1 論文式試験問題集[倒
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3 -1 -
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7 法]
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9 [倒
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13 法]
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15 次の文章を読んで、後記の〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。
16 【事例】
17 A社は、高級婦人服を中心とし、学生服の販売も手掛けている総合衣料品店を経営している、資
18 本金1000万円の株式会社である。A社は、衣料品の販売不振や販売商品の多角化による事業拡
19 大の失敗により、総額2億円の負債を抱えて債務超過に陥り、令和5年3月1日、再生手続開始の
20 申立てをした。裁判所は、同日、監督命令を発令し、同月8日、A社について再生手続開始の決定
21 をした。なお、監督命令と同時に発令された弁済禁止の保全処分において、10万円以下の債務は
22 弁済禁止の対象外とされた。
23 A社の株主は2名で、株主構成としては、B(A社の代表取締役)が60株を、Bの父であるC
24 が40株を保有している。
25 A社の再生手続開始の決定時の債権者は、金融機関が計3社、衣料品の製造委託先10社や販売
26 商品の仕入先20社を含む商取引先が計50社、A社の店舗で使用することができるクーポン券の
27 保有者が300名である。
28 〔設問1〕
29 以下の小問からまでに答えなさい(各小問は独立した問題である。)。
30
31
32 販売商品の仕入先20社は、A社にとって、いずれも他の仕入先を見付けることも可能な取引
33 先であり、取引継続の必要性の高い取引先ではない。仕入先20社は、再生手続開始の決定後で
34 ある令和5年3月13日から同月15日までの間にかけて、同年2月末日までに納品した商品に
35 ついての未払売買代金を約定どおりに支払ってほしいとA社に伝えてきている。
36 A社は、仕入先20社に対し、未払売買代金を約定どおりに支払うことができるか、説明しな
37 さい。
38
39
40
41 クーポン券は、令和5年2月末日までに、A社の店舗で学生服を購入した者に対し、購入金額
42 に応じて配布されたもので、額面が1000円であり、A社の店舗において、購入した学生服の
43 仕立て直しや校章入りワイシャツの購入などをする際に、金券として使用することができる。ク
44 ーポン券を最も多く保有する者は、1人で10枚(額面合計1万円)を保有している。クーポン
45 券の保有者300名が有するクーポン券の額面総額は、合計100万円である。A社は、再生手
46 続開始の決定後の同年3月13日、A社を学生服の指定販売店とする複数の学校から、保護者か
47 ら学校に問合せが相次いでいるので、直ちに対応してもらいたいとの連絡を受けた。学校からの
48 連絡によれば、保護者は、学生服の仕立て直しや校章入りワイシャツの購入などをする際のクー
49 ポン券の使用に支障が出るのかについて不安があるようであり、クーポン券を使用することがで
50 きない場合には、店舗での混乱も予想される状況であった。
51 A社として、再生手続開始の決定後、店舗での混乱を回避し、再生手続を円滑に進めるため
52 に、保護者の要望に応じてクーポン券を使用させることができるか、クーポン券の保有者の権利
53 が再生手続においてどのように取り扱われるかを述べた上で論じなさい。
54
55
56
57 製造委託先10社のうち高級服の製造を委託しているD社、E社及びF社(以下「D社ら」と
58 いう。)は、その縫製技術の高さから、早期に代替先を確保することが難しい委託先であり、A
59 社販売の高級服を愛用する顧客層を維持するためにも不可欠な取引先である。再生手続開始の決
60 定後の令和5年3月9日にA社がD社らに連絡を取ったところ、D社らは、A社に対し、いずれ
61 もA社との取引継続に理解を示したが、同年2月末日までに納品した高級服についての未払委託
62 料が約定期限である同年3月31日までに支払われなければ、新たな取引はしないと伝えた。D
63
64 -2 -
65
66 社、E社及びF社に対する未払委託料は、それぞれ60万円、70万円、80万円である。A社
67 としては、事業価値の劣化を回避するためにも、D社らについて、その要望に応じて、未払委託
68 料を約定期限までに支払って今後も取引を続けたいと考えている。
69 A社として、D社らに対する未払委託料を約定期限までに支払うことができるか、論じなさ
70 い。
71 〔設問2〕
72 Bは、A社の事業に関心を示してきた高級紳士服店を経営するG社に事業の全部の譲渡を行い、
73 その譲渡代金により、債権者に一括して弁済したいと考えている。そこで、Bは、再生計画により
74 事業譲渡を行うことも検討したが、その間の事業価値の劣化により、譲渡代金の低下やそれに伴う
75 弁済率の低下も予想されたことから、早期に再生計画によらずにG社への事業譲渡を行いたいと考
76 えている。これに対し、A社の創業者であるCは、事業規模縮小による自主再建を目指したいと考
77 えており、事業譲渡を行うというBの方針に反対の意向を示している。Bが想定するG社への事業
78 譲渡の対価は、公認会計士作成の資料によれば適正な価格である。
79 A社として、再生計画によらずに事業譲渡を迅速に行うために、民事再生法上、どのような方策
80 を採ることができるか、その場合の裁判所における手続についても触れつつ論じなさい。
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86 論文式試験問題集[租
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98 法]
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100 A社は、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間を事業年度とする株式会社である。A社
101 は、平成20年6月1日、甲土地をその時点における時価である1000万円の対価により取得した。
102 A社は、平成29年頃から、甲土地の売却先を探していたが、適当な相手が見付からず、結局、
103 平成30年6月1日、A社の取締役の一人であるBとの間で甲土地を2000万円で売却する旨の
104 売買契約を締結した。同日、BがA社に売買代金を支払うとともに、A社はBに対して甲土地を引
105 き渡し、所有権移転登記を了した(以下、この取引を「本件売買」という。)。A社は、本件売買
106 時における甲土地の時価が2000万円であるという前提で、平成30年4月1日から平成31年
107 3月31日までの期間の事業年度(以下「平成31年3月期」という。)に係る法人税の申告・納
108 付をした。
109 Bは、令和2年4月1日、その子であるCに、甲土地を贈与した。ただし、この贈与には、Bの
110 D銀行に対する2500万円の金銭支払債務をCが引き受ける旨の負担が付いていた(以下、この
111 贈与を「本件贈与」という。)。同日、甲土地はBからCに引き渡され、所有権移転登記を了し
112 た。なお、本件贈与時における甲土地の時価は、5500万円である。
113 所轄税務署長Yは、令和2年6月1日、本件売買時における甲土地の時価は3000万円であ
114 り、売買代金との差額である1000万円はA社からBに対する役員給与に当たるとして、A社に
115 対して平成31年3月期の法人税の更正処分等をした(以下「本件処分等」という。)。A社は、
116 これに対して、適法な不服申立てを経て訴訟を提起しており、本件売買時における甲土地の時価は
117 2000万円であることを主張している。
118 Cは、令和4年4月1日、不動産業者に、甲土地を6000万円の対価により譲渡した。
119 〔設問〕
120
121
122 本件売買に関して次の問いに答えなさい。
123
124
125 本件売買についてYの認定に従うならば、平成31年3月期において、本件売買によりA社に
126 生じる益金及び損金の額はどうなるか。
127
128
129
130 Yが令和2年6月1日に行った「本件処分等」には、平成31年3月期の法人税の更正処分の
131 他に、どのような行政処分が含まれる可能性があるか。ただし、地方法人税及び復興特別所得税
132 は考慮しなくてよい。
133
134
135
136 本件贈与に関して次の問いに答えなさい。
137
138
139 本件贈与は、所得税法第60条第1項第1号に規定される「贈与」に当たるか。
140
141
142
143 本件売買時における甲土地の時価が2000万円であることを前提として、本件贈与によって
144 生じるBの所得税の課税関係、及び本件贈与により甲土地を取得したCにとっての甲土地の取得
145 費について説明しなさい。なお、甲土地に関しては、問題文中に記された以外の取得費又は譲渡
146 費用はないものとする。
147
148
149
150 本件売買についてのYの認定を前提として、本件贈与によって生じるBの所得税の課税関係、
151 及び本件贈与により甲土地を取得したCにとっての甲土地の取得費について説明しなさい。な
152 お、甲土地に関しては、問題文中に記された以外の取得費又は譲渡費用はないものとする。
153
154 (参照条文)
155
156 所得税法施行令
157
158 (時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲)
159 第169条
160
161 法第59条第1項第2号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する政令で定め
162
163 る額は、同項に規定する山林又は譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の2分の1
164 に満たない金額とする。
165
166 -6 -
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168 論文式試験問題集[経
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174 法]
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176 [経
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180 法]
181
182 甲製品は特有の機能を有する事務機器であり、甲製品に代替できる製品はない。我が国における
183 甲製品のメーカーとして、A社、B社、C社、D社及びE社の5社(以下「5社」という。)があ
184 り、令和4年における各社のシェア(甲製品の国内における総販売額に占める各社の販売額の割
185 合)は、それぞれ、30パーセント、25パーセント、20パーセント、15パーセント、10パ
186 ーセントとなっている。なお、輸入は事実上行われていない。また、5社は、甲製品事業の振興と
187 共通の利益の増進を目的として、一般社団法人日本甲製品協会(以下「甲製品協会」という。)を
188 設立している。
189 5社は、それぞれ、甲製品を直接ユーザーに販売している。甲製品の需要の大部分は買換えに伴
190 うものであり、一般に、ユーザーは数年ごとに甲製品を買い換えている。甲製品について、メーカ
191 ーごとの性能、使用方法等に大きな違いはないことから、ユーザーは買換えに際して異なるメーカ
192 ーの甲製品を選択することが少なくなく、5社間でユーザーの争奪が活発に行われてきている。
193 使用済みとなった甲製品については、従来、メーカーがユーザーから無償で引き取り、整備等を
194 行った上で中古品として販売することもあるが、多くは産業廃棄物処理業者に委託して廃棄してい
195 たほか、ユーザーが自ら廃棄していた。
196 ところが、数年前、法令により、使用済みの甲製品(整備等を行った上で中古品として販売され
197 るものを除く。以下同じ。)について、製造販売したメーカーが回収し、再利用が可能な部品等を
198 取り出し、洗浄・検査等を行って、甲製品の部品等としての再利用を可能とすること(以下「リサ
199 イクル」という。)が義務付けられ、所要の準備期間を置いて令和5年4月1日から施行されるこ
200 ととなった。リサイクルを義務付ける法令には、リサイクルに要する費用(以下「リサイクル費
201 用」という。)について、メーカーは合理的な範囲でユーザーに負担を求めることができる旨定め
202 られている。
203 リサイクル費用は、回収した使用済みの甲製品から部品等を取り出して再利用が可能となるよう
204 に処理すること(以下「処理」という。)に要する費用(処理施設を設置・運営する費用を含む。
205 以下「処理費用」という。)と、回収した使用済みの甲製品の処理施設への運送及び再利用される
206 部品等の処理施設から甲製品の製造・修理拠点への運送(以下、合わせて「運送」という。)に要
207 する費用(以下「運送費用」という。)に大別される。また、部品等の再利用による製造費用の節
208 減額はメーカーにより異なっているが、いずれのメーカーにおいても大きなものではない。
209 使用済みの甲製品のリサイクルが義務付けられるに際し、甲製品協会において専門家を交えて対
210 応を検討した。その結果、各メーカーの甲製品はいずれも日本全国で販売されており、処理施設は
211 運送費用との関係で全国に複数箇所設置する必要があるところ、どのメーカーも単独では効率的な
212 規模の処理施設を設置・運営することはできないことが判明した。このため、甲製品協会は、次の
213 内容の甲製品のリサイクルシステム(以下「本リサイクルシステム」という。)を構築し、実施す
214 ることを決定し、会員5社に参加を求めた。なお、会員の本リサイクルシステムへの参加義務や会
215 員以外の者(新規参入者を含む。)の利用等に関しては、何ら取り決められていない。
216 【本リサイクルシステム】
217 甲製品協会は全国2箇所に処理施設を設置・運営し、メーカーは同施設に使用済みの甲製品
218 の処理を委託する。また、運送は各メーカーが行う。
219 甲製品協会は、令和5年4月1日から処理施設を運営することとし、処理を受託する対価と
220 して、使用済みの甲製品1台当たりの処理費用の実費額(以下「処理単価」という。メーカーご
221 とに金額の違いは設けない。)を決定し、メーカーから徴収する。処理単価は、甲製品のユーザ
222 ー向け販売価格の10パーセント程度になる。
223
224 -8 -
225
226 メーカーは、令和5年4月1日以降、ユーザーから使用済みの甲製品を回収するに当たり、
227 リサイクル費用として、処理単価の1.5倍相当額をユーザーから徴収する。
228 令和5年4月1日以降、5社は、いずれも本リサイクルシステムに参加しており、同システムは
229 問題なく実施され、5社は、それぞれのユーザーから上記のリサイクル費用を徴収している。ま
230 た、5社間では、ユーザーの争奪が引き続き活発に行われている。
231 〔設問〕
232 甲製品協会による本リサイクルシステムの構築・実施について、私的独占の禁止及び公正取引の
233 確保に関する法律上の問題点を分析して検討しなさい。
234
235 -9 -
236
237 - 10 -
238
239 論文式試験問題集[知的財産法]
240
241 - 11 -
242
243 [知的財産法]
244 共に工作機械メーカーであるA社及びB社は、精密部品の加工用の工作機械に関する共同研究開
245 発契約(以下「本件契約」という。)を締結し、いずれも研究開発部門に所属する、A社の従業員
246 甲とB社の従業員乙が、勤務時間内に、A社及びB社の研究設備や施設を使用して共同研究開発し
247 た結果、従来よりも精密で複雑な部品加工が可能な新たな工作機械を発明した(以下「本件発明」
248 という。)。本件発明の技術的思想の創作行為に対する甲及び乙の関与の程度は同等である。ま
249 た、本件契約には、本件契約に基づき発明がなされた場合には、各社に特許を受ける権利が帰属す
250 るために必要な措置をお互い講ずる旨の定めがあった。共同研究開発中、B社内では、乙の上司か
251 ら、乙が行っている研究方針について反対の意向が示されていたが、乙は、これに従わずに研究を
252 継続した結果、本件発明に至ったものである。
253 A社の職務発明規程には、従業員が発明をするに至った行為が職務に属する場合には、当該発明
254 についての特許を受ける権利をA社が承継することができる旨の定めがあり、B社の職務発明規程
255 には、従業員が発明をするに至った行為が職務に属する場合には、その発明が完成した時に、当該
256 発明についての特許を受ける権利をB社が取得する旨の定めがあった。
257 以上の事実関係を前提として、以下の各設問に答えよ。ただし、設問1及び設問2にそれぞれ記
258 載した追加的な事実関係は、別個独立したものである。
259 〔設問1〕
260 甲が、本件発明の完成後、A社に本件発明について報告したところ、A社は、本件発明の特許を
261 受ける権利を甲から承継することとし、甲とA社は、特許を受ける権利の譲渡に必要な手続を行っ
262 た。他方、乙は、乙の上司の反対を押し切って本件発明を完成させたことから、本件発明の特許を
263 受ける権利は自己に帰属するものと考え、甲に対し、本件発明について一緒に特許出願をしようと
264 持ちかけた。しかし、甲は、A社との間で、特許を受ける権利の譲渡に必要な手続を済ませていた
265 ことから、乙からの誘いを断った。そのため、乙は、本件発明について、乙を発明者として特許出
266 願を行い、その後、特許権の設定登録を受けた(以下、登録された権利を「乙特許権」とい
267 う。)。
268
269
270 工作機械メーカーであるC社は、本件発明の実施品である工作機械(以下「C社機械」とい
271 う。)の製造及び販売を開始した。乙がC社に対し、乙特許権に基づき、C社機械の製造及び販
272 売の差止めを請求した場合、この請求が認められるかについて論じなさい。
273
274
275
276 乙による単独出願を知ったA社及びB社は、乙に対し、乙特許権の移転を請求することができ
277 るかについて論じなさい。
278
279 〔設問2〕
280 A社及びB社は、令和3年4月に本件発明について共同出願し、令和5年7月に特許権の設定登
281 録を受けた(以下、登録された権利を「AB特許権」という。)。
282 D社は、工作機械メーカーであるが、令和元年秋頃から、日本国内の工場において、秘密裏に、
283 新たな工作機械の研究開発を続け、本件発明の内容を知らずに、独自に、従来よりも精密で複雑な
284 部品加工が可能な新たな工作機械を開発し、その製造図面を作成の上、令和3年1月には当該工作
285 機械の試作品を製作した。この試作品は本件発明の技術的範囲に属するものであった。その後、D
286 社は、同工作機械の量産化に向けた事業化を進め、同年8月から、工作機械(以下「D社機械」と
287 いう。)の製造及び販売を開始した。D社機械は、本件発明の技術的範囲に属するものであった。
288 また、D社機械は、前記試作品から仕様の一部が変更されていたが、その変更に係る部分は、従来
289 よりも精密で複雑な部品加工を可能にするための技術的手段とは無関係であった。
290
291 - 12 -
292
293
294
295 A社が、AB特許権に基づき、D社に対し、D社機械の製造及び販売の差止めを請求した場
296 合、その請求が認められるかについて論じなさい。
297
298
299
300 D社は、工作機械メーカーであるE社に対し、D社機械を販売し、E社はそれを取引先に販売
301 している。A社が、AB特許権に基づき、E社に対し、D社機械の販売の差止めを請求した場
302 合、その請求が認められるかについて論じなさい。
303
304
305
306 その後、D社は、E社に対し、D社機械と同一の工作機械(以下「E社機械」という。)の製
307 造を許諾し、E社は、E社機械を自ら製造し、取引先に販売するようになった。A社が、AB特
308 許権に基づき、E社に対し、E社機械の製造及び販売の差止めを請求した場合、その請求が認め
309 られるかについて論じなさい。
310
311 【参考】特許法施行規則(昭和35年3月8日通商産業省令第10号)
312 (特許権の移転の特例)
313 第40条の2
314
315 特許法第74条第1項の規定による特許権の移転の請求は、自己が有すると認める
316
317 特許を受ける権利の持分に応じてするものとする。
318
319 - 13 -
320
321 - 14 -
322
323 論文式試験問題集[労
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326
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328
329 法]
330
331 [労
332
333
334
335 法]
336
337 次の事例を読んで、後記の〔設問1〕及び〔設問2〕に答えなさい。なお、会社法(平成17年
338 法律第86号)の適用について検討する必要はない。
339 【事例】
340
341
342 宿泊業を営むA社は、国内にとどまらず国外においても広く事業を展開している。A社は、国
343 際的な人材を社内に育成するため、入社5年目までの若手社員を対象とし、英語力の強化や多様
344 性に対する理解のかん養、社外ネットワークの構築等を図ることを目的とした海外研修制度を設
345 けていた。同制度においては、研修先となる大学・研究機関や専攻は、対象となった社員の選択
346 に委ねられる一方で、海外研修中、職務に従事する場合と同額の基本給と賞与が支給され、これ
347 らとは別に、海外研修に係る費用(以下「海外研修費用」という。)は、A社が負担することと
348 されていた。
349 入社3年目のBは、前記の海外研修制度に自らの意思で応募し、選考を経て、C国所在の大学
350 の大学院(国際関係学)への留学が決定した。留学に先立ち、A社は、Bに対し、海外研修中は
351 学業に精励すること、学位取得後は直ちに帰国して職務に復帰すること、帰国後60か月以内に
352 自己都合でA社を退職する場合は海外研修費用の全部又は一部を返還することを内容とする誓約
353 書について、その内容を説明した上で署名して提出するよう求め、Bはその内容を理解してこれ
354 に署名し、A社に提出した。
355 A社は、Bの留学に係る海外研修費用として、渡航費、大学院の学費及び寮費をその都度負担
356 した。留学中、Bは、2か月に1回程度、A社の全社員を対象とするオンライン研修(短いもの
357 で15分、長いもので3時間程度のもの)を受講することのほかには、A社の業務に従事するこ
358 とは求められず、学業に専念・精励することができた。Bは、国際関係学の学位を取得後、直ち
359 に帰国して職務に復帰した。
360 ところが、Bは、帰国後6か月で自己都合によりA社を退職した。
361
362
363
364 Dは、クリーニングサービス業を営むE社(A社のグループ子会社)の社員であり、A社が経
365 営するホテルでリネン類を回収し、クリーニング後のリネン類を同ホテルに配達する業務に従事
366 していた。また、Fは、清掃業を営むG社(A社のグループ子会社であり、同社ほか数社から業
367 務委託を受けてホテルやオフィスの清掃業務を行うもの。)の社員であり、A社が経営するホテ
368 ルで客室内の清掃やベッドメイク、備品補充等の業務に従事していた。
369 Dは、リネン類の回収・配達の業務中にFと知り合い、同人に好意を持った。Dは、Fが喜ぶ
370 と思って同人に菓子やアクセサリーを贈り、同人がお礼を言って受け取ったことから、同人も自
371 分に好意を持っていると思い込み、退勤するFに自宅近くまで追随したり、休日にFの自宅近く
372 を歩き回ったりした。さらに、Dは、配達するリネン類をホテル内の所定の場所ではなく備品室
373 や客室に持ち込み、これを取りに来るFと二人きりになる状況を作るなどした。そのような状況
374 でDに肩や腰を触られ、恐怖を感じたFは、G社に相談した。G社は、FがDと顔を合わせる機
375 会はDがリネン類の回収・配達業務のためにホテルを訪れるごく短時間であり、その間にDと二
376 人きりにならないよう注意すればよいだけであると考え、Fが主張する前記のDの行為について
377 更に調査をしたり、Fの職務場所の変更を検討したりするなどはしなかった。Fは出勤をすれば
378 Dと会うことを避けられないことから、恐怖と苦痛を感じてG社を退職した。
379 A社は、同社及びそのグループ会社によるコンプライアンス違反行為を予防し、又は現に生じ
380 たコンプライアンス違反行為に対処するため、コンプライアンス相談窓口を設置し、同社及びそ
381 のグループ会社の社員に同窓口の存在を周知するとともに、社員からの相談への対応を行ってい
382 た。G社の社員にも同社を通じて同窓口の存在が周知されていたが、前記のFの主張や同人の退
383
384 - 16 -
385
386 職に関し、G社が同人にA社の相談窓口への相談を勧めることはなかった。Fは、退職から約1
387 年経過後、同窓口に電話をかけ、E社の社員の行為により退職を余儀なくされたG社の社員がい
388 ることを伝え、事実関係を調査し、当該E社の社員を厳正に処分するよう求めた。これを受け、
389 A社は、E社及びG社に事実関係を確認したが、両社とも問題となる事実はないと回答したの
390 で、それ以上の対応をしなかった。
391 〔設問1〕
392 【事例】の1を前提として、A社は、Bに対して、A社が負担した海外研修費用の返還を請求す
393 ることができるか。考えられる論点を挙げて検討し、あなたの見解を述べなさい。
394 〔設問2〕
395 【事例】の2を前提として、DのFに対する不法行為責任が生じる場合に、FはA社及びG社に
396 対して何らかの責任を追及できるか。考えられる論点を挙げて検討し、あなたの見解を述べなさ
397 い。
398
399 - 17 -
400
401 - 18 -
402
403 論文式試験問題集[環
404
405 - 19 -
406
407
408
409 法]
410
411 [環
412
413
414
415 法]
416
417 A社は、長年、B県内にCが所有する甲土地を賃借し、同土地上にカドミウムを含有する排水を
418 排出する(土壌汚染対策法上の)有害物質使用特定施設を伴う乙工場を保有し、これを稼働させて
419 いたが、事業の見直しに伴い、乙工場の使用を廃止して解体・撤去した。Dは、甲土地付近の丙土
420 地を所有し、そこに居住し、庭に設置されていた井戸の揚水機によってくみ上げた井戸水を生活用
421 水として利用していた。
422 なお、以下の問いにおいて、水質汚濁防止法に基づく義務や措置は検討しなくてよい。
423 〔設問1〕
424
425
426 問題文の事例において、A社は、いかなる義務を負うか、根拠条文を挙げつつ説明しなさい。
427
428
429
430 問題文の事例において、B県知事は、A社以外に誰に対して、いかなる措置を採ることができ
431 るか、根拠条文を挙げつつ説明しなさい。
432
433
434
435 の場合において、B県知事からの措置を受けたA社以外の者は、これに対してどのような訴
436 訟を提起することができるか、説明しなさい。
437
438 〔設問2〕
439 問題文の事例において、〔設問1〕でA社が義務を履行した結果、甲土地の広範囲において汚染
440 状態に関する環境省令で定める基準を超えるカドミウムが検出され、その汚染により、人の健康に
441 係る被害が生じるおそれがあるものとして政令が定める基準に該当することが確認された。
442
443
444 B県知事は、甲土地について、いかなる措置を採ることができるか、根拠条文を挙げつつ説明
445 しなさい。
446
447
448
449 の措置が採られた後、B県知事は、A社又はCに対して、いかなる場合に、いかなる措置を
450 採ることができるか、根拠条文を挙げつつ説明しなさい。なお、の措置が採られた後、CとA
451 社は、甲土地の賃貸借契約を解除し、A社は、甲土地をCに返還しているものとする。
452
453
454
455 の場合において、B県知事の措置を受けてA社又はCが講じた実施措置が不十分な場合、B
456 県知事は、A社又はCに対して、いかなる措置を採ることができるか、根拠条文を挙げつつ説明
457 しなさい。
458
459 〔設問3〕
460 問題文の事例において、Dは、甲土地にカドミウム汚染があり、その影響が丙土地にも及ぶ可能
461 性があることを、新聞報道により知ったとする。この場合において、Dは、A社に対して、どのよ
462 うな法的請求をすることが考えられるか、法的根拠と要件に言及しつつ、簡潔に説明しなさい(損
463 害賠償請求は考えなくてよい。)。
464
465 【資料】
466
467
468 土壌汚染対策法施行令(平成14年政令第336号)(抜粋)
469
470 (特定有害物質)
471 第1条
472
473 土壌汚染対策法(以下「法」という。)第2条第1項の政令で定める物質は、次に掲げる物
474
475 質とする。
476
477
478 カドミウム及びその化合物(以下略)
479
480 - 20 -
481
482 論文式試験問題集[国際関係法(公法系)]
483
484 - 21 -
485
486 [国際関係法(公法系)]
487 【事例】
488 A国では、B国からの分離・独立を主張するB国内の少数民族団体αの指導により、在A国のB
489 国大使館前で連日デモ運動が行われ、その動きは日増しに激化していた。事態を憂慮したB国によ
490 る警備強化の要請にもかかわらず、A国の対応は鈍く、A国の警察をB国大使館付近に配置して警
491 備に当たらせるなどの方策を講じることは一切なかった。そのような中、αのメンバーがデモに乗
492 じてB国大使館敷地内に火炎瓶を投げ込み、同大使館の建物に火災が発生した。
493 近隣住民の通報によりA国の消防隊が出動してB国大使館に到着したところ、B国大使館員は全
494 員、既に同大使館の敷地外に避難していたほか、B国大使もC国に出張して不在であり、A国から
495 B国大使に連絡を取ることはできなかった。その間にも火災はB国大使館の建物全体に広がり、同
496 大使館の敷地周辺に所在する建物への延焼のおそれが生じたため、A国の消防隊は、B国から同国
497 大使館の敷地内への立入許可を得ることなく、敷地内で消火活動を開始した。B国大使館の建物は
498 全焼したが、早期の消火活動の結果、周辺建物への延焼は免れた。
499 A国の消防隊が消火活動を行う過程で、B国大使館内にC国国民Xが監禁されているのが発見さ
500 れた。Xは消防隊員により救助され、B国大使館付近の病院に搬送された。また、A国の消防隊
501 は、A国外務省を通じて、Xを救助した旨を在A国のC国大使館に通報した。その後、病院でC国
502 領事がXと面会し事情を尋ねたところ、Xは、A国滞在中に、B国大使館員により強制的にB国大
503 使館に連行され監禁されたことが判明した。
504 在A国のB国大使は、A国の消防隊の消火活動が終了した後にA国に再入国し、この間のB国大
505 使館をめぐるA国の行為について、外交関係に関するウィーン条約(以下「外交関係条約」とい
506 う。)の違反を理由にA国に対して抗議した。また、B国は、Xに関し、Xによるαへの活動支援
507 がB国国内法違反に当たる疑いがあるため、同人をB国大使館に連行して同大使館内に留置したの
508 であり、後日B国へ移送する予定であったと主張して、A国に対しXの身柄の引渡しを求めた。こ
509 れに対して、A国は、B国によるXの身柄の引渡請求には応じなかった。
510 Xは、退院後、在A国のC国大使館に身を寄せた。そして、C国は、Xの身体の自由が侵害され
511 たことなどを理由にB国に対して外交的保護権を行使して損害賠償請求を行った。他方、A国は、
512 B国との間に、外交関係条約を含む国際法の解釈又は適用に関する紛争が存在することをB国に通
513 告したが、2か月経過してもB国からは仲裁裁判所への付託を含むいかなる回答も受領しなかった
514 ことから、当該紛争を国際司法裁判所(以下「ICJ」という。)に付託することにした。
515 A国、B国及びC国はいずれも国連の原加盟国であるとともに、外交関係条約及び紛争の義務的
516 解決に関する選択議定書(以下「選択議定書」という。)の締約国であり、外交関係条約にもその
517 選択議定書にも留保は付していない。また、これら3国は、ICJ規程第36条第2項に基づく宣
518 言を留保なしに行っている。なお、A国とB国の間には犯罪人引渡しに関する条約は存在しない。
519 以上の事実を基に、以下の設問に答えなさい。
520 〔設問〕
521 1.A国は、外交関係条約上、いかなる義務の違反に問われ得るかについて論じなさい。
522 2.B国大使館によるXの身柄の拘束について、A国がB国のいかなる国際法違反を問うことが可
523 能かについて論じなさい。
524 3.A国が前記設問2においてB国の国際法義務違反の追及が可能である場合、B国をICJに一
525 方的に訴えるために可能な裁判管轄権の基礎を全て論じなさい。
526 4.C国がB国に対して外交的保護権を行使するための要件を述べ、この事例においてその要件が
527 満たされるかどうかについて論じなさい。
528
529 - 22 -
530
531 【参考資料】
532
533 選択議定書(抜粋)
534
535 この議定書及び1961年3月2日から同年4月14日までウィーンで開催された国際連合の会
536 議において採択された外交関係に関するウィーン条約(以下「条約」という。)の当事国は、
537 条約の解釈又は適用から生ずるあらゆる紛争を、自国に関するものである限り、他の解決方法が
538 当事国により合理的な期間内に合意される場合を除くほか、国際司法裁判所の義務的管轄に付託する
539 希望を有することを表明して、
540 次のとおり協定した。
541 第1条
542 条約の解釈又は適用から生ずる紛争は、国際司法裁判所の義務的管轄の範囲内に属するものとし、
543 したがつて、これらの紛争は、この議定書の当事国である紛争のいずれかの当事国が行なう請求によ
544 り、国際司法裁判所に付託することができる。
545 第2条
546 両当事国は、一方の当事国が、他方の当事国に対し、紛争が存在する旨の見解を通告した後2箇月
547 の期間内に、その紛争を国際司法裁判所にではなく仲裁裁判所に付託することにつき合意することが
548 できる。前記の期間が経過した後は、いずれか一方の当事国は、請求により、当該紛争を国際司法裁
549 判所に付託することができる。
550 第3条
551
552
553 両当事国は、第2条に規定する2箇月の期間内においては、国際司法裁判所に付託する前に調停
554 手続を執ることにつき、合意することができる。
555
556
557
558 調停委員会は、その構成の後5箇月以内に勧告を行なわなければならない。勧告が行なわれた後
559 2箇月以内に紛争の当事国がその勧告を受諾しない場合には、いずれか一方の当事国は、請求によ
560 り、当該紛争を国際司法裁判所に付託することができる。
561
562 - 23 -
563
564 - 24 -
565
566 論文式試験問題集[国際関係法(私法系)]
567
568 - 25 -
569
570 [国際関係法(私法系)]
571 Aは、いずれも日本在住の甲国人である両親の間の子として日本で生まれ、ずっと日本で暮らし
572 てきた。大学生になったAは、夏季休暇を利用して、一人で甲国内を1か月間旅行する計画を立
573 て、初めて甲国を訪れた。Aは、かつて両親から聞いた断片的な情報に基づき、甲国は夏でも比較
574 的過ごしやすい気候であると思い込んでいたが、実際に甲国に渡航して滞在してみると、連日、想
575 定していなかった厳しい暑さに見舞われたため、この暑さへの応急対策として、甲国の家電小売店
576 Pで手持ち式小型扇風機α(以下「α」という。)を購入した。αは、国際規格に準拠した方式の
577 ケーブル・充電器により充電するタイプの内蔵バッテリーを動力源としており、Aがスマートフォ
578 ン用に日本から持参していた携帯充電器によっても充電することができる上、大出力の駆動モータ
579 ーによる強力な送風機能を備えているなど、利便性や使い心地の面で、Aにとって満足のいくもの
580 であった。そこで、Aは、甲国滞在を終えて日本へ帰国するに際し、αを引き続き利用することと
581 して日本へ持ち帰った。
582 Aは、帰国後間もなく、全国的に最高気温の観測記録が更新されるほどの猛暑の昼下がり、αを
583 使用しながら、京都の観光地区に近接する大学の図書館に向かって歩いていたが、観光客で混み合
584 う道に差し掛かったところで、突然、αが動作を停止してしまった。不審に思ったAが立ち止まっ
585 てαの状態を確認すると、本体内部から白煙が上がっていたため、思わずαを放り投げたところ、
586 その直後、αは、路上に落下する前に空中で破裂した(以下、このαが破裂した事故を「本件事
587 故」という。)。
588 本件事故によって周囲に飛散したαの破片の一部は、たまたま近くを歩いていた東京からの観光
589 客Bの右目の付近に当たり、Bは、この負傷により右目の視力を失った。
590 甲国の隣国である乙国の法人で、αを製造したQ社は、日本を含む数か国で本件事故と同様の破
591 裂事故が発生していることを把握し、一連の事故の原因を究明するために内部調査を実施した。そ
592 の結果、一連の事故が発生したαに使用されている内蔵バッテリーは全て、複数のサプライヤーの
593 一つである日本法人R社東京工場製のバッテリーβ(以下「β」という。)であり、極度に高温多
594 湿となる条件下でβを使用した場合に、まれに膨張・破裂するとの実験結果を得た。
595 なお、Q社は、営業所、工場等の拠点や財産を全て乙国内に置き、他国では営業活動も行ってお
596 らず、αについても、その設計・製造から販売までを全て乙国内でのみ行っている。もっとも、甲
597 国や日本などの他国の業者が、乙国内で販売されているαを仕入れて、自国の消費者向けに販売す
598 ることは広く行われている。Q社も、そのような他国での販売がαの売上げに大きく貢献している
599 ことを認識して、αの全ての製品には、甲国語や日本語を含む多言語で並列的に記述した取扱説明
600 書を一律に同梱して販売している。
601 以上の事実を前提として、以下の設問に答えなさい。
602 〔設問1〕
603 αの製造者がQ社であることを認識したBは、Q社を被告として、製造物責任法第3条に基づ
604 き、本件事故によって被った損害の賠償を求める訴え(以下「本件訴え」という。)を東京地方裁
605 判所に提起した。
606 〔小問1〕
607 本件訴えについて、日本の裁判所の国際裁判管轄権が認められるかどうかについて論じなさ
608 い。
609 〔小問2〕
610 本件訴えについて、日本の裁判所の国際裁判管轄権は認められるものとする。この場合におい
611 て、BのQに対する損害賠償請求について、いずれの国の法によって判断されるべきかを論じな
612
613 - 26 -
614
615 さい。
616 〔設問2〕
617 本件事故を含む一連のαの破裂事故の原因がβにある可能性が高いと考えたQ社は、R社に調査
618 を求めたところ、βの特定の製造ロットの製造過程において、膨張・破裂の原因となる微小な金属
619 異物が混入していたことが判明した。そこで、Q社は、損害賠償金の支払やαの回収費用の支出に
620 より生じた多額の損失について、R社に対し、応分の負担を求めたが、Q社とR社との間で、負担
621 割合をめぐる交渉は決裂した。
622 Q社とR社との間の取引は、R社がQ社に対して毎年一定数量のβを供給する旨の契約(以下
623 「本件契約」という。)に基づくものであった。本件契約は、2018年1月、それぞれの本社ス
624 タッフによる交渉の結果として締結されたものであり、本件契約には、「この契約は、日本法によ
625 り解釈され規律される。」との条項があった。
626 Q社は、R社に対し、本件契約上の債務の不履行に基づき、損害の賠償を求める訴えを東京地方
627 裁判所に提起した。このQ社の請求について、裁判所は、「国際物品売買契約に関する国際連合条
628 約」(以下「ウィーン売買条約」という。)を適用して判断する内容の本案判決を言い渡したが、
629 乙国はウィーン売買条約の締約国ではなかった。
630 上記判決において、裁判所が、Q社の請求についてウィーン売買条約を適用して判断したのはな
631 ぜか。理由を説明しなさい。
632
633 - 27 -
634
635