1 論文式試験問題集[公法系科目第1問]
2
3 - 1 -
4
5 [公法系科目]
6 〔第1問〕(配点:100)
7 我が国におけるペット、
8 取り分け、
9 犬又は猫(以下「犬猫」という。
10
11 )の関連総市場規模は拡大
12 傾向にあり、
13 ペットの種類が多様化する中、
14 犬猫の飼養頭数割合は相対的に高いままで推移してい
15 る。
16
17 他方で、
18 販売業者が、
19 売れ残った犬猫を遺棄したり、
20 安易に買取業者に引き渡し、
21 結果として、
22
23 犬猫が殺され山野に大量廃棄されたりしたことが大きな社会問題となった。
24
25 また、
26 飼い主が、
27 十分
28 な準備と覚悟のないまま犬猫を安易に購入した後、
29 想定以上の手間、
30 引っ越し、
31 犬猫への興味の喪
32 失等を理由に犬猫を遺棄することも大きな社会問題となった。
33
34 さらに、
35 各地方公共団体は、
36 飼い主
37 不明や飼養不可能になった犬猫を引き取り、
38 一定期間経過後に殺処分としているが、
39 それについて
40 も命を軽視しているとの批判が大きくなった。
41
42
43 20**年、
44 A省では、
45 犬猫の殺処分を禁止し、
46 現在行われている民間団体での無償譲渡活動と
47 地方公共団体での犬猫の引取りを統合した無償譲渡の仕組みを全国的に整えることが検討されてい
48 る。
49
50 具体的には、
51 飼い主が飼養できなくなった犬猫を保護する「犬猫シェルター」を制度化すると
52 いうものである。
53
54 これにより、
55 保護された犬猫は飼養を希望する者に無償譲渡され、
56 譲渡先の見つ
57 からなかった犬猫は、
58 犬猫シェルターで終生飼養されることとなる。
59
60 犬猫シェルターの設置・運営
61 は民間団体が行い、
62 各地方公共団体は必要な経費の一部を公費で助成する。
63
64 もっとも、
65 犬猫シェル
66 ターが制度化され、
67 殺処分がなくなると、
68 飼養できなくなった犬猫を手放す飼い主の心理的ハード
69 ルが下がる結果、
70 犬猫シェルターに持ち込まれる犬猫の頭数が収容能力を大幅に超えることが懸念
71 されている。
72
73
74 このような背景から、
75 飼い主や販売業者による犬猫の遺棄や、
76 犬猫シェルターへの持込みの増加
77 という問題への対応は、
78 飼い主個人の意識改革だけでは限界があり、
79 犬猫の販売については、
80 販売
81 業者を各地方公共団体に登録させる現行制度を改めるなど、
82 規制全体を見直す必要があるとの声が
83 国会議員の間で上がった。
84
85 そこで、
86 A省による犬猫シェルターの制度の検討と並行して、
87 超党派の
88 国会議員は、
89 「犬猫の販売業の適正化等に関する法律(仮称)」(以下「本件法案」という。
90
91 )の
92 制定を目指す議員連盟(以下「議連」という。
93
94 )を発足させた。
95
96
97 【別添資料】は、
98 議連で検討されている本件法案の骨子である。
99
100 特に問題になっているのは、
101 本
102 件法案骨子の第2と第4に挙げられた免許制の導入及び広告規制の実施であり、
103 その内容は、
104 次の
105 とおりである。
106
107
108 規制@
109
110 犬猫の販売業を営もうとする者は、
111 販売場ごとに、
112 その販売場の所在地の都道府県知事か
113 ら犬猫の販売業を営む免許(以下「犬猫販売業免許」という。
114
115 )を受けなければならない。
116
117
118 犬猫販売業免許の申請に対して、
119 都道府県知事は、
120 販売場ごとに犬猫飼養施設(犬猫の飼
121 養及び保管のための施設をいう。
122
123 )に関する要件が満たされているかどうかを審査する。
124
125
126 加えて、
127 都道府県知事は、
128 当該都道府県内の需給均衡及び犬猫シェルター収容能力を考慮
129 し、
130 犬猫販売業免許の交付の許否を判断する。
131
132
133
134 規制A
135
136 犬猫販売業免許を受けた者(以下「犬猫販売業者」という。
137
138 )は、
139 犬猫の販売に関して広
140 告するときは、
141 犬猫のイラスト、
142 写真及び動画を用いてはならない。
143
144
145
146 議連の担当者Xは、
147 本件法案について、
148 法律家甲に相談した。
149
150 その際の甲とXとのやり取りは、
151
152 以下のとおりであった。
153
154
155 甲:本件法案は有償での犬猫の販売業についての規制ということですが、
156 規制@及び規制Aが必要
157 と判断された背景には、
158 犬猫が飼い主や販売業者によって遺棄されている現状や、
159 犬猫シェルタ
160 ーへ持込みが増加する懸念があったということですね。
161
162
163 X:はい。
164
165 本件法案は、
166 犬猫の適正な取扱いのための犬猫飼養施設に対する規制にとどまらず、
167 更
168 に一歩踏み込んでいます。
169
170 本件法案は、
171 甲さんの挙げたそれらの問題が、
172 供給過剰による売れ残
173
174 - 2 -
175
176 りや、
177 売れ残りを減らそうとする無理な販売により生じているという認識に基づいています。
178
179 そ
180 こで、
181 犬猫の販売業を免許制にして、
182 犬猫の供給が過剰にならないように、
183 犬猫の需給均衡の観
184 点から免許発行数を限定することが必要だと判断しました。
185
186 また、
187 犬猫シェルターの収容能力に
188 応じて、
189 免許発行数を調整することも必要だと判断しました。
190
191 それに加えて、
192 購買意欲を著しく
193 刺激し安易な購入につながるので、
194 広告規制も必要だとの結論になりました。
195
196
197 甲:ということは、
198 本件法案の目的は、
199 犬猫の販売業の経営安定でも、
200 犬猫由来の感染症等による
201 健康被害の防止でもないのですね。
202
203
204 X:はい。
205
206 そのいずれでもありません。
207
208 本件法案は、
209 ペット全体についての動物取扱業や飼い主等
210 に関する規制等を定めた「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下「動物愛護管理法」とい
211 う。
212
213 )の特別法です。
214
215 動物愛護管理法の目的は「人と動物の共生する社会の実現」であり、
216 本件
217 法案も、
218 その目的を共有しています。
219
220
221 甲:規制@で満たさなければならない要件のうち、
222 まず、
223 犬猫飼養施設に関する要件は、
224 どのよう
225 なものですか。
226
227
228 X:犬猫の販売業を営もうとする者は、
229 犬猫販売業免許の申請の前提として、
230 販売場ごとに、
231 犬猫
232 の販売頭数に応じた犬猫飼養施設を設けることが必要です。
233
234 各犬猫飼養施設につき、
235 犬猫の体長
236 ・体高に合わせたケージ(檻)や運動スペースについての基準及び照明・温度設定についての基
237 準がそれぞれ満たされる必要があります。
238
239 飼養施設に関する基準は動物愛護管理法上の販売業者
240 の登録制においても存在しますが、
241 諸外国の制度や専門家の意見を踏まえて、
242 現行の基準より厳
243 しくなっています。
244
245
246 甲:ということは、
247 それは国際的に認められている基準の範囲内ということですね。
248
249
250 X:はい、
251 そのように考えています。
252
253
254 甲:さらに、
255 犬猫販売業免許の交付に当たっては犬猫の需給均衡も要件とするのですね。
256
257
258 X:はい。
259
260 需給均衡の要件については、
261 都道府県ごとの人口に対する犬猫の飼育頭数の割合や犬猫
262 の取引量等を考慮して各都道府県が基準を定める予定です。
263
264
265 甲:需給均衡の要件に対しては、
266 規制すべきなのは、
267 売れ残ること自体ではなく、
268 売れ残った犬猫
269 を適切に扱わないことであるという意見もあると思いますが、
270 いかがですか。
271
272
273 X:確かに、
274 そうかもしれません。
275
276 ですが、
277 日本では生後2、
278 3か月の子犬や子猫の人気が高く、
279
280 体の大きさがほぼ成体と同じになる生後6か月を過ぎると値引きしても売れなくなるといわれて
281 います。
282
283 したがって、
284 犬猫の供給が過剰になり、
285 売れ残りが出ること自体を抑制すべきと判断し
286 ました。
287
288
289 甲:さらに、
290 都道府県知事は、
291 犬猫シェルターの収容能力も犬猫販売業免許の交付に際して考慮す
292 るとのことですが、
293 犬猫シェルターは、
294 これまでの地方公共団体による犬猫の引取りと同様に、
295
296 犬猫販売業者からの引取りを拒否できると規定する予定なのですよね。
297
298 犬猫販売業者は、
299 売れ残
300 った犬猫については終生飼養するか、
301 自己に代わりそれを行う者を、
302 責任を持って探すことにな
303 りますね。
304
305 そうすると、
306 飼い主による持込みの増加が仮に起こるとしても、
307 それは、
308 直接は犬猫
309 販売業者のせいではないという意見もあると思います。
310
311 この点はいかがですか。
312
313
314 X:確かにそうかもしれません。
315
316 しかし、
317 問題はそれだけでは解決しません。
318
319 売れ残りを減らそう
320 とする犬猫販売業者による無理な販売も、
321 飼い主による犬猫シェルター持込み増加の要因となる
322 と認識しています。
323
324 また、
325 犬猫シェルターを適正に運営するために、
326 犬猫シェルターで収容する
327 頭数が、
328 地方公共団体や民間団体で現在引き取っている頭数を超えないようにするための方策を
329 検討してほしいとの要望が多くの都道府県から寄せられています。
330
331 そのため、
332 犬猫シェルターの
333 収容能力も免許交付の基準として考慮することにしました。
334
335
336 甲:犬猫販売業免許の発行数を限定するとなると、
337 新規参入者だけではなく、
338 既に犬猫を販売して
339 いるペットショップにも関係しますね。
340
341
342 X:はい。
343
344 ですが、
345 規制の対象は犬猫に限られていますので、
346 それ以外の動物、
347 例えばうさぎや鳥、
348
349
350 - 3 -
351
352 観賞魚等を販売して営業を続けることは可能です。
353
354 統計資料によれば、
355 ペットとして動物を飼養
356 している者のうち、
357 犬を飼っているのは31パーセント、
358 猫については29パーセントですから、
359
360 やはり犬や猫の割合は多いといえます。
361
362 ただし、
363 犬猫以外の多種多様なペットを飼う人も増加傾
364 向にあり、
365 現在その割合が50パーセント近くになっています。
366
367 犬猫販売業免許を取得できなか
368 ったとしても、
369 ペットショップとしての営業の継続は可能だと議連では考えています。
370
371
372 甲:規制Aの内容はどのようなものですか。
373
374
375 X:犬猫の販売に関しては、
376 犬猫のイラストや写真、
377 動画を用いての広告を行うことができません。
378
379
380 愛らしい犬猫の姿態を広告に用いることが安易な購入につながっているとの認識から、
381 広告規制
382 が必要であると判断しました。
383
384 近年ではインターネット広告が増加していますので、
385 ウェブサイ
386 トやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にそれらを掲載することも当然禁止されま
387 す。
388
389
390 甲:動画等の情報は、
391 直ちに問題のある情報とはいえないので、
392 これらを規制することは不要では
393 ないかという意見もあると思いますが、
394 いかがですか。
395
396
397 X:確かに、
398 そうかもしれません。
399
400 しかし、
401 広告に際して、
402 犬猫販売業者は、
403 品種、
404 月齢、
405 性別、
406
407 毛色、
408 出生地等の情報は文字情報として用いることが可能です。
409
410 品種等の文字情報に比べて、
411 イ
412 ラストや写真、
413 動画は、
414 視覚に訴える情報であり、
415 購買意欲を著しく刺激し、
416 十分な準備と覚悟
417 がないままの購入につながるので、
418 やはり規制が必要だと判断しました。
419
420 また、
421 犬猫販売業者は、
422
423 実際に販売する段階では、
424 購入希望者に対面で適正な飼養に関する情報提供を行い、
425 かつ現物を
426 確認させることが、
427 動物愛護管理法と同様に、
428 義務付けられています。
429
430
431 甲:分かりました。
432
433 憲法上の問題点については検討しましたか。
434
435
436 X:規制@及び規制Aの憲法適合性の検討はこれからですので、
437 この点について甲さんに判例を踏
438 まえたご検討をお願いしたいと考えております。
439
440
441 〔設問〕
442 あなたが検討を依頼された法律家甲であるとして、
443 規制@及び規制Aの憲法適合性について論じ
444 なさい。
445
446 なお、
447 その際には、
448 必要に応じて、
449 参考とすべき判例や自己の見解と異なる立場に言及す
450 ること。
451
452 既存業者の損失補償については、
453 論じる必要がない。
454
455
456
457 - 4 -
458
459 【別添資料】
460 犬猫の販売業の適正化等に関する法律(仮称)の骨子
461 第1
462
463 目的
464 この法律は、
465 犬猫の販売業について、
466 虐待及び遺棄の防止、
467 犬猫の適正な取扱いその他犬猫の健
468
469 康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来する
470 とともに、
471 生命尊重、
472 友愛及び平和の情操を涵養し、
473 もって人と動物の共生する社会の実現を図る
474 ことを目的とする。
475
476
477 第2
478
479 犬猫販売業免許
480 犬猫の販売業を営もうとする者は、
481 販売場ごとに、
482 その販売場の所在地の都道府県知事から犬猫
483
484 販売業免許を受けなければならない。
485
486 次の各号のいずれかに該当するときは、
487 都道府県知事は、
488 犬
489 猫販売業免許を与えないことができる。
490
491
492 1
493
494 販売場ごとに設けられた犬猫飼養施設の状況により、
495 犬猫販売業免許を与えることが適当でな
496 いと認められるとき。
497
498
499
500 2
501
502 当該都道府県内の犬猫の需給均衡の観点から、
503 犬猫販売業免許を与えることが適当でないと認
504 められるとき。
505
506
507
508 3
509
510 当該都道府県内の犬猫シェルター収容能力の観点から、
511 犬猫販売業免許を与えることが適当で
512 ないと認められるとき。
513
514
515
516 第3
517
518 販売に際しての情報提供
519 犬猫販売業者は、
520 犬猫を販売する場合には、
521 あらかじめ、
522 当該犬猫を購入しようとする者に対し、
523
524
525 販売場において、
526 対面により適正な飼養のために必要な情報を提供するとともに、
527 当該犬猫の現在
528 の状態を直接見せなければならない。
529
530
531 第4
532
533 広告の規制
534 犬猫販売業者は、
535 犬猫の販売に関して広告するときは、
536 犬猫のイラスト、
537 写真及び動画を用いて
538
539 はならない。
540
541
542 (参照条文)動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)
543 (目的)
544 第1条
545
546 この法律は、
547 動物の虐待及び遺棄の防止、
548 動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の
549
550 保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、
551 生命尊重、
552 友
553 愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、
554 動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、
555
556 身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、
557 もつて人と動物の共生する社
558 会の実現を図ることを目的とする。
559
560
561
562 - 5 -
563
564 論文式試験問題集[公法系科目第2問]
565
566 - 1 -
567
568 [公法系科目]
569 〔第2問〕(配点:100〔〔設問1〕、
570 〔設問1〕、
571 〔設問2〕の配点割合は、
572 35:35:
573 30〕)
574 Q県R市では、
575 都市再開発法(以下「法」という。
576
577 )に基づく第一種市街地再開発事業の施行が
578 目指されている。
579
580 以下では、
581 まず法に基づく【市街地再開発事業の制度の概要】を説明した上で、
582
583 【本件の事案の内容】を述べる。
584
585
586 【市街地再開発事業の制度の概要】
587 市街地再開発事業とは、
588 都市計画法上の都市計画区域内で、
589 細分化された敷地を共同化して、
590
591 いわゆる再開発ビル(法上の「施設建築物」)を建築し、
592 同時に道路や公園等の公共施設の用地
593 を生み出す事業であり、
594 原則として、
595 都市計画において市街地開発事業の種類(本件の場合は後
596 述する第一種市街地再開発事業)、
597 名称及び施行区域等が定められている場合に実施される(都
598 市計画法第12条第1項第4号・第2項)。
599
600
601 都市計画に定められた第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権
602 を有する者は、
603 5人以上共同して、
604 定款及び事業計画を定め、
605 都道府県知事の認可を受けること
606 により、
607 市街地再開発組合(以下「組合」という。
608
609 )を設立することができる(法第11条第1
610 項)。
611
612 組合は、
613 施行区域内の土地について、
614 同事業を施行することができる(法第2条の2第2
615 項)。
616
617 都市計画に定められた施行区域内の土地のうち、
618 事業計画において同事業が施行される土
619 地として定められた地区を「施行地区」といい(法第2条第3号)、
620 施行地区内の宅地について
621 所有権又は借地権を有する者の全員が、
622 強制的に組合の組合員とされる(法第20条第1項)。
623
624
625 事業計画は、
626 当該事業に関する都市計画に適合しないものであってはならない(法第17条第
627 3号)。
628
629 事業計画においては、
630 上述の施行地区のほか、
631 設計の概要、
632 事業施行期間及び資金計画
633 を定めなければならない(法第7条の11第1項)。
634
635 このうち設計の概要は、
636 設計説明書及び設
637 計図を作成して定められる。
638
639 設計説明書には、
640 再開発ビル、
641 その敷地及び公共施設の概要等が記
642 載される。
643
644 設計図は500分の1以上の縮尺で、
645 再開発ビルの各階について柱、
646 外壁、
647 廊下、
648 階
649 段及びエレベータの位置を示す平面図、
650 再開発ビルの床及び各階の天井の高さを示す断面図、
651 再
652 開発ビルの敷地についてビルの位置や主要な給排水施設の位置等を示す平面図、
653 並びに公共施設
654 の位置及び形状等を示す平面図等から成る。
655
656
657 第一種市街地再開発事業においては、
658 原則として、
659 施行地区内の宅地の所有者(以下では、
660 借
661 地権者には触れない。
662
663 )に対し、
664 それぞれの所有者が有する宅地の価額の割合に応じて、
665 再開発
666 ビルの敷地の共有持分権が与えられ、
667 当該敷地には再開発ビルを建設するために地上権が設定さ
668 れて、
669 当該敷地の共有者には、
670 地上権設定に対する補償として、
671 再開発ビルの区分所有権(従前
672 の所有権者に与えられた区分所有権に対応する再開発ビルの部分を一般に「権利床」という。
673
674 )
675 が与えられる。
676
677 事業施行前における宅地の所有権が区分所有権等に変換されたという意味で、
678 こ
679 れを「権利変換」という。
680
681 権利変換がなされた後、
682 土地の明渡しを経て実際の工事が着手される。
683
684
685 施行地区内の宅地の所有者等のうち、
686 権利変換を希望しない者は、
687 都道府県知事による組合設
688 立の認可(法第11条第1項)の公告(法第19条第1項)があった日から30日以内に、
689 権利
690 変換に代えて自己の所有する宅地の資産の価額に相当する金銭の給付を希望する旨を申し出るこ
691 とができる(法第71条第1項)。
692
693 事業計画が変更され、
694 従前の施行地区に新たな施行地区が編
695 入された場合、
696 当該変更の認可(法第38条第1項)の公告(同条第2項、
697 第19条第1項)が
698 あった日から30日以内に、
699 従前の施行地区内及び新たに編入された施行地区内のそれぞれの宅
700 地の所有者は、
701 従前の申出を撤回し、
702 又は権利変換を希望しない旨の申出をすることができる
703 (法第71条第5項)。
704
705
706 【本件の事案の内容】
707 Q県R市は、
708 その区域の全域が都市計画法上の都市計画区域に指定されている。
709
710 R市内にある
711
712 - 2 -
713
714 A駅東口地区のうち、
715 Dの所有する宅地を含む約2万平方メートルの土地の区域(以下「B地
716 区」という。
717
718 )について、
719 組合施行による第一種市街地再開発事業(以下「本件事業」とい
720 う。
721
722 )の実施が目指された。
723
724 R市は、
725 平成27年中に、
726 B地区を施行区域とする第一種市街地再
727 開発事業に関する都市計画を決定した。
728
729 B地区内の宅地の所有者らは、
730 これによりB地区市街地
731 再開発組合(以下「B地区組合」という。
732
733 )の定款及び事業計画を定め、
734 平成28年3月1日、
735
736 Q県知事から組合設立認可(以下「平成28年認可」という。
737
738 )を受け、
739 B地区組合が設立され
740 た。
741
742 同日、
743 Q県知事は、
744 本件事業の施行地区等を公告した(法第19条第1項)。
745
746
747 その後、
748 本件事業が停滞している中、
749 令和4年になって、
750 R市は、
751 B地区から見て河川を越え
752 た対岸にある約2千平方メートルの空き地(以下「C地区」という。
753
754 )を施行区域に編入するた
755 めに、
756 上記平成27年に決定された都市計画を変更した(以下「本件都市計画変更」という。
757
758 )。
759
760
761 本件都市計画変更に際しては、
762 B地区内の宅地の所有者としてB地区組合の組合員であり、
763 かつ、
764
765 C地区内の宅地を全て所有するEが、
766 R市長やB地区組合の理事らに対し、
767 C地区を本件事業の
768 施行地区に編入するよう働き掛けを行っていた。
769
770 C地区は河川沿いの細長い形状の空き地であり、
771
772 地区周辺の人通りも少なかった。
773
774 また、
775 C地区については、
776 その周辺からB地区側へ橋が架かっ
777 ていないためにB地区側からの人の流入も期待できず、
778 A駅方面へ行くにはかなりの遠回りをし
779 なければならないという状況であった。
780
781 そのため、
782 EはC地区の土地の活用に長年苦慮していた。
783
784
785 本件都市計画変更を受けて、
786 B地区組合は、
787 平成28年認可に係る事業計画を変更すべく、
788 Q
789 県知事に対し、
790 C地区を本件事業の施行地区に編入して公共施設である公園とする一方で、
791 設計
792 の概要のうち当該公園を新設すること以外は変更しないという内容で、
793 事業計画の変更の認可を
794 申請した(法第38条第1項)。
795
796 Q県の担当部局は、
797 この事業計画の変更が「軽微な変更」(同
798 条第2項括弧書き)に当たると判断したため、
799 Q県知事はR市長に事業計画の縦覧及び意見書提
800 出手続(法第16条)を実施させなかった。
801
802 令和5年3月6日、
803 Q県知事は、
804 B地区組合の申請
805 のとおりに事業計画の変更を認可し(以下「本件事業計画変更認可」という。
806
807 )、
808 同認可に係る
809 施行地区等を公告した(法第38条第2項、
810 第19条第1項)。
811
812
813 Dは、
814 C地区がB地区と何ら一体性を持たず、
815 また、
816 空き地のまま放置されているにもかかわ
817 らず、
818 突如として本件事業の施行地区に編入されたことに不審を覚えたが、
819 この段階では、
820 本件
821 事業計画変更認可によっても自分に割り当てられる権利床の面積には影響がないと誤解していた
822 こともあり、
823 争訟の提起等は考えなかった。
824
825
826 同年9月上旬、
827 権利変換計画の公告縦覧手続が行われ(法第83条第1項)、
828 Eが多くの権利
829 床を取得することが明らかになった。
830
831 Dは、
832 本件事業にとって無益と思われるC地区の編入によ
833 り、
834 権利床に変換されるべき宅地の総面積が増加した結果、
835 自己が本来取得できたはずであった
836 権利床が減少したことを知り、
837 かかる事態を生じさせた本件事業計画変更認可に不満を持つに至
838 った。
839
840
841 同年10月10日、
842 Q県知事は、
843 本件事業計画変更認可に係る施行地区について権利変換計画
844 を認可した(法第72条第1項)。
845
846 同日、
847 B地区組合は同認可を受けた旨を公告し、
848 Dを含めた
849 組合員に関係事項を書面で通知することで(法第86条第1項)、
850 権利変換に関する処分を行っ
851 た(同条第2項。
852
853 以下、
854 この処分を「本件権利変換処分」という。
855
856 )。
857
858 これに対し、
859 Dは、
860 令和
861 6年4月7日、
862 B地区組合を被告として、
863 本件権利変換処分の取消訴訟(以下「本件取消訴訟」
864 という。
865
866 )を提起した。
867
868
869 以上の事案について、
870 R市に隣接するS市の職員は、
871 S市でも法に基づく第一種市街地再開発事
872 業の実施を検討中であることから、
873 関係職員間で法的問題を検討することとした。
874
875
876 以下に示された【S市都市計画課の会議録】を踏まえて、
877 都市計画課長からの相談と検討依頼を
878 受けた法制課訟務係長(弁護士)の立場に立って、
879 設問に答えなさい。
880
881
882 なお、
883 関係法令の抜粋を【資料
884
885 関係法令】に掲げてあるので、
886 適宜参照しなさい。
887
888
889
890 - 3 -
891
892 〔設問1〕
893
894
895 本件事業計画変更認可が取消訴訟の対象となる処分に当たることの論拠について、
896 同認可が施
897 行地区内の宅地の所有者等の権利義務又は法的地位に対して有する法的効果の内容を明らかにし
898 た上で検討しなさい。
899
900
901
902
903
904 本件事業計画変更認可が違法であることについて、
905 Dはどのような主張をすることが考えられ
906 るか、
907 検討しなさい。
908
909
910
911 〔設問2〕
912 Dは、
913 本件取消訴訟において、
914 本件事業計画変更認可の違法性を主張することができるか。
915
916 実体
917 法的観点及び手続法的観点の双方から、
918 想定される被告B地区組合の反論を踏まえて、
919 Dの立場か
920 ら検討しなさい。
921
922 ただし、
923 本件事業計画変更認可及び本件権利変換処分がいずれも取消訴訟の対象
924 となる処分に当たることを前提としなさい。
925
926
927
928 - 4 -
929
930 【S市都市計画課の会議録】
931 課長:本市でも組合施行の第一種市街地再開発事業が計画されています。
932
933 R市での訴訟と同種の訴訟
934 が提起されるかもしれません。
935
936 そこで、
937 R市での訴訟について検討しておこうと思います。
938
939 まず、
940
941 平成28年認可は取消訴訟の対象となるのでしょうか。
942
943
944 係長:最高裁判決(最高裁判所昭和60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821
945 頁)は、
946 土地区画整理組合の設立認可について、
947 それが事業施行権限を持つ強制加入団体の設立
948 行為であることを根拠として、
949 処分性を認めています。
950
951 市街地再開発組合についても同様に考え
952 ることができるでしょう。
953
954
955 課長:なるほど。
956
957 では、
958 本件事業計画変更認可の処分性はどうでしょうか。
959
960 本件事業計画変更認可に
961 よってもB地区組合の組合員には変更がないため、
962 上記最高裁判決にいう強制加入団体の設立で
963 あることを根拠として処分性を肯定できるか、
964 疑問があり得ます。
965
966 しかし、
967 実現されるべき事業
968 の内容を示す事業計画が変更されれば、
969 施行地区内の宅地の所有者等には何らかの影響が生じる
970 はずです。
971
972 組合設立認可を行うに当たっては事業計画も審査されますから、
973 同認可には、
974 強制加
975 入団体の設立以外の、
976 事業計画に関わる法的効果もあるものと考えられないでしょうか。
977
978
979 係長:では、
980 本件事業計画変更認可の処分性を肯定する論拠について、
981 強制加入団体の設立であると
982 いう点からではなく、
983 同認可が施行地区内の宅地の所有者等の権利義務や法的地位に対してどの
984 ような法的効果を有しているかという点から検討して御報告します。
985
986
987 課長:次に、
988 本件事業計画変更認可の違法性ですが、
989 第一に、
990 変更認可の申請があった後、
991 法第16
992 条が定める縦覧及び意見書提出手続が履践されていないようです。
993
994 これで問題はないのでしょう
995 か。
996
997
998 係長:検討して御報告します。
999
1000
1001 課長:第二に、
1002 第一種市街地再開発事業の施行区域は都市計画として定められるため、
1003 「一体的に開
1004 発し、
1005 又は整備する必要がある土地の区域について定めること」という都市計画基準(都市計画
1006 法第13条第1項第13号)を満たさなければなりません。
1007
1008 加えて、
1009 法第3条各号が掲げる施行
1010 区域の要件をも満たさなければなりません。
1011
1012 これらは、
1013 施行地区を変更する都市計画にも同様に
1014 適用されます。
1015
1016 まず、
1017 C地区の立地条件からみて、
1018 上記の都市計画基準を満たしているといえる
1019 のか、
1020 さらに、
1021 C地区は公園として整備される予定ですが、
1022 そのようにすることで法第3条第4
1023 号に定める施行区域の要件が満たされることになるのか、
1024 それぞれ疑問があります。
1025
1026
1027 係長:本件都市計画変更の違法性の問題ですね。
1028
1029 最高裁判決(最高裁判所昭和59年7月16日第二
1030 小法廷判決・判例地方自治9号53頁)は第一種市街地再開発事業に関する都市計画決定の処分
1031 性を否定していますから、
1032 その違法性は後続の処分の違法事由として主張することになります。
1033
1034
1035 本件事業計画変更認可に処分性が認められると仮定して、
1036 お示しいただいた事情を具体的に考慮
1037 し、
1038 同認可の違法事由となるかどうか検討してみます。
1039
1040
1041 課長:もっとも、
1042 本件事業計画変更認可については、
1043 処分性が認められたとしても既に認可の公告が
1044 あった日から6か月以上経過しています。
1045
1046 そのため、
1047 本件取消訴訟において同認可の違法性を主
1048 張することが考えられますが、
1049 可能でしょうか。
1050
1051
1052 係長:いわゆる違法性の承継の問題ですね。
1053
1054 この問題に関する最高裁判決(最高裁判所平成21年1
1055 2月17日第一小法廷判決・民集63巻10号2631頁)は違法性の承継の可否を検討する際
1056 の手掛かりとして、
1057 先行行為と後行行為が同一目的を達成するために行われ、
1058 両者が相結合して
1059 初めてその効果を発揮するものであるかという実体法的観点と、
1060 先行行為の適否を争うための手
1061 続的保障が十分に与えられているかという手続法的観点の二つを挙げています。
1062
1063
1064 課長:本件において被告B地区組合にとっては違法性の承継が否定される方が有利ですが、
1065 我々とし
1066 ては念のためにDの立場から、
1067 あり得る反論を踏まえつつ検討した上で、
1068 上記の二つの観点のい
1069 ずれからも違法性の承継が肯定されるという主張を考えてみましょう。
1070
1071
1072 係長:検討して御報告します。
1073
1074
1075
1076 - 5 -
1077
1078 【資料 関係法令】
1079 ○
1080
1081 都市計画法(昭和43年法律第100号)(抜粋)
1082 (市街地開発事業)
1083
1084 第12条
1085
1086 都市計画区域については、
1087 都市計画に、
1088 次に掲げる事業を定めることができる。
1089
1090
1091
1092 一〜三
1093 四
1094
1095 (略)
1096
1097 都市再開発法による市街地再開発事業
1098
1099 五〜七
1100 2
1101
1102 (略)
1103
1104 市街地開発事業〔注・第12条第1項各号に掲げる事業をいう。
1105
1106 〕については、
1107 都市計画に、
1108 市
1109 街地開発事業の種類、
1110 名称及び施行区域を定めるものとするとともに、
1111 施行区域の面積その他の政
1112 令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
1113
1114
1115
1116 3〜6
1117
1118 (略)
1119
1120 (都市計画基準)
1121 第13条
1122
1123 都市計画区域について定められる都市計画(中略)は、
1124 (中略)当該都市の特質を考慮し
1125
1126 て、
1127 次に掲げるところに従つて、
1128 土地利用、
1129 都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当
1130 該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを、
1131 一体的かつ総合的に定めなければな
1132 らない。
1133
1134 (以下略)
1135 一〜十二
1136 十三
1137
1138 (略)
1139
1140 市街地開発事業は、
1141 市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、
1142
1143 一体的に開発し、
1144 又は整備する必要がある土地の区域について定めること。
1145
1146
1147
1148 十四〜二十
1149 2〜6
1150 ○
1151
1152 (略)
1153
1154 (略)
1155
1156 都市再開発法(昭和44年法律第38号)(抜粋)
1157 (定義)
1158
1159 第2条
1160
1161 この法律において、
1162 次の各号に掲げる用語の意義は、
1163 それぞれ当該各号に定めるところによ
1164
1165 る。
1166
1167
1168 一
1169
1170 (略)
1171
1172 二
1173
1174 施行者
1175
1176 三
1177
1178 施行地区
1179
1180 市街地再開発事業を施行する土地の区域をいう。
1181
1182
1183
1184 四
1185
1186 公共施設
1187
1188 道路、
1189 公園、
1190 広場その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
1191
1192
1193
1194 五
1195
1196 宅地
1197
1198 市街地再開発事業を施行する者をいう。
1199
1200
1201
1202 公共施設の用に供されている国、
1203 地方公共団体その他政令で定める者の所有する土地以
1204
1205 外の土地をいう。
1206
1207
1208 六
1209
1210 施設建築物
1211
1212 七〜十三
1213
1214 市街地再開発事業によつて建築される建築物をいう。
1215
1216
1217
1218 (略)
1219
1220 (市街地再開発事業の施行)
1221 第2条の2
1222 2
1223
1224 (略)
1225
1226 市街地再開発組合は、
1227 第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発
1228 事業を施行することができる。
1229
1230
1231
1232 3〜6
1233
1234 (略)
1235
1236 (第一種市街地再開発事業の施行区域)
1237 第3条
1238
1239 都市計画法第12条第2項の規定により第一種市街地再開発事業について都市計画に定める
1240
1241 べき施行区域は、
1242 (中略)次に掲げる条件に該当する土地の区域でなければならない。
1243
1244
1245 一〜三
1246 四
1247
1248 (略)
1249
1250 当該区域内の土地の高度利用を図ることが、
1251 当該都市の機能の更新に貢献すること。
1252
1253
1254
1255 - 6 -
1256
1257 (事業計画)
1258 第7条の11
1259
1260 事業計画においては、
1261 国土交通省令で定めるところにより、
1262 施行地区(中略)、
1263 設計
1264
1265 の概要、
1266 事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。
1267
1268
1269 2〜6
1270
1271 (略)
1272
1273 (認可)
1274 第11条
1275
1276 第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は、
1277 5
1278
1279 人以上共同して、
1280 定款及び事業計画を定め、
1281 国土交通省令で定めるところにより、
1282 都道府県知事の
1283 認可を受けて組合〔注・市街地再開発組合〕を設立することができる。
1284
1285
1286 2〜5
1287
1288 (略)
1289
1290 (宅地の所有者及び借地権者の同意)
1291 第14条
1292
1293 第11条第1項(中略)の規定による認可を申請しようとする者は、
1294 組合の設立について、
1295
1296
1297 施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地につい
1298 て借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければならない。
1299
1300 この場合に
1301 おいては、
1302 同意した者が所有するその区域内の宅地の地積と同意した者のその区域内の借地の地積
1303 との合計が、
1304 その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の3分の2以上でなければならな
1305 い。
1306
1307
1308 2
1309
1310 (略)
1311 (事業計画の縦覧及び意見書の処理)
1312
1313 第16条
1314
1315 都道府県知事は、
1316 第11条第1項(中略)の規定による認可の申請があつたときは、
1317 施行
1318
1319 地区となるべき区域(中略)を管轄する市町村長に、
1320 当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供させな
1321 ければならない。
1322
1323 (以下略)
1324 2
1325
1326 当該第一種市街地再開発事業に関係のある土地(中略)について権利を有する者(中略)は、
1327 前
1328 項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、
1329 縦覧期間満了の日の翌日から
1330 起算して2週間を経過する日までに、
1331 都道府県知事に意見書を提出することができる。
1332
1333 (以下略)
1334
1335 3〜5
1336
1337 (略)
1338
1339 (認可の基準)
1340 第17条
1341
1342 都道府県知事は、
1343 第11条第1項(中略)の規定による認可の申請があつた場合において、
1344
1345
1346 次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、
1347 その認可をしなければならない。
1348
1349
1350 一、
1351 二
1352 三
1353
1354 (略)
1355
1356 事業計画(中略)の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合せず、
1357 又は事
1358 業施行期間が適切でないこと。
1359
1360
1361
1362 四
1363
1364 (略)
1365
1366 (認可の公告等)
1367 第19条
1368
1369 都道府県知事は、
1370 第11条第1項(中略)の規定による認可をしたときは、
1371 遅滞なく、
1372 国
1373
1374 土交通省令で定めるところにより、
1375 組合の名称、
1376 事業施行期間、
1377 施行地区(中略)その他国土交通
1378 省令で定める事項を公告し、
1379 かつ、
1380 国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表
1381 示する図書を送付しなければならない。
1382
1383
1384 2〜4
1385
1386 (略)
1387
1388 (組合員)
1389 第20条
1390
1391 組合が施行する第一種市街地再開発事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地
1392
1393 権を有する者は、
1394 すべてその組合の組合員とする。
1395
1396
1397 2
1398
1399 (略)
1400 (定款又は事業計画若しくは事業基本方針の変更)
1401
1402 第38条
1403
1404 組合は、
1405 定款又は事業計画(中略)を変更しようとするときは、
1406 国土交通省令で定めると
1407
1408 ころにより、
1409 都道府県知事の認可を受けなければならない。
1410
1411
1412
1413 - 7 -
1414
1415 2
1416
1417 (中略)第14条(中略)の規定は組合が事業計画(中略)を変更して新たに施行地区に編入し
1418 ようとする土地がある場合に、
1419 (中略)第16条の規定は事業計画の変更(政令で定める軽微な変
1420 更を除く。
1421
1422 )の認可の申請があつた場合に、
1423 (中略)第17条及び第19条の規定は前項の規定に
1424 よる認可について準用する。
1425
1426 この場合において、
1427 (中略)第16条第1項中「施行地区となるべき
1428 区域(中略)」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と、
1429 (中略)第19条
1430 第1項中「認可」とあるのは「認可に係る定款又は事業計画についての変更の認可」と(中略)読
1431 み替えるものとする。
1432
1433
1434 (建築行為等の制限)
1435
1436 第66条
1437
1438 第60条第2項各号に掲げる公告〔注・組合が施行する第一種市街地再開発事業にあって
1439
1440 は、
1441 第19条第1項の公告又は新たな施行地区の編入に係る事業計画の変更の認可の公告〕があつ
1442 た後は、
1443 施行地区内において、
1444 第一種市街地再開発事業の施行の障害となるおそれがある土地の形
1445 質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、
1446 改築若しくは増築を行い、
1447 又は政令で定める移動
1448 の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、
1449 都道府県知事(市の区域内において
1450 (中略)組合(中略)が施行(中略)する第一種市街地再開発事業にあつては、
1451 当該市の長。
1452
1453 (中
1454 略))の許可を受けなければならない。
1455
1456
1457 2〜9
1458
1459 (略)
1460
1461 (権利変換を希望しない旨の申出等)
1462 第71条
1463
1464 (中略)第19条第1項の規定による公告(中略)があつたときは、
1465 施行地区内の宅地
1466
1467 (中略)について所有権(中略)を有する者(中略)は、
1468 その公告があつた日から起算して30日
1469 以内に、
1470 施行者に対し、
1471 (中略)権利の変換を希望せず、
1472 自己の有する宅地、
1473 借地権若しくは建築
1474 物に代えて金銭の給付を希望し、
1475 又は自己の有する建築物を施行地区外に移転すべき旨を申し出る
1476 ことができる。
1477
1478
1479 2、
1480 3
1481 4
1482
1483 (略)
1484
1485 第1項の期間経過後6月以内に第83条の規定による権利変換計画の縦覧の開始(中略)がされ
1486 ないときは、
1487 当該6月の期間経過後30日以内に、
1488 第1項(中略)の規定による申出を撤回し、
1489 又
1490 は新たに第1項(中略)の規定による申出をすることができる。
1491
1492 (以下略)
1493
1494 5
1495
1496 事業計画を変更して従前の施行地区外の土地を新たに施行地区に編入した場合においては、
1497 前項
1498 前段中「第1項の期間経過後6月以内に第83条の規定による権利変換計画の縦覧の開始(中略)
1499 がされないときは、
1500 当該6月の期間経過後」とあるのは、
1501 「新たな施行地区の編入に係る事業計画
1502 の変更の公告又はその変更の認可の公告があつたときは、
1503 その公告があつた日から起算して」とす
1504 る。
1505
1506
1507
1508 6〜8
1509
1510 (略)
1511
1512 (権利変換計画の決定及び認可)
1513 第72条
1514
1515 施行者は、
1516 前条の規定による手続に必要な期間の経過後、
1517 遅滞なく、
1518 施行地区ごとに権利
1519
1520 変換計画を定めなければならない。
1521
1522 この場合においては、
1523 (中略)組合(中略)にあつては都道府
1524 県知事の認可を受けなければならない。
1525
1526
1527 2〜5
1528
1529 (略)
1530
1531 (権利変換計画の縦覧等)
1532 第83条
1533
1534 個人施行者以外の施行者は、
1535 権利変換計画を定めようとするときは、
1536 権利変換計画を2週
1537
1538 間公衆の縦覧に供しなければならない。
1539
1540 この場合においては、
1541 あらかじめ、
1542 縦覧の開始の日、
1543 縦覧
1544 の場所及び縦覧の時間を公告するとともに、
1545 施行地区内の土地又は土地に定着する物件に関し権利
1546 を有する者及び参加組合員又は特定事業参加者にこれらの事項を通知しなければならない。
1547
1548
1549 2〜5
1550
1551 (略)
1552
1553 (権利変換の処分)
1554 第86条
1555
1556 施行者は、
1557 権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき(中略)は、
1558 遅滞なく、
1559 国
1560
1561 - 8 -
1562
1563 土交通省令で定めるところにより、
1564 その旨を公告し、
1565 及び関係権利者に関係事項を書面で通知しな
1566 ければならない。
1567
1568
1569 2
1570
1571 権利変換に関する処分は、
1572 前項の通知をすることによつて行なう。
1573
1574
1575
1576 3
1577
1578 (略)
1579
1580 ○
1581
1582 都市再開発法施行令(昭和44年政令第232号)(抜粋)
1583 (縦覧手続等を要しない事業計画等の変更)
1584
1585 第4条
1586
1587 事業計画の変更のうち法第38条第2項(中略)の政令で定める軽微な変更(中略)は、
1588 次
1589
1590 に掲げるものとする。
1591
1592
1593 一
1594
1595 都市計画の変更に伴う設計の概要の変更
1596
1597 二
1598
1599 施設建築物の設計の概要の変更で、
1600 最近の認可に係る当該施設建築物の延べ面積の10分の1
1601 をこえる延べ面積の増減を伴わないもの
1602
1603 三
1604
1605 事業施行期間の変更
1606
1607 四
1608
1609 資金計画の変更
1610
1611 五
1612
1613 その他第2号に掲げるものに準ずる軽微な設計の概要の変更で、
1614 国土交通省令〔注・施設建築
1615 敷地内の主要な給排水施設や消防用水利施設等の位置の変更等が挙げられている〕で定めるもの
1616
1617 2、
1618 3
1619 ○
1620
1621 (略)
1622
1623 都市再開発法施行規則(昭和44年建設省令第54号)(抜粋)
1624 (組合施行に関する公告事項)
1625
1626 第11条
1627
1628 (略)
1629
1630 2
1631
1632 (略)
1633
1634 3
1635
1636 法第38条第2項において準用する法第19条第1項(中略)の国土交通省令で定める事項は、
1637
1638 次に掲げるものとする。
1639
1640
1641 一
1642
1643 (略)
1644
1645 二
1646
1647 (中略)施行地区(中略)に関して変更がされたときは、
1648 その変更の内容
1649
1650 三、
1651 四
1652 五
1653
1654 (略)
1655
1656 事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたとき(中略)は、
1657
1658 権利変換を希望しない旨の申出をすることができる期限
1659
1660 六
1661
1662 (略)
1663
1664 - 9 -
1665
1666