1 論文式試験問題集[刑事系科目第1問]
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5 [刑事系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 以下の【事例1】及び【事例2】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕について,答えなさ
8 い。
9 【事例1】
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12 甲及びその後輩の乙は,それぞれ金に困り,2人で腕時計販売店に押し入って腕時計を強奪し
13 ようと計画していた。甲は,腕時計販売を業とするA株式会社(以下「A社」という。)が直営
14 するB腕時計店(以下「B店」という。)で働いている親友の丙に対し,警備体制に関する情報
15 の提供など上記計画への協力を求めた。
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19 丙は,B店の副店長として自ら接客に従事するほか,アルバイトの採用や従業員の勤怠状況の
20 管理を行い,B店の帳簿作成や売上金管理等の業務も担当していた。売上金管理業務として,丙
21 には,各営業日の閉店後,当日の売上金額をA社本社に報告することのほか,各営業日の開店前
22 に,前日の売上金をA社名義の預金口座に入金することが義務付けられていた。また,商品の仕
23 入れ,店外への持ち出し及び価格設定について,丙に権限はなく,全て店長Cの承認を得る必要
24 があるとされていた。
25 B店の売場に陳列されている商品は,ショーケース内に保管されていたが,その陳列方法は全
26 て丙が決定していた。このショーケースは,接客に必要なときを除いて常時施錠され,その鍵は,
27 C及び丙のみが所持していた。また,B店の売場及び従業員控室には,複数の防犯カメラが設置
28 され,その様子が常時くまなく音声付きで撮影録画されていたほか,警備会社を通じ,警察に非
29 常事態の発生を知らせるための押しボタン式通報システムも設置されていた。
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33 金に困っていた丙は,甲からの話を聞いて,いっそのことB店の腕時計が強奪されたように装
34 い,これを自分たちのものにしようと思い付き,某月1日,甲に対し,前記2の事実関係を説明
35 した上,「午前11時の開店時は,普段だとめったに客も来ないし,明後日は俺しかいないから,
36 その時,店に来て刃物を出して,ショーケースを開けろと言ってくれ。俺は後で怪しまれないよ
37 うに拒むふりをするけど,最後はショーケースを開けるから,すぐに時計を持って行ってくれ。
38 ただ,俺も通報しないわけにはいかないので,急いで逃げろよ。時計は後で分けよう。それと,
39 会ったことのない乙は信用できないから,今の話は内緒にしてくれ。」と持ち掛けたところ,こ
40 れを甲は承諾した。
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44 甲は,同月2日,丙と内通している事実を秘したまま,乙に対し,「明日,俺がB店の開店と
45 同時に中に入って店員に刃物を突き付けて時計を奪い取ってくる。その間,お前は近くに停めた
46 車で周囲を見張り,俺が戻って来たらすぐに車を出してくれ。帰ってから時計を分けよう。」と
47 持ち掛けたところ,これを乙は承諾した。
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51 甲は,同月3日午前10時59分,乙の運転する自動車でB店前路上に到着し,同日午前11
52 時,その開店と同時に,覆面をかぶり,サバイバルナイフ(刃体の長さ約20センチメートル。
53 以下「本件ナイフ」という。)及びボストンバッグ(以下「本件バッグ」という。)を持って同
54 車から降り,B店に向かった。
55 甲は,B店内に入ると,丙に対し,本件ナイフを示し,「殺されたくなかったら,これに時計
56 を入れろ。」と言い,ショーケース内に陳列されている腕時計を本件バッグに入れるように要求
57 した。これに対し,丙は,前記通報システムを作動させ,甲に対し,「通報したから警察が来る
58 ぞ。」と言い,上記要求を拒否するふりをしたので,甲は,丙に対し,「いいからやれ。刺す
59 ぞ。」と語気を強めて言った。その直後,丙は,ショーケースを解錠し,その中にあった腕時計
60 100点(時価合計3000万円相当)を甲から受け取った本件バッグに入れ,これを甲に差し
61 出した。甲は,同日午前11時3分,本件バッグを丙から受け取ると,B店内から出て前記車両
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64 に乗り込み,乙の運転する同車で逃走した。
65 乙は,甲が前記車両を降りてから戻って来るまでの間,通行人が甲を警戒したり,警察官らが
66 駆けつけたりする様子があれば,これを甲に知らせるつもりで,同車運転席から周囲を見張って
67 いた。
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70 甲は,同日,乙に対し,その取り分として前記腕時計100点のうち20点(時価合計400
71 万円相当)を手渡し,さらに,同月4日,丙に対し,その取り分として残りの腕時計のうち40
72 点(時価合計1300万円相当。以下「本件腕時計40点」という。)が入った本件バッグを手
73 渡した。
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77 丙は,同月5日,本件バッグを交際中の丁の自宅に隠すこととし,これをその押し入れ内にし
78 まうと,丁に対し,「バッグの中は見るな。しばらく預かっておいてくれ。」と言った。これに
79 従い,丁は,本件バッグを押し入れ内に放置していたが,同月10日,片付けのため本件バッグ
80 を手に持った際,想像以上の重量であったので,不審に思い,その中を見たところ,本件腕時計
81 40点を発見した。その時,丁は,本件腕時計40点全てに値札が付いていたことから,丙が自
82 分のものにするためにB店から無断で持ち出した商品であろうと認識したが,丙のために,本件
83 バッグを預かり続けることとし,これを元の位置に戻した。丁は,同月25日に本件バッグを丙
84 に返すまでの間,これを押し入れ内に置き続けた。
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86 〔設問1〕
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88 【事例1】における甲,乙,丙及び丁の罪責について,論じなさい(住居等侵入罪
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90 (刑法第130条)及び特別法違反の点は除く。)。
91 【事例2】(【事例1】の事実に続けて,以下の事実があったものとする。)
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94 乙は,甲から受け取った腕時計20点を換金したが,浪費して再び金に困り,同月30日午後
95 7時,甲に電話を掛け,「時計をもっと分けてください。」などと執ように迫った。甲は,当時,
96 自宅で丙と飲酒中であったが,乙の態度を面倒に感じ,酒の勢いもあって,「実は,B店の店員
97 と通じてやったんだ。今も一緒に飲んでいる。残りは俺とそいつで半分ずつに分けたから,お前
98 にやる分はもうない。」と言った。これを聞いた乙は,興奮し,「そんなのうそでしょ。」と言
99 った。甲は,「うそだと思うなら,うちに来いよ。」と言い,電話を切った。甲は,乙の態度に
100 立腹し,丙に状況を説明した上,「乙は生意気だから,懲らしめてやろう。多少怪我をさせても
101 構わない。俺が木刀で殴ってやる。その時,乙を押さえていてくれ。」と言ったところ,最初は
102 嫌がっていた丙も,最終的にはそれに応じた。
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106 甲は,自宅物置内から木刀を持ち出し,丙と共に自宅前で乙を待っていたところ,同日午後8
107 時,乙が到着するや否や,丙が背後から乙を羽交い締めにした。甲は,「お前,調子に乗るな
108 よ。」と言い,乙の頭部を木刀で1回殴った。すると,乙は,「やめてください。やめてくれな
109 いなら,全部警察にばらしますよ。」と言い出した。乙の発言について,甲は,乙の真意でない
110 と考えたが,丙は,そのように考えず,乙に暴行を加え続けて警察に真相を話すのを思いとどま
111 らせようと考え,「もっと痛い目に遭わないと分からないのか。」と言い,乙の顔面や腹部を手
112 拳で多数回殴った。
113 これを見た甲は,丙の余りの勢いに驚き,丙に対し,「乙が警察にばらすはずはない。落ち着
114 け。」と言い,丙をいさめて暴行を終了させようとした。しかし,丙は,暴行を提案した甲から
115 止められたことに立腹し,甲の頭部を手拳で殴ったところ,転倒した甲が頭部を路面に打ち付け
116 て気絶した。丙は,そのことを認識しつつ,この機会に,乙に暴行を加えて警察に真相を話さな
117 いと約束させようと考え,同日午後8時5分,甲から取り上げた木刀で乙の頭部を1回殴ったと
118 ころ,乙は逃げ出した。
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122 乙は,全治約3週間を要する頭部裂傷のほか,全治約1週間を要する顔面打撲及び腹部打撲の
123 傷害を負った。そのうち全治約3週間を要する頭部裂傷の傷害は,甲又は丙の木刀による殴打行
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126 為のいずれか一方だけによって形成されたことは明らかであるが,いずれの殴打行為から形成さ
127 れたものか不明であった。
128 〔設問2〕
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130 【事例2】における甲の罪責に関し,以下の及びについて,答えなさい。なお,
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132 及びのいずれについても,自らの見解を問うものではない。
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135 甲は乙の頭部裂傷の傷害結果に関する刑事責任を負わないとの立場からは,その結論を導くた
136 めに,どのような説明が考えられるか。論点ごとに論拠を示しつつ説明すること。
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140 甲は乙の頭部裂傷の傷害結果に関する刑事責任を負うとの立場からは,前記の説明に対し,
141 どのような反論が考えられるか。論点ごとに論拠を示しつつ反論すること。
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145 論文式試験問題集[刑事系科目第2問]
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149 [刑事系科目]
150 〔第2問〕(配点:100)
151 次の【事例】を読んで,後記〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
152 【事
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155 例】
156 令和2年8月4日午前9時30分,H県I市内の一戸建て家屋に住む女性V(当時77歳)の自
157
158 宅に電話が掛かってきた。電話を掛けてきた男は,S銀行の職員を装い,Vに対し,「Vさんの預
159 金口座が犯罪組織に利用されており,このままでは預金が全て引き出されてしまいます。本人確認
160 が必要ですので,これから私が質問する内容に正確にお答えください。」と言った。Vは,S銀行
161 I支店に多額の預金をしていたこともあって,電話の相手をS銀行の職員であると信じ,尋ねられ
162 るままに,住所がH県I市K町3丁目45番地,生年月日が昭和18年4月10日,夫と死別し,
163 一人暮らしで,一人息子は他県に住んでいること,S銀行I支店に約2000万円の預金があり,
164 台所の食器棚にいわゆるタンス預金として現金500万円があることを話した。電話の相手は,V
165 に対し,「午前中に私どもの職員がお宅に伺います。」と伝え,電話を切った。
166 その2時間後,S銀行の職員を装った1名の男がV方を訪れ,Vによって玄関ドアの鍵が開けら
167 れると同時にV方内に押し入り,いきなりVの顔面に催涙スプレーを吹き付けた。そして,同男は,
168 持っていたロープでVの身体を後ろ手に緊縛し,さらに,持っていたガムテープで,Vの鼻を塞が
169 ないようにしてその口を塞いだ上,台所の食器棚から現金500万円を取り出してこれを強奪した。
170 その後,同男は,ロープでVの両足を縛り,逃走した(以上の事件を,以下「本件住居侵入強盗」
171 という。)。
172
173
174 その30分後,たまたまV方を訪れたVの息子が,ロープで緊縛されて倒れているVを発見し,
175 直ちにVを助けるとともに,110番通報をした。
176 その後,H県警察は,事件当時V方周辺に駐車されていた不審車両に関する情報を基に,犯行の
177 際に使用されたレンタカーを割り出し,同車を借りたのが甲であることを突き止めた。
178 H県警察司法警察員Pらは,甲方の捜索差押許可状の発付を受けた上で,同許可状に基づき,令
179 和2年8月5日午前9時から,H県M市内にある一人暮らしの甲方の捜索を実施し,引き続き,甲
180 をH県M警察署に任意同行した。そして,Pらが本件住居侵入強盗について甲から事情を聴くと,
181 甲は,「Vさん方に押し入り,Vさんを縛り上げて500万円を奪ったのは私です。」と述べた。
182 そこで,Pは,その旨を録取した供述調書1通を作成した。
183 また,甲は,「私は,乙の指示で今回の強盗を行い,500万円は乙に全額手渡しました。私た
184 ちは,H県I市内のAビル21号室をアジトとしており,そこには私と乙だけが出入りし,そこか
185 ら乙が強盗のターゲットになる相手に携帯電話で電話を掛けていました。昨日は,午前10時30
186 分,乙に呼び出されてそのアジトに行きました。そして,乙から,Vさんに関する情報や犯行に使
187 う道具などについて印字された紙を見せられ,その説明を受けました。その後,私はVさんの家に
188 向かったのです。」「アジトには,パソコンとプリンターのほか,強盗のターゲットになる人の氏
189 名と電話番号の入った名簿データが保存されているUSBメモリがあります。その名簿には,Vさ
190 んの氏名と電話番号もあるのではないかと思います。このUSBメモリは,パスワードが掛けられ
191 ていて,一度でも間違えると初期化されてしまいます。パスワードは8桁の数字で,乙しか知りま
192 せん。また,乙の背後には,警察と敵対し,捜査に一切協力しない指定暴力団である丙組がいて,
193 乙は,その幹部に,犯行で得た金の一部を貢いでいます。」と供述したものの,「私が乙や丙組の
194 ことを警察に話したと分かると,私の身が危ないので,調書の作成には応じられません。」と述べ
195 たことから,以上の供述についての供述調書は作成されなかった。
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199 同月5日午後1時,Pらは,甲を,乙及び氏名不詳者と共謀の上,本件住居侵入強盗に及んだ旨
200 の被疑事実で通常逮捕するとともに,裁判官に対し,同被疑事実で,乙名義で借りていることが判
201 明した前記Aビル21号室の捜索差押許可状の発付を請求した。裁判官は,「捜索すべき場所」を
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204 「H県I市N町2丁目3番4号Aビル21号室」とし,「差し押さえるべき物」を「被害品と認め
205 られる現金,本件に関係ありと思料される名簿,マニュアル,メモ,名刺,パーソナルコンピュー
206 タ及びその付属機器類,電磁的記録媒体,携帯電話機及び付属の充電器」とする捜索差押許可状を
207 発付した。
208 Pらは,同許可状に基づき,同日午後4時,同室に居合わせた乙立会の下,同室の捜索を開始し,
209 まず,パーソナルコンピュータ及びプリンターを差し押さえるとともに,@丙組の幹部丁の名刺1
210 枚(「丙組若頭丁」と印刷されたもの)を差し押さえた。続いて,Pらは,【資料1】のとおり印
211 字されたメモ(以下「本件メモ1」という。)を発見したことから,これを差し押さえた。さらに,
212 Pらは,白色USBメモリ1本及び黒色USBメモリ1本を発見した。これを見た乙は,Pらに対
213 し,「USBメモリの中身を調べずに全部持って行くのですか。パスワードは全部『2222』に
214 していますから,この場で確認してください。」と申し出たが,Pらは,A前記USBメモリ合計
215 2本について,いずれもその内容をその場で確認することなく差し押さえた。
216 なお,同室から,携帯電話機は1台も発見されなかった。
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219 Pらは,前記捜索を終えると,乙にH県M警察署への任意同行を求め,これに応じた乙は,同日
220 午後7時30分,同署において,甲及び氏名不詳者と共謀の上,本件住居侵入強盗に及んだ旨の被
221 疑事実で通常逮捕された。
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225 翌6日,Pらは,差し押さえた前記USBメモリ2本につき,H県警察本部の専門職員の協力を
226 得てその内容の確認作業をした。
227 すると,前記黒色USBメモリには8桁のパスワードによるロックが掛かっており,一致しない
228 パスワードが入力されると直ちに初期化されてしまう設定がされていることが判明した。そして,
229 同USBメモリのロックを解除すると,Vの氏名と電話番号を含む,多数の者の氏名と電話番号が
230 記載された名簿データや,本件メモ1の記載内容と同一内容のデータが保存されていることが明ら
231 かになった。また,同データに対する捜査の結果,本件メモ1が作成されたのが同月4日午前10
232 時20分であったことも明らかになった。
233 一方,前記白色USBメモリについては未使用であることが判明し,また,差し押さえた前記パ
234 ーソナルコンピュータ及びプリンターにも本件住居侵入強盗に関するデータが残存していないこと
235 が判明したため,Pらは,同月6日中にこれらを乙に還付した。
236
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239 甲は,逮捕後一貫して自己が本件住居侵入強盗を実行したことは認めたが,乙及び丙組の関与を
240 うかがわせる事項は一切供述せず,本件メモ1についても供述を拒んだ。
241 他方,乙は,逮捕後一貫して黙秘した。
242 その後,H地方検察庁検察官Qは,甲及び乙について,両名共謀の上,本件住居侵入強盗に及ん
243 だ旨の公訴事実で公訴を提起したが,裁判所は,公訴事実に対する認否の見込みを踏まえ,併合審
244 理することなく,それぞれ個別に審理することとした。
245
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248 甲は,自己の公判で,自己が本件住居侵入強盗を実行したことは認めたが,乙及び丙組の関与を
249 うかがわせる事項は一切供述せず,本件メモ1についても全く供述しなかった。
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253 他方,乙は,自己の公判において,「全く身に覚えがない。甲と住居侵入や強盗の共謀をしたこ
254 とも一切ない。」旨述べて公訴事実を否認した。
255 その後の証拠調べ手続において,BQが,甲乙間において本件住居侵入強盗に関する共謀が存在
256 することを立証するため,本件メモ1の証拠調べ請求をしたところ,乙の弁護人は,「不同意ない
257 し取調べに異議あり。」との証拠意見を述べた。
258 その後,甲の証人尋問が実施され,甲は,自己が本件住居侵入強盗を実行したことについては証
259 言したが,本件メモ1の記載事項を含め,乙との共謀に関する事項については,一切の証言を拒絶
260 した。
261 〔設問1〕
262
263 下線部@及びAの各差押えの適法性について,具体的事実を摘示しつつ論じなさい。
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265
266 〔設問2〕
267 1.下線部Bで証拠調べ請求された本件メモ1の証拠能力について,具体的事実を摘示しつつ論
268 じなさい。ただし,本件メモ1が乙作成のものであることは証拠上認定できるものとする。
269 2.仮に,本件メモ1及びその記載と同一内容のデータのいずれもが発見されず,他方で,甲方
270 の前記捜索時に,【資料2】記載のとおりの手書きのメモ(以下「本件メモ2」という。)が,
271 机の施錠された引き出し内にあった甲使用の手帳の令和2年8月4日のページの部分に挟んで
272 ある状態で発見され,差し押さえられたものとする。また,甲は,捜査段階及び自己の公判を
273 通じて,本件メモ2について全く供述しなかったものとする。
274 乙の公判の証拠調べ手続において,CQが,甲乙間において本件住居侵入強盗に関する共謀
275 が存在することを立証するため,本件メモ2の証拠調べ請求をしたところ,乙の弁護人は,
276 「不同意ないし取調べに異議あり。」との証拠意見を述べた。その後,甲の証人尋問が,甲と
277 乙との間及び甲と傍聴人との間の双方に遮へい措置を講じて実施された。甲は,自己が本件住
278 居侵入強盗を実行したことについては証言したが,本件メモ2の記載事項及びその作成経緯を
279 含め,乙との共謀に関する事項については,「私は,誰から何と言われようと証言しませんし,
280 今後も絶対に証言することはありません。」と述べ,一切の証言を拒絶した。
281 下線部Cで証拠調べ請求された本件メモ2の証拠能力について,具体的事実を摘示しつつ論
282 じなさい。ただし,本件メモ2が甲作成のものであることは証拠上認定できるものとする。
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286 【資料1】
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290 K町3−45
291
292 S18.4.10
293 夫と死別
294 S銀行
295
296 一人暮らし
297
298 息子は県外
299
300 2000万
301
302 タンス預金500万
303
304 台所の食器棚
305
306 催涙スプレー
307
308 ガムテープ
309
310 ロープ
311
312 後ろ手
313
314 【資料2】
315
316 乙から指示されたこと
317
318
319 K町3−45
320
321 家に一人
322 よきん2000万
323 タンス500万 台所しょっきだな
324 さいるいスプレー ロープ ガムテープ
325 後ろ手
326 口だけ ハナ×
327 両あし
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