1 論文式試験問題集
2 [法律実務基礎科目(民事・刑事)]
3
4 - 1 -
5
6 [民
7
8 事]
9
10 司法試験予備試験用法文を適宜参照して、
11 以下の各設問に答えなさい。
12
13
14 〔設問1〕
15 弁護士Pは、
16 Xから次のような相談を受けた。
17
18
19 【Xの相談内容】
20 「私は、
21 中古車の収集を趣味としている個人です。
22
23 令和4年8月上旬、
24 友人Aが私の自宅に併
25 設されたガレージに遊びに来た際、
26 私が中古で入手しカスタマイズした自動車(以下「本件車
27 両」という。
28
29 )を見ていたく気に入り、
30 是非とも本件車両を売却してほしいと言いました。
31
32 Aが
33 余りに強く希望するため、
34 私も根負けして、
35 本件車両を売却することを了解しました。
36
37 ただ、
38 A
39 が即金での支払は難しく分割払になるというので、
40 私は、
41 そうであれば連帯保証人を付けてほし
42 いと伝えたところ、
43 数日後、
44 Aから、
45 Aの父親Yに連帯保証人となることの内諾を得たとの連絡
46 がありました。
47
48
49 令和4年8月17日、
50 私は、
51 Aとの間で、
52 本件車両を代金240万円で売却し、
53 代金の支払に
54 ついては、
55 同月から令和6年7月まで、
56 毎月末日限り10万円ずつの分割払とし、
57 Aが分割金の
58 支払を2回以上怠ったときは催告等要せず当然に期限の利益を喪失する旨を合意しました(以下
59 「本件売買契約」という。
60
61 )。
62
63
64 また、
65 私は、
66 Yとの間で、
67 令和4年8月17日、
68 Yが、
69 Aの私に対する上記売買代金の支払債
70 務につき、
71 連帯して保証する旨の合意をしました(以下「本件保証契約」という。
72
73 )。
74
75
76 これらの合意については、
77 別紙の売買契約書(以下「本件契約書」という。
78
79 )に私、
80 A及びY
81 がそれぞれ署名押印する形で行いました。
82
83
84 そして、
85 私は、
86 Aに対し、
87 令和4年8月17日、
88 本件車両を引き渡しました。
89
90
91 しかし、
92 Aは、
93 令和4年8月及び同年9月の各月末に10万円ずつ合計20万円を支払ったの
94 みで、
95 同年10月及び同年11月の各末日が経過したにもかかわらず、
96 分割金の支払を怠り、
97 現
98 在は行方不明となっています。
99
100
101 そこで、
102 私は、
103 連帯保証人のYに対し、
104 Aに代わって残代金220万円の支払を求めたいと思
105 います。
106
107 なお、
108 残代金の元本さえ支払ってもらえればよく、
109 利息・損害金の支払は求めませ
110 ん。
111
112 」
113 弁護士Pは、
114 令和5年4月5日、
115 【Xの相談内容】を前提に、
116 Xの訴訟代理人として、
117 Yに対
118 し、
119 Xの希望する金員の支払を求める訴訟(以下「本件訴訟」という。
120
121 )を提起することとした。
122
123
124 以上を前提に、
125 以下の各問いに答えなさい。
126
127
128
129
130 弁護士Pが、
131 本件訴訟において、
132 Xの希望を実現するために選択すると考えられる訴訟物を記
133 載しなさい。
134
135
136
137
138
139 弁護士Pが、
140 本件訴訟の訴状(以下「本件訴状」という。
141
142 )において記載すべき請求の趣旨
143 (民事訴訟法第134条第2項第2号)を記載しなさい。
144
145 なお、
146 付随的申立てについては、
147 考慮
148 する必要がない。
149
150
151
152
153
154 弁護士Pが、
155 本件訴状において記載すべき請求を理由づける事実(民事訴訟規則第53条第1
156 項。
157
158 以下同じ。
159
160 )を記載しなさい。
161
162 なお、
163 いわゆるよって書き(請求原因の最後のまとめとし
164 て、
165 訴訟物を明示するとともに、
166 請求の趣旨と請求原因の記載との結びつきを明らかにするも
167 の)は記載しないこと。
168
169
170
171 - 2 -
172
173
174
175 【Xの相談内容】のうち下線部の事実について、
176 請求を理由づける事実として本件訴状に記載
177 すべきか否かについて、
178 @結論を答えた上で、
179 Aその理由を簡潔に説明しなさい。
180
181
182
183
184
185 弁護士Pは、
186 Xの権利の実現を確実なものとするため、
187 本件訴訟を提起するに当たり、
188 Yの財
189 産に対する仮差押命令の申立てを行うこととした。
190
191 調査の結果、
192 Yはα銀行に対する預金債権を
193 有するほか、
194 自宅の土地建物(以下「自宅不動産」という。
195
196 )を所有しているが、
197 自宅不動産に
198 ついては2年前(令和3年)に抵当権(被担保債権はいわゆる住宅ローン債権で、
199 当初債権額は
200 3000万円)が設定されていることが判明した。
201
202 なお、
203 α銀行の銀行取引約定書によれば、
204 預
205 金債権に対する仮差押えは銀行借入れがあった場合にその期限の利益喪失事由とされている。
206
207
208 弁護士Pは、
209 Yの財産のうち、
210 α銀行の預金債権に対し仮差押命令の申立てを行うこととした
211 が、
212 その申立てに当たり、
213 Yの自宅不動産の時価を明らかにする必要があると考えた。
214
215 その理由
216 を民事保全法の関係する条文に言及しつつ簡潔に説明せよ。
217
218
219
220 〔設問2〕
221 弁護士Qは、
222 本件訴状の送達を受けたYから次のような相談を受けた。
223
224
225 【Yの相談内容】
226 「(a)
227
228 私は、
229 Xから、
230 息子のAが車両を購入した際の代金について、
231 連帯保証人として支払
232
233 うよう請求を受けていますが、
234 私が、
235 Aの代金支払債務について連帯保証した事実はあ
236 りません。
237
238 私は、
239 Aから連帯保証人になってほしいと頼まれたものの、
240 他にもAの借金
241 の保証をしていましたので、
242 これ以上保証はできないと伝えて断っています。
243
244 Xは、
245 本
246 件契約書の連帯保証人欄に私の署名押印があると主張していますが、
247 私は本件契約書に
248 署名押印などしていません。
249
250
251 (b)
252
253 AがXから令和4年8月17日に代金240万円で本件車両を購入したこと、
254 代金は
255
256 毎月末日限り10万円ずつ24回の分割払の約定だったこと、
257 Aが同月及び同年9月の
258 各月末に10万円ずつ合計20万円を支払ったのみで、
259 その後、
260 支払をしていないこ
261 と、
262 現在、
263 Aが所在不明であることは、
264 いずれも争いません。
265
266
267 (c)
268
269 Aは、
270 令和4年9月中旬頃、
271 本件車両につき、
272 いわゆる車検(道路運送車両法所定の
273
274 継続検査。
275
276 以下、
277 単に「車検」という。
278
279 )のため、
280 業者Bに依頼して検査を受けたとこ
281 ろ、
282 保安基準に適合せず車検が通らなかったとこぼしていました。
283
284 Aによると、
285 Xか
286 ら、
287 本件車両は保安基準に適合しており、
288 車検は通ると説明されたことから、
289 本件車両
290 の購入を決めたようですが、
291 実際にはライト(前照灯)の改造部分が保安基準に適合し
292 なかったため、
293 車検が通らなかったそうです。
294
295 保安基準に適合せず、
296 車検に通らない
297 と、
298 公道を走行させることもできません。
299
300 Aも、
301 Xに対し、
302 本件車両が保安基準に適合
303 することを前提に本件車両を購入する旨を伝えていたそうですし、
304 保安基準に適合しな
305 い車両と知っていれば、
306 本件車両を購入しなかったはずです。
307
308 このように、
309 本件売買契
310 約はそもそもAの錯誤に基づくものですので、
311 仮に私がAの債務を連帯保証したのだと
312 しても、
313 私としてはXの請求を拒めるのではないでしょうか。
314
315 」
316 弁護士Qは、
317 【Yの相談内容】を前提に、
318 Yの訴訟代理人として、
319 本件訴訟の答弁書(以下「本
320 件答弁書」という。
321
322 )を作成した。
323
324 その際、
325 弁護士Qは、
326 【Yの相談内容】(c)を踏まえて、
327 抗弁
328 として、
329 以下のとおり主張する必要があると考えた。
330
331
332 (あ)
333 (い)
334
335 Aは、
336 本件売買契約当時、
337 〔
338 本件売買契約の際、
339 〔
340
341 @
342
343 Aに同じ
344
345 〕にもかかわらず、
346 〔
347
348 Yは、
349 Xに対し、
350 〔
351
352 B
353
354 〕と信じていた。
355
356
357
358 〕ことを前提にAが本件車両を買い受けることが表
359
360 示されていた。
361
362
363 (う)
364
365 A
366
367 〕。
368
369
370 - 3 -
371
372 以上を前提に、
373 以下の各問いに答えなさい。
374
375 なお、
376 本件に民法第95条の適用があることは解答
377 の前提としてよい。
378
379
380
381
382 上記@からBまでに入る要件事実(主要事実。
383
384 以下同じ。
385
386 )を、
387 それぞれ記載しなさい。
388
389
390
391
392
393 弁護士Qが、
394 上記(う)が必要であると考えた理由を、
395 民法の関係する条文に言及しつつ、
396 簡
397 潔に説明しなさい。
398
399
400
401 〔設問3〕
402 弁護士Pは、
403 Aが本件車両の検査を依頼した業者Bに対し問合せを行い、
404 次のような回答を得た。
405
406
407 【業者Bの回答結果】
408 「Aが業者Bに対し、
409 本件車両の検査を依頼したのは令和4年8月28日であり、
410 業者BがA
411 に対し、
412 本件車両のライト(前照灯)の改造部分のため保安基準に適合しない旨を通知したのは
413 同年9月15日である。
414
415 」
416 弁護士Pは、
417 【業者Bの回答結果】を踏まえて、
418 〔設問2〕における抗弁に対する再抗弁を主張
419 することができるか検討したところ、
420 本件訴訟において、
421 以下のとおり主張する必要があると考えた。
422
423
424 (ア) Aは、
425 遅くとも令和4年9月15日には、
426 本件車両が保安基準に適合しないことを知った。
427
428
429 (イ)
430
431 Aは、
432 Xに対し、
433 〔
434
435 C
436
437 〕。
438
439
440
441 以上を前提に、
442 以下の各問いに答えなさい。
443
444
445
446
447 上記Cに入る要件事実を記載しなさい。
448
449
450
451
452
453 上記各事実の主張が再抗弁として機能すると判断した理由を、
454 実体法上の法律効果を踏まえて
455 説明しなさい。
456
457
458
459 〔設問4〕
460 本件訴訟の第1回口頭弁論期日において、
461 本件訴状と本件答弁書が陳述された。
462
463 同期日におい
464 て、
465 弁護士Pは、
466 本件保証契約の締結を裏付ける証拠として、
467 別紙の売買契約書(本件契約書。
468
469 な
470 お、
471 斜体部分は全て手書きである。
472
473 )を、
474 「丙(連帯保証人)」作成部分の作成者をYとして提出
475 し、
476 書証として取り調べられた。
477
478 これに対し、
479 弁護士Qは、
480 同期日において、
481 本件契約書のうちY
482 作成部分の成立を否認した。
483
484 その後、
485 2回の弁論準備手続期日が行われた後、
486 第2回口頭弁論期日
487 において、
488 XとYの各本人尋問が実施され、
489 Xは【Xの供述内容】のとおり、
490 Yは【Yの供述内
491 容】のとおり、
492 それぞれ供述した(それ以外の者の尋問は実施されていない。
493
494 )。
495
496 なお、
497 各供述の
498 うち下線部については該当する書証が提出されて取り調べられており、
499 その成立に争いがない。
500
501
502 【]の供述内容】
503 「私は、
504 令和4年8月上旬に学生時代の友人Aにせがまれて、
505 私が収集しカスタマイズした中
506 古車(本件車両)をAに売却することになりました。
507
508 代金額について240万円とすることが決
509 まりましたが、
510 Aから、
511 蓄えがないので、
512 代金は分割払にしてほしいと言われました。
513
514 私は、
515 古
516 くからの友人の頼みでもあり、
517 これを了承しましたが、
518 代わりに、
519 連帯保証人を付けてほしいと
520 頼みました。
521
522 そうしたところ、
523 同月10日頃、
524 Aから、
525 父親のYに連帯保証人になってもらうこ
526 とで内諾を得たとの説明を受けました。
527
528 Aは、
529 あらかじめYには契約書の連帯保証人欄に署名押
530 印してもらっておくというので、
531 私は、
532 インターネットで見つけたひな型を使って本件契約書の
533 文案を作成し、
534 Aに交付しました。
535
536
537 令和4年8月17日、
538 Aが私の自宅にやってきました。
539
540 このとき、
541 本件契約書の丙(連帯保証
542 - 4 -
543
544 人)の署名欄には既にY名義の署名押印があり、
545 Aは、
546 Yの印鑑登録証明書を持参していまし
547 た。
548
549 私とAは、
550 本件契約書の甲(売主)の署名欄と乙(買主)の署名欄にそれぞれ署名押印しま
551 した。
552
553
554 本件契約書のY名義の署名がYの自筆によるものかは不明ですが、
555 Y名義の印影は、
556 間違いな
557 くYの実印によるものです。
558
559
560 私は、
561 その日(令和4年8月17日)の夜にY宅に電話をして、
562 Yに、
563 本件車両の売却につい
564 て、
565 Aとの間で本件契約書の調印が終わり、
566 Yとの間で本件保証契約が成立したことを報告しま
567 した。
568
569 Yは、
570 『Aからも聞いているので問題ない』と応じました。
571
572
573 なお、
574 Yは、
575 Aがアパートを借りる際の保証人となるため、
576 実印を預託したと供述しますが、
577
578 Aの住民票によれば、
579 AがYの自宅から住所を移転したのは令和4年12月15日のことで
580 す。
581
582 」
583 【Yの供述内容】
584 「私は今年で72歳になります。
585
586 令和4年8月当時、
587 私の自宅に同居していた息子のAが、
588 そ
589 の友人のXから本件車両を購入したことは事実のようです。
590
591 しかし、
592 本件契約書のうち私が連帯
593 保証人になっている部分は全く身に覚えがありません。
594
595
596 Aは昔から浪費癖があり、
597 金銭消費貸借契約書のとおり、
598 令和4年8月当時、
599 私は、
600 Aの貸金
601 業者に対する約200万円の借入れについて保証人になっていました。
602
603 私は、
604 Aから、
605 友人の車
606 を分割払で買うので保証人になってほしいと言われましたが、
607 年金振込通知書のとおり、
608 当時、
609
610 月15万円の年金暮らしで生活に余裕がありませんでしたので、
611 さすがにこれ以上は無理だと言
612 って断りました。
613
614 私の日記の同月9日の欄にも、
615 「Aから車購入の相談。
616
617 保証はさすがに断
618 る。
619
620 」と記載されています。
621
622
623 ちょうど同じ令和4年8月にAが就職し、
624 私の自宅を出て一人暮らしをすることになり、
625 アパ
626 ートの賃貸借契約を結ぶことになりましたが、
627 賃貸借契約に保証人が必要とのことでしたので、
628
629 私は、
630 保証人になることを承諾し、
631 Aに私の実印を預け、
632 印鑑登録証明書を渡したことがありま
633 した。
634
635 実印は1週間くらいで返してもらいましたが、
636 この時に預けた実印を悪用し、
637 本件契約書
638 に私の実印を無断で押したのだと思います。
639
640 なお、
641 本件契約書の私名義の署名は、
642 私の筆跡に似
643 てはいますが、
644 私が記載したものではありません。
645
646
647 令和4年8月17日、
648 知らない男性から電話があって、
649 保証がどうとか言われましたので、
650 私
651 は、
652 Aがアパートを借りた際の不動産仲介業者だろうと思い、
653 適当に相づちを打ってしまいまし
654 た。
655
656 この電話の際に、
657 相手から車の売買の件であるなどといった説明はありませんでした。
658
659 」
660 以上を前提に、
661 以下の各問いに答えなさい。
662
663
664
665
666 弁護士Qは、
667 本件契約書のY作成部分の成立を否認するに当たり、
668 次のように理由(民事訴訟
669 規則第145条)を述べた。
670
671 以下のD及びEに入る陳述内容を記載しなさい。
672
673
674 「本件契約書のY名義の印影が〔
675
676 D
677
678 〕ことは認めるが、
679 同印影が〔
680
681 E
682
683 〕ことは否認す
684
685 る。
686
687 YがAに預託した実印を、
688 Aが預託の趣旨に反して冒用したものである。
689
690 」
691
692
693 弁護士Pは、
694 本件訴訟の第3回口頭弁論期日までに、
695 準備書面を提出することを予定してい
696 る。
697
698 その準備書面において、
699 弁護士Pは、
700 前記の提出された書証並びに前記【Xの供述内容】及
701 び【Yの供述内容】と同内容のX及びYの本人尋問における供述に基づいて、
702 本件保証契約が締
703 結された事実が認められることにつき、
704 主張を展開したいと考えている。
705
706 弁護士Pにおいて、
707 上
708 記準備書面に記載すべき内容を、
709 提出された書証や両者の供述から認定することができる事実を
710 踏まえて、
711 答案用紙1ページ程度の分量で記載しなさい。
712
713 なお、
714 記載に際しては、
715 本件契約書の
716 Y作成部分の成立の真正に関する争いについても言及すること。
717
718
719
720 - 5 -
721
722 (別紙)
723 (注)斜体部分は全て手書きである。
724
725
726 売買契約書
727 1
728
729 売主甲( ])は、
730 買主乙(A)に対し、
731 別紙目録(省略)記載の車両を代金24
732 0万円で売却する。
733
734
735
736 2
737
738 乙は、
739 甲に対し、
740 前項の代金240万円を、
741 次のとおり分割して支払う。
742
743
744 令和4年8月から令和6年7月まで 毎月末日限り10万円ずつ(24回払)
745
746 3
747
748 連帯保証人丙(Y)は、
749 甲に対し、
750 乙の甲に対する第1項及び前項の代金支払債
751
752 務を連帯して保証する。
753
754
755 4 (以下略)
756 令和 4 年 8 月 17 日
757 甲(売主)
758 X
759
760 X印
761
762 A
763 Y
764
765 A印
766 Y印
767
768 乙(買主)
769 丙(連帯保証人)
770
771 - 6 -
772
773 [刑
774
775 事]
776
777 次の【事例】を読んで、
778 後記〔設問〕に答えなさい。
779
780
781 【事例】
782 1
783
784 V(25歳、
785 男性)は、
786 令和5年6月1日午前8時頃、
787 H県I市内のQ公園内ベンチに座り、
788
789 同ベンチ上に財布が入った水色のリュックサックを置いていた。
790
791 Vがうとうとしていたところ、
792
793 同ベンチの背後から、
794 男(以下「犯人」という。
795
796 )が手を伸ばし、
797 リュックサックをつかんだ。
798
799
800 Vが人の気配を感じて目を覚まし、
801 リュックサックがないことに気付いて周りを確認すると、
802 リ
803 ュックサックを肩に掛けて逃走する犯人の後ろ姿が数十メートル先に見えた。
804
805 そこで、
806 Vは「待
807 て、
808 泥棒。
809
810 」と叫び、
811 犯人を追い掛けた。
812
813 Vは犯人に追い付き、
814 犯人の背後から、
815 犯人が着用し
816 ていたパーカーのフード部分を右手でつかみ、
817 左手で犯人の上半身を抱きかかえようとした。
818
819 す
820 ると、
821 犯人は、
822 リュックサックを前方に投げ、
823 「やめろ、
824 離せ。
825
826 」と言って、
827 Vの左手を自分の
828 左手で払い、
829 右手を勢いよく後ろに振った。
830
831 犯人の右手の甲がVの頬と鼻に当たり、
832 Vはその衝
833 撃でフードから手を離した。
834
835 そして、
836 犯人はVの方に向き直り、
837 Vの胸部を正面から両手で押
838 し、
839 Vは尻餅をついた。
840
841 Vはすぐさま起き上がり犯人を追い掛けようとしたが、
842 公園の芝生が湿
843 っていたため転倒してしまった。
844
845 その隙に、
846 犯人は、
847 リュックサックを拾い、
848 付近に停めてあっ
849 た赤色の自転車に乗って逃走した。
850
851 Vは、
852 自転車で逃走する犯人を走って追い掛けたが、
853 Q公園
854 正面出入口付近で犯人を見失った。
855
856 なお、
857 本件事件の目撃者はいなかった。
858
859
860
861 2
862
863 Vは、
864 ズボンのポケットに入れていた携帯電話で110番通報をし、
865 同日午前8時15分頃、
866
867 I警察署の司法警察員KらがQ公園に臨場した。
868
869 Vは、
870 Kに、
871 前記被害状況に加え、
872 Vのリュッ
873 クサックの中には、
874 前日に給料として受け取った現金22万9500円(一万円札22枚、
875 五千
876 円札1枚、
877 千円札4枚、
878 五百円硬貨1枚)とNKドラッグストアの会員カード1枚在中の財布が
879 あったこと、
880 財布は、
881 茶色の革製で二つ折りであることを説明した。
882
883 そして、
884 犯人については、
885
886 「見たことのない男で、
887 身長は170センチメートルくらいで細身だった。
888
889 年齢は60歳前後だ
890 と思う。
891
892 黒い帽子と黒いマスクを着けており、
893 上下紺色の着衣で、
894 白いスニーカーを履いてい
895 た。
896
897 上着はパーカーでフードが付いていた。
898
899 私は、
900 リュックサックを取り戻すために同フードを
901 引っ張ったが、
902 男は暴れて抵抗し、
903 最後は倒されて強くお尻を打った。
904
905 今も痛む。
906
907 」と供述し
908 た。
909
910
911 Vは、
912 高校卒業後、
913 とび職人として建築現場で稼働しており、
914 身長175センチメートル、
915 体
916 重75キログラムで、
917 週4回はジムでトレーニングをする習慣があった。
918
919
920 Kらは、
921 引き続きQ公園の実況見分を行った。
922
923 Q公園は、
924 広大な敷地を有する公園であり、
925 V
926 が座っていたベンチは、
927 一周400メートルのジョギングコースに沿って設置されていた。
928
929
930 Kらが、
931 Q公園正面出入口に設置してある防犯カメラ1台の画像を確認したところ、
932 同日午前
933 7時45分頃、
934 黒い帽子と黒いマスクを着け、
935 紺色のパーカーとズボンを着用し、
936 白いスニーカ
937 ーを履いた人物が、
938 赤色の自転車に乗って同正面出入口からQ公園敷地内に入ってきて、
939 午前8
940 時9分頃、
941 同一の人物が、
942 水色のリュックサックを背負い、
943 赤色の自転車に乗ってQ公園を出
944 て、
945 I市内のX駅方面に走り去っていく姿が撮影されていた。
946
947 Vが座っていたベンチ付近には防
948 犯カメラは設置されておらず、
949 被害状況は確認できなかった。
950
951 Kらは、
952 Q公園に設置してあるそ
953 の他の防犯カメラ画像も確認したが、
954 犯人と思われる人物は撮影されていなかった。
955
956
957 その後、
958 Vは、
959 KらとI警察署に行き、
960 本件事件の被害届を提出し、
961 前記被害状況等に関する
962 Vの司法警察員面前調書が作成された。
963
964 Kは、
965 Vに、
966 医師の診断を受けるよう伝え、
967 Vは帰宅し
968 た。
969
970
971
972 3
973
974 同日午後1時20分頃、
975 Kは、
976 Q公園から約2キロメートル離れたX駅付近を警ら中、
977 X駅前
978
979 - 7 -
980
981 の路地で、
982 前記防犯カメラに撮影されていた人物と同様、
983 黒い帽子と黒いマスクを着け、
984 紺色の
985 パーカーとズボンを着用し、
986 白いスニーカーを履いた男を発見した。
987
988 その男は、
989 水色リュックサ
990 ックを背負っていた。
991
992 そこで、
993 Kが、
994 男に話を聞こうと近付いて行ったところ、
995 男は駆け出し
996 た。
997
998 Kが男に追い付いて停止させた上、
999 「そのリュックサックはあなたの物ですか。
1000
1001 」と聞く
1002 と、
1003 男は、
1004 「そうです。
1005
1006 」と答えた。
1007
1008 Kが、
1009 「何が入っているのですか。
1010
1011 」と聞くと、
1012 男は、
1013
1014 「中を見たければどうぞ。
1015
1016 」と言ってリュックサックをKに渡した。
1017
1018 Kが中を確認すると、
1019 茶色
1020 の革製二つ折り財布が入っており、
1021 その中に現金22万9500円(一万円札22枚、
1022 五千円札
1023 1枚、
1024 千円札4枚、
1025 五百円硬貨1枚)とNKドラッグストアの会員カード(無記名で会員カード
1026 番号が記載されているもの)1枚が入っていた。
1027
1028 Kが、
1029 身分を証明するものを見せてほしいと言
1030 うと、
1031 男は、
1032 「今は持っていない。
1033
1034 家に来てくれれば自動車運転免許証はある。
1035
1036 」と答えたた
1037 め、
1038 Kは、
1039 男の了承を得て、
1040 一緒に男の家に向かった。
1041
1042
1043 男の家は、
1044 X駅から徒歩で約10分の場所にあるアパートであった。
1045
1046 自室前には赤色の自転車
1047 が停めてあったため、
1048 Kが「これはあなたの自転車ですか。
1049
1050 」と聞くと、
1051 男は「そうです。
1052
1053 」と
1054 答えた。
1055
1056
1057 男は、
1058 Kに自動車運転免許証を提示した。
1059
1060 男の氏名はA(65歳、
1061 身長168センチメート
1062 ル、
1063 体重55キログラム)であった。
1064
1065 Aは、
1066 「私はこの家に一人で住んでいます。
1067
1068 1年前から体
1069 調が良くなく、
1070 現在は無職で生活保護を受けています。
1071
1072 」と述べたため、
1073 Kが「生活保護を受け
1074 ながら約23万円ものお金を財布に入れていたのはなぜですか。
1075
1076 」と聞くと、
1077 Aは「すみませ
1078 ん。
1079
1080 実は、
1081 水色のリュックサックとその中の財布は、
1082 今日午後1時頃、
1083 X駅前のバス乗り場ベン
1084 チ横のごみ箱に捨ててあったので拾いました。
1085
1086 お金が入っていたので、
1087 警察に届けた方がいいの
1088 ではないかと思いながら持っていたら警察に声を掛けられました。
1089
1090 前科があるので、
1091 本当のこと
1092 を言っても警察に捕まるのではないかと怖くなり嘘をついてしまいました。
1093
1094 」と述べた。
1095
1096 その
1097 後、
1098 Kが確認をしたところ、
1099 Aは、
1100 現在は無職で、
1101 I市の生活保護を受けており、
1102 傷害や暴行の
1103 前科が複数あることが判明した。
1104
1105 Kは、
1106 AにI警察署への任意同行を求め、
1107 Aはこれに応じ、
1108 K
1109 とAは、
1110 同日午後2時頃、
1111 I警察署に到着した。
1112
1113
1114 4
1115
1116 その頃、
1117 警察から連絡を受けたVがI警察署を訪れ、
1118 Aが所持していた物品を確認し、
1119 「水色
1120 のリュックサックと財布、
1121 その中に入っている現金や会員カードは私の物です。
1122
1123 」と述べた。
1124
1125 そ
1126 して、
1127 Vは、
1128 事情聴取を受けているAを別室からマジックミラー越しに確認し、
1129 「犯人と目元が
1130 似ており同一人物であると思う。
1131
1132 ただ、
1133 犯人はマスクをしていたので断定はできない。
1134
1135 」と述べ
1136 た。
1137
1138 同日、
1139 Vは、
1140 病院へ行って診察を受けており、
1141 「左足首捻挫、
1142 全治約10日間」と記載され
1143 た診断書をKに提出した。
1144
1145 Kは、
1146 Vの左足首が腫れているのを確認したので、
1147 同部位を写真撮影
1148 した。
1149
1150
1151 そして、
1152 Kは、
1153 Aの逮捕状の発付を得て、
1154 同日午後6時30分頃、
1155 Aを、
1156 強盗致傷の被疑事実
1157 で逮捕した。
1158
1159 Aは、
1160 Kによる弁解録取において、
1161 「私は、
1162 Q公園で、
1163 リュックサックを盗んだ
1164 り、
1165 人を殴ったりしていない。
1166
1167 これ以上何も話したくない。
1168
1169 」と述べ、
1170 その後黙秘した。
1171
1172
1173
1174 5
1175
1176 同年6月2日、
1177 Aは、
1178 強盗致傷(刑法240条前段)の送致事実(別紙のとおり)によりH地
1179 方検察庁検察官Pに送致された。
1180
1181
1182 @Pは、
1183 本件事件記録を確認し、
1184 Aが所持していた財布在中のNKドラッグストア会員カード
1185 の会員登録情報の捜査記録がなかったことから、
1186 Kに連絡をしたところ、
1187 捜査未了であったた
1188 め、
1189 この点につき捜査するように指示をした。
1190
1191
1192 その後、
1193 Aは、
1194 Pによる弁解録取においても黙秘し、
1195 所要の手続を経て、
1196 同日中に勾留され
1197 た。
1198
1199
1200
1201 6
1202
1203 同日、
1204 Aに国選弁護人Bが選任され、
1205 同日中にBはAと接見した。
1206
1207 Aは、
1208 Bに対し、
1209 「私は強
1210 盗などしていない。
1211
1212 無実の罪で捕まっている。
1213
1214 自宅に帰りたい。
1215
1216 」と述べた。
1217
1218
1219 Bは、
1220 Aを早期に身体拘束から解放すべきであると考えた。
1221
1222 そこで、
1223 Bの法律事務所に勉強に
1224 - 8 -
1225
1226 来ている学生甲、
1227 乙及び丙の3名に、
1228 勾留されている被疑者を解放する方法としてどのような手
1229 続が考えられるかと尋ねたところ、
1230 各人は次のように発言した。
1231
1232
1233 甲「勾留理由開示の請求をすべきだ。
1234
1235 」
1236 乙「保釈の請求をすべきだ。
1237
1238 」
1239 丙「勾留に対する準抗告の申立てをすべきだ。
1240
1241 」
1242 同年6月3日、
1243 ABは、
1244 勾留の理由及び必要性がないとして裁判所に準抗告を申し立てた。
1245
1246 こ
1247 れに対し、
1248 裁判所は、
1249 同日、
1250 その準抗告を棄却した。
1251
1252
1253 7
1254
1255 同年6月4日、
1256 Aが所持していた財布在中のNKドラッグストアの会員カードの会員登録情報
1257 につき、
1258 所要の捜査により、
1259 同カードはVのものであることが判明した。
1260
1261
1262 Aが前記のとおり、
1263 「水色のリュックサックは、
1264 6月1日午後1時頃、
1265 X駅前のバス乗り場ベ
1266 ンチ横のごみ箱に捨ててあったので拾った。
1267
1268 」と述べたことから、
1269 Kらは、
1270 同年6月7日、
1271 I市
1272 内X駅前に設置されている複数の防犯カメラにつき、
1273 保存されていた同年5月30日から同年6
1274 月1日までの間の画像を確認したところ、
1275 X駅前のバス乗り場周辺が撮影されている画像に、
1276 A
1277 や水色リュックサックは撮影されていなかった。
1278
1279
1280 同年6月15日、
1281 Pは、
1282 Vの事情聴取を実施し、
1283 Vの検察官面前調書を作成した。
1284
1285 Vは、
1286 前記
1287 被害状況等に加え、
1288 「私の左手で、
1289 犯人の上半身を背後から抱きかかえようとした際、
1290 犯人の体
1291 に触れた。
1292
1293 そのとき細い体だと思った。
1294
1295 犯人は、
1296 私の左手を振り払って、
1297 右手を勢いよく後ろに
1298 振った。
1299
1300 犯人の右手は私の頬と鼻に強く当たり、
1301 目の前に火花が散ったような衝撃があった。
1302
1303 一
1304 瞬何が起きたのか分からず、
1305 思わず手を離してしまった。
1306
1307 すると、
1308 Aが私の方を向いて正面から
1309 私の胸の部分を両手で勢いよく押してきたので、
1310 私は後ろに倒れて尻餅をついた。
1311
1312 あの細さから
1313 は想像がつかない強さだったのでびっくりした。
1314
1315 すぐに起き上がって追い掛けたが、
1316 芝生が濡れ
1317 ており、
1318 足を滑らせて転倒した。
1319
1320 その時、
1321 足首をひねったがそのまま追い掛けたので痛めてしま
1322 った。
1323
1324 病院で、
1325 左足首捻挫の診断を受けたが、
1326 生活に支障はなかった。
1327
1328 顔とお尻も医者に診ても
1329 らったが怪我はなかった。
1330
1331 」と述べた。
1332
1333
1334 Pは、
1335 所要の捜査を遂げ、
1336 Aが所持していた水色リュックサック並びに現金及びNKドラッグ
1337 ストアの会員カード在中の財布がVの物であり、
1338 本件の被害品であると判断した。
1339
1340 そして、
1341 BP
1342 は、
1343 本件犯人がAであることにつき、
1344 Aが被害品を所持していたことは重要な事実であるが、
1345 そ
1346 れのみでは不十分であり、
1347 それ以外の事実も加えることでAが犯人であることを立証できると考
1348 えた。
1349
1350
1351 以上の検討を踏まえ、
1352 CPは、
1353 Aにつき、
1354 窃盗と暴行の公訴事実(別紙のとおり)で公判請求
1355 した。
1356
1357
1358
1359 8
1360
1361 その後、
1362 Aは接見において、
1363 Bに、
1364 「私は、
1365 Q公園に行っていない。
1366
1367 6月1日は自宅にいた。
1368
1369
1370 昼になってX駅の方に向かい、
1371 リュックサックは警察官に声を掛けられる直前に拾った。
1372
1373 拾った
1374 場所は、
1375 X駅前のバス停付近にあるごみ箱だったと思うが、
1376 ほかの場所かもしれない。
1377
1378 」旨説明
1379 した。
1380
1381 Aの説明を踏まえ、
1382 Bは、
1383 Aと犯人との同一性(犯人性)を争う方針を固めた。
1384
1385
1386
1387 9
1388
1389 第1回公判期日の罪状認否において、
1390 Aは「身に覚えがない。
1391
1392 」と述べた。
1393
1394
1395 証拠調べ手続において、
1396 Pは、
1397 関係各証拠の取調べを請求したが、
1398 このうち、
1399 「被害状況等」
1400 を立証趣旨とするVの検察官面前調書について、
1401 DBは「不同意」と述べた。
1402
1403 また、
1404 「本件後の
1405 Vの左足首の状況」を立証趣旨とするKが撮影したVの左足首の写真について、
1406 EBは「異議あ
1407 り。
1408
1409 」と述べた。
1410
1411
1412
1413 〔設問1〕
1414
1415
1416 検察官Pが下線部@の指示をした理由を答えなさい。
1417
1418
1419
1420
1421
1422 検察官Pが、
1423 下線部Bのとおり、
1424 本件の犯人がAであると認定するに当たり、
1425 Aが被害品を所
1426 持していた事実が重要であると考えた理由及びその事実のみでは不十分だと考えた理由を、
1427 それ
1428 - 9 -
1429
1430 ぞれ具体的な事実を指摘しつつ答えなさい。
1431
1432
1433 〔設問2〕
1434 下線部Aにつき、
1435 弁護人Bが、
1436 Aを早期に身体拘束から解放するために
1437
1438
1439 甲及び乙が提案した各手続を採らなかった理由
1440
1441
1442
1443 丙が提案した手続を採った理由
1444
1445 を各手続の根拠条文を挙げつつ答えなさい。
1446
1447
1448 〔設問3〕
1449 下線部Cにつき、
1450 検察官Pが、
1451 送致事実の強盗致傷ではなく、
1452 別紙記載の公訴事実でAを公判請
1453 求した理由につき、
1454 具体的な事実を指摘しつつ答えなさい。
1455
1456 なお、
1457 Vの供述は信用できるものとし
1458 て検討すれば足りる。
1459
1460
1461 〔設問4〕
1462
1463
1464 下線部Dの弁護人Bの意見を踏まえて、
1465 その後想定される検察官Pの対応を答えなさい。
1466
1467
1468
1469
1470
1471 下線部Eにつき、
1472 異議の法的性質及び異議の理由を述べ、
1473 その後想定される裁判所の対応を答
1474 えなさい。
1475
1476
1477
1478 - 10 -
1479
1480 (別紙)
1481
1482 ※具体的な犯行場所や被害品時価合計金額は省略
1483 送
1484
1485 致
1486
1487 事
1488
1489 実
1490
1491 被疑者は、
1492 令和5年6月1日午前8時頃、
1493 H県I市内所在のQ公園において、
1494 V所有の現金22
1495 万9500円及び財布ほか1点在中のリュックサック(時価合計約○円相当)を窃取して逃走した
1496 ところ、
1497 Vにその犯行を発見されて追跡され、
1498 同公園内において追い付かれて取り押さえられる
1499 や、
1500 逮捕を免れるため、
1501 V(当時25歳)に対し、
1502 その顔面を手の甲で1回殴打し、
1503 さらに、
1504 その
1505 胸部を両手で押してVを転倒させる暴行を加え、
1506 同人に全治約10日間を要する左足首捻挫の傷害
1507 を負わせたものである。
1508
1509
1510
1511 公
1512
1513 訴
1514
1515 事
1516
1517 実
1518
1519 被告人は
1520 第1
1521
1522 令和5年6月1日午前8時頃、
1523 H県I市内所在のQ公園において、
1524 V所有の現金22万9
1525 500円及び財布ほか1点在中のリュックサック(時価合計約○円相当)を窃取し
1526
1527 第2
1528
1529 前記日時場所において、
1530 V(当時25歳)に対し、
1531 その顔面を手の甲で1回殴打し、
1532 さら
1533 に、
1534 その胸部を両手で押して同人を転倒させる暴行を加え
1535
1536 たものである。
1537
1538
1539 罪
1540
1541 名
1542
1543 及
1544
1545 び
1546
1547 罰
1548
1549 条
1550
1551 第1
1552
1553 窃
1554
1555 盗
1556
1557 刑法235条
1558
1559 第2
1560
1561 暴
1562
1563 行
1564
1565 同法208条
1566
1567 - 11 -
1568
1569