1 短答式試験問題集[刑法]
2
3 - 1 -
4
5 [刑法]
6 〔第1問〕(配点:3)
7 業務妨害罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
8 正しいもの
9 を2個選びなさい。
10
11 (解答欄は、
12 [No.1]、
13 [No.2]順不同)
14 1.業務妨害罪における「業務」は、
15 適法なものであることを要するから、
16 行政上の許可を受け
17 ていない営業行為や行政取締法規に違反する営業行為は、
18 同罪で保護されることはない。
19
20
21 2.業務妨害罪における「業務」は、
22 職業その他継続して従事する事務又は事業をいい、
23 営利を
24 目的とするものであることを要する。
25
26
27 3.甲は、
28 利用客のキャッシュカードの暗証番号等を盗撮する目的で、
29 2台の現金自動預払機が
30 設置されている銀行の無人出張所において、
31 一方の現金自動預払機にビデオカメラを設置し、
32
33 同現金自動預払機に客を誘導する意図で、
34 一般の利用客を装い、
35 もう一方の現金自動預払機を
36 2時間にわたり占拠した。
37
38 この場合、
39 甲に偽計業務妨害罪が成立する。
40
41
42 4.以前A高校に勤務していた甲は、
43 同校卒業式の開式直前に、
44 式典会場である体育館において、
45
46 予定された式典の進行を止めさせる目的で、
47 参列の保護者らに対して大声で騒ぎ立て、
48 これを
49 制止しようとした教頭に怒号するなどして同会場を喧騒状態に陥れた。
50
51 この場合、
52 甲に威力業
53 務妨害罪が成立する。
54
55
56 5.甲は、
57 弁護士Aの弁護士としての活動を困難にする目的で、
58 Aが携行していた弁護士業務に
59 とって重要な書類が在中するかばんを奪い取って自宅に隠匿した。
60
61 この場合、
62 甲に偽計業務妨
63 害罪が成立する。
64
65
66
67 - 2 -
68
69 〔第2問〕(配点:2)
70 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
71 正しいものの組合せは、
72 後記1
73 から5までのうちどれか。
74
75 (解答欄は、
76 [No.3])
77 ア.甲は、
78 真冬の深夜、
79 甲から暴行を受けて衰弱したAを河川堤防上に連れて行き、
80 未必の殺意
81 をもって、
82 Aを脅迫して護岸際まで追い詰め、
83 さらに、
84 Aに対して殴りかかる態度を示したた
85 め、
86 逃げ場を失ったAが足を滑らせて堤防から3メートル下の川に転落して溺死した。
87
88 この場
89 合、
90 甲に殺人罪は成立しない。
91
92
93 イ.非科学的な力による難病治療を標ぼうしていた甲は、
94 小児Aがインスリンを定期的に摂取し
95 なければ死亡する現実的な危険性がある重度の糖尿病患者であることを認識しながら、
96 甲を信
97 頼するAの母親Bに対し、
98 Aへのインスリンの不投与を執ようかつ強度に働き掛けた。
99
100 Bは、
101
102 Aを完治させるためには甲の指導に従う以外に方法はないといちずに考え、
103 Aへのインスリン
104 の投与という期待された作為に出ることができない精神状態に陥り、
105 甲から言われるがままA
106 へのインスリン投与を中止したため、
107 Aはその後間もなく死亡した。
108
109 この場合、
110 甲に殺人罪が
111 成立する。
112
113
114 ウ.甲は、
115 Aの殺害を企て、
116 致死量の毒物を混入した砂糖を、
117 情を知らない郵便配達員を介して、
118
119 贈答品を装ってAに郵送し、
120 Aがこれを受領したが、
121 Aは、
122 毒物の混入に気付いたため、
123 同砂
124 糖を食用に供することはなかった。
125
126 この場合、
127 甲に殺人未遂罪が成立する。
128
129
130 エ.甲は、
131 Aに成り済ましてAの管理する資材置場に保管されていたA所有の建設機械を自己の
132 所有物であるかのように装って中古機械業者Bに売却し、
133 甲をAと思い込んでいたBが甲との
134 約定に基づき同建設機械を同置場から搬出した。
135
136 この場合、
137 甲にAに対する窃盗罪は成立しな
138 い。
139
140
141 オ.医師ではない甲は、
142 妊婦であるAから依頼を受けてAの堕胎手術を開始したが、
143 医術により
144 胎児を排出しなければAの生命に危険を及ぼすおそれが生じたため、
145 医師であるBに胎児の排
146 出を求めた。
147
148 Bは、
149 Aの生命に対する危険を避けるため胎児をAの母体外に排出させた。
150
151 Bに
152 緊急避難が成立する場合、
153 甲に同意堕胎罪は成立しない。
154
155
156 1.ア
157
158 イ
159
160 2.ア
161
162 オ
163
164 3.イ
165
166 ウ
167
168 4.ウ
169
170 - 3 -
171
172 エ
173
174 5.エ
175
176 オ
177
178 〔第3問〕(配点:2)
179 学生A及びBは、
180 次の【事例】における甲の罪責について、
181 後記の【会話】のとおり議論してい
182 る。
183
184 【会話】中の@からEまでの(
185
186 )内に後記【語句群】から適切なものを入れた場合、
187 正しい
188
189 ものの組合せは、
190 後記1から5までのうちどれか。
191
192 なお、
193 @からEまでの(
194
195 )内にはそれぞれ異
196
197 なるものが入る。
198
199 (解答欄は、
200 [No.4])
201 【事
202
203 例】
204 甲は、
205 返還期限を1年後と定めて甲所有の絵画を乙に無償で貸与したが、
206 同期限経過後に、
207 甲
208
209 が何度も返還を求めても、
210 乙は同絵画を返還しなかった。
211
212 そのため、
213 甲は、
214 乙に対し、
215 「俺をな
216 めているのか。
217
218 あの絵を返さないのなら殺すぞ。
219
220 」などと言って脅し、
221 乙は畏怖して上記絵画を
222 甲に返還した。
223
224
225 【会
226
227 話】
228
229 学生A.甲に恐喝罪が成立するか否かは、
230 刑法第251条で準用される同法第242条の他人の
231 「(@)」の解釈が問題になりますね。
232
233 私は、
234 他人の「(@)」は(A)と考えます。
235
236
237 学生B.私は、
238 他人の「(@)」は(B)と考えます。
239
240 Aさんの立場からすると、
241 (C)ことか
242 ら、
243 乙の(@)は他人の「(@)」に該当せず、
244 甲の行為は、
245 恐喝罪の構成要件に該当し
246 ないことになりますね。
247
248
249 学生A.そのとおりです。
250
251 ただ、
252 (D)が成立する余地はあります。
253
254 Bさんの立場からすると、
255
256 乙の(@)は他人の「(@)」に該当し、
257 甲の行為は、
258 恐喝罪の構成要件に該当すること
259 になりますが、
260 その結論は絵画の返還請求権を有する甲にとって酷ではありませんか。
261
262
263 学生B.私の立場からも、
264 権利実現のために実力行使に出る必要性、
265 緊急性、
266 手段の相当性の要
267 件を満たすときは、
268 (E)として違法性が阻却される余地があるので、
269 酷ではないと考え
270 ます。
271
272
273 【語句群】
274 ア.財物
275
276 イ.占有
277
278 ウ.権原に基づくものに限られる
279
280 エ.事実上の所持で足りる
281
282 オ.絵画の返還期限が経過している
283
284 カ.絵画の平穏な占有が継続している
285 ケ.正当防衛
286
287 キ.恐喝未遂罪
288
289 コ.自救行為
290
291 1.@ア
292
293 Bウ
294
295 Cカ
296
297 2.@イ
298
299 Bエ
300
301 Dキ
302
303 3.Aウ
304
305 Bエ
306
307 Dク
308
309 4.Aウ
310
311 Cオ
312
313 Eケ
314
315 5.Aエ
316
317 Cカ
318
319 Eコ
320
321 - 4 -
322
323 ク.脅迫罪
324
325 〔第4問〕(配点:4)
326 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、
327 正しい場合には1を、
328 誤っている場合
329 には2を選びなさい。
330
331 (解答欄は、
332 アからオの順に[No.5]から[No.9])
333 ア.医師ではない甲は、
334 女性Aに対し、
335 医学的に必要とされる措置を採らず、
336 身体に重大な傷害
337 を生じさせかねない危険な方法で豊胸手術を行った。
338
339 Aが豊胸手術に伴う身体傷害についてあ
340 らかじめ承諾していた場合、
341 甲に傷害罪が成立することはない。
342
343 [No.5]
344 イ.甲は、
345 自動車の転落事故を装いAを自殺させて保険金を得る目的で、
346 極度に甲を畏怖してい
347 たAに対し、
348 暴行・脅迫を加え、
349 岸壁上から自動車ごと海中に転落して自殺することを執よう
350 に要求し、
351 Aをして甲の命令に従う以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせて
352 A自ら岸壁上から自動車ごと海中に転落させたが、
353 その後、
354 Aが岸壁上に逃れて生き延びた。
355
356
357 この場合、
358 A自らが死亡する現実的危険性の高い行為を選んだから、
359 甲に殺人未遂罪が成立す
360 ることはない。
361
362 [No.6]
363 ウ.甲は、
364 4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、
365 殺意をもってAを包丁で刺殺し
366 た。
367
368 この場合、
369 Aが殺害されることを承諾しているから、
370 甲に殺人罪が成立することはない。
371
372
373 [No.7]
374 エ.甲は、
375 妊娠している妻Aと話し合い、
376 その承諾を得て、
377 薬物を使用して堕胎させた。
378
379 この場
380 合、
381 堕胎についてAが承諾をしているから、
382 甲に不同意堕胎罪が成立することはない。
383
384 [No.
385 8]
386 オ.甲は、
387 半日以内にAに返す約束でAの承諾を得て、
388 A所有の自動車をAから借り受けたが、
389
390 同車を運転するうちに、
391 約束どおり同車をAに返すことが惜しくなり、
392 Aに無断でそのまま1
393 0日間にわたり同車を乗り回した。
394
395 この場合、
396 甲に横領罪が成立することはない。
397
398 [No.9]
399 〔第5問〕(配点:2)
400 共犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
401 正しいものはどれ
402 か。
403
404 (解答欄は、
405 [No.10])
406 1.甲及び乙は、
407 強盗を共謀し、
408 甲がA方の外で見張りをしている間に乙がA方に侵入したが、
409
410 犯行の発覚を恐れた甲が、
411 乙に対して電話で「人が集まっているから、
412 早く止めた方がいい。
413
414
415 俺は先に帰る。
416
417 」と告げてその場から逃走した。
418
419 乙は、
420 甲の逃走を認識したが、
421 A方内におい
422 てAに暴行を加えて現金を強取した。
423
424 乙が強盗行為に着手する前に甲の逃走を認識した以上、
425
426 甲及び乙に強盗罪の共同正犯は成立しない。
427
428
429 2.甲及び乙は、
430 危険な作業を共同して行う過程において、
431 Aが負傷する事故を防止するための
432 共同の業務上の注意義務に共同して違反し、
433 Aに傷害を負わせた。
434
435 甲と乙の間にAの傷害発生
436 についての共謀がなかった以上、
437 甲及び乙に業務上過失致傷罪の共同正犯は成立しない。
438
439
440 3.甲は、
441 乙からAを殺害するための毒物の入手を頼まれ、
442 入手した毒物を乙に渡したが、
443 結局、
444
445 乙は、
446 これを用いず、
447 Aに睡眠薬を服用させた上でAを絞殺した。
448
449 甲が乙に渡した毒物が利用
450 されていないので、
451 甲に殺人予備罪の共同正犯は成立しない。
452
453
454 4.甲は、
455 乙がホテルの一室において賭博場を開張して利得を得るつもりでいることを知りなが
456 ら、
457 乙のためにA及びBを同室に誘い、
458 賭博をさせた。
459
460 甲と乙との間に意思連絡がなくとも、
461
462 甲に賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
463
464
465 5.甲は、
466 劇場の責任者の立場にあったが、
467 出演者乙の公然わいせつ行為を目撃しながら、
468 乙に
469 軽く注意をしたものの、
470 公演を止めず、
471 同行為の継続を容易にした。
472
473 甲が乙に注意をした以上、
474
475 甲に公然わいせつ罪の共犯は成立しない。
476
477
478
479 - 5 -
480
481 〔第6問〕(配点:3)
482 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
483 正しいものを2個選びなさい。
484
485
486 (解答欄は、
487 [No.11]、
488 [No.12]順不同)
489 1.甲は、
490 同居している友人Aと一緒に旅行費用として現金を積み立て、
491 同現金を自宅の金庫に
492 入れてAと共に保管していたが、
493 Aに無断で同現金を全て取り出し、
494 自己の借金の返済に充て
495 た。
496
497 この場合、
498 甲に上記現金の占有が認められるから、
499 甲にはAに対する横領罪が成立する。
500
501
502 2.甲は、
503 配偶者Aから、
504 その友人であるB所有の刀剣の保管を委託され、
505 同刀剣を保管してい
506 たが、
507 A及びBに無断で、
508 同刀剣をCに売却した。
509
510 この場合、
511 甲には委託者であるAに対する
512 横領罪が成立するが、
513 甲はAの配偶者であるから、
514 刑が免除される。
515
516
517 3.A社の代表取締役である甲は、
518 A社が有する債権をB組合に譲渡したが、
519 同債権の債務者C
520 に対する債権譲渡の通知をする前に、
521 Cから債務の弁済として現金を受領し、
522 同現金をB組合
523 に無断で自己のために費消した。
524
525 この場合、
526 上記通知がされていないから、
527 甲にはB組合に対
528 する横領罪は成立しない。
529
530
531 4.甲は、
532 自己が所有する土地について、
533 Aを権利者とする抵当権を設定したが、
534 その旨の登記
535 が完了する前に、
536 同土地について、
537 Aに無断で、
538 Bを権利者とする抵当権を設定し、
539 その旨の
540 登記をした。
541
542 この場合、
543 甲は、
544 抵当権設定登記を完了するまでは、
545 抵当権者の登記手続に協力
546 する任務を有するから、
547 甲にはAに対する背任罪が成立する。
548
549
550 5.A村の村長である甲は、
551 A村に住む給与所得者の利益を図る目的で、
552 同給与所得者に対する
553 村民税の徴収につき、
554 A村の条例に何ら規定がなく法令上の根拠がないのに、
555 同給与所得者の
556 収入金額に対し一律に過少に税額を算定して徴収した。
557
558 この場合、
559 上記給与所得者の利益を図
560 る目的であったとしても、
561 甲にはA村に対する背任罪が成立する。
562
563
564 〔第7問〕(配点:3)
565 罪数に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
566 正しいものを2個
567 選びなさい。
568
569 (解答欄は、
570 [No.13]、
571 [No.14]順不同)
572 1.甲は、
573 転売目的でA所有のバッグを盗み、
574 自宅に持ち帰ったが、
575 転売先が見付からなかった
576 ため、
577 同バッグを焼却した。
578
579 この場合、
580 甲に窃盗罪及び器物損壊罪が成立し、
581 両罪は併合罪と
582 なる。
583
584
585 2.甲は、
586 乙に対し、
587 「バッグを盗んできたら売却してやる。
588
589 」などと言って窃盗を教唆し、
590 乙
591 が盗んだバッグを受け取り、
592 同バッグの売却をあっせんした。
593
594 この場合、
595 甲に窃盗教唆罪及び
596 盗品等有償処分あっせん罪が成立し、
597 両罪は併合罪となる。
598
599
600 3.甲は、
601 当初より代金を支払う意思も能力もないのに、
602 これらがあるように装って、
603 民宿にお
604 いて朝食付きの宿泊利用を申し込み、
605 同民宿に宿泊し、
606 かつ、
607 同民宿で朝食の提供を受けた。
608
609
610 この場合、
611 甲に刑法第246条第1項の詐欺罪及び同条第2項の詐欺罪が成立し、
612 両罪は併合
613 罪となる。
614
615
616 4.甲は、
617 真実は募金を災害復興支援のために使うつもりはなく、
618 自己のために費消するつもり
619 であるのにこれを隠して、
620 事情を知らない多数のアルバイトの募金活動員に、
621 連日、
622 駅前で募
623 金箱を持たせ、
624 「災害復興支援のために募金をお願いします。
625
626 」と連呼させ、
627 多数回にわたり、
628
629 不特定多数の通行人からそれぞれ少額の現金を募金箱に投入させてだまし取った。
630
631 この場合、
632
633 甲に詐欺罪の包括一罪が成立する。
634
635
636 5.甲は、
637 他人から盗んだクレジットカードを使用して商品をだまし取ろうと考え、
638 A名義のク
639 レジットカードを窃取し、
640 家電量販店において、
641 店員に対し、
642 Aに成り済まして同クレジット
643 カードを提示して商品の購入を申し込んだが、
644 同店員に盗難カードであることを見破られたた
645 め、
646 商品を手に入れることができなかった。
647
648 この場合、
649 甲に窃盗罪及び詐欺未遂罪が成立し、
650
651 両罪は牽連犯となる。
652
653
654 - 6 -
655
656 〔第8問〕(配点:2)
657 刑罰論に関して、
658 学生A、
659 B及びCが次の【会話】のとおり議論している。
660
661 【会話】中の@から
662 Eまでの(
663
664 )内に後記アからカまでの【発言】から適切なものを選んだ場合、
665 正しいものの組合
666
667 せは、
668 後記1から5までのうちどれか。
669
670 なお、
671 @からEまでの(
672
673 )内にはそれぞれ異なるものが
674
675 入る。
676
677 (解答欄は、
678 [No.15])
679 【会
680
681 話】
682
683 学生A.私は、
684 刑罰とは、
685 (@)であると考えます。
686
687 行為者の責任に応じた刑罰のみを正当化す
688 ることによって、
689 責任主義に沿い、
690 罪刑の均衡を図ることができると考えるからです。
691
692
693 学生B.Aさんの見解に対しては、
694 (A)という批判がありますね。
695
696 私は、
697 刑罰とは犯罪防止の
698 手段であると考えますが、
699 その目的は、
700 行為者の危険性に着目して、
701 (B)にあると考え
702 ます。
703
704
705 学生A.Bさんの見解に対しては、
706 (C)という批判がありますね。
707
708
709 学生C.私も、
710 刑罰とは犯罪防止の手段であると考えますが、
711 その目的は、
712 (D)にあると考え
713 ます。
714
715
716 学生A.Cさんの見解に対しては、
717 (E)という批判がありますね。
718
719 もっとも、
720 私は、
721 Bさんと
722 Cさんの考えを否定するものではなく、
723 刑罰とは、
724 (@)であると考えつつ、
725 (B)や
726 (D)に配慮することはできると考えます。
727
728
729 【発
730
731 言】
732
733 ア.刑罰を科すことによって、
734 行為者が将来再び犯罪を行うのを予防すること
735 イ.一般人を威嚇し、
736 一般人による将来の犯罪を予防すること
737 ウ.犯罪行為を理由に行為者に対する非難として加えられる苦痛
738 エ.犯罪予防のために必要な刑であっても、
739 責任に対応する刑を超える刑を科すことができなく
740 なる
741 オ.刑罰と保安処分の区別がなくなってしまう
742 カ.刑罰は重ければ重いほどよいということになってしまう
743 1.@ア
744
745 Aカ
746
747 Cエ
748
749 Dウ
750
751 2.@イ
752
753 Bウ
754
755 Cオ
756
757 Eエ
758
759 3.@ウ
760
761 Aエ
762
763 Dイ
764
765 Eカ
766
767 4.Aエ
768
769 Bア
770
771 Cカ
772
773 Eオ
774
775 5.Aオ
776
777 Bイ
778
779 Dア
780
781 Eカ
782
783 - 7 -
784
785 〔第9問〕(配点:2)
786 学生A、
787 B及びCは、
788 承継的共同正犯に関する次の【事例】について、
789 後記【会話】のとおり議
790 論している。
791
792 【会話】中の@からGまでの(
793
794 )内に後記【語句群】から適切なものを入れた場合、
795
796
797 正しいものの組合せは、
798 後記1から5までのうちどれか。
799
800 なお、
801 @からGまでの(
802
803 )内にはそれ
804
805 ぞれ異なるものが入る。
806
807 (解答欄は、
808 [No.16])
809 【事
810
811 例】
812 先行者が被害者に暴行を加えて傷害を負わせた後、
813 後行者が、
814 共謀加担した上、
815 被害者が負傷
816
817 して抵抗が困難になった状態を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思で、
818 更に暴行
819 を加えて被害者の同傷害を相当程度重篤化させた。
820
821
822 【会
823
824 話】
825
826 学生A.私は、
827 承継的共同正犯については(@)と考え、
828 その成立を(A)します。
829
830
831 学生B.Aさんの見解では、
832 詐欺罪で金銭受領のみに関与した後行者が不可罰となってしまいま
833 せんか。
834
835 私は、
836 承継的共同正犯については(B)と考え、
837 その成立を(C)すべきだと考
838 えます。
839
840
841 学生C.私も、
842 承継的共同正犯の成立を(C)すべきだと思います。
843
844 私は、
845 (D)と考え、
846 この
847 【事例】については、
848 後行者に(E)の共同正犯の成立を認めます。
849
850
851 学生B.Cさんの見解では、
852 共謀加担前の結果に対する因果性の欠如を埋め合わせることができ
853 ないのではないでしょうか。
854
855 私は、
856 Cさんが承継的共同正犯の成立根拠とする事情は、
857 判
858 例が言うように(F)と評価すべきであって、
859 (E)の責任を問う理由とはいえないと考
860 えます。
861
862 私は、
863 Cさんと異なり、
864 この【事例】の後行者に(G)の共同正犯の成立が認め
865 られると考えます。
866
867
868 【語句群】
869 a.後行者が関与する時点において、
870 なお先行者が実現しようとしている結果については因果性
871 を有することが可能である
872 b.後行者が因果的影響を与えた行為・結果のみを独立に評価し、
873 それが一定の構成要件に該当
874 する限度で共同正犯が成立する
875 c.先行事実を積極的に利用する場合に限って承継的共同正犯を認めるべき
876 d.後行者が暴行を行った動機ないし契機にすぎない
877 e.自己の犯罪遂行の手段である
878 f.全面的に肯定
879
880 g.限定的に肯定
881
882 h.全面的に否定
883
884 i.共謀加担前に生じた傷害結果を含む、
885 生じた結果全てについての傷害罪
886 j.共謀加担後の傷害結果の発生に寄与した部分についての傷害罪
887 1.@a
888
889 Cf
890
891 Fd
892
893 2.@b
894
895 Ba
896
897 Fe
898
899 3.Ah
900
901 Da
902
903 Ei
904
905 4.Bc
906
907 Cg
908
909 Gi
910
911 5.Dc
912
913 Ei
914
915 Gj
916
917 - 8 -
918
919 〔第10問〕(配点:4)
920 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、
921 正しい場合には1を、
922 誤っている場合
923 には2を選びなさい。
924
925 (解答欄は、
926 アからオの順に[No.17]から[No.21])
927 ア.甲は、
928 宝くじの当せん金を得るため、
929 外れた宝くじに印字された番号を当せん番号に改ざん
930 した。
931
932 この場合、
933 甲に有印私文書変造罪が成立する。
934
935 [No.17]
936 イ.甲は、
937 事情を知らない乙に対し、
938 偽造通貨を真正な通貨のように装って代金として交付し、
939
940 乙から商品を購入した。
941
942 この場合、
943 甲に詐欺罪及び偽造通貨行使罪が成立し、
944 両罪は観念的競
945 合となる。
946
947 [No.18]
948 ウ.甲は、
949 乙から、
950 乙の代わりにA大学の入学試験を受けてほしいと頼まれ、
951 これを引き受け、
952
953 乙に成り済まして同入学試験を受け、
954 氏名欄に乙の氏名を記載し、
955 乙名義で答案を作成した。
956
957
958 この場合、
959 甲に有印私文書偽造罪が成立する。
960
961 [No.19]
962 エ.甲は、
963 行使の目的で、
964 他人が振り出した額面100万円の小切手の金額欄に「0」を加え、
965
966 額面1000万円の小切手に改ざんした。
967
968 この場合、
969 甲に有価証券偽造罪が成立する。
970
971 [No.
972 20]
973 オ.甲は、
974 乙から金銭の借入れとして1万円札10枚を受け取った際、
975 それらの中に偽造の1万
976 円札が含まれていることに気付かず、
977 その後、
978 偽造の1万円札の存在に気付いたが、
979 行使の目
980 的でそのまま保持した。
981
982 この場合、
983 甲に偽造通貨収得罪は成立しない。
984
985 [No.21]
986 〔第11問〕(配点:2)
987 中止犯における中止行為の任意性の判断基準に関する次の各【見解】についての後記アからオま
988 での各【記述】のうち、
989 正しいものの組合せは、
990 後記1から5までのうちどれか。
991
992 (解答欄は、
993
994 [No.22])
995 【見
996
997 解】
998
999 A説:行為者が、
1000 やろうと思えばできたが中止した場合を中止犯とし、
1001 やろうと思ってもできなか
1002 った場合は中止犯としない。
1003
1004
1005 B説:犯罪を中止した原因が社会通念に照らして犯罪続行の障害と考えられる事情かどうかによっ
1006 て任意性を判断し、
1007 社会通念に照らして一般人であれば中止しないのが通例であると考えられ
1008 るにもかかわらず、
1009 中止した場合を中止犯とする。
1010
1011
1012 【記
1013
1014 述】
1015
1016 ア.A説の立場からは、
1017 中止行為が反省・悔悟等の自己の行為に対する否定的な感情に基づく場合
1018 に限り、
1019 中止犯が成立する。
1020
1021
1022 イ.A説の立場からは、
1023 中止犯が成立するためには、
1024 行為者が犯罪意思を完全に放棄する必要があ
1025 り、
1026 犯罪に着手し、
1027 そのまま遂行可能であったが、
1028 他の機会を待つことが得策だと考えて中止し
1029 た場合に中止犯が成立することはない。
1030
1031
1032 ウ.建物に放火しようと考え媒介物に火を放ったが、
1033 犯行の発覚を恐れて焼損に至る前にその火を
1034 消した場合に、
1035 犯行の発覚を恐れることが一般に犯罪の遂行を妨げる事情たり得るとして中止犯
1036 の成立を否定する考え方は、
1037 B説と親和的である。
1038
1039
1040 エ.B説は、
1041 中止犯の刑の減免の根拠について責任が減少すると考える見解からは支持することが
1042 できない。
1043
1044
1045 オ.B説に対しては、
1046 任意性の判断は行為者の主観を問題とするのであるから、
1047 妥当ではないとの
1048 批判がある。
1049
1050
1051 1.ア
1052
1053 イ
1054
1055 2.ア
1056
1057 エ
1058
1059 3.イ
1060
1061 ウ
1062
1063 4.ウ
1064
1065 - 9 -
1066
1067 オ
1068
1069 5.エ
1070
1071 オ
1072
1073 〔第12問〕(配点:2)
1074 学生A、
1075 B及びCは、
1076 次の【事例】に関して、
1077 後記【会話】のとおり議論している。
1078
1079 【会話】中
1080 の@からFまでの(
1081
1082 )内に後記【語句群】から適切なものを入れた場合、
1083 正しいものの組合せは、
1084
1085
1086 後記1から5までのうちどれか。
1087
1088 なお、
1089 @からFまでの(
1090
1091 )内にはそれぞれ異なるものが入る。
1092
1093
1094
1095 (解答欄は、
1096 [No.23])
1097 【事
1098
1099 例】
1100 甲は、
1101 貨物自動車を運転中、
1102 指定最高速度を超過する高速度(ただし、
1103 制御困難には至らない速
1104
1105 度)で進行した過失により、
1106 対向車両を認めてろうばいし、
1107 ハンドル操作を誤って自車を道路脇の
1108 信号柱に衝突させ、
1109 自車助手席のXを死亡させ、
1110 更に自車後部荷台に同乗していたYを死亡させた
1111 が、
1112 同後部荷台にYが乗車している事実を認識していなかった。
1113
1114
1115 【会
1116
1117 話】
1118
1119 学生A.私は、
1120 過失犯の構造に関して(@)に立ち、
1121 故意犯の議論を転用すべきと考えます。
1122
1123 そし
1124 て、
1125 乙を狙って拳銃を発射したが、
1126 その弾が丙に当たった事案の処理について、
1127 (A)に立
1128 ち、
1129 過失犯においても(B)と考え、
1130 【事例】において、
1131 Yに対する過失犯は成立すると考
1132 えます。
1133
1134
1135 学生B.私も(@)に立ちますが、
1136 Aさんの言った事案の処理は、
1137 Aさんとは異なり、
1138 (C)に立
1139 ち、
1140 過失犯においても(D)と考えます。
1141
1142 【事例】において、
1143 甲がYの存在を認識し得なか
1144 ったとすれば、
1145 Yに対する過失犯は成立しないと考えます。
1146
1147
1148 学生C.私は、
1149 過失犯の構造に関しては(E)に立ち、
1150 (F)と考えます。
1151
1152 【事例】の事故原因は、
1153
1154 指定最高速度を超過する高速度で進行した点にあるところ、
1155 甲は、
1156 速度超過という危険な状
1157 況を認識していたので、
1158 指定最高速度内にまで減速するという結果回避措置が義務付けられ、
1159
1160 Yの存在を認識していなかったとしても、
1161 同義務に違反している以上、
1162 Yに対する過失犯は
1163 成立すると考えます。
1164
1165
1166 【語句群】
1167 a.故意犯と過失犯とを異なる構造の犯罪類型として理解する見解
1168 b.故意犯と過失犯とを並行的に理解する見解
1169 c.行為者の認識した事実と現に発生した事実とが具体的に一致しない限り、
1170 故意を阻却するとの
1171 見解
1172 d.行為者の認識した事実と現に発生した事実とが構成要件的に一致する限り、
1173 故意を阻却しない
1174 との見解
1175 e.特定の人に対する死傷結果について予見可能性が要求される
1176 f.「およそ人」に対する死傷結果の予見可能性で足りる
1177 g.予見可能性は結果回避義務の前提であり、
1178 結果発生の原因となる事実の認識ないし認識可能性
1179 があれば、
1180 結果回避措置を義務付けてよい
1181 1.@a
1182
1183 De
1184
1185 2.@b
1186
1187 Fg
1188
1189 3.Ad
1190
1191 Be
1192
1193 4.Bf
1194
1195 Dg
1196
1197 5.Cc
1198
1199 Eb
1200
1201 - 10 -
1202
1203 〔第13問〕(配点:3)
1204 次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
1205 正しいものを2個選びなさい。
1206
1207
1208 (解答欄は、
1209 [No.24]、
1210 [No.25]順不同)
1211 1.甲は、
1212 繁華街の通行人の面前で酒に酔い潰れて同意しない意思を表明することが困難な状態
1213 となっているAの衣類をぎ取り全裸にした。
1214
1215 この場合、
1216 甲に不同意わいせつ罪が成立するが、
1217
1218 公然わいせつ罪は成立しない。
1219
1220
1221 2.甲は、
1222 人通りの多い路上で自己の性器を露出させたが、
1223 通行人は誰もそれに気付かなかった。
1224
1225
1226 この場合、
1227 甲に公然わいせつ罪は成立しない。
1228
1229
1230 3.甲は、
1231 わいせつな動画が収録されたDVDのレンタル業者乙に対し、
1232 同DVDを借りたい旨
1233 申し込み、
1234 乙から同DVDを借り受けた。
1235
1236 この場合、
1237 甲にわいせつ電磁的記録記録媒体頒布罪
1238 の教唆犯は成立しない。
1239
1240
1241 4.動画配信サイトを運営していた甲は、
1242 同サイト上でわいせつな動画を不特定多数の者に閲覧
1243 させて利益を得ようと考え、
1244 わいせつな動画の投稿者を広く勧誘し、
1245 その勧誘を受けた乙が同
1246 サイトにわいせつな動画を投稿して不特定多数の者が認識できる状態にした。
1247
1248 この場合、
1249 上記
1250 サイトを運営していた甲は、
1251 わいせつな動画を自ら投稿しておらず、
1252 甲にわいせつ電磁的記録
1253 記録媒体陳列罪の共同正犯が成立することはない。
1254
1255
1256 5.甲は、
1257 インターネットを介した不特定多数の者に対するわいせつな動画の販売業を始めたが、
1258
1259 その購入を申し込んできた客は一人のみであった。
1260
1261 甲は、
1262 その客のパーソナルコンピュータに
1263 対し、
1264 インターネットを介してわいせつな動画データを送信し、
1265 同コンピュータに同データを
1266 受信させて保存させた。
1267
1268 この場合、
1269 甲にわいせつ電磁的記録等送信頒布罪が成立する。
1270
1271
1272 〔第14問〕(配点:2)
1273 秘密を侵す罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
1274 正しいも
1275 のはどれか。
1276
1277 (解答欄は、
1278 [No.26])
1279 1.信書開封罪は、
1280 信書に記載された人の秘密を保護法益とするため、
1281 正当な理由なく、
1282 封をし
1283 てある信書を開けたとしても、
1284 信書の内容を確認しなかった場合には成立しない。
1285
1286
1287 2.秘密漏示罪は、
1288 医師や弁護士など人の秘密を知りやすい職にある者を主体とする犯罪であり、
1289
1290 かつて同職にあったが、
1291 既に同職にない者については、
1292 同罪の主体とはならない。
1293
1294
1295 3.秘密漏示罪の「人の秘密」には、
1296 精神科の医師が医学的判断を内容とする精神鑑定を行う過
1297 程で知った鑑定対象者本人の秘密は含まれるが、
1298 同過程で知った同人以外の者の秘密は含まれ
1299 ない。
1300
1301
1302 4.弁護士が、
1303 正当な理由なく、
1304 業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたと
1305 きには秘密漏示罪が成立するが、
1306 弁護士が業務とは無関係に偶然知った人の秘密を漏らしたと
1307 しても、
1308 同罪は成立しない。
1309
1310
1311 5.弁護士が、
1312 正当な理由なく、
1313 業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を特定かつ少
1314 数の人に漏らした場合、
1315 その者らを通じて不特定又は多数の人へと秘密が漏れなければ、
1316 秘密
1317 漏示罪は成立しない。
1318
1319
1320
1321 - 11 -
1322
1323 〔第15問〕(配点:2)
1324 学生A及びBは、
1325 次の【事例】に関して、
1326 後記【会話】のとおり議論している。
1327
1328 【会話】中の@
1329 からEまでの(
1330
1331 )内に後記【語句群】から適切なものを入れた場合、
1332 正しいものの組合せは、
1333 後
1334
1335 記1から5までのうちどれか。
1336
1337 なお、
1338 @からEまでの(
1339
1340 )内にはそれぞれ異なるものが入る。
1341
1342
1343
1344 (解答欄は、
1345 [No.27])
1346 【事
1347
1348 例】
1349 甲は、
1350 路上において、
1351 Vの頭部に暴行を加えた(第1暴行)。
1352
1353 その直後、
1354 偶然その場を通り掛
1355
1356 かった乙は、
1357 甲と共謀することなく、
1358 Vの頭部に暴行を加えた(第2暴行)。
1359
1360 Vは、
1361 急性硬膜下
1362 血腫の傷害を負い、
1363 同傷害に基づき死亡した。
1364
1365 第1暴行と第2暴行は、
1366 そのいずれもが上記傷害
1367 を生じさせることが可能なものであったが、
1368 同傷害がいずれの暴行によって生じたのかは不明で
1369 あった。
1370
1371 なお、
1372 第2暴行は、
1373 少なくとも上記傷害を更に悪化させたものであり、
1374 死亡との間の因
1375 果関係は肯定できる。
1376
1377
1378 【会
1379
1380 話】
1381
1382 学生A.この【事例】では、
1383 刑法第207条の適用の可否が問題となりますが、
1384 私は、
1385 第2暴行
1386 とVの死亡との間に因果関係が認められ、
1387 (@)ので、
1388 同条を適用することが(A)と考
1389 えます。
1390
1391
1392 学生B.Aさんの見解に対しては、
1393 (B)との批判がありますね。
1394
1395 私は、
1396 判例と同様に、
1397 第1暴
1398 行及び第2暴行がそれぞれ(C)を有するものであること及び各暴行が(D)ことといっ
1399 た事実関係が証明された以上、
1400 Aさんと異なり、
1401 同条を適用することが(E)と考えます。
1402
1403
1404 【語句群】
1405 a.死亡させた結果について責任を負うべき者がいなくなる不都合を回避するための特例である
1406 刑法第207条を適用する前提が欠ける
1407 b.因果的影響を与えていない結果についてまで責任を負わせることになる
1408 c.暴行と実際に発生した傷害との因果関係について検討しないで、
1409 直ちに死亡との因果関係を
1410 問題にしている点で、
1411 暴行と傷害との因果関係が不明であることを要件とする刑法第207条
1412 の規定内容に反する
1413 d.できない
1414
1415 e.できる
1416
1417 f.上記傷害を生じさせ得る危険性
1418
1419 g.死亡結果を生じさせ得る危険性
1420
1421 h.黙示の意思連絡があって行われた
1422 i.外形的には共同実行に等しいと評価できるような状況で行われた
1423 1.@a
1424
1425 Bc
1426
1427 Dh
1428
1429 2.@b
1430
1431 Ba
1432
1433 Ee
1434
1435 3.Ad
1436
1437 Cf
1438
1439 Di
1440
1441 4.Ae
1442
1443 Di
1444
1445 Ed
1446
1447 5.Bc
1448
1449 Cg
1450
1451 Ed
1452
1453 - 12 -
1454
1455 〔第16問〕(配点:2)
1456 学生A及びBは、
1457 次の【事例】に関して、
1458 後記【会話】のとおり議論している。
1459
1460 学生A及びBが
1461 後記【会話】の後も議論を続けた場合、
1462 後記1から5までの各【発言】のうち、
1463 学生Aの発言であ
1464 ると考えられるものを選びなさい。
1465
1466 (解答欄は、
1467 [No.28])
1468 【事
1469
1470 例】
1471 甲は、
1472 酒の力を借りて妻Vを殺害しようと決意し、
1473 心神喪失状態に陥る可能性があることを認
1474
1475 識しながら、
1476 自宅において手元に包丁を用意して大量に飲酒し、
1477 その結果、
1478 心神喪失状態に陥り、
1479
1480 計画どおり同包丁でVを刺突して殺害した。
1481
1482
1483 【会
1484
1485 話】
1486
1487 学生A.私は、
1488 【事例】について飲酒行為を実行行為と捉え、
1489 甲に殺人罪が成立し、
1490 完全な刑事
1491 責任を問うことができると考えます。
1492
1493
1494 学生B.私も、
1495 【事例】の甲に殺人罪が成立し、
1496 完全な刑事責任を問うことができると考えます
1497 が、
1498 Aさんの見解とは異なり、
1499 刺突行為を実行行為と捉えます。
1500
1501
1502 【発
1503
1504 言】
1505
1506 1.あなたの見解によると、
1507 結果発生の危険との関連性が希薄な行為を実行行為と捉えることに
1508 なってしまいませんか。
1509
1510
1511 2.私は、
1512 実行行為が完全な責任能力のある原因行為時における意思決定の実現であるといえれ
1513 ば、
1514 完全な刑事責任を問うことは可能であると考え、
1515 実行行為の時点で責任能力が存在するこ
1516 とは必要ないと考えます。
1517
1518
1519 3.あなたの見解は、
1520 【事例】の甲は責任能力のない自己を道具のように利用して殺人を実行し
1521 たと考えるのですね。
1522
1523
1524 4.あなたの見解によると、
1525 仮に【事例】の甲が飲酒して眠り込んでしまい、
1526 刺突行為を全く行
1527 わなかったとしても、
1528 殺人未遂罪が成立し得ることになりますが、
1529 それは不当ではないですか。
1530
1531
1532 5.私の見解によれば、
1533 実行行為の時点で責任能力が存在しなければならないとしつつ、
1534 【事
1535 例】の甲の可罰性を説明できます。
1536
1537
1538
1539 - 13 -
1540
1541 〔第17問〕(配点:2)
1542 刑法第109条第2項及び同法第110条の「公共の危険」に関して、
1543 学生A及びBが次の【会
1544 話】のとおり議論している。
1545
1546 【会話】中の@からFまでの(
1547
1548 )内から適切なものを選んだ場合、
1549
1550
1551 正しいものの組合せは、
1552 後記1から5までのうちどれか。
1553
1554 (解答欄は、
1555 [No.29])
1556 【会
1557
1558 話】
1559
1560 学生A.刑法第109条第2項及び同法第110条の「公共の危険」の内容について、
1561 どう考え
1562 ますか。
1563
1564
1565 学生B.私は、
1566 「公共の危険」は、
1567 @(a.刑法第108条又は同法第109条第1項に定める
1568 物件への延焼の危険・b.刑法第108条又は同法第109条第1項に定める物件への延
1569 焼の危険に限らず、
1570 不特定又は多数の人の生命、
1571 身体又は財産に対する危険)をいうと考
1572 えます。
1573
1574 このように考えれば、
1575 刑法第111条第1項が、
1576 同法第109条第2項及び同法
1577 第110条第2項の結果的加重犯として同法第108条又は同法第109条第1項に定め
1578 る物件への延焼を処罰していることと符合すると考えます。
1579
1580
1581 学生A.この点についてのBさんの考えは、
1582 判例と同じですか。
1583
1584
1585 学生B.私は、
1586 判例にA(c.賛成・d.反対)する立場です。
1587
1588 ところで、
1589 Aさんは、
1590 「公共の
1591 危険」の認識が必要かどうかは、
1592 どう考えますか。
1593
1594
1595 学生A.私は、
1596 刑法第109条第2項の「公共の危険」の発生をB(e.構成要件的状況・f.
1597 客観的処罰条件)と解し、
1598 同法第110条の「公共の危険」の発生をC(g.違法性を基
1599 礎付ける要素・h.結果的加重犯の加重的結果)と解しますので、
1600 「公共の危険」の認識
1601 をD(i.必要・j.不要)と考えます。
1602
1603
1604 学生B.そうでしょうか。
1605
1606 私は、
1607 自己所有物の焼損は本来違法行為ではなく、
1608 「公共の危険」の
1609 発生によって初めて犯罪となると考えるので、
1610 Aさんの見解に反対です。
1611
1612 それに、
1613 Aさん
1614 の見解では、
1615 E(k.「公共の危険」の認識と、
1616 刑法第108条又は同法第109条第1
1617 項に定める物件への延焼の危険の認識との区別が困難となる・l.刑法第110条第1項
1618 の客体の焼損の認識のみでは器物損壊罪の責任しか基礎付けられない)のではありません
1619 か。
1620
1621 この点、
1622 判例はどのような立場を採っていますか。
1623
1624
1625 学生A.判例は、
1626 刑法第110条第1項の「公共の危険」の認識をF(m.必要・n.不要)と
1627 していますね。
1628
1629
1630 1.@a
1631
1632 Ad
1633
1634 Dj
1635
1636 El
1637
1638 2.@b
1639
1640 Be
1641
1642 Cg
1643
1644 Ek
1645
1646 3.Ac
1647
1648 Ch
1649
1650 Dj
1651
1652 Fm
1653
1654 4.Ad
1655
1656 Bf
1657
1658 Ek
1659
1660 Fn
1661
1662 5.Bf
1663
1664 Ch
1665
1666 Dj
1667
1668 Fm
1669
1670 - 14 -
1671
1672 〔第18問〕(配点:2)
1673 次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、
1674 正しいものの組合せは、
1675 後記1
1676 から5までのうちどれか。
1677
1678 (解答欄は、
1679 [No.30])
1680 ア.甲は、
1681 恐喝事件の被疑者としてAに逮捕状が発せられていると知りながら、
1682 Aが犯人ではな
1683 いと信じてAを自宅にかくまったが、
1684 その後、
1685 Aが逮捕され、
1686 Aに対する有罪判決が確定した。
1687
1688
1689 この場合、
1690 Aが犯人蔵匿罪の「罪を犯した者」ではないと甲が誤信していたから、
1691 甲に同罪は
1692 成立しない。
1693
1694
1695 イ.甲は、
1696 Aが窃盗事件の犯人であると知りながら、
1697 甲が所有する船舶にAを乗船させてかくま
1698 った。
1699
1700 この場合、
1701 甲が窃盗罪の法定刑が罰金以上の刑であることを認識していなくても、
1702 甲に
1703 犯人蔵匿罪が成立する。
1704
1705
1706 ウ.甲は、
1707 Aを被疑者とする覚醒剤取締法違反事件の参考人として警察官の取調べを受け、
1708 真実
1709 はAが覚醒剤を所持したことがなかったのに、
1710 それを警察官に隠してAが覚醒剤を所持してい
1711 たとの虚偽の内容の供述をして、
1712 それを信じた警察官に同内容の供述調書を作成させ、
1713 同調書
1714 に署名押印した。
1715
1716 この場合、
1717 甲が虚偽の供述調書を作成させた以上、
1718 甲に証拠偽造罪が成立す
1719 る。
1720
1721
1722 エ.甲は、
1723 Aを被疑者とする殺人未遂事件につき、
1724 Bが必要な知識を有する参考人として警察官
1725 の取調べを受ける可能性があることを察知し、
1726 知人宅にBをかくまった。
1727
1728 この場合、
1729 Bが捜査
1730 段階における参考人であったとしても、
1731 甲に証拠隠滅罪が成立する。
1732
1733
1734 オ.甲は、
1735 Aを被告人とする恐喝事件の公判に証人として出廷したBの証言後、
1736 Bに対し、
1737 同公
1738 判係属中、
1739 同証言をしたことに対して報復する旨の脅迫文言を記載した文書を郵送して閲読さ
1740 せた。
1741
1742 この場合、
1743 Bが証言を終えているから、
1744 甲に証人威迫罪は成立しない。
1745
1746
1747 1.ア
1748
1749 ウ
1750
1751 2.ア
1752
1753 オ
1754
1755 3.イ
1756
1757 ウ
1758
1759 4.イ
1760
1761 エ
1762
1763 5.エ
1764
1765 オ
1766
1767 〔第19問〕(配点:2)
1768 公務員が一般的職務権限を異にする他の公務に転じた後、
1769 前の公務に関して賄賂を収受した事案
1770 に関する次の各【見解】についての後記アからオまでの各【記述】のうち、
1771 誤っているものの組合
1772 せは、
1773 後記1から5までのうちどれか。
1774
1775 (解答欄は、
1776 [No.31])
1777 【見
1778
1779 解】
1780
1781 A説:単純収賄罪(刑法第197条第1項前段)、
1782 受託収賄罪(同項後段)又は加重収賄罪(同
1783 法第197条の3第2項)のいずれかが成立し得るとする見解
1784 B説:事後収賄罪(刑法第197条の3第3項)のみが成立し得るとする見解
1785 【記
1786
1787 述】
1788
1789 ア.A説の立場からは、
1790 単純収賄罪における「その職務」について「現在担当している一般的職
1791 務権限内の職務」と狭く解釈することになる。
1792
1793
1794 イ.B説の立場からは、
1795 事後収賄罪における「公務員であった者」には、
1796 前の公務との関係で一
1797 般的職務権限を喪失した後の公務員も含むと解釈することになる。
1798
1799
1800 ウ.A説の立場からは、
1801 公務員が退職して民間企業に就職した後に前の公務に関して賄賂を収受
1802 した場合、
1803 事後収賄罪ではなく、
1804 単純収賄罪、
1805 受託収賄罪及び加重収賄罪のいずれかが成立し
1806 得ることになる。
1807
1808
1809 エ.B説に対しては、
1810 賄賂の収受の時期を遅らせて他の公務に転じた後に賄賂を収受すれば、
1811 請
1812 託や職務違反行為がない限り不可罰となってしまい、
1813 不合理であるとの批判がある。
1814
1815
1816 オ.A説に対しては、
1817 賄賂が公務員の担当する「その職務」に関するものでなければならないと
1818 している刑法の趣旨をゆがめるものであるとの批判がある。
1819
1820
1821 1.ア
1822
1823 ウ
1824
1825 2.ア
1826
1827 オ
1828
1829 3.イ
1830
1831 ウ
1832
1833 4.イ
1834
1835 - 15 -
1836
1837 エ
1838
1839 5.エ
1840
1841 オ
1842
1843 〔第20問〕(配点:4)
1844 次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し、
1845 正しい場合
1846 には1を、
1847 誤っている場合には2を選びなさい。
1848
1849 (解答欄は、
1850 アからオの順に[No.32]から[No.
1851 36])
1852 【事
1853
1854 例】
1855 保険会社の従業員である甲は、
1856 顧客Aが独りで住んでいる一戸建て家屋に多額の現金が保管さ
1857
1858 れていることを知り、
1859 Aを殺害した上で同現金を手に入れようと計画した。
1860
1861 甲は、
1862 その計画に従
1863 い、
1864 某月1日午後4時頃、
1865 Aを戸外に連れ出し、
1866 麻酔薬を吸引させて気絶させた上、
1867 自動車の後
1868 部座席にAを押し込み、
1869 同車を運転してAを山奥まで運んだ。
1870
1871 さらに、
1872 甲は、
1873 同日午後6時頃、
1874
1875 気絶していたAを車外に引っ張り出した上、
1876 自殺に見せ掛けるため、
1877 大木の枝に縛り付けた縄で
1878 Aの頸部をくくり、
1879 そのままAをつり下げて窒息死させた。
1880
1881 甲は、
1882 Aが持っていたA方の鍵を入
1883 手した上で、
1884 その場にAの死体を放置して上記自動車を運転してA方に向かった。
1885
1886 甲は、
1887 同日午
1888 後8時50分頃、
1889 上記鍵を使用してA方内に立ち入り、
1890 同所に保管されていた現金500万円を
1891 自己のかばんに入れて上記計画を完遂した。
1892
1893
1894 甲は、
1895 A方を燃やして犯行を隠蔽しようと考え、
1896 同日午後9時頃、
1897 A方居室の畳に火を放って
1898 A方を出た。
1899
1900 その直後、
1901 付近住民が異変に気付いてA方内に立ち入り、
1902 上記畳を取り外して屋外
1903 に投げ捨てたため、
1904 同畳以外は焼損しなかった。
1905
1906
1907 甲は、
1908 同月5日、
1909 逮捕され、
1910 その後の弁解録取手続において、
1911 自暴自棄になり、
1912 警察官Bが甲
1913 の弁解を記載した弁解録取書を手で破り捨てた。
1914
1915
1916 Aには死亡事故を起こしたことによる前科があり、
1917 乙は、
1918 かつてAから同前科があることを聞
1919 いていた。
1920
1921 乙は、
1922 Aが死亡したことを知り、
1923 同月7日、
1924 インターネットの掲示板に「Aは、
1925 事故
1926 を起こして人を死なせた前科がある。
1927
1928 」と書き込み、
1929 インターネットを利用する不特定多数の者
1930 が閲覧可能な状態にした。
1931
1932
1933 【記
1934
1935 述】
1936
1937 ア.甲がAを殺害してA方で現金500万円を手に入れた行為について、
1938 甲の計画を踏まえて甲
1939 の行為を全体的に考察すれば、
1940 生前のAの財物に対する占有を侵害しているから、
1941 甲に殺人罪
1942 及び窃盗罪が成立し、
1943 強盗殺人罪は成立しない。
1944
1945 [No.32]
1946 イ.甲がAを殺した後にその場にAの死体を放置した行為について、
1947 甲にはAの葬祭義務がない
1948 ものの、
1949 甲がAを殺した犯人である以上、
1950 甲に不作為による死体遺棄罪が成立する。
1951
1952 [No.33]
1953 ウ.甲が焼損させたA方居室の畳は建造物の付属物であるから、
1954 甲が同畳を焼損させた行為につ
1955 いて、
1956 甲に非現住建造物等放火既遂罪が成立する。
1957
1958 [No.34]
1959 エ.甲が弁解録取書を手で破り捨てた行為について、
1960 同弁解録取書に甲及びBの署名押印がなか
1961 ったとしても、
1962 甲に公用文書毀棄罪が成立する。
1963
1964 [No.35]
1965 オ.乙がインターネットの掲示板に書き込んだ行為について、
1966 乙が摘示した事実が真実であった
1967 としても、
1968 乙に名誉毀損罪が成立する。
1969
1970 [No.36]
1971
1972 - 16 -
1973
1974