
492 乙を教唆して丙占有の自動車を盗むことを決意させ,
493 乙にこれを実行させた後,
494 乙か
495 ら頼まれて,
496 同自動車を預かり保管した。
497
498 この場合,
499 甲には,
500 窃盗教唆罪及び盗品等保管罪が
501 成立し,
502 これらは牽連犯となる。
503
504
505 4.甲は,
506 乙を殺害して金品を強取しようと考え,
507 甲の自宅内で乙を殺害して現金を強取した後,
508
509 引き続き,
510 その死体を自宅の床下に埋めて遺棄した。
511
512 この場合,
513 甲には,
514 強盗殺人罪及び死体
515 遺棄罪が成立し,
516 これらは併合罪となる。
517
518
519 5.甲は,
520 乙名義で預金口座を開設する目的で,
521 同人に成り済まし,
522 同人名義で口座開設申込
523 書を作成し,
524 これを銀行の係員に提出して,
525 乙名義の預金通帳の交付を受けた。
526
527 この場合,
528
529 甲には,
530 有印私文書偽造罪,
531 同行使罪及び詐欺罪が成立し,
532 これらは牽連犯となる。
533
534
535
536 -5-
537
538 〔第8問〕(配点:3)
539 横領の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
540 誤っているも
541 のを2個選びなさい。
542
543 (解答欄は,
544 [10],
545 [11]順不同)
546 1.甲は,
547 乙からの委託に基づき,
548 同人所有の衣類が入った,
549 施錠されていたスーツケース1個
550 を預かり保管していたところ,
551 衣類を古着屋に売却して自己の遊興費を得ようと考え,
552 勝手に
553 開錠し,
554 中から衣類を取り出した。
555
556 この場合,
557 遅くとも衣類を取り出した時点で不法領得の意
558 思の発現と認められる外部的行為があったといえるから,
559 甲には,
560 横領罪が成立する。
561
562
563 2.甲は,
564 乙と共に一定の目的で積み立てていた現金を1個の金庫の中に入れて共同保管してい
565 たところ,
566 乙に無断でその現金全てを抜き取り,
567 自己の遊興費に費消した。
568
569 この場合,
570 甲には,
571
572 横領罪が成立する。
573
574
575 3.株式会社の取締役経理部長甲は,
576 同会社の株式の買い占めに対抗するための工作資金として
577 自ら業務上保管していた会社の現金を第三者に交付した。
578
579 この場合,
580 甲が,
581 会社の不利益を回
582 避する意図を有していたとしても,
583 当該現金の交付が会社にとって重大な経済的負担を伴うも
584 ので,
585 甲が自己の弱みを隠す意図をも有していたなど,
586 専ら会社のためにしたとは認められな
587 いときは,
588 甲には,
589 業務上横領罪が成立する。
590
591
592 4.甲は,
593 乙から某日までに製茶を買い付けてほしい旨の依頼を受け,
594 その買付資金として現金
595 を預かっていたところ,
596 その現金を確実に補填するあてがなかったにもかかわらず,
597 後日補填
598 するつもりで自己の遊興費に費消した。
599
600 この場合,
601 甲がたまたま補填することができ,
602 約定ど
603 おりに製茶の買い付けを行ったとしても,
604 甲には,
605 横領罪が成立する。
606
607
608 5.甲は,
609 自己が所有し,
610 その旨登記されている土地を乙に売却し,
611 その代金を受領したにもか
612 かわらず,
613 乙への移転登記が完了する前に,
614 同土地に自己を債務者とし丙を抵当権者とする抵
615 当権を設定し,
616 その登記が完了した。
617
618 この場合,
619 同抵当権が実行されることなく,
620 後日,
621 その
622 登記が抹消されたとしても,
623 甲には,
624 横領罪が成立する。
625
626
627
628 -6-
629
630 〔第9問〕(配点:2)
631 原因において自由な行為に関する次の各【見解】に従って後記の各【事例】における甲の罪責を
632 検討した場合,
633 後記1から5までの各【記述】のうち,
634 誤っているものはどれか。
635
636 (解答欄は,
637 [
638 12])
639 【見
640
641 解】
642
643 A.責任能力がある状態で行われた原因行為を実行行為と捉える。
644
645
646 B.責任能力を欠いた状態で行われた結果行為を実行行為と捉えつつ,
647 責任能力は意思決定時に
648 存在すれば足り,
649 必ずしも実行行為時に存在することは必要ない。
650
651
652 【事
653
654 例】
655
656 T.甲は,
657 X宅に赴いて同人を殺害しようと決意し,
658 心神喪失状態に陥る可能性があることを認
659 識しつつ,
660 自宅において景気づけのために覚醒剤を使用したところ,
661 心神喪失状態に陥り,
662 当
663 初の計画どおりXを殺害した。
664
665
666 U.甲は,
667 X宅に赴いて同人を殺害しようと決意し,
668 心神喪失状態に陥る可能性があることを認
669 識しつつ,
670 自宅において景気づけのために覚醒剤を使用したところ,
671 心神喪失状態に陥ったが,
672
673 X宅には赴かず,
674 Xの殺害には及ばなかった。
675
676
677 V.甲は,
678 覚醒剤を使用すると粗暴になり周囲に暴行を加える習癖があると知りつつ,
679 覚醒剤を
680 使用した結果,
681 心神喪失状態に陥り,
682 Xと口論になり,
683 殺意を生じて同人を殺害した。
684
685
686 【記
687
688 述】
689
690 1.Aの見解によれば,
691 事例Tでは,
692 甲に,
693 Xに対する殺人既遂罪が成立し得る。
694
695
696 2.Aの見解を採った上で,
697 未遂犯の成立時期は結果発生の現実的な危険性が生じた段階に求め
698 られるべきで,
699 それが常に実行行為の開始段階に認められる必然性はないと考えれば,
700 事例U
701 では,
702 甲に,
703 Xに対する殺人未遂罪は成立しない。
704
705
706 3.Aの見解によれば,
707 事例Vでは,
708 甲に,
709 Xに対する殺人既遂罪が成立し得る。
710
711
712 4.Bの見解によれば,
713 事例Tでは,
714 甲に,
715 Xに対する殺人既遂罪が成立し得る。
716
717
718 5.Bの見解によれば,
719 事例Uでは,
720 甲に,
721 Xに対する殺人未遂罪は成立しない。
722
723
724
725 -7-
726
727 〔第10問〕(配点:3)
728 盗品等に関する罪についての次のアからエまでの各記述を判例の立場に従って検討し, 正しい場
729 合には1を,
730 誤っている場合には2を選びなさい。
731
732 (解答欄は,
733 アからエの順に[13]から[
734 16])
735 ア.賄賂として収受された現金は,
736 「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得され
737 た物」に当たる。
738
739 [13]
740 イ.窃取された物品を買い受けた者が,
741 平穏に,
742 かつ,
743 公然とその占有を開始し,
744 その際,
745 善意
746 無過失である場合,
747 当該物品は,
748 「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得され
749 た物」に当たる余地はない。
750
751 [14]
752 ウ.会社が保管する秘密資料を窃取した者が,
753 自宅で,
754 そのコピーを作成した場合,
755 当該コピー
756 は,
757 「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たらない。
758
759 [15]
760 エ.親族間の犯罪に関する特例(刑法第244条)により刑が免除される犯人が窃取した物品は,
761
762 「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」に当たらない。
763
764 [16]
765 〔第11問〕(配点:2)
766 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
767 正しいものはどれか。
768
769 (解答欄
770 は,
771 [17])
772 1.甲は,
773 Xに対し,
774 暴行や脅迫を用いて,
775 自殺するように執拗に要求し,
776 要求に応じて崖から
777 海に飛び込んで自殺するしかないとの精神状態に陥らせた上で,
778 Xを崖から海に飛び込ませて
779 死亡させた。
780
781 この場合,
782 甲に,
783 Xに対する殺人罪は成立しない。
784
785
786 2.甲は,
787 追死する意思がないのにあるように装い,
788 その旨誤信したXに心中を決意させた上で,
789
790 毒物を渡し,
791 それを飲み込ませて死亡させた。
792
793 この場合,
794 甲に,
795 Xに対する殺人罪は成立しな
796 い。
797
798
799 3.甲は,
800 財物を奪取するために,
801 当該財物の占有者Xに対し,
802 反抗を抑圧するに足りる程度の
803 暴行や脅迫を用いて,
804 当該財物を差し出すしかないとの精神状態に陥らせた上で,
805 当該財物を
806 差し出させた。
807
808 この場合,
809 甲に,
810 Xに対する強盗罪は成立せず,
811 窃盗罪の間接正犯が成立する。
812
813
814 4.甲は,
815 日頃から暴行を加えて自己の意のままに従わせて万引きをさせていた満12歳の実子
816 Xに対し,
817 これまでと同様に万引きを命じて実行させた。
818
819 この場合,
820 Xが是非善悪の判断能力
821 を有する者であれば,
822 甲に,
823 窃盗罪の間接正犯は成立せず,
824 Xとの間で同罪の共同正犯が成立
825 する。
826
827
828 5.甲は,
829 Xが管理する工事現場に保管されている同人所有の機械を,
830 同人に成り済まして,
831 甲
832 をXであると誤信した中古機械買取業者Yに売却し,
833 同人に同機械を同所から搬出させた。
834
835 こ
836 の場合,
837 甲に,
838 Xに対する窃盗罪の間接正犯が成立する。
839
840
841
842 -8-
843
844 〔第12問〕(配点:2)
845 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,
846 誤っているものはどれか。
847
848 (解
849 答欄は,
850 [18])
851 1.甲は,
852 乙から,
853 大学の入学試験を代わりに受けてほしいと頼まれてこれを引き受け,
854 乙に成
855 り済まして入学試験を受け,
856 乙名義で答案を作成して提出した。
857
858 この場合,
859 甲に有印私文書偽
860 造罪が成立する。
861
862
863 2.甲は,
864 架空請求により金銭をだまし取るために使おうと考え,
865 実在しない「法務局民事訴訟
866 管理センター」名義で,
867 契約不履行による民事訴訟が提起されているので連絡をされたい旨記
868 載されたはがきを印刷し,
869 一般人をして実在する公務所が権限内で作成した公文書であると誤
870 信させるに足りる程度の形式・外観を備えた文書を作成した。
871
872 この場合,
873 甲に有印公文書偽造
874 罪が成立する。
875
876
877 3. 甲は,
878 X市立病院の事務長を務める公務員であるが,
879 同病院のために発注書を作成する権限
880 を授与されていないのに,
881 行使の目的で,
882 同病院が業者Aに医療器具を発注していないにもか
883 かわらず,
884 それを発注した旨を記載した内容虚偽の「X市立病院事務長甲」名義の発注書を作
885 成した。
886
887 この場合,
888 甲に虚偽有印公文書作成罪が成立する。
889
890
891 4.甲は,
892 支払督促制度を悪用して乙の財産を不正に差し押さえるなどして金銭を得ようと考え,
893
894 乙に対する内容虚偽の支払督促を簡易裁判所に申し立てた上,
895 乙宛ての支払督促正本等を配達
896 しようとした郵便配達員に対し,
897 乙本人を装い,
898 郵便送達報告書の「受領者の押印又は署名」
899 欄に乙の氏名を記載して提出し,
900 支払督促正本等を受領した。
901
902 この場合,
903 甲に有印私文書偽造
904 罪が成立する。
905
906
907 5.甲は,
908 消費者金融業者に提出する目的で,
909 公文書である乙の国民健康保険被保険者証の氏名
910 欄に自己の氏名が印刷された紙を貼り付けた上で,
911 複写機を使用してこれをコピーし,
912 一般人
913 をして甲の国民健康保険被保険者証の真正なコピーであると誤信させるに足りる程度の形式・
914 外観を備えたものを作成した。
915
916 この場合,
917 甲に有印公文書偽造罪が成立する。
918
919
920
921 -9-
922
923 〔第13問〕(配点:2)
924 次の【事例】に関する後記アからエまでの各【記述】を判例の立場に従って検討した場合,
925 正し
926 いものの個数を後記1から5までの中から選びなさい。
927
928 (解答欄は,
929 [19])
930 【事
931
932 例】
933 甲は,
934 某所公園内において,
935 ベンチ上に置いてあるバッグ1個(以下「本件バッグ」という。
936
937 )
938
939 を発見し,
940 誰かが置き忘れたものと考え,
941 警察に届け出るため,
942 これを手に取り,
943 同公園から路
944 上に出た。
945
946 一方,
947 本件バッグをベンチに置き忘れたことに気付いたVは,
948 同公園に戻ろうとして
949 同路上に至ったところ,
950 甲を発見した。
951
952 Vは,
953 甲が本件バッグを盗んだと疑い,
954
955 「バッグを返せ。
956
957 」
958 と言いながら,
959 甲の腹部を2回足で蹴り,
960 甲から本件バッグを奪い,
961 さらに,
962 甲を蹴り上げるよ
963 うな仕草を続けた。
964
965 甲は,
966 Vの暴行を避けようとして,
967 その胸付近を1回平手で突いたところ,
968
969 その勢いでVが後方に転倒し,
970 後頭部を路面に打ち付け,
971 失神した。
972
973 甲は,
974 その頃には,
975 Vが本
976 件バッグの所有者であると分かっていたが,
977 Vの態度に怒りを覚えたことなどから,
978 本件バッグ
979 を自己のものにしようと考え,
980 失神しているVからこれを取り上げて自宅に持ち帰った。
981
982
983 その後,
984 甲が本件バッグ内を確認したところ,
985 V名義の預金口座のキャッシュカード等在中の
986 財布,
987 V所有の携帯電話機等の物品が入っていた。
988
989 甲は,
990 これらを見て,
991 Vの氏名,
992 勤務先のほ
993 か,
994 携帯電話機にわいせつな盗撮画像が保存されていることを知り,
995 これを奇貨とし,
996 Vから上
997 記キャッシュカードの暗証番号を聞き出して上記口座から預金を引き出そうと思い,
998 勤務先にい
999 たVに電話をかけ,
1000 「あんた盗撮してるな。
1001
1002 警察に携帯を持って行かれたくないなら,
1003 あんたの
1004 キャッシュカードの暗証番号を教えろ。
1005
1006 」と要求するなどした。
1007
1008 Vは,
1009 この要求を断れば,
1010 盗撮
1011 の事実が警察に露見すると思い,
1012 やむを得ず甲に同暗証番号を教えた。
1013
1014 その後,
1015 甲は,
1016 上記キャ
1017 ッシュカードを用いて現金自動預払機から現金50万円を引き出した。
1018
1019
1020 【記
1021
1022 述】
1023
1024 ア.甲が本件バッグを警察に届け出るために某所公園内から持ち出した行為は,
1025 Vによる占有の
1026 回復を困難にする行為であるため,
1027 窃盗罪又は占有離脱物横領罪が成立する。
1028
1029
1030 イ.Vは本件バッグを甲から取り返す目的で暴行を加えており,
1031 この暴行は正当行為に該当する
1032 ため,
1033 甲がVの胸付近を1回平手で突いた行為の違法性が阻却される余地はなく,
1034 甲には,
1035 暴
1036 行罪又は傷害罪が成立する。
1037
1038
1039 ウ.甲が本件バッグをVから取り上げた行為は,
1040 甲の暴行に起因するVの失神状態に乗じて本件
1041 バッグの占有を取得したといえるため,
1042 強盗罪が成立する。
1043
1044
1045 エ.甲が現金自動預払機から現金50万円を引き出した行為は,
1046 甲が,
1047 これに先行してVから暗
1048 証番号を聞き出した時点で,
1049 Vの預金の払戻しを受け得る地位を得たことにより,
1050 その預金の
1051 占有を取得したといえるため,
1052 窃盗罪は成立しない。
1053
1054
1055 1.0個
1056
1057 2.1個
1058
1059 3.2個
1060
1061 4.3個
1062
1063 - 10 -
1064
1065 5.4個
1066
1067 [刑事訴訟法]
1068 〔第14問〕(配点:2)
1069 捜査の端緒に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1070 正しいものの組合せは,
1071 後記1から5ま
1072 でのうちどれか。
1073
1074 ただし,
1075 判例がある場合には,
1076 それに照らして考えるものとする。
1077
1078
1079 (解答欄は,
1080
1081 [
1082 20])
1083 ア.自首は,
1084 書面又は口頭で,
1085 司法警察員にしなければならず,
1086 検察官にすることはできない。
1087
1088
1089 イ.親告罪について告訴の取消しをした者は,
1090 更に告訴をすることができない。
1091
1092
1093 ウ.税関長等の告発を訴訟条件とする関税法違反事件について,
1094 その告発前に強制捜査をする
1095 ことはできない。
1096
1097
1098 エ.検視においては,
1099 死体のエックス線検査をすることはできない。
1100
1101
1102 オ.警察官が,
1103 職務質問の際,
1104 承諾を得て所持品検査をし,
1105 覚醒剤を発見したが,
1106 任意提出を
1107 拒まれた場合,
1108 差押許可状を取得しない限り,
1109 同覚醒剤を差し押さえることはできない。
1110
1111
1112 1.ア
1113
1114 ウ
1115
1116 2.イ
1117
1118 ウ
1119
1120 3.イ
1121
1122 エ
1123
1124 4.ア
1125
1126 オ
1127
1128 5.エ
1129
1130 オ
1131
1132 〔第15問〕(配点:3)
1133 GPS捜査(車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付け,
1134 情報機器でその位置情報
1135 を検索し,
1136 画面表示を読み取って当該車両の所在と移動状況を把握する刑事手続上の捜査)に関す
1137 る次のアからオまでの各記述のうち,
1138 正しいものは幾つあるか。
1139
1140 後記1から6までのうちから選び
1141 なさい。
1142
1143 ただし,
1144 判例がある場合には,
1145 それに照らして考えるものとする。
1146
1147 (解答欄は,
1148 [21])
1149 ア.GPS捜査は,
1150 個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着す
1151 ることによって行われるため,
1152 合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入
1153 する捜査手法といえ,
1154 刑事訴訟法上,
1155 特別の根拠規定がなければ許容されない強制処分に当
1156 たる。
1157
1158
1159 イ.GPS捜査は,
1160 その実施に当たり,
1161 処分を受ける者の反対意思が現実に表明されているわ
1162 けではないため,
1163 個人の意思を制圧することはなく,
1164 任意処分として行うことができる。
1165
1166
1167 ウ.GPS捜査によって生じる個人のプライバシーの侵害とは,
1168 GPS端末を秘かに装着した
1169 車両の位置情報を,
1170 継続的,
1171 網羅的に取得し,
1172 これを蓄積,
1173 分析することにより,
1174 その車両
1175 を使用する者の交友関係をはじめとする私生活上の情報全般を把握することをいい,
1176 一定期
1177 間にわたり車両の位置情報が取得された後初めてそのGPS捜査は強制処分と評価される。
1178
1179
1180 エ.GPS捜査は,
1181 その実施に当たり,
1182 被疑事実と関係のない使用者の行動の過剰な把握を抑
1183 制する必要があるが,
1184 刑事訴訟法上,
1185 検証は10日を超えて実施できないとの規定があるた
1186 め,
1187 検証許可状を取得すればこれを行うことができる。
1188
1189
1190 オ.GPS捜査は,
1191 被疑者らに知られずに秘かに行うのでなければ意味がなく,
1192 処分を受ける
1193 者に対して事前の令状呈示を行うことは想定できないが,
1194 刑事訴訟法は,
1195 令状により行われ
1196 る各強制処分について,
1197 令状を示すことができない場合に備え,
1198 処分の終了後遅滞なく,
1199 処
1200 分を受けた者に処分実施の事実を通知する手続を規定しているため,
1201 適正手続の保障という
1202 観点から問題が生じることはない。
1203
1204
1205 1.0個
1206
1207 2.1個
1208
1209 3.2個
1210
1211 4.3個
1212
1213 - 11 -
1214
1215 5.4個
1216
1217 6.5個
1218
1219 〔第16問〕(配点:2)
1220 捜索・押収に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1221 誤っているものの組合せは,
1222 後記1から
1223 5までのうちどれか。
1224
1225 ただし,
1226 判例がある場合には,
1227 それに照らして考えるものとする。
1228
1229 (解答欄
1230 は,
1231 [22])
1232 ア.司法警察職員は,
1233 捜索差押許可状に基づく被疑者方の捜索を実施中,
1234 被疑者の家族に対し,
1235
1236 許可なく被疑者方に出入りすることを禁止することができる。
1237
1238
1239 イ.裁判官は,
1240 被疑者が特定できていない段階でも,
1241 犯罪の捜査をするについて必要があるとき
1242 は,
1243 捜索差押許可状を発付することができる。
1244
1245
1246 ウ.司法警察職員は,
1247 日出前,
1248 日没後には,
1249 令状に夜間でも執行することができる旨の記載がな
1250 ければ,
1251 捜索差押許可状の執行のため,
1252 人の住居に入ることはできないが,
1253 日没前に捜索差押
1254 許可状の執行に着手したときは,
1255 日没後でもその処分を継続することができる。
1256
1257
1258 エ.司法警察職員が捜索差押許可状に基づいて差し押さえることができる物は,
1259 裁判官の令状審
1260 査の時点で捜索場所に存在していた物に限られる。
1261
1262
1263 オ.司法警察職員が領置することができる物は,
1264 所有者,
1265 所持者又は保管者が任意に提出した物
1266 に限られる。
1267
1268
1269 1.ア
1270
1271 ウ
1272
1273 2.ア
1274
1275 オ
1276
1277 3.イ
1278
1279 ウ
1280
1281 4.イ
1282
1283 エ
1284
1285 5.エ
1286
1287 オ
1288
1289 〔第17問〕(配点:3)
1290 次のアからオまでの各記述のうち,
1291 正しいものには1を,
1292 誤っているものには2を選びなさい。
1293
1294
1295 (解答欄は,
1296 アからオの順に[23]から[27])
1297 ア. 司法警察員は,
1298 司法巡査が逮捕した被疑者を受け取ったときは,
1299 直ちに犯罪事実の要旨及
1300 び弁護人を選任することができる旨を告げた上,
1301 弁解の機会を与え,
1302 留置の必要がないと思
1303 料するときは,
1304 直ちにこれを釈放しなければならない。
1305
1306 [23]
1307 イ. 司法警察員は,
1308 司法巡査が逮捕した被疑者を受け取ったときは,
1309 直ちに犯罪事実の要旨及
1310 び弁護人を選任することができる旨を告げた上,
1311 弁解の機会を与え,
1312 留置の必要があると思
1313 料するときは,
1314 被疑者を受け取った時から48時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検
1315 察官に送致する手続をしなければならない。
1316
1317 [24]
1318 ウ. 検察官は,
1319 司法警察員が逮捕し送致した被疑者を受け取ったときは,
1320 弁解の機会を与え,
1321
1322 留置の必要があると思料するときは,
1323 被疑者を受け取った時から48時間以内に裁判官に被
1324 疑者の勾留を請求しなければならない。
1325
1326 [25]
1327 エ. 検察官は,
1328 逮捕状により被疑者を逮捕したときは,
1329 直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選
1330 任することができる旨を告げた上,
1331 弁解の機会を与え,
1332 留置の必要があると思料するときは,
1333
1334 被疑者が身体を拘束された時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければな
1335 らない。
1336
1337 [26]
1338 オ. 検察官は,
1339 被疑者が勾留された事件について,
1340 被疑者が身体を拘束された日から10日以
1341 内に公訴を提起しないときは,
1342 勾留の期間が延長された場合を除き,
1343 直ちに被疑者を釈放し
1344 なければならない。
1345
1346 [27]
1347
1348 - 12 -
1349
1350 〔第18問〕(配点:2)
1351 次の学生AないしDの【会話】は,
1352 医師が捜査機関の依頼に基づき,
1353 人の身体から注射器を用い
1354 て直接強制により血液を採取するために必要と考えられる令状に関する議論である。
1355
1356 学生Aないし
1357 Dが必要と考えている令状として正しい組合せは,
1358 後記1から5までのうちどれか。
1359
1360
1361 (解答欄は,
1362
1363 [
1364 28])
1365 【会話】
1366 学生A:私は,
1367 一般に身体内にある体液を採取するために必要な令状については,
1368 強制採尿に関
1369 する判例が採用した考え方と同じでよいと思う。
1370
1371
1372 学生B:しかし,
1373 同じ体液といっても,
1374 尿と血液とでは性質が全然違うからなあ。
1375
1376
1377 学生C:そういうBさんの見解も,
1378 対象者が採血を拒否した場合には直接強制するための明文が
1379 ないのが問題だ。
1380
1381
1382 学生B:その点は,
1383 刑事訴訟法第172条の類推適用で対応できると思う。
1384
1385
1386 学生D:Cさんの見解だって,
1387 もともとその令状が想定している範囲は,
1388 身体の外表か,
1389 せいぜ
1390 い肛門等の体腔を外部から確認する程度であって,
1391 身体の損傷を伴う血液の採取をその令
1392 状で行い得るとするのは行き過ぎだ。
1393
1394
1395 学生C:そういうDさんの見解も,
1396 それぞれの令状が単独ではできないことを,
1397 令状を併用すれ
1398 ばできるとするのは,
1399 便宜に過ぎるのではないかと批判されているよね。
1400
1401
1402 学生D:でも,
1403 Bさんの見解のように,
1404 直接の明文規定を欠いているにもかかわらず,
1405 条文の類
1406 推適用によって直接強制し得るとするよりは良いと思う。
1407
1408
1409 1.A:捜索差押許可状及び鑑定処分許可状,
1410 B:鑑定処分許可状,
1411
1412 C:身体検査令状,
1413 D:捜索差押許可状及び身体検査令状
1414 2.A:捜索差押許可状,
1415 B:身体検査令状,
1416 C:鑑定処分許可状,
1417
1418 D:鑑定処分許可状及び身体検査令状
1419 3.A:捜索差押許可状,
1420 B:身体検査令状,
1421 C:鑑定処分許可状,
1422
1423 D:捜索差押許可状及び身体検査令状
1424 4.A:捜索差押許可状,
1425 B:鑑定処分許可状,
1426 C:身体検査令状,
1427
1428 D:鑑定処分許可状及び身体検査令状
1429 5.A:捜索差押許可状及び鑑定処分許可状,
1430 B:身体検査令状,
1431
1432 C:鑑定処分許可状,
1433 D:鑑定処分許可状及び身体検査令状
1434
1435 - 13 -
1436
1437 〔第19問〕(配点:2)
1438 次のTないしVの【見解】は,
1439 逮捕・勾留の要件が備わらないA事実での逮捕・勾留に先立って,
1440
1441 逮捕・勾留の要件が備わっているB事実で逮捕・勾留する場合の適法性に関するものである。
1442
1443 【見
1444 解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち,
1445 誤っているものは幾つあるか。
1446
1447 後記1から6ま
1448 でのうちから選びなさい。
1449
1450 (解答欄は,
1451 [29])
1452 【見解】
1453 T.B事実について逮捕・勾留の要件が備わっているか否かを基準に適法性を判断すべきであり,
1454
1455 捜査機関がB事実による逮捕・勾留中に主としてA事実の取調べを行う意図であるか否かは,
1456
1457 B事実による逮捕・勾留の適法性に直接には影響せず,
1458 B事実について逮捕・勾留の理由と必
1459 要性が備わっている限り,
1460 裁判官はB事実での逮捕状請求や勾留請求を認容すべきである。
1461
1462
1463 U.逮捕・勾留の基礎となっているB事実の背後にあるA事実に着目して適法性を判断すべきで
1464 あり,
1465 捜査機関がB事実に名を借りて実質的にはA事実の取調べを行う意図であることがうか
1466 がわれる場合には,
1467 B事実についての逮捕・勾留の理由と必要性が備わっていたとしても,
1468 裁
1469 判官はB事実での逮捕状請求や勾留請求を却下すべきである。
1470
1471
1472 V.B事実によって逮捕・勾留された後の身体拘束期間が,
1473 主としてA事実の捜査のために利用
1474 されるに至った場合には,
1475 それ以降の身体拘束は,
1476 B事実による逮捕・勾留としての実体を失
1477 い,
1478 A事実による身体拘束となっていると評価され,
1479 A事実による逮捕・勾留の要件が欠ける
1480 ため違法である。
1481
1482
1483 【記述】
1484 ア.Tの見解に対しては,
1485 捜査機関による身体拘束の濫用という脱法的本質を無視する考えであ
1486 るとの批判がある。
1487
1488
1489 イ.Uの見解は,
1490 厳格な身体拘束期間の潜脱行為に対する事前防止を重視する立場である。
1491
1492
1493 ウ.Uの見解からは,
1494 仮にA事実について逮捕・勾留の理由と必要性が備わっている場合には,
1495
1496 A事実の取調べを行う意図でB事実により逮捕・勾留することも適法となる。
1497
1498
1499 エ.Vの見解からは,
1500 B事実による身体拘束期間中に捜査機関がB事実の取調べと並行してA事
1501 実の取調べを行った場合,
1502 B事実による逮捕・勾留は常に違法となる。
1503
1504
1505 オ.Vの見解に対しては,
1506 裁判官が逮捕状請求や勾留請求の審査をするに当たってまず捜査機関
1507 の意図を調べなければならないことは実際的でないとの批判がある。
1508
1509
1510 1.0個
1511
1512 2.1個
1513
1514 3.2個
1515
1516 4.3個
1517
1518 - 14 -
1519
1520 5.4個
1521
1522 6.5個
1523
1524 〔第20問〕(配点:2)
1525 検察官の権限に関する次の学生AないしEの【発言】のうち,
1526 正しいものの組合せは,
1527 後記1か
1528 ら5までのうちどれか。
1529
1530 (解答欄は,
1531 [30])
1532 【発言】
1533 教
1534
1535 授:刑事訴訟法上,
1536 検察官の権限やその行使の在り方について様々な規定がありますね。
1537
1538
1539
1540 学生A:はい。
1541
1542 検察官は,
1543 公訴権を有していますが,
1544 証拠に基づき有罪判決を得られる高度の見
1545 込みがある場合には,
1546 公訴を提起しなければならないと定められています。
1547
1548
1549 学生B:公訴権は,
1550 原則として検察官が独占していますが,
1551 裁判所の付審判決定があったときは
1552 公訴の提起があったものとみなされます。
1553
1554 これは,
1555 起訴独占主義の例外の一つです。
1556
1557
1558 学生C:第一審の判決があるまで,
1559 検察官は,
1560 公訴を取り消すことができますが,
1561 検察官が公訴
1562 を取り消すには,
1563 裁判所の許可が必要です。
1564
1565
1566 学生D:検察官は,
1567 公訴を提起した後も,
1568 必要と認めるときは,
1569 自らその犯罪を捜査することが
1570 できます。
1571
1572
1573 学生E:検察官は,
1574 再審請求権を有していますが,
1575 有罪の言渡しを受けた者の利益のために,
1576 再
1577 審を請求することはできません。
1578
1579
1580 1.A
1581
1582 C
1583
1584 2.B
1585
1586 C
1587
1588 3.B
1589
1590 D
1591
1592 4.A
1593
1594 E
1595
1596 5.D
1597
1598 E
1599
1600 〔第21問〕(配点:2)
1601 第一審の被告人質問に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1602 誤っているものの組合せは,
1603 後
1604 記1から5までのうちどれか。
1605
1606 (解答欄は,
1607 [31])
1608 ア.被告人質問を実施するためには,
1609 証拠調べの請求や決定を必要としない。
1610
1611
1612 イ.被告人質問を実施する場合には,
1613 他の証拠が全て取り調べられた後にこれを行わなければな
1614 らない。
1615
1616
1617 ウ.被告人質問を実施する場合には,
1618 まず裁判長が質問をしなければならず,
1619 弁護人がこれに先
1620 んじて質問をすることはできない。
1621
1622
1623 エ.被告人は,
1624 供述を拒む場合に,
1625 その理由を明らかにする必要はない。
1626
1627
1628 オ.被告人が任意に供述をする場合には,
1629 共同被告人の弁護人は,
1630 裁判長に告げて,
1631 被告人の供
1632 述を求めることができる。
1633
1634
1635 1.ア
1636
1637 ウ
1638
1639 2.ア
1640
1641 オ
1642
1643 3.イ
1644
1645 ウ
1646
1647 4.イ
1648
1649 - 15 -
1650
1651 エ
1652
1653 5.エ
1654
1655 オ
1656
1657 〔第22問〕(配点:2)
1658 被害者,
1659 又は被害者参加人(被害者参加制度における被害者参加人をいう。
1660
1661 )に関する次のアか
1662 らオまでの各記述のうち,
1663 誤っているものは幾つあるか。
1664
1665 後記1から6までのうちから選びなさい。
1666
1667
1668 (解答欄は,
1669 [32])
1670 ア.被害者は,
1671 被害に関する心情その他の被告事件に関する意見を陳述することができ,
1672 裁判所
1673 は,
1674 その陳述を刑の量定のための証拠とすることができる。
1675
1676
1677 イ.被害者参加人は,
1678 当該被告事件についての刑事訴訟法の規定による検察官の権限の行使に関
1679 し,
1680 検察官に対して意見を述べることができ,
1681 この場合において,
1682 検察官は,
1683 当該権限を行
1684 使し又は行使しないこととしたときは,
1685 必要に応じ,
1686 当該意見を述べた者に対し,
1687 その理由
1688 を説明しなければならない。
1689
1690
1691 ウ.情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項についてその証人
1692 を尋問することの申出を被害者参加人から受けた検察官は,
1693 申出に係る尋問事項について自
1694 ら尋問する場合を除き,
1695 意見を付して,
1696 この申出を裁判所に通知するものとされている。
1697
1698
1699 エ.被害者参加人は,
1700 裁判所の許可を得て,
1701 刑事訴訟法の規定による意見の陳述をするため被告
1702 人に対して質問をすることができるが,
1703 裁判長は,
1704 その質問が既にされた質問と重複すると
1705 き,
1706 これを制限することができる。
1707
1708
1709 オ.被害者参加人は,
1710 裁判所の許可を得て,
1711 事実又は法律の適用について意見を陳述することが
1712 でき,
1713 裁判所は,
1714 その陳述を犯罪事実の認定のための証拠とすることができる。
1715
1716
1717 1.0個
1718
1719 2.1個
1720
1721 3.2個
1722
1723 4.3個
1724
1725 - 16 -
1726
1727 5.4個
1728
1729 6.5個
1730
1731 〔第23問〕(配点:2)
1732 次の【事例】に関する教授と学生AないしDの【会話】のうち,
1733 誤った発言をしている学生は何
1734 人いるか。
1735
1736 後記1から5までのうちから選びなさい。
1737
1738 ただし,
1739 判例がある場合には,
1740 それに照らし
1741 て考えるものとする。
1742
1743 (解答欄は,
1744 [33])
1745 【事例】
1746 甲は,
1747 令和2年3月1日,
1748 H市内の甲方において,
1749 乙から現金30万円を受け取り,
1750 同日,
1751 同所
1752 において,
1753 公務員である丙に対して,
1754 乙から受け取った同現金30万円を交付した。
1755
1756
1757 【会話】
1758 教
1759
1760 授:この事例について,
1761 検察官が,
1762 「甲は,
1763 丙と共謀の上,
1764 令和2年3月1日,
1765 H市内の甲
1766 方において,
1767 乙から賄賂金30万円を収受した。
1768
1769 」という収賄罪の共同正犯の訴因で起訴
1770 したとします。
1771
1772 審理の結果,
1773 裁判所が,
1774 当該賄賂金の授受があった日は,
1775 令和2年3月1
1776 0日であり,
1777 場所は,
1778 H市内の丙方であるとの心証を形成した場合,
1779 裁判所は,
1780 どうすべ
1781 きですか。
1782
1783
1784
1785 学生A:訴因の機能は,
1786 裁判所に対し審判の対象を限定するとともに,
1787 被告人に対し防御の範囲
1788 を示すことにあります。
1789
1790 審理の経過に鑑み,
1791 犯罪の実行行為がなされた日時場所について,
1792
1793 訴因と異なる日時場所を認定することにより,
1794 被告人に不意打ちを与える場合には,
1795 その
1796 防御に実質的な不利益を与えることになります。
1797
1798 その場合には,
1799 訴因変更の手続を経ずに,
1800
1801 「甲は,
1802 丙と共謀の上,
1803 令和2年3月10日,
1804 H市内の丙方において,
1805 乙から賄賂金30
1806 万円を収受した。
1807
1808 」という事実を認定することはできません。
1809
1810
1811 学生B:裁判所は,
1812 検察官に対して,
1813 心証に沿った事実を内容とする訴因への変更を促し,
1814 検察
1815 官が応じない場合には,
1816 訴因の変更を命ずることが考えられます。
1817
1818
1819 学生C:裁判所は,
1820 検察官が訴因変更命令に応じなかったとしても,
1821 訴因変更命令により訴因が
1822 変更されたものとして,
1823 「甲は,
1824 丙と共謀の上,
1825 令和2年3月10日,
1826 H市内の丙方にお
1827 いて,
1828 乙から賄賂金30万円を収受した。
1829
1830 」という事実を認定して,
1831 有罪判決を言い渡す
1832 ことができます。
1833
1834
1835 教
1836
1837 授:それでは,
1838 裁判所は,
1839 審理の結果,
1840 甲が,
1841 令和2年3月1日,
1842 H市内の甲方において,
1843
1844 乙から現金30万円を受け取り,
1845 同日,
1846 同所において,
1847 公務員である丙に対して,
1848 同現金
1849 30万円を交付した事実は間違いないが,
1850 収賄罪の共同正犯ではなく,
1851 「甲は,
1852 乙と共謀
1853 の上,
1854 丙に対し,
1855 賄賂金30万円を供与した。
1856
1857 」という贈賄罪の共同正犯が成立するとの
1858 心証を形成したとします。
1859
1860 その場合,
1861 裁判所は,
1862 どうすべきですか。
1863
1864
1865
1866 学生D:この場合,
1867 一連の同一の行為についての法的評価を異にするにすぎないので,
1868 訴因変更
1869 の手続を経ることなく,
1870 贈賄罪の共同正犯を認定して,
1871 有罪判決を言い渡すことができま
1872 す。
1873
1874
1875 1.0人
1876
1877 2.1人
1878
1879 3.2人
1880
1881 4.3人
1882
1883 - 17 -
1884
1885 5.4人
1886
1887 〔第24問〕(配点:3)
1888 刑事訴訟における証拠と憲法の諸規定に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1889 正しいものに
1890 は1を,
1891 誤っているものには2を選びなさい。
1892
1893 ただし,
1894 判例がある場合には,
1895 それに照らして考え
1896 るものとする。
1897
1898 (解答欄は,
1899 アからオの順に[34]から[38])
1900 ア.違法に収集された証拠物の証拠能力については,
1901 憲法及び刑事訴訟法に明文の規定は置かれ
1902 ていないものの,
1903 刑事訴訟法の解釈として,
1904 憲法第31条による適正手続の保障並びに憲法第
1905 35条による住居の不可侵及び捜索・押収を受けることのない権利の保障にも鑑み,
1906 そのよう
1907 な証拠物の証拠能力が否定される場合がある。
1908
1909 [34]
1910 イ.国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができない者の供述を録取した
1911 検察官面前調書を,
1912 刑事訴訟法第321条第1項第2号前段の規定により証拠とすることは,
1913
1914 それが作成され証拠請求されるに至った事情や,
1915 供述者が国外にいることになった事由のいか
1916 んによっては,
1917 憲法第37条第2項の保障する証人審問権の趣旨に鑑み許されない場合がある。
1918
1919
1920 [35]
1921 ウ.自己負罪拒否特権に基づき証言を拒否する証人に対して刑事免責を付与して供述を強制する
1922 ことは,
1923 憲法第38条第1項に違反するから,
1924 そのようにして得られた供述を,
1925 被告人の有罪
1926 を認定するための証拠とすることは許されない。
1927
1928 [36]
1929 エ.任意にされたものでない疑いのある自白を,
1930 犯罪事実を認定するための証拠とすることは,
1931
1932 刑事訴訟法第319条第1項の定める自白法則に違反するが,
1933 憲法第38条第2項の定める自
1934 白法則には違反しない。
1935
1936 [37]
1937 オ.公判廷における被告人の自白を唯一の証拠として被告人を有罪とすることは,
1938 刑事訴訟法第
1939 319条第2項の定める補強法則に違反するが,
1940 憲法第38条第3項の定める補強法則には違
1941 反しない。
1942
1943 [38]
1944 〔第25問〕(配点:3)
1945 伝聞証拠に関する次のアからオまでの各記述のうち,
1946 証拠とすることができる要件に差異のない
1947 書面の組合せが記載されたものの個数は,
1948 後記1から6までのうちどれか。
1949
1950 ただし,
1951 判例がある場
1952 合には,
1953 それに照らして考えるものとする。
1954
1955 (解答欄は,
1956 [39])
1957 ア.司法警察員の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるものと,
1958
1959 検察官の面前における被告人の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるもの
1960 イ.司法警察員の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるもの
1961 と,
1962 検察官の面前における被害者の供述を録取した書面で同人の署名及び押印のあるもの
1963 ウ.被告人が作成した供述書で同人の署名及び押印のあるものと,
1964 被告人が作成した供述書で
1965 同人の署名及び押印のいずれもがないもの
1966 エ.司法警察員が作成した検証調書と,
1967 司法警察員が作成した実況見分調書
1968 オ.司法警察員から鑑定の嘱託を受けた者が作成した鑑定書と,
1969 裁判所から鑑定を命じられた
1970 鑑定人が作成した鑑定書
1971 1.0個
1972
1973 2.1個
1974
1975 3.2個
1976
1977 4.3個
1978
1979 - 18 -
1980
1981 5.4個
1982
1983 6.5個
1984
1985 〔第26問〕(配点:2)
1986 次のTないしVの【見解】は,
1987 「Yに対する保護責任者遺棄致死罪で起訴された甲の公判におい
1988 て,
1989 証拠調べの結果,
1990 甲がYを遺棄した当時,
1991 Yが生きていたか死亡していたかが判明せず,
1992 甲に
1993 保護責任者遺棄致死罪と死体遺棄罪のどちらかが成立することは疑いがないが,
1994 どちらであるかは
1995 確定できなかった場合に,
1996 裁判所は,
1997 どのような判決を言い渡すべきか。
1998
1999 」という問題に関する考
2000 え方を述べたものである。
2001
2002 【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち,
2003 誤っているもの
2004 は幾つあるか。
2005
2006 後記1から6までのうちから選びなさい。
2007
2008 (解答欄は,
2009 [40])
2010 【見解】
2011 T.無罪判決を言い渡すべきである。
2012
2013
2014 U.保護責任者遺棄致死罪又は死体遺棄罪のいずれかの事実が認定できるという択一的認定をし
2015 て,
2016 有罪判決を言い渡すべきであるが,
2017 量刑は,
2018 軽い死体遺棄罪の刑によるべきである。
2019
2020
2021 V.軽い死体遺棄罪の事実を認定して,
2022 有罪判決を言い渡すべきである。
2023
2024
2025 【記述】
2026 ア.Tの見解に対しては,
2027 国民の法感情に反するという批判がある。
2028
2029
2030 イ.Tの見解に対しては,
2031 刑事訴訟において重要なのは,
2032 特定の犯罪に当たる事実の証明がされ
2033 たかどうかであるとの批判がある。
2034
2035
2036 ウ.Uの見解は,
2037 保護責任者遺棄致死罪又は死体遺棄罪のいずれかであることは疑いがない以上,
2038
2039 軽い罪の刑で処罰するのであれば,
2040 「疑わしきは被告人の利益に」の原則に反しないとする。
2041
2042
2043 エ.Uの見解に対しては,
2044 合成的な構成要件を設定して処罰することになり,
2045 罪刑法定主義に反
2046 するという批判がある。
2047
2048
2049 オ.Vの見解は,
2050 保護責任者遺棄致死罪又は死体遺棄罪のどちらかが成立することは疑いがない
2051 状況で,
2052 重い保護責任者遺棄致死罪の事実が認定できないのであれば,
2053 死体遺棄罪が疑いなく
2054 証明されたと考えるべきであるとする。
2055
2056
2057 1.0個
2058
2059 2.1個
2060
2061 3.2個
2062
2063 4.3個
2064
2065 - 19 -
2066
2067 5.4個
2068
2069 6.5個
2070
2071